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⑮自動車の側面衝突時におけるカーテンエアバッグの効果について 自動車安全研究領域 細川 成之 米澤 英樹 田中 良知 松井 靖浩 我が国では,これまで自動車乗車中乗員の死亡数を 低減するために,自動車の乗員保護性能に関する技術 基準及び JNCAP Japan New Car Assessment Program :市販車の安全性能を実車でテストし結果を 公表する事により,安全性能の高い車両を普及させる ための事業)を整備することにより対応してきた.出 会い頭事故等に多い側面衝突事故についても同様で, 現在の試験法は ECE/R95 をベースに実施している. 一方で,車両側の対策として,近年,カーテン・サイ ド・エアバッグ(以下, CSAB Curtain Side Air Bagと記述する)を装備する車両が多く見られるようにな ってきた. CSAB は一般に,電柱や立木などの地上 構造物との側面衝突時の乗員保護対策として効果が 高い乗員保護装置とされてきたが,最近の研究により 車両同士の衝突事故においても有効な対策であると 考えられている 1) そこで,本報告では,自動車の側面衝突時における カーテンエアバッグの効果について,車両質量の異な る車種を用いて実車試験を行った結果について報告 する. 調 市場での側面衝突事故の実態を把握するために,平 17 年から平成 19 年までの 3 年間の側面衝突死亡 事故について,衝突車及び被衝突車の車両質量に着目 して調査を実施した.なお,分析の対象となる事故は, 被衝突車が軽自動車及び普通乗用車の死亡事故に限 定し,多重衝突事故やシートベルト非着用等を除外し た.被衝突車と衝突車の車両質量別死者数を図1に示 す.なお,衝突車死者数で示す数値は,当該質量の車 両が衝突した場合の被衝突車側車両の死者数を示す. 被衝突車死者数の 77%が 1250kg 以下の車両であ るのに対して,1250kg 以下の車両が衝突車となった 場合の被衝突車側死者数は 27%であった.また,車両 質量が 1500kg 以上の車両は,被衝突側であった場合 の死亡車事故が 7%なのに対して,衝突側となった場 合は 57%であった.つまり,軽い車両は被害性が高く, 車両質量の大きい車両は加害性が高いことが明らか となった. 図1 側面衝突事故における被衝突車の質量別死者の割合 (平成 17 年~19 年:141 人) 側面衝突時において,側突車乗員の傷害低減に有効 とされる CSAB の効果について,実車衝突実験によ り確認した.試験方法は,事故調査結果や乗車位置調 査結果もふまえて,日欧の側面衝突試験法(衝突車速 50km/h)を基本とし,ダミーの乗車位置は市場実 態を考慮してダミー頭部重心が B ピラー中央と重な る位置に調節して実施した 1) .また,実験に用いる車 両は,事故調査結果から小型普通乗用車と車両質量の 軽い軽自動車を用いた.CSAB 有りと無しの車両を それぞれ同一条件で実験を行うことで,その効果につ いて確認した.今回使用した試験車において CSAB 有りの場合は,サイドエアバッグ(SABSide Air Bag)も装備されているので合わせて SAB の効果の 確認も実施した. 10001250kg 1000kg 軽自動車 12501500kg 15001750kg 1750kg15 10 13 6 16 4 0% 被衝突車質量別の 被衝突車側試射割合 45% (63) 11% (16) 11% (15) 7% (10) 21% (30) 9% (13) 16% (23) 15% (21) 4% (6) 11% (16) 46% (65) 衝突車質量別の 被衝突車側死者割合 20% 40% 60% 80% 100% 3% (4) 77 % 57 % 7 % 27 % –184–

⑮自動車の側面衝突時におけるカーテンエアバッグ …ド・エアバッグ(以下,CSAB 「Curtain Side Air Bag 」 と記述する)を装備する車両が多く見られるようにな

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Page 1: ⑮自動車の側面衝突時におけるカーテンエアバッグ …ド・エアバッグ(以下,CSAB 「Curtain Side Air Bag 」 と記述する)を装備する車両が多く見られるようにな

⑮自動車の側面衝突時におけるカーテンエアバッグの効果について

自動車安全研究領域 ※細川 成之 米澤 英樹 田中 良知 松井 靖浩

1.はじめに

我が国では,これまで自動車乗車中乗員の死亡数を

低減するために,自動車の乗員保護性能に関する技術

基準及び JNCAP(Japan New Car Assessment Program:市販車の安全性能を実車でテストし結果を公表する事により,安全性能の高い車両を普及させる

ための事業)を整備することにより対応してきた.出

会い頭事故等に多い側面衝突事故についても同様で,

現在の試験法はECE/R95をベースに実施している.一方で,車両側の対策として,近年,カーテン・サイ

ド・エアバッグ(以下,CSAB 「Curtain Side Air Bag」と記述する)を装備する車両が多く見られるようにな

ってきた. CSAB は一般に,電柱や立木などの地上構造物との側面衝突時の乗員保護対策として効果が

高い乗員保護装置とされてきたが,最近の研究により

車両同士の衝突事故においても有効な対策であると

考えられている1). そこで,本報告では,自動車の側面衝突時における

カーテンエアバッグの効果について,車両質量の異な

る車種を用いて実車試験を行った結果について報告

する.

2.事故調査

市場での側面衝突事故の実態を把握するために,平

成17 年から平成19 年までの3 年間の側面衝突死亡事故について,衝突車及び被衝突車の車両質量に着目

して調査を実施した.なお,分析の対象となる事故は,

被衝突車が軽自動車及び普通乗用車の死亡事故に限

定し,多重衝突事故やシートベルト非着用等を除外し

た.被衝突車と衝突車の車両質量別死者数を図1に示

す.なお,衝突車死者数で示す数値は,当該質量の車

両が衝突した場合の被衝突車側車両の死者数を示す. 被衝突車死者数の 77%が 1250kg 以下の車両であるのに対して,1250kg 以下の車両が衝突車となった場合の被衝突車側死者数は 27%であった.また,車両

質量が 1500kg以上の車両は,被衝突側であった場合の死亡車事故が 7%なのに対して,衝突側となった場合は 57%であった.つまり,軽い車両は被害性が高く,車両質量の大きい車両は加害性が高いことが明らか

となった.

図1 側面衝突事故における被衝突車の質量別死者の割合

(平成 17年~19年:141人)

3.実車側面衝突試験

3.1.試験概要

側面衝突時において,側突車乗員の傷害低減に有効

とされる CSAB の効果について,実車衝突実験により確認した.試験方法は,事故調査結果や乗車位置調

査結果もふまえて,日欧の側面衝突試験法(衝突車速

度 50km/h)を基本とし,ダミーの乗車位置は市場実態を考慮してダミー頭部重心が B ピラー中央と重なる位置に調節して実施した1).また,実験に用いる車

両は,事故調査結果から小型普通乗用車と車両質量の

軽い軽自動車を用いた.CSAB 有りと無しの車両をそれぞれ同一条件で実験を行うことで,その効果につ

いて確認した.今回使用した試験車において CSAB有りの場合は,サイドエアバッグ(SAB:Side Air Bag)も装備されているので合わせて SAB の効果の確認も実施した.

1000~1250kg ~1000kg 軽自動車

1250~1500kg 1500~1750kg 1750kg~

63

15

10

30

13

23

21

6

16

4

65

0% 被衝突車質量別の

被衝突車側試射割合

45% (63)

11% (16)

11% (15)

7% (10)

21% (30)

9% (13)

16% (23)

15% (21)

4% (6)

11% (16)

46% (65)

衝突車質量別の

被衝突車側死者割合

20%

40%

60%

80%

100% 3% (4)

77 %

57 %

7 %

27 %

–184–

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3.2. 実験方法 3.2.1 衝突形態 表1に実験の衝突形態及び実験条件の概要を示す.

実験は,衝突車としてECE/R95-MDB を用い,被衝突車として「CSABを装備していない車両」と「CSAB を装備している車両」を用い,それぞれ 1 回の実験を実施した.衝突形態は,被衝突車右側面への衝突速

度 50km/h の直角側面衝突である.衝突車の側突車に対する衝突位置は,日欧の側面衝突試験法規と同様

に,衝突車左右中心を被衝突車前席の SRP(Seating Reference Position) に一致させることとした.実験前の被衝突車のダミー搭載状況を図2に示す. なお,後席にはCRS(Child Restraint Systems)および子供ダミーを搭載しているため,搭載条件によ

り若干の質量差が生じている. 表1 実車側面衝突実験の衝突形態及び実験条件

軽自動車 普通乗用車

衝突形態

衝突速度 50 km/h 50 km/h 衝突車の目標位置 衝突車の車両中心と側突車の SRP と一致する位置

ダミー搭載条件 ダミー頭部重心とBピラー前後中心が一致する位置

衝突車 仕 様 ECE/R95-MDB 質 量 948 kg

被衝突車

形 状 5ドア・軽自動車 4ドアセダン型普通乗用車

質 量 969kg (CSAB有り) 958kg (CRSB無し)

1279kg (CSAB有り) 1253kg (CSAB有り)

前席ダミー 衝突側:ES-2 衝突側:ES-2

後席ダミー(※ CSASB有り 衝突側:Q3s

反衝突側:- CSASB有り 衝突側:Q3s

反衝突側:CRABI 6MO CSASB無し 衝突側:Q3s CSASB無し 衝突側:Q3s

※本報告では後席ダミーの評価については述べない.

軽乗用車 普通乗用車 図2 ダミーの搭載状況比較

3.3. 試験結果 3.3.1.車体変形状況 図3に被衝突車の試験後の車体外板の胸部高さお

よびヒップポイント高さの水平断面の変形状況比較

を示す.変形量は,同じ車両の CSAB 有りと無しのそれぞれで比較すると,ほぼ同等であった.また,車

両違いで比較しても,乗員搭載位置である B-ピラー付近から車両前方では大きな差は見られなかった.

-300-200-100

0100200

-1,500 -1,000 -500 0 500 1,000 1,500

Thorax Level

-300-200-100

0100200

-1,500 -1,000 -500 0 500 1,000 1,500

Thorax Level

H-Point Level

-300-200-100

0100200

-1,500 -1,000 -500 0 500 1,000 1,500

H-Point Level

-300-200-100

0100200

-1,500 -1,000 -500 0 500 1,000 1,500

図3 試験後の外板変形状況比較 3.3.2 ダミー各部の最大傷害値比較 図4にダミー最大傷害値の比較を示す. 今回実施した各試験におけるダミー各部の最大傷

害値については,いずれも法規基準を満たしていた. 図4(a)の頭部傷害基準(Head Performance

Criteria : HPC)の比較では,軽自動車及び普通乗用車ともに,CSAB 無しに比べて CSAB 有りの場合では,それぞれ約1/2及び約1/3程度に低減した.

普通乗用車のHPCは,CSAB無しの場合で 255,軽自動車では 588と,軽自動車では普通車に比べると大きな値であった. 図4(b)の上部・中部・下部肋骨変位の最大値比

較では,軽自動車においてサイドエアバッグによる低

減効果がみられなかったが,普通乗用車では低減効果

がみられた. 図4(c)の各胸部肋骨のV*C(Viscous Criteria:胸部粘性基準)の最大値の比較では,胸部肋骨変位の

場合とほぼ同様の傾向を示した.ただし,CSAB有りの場合において,V*Cの最大値で比較すると軽自動車の方が普通乗用車よりも大きな値を示した. 図4(d)の腹部荷重,恥骨荷重の比較では,腹部

荷重は軽自動車の方が普通乗用車より高い結果とな

った.恥骨荷重は軽自動車の方が若干小さかった.ま

CSAB: 有り/無し

ECE R95台車

50km/h

ECE R95 台車

50km/h

台車 ECE R95台車

胸部高さ

ヒップポイント高さ

※車両の前後方向の 0は衝突中心を示す

←車両前方 B-ピラー 車両後方→

軽自動車(試験前)

軽乗用車(試験後:CSAB有り)普通乗用車(試験前)

普通乗用車(試験後:CSAB有り)

軽乗用車(試験後:CSAB無し) 普通乗用車(試験後:CSAB無し)

軽自動車(試験前)

軽乗用車(試験後:CSAB有り)普通乗用車(試験前)

普通乗用車(試験後:CSAB有り)

軽乗用車(試験後:CSAB無し) 普通乗用車(試験後:CSAB無し)

CSAB: 有り/無し

CSAB

SAB CSAB

SAB

–185–

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た,腹部荷重については,軽自動車ではサイドエアバ

ッグによる低減効果が認められたが,普通乗用車の場

合は認められなかった.

(a)頭部傷害基準(HPC)

(b)胸部肋骨変位

(c)胸部肋骨 V*C

(d)腹部,恥骨荷重 図4 ダミー最大傷害値

3.3.3 ダミー各部最大傷害値の時間履歴 図5にダミー傷害値の時間履歴の比較を示す.

図5(a)の頭部合成加速度時間履歴比較では,

CSAB無しの場合,どちらも約 50ms付近で加速度が急激に立ち上がっていたが,軽自動車の方が普通乗用

車より立ち上がり開始時刻が若干早く,また加速度の

最大値では軽自動車が約 120G,普通乗用車が約 100Gと軽自動車の方が約 1.2倍大きかった.CSAB有りの場合について,加速度波形を比較すると普通乗用車で

は約 30msから加速度が緩やかに立ち上がり,軽自動車ではCSAB無しの場合とほぼ同等の約 50msで急激に立ち上がっていた.最大加速度は普通乗用車が約

40Gで軽自動車は約 80Gと,軽自動車の方が約 2倍大きかった.これは,普通乗用車では,CSABの膨張部にダミーの頭部重心が衝突したのに対して,軽自動車

では膨張部から外れて衝突したためと考えられる. 図5(b)の胸部肋骨変位の時間履歴比較では,

CSAB無しの場合に,軽自動車の方が普通乗用車に比べて肋骨変位の立ち上がり時刻が早かった.また,中

部肋骨と下部肋骨の立ち上がり時刻はほぼ同等であ

った.CSAB有りの場合では,各肋骨変位の立ち上がり時刻は軽自動車と普通乗用車でほぼ同等であった.

また,いずれの車種においておいても,上部肋骨に比

べて下部肋骨の立ち上がり時刻が早い結果となった. 胸部肋骨変位の立ち上がり時刻及び最大値は,胸部

から腹部にかけて展開するサイドエアバッグがダミ

ーと接触する位置に大きく影響されるものと考えら

れる.すなわち,CSAB有りの場合には,下部肋骨付近で展開したサイドエアバッグにより衝突による車

室変形がダミーに伝達されるため,下部肋骨変位の立

ち上がり時刻が早くなり,また,サイドエアバッグの

影響により上部肋骨及び中部肋骨に比べて今回の試

験結果のように下部肋骨の最大値が大きくなること

もあると考えられる. 図5(c)の腹部荷重の時間履歴比較より,腹部荷

重では,CSAB無しの場合,荷重の立ち上がり時間は軽自動車が約 28ms,普通乗用車が約 35msと軽自動車の方が早く,最大荷重は軽自動車が約 1.7kN,普通乗用車が約 0.7kN と軽自動車の方が大きくなった.CSAB有りの場合,どちらの場合も約 20msで荷重が立ち上がり,CSAB有りの方が無しより立ち上がり開始時間が早かった.最大荷重は軽自動車が約 1.1kN,普通乗用車が約 0.7kNと軽自動車の方が大きかった. 図5(d)の恥骨荷重の時間履歴比較より,CSAB有りと無し,軽自動車と普通乗用車でほぼ同等の約

0 100 200 300 400 500 600 700 800 900

1,000 1,100

軽自動車

(CSAB有り) 軽自動車

(CSAB無し) 普通乗用車

(CSAB有り) 普通乗用車

(CSAB無し)

1,200

HPC

HPCの上限値

0

10

20

30

40

50

胸部肋骨変位

[m

m]

上部肋骨

下部肋骨 中部肋骨

軽自動車

(CSAB有り) 軽自動車

(CSAB無し) 普通乗用車

(CSAB有り) 普通乗用車

(CSAB無し)

胸部肋骨変位の上限値

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2

V*C

[m/s

]

軽自動車

(CSAB有り) 軽自動車

(CSAB無し) 普通乗用車

(CSAB有り) 普通乗用車

(CSAB無し)

上部肋骨

下部肋骨 中部肋骨

胸部肋骨 V*Cの上限値

0 1 2 3 4 5 6 7

荷重

[kN

] 腹部荷重 恥骨荷重

腹部荷重傷害基準の上限値

恥骨荷重傷害基準の上限値

軽自動車

(CSAB有り) 軽自動車

(CSAB無し) 普通乗用車

(CSAB有り) 普通乗用車

(CSAB無し)

–186–

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22msで荷重の立ち上がり,最大荷重も約 3kNとほほ同等であった.

(a) 頭部合成加速度

(b) 胸部肋骨変位

(c) 腹部荷重

(d) 恥骨荷重

図5 ダミー傷害値の時間履歴

4. まとめ

自動車の側面衝突時におけるカーテンエアバッグ

の効果について,事故調査及び実車衝突試験による検

討を実施した.以下に,今回得られた結果についてま

とめる. ・ 事故調査結果から,車両同士の側面衝突事故にお

いて,車両質量の軽い車両の被害割合が高い傾向

がみられ. ・ 今回実施した実車衝突試験において,全ての試験

条件について,ダミー傷害値は法規の基準値を満

足していた. ・ 実車衝突試験において,軽自動車と普通乗用車で

は試験時質量に約 300kg の差があったが,車両の外形変形量に大きな差は見られなかった.

・ 頭部傷害値に関しては,軽自動車及び普通乗用車

ともに CSAB無しに対して CSAB有りでは傷害値が減少しており,CSABの効果が認められた.

・ 胸部傷害値については,今回の試験においては胸

部肋骨変位および胸部肋骨V*Cともに,特に下

部肋骨において CSAB無しに対して CSAB有りでは傷害値が増加する場合がみられた.

・ 頭部傷害値と腹部傷害値に関しては,CSAB の有無にかかわらず,今回の試験に使用した車両につ

いては軽自動車の方が普通乗用車より大きな値を

示した. 本件は,国土交通省の受託調査「自動車の側面衝突

時の乗員保護装置に係わる調査」の調査及び試験結果

の一部をまとめたものである.

参考文献 1)Yonezawa, H., et al. “Investigation of New Side Impact Test Procedures in Japan” 21th ESV, Paper Number ,09-0369 (2009).

0 5

10 15 20 25 30 35 45

80 100

40

0 20 40 60

胸部肋骨変位

(m

m)

軽自動車(CRS有り)上部 軽自動車(CRS有り)中部 普通乗用車(CRS有り)上部 普通乗用車(CRS有り)中部 普通乗用車(CRS有り)下部

軽自動車(CRS有り)下部

時間(ms)

0 5

10 15 20 25 30 35 40 45

0 80 100 20 40 60

胸部肋骨変位

(mm

)

軽自動車(CRS無し)上部 軽自動車(CRS無し)中部 軽自動車(CRS無し)下部

普通乗用車(CRS無し)上部 普通乗用車(CRS無し)中部 普通乗用車(CRS無し)下部

0 20 40 60 80

100 120 140

0 100 20 40 60 80 時間 (ms)

普通乗用車(CSAB有り) 軽自動車(CSAB無し) 普通乗用車(CSAB無し)

ダミー頭部重心とエアバッグ

の接触位置(普通乗用車) ダミー頭部重心とエアバッ

グの接触位置(軽自動車)

軽自動車(CSAB有り)

加速度

(G

)

0 0.5

1 1.5

2 2.5

時間(ms) 80 0 20 40 60 100

軽自動車(CSAB有り) 普通乗用車(CSAB有り)

軽自動車(CSAB無し) 普通乗用車(CSAB無し)

0 1 2 3 4 5 6

0 20 40 60 80 100 0 1 2 3 4 5 6

荷重

(kN

)

時間(ms)

荷重

(k

N)

軽自動車(CSAB有り) 普通乗用車(CSAB有り)

軽自動車(CSAB無し) 普通乗用車(CSAB無し)

–187–