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Ⅱ.情報教育部門所員会 ◇ ICT 活用モデル校と情報教育所員会活動について ICT 活用モデル校 教育研究所の募集に応募した小中学校数校を「 ICT 活用モデル校」と位置づけ、年 間を通じて ICT 活用の研究・普及に積極的に取り組み、その効果(研究成果)を 市内に還元する。 情報教育所員会 ICT 活用モデル校から各1名選出された教員を教育研究所・委嘱所員として情報教 育部門所員会を構成し、校内および市内全体の ICT 活用に関する推進役として活 動する。 ・児童・生徒の情報活用能力の指導を行う ・普通教室等で ICT 機器を使った教科指導を行う ・職員室でネットワークパソコンやプリンタ、共有フォルダ等を校務に役立てる 平成22年度~24年度 3か年のICT活用モデル校事業 ・平成 22 年度から3年間は学校数を 15 16 校に増やし、3年間で全小中学校が ICT 活用モデル校として研究を行う。これにより全市的に総合的な学校の情報化 をはかる。 ・この3か年、ICT 活用モデル校には書画カメラ(2学級に1台)、中学校の ICT 活用モデル校には DVD プレイヤー(大型ディスプレイ6台分)を配備し、多様 ICT 活用の実践を促進する。 学校 H22 モデル校 10 校、中5校 H23 モデル校 12 校、中4校 H24 モデル校 10 校、中5校 情報教育部門所員会 校内 ICT 活用の推進役、所員対象研修会の実施、所員会での討議、 ーマった実践研究 ICT 活用 ムの開催 市教委 ICT 活用研究の支援、校内研修等の支援 2クラスに1台の書画カメラ、中学校に6台の DVD プレイヤーを支給 ◇ICT 活用フォーラム 情報教育部門所員会の研究成果を一般教員研修会「 ICT 活用フォーラム」として行う。 今年度の ICT 活用フォーラムは 15 校・ 15 名の所員の研究内容から「A. ICT 活用の 事例紹介」「B.児童・生徒の活用」「C.ICT 活用普及の校内取組」の3つのテーマに 分け、3会場の分科会形式で行うこととした。またインターネットや市広報紙に紹介し、 一般市民や市外教育関係者にも公開した。

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  • Ⅱ.情報教育部門所員会 ◇ ICT 活用モデル校と情報教育所員会活動について

    ICT 活用モデル校

    教育研究所の募集に応募した小中学校数校を「 ICT 活用モデル校」と位置づけ、年間を通じて ICT 活用の研究・普及に積極的に取り組み、その効果(研究成果)を市内に還元する。

    情報教育所員会

    ICT 活用モデル校から各1名選出された教員を教育研究所・委嘱所員として情報教育部門所員会を構成し、校内および市内全体の ICT 活用に関する推進役として活動する。

    ・児童・生徒の情報活用能力の指導を行う ・普通教室等で ICT 機器を使った教科指導を行う ・職員室でネットワークパソコンやプリンタ、共有フォルダ等を校務に役立てる 平成22年度~24年度 3か年のICT活用モデル校事業

    ・平成 22 年度から3年間は学校数を 15~16 校に増やし、3年間で全小中学校がICT 活用モデル校として研究を行う。これにより全市的に総合的な学校の情報化をはかる。

    ・この3か年、ICT 活用モデル校には書画カメラ(2学級に1台)、中学校の ICT活用モデル校には DVD プレイヤー(大型ディスプレイ6台分)を配備し、多様な ICT 活用の実践を促進する。

    学 校 H22 モデル校

    小 10 校、中5校 H23 モデル校

    小 12 校、中4校 H24 モデル校

    小 10 校、中5校

    情報教育部門所員会

    校内 ICT 活用の推進役、所員対象研修会の実施、所員会での討議、

    テーマを持った実践研究、ICT 活用フォーラムの開催など

    市 教 委 ICT 活用研究の支援、校内研修等の支援 2クラスに1台の書画カメラ、中学校に6台の DVD プレイヤーを支給

    ◇ICT 活用フォーラム

    情報教育部門所員会の研究成果を一般教員研修会「 ICT 活用フォーラム」として行う。今年度の ICT 活用フォーラムは 15 校・15 名の所員の研究内容から「A. ICT 活用の事例紹介」「B.児童・生徒の活用」「C.ICT 活用普及の校内取組」の3つのテーマに分け、3会場の分科会形式で行うこととした。またインターネットや市広報紙に紹介し、

    一般市民や市外教育関係者にも公開した。

  • 平成23年1月20日(木)15:30~

    茨木市市民総合センター(クリエイトセンター)

    2階研修室・3階302号室・3階303号室

    ③まとめ

    C会場(3階303号室) ICT 活用の普及のための校内取組

    ~校内での取り組み例を紹介~

    1.ICT を活用して論理 的思考 力・説明力を養 う/井手 治 (太田小学 校)

    2.ICT の活用方法/中 谷 修一(天 王小学 校)

    3.どの子も伸びる ICT 活用/鹿苑 照代(彩都 西小学 校)

    4.『知らなかった』の意識改革~校 内の ICT 機器の活用について~/田中 拓(天 王中学 校)

    5.ICT を使った研究授 業/戸次 恵一(北陵 中学校)

    ①教育委員会あいさつ

    ②研究発表(発表15分/質疑応答を含む)

    A会場(2階研修室) ICT 活用の実践事例の紹介

    ~教科指導における ICT 活用の実際を紹介~

    1.小学 校 の ICT 活用 例の紹介/河村 健、松 岡 修司(東 小学校)

    2.こんな風 に ICT を使 っています/本田 洋樹(水尾小 学校 )

    3.誰にでもできるICT実 践/安藤 規代美(西 河原小 学校 )

    4.ICTを授業の導入・展開に利 用 /谷口 将人、岡本 龍 之助(東中 学校)

    5.電子 黒板 を利用した教師主 導型 授業と生徒 参加型 授業 の紹介/奥 智徳(東雲 中学校)

    B会場(3階302号室) 児童・生徒の ICT 活用、情報モラルの指導

    ~情報活用能力の育成と子どもたちの活動について~

    1.情報 教育 の中に“情”の字があるのは何故!?/岡山 邦男(春日丘 小学校)

    2.支援 学級 における ICT 活用実践 /橋本 陽平(玉櫛小 学校)

    3.各学級での ICT 実践~授業でどのように利用しているのか/前川 裕之、真崎 晶絵(山手台小学校)

    4.ムービーメーカーを使 って…/上 原 美紀(穂 積小学 校)

    5.生徒 会活 動における ICT の利用 /亀田 直記(太田中 学校)

  • A-1 A-1

    小学校の ICT 活用の紹介

    東小学校 河村 健、松岡 修司

    1.はじめに

    50インチの大型テレビが各教室に導入され、本校でどのように利用しているか

    を紹介する。まずは、大型テレビにパソコンをつなぎ、ラジオ体操第一を映しての

    練習の様子を紹介する。そして、「eTeachers」のフラッシュ型コンテンツを利用し

    て勉強しているクラスの様子を紹介する。さらに、校内でのスターボードを利用し

    ての授業のようすを紹介する。

    2.50インチテレビ・インターネットの利用

    今までも、プロジェクターにインターネットの映像を映すという事はよく行って

    いた。今年からは、50インチの大型テレビが各クラスに入ったことにより、格段

    に映像を映しやすくなり、授業で生かせることが多くなった。プロジェクターを用

    意するのは大変だったので、各クラスに大型テレビが入ったことは大変ありがたい

    ことである。これからも授業で積極的に使用していきたいと思う。

    3.「eTeachers」とは?(http://eteachers.jp/)

    ・フラッシュ型教材とは,フラッシュカードに ICT のよさ,手軽さ,便利さが加わ

    った教材のことである。

    ・フラッシュカードには,課題を瞬時に次々と提示することによって,どきどき,

    わくわくとしたゲーム感覚の楽しさがある。

    ・短い時間で集中して反復練習することによって,基礎・基本の知識を定着させる

    効果がある。

    「eTeachers」のサイトでユーザーID とパスワードを入手した日からフラッシュ

    型コンテンツが使える。子どもたちと一緒に,ぜひ一度取り組んでみはどうだろう

    か。子どもたちは盛り上がり、何度も「やりたい。」と言うだろう。

    4.校内研修のようす。

    - 1 -

    スターボードに教科書を

    写しています。画面に直

    接書けます。 スターボードの校内研修です。

  • ス キ ャ ナ ー

    の校内研修

    スターボード

    5.スキャンの仕方、スターボードの校内研修プリントの紹介

    6.おわりに

    今年、各教室に大型テレビが配置され、これを頻繁に使うことにより、子どもに

    より分かりやすく画像を見せることができるようになった。さらに、2クラスに1

    台の書画カメラで撮った画像を大型テレビに映すことにより、子どもたちの作品、

    発表が分かりやすくできるようになった。これらの情報機器を多岐にわたって使う

    ことにより、子どもとの距離が縮まるように思う。これからもどんどん使用してい

    きたい。

    - 2 -

  • こんな風に ICT を使っています!

    水尾小学校 本田 洋樹 1.ICT との出会い

    「 ICT って何?」少し前までは私自身も ICT についてあまり馴染みがありませんでした。ですが「ものは試し」と ICT を使ってみると、子どもたちの反応もとても良く、「もっと使ってほしい」という声も聞こえるほどでした。それ以来 ICT は子どもたちの学習の手助けをしてくれる、大切な存在となりました。

    今回の発表では、私が使用してきた ICT について紹介したいと思います。

    2.こんな使い方をしています。

    今までに使用した ICT を紹介します。 ①国語 単元「すいせんのラッパ」

    物語を読み進めてた後、文章だけではなく映像を活用し視覚的にもイメ

    ージを深められるようパワーポイントを作成しました。

    ②算数 単元「分数」

    ○分の○を分かりやすくするために国語同様にパワーポイントを作成し

    ました。(実際は、水のかさが増えるアニメーションがついています。)

    A-2

    - 3 -

  • ③理科 単元「昆虫を探しに行こう」 教室で世話をしていたアゲハチョウがさなぎから羽化しました。一匹し

    かいないチョウですから、普通なら限られた人数でしかこの瞬間を観察す

    ることが出来ません。しかしビューパと 50 インチテレビを使うことで、クラス全員がリアルタイムで観察をすることができました。

    ④社会 単元「昔調べ」 昔調べの学習のまとめとして、昔に使われていた道具の写真を活用し、

    クイズを作成しました。E-黒板を使用し、楽しみながら学習できるようにしました。

    3.子どもたちの声

    ・パソコンや、テレビを使った授業はとても面白い。ゲームみたい。 ・ペンでテレビに文字が書けるから、すごいと思った。もっとやってみたい。

    ・文章だけよりも、絵が動いたり音が鳴るから、もっと分かりやすいと思った。 4.まとめ

    ICT はとても便利なツールです。子どもたちの注目を一度に集めることが出でき

    ます。文章を読んだだけではイメージしにくい時でも、視覚的に捉えることが出来

    ます。もちろん、ICT に頼り切ってばかりではいけません。授業の中で、「ここぞ」

    という所で使用するのがいいと思います。

    これからも、ICT と授業を上手に融合させた授業作りに努めたいと思います。

    - 4 -

  • A-3

    誰にでもできる ICT 活用

    西河原小学校 安藤 規代美

    1.概要

    1 年~3 年担任で夏の情報教育研修会に参加し、書画カメラやデジタルコンテンツ、フラッシュ教材などについて研修した。1 年生から 3 年生までの実践を紹介します。

    - 5 -

    2.50 インチテレビを使って

    ①自作教材をパワーポイントで映して 2 年生 算数「形づくり」

    ★気をつけること ・画面が『フル』のままだと 正方形→長方形 直角二等辺三角形→直角三角形になるので

    2年 形づくり リモコンの画面モードを『ノーマル』に切り替える。 ②CD のデジタル教材を映して 漢字の書き順を学習 ③NHK デジタル教材 ・ホームページから番組を選べる。都合の良い時間に見せたい番組を見ることが

    できる。3,4 年道徳「カラフル」は、ドキュメンタリー形式になっているので 子ども達の共感を得やすい。 3.フラッシュ教材

    eTeachers[イーティーチャーズ ]にアクセス 会員登録をすると、フラッシュ型教材の検索や ダウンロードができる。 九九や漢字の復習を朝学習や授業の導入にする。 短時間で反復練習ができる。

    フラッシュ教材

    4.書画カメラの活用

    ①1 年生の実践 ・足し算 ブロックを大きく映して ・ノート、プリント指導(1 年生の初期は学習内容

    よりプリントやノートの書き方でつまずくことも 多いので大きく映してわかりやすくしてあげる事 が大切。

    ・絵の具指導も道具を大きく映して ・朝の会「ぼくのたからもの」実物を映してお話。

    書画カメラで大きく投影 ②3 年生の実践

    ・理科「懐中電灯の作り方」教師の手元を大きく映して、見ながら一緒に作る

  • ・「豆電球のつなぎ方」「磁石」の学習にも書画カメラが有効。

    懐中電灯の作り方

    棒温度計の読み方

    乾電池のつなぎ方

    - 6 -

    ・蝶の育ち方 水槽の中のさなぎや幼虫、 羽化したアゲハの様子を投影。

    ★全員が一度に詳しく観察することができ、発見や 感動を共有することができた。

    5.書画カメラ+e 黒板(ブーメラン型)

    ①書画カメラとパソコンを USB ケーブルで繋ぐ ②パソコンとテレビを RGB ケーブルで繋ぐ ③D ドライブにある書画カメラと e 黒板のソフトを起動する。

    ・3年社会 「わたしたちの茨木」を書画カメラで映し、e 黒板機能のマーカーでわかりやす

    く表示。茨木市の農産物、工場の多いところと大きな道路との関係を考えさせた。

    国道171号線を

    マーカーで強調

    図工の技法を

    説明しています。

    6、e 黒板+グーグルアース

    3 年 算数「きょりと道のり」

    グーグルアースで児童の家(地図)を映し、e 黒板機能のマーカーで 学校から家までのきょりと道のりの違いを分かりやすく表示。

    7、これからの課題

    ・スターボード(一体型電子黒板)の有効な活用方法の研究。

    ・デジタルコンテンツを発掘したり、教材研究する時間の確保。

  • A-4

    ICT 機器を利用した理科の授業

    東中学校 谷口 将人、岡本 龍之助 1.発表概要

    ICT を利用した理科の授業は今年2年目に入る。昨年度は2つの理科室に PC とプロジェクターと簡易スクリーンを設置して、インターネットを教材に使用したり、書画カメラでプリントや

    観察物の投影、顕微鏡カメラの提示などをおこなってきた。今年度は昨年度の継続と STAR BORD を導入して新たな利用法の研究と実施や、いばらきっ子スタデイ・スタデイノートの活用を1・2年生で実施していることについて発表する。

    2.理科室での ICT 機器の活用

    今年度第二理科室に STAR BORD を導入し、PC とプロジェクター、書画カメラ、顕微鏡映像を使って授業の導入や展開、まとめに利用している。

    ①STAR BORD 1年生で「植物」の単元での導入として「野菜・果物の花図鑑」を使用した。何の苗かをゲー

    ム感覚で学べるので生徒には好評だった。楽しい曲もあるので、PC にスピーカーを接続して流したが、2年生も気に入っていて第二理科室の授業では授業のはじめと終りに流すようになった。

    また、インターネット教材が BORD 上での拡大やペン描きが自由自在にできるので、昨年度の 簡易スクリーンでの操作に比べて数段楽になったし、生徒にも見やすく理解しやすくなった。 【れき岩のネット教材を BORD 上で拡大している様子】 ②顕微鏡カメラ 花粉や細胞の観察で STAR BORD 上にプロジェクターから教師用顕微鏡で高倍率での映像

    を映し出して、導入や展開、まとめに利用している。 ③書画カメラ これも STAR BORD 上にプリントや観察物を写しだして、実験の操作方法の説明などに利用 している。かなりの倍率で拡大が可能なので、これまでのビューパに比べて大変見やすくなった。

    - 7 -

  • 3.コンピューター教室での ICT ソフトの利用

    ①いばらきっ子スタデイ 1・2年生で個人の ID・パスワードを使って各定期テストの前に単元の復習にいばらきっ子スタデイを1時間~2時間利用したが、生徒は自分のペースで問題が解けるので好評だった。

    【いばらきっ子スタデイで 2 年生「化学変化」の復習をしている様子】 ②スタデイノート おもに2年生の調べ学習でインターネットから課題を調べ、スタデイノートに掲示させたが、

    何回かおこなううちに図や写真を取り込んだりの工夫が見られた。また電子掲示板ですぐに他の

    生徒のレポートが見られるので好評だった。 【スタデイノートで 2 年生「気象」の学習をしている様子】

    4.課題と展望

    昨年度から理科の授業では ICT 機器やソフトを積極的に利用してきているが、おおむね生徒に

    は好評の気がしている。ただし、STAR BORD のもっと機能面の扱い方を研修したり、取り込んだ

    インターネットの保存・管理などをおこなってゆく必要がある。また、FLASH 教材の開発や利用

    も積極的に取り組みたい。今年度は3年生の利用が少なかったので来年度はいばらきっ子スタデ

    イを利用して1年からの復習をさせたり、スタデイノートの利用もさせていきたい。

    - 8 -

  • A-5

    電子黒板を利用した教師主導型授業と生徒参加型授業の紹介

    東雲中学校 奥 智徳 1.発表概要

    本校は昨年の1月より通常教室及び支援教室全てに電子黒板が配備されている。

    導入以前は機器の管理への不安、導入当初は利用への敷居の高さもあったが、幸い

    にして大きな破損があることもなく、また利用にしても、全教職員で研修を重ねた

    結果、現在は殆どの教職員が数度は利用している状況となっている。今では、その

    利用方法は、通常の教科の授業にとどまらず、総合的な学習の時間や特別活動など

    にも渡っている。それらの事例及び判明した課題や展望などを紹介したい。 2.本校の活用状況について

    全教室に配置されているため、バッティングすることなく、思い立ったらすぐに 利用できるので、使用に対する「敷居」は大幅に低くなっており、教職員の活用が 進んでいるといえる。

    ① 教科での利用 ほとんどの教科、教員の方々が利用している。 なかには、ほぼ毎回、活用しているような教科

    もある。 ② 総合的な学習の時間、特別活動、道徳での活用

    学年で同じ内容のビデオや教材を見る時などは 以前であれば体育館を利用したり、視聴覚室を 順次利用しなければならなかったが、それらの

    課題がクリアでき、学習計画が大幅に立て易く なっている。

    3.授業を通じて判明した利点の紹介

    ① 教師主導型授業 ・ 授業速度の上昇

    → 文字の色を変えることにより 「ここに下線を……」と言わず とも良い。

    ・ 伝達できる情報量の増加 → 資料の切り替えが容易。

    ・ 書き込みによる説明の具体化 → 紙の資料と違って、描き消し

    自在なので躊躇無く描き込み 可能。

    ・ 拡大による焦点化 → 拡大映像の逐一の用意は不要

    - 9 -

  • ② 生徒参加型(発表)授業 ・ 興味の促進

    → 新規の教材であることや見た 目の新しさもあって、生徒は 利用したくてたまらない様子

    ・ ためらいの軽減 → 用意した資料に躊躇無く描き 込みができることを、生徒も 理解しているので、書いては 消しの説明を自由に行えた

    ・ プレゼンテーション能力の育成 → プレゼン能力の指導ができる コンピュータ室の授業と併せ パッケージとして学習計画を

    立てられるようになった。

    4.課題と展望

    約一年間、電子黒板を利用してきたが、はじめに述べた通り破損は無い。導入の

    以前は無用に触る行為に対しての懸念があったが、その事例もほとんど無い。但し

    これは幸運というわけではなく、日々の授業のなかで教師や生徒が活用するなかで

    生徒自身が「これは授業に必要な機材だ」と認識していったことが、理由であるに

    違いない。本校では、導入の前に数度にわたる研修を行い、配備されてすぐに使用

    できるように訓練を重ねた。その結果、導入の直後の授業で活用でき、生徒たちの

    関心を大いに掴めたのではないかと思う。

    利用を続けていくなかで判明していった課題には

    ① 反射光により投影されたものが見えにくいこと

    ② 起動に少なからずの時間が掛かる

    ③ なんらかの不具合があった場合に対処が難しい

    などのことが、大きな点としてあげることができる。このうち、①に関しては導入

    当初から試行錯誤の連続で、現在は片側のみのカーテンに加え、反対側にもつける

    ことで採光量を抑える方法を試している。ただしこれをしても限界があり、さらに

    教室を外から見えなくしてしまうという別種の問題も生じてしまった。これからの

    検討課題である。その②に関してはパソコンを常時スタンバイ状態にして対応して

    おり、そのおかげで時間的な節約が随分となされているが、パソコンへの負担面を

    考えると、これもまた検討課題として残る。最後に、③に関してであるが、これに

    ついては、研修を重ね個人で対応できるようする、電子黒板を使えなかった場合の

    代替案を用意するなどで対応していきたい。

    現在は、各教職員が、ある程度の「定型」を作り出せた段階と思える。この先の

    アイディアがどれだけでてくるかは、まだまだ未知数であるが、努力を続けたい。

    - 10 -

  • B-1

    情報教育の中に“情”の字があるのは何故!? 春日丘小学校 岡山 邦男

    1.「あなたのことが大切だよ」というメッセージを伝える情報教育 人が生活する上で「衣・食・住」の次に基本的で大切なものは「情報」だそうである。

    そうであれば、クラスの児童にとって大切に思い、欲している情報とは何であろうか?

    それは自分の存在を認めてくれる情報、誉めてもらえる情報ではないだろうか。児童の

    中には、学習に集中できず騒いだり、離席したり、支えを求める子達もいる。そういう

    児童達も含めて、自分の存在をクラスの一員として認め「あなたのことが大切だよ」と

    伝えていく情報、また「あなたのことが大切だよ」と伝えて来る情報、お互いを認め合

    う情報の交流が情報教育のなかで実現できないだろうか。

    2.絵本の読み聞かせ・交流 (ITC の C は Communication の C!?)

    子ども達が、この困難な世の中をなんと _か

    うまく育っていき、思春期という闇の中をく

    ぐり抜けていくとき、良い絵本を読み聞かせ

    することは、これからの人生にとって生きる

    力になる。読み聞かせ自体、児童・教師間の

    コミュニケーションを豊かにしてくれるが、 クリックするとページがめくれるのが楽しい

    自分の思いを交流しあう掲示板のような参加

    型セッションを通して、物語の世界を共有し、

    読みの共同体験を更に深めることができる。

    単に内容理解を越えて、集まった人々、交わ

    されたことば、かもし出される雰囲気などが

    重なりあって内面化される。デジタル絵本と デジタル絵本の部屋 感想の交流の広場 交流の広場は、書いてある文章を正確に読み

    取る力をつけるために行う読書教育ではなく、評価や序列化はしないで、ほのぼのとし

    た感情移入の読書をめざすものである。読み聞かせだけでは受け身的になりがちで、読

    書へのアニマシオンを授業改善の一手法として実践するなかで生み出されたものである。

    3.みんなで歌おう―クラス合唱のカラオケソング (情報は人と人を結びつける!?)

    子ども達が学級への所属感を高め、子ども達にとって楽しい学級をつくるには、クラスみんなで歌を歌うことも一つの方法である。

    終わりの会にみんなで歌えば、嫌なことも、一日の疲れも吹き飛ぶ。

    歌は気持ちを明るくし、リラックスしてくれる。ハーモニーは、友

    だちの良さを共感し、温かな人間関係を育む。歌声が一つになれば、

    心が一つになったように感じる。「崖の上のポニョ」や「にじ」な

    ど子ども達に人気のある歌と「学校に行こう」「ドンマイ」など歌

    詞に担任のメッセージを託して伝えることができる歌を中心に作

    成した。クラスの学級歌をみんなで作ればクラスの団結も深まる。

    画面に歌詞とピアノ伴奏が流れる

    - 11 -

  • 4.あなたを祝福する―お誕生日スライドショー (フォルダーはホルダーになった!?)

    誉めてあげたくてもなかなか誉めてあげられない子もいる。そういう子に

    対しても自然に「おめでとう!」を言

    ってあげられるのはお誕生日である。

    彼らの幼い頃の写真やそれに付けられ

    たコメントを見ると、心から「おめで

    とう!」と言いたくなり、その言葉を

    形にしたいと思う。画面の装飾とアイ

    コンの動きによって、祝福しブレッシ

    ングの気持ちを伝えていこうというも

    のである。評価に際しての賞罰は更に

    知的意欲を低下させるけれど、ブレッ

    シングは元気づけ活性化させるアニマ

    シオンである。

    これらのスライドは特別なソフトで

    作られたものではなく、HTML で作られ

    ている。ソースを表示し、コメントを

    日本語入力したら、子ども達でも簡単

    に作成できる。季節感のあるスクリプ

    「一年間のアルバム」スライド

    自己紹介「わたしはこんな人です」スライド

    お誕生会スライドショー

    トを用意し、その日の日直がカメラとコメント係り等をしたら、一年間の思い出のアル

    バムをクラス全員で作ることができる。教師主導から子ども主体へと展開させていくこ

    とが大切と思われる。 5.情報教育も情操教育だ (ハードウェアーの中にハートウェアーがある!?)

    本校も各教科の授業の中で、電子黒板を使ったプレゼンテーションやインターネット

    での調べ学習等、ICT を活用した「魅力ある授業」「わかる授業」に取り組んでいる。ま

    た、お絵かき、資料の作成などの学習ツールとして利用するリテラシー教育にも取り組

    んできた。学力を育みツールとして利用する情報教育、それらの学びや技術としての情

    報教育とともに、感性を育み表現活動へ導く情操教育としての情報教育も非常に効果が

    あり大切な活用であり、また必要なことと思われる。美しさを見いだし、自分の内面に

    あるものや外から吸収した感動を色と形に変え、音と言葉に託して表現しようとする欲

    求と交流。そうしたものから得られる発見・驚き・感動・喜びなどは豊かな人間形成の

    上でとても大切なことであり、それを情報教育はもっと担えるのではないか。

    「Hold me!」と叫ぶ子ども達がいて、なかなか Hold on できない時がある。言葉で伝

    えようとして、どんな言葉も虚しくなる時がある。心理的な問題を抱えている子にとっ

    て、価値のある情報とは、情報だからである。「あなたのことが大切だよ」と伝えたい。

    人を喜ばす情報を作って発表することがこんなに楽しいと気づく。人に教えてあげるこ

    と、温かい情報を届けることが気持ちよくとても大切なことと感じる。言葉では表現で

    きないことでも、心から出たものは、心に入れば、それでいい。それが情報であろう。

    - 12 -

  • B-2

    支援学級における ICT 活用実践

    玉櫛小学校 橋本 陽平 1.はじめに

    本年度より各学級に 1 台ずつ 50 インチの大型テレビが設置され、これまでプロジェクターを用いて行っていた内容を、準備などの手間をかけずに、より簡単に利

    用できるようになった。通常学級ではもちろん、支援学級においてこれらの ICT をどのように活用できるかを考える。

    2.自立活動(トレーニング)での活用

    本校の支援学級では「個別の指導計画」に基づいて、教科学習以外にも自立活動

    (トレーニング)などの学年を越えての全体的な活動にも取り組んでいる。 2学期には「かいものをしよう」の単元を通して、お店の種類・お金の種類や使

    い方・買い物のしかた・お店でのマナーなどを学習した。 ①「お店の種類」(デジカメ・50インチテレビ・学級用 PC)

    いろいろな種類のお店を実際の写真を使って提示することで、イメージしたり、 興味を持たせることができた。その際に50インチテレビに映すことで大きな画

    像を鮮明に見ることで細部の発見から自分の体験などにつなげることができた。

    ②「お金について」の学習(学級用 PC・50インチテレビ) 自立活動の時間を中心に、お金についての学習で「種類」や「使うときの約束」

    をパワーポイントと50インチテレビを用いて学習した。

    - 13 -

  • ③「買い物のマナー」の学習(50インチテレビ・学級用 PC・スキャナ) 「買い物のマナー」の学習では子ども向けのマナーの本から特に大事なところを

    スキャナで読み込み、拡大するなどスライドショーとして利用した。

    3.個別の指導での活用

    上記の全体での活動で学習したことを基に、個別の指導の時間にお金の払い方・

    おつりの出し方について実際のお金の模型や、学級用 PC で Flash コンテンツなどを利用して復習したり、繰り返し練習を行った。

    本学習では以前から PC に入っていた Flash コンテンツを利用したが、インターネットで同様に検索しても様々な学習用教材を見つけることができる。

    YCC こども教 育 研 究 所 より

    KanzaSoft

    Factory&Library より

    4. 成果と課題

    全体での場面では写真や映像を大きく見せることで、学年や発達段階の違う子ど

    もたちにもよりイメージがしやすかったり、理解しやすく活動をスムーズに進める

    ことができたと思われる。

    一方、今回の実践では全体での活動の場面に重点を置いて ICT を利用したが、支

    援学級での指導では全体での活動の時間は限られていることもあり、個別の指導や

    少人数での学習の中に ICT をどのように取り入れ、活用できるかという点について

    は、今後の課題と言える。

    また、個別の指導において低学年の児童にはキーボード入力などの PC の操作や基

    本的なマウスの使い方等は習得が難しい場面もあった。この点はタッチパネル型の

    タブレット PC など、より直観的な操作が可能な端末もあり、こういった ICT 端末

    の導入も支援学級の児童の学習に効果的ではないかと思う。

    5.おわりに

    ICT を利用した視覚的・直感的な支援は、支援学級での学習において十分に効果

    があったと思う。今後さらに ICT を身近に利用できる環境づくりが大切だと考える。

    - 14 -

  • B-3

    情報モラルの取り組み

    山手台小学校 前川 裕之、真崎 晶絵 1.はじめに

    昨年度2学期後半より今年にかけて、全校的に情報モラルについて取り組んでき

    た。その取り組みを紹介し、情報モラル教育について考えていきたい。 2.取り組みの発端

    ① 保護者からの指摘 2学期後半の個人懇談会で、高学年の保護者から「子どもたちが漫画のキャラクターで性描写をし、交換日記で回し読みをしている。」との

    相談を受け、実際そのコピーをいただき、事実が分かる。 ② 家庭のパソコンで不適切な画像や動画を見ていることが分かり、保護者同士で確

    認したところ、セキュリティー(フィルタリング)をしている家庭と、していな

    い家庭があった。 ③ 保護者の要望 この問題を全校に知らせて保護者に危機意識を持ってほしい。ま

    た、学校に対しても情報モラル教育や性教育に対しての要望が出された。 ④ 教職員の中でも情報モラルの啓発が必要であること、そのために、教職員間の

    研修が必要である。 3.校内情報教育研修会

    ① 文部科学省委託事業「情報モラル教育」による研修 ② 奈良教育大学 准教授 伊藤剛和先生 ③ 4回実施 1回目 2月 5日 情報モラルとは 情報モラルの基本を教えていただいた。 参考文献 「情報モラル」指導実践キックオフガイド ・ 「情報社会の倫理」・「法の理解と順守」日常的に指導をすること。 ・ 自分で確かめる力をつける。自浄能力をつける。 ・ 保護者にプライバシーロックをすすめる。 ・ 子どもへの声かけ。 ・ 学校としてのルールを知らせていく。 ・ 年間学習計画の中に「情報モラル」を加えていく。

    2回目 3月 8日 情報モラル ワークショップ 低学年 家庭がしっかりしていればいい。環境の整備、著作権、無料サイト 中学年 ルール作り、発信する際の責任や注意点を知らせていく。 高学年 家庭が常に見守る姿勢が大切。環境作り、ケータイ依存症について 親への啓発 たとえば、 ・ ゲームは一日○時間、△時以降はしない。とか、 ・ パソコンは、親の目の届くところでしているか。とか、

    - 15 -

  • - 16 -

    ・ パソコンでの子どもの会話は理解しているか。など。 学校としても ・情報の信憑性を確かめようと言う姿勢を身に付けさせることが大切。 3回目 3月24日 情報モラル教育のカリキュラムについて 情報モラルに含まれる内容 ・ 心を磨く領域 「情報社会における正しい判断や望ましい態度を育てること。」 ・ 知恵を磨く領域 「情報社会で安全に生活するための危険回避の方法の理解やセ

    キュリティーの知識・技術、健康への意識」

    グループワーク ひとつの学年の年間計画(全教科)を素材にし、下の5項目の内容と学習活動をど

    う併せて活動できるか。どの教科、単元で「どのような内容」が取り組めそうか。 ・ 約束・決まりを守る。 ルール・マナーの遵守 ・ 情報社会の危険から身を守る。 セキュリティーの基本 ・ 社会の一員をしての意識。 4回目 8月30日 情報モラル教育の推進について。 1学期の取り組みから 系統性を意識した取り組みが学校全体でされている。 子どもたちが「できる」ことの定着が取り組まれている。 情報モラル教育で大切にしてほしいこと。 ・ 今日的な問題への対応 情報安全教育 ・ 地域・保護者との連携 実体に照らし合わせた協力、連携 ・ 道徳との関連 インターネットや携帯の中だけの特別なこととしない。教えるか

    ら考えさせるへ

    4.各学年で情報モラルに関しての実践

    研修会を経て、情報モラルに関して各学年で実践「詳細は別紙参照」

    ① 1学期 インターネットや携帯の使い方や問題点などが中心 インターネット・携帯電話のメール・チェーンメール・いたずらメール・インターネットシ

    ョッピング

    ② 2学期 生活の中で必要な情報セキュリティーや情報モラル 「著作権」・「デジカメ」「インタビュー」

    ③ 授業の中での情報モラル→日常的な指導

    5.「課題と展望」

    ・次年度、新学習指導要領が本格実施となる。その中で各学年の年間計画に最初か

    ら情報モラルの指導計画を加えておく。そのためには、どの学年、どの教科で何

    を伝えるのかを系統立てて計画しておく必要があると思う。

  • 情報モラル教育 1学期 2010,8,30 山手台小学校

    学年 1学期の取り組み 子どもの反応、成果・課題 今後の計画・その他

    1年 ・いばらきっ子スタディのパスワードを渡した時に、家でのパソコン使用状況を聞く。 ・大人と一緒に使用すること、プライバシーのこと、入力する時の注意につい

    て話す。

    ・パソコンを持っておられる家庭はほぼ100%。

    ・2学期にクラスごとにパソコ

    ンの授業(いばらきっ子スタデ

    ィ)をするので、その時に再度指導をする。

    2年 ・コンピューターで何ができる、何がしたい。 ・楽しいコンピューター、怖いコンピューター。 メールでの悪口、傷つける言葉 ・インターネットには悪い人がいるのでいろんなことを言われても無視をする

    ようにしよう。

    ・身近なパソコンは便利で楽しいだけではなく、気をつけて使わなければい

    けないということに気がついた。 ・インターネットや他のICT

    機器の情報の扱いで注意するこ

    とについて。

    3年 ・「日本国憲法 情報って何」の読み聞かせ 悪口を言う人を罰する法律はあるの。うわさは信じていいの。 ・インターネット・携帯電話のメール 悪意を持ったチェーンメール・いたずらメール、返信やクリックをすると

    見たくないものが出てきたりする。 ・インターネットショッピングについて ・うわさ話(確かではない情報)について

    ・うわさが全部正しいとは限らないこと。 ・携帯電話を持っている子がいる。(家の人と使い方の約束はしているとの

    こと。) ・インターネットショッピングをした子が数名いた。便利さの意見も、気を

    つけることの意見もたくさん出された。 ・質問形式で子どもたちから知っていることを出させたが、名称は知ってい

    るが内容はわからないことがたくさんあった。

    ・名称のみではなく、中身や使

    い方をきちんと理解する取り組

    みを考えていきたい。

    4年 ・パソコンやインターネットでどんなことができるのかを考える。 ・インターネットは、便利であるが危険な面もあることを知る。 ・真実を見つける力を養う。

    ・家庭での実態として、多くの児童がインターネットをしている。家庭での

    約束や注意がある。例えば、「お金がかかるものはしない。」「使い方がわか

    らないときは家の人に聞く。」「ゲームは30分以内。」等 ・危険なことでは、ウイルス・データを盗まれる・良くない情報が流れてい

    る等も知っている。

    ・著作権について基本的事項か

    ら学習を進める。

    5年 「チェーンメールはどうする」 東京書籍「道徳」 大阪府教育委員会 『携帯・ネット上のいじめ等への対処方法プログラム』 「悪意のあるメールでなくても、友だちや知り合いにメール転送を依頼する

    ことはチェーンメールになることを理解する。」

    ・ワンクリック詐欺の対処法は、無視することが大切。一人で解決しようと

    せずに、保護者や先生に相談する。 ・なりすましメールによる被害と予防方法は、自分の個人情報を載せない、

    見ず知らずの人と会わない。 ・デジタル教材や道徳教材で具体的に例を提示し、児童に考えさせることが

    できた。

    「肖像権について」 ・取材をするときに注意するこ

    とを、国語教材の学習を通して

    実際に取り組む。

    6年 「インターネットの怖さについて」 ・書き込み ・振り込め詐欺 ・インターネットを使った犯罪 ・パスワードの作り方 ・使用時の制限(フィルター)

    ・「インターネットの怖さ」のパワーポイントに基づいて話を進められた。 ・講師の方の実経験も交えての話・説明でしっかり聞けていたように思う。 ・いかがわしいサイトやネットショッピングについての問題が出された。

    ・引き続き「インターネットに

    ついての怖さ」の学習を進める

    予定。

  • 情報モラル教育 2学期 2010,12,24 山手台小学校 学年 2学期の取り組み 子どもの反応、成果・課題 今後の計画・その他 1年 「ちょさくけんを知ろう」

    ・作文や詩、日記、絵、工作などの作品ができたときに、自動的に著作権が生ま

    れることを学んだ。 ・ちょさくけんクイズ6問

    ・「著作物」「著作権」という聞き慣れない言葉だったが、子どもが作った作

    品(物語や図鑑)を使って説明したので、興味を持って聞いていた。 ・具体的な場面について6問のクイズをすることで理解が深まった。

    ・「安全の知恵」について ・大人と一緒にパソコンを使

    う など

    2年 ・子どもたちが、どの程度インターネットに触れているかを確認した。 ・教室でもICTを使う中で、たくさんの情報を手軽に見ることはできるが、情

    報には様々な怖さがあることを話すようにした。 ・インターネットで流されている情報を、勝手に手を加えるなどしてはいけない

    こと、自らが知り得た他人の情報を勝手にインターネットで流すことは犯罪とな

    ることも伝えた。

    ・2年生の児童は、予想していたほどはインターネットを使っていないこと

    がわかった。 ・今学期は、情報モラルの授業としての時間は取らなかったが、3学期に実

    施する。

    ・パソコンや携帯に触れる際

    の家庭でのルール確認。 ・インターネット等情報機器

    を使う際のマナーについて。 ・情報の安全性について。

    3年 国語「私のお気に入りの場所」~デジカメを使って~ (グループ学習) ① 場所の決定 [事前にデジカメ使用にあたって指導] ② 取材方法 「インタビュー」「写真撮影」→アポをとる。 ③ 取材 「インタビュー」「写真撮影」→写真を張り出してよいか許可を取る。④ まとめ 模造紙にまとめる→写真を貼る。 ⑤ 発表 クラス発表・掲示

    ・各班にデジカメを1台ずつ持たせたことで、より興味を持って取材するこ

    とができた。 ・まとめのポスターに写真画像を貼ることで、見る人にもわかりやすい発表

    になった。 ・事前指導を含め、デジカメを使用するに当たっての留意点、情報モラルに

    ついてもふれながら指導することで、モラルを意識しながら取材できた。

    ・国語や社会の授業でインタ

    ーネットを用いて調べ学習を

    行う。 ・情報の扱いに注意して学習

    を進める。

    4年 「著作権について」 (「コミックでわかる著作権」 社団法人 著作権情報センター) ○児童の関心は高い。 ・著作権のことをはじめて知った。 ・人のものを盗まないで自分の力でがんばろうと思った。 ・作ったものを許可なく売ったり、発表してはいけないことがわかった。 ・中国のドラえもんはいいのか。友達の書いた漫画はいいのか。

    ・著作権のことをはじめて知った児童がいた。 ・著作権を意識するようになり、生活の中で気付く児童がいた。 ・「著作権」という言葉を初めて聞いたという児童が多かった。そのため、

    難しく感じる児童もいた。

    ・情報社会の危険から身を守

    るとともに、不適切な情報に

    対応できるよう、インターネ

    ットの使い方を学習する。 ・ICTサポーターと指導内

    容を検討する。

    5年 国語「ニュースを伝え合おう」 ・インタビューをする際に、「~についてインタビューしていいですか。」「写真や

    ビデオを撮っていいですか。」等、肖像権について相手に許可をもらってから撮影

    やインタビューを行った。(情報社会の倫理)

    ・相手の情報を尊重する立場になることを意識するのは、ほとんどの児童が

    初めてだった。 ・どのようにしたらいいのか、モラルやスキルを身につけることができた。

    ・今回実践したことを社会科

    の授業等で活用できる場を意

    識させる。 ・携帯メール等について注意

    することなどを学習する。 6年 「インターネットのマナー、著作権」について

    インターネット犯罪 ① 振り込め詐欺について…巻き込まれたら、国民生活センターへ相談する。 ② 動画・掲示板の書き込み・閲覧の注意(見ない・使わない) ③ CDやゲームソフトのコピーや解除は犯罪 ④ ネットなど使用している段階でどこで・だれがなど所在が分かっていること。マナーについて ・相手を不快にさせない。 ・メール転送はだめ。悪口もだめ。

    感想文より ・「楽しかったらOKだと思っていたから、今後は親や先生に相談するよう

    にする。」 ・「以前からフィルタをかけているので、安心して使っている。」 ・「これまでたくさんのサイトやブログ、動画を見てきたが、危ないものも

    あることを知った。」 ・「掲示板に書き込みをしてしまって、後悔している。」など 今回の学習はとてもためになったようである。

    ・冬休み前に使用の注意・見

    守りのお願い・フィルタリン

    グなど保護者にプリント配布

    する。 ・3学期も引き続き取り組む。

  • B-4

    ムービーメーカーを使って…

    穂積小学校 上原 美紀 1.発表概要

    動画編集ソフト「ムービーメーカー」で児童や教員が作成した動画を紹介。

    - 19 -

    ○児童作成 ・ニュース番組 ・クラブ紹介 ・出し物PR

    など

    ○教員作成 ・支援学級 ・家庭科実習 ・委員会活動報告

    など

    2.名人誕生!?子どもが作るオリジナルビデオ

    ①ニュース番組を作ろう(6年) 5年生の国語では、2学期に学習する「ニュースを伝え合おう」(取材したこと

    や考えたことがはっきり伝わるように組み立てを工夫して話したり、話し手の話し

    方の工夫に注意しながら聞いたりする)という単元がある。この単元では、ニュー

    ス番組の構成や話し方の工夫を調べた後、グループごとにニュースを発表するとい

    う学習を行なった。 社会では、3学期に学習する「わたしたちのくらしをささえる情報」の中に、「ニ

    ュース番組をつくる人たち」(テレビ局の仕事の様子や働きについて調べ、情報を

    発信する産業に従事している人々の工夫や努力に気づき、様々な情報が人々のくら

    しと深く関わっていることをとらえる)という単元がある。 この5年生の学習を踏まえて、6年生2学期の国語「ニュース番組を

    作ろう」(ニュース番組の構成を考え、役割に応じた話し方を工夫して話

    したり、話し手の工夫に注意しながら聞いたりする)という単元で、児

    童が企画から編集までを行うニュース番組作りに取り組んだ。

    企画・構成 ニュース番組の内容や構成を調べて、役割や番組作りの工夫について

    知る。グループごとにニュース番組の内容や構成について話し合い、

    取材をして番組進行表や台本を作る。 撮影 <スタジオ>出演者がスタジオで撮影を行う。 <ロケ>リポーターが取材に行く様子を撮影する。 編集 撮影した動画を、放送する順番に並び替え、テロップや音楽を入れる。 放送 それぞれの番組を視聴し、感想を交流する。

    自分達が作った番組を客観的に視聴する事で、大切なことをわかりやすく伝え合

    うためにはどうすればよいかなど、ニュース番組について楽しんで考えることがで

    きた。また、動画が持つ魅力を感じ、表現方法の一つに組み入れられた。

  • - 20 -

    ②パソコンクラブ活動紹介(クラブ活動) 普段はジャストスマイルのお絵かきや名刺作り、カレンダー作りなどの創作活動

    を行うが、3 年生のクラブ見学に向けて、動画作成を行った。自己紹介と担任紹介、また得意技披露の脚本を作り撮影し、ムービーメーカーで編集したものを、クラブ

    紹介時に上映する。(現在制作段階) ③クラスの出し物の紹介ビデオ(ほづみっ子まつり) お化け屋敷の順番待ちの間、待っている人が楽しめるように、出し物を紹介する

    ビデオ(イメージとしては、テーマパークのアトラクション待ちの時に流れている

    もの)を流したいと、子どもたちが自主的に制作した。待っている間に怖くなって

    しまい、出し物に入れなくなる子が出るほどの仕上がりになり、子どもたちは動画

    制作やその発表をとても楽しんでいた。 3.見てすぐわかる!先生が作るオリジナルビデオ

    ①繰り返し見て覚えられる~支援学級在籍の子どもたちのために~ 運動会のダンスや組立体操などの練習、学校への行き帰りの交通安全についての

    注意や、数字の読み方、しりとりの仕方、音楽のリズム練習など、教室でも家庭で

    も繰り返し楽しんで視聴できるように、教材ビデオを制作した。実際の映像を見な

    がら時間をかけてゆっくり練習に取り組むことができた。 ②作る前に見る!~家庭科 被服実習・調理実習~ 家庭科の実習では、目で見て確認し同じようにするのが一番わかりやすいが、細

    かい手先のことなので、全員が同じように見ることが難しい。そこで、「○○の作

    り方」ビデオを制作し、全員で一つずつ確認してから実習に入ることで、失敗や作

    業中の質問が減り、実際に作る時間をたくさんとることができた。 ③こんなことやってます♪~委員会活動報告~ 朝会で委員会の活動報告や委員会からのお願いをする際に、実際に活動している

    様子を見せることで、よりわかりやすく伝えることができる。給食委員会の「給食

    場での注意」、体育委員会の「運動会の準備体操」など、子どもたちが主役になり

    ビデオを撮影し教師が編集を行い、朝会などで上映を行った。全校児童に実際の様

    子を見てもらえるのでわかりやすく、出演した子どもたちも自分たちの委員会活動

    に責任を持って取り組めていた。 4.まとめ

    ビデオ撮影、編集というと難しいイメージがあり敬遠されがちだが、子どもたち

    はそんな「難しい」機械や作業が意外と好きである。機器の使い方も、すぐに覚え

    られていたし、パソコン(ムービーメーカー)での編集作業も楽しんで取り組み、

    音楽やテロップなども工夫して入れられていた。

    撮影や編集、その指導ができる教師が少ないことが現状だが、制作した動画を再

    利用(再上映)することから始め、動画を使った指導の効果を感じてもらいたい。

  • B-5

    生徒会活動における ICT の利用

    太田中学校 亀田 直記 1.はじめに

    本校では、今年度より生徒会の活動を活発化させ、生徒中心の取り組みとなるよ

    う努力している。その中で、活動内容を全生徒に伝えるため、生徒会メンバーが ICT

    を活用して全校集会を行ったことや、各委員会の取り組み中で ICT を使った発表な

    どに挑戦した。

    2.生徒会本部役員の取り組み

    ①全校集会 毎月1回行われる全校集会で、パワーポイントを用いて寸劇などをおりまぜな

    がら、各月の目標を全生徒に発表した。学期末には、取り組みのまとめや、標語

    の募集も行った。スライドの作成から当日の機器の操作、片付けまでを生徒会担

    当の教員のサポートを受けながら、生徒たちが分担して行った。

    - 21 -

    全校集会の様子 11月のスライド

    ②生徒会交流会 7月12日、12月21日に行われた茨木市中学校交流会に、今年度から初参

    加した。パワーポイントを用いて、本校の活動の様子を紹介した。

  • 3.各委員会の取り組み

    ①文化委員会 文化発表会において、校長直筆の全体テーマをスキャナで読み込んで拡大した

    ものを印刷したり、マナーのポスターをパソコンで効果的な絵を選んで編集する

    などした。

    校長直筆の全体テーマ マナーのポスター ②保健委員会 インフルエンザの流行を前に、手洗いの励行を促すスライドを全校集会で発表

    した。

    練習風景 体育館での発表

    4.まとめと課題

    生徒会役員に行ったアンケートより

    Q.コンピューターなどを使うことで、よかった点は?

    ・(スクリーンが)でっかいから、後ろの人もわかったと思う。

    ・少しは(聞く生徒が)集中してくれたんじゃないかと思う。

    ・コンピューターの新しい活用法を知った。

    ・作業が楽になった。

    今年度から初めて取り組んだことであったが、生徒会役員は概ね「やってよか

    った」という感想を持っている。ある程度、ICT 機器の操作ができる生徒が役員

    にいたため、スムーズに行うことができた。今後、ICT の活用をこのようにした

    らよいのではないか、といったアイデアも出してくれた。

    課題としてあげられることは、

    ・役員が交代しても継続していけるか

    ・他の委員会でも取り組めるか

    ・ICT 機器の操作に慣れていない教員でも指導できるか

    などが考えられるが、今後検証していきたい。

    - 22 -

  • C-1

    「ICTを活用して論理的思考力・説明力を養う。」

    ――PISA学力で最も苦手とされる論理的思考力・説明力を養うための肝――

    太田小学校 井手 治

    ①書画カメラを活用したノート指導 ②論理展開の型を教える

    ③キーワード、キーイメージを押さえる。 ④学びあう

    1.はじめに

    コンピューターは、人間の脳をモデルに設計された。しかしまだ、人間の脳には、はるかにお

    よばない。ヒトの脳は、ほぼ100%おなじDNAの設計で作られている。

    だから、子ども達に伝えたい「君の脳は世界一の性能だ!」

    それなのに何故、理解や上達が遅い人と早い人の差が出るのか?その違いは、コンピュターに

    例えるとそれを動かすOS(オペレーティング・システム)とプログラムの違いである。

    人は、学習活動によって、脳のOSのバージョンを日々更新し、良質のプログラム(教材)を

    系統的に自分のものにしていく。ところでその学習活動と教材を企画するのは、私たちである。

    教師は、その構えで授業に望む必要がある。情報化社会では、メモリーの価値が暴落して論理能

    力の価値が高騰している。私学や塾では論理力を養うプログラムが流行しつつある。論理的思考

    力・説明力を養うためのポイントを4つ紹介する。

    2.ノート指導(自分の思考活動を対象化するシステム) ・どんなノートができるのか予想して板書計画・授業展開を考える。

    特に低学年は、子どもが使用するノートのマス目を使って授業計画を立てたらよい。(「ノート

    術」研修より12月3日クリエイト) ・ノートのモデルを提示する。早い時期から個別に評価し定着させる。書画カメラを活用し紹介

    しあう。太田小学校では、ノートのモデル化(スクール・スタンダード)を目指して研修して

    いる。ぐちゃぐちゃのノートは、授業者の責任である。ノートの使い方をpptで紹介する。 3.論理的説明のしかた(3段階+例) 参考・・フィンランドメソッドより ステップ1;「はじめに」・・定量をみつける。適用できる法則、公式、既習事項を探す。課題の

    中に決まった量を見つけよう。 ステップ2;「次に」・・変量の関係を探す。

    組み合わせでわかること、変わることは何かな? ステップ3;「したがって」・・課題に則した結論を出そう。 プラス 例;絵や図、具体的なものに置き換えると変量の分布が分かり関係が分かる。

    図と「例えば、・・」を途中に入れよう。 例◎「振り子の重さが変わっても往復する時間が同じなのは、なぜか?」

    ◎川のカーブの外側が削られやすいのはなぜか? ◎ブランコの立ち乗りと座りのりでは、どちらが早く振れるか? ◎ある数を2倍した数は、ある数の半分より33多いです。ある数は、いくつ?

    - 23 -

  • 4.キーワード、キーイメージを押さえる。

    私たちは情報を、言語や非言語的情報に組み替えて処理している。 収集選択 系統的記憶

    創造・発信

    - 24 -

    検索

    意味理解と問題解決の

    ネットワーク コード化(要約) フレーム化(分類) スキーマ化(方法)

    情報 長期記憶スクリプト

    ① キーワードを読み取る力をつける。(主語、述語、・・字数制限の要約)

    例;水溶液の扱い方5項目それぞれ10字以内にまとめなさい。 ② キーになる画像や動画を把握する。(図式化、イメージ化)

    画像、動画が安く手に入るようになった。イメージをつかんだり作ったりするグラフィック脳

    力が求められる。授業に使うためにキャプチャーの技術が有効である。スマートボードのキャ

    プチャー機能を活用する。(フリーソフトもあり) 例;扇状地のでき方と太田の地下。 肌の色はなぜちがう?(ppt)

    ③ 具体的体験と抽象的理解をつなげる。(ツリー、マップ・・系統化) 例;安威川の石は、プレートの移動と日本列島の歴史をかたる。(チャートと花崗岩) 花園町の看板と断層と豊臣秀吉

    5.学びあう

    共働の活動の中で生きて働く力が身につく。主権者(児童)の利益になる学習。 個人の力が社会的力として発揮される学習活動を。 太田小の研究推進目標「自分の考えを持ち学びの中でつながっていく児童を育てる」

    6年家庭科 部屋の模様替えビホ

    ー・アフター発表(書画カメラ)

    4年国語「こかげにごろり」意見を分類し

    自分の立場を位置づける。TVは、挿絵

    参考図書:「フィンランドメソッド超読解力」(田中博之)

    「考えることの科学」(市川伸一) 「上達の法則」(岡本浩一)

  • C-2

    ICTの活用方法

    天王小学校 中谷 修一 1.はじめに

    天王小学校では校内組織・視聴覚部会が、ICT 活用を推進している。視聴覚部会のメンバーから ICT 活用を積極的に行い学年に広めるほか、新しい ICT 機器の活用については、視聴覚部会で作成したマニュアルによって校内研修を行っている。

    2.授業での実践事例

    1学期の取り組み

    ①2年生生活科での授業 テーマ「とびだせひみつたんけんたい」

    校区内のいろいろな施設などを、クラスを解

    体して見学する計画を立て調べに行くことにし

    た。日曜参観日にそれぞれの施設の調べてきた

    ことを発表していくことにした。絵に表した

    り・ペープサートにしたり・紙芝居にしたりグ

    ループでそれぞれ工夫して発表することができ

    た。

    施設の絵を画いたグループは書画カメラを使

    って拡大したり、わかりやすく説明することができた。参観にこられた保護者も書

    画カメラに興味深々、驚きの目で見ていた。

    2学期の取り組み

    ①デジタルテレビの活用

    パソコンとデジタルテレビをつなげた授業で

    の効果的で興味・関心をもたせる指導方法を考

    えていくことにした。パソコンで各学年の教科

    書を取り込み、実践に生かす方向で取り組むこ

    とにした。

    2年生でも国語や算数の教材をデジタルテレ

    ビで映すことで興味・関心をはかっていった。その中で、子どもたちがより学習を

    理解し、次にやってみたいと思わせるためにどうすればいいのかを考えていった。

    デジタルテレビに電子黒板機能を追加し、教科書画面に書き込みを行うこともたい

    へん有効であった。

    - 25 -

  • また、かけざんの学習でも、教科書をテレビで見

    せることによってクラス全体でも視覚でうったえる

    ことができ、かけざんにたいする興味・関心もさら

    に増していった。算数の形づくりでは、子どもたち

    がいろいろな形を作る中で、興味・関心をつなげる

    ために、書画カメラを使って子どもの作品を見せ、

    さらに興味が広がっていくように考えた。

    ②運動会の練習

    この夏は猛暑が続き運動会の練習も暑さでぐったりする子どもいたりする。しか

    し、運動会も興味・関心をもって取り組んでほしいと思い、練習のときビデオをと

    り、デジタルテレビで見せることにした。そうする

    ことでがんばっている子どもや自分の演技がよくわ

    かり、次の練習にいかせることができた。これから

    も引き続き、ビデオとデジタルテレビをつなげて、

    効果的な指導方法を考えていきたい。

    ③保健指導

    保健指導の一環として、頭ジラミのことをプロジ

    ェクターを使って効果的に教えることができた。

    3.視聴覚部会による校内研修会

    デジタルテレビで見やすくなった校内テレビ放送、新しく2クラスに1台整備された

    書画カメラ、校務システムによる情報共有など、新しい ICT 活用に向けたマニュアルづくりと、校内研修の実施により、校内全体の ICT 化を推進している。

    4.終わりに

    デジタルテレビや書画カメラを有効に使うために、また授業で子ども達が興味をもっ

    てとりくむためには、どうしていけばいいのかを暗中模索した 1 年間だった。これから

    も視聴覚部で協力しながら進めていきたい。

    - 26 -

  • C-3

    どの子も伸ばす ICT 活用

    彩都西小学校 鹿苑 照代 1.はじめに・・・ICT 活用の前提条件

    ①基本ルールの確立・・・机上の統一、聞く姿勢・発言ルール・工程の掲示、

    作業スピードを揃えるなど。

    - 27 -

    ・机上には、いつも同じ場所に必要な物

    だけ置く。 (忘れた人は、授業開始前に忘れ物コー

    ナーにいって借りておく) ・正しい姿勢を保つ。 ・自分がきれいだな、と思うように教科

    書・ノートは置く。 ・定期的にお道具箱の整理を実施。

    ・連絡帳は、毎日聴写。みるみる授業中の聞き方が上手になる。

    ・新出漢字は、1日2字同時に進め、同時に終わる。(○付けは、子どもたちが交互読

    みしている間に机間を回って済ませる。間違いは、すぐに指導、Tの前ですぐ直す。)

    漢字小テストは、ほぼ全員満点。花丸は、新学期開始のころに、進化のスタイルを公

    表して励ます。(葉っぱつき。植木鉢など)

    ②クラスの雰囲気作り・・・どの子にもいいところがあることに気づかせる。

    いろいろな教科で発表会(体育のテスト・図工・国語など)

    「発表します。聞いてください。」

    「はい。」(全員が返事する)

    「発表を終わります。」

    (全員が拍手する。)

    次 の 発 表 者 は ス タ ン バ イ 位 置 で 待

    つ。テンポよく進行する。

    ・ 一人一人が1日に1回はクラスの

    仕事をする。

    ・ ほとんどの子 が、宿 題 以 外 の勉

    強をしてくる。

    ・ さよならで、戸締まり OK にする。

    ③おうちの人への説明責任・・・学級通信、懇談など

    自分の子どもや同じクラスのお友だちを肯定的に見てもらえるように、我が子ができ

    るようになったことクラスのお友だちができるようになったことを伝える。写真、作

    文など載せたら名簿に記録(偏らないよう配慮している)。

    0

    5

    10

    15

    20

    25

    60~ 65~ 70~ 75~ 80~ 85~ 90~ 95~

    1学期2学期3学期

    2.単元末テストの学級平均点の変化

    2年生

    国語 1学期 2 学期 3学期

    話す・聞く 84 88 95

    読む 93 92 96

    言語 88 93 95

  • - 28 -

    0

    5

    10

    15

    20

    60~ 65~ 70~ 75~ 80~ 85~ 90~ 95~

    1学期2学期3学期

    算数 1学期 2 学期 3学期

    思考 80 89 88

    表現・処理 91 95 95

    知識・理解 87 96 94

    3.I CT 活用で効果的と考える授業の場面

    授業構成の中で、いつ、どんな場面で、どのようにして組み込むかを工夫

    ①動きを写す・・・・・・運筆スピードの微妙な部分、鍵盤ハーモニカの指くぐりなど

    の運指指導、はさみやカッターの使い方など

    ②様々な角度から写す・・鉛筆の持ち方、鍵盤ハーモニカの指の置き方など

    ③大きく写す・・・・・・目盛り・教科書・辞書・資料・プリント・ドリル・子どもの

    図工作品など

    たとえば、子どもの持ち物を大きく映す。「ちょっと貸してね。」拡大する過程

    を子どもといっしょに見ることができる。拡大教具はコピーした結果だけ。大

    きくするプロセスを見ないと同じものと見ない子どももいる。

    4.活用の成果

    ①集中させるのに時間がかからない(電源をオンするだけで全員集中)ため、一人一人

    の学習活動にたっぷりと時間をかけられる。習熟の時間を生み出し、授業中にできる

    ようにしておうちへ帰す。

    ②言葉で説明しきれない微妙な部分を視覚的にどの子にも瞬時に理解させられる。「わか

    る」が次への意欲につながる。「わかった!」「楽しい。」「もっとやりたい。」

    ③(特に低学年)母語の習得の遅れのため、教師の言葉の意味がわからず授業について

    いけない児童にとってもわかりやすい。現学年の学習内容を習熟してから上の学年へ。

    5.おわりに

    教科をわかりやすく指導してどの子も伸ばす目的で、ICT 活用を始めた。予想通り教師

    の説明時間を短縮し、学習活動を増やすことができた。どの子もできるようになり、自

    信をもって学習に取り組むようになる。毎年学期が進むにつれて授業がスムーズに進み、

    子どもたちの力が伸びている感覚があったが、今回のデータの分析を通してそのとおり

    であったことがわかった。来年本格実施の新学習指導要領で学習内容が増えるので、よ

    り多くの学習内容を確実に習得させるための引き出しの一つとも考えたい。

  • C-4

    『知らなかった』の意識改革~校内 ICT 機器活用の促進について~

    天王中学校 田中 拓 1. はじめに(発表概要)

    一昨年の夏より市内では 1 人 1 台の個人用 PC が配布され、情報教育の必要性、ICT 機器の活用についての声が一層高まる今日において、現状の課題と活用促進の方策、 ICT 機器を活用した授業、そして今後の可能性について考えていきたい。

    2.天王中学校における活用状況と課題

    ①アンケート結果 (表1~表3 )より (対象:教職員 40 名 ) 表1 :ICT 機器の活用状況 表2 :使用目的 (複数回答可 ) 表3 :活用した授業数

    - 29 -

    16

    11

    64 3 毎日

    ほぼ毎日

    1~2回/週

    ほとんど使わない

    全く使わない0

    5

    10

    15

    20

    25

    30

    10

    53

    225回以上

    2~3回

    1回

    0回

    ・表 1~表3の結果より、PC に関しては約70%がほぼ毎日活用している。 ・使用目的としては授業の教材づくり、情報入手ツールとしてが上位、成績処理等

    にも活用している教職員が多くみられる。 ・ただし、授業の活用では活用していないが50%を越え、充分に浸透していない。 その理由では、時間がかかる、使いたいが操作が分からないなどの声が挙がった。

    ② ICT 機器に求めるもの ・ ICT 機器活用で学びたいテーマとして、校務の時間短縮になる為のもの (成績処

    理・出欠一覧など )が一番多く、その次に魅力ある授業づくりに活用したいという声が挙がった。 (ソフト別ではエクセル・パワーポイントの使い方に集中 )

    ・なぜ活用できていないかについては、わざわざ研修にいく時間がとれない、今更

    聞きにくい、難しそうといった意見が多数。学びたい意欲は高い方が多い。 ③校内活用促進の為の方策 ・現状を踏まえ、まずは ICT 機器に対する抵抗感を減らこと、利便性を実体験して

    もらうことを念頭に置いた。それと共に、少人数で短時間のミニ研修会を校内 PC室で開催し、時間はかかるものの継続的に活用 写真①ミニ研修会当日の様子

    してもらえる形をとった。 ・最初のテーマは、便利で好評を得ているにもか

    かわらず、いまだ5~6人しか活用していない 『出欠表の活用』についてを選択。30 分弱の ミニ研修会を希望者のみに実施。

    ・少人数で質問しやすい、こんな便利なものが あることを知らなかった等の感想が聞かれた。

  • ④今後の展望 ・多忙を極める今日において、少人数・短時間でミニ研修会を実施していくことが

    有効な手段の1つと考える。また、実体験が必要不可欠である。 ・学年別に情報担当者を設置しているので、今後は学年毎に研修会を開催したり、

    サポーターの方に講師を依頼し定期的に実施していくことを計画している。 (成績処理、通知表・指導要録の作成、出欠一覧表などで効率化が期待される )

    情報教育所員

    学年情報担当

    教科担当

    I C T サ ポ ー タ ー

    ・各学年への情報の伝

    達及びミニ研修会の実施

    ・学年からの要望、課題

    などの汲み上げ

    ・各教科での活用状況、

    教材、成果のまとめ

    ・次年度への課題、工夫

    などの集約

    情報教育所員

    情報伝達

    相談・依頼

    情報伝達

    相談・依頼

    学年会等

    で実施

    教科会等

    で実施

    要望

    まとめ

    要望

    まとめ

    次年度への引き継ぎ

    情報環境の整備

    教材の集約など

    支援 支援

    3.ICT 機器を活用した授業実践例 (英語科)

    ①1 年生『what is this? の単元』『who is this? の単元』 ・2つの疑問文の定着を図るため、あらかじめ身近なものや興味をひく題材をパワ

    ーポイントを使い準備し、スマートボードを活用して授業を展開。 (効果 ):視覚と聴覚双方で学習できたことから、つづくワークシートにもスムーズ

    に入ることができ、全員積極的に授業に参加する姿が見てとれた。 ②1 年生『代名詞の活用の単元』 ・誤りやすい主格・所有格・目的格をスマートボードを活用して、定着を図る。 ボードに表示される問題の空白部分に入る代名詞の種類を推測し合っていく。

    (効果 ):順序を変えるなどして様々な種類の問題を解くことができ、また、テンポ 良く進めることができる。生徒同士やペアで問題を出し合うことも可能。

    写真③ 代名詞の活用の教材 写真④ 電子黒板を活用した授業 写真②what is this? の教材

    ③「彼」・・・は、・・・の、・・・を

    This is _____ notebook.Pochi likes ______ ._____ likes tennis.

    hishim

    Hes this?What’

    4.おわりに

    ICT 機器の活用については、難しそうや扱いづらいといったイメージをもたれる

    ことが多いが、実際にその利便性を実感してもらうことが浸透への第一歩と感じた。

    今後の課題としては優れた授業実践や新たな情報をいかに共有していくことがで

    きるか、そして、継続的に行う為の組織づくりという点が挙げられる。今後も他校

    の実践や活用方法などを市内小中学校で交流する場を設けていただきたい。

    - 30 -

  • C-5

    ICTを使った研究授業

    北陵中学校 戸次 恵一 1.はじめに

    本年度、北陵中学校では学力向上・ICTの活用を実施していくために、学期ご

    とに ICT を使った研究授業を行った。教科の特色を生かした ICT の活用法や子どものようす、 ICT のメリット・デメリット、ICTの使い方の共有など、本校で取り組んだことを報告する。

    2.取り組むきっかけ

    平成21年度の年度末総括より ①校内研修:人権や生徒指導の研修はいくつか取り組んだが、「教科の授業」に関

    する校内研修が皆無だった。学力をしっかりつけさせていくためには

    「わかる授業」作りが大切。小規模校の本校では、各教科1人という

    のがほとんどで「独りよがり」の進め方にならないように公開授業を

    もっと取り入れ参加し、研鑽を積んでいかなければならない。

    ②情報教育:電子黒板やコンピューター室の機材など次々新しくなっているがそれ についていっている教員はほとんどいない。「宝の持ちぐされ」になら

    ないようしっかり活用していきたい。いろいろと活用したいが、活用

    の仕方や、トラブル時の対処などに自信が持てないので使えない。

    上記のような反省が挙がったのを受け、平成22年度は学期ごと(1学期には理

    科、2学期には美術、3学期には数学)に ICT を使った研究授業を行うこととした。その中で、研究討議はもちろん、ICT 機器の使い方なども共有し、広く使っていけるようにした。

    3.各研究授業の紹介

    ①理科 理科の授業では毎回、PC・プロジェ

    クターを使用し授業を行っています。ICTを使用すると、準備が大変!と思われる

    方も多いと思いますが、毎回の授業前の

    休み時間に、理科の教科係が職員室に機

    器を取りに来て、教室で生徒自身がセッ

    ティングしています。今回の授業内容は、

    「脊椎動物の体の作り」でした。生徒にはプリントを配布し、パワーポイントを

    使い、授業を進めていきました。パワーポイントの中には写真だけではなく、動

    画などもあり生徒はとても引きつけられていました。

    - 31 -

  • ②美術 美術科の研究授業は「デジタルアニメー

    ション」を行いました。「集まる」「倒れる」

    などのテーマを各班考え、デジタルカメラ

    で何枚も撮影し、アニメーションを作ると

    いうものです。作品の発表は50型TVで

    みんなで鑑賞し、討議を行いました。今で

    は身近なデジタルカメラを使っての作業と

    いうことで、生徒は楽しそうにいろんなア

    イデアを出しながら一生懸命作品を作っていました。

    ③数学:電子黒板か書画カメラを使用し、空間図形の展開図や切り口などを行う 予定です。

    4.研究討議

    研究討議は実際に授業をビデオカメラで撮影したものを流し、それを見ながら討

    議を行った。その中で ICT 機器を使用するメリット・デメリットを討議した。 メリット

    ・PCやカメラなど興味津々

    ・実際に見せることができないものを見せることができる。

    ・板書の時間を短縮することができる。

    ・生徒の方を見て授業を進めることができる

    ・50型TVは明るくて見やすい

    ・一度作ると次年度以降が簡単

    デメリット

    ・生徒が傍観者になってしまう

    ・参加しなくても授業が進んでしまう。

    ・板書することも大切

    ・パワーポイントの準備が大変

    5.最後に

    学校全体の総括をまだ行っていないため個人的な意見・反省になってしまうが、

    まず、いろいろな教科の先生方に参加していただき ICT 機器を使うことによってのメリット・デメリットを一緒に考えていくことで、自分の授業ならばこの場面で動

    画を使おうと思ったというような意見もでて、授業を考えていく上での広がりを期

    待できると思う。また、機器の使い方なども授業とつなげて研修していくことで共

    有することができた。反省としては、やはりイメージとしてまだまだ準備や使い方

    が大変だという意見もあるので課題として積極的に推進して取り組んでいきたい

    と思う。ICT 機器を「宝の持ちぐされ」にすることなく普段から積極的に活用していくことで、生徒の学力向上へのアプローチのひとつとして確立していきたい。

    - 32 -

    jouhou.pdfA1.higashi-eA2.mizuo-eA3.nishigawara-eA4.higashi-jA5.shinonome-jB1.kasugaoka-eB2.tamakushi-eB3.yamatedai-eB3-1.山手台小B3-2.情報モラル教育 1学期まとめB3-3.情報モラル教育 2学期まとめ

    B4.hodumi-eB5.ohda-jC1.ohda-eC2.tenno-eC3.saitonishi-eC4.tenno-jC5.hokuryo-j