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AJIIS
日 本 計 装 工 業 会 標 準
Association of Japan Instrumentation Industries Standard
(AJIIS)
計装工事積算
(建築物編)
AJIIS-B-51-2002
平成 14 年 1 月 制定
社 団 法 人 日 本 計 装 工 業 会
日本計装工業会標準共通事項
1.目的 計装工事を実施する際の監理,設計,施工等の業務の標準的な方法を提供する。これらの標準を
採用することによって顧客に信頼される計装設備を供給することを期すものである。
2.計装工事 本標準における“計装工事”はプラントに関しては“AJIIS-P-11-20** 計装工事の範
囲(プラント編)”に,建築物に関しては“AJIIS-B-11-20** 計装工事の範囲(建築物編)”に規
定するものとする。
3.構成 本標準は共通編,プラント編及び建築物編よりなる。プラント編は主として工場,研究所等の計
装工事に適用する標準であり,建築物編は工場以外の主として建築物の計装工事に適用する標準である。共
通編は両者に共通して適用する標準である。標準の全体構成と個別の標準の位置付け,概略内容は巻末の日
本計装工業会標準体系表に示す。なお,従来使用されてきた旧要領(AJII-CM-02-88 等の番号の付いた
もの)の内容は本標準の体系内に吸収される。
4.総合名称 日本計装工業会標準 Association of Japan Instrumentation Industries Standards
(略号 AJIIS 呼び方:エイジス)
5.番号の読み方 日本語標準名の他,整理のための番号を付する。番号の意味を下に例示する。
例 AJIIS-P-62-2000
制定又は改正年(西暦)
各編の一連番号
C:共通編,P:プラント編,B:建築物編
総合名称の略号
AJIIS-B-51-2002
技 術 委 員 会
(建築物班)
委 員 長 吉川 浩 千代田計装(株)
副委員長 柏木 辰夫 千代田計装(株)
副委員長 大川 英治 高砂熱学工業(株)
委 員 伊藤 功 (株)関電工
委 員 柏原 幸雄 三機工業(株)
委 員 櫻井 敬一 (株)大氣社
委 員 橋場 潔 太平電業(株)
委 員 北折 豊 千代田計装(株)
委 員 松下 博 東光電気工事(株)
委 員 稲垣 道雄 日本電設工業(株)
委 員 寺田 幹雄 (株)日鉄エレックス
委 員 稲葉 俊次 山武ビルシステム(株)
秋山 尚 (社)日本計装工業会
テクニカル アドバイザ
AJIIS-B-51-2002
目 次
ページ
適用範囲 1
1. 積算前の準備,確認事項 1
1.1 現場説明 1
1.2 現場調査 1
1.3 仕様書,図面の確認 1
1.4 工法及び工程の確認 1
1.5 機器のメーカ指定 1
2. 工事価格の構成と積算 1
2.1 工事価格の構成 1
2.2 工事価格の決定 2
3. 工事価格の算出 2
3.1 直接工事費の算出 2
3.2 共通費の算出 4
4. 歩掛りに関する共通事項 7
4.1 歩掛り 7
4.2 標準歩掛り 7
4.3 歩掛りと複合単価 7
4.4 その他経費(下請経費等) 7
5. 直接工事費の歩掛り 7
5.1 電線管工事の歩掛り例と複合単価作成例 7
5.2 ケーブルラック歩掛りと複合単価作成例 10
5.3 制御ケーブル(CVV,CVV-S)の歩掛り例 12
5.4 計装機器据付工事の歩掛り例 12
6. 計装工事見積条件仕様(例) 14
6.1 見積区分 14
6.2 数量・計算方法 14
6.3 見積確認事項 15
6.4 拾い出しの参考例 15
7. 計装工事見積書標準書式 20
7.1 弱電設備 20
7.2 空調設備の自動制御設備 20
注:本文タイトル,図表タイトルの(ref.**)は引用文献,参照文献の存在を示し,当該文献名称は巻
末に記載した。
AJIIS-B-51-2002
1
工事価格
日 本 計 装 工 業 会 標 準 AJIIS
計装工事積算(建築物編)B-51-2001
適用範囲 本標準は,主として建築物の計装工事の積算業務に適用する。本標準は,国土交通省建築工事積
算基準(平成 13年版)をベースに制定した。なお,今後,国土交通省建築工事積算基準に技術内容以外の改
訂があっても本標準の改訂は行わないので,本標準を利用する場合は留意されたい。
1. 積算前の準備,確認事項
1.1 現場説明 発注者より工事内容の説明を受ける。
(1) 図面の説明
(2) 仕様書説明
(3) 契約条件 :工期,支払い条件等
(4) 質問の受付及び解答の日時等
(5) 見積提出日時
1.2 現場調査 工事現場付近の状況を調査し,図面を再確認する,工事場所によっては材料の運搬,労働者
の交通費,宿泊費を特別に考慮する必要があるため,付近の交通状況等も調べることが必要である。
1.3 仕様書,図面の確認 積算者は,受け取った図面,仕様書を検討し,両者の食い違いや不明点等は質疑
応答書等を提出し,明確にしておく。
1.4 工法及び工程の確認 機器の据付けの工法によっては,計装工事の施工方法や,施工順序が違う場合が
ある。このため材料,工費の積算に当たってはこれらを理解し積算する。また,工程によっては材料の搬入
時期,計装工の動員時期等が経済的な工程より外れ,必要以上の費用がかかる場合があるので注意を要する。
1.5 機器のメーカ指定 機器込み工事で,機器のメーカ指定がある場合は,指定メーカと価格折衝しなけれ
ばならず,また,カタログ等に定価のない特注品の場合は,メーカに見積を依頼するが,機器の概略設計等
に時間のかかる場合があるので積算の工程はこれらを考慮して余裕を持って計画する必要がある。
2. 工事価格の構成と積算
2.1 工事価格の構成 積算とは,一言でいえば「工事の価格を算出する」業務である。計装工事の工事価格
構成は図 2.1.1に示す各要素によって構成されている。
図 2.1.1 工事価格の構成
請負工事費
諸経費
純工事費
直接工事費
現場管理費
一般管理費等
(営業利益を含む)
共通費
共通仮設費 工事原価
消費税相当額
工事範囲,別途工事,使用材料,指定メーカ,機器支給か機器込みか,見積区分等
AJIIS-B-51-2002
2
機器類
2.2 工事価格の決定 計装工事の積算は,「数量×単価」の基本式から大部分が算出される。数量に材料単
価を掛けたものが材料費であり,工事の労務歩掛りにより所要工数(人工数)を求めそれに労務単価を掛け
て算出するのが労務費である。また,これら直接工事費に共通仮設費,現場管理費,一般管理費等(この 3
項目を共通費という),これに消費税相当額を加えたものが請負工事費である。
図 2.2.1 工事価格の算出
3. 工事価格の算出
3.1 直接工事費の算出
a) 直接工事費の工事種別 計装工事における直接工事費に該当する工事種別には,次のようなものがある。
b) 材料費 計装工事の材料費は,盤,機器類費とケーブル,配管材料の材料費及び雑材料費に分けられる。
1) 数量の拾い出し
機器類費は,設計数量×機器単価である。
材料費は,所要数量×材料単価である。
工事の種別毎に材料を選定し,図面,仕様書等より材料を拾い出す。
図面・仕様書
積 算
工事価格の算出
過去の積算実績
労
務
歩
掛
り
材
料
単
価
直接工事費
機器取付工事
導圧配管工事(保温,保冷を含む)
空気配管工事
配管配線工事
ケーブルラック工事
ワイヤリングダクト工事
塗装工事
仮設工事
運搬,搬入
試験,調整
AJIIS-B-51-2002
3
2) 数量の分類
イ) 設計数量:図面から拾い出した,台数,個数,設計寸法から求めた正味の長さの数量。
ロ) 所要数量:設計数量に切り無駄,重ねしろ,その他施工上のやむを得ないロス等の補給数を含んだ
数量。
3) 雑材料費の決め方 配管材の継手,接合材,支持金物,配線材の整線ひも,圧着端子,絶縁テープ等,
一つ一つ拾い出すことの困難な材料については,過去の実績等により,予め各材料費に対する比率を
決めて算出する。
4) 材料単価の決め方 拾い出した材料それぞれについて,単価を決めて値入れする。
材料費は,自社の見積材料単価,取引見込単価や,一般の市場単価の傾向を調べ,工事条件,支払
条件等を考慮して決めなければならない。特に機器類については2社以上のメーカ見積りにより,内
容を比較して適切な単価を決めることになる。
c) 労務費 労務費の積算は,労務人数(工数)×労務単価=労務費となる。労務費とは,作業者が工事に
従事する場合に,労務の対価として支払う賃金等であり,時間外の諸手当も含まれる。実際の工事に対して
熟練者を使用すれば,人数は少なくなるが,賃金は高くなる。また,作業によって,突貫工事となれば夜間
作業が増加し,作業効率が落ち賃金も高くなる。従って,労務費の積算に当たっては,作業の実情に応じて,
内容を把握した上で採用する労務歩掛りや単価を決定しなければならない。
現場監督者,現場代理人等は,工事には従事するが作業者ではないので,労務費ではなく,現場管理費の
人件費として積算するのが普通である。
1) 労務単価 労務単価は直接工事に従事する労務者の賃金で昼間実働8時間(1日)に対する報酬であ
る。
2) 公共事業の労務単価 公共事業の労務単価は,公共事業に係る建設労働者の賃金実態調査をまとめた
公共工事設計労務単価(基準額)を採用している。しかし,特殊な技能を必要とする部分は,その作
業に応じた技能労働者を積算対象にしなければならない。
3) 労務標準歩掛り 工数を計算するには,歩掛り(労務歩掛り)を使う。拾い出した材料の所要数量に
歩掛りを乗じたものが労務人数(工数)である。
材料所要数量×歩掛り=工数 この工数に労務単価を乗じたものが労務費である。歩掛りとは,標
準的な能力を持つ技能工が,正常な作業条件のもとで,標準施工を行う場合の「作業能率」を表わし
ている。
4) 工事の難易度による歩掛りの変動要素 歩掛りは,正常な作業条件のもとでの標準施工の作業能率を
表わしているので,正常でない作業条件では,歩掛りは変動する。
作業条件の変化による労働力に影響する主要項目には,次のものが考えられる。
イ) 建物の種類
① 建物の構造
② 床数又は建物の広さ
③ 取付位置,作業位置の高さ
ロ) 作業条件
① 高所作業
② 危険を伴うような場所での作業
③ 重量物を取扱う特殊作業
④ 工事に変更の多い場合
『これ以降は非公開となっております。ご覧になりたい方はご購入をお願
い致します』
日本計装工業会 技術委員会
日本計装工業会標準体系表
計装工事の範囲(AJIIS-B-11-2014)
計装工事の範囲,業務フロー,他部門との関係を説明したもの。又,関係する法規,資格類を工事種別に一覧表を加えたもの
AJIIS日本計装工業会 標準
計装工事施工監理(AJIIS-B-41-2002)
計装工事全般の施工監理を示したもの
5見積
計装工事積算(AJIIS-B-51-2002)
計装工事の積算要領を示したもの
3施工
計装工事施工 導圧配管(AJIIS-B-33-2002)
7保全
計装設備保全(AJIIS-B-71-2002)
設備の保全,計装設備も含んだ計器保全診断要領を示したもの
6検査調整
4監理
計装設備(工事)保全(AJIIS-P-71-2008)
計装工事試験検査及び試運転調整(AJIIS-B-61-2002)
計装導圧配管工事の施工要領を示したもの
計装工事施工 据付(AJIIS-B-34-2002)
計装機器の据付工事の施工要領を示したもの
計装工事施工 光システム(AJIIS-B-36-2002)
計装に関する光システムと工事の施工要領を示したもの
計装工事の試験検査要領,工事用資材の受入検査及び計装ループ試験,試運転を示したもの
計装工事施工 配線(AJIIS-B-31-2014)
計装配線工事の施工要領を示したもの
計装工事設計(AJIIS-B-21-2013)
計装工事設計要領とそれに関する図記号,計算式等を示したもの
計装工事施工 空気配管(AJIIS-B-32-2002)
計装空気配管工事の施工要領を示したもの
計装工事図面作成(AJIIS-B-22-2002)
計装工事図面の作成要領及び部品図,参考図を示したものに計装工事標準図を加えたもの
B建築物編
計装工事試運転準備(AJIIS-P-62-2001)
計装ループ試験及び試運転準備の要領を示したもの
6検査調整
3施工
4監理
計装工事施工監理(AJIIS-P-41-2001)
計装工事全般の施工監理を示したもの
7保全
5見積
計装工事積算(AJIIS-P-51-2002)
計装工事の積算要領を示したもの
計装工事試験・検査(AJIIS-P-61-2002)
計装工事の試験検査要領及び工事用資材の受入検査要領を示したもの
プラントに設置された計装設備(工事)の点検保全作業を示したもの
Pプラント編
2設計計画
計装工事施工 配線(AJIIS-P-31-2013)
計装配線工事の施工要領を示したもの
計装工事施工 光システム(AJIIS-P-36-2001)
計装に関する光システムと工事の施工要領を示したもの
計装工事施工 空気配管(AJIIS-P-32-2015)
計装空気配管工事の施工要領を示したもの
計装工事施工 導圧配管(AJIIS-P-33-2015)
計装導圧配管工事の施工要領を示したもの
計装工事設計(AJIIS-P-21-2012)
計装工事設計要領とそれに関する図記号,計算式等を示したもの
計装工事標準図(AJIIS-P-23-2001)
計装工事部品及び施工要領図(ティピカル)を集めたもの
計装工事図面作成の要領を示したもの(プロセス計装制御技術協会編"計装工事図面の作成指針”に準ずる)
計装工事図面の作成指針IPC-CRJ-61-97
計装工事施工 据付(AJIIS-P-34-2001)
計装機器の据付工事の施工要領を示したもの
2設計計画
計装工事の設計から施工,検査・試験までを計装工事標準仕様書として纏めたもの
計装工事標準仕様書(AJIIS-B-01-2012)
C共通
1一般
計装工事用計量単位(AJIIS-C-01-2000)
計量法に基づく計装工事に関わる計量単位を規定したもの
1一般
0計装工事仕様
計装工事の範囲(AJIIS-P-11-2013)
計装工事の範囲,業務フロー,他部門との関係を説明したもの。又,関係する法規,資格類を工事種別に一覧表を加えたもの
日本計装工業会標準 計装工事積算 (建築物編)
AJIIS-B-51-2002
平成 14年 1月 第1刷発行
編 集 社団法人 日本計装工業会 技術委員会
発 行 社団法人 日 本 計 装 工 業 会
〒105-0001 東京都港区虎ノ門 1-21-8(秀和第 3虎ノ門ビル)
電話(03)3580-8921
FAX (03)3580-8934
印 刷 東洋オフセット株式会社
(無断転載を禁ず)