６大学連携オンコロジーチーム養成プラン

FD海外研修報告

- Chiang Mai University

- Maharaj Nakorn Chiang Mai Hospital

- Saraphi Hospital

- Saraphi Rehabilitation Center

2011/09/05-09/06

・平井みどり（神戸大学大学院医学研究科薬剤学） ・鶴谷純司（近畿大学医学部 腫瘍内科学） ・田中登美（大阪府立大学大学院看護学研究科 がん看護専門薬剤師） ・藤原季美子（近畿大学医学部附属病院 がん専門薬剤師） ・古池麻衣子（神戸大学医学部研究支援課 がんプロ担当）

2011年9月5日 Study Visit :Cancer Care

於：Maharaj Nakorn Chaing Mai Hospital内Boonsom Meeting Room

Ass.Prof.

Dr.Busyamas

Chewaskulyong

西條先生・福岡先生と知り合い

Dr.AEKKASIT

THRAVICHITKUL

（放射線治療医） 近大の西村先生に師事 多職種による活発なディスカッションが

行われたBoonsom Meething Room Welcome Ceremonyの様子

• 副院長によるChiang Mai Univ. の紹介

• 自己紹介（腫瘍内科医、薬剤師、看護師、放射線治療医活動紹介。

• ウェルカム・セレモニー

• 活動紹介①

Care of Cancer patients receiving chemotherapy

(Ass.Prof. Dr.Busyamas Chewaskulyong)

Care of Cancer Patients (Dr.AEKKASIT THRAVICHITKUL)

• 活動紹介②

がんプロフェッショナル養成プランによる

６大学連携オンコロジーチーム養成プランについて（平井みどり）

Cancer Treatment and Research Center

Maharaj Chaing Mai Hospitalのエントランス脇には仏陀の礼拝堂と民族音楽の演奏があり、ホールでもボランティアによる演奏会が日常的に行われている。

放射線治療装置と

治療計画装置

皆の関心を集めたポスター： がん疼痛における音楽療法の治療効果

エビデンスは緑色の部分に記載されている

外来化学療法室：テクニシャンがミキシングを行うので、薬剤師はレジメンチェックや監査が主体である。

Radiation Biologyのラボ訪問

外来化学療法室や病棟配置人数は決して多くないが、チェック用紙等を活用して患者のアセスメントをしっかりと行っている。

外来化学療法センター(OPD)

入院化学療法棟（IPD）

One Day Chemotherapy Unit 「患者さんのために」と用意されたマッサージ器具やお菓子、ハーブ類。希望者には仏陀の小さなレリーフも配布している。

わかりやすい内容のパンフレット類も常備されメンタル面のチェックも行っている。部屋の中にはちゃんと仏陀を祀った祠もあり、心の平穏に気を使っているが、現在のところ仏教徒用のものしか用意がないとのことである。

笑顔で非常にゆったりとした雰囲気にさせてくれる看護師さんが印象的である。

どのように患者対応を行っているか、実際に使っているツールを基に具体的に説明。

患者さんが亡くなった後のことも考慮して、仏具類も用意している。

患者さんが亡くなった場合、チェンマイ市内であれば、看護師は葬儀にも出席するとのことである。

廊下にはスピリチュアルなイメージ図も掲示している。

Palliative medicineにおけるspiritual careに

仏教が多大な影響を及ぼしていることが印象深かった

リハビリテーションセンターで行っている治療： タイ北部の伝統的な火を使ったマッサージ：「ヤムカン」

Saraphi Hospital

Saraphi rehabilitation center

大学病院や地域の病院と連携して地域医療を行っている国立病院。

ナースステーションには患者からのコールのシステムを有さず、患者家族の付き添いが義務付けられている。

伝統医療を実践する施設は、寺院が土地を提供しているが、病院の師長であったナースがマネジメントを

し、伝統医療を教育する大学の卒業生の女性が働いており、伝統的なハーブのお茶や、アロマセラピー、

カイロプラクティック、ハーブサウナなど、様々な活動が行われている。

医療にお金をかけられないような、地域の人たちに、安価な伝統医療を提供すると共に、栄養管理を含め

た健康教育を行って、地域住民の健康を守ろうというコンセプトのように見受けられた。

本施設はボランティアや、市からの援助で経営されているとのことであった。

2011年９月６日 地域に密着した本当の意味での地域医療に取り組んでいる現場を訪問

サマリー

タイでは男女とも肺がんの罹患率が高く、がん医療については

化学療法と放射線治療の占める位置は大きい。

しかし、腫瘍内科は後発の診療科であり医師は4名、他科との連携

のもとに頑張っている印象であった。

放射線治療のための専用の棟があり、治療装置は地下に配置され

外来患者も地下で診察を受けていた。

がん病棟や外来化学療法における看護師の存在は大きく、患者の

身体的ケアのみならず、精神的ケアも積極的に行っている。

薬剤部においては、抗がん剤ミキシングは無菌室で薬剤助手が行う

ため、薬剤師はレジメンチェックや監査が中心業務であった。

全体として、患者数は多いがゆったりとしており、スタッフも笑顔で

気分的に余裕があるように感じられた。仏教が国民に浸透しており

患者のケアにも活用されている。多職種での教育は緒に就いた

ばかりということであったが、がん医療のチームワークはよくとれて

いる印象をうけた。