使カ ナ ン 村 (1)2017年(平成29年)5月31日 第 114 号 カナン村 第 114 号 発行:社会福祉法人いわき福音協会カナン村 住所:いわき市平上平窪字羽黒40 TEL:(0246)23-8611 FAX:(0246)23-8612 E-mail:[email protected]

第114号 カナン村kanan.i-fukuin.com/img/sub/agency_0114.pdf施設部門平成二十九年度事業計画 支援部門 医務部門 給食部門 カナン村の生い立ちは、重

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地域貢献を目指して

所長 猪 狩   忠

 

昨年の事業計画のなかに作

業棟(現訓練棟)トイレの改

修工事を掲げ、公益財団法人

車両競技公益資金記念財団よ

り助成を受け、去る平成二十

九年一月に改修工事が完了し

ました。

 

カナン村は、社会に出て働

くことが困難な障がいのある

人達の働く場として、昭和四

十八年四月に「重度身体障害

者授産施設」として開所した

施設です。

 

作業棟は平成五年に建設さ

れたものですが、築二十年以

上経過したこともあり老朽化

が進み、設備のほか衛生面等

にも課題が見られたため改修

する運びとなりました。

 

現在のカナン村は、利用者

の障がいの重度化・高齢化に

より授産施設としての機能を

求めることが困難になってき

たことに伴い、平成二十一年

度から障害者自立支援法(現

在の障害者総合支援法)の基

で障害者支援施設として、施

設入所支援事業・生活介護支

援事業のサービスを提供して

おります。

 

今回の改修工事のなかで

は、トイレ改修に併せて、シャ

ワールームの設置を行いまし

た。これらは障がいのある人

達も使いやすいよう段差がな

く、個室トイレを含め全ての

扉が引戸になっております。

 

これは東日本大震災の経験

を踏まえ、平成二十六年度に

いわき市とカナン村が福祉避

難所としての協定を締結した

ことも受けています。災害時

には高齢者・障がい者・妊産

婦・乳幼児・病弱者など、避

難生活において配慮を要する

人達を対象に福祉避難所とし

ての機能を活かせるように備

えたものであり、地域貢献の

一助に繋がればと考えていま

す。

カ ナ ン 村(1)2017年(平成29年)5月31日 第 114 号

カナン村 第 114 号

●発行:社会福祉法人いわき福音協会カナン村●住所:いわき市平上平窪字羽黒40 ●TEL:(0246)23-8611 ●FAX:(0246)23-8612 ●E-mail:[email protected]

平成二十九年度事業計画

施設部門

支援部門

医務部門

給食部門

 

カナン村の生い立ちは、重

度身体障害者授産施設から、

法改正による指定障害者支援

施設への変遷を辿っている

為、利用者さんの中には歩行

も含め、自力での移動可能な

方もいらっしゃいます。しか

し一方では、今年度当初、利

用者さんの平均年齢は五十七

歳を越え、施設全体の高齢化

は確実に進んでおり、障がい

の他に、加齢に伴う身体機能

の低下は、転倒・嚥下困難等、

生活全般の広範囲に亘り、高

リスクとなってきています。

 

当施設としては、安心で安

全な生活が送れる福祉サービ

スの提供を第一に掲げてお

り、利用者さん一人ひとりの

障がいを理解し、個々のニー

ズに沿った個別支援計画の提

供に加え、高齢者の方への適

切な対応が急務となっていま

す。毎月実施しているリスク

マネジメント会議では、傾向

と対策、また事例分析と再発

防止について協議を繰り返

し、支援体制の強化を図ると

 

障害者総合支援法に基づ

き、利用者一人ひとりが安心

して充実した生活が送れる様

支援を行います。

 

具体的には、各相談支援事

業所で作成されたサービス等

利用計画に基づき、カナン村

で提供する支援内容につい

て、サービス調整会議で十分

な協議をし、個別支援計画を

策定して、その計画に沿った

支援を行います。

 

利用者の高齢化や障害の重

度化、機能低下・体重増加が

顕著に見られるため、作業療

法士によるリハビリを通し、

身体機能低下の抑制を図ると

ともに毎日の運動も継続して

行います。更に、医務や給食

部門とも連携して利用者の健

康維持に努めます。

 

また、利用者一人ひとりが

張り合いや生きがいを持って

生活できるように、様々な日

中活動を提供すると同時に、

年間計画に基づき各種行事を

行うとともに、利用者が楽し

みにしているショッピング

デーや地区買物会も提供して

いきます。

 

利用者の高齢化・障害の重

度化に伴い、医療的ケアが多

様化してきています。そのた

め、今年度は看護師三・五名

体制(常勤三名・パート一名)

でのスタートとなり、利用者

の健康管理を行っていくこと

となりました。

 

事故や容態の急変など、緊

急時には的確な判断・対応が

できるよう、看護師の資質向

上を図り、利用者が快適に安

心して生活ができるよう看護

ケアを提供していきたいと思

います。

 

また定期通院の他、年一回

の生活習慣病健診を受け、結

果に基づく通院(再検査)を

行っております。今後もより

一層各部署・嘱託医・協力医

療機関との情報を共有し、疾

病の早期発見、早期治療に努

めてまいります。

 

給食では、今年度、管理栄

養士一名、調理員三名、パー

ト調理員一名の計五名の体制

となりましたが、年々高齢化、

機能低下する利用者様の状態

に合わせ、一人ひとりへの

対応が複雑になってきていま

す。嚥下が困難な方について

は、刻みにする他、とろみを

使用したり、食べづらいもの

を代替えするなど、その方に

とって無理なく食べられるよ

う、医務や支援と協力し、対

応していきたいと思います。

 

また、衛生面におきまして

は、これから暑い日が多くな

りますが、食中毒などの感染

症には十分注意し、安心・安

全な食事提供を行うことはも

ちろん、利用者様の嗜好をよ

く知った上で、行事食や旬の

食材を取り入れ、楽しみが持

てる食事が提供できるよう努

めていきます。

共に、危険予知訓練(福祉K

YT)への取組みと展開に繋

げていきたいと考えていま

す。

 

更なる施設機能強化の推進

と、職員のスキルアップの

為、専門研修への参加を計画

的に行い、些細と思われる情

報であっても各部署間で丁寧

に連絡を取り合い、協力一致

して、常に利用者さんに向き

合った、質の高い施設生活の

提供をしてまいります。

 

施設整備等についての計画

は、以下の通りです。

 

❶防犯カメラ設置工事

 

❷送迎車輌購入

 

❸ナースコール取替工事

 

❹本館雨樋工事

 

❺男子支援室改修工事

 

❻管理棟トイレ改修工事

 

❼電動ベッド購入

カ ナ ン 村2017年(平成29年)5月31日 第 114 号(2)

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出会いの

新職員紹介

支援員岡部 次郎さんH29年4月1日よりシャロームから異動

支援員安田 七奈さんH29年4月1日より野の花ホームから異動

調理師金野 弘子さんH29年4月1日よりつばさから異動

石井 豊子 

調理師

 

三月三十一日付で退職とな

りました。

 

長い間お疲れ様でした。

看護師

西山 真由美さん

平成二十九年二月一日より

看護助手

上妻 三代子さん

平成二十九年四月一日より

ふくいんから異動

退職職員

 

四月一日付で、二名の職員

が異動となりました。

髙橋 昌之 

副主任 

        

法人本部へ

坂本 洋子 

看護師 

        

療護園へ

異動職員

救急救命講習を

受講して

支援員 

渡辺 美幸

 

一月十二日、消防署の指導

の下に救急救命講習が実施さ

れ、AEDの使い方を学んだ。

 

まず、AEDとは、救急車

を要請してから到着までの間

の行動であり、それを行うこ

とにより救命効果があがると

の説明を受けた。操作方法は、

音声指示に従って行なうため

比較的スムーズであり、むし

ろAEDのスイッチを入れる

前の救命処置の流れを覚える

方が大変であった。

 

他にも、一一九番通報の依

頼をするときには「○○さん

はAED、△△さんは一一九

番して」と名指しで声掛けを

すること等を覚えておくと、

冷静さを失いがちな時でも対

応できそうであると感じた。

避難訓練のように定期的な操

作訓練を行うことで、いざと

いう時

に備え

ること

ができ

るので

はない

だろう

か。

お世話になりました

ますますのご活躍を よろし

お願いします

カ ナ ン 村(3)2017年(平成29年)5月31日 第 114 号

カナン村の日常

 

一月十二日、食堂にて新年

会が行われました。寄せ鍋を

はじめとした料理やデザート

などを前に自然と会話も弾

み、時間は和やかに流れてい

きました。

 

そんな雰囲気の中、盛り上

がったのは利用者さんによる

カラオケ大会でした。今年も

登場した三人ユニット、カナ

ン三羽ガラスのほか、飛び入 

二月十三日に、利用者生活

習慣病健診が実施されまし

た。

 

当日の朝は皆浮き足立って

いる様に窺えました。しかし、

採血、心電図等々…次々と検

査を終え、検査が終わる頃に

は、緊張していた顔に笑顔が

見られる様になり、今年度の

健診も何事も無く無事に終わ

る事が出来ました。

 

二月二十一日、作

業療法士の渡辺幸代

子先生と坂本智江さ

んのお母さんらが来

所し、お茶の作法に

ついてご指導いただ

きました。

 

最初にお茶のたて

方を利用者の方へ説

明してくださり、そ

の後和菓子を頂き、

優雅なお茶会を楽し

みました。利用者だ

けではなく職員も、

お茶の作法について

食堂に歌声が響き

渡った新年会

年に一度のドキドキ!?

生活習慣病健診

 

突然ですが、健診の最中に

一つ疑問に感じた事がありま

す。

 

誰でも一度は「こころとか

らだのバランス」と言う言葉

を聞いたことはあるでしょう。

 「こころ」と「からだ」を

別のもとは考えずに、互いに

作用している物と捉えます。

 「こころ」と「からだ」は

繋がっていると良く言いま

すが、「からだ」の健康診断

はあるけれども「こころ」の

健康診断は基本的にありませ

ん。

 

今回の利用者生活習慣病健

診の付添いを通し、身体的な

支援は言うまでも無く、精神

的な支援も私達施設職員は

日々気にかけ、利用者の「こ

ころ」と「からだ」が共に健

康的で当たり前の日常生活が

今後も営めるように職務を全

うしなければならないと感じ

ました。

 

三月二

十八日に

フラダン

ス講習会

が、講師

の清水優

香さんの

ご指導の

り参加で様々な利用者さんが

楽しそうに歌っている姿に、

食堂は大いに盛り上がりまし

た。

 

今年もいろいろな思い出を

作って、利用者さんたちが楽

しかったと振り返れるような

一年にしたいと強く思った一

日でした。

もと行われました。フラダ

ンスの講習会は、カナン村

として初めてイベントでも

ありました。

 

車椅子を利用されている

方でも上半身のみでフラダ

ンスの動きができ、リハビ

リも兼ねての運動にもなり

ますとのことで、皆さん楽

しそうにダンスをしてい

らっしゃいました。

 

ご協力いただいた皆様大

変ありがとうございました。

とても勉強になった楽しい

お茶会でした。

ボランティア紹介

カ ナ ン 村2017年(平成29年)5月31日 第 114 号(4)

vol.9

 

朝の忙しい出勤時や旅行に出

かけようとした矢先に、思うに

任せずシャツのボタンをかけ違

い、急いでいることも相侯って

慌てたことが何度かあった。

 

普段の生活においても、往々

にしてちょっとしたボタンのか

け違いから齟齬が生じてしまっ

たという話を耳にする。私たち

はコミュニケーションの一つと

して言葉を用いているが、この

時、話し手と聞き手との間の微

妙な温度差に気付かずに失敗す

ることが多い。

 

私に限ったことではないと思

うが、とかく人は自分が話した

ことよりも相手に言われたこと

の方を覚えているものらしい。

相手方が何気なく話したつもり

のものでも聞く側の状況によっ

ては、悪く受け取られ、いつの

間にか不信感に変わっていく場

合がある。人間は所詮弱いもの

で、注意しないと、折角築いた

信頼関係も水泡に帰しかねない

ことになってしまう。

 

その点、犬は三日飼えば主人

の恩を忘れないといわれる。我

が家では二匹目の犬を飼い始め

てかれこれ十四年になる。小

型犬なので、人間に例えると

七十二歳になるらしい。もうす

ぐ後期高齢者の仲間入りであ

る。この頃確実に老いが忍び

寄っているのが分かる。

 

それは第一に私同様に耳が遠

徒然なるままに

くなった。側に寄って行っても

気付かないことが多く、また、

一度お座りをすると立ち上がる

のに偉く力を必要とするので、

今では立ったままでお手やおか

わりをすることにした。散歩の

際には鎖を外しているが私の側

から離れていくようなことはし

ない。

 

学生時代、よく友人の下宿に

遊びに行き、泊まり込んでは酒

を呑みディスカッションに明け

暮れた。その下宿先に一枚の色

紙が掛けてあったのを覚えてい

る。

どんなに辛くとも/どんなに苦

しくとも/友を売るまい/心を

売るまい

 

当時は特別な感慨も持たな

かったが、改めて、言葉の重み

を感じている。

 

さて、忠犬ハチ公はつくづく

偉かったと思う。飼い主が死ん

だ後も、十年もの間、雨の日・

風の日……日を選ばずに、ただ

ひたすら主人の帰りを待ち続け

た。

 

なんだか谷昌恒先生の言葉が

思い出される。

 

愛すること/信じること/待

つこと

  (大河内記念館

館長 

岡部 

明)

☆個人情報保護法の全面施行に鑑み、紙面内写真は、本人等の了解のもと、掲載しております。

カ ナ ン 村(5)2017年(平成29年)5月31日 第 114 号

カナン

かわら版

 

勧誘を受けることがある。

耳当たりのいい言葉に気持ち

もなびくが、後々調べてみる

と自分にとってはデメリット

の方が大きいことも珍しくな

い。なるべく慎重に受け答え

をしようという小さな努力の

おかげで、大きな失敗はない

が怖いものである。

 

日常生活において、知識不

足で不利益を被るのは自分自

身であるため諦めもつく。し

かし施設職員としての、生活

を支援する中での知識不足は

利用者の不利益に直結してし

まう。専門職として福祉を取

り巻く様々なことは当然とし

て、社会人として世間一般の

常識や法律・制度等、理解し

ていなければならないことは

まだまだたくさんあると感じ

る。

 

無知は罪だと聞いたことは

あるが、調べてみたところソ

クラテスの言葉らしい。大げ

さな表現だと思うし、知らな

いのであればこれから知れば

いいだけだ。ただ最近、無知

は損なのではないかと感じる

ようになった。せっかく生き

ているのだから、損をするよ

りは得をしたいものである。

(寧)

 

公益財団法人 

車両競

技公益資金記念財団の平

成二十八年度 

障害者支

援施設の改善助成事業を

受け、訓練棟トイレの改

修工事を行い一月三十一

日に竣工いたしました。

訓練棟は福祉避難所に指

定されており、車椅子の

方でも使いやすい引戸と

なっている他、シャワー

ルームも設置されており

ます。 工

事完了報告

1 月

4日 (法)新年のつどい12日 新年会 救急救命研修17日 訓練棟トイレ改修工事現場説明会25日 (法)理事会・評議員会31日 訓練棟トイレ改修工事 竣工

2 月

10日 水害土砂災害への備えに関する要配慮者利用施設の管理者向け説明会(いわき市 所長)

13日 利用者健康診断(いわき健康管理センター)14日 アニマルセラピー15日 業務用冷凍食品フェア(東京都)17日 法人研修会 「民話の中から見えるもの」18日 いわき市障連協研修会(いわき市)21日 お茶会ボランティア

消防設備点検27日 散髪日(四倉理容組合)

3 月

1日 平成28年度第3回地域保健関係職員等研修会「栄養改善担当者」

2日 平成28年度福島県身体障害者施設協議会第2回理事会(郡山市 所長)

14日 第29回全国身体障害者施設協議会経営セミナー~ 15日(東京都 所長)

28日 フラダンス講習会29日 (法)評議員会31日 (法)退職者辞令交付式

自治会 退職職員・異動職員送別会

4月

3日 自治会 着任職員歓迎会(法)新採用職員・人事異動職員辞令交付式

13日 (法)新人職員研修会1班ショッピングデー1班(イオン いわき店)

18日 花見アニマルセラピー

19日 岡田食品展示会(いわき市)20日 (法)新人職員研修会2班

ショッピングデー2班(イオン いわき店)いわき集団給食栄養士会(いわき市)

24日 散髪日(四倉理容組合)27日 ショッピングデー3班(イオン いわき店)28日 カナン村協力会総会役員会・総会

平成29年1月~平成29年4月の歩み

カ ナ ン 村2017年(平成29年)5月31日 第 114 号(6)