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アプリケーションノート AN1610
ALPHA PROJECT Co.,LTD.
http://www.apnet.co.jp
AN1610 AP-RZA-1A ベアメタル サンプルプログラム(GCC)解説
Copyright©2018 ALPHA PROJECT Co.,LTD All right reserved
1. 概要 ...................................................................................................... 2
1.1 概要 .......................................................................................................................... 2
1.2 接続概要 ..................................................................................................................... 2
1.3 動作モード .................................................................................................................. 3
1.4 開発環境について ......................................................................................................... 3
1.5 ワークスペースについて................................................................................................. 3
2. サンプルプログラムの構成 .......................................................................... 4
2.1 フォルダ構成 ............................................................................................................... 4
2.2 ファイル構成 ............................................................................................................... 5
3. AP-RZA-1Aサンプルプログラム ................................................................. 8
3.1 ビルド・デバッグ方法 ................................................................................................... 8
3.1.1 プロジェクトのインポート ....................................................................................... 8
3.1.2 プロジェクトのビルド ............................................................................................ 13
3.1.3 RAM 動作 ............................................................................................................ 14
3.1.4 ROM 動作 ............................................................................................................ 17
3.2 動作説明 .................................................................................................................... 19
3.2.1 ブート処理 .......................................................................................................... 19
3.2.2 サンプルプログラム概要 ......................................................................................... 20
3.2.3 LCD-KIT 動作について ........................................................................................... 21
3.3 RAM 動作時のメモリマップ ........................................................................................... 23
3.4 ROM 動作時のメモリマップ ........................................................................................... 24
AP-RZA-1A (RZ/A1H CPU BOARD)
ベアメタルサンプルプログラム (GCC) 解説
3 版 2018 年4月 18日
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安定化電源など DC+5V
AP-RZA-1A J-Link
PC-USB-04
ホスト CPU
LCD-KIT-B01
1. 概要
1.1 概要
本アプリケーションノートでは、AP-RZA-1A に付属するサンプルプログラム(GCC)について解説します。
本サンプルプログラムの概要を以下に記します。
1.2 接続概要
本サンプルプログラムの動作を確認する上で必要な CPU ボードとホスト PC 間の接続例を以下に示します。
サンプルプログラム 動作内容
ベアメタルサンプルプログラム(GCC) ・タイマ割り込み
・シリアル通信
・LED 制御
・LCD 出力
・タッチパネル操作
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1.3 動作モード
本サンプルプログラムは、AP-RZA-1A で動作します。AP-RZA-1A はブートモードが選択でき、本サンプルプログラムを
RAM 動作させる場合は「SD ホストインタフェースからブート」(SD カードは挿さないでください)、
ROM 動作させる場合は「シリアル FlashROM からブート」を選択してください。
詳細につきまして「AP-RZA-1A ハードウェアマニュアル」をご覧ください。
JSW1 ブートモード 備考
ON(右側) シリアル FlashROM からブート 出荷時設定
OFF(左側) SD ホストインタフェースからブート
1.4 開発環境について
本サンプルプログラムは統合開発環境 e2 studio を用いて開発されています。
サンプルプログラムに対応する開発環境、ツールチェインのバージョン、デバッガは次のようになります。
開発環境 バージョン ツールチェイン名 バージョン デバッガ
e2 studio 6.2.0 GCC ARM Embedded Toolchain 5.4.1 J-Link
1.5 ワークスペースについて
本サンプルプログラムの統合開発環境 e2 studio ワークスペースは次のフォルダに格納されています。
サンプルプログラム フォルダ
ベアメタル
サンプルプログラム
プロジェクトフォルダ
\sample\ap_rza_1a
JSW1
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2. サンプルプログラムの構成
2.1 フォルダ構成
サンプルプログラムは下記のようなフォルダ構成になっています。
sample
ap_rza_1a サンプルプログラムワークフォルダ
Debug RAM 動作用ワークフォルダ
Release ROM 動作用ワークフォルダ
script リンカスクリプトファイルフォルダ
src ソースファイルフォルダ
ap_rza_1a ボード依存部ソースフォルダ
iodefines RZ 内部レジスタ定義ヘッダファイルフォルダ
boot ブート処理フォルダ
gpio GPIO ドライバフォルダ
handler ハンドラフォルダ
intc 割り込みコントローラドライバフォルダ
lcdkit LCD-KIT ドライバ
lcdkit_b01 LCD-KIT-B01 ドライバフォルダ
lcdkit_c01 LCD-KIT-C01 ドライバフォルダ
lcdkit_d01 LCD-KIT-D01 ドライバフォルダ
lcdkit_d02 LCD-KIT-D02 ドライバフォルダ
riic I2C ドライバフォルダ
scif SCIF ドライバフォルダ
timer タイマドライバフォルダ
vdc5 VDC5 ドライバフォルダ
vector ベクタテーブルフォルダ
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2.2 ファイル構成
サンプルプログラムは以下のファイルで構成されています。
<\sample フォルダ内>
ap_rza_1a ・・・ AP-RZA-1A サンプルプログラムワークフォルダ
<\sample\ap_rza_1a フォルダ内>
.cproject ・・・ CPROJECT ファイル
.project ・・・ PROJECT ファイル
.info ・・・ INFO ファイル
<\sample\ap_rza_1a\Debug フォルダ内>
ap_rza_1a.map ・・・ サンプルプログラム RAM 動作用マップファイル
ap_rza_1a.srec ・・・ サンプルプログラム RAM 動作用モトローラファイル
ap_rza_1a.elf ・・・ サンプルプログラム RAM 動作用 elf ファイル
コンパイル後は SRC フォルダが生成され、SRC フォルダ下
にオブジェクトファイル等が生成されます。
<\sample\ap_rza_1a\Release フォルダ内>
ap_rza_1a.map ・・・ サンプルプログラム ROM 動作用マップファイル
ap_rza_1a.srec ・・・ サンプルプログラム ROM 動作用モトローラファイル
ap_rza_1a.elf ・・・ サンプルプログラム ROM 動作用 x ファイル
コンパイル後は SRC フォルダが生成され、SRC フォルダ下
にオブジェクトファイル等が生成されます。
<\sample\ap_rza_1a\scriptフォルダ内>
ap_rza_1a_ram.ld ・・・ サンプルプログラム RAM 動作用リンカスクリプトファイル
ap_rza_1a_rom.ld ・・・ サンプルプログラム ROM 動作用リンカスクリプトファイル
<\sample\ap_rza_1a\src フォルダ内>
common.h ・・・ 共通ヘッダファイル
main.c ・・・ メインソースファイル
lcdkit_app.c ・・・ LCD-KIT アプリケーションソースファイル
lcdkit_app.h ・・・ LCD-KIT アプリケーションヘッダファイル
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<\sample\ap_rza_1a\src\ap_rza_1a フォルダ内>
cache_inv.S ・・・ キャッシュ無効化ファイル
core_ca_mmu.h ・・・ MMU ヘッダファイル
iodefine.h ・・・ 内部レジスタ定義ファイル
mmu.c ・・・ MMU 初期化ファイル
mmu.h ・・・ MMU 初期化ヘッダファイル
r_typedefs.h ・・・ 型宣言ファイル
Renesas_RZ_A1.h ・・・ RZA1H 用ヘッダファイル
resetprg.c ・・・ main()前処理ファイル
startup.S ・・・ スタートアップ処理ファイル
typedefine.h ・・・ 型宣言ファイル
vbar.S ・・・ VBAR 設定処理ファイル
<\sample\ap_rza_1a\src\boot フォルダ内>
boot.c ・・・ ブート処理ファイル
boot.h ・・・ ブート処理ヘッダファイル
<\sample\ap_rza_1a\src\gpio フォルダ内>
gpio.c ・・・ GPIO ドライバファイル
gpio.h ・・・ GPIO ドライバヘッダファイル
<\sample\ap_rza_1a\src\handler フォルダ内>
handler.c ・・・ 個別割り込みハンドラファイル
irqfiq_handler.S ・・・ IRQ, FIQ ハンドラファイル
<\sample\ap_rza_1a\src\intc フォルダ内>
intc.c ・・・ 割り込みコントローラドライバファイル
intc.h ・・・ 割り込みコントローラドライバヘッダファイル
<\sample\ap_rza_1a\src\lcdkit フォルダ内>
lcdkit.c ・・・ LCD-KIT ドライバファイル
lcdkit.h ・・・ LCD-KIT ドライバヘッダファイル
<\sample\ap_rza_1a\src\lcdkit_b01 フォルダ内>
lcdkit_b01.c ・・・ LCD-KIT-B01 ドライバファイル
lcdkit_b01.h ・・・ LCD-KIT-B01 ドライバヘッダファイル
<\sample\ap_rza_1a\src\lcdkit_c01 フォルダ内>
lcdkit_c01.c ・・・ LCD-KIT-C01 ドライバファイル
lcdkit_c01.h ・・・ LCD-KIT-C01 ドライバヘッダファイル
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<\sample\ap_rza_1a\src\lcdkit_d01 フォルダ内>
lcdkit_d01.c ・・・ LCD-KIT-D01 ドライバファイル
lcdkit_d01.h ・・・ LCD-KIT-D01 ドライバヘッダファイル
<\sample\ap_rza_1a\src\lcdkit_d02 フォルダ内>
lcdkit_d02.c ・・・ LCD-KIT-D02 ドライバファイル
lcdkit_d02.h ・・・ LCD-KIT-D02 ドライバヘッダファイル
<\sample\ap_rza_1a\src\riic フォルダ内>
riic.c ・・・ I2C 通信ドライバファイル
riic.h ・・・ I2C 通信ドライバヘッダファイル
<\sample\ap_rza_1a\src\scifフォルダ内>
scif.c ・・・ シリアル通信ドライバファイル
scif.h ・・・ シリアル通信ドライバヘッダファイル
<\sample\ap_rza_1a\src\timer フォルダ内>
timer.c ・・・ タイマドライバファイル
timer.h ・・・ タイマドライバヘッダファイル
<\sample\ap_rza_1a\src\vdc5 フォルダ内>
vdc5.c ・・・ VDC5 ドライバファイル
vdc5.h ・・・ VDC5 ドライバヘッダファイル
<\sample\ap_rza_1a\src\vector フォルダ内>
vectors.S ・・・ ベクタテーブルファイル
vectors_mirror.S ・・・ ミラーベクタテーブルファイル
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3. AP-RZA-1Aサンプルプログラム
3.1 ビルド・デバッグ方法
3.1.1 プロジェクトのインポート
① e2 studio を起動し、ツールバーの[ファイル]→[インポート]を選択します。
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② [既存のプロジェクトをワークスペースへ]を選択し「次へ」を選択します。
③ [ルート・ディレクトリーの選択]を選択し、「参照」からサンプルプログラムのフォルダを選択します。
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④ [終了]を選択します。
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⑤ ナビゲーションウィンドウにサンプルプログラムのプロジェクトが追加されていることを確認します。
⑥ 文字コードの変更を行います。ツールバーの[ウィンドウ]→[設定]を選択します。
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⑦ [一般]→[ワークスペース]を選択し、テキスト・ファイル・エンコードを[その他 > SJIS]を選択し、
「OK」ボタンを押します。
(SJIS が選択できない場合は直接[SJIS]と打ち込んでください)
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3.1.2 プロジェクトのビルド
① ツールバーからビルドアイコンを選択します。
アイコン横のした矢印をクリックすることでコンフィグレーションごとのビルドが可能です。
構成が Debug の場合、\Debug ワークフォルダに RAM 動作用のオブジェクトファイルが、
Release の場合、\Release ワークフォルダ内に ROM 動作用のオブジェクトファイルが生成されます。
ただし、初回ビルドでは makefile が存在しないためビルドが通りません。初回ビルドにより makefile が生成されます。
[プロジェクト]→[クリーン]を選択し、クリーンビルドすることで正しくビルドが行われます。
e2 studio の詳細な使用方法に関しては e2 studio のマニュアルを参照してください。
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3.1.3 RAM 動作
② [3.1.2 プロジェクトのビルド]を参考に、プロジェクトを Debug 構成にしてビルドしてください。
③ ツールバーから[実行]→[デバッグの構成]を選択します。
④ [Renesas GDB Hardware Debugging]をダブルクリックします。
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⑤ 新規作成されたデバッグ構成を選択し[メイン]タブを選択し、名前を任意の値に設定します(参考図では「ap_rza_1a
Debug」を設定)。
また、プロジェクトを「参照」から[ap_rza_1a]を、C/C++アプリケーションを「プロジェクトの検索」から
[Debug\ap_rza_1a.elf]をそれぞれ設定してください。
⑥ [Debugger]タブを選択し Debug hardware を[J-Link ARM]に、Target Device を[R7S721000]にします。
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⑦ [共通]タブを選択し、エンコードを[その他 > UTF-8]を選択します。
設定が完了したら、「デバッグ」ボタンを押下することでサンプルプログラムの RAM 動作を開始できます。
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3.1.4 ROM 動作
① ツールバーから[プロジェクト]→[プロパティ]を選択します。
② [C/C++ビルド]→[設定]を選択後、構成を[Release]に変更します。
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③ [ツール設定]タブから[Cross ARM GNU Create Flash Image]→[General]を選択し、Output file format を
[Motorola S-record]に変更します。
設定が完了したら「OK」ボタンを押します。
④ [3.1.2 プロジェクトのビルド]を参考に、プロジェクトを Release 構成にしてビルドしてください。
⑤ ビルドが完了すると\Release ワークフォルダ内に ROM 動作用モトローラファイルが作成されます。
弊社アプリケーションノート AN1608「シリアル FlashROM 書き込み方法」を参照し、
モトローラファイルを書き込んでください。
※e2 studio ではモトローラファイルの拡張子が『*.srec』となります。FlashWriterEX でファイルを読み込む際には
「ファイルの種類」を『*.*』に選択してモトローラファイルを読み込んでください。
⑥ 書き込み後は、[1.3 動作モード]を参考に、「シリアル FlashROM からブート」に設定し、電源を投入して
動作を確認してください。
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3.2 動作説明
3.2.1 ブート処理
AP-RZA-1A のブートモードが「シリアル FlashROM からブート」に設定されている場合、
パワーオンリセット解除後に CPU は 0xFFFF0000(内蔵 ROM)に格納されているブートプログラムを実行します。
このブートプログラムにより、SPI マルチ I/O バスコントローラが外部アドレス空間リードモードに設定され、基板上に
実装されたシリアルフラッシュに対し直接データの読み出しが可能になります(SPI マルチ I/O バス空間:0x18000000~)。
ブートプログラムの終了後、CPU は 0x18000000 に分岐します。
そのため、本サンプルプログラムでは例外処理ベクタテーブルを 0x18000000 に配置しブートプログラムの終了後に
シリアルフラッシュに書き込まれたリセットハンドラ処理に分岐するようにしています。
リセットハンドラ処理ではベクタベースアドレスの設定、スタックの初期化、内蔵 RAM 書き込みの許可、
MMU・キャッシュの初期化、クロック周波数の設定やボードの初期化、セクションの初期化やデータのコピーなどを行った後、
Sub_main 関数に分岐します。Sub_main 関数では割り込み処理の設定などを行い、最後に main 関数に分岐します。
CPU のブートモードとブートモードに依存するそれぞれのブート処理に関しての詳細は下記資料を参考にしてください。
・ 「RZ/A1H グループ ユーザーズマニュアル ハードウェア編」
・ 「RZ/A1H グループ 初期設定例」
これらの資料は下記 URL から入手が可能です。
https://www.renesas.com/ja-jp/products/microcontrollers-microprocessors/rz/rza/rza1h.html
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3.2.2 サンプルプログラム概要
サンプルプログラムは、下記の動作を行います。
● SCIF5 でエコーバックを行います。(送受信割り込み使用)
SCIF5 から受信した値をそのまま、SCIF5 へ送信します。
COM ポートの設定は、115200bps、ビット長 8、パリティなし、ストップビット1、フロー制御なしです。
動作確認は、ホスト PC 上のターミナルソフト(ハイパーターミナルなど)を使用して行ってください。
● LD1(緑の LED)を 500msec 間隔で ON/OFF します。(※1)
● CN1 のポートより方形波を出力します。周期とピン番号を下記の表に示します。(※1)
● LCD-KIT-B01, C01, D01, D02 と接続時に画面にカラーバーの表示をします。(※2)
● LCD-KIT-B01, C01, D01, D02 と接続時に画面にタッチすることで軌跡を描画します。(※2)
※1:LCD-KIT-C01 と接続時は、タッチ判定処理に時間がかかるため、処理間隔に遅延が生じます。
※2:動作詳細や注意事項は、 [3.2.3 LCD-KIT 動作について]をご確認ください。
方形波出力端子一覧
ピン番号 ピン名 周期 備考
CN1.31 P8_15/A23/SPBIO11_0/SPBIO10_1/
TIOC2B/SSL20/PWM1H/RxD4
500msec
CN2.21 P5_7/TXOUT0M/LCD1_DATA7/LCD0_DATA23/
DV1_DATA7/RxD6/TIOC0D/SPDIF_OUT/DV0_DATA15
1000msec
CN2.22 P5_6/TXOUT0P/LCD1_DATA6/LCD0_DATA22/
DV1_DATA6/TxD6/IRQ6/SPDIF_IN/DV0_DATA14
1000msec
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3.2.3 LCD-KIT 動作について
3.2.3.1 LCD-KIT の設定
本サンプルプログラムは、デフォルトで LCD-KIT と非接続で動作するように設定されています。
LCD-KIT-B01, C01, D01, D02 を接続して動作を確認したい場合は、
下記ソースファイルの赤字の値を「LCD_KIT_B01」、「LCD_KIT_C01」、「LCD_KIT_D01」あるいは
「LCD_KIT_D02」に変更してください。
その後、e2 studio 上で [プロジェクトをクリーンにする]を選択してから [プロジェクトのビルド]を選択して、
必ずプロジェクトの再ビルドを行ってください。
\sample\ap_rza_1a\src\lcdkit_app.h(19~26 行目)
19 : /* 動作確認をする LCD キットに合わせて、下記のいずれかの値で
20 : * 定義「LCD_KIT_SELECT」を変更してください
21 : * ・LCD_KIT_NONE(デフォルト) ←LCD-KIT を動かさない場合の設定値
22 : * ・LCD_KIT_B01 ←LCD-KIT-B01 と接続時の設定値
23 : * ・LCD_KIT_C01 ←LCD-KIT-C01 と接続時の設定値
24 : * ・LCD_KIT_D01 ←LCD-KIT-D01 と接続時の設定値
25 : * ・LCD_KIT_D02 ←LCD-KIT-D02 と接続時の設定値
26 : */
27 : #define LCD_KIT_SELECT (LCD_KIT_NONE) ←赤く示した値を適切に設定してくださ
い
AP-RZA-1A と接続した LCD-KIT と、プロジェクトで指定した LCD-KIT に相違がないようにマクロの変更と
ビルドには十分ご注意ください。
2
1
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3.2.3.2 LCD-KIT の動作概要
本サンプルプログラムは、LCD-KIT と接続し、[3.2.3.1 LCD-KIT の設定]を参考に適切にプロジェクトの設定を
行った場合、下記の動作を行います。
● LCD 画面上にカラーバーを表示します。
● LCD 画面をなぞるとその軌跡に沿って線が引かれます。
LCD-KIT-C01動作時は一線のみ、LCD-KIT-B01, D01, D02動作時は同時に二線までを描くことができます。
● LCD 画面を一度タップすると、次から描く線色が変わります。
(赤 → 緑 → 青 → 白 → 黒 → 赤 → …)
● LCD 画面を二度タップすると、現在描かれている線が全て消去されます。
3.2.3.3 LCD-KIT-C01 のキャリブレーション
LCD-KIT-C01 は、抵抗膜式タッチパネル付き LCD ボードです。
静電容量式の LCD-KIT-B01, D01, D02 とは異なり、キャリブレーション処理を行う必要があります。
LCD-KIT-C01 使用時に本サンプルプログラムの動作を開始すると、画面にカラーバーを表示した後に、
画面左上に赤色の十字のポインタが表示されます。
ユーザはそのポインタに対してタッチ&リリースをしてください。
その後も順に右上、左下、右下の順にポインタが表示されますので、同様にユーザは各ポインタに対して
タッチ&リリースをしてください。
画面に対して四回タッチ&リリースをするとキャリブレーション処理は終了です。
その後の動作は LCD-KIT-B01, D01, D02 と同様です。
・キャリブレーション処理の補正は、リリースする直前のタッチ情報を基に計算されます。
再度キャリブレーション処理を行いたい場合は、シリアルコンソールから 0x01(SOH)を送信してください。
・LCD-KIT-C01 はマルチタッチに対応していません。同時に複数箇所に触れると誤動作する場合があります。
・キャリブレーション中は、シリアルエコーバック・LED 点滅・方形波出力の各動作を停止します。
それぞれの動作はキャリブレーション後に動作開始、あるいは、動作が再開されます。
① ②
③ ④
LCD-KIT-C01
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3.3 RAM 動作時のメモリマップ
メモリマップを以下に示します。
ONCHIP_SRAM
NOCACHE
.nocache_area
ONCHIP_SRAM
.arm_lib_heap
.abt_stack
.svc_stack
.fiq_stack
.irq_stack
.arm_lib_stack
.bss
.data
.rodata
.text
.vector_mirror
.code_handler
.spif_init
.vectors
TTB .ttb
ロード領域 実行領域
0xFFFF FFFF
0x2060 0000
0x2002 0000
0x2000 0000
0x0000 0000 0x0000 0000
0x2000 0000
0x2002 0000
0x2010 0000
0x2030 0000
0x2040 0000
0x2040 4000
0x2040 5000
0x2040 6000
0x2040 7000
0x2040 8000
0x2060 0000
0xFFFF FFFF
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3.4 ROM 動作時のメモリマップ
メモリマップを以下に示します。
ONCHIP_SRAM
NOCACHE
.nocache_area
ONCHIP_SRAM
.arm_lib_heap
.abt_stack
.svc_stack
.fiq_stack
.irq_stack
.arm_lib_stack
.bss
.data
.rodata
.text
.vector_mirror
.ttb
SERIAL_FLASH .code_handler
.spif_init
.vectors
ロード領域 実行領域
0xFFFF FFFF
0x2060 0000
0x2000 0000
0x1800 0000
0x0000 0000 0x0000 0000
0x1800 0000
0x2000 0000
0x2010 0000
0x2030 0000
0x2040 0000
0x2040 4000
0x2040 5000
0x2040 6000
0x2040 7000
0x2040 8000
0x2060 0000
0xFFFF FFFF
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商標について ・e2 studio 、RZ および RZ/A1H は、ルネサスエレクトロニクス株式会社の登録商標、商標または商品名称です
・その他の会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。
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