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By The Way Universally Speaking This Is The Place Dosed Don't Forget Me The Zephyr Song Can't Stop I Could Die For You Midnight Throw Away Your Television Cabron Tear On Mercury Minor Thing Warm Tape Venice Queen TIME バイ・ザ・ウェイ TR-01 ユニヴァーサリー・スピーキング TR-02 ディス・イズ・ザ・プレイス TR-03 ドースト TR-04 ドント・フォーゲット・ミー TR-05 ザ・ゼファー・ソング TR-06 キャント・ストップ TR-07 アイ・クッド・ダイ・フォー・ユー TR-08 ミッドナイト TR-09 スロウ・アウェイ・ユア・テレヴィジョン TR-10 キャブロン TR-11 テアー TR-12 オン・マーキュリー TR-13 マイナー・シング TR-14 ウォーム・テープ TR-15 ヴェニス・クイーン TR-16 タイム TR-17※ ※日本盤ボーナストラック RED HOT CHILI PEPPERS レッド・ホット・チリ・ペッパーズ バイ・ザ・ウェイ ay By T he W

By The Way The Bootleg Booklet

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Page 1: By The Way The Bootleg Booklet

By The Way

Universally Speaking

This Is The Place

Dosed

Don't Forget Me

The Zephyr Song

Can't Stop

I Could Die For You

Midnight

Throw Away Your Television

Cabron

Tear

On Mercury

Minor Thing

Warm Tape

Venice Queen

TIME

バイ・ザ・ウェイ TR-01

ユニヴァーサリー・スピーキング TR-02

ディス・イズ・ザ・プレイス TR-03

ドースト TR-04

ドント・フォーゲット・ミー TR-05

ザ・ゼファー・ソング TR-06

キャント・ストップ TR-07

アイ・クッド・ダイ・フォー・ユー TR-08

ミッドナイト TR-09

スロウ・アウェイ・ユア・テレヴィジョン TR-10

キャブロン TR-11

テアー TR-12

オン・マーキュリー TR-13

マイナー・シング TR-14

ウォーム・テープ TR-15

ヴェニス・クイーン TR-16

タイム TR-17※

※日本盤ボーナストラック

RED HOT CHILI PEPPERS

レッド・ホット・チリ・ペッパーズ バイ・ザ・ウェイ

ayBy TheW

Page 2: By The Way The Bootleg Booklet

Produced by rick rubinMixed and Engineered by Jim ScottWritten by Anthony Kiedis,Flea,John Fruscianteand Chad Smithc 2002 Moebetoblame Music Inc,BMIMastered by Vlado Meller at Sony Music Studio,New York,NY

TIMEI was walking through A courtyardWithout shoes and Without regardAutomatic catacomb Take me where I want to go

All around all in phasesIt astounds and amazesBuilt to last And known to roam Touch me on my chromosome

Time: Fascinated by the face ofTime: The more I learn the less I knowTime: I've got it to give and now I'm going to make someTime: Time is more than just a zone

Ultra fine and altruistic Cat eyes spy into the mysticSystems down for infiltration Open mind free of frustration

I was driving To a safe placeAnd arriving As I retrace Yelling thru a telescopeAim it at the star of hope

Time: Fascinated by the face ofTime: The more I learn the less I know

Time: I've got it to give and now I'm going to make someTime: Time is more than just a zone

All over the under The smell of blood and thunderI'm connected by a lightning rodGiven the beauty to Heaven knows how well I know

Ultra fine and altruistic Cat eyes spy into the mysticSystems down for infiltration Open mind free of frustration

All around all in phasesIt astounds and amazesBuilt to last And known to roam Touch me on my chromosome

Time: Fascinated by the face ofTime: The more I learn the less I knowTime: I've got it to give and now I'm going to make someTime: Time is more than just a zone

All over the under The smell of blood and thunderI'm connected by a lightning rodGiven the beauty to Heaven knows how well I know

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Page 3: By The Way The Bootleg Booklet

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バイ・ザ・ウェイ

(コーラス)列に並んでた 今夜のショーを見るために灯りがついてる そしてギラギラと光ってるところでおれは言おうとしたんだそこへ行って…待ってるって

ダニー・ザ・ガール おれに歌ってくれてる満員の…テントの下で

ステーキ・ナイフ トランプ詐欺師まやかし ブート・カット

スパっとはがしな(skin that flick)彼女はかわいいDJ(DJ)のようさっさと行きな(get there quick)路地を通って けどフリーウェイ(freeway)はダメだうまくやれよ(turn that trick)少しは余裕(leeway)ができるあいつらをやっつけな(beat that nic)でもおれたちがプレイ(we play)するやり方じゃなく

ドッグタウン 大虐殺あばら骨 まぬけな尾行者

(コーラス)

ブラック・ジャック ヤク中質屋 さっさと盗みな

レズビアンの女にキスしな(kiss that dyke)彼女を抱きしめたいんだろ(hold one)ストなんかしなくたって(not on strike)おれはやり通すさ(bowl one)マイクに噛み付け(bite that mic)マジで盗んでないだろ(stole one)女の子達はお話好き(girls that like)だからひとつ聞かせてやったんだ(told one)

タレコミ屋 静脈注射返済 ハード・トップ

(コーラス)

ダニー・ザ・ガール おれに歌ってくれてる満員の…テントの下でところでおれは言おうとしたんだそこへ行って…待ってるって

(コーラス)

ダニー・ザ・ガール おれに歌ってくれてる満員の…テントの下で 彼女の魂についてところでおれは言おうとしたんだ前から君の事知ってるって

ラップ・ヴァースは「flick,quick,trick,nic」「DJ,freeway,leeway,weplay」といった具合に1行おきに韻が踏まれている点が興味深い。アンソニー・キーディスによると「ロサンジェルスのある晩を描写している」「それから、都会の様々な場所に同時に連れていく歌でもある」(「THE DIG」No.29)。

ユニヴァーサリー・スピーキング

君の顔を見つめたエレガントで疲れ果てた顔だったしつこく追い回され、心を悩ませて…それでも僕は君を心から愛する顔をアザだらけにしながら君が作る笑顔デリケイトで野性的だった雌狼のように 僕に乳房を与えてほしい僕を真ん中から引き裂いてほしい

(プレコーラス)シルヴァレッタ、生涯最高の「噴出」彼女を僕のものに 彼女を心に刻みつけようこの素晴らしい感覚に優るものなどないさまあ簡単に言うと君の「愛のほとばしり」を見ちゃったって事なんだけど

(コーラス)ねえ、これに名前を付けるなんて無理だから無駄なことはやめて

Page 4: By The Way The Bootleg Booklet

3

僕がここにいる意味をしっかり意識しよう僕たち二人の宇宙ではそれを戻してくれよ 緊張しちゃうから愛と奉仕に優るものなどないさ僕たち二人の宇宙では長い目で見れば勝利なんだ

君が罪を犯すのを見た死ぬほどハイになりたがって僕たちは双子のような存在今夜すべての敵を打ち負かすさ

(プレコーラス)

(コーラス)

(プレコーラス)

あからさまに性的な意味合いを含む歌詞内容。ここでの「universe」とは「宇宙」ではなく「二人の世界」といったニュアンス。「generally speaking」(「一般的に言うと」)をもじっている。「shewolf」は古代ローマ建国のエピソードに登場する雌狼の事(後にローマを興す事になる幼い双子が腹を空かせて泣いていたところ、一匹の雌狼が二人に乳を与えた)。

ディス・イズ・ザ・プレイス

この場所はすべてのジャンキーが行き着くところ時間の流れは速いが 物事はすべてのろのろと進んでいく

ヴァセリン(vaseline)を少しいただいていいかなモダン・シーン(modern scene)へ一歩踏み出すんだあの仕事に関わるチャンスを掴むんだそれは一見夢(dream)を生み出す仕事のように見える

俺の親父がした(did)ような事はしたくない俺の愛する人の子供(kid)には あんな事経験させたくない

(コーラス)これが俺の叫び(calling)だ 2番目に愛する人(darling)よショッキングで 悲惨(appalling)そのもの

俺に君にしてやれる事すべてだハンマーが振り下ろされる(falling) 2番目に愛する人よショッキングで 悲惨そのもの俺が君にしてやれる事すべてだ

この場所はすべての悪魔が言い訳(plead)を述べ立てるところ必要(need)なものを君から奪い取りそれを正当化しようとするんだ

君の遺伝子(gene)を分離してしまっていいかな君のドーパミン(dopamine)にキスしても?ある意味彼女は雑誌(magazine)の中で生きている存在なのかもしれない

それがそうでないとしたら その事は言いたくないあまりその事については考えたくないんだでも知らなくては

(コーラス)

昨日(yesterday)あの場所にいただろ何が言いたかったんだ(say)?完璧なDNAのカケラまばゆい閃光の中(flashing ray)で君を見つけたんだ誰かと言い争っている(fray)君を見た何が言いたかったんだ?DNAの最高傑作 まばゆい閃光の中で君を見つけたんだ

君のガソリン(gasoline)の匂いをかいでいいかな君のウォルヴァリン(wolverine)を撫でてやっても?俺の親友が死んだ日俺は自分の銅をクリーンにする事ができなかったんだ

リトル・ジョーと一緒に組んでやっていきたくはないんだそれについて偽りたくはない だから行かなくては

(コーラス)

俺は出来損ないだ生まれついての筋金入りの出来損ないなんだ分子の中で究極の愛が引き裂かれる…ファックだ

俺はまばゆい閃光の中にいる

Page 5: By The Way The Bootleg Booklet

4

ぐちゃぐちゃにすりつぶされたDNA自分では一家言あると思いこんでいるおしゃべり男の一人に過ぎないんだ

歌詞中に歌われる「wolverine」とは、クズリ(北米産イタチ科の大型肉食獣)の意味と、「ミシガン州の人」という意味の両方がある。ちなみにアンソニーはミシガン州出身である。「The Place」とは明らかにロサンジェルス、カリフォルニアの事を指している。「Thisis my calling...」後の省略された歌詞については諸説あるが、「Mysecond darling, shocking appalling, all I can do to you.Hammers are falling...」という解釈を元に訳した。

ドースト

(ファースト・ヴァース)僕は君のことでいっぱいだった誰よりも君の側にいる僕にどうしろっていうんだどこかへ持っていってくれそんなもの初めからなかったんだどこかへ持っていってくれそうしたら全て上手く行くんだ

君の中に幸運が訪れ君は完璧に終わってしまうことをやめたいつだって思いやりがあるんだな

(コーラス)彼女が死んだ山の道僕は君がいてくれればそれで良かったんだ渓谷の奥深くに潜んでも 隠れられない僕は君がいてくれればそれで良かったんだ

後悔はなしで愛を見せてくれ君のタツノオトシゴに登り続けてくれこの選択は間違ってないんだ本当は君といたかったいることも出来たのは分かってたよ

(コーラス)

(ファースト・ヴァース)

(コーラス)

かつてのアンソニーの恋人、ヨハンナ・ローガン(本作制作中に別れてしまった)への想いを綴った歌である事はおそらく間違いないだろう。歌詞中の「タツノオトシゴ」とは、ファッション・デザイナーであるヨハンナが主催する「SHAWN Clothing」(http://www.shawnclothing.com/)のシンボルマークである。

ドント・フォーゲット・ミー

僕は君のベッドルームに横たわる海君を暖めてあげようもう一度その気にさせてあげるもう僕達にはすべて分かっている 確かに

僕はダンスホール 甲高いブレイクビートが響き渡る君の足許から頭の先まで雪を積もらせてあげよう一人じゃないよ 一緒に行くからいつ行きたいのか言ってくれ

僕はメタドン製造ラボ 初めての薬物更正施設すべてごっそりいただいて タクシーに飛び乗るそこには愛がある それは道に適ったもの

僕は君の独房の中にかかった虹君がその鼻で匂いをかいだすべてのもの その思い出一人じゃないよ 一緒に行くからいつ行きたいのか言ってくれ

横道にそれて落ちていくさらに多くの事が説き明かされるだろう 友よ僕を忘れないで もう隠し通せないさあ もう一度ここへ来て君臨してくれ

僕は同系繁殖 そしてマリファナ中毒物置小屋の中で君が大きく開く2本の足もう僕達にはすべて分かっている 確かに

君を「フリーフィールド」へ案内する事もできるなんとか克服するんだ そうすれば

Page 6: By The Way The Bootleg Booklet

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さらに多くの事が説き明かされるだろう いつだって一人じゃないよ 一緒に行くからいつ行きたいのか言ってくれ

僕は君のシャツの袖に染みついた血痕クスリが抜けてきたら もっと多くのことを信じられるさもう僕達にはすべて分かっている 確かに

君の腕の毛をざわざわと逆立ててあげる気違い病院の中でどうやってダンスするか教えてあげる一人じゃないよ 一緒に行くからいつ行きたいのか言ってくれ

歌詞中のMethは「メタドン」と訳した。これは鎮静薬で、ヘロイン中毒治療に用いられる。「メタドン維持法」といって、ヘロイン中毒を治す際に、一度に薬物を断つのではなく、代用麻薬としてメタドンを与えるらしい。アンソニーの、過去における強烈な薬物中毒の体験や、孤独感、狂気、さらには宗教的な意味合いまで織り込んだ秀逸な歌詞である。

ザ・ゼファー・ソング

手を貸してくれないか よく考えてみる(bite on)ために足を1本だけ書く(write on)んだ俺の凧を揚げる(fly my kite on)夜 すばらしいじゃないかライトを点けて(light on)明るくしたいのかい見ろよ、ディスプレイに映っているぜ 君のために正気に戻りつつある いや、今日ってワケじゃないけど

君の占い師(fortune teller)には会ったかい彼女とよろしくやれよ でもプロペラ(propeller)なしでだキメろよ ステラ(Stella)と一緒にトぶんだずいぶんかかってやっと彼女を嗅ぐ(smell her)事ができたな手に入れてやろうでもあんまりキツめじゃないヤツを 君のためにひとカケラ取って 回してくれ

(コーラス)俺の西風(zephyr)に乗って飛んで行けこの風を今まで(ever)こんなに感じたことはなかったそしてこの完璧な天気(weather)の下

俺達は一緒に(together)理想の「場所」を見つけるんだ飛んで行け…俺の西風で

反逆者と解放者(liberator)スケーター(skater)になる方法を見つけるんだ彼女を空中浮遊(levitate her)させるためにエンジンの回転をあげるんだ超親しげな操縦士(aviator)よ見ろよ、ディスプレイに映っているぜ 君のために正気に戻りつつある いや、今日ってワケじゃないけど

(コーラス)

俺が水の中で感情を集中させていると世界中が俺の上を知らぬ振りして通り過ぎるようだ俺の西風に乗って飛んで行け俺達は一緒に理想の「場所」を見つけるんだ

(コーラス)

俺が水の中で感情を集中させていると世界中が俺の上を知らぬ振りして通り過ぎるようだ俺の西風に乗って飛んで行け俺達は永遠に生き続けるんだ 永遠に…

ロサンジェルスに吹く「サンタ・アナ・ウィンド」が、ここで歌われている「ゼファー」である。「その風は暖かくて電気を帯びていて、しかも有毒なんだ。だからみんなサンタ・アナ・ウィンドが吹くとロサンゼルスの人間は、狂い、幸せになり、恋に落ち、そして生き返るって言うんだよね」(「Rockin' On」2002年7月号・アンソニーのインタヴューより)。ここでの「場所」は、彼らがいつかたどり着く想像上の、理想の「場所」。

キャント・ストップ

(ファースト・ヴァース)やめられないぜ パーティー(shin dig)中毒なんだよサツのトップ ヤツは言う「俺はボロ勝ちする(win big)んだ」と誰かの真似っこ(imitation)みたいな人生を生きるのはやめろよ

Page 7: By The Way The Bootleg Booklet

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遠い従兄弟 あいつは政府指定保留地(reservation)へ

(セカンド・ヴァース)デファンクト お前が金を払う(pay for)ピストルこれぞパンクそのためにお前がとどまり続けてる(stay for)感覚やがて俺はお前の親友(best friend)になりたいと思ってるイーストサイドの愛はウェストエンド(west end)に住んでるぶちのめせ でも小僧、お前も来た(come to)方がいいぜ死ぬなよ真実に取り組んでみる(some do)価値はあるって分かるだろ舗道(pavement)にお前のメッセージを書き殴ってこいよ真っ赤に燃えているあの波の意味(wave meant)について思いをはせる

白熱がジャングル(jungle)で叫んでるためらう(stumble)んだったら動作を完璧にな死者にあらゆる質問を投げかけて答え(answers)を求めろ50人のベリーダンサー(belly dancers)と共に力強く戻ってこいよ

(コーラス)俺の愛する世界 俺のこぼす涙止めることの出来ない波の断片になる事それが皆 お前の為であればと願う俺の愛する世界 飛び乗る電車止めることの出来ない波の一部になる事何時が潮時か来て教えてくれ 頼むよ

愛しい人がかき氷(snow corn)の中で血を流す超スマート 彼女は俺をオゾン層(ozone)に案内してる音楽は素晴らしい伝達者(communicator)二つの棒を使え 自然(nature)の中でやってく為に俺はお前を貫通(penetration)させよう世代(generation)のジェンダーそれぞれの国家(nation)誕生お前の体重ほど価値ある 瞑想(meditation)の財産この章は締めくくりの章(close one)になるさ煙の輪  お前はひとつ吹き飛ばす(blow one)んだろ宇宙船の中の全て 辛抱強さ(perserving)俺の手を全ての事に使え でも舵取り(steering)は勘弁止められない 彼等がお前を欲する(need you)精神

モップ頭はお前に飯を与える(feed you)とき幸せだ木の一番上(treetop)にJ・バタフライがいる鳥たち ビーバップ(bebop)の中に意味を吹き消す

(コーラス)

ちょっと待ってくれ 気絶しそうだ 勝っても負けても同じだよ ちょうどお前みたいに俺が経験したすべての事よりはるかにショッキングだよお前はどうかな?「どうして新しい奴らに出会うか」についての10の理由お前みたいな奴らに俺が経験したすべての事よりはるかにショッキングだよビンゴだね

(ファースト・ヴァース)

(セカンド・ヴァース)

黄金の発電機(generator)をキックスタートさせようぜ甘い言葉 でも彼女を威嚇(intimidate her)すんなよ止めらんねえよ神がその建設工事(engineering)を遂行するのを邪魔する(interfering)必要性なんて まったく感じないぜ辞書(dictionary)の中にあるお前のイメージこの人生は並(ordinary)以上2つと言わずに3つくらいは欲しいな宇宙から来た お前にプレイアデスの神話を教える為に

止まんない 奴らがお前を欲している時の精神この人生は単に流し読み出来できるものなんかじゃないさ

歌詞中の「デファンクト」(Defunkt)は実在するファンク・バンドの名前。また「J・バタフライ」とはジュリア“バタフライ”ヒルの事を指しているのだと思われる。アメリカの自然保護活動家である彼女は、森林伐採を阻止するため樹木上で2年間生活し続けたという逸話を持つ。(http://www.ecotopia.org/ehof/hill/)

アイ・クッド・ダイ・フォー・ユー

僕には分かるんだ

Page 8: By The Way The Bootleg Booklet

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カードの数字をピタリと当てる事ができる生きたくないさ 他人の人生なんかこれが僕のなりたいものそしてこれが僕の君へのプレゼントだって僕は無償で得られるから僕がしてあげる時 彼女は微笑む

僕は君の為に死ねるああ これが僕の望んだ人生

君の唯一の仲介者として僕はここにいる君に僕がこの目で見てきた光景を伝える為に僕が心底したい事はこの気持を行動に表す事僕が濫用できぬ美その為に僕は全ての感覚を駆使するよ分かるだろう何処にだって存在するって僕は全てを賭けて分かち合う方法を見つけたいんだ

(プレコーラス)僕と一緒について来てくれ僕と共に僕と放浪してくれよ全ては無償で得られるんだ

(コーラス)僕は君の為なら死ねる君はどうしたい?ああ この僕の選ぶ人生僕は君の為なら死んでもいい君はどうしたい?ああ 僕のこの人生の選択

僕と再び共に来て何処に行きたいか教えてよ僕にとって重要な事は君と二人きりでいる事なんださあ ドアを閉めて誰も知る必要はないさ僕等がどうしてるかなんて

(プレコーラス)

(コーラス)

こう言いたいんだ僕は君のために死ねる君はどうしたい?ああ この僕の選ぶ人生僕は君の為なら死んでもいい君はどうしたい?ああ この僕の人生の選択

ストレートなラヴ・ソング。「何処に行きたいか教えてよ」という表現は、「ドント・フォーゲット・ミー」での「いつ行きたいのか言ってくれ」と類似している。こうした、相手に「どう思っているか」「どう考えているのか」と問いかけるような表現は、今までのアンソニーの歌詞にはあまり見受けられなかったものである。

ミッドナイト

物事は常に移り変わり 同じ(same)状態にはとどまらないそれでも俺は自分が生まれてきた(came)事にひどく感謝している森羅万象が作られた(come)形 それに共鳴しながらひとつ(one)だけだと分かってるならけして待っていたりはしない

めちゃくちゃになってしまったが残りは保障(assured)されている誰も自分が癒される(cured)なんて思っちゃいない俺が俺自身(myself)を一から作り直すから少し待っていてくれすっかり回復していつでも準備はできている(off the shelf)

(プレコーラス)光(light)の法則を超えて真夜中(midnight)になるまでに月を超えて今度こそすべてやろうぜみんな俺達のやってる事を望んでいる

(コーラス)みんな分かってる(knows)だろ

Page 9: By The Way The Bootleg Booklet

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なんでもあり(anything goes)だって事俺達はロータス・キッズメモっといた方がいいぜこれから起こるストーリーのために

昇り来る月は 太陽の輝き(shine)の上に位置するさそり座の血は 9番目(nine)に位置するすべての雌鹿(doe)の瞳に宿る恐怖のように今言ってくれジョンとジェーンが知りたがって(know)るから

君の頭(head)の中は安全か死者(dead)のために奏でるセレナーデいつだって俺は言ってきた「俺の敵(enemies)なんて知らない」と血統(pedigree)なんてなくなるまでぐちゃぐちゃに交配するんだ

(プレコーラス)

(コーラス)

(プレコーラス)

渦巻いている潮(tide)の流れの中に突っ込んでこんなにまで広い(wide)海を越えて今度こそすべてやろうぜみんな俺達のやってる事を望んでいる

(コーラス×3)

「みんな分かってるだろ なんでもありだって事」など、バンド自身の事がかなりオーヴァーラップしているように見受けられる歌詞である。歌詞中の「ジョンとジェーン」はジョン・フルシャンテと、その恋人(アルバムリリース時)ステラ・シュナーベルの事を指している(ちなみにステラの父親は本作のカヴァーアートを手がけたジュリアン・シュナーベル)。

スロウ・アウェイ・ユア・テレヴィジョン

(ファースト・ヴァース)テレビ(television)なんか投げ捨てろ

そろそろはっきりと決断(decision)を下す時だ今 支配者は不調和(collision)を待ち望んでる繰り返しだ すでに語られた(told)ストーリーの繰り返しだ それはどんどん古ぼけて(old)きている

テレビ(television)なんか投げ捨てろ大いなる休憩時間(intermission)を作り出して今 自分の超幻想(supervision)を創り直そうぜ繰り返しだ すでに語られた(told)ストーリーの繰り返しだ そしてどんどん古びて(old)きている

(コーラス)意匠を凝らしたゲージ(gauges)を見限り病原菌を抹殺しようぜ 伝染する(contagious)からなプラグを抜き 台(stages)を取り払えさあ テレビを投げ捨てようぜ 今すぐ

おい、おい、おい!

(ファースト・ヴァース)

(コーラス)

テレビ(television)を投げ捨てようぜ野望(ambition)なんか絞首刑にしてうんざりする繰り返し(repetition)に唾をかけろこの病んだ状況(ill condition)をどうにかしようぜ

繰り返しだ繰り返しだ

チャドのドンドコドラムがクールなこの曲。ジョンのギターのフリーキーさも、もの凄い。本作中ではどちらかというとめずらしい、ストレイトなメディア批判の歌。

キャブロン

キャブロン キャブロンキャブロン キャブロン

公園でよく君を見かけるんだ

Page 10: By The Way The Bootleg Booklet

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いつもドジャーブルーの服着てさ僕や 他のどのグループのヤツらにも食ってかかってくる

僕は小さいけれど強いんだぜいつか君と対等にやり合ってやるもし君が僕にしてほしいなら僕に何ができるだろう

誰もが君のやる事をきちんと見ればそこにサインが隠れてるって分かるはずさもし君がみんなにしてほしいならみんなは何ができるだろう

君とケンカしたくはないんだようまくやっていきたいだけなんだこんな夜はさ 地元で起こってる事を歌にでもして歌ってみようか

キャブロン キャブロンキャブロン キャブロン

もう一度戻って仲直りするから落ち着いて一緒にバーベキューでもしようよ月を起こしたままにして電気的なブーガルーを踊るんだ

僕は小さいけれど強いんだぜ分かるだろ 君と同じなんだ君が知ってくれさえすれば僕は君と同じなんだって事を

世界中が君のやる事をきちんと見ればそこにサインが隠れてるって分かるはずさ君が知ってくれさえすればみんなだって君と同じなんだって事を

君とケンカしたくはないんだようまくやっていきたいだけなんだこんな夜はさ 地元で起こってる事を歌にでもして歌ってみようか

キャブロン×8

僕に何ができるだろうもし君が僕にしてほしいならだって僕は君と同じなんだから君が知ってくれさえすれば

キャブロン×8

「ドジャーブルー」はL.A.ドジャーズのユニフォームに使われている青色の事。「cabron」の意味については諸説あるが、スペイン語であることだけは間違いないようだ。いずれにせよあまり上品な言葉とは言えないようなのだが、親しい間柄で敢えて使われるような罵倒語だとの事。もっとも歌詞に合うのは「トラブルメイカー」という解釈(アルゼンチンではそういう意味で使われるらしい)。

テアー

僕の時間僕の裂け目今はっきりとわかるよここはソリティアで遊ぶような場所なんかじゃないって君が僕を求める場所を教えておくれ僕の時間僕の裂け目

言いたいことを言うボードレール世界中がハイになってるかのよう立ち向かうんなら日はまた昇るってね僕の時間

(コーラス)大切なのは 僕は太陽が昇って落ちていくような毎日の生活が好きなんだってことで太陽は与えて 僕は与えられるってことでそういうことを確信するために呼吸するってことで結局降伏した時 全てが許され僕はあげようと思っていたものをあげたんだそれが何だか言ってごらんよ 分かりっこないから

悪魔だって泣くかも 悪魔だってクヨクヨするかも

Page 11: By The Way The Bootleg Booklet

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蒸留器が金切り声をあげている彼女が感情を変化させている時 僕はなぜかを知るそのボルテージを感じるかい?僕の時間

カリフォルニアの空にはまだ 恩情の余地があるみたい僕の時間

(コーラス)

分かりっこないよ

外へあそこへ世界中がハイになるかのよう最後の瞬間 立ち向かうんなら僕の時間

(コーラス)

分かりっこないよ

「ソリティア」はWindows OSにもバンドルされているトランプゲームの一種。かつて「B e h i n d T h e S u n 」で歌われ、「Californication」の「Road Trippin'」でも触れられた「太陽への言及」が行われている。ビートルズの影響を強く感じさせるバラード。

オン・マーキュリー

俺は束縛されているひどくマゾヒスティックな気分だぜ頼むから行かせてくれよ俺の「流れ」を正しい方向に直すためにすべてチャラにしてしまおうさあ 行くぜ

(ファースト・ヴァース)ビシッとキメろグループ交際しているみたい俺の進む道を見極めなきゃ

光(ライト)への道…ヘヴィもしくはミドル級への道俺達は「ロック・アラウンド・ザ・クロック」をやめないさその他すべての道路封鎖の目の前で原動機付き論争を終わりにしてみせるぜ

(セカンド・ヴァース)もう一度ここへ来てお前の身に起こっている事を話してくれ身ごもった子供を産むことだけが 自分の取るべき道だと理解していた少女のように

(コーラス)水星の上に生えているレモンの木それにまつわるすべての思い出七つの海のうち五つか六つから救済方法を伴って俺の元にやってくる俺が落ち込んでいる時お前はいつだって笑顔で俺に接してくれたすべての思い出俺の中を通り過ぎた

裏返しになっためまいの中を調べながらなんてすごいカウンターだまたぞろ強情なさそり座かあきらめなさあ 行くぜ

(ファースト・ヴァース)

(セカンド・ヴァース)

彼女が いい評価をくれてやった月へ振り返って俺を見てみなよそこにいるのはきっとお前だから 本当はな

(コーラス)

(ファースト・ヴァース)

(コーラス)×2

Page 12: By The Way The Bootleg Booklet

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「ロック・アラウンド・ザ・クロック」は1954年、ビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツがヒットさせた曲。「undertow」は「引き波」(表面の流れとは反対の強い底流)の事だが、ここでは「カウンター」と意訳した。フリーの吹くピアニカがスカのビートを醸し出している軽快な曲。

マイナー・シング

(コーラス)俺はキーをCからDへ変えるな、俺にとっちゃ「短調」(マイナー)な事だろ?彼は全て知ってるもう一度やり直すには信じなきゃ全ての騒ぎはマイナーな事に過ぎないって事を彼は全て知ってるそんなのマイナーな事でしかないさそして 俺はマイナーの王様奴は全て知ってるさ

(ラップ・ヴァース)君のちょっとのパートモーツァルト 熱いダーツ 加速ポップアート ピストル追跡キャットファイト 脅迫

心を読むためには旋律を再評価し 輪唱させなきゃ彼は何でも知ってる君は音を作り出す呪文は確実に輪廻転生するはずそれはマイナーな事でしかないさ彼は何でも知ってるそれはマイナーな事でしかないさそして俺はマイナーの王様奴は何でも知ってるさ

(ラップ・ヴァース)

完全なインターフェイス調和ブラックスター 動機吸血鬼 甘党

データベース浸透作戦

(コーラス)

「キーをCからDに変える」という所から、短調(マイナー)と、「メジャーではない」という意味の「マイナー」をかけていると思われる。畳み込むようなコーラス部分の節回しや、ジョンの重厚なコーラスが印象的な曲。

ウォーム・テープ

俺のために震えてくれないか俺のために運んでくれよ君に向けて押し上げる川はまっすぐ君の中を流れている君の笑顔に向かって泳ぐよ青い採石場で俺のために寝てくれないか君は後悔しないだろうから俺のために震えてくれ俺のために運んでくれないか

(コーラス)俺は延々と続く地獄をうろついてる愛のためにずっとここにいてくれ君の家はそう遠くないだろ俺を水の中に運び下ろしてくれ愛の液体の中へ俺たち二人は天使の亡骸で造られたんだ俺はずっと生きてきたけどまだ十分なわけじゃない

俺の自由な形に陰影をつけてくれ俺が暖かくしておけた女俺のために震えてくれ君の全てを俺にくれないか愛と栄光のページからのショット隣で寝ると俺は君の物語の中にいるんだ俺の自由な形に陰影をつけてくれ俺が暖かくしておけた女

Page 13: By The Way The Bootleg Booklet

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(コーラス)

さあ行こう分かってる 俺は二人のためにやるんだ直感だけが君の選ぶもの分かってる 俺は二人のためにやるんだ君があそこにいただろ 俺はラッキーだったよ分かってる 俺は二人のためにやるんだ

俺のために震えてくれないか俺のために運んでくれよ俺の出来た生活君に十分の愛情を注ぐこと君の笑顔に向かって泳ぐよ青い採石場で俺のために寝てくれないか君は後悔しないだろうから愛と栄光のページからのショット君の隣で寝ると俺は君の夢に出てくるんだよ

愛のためにずっといてくれ

「愛の液体」「君に向けて押し上げる」など、明らかにセクシュアルな内容の歌。「Settle for love」は「そこに落ち着く」、つまりは結婚してほしいという意味だと解釈し、上記のような「愛のためにずっといてくれ」という表現をとった。

ヴェニス・クィーン

東から西へ行くのだろうか実体のない自由な体戻ってきて新たにやり直そうもう一度故郷を探す為にちょうど今 そうしている間

ふいに立ち寄り全てを理解する祝福される為だけの手続き美しい時去るのは辛いね自由に歩き回れる形を探そう君はどこから来たの?

何処へいくの?

君はどこから来たの?何処へ行くの?

最初から全てやり直そうよ仲直りして友達になろうよただ狂って動き回って見つけよう君に見える場所を全てのママ達そしてパパ達

いっそ勧告に賭けてみようよ地獄みたいに辛く理解しがたいね僕が一時保留している疑惑今はそよ風を見つけるのすら簡単君はどこから来たの?何処へ行くの?

君はどこから来たの?何処へ行くの?

僕達は彼女に言いたいんだ彼女が大好きだって伝えてよヴェニスは女王を獲得する僕がこれまで観た中で一番の僕達は彼女にキスしたいんだ彼女に会いたいって言っといてよヴェニスは女王を獲得する史上最高の

君は神を信じないって言ってたよね今でもまだ信じるつもりはないかい?今君は行かなきゃいけない時グ・ロ・ー・リ・アは僕の友達僕の友達僕の友達

君のお洒落で乱れた白髪君みたいなタイプの女性は希君の姿が空気に還るグ・ロ・ー・リ・アは僕の友達

Page 14: By The Way The Bootleg Booklet

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僕の友達僕の友達そしてもう君は行ってしまう時間君は僕に殆どの事を教えてくれた君なしで何処へ行けば良いの、グロー?グ・ロ・ー・リ・アは僕の友達僕の友達僕の友達

海辺に立っている君が見える君が作った波はいつだってあるさ離れてしまう前にさよならのキスグ・ロ・ー・リ・アは僕の友達僕の友達僕の友達僕の友達

グロリア・スコットは元麻薬中毒患者のカウンセラー。昔、アンソニーや彼の友達がドラッグから立ち直るのを助けた経緯がある。スコットが肺癌に侵されていると分かった時、バンドは彼女のために慈善コンサートを催した。のち、彼女の癌が終末期に差しかかった時、彼らはスコットのために高級アパートを借りてあげ、彼女は最終的にその場所で死を迎える事となった。

タイム

中庭を歩いていた裸足で 気の向くままに自動地下通路よ俺の行きたいところへ連れていってくれ

(ファースト・ヴァース)そこら中に存在してすべてが同期している俺を驚かせ 困惑させるずっと持続するように創られていてあちこちをぶらつき回る事で知られてる俺の染色体に触れてほしい

(コーラス)Time:「Time」って字面が好きなんだTime:いくら学んでも本当に「知る」事は無理さTime:諦観し そこから何かを作り出すさTime:Timeは単なる時間概念じゃないんだ

(ラップ・ヴァース)超最高で利他的(altruistic)猫の目スパイは神秘主義(mystic)かぶれハッカー侵入(infiltration)でシステムダウン心を開いてフラストレーション(frustration)なし

ドライブしていた 安全な「場所」へやがてたどり着いたかつて望遠鏡を覗き込み「希望の星」に向かって叫んでいた事を思い出しているうちに

(コーラス)

(セカンド・ヴァース)下層世界はあまねく流血と暴力が満ちている俺は避雷針で天界とつながっている天界へ通じる「美」を授けられたんだ神は俺がどれだけちゃんとしてるか理解されているさ

(ラップ・ヴァース)

(ファースト・ヴァース)

(セカンド・ヴァース)

「字面が好きなんだ」という歌詞から、サビは敢えて英語で「Time」とした(「タイム」というカタカナの字面に魅せられたワケではないだろうから)。割とストレートに80'sミュージックの影響が出ている曲といっていいだろう。この曲は、輸入盤なら「By The Way」シングルにカップリングされている。

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By The WayRED HOT CHILI PEPPERS

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■もちこ

翻訳

デザイン

(以上すべて敬称略)

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 「By The Way」を輸入盤で買うと、だいた1700円くらいだろう。 一方日本盤は2400円。この約700円の差をどう見るだろう。輸入盤になく、日本盤にある要素は、ボーナストラックの「Time」と、封入されたブックレットの二つである。「Time」はシングルの「By The Way」に収録されており、他にも2曲、シングルでしか聴けない曲が収録されているから、約1300円の価格から単純に計算して「Time」1曲の値段はだいたい400円程度と考える事ができるだろう。700-400=300。まだ300円高い。ではこの日本盤についているブックレットは、300円上乗せしてでも購入する価値があるものか、という事を考えたい。結論から言うと「ノー」だ。それをこれから説明する。  まずライナーノーツから。これを書いた人は雑誌やWebでもRHCPの記事を書いているようだが、目にするたび情けなくなる。提灯記事を書くならそれでもいい。だが、この「自称」ライター、あまりにも文章力がなさ過ぎる。「名作」だの「傑作」だの「世界最強」だの、大げさな言葉を振り回しておけばバカなファンは乗せられるとでも思っているのだろうか。ファンを舐めているのだ。このライナーに関して指摘すると、内容に比して分量が多すぎる。4ページも必要か。貴重な森林資源の無駄遣いとしか言えない。おおかたは単なる事実と、インタヴュー及びメンバーの発言で埋められているのだから、いっそのことそれらのみを箇条書きにしておけばいい。チャドが本作について「Very John」と発言した、と書けばいいだけの話で、書き手がどこへ取材に行き、どんな有名人と会った…などというのはどうでもいい話だ。購入者が読みたいのはそんな話ではない。この人が「洋楽ロックライター」としてこれからもやっていくのは構わない。しかし、他のバンドはともかく、どうかRHCPの仕事だけは今後受けないでもらいたい。心からお願いする。  次に対訳。「対訳を読んでもさっぱり意味が分からなかった」という人は多いだろう。本作のように抽象的な歌詞がほとんどを占めるケースでは、ある程度バックグラウンドの理解やバンドに対する思い入れがないと理解できないだろうし、村上春樹言うところの「愛情のある偏見」がないと意味の通った訳文にするのは難しいと言える。出来の悪い翻訳ソフトが訳したような日本語になってしまっているのはこのためである。おそらくは絶対数自体多いとは言えないだろう「洋楽ロック翻訳者業界」の中で、テクストを選り好みできない事情は理解できる。だが、これは翻訳者がある程度のスキルを有している場合にのみ当てはまる事。この人には、スキル不足をカヴァーしようとする努力の姿勢も見られない。「Baudelaire」は「ボーデレア」などという名前の事ではなく、フランスの詩人シヤルル・ボードレー

ルの事である。「blood and thunder」は「血と雷」ではなく、「流血と暴力」というひとまとまりの慣用句である。こうした事は、辞書を引く手間さえ惜しまなければ、中学生でも分かる事であるが。もちろん今挙げたのはほんの一例に過ぎず、時制や文法の誤りなど、いちいち指摘していけばキリがないほどだ。  どこをとっても、高いお金を払ってわざわざ日本盤を買おうという気にさせるような代物ではないのだ。こんなブックレットなら何もない方がマシだ。こうしたレヴェルの低いライターや翻訳者に適当に仕事を回しておいて「よし」としているレコード会社の姿勢にも、大いに疑問を呈せざるを得ない。「洋楽ロック業界」に携わっている人達は本当に一度、真剣に考え直してみてほしい。あなた方が考えているほど、ファンの意識レヴェルは低くはないのだ。  この「海賊版」ブックレットの制作は、すべてインターネット上で公開の上行われた。「アマチュア」の翻訳者が無報酬で訳した対訳を持ち寄り、色んな人が意見を出しつつ完成させていった。日本盤を持っている人は、両者をぜひ比べてみてほしい。もちろんこのブックレットの対訳が「正解」というワケではない。だが、少なくとも元の歌詞の意味を理解しようと試み、それをできるだけ適切な日本語に置き換えようと努力しているのはどちらの対訳だろうか。ぜひ意見を聞かせてほしい。  対訳をご覧いただければ分かるように、今回ひとつの試みとして「ライム(押韻)の部分に元の英単語を併記する」という事を行っている。これは、日本語に訳した時点で元の押韻が完全に死んでしまう事をできるだけ防ぐためだ。特に押韻が目立つ箇所にのみこの方式を適用したが、もちろん他にも韻を踏んでいる箇所はある。また、無意味なライナーノーツは廃し、各曲毎に簡単なコメントを記載するに留めた。こうしたブックレットのひとつの方向性として考えていただければ幸いである。なお、この海賊版ブックレットに対しての質問、意見、間違いの指摘、批判等はすべて[email protected]宛てに電子メールで送っていただきたい。各翻訳者に向けたメッセージも、かならず責任を持って取り次ぐので。  最後になりましたが、翻訳に協力してくれた皆さん、ネット上で意見や励ましの声をいただいた皆さん、デザインを担当してくれたもちこさんに心からお礼を申し上げます。皆さんのおかげでいいものができたと思います。本当にありがとう。(mine-D)

Postscript

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