Upload
others
View
1
Download
0
Embed Size (px)
Citation preview
6.施 設 計 画
- 119 -
- 120 -
6 施設計画 下水道施設として大きく管渠・ポンプ場・処理場に分類され,施設規模の決定に
あたっては先に整理した汚水量・雨水量をもとに規模の算出を行っている。 このため,施設計画を行うにあたり以下の設計基準に準じて施設規模等を設定す
るものとする。
6-1 管渠施設設計計画
6-1-1 管渠施設設計基準
(1)平均流速公式 管渠の流量計算のための平均流速公式には,クッター式とマニング式が用いられ
ているが,ここではクッター式を用いるものとする。 Q=A・V
V=23 +
1n +
0.00155I
1+(23 + 0.00155
I )・nR
・ R・I
Q :流量(m3/s) A :流水の断面積(m2) n :粗度係数(ヒューム管 0.013,塩ビ管 0.010)
R :径深(m)(= A
P )
P :流水の潤辺長(m) I :勾配
(2)管内流速 管内における下水中の沈殿物の堆積防止,流水による管渠の損傷防止のため,汚
水管,雨水管の 小流速, 大流速を以下のように設定する。 汚水管渠 0.6m/s~3.0m/s 雨水管渠 0.8m/s~3.0m/s
(3)最小管径及び余裕 ① 小管径 小管径は,汚水管渠 150 ㎜,雨水管渠 250 ㎜とする。 なお,本市の下水道は小規模下水道には該当しないが,工事コストの縮減等を
考慮して汚水管渠の 小管径を 150 ㎜とした。
- 121 -
② 余裕 a. 汚水管渠 汚水量の変動や,計画汚水量に見込まれない混入水等を考慮し,計画汚水量
に対し以下の余裕をみる。 小管径 ○・150 ~ ○・600 ・・・・・・100%程度 b. 雨水管渠 雨水管渠の余裕は,原則として見込まない。
(4)その他の設計条件 ① 管渠の接合 管渠の接合は,管項接合を原則とする。 また,マンホールでの損失水頭や施工誤差を考慮し, 小段差(ステップ)を
0.03mとする。 ② 小土被り 小土被りは,以下の点を考慮し,1.2mとする。 a. 交通による輪荷重に対し,管渠が強度的に安全であること b. 本管と取付管の接続が可能であること c. 凍上現象に対して安全であること ③ 管種 管種は,経済性等を考慮し,以下の通りとする。 a. 汚水管渠 ○・200 以下 ··········· 塩ビ管 ○・250 以上 ··········· ヒューム管 b. 雨水管渠 施工条件によりヒューム管またはボックスカルバートとする。 ④ マンホール マンホールは,管渠の起点,合流点,方向・断面の変化点に設ける。また,直
線部においても,以下に示す範囲でマンホールを設ける。 a. 汚水管渠 大間隔 100mとする。 b. 雨水管渠 大間隔は管径別に表 6-1の通りとする。
- 122 -
表 6-1 マンホールの管径別最大間隔(雨水)
管渠(mm) 300 以下 600 以下 1,000 以下 1,500 以下 1,650 以上
大間隔(m) 50 75 100 150 200
6-2 汚水施設計画
計画人口,計画汚水量の変更に伴い,汚水施設計画を見直す。 根幹的施設計画については,平成 10 年度の見直し時に,それまで 2 処理区として
予定した全体計画を 1 処理区へ変更を行った。 これに伴い,見直した根幹的施設(幹線管渠及びポンプ場)を中心とした事業の実
施を行ってきた。 このため,全体計画の見直しに伴う施設計画の変更点としては,全体計画区域縮
小(将来市街地の減少)に基づく幹線の見直しを行うものとする。 また,人口フレーム等の見直しに基づく汚水量減少に関して,これら根幹的施設
に対し反映させ施設規模を明確にするものである。 施設計画見直しにあたって,根幹的施設が既存施設であるため,これらの考え方
を踏襲し,将来,維持管理が容易であるよう極力自然流下を用いた幹線管渠,ポン
プ場,処理場の施設計画を行うと共に,各施設の基本方針を以下に示す。
6-2-1 幹線管渠計画
幹線管渠計画の基本方針を以下に示す。 ① 上登別地区,登別温泉地区,登別地区の汚水は,道道洞爺湖登別線に布設す
る登別 1 号幹線により集水し,登別川を横断して登別ポンプ場に流入させる。 ② 登別 1 号幹線は,登別ポンプ場から富浦地区を通過し,国道 36 号線を通過し
幸町の既存市街地の汚水を集水した後,岡志別川を横断し,幌別ポンプ場に流
入させる。 ③ 幌別地区の汚水は,幌別 2~9 号幹線により集水し,幌別 1 号幹線に流入させ
る。幌別 1 号幹線は,幌別ポンプ場から送水される汚水を受け,幌別地区の汚水
を集水し,鷲別 1 号幹線と合流した後,若山浄化センターに流入させる。 ③ 鷲別地区の汚水は,鷲別 2~8 号幹線により集水し,鷲別 1 号幹線に流入させ
る。鷲別 1 号幹線は,若山浄化センターの近傍で,幌別 1 号幹線に流入させる。 6-2-2 汚水ポンプ場計画
汚水管渠は,維持管理の容易性を考慮して可能な限り自然流下とする計画である
が,河川横断等により埋設深が深くなる場合には,ポンプ場を設置するものとする。
- 123 -
ポンプ場計画の概要を,表 6-2に示す。 また,これら以外の局部的な対応として,必要に応じマンホールポンプ所を設置
することとする。
表 6-2 ポンプ場計画の概要
計画面積 計画人口
(ha) (人) m3/日 m3/分
登別温泉ポンプ場 101.1 800 3,539 2.458 φ150 1.3m3/分×3台(1)
登 別 ポ ン プ 場 371.2 5,400 7,163 4.974 φ150 1.3m3/分×2台
φ200 2.6m3/分×2台(1)
幌 別 ポ ン プ 場 586.3 6,040 7,886 5.476 φ150 1.4m3/分×2台
φ200 2.8m3/分×2台(1)
若 草 ポ ン プ 場 283.4 13,560 9436 6.553 φ150 3.3m3/分×3台(1)
( )は予備機
計画汚水量ポンプ仕様名称
これら汚水施設計画について,幹線管渠の配置並びにポンプ場等の設計条件に関
して模式図形式により整理を行い図 6.1 に示す。
- 124 -
A=5
1.50
Q=0
.000
76
A=1
62.8
4A
=50.
63Q
=0.0
55Q
=0.0
137
A=3
5.57
A=4
9.60
Q=0
.009
7A
=173
.8Q
=0.0
402
A=4
7.20
Q=0
.047
0A
=27.
29Q
=0.0
160
Q=0
.004
2
A=1
84.7
1A
=35.
60Q
=0.0
295
Q=0
.009
7
A=3
7.00
Q=0
.012
5A
=64.
20A
=33.
18Q
=0.0
175
Q=0
.011
2A
=30.
30A
=25.
04Q
=0.0
103
Q=0
.008
5A
=23.
54A
=38.
10Q
=0.0
080
A=2
9.60
Q=0
.005
9Q
=0.0
080
A=3
2.00
A=2
0.00
Q=0
.008
7Q
=0.0
031
A=9
7.80
Q=0
.026
7
A=3
6.40
Q=0
.012
3
A=2
9.60
A=1
18.9
2Q
=0.0
080
Q=0
.040
2A
=26.
88Q
=0.0
091
幌別
9号
180
上登
別地
区
232-
1幌
別6号
231-
1
230-
1幌
別8-1号
150
登別
温泉
地区
150
登別
4号
168
164
登別
3号
169
211
幌別
3号
238
幌別
1号
幌別
2号
幌別
8号
239
鷲別
1号
119
115-
1鷲
別7号
112-
3
186
111-
1鷲
別3-1号
鷲別
6号
鷲別
2号
118B
鷲別
8号
109
113-
1
207
鷲別
4号
鷲別
5号
鷲別
9号
216-
1幌
別4号
登別
1幹
線
153
登別
2号
鷲別
3号
237A
220-
1幌
別5号
若山
浄化
セン
ター
T
P
鷲別
地区
面
積:5
41
.3
0ha
人
口:2
3,
00
0人
水
量:1
5,
82
9m
3/se
c
幌別
地区
面
積:5
85
.5
0ha
人
口:2
0,
60
0人
水
量:1
3,
75
9m
3/se
c
登
別地
区
面
積:2
70
.1
0ha
人
口:
4,
60
0人
水
量:3
,6
24
m3/se
c
登別
処理
区フ
ロー
チャ
ート
登
別処
理区
面
積:1
,4
98
.0
ha
人
口:4
9,
00
0人
水
量:3
6,
75
1m
3/se
c
鷲
別
1
号
幹
線幌
別
1
号
幹
線
登
別
1
号
幹
線
239
A=541.3
0Q
=0.1
83
239
A=944.6
0Q
=0.2
39
P
若草
ポン
プ場
110-1
A=283.4
0Q
=0.0
93
幌別
ポン
プ場
178
A=586.3
0Q
=0.0
929
A=36.7
0Q
=0.0
10
A=371.2
0Q
=0.0
829
P
登別
ポン
プ場
169
A=371.2
0Q
=0.0
829
- 125 -
6-3 雨水施設計画
6-3-1 雨水排水計画の概要
雨水排水計画は,地表勾配に沿った自然流下を原則として,近くの河川などに速
やかに排水するものとする。 排水区は,基本的には旧計画における設定を尊重するものとし,区域縮小につい
ては,河川流域等を考慮して設定した。 主要な放流先河川は,鷲別川,上鷲別川,富岸川,西富岸川,ヤンケシ川,徳消
川,幌別川,来馬川,岡志川,サト岡志別川,富浦川,登別川,伏古川などである。 雨水排水計画の概要を次頁以降に示す。
6-3-2 各排水区の流出係数
各排水区の流出係数は,排水区毎に用途別流出係数(表 5-4)を用途別面積で加
重平均して求める。次頁以降に排水区別の流出係数を示す。
- 126 -
表 6-3(1)雨水排水計画概要
- 127 -
表 6-3(2)雨水排水計画概要
- 128 -
表 6-3(3)雨水排水計画概要
- 129 -
表 6-3(4)雨水排水計画概要
- 130 -
表6-4 (1) 排
水区
別面
積及
び流
出係
数
- 131 -
表6-4 (2) 排
水区
別面
積及
び流
出係
数
- 132 -
表6-4 (3) 排
水区
別面
積及
び流
出係
数
- 133 -
表6-4 (4) 排
水区
別面
積及
び流
出係
数
- 134 -
6-4 終末処理場計画
6-4-1 処理区の検討
本市の下水道計画区域は,当初計画においては,幌別地区を中心として室蘭市の
隣接する鷲別地区までを含めた登別処理区と,登別地区を中心として登別温泉を含
めた登別東処理区の 2 処理区の下水道計画としていた。 しかし,平成 10 年度の下水道全体計画見直しにおいて,1 処理区として整備を行
うこととなった。
6-4-2 汚水処理施設共同整備(MICS)事業の検討
登別市のし尿・浄化槽汚泥は「登別市し尿処理場」で処理を行ってきたが,昭和
40 年の供用開始から 43 年が経過しており,施設の老朽化が著しい状況にある。 このため,し尿処理場に関して機能診断調査を行った結果,10 年以上施設を延命
するために約 10 億円 (新築事業費 約 15 億円) が必要と診断された。 また,公共下水道や個別排水処理施設整備事業(総務省所管)による浄化槽の普
及により,汲み取りし尿量が激減していくこと,さらに,浄化槽汚泥の量も少量で
あることなど,総合的に勘案し,し尿・浄化槽汚泥を下水道施設へ投入し,生活排
水処理の一元化を図ることが合理的であるとともに,行政コストの軽減になると判
断した。なお,施設を建設するにあたり「汚水処理施設共同整備事業(MICS 事業)」
により事業を進めることが も有利であると判断した。 このため,若山浄化センターにおいて,し尿・浄化槽汚泥を受け入れるし尿投入
施設を建設し下水道施設で処理することとする。
6-4-3 汚水処理方式の検討
若山浄化センターの汚水処理は,当初計画で,オキシデーションディッチ法及び
標準活性汚泥法の二つの処理方式を併用による高級処理を予定していた。 平成 10 年度の基本計画の見直しにおいて,前述したように,区域全体を 1 処理区
としたため,若山浄化センターの計画汚水量は,37,278m3/日となったが,当初計
画同様オキシデーションディッチ法と標準活性汚泥法の併用としていた。 しかし,処理場計画に関して検討を進め,平成 13 年にオキシデーションディッチ
法に統一を図り,これに準じた認可取得を行った。 このため,今回全体計画の見直しにおいて,処理方式の変更は行わない。 また,人口減少に起因した汚水量減少に伴い,汚水処理規模が減少となる。
- 135 -
6-4-4 汚泥処分計画
(1)汚泥処分計画 本市における汚泥処理処分方式としては,濃縮-機械脱水→【搬出】焼却(一般ゴ
ミとの混焼)-埋立を採用している。 下水汚泥の 終処分方法は,従来陸上埋立が主流であったが,下水道の整備が進
むにつれて,汚泥の発生量が増加し,処分地の確保が困難となりつつある。 このような状況を鑑み,本市ではクリンクルセンターにおいて,下水汚泥を焼却
(混焼)し減量化を図るものとする。 (2)汚泥処分の見通し
・ 登別市産廃処分場 登別市千歳町 245 番 2,245 番 7,263 番,263 番 2,264番,265 番 1,札内町 2 番 2,11 番 11,340 番 2
・ 埋立期間 37 年間を予定している。(平成 12 年から平成 49 年度まで)
- 136 -