18
i ( ) ( = ) ( ) ( ) ( 2 ) ( ) 使 m 調

琶 (森 - Bukkyo u...病 気 治 療 と 琵 琶 (森 田 幸 子) 占 い 、 鬼 神 、 土 公 神 を 祀 る 宗 教 儀 礼 も 行 わ れ て い た。こ れ ら の 二

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病気治療と琵琶

i

「釋文

」から

〔抄

録〕

わが国の槎療は、科学的医療と呪術的医療の二層構造である。

近世にお

いても第

一層の中国医学にもとつく科学的医療と第

層の呪術的医療によ

って病気治療が行われていただろう。

ここでは、第二層の呪術的医療

の担い手である盲僧

の病気治療

の固有性を明らかにするために

「釋文」を読み解

いてみたい。

開病

「釋

」、盲

の二

はじめに

福岡県柳川市に感応院という

天台宗寺院がある。先代住職

の頃は、

正月、五月、九月には朝から晩ま

で祈祷をしていたと

いう。また病人

( 

)

の肌着にも祈祷をしていた

という

この寺院は、嘉元三年

(=二〇五年)高良玉垂宮の分霊遷座の時が

開基とされている。元禄十

一年

(一六九八年)柳川藩三代藩主立花鑑

虎の意向

により東叡山の末寺になり、宝永二年

(一七〇五年)以来盲

(2

)

僧の支配寺とな

った。そのため多

くの盲僧関係文書

が今も残されてい

る。

佛教大学大学院紀要

第三二号

(二〇〇四年三月)

盲僧とは、竈祓

いを行う琵琶法師である。彼等が竈祓

いの時に使用

 m 

するのが

「釋文」である。

この論文ではこの

「釋文」を、呪術的医療の病気治療

の面から捉え

て、

一、病気

の原因と予防について。二、琵琶と治療について。を述

べてみたい。

わが国

の医療は、科学的医療と呪術的医療の二層構造である。近世

にお

いても人々は、第

一層の中国医学にもとつく医療だけで病気が治

るとは考え

ていなか

っただろうし、呪術的医療の第二層にたよること

も多か

った。この層の医療は、病気

の原因となる疫神

・邪神調伏

のた

めに、僧侶や山伏修験による加持祈祷を併せて行

い、病因を陰陽師が

三五

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病気治療と琵琶

(森田

幸子)

い、鬼神、土公神を祀る宗教儀礼も行われていた。これらの二層に

よって、病気治療が行われていた。

この第二層形成には、僧侶

・山伏修験

・陰陽師と盲僧が担い手とし

てある。ここでは盲僧の固有性

を明らかにするために

「釋文」を読み

いてみた

い。

一、病気

の原因と予防

1、釈文の構成

釈文は地神経

の語句を解釈す

ることである。玄清法流

の釈文は、

(釋)

「本經

(地神經)」「地神經琵琶之借」「神名經」「地割」「星之段」「勝

(釋)

負ノ段」「釋迦の段」「王子の借」

「四方立

勝負

の段」「嶋廣經」「廻向

之段」

の十

一の釈文からなる。釈文

のもととなる総称

『天台宗玄清法

流地神經』には、①

「佛説地神

大陀羅尼經」②

「天地開闢地神大陀羅

尼經」③

「琵琶の釋」④

「佛説地神大陀羅尼王子經上巻」「同

下巻」

「涅槃」の五

つの経文がある。

釈文と

のつながりは大体、四季土用の荒神

の由来を説く①

「佛説

地紳大陀羅尼經」

の釈が

「本經

(地神經)」であり、琵琶

の功徳を説

く③

「琵琶の釋」の釈が

「地神

經琵琶之借」、荒神

の本地である

「五

郎王子」の由来を説く④

「佛説地禪

大陀羅尼王子經」②

「天地開闢

地神大陀羅尼經」の釈は

「王子

の借」「四方立

勝負

の段」「勝負ノ段」

であろう。荒神

の守護屋敷を説

「地割」、釈迦

一代記を説く

「釋迦

の段」、

一部荒神を説く

「嶋廣經」、陰陽道的な

「星之段」と区別され

三六

る。こ

こでは特に

「本經

(地禪經)」「地禪經琵琶之借」「王子の借」「四

方立

勝負の段」「勝負ノ段」に注目し読み解きたい。

2、病気治療の

一例

福岡県全域を対象とした

「緊急民俗文化財分布調査」から、荒神盲

僧の廻檀について佐々木哲哉氏は述べているが、それによると、四季

土用の荒神祓

(竈祓い)を中心に正月廻り

(新し

い三宝荒神の御札

を配布)

・五月

の夏廻り

(麦の収穫後に疫病退散

のために大般若経読

誦)が行われていた。

実際の荒神ま

つりは、

○発願の座

1、発願文

(それぞれの家の荒神をま

つる趣意について述べる)

しゃすい

2、灑水

護身法引

3、五法の祓

(誦経しながら東西南北と中央を祓う。錫杖を用

い、終

って契印)

4、九條錫杖經誦経

(終

って九字を切る)

5、佛説不動經誦経

(聖不動經-不動三十六童子

・不動秘密陀

羅尼)

・約四十分

6、祈願文

○中の座

7、金光明最勝王經堅牢地神品第十八誦経

8、佛説地神陀羅尼經

(地神經)を琵琶の弾奏によ

って誦経

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9、祈願文

○結願の座

10、法華経誦経

(方便品

・寿量品

・普門品)1大乗妙典

11、佛説大荒神施與福徳圓満陀羅尼經

(荒神經)を琵琶の弾奏

によって誦経

12、般若心經誦経

13、圓頓章

(摩伽止観

のう

ち)

14、結願文

15、護摩法印

(4

)

以上が荒神まつりの行法

であ

る。

荒神祭りの発願の座では、浄化

に関係した修法が行われ、続く中

では堅牢地神

の徳を讃え病気治療の祈願をこめ、最後に結願の座で

は堅牢地神

・荒神を送り返している。以上が病気治療の

一例である。

荒神が地神と習合して、火の神

や竈

の神とともにイエの守護神とし

て意識されるようにな

ったのは、荒神盲僧の関与によると考えられる。

(5)

中の座八段で誦経される経文

「佛説地禪大陀羅尼經」には仏を荼毘

にふそうとしたが五龍王

・地神等が信伏しな

いので、【仏が大地の散

壊しな

い因縁を地神王等がこのような自在、威徳、神通の力で常に堅

固しているからであると説く。そ

してもし大地を犯作しようと思う者

は、五色の幣帛を捧げ、五色の幡を懸け置き、百味

の飲食、

一切の珍

財を運び、並びにこの経を読誦

しと祭り方を説く。病気に

ついては、

この経を地神大陀羅尼、五龍王と名付け、不断に萬病有

って、常に悩

乱するときにはこの経を二十五辺読誦し、三宝を礼拝しこの行をした

佛教大学大学院紀要

第三二号

(二〇〇四年三月)

者は、縦横に大地を犯作しても、地神は忿心せず、常に安穏として、

末世

の子孫は福壽増長であ

って短命怖畏がな

い。】と経文

の病気治療

の効果を説いている。

経文を解釈した釈文

「本經

(地神經)」には、

「五

退

ノ、

二取

一官

モく

ンビ

ヲカ

バ、

カ、

二、

ヲ、

フゾ

ル、

モ、

ヲ佛

フゾ

シ奉

ル、

(6)

ウワ、三千大千セカイ

ニ、アンノンリイク、圓滿シリキ」

経文は、因縁や祭る方法を説き地神

のために陀羅尼を読誦すること

で病気がなくなると説く。釈文は、経文の後半部分を重視し読誦が病

気をなくすとわかり易く説

いている。

荼毘

のための火が出なか

ったことは、犯土したために地神

(大地の

神)が怒り、仏にさえ信伏しな

い堅牢地神や五龍王、正了知蛇、毒気

神王などの土地の闇の神々の本縁譚を造くり、その功徳と神威を語

ていると考えられる。またこの経は、仏を荼毘にふそうとした時、大

の神

(荒神)が現れて、大地を犯す前にあらかじめ三宝荒神を祀る

よう要請したと考えられる。この荒神は仏の入滅以前からその土地に

住む荒々し

いおそろしい神とされ、荒々しい性格の地主神としてとら

えられていた。

荒神は、自然神で旱魃や天候不順、虫害をもたらし、さらには流行

やもろもろの穢れをもたらす。それは不意に現われる地霊の類で、

その現れ方は、五龍王

・五帝龍王

・水神

・地神

・土公

・土府

・地府、

三七

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病気治療と琵琶

(森田

幸子)

さらに、大地母神たる堅牢地神

・弁才天、即時的名を持

つ正了知蛇

毒気神王、三宝荒神

・竈神、麻多羅神などの後戸の神

・若宮などとい

ろいろと表現される。

この地霊を鎮める方法は、地中にうめもどしたり、地中に供物した

り、反閇などで踏みおどろかすなどして踏み鎮めることが多かった。

中世民間神楽

の世界の病気治療は、「祟りをする地霊であるがゆえ

に、はたも

のとして攘却するのではなくて、呪言や印呪で駆使するこ

(7

)

とによ

って舞

い踊らせ、それに

って鎮め、秩序

の回復を期待」し、

呪者は、「霊威の高

い不動明王や五大明王などの仏心を勧請して、そ

の仏心自体のはたらきによ

ってか、呪者みずからがその仏心に入我し

て、その霊威を身につけて、呪文

・真言

・祭文などの呪言を踊したり、

( >

印呪しながら、地霊の類を舞

い踊らせる。」と

いった方法がとられた。

神楽に対して盲僧

の病気治療を次に分析してみたい。

3、盲僧の病気治療

前述の荒神祭りから盲僧の病気

治療は、荒神を元の場所

へ返すこと

であ

った。「廻向之段」には、そ

の荒神を送り返す方法が、説かれて

いる。

「キョウノ大檀那ノ内

二萬

ノ福

ヲ授ケ玉イテ、ヒイジチユウユウ

ヒキグソク玉ノ御寶殿

二至

マデ、カ

エリ影向シタマイテ、大神ナ

國々諸紳

ノ社々、佛

ハ寺々堂塔

ニカ

ヘリ影向シ玉テ、神ヅ"ヲバ

   

ニア

"ヲ

バ内

ニト

"

マラ

(遣)

(9)

マジ

ル成

ニイ

ワイ

シヅ

テ、」

三八

回向した荒神を、御薗の木

の下に祝

い鎮めて、送り返す方法がとら

れたと考えられる。

釈文の荒神

の送却方法を考えるにあた

って、まず平安時代末期の故

・因縁を集めた説話集の中に、四季を陰陽五行に配して土用の由来

を説明した

『注好選』

〈文選諍止

第八十六〉から見てみたい。五

の王子は土用

の擬人化であるだろう。ここに釈文の五郎

の王子の共

通点と相違点を見ると送却方法の違

いが見えてくる。

 o 

〈文選諍止

第八十六〉

ω

「昔舎衛国二王有り都夫王ト名づク。亀其.夫人四たり.王子を生、リ

一子.任セリ即ち未だ任子を生菩タマハざルニ王没崩雰ヒキ王に遺言在リ

君等吾が死後

。ハ天下。領じ。人民を救ひ太郎ハ春三月東。領ず可し。

次郎ハ夏三月南を領ず可し三郎は秋三月西を領ず可し四郎は冬三

ハ未

。バ所

.置

シテ王

.

.王

.命

の如

ズ時

ゼリ已

デニ男

シテ兄

。向

メニ父

力有

て云

はく

ジ給

ハず

ザリキと

.云

はく

一つ

ガ掏

。・

へ惜

ヲシ.

所也と度く

相論.致す」

「即

シテ、

一人

二。テ

マ..不

.致

。敢

へて可

ルニ由

二大

リ文

ト云

つた

.王

.前

二来

。再

テ日

。暫

坐し給へ文選謹しみ啓。可。と時に五

つたりの王子許-諾.テ各おの

ゐずま

.

.、

ノ云

に万

づ安

二ん

ジ国

.持

ガ為

メニ君

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各おの四方.領ぜ令む然るに遺言.違ひ。国土.破り人民.損すル甚だ

てへれば

たも

つて不可也。者

公達御

心平らかにシ,ア国民.持たバ吾即ち各

なが

の二分

。配

。。奉

.

.。

.王

ら平

二七

二日受

へ。」

「四たりの王子各おの方く

十八日.分ちテ五郎

の王子二奉りタマへ

と時二君等博士の言バ。随ひテ七十二日.承け引きテ心平らか二怨み止

み,」

ω

「五郎王子博士巧語らひテ言はく吾等将来二人有りて博士ノ末孫ト

ハ.縦.眼.穿チ頭.打

つトモ其

.過.免ス可シ敢

へ.ア祟タ、リ无か窕・・者耶

と◎」

ω

「五郎の王子」

の起源を舎衛

国の

「都夫王のまだ生まれていない

子」と

いう人物に結びつける。注目すべきは②以降の

「五郎の王子」

が自分の領地を主張し、闘争が起き国土も人民も損ない、文選の博士

が仲裁に入り、㈹五人平等

に七

十二日つ

つ領じ、怨みが無くな

った。

㈲そこで五郎の王子は博士に、

【これから後博士の子孫と

いう人なら

ば残虐な行為

の過ちがあ

っても許して祟らな

い】と言

った。で終る。

ここには五人の王子をそれぞれ

の本地に送り返すという送却儀礼

の基

本構造が見える。ここで重要な

のは、文選の博士

の仲裁によって、怨

み祟りもなくそれぞれの本地に返す、と

いう文選の役割である。

釈文ではどのように展開されて

いくのだろうか。三釈文

「王子の釈」

「四方立

勝負

の段」「勝負ノ段」

は五人の王子の由来を説く。

( )

ωから㈹の前半部は

「王子の釈」から五人王子の由来を、㈹の後半

(12

)

部は

「四方立

勝負

の段」から門前の博士

の仲裁を

(五郎

の王子の本

(13

)

(14)

地は

「勝負ノ段」)、㈲は

「勝負

ノ段」から五郎の王子の祟りがなくな

佛教大学大学院紀要

第三二号

(二〇〇四年三月)

った状況を見て、釈文の送却方法の独自性をを見てみた

い。

よつたり

ω

「番

ハ、貳

ヲ、

モチ

二、

はる

二、

ンガ

ハ、

ノ、

ハ、

ハ、

ノ王

ハ、

ニト

二、

ヲ、

ライ

かたみ

ハ、

ツ、

ユウ

つる

よつたり

ハ、

ヘダ

ハ四

ニカ

ヲ、

テ、

やど

つき

ノ禮

ミ、

バ、

ンヂ

二、

テ、

三月

ワ、

ニテ

ンズ

、名

バ、

ノ、

ソ、

二、

ンズ

ル、

リ、」

かたみち

「片

モド

ノ、

ロウ

(中

こく

つきたま

)

ト申

ノ刻

ハ、

四本

、小

、木

ノ本

二、付

フ、

つたり

よし

ノ王

アく

ハ、

ル、

マシ

二、

たつね

これまで

まい

ニヨ

ノ勝

テ、

(中

)

ただ

ロバ壹

くわ

ノ禪

ト成

テ、

ント

ル、

ノ王

ハ火

、火ノ

ト成

テ、

ント

ル、

ノ、

ハ、

ずいごん

ル、

ノ、

ハ、

ノ、

モ、

テ、

 

ント

リ、

四方

レケ

ル、

五郎

ノ、

モ、

ンヅ

ヲ、

ル君

バ、

ノ、

くわ

ル、

ワ、

テ、

ント

ル、

三九

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病気治療と琵琶

(森田

幸子)

みやこ

ノ、

ント

ル、時

ハ、水

ブヲ、

テ、

ノ都

ヲ、

ムケ

レバ

ルビ

モ、

ンジ

テ、

ユク

、金

、鶴

ノ、

はちま

んよじゆん

ハ、

ノ、

テ、

ヲ、

クダ

ノ、

ヱト

、御

二、

ハヅ

テ行

ノ、

ル時

ハ、

ヲ、

スビ

・、

モ、

ト、

テ行

、」

うん

 ヲ カ 

「五

ノ、

テ、

しき

、赤

、白

シ、

ノ、

五敷

ノ、

ニテ

がれ

ハ、

二、

ル、

・下

んこく

ハ、

ノ名

ヲバ

ス、

二、

ヲウ

みな

ニ 

てん

ス、

ノ皆

ミ、

ハ、

たみ

かど

 ヲカ 

門前

バカ

ス門

ノ、

ノ、

ラヤ

(中

)

ヘタ

たま

門前

ノ君

二成

五郎

ノ、

ニモ、

マケ、

テ、

まきもの

てんどく

モ、

ノ經

ヲ、

一巻

シ、

天讀

ノ、

きみ

テ、

レ、

、」

「其

ウ、

ヲ、

ノ、

二立

テ、

四方

二、

ヲ、

ノ高

ノ深

ヲ、

ワ、

ひがんし

ナヅ

テ、

ヲ、

ヌギ

   

二、

ル、

・日

二、

(中

)

ノ神

ウイ

、神

二は、

   

 

ノ御

四〇

ヲ、

ヌギ

  

 

二、

ル、

・日

ひの

二、

(中

)

ノ、

ヲイ

二は

ま 

   

、本

は、

ト、

レ、

ヱ、

三郎

ヨリ

ワ、

西秋

テ、

ヲ、

ダイ

テ、

ハ、

かねの

二、

(中

)

西

ヲイ

テ、

二は

   

、金

神、

レ、

ヱ、

、御

二、

テ、

ヲ、

ヌギ

ノ、

二、

ル、

みずの

二、

(中

)

ノ、

ヲイ

二は

コク

   

ント

ヱ」

「神

   

   

ワ、

ヲウ

日如

テ、

   

マシ

マス

モ、

ノ、

ノ、

、」

 

よつたり

みつき

「今

ノ、

ハ、

、御

ノ王

よのかみ

 は 

ぎよく

にゆう

さすがみ

はや

ハ、

たいさん

退

ン、

モ、

ル、

ニテ

さんじん

   

マシ

マセ

バ、

、參

ノ、

ニワ、

ノ、

まいり

、參

ノゾ

五寸

ヲ、

へ、

ノ手

ニワ

ヘナ

ル、

コウ

ノ、

ヲ、

ノ手

は、

ンゾ

クく

ノ、

ヲ、持

ニワ、

、般

ヲ、

   

ハ、

モ花

ヘミ

ヲ、

さんじん

コビ

マシ

マス、

ユガ

、内

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てん

あくじゆう

さいなん

しち

なん

んじ

チユウ、七難之、天子、チガ

ヘラレ、モウソウ、」

ω

「五郎の王子」

の起源を

「番

後大王のまだ生まれていない子」と

う人物に結びつけ、父王は、日本の堅めに剣の形見を残す。

②五郎の王子は、自分の領地を尋ねる為に片道八年の道

のりを八日で

兄王子に会

いに行く。兄王子達は、領地を失わな

いために戦いとな

る。

㈲五人の戦

いの五色血潮がゴンガ川の川下に流れ、この川下の大門国

の祈りの主が門前

の博士であ

った。門前

の博士は川上に上

って、五

の王子に攻め負けたが、地神経を読み、それを広げて五人の仲裁

に入り、東春三月のうち十八日を五郎

の王子が領じ、残る七十二日

は太郎の王子が領じ、神は木

神、本地は薬師と祝われ讃えられてい

る。同じく夏

・秋

・冬三月のう

ち各

々十八日を五郎の王子に分けて、

次郎の王子は南七十二日を領

じ、神は火神、本地は観音と祝われ讃

えられている。三郎の王子は西七十二日を領じ、神は金神、本地は

阿弥陀と祝われ讃えられている。四郎の王子は北七十二日を領じ、

神は水神、本地は毘沙門と祝われ讃えられている。

五郎王子は中央四季

の土用

(立春立夏立秋立冬

の前日約十八日間)

十八日つ

つを合わせた七十二日を領じ、神は土供土神、本地は大日

如来と祝われ讃えられている。

㈲秘験、泰山府君、星祭りにも

優れている地神経ならば、琵琶を読誦

する屋敷内には不動明王が降

りてきて三宝荒神

・堅牢地神が元の場

所にもど

って喜んでいる。彼

の屋敷内

では天下の不詳、内外怒り、

佛教大学大学院紀要

第三二号

(二〇〇四年三月)

悪寿、災難、火事、誅、七難の天事を別なものにします。

五郎

の王子は番後

(盤古)大王から日本の堅めに形見の剣をもら

う。重要な門前の博士

の役割は、五郎

の王子に攻め負けるけれど地

神経を読み仲裁に入る。つまりは、地神経を読みそれによって仲裁

の力を得る。さらに

「勝負

の段」では話は展開して、地神経読誦の

効果によ

って、屋敷内では、荒神の祟りなく病気も無

い。で終る。

以上釈文の場合門前

の博士は、地神経の読誦によ

って五人の仲裁を

行い、琵琶による地神経読誦で、元の場所に送り返す方法がとられた。

したが

って病気治療は、琵琶による地神経読誦によ

って、荒神を喜ん

で本地に返すことである。

4、病気の原因

わが国では、古代から病

の原因を神や魂

(コン

・タマシイ)

の祟り

とする観念がある。牛頭天王が疾病の根源神であり、疾病をもたらす

悪神

(眷属)たちを統御し支配する支配神でもあるとする信仰と、牛

頭天王の本地は薬師如来や観音菩薩であり、その垂迹としての牛頭天

王神であるという信仰がある。盲僧は、これらの信仰にもとつ

いて治

療を行

っていたと考えられる。

五人の王子の所領分けは、五郎王子誕生前に大地の分配が行われた。

そこで五郎王子は四人の王子と戦

った末、四季土用と大地の中央を領

ずるようになる。と

いった内容

である。「佛説地神大陀羅尼王子經下

(15

)

巻」に、【大荒神を念ずる輩は必ず加護を被むりて、障礙有る事無かる

べし】としてそれぞれ五人の王子

(荒神)の五行

(四季

・土用)の方

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病気治療と琵琶

(森田

幸子)

位を示している。五郎

の王子に

ついては、【土用の七十

二日を荒神に

奉る、黄色

の形を以て中央】に位置し、黄躰龍王とな

って、【黄躰龍

王は中央

の、大日如来、土躰、黄色、中紫角、是也、(中略)國を守

り、村、家内を守護し給ふに依

って、三宝荒神とは仏法僧の三心、上

中下の三徳、天地草木を学び、

三体に形を現じ、竈の神土公土王と現

れ給ふ】と説き、この五郎の王子

11三宝荒神に強く影響しているのが、

(16)

『笛籃内傳』巻第二の

「三箇惡日」

(大

祠日

・狼籍日

・滅門日)である

と考えられる。

『籃籃内傳』は鎌倉時代末から南北朝の成立と推定され、牛頭天王

(17

)

の縁起

は、室町時代に普及し、

『籃籃内傳』の鈔本や版本、解説書は

(18)

(19)

江戸時代にかけて多い。また

『神道集』「祇園大明禪事」「赤山大明禪」

にも牛頭天王の縁起を記し、修験道の大和金峰山には牛頭天王や八王

(20)

子が祀られていた

など、その広

がりは大きか

ったと推測できる。『籃

籃内傳』巻第二には、

ビンゲケ

カツシヤウケノ

トンヨクシンイ

「右今三箇日取、貧窮飢渇障碍三神、貪欲瞋

恚愚癡三毒、故萬事

イカンナレハ

ノホンナウ

オクゴウ

ノクワ

・用

八萬

二三毒

一爲

二根

】、

ヲ(21

)

禪以二三禪

一爲二上首

一。故佛法專凶・之。」

とある。

この荒神は、

一切衆生の福徳

を奪い、

一切の障碍をなし、貧窮

・飢

渇をあらわす存在なので、これを祀り鎮めることによ

って、荒神の三

毒を転じて三宝

(仏

・宝

・僧)

となるという。

この三宝荒神がそれぞれの家

の竈に住み、これを祀り鎮めなければ、

家の人々に祟り、病気などを起

こし、荒神は祟りやす

い性格を持つ竈

神および屋敷神とされている。

四二

の盤

つき

『籃

であ

『籃

には

れ、

ツラく

ヲモンミルニ

サウ

ケイランノ

ヲント

「熟

二容

一、

地亦

・有

二形

一、獪

二鷄

一。

トキ

ナルコイクソ

・實

二最

一耶

・辰

と、

・知

二厥

バク

ト云コヲ

タリ

ト云

コヲ

バンコ

(22

)

計一

。地闢廣廣、不・察二其博幾程

。盤牛王生二李其中

一、」

とあり、天地

の始め伽藍卵のような中から生まれた盤牛は、盤古大王

と牛頭天王の結びつきを現していると考えられる。

『籃籃内傳』から病

の原因である悪霊に

ついて考えてみた

い。『籃

 お 

籃内傳』巻第

一には、

【吉祥天の大王商貴帝

11天刑星

11牛頭天王部類

眷属が災厄をもたらす悪霊と化し衆生に憑依して、厄を鎮めたければ、

自分をこのように祭れと指示する。】

牛頭天王が悪霊と化し衆生に厄をもたらす

のは

「巨旦の五節の調伏

(24)

威儀」が原因であるという、調伏儀礼によ

って発覚する。

(52)

テモ

『籃籃

内傳』巻第

一最後

は、【悪

可・惡巨旦邪気残族魑魅魍魎類、

テモ

キハ

ナリ

・信牛頭天王八王子等。其八王子者、太歳、大將軍、大陰、歳

ナリ

刑、歳破、歳殺、黄幡、豹尾等

也。】で終わり、牛頭天王の信仰を強

調する。

牛頭天王の子の八王子は、春夏秋冬、四季土用、行疫神であり五星

から生じた。

衆生に災厄をもたらす

「巨旦尊者」

の調伏儀礼の鎮めに関わること

が、「勝負ノ段」にあるが、どう

いう違

いがあるかみてみると、

いさん

「祕

退

ン、

ノ祭

ニモ

スグ

、御

ニテ

さんじん

ぶ  

バ、

メ、

、内

ニワ、

ノ、

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まいり

ノゾ

デ、

ノ、

、横

へ、

ワ、

ヘナ

ル、

コウ

ノ、

ヘヲ、

ベ、

どく

ンゾ

ヲ、

ハ、

ヲ、

   

ハ、

ヘミ

ヲ、

(26)

ンテ

コビ

マシ

ス、」

の調

「琵

「転

の般

(心

)

の身

に不

心命

の場

って喜

いる

によ

って

へ返

の災

いう

って

病気

の原

の眷

の祟

であ

る。

5

、病

の居

「勝

ノ段

に、

「所

ハ、

ハ、

二、

ソ、

モ、

ス、

二、春

二、

ヲ塗

ヲ、

ント

二、

ヲ、

ヲ、

三月

西

二、

ヲ、

ヘン

(27)

二、

ヲ、

リ、

ヘント

、」

の四

に在

いけ

いと

いう

に共

通す

のが

『篦籃内傳』巻第三

「土公變化之事」に、

カマニ

「春三月者在・竈

龍臥

南北

東西

カドニ

夏三月者在レ門

龍臥

北南

西東

佛教大学大学院紀要

第三二号

(二〇〇四年三月)

秋三月者在・中

龍臥

東西

南北

ニワニ

冬三月者在レ庭

龍臥

西東

南北

ナリ

クウハ

ケンラウ

右今案者、土公四時變化

也。爾土公

三千大千世界主、堅牢

ナリ

也。所謂土公之變作者、當季安座舎宅也。此故不・犯二安座

ハラセナカ

ヘアシノ

イギナリ

ハシラ

一、將又龍臥變化者、腹背

頭足

之四威儀

也。柱

立尤

一二三四

ー-

(28)

之相承有・之肝要

也。」

土公

"堅牢地神の居ます所を示し、この安座地を犯土してはいけな

いと

いう。

土公11堅牢地神等

の荒神の居場所を犯さず、ま

つることによ

って病

気の禍が予防できると

いう考え方である。

修験の世界では病気予防に、地霊神的性格を与えられた荒神を小祠

にまつりこめる方法がとられる。盲僧も荒神ま

つりによ

って、障碍の

もととなる過去荒神や現在荒神をはらい福をもたらす未来荒神をまね

いている。それが可能となるのは、盲目によ

って獲得した超自然力が、

何らかの形で荒ぶる神、荒神と関係したものでなければならない。

盲人が雷を中心とする自然の猛威に対抗する地上の呪術行為の

一つ

「その制圧に当

っては大音声を発していた。かかる場合、直射して

くる稲妻1それは天矢1

にも、目に衝撃をうけて再び盲目になる心配

(29)

のない盲人もまた、音響を発して雷鳴に対する呪術を行使した」と

う。つまりは自然

の猛威

(雷

11荒神)に対して盲人の身体的特性から

統御する力を有していると考えられていた。

したが

って盲僧は、その身体的特性から荒神を崇拝対象として祀る

ことによ

って、荒神と同じ性格、同じ力を持

つものとして再生し、再

四三

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病気治療と琵琶

(森田

幸子)

生した盲僧は、現在障碍をもたらしている現在荒神や過去荒神を追

い、新たに未来荒神を招くことができたのではないか、そして邪悪

な荒神をま

つりこめる事によ

って福の神とすることも出来たのではな

いかと考えられる。

って病気予防は、荒神

(堅牢地神等)

の方角を犯土せず、未来荒

神を小祠にま

つりこめることである。盲僧はその身体的特性から荒神

と同化し、追

い払う、ま

つりこめるなどの操作

の出来る身体

である。

いを予兆するものに、星の動きがある。

「本經

(地神經)」

の冒頭には、

   

   

「七

ノ星

ノ星

ノ、

.・キ

モ壹

二、

ム、

アカ

(°)

セヱテ、圓滿也、」で始まる。

星の災難について、近世に広く通行していたと言われている

『暦林

(31)

(32

)

問答集』から考えてみた

い。この書は、陰陽道が、宿陽道

を取り入れ、

両者は混ざり合

い、新たな陰陽道

へと展開していったと言われるもの

である。

「星」

ついては、【諸

々の星は列なる万物の精

(かみ)、體地にお

て生ず、各属するも

のあり、野に在

って物を象り、朝に在

って官を象

り、人に在

って事を象る。又居

ますは中央、之を北斗と謂う、天の樞

也。】という。

さらには五星について述べ、

【又五星あり、即ち五行

の精

(かみ)

なり。上帝

の使

いを為し、天命を受けて、各下の大地を司る。故に配

して五方、異にお

いて正す、或

いは有福徳助、或

いは禍罸威す刑、常

四四

に軌に順

って、錯乱を以て顕異す。】これは天

の精

(かみ)の使

いと

して大地におりた星たちを意味する。そして錯乱がある時には異なる

現れをし、錯乱を予兆すると

いう。つまり天変地変を星によ

って予兆

し、そこから起こるであろう流行病をも予言していたのではないかと

考えられる。

修験道における陰陽五行説

にの

っと

った宗教的世界観は、天の精

(神)

・地

(御)霊神

・星など

の信仰とどのような関わりがあるのだ

ろうか。

近世修験者が里に定着し共同体

の宗教行事

に参加するようになる

と、修験の新しい解説書が作られた。そのひとつが

『修驗道修要祕決』

である。

ルニ

カリニ

「天地和合時生二萬物

一。陰陽交合時生二人體

一。然

縁起以來假

ランコウ

ハウ

ニノ

ヘンク

ニ生佛名字

一。愚智貴賤貧富苦樂治亂興亡全在二天命↑故

不生變

セイダク

コントント

(mM)

終歸二一氣一。天地陰陽未分以前清濁相和。故名二混沌

とあり、ここから、陰陽道

の気や陰陽五行と

いった宗教的世界観が見

られる。しかし天命が人々のすべてを支配していることもわかる。天

命により、地に降り神とな

った星については前述したが、こう

いった

ことから占星術によ

って病気の予防を行

ったと考えられる。

以上釈文を読み解

いた結果、病気の原因は、三宝荒神

・堅牢地神と

その眷属の祟りであ

った。予防は、三宝荒神

・堅牢地神とその眷属

方角

の地を犯土しないことであ

った。

盲僧独自の病気治療は、琵琶による地神経読誦によ

って、荒神を本

地に喜んで返し祟りをなくすことであ

った。

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二、病気治療と

琵琶

中世末の筑後高良山には、盲僧

が集ま

っていたらしく、遷宮や祭礼

の御神幸に琵琶をもち地神経を読

み、社役として勤めていた。また蝉

(34)

丸の伝説

が記されている。

蝉丸を守護神とした盲僧は、堺

の地の鎮めを行

っていたと考えられ、

彼等は、境

・坂など辺境の地で楽器を用

いて前述した身体的特性から、

雷の制圧や祈雨、止雨に関わる呪術を行

っていたのではな

いか、そし

て祀

っていた神は、水神

・地神

・天神

(龍蛇神)

でないかと考えられ

る。彼等

の守護神は、琵琶を弾く

ことによって怨霊鎮撫に強力な力を

つ神であ

っただろう。この神が琵琶法師を守護し、水神

・地神

・天

(龍蛇神)

11荒神の祟りを鎮め、病気を治療していたと考えられる。

盲僧は荒神祓

いの時に、琵琶を弾きながら読誦していた。盲僧と琵

(35)

のつながりを

「地神盲僣縁起」には

【インドの阿育王の子鳩奈羅王

子が、父大王を救うために両眼を捧げ贈り、これにより盲と成り王位

を捨

て、諸国を遊行し琵琶を弾

いていた。その妙なる故に妙音菩薩が

降臨して琵琶の秘曲を示された。これにより沙門に入り盲僧となる。

金光明最勝経堅牢地神品を琵琶を弾き読誦し天下泰平に勉めてまここ

ろを

つくして祈

った。】と説

いて

いる。

わが国では、楽琵琶と盲僧琵琶

の二系統がある。前者は、雅楽の管

弦合奏用の楽器として使用され

る四弦曲頚の琵琶である。後者は盲僧

が宗教儀礼に使用するもので、イ

ンドから伝来したと考えられている。

盲僧琵琶は、持ち運びに便利な

ように小型で軽く笹

の葉

の形に似てい

佛教大学大学院紀要

第三二号

(二〇〇四年三月)

ることから笹琵琶とも呼ばれた。構造上の特長を楽琵琶と比較すると、

多くは鹿首部分が長く柱の高さが高く堅

い。柱の数が五~六個と多

い。

表板の左右には日月を象る。撥面は生地で、覆手の下には支柱がある。

陰月は小円形をしていて、四絃の糸巻きの順序が異なる。などの相異

(36)

点が上げられる。

1、盲僧の守護神

琵琶の秘曲を妙音菩薩から授か

ったことを

「地神盲僣縁起」は説

ている。

(37)

『法華経』「妙音菩薩品第二十四」には、妙音菩薩は

【十万種の伎楽

を以て雲雷音王佛を供養】し、【その身は種々の現われをし、衆生

為にこの教典を説き】、この菩薩

の種

々の現われ方は、梵王身、帝釈

身から地獄

の餓鬼、畜生までのすべての身を現わして娑婆世界を救

護るとする。ここでは伎楽

の菩薩としてすべての衆生を救うために現

われた。

.

鎌倉時代に成立した天台僧光宗の編述した仏教書

『渓嵐拾葉集』に

( )

は妙音菩薩は、「求聞持三字事」に

【弁才天は又の名を妙音天、若しく

はこれ妙音菩薩是也】として弁才天と同体となり、芸能の守護神とな

っていった。

(39)

盲僧の

「妙音講縁起」にも、【小宮太子は賀茂大明神の再来也】末世

の盲人を助けるために両眼を潰して誕生し、その後座頭とな

って

【小

宮太子虚空を仰て妙音弁才天を念じたまひ、末世こうく

に至迄、座

の守護神となり】と説く。座頭が弁才天を信仰し、それに関する宗

四五

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病気治療と琵琶

(森田

幸子)

(40)

教的な実修

も行われていたと考えられる。

2、琵琶について

「地神經琵琶之借」に、

「禪之ユドンニアラン人間

ノ落次

ニアラン大日本國毘盧遮那如來

家亮便ト云鳥有鳥

ノ名ヲバクジャクト云

フ。クジャクノ左ノ罪㌘

(41)

琵琶ト源ジ」

クジャクについて修験道では、孔雀明王を本尊として息災、祈雨を

(42

)

修する法

「孔雀經轉讀作法所雨」がある。この修法は、「孔雀経」等を

(43

)

所依として、『孔雀王呪經』巻上

には、【年少の比丘が右足の拇指を蛇

にかまれ苦しむのを阿難が見て救う方法を世尊に尋ねたところ大孔雀

王呪を行

って】悪毒を除く方法を世尊が語り、また

『佛母大孔雀明王

(44)

經』には

【もしは諸

々の恐怖に逢

い、

一切悩乱

の時、災害時、疾病変

怪、毒にやられた不利益

の時、我並びに眷属が無病百歳までまもる。】

と阿難陀に陀羅尼の効果を告げ

る。これらからクジャクは、孔雀明王

を意味していると考えられる。疾病や災害のときに効験のある、孔雀

明王の左腿から琵琶が現われたと

いうことは、琵琶にも同じ効果を認

めていると考えられる。

(45

)

荒神と琵琶

については、

【四方の角を三尺上掛けして飾

ったならば、上天の部より水分順風

と申す重要な良

い風が吹き、琵琶

の音も上手に長く続

いてふき調べ荒

ミサキは珠の冠を傾けて喜び、善歳同人と喜んで丑未辰戌

の方に返り、

それより以降は大地は堅まる天に広ま

って慎文成就する時をと

って彼

四六

の経を申し上げる。】

荒ミサキ神

(祟り神)が、琵琶の音に喜んで表鬼門

・乾鬼門から四

季土用の方角に返り、それより以降は地が堅ま

ったという。荒神を元

の地に送却できる琵琶を意味している。

宗教的威儀づけとして琵琶の各部分については、

「戴キ馨鴛雪籠該〆多隶諺土木義

ノ菩薩廻リワ彰幸

ワ大日如來中位

舞鐸至軟覧男硲、蠡㌶島艱ルサヨドル次第海ノ鴛㌶リ石付

ハ毘盧遮那

つさ

のう

佛禪字

ハ脚誇二.役王ボサツ罰毘遮門轉王ノユイゲツ半ゲツトワ日光

(46

)

月光待影月日ノ罪勝莫翼ス」

(47

)

「琵琶の釋」には

【琵琶は大日如来

の三昧耶形を顕す】とある。大

日如来の禅定の仮

のすがたとして琵琶があり、その各部分に仏菩薩が

宿る聖なる楽器であると考えられる。

(48)

「地神盲檜縁起」には

【琵琶とは大日如来をあらわす。虚空蔵四糸

弾ずる時、諸病七難悉く除く。毒虫毒龍に至るまで即身成仏す。その

(49)

故は法華経の

一巻に見ゆ。】とある。『法華経』「方便品第二」には

【仏

の供養

のために琵琶などの楽器を奏でさせた人も奏

でた人も皆仏道を

完成するだろう】とある。

つまり琵琶を奏でることによ

って諸病や七

難を除き、琵琶を奏でる人も奏でさせた人も苦を離れてさとり

の道を

完成する、即身成仏できると考えられていた。

3、琵琶の音と盲僧の声

(50)

四弦の糸

については、

【琵琶は

一面反手より須彌山、四

つの転子は四天王の所、月体とは

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吉祥天、首は大小文殊の化身である。四つの弦は四仏如来

一つず

つ違

っていら

つしゃいます。

一の弦は、釈迦如来、その弦を弾き響かし差上げる所三千大千世

界をかけて寿命朝恩長くあるのは当然と響かせなさる。第二の弦は、

阿弥陀の垂迹です。その弦を弾き響かし差上げる所には、威光新たに

輝き世の中の難を鎮めなさる。第三の弦は、十二大願薬師瑠璃光如来

の誓願です。その弦を弾き響かし差上げる所には、善子の同役や良

の薬と響かせなさる。第四の弦は、八人の鬼の額の白

い長い髪を

本ず

つ抜き、寄せ掛けて上

の方を鬼福神と読まれ、下の方は鬼王と読

まれている。鬼王と読まれ堅めに四王と名づけて差上げる。その弦を

弾き響かし差上げる所には、使いの僧が駆けつけ忠勇や万事の言動に

妖言ある者は、七里より内には来れな

いよう

になさるのは大四王の因

縁です。】

琵琶や琴など

の弦楽器は、巫術

の儀式

の伴奏に用

いられ、降神の楽

器としてさらには呪祷や寿祝

の儀礼、そこから発生した

「語り」や

「うた」などの伴奏に用

いられた巫具である。

(51

)

「対馬盲僧のサワリ落とし」の逸話には、「カッパ」「赤子の霊」「死

霊」などのサワリの声が出ている。この世のものではない見えざるサ

ワリには声や身振りで表現していたと

いう。これは声が

「それを発し

ている主体

11人称

の息にのせて、その主体を他のペルソナとかかわら

(52

)

せる」あるいは

「他の名を呼ぶことで、名づけられた他の主体

11人称

を、声の中にひき出して、呼ぶ者をはじめとする他のペルソナとかか

(53)

る」と

ったも

のを有

いる

佛教大学大学

院紀要

三二号

(二〇〇四年

三月)

口に出して言うことは、本来呪的な行為であり、「イフ」

「イ」

がイム

「忌む」イ

ハフ

「斎ふ」に通じるという。さらにイフことばが、

コ言語以前

の神

「声」

の領域から

「ことば」が分節されてくる、そ

(54)

の瞬間に立ち会

った記憶を秘めていたのではないか」という。

イフと

いう

ことが、「声」にかかわる呪的な行為であると考えられ

る。ま

た琵琶と声についても音楽と言語と別々の分野が

「密接にかかわ

(55)

りすぎているというより、ある部分では

一つの音の実体をなしている」

と考えられる。

「地神經琵琶之借」の場合も同様に考えられるのではな

いだろうか。

盲僧の声は、「釈文」の登場人物のペルソナ

(「ヨーロッパでは日常語

(56

)

で身体と人格をも

ったものとしての個人を指し示す」)もの

であると

考えられる。

4、琵琶の宇宙観

前述

「地禪經琵琶之借」にでてきた琵琶を、大日如来の身体とし

て考えた場合、頭部は須弥山、両眼は日月、頚部は大小文殊菩薩、腹

部はオゴ

・如来、足部は毘盧遮那仏、両手は須弥山

・摩耶夫人に譬え

られていると考えられる。盲僧は、「地神經琵琶之借」

(「釋文」)の登

場人物と関わりをも

つ身体を表現し、琵琶は大日如来の身体と宇宙観

を表現している。

さらに独自なも

のとして、琵琶は大日如来の宇宙観を示している。

その宇宙観を、前述した

『修驗道修要祕決』から見てみたい。

四七

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病気治療と琵琶

(森田

幸子)

スル

コントン

フンノ

ハシメ

ケイラ

「失論

二世界

一混沌未分

始其形如二鷄卵

一。鷄卵者指二法法不生

コヘニ

ハンヲ

一。

・形

・名

・茲

二立

一。

・本

ナリ

ノセイレイナリ

元之

一氣

者法界護字命風

也。命風者天地和合精靈

也。天地與ニ

ナリ

ナリ

(57)

精靈

一元來不二

也。

(中略)混沌者界夷字本不生眞理

也。」

いったも

のである。ここでは

、天地未分の根元に大日如来をおき、

大日如来によ

って天地が分かれ、天地和合の時萬物が生じ、大日如来

がこの世界を創造したという宇宙観が見られ、人間の身体も、大日如

来が創造した身体と

いう密教的

な身体観を琵琶に再解釈するのであ

る。盲

の病気治療

の固有性は、

「釋文」を読誦し手には大日如来の身

体である琵琶を奏でる。この時盲僧は大日如来の宇宙創造をくり返し、

病人は象徴的に世界創造

の巨大な生命力

の次元に立たされ、原初の生

の充実にひたされると同時に、かの時に創造を可能にした巨大な力

に浸透され病気を治おすと考えられる。

「琵琶の釋」

に見られる大日如来

の宇宙創造神話は、大日如来が世

界の新創造を目的に、病人救済

のために降下するよう誓願していると

いった内容であるが、この荒神祓

(病気治療)における読誦は、病

人が生の新たな

一歩を踏み出すき

っかけを作るのを助け、大日如来

世界創造

への復帰は再生

への希望をもたらす。と

いう治療効果があろ

'mooし

たが

って荒神祓

いにおける琵琶の読誦は、荒神を元の場所に喜ん

で返し崇りをなくす病気治療である。具体的な読経には、病気治療に

必要な荒神を本地に喜んで返し祟りをなくす効果がある。琵琶自体は

四八

『孔雀王呪經』『佛母大孔雀明王經』などから疾病や災害のときに効果

があり、『法華経』には琵琶を奏でることによ

って諸病や七難を除き、

琵琶を奏

でる人も奏でさせた人も苦を離れてさとりの道を完成する、

即身成仏できるなどの効果がある。さらに大日如来の宇宙創造時

の巨

大な力による、再生

への希望をもたらす病気治療である。

おわ

りに

呪術的医療を行

った盲僧の固有性を明らかにするために

「釋文」を

読み解いた結果、盲僧独自の病気治療は、琵琶による地神経読誦によ

って荒神を喜んで本地に返し、祟りをなくすことであ

った。

彼等が行

った医療は、民間の牛頭天王信仰が共同体の共通の知識と

って行われた民間医療である。広がりをも

っているこの医療は、

貫した

一つの病気

の原因によって形成され、その原因は三宝荒神、堅

牢地神とその眷属

の祟りであ

った。それに基づく予防は、荒神、堅牢

地神の方角を犯土せず、未来荒神を小祠にま

つりこめることであ

った。

具体的に荒神祓

いの儀礼における琵琶の読誦は、荒神を喜んで本地

に返し祟りをなくす効果があ

った。琵琶自体には奏

でた人も奏

でさせ

た人も相互に諸病

・七難を除き、苦を離れて即身成仏できる効果があ

り、さらには大日如来

の宇宙創造時

の巨大な力を持ち、病人に再生

の希望をもたらす病気治療であ

った。

以上の結果から医療史研究において、信仰

(牛頭天王信仰)と技術

(琵琶の読誦)の融合がみえてきた。

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〔注

(1)塚本優子氏

(先代住職、神代精蓮氏

の娘)

から

の聞き

取り

による。

(2)鶴

田鋭彦

「感応

院文

書」

(『福

岡県

古文書等緊急調査

報告書

(柳川市

・山

門部

)』福

岡県文化会

館図書部

一九

八〇年

)

二頁

~三頁。

二四頁~

七頁。柳川古文書館

に保管

する。

(3)五来重

『日本

庶民生活

史料集成

第十七巻

、民間藝能』

(ゴニ

書房、

九七

二年

)二〇六頁~

二二〇頁。釋文

の引用

ついては同書ど

おり

にし

た。

さらに読みやすくす

るために適宜読点を付

し、当

て字

や平かな表記

の箇所

には原文脇

()内

に正字と判断したも

のを補

った。

【】に概要を

揚げ

てお

いた。なお

以下

の記述

では

「釋

文」と略記

する。

「釋文」

いて

の先行研

究は、

民俗学

の立

場から、

「釈

文」

は古

い形

の説教祭文

ると

述べた五来重氏

の同書

「解説」、

「釈文」と

「土公祭文」

「山伏

神楽

」とを比

較考察

された成

田守氏

『盲

の伝承』

(三弥

井書店、

八五年

)、「釈文」

の伝承

文芸とし

ての宗教性

ついて述

べた荒木博之

「盲僧

の伝承文芸」

(『講座

・日本

の民俗宗教図

民間宗教文芸』弘文

堂、

一九七九

年)、

西岡陽子氏

「地神盲僧

の伝承

詞章1

「地神経」

よび釈

文に

ついてー」

(『講座

日本

の伝承文学

八巻在地伝承

の世界

【西

日本

】』、三弥井書店

、二〇〇〇年)、荒木氏、

西岡氏共著

『地神盲

僧資料集』

(『伝承文学資料集成

第十九輯』、三弥井書店、

一九九七年)、

薩摩常楽

の釈文

ついて述

べた

『盲僧と民間信仰』

(『村田熙選集

1』、

一書

房、

一九九四年)、など

が挙げ

るられる。

の他

『地神

経』から

日本と朝鮮

、中国と

の関連

ついて述

べた増尾伸

一郎氏

「地神盲僧と

朝鮮

の経

『地神経』

の流伝

と盲僧

の起源伝承を

めぐ

って」

(『呪術

知と

テクネ

ー1

世界と主体

の変容

〔叢書

・文化

の越

10〕』、森話社、

〇〇三年)等

が挙げ

られ

る。

(4)佐

々木

哲哉

『福

の民俗文

化』

(九

州大学出

版会、

一九九三年

)二八

佛教大学大学院紀要

三二号

(二〇〇四年

三月)

頁~二八六頁。

(5)前

掲書

(3)

一一九頁~

一二

一頁。

(6)「釋文」二〇六頁。

(7)岩田勝

『神

楽源流考』

(名

著出版、

一九八三年

)

=二八頁。

(8)同

=二七頁。

(9)「釋文

」二二〇頁。

(10)東寺

貴重資料

刊行会

「古

代説話集

注好選

原本影

拜釈

文」

(東京美

術、

一九八三年)

=

二七頁。

(11)「釋文」二

一三頁~二

一五頁。

(12)同

一六頁。

(13)同

一〇頁。

(14)同

一二

一頁。

(15)前

掲書

(3)

一二六頁。

(16)神道

大系編纂会

『神道

大系論説

編十六陰

陽道』

(神

道大系

編纂

会、

一九

八七年)四五頁。なお以下

の記述では

『籃籃

内傳』。と略記す

る。

(17)牛

頭天王縁起

の研究

は、西田長

「『祇

園牛頭天王

縁起』

の成

立」

(『民

衆宗教史叢書第

五巻

霊信仰』、雄山閣出

版、

一九八四年)、松

本隆信

『中世におけ

る本地物

の研究』

(汲古書院、

一九九六年)村上學

「神道集

の世界ー

祇園大明神事

を通じ

てー

(『説話

の講座第五巻

説話集

の世界

∬1

中世1

)』、勉誠

社、

一九

九三年)、今堀太逸

『本地垂迹

信仰と念

-

日本庶民

仏教史

の研

究1

(法

蔵館、

一九九九年

)、等が挙

げられ

る。

『籃籃

内傳』と牛頭

天王縁起

の関わり

ついての研究

は、村山修

『日

本陰陽道史

総説』

(塙圭旦房、

一九八

一年

)等

が挙げ

られ

る。牛

頭天王信

の民間

への広がり

ついて

の研究は、山本

ひろ子

「行疫神

・牛頭

天王

一祭文と送却

儀礼を

めぐ

って」

(『異神ー

中世

日本

の秘教的世

界』、平

社、

一九九八年)、小松和彦

「いざなぎ流祭文研究覚

・天刑星

の祭文」

四九

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病気治療と琵琶

(森

幸子)

(『春秋』、春

秋社、

一九

八九年

八、九、十、十

一月号)、斎藤英喜

『病人

濤と

「天刑星

の祭

文」』

(『いざなぎ流祭文

と儀

礼』、法藏館'

11OO

年)等が挙げられ

る。

(18)

神道大系

編纂会

『神道大系

文学編

一神道集』

(神道大系

編纂会

一九八

八年)六六頁~七

二頁。

(19)同

一頁~七

二頁。

(20)佐藤虎

「金峰山

における

園信

仰」

(『神道史

研究』、

神道史學會

九六二年十

一月)

一九四頁~

一九六頁。

(21)

『籃籃

傳』

四五頁。

(22)同

四〇頁。

(23)同

二頁~三四頁。

(24)同

三四頁。

(25)同

三五頁。

(26)「釋文」

一一頁。

(27)同

頁。

(28)

『籃籃

内傳』

五九頁

(29)近藤喜

「平

家琵琶

以前

(『文学』、岩

波書店

一九六

一年

十月)

七八

頁。

(30)「釋

文」

二〇六頁。

(31)中村璋

『日本陰陽道書

の研

(増補版)』

(汲古

書院、

二〇

〇〇年

)三

一頁

(32)宿曜道

の研究

は、桃裕行

「宿曜道

と宿曜勘

文」

「宿

曜勘文集」

(『桃裕行

著作集

8巻』、思文

閣出版、

一九九〇年)、山下克明

「宿曜道

の形成と

開」

(『後

期摂関時

代史

の研究

』、吉

川弘文館

一九九

〇年

)等が挙げ

られる。星祭

の研究

は、金指

正三

『星

・星祭

り』

(青

蛙房、

一九

四年)等

が挙げ

られる。

五〇

(33)日本

大蔵経編纂会

『修驗道

修要祕

決』

(『修験

道章疏

二巻』、国書刊行

、二〇〇〇年)

三八二頁。

(34)荒木尚

「モ

・タ

ウト名

ル真

(『高良

玉垂宮神秘

・同紙背

』、高良大

一九七

二年)

一三〇頁

=一二

頁。

(35)前掲書

(3)

二二五頁。

(36)

盲僧琵琶

の先行研究

は、村山道宣

「琵

・忘れられ

た音

の世界」

(『あ

みるきく』、近畿日本

ツーリスト、

一九七八年

五月号

)、永井彰子

「音

の道-

琵琶

の場合

(『國

文學解釈

と教材

の研究』、學

燈社、

一九九

二年

二月号)、吉

川英史

『図説日本

の楽

器』

(東

京書籍

一九九

二年

)、薦

田治子

「雅楽

琵琶から盲僧琵琶

へ1楽

の系譜1」

(『巫覡盲

僧学会会報

第十五号』、巫覡盲僧学会、

二〇〇三年)等が挙げら

れる。

(37)

『大正新脩大蔵経、第九巻、法華部全華厳部上』

(大蔵出版、

一九

八九年)

五六頁

a段。

(38)同

『第七六巻、続諸宗部七』、六

二四頁

a段。

(39)

西日本文化

協会

『福

岡県史

文化資料

編盲僧

・座

頭』

(福

岡県、

一九九

三年)三八五頁~三入六頁。

(40)

柳川市史

編纂委員会

・別編

部会

『新柳

川明証図会

(柳

川市、

二〇〇

年)三三三頁~三三四頁。

(41)「釋文」

二〇七頁。

(42)

日本大蔵経

編纂会

「孔

雀經轉讀作

法所

雨」

(『修

験道章

疏解題』、

国書刊

行会、

二〇〇〇年)

一四九頁。

(43)

『大正新

脩大蔵経、第十九巻

、密教部

二』

(大

蔵出版、

一九

八九年

)四四

六頁

c段~四四七頁

a段。

(必)

『大正新脩

大蔵経、第十九巻

、密教部

二』

(大

蔵出版、

一九

八九年

)四

八頁

a段。

(45)「釋文」二〇七頁。

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(46)「釋文」

二〇七頁。

(47)前掲書

(3)

一二一二頁。

(48)前掲書

(3)

二二六頁。

(49)

『大正新脩

大蔵

経、第九巻、法華部全華厳部上』

(大蔵出版、

一九八九年)

九頁

a段

(50)

「釋文」

二〇七頁。

(51)

山道

『「対

馬盲

のサ

ワリ落

とし

」1

の声

、サ

ワリ

の声

1』

(『民族宗教第

五集』東

京堂出版、

一九九五年)

一〇九頁~

一一一頁。

(52)

川田順

『聲』

(筑摩書

房、

一九八八年

)二五二頁。

(53)

二五二頁

(54)

斎藤英喜

「声と

ことば」

(『古

代文学講座

7こと

の神話学』勉誠社

九九

四年)九

一頁

~九二頁

 

(55)

川田順三

「口頭伝

承論

一-音

コミ

ュニケー

ョン

の諸相」

(『社会史

 

2』

日本

エディタースクール出版部、

一九八三年

)

一〇頁

(56)前掲書

(52)

二〇四頁。

(57)前掲書

(33)

(も

)

(指

"斎

)

三年

十月

日受

佛教大学大学院紀要

三二号

(二〇〇四年

三月)

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