62
小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会 2017.7.20 郷田直輝(国立天文台JASMINE検討室) JASMINEワーキンググループ

BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

小型JASMINEの現状と

期待される観測データについて

BH地平面勉強会 2017.7.20

郷田直輝(国立天文台JASMINE検討室)JASMINEワーキンググループ

Page 2: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

星の天球面上での“動き”は、いろいろな宇宙の謎解きに

とって重要!

年周視差や固有運動等の測定

天球上の星の位置とその時間的な動きを測定すれば良い。

単純!!

0.位置天文学とは?

Page 3: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

3

らせん運動

*星によって、らせん運動からの“ずれ”がある

惑星系、連星系、重力レンズ効果など

*年周楕円運動+固有運動(直線運動)=らせん運動

星までの距離 星の接線速度

Page 4: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

44

★位置天文学とは何の役に立つのか?

距離 星の本当の明るさ、放出している本当のエネルギー

距離はしごのベース=>遠方天体の距離の推定

固有運動+距離

重力場や位相分布関数の情報

*(観測できていない)星やダークマターの

力学構造、軌道

星、星団、銀河系構造の形成、進化の痕跡

星の接線速度(視線速度に垂直方向)

星の3次元的

空間分布+運動分布

見えないものが見える!

年周視差

天球上の位置+距離

天の川銀河構造のサイズ、形状、構造要素など

星団のサイズ、形状など

星の3次元空間分布

(視線速度情報を加味して)星や星団の3次元的運動

連星系の軌道、連星の物理情報、系外惑星探査と惑星の物理情報、重力レンズ天体の物理情報など

特殊な運動(らせん運動(年周楕円

+固有運動からのずれ)

Page 5: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

例えば、実際の星の年周視差の大きさ

非常に小さい!もっとも近い恒星であるケンタウルス座

プロキシマ・ケンタウリでも、

その年周視差は0.77秒角(4.22光年)

5

ケンタウルス座アルファ星は、リギル・ケンタウルス(4.4光年)。プロキシマは、そのアルファ星の連星の一つ。

しかし、実際は大変!ものすごい精度での測定が必要。

*1秒角は、1度角の3600分の1。ちなみに、天の川銀河の中心にある天体だと0.00012秒角=0.12ミリ秒角(1度角の約3000万分の1)

精密測定が必要!いかに高精度で測定できるか

位置天文学とよばれる分野

★太陽系から300光年先の星の距離を正確に測定するために必要な精度:

1/1000秒角=1ミリ秒角★太陽系から3万光年先の星の距離を

正確に測定するため必要な精度:10万分の1秒角=10マイクロ秒角

*東京から見て、100km先にある、富士山頂に立っている人の髪の毛1本の太さの約10分の1を見込む角度

宇宙空間から人工衛星で多くの星を位置天文観測する計画の紹介

Page 6: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

★位置天文学とジャスミン(JASMINE)計画~星の地図と運動を知る~

★今後の位置天文観測衛星計画

6

2013年12月打上:Gaia(ガイア(ESA):ヨーロッパの全天可視光位置天文観測衛星)近い将来:Nano-JASMINE(全天、 zwバンド、精度はヒッパルコス程度)2023年頃(目標):小型JASMINE(赤外線観測:天の川銀河の中心方向+特定天体)2030年代(目標):中型JASMINE (赤外線観測:バルジ全域) 6

6

10マイクロ秒角の位置天文観測(Gaia, 小型JASMINE, 中型JASMINE)

Gaiaデータ解析チームと連携(国際協力)

10マイクロ秒角の測定で正確に距離測定ができる領域

ヒッパルコス衛星、Nano-JASMINE、で

正確に測定できる領域

2万7千光年

Page 7: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

7

★カタログのリリース: ノミナル運用の最終カタログは2022年末頃

★IAUシンポジウム330@ニース(2016.4.24-28)で開催された“Astrometry and Astrophysics in the Gaia sky”

★Gaia-JASMINE Joint meeting@国立天文台(三鷹) 2016.12.6~8Gaiaのリーダー (project scientist) をはじめ、Gaiaチームから8名参加。

◎位置天文観測の大革命時代の幕開

Gaiaは革命的:質(10μ秒角クラスの位置決定精度)、量(約10億個の星)とも画期的

それまでに中間リリースを3回:初回(DR1)は、2016年9月14日に公開開始した!2回目のデータ公開は、2018年4月、3回目は2020年の中頃から末の間の予定。

Positions (α, δ) and G magnitudes for all stars with acceptable formal standard errors on positions. Positions and individual uncertainties are computed using a generic prior and Bayes' rule. For this release, it is assumed that at least 90% of the sky can be covered.At the beginning of the routine phase, a special scanning mode repeatedly covering the ecliptic poles on every spin was executedfor calibration purposes. Photometric data of RR Lyrae and Cepheid variable stars based on these high-cadence measurements will be released.The five-parameter astrometric solution - positions, parallaxes, and proper motions - for stars in common between the Tycho-2 Catalogue and Gaia will be released. The catalogue is based on the Tycho-Gaia Astrometric Solution

Page 8: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

8

★JASMINE(赤外線位置天文観測衛星)計画シリーズGaiaを補完するデータの必要性も高まっている

〇明るい星(6等星以下)

〇Gaiaデータのvalidation

〇天の川中心付近の観測

〇高頻度観測(短周期現象)Nano-JASMINE 小型JASMINE

Page 9: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

9

I.小型JASMINE計画の概要

*Hwバンド(1.1~1.7 μm)の波長域における撮像観測を高頻度(約100分に1回)で行い、その観測で得た天体の天球面上での位置の時間変動(時系列データ)とそこから導かれる年周視差と固有運動等の位置天文パラメータの情報等をカタログとして公開。

★Gaiaでは測定困難なパートを補完する観測が強く期待されている。

=>1.天の川銀河(銀河系)の中心領域

小型JASMINE

バルジの星で年周視差精度が20μ秒角よりよい星の数(SJの観測領域内で):Gaia: ~80個、SJ: ~8600個

2.短周期変動する天体現象(短周期の連星系、マイクロレンズ、系外惑星系など

*可視光観測のGaiaでは、高精度で多数の星を観測することは困難

同一天体の観測頻度は、Gaiaは年に8回程度、SJは、100分程度に1回

Page 10: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

〇サーベイ領域:プロジェクトサーベイ: 銀河系中心方向の領域 :春と秋に観測

*領域1=> 半径0.7度程度の円の領域*領域2=>銀経-2 度~0.5度、銀緯0.2度~0.5度の範囲の領域

〇観測精度(目標):銀河系中心方向:年周視差:20μas程度以下

固有運動: 要求は150μas/年以下(~20μas/年以下を達成見込み)(Hwバンド(1.1~1.7 μm)で12.5等級より明るい星に対して達成)

*Hw<13magの星のデータをダウンロード(星の個数は、バルジ、ディスクすべてで約22,000個

*領域1=> 要求は3500個程度以上のバルジ星(見込みは4900個程度)、*領域2=> 要求は2000個以上のバルジ星(見込みは5000個程度)

#観測される手前のディスク星の個数:領域1=>3500個程度、領域2=>1600個程度(測光精度は相対精度で<0.01mag程度の見込み)

*観測領域1,2に対するミッション要求は、後述する科学目的(1)、(2)から直結する。

〇観測データは、天体の天球面上での位置および測光の時系列データ、およびそれを解析した、天体毎の年周視差、固有運動なども提供。

10

★ミッション要求(科学的主目的から導かれるもの)

*副次的目的

〇サーベイ領域:公募(共同利用)サーベイ=>審査の上決定:特定の対象天体 夏と冬に観測

〇観測精度(目標):副次目的(公募サーベイ)=>特定天体方向(候補天体例:Cyg X-1)

*精度は、各々の対象天体に対する科学目的による(10μasクラスは達成見込み)

Page 11: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

11

The number density of observable stars(Hw<12.5)estimated by the use ofthe combination of 2MASS and the Guide StarCatalogue(GSC)

Galactic longitude

Gal

actic

latit

ude

The number of stars /( 1dgree ×1 degree)

Page 12: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

(2)巨大ブラックホールへのガス供給機構解明につながる銀河系中心核バルジの重力場の解析

ミッション要求、システム要求に直結する科学目的

1. 小型JASMINEが、他のミッションに比べて威力を発揮できる銀河系中心核バルジ付近での天体物理学

銀河系は、巨大ブラックホールの形成や銀河の力学構造を調べるために他の銀河では適応できない研究手法(恒星の精密かつ詳細な運動学的情報を使う)を用いることが出来て非常に良い”実験場”となる。

II. 科学目的

*科学目的(1)、(2)とその目標+成功基準

中間質量ブラックホールが中心領域に落ち込み、中心領域の星へのブラックホールによる力学的摩擦の効果が効いているか効いていないかを星の位相分布関数を用いて、統計的に高信頼度(フルサクセスレベルで99.7%以上)で判断

銀河系中心核バルジの棒状構造モデル(重力場モデル)における棒状パターンの回転角速度といったパラメータへの制限を与える。特に、中心核バルジに、半径5kpc程度の棒状構造とは

異なる、より小さな内部棒状構造が存在しているかどうかを、運動学的に、つまり棒状構造のパターンの回転角速度の違いを用いて統計的に高信頼度(フルサクセスレベルで99.7%以上)で判断できることを目標

(1)銀河系での巨大ブラックホールの合体形成の観測的検証

Page 13: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

大目的 (宇宙における巨大BHの存在解明)

中目的 (銀河系中心の巨大BHの形成解明)

目的(i): 巨大BHの合体形成説の検証 目的(ii): 巨大BHへのガス供給機構

目標(i): 中間質量BHの中心領域への落ち込みによる力学的摩擦効果

目標(ii):中心核バルジの重力場の解析

目標(iii):位置天文観測情報のカタログ作成

要求(i)観測領域1の指定と観測精度、観測個数の指定

要求(iii)カタログの作成と

公開

天体の天球面上での位置の時間変動を近赤外線帯域で測定する。

成功基準(i)摩擦効果の是非について99.7%以上の信頼度での

判断

成功基準(ii)内部棒状構造の存在の是

非について運動学的に99.7%以上の信頼度で判断

成功基準(iii)時系列データ等のカタログ

の作成と世界的な公開

要求(ii)観測領域2の指定と観測

精度観測個数の指定

*ミッション要求への

流れ

天の川銀河(銀河系)の巨大BHは、距離が最も近く、周辺の星の詳細かつ精密な運動情報が近未来に得られる唯一の対象であるため、他の銀河には適応できない方法を使える。“良い実験場”。他の銀河に対するマイルストーン

Page 14: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

14

★ 科学目的(1)の具体的達成目標

(1)宇宙に巨大BHが存在するのは何故か?

過去を調べる

初代ブラックホール星質量? 大質量?

ブラックホール成長合体?ガス降着?

楕円銀河

SMBH

バルジ

円盤銀河 バルジ

SMBH

ダークマター宇宙階層的構造形成

原始銀河矮小銀河

多重BH銀河?

ブラックホール・銀河バルジ質量関係 銀河中心外BH

ブラックホール超巨大化

? ?

〇巨大BHの形成問題は、半世紀におよぶ天文学の大問題

天の川銀河中心の巨大BHでは合体が起こったか?

=>中心付近の星の位相空間分布へ影響(力学的摩擦。BH連星系の束縛エネルギーの解放も含む)。その痕跡を調べる。合体の是非の判断(99.7%以上の信頼度)

*中間質量BH同士の合体か? ガスの降着か?それとも両方の効果か?

*銀河形成の標準理論(銀河同士の合体)との関連は?

Kullback-Leibler (KL) divergenceを用いて分布関数の違いを判別

〇観測データが必要。系外銀河の巨大BHの情報を集めるとともに、詳細かつ精密なデータも必要。

一番、身近な巨大BHの観測も重要

天の川銀河の中心にも巨大BHが存在!(太陽質量の400万倍)

小型JASMINE=>年周視差や固有運動が必要な精度で測定された星の個数が十分観測できる

Page 15: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

15

科学目標(1)=>ミッション要求(i)合体説の検証

★中間質量(数十万太陽質量)のBHが、中心領域(中心から100pc程度)へ落ち込むと、周りの星へ力学的摩擦の効果を及ぼす。また、中間質量BHの連星系の束縛エネルギーが周りの星に解放される。

★周りの星の密度分布や速度分散の分布は、BHの質量分布や個数に依らず、時間が経つと、ある特徴ある関数形(普遍関数)に自己相似的になっていく。初期条件などに依存せず、中心から約100pc(約0.7度)まで影響を及ぼす。(Merritt et al. 2004, Tanikawa & Umemura 2014)

Page 16: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

16

★スケーリング則力学的摩擦の効果が効く時間尺度は、BHの質量に逆比例する。

かなりのBHが合体していると思われる。

★十分に効果が効く(100pc程度まで普遍的な

関数形になっている)時間尺度

例1:80万太陽質量のBHが5個=>15億年例2:40万太陽質量のBHが10個=>30億年例3:20万太陽質量のBHが20個=>60億年例4:13万太陽質量のBHが30個=>95億年例5:5万太陽質量のBHが40個+25万太陽質量のBHが8個 95億年

Page 17: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

17

★普遍関数が、初期条件 (バルジ中心部の密度分布等)やBHの特徴に依存せずに、中心から100pc程度まで延びる理由

力学的摩擦の効果で中心に落ちこみながら、BH-BHがゆるく束縛していく束縛エネルギーを周りの恒星に解放しながら落ち込んでいく。束縛せずに、単独のBHである場合よりも、多くエネルギーを与えることができる。

BH-BHの間隔が平均恒星間隔程度になるまでエネルギーを解放可能。初期に星の密度分布の傾きがシャープで中心密度が高い場合、星の平均間隔が小さいため、BH-BHがより近接し、束縛エネルギーをより解放できる。したがって、エネルギー解放の影響を受けて、コア(普遍関数)になる恒星の総質量は大きくなる。

逆に初期の密度分布の傾きが、より緩やかな場合は、コアになる星の総質量はより小さくなる。

以上により、コアになる部分は、密度分布がシャープの場合は質量が大きく、緩やかな場合は質量が小さいため、コアの領域は、密度分布の傾きにあまり依存しなくなる。

<=2つの独立な数値シミュレーションの結果が示唆(Merritt 2004, Tanikawa&Umemura 2014)を参照。

Page 18: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

18

○コンパクトな巨大BHに比較して、十分に大きく拡がっている=>近接散乱の効果が少ない

*効果は数分の1程度

★巨大分子雲ガスや球状星団の落下の効果

○前述したように、コア(普遍関数)が、100pc程度まで拡がるのは、BH同士が束縛し、その束縛エネルギーを解放できる効果が大きい。そのため、単独の分子雲や球状星団では、コアを形成する効果は非常に小さい。

Page 19: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

コア半径のユニバーサル性

• γ=1の場合Tanikawa シミュレーションによると~100pcまでコアが広

がることが示される(右図参照)。

・べき依存性についてMerritt et al. 2004によるとシミュレーションで初期べきの

指数γ=0.5~2において、べき指数にあまりよらず、コア半径~0.1r_e (MWの場合re~1Kpc)

となりおおよ一定値をとる(詳細別スライド)。

19

以上より べき指数γ=0.5~2においてべき指数に大きくはよらず、およそ100pcまでコアが広がっているといえる。

青:上から順に0,2,4,6,8赤:BHなし(t=1:3Gyr)

Tanikawa シミュレーション5BHのデータ使用(バルジ質量9×10^9 Msun)

密度分布時間進化

100pc

以下3枚のスライドで以上結論を説明する。

補足

Page 20: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

• Tanikawa &Umemura2014 のシミュレーションによれば、コア半径はおよそvirial半径の0.1倍程度のコアができ、それはおよそ100pc に相当する。

20

Tanikawa &Umemura 2014

コア半径の生じる領域

初期べき指数γ~1において、100pc 程度のコア半径ができる説明

補足

Page 21: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

Merritt et al. 2004

21

γ=2

γ=1

γ=0.5

γ: 中心密度べき指数ρ∝r^(-γ)a:density scale lengthRe: effective radius

(projectionで、1/2の質量を含む半径)Re/a=(1.8,1.3,1) for γ=(1,1.5,2)

右図及び、下記関係を利用すればコア半径rcは

γ=2ではrc~0.1a~0.1Reγ=1ではrc~0.2a~0.1Re

いずれにせよ、effective radiusの0.1程度

• Core formation by a population of massive remnants• 概要 重い星の力学的効果(力学的摩擦)で温められ、コ

アを作る。コア半径は時間とともに大きくなる。

N-body simulationN=10000

MBH/M=10NBH=10

ここでは、銀河系中心核バルジのコア半径が初期のべき指数によらないことを説明する。

コア半径のべき依存性補足

Page 22: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

Merritt et al. 2004

22

Mass deficit: Mass difference between the initial stellar density and the density at time t, integrated from the origin out to the radius at which ρ(r,t) first exceeds ρ(r,0).(初期条件から時刻tまでで、中心部で剥ぎ取られた質量)

たたき出す質量はseveral ×BH質量

程度となる。

べきが大きい程大きい質量がたたき出される。

各種γにおけるMass deficit 時間進化

重要!

例えばT=1000においてはきだす質量はγ=1ではmBHの3倍程度だが、γ=2では6程度となる。→結果はきだす領域はほぼ一定の半径となる。

コア半径のべき依存性補足

Page 23: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

単独1個の10^6太陽質量BHの場合

• BHとfield star の相互作用において、多数のBHではなく、単独のBHの場合、力学的摩擦でフィールド星に吐き出せるエネルギーは十分ではない。

理由BHがひとつの場合:FS(field star)の作るポテンシャルをBHが転がり落ちる分だけしかエネルギー供給しない。多数BHの場合:まず、FSの作るポテンシャル中をBHが落ち込む分の位置エネルギーが開放される。中心に落ち込むと、 BH-BH間距離が小さくなってくる。すると数パーセクという狭い領域に多数のBHが集まってくる事となり、必然的にBH-BHの作る位置エネルギーが解放される。BH-BHの解放できるエネルギーはFSのポテンシャルを落ち込むエネルギーに比べ十分にあるが、 BH-BHの間隔が平均粒子間隔程度になるまでFSにエネル

ギを与え、開放されるとすると、密度が集中している領域はよりタイトになるまでエネルギーが解放される。星の平均間隔程度になるとFSにエネルギーを開放できなくなる。

次ページに計算結果を示す。

コア半径のべき依存性補足

Page 24: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

前頁の定性的説明を示したシミュレーション

KE(BH)

PE(BH-BH)PE(FS-BH)

PE(BH)

E(BH)

KE(BH):BHの運動エネルギPE(BH-BH)BH-BHのつくるポテンシャルエネルギーPE(FS-BH)FS-BHのつくるポテンシャルエネルギーPE(BH)=PE(FS-BH)+PE(BH-BH):BHのトータルポテンシャルE(BH)=KE(BH)+PE(BH):BHのトータルエネルギー

・初期段階でFS-BHのエネルギーが失わる。・後半BH-BHのエネルギが失われる。・しかし合計のBHのトータルエネルギーは(ほぼ一定の割合で)失われる(右図ピンクのライン)。⇒失ったエネルギーはFSに与えられる。・定常的に与えうる十分なエネルギー源となる。

KE(BH)

PE(BH-BH)

PE(FS-BH)

PE(BH)

E(BH)

FS-BHのエネルギーは有限で、量として十分ではないが、BH-BHは十分な量のエネルギーを

開放できる。

初期段階 後半

FS-BHが放出するエネルギー

BH-BHが放出するエネルギー

ピンクがBHのエネルギーだが、FSとBHのなすエネルギーは赤プロットで、初期の段階ではBHのトータルのエネルギと一致し

て下がっている。

補足

Page 25: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

M=10^5M_sunとして、lnΛを計算するのに上式積分計算する。BH:0~bmax(=100pc)まで積分分子雲:~10pcからbmaxまで積分lnΛ(BH)=ln(100/0.03)lnΛ(分子雲)=ln(100/10)

大質量天体がバルジに与える影響

銀河系中心領域に巨大ブラックホールに匹敵するような質量をもつ巨大分子雲(Matsumura, Oka et al 2012)。中間質量BH同様、分子雲がが落ち込む際に力学的摩擦によって密度分布や速度分布に影響を与えるかどうかを見積もった。Matsumura, Oka et al 2012より分子雲のパラメータ はおよそ以下の通り。

巨大分子雲

•質量 M=2-6×105M•空間サイズ L=20pc

MX

M

M veXXnmMmGvdt

vd 22)(erf)()ln(40

23 2

MvX

Dynamical frictionのタイムスケール

同じ質量のBHと分子雲を比較した場合、分子雲サイズより近距離でのfield star との相互作用は、分子雲では散乱角が小さいためBHより力学的摩擦の量は小さい。以上、違いは上式のln Λに現れる。

⇒lnΛ(分子雲)~ S lnΛ(BH)

)(

20max

mMGVb

ただし

3322

40

20

0

30

||)()()()1ln(2

21

2)(212)( max

Mm

Mmmm

b

mmv

M

vvvvvdvfmMmG

bdbmMG

VbmM

mVvdvfVdtvd

m

S=1/4~1/3

補足

Page 26: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

球状星団の場合

パラメータは以下のとおり

球状星団質量 M=1×106 Mサイズa few ×10pc

球状星団においてもfield starとの近接相互作用がないので、分子雲と同じ考え方ができる。近接相互作用が小さいことによる影響で同じ質量のBHと比較して、数分の1程度となる。

大質量天体がバルジに与える影響

単独のBHでは十分なエネルギー解放がなく、力学的摩擦によるuniversal分布の形成に効かない。また、分子雲、球状星団において、同等の質量を持つBHと比べて更に~1/4程度の力学的摩擦の影響となるので影響は非常に小さい。

補足

Page 27: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

27

★判断の方法と信頼度の評価

(i) 疑似カタログ*真の解として、モデルを決め、その位相分布関数を構築し、そこから

サンプルを生成。*観測誤差、観測個数を変数*ダストによる個数の減少効果*ディスク成分によるコンタミ効果

(ii)モデルの位相分布関数を構築

〇位相分布関数による判断f(r、σ)

*真の解を与えた模擬カタログから求めた位相分布関数といくつかのモデルの位相分布関数と比較して、真の解のモデルを選択する確率を求める。

(iii)位相分布関数の比較によるモデルの選択方法カルバック・ライブラー情報量を用いる

(iv)正答する確率を求める(v)信頼度(正答する確率)が、99.7%以上(フルサクセスレベル)になる場合の

観測精度、観測個数を求める=>ミッション要求

Page 28: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

判定の道具カルバック・ライブラー情報量

• 2つの確率分布間の距離を表す尺度(fmodel,θに対するfobsの距離)(注意:距離の公理は見たさない。)

fobs:データ、観測値、真の確率分布などfmodel,θ:理論値、モデル値など

• 観測による位相分布関数fobsがモデルの位相分布関数fodelに対してどのくらい違っているかを表す尺度になっている。一致すると0であり、違いの程度に応じて正の値をとる。

i el

obsobselobsKL

ifififffD

)()(log)()|(

,mod,mod

i: 考えている座標空間をメッシュにきった素片の番号

対立するモデルに対し、上述の情報量 の値の小さい方がふさわしいモデルと考える。

Page 29: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

29

★信頼度の計算

〇 模擬カタログ*年周視差の誤差: 10~80μ秒角

*固有運動の誤差:50~3200μ秒角/年(*視線速度の誤差:2km/s)*観測個数:2000~5000個*観測領域:中心から半径0.7度の円内

〇真の解:力学的摩擦の効果が十分に効いている場合の位相分布関数(“普遍的”関数)

〇比較モデルモデル1:真の解(力学的摩擦の効果が十分に効いている場合の

位相分布関数)モデル2:力学的摩擦の効果が全く効いていない場合(background):

Tanikawa&Umemura(2014)のシミュレーション結果を用いる(密度分布に関して、摩擦効果が聞いているときとの差がつきにくく厳しめ)

〇信頼度X=KL(観測とモデル2)ーKL(観測とモデル1)>0となれば、正解!

X>0となる確率(信頼度)を多数回のサンプルを用いた結果により計算。

観測個数:3500個以上

信頼度:99.7%以上

年周視差の誤差:20μ秒角程度以下

固有運動の誤差:200μ秒角/年程度以下

ミッション要求

Page 30: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

30

*中心へのガスの供給機構(角運動量損失)の明確化 中心核バルジ領域

◎ガス供給機構の可能性の1つ:中心核バルジでのバー構造!

〇回転する棒状構造(内部バー)*同じエネルギーで2つのX1とX2軌道群が共存領域あり。*X1軌道は内縁部で自己交差。*共動回転共鳴付近での衝撃波発生

ガスの角運動量、エネルギー損失。

CMZ(中心分子雲帯)

星の軌道分布(位相空間分布)=>重力場モデルを制限

◎例えば、Ωが、~170km/s/kpcより大きいか小さいか?

If 大 中心にガスが落ち込みやすい。

99.7%以上の信頼度で判別できる。

パターン角速度Ωで回転するバーポテンシャル*銀河系モデル: 3次元バーポテンシャル (Ferresモデル)+バルジ (指数関数型モデル)

+ディスク (Sofue model)+ダークハロー (NFW)+巨大BH

★ 科学目的(2)の具体的達成目標

(2)銀河系中心へのガスの供給:中心付近での活動性(巨大BHへのガスの落ち込み)、爆発的星形成、巨大星団の形成にとって重要。

観測データが必要。系外銀河の巨大BHの情報を集めるとともに、詳細かつ精密なデータも必要。

一番、身近な銀河の中心と巨大BH天の川銀河の中心の観測!

*内部バーが存在!?*内部バーが存在した場合、

そのバーの重力ポテンシャルの特徴は?

Page 31: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

X1軌道

X2軌道

視線方向

中心核バルジ領域に存在する中心分子帯(CMZ)付近(150~300pc)では、回転するouter bar (~5 kpc) による内側リンドブラッド共鳴によって、バーに平行、または垂直方向に2種類の伸びた楕円軌道(x1,x2軌道)が複雑に存在すると考えられている。

銀河系中心領域での共鳴軌道と分子ガスの運動

外側リンドブラッド共鳴領域 内側へガスの流入X1軌道は自己交差しており、ガスがその軌道に沿えば、トルクの影響でガスの角運動量の損失やエネルギー散逸X2軌道群への移動

Page 32: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

さらに、銀河系中心付近へガスを落とすためには?

CMZの領域に、inner bar(<500pc) が存在し、リンドブラッド共鳴を起こす。・ガスの激しい運動(衝撃波)・銀河系中心へのガス供給、中心での爆発、星団や星形成?

inner barでcircumnuclear gas disk形成、銀河系中心付近へのガス供給

Outer bar(~5 kpc)

回転するInner bar

CMZ

●nested barsによる銀河系中心へのガス供給シナリオ

outer bar でcentral molecular zone形成

(Namekata etal.2009)

Page 33: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

結論(ミッション要求)

・年周視差誤差 < 20 μas ・固有運動 < 150 μas/year

・視線速度誤差 < 2km/s

・観測領域内の観測天体数 > 2000

上記の誤差範囲ならば、resonanceが起きているかどうかの判別が3σで可能!!

θ

判定制度[σ]

θ

b

l

小型JASMINE観測領域Dust map

Page 34: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

I. 小型JASMINEが、他のミッションに比べて威力を発揮できる銀河系中心付近での天体物理学

(1)中心付近の星団の運動 星団の起源(2)バルジ内の共生星X線連星やX線点源の解明(3)星間吸収物質の3次元分布(4)中心付近の変光星の物理的解明の(5)重力レンズ効果 重力レンズ天体(太陽系外惑星系も含む)の物理的解明

重い質量のBHの発見?!ワームホールの発見?!

(6)・・・・・・・

★その他の具体的な科学目的の例

34

II. 銀河系内天体で、短時間変動現象を伴い近赤外線で明るく物理的に興味がある、いくつかの特定天体: 高エネルギー天体連星系、恒星が低質量な系外惑星系、活動恒星などに対象を特化し、これらの天体の物理的解明。

〇X線連星系(CygX-1など)の軌道要素決定 降着円盤やジェットの基礎的な物理に迫る〇ガンマ線連星系の軌道要素解析 高密度星の正体判別、放射モデルへの強い制限〇系外惑星探査(位置天文法による検出):特に主星が低質量星の場合。

褐色矮星まわりの惑星発見。〇既知の系外惑星の軌道要素決定 惑星の質量決定、惑星形成モデルの制限など。〇恒星表面上での活動(黒点等)

活動恒星の物理的解明〇星形成領域の3次元分布・

特定天体方向:夏と冬の一部に観測(観測方向に制限有り)

*共同利用の一環として、公募により、観測天体やその優先度を決定予定。観測精度(目標): 対象天体の科学目的に応じて10μas以上の相対位置精度、測光精度は相対精度で0.01mag以下

有力候補天体:Cyg X-1:(l=71°, b=+3°)周期5.6日(Gaiaでは観測不可能) 伴星: mv~9mag (小型JASMINEで検出可能) 、位置変化は、40~50μ秒角

小型JASMINEで測定可能。 測光精度は相対精度で0.01mag以下

*gCas: WD or NS=>1s degree of confidence, HESS J0632: NS or BH (2s)

主星が低質量星(Ms<0.1Msun, V-H>7mag)の場合は、Gaiaより有利。3ヶ月間で惑星を検

出可能。 褐色矮星周りの惑星が発見されればインパクト大

Page 35: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

III. 小型JASMINEのミッション概要

○小型JASMINEの仕様主鏡口径:30cm、焦点距離: 3.9m視野面積:0.6度×0.6度アストロメトリ用検出器:HgCdTe(4k×4k)1個アストロメトリ用観測波長:Hw-band(1.1~1.7ミクロン)photometry用観測波長:J, Hバンド、 HgCdTe(1k×1k)2個衛星重量:約400kg(RCS込み)

〇観測データは、天体の天球面上での位置および測光の時系列データ、およびそれを解析した、天体毎の年周視差、固有運動なども提供。

〇時系列データは、約50分間の連続撮像、その後約50分間の非観測時間、そして再度約50分間の連続撮像データ。観測の総時間までそれが繰り返される。

〇観測期間:3年間程度

〇軌道:太陽同期軌道(高度約550km以上)(tentative)

Page 36: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

小型JASMINEの場合• 同じ星に対して約15~60万回の測定• 1回撮像精度(~4ミリ秒角)の200倍程度の

高精度(20マイクロ秒角)での年周視差推定

星の天球上での運動: らせん運動(年周楕円運動+直線運動(固有運動))

星の天球上での位置の時系列データから、年周楕円運動の長半径(年周視差)を推定。小型JASMINEのミッション要求=>年周視差の精度が20マイクロ秒角程度以内

36

IV. データ解析と精度達成の実証

多数回撮像:同じ星や同じ星同士のペアが検出器上の異なった場所で撮像される。

統計誤差(ランダム成分):1/√N則で減少系統誤差=>“推定”:モデル化(ある関数形でfit)と

推定残差(測定値と最適なモデル値との差:無相関)の減少(1/√N則)。モデル化残差(系統誤差)が残っていれば、それを検知し、モデルの改良

星の相対位置関係とその運動について制限を課すことにより、推定(モデル化)可能:年周期運動と直線運動以外の変動は、系統誤差成分*但し、星の運動と縮退する系統誤差成分は、星の運動が既知の観測データを用いて校正

○モデル化の具体例:多項式(主に光学歪みなどの大域的歪み)、フーリエ級数、ベイズ型スプライン回帰法*ただし、系統誤差をover fittingしないように赤池情報量基準を適用するモデル関数の妥当性の判断に用いる。

Page 37: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

モデル化誤差と推定残差

37

良いモデル

悪いモデル

1/√N

系統誤差

モデル化誤差

Page 38: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

38

★実証方法

〇地上実験と実験を模擬した数値シミュレーション(1次元)

〇数値シミュレーション(2次元)

〇数値シミュレーション(2次元)

〇HSTデータを用いた解析

〇HSTデータを用いた解析

〇地上実験と実験を模擬した数値シミュレーション(1次元)

Page 39: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

39

V. キーとなる技術要素の技術実証実験宇宙研の競争的資金である戦略的開発経費に毎年度採択され、試験、実験が進んでいる。

(1) 観測装置の熱変動実証

(2) 熱環境

(3)光学系要素技術(迷光対策など)

熱歪検証モデル: 特殊鋼メーカ2社に依頼し、極低熱膨

張の超スーパーインバーの開発を行った。スーパーインバー(Fe-Ni-Co)の組成を含有量を0.1%単位で調整し、熱膨張率が0±5x10-8/Kの超スーパーインバーを得た。この材料を用い部分モデルを製作した。

右:熱ひずみ検証モデルと三軸干渉計の設置状況左:真空槽中の熱ひずみモデルの設置状況

小型JASMINEでは、常温の望遠鏡に極低温(170K)の赤外線検出器を振動無く設置する必要がある。そのために、堅牢で断熱された検出器BOXを開発した。

(6)システム検討

(5)電気系

衛星全般の質量・電気等のリソース配分、通信の成立性、姿勢運用等全般にわたり行い、より精査が必要な部分を洗い出した。また、試験検証計画を精査し、開発スケジュールをバス・ミッション間で整合させ、リスクの洗い出しを行った。

植毛サンプルの散乱強度分布実測、CNTの特性測定など

電気コンポーネントについての候補機種調査など

(4) 赤外線検出器(H4RG)放射線による感度の時間変動や障害の検討とその対策

Page 40: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

*IAU Commission A1のpresidentから正式な推薦*Gaiaのデータ解析チーム(ハイデルベルグ大学とドレスデン大学)から小型JASMINEへの参加意思表明の正式レターを受け取っている。

(1)世界的なユニーク性と海外からの推薦、参加表明

(3)将来の国際的な計画への橋渡し

(4)中心核バルジ、巨大BH研究での国際的位置付け

*バルジ星の視線速度と元素組成観測:APOGEE-2計画(プロジェクト)

サイエンス連携に関して、小型JASMINEとAPOGEE-2, SDSS-IVとでMOUを締結。

VI. 国際協力

(2)Gaiaとの密な協力体制

Gaia-JASMINE joint meetingの公開開催(2016.12.6~9)@国立天文台三鷹キャンパス

*Gaia の概要、状況、DR1(第1回中間リリースデータ)の説明、DR1を使ったサイエンス*JASMINEの概要、状況*お互いのデータ解析、validation方法、アーカイブについての意見交換、協力など*電波位置天文と光赤外位置天文との協力*Post-Gaiaといった将来計画

*Theia(フランス国立科学研究センター(CNRS)へ申請予定)やGaiaNIR (~2035:ESAへ申請予定) などのPost-Gaia候補との協力

*Theiaとはサイエンスとデータ解析に関する協力でMOUを締結予定。*GaiaNIRの計画提案メンバーとして協力

Page 41: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

41

Microlensing Fields

by S.Gaudi

Similar observation to that of Small-JASMINE

(5)WFIRSTによるMicrolensingサーベイとの協力

Page 42: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

42

If 10 μas –level precisions of astrometric parameters can be realizedby WFIRST, then we will have strong synergy of scientific collaboration between WFIRST and Small-JASMINE

Survey regions of both missions are complementary to each other

Microlensing Fields of WFIRST Survey region of Small-JASMINE

Synergy with WFIRST

*GOにより、両ミッションの観測領域をoverlapする観測領域を設定し、それに対しての位置天文観測を行う=>Good calibration&サイエンスの拡大

Page 43: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

VII. 宇宙研公募型小型計画宇宙科学ミッションでの審査状況

〇公募締め切り:2016年1月28日〇2016年2月~3月:MDR(ミッション定義審査)相当の審議

*ヒアリング審査4回(7時間半程度)〇2016年6月:評価結果の通知

*与えられた課題2件を検討し、再度の評価(ΔMDR)を受けること。理学委員会としては、課題が解決された場合は、

小型2号機に推薦する(優先順位1)*課題1:JASMINEチームと宇宙研が連携し、必要十分な体制構築を行う

課題2:位置決定精度の実証、特に多数枚撮像、貼り合わせ手法により精度達成が見込めることについて、実データを使用して示すこと。

1,2とも宇宙研のサポートを得て、検討を行った。2017年 3月下旬、事前審査 パス(本審査を受けてよい)

4月初旬にΔMDR パス(評価委員会から理学委員会へPhase A1(宇宙研のプリプロジェクト)へ進めることを推薦)

4月下旬:理学委員会でパス(理学委員会から宇宙研へPhaseA1へ進めることを推薦) *主にPhase A1で行うべきいくつかの課題付き。

Page 44: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

〇2017年6月:宇宙研所長より、Phase A1に進める前に通常の計画審査を実施。先ず、高度な専門性を要するため、国際審査を計画審査の一環として9月頃に行う。国際審査の目的は、 Phase A1での課題と優先度を明確にすること。

*Phase A1で想定されるいくつかの課題:○コミュニティとの議論によるサイエンスの拡大○技術実証(特に、赤外線検出器、熱構造安定性等)○データ解析による精度達成検証の詳細精密化

国際審査や計画審査では、具体的課題に対して、Phase A1での検討計画、開発計画、体制などが問われる。*サイエンス面では、期待できる研究成果のテーマ、それらに対する今後の具体的検討方針がいくつか必要(できれば8月中まで)(詳細な検討は今年度内程度のタイムスケールでOK.次の審査(SRR,SDR)では、詳細な具体的検討結果が欲しい。)

Page 45: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

★審査段階(従来の方法)

Pre-phase A Phase A1 Phase A2 Phase B,C,D

ISAS計画審査

概念検討 概念設計 予備設計/計画決定 基本設計、・・・

AO 宇宙理学・工学委員会審査(MDR相当)

WG設置申請評価

SRR+ISAS準備審査

JAXAプロジェクト移行審査

JAXA準備審査

ワーキンググループ ISAS プリプロ JAXA プリプロ JAXA プロジェクト

*小型JASMINEは、まもなくこのISAS計画審査。*その分科会として、先ずは国際審査。その後、本審査。

(サイエンス拡大の検討計画を表示)*Phase A1は半年から1年半程度。*SRRでは、拡大した、具体的なサイエンスの検討結果を表示

Page 46: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

今後もよろしく御願いしますJasmine

Page 47: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

等級Hw [mag]

全個数N (<Hw)

バルジ個数N(<Hw)(J-K>2)

ディスク個数巨星.75<J-K<2

ディスク個数主系列J-K,.75

6 7 0 7 0

7 39 6 33 0

8 130 35 88 7

9 301 82 187 32

10 747 215 445 87

11 1830 579 1015 236

11.5 2991 1144 1446 401

12 4975 2340 1956 679

12.5 8463 4871 2524 1068

13 14209 9343 3224 1642

等級Hw [mag]

全個数N (<Hw)

バルジ個数N(<Hw)(J-K>2)

ディスク個数巨星.75<J-K<2

ディスク個数主系列J-K,.75

6 0 0 0 0

7 19 13 5 1

8 55 25 25 5

9 146 66 67 13

10 427 191 192 44

11 1182 662 425 95

11.5 2165 1371 623 171

12 3897 2757 871 269

12.5 6759 5142 1212 405

13 11300 8976 1716 608

銀河中心0.7度以内長方形領域(-2deg<l<0.5deg, 0.2deg<b<0.5deg)

JASMINE観測個数

47

Page 48: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

等級Hw [mag]

全個数N (<Hw)

バルジ個数N(<Hw)(J-K>2)

ディスク個数巨星.75<J-K<2

ディスク個数主系列J-K<.75

6 7 0 7 0

7 52 14 37 1

8 165 48 107 10

9 398 126 233 39

10 1028 350 566 112

11 2670 1105 1271 294

11.5 4595 2253 1841 501

12 7870 4522 2524 824

12.5 13298 8679 3329 1290

13 21939 15581 4399 1959

観測領域全体

JASMINE観測個数

48

Page 49: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

Gaia観測個数

等級G[mag]

個数N (<G)

バルジ個数M(<G)(J-K>2)

ディスク個数巨星.75<J-K<2

ディスク個数主系列J-K,.75

8 1 0 0 1

9 11 0 6 5

10 51 0 21 30

11 140 0 62 78

12 414 1 199 214

13 1067 4 498 565

14 2325 22 1069 1234

15 3615 48 1925 1642

16 4362 113 2607 1642

等級G[mag]

個数N (<G)

バルジ個数M(<G)(J-K>2)

ディスク個数巨星.75<J-K<2

ディスク個数主系列J-K,.75

8 2 0 0 2

9 7 0 0 7

10 16 0 5 11

11 53 0 17 36

12 160 3 69 88

13 395 6 177 212

14 854 21 380 453

15 1401 46 747 608

16 1858 119 1131 608

銀河中心0.7度以内長方形領域(-2deg<l<0.5deg, 0.2deg<b<0.5deg)

49

Page 50: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

Gaia 観測個数

等級G [mag]

個数N (<G)

バルジ個数M(<G)(J-K>2)

ディスク個数巨星.75<J-K<2

ディスク個数主系列J-K,.75

8 2 0 0 2

9 15 0 6 9

10 60 0 24 36

11 171 0 73 98

12 503 3 236 264

13 1289 8 598 683

14 2792 36 1283 1473

15 4409 80 2370 1959

16 5475 197 3319 1959

観測領域全体

50

Page 51: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

Estimation of the number of stars with Small-JASMINE

• We first use both Guide Star Catalogue(GSC) and 2MASS Catalogue for estimating the number of stars to be measured by Small-JASMINE.

• We use stars included in BOTH GSC and 2MASS Catalogue, having values of B and V, and with error of J, K less than 0.2.

• By using the data, we made a color-magnitude diagram with V vs. B-V shown right figure.

51

GSC × 2MASSHaving B,V error of J,K <0.2

Hw< 12.5mag (SJ will observe)

B-V

V

Page 52: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

Estimation of the number of stars with Small-JASMINE

• We see two groups on the color magnitude diagram.

• From this diagram, we can divide the main sequence stars and red giants.

52

Giants

Main Sequence

V

B-V

Page 53: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

Estimation of the number of stars with Small-JASMINE

• After the identification between main sequence stars and red giants we re-plotted the color magnitude diagram with K vs. J-K shown in right figure.

• Red and blue plots indicate main sequence stars, and redgiants, respectively.

53

Main Sequence

Giants

J-K

K

Page 54: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

Estimation of the number of stars with Small-JASMINE

54

Main SequenceGiants

Stars with J-K <0.75 are main sequence stars, and stars with 0.75<J-K<2 are red giants.These stars seen by V, plotted in the region J-K<2, are disk stars.Stars seen by V are not red giants within the bulge.

It is shown in the following.Brightest M(M5) stars have absolute magnitude of about -5.5mag.If this star located at 8kpc distance away from here has 9mag even if the extinction is zero. IF the Extinction at the Galactic bulge is assumed to be Av=15mag, Magnitude becomes 24mag.It is fainter than the limiting magnitude of GSC, V<18mag.

J-K

K

0.75

Disk stars

Page 55: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

Check

Assumption• Extinction law• AV=15mag@8kpc• AB/AV=1.324• AJ/AV=0.282• AK/AV=0.112(Rieke & Lebofsky 1985)

55

B

A

FG

KM

FIII

GIII

KIIIMIII

MI-IIKI-II

GI-II

Here we again check the previous result using data of absolute magnitude in each type of star by Wainscoat et al. 1992.

Wainscoat et al. 1992

Page 56: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

Check

• Color magnitude diagram with V vs. B-V

56

1kpc

2kpc

3kpcDisk starsMain sequence stars

Disk starsgiants

Data: wainscoat et al

Bulge starsgiantsDisk stars

giants

Disk starsMain sequence stars

• Color magunitudediagram with K vs. J-K.

Reproduction of the two groups of main sequence stars and giants.

V K

J-KB-V

Page 57: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

Estimation of the number of stars with Small-JASMINE

• Using only 2MASS catalogue (involve stars having no B, V data in GSC), we again plotted color magnitude diagram.

57

2MASSError of J,K <0.2

Hw<12.5mag (SJ will observe)

K

J-K

Page 58: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

Estimation of the number of stars with Small-JASMINE

• Accordingly, additional stars are plotted in the region with J-K>2 shown in green plots. These stars can be bulge stars.

58

Disk stars

J-K

K

Bulge stars

Page 59: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

Distribution of stars

• Using the 2MASS data, we plotted stars with J-K<2, to the celestial sphere.• As you see plots are almost homogeneous, representing the disk stars.• On the other hand, stars with J-K>2 are distributed inhomogeneously which

means that stars are within the bulge affected by the dust.

Distribution of stars in the sky: (left) J-K<2, (right) J-K>2

~4900 stars

59

J-K>2J-K<2

b b

l l

Page 60: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

Estimation of G=G(J,K)

• 2mass- gaia cross matching data that have the value of J,K with error less than 0.2.

• We estimate the fitting function of G as a function of J and K.

• G(J,K)=K+3.3(J-K)

60

Gaia DR1 × 2MASSerror of J,K <0.2mag

Hw<12.5mag

J-K

G-K

Page 61: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

Relation between G and Hw

• G magnitude are obtained on the color magunitude diagram with K vs. J-K.

• The number of stars in the region with J-K>2 to be measured by SJ is about 4900 stars.

• The number of stars in this region with J-K<2 to be measured by SJ is about 3500. These stars are brighter than G=16mag.

• Then all the disk stars observed by SJ can be measured by Gaia.

61

G=16mag

Hw=12.5mag

49003500

J-K

K

Page 62: BH 小型JASMINEの現状と 期待される観測データに …takahasi/Project_H_pdf/JASMIN...小型JASMINEの現状と 期待される観測データについて BH地平面勉強会2017.7.20

Estimated number of stars

62

4900(bulge stars)

Total number of stars using Gaia DR1

Estimated number of total stars

Estimated number of bulgestars

Number of stars observed with SJ Number of stars observed with Gaia

Estimated number of bulgestars

Estimated number of total stars

Circular region

8500(total stars)

3500(disk stars)

More than 3500

Hw G

N(Hw)

N(G)