第11 回目実習

ニワトリ胚の発生組織レベルの観察

神経板と神経管形成の組織観察

神経管から脊髄の形成

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目的１．脳胞期より前の神経板の時期の胚を見る２．前の2回の実習で全体像としてみた脊椎動物の発生が、

組織レベルではどのように変化しているかをしる３．解剖で学習する発生過程を実際のものとしてみる４．三胚葉を意識しながら胚を見る（三胚葉の成り立ち）５．組織内で分裂細胞を同定してみよう

ゴール１．三胚葉の形成を説明できる２．三胚葉のそれぞれに由来する組織を説明できる３．神経管形成（＋神経堤）を説明できる４．体節に由来する構造を説明できる５．基底膜はどこに見られる構造か説明できる

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サンプル

孵卵0日目、1日目、3日目、10日目のニワトリ胚組織

酢酸アルコール（70%エタノール+5%酢酸+5%フォルマリン）で固定

パラフィン切片 ４µm厚

ヘマトキシリン・エオシン染色ヘマトキシリン 青、紫、赤紫色 エオジンは赤～オレンジ色

ヘマトキシリンは（塩基性色素）で核やリボソームなどを酸性物質を染める。エオジンは酸性色素で細胞質や細胞外基質などの塩基性物質を染める

Tissue stained with haematoxylin and eosin shows cytoplasm stained pink-orange and nuclei stained darkly, either blue or purple. Eosin also stains red blood cells intensely red. Eosin is an acidic dye and shows up in the basic parts of the cell, i.e. the cytoplasm. Haematoxylin however is a basic dye and shows up in the acidic part of the cell like the nucleus, where nucleic acids (DNA and RNA) are concentrated.

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神経板

三脳胞期?

五脳胞期； 軸の屈曲がない段階

五脳胞期； 長軸の屈曲がみられる段階

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孵卵０日目 三胚葉と神経板

Neural plate(ectoderm）

Basal lamina

mesoderm

endoderm

薄ピンク色の膜は卵の黄味を包む膜（気にしなくていい）

外胚葉の端の薄くなった部分は表皮外胚葉

神経溝

神経上皮は多列上皮の形態Basalには基底膜があるApidalに分裂細胞がある

Apical

basal

Basal lamina：外胚葉と中胚葉の境目、もしくは上皮と間葉の境目にはほぼ必ず見られる境界膜、光学顕微鏡で確認できる場合が多い 5

三胚葉の分化とそれに由来する組織

脊索は椎間円板になる（線維軟骨）体節が何になるか注意する

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基底膜basal lamina

基底膜は見えない

原腸嵌入gastrulation中胚葉の誘導胚葉板上層と胚葉板下層の

間に入っていく過程

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原腸陥入（ Gastrulation ）における複雑な細胞の移動

侵入しつつある中胚葉細胞

原始線条

胚盤葉上層

胚盤葉下層

原始結節

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基底膜の有無の違い

基底膜が不明瞭

基底膜が明瞭

基底膜が明瞭

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孵卵1日目（孵卵43時間目） 神経管の形成

epitheliumNeural tube（多列上皮）

Somite沿軸中胚葉 endoderm

内腔（中心管）

Notochord中軸中胚葉

神経管は背側部で閉じかけているが、まだ外見上は領域の違いは見られない。レベルによっては体節がきれいに見える。三胚葉ははっきり区別可能である壁側中胚葉と臓側中胚葉を合わせて側板中胚葉という

（円柱～立方上皮）

derma-myotome

sclerotome

Dorsal aorta

中間中胚葉

体腔

臓側中胚葉（循環器系）

壁側中胚葉（体壁）

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Rostral caudal

前後軸で神経管の閉じ方が異なる11

パッテン発生学 第5版より 12

神経板から神経管形成における細胞の形態変化

apical

basalapical

basal

上皮のapical側が協調して「収縮」することにより、上皮が陥入して管形成が起こる

apical

basal

Apical面の収縮

アクチン-ミオシン

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内腔に近い部分丸い細胞核膜がみえない染色体が染まる

分裂細胞を見つけよう

体節

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孵卵1日目 神経管の形成と神経堤細胞(参考)

表皮

神経管

咽頭上皮（内胚葉）血管

脊索

神経堤細胞

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孵卵3日目 体節と神経管の分化分裂細胞は神経管の内腔面側に見られる

神経管は底板と蓋板とが形態的に区別できる。周辺部には神経細胞がやや疎な領域が見られるようになり、白質の形成が始まっている。しかし灰白質（かいはくしつ；細胞体が集まる）の細胞の形態はほぼ均一である。

Roof plateTGFβ、GDF

Floor plateShh

Roof plate

Floor plate

notochord

前根（運動神経の軸索）

体節（皮板）

中心管

表皮

脊髄神経節（？）

体節（椎板）Neural tube

体節（筋板）

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この範囲をスケッチする

Feather bud

脊索のなれの果て（椎間円盤など）

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後根

脊椎骨（軟骨）

脊髄神経節

後角

前角

後索

側索

前索 中心管

・中枢神経系には神経細胞が集まる灰白質（かいはくしつ）と神経線維の集まる白質がある。・脊髄の灰白質

前角（ぜんかく）と後角（こうかく）前角ー運動に関わる神経細胞

大型細胞がある後角ー感覚に関わる神経細胞

小型細胞・白質 後索（こうさく）、側索、前索

グリア細胞も分布する神経細胞は（原則）無い

・中心管 脊髄中心にある空所

以下、含まれない切片もあることに注意して観察・脊髄神経節

体の感覚を伝える神経細胞の集まり・後根 脊髄に入る神経繊維の束

感覚神経の突起・前根 脊髄から出る神経線維の束

前角の運動ニューロンの突起・交感神経節

内臓や立毛筋

孵卵10日目 脊髄の形成後正中中隔Roof plateに由来

交感神経節白交連

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後角

前角

強拡大でスケッチし、細胞の大きさの違いを観る

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表皮epithelium

基底膜

皮下組織

皮膚の構造と基底膜

表皮；外胚葉由来、細胞間隙は少ない真皮；中胚葉由来の結合組織、細胞間隙がみられる皮下組織；中胚葉由来の結合組織、細胞間隙が多い、膠原繊維

真皮dermis

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皮下組織（疎性）結合組織細胞成分と膠原繊維など隙間には組織液

軟骨軟骨細胞の間には軟骨質（コンドロイチン）が満たされている（細胞外基質の一種）

細胞間を満たす物質extracellular matrix

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孵卵10日目 脊髄の形成

神経管は脊髄に分化し、脊髄は神経系としての基本構造を持つ。周辺部に白質（軸索の集まり）が形成され、後索、側索、前索が区別可能となる。灰白質（かいはくしつ；細胞体が集まる）は後角と前角が明瞭となり、前角にはややおおきな細胞（運動ニューロン）がみられる。中心感周囲には上衣細胞層が形成され、細胞分裂が続いている。脊髄神経、前根、後根、も切片によっては綺麗に見える。背骨となる脊椎骨が軟骨として認められる。脊索は、椎間円板に変わりつつある。

脊椎骨（軟骨）

脊髄神経節

脊索

後角

前角

後索

側索

前索

上衣細胞層

前角と後角の細胞の大きさを比べてみよう 22

スケッチなど

E0 三胚葉または原腸陥入の像、基底膜を観察する（1枚）

E1 神経管、三胚葉がどのように変化しているかを観察する（1枚）E0からどう変化しているかの説明を記載する

E3 神経幹から脊髄への変化、体節の変化（1枚；各部の構造の名称を記載）E3からどう変化しているかの説明を記載する

E10 脊髄の基本構造（1枚；各部の構造の名称を記載）前角と後角の細胞の違い（強拡大で各1枚）extracellular matrix（軟骨、表皮下の基底膜、皮下組織を強拡大で各1枚）染まっていないところに構造物があるのかないのか

24回目の講義で扱う構造です23

１．各ステージを若い方から順番にスケッチをする

２．それぞれのステージの構造が次のステージでどのように変化するか、ひとつ前のステージではどのような構造であったか、を考えながらスケッチする

３．スケッチしたあとで、順番に見直して構造の変化の連続性を考える

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