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第1章 全体構想 ―京田辺市の将来像と都市政策―

第1章 全体構想 ―京田辺市の将来像と都市政策― - Kyotanabe...(2005)には64,008人(25,192世帯)となっています。特に、昭和40年代後半から急激に

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  • 第1章 全体構想

    ―京田辺市の将来像と都市政策―

  • 5

    1.現況とまちづくりの課題

    1-1.本市の現況

    1-1-1.本市の位置と地勢

    本市は、京都府、大阪府、奈良県にまた

    がる京阪奈丘陵の北東部に位置し、京都市、

    奈良市の中心部から約20㎞、大阪市の中心

    部からは約30㎞と、大都市の中間に位置し

    ます。

    東側には、木津川を挟んで城陽市、井手

    町と、西側には、八幡市、大阪府枚方市、

    奈良県生駒市と、南側では精華町と、それ

    ぞれ接しています。

    市域は、市南西部から北西部にかけて緩

    やかな丘陵地帯が広がり、それとは対峙す

    る形で市南東部から北東部にかけて貫流す

    る木津川に沿って平坦地が広がっています。

    平坦地のほぼ中央部には市街地が広がり、

    市街地を覆う形で農地が広がっています。

    また、南西部に多くの自然や一休寺などの

    歴史的資源も多く残していることから、京

    阪神の近郊レクリエーション地としても重

    要な位置にあります。

    鉄道路線は、大阪と奈良を結ぶJR片町

    線、京都と奈良を結ぶ近鉄京都線が通って

    おり、大阪市内からは約40分、京都市内か

    らは約25分、奈良市内からは約20分で結ば

    れています。

    道路網は、広域幹線道路として市域北西

    側に第二京阪道路が、市域中央部に京奈和

    自動車道が南北に通っており、それらが全

    国の広域幹線道路とつながっています。ま

    た、新名神高速道路の城陽八幡間が事業中

    であり、今後ますます広域道路網が充実し

    ていきます。

    ■本市の位置

    ■本市全域

  • 6

    1-1-2.人口

    【増え続ける人口と世帯数】

    全国的に人口が減少する中、本市の人口と世帯数は年々増え続けており、平成 17 年

    (2005)には 64,008 人(25,192 世帯)となっています。特に、昭和 40 年代後半から急激に

    増加し、この 30 年間で人口は約2倍、世帯数は約3倍に増加しています。

    図 1-1:人口・世帯数の推移

    (資料:各年国勢調査より)

    【若い世代が増加している】

    平成 12 年(2000)~17 年(2005)の5歳階級別男女別人口の推移をみると、30 歳代や 14

    歳以下の若い世代が男女とも増加しており、住宅開発などにより新しい世帯が増えているもの

    と考えられます。

    また、市内に存する同志社大学などの学生が多く市内に暮らしていることもあり、15~24

    歳の人口が多くなっています。

    図 1-2:5歳階級別男女別人口の推移

    3,442 3,932 5,315

    7,726

    10,472 11,953

    15,136

    18,330 22,409

    25,192

    15,793 17,333

    21,507

    30,022

    39,198

    44,465 48,899

    53,040

    59,577 64,008

    0

    10,000

    20,000

    30,000

    40,000

    50,000

    60,000

    70,000

    0

    5,000

    10,000

    15,000

    20,000

    25,000

    30,000

    35,000

    40,000

    昭和35年 昭和40年 昭和45年 昭和50年 昭和55年 昭和60年 平成2年 平成7年 平成12年 平成17年

    (人

    (世

    帯)

    世帯数

    人口

    01,0002,0003,0004,0005,000

    0~ 4歳

    5~ 9歳

    10~14歳

    15~19歳

    20~24歳

    25~29歳

    30~34歳

    35~39歳

    40~44歳

    45~49歳

    50~54歳

    55~59歳

    60~64歳

    65~69歳

    70~74歳

    75~79歳

    80~84歳

    85~89歳

    男 性単位:人

    平成17年 平成12年

    0 1,000 2,000 3,000 4,000

    女 性

    (資料:各年国勢調査より)

  • 7

    【本市でも進む高齢化】

    年齢3階層別人口の推移を見ると、

    本市では、65 歳以上の老年人口の割

    合は平成 17 年(2005)には約 15%を

    超え年々増加傾向にあります。

    しかし、平成 17 年(2005)の老年

    人口の割合は、周辺市町や京都府平均

    と比べると低くなっています。

    一方本市の 15 歳未満の年少人口の

    割合は、平成7年(1995)以降ほぼ横

    這いであり、少子化は進んでいません。

    また、15~64 歳の生産年齢人口の

    割合は周辺市町と比べて高くなってい

    ます。

    【京都市や大阪市との繋がりが強い】

    他都市との人口流動による繋がりをみると、京都市との繋がりが最も強く、大阪市や隣接す

    る八幡市、枚方市や城陽市とも比較的流入流出が盛んに行われています。

    また、近年大阪市からの流入者が増加傾向にあります。

    図 1-4:平成 12 年及び平成 17年人口流動図

    (資料:国勢調査より)

    0% 20% 40% 60% 80% 100%

    平成2年

    平成7年

    平成12年

    平成17年

    八幡市

    宇治市

    城陽市

    精華町

    木津川市

    久御山町

    京都府

    15歳未満

    18.6%

    14.4%

    13.8%

    14.4%

    13.9%

    14.5%

    12.8%

    18.7%

    15.6%

    14.3%

    13.0%

    15~64歳

    71.9%

    74.6%

    73.4%

    70.1%

    69.4%

    68.1%

    69.0%

    67.8%

    68.4%

    68.1%

    66.3%

    65歳以上

    9.5%

    11.0%

    12.9%

    15.4%

    16.7%

    17.4%

    18.1%

    13.5%

    16.0%

    17.6%

    20.0%

    京田辺市

    図 1-3:本市の年齢3階層別人口推移と 平成 17 年における周辺市町との比較

    (資料:各年国勢調査より)

  • 8

    1-1-3.産業

    ①工業

    本市の製造品出荷額等は、平成 13 年

    (2001)から平成 19 年(2007)までの間、

    平成 16 年に一度増加したが、平成 19 年に

    減少し、約 1,328 億円となっています。

    一方、事業所数は減少傾向にありますが、

    従業員数は約 800 人増加しており、1事業

    所当たりの従業員数が増えています。

    平成 19 年(2007)の人口一人当たり製造品出荷額等について、京都府全体及び周辺市町と

    比べると、本市では周辺市町と比べ低くなっており、京都府全体からも約 30 万円低くなって

    います。

    図 2-2:人口一人当たり製造品出荷額等

    232.5

    204.1

    406.5

    137.3

    185.9

    1,466.7

    185.7

    606.0

    331.2

    191.6

    54.1

    8.7

    0.0 400.0 800.0 1,200.0 1,600.0

    京都府計

    京田辺市

    宇治市

    城陽市

    八幡市

    久御山町

    井手町

    宇治田原町

    山城中部地域

    京都市

    木津川市

    精華町

    万円/人

    図 2-1:製造品出荷額等の推移

    (資料:各年工業統計調査より)

    30,000

    50,000

    70,000

    90,000

    110,000

    130,000

    150,000

    平成13年 平成16年 平成19年

    132,380 137,978 132,795

    百万円

    表 2-1:事業所数と製造品出荷額等の推移

    事業所数 従業員数1事業所当たりの

    従業員数製造品出荷額等

    ①/②

    製造品出荷額等(生データ)

    製造業産出物価指数

    (所) (人) (人/所) (百万円) (百万円)

    平成13年 117 2,885 24.7 132,380 123,396 93.21%

    平成16年 107 3,826 35.8 137,978 126,794 91.89%

    平成19年 97 3,692 38.1 132,795 132,795 100.00%

    (資料:各年工業統計調査)

    (製造品出荷額は、平成19年の製造業産出物価指数を1としたときの補正値)

    (補正値の基準は、製造業部門産出物価指数)

    (従業員4人以上の事業所)

  • 9

    ②商業

    本市の小売業年間販売額は減少傾向が見

    られ、店舗数も減少しています。

    一方、店舗面積は平成 11 年(1999)~

    19 年(2007)までの間に約 16,000 ㎡増加

    し、1店舗当たりの売場面積は年々増加し

    ています。

    これは、スーパーなど店舗の大型化が進

    み従来の個人商店などが減少しているもの

    と考えられます。

    平成 19 年(2007)の小売業年間商品販売額における中心性指数について周辺市町と比べる

    と、本市は 0.613 と山城中部地域で下から2番目となっており、市内での購買吸引力が低いこ

    とになります。

    *中心性指数とは、京都府全体を1とした小売業における地元購買吸引力であり、1に近いほど市内の消費

    者が市内の小売店で買い物をしていることになります。1以上であると市外の消費者が買い物に来てい

    ることになります。

    図 2-4:平成 19 年本市及び周辺市町中心性指数

    0.613

    0.649

    0.670

    0.690

    2.785

    0.236

    1.823

    0.752

    1.197

    0.547

    0.587

    0.000 0.500 1.000 1.500 2.000 2.500 3.000

    京田辺市

    宇治市

    城陽市

    八幡市

    久御山町

    井手町

    宇治田原町

    山城中部地域合計

    京都市

    木津川市

    精華町

    図 2-3:小売業年間販売額の推移

    (資料:各年商業統計調査より)

    0

    20,000

    40,000

    60,000

    80,000

    平成11年 平成14年 平成16年 平成19年

    47,221 47,584 49,634 45,717

    百万円

    表 2-2:店舗と年間販売額の推移

    店舗数 従業員数 年間販売額 年間販売額

    全店舗計 1店舗当たり (生データ)

    ①/② ① ②

    (店) (人) (百万円) (百万円)

    平成11年 421 46,827 111.2 3,346 47,221 48,492 102.69%

    平成14年 378 52,769 139.6 3,475 47,584 47,727 100.30%

    平成16年 358 55,075 153.8 3,202 49,634 49,634 100.00%

    平成19年 356 63,153 177.4 3,355 45,717 45,717 100.00%

    (資料:各年商業統計調査)

    (年間販売額は、平成19年の消費者物価指数を1としたときの補正値)

    (補正値の基準は、消費者物価指数)

    売場面積 消費者物価指数

    (㎡) (㎡)

  • 10

    1-1-4.土地利用

    ①市街化区域の推移(これまでの京田辺市都市計画マスタープランからの推移)

    これまでの京田辺市都市計画マスタープラン策定時からこの 10 年間で市役所周辺と大住

    工業地区において約 10ha の市街化区域が増加しています。

    各用途地域別に見ると、三山木地区や南田辺北地区の特定土地区画整理事業により土地利

    用の方向性が明確になったことにより、それぞれの用途地域が区分され、商業系の用途地域

    が増加しています。

    ②市街地整備と地区計画

    本市では、昭和 45 年(1970)頃から土地区画整理事業などによる住宅地や工業地などの計

    画的な市街地整備が進められてきました。また、良好なまちなみの形成と環境保全を図るた

    め、市街地開発が行われた多くの地区で地区計画を定めています。

    地区計画を定めている地区は、現在工業系3地区、住居系・商業系8地区、文教系1地区

    の合計 12地区(約 406.2ha)となっています。

    表 3-1:用途地域面積の推移

    (資料:京田辺市都市計画課)

    面積 比率 面積 増減 比率

    (ha) (%) (ha) (ha) (%)

    第一種低層住居専用地域 272 25.6 257 -15 23.9

    第二種低層住居専用地域 10 0.9 15 5 1.4

    第一種中高層住居専用地域 242 22.8 235 -7 21.9

    第二種中高層住居専用地域 15 1.4 18 3 1.7

    第一種住居地域 298 28.0 286 -12 26.6

    第二種住居地域 59 5.5 77 18 7.2

    準住居地域 - - - - -

    近隣商業地域 16 1.5 21 5 1.9

    商業地域 23 2.2 29 6 2.7

    準工業地域 6 0.6 6 0 0.5

    工業地域 34 3.2 34 0 3.2

    工業専用地域 88 8.3 97 9 9.0

    市街化区域合計 1063 100.0 1074 11 100.0

    平成12年(これまでの京田辺市都市計画マス

    タープラン策定時)平成21年

  • 11

    図 3-1:地区計画位置図

  • 12

    1-1-5.都市施設などの状況

    ①交通量の推移

    平成6年(1994)~平成 17 年

    (2005)までの市域の交通量は増

    加しています。

    特に、(主)生駒井手線(三山

    木駅以東)、国道 307 号(八幡木

    津線以東)など木津川以東方面の

    交通量が増加しています。

    新たに(都)山手幹線が整備さ

    れた区間では、従来の(主)八幡

    木津線の交通量が減少しているこ

    とから、交通が分散していること

    が伺えます。

    表 4-1:主要道路の交通量の推移

    観測地点 平成 6年 平成 9年 平成11年 平成17年(台) (台) (台) (台)

    ① 国道24号(京奈和自動車道) 田辺北IC~田辺西IC間 11,523 14,423 12,558 12,985

    ② 国道24号(京奈和自動車道) 田辺西IC~精華下狛IC間 9,166 11,846 10,673 12,646

    ③ 国道 307号 京田辺市田辺丸山214 9,849 11,402 9,215 11,457

    ④ 国道 307号 京田辺市草内五反田 9,225 11,854 14,548 14,425

    ⑤ (主)八幡木津線(山手幹線) 京田辺市一休ケ丘 - - - 4,669

    ⑥ (主)八幡木津線(山手幹線) 京田辺市興戸 - - - 6,636

    ⑦ (主)八幡木津線 京田辺市薪堂ノ後 14,849 15,871 12,115 11,566

    ⑧ (主)八幡木津線 京田辺市興戸東垣内10-1 14,670 14,984 16,007 12,411

    ⑨ (主)八幡木津線 京田辺市三山木南垣内3 11,784 12,085 12,384 12,349

    ⑩ (主) 生駒井手線 京田辺市打田宮東 2,303 2,159 2,223 2,446

    ⑪ (主) 生駒井手線 京田辺市多々羅西平川原5 5,565 5,335 5,319 5,874

    ⑫ (主) 生駒井手線 京田辺市三山木田中28-1 5,582 5,973 5,717 8,737

    ⑬ (一) 交野久御山線 京田辺市松井今池 2,701 4,080 4,206 4,524

    ⑭ (一) 富野荘八幡線 京田辺市大住東村16-1 3,755 3,898 4,054 4,266

    ⑮ (主) 枚方山城線 京田辺市水取錆 3,395 3,908 3,078 2,894

     注1) (主)…主要地方道 (資料:各年交通センサス)      (一)…一般府道 注2) ⑮(主)枚方山城線の平成17年データは、平成11年データから計算した推計値

    12時間交通量

    路線名

  • 13

    ②公共交通の利用状況

    1)鉄道

    平成 12 年(2000)~20 年(2008)における近鉄京都線の1日当たりの乗降客数は、ほぼ

    横這い状態ですが、平成 16 年(2004)以降増加しています。

    一方、JR片町線では片町線高速化輸送力増強事業や便数増など利便性向上策により、平

    成 20 年(2008)で乗降客数は約4万1千人とこの7年で約1万人増加しており、阪神方面

    への利用者が大幅に増加していることが伺えます。

    2)バス

    バス路線は、北部から中部地域にかけて京阪バス(京阪宇治交通含む)が、中部から南部

    地域にかけて奈良交通の2つのバス会社が運行しています。

    平成 13 年(2001)から平成 21 年(2009)までの1日平均乗降客数をみると、京阪バス、

    奈良交通とも減少しています。

    図 4-1:鉄道別1日当たり乗降客数の推移

    資料:各年京田辺市統計書

    28,594 29,96032,682 34,084

    35,04536,839 38,274

    39,779 41,102

    48,369 47,111 46,704 46,600 46,237 46,282 46,553 47,20847,856

    0

    10,000

    20,000

    30,000

    40,000

    50,000

    60,000

    平成12年 平成13年 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年

    JR片町線 近鉄京都線

    図 4-2:バス会社別1日当たり乗降客数の推移

    資料:各年京田辺市統計書

    11,976 11,59110,963

    11,48410,940 10,568

    9,7449,142

    8,059

    2,015 1,793 1,559 1,469 1,475 1,377 1,413 1,192 1,163

    0

    2,000

    4,000

    6,000

    8,000

    10,000

    12,000

    14,000

    平成13年 平成14年 平成15年 平成16年 平成17年 平成18年 平成19年 平成20年 平成21年

    京阪バス 奈良交通

  • 14

    ③都市計画道路・駅前広場の整備状況

    1)都市計画道路

    本市の都市計画道路は、第二京阪道路や京奈和自動車道などの自動車専用道路を加えると、

    総延長約 53,350mが計画され、これまでに約 31,006m(概成済道路を含めると 38,301m)

    が整備済です。

    *概成済道路…整備済以外の区間のうち、路線として都市計画道路と同程度の機能を果たしうる現道

    (概ね計画幅員の 2/3 以上又は4車線以上の幅員を要する道路)

    現在、約 7,495m整備されている。

    表 4-2:都市計画道路整備状況

    計画総延長 これまでの都市計画マスタープラン策定時整備済延長

    (平成 13 年度末)

    現在整備済延長 (概成済道路除く) (平成 21 年度末)

    増減

    約 53,350m 約 20,570m

    (整備率:約 38.5%)

    約 31,006m

    (整備率:約 58.1%)

    約 10,436m

    (整備率:約+19.6 ポイント)

    2)駅前広場

    本市には、JR片町線、近鉄京都線の2つの鉄道路線が通っており、あわせて9つの駅が

    あります。このうち、JR松井山手駅西口、近鉄新田辺駅西口・東口、近鉄・JR三山木駅

    の4つの駅前広場が都市計画決定されており、近鉄新田辺駅東口を除く3つの駅前広場が既

    に整備済です。

    また、その他駅前広場を整備した駅が、JR松井山手駅東口、JR京田辺駅西口・東口、

    近鉄興戸駅東口の3駅4箇所あり、そのうちJR京田辺駅西口はこれまでの都市計画マスタ

    ープラン策定以降に整備しています。

    表 4-3:駅前広場整備状況

    計 画

    これまでの都市計画マスタープラン

    策定時整備済 (平成 13 年度末)

    現在整備済 (平成 21 年度末)

    増減

    都市計画決定済 約 19,200 ㎡ 〈4箇所〉

    約 9,700 ㎡ (整備率:約 50.5%)

    〈2箇所〉

    約 16,200 ㎡ (整備率:約 84.3%)

    〈3箇所〉

    約 6,500 ㎡ (整備率:約+33.8 ポイント)

    〈1箇所〉

    その他 0 約 8,630 ㎡

    〈3箇所〉

    約 9,790 ㎡

    〈4箇所〉

    約 1,160 ㎡

    〈1箇所〉

  • 15

    図 4-3:都市計画道路整備状況図

  • 16

    ④公園・緑地などの整備状況

    本市では、住民が身近に使える街区公園や近隣公園などの住区基幹公園、総合公園(田辺公

    園)、運動公園(田辺木津川運動公園、草内木津川運動公園)といった都市基幹公園を整備し

    ています。緑道や緑地などを含めた公園は、現在 141 箇所 38.15ha を整備しており、市民1人

    当たりの公園面積は、6.25 ㎡/人となっています。

    表 4-4:公園・緑地などの整備状況

    公園や緑地などのうち、都市計画決定された公園は 14 箇所(うち1箇所は緑地)約

    20.73ha あり、そのうち 12 箇所約 18.34ha(概成済を含めると約 20.15ha)を供用しています。

    表 4-5:都市計画公園整備状況

    計 画

    これまでの都市計画マスタープラン

    策定時整備済 (概成済除く) (平成 13年度末)

    現在整備済 (概成済除く) (平成 21年度末)

    増減

    都市計画公園

    (防賀川緑地含)

    約 20.73ha

    14 箇所

    約 15.74ha

    (整備率:約 75.9%)

    〈12 箇所〉

    約 18.34ha

    (整備率:約 88.5%)

    〈12 箇所〉

    約 2.60ha

    (整備率:約+12.6 ポイント)

    〈-〉

    箇所数 面積(ha) 箇所数 面積(ha) 箇所数 面積(ha)

    住区基幹公園 100 12.80 135 16.35 35 3.55

    街区公園 99 10.39 133 12.54 34 2.15

    近隣公園 1 2.41 2 3.81 1 1.40

    地区公園 - - - - - -

    都市基幹公園 3 14.56 3 15.85 0 1.29

    総合公園 1 9.20 1 10.40 0 1.20

    運動公園 2 5.36 2 5.45 0 0.09

    基幹公園計 103 27.36 138 32.20 35 4.84

    特殊公園 - - - - - -

    広域公園 - - - - - -

    公園計 103 27.36 138 32.20 35 4.84

    緑地 2 3.41 2 3.31 0 -0.10

    緑道 1 2.64 1 2.64 0 0.00

    公園・緑地・緑道計 106 33.41 141 38.15 35 4.74

    これまでの都市計画マスタープラン策定時整備済

    (平成13年度末)

    現在整備済(平成21年度末)

    増減

  • 17

    ⑤下水道

    1)公共下水道及び都市下水路の整備状況

    公共下水道(汚水)は、京都府木津川流域関連京田辺市公共下水道事業として全体計画区

    域面積 1369.9ha について事業を推進しています。

    平成 21 年(2009)度末現在、整備面積は 1070.98ha、人口普及率は 96.87%となっています。

    農業集落排水については、打田・天王地区に続き平成 18 年(2006)に高船地区でも供用を

    開始し、計画されているすべての地区での整備が完了しました。

    雨水対策としては、市北部の新市街地においては土地区画整理事業に伴って整備が完了し

    ました。また、田辺・平田都市下水路がすでに完成しており、草内・三山木都市下水路につ

    いても一部完成しています。今後、草内都市下水路については、近鉄興戸駅周辺整備事業と

    調整を図りながら、また、三山木都市下水路については三山木地区特定土地区画整理事業に

    併せて整備を進めています。南田辺北特定土地区画整理事業区域においては、公共下水道

    (雨水)事業により排水施設の整備が平成 22 年度末に完了しました。

    表 4-6:公共下水道及び都市下水路の整備状況

    計 画

    これまでの都市計画マスタープラン 策定時整備済

    (平成 13 年度末)

    現在整備済 (平成 21 年度末)

    増減

    公共下水道 (汚水)

    〈人口普及率〉

    1369.9ha

    780.34ha (整備率:約 57.0%)

    〈82.58%〉

    1070.98ha (整備率:約 78.2%)

    〈96.87%〉

    290.64ha (整備率:+21.2 ポイント)〈14.29 ポイント〉

    都市下水路

    草内 約 1.6km 約 1.4km

    (整備率:約 87.5%) 約 1.4km

    (整備率:約 87.5%) -

    (-)

    三山木 約 2.6km 約 1.9km (整備率:約 73.1%)

    約 2.5km (整備率:約 96.2%)

    約 0.6km (整備率:+約 23.1 ポイント)

  • 18

    ⑥その他の都市施設の整備状況

    1)上水道 上水道の施設整備は、昭和63年(1988)7月に薪浄水場が完成し、これまで分散していた

    配水システムから全市一体化した配水システムに統括が図られ、集中管理体制を構築しまし

    た。

    平成9年(1997)に事業認可された第7次拡張計画は、平成18年(2006)に変更認可が行

    われ、現在、計画給水人口70,000人、1日最大供給量34,000 ㎥により水の安定供給を図っ

    ています。今後も計画人口の水需要に対応を図るよう、水の安定供給を進めていきます。

    2)ごみ処理施設

    ごみ処理施設は平成18年(2006)にリサイクルプラザが完成し、ごみ焼却施設、埋立処

    理施設(天王碧水園)とともに、ごみ処理基本計画に基づいて、計画人口に対応したごみ

    の適正処理が可能となる施設が整備されています。

    また、リサイクル啓発棟を拠点に活動するボランティア団体「京田辺エコパークかんな

    び」との協働による啓発活動などにより、市民レベルでごみの減量化や資源化を行うなど、

    資源循環型社会の構築を念頭においたごみ処理体制の確立を進めています。

    3)その他の施設 教育施設は平成21年(2009)には、幼稚園が、公立8園、私立2園の計10園、小学校が、

    公立小学校9校、中学校が、公立中学校3校、私立1校の計4校となっています。児童・生

    徒数は、小学校中学校とも、近年増加傾向にあります。

    その他の施設をみると、市役所周辺に田辺公園、田辺中央体育館、中央公民館、保健セン

    ター、社会福祉センター、消防本部などの公共施設が集積しています。

    文化・コミュニティ施設は、住民センターとして、北部住民センター「とうちく」に引き

    続き、中部住民センター「せせらぎ」を整備しました。

    福祉施設は、社会福祉センターや中部地域に立地している老人福祉センター「常磐苑」に

    加え、北部地域には老人福祉センター「宝生苑」と児童館が併設された「大住ふれあいセン

    ター」を整備しました。

  • 19

    1-1-6.歴史的資源や自然環境などの状況

    ①歴史自然や自然環境

    本市は奈良と京都の中間にあり、古

    くからの交通の要衝として開けたとこ

    ろで、継体天皇が山城の国に皇居を最

    初に定めた地でもあります。よって、

    市内には多くの歴史的資源が散在して

    おり、いにしえの営みを感じさせる風

    土を有しています。

    また、甘南備山の緑や木津川の水辺

    空間など多くの自然環境があり、これ

    らを利用したレクリエーション施設な

    ども整備されています。

    これら歴史的資源や自然環境を利用

    したレクリエーション施設、また、田

    園地帯などの美しい風景などは、京阪

    神の近郊レクリエーション地として十

    分な魅力があり、本市でも「京田辺市

    観光ガイドマップ」を作成するなど、

    観光資源の活用を図っています。

    ②河川

    市域の東側には木津川が流れており、

    市内を流れる河川は、この木津川に流

    入しています。これら河川の主なもの

    は、北から防賀川・手原川・天津神

    川・馬坂川・普賢寺川・鬼灯川・遠藤

    川で、それ以外の河川を含めると約30

    の河川があります。

    この河川の中には、防賀川・天津神

    川や馬坂川のように天井川を形成して

    いる区間もありますが、氾濫時に大き

    な被害が発生する恐れがあるため、天

    井川の切り下げが行われています。防

    賀川や馬坂川については、天井川形態

    の切り下げと併せ、アメニティ豊かな

    公園や緑道整備がなされてきました。

    山間部の美しい田園風景

    改修された防賀川

    大住車塚古墳

  • 20

    図 5-1:主な観光施設等の分布図

  • 21

    1-1-7.市民意向(第3次京田辺市総合計画市民意識調査結果より)

    「第3次京田辺市総合計画」の策定時に、「第3次京田辺市総合計画市民意識調査(平成 16

    年(2004)6月)」が行われました。京田辺市都市計画マスタープランでは、市民の声を反映

    し、市民主体のまちづくりに重点を置くため、この市民意識調査結果を反映させます。

    その中で、市民の本市に対するイメージや今後のまちづくりの方向に関する意識をまとめる

    と以下のようになります。

    (1)本市の魅力と誇りに思うこと

    自然環境が豊かである 一休寺がある 市街地がバランスよく整備されている 大阪・京都・奈良に近い立地条件 交通全般が便利である

    (2)今後望むまちの姿

    市民の誰もが健康で、生涯を安心して暮らせる健康・福祉のまち 防犯・交通安全対策や防災対策の整った安全なまち 自然やまちなかの緑に恵まれたまち 生活に必要な施設や都市の基盤が充実したまち

    (3)まちの問題点

    a)安心して暮らせるまち

    身近な生活道路の安全性や快適性の確保

    医療機関やその体制づくりの充実

    交通安全や防犯などまちの安全性を向上させる対策

    b)利便性の高いまち

    バス交通の利便性を向上させる対策

    公共公益施設などのバリアフリー化率向上

    c)自然やまちなかの緑に恵まれたまち

    環境保全への意識啓発などにとりくみ、良好な自然環境の保全

    公園や緑地の整備確保

    d)快適に生活できるまち

    雇用の場が少ないので、雇用の場の創出

    観光施策の振興

    身近なコミュニティ形成の場の創出

  • 22

    1-2.社会の潮流

    近年、少子高齢化の進展や環境問題への対応など、社会の潮流が大きく変化しています。

    このような状況の中、今後のまちづくりにおいて考慮すべき社会の潮流をまとめると以下

    のようになります。

    (1)都市の拡散と低密度化の進展

    モータリゼーションの進展などに伴い、産業や生活圏は広域化し都市が拡散しています。

    これら都市の拡散とともに、少子高齢化や人口減少が加わり、都市内の低密度化が進展

    し、地方都市などではシャッター通り化した商店街が増加するなど、都市基盤が整備され

    ている中心市街地やその周辺で空地化が進み未利用地が散在してきています。

    (2)人口減少・少子高齢化の進展

    我が国の人口は、平成 16 年(2004)をピークに減少へ転じており人口減少社会となり

    ました。

    これは、出生率の減少と 65 歳以上の高齢者数の増加が原因であり、今後少子高齢化は

    ますます進展するものと考えられます。この少子高齢化が進むと地域の担い手の減少や労

    働供給力の減少、医療介護負担の増加など市民生活活動全般に大きく影響を及ぼします。

    また、大都市郊外部の住宅地では団塊の世代が多く居住しており、今後一挙に高齢化が

    進展する可能性があり、その結果住民の転出、空き家などの発生といった深刻な問題に発

    展することが予想されます。

    (3)地球規模での環境問題への関心の高まり

    地球温暖化やヒートアイランド現象など、環境問題が深刻化する中で、人々の環境に対

    する関心は高まっており、自然環境との共生や循環型社会の促進など、環境に優しいまち

    づくりが求められています。

    (4)安全で安心して暮らせるまちづくり

    大規模地震や集中豪雨などによる災害の多様化傾向、地球温暖化の影響などによる都市

    における自然災害のリスクへの高まりに伴い、人々の防災に対する意識が高まっているこ

    とから、自然災害に対する市街地の防災機能向上や、災害発生時のコミュニティ活動の強

    化などが必要です。

  • 23

    (5)市民の価値観・ライフスタイルの多様化

    人々の価値観は、「モノの豊かさ」から「心の豊かさ」への考え方が強まり、モノから、

    教育・娯楽や保険・医療といったサービスへと変わり、市民ニーズも高度、多様化し、地

    域活動やボランティア活動への関心や、自然や健康に関する志向も高まっています。

    このような多様な生活スタイルや生活ニーズに的確に対応するため、地域コミュニティ

    活動の促進、歴史的資源や環境などの資源の保全や活用、都市機能の充実などが必要です。

    (6)地方分権社会の進展

    平成 12 年(2000)の「地方分権の推進を図るための関係法律の整備などに関する法律」

    の施行を契機として、平成 18 年(2006)には「地方分権改革推進法」が成立するなど、

    国・府への権限を市町村へ移譲する動きが活発化していることから、地方の自らの責任と判

    断の基に、実情に沿ったまちづくりを実践し、地方分権に対応した地域社会への対応を進め

    ることが必要です。

  • 24

    1-3.広域の将来像とまちづくりの動向

    (1)将来における本市と広域との繋がり

    本市は広域道路交通の結節点に位置しており、第二京阪道路の開通により大阪市内や関西

    国際空港、和歌山方面と直結されただけでなく全国の高速道路に繋がりました。

    また、現在整備中の京都縦貫自動車道(沓掛~大山崎:平成 24 年度(2012)完成目標)、

    (丹波~京丹波わち:平成 26 年度(2014)完成目標)が整備されれば、京都府北部とも高

    速道路で繋がります。さらに、新名神高速道路(城陽~八幡:平成 28 年度(2016))も整

    備されます。

    このように本市は、国土軸の大動脈やその補助的動脈となる広域道路交通が交わる重要な

    位置にあり、今後のまちづくりにおいて、広域道路ネットワークを活かしていく視点が重要

    と言えます。

    ■将来の広域道路交通計画

    (NEXCO 西日本関西支社管内道路網図平成 22 年 4月:参考)

  • 25

    (2)広域・地域から求められる本市の役割と機能

    本市を取り巻く広域関連計画のうち代表的なものについて、本市のまちづくりに関する将来

    像及び基本理念、基本方針などを踏まえ、広域や地域から求められる本市の役割・機能を整理

    すると以下のようになります。

    ◆本市を取り巻く広域関連計画◆

    ● 「明日の京都」 (平成 23 年(2011)1月:京都府)

    ● 「明日の京都」山城地域振興計画 (平成 23 年(2011)1月:京都府山城広域振興局)

    ● 京都南部都市広域行政圏計画 (平成 19 年(2007)2月:京都南部都市広域行政圏推進協議会)

    ● 綴喜都市計画 都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(平成 19 年(2007)11 月:京都府)

    ● 関西文化学術研究都市の建設に関する基本方針(平成 19 年(2007)4月:国土交通省)

    ● 関西文化学術研究都市(京都府域)の建設に関する計画(平成 20 年(2008)8月一部変更:京都府)

    ● 地域商業ガイドライン (平成 20 年(2008)10 月:京都府)

    ◇広域・地域から求められる本市の役割と機能◇

    ○ 広域道路交通の結節点としての立地特性を活かした産業拠点の形成

    ○ 商店街や小売業の振興と、中心市街地(田辺地区)の活性化

    ○ 人と自然が共生し、豊かな歴史・文化・自然と調和する都市環境の形成

    ○ 関西文化学術研究都市と従来からの市街地との一体的なまちづくり

    ○ だれもが安心して暮らせ、豊かで快適な生活環境の創造

    ○ 都市の中心性を高め、公共交通機関を活かした機能的な都市活動ができるコン

    パクトなまちづくり

  • 26

    1-4.本市におけるまちづくりの動向

    本市が目指す都市像の実現に向けて、総合的かつ計画的なまちづくりを推進していくため

    の指針となる『第3次京田辺市総合計画』では、まちづくりの方向性として、以下の内容を

    示しています。

    ◎本市が目指す都市像

    『緑豊かで健康な文化田園都市』

    ◎将来人口

    平成 32 年(2020) : 80,000 人

    ◎基本方向

    (1)だれもが安全・安心に暮らせるまちづくり

    広く世界の人々との友好交流を通じて国際的な相互理解を深めるとともに、人々が心を

    かよわせ、互いの人権を大切にし、共に支えあい、安心して暮らせる地域社会づくりを目

    指します。さらに、子どもから高齢者までだれもが生涯にわたって健康に、安心して生活

    でき、犯罪や事故、災害などの不安がなく、人にやさしい環境の整ったまちづくりに取り

    組みます。

    (2)快適で活力にみちたまちづくり

    これまでに引き続いて市民生活を支える都市基盤を一層充実させ、利便性を高めていく

    とともに、ゆとりある快適な生活環境づくりや地球環境保全に取り組む地域社会づくりを

    目指します。また、本市の個性を生かし、環境に負荷をかけない産業の活発な展開を支え

    るとともに、市民の雇用の拡大につなげるまちづくりに取り組みます。

    (3)心にうるおいのあふれるまちづくり

    木津川や甘南備山をはじめとする自然を大切に守り、身近な緑を育てるとともに、うるお

    いのある美しい景観を創出します。さらに、未来を担う心豊かな京田辺っ子が育つとともに、

    市民がいきいきと集い、共に学び楽しむ中で、京田辺らしい文化を創出する希望にみちたま

    ちづくりに取り組みます。

  • 27

    1-5.まちづくりの基本的課題

    これまでに整理してきた、「本市の現況」「市民意向(第3次京田辺市総合計画より)」

    「社会の潮流」「広域の将来像とまちづくりの動向」「本市におけるまちづくりの動向」を

    踏まえ、本市の都市計画マスタープランとして示すべき今後のまちづくりに関する基本的な

    課題を整理すると次のようになります。

    (1)環境にやさしい集約型都市構造(エコ・コンパクトシティ)のまちづくり

    本市の市街化区域では、道路・公園・下水道などの都市基盤施設の整備や、鉄道・バス

    などの公共交通が運行されており利便性が確保されていますが、市街地を拡大することで

    これら都市基盤施設なども新たに整備しなければならず、従来からの市街地の空洞化の原

    因にもなります。そこでむやみな市街地の拡大を抑制し、都市の分散化を防ぐことが必要

    です。

    それには、市街化区域内の空閑地や住宅資源、都市施設などのストックを有効活用し、

    市街地への機能の集約を図り、公共交通を活かした歩いて暮らせるまちとしての都市整備

    を進めることにより、環境負荷の軽減が図られることから、効率的で機能的な集約型都市

    構造(エコ・コンパクトシティ)の形成を促進していくことが必要です。

    (2)高齢化社会に対応したまちづくり

    今後、高齢化や人口減少に伴い、住民の転出や空き家が発生し、従来からの市街地の空

    洞化が進む可能性があります。これらを防止するためには、従来からの市街地の住宅資源

    や都市施設などのストックを有効活用するとともに、現在整備中の住宅開発地も含めて、

    若い世代の転出防止や転入促進対策を推進していく必要があります。

    また、高齢化と共に世帯の少人数化が進んでおり、1人暮らしの高齢者や高齢者のみの

    世帯が増えてくることが考えられます。そのため、地域に若い世代を増やし、2~3世代

    の構成がつくれるような住宅地の形成を図るとともに、地域内のコミュニティを強化して

    いくことも必要です。

    (3)広域道路ネットワークを活用し産業が活性するまちづくり

    本市では第二京阪道路の全線開通により、全国との広域道路ネットワークに連結された

    ことから、この好条件を活かし、近郊農業などの第一次産業の活性化、既存工業などの第

    二次産業を充実させるとともに、流通業や付加価値の高い新しい産業の企業誘致を進め、

    関西文化学術研究都市の学術研究機能の立地を促進するなど、あらゆる産業の場において、

    本市の特性を活かした産業の活性化と雇用の場の創出を図っていくことが必要です。

  • 28

    (4)商業施設の充実と地域の顔づくり

    本市は北部、中部、南部の3つの地域に分かれ、それぞれの地域の拠点である、北部地

    域拠点(JR松井山手駅周辺)、中部地域拠点(近鉄新田辺駅・JR京田辺駅周辺)、南

    部地域拠点(近鉄・JR三山木駅周辺)の3カ所に商業が集積し、まちの顔づくりが進め

    られています。これら3駅については、以下の課題があります。

    ①JR松井山手駅周辺

    周辺住民だけでなく広域からの利用者も取り込める、魅力ある商業拠点の形成が必要

    です。

    ②近鉄新田辺駅・JR京田辺駅周辺

    大型店舗の出店が見られますが、小規模小売店の振興や既存商業地の活性化を図り、

    まちの中心にふさわしいにぎわいのある商業拠点の形成が必要です。

    ③近鉄・JR三山木駅周辺

    新しい住宅開発地の整備に対応し、近隣住民の利便性を向上させる商業拠点の形成が

    必要です。

    以上の課題に対応するため、拠点の特性に応じた商業施設の集積をめざし、市外へ流出

    している消費者を呼び戻し、地元での購買力を上げていくことが必要です。

    (5)安心して暮らせるまちづくり

    ①災害に備えるまちづくり

    自然災害に対しては、河川整備や、山間部での土砂災害防止対策、急傾斜地崩壊危険

    区域や砂防指定地などの法規制による未然に災害を防ぐ対策と、避難場所や避難路の整

    備など、災害発生時の対策を図ることが必要です。

    都市災害への対策としては、緊急車輌が円滑に通行できる緊急輸送路の整備や建物の

    不燃化・耐震化などが必要です。

    災害に対しては災害発生時に困らないよう、普段から地域コミュニティを充実すると

    ともに、市民と行政が協力できる体制づくりが必要です。

    ②安心して暮らせ、みんなにやさしいまちづくり

    全ての人が円滑に移動できるよう公共施設などのバリアフリー化を推進するとともに、

    幹線道路から身近な生活道路にいたるまで道路利用者が安全に通行できるよう、歩道の

    バリアフリー化などを推進することで、みんなが安心して暮らせるやさしいまちづくり

    の実現が必要です。

  • 29

    (6)環境と暮らしの共存を図ったまちづくり

    本市には多くの自然があり、良好な自然環境や美しい景観を形成しています。

    このような自然環境は保全していく必要があり、今後の都市整備事業においても豊かな

    自然との調和を基調とした取り組みが大切です。

    そこで市街化区域においては、ゆとりの空間としての自然の活用を、市街化調整区域に

    おいては、農林業と調和のとれた自然の保全を基本とし、地域特性に応じた整備計画の中

    で、自然と暮らしの共存を図ることが必要です。

    また、循環型社会の促進やCO2の排出低減を図るためには、環境負荷の小さい都市活

    動への転換が必要であり、環境との共生を推進する低炭素型都市の構築が求められていま

    す。

    (7)多様なニーズに応える住んで楽しいまちづくり

    市民のニーズの高度化、多様化に対応するため、市民活動の場となるコミュニティ施設

    の充実や、歴史・文化・自然など地域独自の資源の保全や観光などへの活用、きめ細やか

    な都市機能の充実を図り、本市に通う学生が住みたいと思うような、住んで楽しいまちづ

    くりが必要です。

    一方、これら多様なニーズにきめ細かく対応して行くには、行政だけでなく市民などの協

    力が不可欠です。そのため、市においても市民やNPO、事業者との関係を深め、まちづく

    りにおいて市民などの参画を推進するとともに役割分担を明確化し、市民・NPO・事業

    者・行政が協働してまちづくりを進めていくことが必要です。

  • 30

    2.まちづくりの方針

    2-1.将来の都市像とまちづくりの基本目標

    本市では、豊かな自然や培われた歴史を背景としながら、京都・大阪の近郊に位置す

    る立地環境や交通条件から、近年急速な都市化が進み、現在も新たな市街地整備が進め

    られています。また、広域幹線道路や北陸新幹線の整備などにより、本市の利便性は、

    これまで以上に向上していくことが予想されます。

    一方、近年社会の潮流は急速に変化しており、時代に合わせた整備が必要となります。

    このような状況の中、これからのまちづくりを考えていく上では、広域の将来像とまち

    づくりの動向を把握・活用し、また、社会の潮流を踏まえ市民とともに、本市独自の個

    性をもったまちづくりを進めていく必要があります。

    そこで、まちづくりの指標となる都市計画マスタープランでは、前章で整理した「ま

    ちづくりの基本的課題」を踏まえ、まちづくりの基本方向である「将来の都市像」と

    「まちづくりの基本目標」を以下のように定めます。

  • 31

    ◆将来の都市像◆

    『緑豊かで健康な文化田園都市』

    ◆まちづくりの基本目標◆

    ① 快適で住んで楽しいまちづくり

    ② 地域特性を活かした活力あるまちづくり

    ③ 心にうるおいのあふれるまちづくり

    ④ だれもが安全・安心に暮らせるまちづくり

    ◇ 本市の現況 ◇

    ◇ まちづくりにおける基本的課題 ◇

    1.環境にやさしい集約型都市構造

    (エコ・コンパクトシティ)のまちづくり

    2.高齢化社会に対応したまちづくり

    3.広域ネットワークを活用し産業が活性するまちづくり

    4.商業施設の充実と地域の顔づくり

    5.安心して暮らせるまちづくり

    6.環境と暮らしの共存を図ったまちづくり

    7.多様なニーズに応える住んで楽しいまちづくり

    社 会 の 潮 流

    広域の将来像と

    まちづくりの動向

    市 民 意 向

    本市における

    まちづくりの動向

    (第3次京田辺市総合計画)

  • 32

    ◇目標とする将来の都市像◇

    本市は、大都市への高い利便性と優れた自然環境を兼ね備えた「田園都市」の理想を基

    礎として、これまで、産業機能や生活機能がバランスよく配置され、さらには 21 世紀の

    文化・文明を創造する新文化首都―関西文化学術研究都市の一翼を担う、まさに「文化田

    園都市」と呼ぶにふさわしい都市を目指し着実な発展を続けてきました。

    「第3次京田辺市総合計画」では、この基本的な方向をしっかりと受け継ぎながらまち

    づくりを進めていくものとし、本市が目指す将来の都市像として「緑豊かで健康な文化田

    園都市」とし、同時に基本的課題として次のように設定しています。

    (1)暮らしやすい都市へ (2)持続的に成長する都市へ (3)交流の都市へ

    京田辺市都市計画マスタープランは、「第3次京田辺市総合計画」における将来像を実

    現していくための、都市計画に関する基本的な方針を示すものです。よって、目指すべき

    将来の都市像は総合計画と同じ「緑豊かで健康な文化田園都市」とします。

    一方、本市では民間の住宅開発などにより人口が増加し若い世代も増えていますが、従

    来からの市街地では高齢化や人口減少が進み、空き家の発生などによる市街地の空洞化の

    可能性も考えられます。

    「持続的に成長する都市」を目指す上では、産業地の拡大による雇用の創出に伴う若い

    世代の増加策など、従来からの市街地での課題を解消するまちづくりも必要です。

    よって将来の都市像は、道路や下水道などの都市施設や住宅などの既存ストックを活か

    しながら、各地域の拠点に商業・業務などの機能の充実を図り、各拠点と周辺住宅地や既

    存集落などを公共交通と連携させることを基本とした、まちを元気にしていく「京田辺市

    型集約都市構造」を目指します。

    ◇京田辺市型集約都市構造のイメージ(クラスターインクラスター都市構造)◇

    本市は、北部、中部、南部の3つの地域に分かれており、それぞれ鉄道を中心とした拠

    点とその周辺のクラスター型の住宅地で構成されています。各々の地域の中心拠点は駅前

    広場などの都市施設や公共交通のネットワークが整備されており、これら既存ストックを

    活かしながら「誰もが住みやすいまちづくり」を図るため、地域毎に各拠点へ商業・医

    療・福祉・教育などの都市機能集約を図り、拠点と各住宅地などを公共交通で連携するこ

    とで3つのクラスターを形成し、あわせて、北部、南部地域を市の中心拠点である中部地

    域と鉄道などで連携することにより、本市全体が1つの集約型都市構造となる成熟型、再

    生型都市構造を目指します。

    これが、本市が目指す京田辺市型集約都市構造(クラスターインクラスター都市構造)です。

  • 33

    2-2.まちづくりの基本方針と将来の都市構造

    2-1で示したまちづくりの基本目標を実現するため、まちづくりの基本方針を以下の

    ように設定し、それを将来都市構造イメージとして模式的に示します。

    (1)まちづくりの基本方針

    ①快適で住んで楽しいまちづくり

    ◇利便性が高く行政運営の効率化が図れるまちづくりをめざし、集約型都市構造の形成

    を進めます。

    ◇多世代交流やコミュニティ活動が活発な住んで楽しいまちづくりをめざし、計画的な

    住宅地の整備や既存住宅地の再構築を進めます。

    ②地域特性を活かした活力あるまちづくり

    ◇良好な交通環境を活かし、既存工業の充実や新しい産業地の創出を進めます。

    ◇近郊農業の活性化を図り、良好な農業環境を保全し充実します。

    ◇にぎやかで活気があるまちづくりをめざし、既存商業地の振興や活性化を図ります。

    ③心にうるおいのあふれるまちづくり

    ◇環境に対する負荷を低減するため、都市機能の集約を図ります。

    ◇心にうるおいがあふれるまちづくりをめざし、良好な自然環境や住環境、美しい景観

    を保全します。

    ◇新旧の文化が融合するまちづくりをめざし、歴史的資源の保全や関西文化学術研究都

    市の整備を図ります。

    ④だれもが安全・安心に暮らせるまちづくり

    ◇安全で快適に歩けるみちづくりをめざし、幹線道路から身近な生活道路にいたるまで

    バリアフリー化などにより安全・安心な道づくりを進めます。

    ◇安心して暮らせるまちづくりをめざし、災害に対する対策を進めます。

    ◇安心して健康に過ごせるまちづくりをめざし、福祉・医療施設やコミュニティ施設な

    どの充実を目指します。

  • 34

    ◆将来の都市像とまちづくりの基本方針

    (2)将来の都市構造

    本市の北部、中部、南部地域とクラスターは、地域毎にそれぞれの特色を活かしたま

    ちづくりが図れる都市構造を目指すとともに、これら北部、南部地域と、本市の中心で

    ある中部の生活拠点を鉄道などで連携することで、本市全体として多元的な集約型都市

    構造の構築を目指します。

    ◇北部地域(クラスター)

    JR松井山手駅周辺を、都市基盤が整備され商業・業務施設が集積する地域の生活

    拠点とします。この地域の生活拠点と開発された住宅地や田園集落をバスなどの公共

    交通により結ぶことで、自動車を使わなくても生活できる誰もが歩いて暮らせる都市

    を目指します。

    さらに、住宅地と産業ゾーンとの連携強化により職場と住まいの近接を図ることで、

    誰もが住みやすいまちを目指します。

    ◇中部地域(クラスター)

    近鉄新田辺駅、JR京田辺駅周辺の都市基盤が整備され商業・業務施設が集積する

    拠点と、行政サービス機能が集積する市役所周辺を連携させることで、本市全域にお

    ける市民生活の中心となる生活拠点を形成します。

    この生活拠点と地域内にある従来からの住宅地をバスなどの公共交通により結ぶこ

    とで、自動車を使わなくても生活できる誰もが歩いて暮らせる都市を目指します。

    さらに、住宅地と2つの産業ゾーンとの連携強化により職場と住まいの近接を図る

    ことで、誰もが住みやすいまちを目指します。

  • 35

    ◇南部地域(クラスター)

    近鉄・JR三山木駅周辺を、都市基盤が整備され商業・業務施設が集積する地域の

    生活拠点とします。

    この地域の生活拠点と従来からの住宅地や関西文化学術研究都市の新しく開発中の

    住宅地をバスなどの公共交通により結ぶことで、自動車を使わなくても生活できる誰

    もが歩いて暮らせる都市を目指します。

    さらに、歴史資源や自然が豊かな山間地区の集落と地域の拠点との連携強化により、

    ゆとりとうるおいのある緑豊かなまちを目指します。

    ◆将来都市構造イメージ

  • 36

    2-3.将来の都市フレーム

    (1)将来人口フレーム

    本市の人口は、昭和 40 年代後半以降急速な増加を示し、その後も増加傾向を続け、平

    成 27 年(2015)の国勢調査結果では、70,835 人となっています。

    我が国の人口は、全国的に平成 17 年(2005)に初めて減少に転じ、大都市近郊地域にお

    いても今後は人口増加が鈍化、減少に転じるものと見込まれていますが、本市では、大都

    市に近接した利便性の高い立地条件を生かし、今後も松井山手、三山木、南田辺北地区な

    どにおける計画的な住宅地開発を促進することで、当面は着実な人口増加が見込まれてい

    ます。

    本計画での将来人口フレームは、「第3次京田辺市総合計画」との整合を図り、平成

    32 年(2020)を目標年次として約 80,000 人と設定します。

    平成32年(2020)の将来人口フレーム 約80,000人

    (2)土地フレーム

    都市計画マスタープランが示す都市の将来像の基礎となる土地利用の見通しは、次のよ

    うになります。

    (住居系土地利用)

    住居系土地フレームは将来人口の約 80,000 人をもとに算出すると、約 845ha となり、

    現在の市街化区域内の住居系用途面積約 870ha に収まるので、将来人口の増加に対し市街

    化区域の拡大を行わなくてもまかなえることとなります。

    (商業系土地利用)

    現在の商業の水準を保ち、将来人口に対して必要な商業系土地フレームを算出すると、

    約 70ha となり、現在の商業系用途地域面積に対し少々不足しています。今後の少子高齢

    化の進行も見据え、住宅地に近接した沿道での近隣商業整備を進めるとともに、魅力的な

    都市環境を備えた利便性の高い快適なまちづくりを目指し、集約型都市構造として駅周辺

    の拠点への更なる都市機能の集約を進めるため、既存商業地の高度利用とあわせて区域の

    拡張を図ることで対応します。

    (工業系土地利用)

    現在の製造品出荷額等の水準を京都府平均まで伸ばし、かつ、将来人口に対して必要な

    工業系土地フレームを算出すると、約 155ha となり、現在の工業系用途地域面積より大き

    くなります。集約型都市構造を目指す上で職住近接の自立したまちづくりを行う面から工

    業系土地利用の拡大により対応するとともに、広域道路網の結節点という交通利便性を活

    かして更なる拡大を図ります。

  • 37

    3.将来のまちづくり構想

    3-1.都市の骨格

    将来の土地利用方針を設定するにあたり、都市の骨格を次のように設定します。

    市の生活拠点

    (近鉄新田辺駅・JR京田

    辺駅周辺及び交流拠点を含

    んだ地域)

    本市の市民生活の中心として、かつまちの玄関口にふさわ

    しい魅力的で利便性が高い商業・業務施設など多様な施設

    が集積した、にぎわいのあるまちの中心地の形成を図りま

    す。

    また、市の生活拠点と交流拠点を連携することで、本市の

    中心拠点としていきます。

    交流拠点

    (市役所周辺)

    行政サービス機能の集積を図るとともに、レクリエーショ

    ン機能を併設させ、市民が集え交流が図れる場の中心とな

    る拠点の充実を図ります。

    地域の生活拠点

    (JR松井山手駅周

    辺、近鉄・JR三山木

    駅周辺)

    JR松井山手周辺地区は、北部地域の拠点として位置づけ

    ます。近隣地域も含めた比較的広いエリアからの利用を想

    定し、魅力にあふれた商業地の形成を図ります。

    近鉄・JR三山木駅周辺地区は、南部地域の拠点として位

    置づけます。周辺住民だけでなく、関西文化学術研究都市

    の北の玄関口として相応しい機能が充実した商業地の形成

    を図ります。

    近隣の生活拠点

    (JR大住駅周辺、

    近鉄興戸駅・JR同

    志社前駅周辺)

    徒歩及び自転車圏からの利用を想定した、周辺住民の生活

    利便を向上させるため、周辺環境の充実を図ります。

    産業流通拠点

    (京田辺松井 IC 地区、大住

    工業地区、田辺西工業地

    区、草内工業地区)

    良好な交通環境を活かし、既存工業の充実を図ると共に新

    しい産業の誘致が図れるような、産業活動の中心地として

    いきます。

    文化学術研究拠点 関西文化学術研究都市に指定されている、田辺地区、南田

    辺地区、普賢寺地区について、関西文化学術研究都市の整

    備とあわせたまちづくりを図ります。

    レクリエーション拠点 甘南備山一帯や田辺公園、木津川河川敷公園などについ

    て、自然を活用し、市民の憩いの場としていきます。

    都市拠点

    市全体や地域にとって、利便性が高く効率的な行政運営が図れるよう、必要な都市

    機能を集積させる場所です。

    それぞれの機能別に7種類の拠点を設定します。

  • 38

    南 北 中 心 軸 ・(都)山手幹線と、(都)山手幹線から枝分かれし、本市の北端部

    から八幡市方面を結ぶルート

    本市の北部、中部、南部地域の3つの拠点や近隣の生活拠点を有機的

    に連携させる主軸としていきます。

    また、八幡市・精華町など周辺南北市町との連携を図ります。

    東 西 支 援 軸 ・国道 307 号と(主)生駒井手線

    枚方市や生駒市など大阪・奈良方面や、木津川右岸地域など、本市の

    周辺東西市町との連携を図ります。

    産 業 支 援 軸 ・(都)松井大住線など木津川沿いのルート

    第1次・2次・3次産業など、多様な産業活動の利便向上に寄与する

    軸として、周辺市町や広域交流軸と各産業地の連携を図ります。

    広 域 交 流 軸 ・自動車専用道路

    本市と広域との交流を図る軸として位置づけます。

    全国各地と本市との連携強化を図ります。

    生 活 軸 ・(主)八幡木津線(旧道)や(都)新田辺草内線など、生活に密着

    したルート

    日常生活に重要な路線であり、公共交通を基本に、3つの拠点や近隣

    の生活拠点とその他市街地間を連携させる軸であり、暮らしの利便性

    向上と往来の安全性確保を図ります。

    う る お い 軸 ・木津川や主要河川などの水辺空間を利用しながら、市内各地を連携

    するルート

    水辺環境などを利用した空間により、市民にうるおいを与える軸であ

    り、レクリエーション拠点や他の軸などを結んだ、水と緑のネット

    ワークの形成を図ります。

    都市軸 人や物の流れなど、広域や都市拠点相互の連絡をスムーズに行う主軸となるもので

    す。

    それぞれの機能別に6種類の軸を設定します。

  • 39

  • 40

    3-2.将来の土地利用方針

    現状の土地利用を踏まえ、将来における土地利用の基本方針を定め、その方針を基に将

    来都市像を具体化する将来土地利用方針を定めます。

    この将来土地利用方針は、都市の骨格をもとに、商業系土地利用、産業系土地利用、住

    宅系土地利用、自然系土地利用、その他土地利用をバランスよく配置します。

    (1)商業系土地利用

    ○既存商業地の充実と活性化を図るとともに、地域の玄関口となる駅周辺や市の中心部

    に商業・交流機能を配置し、生活拠点の充実を図ります。

    ゾーン

    名称 具体的な箇所 土地利用方針 イメージ

    市の生活拠点

    ま ち の 中

    心ゾーン

    近鉄新田辺駅とJ

    R京田辺駅周辺

    本市における市民生活の中心としてふさわしい、商業・業務・文化・医療など多様な施設が立地し、人々が集まるにぎわいのある空間形成をめざします。

    都市基盤が整備され、商業・業務・文化・医療施設など多様な施設が集積し、利便性が高いまちの中心地

    地域の生活拠点

    ま ち の 副

    拠 点 ゾ ー

    JR松井山手駅周

    辺及び近鉄・JR

    三山木駅周辺

    北部、南部地域の市民の生活利便を向上させるだけでなく、広域や近隣地域の住民の利便を支える商業・業務機能の充実をめざします。

    都市基盤が整備され、地域の中心となる商業・業務施設などが集積する、にぎわいのある地域の中心地

    近隣の生活拠点

    近 隣 生 活

    サ ー ビ ス

    ゾーン

    JR大住駅周辺及

    び近鉄興戸駅とJ

    R同志社前駅周辺

    近隣住民の生活利便を向上させる施設整備と機能の充実をめざします。

    生活利便施設が立地する親しみのある景観を有した地区

    沿道利用ゾー

    (都)山手幹線、

    国 道 307 号 、

    (主)生駒井手線

    沿道の市街化区域

    区間

    周辺地域の生活利便性の向上を図るとともに、道路利用者の利便性の向上を図ります。

    飲食店や自動車交通に対応した商業施設・生活サービス施設などが立地する美しい街路景観を有する地区

    沿道サービス

    ゾーン

    (都)山手幹線、

    国道 307 号沿道の

    市街化調整区域区

    周辺環境との調和を図りながら、道路利用者の利便性の向上を図ります。

    道路利用者が利用する施設が立地可能な地区

  • 41

    (2)住宅系土地利用

    ○既存住宅地や集落地については、生活環境の向上を図るとともに用途混在を抑制しま

    す。

    ○新たな市街地整備が進められる地区については、良好な環境を有し、高齢化社会やバ

    リアフリーに対応した住宅地の形成を図ります。

    ゾーン

    名称 具体的な箇所 土地利用方針 イメージ

    住環境保

    全型住宅

    ゾーン

    主に、京阪東ロー

    ズタウンから大住

    ケ丘にかけての住

    宅地、一休ケ丘周

    辺及び学研都市南

    田辺地区

    地区計画などによって、良好

    な住環境と、美しいまちなみ

    の保全を図ります。

    計画的に整備され

    た市街地で、戸建

    住宅や集合住宅が

    建ち並ぶ閑静な住

    宅地

    都市活力

    型 住 宅

    ゾーン

    住宅系土地利用が

    なされ、住環境保

    全型住宅ゾーンを

    除くエリア

    都市基盤施設の充実により、

    多様な住宅が共存し、人々が

    ゆとりと快適さを実感できる

    住宅地をめざします。

    戸建住宅や集合住

    宅が共存する多様

    性のある住宅地

    (3)産業系土地利用

    ○広域幹線道路網の整備による立地条件の飛躍的な向上を踏まえ、周辺の自然や農地、

    集落などと調和した工業・流通機能の拡充を図りながら集積を促進し、さらなる工業

    地の拡大についても検討します。

    ○農業地域については、都市近郊農業の場として保全します。市街化区域内の農地につ

    いては、周辺の住環境と調和した良好な市街化を誘導するとともに、景観や防災など

    の観点から、必要な農地の計画的な保全を図ります。

    ゾーン

    名称 具体的な箇所 土地利用方針 イメージ

    都市型産

    業ゾーン

    京田辺松井 IC 地

    区、大住工業地

    区、田辺西工業地

    区、及び草内工業

    地区

    環境にやさしく、かつ生産性

    の高い工場や流通施設が集積

    する産業ゾーンをめざしま

    す。

    周辺地域の景観と

    調和した工場・流

    通業務の集積地

    田園集落

    と農地の

    活用ゾー

    市街地の北部から

    東部にかけての木

    津川に沿った田園

    地帯

    農業基盤及び都市的生活環境

    がともに整備された集落をめ

    ざします。

    美しい田園風景と

    集落が調和してい

    る地域

  • 42

    (4)自然系土地利用

    ○田園集落や山間集落については、農林業や自然環境との調和を図ります。

    ○甘南備山や普賢寺の山間部の地域では、農業生産の充実や災害からの安全性の確保な

    どを図りながら、自然と共生した暮らしが営まれる地域の形成を図ります。

    ○木津川の河川敷と堤防については、水と緑の保全を基調としながら、親水性のあるレ

    クリエーション空間としての利用を図り、さらに、こうしたレクリエーション空間や

    公園、緑地などを有機的に結ぶ水と緑のネットワークの形成を図ります。

    ○市民や山林所有者、行政の協働による自然環境の保全に取り組むとともに、人々が自

    然とふれあいながら散策や健康づくり、レクリエーションなどを楽しめる空間づくり

    を進めます。

    ゾーン

    名称 具体的な箇所 土地利用方針 イメージ

    山林と農

    村の共存

    ゾーン

    まちの南部に広が

    る山林と、その中

    に点在する集落

    集落内では生活基盤施設の整

    備を進め、関西文化学術研究

    都市の施設との調和や、自然

    環境の保全・活用を図りま

    す。

    美しい山の緑と、

    山あいの集落が調

    和している地域

    水辺の憩

    いゾーン

    木津川の田辺木津

    川運動公園と草内

    木津川運動公園周

    親水性のあるスポーツ・レク

    リエーション地域をめざしま

    す。

    市民や近隣都市の

    居住者が、集い、

    親しめる水辺のレ

    クリエーション空

    緑の保全

    ゾーン

    野外活動センター

    竜王こども王国か

    ら甘南備山にかけ

    山の緑を保全しつつ、自然環

    境を活用して自然とふれあえ

    るレクリエーション地をめざ

    します。

    市民や近隣都市か

    らの利用者が、豊

    かな緑と里山風景

    の中で楽しめるレ

    クリエーション空

    (5)その他土地利用

    ○市役所を核とし、公共公益施設や田辺公園が集積する地区を公共公益ゾーンとして位

    置づけ、行政サービスやスポーツ・レクリエーション機能が集積した市民が集え交流

    が図れる場としての充実を図ります。また、田辺西インターチェンジ周辺については、

    老朽化したごみ焼却施設の更新を行うとともに、緊急輸送道路である京奈和自動車道

    と国道 307 号の結節点としての立地特性を活かし、防災拠点の形成を図ります。

    ○文化学術研究ゾーンは、「関西文化学術研究都市(京都府域)の建設に関する計画」

    における、各地区の整備方針に従い、土地利用を図るとともに、周囲の自然環境と調

    和した景観の形成を図ります。

    ○文化学術研究推進ゾーンは、同志社山手地区地区計画に基づき、幹線道路沿道の立地

    条件を活かした土地利用を図るとともに、周辺環境に配慮した景観の形成を図ります。

  • 43

    ○土地利用検討ゾーンは、現在の市街地周辺で比較的まとまった空閑地がある地域など

    の中から、将来においても農用地としての活用が望ましい地域や、治水などの防災面

    での対応が不可能な地域を除き、市街化の可能性を検討する地域を設定しています。

    ゾーン

    名称 具体的な箇所 土地利用方針 イメージ

    公共公益

    ゾーン

    市役所周辺 市役所を核とし、公共公益施

    設や田辺公園等のスポーツ・

    レクリエーション機能が集積

    し、市民が集え交流する場と

    しての充実をめざします。

    市域のほぼ中央部に位置する立地条件と、南北軸、東西軸の交通機能を活かし、市内各地から多くの市民が集い憩い交流する場

    田辺西 IC 周辺 ごみ焼却施設の更新を行いま

    す。また、緊急輸送道路の結

    節点という立地特性を活か

    し、防災拠点を整備します。

    ごみ焼却施設

    防災拠点

    文化学術

    研究ゾー

    学研都市の田辺地

    区(同志社大学など) 、

    南田辺地区、普賢

    寺地区

    関西文化学術研究都市の整備

    方針に基づき、周辺の自然環

    境や集落環境と調和した市街

    地整備を誘導していきます。

    未来を拓く知の創

    造都市として人や

    環境にやさしい新

    しいまち

    文化学術

    研究推進

    ゾーン

    学研都市の南田辺

    北地区山手幹線沿

    地区や周辺居住者への生活利

    便性を向上させる沿道型の商

    業機能や高環境都市として必

    要なサービス・産業業務機能

    の立地誘導を図ります。

    沿道型商業施設や

    産業業務施設など

    が立地する美しい

    景観を有する地区

    土地利用

    検討ゾー

    JR 京田辺駅・近

    鉄新田辺駅周辺、

    八幡京田辺 JCT・

    IC 周辺及び京田

    辺松井 IC 周辺、

    大住工業地区周

    辺、草内工業地区

    周辺、近鉄興戸駅

    と JR 同志社前駅

    周辺の市街化調整

    区域、(都)山手

    幹線と(主)生駒

    井手線の交差部周

    土地利用のニーズや市街化動

    向を勘案し、土地利用のあり

    方について検討します。

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    4.まちづくりの整備方針

    4-1.市街地・集落などの整備方針

    ◆基本方針◆

    ◆整備方針◆

    (1)工業地の整備方針

    工業地を整備する場合には、周辺環境や自然環境に配慮した土地利用を誘導します。

    大住工業地区では、土地区画整理事業などによりエリアを拡大し、工業系土地利用の整備を促進します。

    草内工業地区では、未利用地の土地利用を促進するとともに、今後の需要を見極めながらエリアの拡大を検討します。

    田辺西工業地区では、インターチェンジに隣接した立地条件を活かし、まちの西の玄関口にふさわしい産業集積地をめざして施設立地を誘導します。

    新名神高速道路の八幡京田辺 JCT・IC 周辺や第二京阪道路の京田辺松井 IC 周辺では、広域道路ネットワークの利便性を十分活用できる流通施設の立地を促進す

    るとともに、更なる拡張を検討します。

    (2)商業地の整備方針

    <近鉄新田辺駅やJR京田辺駅周辺の地区>

    本市の中心地として、商業・業務・文化・医療などの多種多様な機能の充実を図るとともに、更なる都市機能の集約を図るため、区域の拡張を検討し、魅力的な

    都市環境を備えた利便性の高い快適なまちづくりを進めます。

    近鉄新田辺駅東側の商業集積地では、道路などの基盤整備により歩行者の安全性の確保や回遊性の向上を図ります。

    既存の商業・業務機能を活用した地域活性策について検討を進めます。

    ◇工業地では、広域道路ネットワークを活用するとともに、周辺環境に配慮しな

    がら、効率的で持続可能な産業活動を支援する環境整備を推進します。

    ◇商業地では、それぞれの地域特性を活かし、市民が集い、憩い、交流する多様

    な機能の充実を図り、便利でにぎわいのある商業空間の形成を推進します。

    ◇住宅地では良好な住環境が形成され、その保全が図られるよう誘導します。

    また、関西文化学術研究都市の整備状況に対応し、地区のポテンシャルを最大

    限引き出せるよう、国や府とも協力し新たな土地利用のあり方を検討するとと

    もに、「京都府住生活基本計画」等に基づき、住生活の基盤となる良質な住宅

    や住環境の形成及び豊かな住生活の確保をめざします。

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    <JR松井山手駅周辺の地区>

    北部地域の拠点として、鉄道や第二京阪道路のパーキングエリア、将来的な北陸新幹線の新駅の利用者も視野に入れた、商業・業務機能の充実を図ります。

    <近鉄・JR三山木駅周辺の地区>

    南部地域の拠点として、また、学研都市の北の玄関口として、計画的な基盤整備や優れた市街地環境の形成、地域交流拠点の整備などを総合的に進めます。

    土地区画整理事業によって整備された環境を活用し、商業・業務施設の集積が図れるよう検討を進めます。

    <その他の駅周辺地区>

    各駅の立地条件や駅勢圏に応じて、近隣住民の生活利便性を向上させる施設の充実を図ります。

    (3)住宅市街地の整備方針

    ○新市街地

    【事業中の住宅開発地】

    京阪東ローズタウン、関西文化学術研究都市南田辺地区、三山木地区特定土地区

    画整理事業区域を位置づけます。

    <京阪東ローズタウン>

    地区計画により住環境を保全し、良好な住宅地の形成を誘導します。 <南田辺地区>

    関西文化学術研究都市(京都府域)の建設に関する計画に基づき、文化学術研究施設や良好な住宅地などの市街地形成を誘導します。

    地区計画により住環境を保全し、良好な住宅地の形成を誘導します。 <三山木地区>

    土地区画整理事業が完了間近であり、地区計画により、適正かつ合理的な土地利用を誘導します。

    【既存住宅開発地】

    既に計画的な住宅地が形成された地区を位置づけます。

    土地区画整理事業などにより計画的な住宅地が形成された地区であり、一部では地区計画が定められています。その他の地区についても地域住民と連携し、地区

    計画制度の導入を検討し、住環境の保全を図ります。

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    ○従来からの市街地

    新市街地以外の住宅系市街地を位置づけます。

    一般的な市街地については、生活道路などの都市基盤施設の整備を進めます。 未利用地などがまとまっている地区は、無秩序な開発が起こらないよう、計画的な宅地化を誘導します。

    地区計画制度などの活用により良好な住環境の保全や形成を図るとともに、住民主体のまちづくりをめざします。

    ○公的賃貸住宅などの整備方針

    市営住宅や府営住宅は、良質な社会ストックとして今後も活用するとともに、安全で良好な住環境の形成を図ります。

    「京田辺市営住宅長寿命化計画」に基づき、市営住宅の耐震性向上やバリアフリー化を計画的に進めます。

    適切な情報提供を行うとともに、高齢者や障害者に配慮した住宅の導入を進めます。

    (4)集落の整備方針

    ○木津川沿いに広がる田園集落

    都市基盤施設の整備を図りつつ、良好な営農条件の確保と居住環境の向上を図り、周辺の環境と調和のとれた田園集落の形成を図ります。

    ○山間に広がる田園集落

    山間に点在する集落は、市街地から離れ自然に恵まれた状況にあります。また、ほ場整備によって良好な農業基盤の整備がなされた地区が多くなっています。今

    後は、都市基盤施設の整備を図りつつ、良好な営農条件の確保と居住環境の向上

    を図ります。

    (5)その他地区の整備方針

    近鉄興戸駅西側地区については、天井川の切下げ工事に合わせて、駅へのアクセス機能の向上に向けた基盤整備を推進します。

    関西文化学術研究都市普賢寺地区については、うるおいのある自然環境を活かした学術研究機能施設の立地を促進します。

    市街化調整区域のうち、交通の要所となっている地区など都市的な土地利用の需要が高い地区については、周辺の土地利用と整合性のとれた土地利用のあり方を

    検討します。

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    4-2.都市施設の整備方針

    4-2-1.道路・交通の整備

    1)道路

    ◆基本方針◆

    ■幹線道路ネットワーク■

    本市における幹線道路ネットワークを以下のように設定します。

    ○広域幹線道路(自動車専用道路など、広域的な自動車交通を受け持つ道路)

    周辺都市との連携を図る道路 ・新名神高速道路

    ・京奈和自動車道

    ・第二京阪道路

    ○主要幹線道路(一般国道、主要地方道など主要な都市圏域の骨格を構成する道路)

    市内発生交通の処理に加えて、通過交通を円滑に処理することができる機能的な道路

    ・国道 307 号 ・(主)生駒井手線((都)三山木普賢寺線)

    ・(主)枚方山城線 ・(都)山手幹線

    ・(都)松井大住線~(都)内里高野道線 ・(都)八幡田辺線~(都)大住草内線

    ・(都)池ノ端丸山線

    ○地域幹線道路(地域に密着した交通環境を形成していく道路)

    地域の暮らしに身近な道路 ・(主)八幡木津線((都)同志社三山木駅前線)

    ・(都)新田辺草内線 ・(都)新田辺一休ケ丘線

    ・(都)薪新田辺線 ・(都)新田辺駅前線

    ・(都)南田辺三山木駅前線 ・(都)三山木多々羅線

    ・(都)南田辺狛田中央線 ・(都)南田辺狛田東西線

    *(都)…都市計画道路、(主)…主要地方道を示す

    ◇将来の道路計画を検討するにあたっては、道路を効果的に機�