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子どもたちが、さまざまな体験や学びを通じて、自身の夢や希望
をもち、積極的に挑戦し続けられるよう、知・徳・体の調和のとれ
た人間形成をめざします。
第1章 子どもがのびのび
学べる環境づくり
【施策1】幼稚園・小学校・中学校教育の充実
(1)幼児教育の充実
ア 幼児教育の推進
(2)「確かな学力と自立する力の育成」を図る
義務教育の充実
ア 一人ひとりを確実に伸ばす教育の推進
イ 確かな学力の育成
ウ グローバル社会や時代の変化に対応する教育の推進
エ 特別支援教育の推進
(3)「豊かな心と健やかな体の育成」を図る
義務教育の充実
ア 豊かな心を育む教育の推進
イ 生徒指導の充実
ウ 人権を尊重した教育の推進
エ 健康の保持・増進
オ 体力の向上と学校体育活動の推進
【施策2】高等学校教育の充実
(1)高等学校教育の推進
ア 魅力ある高等学校づくり
-27-
施策1 幼稚園・小学校・中学校教育の充実
幼児の生活に関して基本的な生活習慣の乱れなどが指摘されており、幼
児教育の重要性が高まっています。また、家庭では、子育てについて悩み
や不安を抱える状況が見られ、家庭の教育力の向上が課題となっていま
す。
幼児期の教育は、生涯にわたる人格の基礎を形成する大切な役割を果た
しており、幼稚園においては家庭・地域と連携し、子どもたちが適切な教
育を受けられるよう、様々な教育活動の充実を図ることが極めて重要で
す。
また、小学校生活に適応できない「小1プロブレム」が問題となってお
り、幼稚園・保育所等と小学校との十分な連携を図ることが課題となって
います。
幼稚園等での生活が、小学校以降の生活や学習の基盤の育成につながる
ことに配慮し、子どもの発達や学びの連続性を踏まえた幼児教育を行うこ
とが求められています。
子どもがのびのび学べる環境づくり ア 幼児教育の推進
施策の方向性
◆子育ての目安「3つのめばえ」を活用し、「生きる力」の基礎を育む幼児教育を推
進します。
◆幼児一人ひとりの望ましい発達を促す教育を推進し、指導内容・指導方法の工夫・
充実を図ります。
◆発達や学びの連続性を視野に入れた幼児教育を充実するため、「接続期プログラム」
を活用し、家庭や地域、小・中学校と連携・協力した幼児教育を推進します。
-28-
(1)幼児教育の充実
主な取り組み
「生きる力」の基礎をはぐくむ幼児教育の推進
●幼稚園教育要領の内容を踏まえ、幼稚園において適切な環境を構成し、幼児
の興味や関心、発達の実情に応じた主体的な遊びを通して、「生きる力」の基
礎を育む幼児教育を推進します。
●子育ての目安「3つのめばえ」を活用し、「生活」「他者との関係」「興味・
関心」の視点について、子どもたちの小学校以降の生活や学習の基盤を育成し
ます。
幼児教育の指導内容・指導方法の工夫・充実
●市立幼稚園においては、指導主事の幼稚園訪問での指導助言や研修会等を通
して、幼児一人ひとりの発達に対応した指導内容・指導方法の工夫・充実を図
ります。
小・中学校と連携した幼児教育の推進
●「接続期プログラム」を活用し、幼稚園教員と小学校教員との相互交流や合
同研修会の開催、幼児と児童の様々な交流体験などを促進し、学びの連続性を
視野に入れた小学校への滑らかな接続を図ります。
●幼稚園・保育所等と小学校との連携を深めるとともに、幼稚園・小・中学校
における学校間連携の研究を通し、子どもたちの発達を見通した教育の充実を
図ります。
-29-
施策1 幼稚園・小学校・中学校教育の充実
グローバル化が進展する中、人口が減少し、経済規模の縮小も懸念され
るなど、社会の変化は激しくなっていきます。このような社会を生き抜く
ためには、子どもたち一人ひとりが社会的に自立し、能力を発揮すること
が重要になります。
そのためには、思考力・判断力・表現力等の確かな学力の育成、自らを
律しつつ、他者を思いやる心などの豊かな心の育成、心身ともに健康で健
やかな体づくりなど知・徳・体の調和のとれた生きる力の育成が重要です。
また、特別な教育的支援を必要とする児童生徒には、個別の指導計画に
より、一人ひとりのニーズに応じた適切な支援が求められます。
これからの教育は、今まで以上に、児童生徒一人ひとりの成長に着目し、
一人ひとりを確実に伸ばす教育が大切となります。
子どもがのびのび学べる環境づくり ア 一人ひとりを確実に伸ばす教育の推進
施策の方向性
◆「全国学力・学習状況調査」及び「埼玉県学力・学習状況調査」の結果を分析し、
児童生徒一人ひとりの学力向上と学校の課題改善に取り組みます。
◆川口市学力向上支援事業を推進し、児童生徒一人ひとりの学習意欲や学力を高める
とともに指導内容・指導方法の工夫・改善を進めます。
◆児童生徒一人ひとりの知・徳・体の調和のとれた人間形成に向けた教育の研究・実
践に取り組みます。
-30-
(2)「確かな学力と自立する力の育成」を図る義務教育の充実
主な取り組み
「全国学力・学習状況調査」や「埼玉県学力・学
習状況調査」の活用
●「全国学力・学習状況調査」や「埼玉県学力・学習状況調査」を活用し、児
童生徒の基礎的・基本的な知識や技能の定着状況、思考力・判断力・表現力や
学習意欲・態度を把握し、児童生徒一人ひとりの学力を確実に伸ばす学習指導
を進めます。
●児童生徒一人ひとりの学力の経年変化を的確に把握することにより、指導の
改善につなげます。
川口市学力向上支援事業の推進と指導内容・指導
方法の工夫・改善
●学力向上を重点においた教職員研修や授業の評価の観点・項目を示した「授
業改善シート」を活用し、教師の授業力の向上に取り組みます。
●学力向上支援事業(「川口漢字チャレンジ検定」「手づくり社会科マップコン
テスト」「小学校低学年基礎学力定着度調査」「理科オリンピック」)を推進し、
児童生徒一人ひとりの基礎的・基本的な知識や技能の確実な定着と思考力・判
断力・表現力の育成を図ります。
●学力向上を重点においた教職員研修の実施や、「学力向上アイディア実践事
例集」の活用を通して、指導内容・指導方法の工夫・改善を図ります。
児童生徒一人ひとりを確実に伸ばす教育の研究・
実践
●川口市児童生徒学力向上推進委員会、徳力向上推進委員会、体力向上推進委
員会、ライフスキルかわぐち推進委員会を通し
て、児童生徒一人ひとりの確かな学力の育成、
豊かな心の育成、健やかな体の育成を図ってい
きます。
●特別な支援を必要とする児童生徒一人ひとり
の教育的ニーズを把握した上で必要な支援を検
討し、将来に向けた自立と社会参加を視野に入
れて指導内容を工夫します。
-31-
施策1 幼稚園・小学校・中学校教育の充実
◆「川口市学力向上推進プラン」に基づく児童生徒の学力向上に取り組みます。
変化の激しい社会を子どもたちが主体的、創造的に生き抜いていくため
には、基礎的・基本的な知識や技能の確実な定着や、学んだ知識や技能を
活用して課題を解決するための思考力・判断力・表現力、主体的に学習に
取り組む態度を身に付けることが重要です。
本市の小・中学生の学力は、全国学力・学習状況調査の結果から、知識
や技能の定着に課題のある内容が一部に見られるほか、学んだ知識や技能
を活用する力の育成に一層取り組む必要があります。
そのためには、授業改善をはじめとする学力向上に向けた取組を一層進
めていくことが重要です。
子どもがのびのび学べる環境づくり イ 確かな学力の育成
施策の方向性
-32-
(2)「確かな学力と自立する力の育成」を図る義務教育の充実
主な取り組み
「全国学力・学習状況調査」や「埼玉県学力・学習
状況調査」の活用(再掲)
●「全国学力・学習状況調査」や「埼玉県学力・学習状況調査」を活用し、児童生
徒の基礎的・基本的な知識や技能、思考力・判断力・表現力などの活用する力
と学習意欲・態度を把握し、児童生徒一人ひとりの学力・学習意欲を確実に伸
ばす学習指導を進めます。
●児童生徒一人ひとりの学力の経年変化を的確に把握することにより、指導の
改善につなげます。
基礎的・基本的な知識や技能の定着に向けた取組
●「かわぐちっ子ワークシート集(算数・数学、理科)」や、「英語(外国語活
動)ワークシート集」の活用を推進します。
●川口漢字チャレンジ検定、手づくり社会科マップコンテスト、小学校低学年
基礎学力定着度調査、理科オリンピック等の学力向上支援事業を充実させるこ
とで、基礎的・基本的な知識や技能の定着と学習意欲の向上を図ります。
指導内容・指導方法の工夫・改善
●学習指導要領に基づく教育課程を着実に実施し、児童生徒の学習意欲を高
め、確かな学力を確実に身に付けさせるため、指導内容・指導方法を工夫・改
善します。
●指導主事の学校訪問での指導助言や学力向上に重点をおいた教職員研修や、
「学力向上アイディア実践事例集」の活用を通して、教師の授業力の向上に取り
組みます。
●授業の評価の観点・項目を示した「授業改善シート」を活用し、教員一人ひと
りの達成状況や課題を明らかにすることにより、授業改善を図ります。
少人数指導などのきめ細やかな指導の充実
●児童生徒に対してきめ細やかな指導を実現するため、少人数指導や習熟度別
指導など個に応じた指導を進めます。
-33-
施策1 幼稚園・小学校・中学校教育の充実
これからの社会を主体的に生きる日本人を育成するためには、国際社会
の平和と発展に寄与する態度を養う教育が大切です。また、グローバル化
の進展に伴い、国際社会の中で生きる力がますます大切となることが想定
されます。
また、ICTの発展・普及に伴い、ICTを適切に活用できるようにす
る教育や、環境問題に対応した持続可能な社会の構築のための教育、科学
技術を担う人材の育成などの重要性が高まっています。
このように、産業構造の変化や雇用の多様化が進む中で、子どもたちが
「生きる力」を身に付け、様々な課題に柔軟に、かつ、たくましく対応し、
社会人・職業人として自立できることが求められています。
子どもがのびのび学べる環境づくり ウ グローバル社会や時代の変化に
対応する教育の推進
施策の方向性
◆グローバル化の進展に対応する力を育む教育を推進するとともに、小・中学校、高
等学校における外国語活動、外国語教育などを充実します。
◆情報及び情報手段を主体的に選択し、活用していくための情報活用能力の育成を図
るなど、ICTを適切に活用する教育を推進するとともに、児童生徒の自然の事物・
現象に対する興味・関心を高め、科学的な見方や考え方を育成します。
◆働くことの意義や好ましい職業観を育成するため、発達段階に応じた組織的・系統
的なキャリア教育を推進します。
-34-
(2)「確かな学力と自立する力の育成」を図る義務教育の充実
主な取り組み
グローバル化に対応する教育の推進
●中学生、高校生を海外に派遣したり、外国の生徒の受入れを行ったりするこ
とにより豊かな国際感覚と日本人としての自覚や責任を身に付け、国際社会の
平和と発展に寄与する態度を養い、グローバル社会に貢献できる人材を育成し
ます。
●グローバル化に対応する教育や児童生徒のコミュニケーション能力を高め
る外国語活動、外国語教育などを充実するため、教員の指導力や専門性の向上、
外国語指導助手の適切な配置などに取り組みます。
情報活用能力の育成・理科教育の推進
●児童生徒に情報活用能力を身に付けさせるために、各教科等の指導計画との
連携を図り、主体的に活用できる学習活動を充実します。
●児童生徒の情報活用能力を育成するとともに、ICTを活用した実践的な指
導を含めた研修を充実し、教員の指導力向上を図ります。
●川口理科オリンピックを実施するとともに、
科学館等との連携により先進的な学習機会の
提供などを通して、児童生徒の理科に対する
興味・関心を高めます。
キャリア教育の推進
●児童生徒が主体的に自己の進路を選択できる能力を身に付けるため、教育活
動全体を通じて、発達段階に応じた組織的・系統的なキャリア教育を推進する
とともに、家庭や地域・企業などと連携した取り組みを推進します。
●社会人・職業人として自立できるよう、地域や産業界と連携・協力し、児童
生徒の職業観・勤労観を育成します。
●地域や産業界、関係機関と一体となって川口の元気夢わーく体験事業(職場
体験活動)を実施します。
●中学校においては、主体的により適切な進路を選択できるよう、生徒と保護
者から信頼される進路指導を促進します。高等学校においては、家庭や地域、
大学、企業等との連携を強化するとともに、就職カウンセラーの派遣などを通
して、生徒の進学、就職を支援する取り組みを推進します。
-35-
施策1 幼稚園・小学校・中学校教育の充実
国においては、「障害者の権利に関する条約」の批准を受け、障害のあ
る子どもが障害のない子どもと共に学ぶことを大切にするとともに、障害
のある子どもが必要な指導・支援を受けられる多様な学びの場を用意する
インクルーシブ教育システムの構築の必要性が示されました。
本市では、これまでに、ノーマライゼーションの理念に基づく教育を推
進し、国や県の動向も踏まえながら特別支援教育の充実に取り組んできま
した。
現在、本市では、特別支援学級在籍の児童生徒や、通常の学級において
発達に課題のある児童生徒が増加の傾向にあり、特別支援教育に対する理
解と、指導支援に当たる人材の育成、施設設備の充実等も含め、早期から
の適切な支援をどのように充実していくのかが、喫緊の課題となっていま
す。
また、多様な学びの場の構築として就学システムを整備し、幼稚園・小
学校・中学校において、早期からの一貫した就学指導による適切な支援を
行う体制づくりを進める必要があります。
子どもがのびのび学べる環境づくり エ 特別支援教育の推進
施策の方向性
◆インクルージブ教育システムの構築に向けて、特別支援学級の設置と特別支援教育
の推進のための体制整備の充実を図ります。
◆特別な配慮を要する幼児児童生徒への適切な支援の充実を図ります。
◆早期からの適切な教育的対応ができるように、関係諸機関との連携を強化します。
◆教員の専門性を向上し、一人ひとりの能力や特性を生かした効果的な指導の充実に
努めます。
-36-
(2)「確かな学力と自立する力の育成」を図る義務教育の充実
主な取り組み
特別支援学級の設置と特別支援教育の推進のため
の体制整備
●拠点校方式による、特別支援学級の設置を計画的に進めます。
●通常の学級に在籍する発達障害および、難聴・言語障害に関して支援の必要
な児童生徒のための通級指導教室の整備及び支援体制の充実を図ります。
●ユニバーサルデザインの視点を取り入れた学習環境を構築し、授業実践を推
進します。
特別な配慮を要する幼児児童生徒への適切な支援
の充実
●特別な配慮を要する幼児児童生徒の学習の支援を効率的に実施するために
特別支援教育支援員、特別支援学級等補助員等による支援体制及び支援内容の
充実を図ります。
●学級担任や保護者等、専門的な見地からの助言を行う特別支援教育アドバイ
ザーによる巡回教育相談の充実を図ります。
早期からの就学支援体制の充実
●適切な教育的対応が早い段階からできるように、関係諸機関等と連携し、就
学相談体制の整備を進めます。
●一人ひとりの発達に応じた個別の教育支援計画及び個別の指導計画を作成
し、適切な就学相談につなげます。
教員の専門性の向上
●若手教員等への研修を通じて、障害のある児童生徒への指導の充実を図りま
す。また、県立特別支援学校との連携をはかり、教職員の専門的な指導技術の
習得を図ります。
交流および共同学習の充実と支援籍学習の推進
●障害のある子どもと、障害のない子どもが一緒に学ぶ機会を積極的に設け、
支援籍学習を推進するとともに、交流および共同学習の充実を図ります。
●一人ひとりの教育的ニーズに応じた多様な学びの場を整備します。
-37-
施策1 幼稚園・小学校・中学校教育の充実
家庭の教育力の低下や地域コミュニティの弱体化とともに、自尊感情や
規範意識の低下、人間関係の希薄化が指摘されています。
子どもたちに基本的な生活習慣を身に付けさせ、規範意識を高めるとと
もに、健全な自尊感情を育み、自らを律しつつ、他者を思いやる心や感動
する心などの豊かな人間性を育む必要があります。そのため、家庭と連携
し、道徳の時間を要とした学校の教育活動全体を通じた道徳教育を推進す
ることが求められています。
また、子どもたちは、他者との関わりや社会、自然環境の中での体験が
不足しています。思いやりの心や規範意識、学習意欲、目的意識、望まし
い勤労観・職業観などの豊かな人間性や社会性を育む体験活動等が必要で
す。
子どもがのびのび学べる環境づくり ア 豊かな心を育む教育の推進
施策の方向性
◆「特別の教科 道徳」に関わる改正の趣旨やその特質についての理解に基づき、各
学校において、道徳教育に関する全校的な指導体制を確立するとともに、道徳の時間
の充実を図り、学校の教育活動全体を通じて道徳教育を推進します。
◆川口市児童生徒徳力向上推進委員会、ライフスキル推進委員会を設置し、子どもた
ちの心を育む研究を推進し成果を発信します。
◆子どもたちの豊かな人間性や社会性を育むため、「川口の元気夢わーく体験事業」
や「ライフスキルかわぐち」を推進します。
◆子どもたちが、自ら読書に親しみ、読書を楽しむ習慣の定着を図るために、家庭、
地域、学校における子どもたちの読書活動を推進します。
-38-
(3)「豊かな心と健やかな体の育成」を図る義務教育の充実
主な取り組み
道徳教育の充実
●「特別の教科 道徳」に関わる改正の趣旨やその特質についての理解と実際
の指導に資する充実した研修を実施し、各学校における道徳の時間を一層充実
させるとともに、道徳教育を学校の教育活動全体を通じて行えるよう、道徳教
育推進教師を中心とした校内指導体制づくりを推進します。
●10月9日を「川口市道徳の日」として設定し、各校で道徳の授業公開など
を通して道徳教育の取り組みを家庭・地域に示すとともに、各校の取り組みを
市役所内に掲示して広く市民に発信し道徳教育の充実を図ります。
子どもたちの心を育む研究の推進
●川口市児童生徒徳力向上推進委員会「道徳」部会において、子どもたちの道
徳性、「特別活動」部会において、よりよい生活や人間関係を築こうとする自
主的・実践的な態度を育成する実践研究を推進します。
●ライフスキルかわぐち推進委員会において、児童生徒一人ひとりの自尊感情
を育み、日常生活で直面する様々な問題に主体的に対処し、前向きに行動でき
る力を育成する実践研究を推進します。
「川口の元気夢わーく体験事業」や「ライフスキ
ルかわぐち」の推進
●子どもたちに豊かな人間性や社会性を育成するため、道徳的実践の場として
の体験活動の充実に取り組みます。
●豊かな体験活動の一環として、今後も、「大貫海浜学園」「水上自然教室」に
おける宿泊体験学習や、職場体験活動・社会福祉体験活動等を行います。
●市内全小・中学校で「ライフスキルかわぐち」を教育課程に適切に位置付け、
学校の教育活動全体を通してライフスキル教育を推進します。
読書活動の推進
●各学校における朝読書や読み聞かせ、ブックトークなど読書に親しむ場づく
りに取り組むとともに、川口市立中央図書館など関係機関との連携や家庭・地
域との連携を図りながら読書活動を推進します。
●児童生徒の主体的、意欲的な読書活動を支える学校図書館の図書や読書環境
を整備・充実します。
-39-
施策1 幼稚園・小学校・中学校教育の充実
青少年の非行・問題行動は、行動範囲や交友関係が広域化、集団化する
とともに、粗暴化、凶悪化が進んでいます。少年非行については、全体的
に減少傾向にあるものの、刑法犯で検挙・補導された中学生の割合が依然
として高校生の割合を上回っているなど低年齢化が進行しており、再非行
の割合も高い状況にあります。また、携帯電話やスマートフォン等による
トラブルが増加傾向にあります。
このような現状を考えると、少年非行を防止するための取り組みや非行
など様々な問題への対応を、地域や関係機関が連携して取り組むととも
に、学校と家庭が連携して一貫性をもった生徒指導体制を確立し、取り組
みを進める必要があります。
また、「小1プロブレム」や「学級がうまく機能しない状況(いわゆる
学級崩壊)」、「中1ギャップ」などへの対応についても継続して取り組む
必要があります。
子どもがのびのび学べる環境づくり イ 生徒指導の充実
施策の方向性
◆校内指導体制を確立し、あらゆる教育活動を通じて積極的な生徒指導を推進しま
す。
◆学校、家庭、地域、関係機関と連携した非行・問題行動の防止に取り組みます。
◆関係機関や学校・家庭・地域が一体となって、有害環境から子どもを守る取り組み
を行います。
-40-
(3)「豊かな心と健やかな体の育成」を図る義務教育の充実
主な取り組み
生徒指導体制の充実
●校内指導体制を確立し、児童生徒一人ひとりに対する理解に基づいた生徒指
導を推進するとともに、暴力行為などの発生時に組織的に対応する指導体制の
充実を図ります。
●学校の生徒指導上の問題や「小1プロブレム」、「学級がうまく機能しない状
況」、「中1ギャップ」の解決に向け、指導体制づくりに取り組む学校を支援し
ます。
●スクールカウンセラー、すこやか相談員・サポート相談員や教育研究所相談
員等との連携を図り、積極的な生徒指導を推進します。
学校、地域、関係機関と連携した非行・問題行動
の防止
●学校と地域、警察、青少年対策室などの関係機関との連携を図り、いじめや
非行問題行動を未然に防止するための取り組みを推進します。
●非行防止対策協議会を開催し、本市における非行・問題行動の現状を明らか
にするとともに、学校、警察、青少年健全育成団体と連携を図り、未然防止、
再発防止に取り組みます。
●川口市補導会や川口市生徒指導委員会を通して、各学校間と地域、警察、防
犯対策室などの関係機関とのネットワークを形成し、情報の共有と連携の強化
を図ります。
●非行防止教室や薬物乱用防止教室を充実するとともに、保護者の参加も促
し、非行・問題行動の未然防止に取り組みます。
有害環境から子どもを守るための取り組みの推進
●メディア上の有害情報など、社会の有害環境から子どもたちを守るために、
警察職員や電気通信事業者等の外部指導者と連携して、犯罪やトラブルの未然
防止に取り組みます。
●子どもが自らの意志で有害情報に接しない判断力の育
成や有害情報に接することができない環境づくりに向け
た、保護者や関係者への啓発活動を推進します。
-41-
施策1 幼稚園・小学校・中学校教育の充実
現在、偏見や差別など人権に係る様々な問題が発生しています。いじめ
の深刻化や児童虐待、高齢者や障害のある人への人権侵害など、様々な立
場で人権問題が起こっており、また、インターネットによる人権侵害や拉
致問題など、新たな人権侵害も起こっています。
このような人権問題の解決のためには、学校、家庭、地域社会を通じて、
児童生徒をはじめ広く市民に人権尊重の精神を培う人権教育を推進してい
くことが大切です。そこで、人権に関する正しい知識を身に付けさせると
ともに、人権への配慮がその態度や行動につながるような人権感覚を身に
付けさせる必要があります。
子どもがのびのび学べる環境づくり ウ 人権を尊重した教育の推進
施策の方向性
◆人権教育を推進するための指導者を養成します。また、様々な人権問題を解決する
ための基盤となる人権感覚の育成を図るため、指導内容・指導方法を見直し、改善し
ます。
◆子どもたちが自他の命を尊重し、主体的に人権問題について考える取り組みを推進
します。
◆インターネットによる人権侵害や北朝鮮当局による拉致問題など、新たな人権問題
に対応した教育の充実を図ります。
-42-
(3)「豊かな心と健やかな体の育成」を図る義務教育の充実
主な取り組み
人権教育推進体制の充実
●学校全体の指導方法の工夫・改善と人権教育を推進する指導者の育成を図る
ため、管理職及び教員を対象とした研修を実施します。
●家庭・地域社会における人権教育を
推進するため、学校関係者や行政職員、
人権擁護委員やPTAの代表者などが
参加する川口市人権教育推進協議会会
員を対象とした人権教育研修を行いま
す。また、公民館ごとに市民対象の人
権教育講座を開催します。
人権教育の指導内容・指導方法の工夫・改善
●児童生徒や保護者をはじめとする県民の豊かな心や人権感覚を育むための
「人権感覚育成プログラム」(埼玉県教育委員会)を取り入れた授業など、実
践的な研究を行い、指導方法の工夫・改善に取り組みます。
人権問題を主体的に考え行動する児童生徒の育成
●いじめをはじめとした人権問題について児童生徒が主体的に考え、人権作文
や人権メッセージ等に表現する取り組みを通して、児童生徒の豊かな人権感覚
を育みます。
様々な人権課題に対応した教育の充実
●新たな人権問題を含めた様々な人権問題の解決のため、それに対応した人権
教育の推進に役立つ情報提供を行うなど、各学校や公民館等に働きかけます。
-43-
施策1 幼稚園・小学校・中学校教育の充実
近年における都市化、少子化、情報化、国際化など社会環境や生活様式
が大きく変化する中、児童生徒の心身両面にわたる現代的な健康上の問題
が生じています。特に、心の健康、薬物乱用、生活習慣病、アレルギー疾
患、感染症など様々な問題が年々深刻化し、健康教育の一層の充実が求め
られています。
生涯にわたって健康で生き生きとした生活を送るためには、食事、運動、
睡眠などにおける望ましい生活習慣の確立が重要ですが、特に食習慣は、
子どもの頃の習慣が将来の食習慣の形成に大きな影響を及ぼします。食生
活の多様化が進む中で、栄養バランスのとれた豊かな学校給食は、心身の
健全な発達だけでなく、成長期にある児童生徒の望ましい食習慣を形成
し、皆と一緒に食事をすることで人間関係を豊かにするなど多様な教育効
果が期待できます。学校給食を重要な教育活動として、食育の生きた教材
となる学校給食の充実と学校における食育の推進が求められています。
子どもがのびのび学べる環境づくり エ 健康の保持・増進
施策の方向性
◆学校・家庭・地域の関係機関が連携し、児童生徒が健康で充実した学校生活を送る
とともに、生涯にわたって良好な健康管理ができるよう、学校保健活動を充実します。
◆不安定な思春期における児童生徒の心と体のバランスに配慮した性に関する指導
や、薬物乱用防止教育を推進します。
◆栄養バランスのとれた豊かな食事を提供することにより、健康の保持増進、身体の
健全な発達を図ります。
◆食に関する指導を効果的に進めるために、給食の時間はもとより、各教科、特別活
動、総合的な学習の時間等の学校教育活動全体を通じて、食育の推進に取り組みます。
-44-
(3)「豊かな心と健やかな体の育成」を図る義務教育の充実
主な取り組み
学校保健の充実
●各学校で学校保健計画を作成し、児童生徒、教職員、PTA、学校医などで
構成する学校保健委員会を中心に、家庭や地域の関係機関と連携を図り、児童
生徒の望ましい生活習慣を培い、健康管理の充実に取り組みます。
●アレルギー疾患やメンタルヘルスなど、児童生徒の現代的な健康課題への対
応に取り組みます。特に食物アレルギーについては、校内で学校長を中心に食
物アレルギー対応委員会を組織し、教職員研修などの充実、共通認識の浸透、
緊急対応時の体制整備など、学校全体での取り組みを促進します。
●児童生徒の発達段階に応じ、がん、糖尿病等の生活習慣病、循環器系疾患な
どの疾病に関する正しい知識を普及啓発し、学齢期はもとより、生涯にわたり
健康の保持増進のために必要な実践力を育成する保健学習の充実を図ります。
性に関する指導や薬物乱用防止教育の推進
●養護教員や学校保健担当者への研修を実施するなど、児童生徒の心と体のバ
ランスに配慮した性に関する指導、性感染症の予防・啓発を充実します。
●薬物が体に与える影響や依存症の危険性を伝える教育を進めるとともに、
地域関係機関と連携し日常生活全般を通じて薬物乱用防止を図ります。
食育の推進
●楽しい食事や給食活動を通して、食に関する正しい知識と望ましい食習慣を
身に付けるとともに、好ましい人間関係の育成を図ります。
●食に関する知識や能力等を総合的に身につけることができるよう、各教科等
における個々の食に関する指導を教科横断的な指導として関連付け、学校教育
全体で食に関する指導を進めていきます。
●学校給食を通して、地域特有の食文化や産業などの理解を図るとともに、生
産者への感謝の心や郷土愛を育むため、地元農産物を活用するなど地産地消を
推進します。
栄養バランスのとれた豊かな食事の提供
●成長期にある児童生徒の心身の健全な発達のため、栄養バランスのとれた安
全でおいしく豊かな食事を提供します。
-45-
施策1 幼稚園・小学校・中学校教育の充実
昭和60年頃をピークとして低下傾向にあった本市児童生徒の体力は、
川口市児童生徒体力向上推進委員会での取り組みを中心に、市全体で体力
の向上に努めてきた結果、近年上昇傾向を示しています。しかし、全国的
には、子どもたちの生活全体から日常的な身体運動が減少しており、運動
をする子どもとしない子どもの二極化の傾向も指摘されています。今後
も、体育の授業を中心に学校教育活動全体で体力向上に取り組むととも
に、基本的な生活習慣や運動習慣の確立を図るために、家庭や地域との連
携した取り組みが必要です。
また、学校における運動部活動は、生徒の豊かな人間性を育むとともに、
体力向上や生涯にわたってスポーツに親しむ態度を養うなど大きな役割
を果たしています。今後は、発達段階に応じた運動部活動の一層の充実が
求められています。
子どもがのびのび学べる環境づくり オ 体力の向上と学校体育活動の推進
施策の方向性
◆児童生徒の体力向上の取り組みをより一層推進するとともに、発達段階に応じた体
力に関する数値目標を設定し、達成に向けて市内全校で取り組みます。
◆教員の指導力を向上させ、体育授業・学校体育活動・運動部活動の充実に取り組み
ます。
◆学校が家庭や地域と連携して、健康・安全に関する指導を充実するとともに、児童
生徒の生活習慣の改善や運動習慣の確立を図ります。
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(3)「豊かな心と健やかな体の育成」を図る義務教育の充実
主な取り組み
児童生徒の体力向上の取組
●川口市児童生徒体力向上推進委員会を中心に、結果の考察や分析を行い、児
童生徒一人ひとりに合わせた具体的な数値目標を設定します。
●体力向上に関する情報や実践事例などを紹介し、きめ細かい指導の実践に取
り組みます。
学校体育の充実
●体育授業を中心に、教育活動全体をとおして運動に親しむ取組を推進するこ
とで、児童生徒の生涯にわたる豊かなスポーツライフの実現をめざします。
●運動部活動の意義や発達段階を踏まえた指導が行えるよう、顧問教員の資質
能力の向上を図るとともに、外部指導者の活用を含めた地域との連携を推進し
ます。
●教員の体育実技に関する専門的な指導力の向上と学校体育活動における事
故防止・安全性を確保するための指導者研修を充実します。
生活習慣の改善や運動習慣の確立
●心身の健康の保持増進に関する指導の充実を図るとともに、健康に関する情
報を家庭や地域へ啓発します。
●日常生活を通して運動に親しむ習慣づくりについて、家庭や地域へ啓発しま
す。
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施策2 高等学校教育の充実
市立高等学校には、市内の人材を育成して地域文化を支えるなど、本市
の発展において一翼を担っていくという大きな使命があり、このような高
等学校づくりの推進は、社会の変化と共にますます重要度が高まってきて
います。
また、生徒一人ひとりの能力や個性の伸長を図り、進路実現を叶えるこ
とが求められています。現在の市立高等学校3校については、それぞれの
歴史や伝統を踏まえ、特色ある教育活動を継続しているところですが、各
校における進学実績の更なる向上が課題となっています。
平成30年度に開校する新市立高等学校は、文武両道の教育方針のも
と、知・徳・体の調和のとれた人材の育成、科学技術創造立国である我が
国をリードする人材の育成や、本市の将来を背負って立つ地域社会のリー
ダーの育成、加えて、本市の小・中学校における学力向上を担うリーディ
ング校としての役割も求められています。
子どもがのびのび学べる環境づくり ア 魅力ある高等学校づくり
施策の方向性
◆新市立高等学校は、本市小・中学校の学力向上を担うリーディング校として、地域
社会のリーダーとなる人材を育成する学校をめざします。
◆新市立高等学校は、科学技術創造立国である我が国をリードする人材を育成する学
校をめざします。
◆新市立高等学校は、多様な生徒の興味・関心や進路希望に対応し、進路保証を可能
とする教育を推進する学校をめざします。
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(1)高等学校教育の推進
主な取り組み
学力向上のリーディング校としての教育の推進
●少人数授業を充実させ、きめ細かな教科指導の徹底化を図り、学力向上に
取り組みます。
●新市立高等学校生を海外に派遣するなど、グローバルな人材の育成を図りま
す。
●市内の小・中学校に新市立高等学校生を派遣するなど、小中高の学校間連携
を図り、市内全体の学力向上を進めます。
進路保証ができる教育の推進
●理数科を設け、実験・実習・体験活動等を通して、将来につながる「科学的
なものの見方・考え方」の育成を図ります。
●最先端科学技術を有する研究施設や大学等との連携を図り、研究者等による
出張講義や共同研究なども実施します。
科学分野の知識や技術の習得を重視した教育の推進
●普通科に特進クラスを設置し、難関大学への進学をめざします。
●予備校などの民間教育機関と連携し、急激に変化する入試制度等に的確に対
応できるような進路指導体制を整えます。
●地元の企業と連携を図り、インターンシップやボランティア活動を推進し、
社会的・実践的体験活動を通して働く意義について考えることで、キャリア教
育を主体的に進めます。
新市立高等学校 校舎棟外観イメージ 新市立高等学校 校舎棟内部イメージ
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