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⻭周病検診マニュアル2015について 1 平成7年「⽼⼈保健法による⻭周疾患検診マニュアル」 平成27年「⻭周病検診マニュアル2015」より 平成 27 年度大阪府歯科口腔保健推進研修会

⻭周病検診マニュアル周病検診とは 目的 疾病の発 のみならず、検診の実施により 管理 能 を 揚させ、実践へ結びつけることにより豊かな

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⻭周病検診マニュアル2015について

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平成7年「⽼⼈保健法による⻭周疾患検診マニュアル」平成27年「⻭周病検診マニュアル2015」より

平成 2 7年度大阪府歯科口腔保健推進研修会

⻭周病検診マニュアル2015策定の背景

2平成27年度⼤阪府⻭科⼝腔保健推進研修会

昭和53〜 第1次国⺠健康づくり運動

昭和63〜 アクティブ80ヘルスプラン(第1次国⺠健康づくり運動)

平成12〜 健康日本21(第3次国⺠健康づくり運動)

平成25〜 健康日本21(第二次)(第4次国⺠健康づくり運動)

平成15 健康増進法

昭和62 ⽼⼈保健事業重点健康教育として「⻭の健康教育」重点健康相談として「⻭の健康相談」を追加

平成7 ⽼⼈保健事業総合健康診査として「⻭周疾患検診」を追加

平成7 ⻭周疾患検診マニュアル平成12 節目検診(40歳、50歳)を対象とする

「⻭周疾患検診」として独⽴

平成12 ⻭周疾患検診マニュアル改定

平成17 ⻭周疾患検診の対象年齢の拡⼤(40、50、60及び70歳に拡大)

平成20 健康増進事業

【国⺠健康づくり運動の主な流れ】 【⻭周疾患検診の主な流れ】

平成27 ⻭周病検診マニュアル2015

平成27年度⼤阪府⻭科⼝腔保健推進研修会

⻭周病について

⻭槽⾻

⻭⾁

セメント質

⻭根膜

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⻭周病検診とは

目的疾病の発⾒のみならず、検診の実施により⾃⼰管理能⼒を⾼揚させ、実践へ結びつけることにより豊かな高齢期を迎えることを目的とするものである。

対象者40歳、50歳、60歳および70歳の男⼥

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4平成27年度⼤阪府⻭科⼝腔保健推進研修会

⻭周病検診マニュアル2015(内容抜粋)検診項目1.問診2.口腔内診査3.検診結果の判定

結果の通知・説明と⻭科保健指導1.説明・指導の場の設定2.診査結果の説明3.判定区分に基づく指導

1

5平成27年度⼤阪府⻭科⼝腔保健推進研修会

1.問診(1)自覚症状等

⻭・⼝腔に関する⾃覚症状等の有無

(2)⻭科健康診査や⻭科医療機関等の受診状況どのような動機で受診し、その際どのような指摘・指導を受けたかの確認を⾏うことが望ましい

(3)生活習慣や身体的因子1⽇の⻭みがき回数や、⻭ブラシ・補助的清掃⽤具の使⽤状況等についての確認を⾏うことが望ましい

検診項目1

平成27年度⼤阪府⻭科⼝腔保健推進研修会 6

2.口腔内診査(1)現在⻭の状況

(2)喪失⻭の状況

(3)⻭周組織の状況

(4)口腔清掃状態

(5)その他の所⾒

検診項目1

平成27年度⼤阪府⻭科⼝腔保健推進研修会 7

WHOプローブを用い、CPI(Community Periodontal Index,地域⻭周疾患指数)を測定する。なお、WHOから新たに示された改定法に準拠して測定を⾏うが、集団検診等の特性を勘案し、対象⻭は改定CPI法で提⽰された全⻭ではなく、以下に記載する特定⻭とする。

8

検診項目1

2.口腔内診査(3)⻭周組織の状況

平成27年度⼤阪府⻭科⼝腔保健推進研修会

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2717 16 15 14 13 12 11 21 22 23 24 25 26

3747 46 45 44 43 42 41 31 32 33 34 35 36

①対象⻭ 下記の⻭を各分画の代表⻭とする。(3)⻭周組織の状況2.口腔内診査

検診項目1

平成27年度⼤阪府⻭科⼝腔保健推進研修会

②診査方法WHOプローブ先端の球を⻭の

表⾯に沿って滑らせる程度の軽い⼒(20g以下)で操作し、遠心の接触点直下から、やさしく上下に動かしながら近心接触点直下まで移動させる。

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(3)⻭周組織の状況2.口腔内診査

検診項目1

0.5mm

3.5mm

5.5mm

WHOプローブ

8.5mm

11.5mm

平成27年度⼤阪府⻭科⼝腔保健推進研修会

WHOプローブによる測定基準 【⻭肉出血】

(3)⻭周組織の状況2.口腔内診査

検診項目1

0 1

平成27年度⼤阪府⻭科⼝腔保健推進研修会

11

(3)⻭周組織の状況2.口腔内診査

検診項目1

WHOプローブによる測定基準 【⻭周ポケット】

0 1 1 2 12

12平成27年度⼤阪府⻭科⼝腔保健推進研修会

検診項目1

コード 所⾒ 判定基準

歯肉出血

0 健全 以下の所⾒がすべて認められない

1 出血あり プロービング後10〜30秒以内に出血が認められる

9 除外⻭ プロービングが出来ない⻭(例:根の露出が根尖に及ぶ)

× 該当する⻭なし

(3)⻭周組織の状況 CPIの判定基準新旧対応表2.口腔内診査

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コード 所⾒ 判定基準

歯周ポケット

0 健全 以下の所⾒がすべて認められない

1 4〜5mmに達するポケット グローブの⿊い部分に⻭⾁縁が位置する

2 6mmを超えるポケット プローブの⿊い部分が⾒えなくなる

9 除外⻭ プロービングが出来ない⻭(例:根の露出が根尖に及ぶ)

× 該当する⻭なし

コード 所⾒ 判定基準

0 健全 以下の所⾒がすべて認められない

1 出血あり プロービング後10〜30秒以内に出血が認められる

2 ⻭⽯あり ⻭⾁縁上または縁下に⻭⽯を触知する

3 4〜5mmに達するポケット

プローブの⿊い部分に⻭⾁縁が位置する

4 6mmを超えるポケット

プローブの⿊い部分が⾒えなくなる

平成27年度改正後 平成12年度改正時

平成27年度⼤阪府⻭科⼝腔保健推進研修会

・ CPIの検査対象について、ほとんど⻭垢の存在が認められない状態を「良好」とする。また、1⻭以上の⻭の⻭⾁炎に⻭⾯の1/3を超えて⻭垢が認められる場合を「不良」とし、それ以外を「普通」とする。

・⻭⽯の付着については、「なし」、「軽度(点状)あり」、「中等度(帯状)以上あり」とする。

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検診項目1

2.口腔内診査(4)口腔清掃状態

平成27年度⼤阪府⻭科⼝腔保健推進研修会

診査結果に基づき以下のように判定する。

① 異常なし

② 要指導

③ 要精密検査

3.検診結果の判定

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検診項目1

平成27年度⼤阪府⻭科⼝腔保健推進研修会

①異常なし

未処置⻭・要補綴⻭・その他の所⾒が認められず、CPI個⼈コードが⻭⾁出⾎0、⻭周ポケット0の者

3.検診結果の判定

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検診項目1

平成27年度⼤阪府⻭科⼝腔保健推進研修会

②要指導未処置⻭・要補綴⻭・その他の所⾒が認められず、

下記の項目に1つ以上該当する者

(ア)CPI個⼈コードが⻭⾁出⾎1、⻭周ポケット0の者

(イ)口腔清掃状態が不良の者

(ウ)⻭⽯の付着(軽度、中等度以上)がある者

(エ)生活習慣や全⾝疾患、⻭科医療機関等の受診状況等、

指導を要する者

3.検診結果の判定

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検診項目1

平成27年度⼤阪府⻭科⼝腔保健推進研修会

③要精密検査以下の項目に1つ以上該当し、さらに詳しい診査

や治療が必要な者(ア)CPI個⼈コード=⻭周ポケット1(イ)CPI個人コード=⻭周ポケット2(ウ)未処置⻭あり(エ)要補綴⻭あり(オ)⽣活習慣や全⾝疾患等、更に詳しい検査や治療を

要する者(カ)その他所⾒でさらに詳しい検査や治療が必要な項

目のある者

3.検診結果の判定

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検診項目1

平成27年度⼤阪府⻭科⼝腔保健推進研修会

健康増進事業実施要領 新旧対応表改正後 改正前

第3 健康増進法第19条の2に基づく健康増進事業

1 総論2 ⻭周疾患検診(略)

(4) 検診結果の判定「⻭周疾患検診マニュアル」(厚⽣省)⼜は「⻭周病健診マニュアル2015」に基づき、「異常なし」、「要指導」及び「要精検」に区分する。(略)

第3 健康増進法第19条の2に基づく健康増進事業

1 総論2 ⻭周疾患検診(略)

(4) 検診結果の判定「⻭周疾患検診マニュアル」(厚⽣省)に基づき、「異常なし」、「要指導」及び

「要精検」に区分する。(略)

平成27年度⼤阪府⻭科⼝腔保健推進研修会 19

結果の通知・説明と⻭科保健指導

1.説明・指導の場の設定

2.診査結果の説明

3.判定区分に基づく指導

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結果の通知・説明と⻭科保健指導2

平成27年度⼤阪府⻭科⼝腔保健推進研修会

1.説明・指導の場の設定○個別検診⽅式で実施している場合、検診と医療を区別することが必要であることから、健診当⽇は治療を⾏わないことが望ましい。

2.診査結果の説明○要精密検査該当者のうちCPI個⼈コードが⻭周ポケット1または2については、⻭周病治療を⾏うにあたり⻭周組織検査を⾏うこととなる。医療費(検査料等)についてのトラブルを防ぐためにも、医療として⾏う⻭周組織検査と検診で⾏うCPIとの違いについて、あらかじめ受診者に対して説明することが望ましい。

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結果の通知・説明と⻭科保健指導2

平成27年度⼤阪府⻭科⼝腔保健推進研修会

判定区分 保健指導内容

異常なし受診者の状況に応じてう蝕や⻭周病などの⻭科疾患に対する予防や⻭や⼝腔の健康維持増進を図る情報や知識を提供することで、今後の気づきに繋げる。

要指導

受診者の状況に応じてう蝕や⻭周病などの⻭科疾患に対する予防や⻭や⼝腔の健康維持増進を図る情報や知識の提供及び、改善を必要とする日常生活については改善に繋がるよう動機づけとなる指導をおこなう。

要精密検査受診者の状況に応じてう蝕や⻭周病などの⻭科疾患に対する予防や⻭や⼝腔の健康維持増進を図るための⽬標を決め、改善を必要とする日常生活については改善に繋がるよう指導をおこなう。

3.判定区分に基づく指導の要点の⼀例

結果の通知・説明と⻭科保健指導2

平成27年度⼤阪府⻭科⼝腔保健推進研修会 22

平成27年度⼤阪府⻭科⼝腔保健推進研修会

ご清聴ありがとうございました。

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