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目次 概要 1 ページ OpenStack ネットワーキング 2 ページ Big Cloud Fabric – すべてに対応するハイパースケールネットワーキング 4 ページ Nova ネットワーキングと BCF 5 ページ Neutron ネットワーキングと BCF – ML2 プラグイン 5 ページ Neutron ネットワーキングと BCF – BSN プラグイン 6 ページ 結論 7 ページ 概要 OpenStack は、エンド ユーザーに対して、高速で、柔軟な、極めて拡張性の高いサービス提供が可能なプラ イベート クラウドを展開する最も簡単な方法の 1 つです。管理インタフェースを使用して、多数のコンピュータ、 ストレージおよびネットワーキング リソースを自動制御します。管理インタフェースでは、管理者には必要なコン トロール機能が提供され、同時にユーザーには、アプリケーションが必要とするリソースをオンデマンドで用意で きる柔軟性がもたらされます。OpenStack は、オープンソースで、コミュニティ主導で開発され、実務環境で の実績もある豊富な機能も備えており、クラウド コンピューティングの主流のプラットフォームになりつつあります。 従来のネットワーキング技術にとって、OpenStack は設計上の課題となっています。アプリケーション展開のあ らゆる側面がセルフ サービス化されるため、プロジェクトを迅速にプロビジョニングし、成長、縮小、撤去ができ るよう、ネットワークは柔軟な基盤でなければなりません。従来の静的に構成されるネットワーク、つまり配管工 事のような考え方ではうまくいきません。このような、俊敏で高度に自動化されたネットワーク インフラストラクチャ に対するニーズが生まれたことにより、ネットワーキング イノベーションにルネサンスが引き起こされ、たちまち のうちにさまざまなアーキテクチャ アプローチやソリューションが提案されました。 データ センター ネットワーク インフラストラクチャを扱うチームにとってはやりがいのある時代と言えますが、重 大な意思決定や困難なトレードオフにも直面します。 ネットワーク構築には OpenStack Nova を採用すべきか、それとも OpenStack Neutron を採用すべき か。 決定した選択肢のセキュリティ、パフォーマンス、高可用性(HA)などへの影響はどうか。 現在のネットワーク インフラストラクチャは OpenStack システムのニーズの変化に合わせて進化できるか。 さらに、インフラストラクチャのユーザー(テナント)は、この設計の選択が、利用するアプリケーションのアジリティ とパフォーマンスに関する要件にどのような影響を及ぼすかを認識する必要があります。ここでは、OpenStack 設計者が通常利用できるネットワーキング オプションをレビューし、主なトレードオフを取り上げ、Big Switch Network の Big Cloud Fabric ソリューションがいかに多様なネットワーキング オプションに対応し、それらの シームレスな移行を可能にするかをまとめます。 ホワイト ペーパー Big Cloud Fabric による OpenStack の展開 ベア メタル SDN による IaaS クラウドの自動化 OpenStack を検討しているデータ センター インフラストラクチャ チームにとって、従来の ネットワーク技術が設計上の課題になっています。Big Cloud Fabric ソリューションを使用す れば、複数の OpenStack ネットワーク モデルが実現でき、ハイパースケール データ セン ター システムへシームレスに移行できます。

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目次

概要 1ページ

OpenStackネットワーキング 2ページ

BigCloudFabric–すべてに対応するハイパースケールネットワーキング 4ページ

NovaネットワーキングとBCF 5ページ

NeutronネットワーキングとBCF–ML2プラグイン 5ページ

NeutronネットワーキングとBCF–BSNプラグイン 6ページ

結論 7ページ

概要OpenStack は、エンド ユーザーに対して、高速で、柔軟な、極めて拡張性の高いサービス提供が可能なプライベート クラウドを展開する最も簡単な方法の 1 つです。管理インタフェースを使用して、多数のコンピュータ、ストレージおよびネットワーキング リソースを自動制御します。管理インタフェースでは、管理者には必要なコントロール機能が提供され、同時にユーザーには、アプリケーションが必要とするリソースをオンデマンドで用意できる柔軟性がもたらされます。OpenStack は、オープンソースで、コミュニティ主導で開発され、実務環境での実績もある豊富な機能も備えており、クラウド コンピューティングの主流のプラットフォームになりつつあります。

従来のネットワーキング技術にとって、OpenStack は設計上の課題となっています。アプリケーション展開のあらゆる側面がセルフ サービス化されるため、プロジェクトを迅速にプロビジョニングし、成長、縮小、撤去ができるよう、ネットワークは柔軟な基盤でなければなりません。従来の静的に構成されるネットワーク、つまり配管工事のような考え方ではうまくいきません。このような、俊敏で高度に自動化されたネットワーク インフラストラクチャに対するニーズが生まれたことにより、ネットワーキング イノベーションにルネサンスが引き起こされ、たちまちのうちにさまざまなアーキテクチャ アプローチやソリューションが提案されました。

データ センター ネットワーク インフラストラクチャを扱うチームにとってはやりがいのある時代と言えますが、重大な意思決定や困難なトレードオフにも直面します。

• ネットワーク構築には OpenStack Nova を採用すべきか、それとも OpenStack Neutron を採用すべきか。

• 決定した選択肢のセキュリティ、パフォーマンス、高可用性(HA)などへの影響はどうか。• 現在のネットワーク インフラストラクチャは OpenStack システムのニーズの変化に合わせて進化できるか。

さらに、インフラストラクチャのユーザー(テナント)は、この設計の選択が、利用するアプリケーションのアジリティとパフォーマンスに関する要件にどのような影響を及ぼすかを認識する必要があります。ここでは、OpenStack 設計者が通常利用できるネットワーキング オプションをレビューし、主なトレードオフを取り上げ、Big Switch Network の Big Cloud Fabric ソリューションがいかに多様なネットワーキング オプションに対応し、それらのシームレスな移行を可能にするかをまとめます。

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Big Cloud Fabric による OpenStack の展開ベア メタル SDN による IaaS クラウドの自動化

OpenStackを検討しているデータセンターインフラストラクチャチームにとって、従来のネットワーク技術が設計上の課題になっています。BigCloudFabricソリューションを使用すれば、複数のOpenStackネットワークモデルが実現でき、ハイパースケールデータセンターシステムへシームレスに移行できます。

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OPENSTACKネットワーキングほとんどのデータ センターのテナントやアプリケーション 1 では、OpenStack などのサービスとしてのインフラストラクチャ(IaaS)オーケストレーション システムから、次のようなネットワーキング要件が求められています。

• 企業環境によく使用されている、多彩なトポロジに対応できる接続性を提供する

• 脅威の隔離、障害の隔離、トラブルシューティング、コンプライアンスなどのためのアプリケーション セグメンテーションを確保する

• 共有されたインフラストラクチャと L4 ~ L7 のサービスのシームレスな使用を管理する

OpenStack の初期の展開では、弾力性のあるコンピューティングとストレージに必要な機能に焦点が当てられましたが、ネットワーキングは従来の方法に依存したままでした。テナントのネットワーキング ニーズに対応するため、物理的なネットワークを手作業で変更する必要がありました。隔離された別のネットワークに新たなテナントを配置するには、データ センター内の膨大な数の物理スイッチを個々に設定変更する必要がありました。また、企業内の組織が縦割りであるため、アプリケーション、コンピュータ、ストレージおよびネットワーキングを部門別に異なるチームが担当することが多く、その結果、この問題はさらに悪化しました。

このような要件と課題の一部に対応するため、OpenStack コミュニティは最近出したリリースにおいて、2 つの重要なネットワーキング プロジェクトに取り組みました。それが Nova-network と、その後にリリースされた Neutron です。Nova-network はいずれ廃止されると思われますが、今後もある程度の期間はデータ センター展開の多くのケースで使用される見込みです。2

ここでは、アプリケーションの接続性と隔離の要件の例として、標準的な 3 層アプリケーション(ウェブ、アプリ、データベースの 3 層と、各層の仮想マシン)を取り上げ、OpenStack の Nova-network と Neutron のシステムで上記のニーズがどのように対応されるのかを見ていきます。

また、同じアプリケーションの異なる層間の隔離要件はさまざまであり、通常はその特定のアプリケーションの重要度によって決定されるということも、重要なポイントとして抑えておく必要があります。

• 弱い隔離 : 重要度の低いアプリケーションの場合、ある層での想定外の使用パターンがその層を超え、別のアプリケーション層の安定度とセキュリティに影響を及ぼすリスクが許容される場合もよくあります。OpenStack 展開において、通常、このレベルの隔離にはセキュリティ グループを使用します。その場合、物理ネットワークでユニキャスト レベルの隔離を行いますが、L2 ブロードキャスト隔離は行いません。

• 強い隔離 : 実務レベルのアプリケーションは、ほとんどの場合、ある層における想定外の使用パターンやセキュリティ ホールは他の層から完全に隔離する必要があります。これは、長期に渡って実務運用で使用されるアプリケーションでよく見られるケースです。通常、VLAN、ステートフル ファイアウォールなどのメカニズムを使用して、同じアプリケーション内の異なる層間での L2 隔離を実現します。

OPENSTACK NOVA によるネットワーキング

一般的なケースの Nova-network モデルでは、VLAN-Manager を使用して、各アプリケーションやプロジェクトに隔離された VLAN / サブネットを割り当てるというわかりやすいネットワーク モデルが使用されています。このプロジェクトで構築される新規の VM は、デフォルトで、プロジェクトの VLAN / サブネットに単一のネットワーク インタフェースを使用して作成されます。同じプロジェクトの中では、セキュリティ、トラブルシューティングおよび対障害弾力性を確保するため、OpenStack セキュリティ グループが VM 層の隔離に使用されます。外部接続性が必要な場合は、プロジェクトの VM の 1 つ以上にフローティング IP アドレス(第 2 のインタフェース)が作成されます。この第 2 のインタフェースは、プロジェクトの隔離された VLAN / サブネットではなく、共有のパブリック VLAN / サブネットに設定され、ルーターに接続して、そこから外部のネットワークや他のプロジェクトのフローティング IP アドレスに接続できます。

実際のところ、Nova-network の展開においては、ネットワーク管理者は通常、プロジェクトの作成時や削除時に VLAN のプロビジョニングや削除が自動的に行われないよう、クラウドを最初にセットアップするときに、各 VLAN を各スイッチ アクセス ポートにあらかじめプロビジョニングしておきます。

図 1 : OpenStack Nova のネットワーク

1 ここでは、OpenStack プロジェクト、テナント、およびアプリケーションはほぼ同等のものとして扱います。

2 http://docs.openstack.org/trunk/openstack-ops/content/nova-network-deprecation.html

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このモデルは、VLAN をプロジェクトにマッピングすることにより、テナント間での強い隔離を実現します。Nova-network の最大のメリットは、使いやすさです。しかし、いくつかデメリットもあります。

• Nova-network モデルは、同じプロジェクト内では層間の弱い隔離(セキュリティ グループによる隔離)に制限されます。

• 各プロジェクトが 1 つの VLAN / サブネットであるため、設計上、同じプロジェクト内の層間のサブネット境界に依存するファイアウォールや同様の L4 ~ L7 サービスを追加することはできません。

• セキュリティ グループは OpenStack VM に特有の構造であることから、OpenStack VM 以外のエンド ポイント(ロード バランサー、ベア メタル サーバー、ストレージなど)には別の隔離 / ポリシー メカニズムが必要です。

• サポートするプロジェクト数の制限 - 従来のファブリックで VLAN を構成する OpenStack Nova のデフォルトの VLAN-Manager は、最大でも 800 ~ 1,000 の VLAN にしか対応しません。テナントやプロジェクトの理論上の上限である 4,000 と比べると、かなり少ない数となっています。

Nova-network によるネットワークのプロビジョニングは、新しい Open Stack クラウドに初めて展開される低 SLA アプリケーションの多くにとって、プロバイダ実装の容易さ、テナント利用の容易さ、およびセキュリティ / 隔離の妥当性のバランスが取れた方法と言えます。

OPENSTACK NEUTRON によるネットワーキング

OpenStack コミュニティは、Nova-network のデメリットのいくつかに対応を図り、Neutron をリリースしました。将来的には、Neutron が主流のネットワーキング モデルになると期待されていますが、この文書を書いている時点では、Neutron によって持ち込まれた複雑性をまだ無視することはできません。

Neutron を使用すると、プロジェクト管理者は、プロジェクトに対して 1 つ以上の VLAN / サブネットを作成でき、層間に強い隔離を実現することができます。また、プロジェクト管理者は、プロジェクトの VLAN / サブネットの間に L3 の接続性を実装するために、論理ルーターへのアクセスも利用することができます。従来のネットワーキング(L3 ネクスト ホップ)のサービス追加技術を使用して、ファイアウォールなどの L4 ~ L7 サービスを設計時または設計後に層間に追加できます。複数の L2 ドメインのあるプロジェクト内で層間の強い隔離が実装できることにより、企業アプリケーションが必要とする多彩な内部トポロジをモデル化する道が開かれました。

OpenStack ネットワーキングの長期的な方向性を明確に示すものとして、Neutron は開発者の熱い注目を集めるとともに機能拡充の動きも加速されており、多様な形のサービス追加が行える高性能な SDN 設計オプションやコミュニティ サポートが次々に提供されています。それに伴い、現行の標準プラグイン実装(Icehouse)には無視できない欠陥が生じています。

• 1 つのテナントに対する論理ルーターは、複数のコンピュータ ノードから選択された 1 つのノードにソフトウェア ルーターとして実装されます。そのため、パケットのヘアピニングの問題、単一障害点、およびパフォーマンスのボトルネックが生じます。

• Nova-network に比べ、プロバイダ側の構成が複雑になります。

• テナントの論理ルーターの管理において、操作性の課題と複雑性が生じます。

• VM またはネットワークに対する QoS(サービスの品質)の構成がありません。

このような課題は OpenStack の次期リリースで対応される予定ですが、多くの場合、主要な市販製品ですでに対応されつつあります。同時に、Nova-network と Neutron の両方が近い将来に実務運用環境に展開されると見込まれています。その結果、両方のモデルに対応するネットワーキング モデルに対する需要が高まっています。

Big Switch の Big Cloud Fabric は OpenStack の Nova-network および Neurtron の展開モデルの両方に対応しており、さまざまなアプリケーション要件を持つユーザーに対して移行の手段を提供し、投資を保護します。

図 2 : OpenStack Neutron のネットワーク

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BIGCLOUDFABRICーすべてに対応するハイパースケール ネットワーキングハイパースケール データセンターの設計原則を取り入れた Big Switch の Big Cloud Fabric

(BCF)ソリューションはイノベーションを促進し、プロビジョニングと管理を容易にしつつ、全体的なコストを削減します。SDN ソフトウェアとベア メタル イーサネット スイッチ ハードウェアをポッド設計に取り入れた Big Cloud Fabric は、幅広い階層の OpenStack ユーザーにハイパースケール ネットワーキングを実現します。BCF ソリューションには次の 2 種類があります。

• P-CLOS ー リーフ / スパイン型物理 CLOS ファブリックで構成

• 統合 P+V CLOS ー リーフ / スパイン型と仮想スイッチ(vSwitch)で構成

BCF ソリューションのコンポーネントは次のとおりです。

• Big Cloud Fabric Controller ー 論理的に一元化され階層的に実装された SDN コントローラで、通常、複数の仮想マシンかハードウェア アプライアンスのクラスタとして展開され、高可用性 (HA) を実現します。

• ベア メタル リーフ / スパイン型スイッチ ハードウェア ー Big Switch のハードウェア互換性リストには、多様なスイッチ ハードウェア構成(10G/40G)やベンダーが掲載されています。

• Switch Light ™ オペレーティング システム ー SDN 専用に開発されたベア メタル スイッチ OS。

• Switch Light ™ vSwitch(オプション) ー 統合 P+V CLOS システム用の高性能 SDN vSwitch。

• Big Switch Neutron プラグ イン(オプション)または Big Switch ML2 ドライバ メカニズム(オプション) ー OpenStack と Big Cloud Fabric Controller 間のソフトウェア統合層。

ネットワークのプロビジョニング、ほとんどのトラブルシューティング、および自動化が、BCF コントローラ上の CLI、GUI、REST API およびソフトウェア統合で行われます。アプリケーションまたはテナント中心のプロビジョニングにより L2/L3 構成が合理化され、一元管理機能を備えた BCF コントローラにより管理コンソールの数 3 が 30 分の 1 以下に削減されます。OpenStack などの API およびオーケストレーション システムにより、ネットワークのプロビジョニング、セキュリティおよび監査ワークフローとシームレスに統合でき、ベア メタル イーサネット スイッチ ハードウェアの使用により 3 年間分のコストを 50% 以上 4 も削減します。

3 従来の L2/L3 スイッチ 16 ラック列(32 TOR、2 アグリゲーション シャーシ)との比較4 よく利用される既存の L2/L3 ネットワーキング デバイスによる 16 ラック列のハードウェア、ソフトウェア、ケーブルおよび光学製品の設

備投資とメンテナンス コストとの比較。ご要望によりモデルを提供。

図 3 : Big Cloud Fabric ソリューションのコンポーネント

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OPENSTACKNOVAネットワーキングとBIGCLOUDFABRIC(P-CLOS)Nova で展開を継続する場合、P-CLOS タイプの BCF を使用すれば、ベアメタル SDN ファブリックによる低コスト、運用複雑性の低減、拡張性が極めて高いネットワーキング インフラストラクチャというメリットが享受できます。上図に、BCF と Open Stack Nova のネットワーキングをプロビジョニングする場合のおおまかなワークフローを示します。

NOVA に対する BCF のメリット :

• プロビジョニング : OpenStack 制御、フローティング IP、ストレージ トラフィック、およびテナント データに対応する VLAN が、効率的な Nova 専用構成により、物理ファブリックへあらかじめプロビジョニングされています。ネットワーク構成への変更も、コントローラだけで行えばよく、各ネットワーキング デバイスで行う必要はありません。

• トラブルシューティング : 「フロー パス表示」シミュレーション コマンドなど、コントローラの主要なトラブルシューティング ツールが用意され、OpenStack コントロール ネットワーク、フローティング IP ネットワーク、ストレージ ネットワーク、テナント データ ネットワークのどこからでも利用できます。

• スケール : 最も普及しているツリー型ネットワーク デバイスでは、ほとんどの場合、サーバーに向かうポートに設定できる VLAN の数が制限されていますが(既存のベンダーの制限では 800 まで)、Big Cloud Fabric は合計で 4,000 以上の VLAN をファブリック全体に設定でき、パフォーマンスへの影響もありません。

• 経済性 : ベア メタル スイッチング ハードウェアの極めて高い経済性は Nova システムの重要な要素であり、パブリック クラウドに対し優れたコスト競争力を発揮します。

OPENSTACKNEUTRONとBIGCLOUDFABRIC(P-CLOS)–ML2プラグイン標準の Neutron ML2(モジュラー レイヤー 2)プラグインにより、あるテナント ネットワークにどのようなリソースを割り当てるかを、その意向を物理および仮想インフラストラクチャ上にどのようにプロビジョニングするかとは切り離して決定できます。ML2 モデルでは、ユーザーが、使用する物理スイッチング ベンダーに合わせて「ドライバ メカニズム」を選択し、スイッチングおよびルーティング インフラストラクチャのさまざまな部分の構成を自動化できます。

OpenStack Neutron の(現在および将来の)豊富な機能に関心がありつつも、既存の Linux/KVM 仮想化インフラストラクチャにも依存するユーザーならば、図 5 に示すような BSN および OVS ドライバによるベア メタル SDN を導入すると、そのメリットを得ることができます。

図 4 : OpenStack Nova と BCF

ML2 プラグインで処理されるテナント ネットワーク要求 :

• ML2 プラグインが VLAN タグを割り当て

• BSN ドライバが P-CLOS ファブリックで L2 セグメンテーションをプログラミング

• OVS ドライバが vSwitch で対応するタグをプログラミング

• Neutron が L3 サービスを作成および管理

• L2 タギング(VLAN)を介して層隔離を管理

図 5 : OpenStack Neutron と BCF - ML2 プラグイン

BCF の管理者が 1 つの L3 ネットワークと複数の L2 ネットワークでファブリックをあらかじめプロビジョニング。中央ポータルからファブリックを管理 OpenStack の管理者がプロジェクト(ま

たはテナント)の予想範囲を選択

• BCF の管理者と協力して、ファブリックを事前プロビジョニング

• ファブリックの L3 ネットワークに相当する外部ネットワークを構築

• あらかじめプロビジョニングした 複数の L2 ネットワークを使用する、プロジェクト用のゲスト ネットワークを構築

BCF Zero Touch Fabric(ZTF)機能に より自動化が可能

• ファブリックが拡張されても(ラック が追加されても)、追加のワークロー ドに対応するために設定変更が不要

OpenStack プロジェクト(またはテナント)が事前にプロビジョニングされたゲスト ネットワークを利用

• VLAN Manager により VLAN タグを OVS に設定

• テナント間の層隔離は OpenStack からセキュリティ グループをプロビジョニングすることにより管理

• 通常はテナントに対し「どこからでもすべての VLAN に接続」設計を適用

(ワンタイム)

• ルーティング可能な North/South VLAN(サブネット)をフローティング IP に使用

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NEUTRON ML2 に BCF を利用するメリット :

• プロビジョニング : ML2 統合の初期プロビジョニングのプロセスはわかりやすく、その情報も豊富にあります。初期システム プロビジョニングを行えば、テナント固有のプロビジョニング ワークフローは OpenStack により自動化されます。

• トラブルシューティング : 「フロー パス表示」シミュレーション コマンドなど、BCF コントローラの主要なトラブルシューティング ツールがコントローラの一部として用意され、OpenStack コントロール ネットワーク、フローティング IP ネットワーク、ストレージ ネットワーク、テナント データ ネットワークのどこからでも利用できます。

• スケール : 前述のとおり、Big Cloud Fabric はファブリック全体で合計 4,000 以上の VLAN をパフォーマンスへの影響なく設定できます。

• 経済性 : ベア メタル スイッチング ハードウェアの極めて高い経済性に加え、このような構成の場合、ML2 アーキテクチャは、オーバーレイ ベンダーという追加コストをかけることなく、オーバーレイのメリットの多くを得ることができ、全体的なシステム コストを大幅に削減します。

OPENSTACKNEUTRONとBIGCLOUDFABRIC(統合P+VCLOS)–BSNプラグイン前述した既存の標準プラグインの制約を受けることなく OpenStack Neutron ネットワーキングのメリットをフルに実現するには、Big Cloud Fabric(統合 P+V CLOS タイプ)を展開し、OpenStack Neutron プラグインを介してプロビジョニングを行います。

NEUTRON に BCF P+V CLOS を利用するメリット :

ML2 プラグインによりもたらされる、プロビジョニング、トラブルシューティングおよび経済性のメリットに加え、Neutron プラグインには、次のようなメリットがあります。

• トラブルシューティング : このモデルにおけるトラブルシューティングの経路は、物理ファブリックから vSwitch にまで及び、任意の 2 つのエンドポイント間の物理的および論理的ホップのそれぞれに対して、全体的な可視性をもたらします。

• 対障害弾力性 : L3 エージェント機能を各 vSwitch に分散させることにより、単純な ML2 ベースのシステムから生じる単一障害点の問題を回避し、高可用性の ML2 ベースのシステムに伴う複雑性を劇的に低減させます。

• スケール : ネットワーク機能の一部を vSwitch に移すことにより、非常に大規模なエンド ホスト システム(BCF ロードマップ上のアベイラビリティ ゾーンごとに 48,000 以上の MAC アドレス)にも対応できます。

BSN Neutron プラグインで処理されるテナント ネットワーク要求 :

• BSN プラグインが P+V CLOS ファブリックで L2 と L3 の接続性をプログラミング

• 分散された L3 機能を Switch Light vSwitch に実装し、仮想化されたワークロードに対応

図 6 : OpenStack Neutron と BCF - BSN プラグイン

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結論ハイパースケール ネットワーキングは、データ センター 設計者にとって極めて魅力的な要素を備えた設計理念といえます。設備投資の大幅な削減、自動化と運用のシンプル化の大躍進、対障害弾力性 / 高可用性への徹底したアプローチ、「ポッド」と呼ばれる複製可能な構築要素の重視など、さまざまな特長があります。

Big Switch は、ハイパースケール データ センターのオペレータが開拓した設計原理を幅広いユーザーに提供しています。

1. ベア メタル ハードウェアによるコスト削減 : ネットワーキングのハードウェアとソフトウェアのディスアグリゲーションにより、柔軟性の確保とベンダーの選択が可能となり、市場での競争力が高まるほか、スタックの各層を個別に刷新していくことが初めて可能になりました。

2. 論理的に一元化された SDN コントローラによる複雑性の低減 : コントローラ ベースのシステムは、一元化されたプログラミングと自動化によりアジリティを生み、ファブリック設計の合理化により、これまで困難だった個別モジュールごとの実装とメンテナンスを可能にします。

3. コア&ポッド設計によるイノベーションの加速 : OpenStack などの新技術の採用と、新しいポッド設計という形による価格 / 性能比の向上を、キャパシティ プランニングとは独立して推進できます。基本的なルーティング プロトコルまたは静的ルートのデータ センター コアに新しいポッドを追加するだけで行うことができます。

Big Cloud Fabric の柔軟なスケールアウト設計により、OpenStack 設計者は当面のニーズを満たす規模から始め、将来の成長ニーズにも対応できます。OpenStack Nova と Neutron のネットワーク運用モデルの両方をサポートしているため、データ センターのアプリケーション設計が進化するにつれて、解決困難なトレードオフに煩わされることがありません。十分な柔軟性と選択肢が確保されているので、ベア メタル SDN のメリットをすぐに実現できます。現在、OpenStack Nova ネットワーキングにより展開されているアプリケーションの場合、本製品により Neutron ネットワーキングへ簡単に移行することができます。Neutron では、優れたセキュリティ、性能、隔離および高可用性のアプリケーション メリットを得ることができます。

OpenStack ネットワーキング プラグインなどの多様なハードウェアとソフトウェアのソリューションの提供、および成長に合わせて投資できる経済性により、完全に統合された独自ソリューションに束縛されることなく、小規模から始めて徐々にファブリックを拡張させることができ、それにより、最新のデータ センター ネットワークの実現が可能になります。OpenStack データ センターを検討しているサービス プロバイダや企業の IT 部門ならば、ベア メタル SDN 設計のメリットを今すぐにでも実現できます。

• 高速なアプリケーション アジリティ : BCF コントローラでのアプリケーション / テナント中心の構成により、L2/L3 ネットワークのプロビジョニングが合理化されます。アプリケーションのニーズが成長するのに合わせ、ファブリック コントローラや OpenStack への設定変更なしでポッドを拡張できます。

• 運用コストの大幅な削減 : 論理的に一元化されたコントローラにより、管理コンソールの数 5 を 30 分の 1 以下に削減できます。ゼロ タッチ ファブリックのプロビジョニングと、全体的な可視性をもたらす「フロー パス表示」シミュレーション コマンドなどのトラブルシューティング ツールにより、データ センター ネットワークの運用がさらにシンプル化できます。

• 設備投資の劇的な削減 : ベア メタル イーサネット スイッチ ハードウェアにより、3 年間のインフラストラクチャ コストを 50% 以上削減できます。オーバーレイ / アンダーレイ設計と比較すると、統合 P+V ソリューションは、この 2 つのネットワーキング層を畳み込むことにより、全体的なシステム コストをさらに削減できます。

Big Switch の Big Cloud Fabric により OpenStack データ センター ネットワークをどのように実現するかについてさらに詳しくお知りになりたい場合は、[email protected] にお問い合わせください。

5 従来の L2/L3 スイッチ 16 ラック列(32 TOR、2 アグリゲーション シャーシ)との比較

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Copyright 2014 Big Switch Networks, Inc. All rights reserved. Big Switch Networks、Big Cloud Fabric、Big Tap、Switch Light OS、Switch Light vSwitch は、Big Switch Networks, Inc の商標または登録商標です。その他すべての商標、サービス マーク、登録商標、登録サービス マークは、個々の所有者に帰属します。本書の内容に誤りがあった場合でも、Big Switch Networks は責任を負わないものとします。Big Switch Networks は、本書の内容を予告なく変更、改良、譲渡、または改訂する権利を有します。BCF OpenStack WP V1 EN July 2014

BigCloudFabric:すべてに対応するハイパースケールネットワーキング ホワイト ペーパー

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