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BIツール選定のための 知っておくべき3つの基準 ▶▶ 企業の内外で発生する様々なデータを可視化し、経営や業務に役立てよ うとするデータ活用ニーズの高まりとともに、BI (Business Intelligence:ビ ジネスインテリジェンス)ツールの導入を検討する企業が増えている。しか し、市場にあふれる数多くの BIツールの中からどのツールを選べば良いの かわからない、また、BIツールを導入したが定着せず活用が進まないといっ た声を数多く耳にする。 こうしたことの原因の一つとして、自社の導入目的とBIツールの特徴との ミスマッチが挙げられる。ツール選定者にとって、自社の真の導入目的と 数多くの BIツールの特徴を整理し、自社に適したツールを選定することは 容易ではない。 そこで本資料では、自社に適したBIツールを見極めるための選定軸、さ らには、社内外を含む多人数が利用するBIツール(エンタープライズ BI)に 求められるポイントを考察していく。

BIツール選定のための 知っておくべき3つの基準 · ティクス」「アジャイル」といったキーワードとと もに、老舗biツールと比較した際の価格優位

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BIツール選定のための知っておくべき3つの基準

▶▶

企業の内外で発生する様々なデータを可視化し、経営や業務に役立てよ

うとするデータ活用ニーズの高まりとともに、BI(Business Intelligence:ビ

ジネスインテリジェンス)ツールの導入を検討する企業が増えている。しか

し、市場にあふれる数多くのBIツールの中からどのツールを選べば良いの

かわからない、また、BIツールを導入したが定着せず活用が進まないといっ

た声を数多く耳にする。

こうしたことの原因の一つとして、自社の導入目的とBIツールの特徴との

ミスマッチが挙げられる。ツール選定者にとって、自社の真の導入目的と

数多くのBIツールの特徴を整理し、自社に適したツールを選定することは

容易ではない。

そこで本資料では、自社に適したBIツールを見極めるための選定軸、さ

らには、社内外を含む多人数が利用するBIツール(エンタープライズBI)に

求められるポイントを考察していく。

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BIツール選定のための知っておくべき3つの基準

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現在、市場には数多くのBIツールがあふれ

ているが、これらのBIツールは、大きく2つに

分類できる。

1つは、BIというキーワードが広がり始めた

1990年代の終わりに登場したツール群で、い

わゆる「老舗のBIツール」だ。これらは、基幹

業務システムのデータベースやDWHに蓄積

されたデータを、データベース構造やSQLを

知らないユーザーにも扱えるようにし、なおか

つアドホックに検索できるツールとして登場し

てきた。今日までバージョンアップを重ねなが

ら、いまもなお大企業を中心として多くの企業

で利用されている。

もう1つは、2010年代に入って登場してき

た新興ベンダーが提供する「新興BIツール」だ。

これらは、「次世代」「ビッグデータ」「セルフサー

ビス」「データディスカバリー」「ビジネスアナリ

ティクス」「アジャイル」といったキーワードとと

もに、老舗BIツールと比較した際の価格優位

性をはじめ、エンドユーザーにもわかりやすい

操作性、高度なグラフィックスを駆使した分析

結果の可視化などを特徴とするもので、急激

に市場に浸透しつつある。

では、こうした老舗BIツールや新興BIツー

ルが群雄割拠する中で、自社に最適なBIツー

ルを選定するには、どうすればよいのだろうか。

ただやみくもに、名前を聞いたことのあるBI

ツールの情報を集めても、自社に適した製品

にはなかなかめぐりあえない。

個人の生活に当てはめて考えるとわかりや

すい。やみくもな製品選定とは、例えばクルマ

を買う際に、スポーツカー、高級セダン、ワゴン、

キャンピングカー、軽自動車まで、さまざまな

クルマのカタログをかき集めているのと同じよ

うなものだ。個人で楽しむのか、家族で楽しむ

のか、それとも社用車として使うのかなど、目

的や用途によって選択肢はある程度限られて

くるはずだ。

BIツールを選択する際にも、まずは導入の

目的や誰がどのように利用するかを明確にし

てこそ、自社にフィットしたBI製品を絞り込ん

で検討することができる。

群雄割拠のBIツールの中で、 自社の“最適解”をどう見つけるか!?

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BIツール選定のための知っておくべき3つの基準

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自社に最適なBIツールを選定するために、

まず前述した老舗BIツールと新興BIツールに

ついて、その特徴を整理しておこう。

黎明期から発展してきた老舗BIツールは、

比較的製品ポジションが定まっている。これら

が優位性を発揮するのは「基幹業務システム

との親和性」だ。したがって「基幹業務システ

ムの刷新にあわせてデータ分析環境も見直し

たい」といったケースでは、自社の基幹業務シ

ステムと相性の良い老舗BIツールを選定する

ことが有力な選択肢となる。

しかし、老舗BIツールは、一般的に導入に際

して時間もコストもかかる。基幹業務システム

の刷新に伴う導入であればまだしも、既存の

システムを生かしながらBIツールを導入した

いといった企業には敷居が高い。必然的に新

興ベンダーのBIツールが選択肢として浮かび

上がってくるが、ここには様々な製品やサービ

スが市場にあふれており、自社に適したBIツー

ルを見極めるのは容易ではない。機能やスペッ

クを一見しただけでは、何が特徴で、どこに違

いがあるのかがわからない場合が少なくない

からだ。

このとき指針として考えたいのが、「利用範

囲」と「データ量」の2つの軸だ。「利用範囲」

は少人数のチームや個人で使うのか、全社利

用や社外も含めた活用など多人数で使うのか、

「データ量」はBIで扱うデータが多いのか少

ないのかということだ。

自社がBIで行いたいことは、「利用範囲」と

「データ量」の2軸で分類された4領域のどこ

に分類されるか考えてみてほしい(図1)。以

下で4領域ごとのBIツールの特徴を整理して

おこう。

「利用範囲」と「データ量」で 自社に適したツールを見極める

図1:BIツール選定の2つの軸

データ量

利用範囲

チーム・個人(少人数)

全社・社外(多人数)

少量 ① ③

大量 ② ④

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BIツール選定のための知っておくべき3つの基準

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ここまでBI製品選定における基本的な指針

を示してきた。これによって、自分たちがやり

たいのが、①~④のどの領域におけるデータ

分析なのかを見極めることができるはずだ。

新興のBIツールの多くは、①領域や②領域に

特化したツールである場合が多い。また、多人

数で利用する③領域は今後のデータ量の増加

や分析ニーズの多様化も視野に入れると、④

①「少人数」+「データ量が少ない」場合

・数百万件レベルのデータ量であれば、パフォーマンスの観点か

らインメモリ型と呼ばれる製品が有利となる。

・個人利用のため、アクセス権限やセキュリティなどの要件を重

要視する必要はそれほど多くない。

②「少人数」+「データ量が多い」場合

・一般的には、パワーユーザーやデータサイエンスティストなど

専門家の利用に特化した統計解析ツールを導入する。

・上記①領域の製品でこの領域をカバーしようとすると、データ

量が多いために「ライセンス費用」や「サーバー費用」が高額になる。

・下記③領域の製品でこの領域をカバーしようとすると、①領域の製品と比較して操作性で見劣りする。

③「多人数」+「データ量が少ない」場合

・利用する人数が多くなるため、人数課金のASPサービスでは高

くついてしまう。サーバーライセンス、OEMライセンス形態の

製品が望まれる。

④「多人数」+「データ量が多い」場合

・多様な組織の広範囲のユーザーが利用することになるため、

データに対するきめ細かなアクセス制御や機能制限を行えるこ

とが必須要件となる。

・利用する人数が多くなるため、人数課金のASPサービスでは高くついてしまう。サーバーライ

センス、OEMライセンス形態の製品が望まれる。

・他の業務システムへの負荷を極力抑えるとともに、サーバーリソースを効率的に活用する観点

からも、BI機能とデータウェアハウス機能を分離できることが望ましい。

の領域で検討した方が現実的だと言えるだろう。

老舗BIツールからの移行を検討している際に

も、④の領域のツールが適していると言える。

では、この④領域の「全社から広範囲なユー

ザーで大量データを活用するBIツール」=「エ

ンタープライズBI」を選ぶ際のポイントは、ど

んなところにあるのだろうか。次章では、選定

の着眼点を紹介していく。

チーム・個人(少人数)

全社・社外(多人数)

少量 ①大量

チーム・個人(少人数)

全社・社外(多人数)

少量

大量 ②

チーム・個人(少人数)

全社・社外(多人数)

少量 ③大量

チーム・個人(少人数)

全社・社外(多人数)

少量

大量 ④

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BIツール選定のための知っておくべき3つの基準

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1:ガバナンス

全社、さらには社外まで広範囲なユーザーで大量のデータを活用する「エンタープライズBI」を

選定する上でポイントとなるのは、どんな点なのだろうか。ここでは、「ガバナンス」「運用の継続性」

「コラボレーション」という3つの基準から考えていく。

経営層、マネージャー、一般社員、派遣

社員、社外のパートナーなど、さまざまな立

場の、そして多人数のユーザーが利用する

エンタープライズBIにおけて、最も重要な

ポイントは、「ガバナンス」だ。

多人数で使うことになると、人の異動や組

織の変動も多い。また、利用したいデータ

の種類も増えてくる。そうなると、誰に対し

て何を見せて、何を見せないのか。また、

サマリーの閲覧は許可するがドリルダウンは

許可しないなど、一人ひとりのユーザーごと

に厳密に権限をコントロールするには、大変

な手間が必要になる。ユーザー管理やアク

セス権の設定が、厳格かつ容易に行えること

が重要だ。

また、個々のレポートが、どの程度頻繁に

どんなユーザーによって利用されているのか

など、利用状況の管理・監査ができることも

必要になる。こうしたガバナンスにまつわる

課題を解決できるかが、エンタープライズBI

選定の第1のポイントだ。

な特徴は「集中管理型のアーキテクチャ」(図2)を採用していることです。

パワーユーザー、IT部門の担当者、業務部門の一般利用者まであらゆるレイヤーのユーザーが、それぞれの担当業務や役職に応じたダッシュボード(戦略用、分析用、業務用)を介して、同一のデータソース(Yellowfin本体)にアクセスする仕組みを提供しています。

ここで問題になるのが、皆が同じデータにアクセスすることに対し、どうガバナンスをきかせるかということです。Yellowfinでは、データ自体に所属部門や役職、任意のユーザーグループ、あるいは個人単位でアクセス権限を設定できる仕組みを提供することで、データを保護しています。単に「見せるか、見せないか」といったON/OFF設定で制御するといった類のものではなく、ある部門のユーザーに対して「分析結果までは見せるが、詳細データへのドリルダウンや生データへのドリルスルーは禁止する」といった、きめ細かなアクセス権限が可能です。この管理できる項目の豊富さが、エンタープライズBIとしてのYellowfinの大きな優位性になっています。

<ガバナンスのきいたYellowfi n >BIソリューションを手掛けて10年になるNTTソフ

トウェアがお勧めするエンタープライズ向けBIは、Yellowfinです。Yellowfinのガバナンスにおける大き

100%Webベース集中管理型

IT担当者

一般の利用者パワーユーザー

データディスカバリーダッシュボード作成ストーリーボード

ダッシュボード/KPI閲覧コラボレーション意思決定

セキュリティメタデータ層ガバナンス

図2:集中管理型のアーキテクチャ

エンタープライズBIに必要な3つの基準

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2:運用の継続性エンタープライズBI選定における2つ目の

ポイントは、運用の継続性だ。エンタープライ

ズBIに限ったことではないが、システムは導

入すればそれで終わりというものではない。

ユーザーの増減、データの増大、ソフウェアラ

イセンス費用、ミドルウェアのバージョンアッ

プ、ハードウェアの更改など、中長期なスパン

にたって考える必要がある。

たとえIT環境が変わってもサーバーの移行

が簡単であり、さらには、ユーザーはその変化

を意識しないでも継続利用できること、ライセ

ンスや保守費用への影響が小さいことは、つ

いつい忘れがちだが非常に重要なポイントだ。

<運用の継続性にすぐれたYellowfin >前述したように、集中管理型のアーキテクチャで設

計されたYellowfin本体は、Javaをはじめとする標準技術ですべてが開発されています。特殊性を徹底的に排除したことでクラウドとも高い親和性を確保しており、そのことが運用の継続性に大きく貢献しています。

具体的には、IaaS上でスムーズに運用が可能で、

負荷増加にあわせて柔軟にリソースを追加できます。また、基盤として利用しているWebサーバーやアプリケーションサーバーのバージョンアップ、リプレースを行った場合でも、Yellowfinのライセンスはそのまま無償で新環境に引き継ぐことができるため投資が無駄になりません。さらに、ブラウザベースのソリューションのため、ユーザーが増加してもクライアントツールの配布やインストールの必要がなく、すぐに利用できます。

3:コラボレーションそもそも企業がBIツールに求めているのは、

データを分析すること、そのものではない。

分析によって得られた事実や知見を経営者や

業務現場のユーザーと共有し、的確な意思決

定を促したり、新たな“気づき”を得たりしな

がら、迅速に次のアクションを起こすことにある。

こうしたことを背景に、近年、BIツールの

新たなトレンドとして注目されているのが「コ

ラボレーション」の機能だ。分析結果を単に

複数のユーザーと共有するだけでは、具体的

なアクションにはつながらない。明確になっ

た一つのテーマに対して、BIツール上で関連

するユーザーが自発的につながり議論を活発

化させることではじめて、ビジネスが活性化

していく。

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BIツール選定のための知っておくべき3つの基準

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<コラボレーション機能を搭載したYellowfi n>Yellowfinには、さまざまなコラボレーティブ機能に

より、メンバーのコラボレーションを誘発する仕組みが標準として備わっています(図3)。ディスカッションをはじめ、意思決定のための意見を収集する機能、特定ユーザーをフォローする機能などにより、データの結果をベースにした意見交換をYellowfin上でリアルタイムに行えます。

また、「ストーリーボード」は、Yellowfinに蓄積されたデータをもとにストーリー性をもったプレゼンテーショ

ここまで、企業がBIツールを導入しようとする際に、どのような視点が必要なのかを考察し

てきた。そのポイントは、

●「利用範囲」と「データ量」によって、選ぶべきBIツールが異なる

●大量のデータを多人数が扱う「エンタープライズBI」の領域においては、「ガバナンス」「運用の継続性」「コラボレーション」の3つの要素が重要

ということだ。ぜひ本資料を、自社のBIツール選びの参考にしていただきたい。

ンを簡単に作成し、社内で迅速に共有することができる機能です。プレゼンテーションに興味を持った他のユーザーは、自由にコメントを書き込むことができ、さらにそのコメントに別のユーザーが意見を述べるといった形でコラボレーションが進んでいきます。

なお、分析を裏付けるデータはもとより、個々のコメントに対してもアクセス権限を設定することが可能であり、各ユーザーは常にガバナンスが保たれた環境下で、安心してディスカッションに参加することができます。

図3:Yellowfi n上でのコラボレーション

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BIツール選定のための知っておくべき3つの基準

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Copyright© 2015 NTTソフトウェア株式会社/Yellowfin Japan株式会社

<お問い合せ>

NTTソフトウェア株式会社https://www.ntts.co.jp/products/yellowfin/

NTTソフトウェアは、日本で唯一のYellowfinコンサルティングパートナーです。

Yellowfin Japan 株式会社http://yellowfin.jp/

いますぐ試せる、無料評価版をご用意しております。

●データディスカバリーYellowfinは、ドリルダウン、ドリルスルー、ド

リルエニウェアなど、さまざまな方法で分析で

きます。複数のデータソースにまたがってい

ても実行可能です。

●ダッシュボードあらゆるデータを組み合わせ、パーソナルな

ダッシュボードを作成できます。ダッシュボー

ド上で、フィルター条件での絞り込みや、詳細

データへのドリルなどの分析が実行できます。

Yellowfinが誕生したのは2003年。その後、数多くの進化を遂げ、今日では50カ国、100万人を

超えるエンドユーザーに利用されています。前述した「ガバナンス」「運用の継続性」「コラボレーショ

ン」のほか、以下のような機能によって、あらゆる人がよりカンタンにBIが利用できる環境を整え

ています。

●モバイルYellowfinのモバイルアプリで、移動中にダッ

シュボードを閲覧したり、1タップでフィルター

条件を変更したりできます。コラボレーティブ

機能により、メンバーとの意見交換もできます。

●データの視覚化Yellowfinの40種以上のグラフタイプは、洗

練された格子グラフから一般的な折れ線やメー

ターグラフなどをマウスによるクリック操作だ

けで使うことができます。データの可視化によ

り、異常値やトレンドの発見に役立ちます。

●マッピングYellowfinのロケーションインテリジェンスは、

ダイナミックな地理情報をレポートやダッシュ

ボードに簡単にのせることができます。自分の

ビジネスインテリジェンスデータに位置データ

をマージすることで、自分のビジネスを地図上

で可視化することができます。

Yellowfin その他の主な機能