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第1章 - Yugawara€¦ · Web view前 期 基 本 計 画 (たたき) 2011年~2015年 神奈川県 湯河原町 目 次 前期基本計画 21 施策体系図 21 重点プロジェクト

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(仮称)新湯河原町総合計画

前 期 基 本 計 画

(たたき)

2011年~2015年

神奈川県 湯河原町

資料3

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目  次

前期基本計画 21

○  施策体系図 21

●  重点プロジェクト 22 1 駅前周辺整備プロジェクト 22 2 観光交流プロジェクト 23 3 一人一躍プロジェクト 24 4 定住人口増加プロジェクト 25 5 公共施設再編整備プロジェクト 26 6 地球温暖化防止プロジェクト 27

 基本目標1 魅力と活力にあふれるにぎわいのあるまちづくり 28 1 基幹産業の振興 28(1) 観光 28(2) 温泉 34 2 地域産業の振興 35(1) 商業・サービス業 35(2) 工業 37(3) 農業 38(4) 林業 41(5) 漁業海業 43 3 勤労者対策の推進 45(1) 雇用対策 45(2) 勤労者福祉 47

 基本目標2 ともに支えあい笑顔で暮せるまちづくり 48 1 保健・医療の充実 48(1) 健康づくり 48(2) 予防対策 50(3) 医療 51 2 福祉の充実 52(1) 地域福祉 52(2) 児童福祉・子育て支援 55(3) 障がい児者福祉 57(4) 高齢者福祉 60 3 社 n会保障の充実 62(1) 介護保険 62(2) 社会保険 64(3) 生活支援・ひとり親福祉 66

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 基本目標3 四季彩と暮らしが調和した安全・安心のまちづくり 67 1 自然環境の保全 67(1) 地球温暖化対策 67(2) 自然保護 69(3) エネルギー 70 2 循環型社会の構築 71(1) ゴミ処理 71(2) し尿処理 73(3) 環境学習・教育 74(4) 環境衛生 75(5) 上下水道 76 3 安全な暮らしの確保 78(1) 防災・危機管理 78(2) 治山・治水 81(3) 交通安全 82(4) 防犯 83(5) 消防救急 84(6) 消費生活 87 4 計画的な土地利用の推進 88(1) 土地利用 88(2) 住宅宅地 90(3) 景観 92(4) 公園・緑地水辺 94 5 交通通信網の整備 96(1) 道路整備 96(2) 公共交通 98(3) 情報化 99

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 基本目標4 生涯を通じて学び豊かな心を育むまちづくり 101 1 生涯学習の推進 101(1) 家庭教育 101(2) 幼児教育 102(3) 学校教育 104(4) 生涯学習 107(5) スポーツ 110(6) 青少年健全育成 112 2 文化芸術の振興 114(1) 文化芸術 114(2) 文化財 115 3 多文化共生社会の実現 116(1) 国際理解 116(2) 国際交流 117(3) 地域間交流 119

 基本目標5 みんなでつくる自立と協働のまちづくり 120 1 開かれた行政の推進 120(1) 情報公開 120(2) 広報公聴 121 2 協働によるまちづくりの推進 122(1) 町民参加 122(2) 人権・男女共同参画 123(3) コミュニティ 126 3 将来を見据えた行政経営の推進 128(1) 行政経営 128(2) 財政運営 130 4 広域行政の推進 133(1) 広域行政 133(2) 合併 134

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前期基本計画

○  施策体系図●  重点プロジェクト

1 駅前周辺整備プロジェクト

2 観光交流プロジェクト

3 一人一躍プロジェクト

4 定住人口増加プロジェクト

5 公共施設再編整備プロジェクト

6 地球温暖化防止プロジェクト

基本目標1 魅力と活力にあふれるにぎわいのあるまちづくり

2 ともに支えあい笑顔で暮せるまちづくり

3 四季彩と暮らしが調和した安全・安心のまちづくり

4 生涯を通じて学び豊かな心を育むまちづくり

5 みんなでつくる自立と協働のまちづくり

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○ 施策体系図

  将来像 

21

基本目標 政    策 分    野

4  広域行政の推進 (1) 広域行政

(2) 合併

       自立と協働のまちづくり

    みんなでつくる

基本目標5

(3) コミュニティ

3  将来を見据えた行政経営の推進 (1) 行政経営

(2) 財政運営

(2) 広報公聴

(1) 町民参画2  協働によるまちづくりの推進

(2) 人権・男女共同参画

(3) 地域間交流

       豊かな心を育むまちづくり

    生涯を通じて学び

基本目標4

1  開かれた行政の推進 (1) 情報公開

(2) 文化財

3  多文化共生社会の実現 (1) 国際理解

(2) 国際交流

(4) 生涯学習

(5) スポーツ

(6) 青少年健全育成

2  文化芸術の振興 (1) 文化芸術

1  生涯学習の推進 (1) 家庭教育

(2) 幼児教育

(3) 学校教育

3  安全な暮らしの確保 (1) 防災・危機管理

(2) 治山・治水

(3) 交通安全

(4) 防犯

(5) 消防救急

(6) 消費生活

4  計画的な土地利用の推進 (1) 土地利用

(2) 住宅宅地

(3) 景観

(4) 公園・緑地水辺

(1) 道路整備5  交通通信網の整備

(2) 公共交通

(3) 情報化

       安全・安心のまちづくり

    四季彩と暮らしが調和した

基本目標3

基本目標    政 策    分 野

【前期重点プロジェクト】

       笑顔で暮らせるまちづくり

    ともに支えあい

基本目標2

 1 基幹産業の振興 (1) 観光

(2) 温泉

 2 地域産業の振興 (1) 商業・サービス業

(2) 工業

(4) 林業

(5) 漁業海業

(2) 児童福祉・子育て支援

 3 勤労者対策の推進 (1) 雇用対策

 2 福祉の充実 (1) 地域福祉

(2) 勤労者福祉

(4) 環境衛生

(1) 介護保険

       安全・安心のまちづくり

    四季彩と暮らしが調和した

基本目標3

 2 循環型社会の構築

 1 自然環境の保全 (1) 地球温暖化対策

(2) 自然保護

       にぎわいのあるまちづくり

    魅力と活力にあふれる

基本目標1

 1 保健・医療の充実 (1) 健康づくり

(2) 予防対策

(2) 社会保険

(3) 生活支援・ひとり親福祉

 3 社会保障の充実

(4) 高齢者福祉

(3) 障がい児者福祉

(3) 農業

(3) エネルギー

(1) ゴミ処理

(3) 医療

(5) 上下水道

(2) し尿処理

(3) 環境学習・教育

駅前周辺整備プロジェクト

観光交流プロジェクト

一人一躍プロジェクト

定住人口増加プロジェクト

公共施設再編整備プロジェクト

地球温暖化防止プロジェクト

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● 重点プロジェクト

重点プロジェクトとは、前期基本計画5か年の中で重点的に取り組もうとする施策や事業をまとめたもので、次の6つのプロジェクトを推進します。

 1 駅前周辺整備プロジェクト

【ねらい】本町を訪れる観光客は首都圏から来ており、首都圏からの鉄道による利便性も優れているものの、駅周辺は温泉や観光地を感じさせる雰囲気や、ユニバーサルデザインへの配慮などが不足していることから、まちの玄関口にふさわしい湯河原駅前となるよう、周辺の整備を推進します。

【主要事業】○湯河原駅駅前広場整備構想の推進

鉄道と各交通機関との乗り継ぎ性、交通導線の円滑化及び高齢者を含めた駅利用者の利便性の向上、観光施設等の整理、統合、美化を図り、さらには緑のある質の高い文化的環境を有する都市空間の創出に配慮することにより、温泉観光地である本町の玄関口としてふさわしい駅前広場を整備します。

○湯けむりのPR温泉のある観光地でありながら、駅前には温泉をイメージするものがないため、足湯などの湯けむりを感じさせる施設設備を整備します。

○観光市場の創設採れたて野菜や地場産品などを販売するスペースを駅前に設けることにより、誘客と消費の増大を図ります。

○観光バスの駐車場整備駅周辺に観光バスの駐車場を作ることにより、駅周辺の活性化を図ります。

○駅舎、ロータリー再整備の検討関係機関と連携して、特徴的な駅舎やロータリーの整備を検討し、駅前だけでも観光スポットになるよう努めます。

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 2 観光交流プロジェクト

【ねらい】本町の基幹産業である観光を活性化させることで他産業との複合的な発展を目指す必要があることから、観光地としての魅力を磨き、観光交流によりまちのにぎわいを取り戻し、交流人口を増加させることでまちの活性化を図ります。

【主要事業】○温泉場地区の活性化

景観まちづくり推進地区の推進を行うことにより、温泉場らしい風情を創出して、観光客の増加につなげます。

○ホスピタリティの醸成ホスピタリティ推進事業により、観光に携わる者のおもてなしの心の養成し、観光客の心をつかみます。

○幕山の「夫婦の桜」を梅の宴終了後の観光資源として活かしていくため、現在整備をしている桜郷の整備と一体とした整備計画を立てて、観光スポットとして整備します。

○海へのアクセス向上市街地から海へ向かうには国道を横断しなければならず危険なため、地下道等の整備を検討します。

○地場産品を中心としたB級グルメの新たな発掘地場産品や坦々やきそばに代表されるB級グルメを発掘して食を通じた誘客を図り、梅の宴などのイベント時に活用して町内の回遊性を高めます。

○レンタサイクルの充実  観光会館だけで実施しているレンタサイクルを拡充し、駅前や幕山公園などでも貸し出しや返却ができるよう充実します。

○わかりやすいサインの設置  主要道路に愛称をつけるなどして、観光客にもわかりやすいサインを設置します。

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 3 一人一躍プロジェクト

【ねらい】将来都市像にも使用している「笑顔あふれるまち」を実現するために、訪れる人だけでなく町民も笑顔でいられる必要があることから、安全や安心を確保しつつ、人と人のふれあいの中で、生きがいややりがいをもって生活できるよう、まちづくりへの主体的な取り組みを支援します。「一人一躍」とは、活躍できる場があることで一人ひとりが躍動して笑顔になることと、こうした活動を通じて出合った人たちも取り込んで笑顔にしていこうとするものです。

【主要事業】○ボランティア・NPO活動の促進  既に活動しているボランティアやNPOとの連携や協働を一層進めていける環境づくりを進めます。

○健康づくりの推進生後48日以内の新生児を保健師がすべて訪問することで、親子の健康づくりを支援します。

○見守りの推進子どもの登下校の見守りや高齢者の安否確認を町民との協働で実施します。

  ○メンタルヘルスの推進    こころの健康づくりや自殺予防を積極的に推進します。

○学校教育との連携  学校支援地域本部、学校評価委員会、総合学習での講師役など、学校と町民との距離を縮め、湯河原っ子を地域で育てる環境づくりを進めます。

○経験や特技を活かした活動の推進  生涯学習講座や地域のスポーツ活動等について、広く講師やコーチなどを募り、人材バンクを整備して町民が活躍できる場面を提供します。

○地域活動の促進  自治会活動、地域の祭りや伝統行事、委員会や審議会などへの積極的な参加を呼びかけます。

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 4 定住人口増加プロジェクト

【ねらい】本町の人口は全国的な傾向と同様に減少傾向にあるものの、良好な生活環境やまちの活力を維持していくために、本計画では平成32年(2020年)における将来人口を27,000人と設定していることから、移住者の増加と定住者の流出防止につながる手段を講じて、定住人口の増加を図ります。

【主要事業】○都市基盤整備事業の推進

地域ごとの魅力を活かし、都市と自然が調和した秩序ある土地利用と生活インフラの整備により、良好な市街地・集落環境を形成し、だれもが生涯を通じていきいきと過ごすことのできる快適な暮らしづくりと、観光客等が訪れて心なごみ楽しめる都市づくりを実現させていくことで、定住人口の増加を図ります。

○子育てトイレの整備公共施設を中心にオムツ替えシートのあるような子育てにやさしいトイレを整備し、設置施設に表示をするほか、マップを作成してPRします。

○子育て拠点施設の整備雨の日でも遊べる屋内の大型プレイルーム(大型ボールプール等)や一時保育などができる施設の整備、大型複合遊具のある公園など、子育て支援拠点を整備します。

○子どもに関する施策の充実産婦人科医院の誘致や小児医療費無料年齢の引き上げなど、子どもに関する施策の充実を図り、人口の増加を図ります。

○経済的支援の充実家屋を新築する場合の固定資産税減免措置、空き家をリフォームして定住する場合の補助、遠距離通勤(新幹線通勤等)の補助など、定住を支援する経済的支援の充実を図ります。

○地域医療の充実重症患者や産婦人科などは町外へ通わなければならない現状にあるので、医療面で安心して暮らせる町になるよう、総合的病院を誘致するなど地域医療の充実に努めます。

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 5 公共施設再編整備プロジェクト

【ねらい】早くから公共施設を整備してきた本町では、老朽化に伴う補修や耐震化の必要性のある施設が増加してきています。また役場関係機関は散在し、町民の利便性や職員業務の効率性を欠いています。しかし、厳しい財政状況の中、集中的な建て替えや補修は難しいことから、施設設備の延命化や複合施設化などを念頭に置き、公共施設の再編整備を進めます。

【主要事業】○アセットマネジメントの推進

公共施設に税金を投資する時、効率的、効果的にそして適切に配分することでより良い公共サービスとして町民に還元できるよう、費用を最小限に抑えた予防保全型の管理を進めます。

○公共施設再整備計画の策定公共施設の老朽化が進み、耐震化が必要な施設も多いことから、施設更新時期が集中しないよう老朽化や採算性に配慮して、計画的に公共施設の統廃合を進めます。

○駅前図書館の移転と跡地の有効活用駅前の図書館は、老朽化が進み駐車場のスペースも無く、エレベータも身体障害者には不便であることから、図書館移転と跡地有効利用を進めます。

○役場機能の一元化現在点在している本庁舎、分庁舎、消防本部、下水道課を一元化することにより、住民サービスの利便性を向上します。

○地域会館の整備老朽化した地域会館の整備にあたっては、地域会館だけの機能としてだはなく、保育園や消防団詰所等との複合施設化や、貸し事務所、民による会館管理などを検討します。

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 6 地球温暖化防止プロジェクト

【ねらい】地球環境が悪化して温暖化が進行すると、町民の誇りである豊かな自然環境が守られず、将来都市像にも使用している「四季彩のまち」が実現できなくなることから、環境にやさしい取り組みを積極的に進め、地球温暖化防止に取り組みます。

【主要事業】○EV・PHV車に対応した湯河原駅近辺への充電駐車拠点の整備環境に配慮したEV(電気自動車)・PHV(プラグインハイブリッド車)車の普及を見込み、およそ東京から100km、下田まで100kmという立地から、充電のための駐車拠点を整備します。

○充電待機時間の観光・商業への誘導充電中の時間を有効利用するため、周遊バスによる観光スポットへの誘導や歩いて楽しむ商店街づくりなどにより、観光消費の増大につなげます。

○充電利用者へのインセンティブの付与充電利用者に買い物割引券や次月の坦々やきそば無料券などのインセンティブを付与しリピート率を向上します。

○公用車のEV・PHV車への切り替え豊かな自然を守っていくために率先して公用車をEV・PHV車へ切り替えます。

○環境教育の推進子どもたちにあたたかみやぬくもりを伝えるべく、木造ながら近代的で、ソーラーパネル、雨水を使った水道など、環境にやさしい設備を備えた、環境教育施設を整備します。

○新エネルギー活用の検討ソーラー発電に対する補助の増額や、町内で利用可能な新エネルギーの活用を検討します。

○地球温暖化防止地域実行計画の策定地球温暖化防止地域実行計画を見直して、計画的に低炭素社会を目指します。

○森林の整備間伐などの森林整備を行い、町土の多くを占める森林が元気に二酸化炭素を吸収できるようにするとともに、地域の気候や風土に合った植樹を推進します。

○エコツーリズムの検討自然の成り立ちや歴史・文化が持つ深い意味をわかりやすく解説し、地域の自然環境や歴史文化を尊重し、守っていく行動につなげ、自然を対象とする観光によって地域の振興を図ろうとするエコツーリズムを検討します。

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基本目標1 魅力と活力にあふれるにぎわいのあるまちづくり

1 基幹産業の振興

(1) 観光【現状と課題】

○平成18年から公開した池峯「もみじの郷」や幕山「湯河原梅林」、星ヶ山「さつきの郷」など多くのイベントを開催していますが、イベントが年を追うごとに成熟しつつあることから、周辺整備(交通アクセス等)を行い観光客のニーズに対応する必要があります。

○平成20年度こごめの湯、平成21年度湯河原観光会館を、それぞれ指定管理者制度を導入しました。平成22年度には独歩の湯においても指定管理者制度を導入し民間活力を活用した効率よい運営を図ってく必要があります。

○福祉・文化活動が向上するような施設においては、すでに指定管理者制度によって民間委託をしているため、新たに、PFI及び構造改革特別区域計画の制度を利用して整備するような施設がないと考えられます。

○町内の農産物の安定供給が困難なため、地産地消まではいかないものの、観光朝市、農産物直売所や各種イベント等で少量ではあるが販売・供給しています。また、原料が町内生産ではないものの、湯河原町商工会を中心としたB級グルメ「担々やきそば」を開発し、町内店舗が販売しています。今後は、いかに地場産品を用いることができるか、低価格化や価格の一本化などの検討が必要です。

○実施できている例としては、摘果ミカンジュースやみかんジャム等があげられ、地域の特産として定着してきていますが、名物料理というジャンルのものはまだありません。

○二・二六事件の舞台となった「光風荘」が現在、湯河原町観光ボランティアの案内で開館しています。しかし、文豪・文筆に愛された老舗旅館等の湯河原の歴史を語るに相応しい施設・建物が保存されず取り壊されてしまっている現状も見逃せません。今後、温泉場という風情・雰囲気を維持するためには、エリアを定めて保護・保全を推奨する必要があります。

○源頼朝開運街道と称し、湯河原の山間部を巡るハイキングコースを整備してきました。また、自鑑水の治水工事も行い、年間を通じて当時を偲ばせる環境の整備をしてきましたが、各コースとのつながりや町内の史跡・名所との結びつきまでには至っていません。観光資源との結びつきをもたせるには、新たなルートの開拓が必要となります。また、気軽に町内を散策してもらうには、まちあるき指導標等の整備やまちあるきガイド等の作成等が必要となります。

○伝統技芸の振興については、観光客に温泉風情を味わっていただけるよう芸妓のお稽古見学会等の支援を行っていますが、後継者不足が懸念されています。

○2001年記念事業として、創設した「湯河原文学賞」には、北海道から沖縄、また海外からも応募があり毎年、多くの作品が寄せられていますが、町民からの応募が全体的に、少ない傾向にあります。文化の町としてのイメージ向上には、町民の参加が必要と考えられます。

○22年度に公園計画の見直しがあるが、県が縮小を打診してきていることから、当初の計画の実効性が確保できるか懸念されます。なお、池峯地区(もみじの郷)については約40%程度整備済みですが、他の部分は未着手となっています。

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○平成20年度こごめの湯、平成21年度湯河原観光会館を、それぞれ指定管理者制度を導入しました。平成22年度には独歩の湯においても指定管理者制度を導入し民間活力を活用した整備を行っています。また、幕山公園等の一時的にイベントを開催される会場は、年間の利用とのバランスを考慮すると施設の常設化までは難しい状況です。

○千歳川・藤木川や新崎川沿いへの遊歩道や街路灯の整備は、海岸線からのアクセスで国道135号から直接接続はできるか、また、歩道幅員の確保のため河川の利用が可能なのか、用地の取得は出来るのかなどの問題があります。また、千歳川・藤木川沿いが一部県道となっているため、神奈川県との協議や地元住民との協議も必要になります。

○湯河原の宿泊施設は、中小規模の旅館形式が主となっているため、整備が改善されていない施設が多くあります。また、宿泊施設の廃業も近年増加しています。

○海・山・川と自然に恵まれた湯河原ですが、農産物等を安定供給するまでには至っていません。○星ヶ山公園「さつきの郷」は、交通事業者が路線延長の手続きを申請し認可済みですが、さつきの開花時期以外にはハイキングコース以外に目玉になる施設が無いことから、年間を通じての運行は難しい状況です。奥湯河原方面行きバスは、終点奥湯河原行きが1時間に1本から、池峯「もみじの郷」の整備にともなって3本に変更になりました。梅林の開園時期には、臨時バスを増発し対応しているところですが、奥湯河原発の駅行バスを幕山公園まで直行運行便を1日2本運行できるようになりました。しかし、幕山公園から駅行きバスは現行の奥湯河原行きバスとのダイヤの整合上、直行便は難しくなっています。

○近隣市町との連携は、西さがみ連邦共和国(1市3町)や熱海市広域連携等で相互にPRを行っています。まずは、観光マップ等で移動に関するアクセスや距離感を理解していただき、近隣市町からの流入を図る必要があるが、国道135号以外は、真鶴道路(小田原・箱根方面)・湯河原パークウェイ(箱根・熱海方面)等の有料道路が障害になります。

○インターネットを介した情報提供・宣伝活動は、もはや新聞・雑誌より効果的になりつつあります。しかし、イベントや開花状況などを開示することにより、いままでは1回2回と足を運び自分の目で開花等を確かめていた観光客が、常に新しい情報を入手できるため、直接来訪する回数は減少しているのも事実です。

○既存の観光施設等の老朽化に伴い、その活用方法等もあわせて検討する必要があります。○施設の整備が整ってきたので、案内番号を活用した散策モデルコースを検討しながら、安心して散策が楽しめるようなコースを検討する必要があります。

○湯河原温泉観光協会、湯河原温泉旅館協同組合等が各種研修会等を開催していますが、加盟していない企業等を対象としたものがないため、国や県の研修メニューの活用を支援しています。

○観光ボランティアが活動・活躍できるイベントには積極的に協力を要請しています。今後は、ボランティアの枠を超えた有償ガイドや案内ができるコーディネーターへステップアップさせることで、永続性をもたせることが重要です。

○観光ボランティア会員の高齢化が進み、活動を継続することが困難な方が増えてきています。また、実際に活動できる会員の人数が減少したことから少数の限られた会員でシフトを組むこととなり、負担が大きくなっています。観光ボランティアによる募集活動だけでなく、町広報等を活用し会員の増加の必要があります。

○(社)湯河原温泉観光協会が小学生を対象に「温泉講座」、「ほたるの幼虫放流」等を通じて湯河原特性や自然について学習会を実施しています。また、各種観光団体等で講座やフォーラムを開催していますが、直接観光に携わる関係者の参加が目立ち、観光に対して多くの町民が興味をいだいているという感じではありません。

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○湯河原の宿泊施設は、ホテル形式ではなく旅館形式が主のため、個人旅行を好む外国人観光客の宿泊施設の受け入れ体制が整っていないのが現状です。

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【主要施策】

1 観光資源の拡充・整備(1) イベントの充実

四季折々に散りばめた魅力あるイベントを、時代のニーズにあわせながら、より一層充実を図り、集客力を高めます。また、一方でイベント会場を含めた周辺の施設、交通アクセス整備等について検討します。

(2) 民間活力の活用観光施設に指定管理者制度を導入したことにより、民間の柔軟な発想と迅速な対応をフルに活用し、更なる魅力ある施設の運営を図ります。

(3) 名物料理の開拓湯河原町独自のおもてなしの一つとして、町内で生産された野菜やくだものを原料とした食材を提供することにより地産地消を具現化するとともに、これらの原料を利用した名物料理の開拓を関係機関と推進します。

(4) 歴史的・文化的資源の発掘、活用町に埋もれている歴史的・文化的資源の発掘を図りながら、点在する観光資源に結びつきをもたせることにより「まちあるき」という観点から、指導標・ガイド等を観光客のニーズや動向に対応した整備を推進します。また、多くの文豪に愛された町に住んでいるという意識及び文学へ親しみを町民が持ち、町民からの応募が増えるよう「湯河原文学賞」の周知方法の検討、充実を図ります。

(5) 観光資源の発掘と情報の収集・提供現存する歴史的な資源を引き続き有効活用するとともに、来訪者が懐かしさを覚えるような、街並みを含めたエリア毎の保全を図ります。また、歴史的資源だけでなく、文化的資源(人・物・文化)を幅広く情報収集し、提供することに努めます。

2 観光施設の整備・充実、個性化(1) 県立奥湯河原自然公園の整備当面、池峯地区(もみじの郷)の整備を優先的に実施します。

(2) 観光施設の活用町営こごめの湯、万葉公園、「独歩の湯」などの観光施設を時代のニーズにあわせ変化・充実させることにより、誘客の目玉として積極的に活用していきます。

(3) 清流沿いの遊歩道の整備藤木川沿いの整備については、平成20年度に詳細設計、21年度から工事に着手しており、新崎川の整備については、河川管理者である神奈川県と協議し、検討します。

(4) 宿泊施設の近代化促進

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湯河原町の旅館の中には、古くからの中小規模の施設が多く、耐震対策・バリアフリー化などへの対応が遅れている施設については、継続した施設改善等を呼びかけ、サービスの向上を図ることを推進します。

(5) 湯河原温泉の個性化・情報提供湯河原の名産品である柑橘類を生かした料理やお菓子など宿泊施設・店舗等の個性を生かした「湯河原らしさ」の創造を推進します。また、湯河原町に隣接する周辺地域の資源・観光情報等を活用・提供することにより、相互間での発展を図り共に成長を目指します。

(6) 観光会館の建替え等の検討湯河原町の中核施設である観光会館は、建設から40年以上が経過し、その機能充実が求められていることから、建替え等について検討していきます。

3 観光資源のネットワーク化(1) 観光資源を結ぶルートの整備

観光客が湯河原町を満喫できるよう、町内にある観光資源を巡回できるルートの検討を図ります。

(2) 新規広域観光ルートの開発近隣市町とも連携し、魅力ある新規の広域的な観光ルートの開発に努めます。

4 観光情報発信の活性化、観光宣伝の強化(1) 観光イベント・施設情報の提供

イベントや施設等の情報収集を強化し、多様な観光ニーズを持つ観光客に的確に情報提供できるようにインターネット、新聞・雑誌等のあらゆる媒体を活用した宣伝活動をしていきます。

(2) インターネットを使った観光情報提供の充実インターネットは、時間や場所を問わず利用することができるため、一般家庭においても広く普及しております。インターネットを使った最新の観光情報を提供し、多様なニーズに応えられるようなホームページを作成し、その充実に努めます。

(3) 拠点観光スポットの整備・活用温泉という町のシンボルを有効に活用し、既存の観光施設や表示物等にも連帯性をもたせ来訪者にわかりやすく情緒あるモニュメント等を検討・検証し、有効活用を図っていきます。

(4) 観光案内板・散策ガイドの整備湯河原温泉旅館協同組合が、町や県の支援を受け、既存の案内板看板を来訪者にわかりやすい内容、デザインのものに改修しています。今後ともこの取組みを支援するとともに、外国語と看板番号の併記を利用した散策コース等を検討し、観光客のまちあるき周遊プランに活用していきます。

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5 観光人材育成と団体活動の活性化(1) 経営者研修会の支援

お客様の満足を得るようなサービスを提供するには、観光サービス企業全体が「おもてなし」の意識で統一されていることが必要となります。経営者が情報や知識を共有するために、関係団体等が開催するサービス向上のための研修会を支援します。

(2) 経営者研修会・交流会の支援ニーズの多様化・急速な変化に、敏感かつ迅速な対応が必要とされる時代において、それに対応できる知識や情報が企業経営者に必要となります。知識や情報を共有するために、関係団体等が開催する企業経営者等を対象とした研修会を支援します。

(3) 観光関連団体間の提携・交流強化湯河原観光サービス業の「おもてなし」を高めるには、個々の企業の努力とともに、業界全体で取り組むことが必要です。(社)湯河原温泉観光協会を中心とした各団体間の提携、情報の共有化、交流強化を促進します。

(4) 産業間の提携・交流強化本町の基幹産業である観光が一層活力にあふれ、また相乗効果で地域産業が活力を得られるよう、異業種の交流や団体間の提携・連携を促進します。

6 おもてなしの向上(1) 観光ボランティアの活動の推進

観光ボランティアの活動を広く支援するとともに、専門的な知識やまちの話題等、幅広い情報を提供し、さらに、今後、多様化する観光ニーズに対応すべく、各種講座等へ積極的に参加いただけるよう推進を図ります。特に、新たな会員の募集活動の推進とともに、若い世代に対して積極的な呼びかけを行うことにより、活動の活性化や一人ひとりの会員の負担軽減を図ります。

(2) 観光意識の醸成「おもてなし」の気持ちもった観光地「湯河原」を目指し、町民一人ひとりが観光について興味を抱き、観光客に楽しく心のこもった案内ができるよう、各種イベントやおまつり等を通じて、湯河原の歴史・文化・自然について知識・情報の共有化を図ります。

(3) 国際観光地に向けた外国人観光客誘客活動国内観光客だけでなく外国からの観光客を多くお迎えすべく、PR活動を引き続き実施するとともに、受け入れ先の整備状況を把握し、時代のニーズにあわせた施設・環境の改善を関係機関と協力し推進します。

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(2) 温泉【現状と課題】

○町営温泉の整備された施設のうち、ポンプなどについては現在の省エネタイプ製品との性能の乖離があるため、費用対効果を見極めて再整備するなど検討する必要があります。事業の性格上、余剰温泉が発生していますが、この有効利用を検討する必要があります。販路の拡大も視野に入れた事業運営の見直しが必要ですが、個人の源泉所有者との調整が重要となります。

【主要施策】

1 温泉設備の適正管理(1) 町営温泉集中管理の推進・温泉資源の保護

整備が完了した町営温泉集中管理システムを含む温泉事業全体の見直しを行い、施設拡張計画等を検討し、一層安定的で効率的な温泉供給と温泉資源の保護を図るとともに、効率的な企業経営をさらに推進します。

2 温泉資源の有効活用(1) 余剰温泉の有効利用

余剰温泉の有効利用に向けて、農作物や加工品への利用や発電エネルギーとしての利用などについて、関係機関と検討します。

(2) 温泉販路の拡大個人や事業者への販売によって収益が上げられるよう、販路の拡大に取り組みます。

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2 地域産業の振興

(1) 商業・サービス業【現状と課題】

○商工会の経営改善普及事業の一環として、デザイン指導、経営相談等実施していますが、商店街は高齢化が進み、後継者不足の解決が必要です。

○経済状態の悪化により、資金繰りに苦慮している商店が増加傾向にありますが、新たな融資制度や利子補給制度を拡充するためには財源の確保が必要です。国のセーフティネットの利用事業所が増大し、中小企業振興資金融資の利用が少ないこともあり、事業所へのPRが必要です。

○商店街の街路灯は老朽化しており、安全面を考慮した再整備が必要です。また、歩道幅員の確保のためには用地の取得が必要であり、神奈川県(国県道)や地元住民との協議も必要となります。街路樹については、サンサン通り商店街で整備済みですが、他の商店街では用地の確保が難しい状況にあります。

○大型店・中型店の出店は商店の経営を圧迫し、商店街の衰退に影響を及ぼすため、共存できる仕組みづくりが必要です。既存の商店街ではシャッター化しているところが多くなっています。

○空き店舗対策だけで商店街の活性化につながるわけではなく、商店街全体の取り組みが必要です。経営意欲があっても、人口や集客力等の問題から他市町村で開業を始める例もあり、開業支援などが必要です。

○高齢の経営者が増えてきていることから、情報システムの導入にあたっては内容を理解してもらうための講習会が必要です。

○商工業関連団体が交流を強化するとともに、人材育成のための支援策が必要です。○研修会には一定の参加者が訪れているが、研修会の内容によって人数の増減がみられるので、経営者のニーズに合ったテーマを探す必要があります。

【主要施策】

1 商業基盤の整備(1) 商店街診断、相談の充実

町内に点在する大型店との競争や後継者不足により、商店街は衰退傾向にありますが、商店及び商店街のデザイン指導、商店の経営相談を充実し、商店街の競争力強化に努めます。

(2) 融資制度、利子補給制度の拡充商店を魅力ある店に改造するため、資金負担力の弱い商店に対し、資金融資制度の拡充を検討していきます。

(3) 歩道・街灯、街路樹の整備商店街の魅力を高めて集客力を向上させるため、歩道や街灯、街路樹を商店街の特色を活かしながら整備していきます。

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(4) 大型店・中型店進出への対応大型店・中型店の進出に際しては、既存の商店街が圧迫されないよう指導力を強めます。また、商店街については大型店・中型店に負けないような経営指導を商工会と連携して支援を充実します。

(5) 空き店舗対策の支援商工会や商店会が実施する空き店舗対策について、積極的に支援し、商店街の活性化に努めます。

(6) 情報システムの導入と開発支援顧客との結びつきを強化するため、ポイントカードシステム、電子マネー導入の推進を図っていきます。

2 団体活動の活性化と人材育成(1) 商工業関連団体間の提携・交流強化

産業は、お互いに関連しているため、産業間での協力が各産業の競争力を高める効果を持っています。湯河原町の商工業が活性化するように、湯河原町商工会を中心に商工業関連団体及び観光産業団体の提携を強め、交流を強化するよう支援します。また人材育成の為の支援策について検討します。

(2) 経営者研修会の開催先行き不透明で不安な時代を生きぬくためには、経営者のあり方が問われる時代です。時代とともに変化していく状況に経営者が的確に対応できるように研修会を開催します。

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(2) 工業【現状と課題】

○新製品の開発にあたっては、多種多様化している観光客のニーズの把握に努める必要があります。

○資金融資制度・利子補給制度の拡充には財源の確保が必要です。○商工業関連団体が交流を強化するとともに、人材育成のための支援策が必要です。○研修会には一定の参加者が訪れているが、研修会の内容によって人数の増減がみられるので、経営者のニーズに合ったテーマを探す必要があります。

【主要施策】

1 工業基盤の整備(1) 近代化融資制度・利子補給制度の拡充

新製品生産、生産性向上、労働環境改善等の工場施設の近代化投資に対し、経営者のニーズに合った資金融資制度・利子補給制度の拡充を検討します。

(2) 観光ニーズにあった製品の共同開発観光客のニーズを的確に捉え、旅館、土産物店、工業経営者等が連携し、湯河原らしさを追求した新製品の開発が行われるように支援していきます。

2 団体活動の活性化と人材育成(1) 商工業関連団体間の提携・交流強化

産業は、お互いに関連しているため、産業間での協力が各産業の競争力を高める効果を持っています。湯河原町の商工業が活性化するように、湯河原町商工会を中心に商工業関連団体及び観光産業団体の提携を強め、交流を強化するよう支援します。また人材育成の為の支援策について検討します。

(2) 経営者研修会の開催先行き不透明で不安な時代を生きぬくためには、経営者のあり方が問われる時代です。時代とともに変化していく状況に経営者が的確に対応できるように研修会を開催します。

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(3) 農業【現状と課題】

○(仮称)尾崎山農道・城堀~宮下幹線農道については、受益面積等の制約により、農道としての整備は困難です。前栗場農道については、既に事業が終了しています。

○広域農道の第1期工事は、平成21年度に完成し、県から町へ移管されます。第2期工事については、平成22年度から事業着手されますが、早期着工に向けて国へ要望しています。

○野猿については生息環境がますます住宅地周辺に移っており、農業被害、生活被害対策に苦慮しています。イノシシは有害捕獲により捕獲頭数は増えていますが、それ以上に個体数が増加しており、被害の減少には至っていません。また、猟友会構成員の高齢化等により有害捕獲にかかる活動の衰退が懸念され、昨今はシカの目撃情報もあり、新たな対応の検討が必要です。「野猿対策総合対策事業」は平成20~22年度までの時限立法ですが、引き続き継続実施を要望していきます。

○神奈川県には、農地の取り引きを促進するため農地の情報を登録 提供する制度はありますが・ 、登録情報が少ないため、この制度を活用した取り引きが少ないのが実状です。湯河原町の農地も同様に登録が少なく、制度を活用した取り引きに至っていません。農家においても、積極的に農地の売買や貸借を希望する農家が少ないのが実状です。

○熱海市泉地区の出作農地については、宮上、宮下、門川地区にそれぞれ生産組合がありますが、組合員の高齢化等が新規の事業展開を難しくしています。

○農協女性部を中心に農産物加工品を作っておりますが、女性部自体が高齢化が進んでおり、新規の部員を増やしていくことが課題となっています。

○みかんの価格は消費の低迷等により、低価格で推移しており、農家の経営、耕作意欲の減退を招いています。農地の大半が傾斜地では、野菜等の生産を行うにも機械化などが難しく生産拡大には至っていません。

○県下全域共通ですが、手続きの煩雑な点があることや、民間金融機関も低利で貸し出しを行っていることなどから、農業施設への投資目的で資金を借りる需要はあまりありません。

○農業への就業人口が減っている中で、担い手と呼ぶべき対象ははっきりしていません。認定農業者にも高齢化が見え始めています。

○農業従事者は、減少と高齢化が進んでおり、新時代に即応した農業経営者を育成する必要があります。このため、平成21年度までに農業の担い手となるべき認定農業者14名を認定しました。

○中山間地域等直接支払制度の参加要件には、1団地(数件の農家が活動のために協定を結ぶ)が、5年間継続して事業を実施していくことが条件となっており、そのことが敷居を高くして、参加する農家がいなくなっています。今後この事業が継続されるかも不明です。

○湯河原駅前農産物直売所を開設しましたが、販売する農作物の種類、量が不充分であり、また参加農家が少ないため定期的な開催が出来ていません。

○ふれあい農園は、現在7農園、220区画で運営しており、空きが出ると埋まるようなペースのため、これ以上の拡大は検討が必要です。町民以外の利用は不可のため、観光客誘致目的の手段とはなっていません。吉浜地区に6農園があり、地域的な偏りもあり、行政主導から民間主導の市民農園への参入を促進したいところです。

○主要作物のみかんだけでは収穫作業程度しかないので、体験型農業の成立は難しい状況です。

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○農家の高齢化が進み、遊休農地問題等の課題が挙げられています。手間隙をかけずに、農作が

可能な生産物等があれば、遊休農地を活用した観光を兼ねた週末農家というものも検討できます。

【主要施策】

1 農業生産基盤の整備(1) 農道の整備

農地等の生産性、集荷機能を高めるとともに周辺環境を整備するため、関係機関と協議しながら促進を図ります。

(2) 広域農道の整備広域農道小田原湯河原線の早期完成に努力するとともに、広域農道の整備進捗にあわせて沿道の活性化を図っていきます。

(3) 有害鳥獣による被害への対応野猿やイノシシなどの鳥獣による被害対策につきましては、国、県などの補助事業を活用し、湯河原町鳥獣対策協議会を中心に、かながわ西湘農業協同組合湯河原支店鳥獣対策部会、神奈川県猟友会湯河原方面支部と連携を図りながら対策を推進してまいります。

2 農業経営の高度化の促進(1) 荒廃園対策

農地の流動化を促進するとともに、景観作物の普及・導入など農地の有効利用を図るなどの対策を進めます。また、荒廃園対策を目的とした地域協議会を設立し、耕作放棄地解消に向けた施策を実施します。

(2) 出作農地の活性化対策熱海市泉地区の出作農地については、熱海市と協議しながら、農産物の生産体制の確立と農道の整備等による流通経路の開拓などの振興対策を進めます。

(3) 新しい高付加価値作物の開発農協女性部の加工所が新設、改装されたことにより、摘果ミカンジュースやジャム等の生産拡大を図ると共に、新しい商品の研究、開発をあわせて進めるとともに販路の拡大に努めます。

(4) 農業経営の安定化の推進農協を中心に市場性の高い優良品種みかんの導入、神奈川県の推奨する湘南ゴールド及び野菜等の他作物の導入を図り、直売等による消費拡大を推進し、経営の安定化に努めます。

(5) 農業経営基盤強化資金制度、利子補給制度の拡充

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省力化、生産性向上、生産転換などのための設備投資に対し、農家(認定事業者)への農

業経営基盤強化資金制度・利子補給制度を実施していきます。

(6) 農業の担い手の育成認定農業者を核に、より高い収益性の確保、省力化研究、新技術の導入を進め、担い手の育成を支援します。また、農業への新規参入者、リターン就農者への営農指導を支援します。

(7) 中山間地域等直接支払制度の活用耕作放棄地の増加などによって多面的機能の低下が特に懸念されている中山間地域等において、国の継続事業として中山間地域等直接支払制度が設けられています。農業生産に不利な1ha以上の農地を対象に、5か年以上継続して農業生産活動を急傾斜地等で行うことを条件に交付金が支払われるこの制度を活用していきます。

(8) 朝市・直売化の促進農業と町民、観光客との結びつきを強め、農業者への理解を深め、親近感を持ってもらうため、農産物の直売の拡大と地産地消を推進します。

3 ふれあい農園・遊休農地の活用(1) ふれあい農園の規模拡大

遊休農地を活用した市民農園の「ふれあい農園」は町民に好評を得ており、今後は、国の補助メニューなどを活用して、民間主導の「ふれあい農園」の拡大を推進、助言していきます。

(2) 農業者と観光客との交流機会の拡大都市住民の農業に対する理解の増進と自然、文化、人々との交流の場となるような自分で作る、体験する、手伝うなどの観光を兼ねた体験型農業、週末型農業の推進に向け研究を進めます。

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(4) 林業【現状と課題】

○菜畑林道については、平成19年度に竣工しました。鍛冶屋森林作業道については、現在順次整備をおこなっています。今後は、適正な維持管理を行う必要があります。

○幕山地区の保全林区域については、今後の維持管理が必要になります。○大規模森林所有者については、水源環境保全の立場から適正な管理をお願いしていますが、企業としてメリットがないといわれ協議は難航しています。

○たけのこ、しめじ、たらの芽などの林産物を栽培する人は多くありません。○湯河原町の林業経営者・従事者の高齢化が進み、後継者問題が深刻化しています。○ボランティアをはじめ、森林保全の担い手を育成する場や機会の確保が必要と考えられます。○湯河原町の林業は、木材価格の低迷や伐採経費の高騰などで、長期低迷状況にあり、保育事業が適正に実施されていない荒廃した森林が増加しています。

【主要施策】

1 林業基盤の整備(1) 林道の整備

森林の維持、管理の円滑化を図るため、鍛冶屋森林作業道の整備を行っていきます。さらに、県が進めている白銀林道の舗装及び落石防止工事の整備を要望していきます。

(2) 生活環境保全林の整備幕山地区の保全林区域については、自然とのふれあいの場所を創出するため、今後も景観に配慮した保護、育成に努めます。

(3) 育林の指導援助木材価格の低迷や伐採経費の高騰などで、保育事業が適正に実施されていない荒廃した森林が増加していることから、県の補助金制度を活用し計画的な育林指導、援助によって、地域的に順次整備していきます。また、「森林づくり条例」に基づき施策を総合的に推進し、民間が所有する森林についても適正管理するよう森林所有者と協働し、整備・保全に努めていきます。

(4) 特用林産物の栽培促進しいたけ、しめじ、たけのこなどの林産物栽培を奨励し、販売拡大のための朝市、直売所、イベントの活用などにより消費の拡大を図っていきます。

2 森林保全の担い手の育成(1) 森林保全の担い手の育成

国土保全、環境対策のためには森林保全が国民的課題となり、全国的に森林ボランティアも増えていることから、ボランティアも含め森林保全の担い手を育成していきます。

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また、森林保全の重要さを広く周知し、林業経営者や従事者が培ってきた技能や知識を、ボランティアや次世代の担い手へ継承することができるような交流の場や機会の充実を図ります。

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(5) 漁業海業【現状と課題】

○稚貝・稚魚の購入に対して助成はしていません。○後継者の確保と漁業者の高齢化が課題になっています。○観光漁業への転換を目指し、すでに遊魚船と併用している船もあります。○朝市の実施に向けては、漁業協同組合と定置網が別組織のため、双方の協力を得ることが必要です。季節・海象により漁獲量に変動があり、一定量を確保するのが難しい面もあります。また、開催日の設定については、土曜日や日曜日であると遊魚客をキャンセルしなければならないため、組合員に影響あります。

○海洋レジャーのニーズもありますが、漁港区域以外は、県土木事務所の管轄になっています。○近代化のためには、設備の大規模な補修・改修が必要であるため、多額の経費を予算計上する必要があります。

○民間金融機関でも低利融資を行っていることから、設備の近代化等に向けた資金需要はあまりありません。

【主要施策】

1 漁業生産基盤の整備(1) 稚魚・稚貝の放流による栽培漁業の促進

漁業資源の増殖によって漁獲量の安定化・増大を図るため、稚魚・稚貝の放流を支援します。

(2) 担い手の育成と確保後継者の確保と漁業者の高齢化に対応した、安全で就労しやすい労働環境への改善等の支援対策を進めます。

2 漁業・海業の振興(1) 漁業と調和のとれた観光漁業への転換遊漁船などの観光漁業への転換を漁業と調和して行えるように支援します。

(2) 朝市の推進地場産の海産物の消費拡大と経営の安定を図るため、朝市を推進します。

(3) 海・浜の秩序ある利用計画の検討海洋レジャーへのニーズが高まっていますが、無秩序な海洋レジャーの横行による漁業への影響が懸念されます。このため、海と浜を秩序をもって利用する計画作成を検討します。

3 漁業経営改善の促進(1) 漁業経営の近代化・合理化

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漁業経営に計画性を持ち、経営を近代化・合理化できるように支援します。

(2) 設備の近代化促進漁業の自動化、省力化、漁獲効率向上など漁業設備の近代化を促進していきます。

(3) 融資制度の拡充設備の近代化投資、観光漁業への転換投資などに必要な資金に対して融資制度の拡充を検討していきます。

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3 勤労者対策の推進

(1) 雇用対策【現状と課題】

○わが国の経済は低成長時代を迎え、倒産やリストラによる離職者の増加や、正社員としての就業を好まないフリーターと呼ばれる若者の増加が目立っています。

○高校生や大学生の就職事情も厳しく、就業意欲を持ちながらも就業できない人が増加しており、就業対策は極めて重要な課題となっています。

○就業形態の多様化が進み、派遣労働者、パートタイマー、在宅勤務者などが増えてきています。○近年では、勤労者の多様な働き方や権利を保障する動きが活発であり、労働基準法を始めとして、男女雇用機会均等法、育児・介護休業法、労働者派遣法、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律などの改正が進んでいます。そのため、町民や事業所に対して法律や制度の内容をPRするとともに、良好な労働環境を確保していくことが求められています。

○本町においては、中小企業が多数を占めるため、まとまった人数の求人はあまり期待できません。

○定住人口を増加させるためにも、Uターン、Iターン、Jターン希望者の対策も含めて、就業対策は幅広い観点から進めることが求められています。

○現在、ハローワーク(公共職業安定所)との連携により、情報の収集、提供、相談などに努めていますが、これらをさらに充実して雇用と就業のミスマッチを解消し、雇用の安定を図る取り組みを進めていく必要があります。

○就労に必要な知識や技術を習得しやすい環境づくりを進めるなど、町民の職業能力の開発を支援していくことも求められています。

○景気低迷の影響で求人件数が減り、定年後の働き口の確保が必要です。SOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)ビジネスについて、高齢者にはパソコン教室の開催が必要です。

【主要施策】

1 就業の促進(1) 就業機会の拡大

公共職業安定所(ハローワーク)や近隣市町などとの連携を図りながら就労情報の収集、提供、相談活動を充実し、離職者、女性、若年層、中高年齢層、在住外国人などの就業機会の拡大に努めます。

(2) 人材の育成学習機会の充実と訓練制度などの情報提供を進め、関係機関と連携して働く意欲のある町民の職業能力開発を促進します。

(3) 町内就業の促進Uターン、Iターン、Jターン希望者に対する広報活動を充実し、未来を担う若年労働者

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や高度な技術や知識を備えた労働人材の町内就業を促進するとともに、雇用の創出を企業に働きかけます。

(4) 高齢者人材の活用高齢者の豊富な経験や知識、技能を活かした高齢者の就業や支援をするため、各種講座・教室等の開催や情報提供を支援します。

2 労働環境の向上(1) 法律や制度の広報活動の強化

育児休暇、介護休暇の取得、男女雇用機会の均等など、多様な働き方を支援する法律や制度内容などの広報活動を強化し、労働環境の向上に努めます。

(2) 労働相談の充実労使関係の改善や職場環境の改善のため、関係機関との連携により労働相談を充実します。

(3) 労務管理の適正化関係機関と連携し、労働者の健康確保と快適で安全な職場環境の形成を促進します

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(2) 勤労者福祉【現状と課題】

○本町では中小企業が大多数を占めるため、福利厚生の施設や制度が充実した企業は必ずしも多くありません。そのため、こうした中小企業の勤労者が安心して生き生きと生活できるように、福利厚生面で支援していくことが求められています。

○労働時間の短縮や余暇時間の増大などを受けて、学習やスポーツ活動などに対する意識が高まってきているほか、社会や職場環境の複雑化によりストレスを感じる人が増えるなど、勤労者を巡る家庭、職場、地域の環境は変化してきています。

○勤労者のこうしたストレスを解消し、自己実現のための活動を支援することは、明日への活力を生み出す意味でも非常に重要になります。そのため、勤労者が気軽に活動できる拠点施設が必要です

○時代の移り変わりとともに変化するライフスタイルや多様化する価値観の中で、仕事と生活の調和により、やりがいや充実感を感じながら働くとともに、家族や友人などとの充実した時間、自己啓発や地域活動への参加のための時間を持てる、健康で豊かな生活の実現が求められています。

【主要施策】

1 勤労者福祉の充実(1) 勤労者福祉の充実

中小企業勤労者の安定した生活を確保するため、勤労者共済会事業への支援と加入の促進に努めます。

(2) 勤労者支援の充実教育、住宅資金融資制度など、勤労者を支援する制度の充実に努めます。

(3) 仕事と生活の調和余暇活動の充実などゆとりと豊かさを実感できる生活が実現できるよう、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス*)がとれた働き方の普及を図ります。

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基本目標2 ともに支えあい笑顔で暮せるまちづくり

1 保健・医療の充実

(1) 健康づくり【現状と課題】

○食生活や運動不足に起因する糖尿病をはじめとする生活習慣病、メタボリックシンドローム*の該当者が急増し、医療費の増大も大きな社会問題となっています。

○成人に対しては、メタボリックシンドローム(内蔵脂肪症候群)の予防と対策を目的とした、特定健診」と「特定保健指導」を実施し、生活習慣病の有病者や予備軍を減少させることを重「点課題としています。

○全国的に自殺者数が減少しておらず、交通事故死者の6倍にのぼっており、こころの健康づくりが重要な課題になっています。

○思春期の対象への母子保健サービス、緊急時のホームヘルパーは検討の整備ができておらず、今後の課題となっています。現在の職員数では、新規事業の立ち上げ、整備等も困難であり職員数の増加が必要です。

○健康情報システムへの情報入力は進んできたが、主に集計に多く使われ、個々への指導に役立てるまでは至っていません。

○食育推進計画については、担当課が定着しなかったこともあり、町民に対して実施した食育に対する調査結果も現在保留されたままとなっています。

○給食の食材について、町内の農家から確保することができず、地産地消は進んでいません。○朝食の欠食や、食事をとっていても内容が不足している子どもが増えていたり、過剰摂取やバランスの偏りによる生活習慣病が増加しています。

○食に関心が持てなかったり、食の情報が氾濫している中、機会あるごとに正しい知識の普及を図ることが必要です。

【主要施策】

1 生涯健康管理体制の充実(1) 健康づくり意識の啓発

町民一人ひとりが日常生活の中で健康づくりに積極的、自発的に取り組めるよう、各種保健事業や広報活動、イベント活動などあらゆる機会を活用して、「自分の健康は自分でつくり守る」という町民の健康づくりの意識の醸成を図ります。

(2) 健康管理情報システム化の推進各種健康診断や検診等の結果データベースを活用し、個人に適した保健指導や、地域全体の傾向把握、疾病予防や寝たきり防止等のための指導などに役立てます。

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(3) 生活習慣病予防対策の推進

循環器疾患、がん、脳血管疾患、糖尿病やメタボリックシンドロームなどの生活習慣病予防に向けた運動・食事に関する取り組みを、関係団体と連携して実施します。また、ヘルシープラザを更に活用した健康づくりを推進するとともに、温泉設備を利用した憩いの場の設置、重複受診者や多受診者への訪問指導を実施し、生活習慣病の予防に努めます。

(4) こころの健康づくりの推進地域や職場、家庭でこころの健康に関する意識を高め、早期対応ができる環境をつくるとともに、過度のストレスの継続が及ぼす精神的・身体的健康への影響を緩和するため、職場や地域社会でのサポート体制を拡充し、個人を支える社会的環境整備を図ります。

(5) 地域における健康づくりの推進町民一人ひとりが元気でいきいきと暮らせるよう、地域に根ざした町民主体の身体活動・運動や栄養・食生活の知識習得などを、関係団体と連携を図りながら推進します。

2 母子保健の推進(1) 母子保健の推進

人材の育成・確保を図り、妊産婦・乳幼児の健康診査、保健指導などの母子保健事業を推進します。特に、思春期から妊娠、出産、育児に至る一貫した母子保健サービスを提供し、安心して子育てができる環境づくりを実現し、子育て支援の一層の充実を図ります。

3 食育の推進(1) 食育の推進

食に関する知識を身につけ、健全な食生活を実践できる人間を育てるため、食育推進計画を策定し、幼少期から食育を通して健康的で主体的な食習慣を形成できるよう支援します。

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(2) 予防対策【現状と課題】

○がんによる死亡者数は増加傾向にあり、がんの早期発見・早期治療のためにも、がん検診の受診率の向上を図ることが重要です。

○がんは喫煙・食生活・運動などの生活習慣に関係しており、生活習慣の改善ががんの罹患率の減少には効果的なため、自らが疾病予防をしていくという意識の啓発と正しい情報の提供が必要です。

○介護保険の開始、介護予防事業の普及、老人保健事業の健康増進事業への移行、40歳以上の健康診査の特定健康診査への移行など、この数年で成人・老人をとりまく健康管理の背景は大きく変化しています。そのため、65歳以上の脳卒中後遺症者が参加していた「機能訓練」は中止し、専門職の不足により重複受診者への訪問指導などは実施できずにいます。

○現行の感染予防対策として、結核予防検診の促進と予防接種の向上に努めていますが、関係予算が増加傾向であり、予算の確保が重要になっています。

○新型インフルエンザなどについては、国や県などと連携して、危機管理体制も含めての対応が求められています。

【主要施策】

1 各種検診の推進(1) 検診受診率の向上病気の早期発見・早期治療につながるように、各種がん検診などの受診勧奨に努めます。

(2) がん予防などの正しい知識の普及啓発がんなどの予防に対する知識や意識の向上のため、情報の提供に努めます。

2 感染症対策の推進(1) 予防接種率の向上

地域全体の免疫水準を維持し感染症の流行抑制につなげるため、予防接種率の向上を図ります。

(2) 感染症に関する正しい知識の普及啓発感染症予防の重要性や正しい情報を県の関係機関と連携して提供し、知識の啓発に努めます。また、新型インフルエンザなどについても、国や県などと連携して情報の収集に努め、危機管理も含めた蔓延予防のための体制づくりを進めます。

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(3) 医療【現状と課題】

○高齢化の進行や医療技術の進歩、住民意識の変化や医療を取り巻く環境が大きく変わる中、だれもが安心して医療を受けることができる環境整備が求められています。

○救急医療、災害時医療、周産期医療、小児医療など、地域医療体制の充実により安心して医療を受けられるようにすることが必要です。

○休日や夜間に緊急性のない軽症患者の安易な受診が増加しており、本来救急患者や重症患者を診療しなければならない病院が対応に追われ、医師の負担が過重になり、医師確保の困難さを増す要因のひとつになっています。

○病診連携の促進や、かかりつけ医を持つように周知啓発することが必要です。○町民のニーズに対応した医療機関については、町内では分娩できる産婦人科や小児科医療施設の増のニーズや終末医療を担うホスピスなど誘致が求められますが、全国的に医師・看護師等の医療従事者が不足しています。

【主要施策】

1 地域医療体制の充実(1) 関係機関との連携と医療体制の充実

救急時や災害時などに町民が安心して医療を受けられるように、医師会、歯科医師会、薬剤師会など関係機関との連携を図ります。また、町民に適正な受診を促すことにより、初期救急医療、第二次救急医療、第三次救急医療といった医療機関の機能が分化した効果的な地域医療体制の充実を図ります。

(2) 地域医療についての周知と啓発病気や医療に関し何でも相談できる身近なかかりつけ医を持つことの必要性を啓発するとともに、救急医療体制を周知することにより適正な受診を促し、緊急性のない安易な受診を減らし医師の負担軽減を図ります。また、町民が自分自身で地域医療を守るという意識の醸成を図ります。

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2 福祉の充実

(1) 地域福祉【現状と課題】

○近年の核家族化や経済状況の激変などにより子供から高齢者まで、障がいのある人もない人も、お互いに支え合いながら、住み慣れた町で生き生きと生活していくことが難しい状況となっています。

○個人が地域で尊厳をもって自立して生活していくことができるよう、町民自ら自立する「自助」と自助を地域で支える「共助」と、自助を保障し共助を生かす「公助」がそれぞれ役割を担い、相互に連携し、融合した地域をつくることが求められています。

○めまぐるしい環境の変化と多様な価値観の現代社会では、さまざまな心配ごとやトラブルなどに悩む町民も多いことから、各種の相談体制の整備、充実を図る必要があります。

○各種福祉サービスにおいては、介護保険制度や障害者自立支援法などの施行により、高齢者保健福祉計画、障害福祉計画などと各々の計画が縦割りに先行して計画されサービスを提供しています。このような計画は、社会の必要性に即応した形で計画されたものであり、地域福祉としての連携を図るのは難しいのが現状です。

○各種計画が先行して施行されているものの、福祉・保健・医療・介護分野の更なる連携と社会福祉協議会の充実や地域社会との連携を目指し、地域福祉計画を策定することが必要です。

○社会福祉協議会は福祉意識の高揚や地域福祉活動の推進において一定の役割を果し、地域における重要性が増しています。また、近年では移動支援や在宅福祉サービスなど多様化する福祉サービスにも対応しています。

○町では社会福祉協議会の運営費補助や各種事業における人的応援により支援しています。○現在社会福祉協議会では多様化する地域福祉の対応に努力していますが、今後も地域福祉の拠点として重要性は増すものと思われ、財政的及び人的基盤が弱いところが課題です。

○本町の高齢化率は、平成21年9月1日現在、29.97%で高齢化が急速に進展しており、近年の家族形態の変化や本町の特殊性でもある、首都圏に近い、温泉もあり、気候も温暖であるなどの要因で、独居老人や高齢者世帯が多くなっています。このため、判断能力が不十分な高齢者や障害者等で財産管理が十分にできない方、家庭や施設の中で権利侵害などを受けている方、詐欺や悪徳商法の被害にあわれる方などが増加していくものと考えられます。

○認知症高齢者にあっては、地域支援事業の成年後見制度で介護課が、障がい者にあっては、障害者自立支援法に基づき福祉課が対応していますが、制度の認知度が低く、今後、周知及び啓発活動を行い、活用の促進を図っていく必要があります。

○社会福祉協議会による「日常生活自立支援事業」は、意思能力のある利用者との契約で、利用者が意思能力を失うと解約となるため、その後に成年後見制度へつなげるには、町と社会福祉協議会との連携を図ることが重要です。

○現総合計画においては、住民の誰もが安心して町を歩くことができるように、障害となる物を取り除くことが必要で更なる整備の必要性を提起しており、本庁舎床面改修、駅舎内公衆トイレ改修、町道歩道の切り下げなど順次施工しています。

○今後も公共施設のバリアフリー化の推進は必要ですが、改修費及び整備費の確保が課題となります。公共施設の改修及び整備計画が先にあり、これに併せてバリアフリー化を施工するよう

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になると思われます。○ほとんどの地域会館は老朽化しており、修繕が頻発し、修繕費用も高額となり、年間の修繕料も不足しています。施設修繕に対しては、その経過年数、規模(能力)によっては未施工とし、新規購入などの検討も必要です。また、地域会館の活用については会館ごとに利用頻度の差が大きく、各地域会館は耐震診断を踏まえた耐震化工事が必要です。

○現在、町(地域政策課所管)において登録されているボランティアグループと任意の障がい児者の団体を中心としたボランティア連絡協議会が存在しており、町に登録されているボランティアグループには福祉ボランティア関係として児童福祉関係のグループしか登録されていないのが現状です。また、ボランティア連絡協議会への行政の係わりがありません。今後、ボランティア連絡協議会をどのように支援し、また、町登録のボランティアグループとの整合性をどのようにしていくかが課題です。

○町内の福祉ボランティア団体の活動実態を十分に把握できていないため、サービスを必要とする方からの要望に対し的確な情報提供ができていない状況です。町が事務局を務める「湯河原まちづくりボランティア協会」では、「保育・育児ボランティア」が子育てサロンでの育児支援や保育園での保育士の補助等の活動を実施していますが、十分な人員が確保されていません。

○障がい児者の団体を中心としたボランティアグループは、社会福祉協議会などとの連携が確立されていますが、その他のボランティアと福祉関係諸団体との相互連携は図られていません。福祉課及び地域政策課と調整のうえ、ボランティアグループと福祉関係諸団体との連携を図る必要があります。

○福祉関係諸団体の相互連携は、社会福祉協議会を中心とした形では図れているものと思われますが、その他団体同士の連携は必ずしも十分とは言えません。

○団体相互の連携については、団体の活動内容を把握・考慮し、情報交換や協働の可能性について調査し、連携方法について検討を行う必要があります。

【主要施策】

1 地域福祉の総合的展開(1) 地域福祉計画の策定

現行の福祉事業の計画的推進を図るとともに、地域、関係機関、関係部署及び県と協働・連携を図り、自助、共助、公助の考え方に基づき、地域福祉計画を策定します。

(2) 保健・医療・福祉・介護の連携保健・医療・福祉・介護の各サービスが効果的・効率的に提供できるように、関係機関との連携を一層強めていきます。

(3) 相談体制の充実日常的な相談から、専門的なアドバイスや法律的な指導が必要となる相談まで、町民の悩みごとや抱えている問題の解決を支援できるよう、関係機関や専門家の協力を得て相談事業を実施します。

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(4) 社会福祉協議会の充実

地域福祉の拠点となる社会福祉協議会と協働して地域福祉の推進を図り、多様化する福祉サービスなどに対応できるよう社会福祉協議会を支援します。

(5) 権利擁護・財産保全体制の確立判断能力が不十分な高齢者や障害者等で財産管理が十分にできない方、家庭や施設の中で権利侵害などを受けている方、、詐欺や悪徳商法の被害にあわれる方などが増加していくものと考えられるので、その方たちの権利を擁護する体制づくりを進めます。また、地域包括支援センターにおいては、高齢者が住みなれた地域で尊厳ある生活と人生を実現していくための相談体制の充実、成年後見制度の周知や身寄りのない方の支援など権利擁護業務を積極的に進めます。

(6) みんなにやさしいまちの実現町民誰もが安心・安全・快適に生活することができるように、公共施設のバリアフリー化とユニバーサルデザイン化を推進します。

(7) 地域会館の活用促進地域活動やボランティア活動をはじめ、疫病、介護予防など活動の拠点となっている地域会館の積極的な活用をさらに図っていくとともに、老朽化した施設についての整備を計画的に進めます。

2 地域福祉活動への参加促進(1) ボランティア活動の促進今後の地域活動の援護者として福祉ボランティアの育成を推進し、活動を支援します。

(2) 地域各種団体のネットワーク体制の確立福祉ボランティアグループを含む福祉関係諸団体が、相互に連携できるようにネットワークの確立を支援していきます。また、各団体の活動内容を把握し、町も含めた相互間の情報交換や事業等において協働の可能性を検討します。

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(2) 児童福祉・子育て支援【現状と課題】

○平成14年に子どもの権利条約に関するリーフレットを教育委員会が作成して各家庭に配布しましたが、それから数年がたっており、現在でも子どもへの虐待や体罰、いじめなど、子どもの権利を侵害する事件が後をたたず、相談窓口についても、教育委員会の青少年相談室や福祉課などまちまちになっています。

○地域の関係が希薄となり、地域の目が行き届いていません。核家族化による子育て中の母親の孤立化が見られます。

○児童遊園、都市公園ともにさらなる整備はしておりません、また地域会館では各地区において、まつりなどで世代を超え交流が図られています。公園遊具及び地域会館の老朽化に伴う整備が必要です。

○地域会館活用事業は、地域の人々による「学び合い教え合い」に頼っており、運営も地域住民自らが行っているため、社会教育事業としてのモデルになる事業です。

○就労する母親の増加と核家族化の影響で、保育ニーズは多様化しており、低年齢児童(0歳から2歳)の保育希望が増加しています。そのような状況で、限られた予算の中で、保育基準を満たし、保育士を確保することが困難となっています。

○今日の社会経済状況から働く母親が増加傾向にあり、それに伴い学童保育希望者も増加している状況にあります。

○年々、学童保育希望者が増える中で、待機児童ゼロを目指しますが、教室の確保が困難なこと、指導員の確保が難しいなど、人的にも物的にも障害があります。また、大切な子どもたちを預かるにあたり事故等の対応保育環境が十分ではありません。

○平成16年度の児童福祉法改正により、児童相談の第一義的な機関として町が位置付けられ、また保育ニーズが多様化している現在、子育てサロンが子育て相談の核としては、難しい状況です。また、専門の相談員の配置を検討する必要があります。

○町に専門の相談員がいないため、相談者がどこの窓口に相談したらよいか迷うことがあります。保健福祉事務所・母子相談員などと連携をとり相談の体制強化を図る必要があります。

【主要施策】

1 子供たちがいきいきと育つための環境づくり(1) 子供の権利の尊重

いじめや虐待の問題に対処するため、学校、幼稚園、保育所等の子どもに直接関係する機関から、医療、保健センター等の子育てに関係する専門機関相互の連携を図り、青少年相談室や福祉課など、どこに相談しても速やかに必要な支援が受けることが出来るよう相談体制を充実します。また、地域と連携し、声かけや家庭訪問等をするなど常に地域の目が行き届くようにするとともに、子どもの権利条例の制定に向け、調査研究を進めます。

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(2) 健全な遊び場や交流の場の確保地域の子供たちが安心して遊ぶことができるよう、児童遊園や都市公園遊具等施設の充実

に努めます。また、地域会館の開放や催しなどを通して同世代・異世代間交流を図ります。

2 子育て支援サービスの充実(1) 幼児保育サービスの整備・充実

乳児保育、一時保育、子育てサロンの充実を図るとともに、多様化する保育需要に対応して、延長保育、休日保育等の特別保育やファミリーサポート事業の実施を検討します。また、少子化を踏まえた保育園民営化等、保育園のあり方について検討します。

(2) 学童保育の充実増加する学童保育希望者を受け入れるため、町職員の配置も含め予約登録制による人材の確保について検討します。また、学校の余裕教室の転用に依存しない他の施設活用も検討します。

(3) 子育て相談体制の充実学校、保育園、幼稚園、子育てサロンなどの子どもに直接関係する機関から、児童相談所医療、保健センターなど子育てに関係する専門機関相互の連携を図り、どこに相談しても速やかに必要な支援が受けることが出来るよう、ネットワークの構築を検討し相談体制の充実を図ります。

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(3) 障がい児者福祉【現状と課題】

○社会参加について、社会福祉協議会の自主事業や委託事業の実施や、たんぽぽに委託し地域活動支援センター事業の実施等、社会参加・余暇活動の充実のためのイベント等を開催していますが、事業規模の制限もあり参加者数が限られてしまうのが現状です。個別支援については移動支援事業を実施し個々の社会参加・余暇活動への移動をヘルパーにより支援していますが、ヘルパー事業所や対応可能なヘルパーの人数に限りがあるため、利用したくても利用できないことがあります。

○就労支援については、2市8町で1法人に委託して「障がい者就労・生活支援センター」を設置し、関係機関や企業と連携を図りながら障がい者の就労相談・支援を行っています。現実的には健常者の就労よりも間口は狭く、近年の経済情勢の悪化により障がい者の雇用情勢は更に厳しい状況となっており、解雇や労働時間の短縮など既就労者の影響も深刻化してきています。

○就学支援については、教育委員会等関係機関と必要に応じて連携を図っており、就学には保護者の気持ちが優先されるため保護者の理解が何よりも重要となりますが、保護者が障がいを受容できないこともあり支援が困難な場面もあります。

○スポーツ・レクリエーション・文化活動については、町内の社会資源には限りがあり、町内で実施できるイベント等の規模や内容に限りがあります。

○障がいの原因となる疾病等の予防は、介護予防や医療費抑制等の観点から非常に重要な課題ですが、予防に関する障がい福祉施策は全く無いのが現状です。

○早期療育の窓口として、訓練会を定期的に実施し保育園や児童相談所の関係機関と連携を図りながら実施していますが、療育の専門性の高さもあり、保護者の障がいの受容等個別な対応が求められ、より専門的な人材の確保が望まれます。また、療育の場として「児童デイサービス」もありますが、近隣の実施施設は小田原市内1ヵ所であるため、送迎対応可能な保護者のみの利用となっています。

○障害者自立支援法において障がい者の福祉サービスについて規定されており、自立支援給付サービスについては、全国どこでも等しくサービスが受けられる仕組みとなっています。また、地域生活支援事業は地域の実情に合わせ個々の市町村が実施するサービスで必須事業とその他事業に区分されています。

○当町においては、平成18年10月からの同法完全施行から自立支援給付サービスの提供体制を整え、地域生活支援事業の必須事業は実施済みですが、障がい者のニーズは多様化しており、また町内、近隣市町に所在するサービス提供事業所のサービス提供体制にも限りがあるため、希望どおりのサービス提供が難しい場合があります。

○重度障がい児者住宅設備改良補助事業と同様の制度が介護保険にもあり、給付基準額を差し引いた額を補助対象工事経費とするため、介護課と連携を図りながら施行していく必要があります。

○現在、1市3町で4つの社会福祉法人等に相談支援事業を委託し4カ所の相談支援事業所を、また、1法人に障害者就労支援センターを2市8町で委託していますが、障がい者の置かれた環境や障がい特性、ニーズなどは個々に異なり、また社会生活が多様化・複雑化する中で、高度な専門性や情報収集能力の向上など、相談支援体制の更なる充実が求められます。当町における障がい福祉相談体制については、多様化するニーズに対応しうる体制が脆弱で、一般事務

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職レベルでの対応では限界があります。また、例外を除きサービス提供事業所は県の指定が必要であり、サービス向上のための各種研修については高い専門性を求められます。現状ではサービス提供関係者の研修等については、県や各種団体が開催しているのが現状です。

○障がい児者の団体を中心とするボランティア連絡協議会があり、ボランティア同士の相互連携は図られているものと思われるが、現在、行政におけるこの協議会への関与がほとんどないため、支援・援助などについて、当該協議会と協議する必要があります。

○障がい児者を地域社会全体で支援するため、障がい児者に対する偏見をなくし、支援する気持ちを持たせる啓発活動を学校教育や社会教育の場を通じて行ってきていますが、今後も障がい児者は増加傾向にあるので、当該活動を継続して推進する必要があります。

【主要施策】

1 障がい児者がいきいきと暮らしていくための環境づくり(1) 社会参加・就労・就学等の支援

障がい児者の社会参加を支援する施策を推進します。また、関係機関との連携を図りながら、就労相談や職業訓練などを通して、就労及び就学の促進に努めます。

(2) スポーツ・レクリエーション・文化活動の推進関係機関が連携して、障がい児者がスポーツ・レクリエーション・文化活動等に参加しやすいように支援し、他市町の開催団体等との交流を推進します。

2 各種サービスの基盤整備(1) 保健・医療の充実

保健医療機関との連携を図り、障がいの原因となる疾病等の予防や早期発見・早期療育に努めるとともに、児童デイサービスなどの社会資源の充実に努めます。また、障がい程度に応じた保健医療サービスついては、引き続き重度障がい者医療費助成を実施します。

(2) 在宅サービスの充実従来から提供しているサービスの充実に努めるとともに、既存事業所の拡大や新規参入事業所の確保に努めます。また、障がい者のサービスに関するニーズの把握に努め、新たなサービスの提供を検討してまいります。さらに、発達障がい児者に対するサービスについても検討します。

(3) 住宅設備の改良重度障がい児者の生活環境及び居住環境の整備を図るため、重度障がい児者の身体機能に適合した住宅への改良工事に対して適正な助成を行い、地域における安全で安心した生活を支援するとともに、介助者の精神的・経済的負担の軽減を図ります。

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(4) 各種サービスの円滑な提供障がい児者が適切なサービスを受けることができるように、情報提供や相談体制の充実に向け関係機関が連携し、一人の障がい者を複数の関係機関がサポートできる支援体制の強化を図ります。

3 地域支援体制の確立(1) ボランティア等の活動の促進

障がい児者に係る福祉ボランティアの相互連携を更に推進し、ボランティア活動を支援していきます。

(2) 啓発活動の推進障がい児者を地域社会全体で支援していくため、学校教育や社会教育の場を通じての人権啓発活動などを推進します。

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(4) 高齢者福祉【現状と課題】

○高齢者には、要介護状態となった方に対する適切な介護サービス等の提供だけでなく、元気な高齢者を維持していくための仕組みづくりが必要です。

○高齢者が生きがいを持ち、社会参加できる町であるために、就労の場の確保、経験や知識などを活用する場の確保が必要です。その社会参加の場として「湯河原町生きがい事業団」がありますが、就労活動の場だけのものとなっており、その経験や知識などを活用する、生きがい活動の場としての充実が必要となっています。

○平成19年度までは、高齢者対象の「シルバースポーツ大会」や手工芸作品を集めた「シルバー作品展」は、町の事業として、社会福祉協議会へ委託の方法で実施してきましたが、平成20年度からは社会福祉協議会の独自事業として実施しており、今後も、高齢者が元気に生きがいをもって、日常生活を送れるよう「文化学習・スポーツ活動等の推進」については、社会福祉協議会と協働して実施していく予定です。

○今後、更なる高齢化の進展や家族形態の変化に伴い、ひとりぐらし高齢者や高齢者夫婦世帯の増加が予想されるため、これら高齢者の総合相談窓口として、湯河原町地域包括支援センターが中心となり、関係機関と連携し、地域資源(ボランティア)の活用を図り、地域で高齢者を見守れる体制の確立が必要と考えられます。

○平成20年度に、初めての試みとして「介護予防サポーター養成講座」を実施し、45名の方の参加をいただき、37名の方が介護予防サポーターの登録をし、町が実施している「グループリビング事業」や 介護予防事業の教室 の運営や送迎の協力をいただいています。平成「 」 21年度も介護予防サポーターの充実を図るため、「介護予防サポーター養成講座」を開催、17名の方が参加し、13名の方が、介護予防サポーターの登録をしていただきました。また、介護予防サポーターの方たちのフォローアップやよりよい活動につなげるための、「介護予防サポータースキルアップ研修」も実施しており、今後も、介護予防サポーターを育成していく必要があります。

○高齢者が自由に、そして安全に活動できるボランティアの活動内容は限られており、やりたいこと、できること、周りからのニーズ等を踏まえた検討が必要です。

○グループリビング事業については、平成20年度から「神奈川県ホームヘルプ協会」に、「企画・運営・管理」を委託し、また、平成20年度に養成した「介護予防サポーター」の協力をえて、毎月第1・3火曜日に開催し、利用者の増員を図っています。本年度からは、毎月第1・2・3・4火曜日の開催とし、回数の拡充、また、従前の「ミニデイサービス」に加え、「囲碁・将棋、カラオケ」、「健康麻雀」とプログラムを充実し、事業運営の拡充を図っています。現在、利用者の多くが女性であるため、男性の利用者が増えるよう検討することが必要です。

○今後、更なる高齢化の進展や家族形態の変化に伴い、ひとりぐらし高齢者や高齢者夫婦世帯の増加が予想されるため、総合相談窓口として、湯河原町地域包括支援センターが中心となり、援助、支援を行う必要があります。

【主要施策】

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1 高齢者がいきいきと暮らしていくための環境づくり

(1) 社会参加・就業の支援今後、更なる高齢化が進展するなか、また、平成22年度には、いわゆる「団塊の世代」が定年退職するため、その方たちが培ってきた豊富な経験や知識、技能を活かし、地域社会に還元し、次世代へ継承する事ができるよう、世代間交流の場や機会の充実を図ります。また、各種情報提供と「湯河原町生きがい事業団」を通じた、高齢者への就業支援の充実を図ります。

(2) 文化学習・スポーツ活動等の推進健康で充実した日常生活を送る一助としての、高齢者対象の「シルバースポーツ大会」や手工芸作品を集めた「シルバー作品展」について、社会福祉協議会と協働しての充実を図ります。

2 地域生活支援体制の整備(1) 地域介護システムの確立

介護や支援を必要とする高齢者等が継続して、住み慣れた場所で自立した生活を送ることができるように、適正な介護サービスの提供の確保を図るとともに、総合相談窓口である、地域包括支援センターを中心に関係機関と連携し、地域資源(ボランティア)の活用を図り、地域で高齢者を見守れる体制の確立を目指します。

(2) ボランティア活動の促進地域資源の掘り起こしにより、身近なボランティア(話相手、見守りなど)や介護予防サポーター(グループリビング事業・介護予防事業教室への協力等)の育成、地域に根ざしたボランティア活動の促進を図り、支え合う地域社会が形成されるよう努めます。また、「湯河原まちづくりボランティア協会」において、新たな活動内容のグループ発足等について検討するとともに、福祉や生涯学習等において知識や経験を活かす手法の有無についても検討します。

(3) グループリビング(宅老所)事業の促進地域会館を利用し、高齢者の閉じこもり、孤立感の解消を図り、生きがいを持って住み慣れた地域で生活を続けるための一助として、高齢者の誰もが立ち寄れる場所の運営事業(グループリビング事業)を促進するとともに、運営に当たり介護予防サポーターの協力や身近なボランティアの活用を得ていきます。また、医療・介護予防の観点から健康体操、手工芸品づくり、温泉の楽しみ方・健康入浴体験などのプログラムの充実に努め、事業運営の拡充を図ります。

(4) 高齢者世帯に対する支援家族形態の変化に伴い、他者から援助、支援を受けることが困難なひとりぐらし高齢者や高齢者夫婦世帯に対し、安心して充実した生活が送れるよう、湯河原町地域包括支援センターが総合相談窓口となり、また、必要に応じ民生委員・児童委員協議会、社会福祉協議会、保健福祉事務所など関係機関と連携を図りながら、地域資源(ボランティア)の活用により支援します。

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3 社会保障の充実

(1) 介護保険【現状と課題】

○「介護保険事業計画」及び「老人保健福祉計画」は、3年を一期として策定するもので、本年3月に平成21年度から平成23年度までの第4期「介護保険事業計画」及び「老人保健福祉計画」を策定しています。

○この第4期事業計画は、いわゆる「団塊の世代」が高齢期を迎える平成27年度を見据えて策定された、第3期事業計画の基本理念である「高齢者が安心と生きがいを実感できるまちづくり」を継承し、「湯河原町地域包括支援センター」を中心とし、「介護予防」を重点に推進していき、高齢者の保健福祉のさらなる向上を目指すものです。

○第4期事業計画期間での課題としては、(1)「高齢者人口の増加に伴う要介護認定者の増加が著しい」、(2)「ひとりぐらしの高齢者が多い」、(3)「介護保険制度について知らない人が多い」、(4)「介護予防事業の充実」、(5)「介護不安への対応」の5項目をあげており、これらについて、「湯河原町地域包括支援センター」を中心に、周知及び啓発活動の実施、総合相談体制の充実を図っていきます。

○介護保険料については、3年度を単位とした事業運営期間ごとに、介護保険事業計画に基づき事業運営期間を通じて財政の均衡を保つことができるよう、財政運営上支障が生じないよう設定しており、「第4期介護保険事業計画」の3年間の保険料の基準額は、46,317円/年で、第3期(44,857円/年)と比較すると、3.3%のアップとなります。

○健全に介護保険財政を運営していくためには、介護保険料の徴収率の確保が必要です。平成21年度での滞納繰越額は、43,190,213円となり、年々増加しておりますが、現在の介護課の人員体制では限界であり、税務課での徴収等、抜本的な体制整備が必要と考えられます。

【主要施策】1 介護事業の推進(1) 介護保険サービスの充実と給付の適正化

介護サービスの供給量確保や質の向上及び給付の適正化を図るとともに、居宅サービス、施設サービス、地域密着型サービスにより、高齢者が住み慣れた地域で生活を継続していくための体制づくりを進めます。

2 介護予防事業の推進(1) 地域支援事業による介護予防

要支援、要介護状態になるおそれのある高齢者(特定高齢者)に対する介護予防として、運動器の機能向上、栄養改善、口腔機能の向上、認知症予防事業などを実施します。一般高齢者(元気な高齢者)に対しては、介護予防についての啓発活動等を行い、日常生活習慣の改善など意識改革に取り組みます。

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(2) 新予防給付サービス要支援者に対する介護予防として、運動器の機能向上、栄養改善、口腔機能の向上などの質の高い介護予防サービスを提供する事業所の支援に努め、新予防給付サービスの充実を図ります。

3 介護保険制度の適切な運営(1) 介護保険制度の適切な運営

介護サービスに要した総費用と保険料を基礎にした財源とのバランスをとるように、3年周期で介護保険事業計画を見直します。また、保険料徴収体制の整備を図ります。

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(2) 社会保険【現状と課題】

○高齢化の進行や社会情勢の変化及び医療の高度化により、医療費の増加が続いています。○医療保険間での低所得者や高齢者の偏在を是正するための各種施策が設けられていますが、保険料の格差は解消できていません。

○国民皆保険制度を維持・継続する上で、市町村単位ではなく県若しくは国での医療保険の運営が望まれていますが、本県においても、全国的にもその取り組みは進んでいません。

○将来的な医療費の抑制対策としてメタボリック・シンドロームに着目した特定健康診査・特定保健指導制度が開始されましたが、即効的な効果は期待できず、受診率の向上対策や、受診費用の負担増大など、新たな課題も生じています。

○国民年金を取り扱う社会保険庁が廃止され、日本年金機構に引き継がれ、社会保険事務所も年金事務所となりました。

○平成20年4月から後期高齢者医療制度が始まり、老人保健医療制度は廃止となりました。○長寿医療(後期高齢者医療)制度は、保険者である神奈川県後期高齢者医療広域連合と連携して、安定した保険運営ができるようにしていくことが必要です。

○後期高齢者医療制度の廃止が決定的となり、高齢者医療を含め、新たな医療保険制度の再構築が期待されるところです。

【主要施策】1 国民健康保険制度の適切な運営(1) 安定的な事業運営

収納率の向上対策や医療費の適正化事業とともに、医療費の分析による適切な保健事業の実施や、ジェネリック薬品の利用促進など、即効性の高い施策の実施にむけ、医師会や国保連合会などと協議、検討していきます。

(2) 特定健康診査・特定保健指導の推進被保険者に特定健診や特定保健指導を実施して、生活習慣病の予防に取り組み、医療費の抑制を図ります。

(3) 被保険者への保健事業の推進医療費の分析結果から、国民健康保険の被保険者に必要となる糖尿病や高血圧性疾患を予防するための保健事業を実施して、健康増進を図ります。

2 国民年金事務の実施(1) 年金情報の提供と相談の実施

引き続き小田原年金事務所と連携を図り、年金相談等を実施し、低所得者などの給付困難者に対し、免除制度等の利用を促進します。

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3 長寿医療制度の適切な運営(1) 安定的な事業運営

神奈川県後期高齢者医療広域連合との業務分担に従い、被保険者の適正な資格管理と、保険料収納率の向上により、安定した事業運営に努めます。

(2) 後期高齢者健康診査の実施長寿医療(後期高齢者医療)の被保険者に健康診査を実施して、生活習慣病などの予防を図ります。

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(3) 生活支援・ひとり親福祉【現状と課題】

○生活保護の保護率が県下でトップとなっているのが現状です。○公営住宅の整備については、丸山住宅や神戸住宅にある退去後の木造住宅の取り壊しが課題です。

○現在、ひとり親家庭に対しては、児童扶養手当の窓口業務を実施しております。また、ひとり親家庭等に対して医療証を発行し受診時の自己負担分を支援しています。

【主要施策】1 ひとり親家庭への支援(1) 相談活動の強化

民生児童委員、県、保健福祉事務所、母子相談員などとの連携を図りながら、育児、就学、生活相談等の体制強化を図ります。

(2) 援護サービスの充実援助の充実を図り、親がその養育する責任を遂行することができるように、支援していきます。

2 自立支援と最低生活保障(1) 生活困窮者への支援

町民の相談内容に応じて適切な助言、指導を行い、生活援護の制度や施策を活用し、自立を助長します。

(2) 生活保護事業の推進保護を必要とする状態にある者に対し、生活保護法の定めるところにより、保護を決定しかつ実施します。

(3) 公営住宅の整備検討孫込住宅の耐震化を図り、住民の住宅に関するニーズを把握し、公営住宅の整備や民間賃貸住宅の借り上げ等を検討していきます。

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基本目標3 四季彩と暮らしが調和した安全・安心のまちづくり

1 自然環境の保全

(1) 地球温暖化対策【現状と課題】

○地球環境問題は、私たちの日常生活や事業活動が深く関わっており、その解決に向けて、私たち一人ひとりがライフスタイルを見直し、大量生産、大量消費、大量廃棄型の社会経済システムから環境への負荷の少ない低炭素社会への転換を図っていくことが求められています。

○有限な地球環境資源のもと、持続可能な社会の仕組みを構築することが強く求められていることから、私たちの暮らしの中においても、地球温暖化対策や省資源、省エネルギーへの取り組みが急務となっています。

○温室効果ガスの排出量は、国レベルで業務部門、家庭部門で著しく増加しており、排出削減に向けた取り組みや啓発が必要となっています。

○車社会は大きな転換期を迎えており、環境に配慮したEV(電気自動車)・PHV(プラグインハイブリッド車)車の普及が見込まれます。

○歩くことや自転車に乗ることなど、環境に配慮した移動手段の積極的な利用が求められています。

○森林は土砂流出防止、水源涵養のほか温室効果ガスの吸収源としての大きな役割があり、適切な管理が求められています。

【主要施策】

1 計画的な取組の推進(1) 地球温暖化防止地域実行計画の策定

地域一丸となって地球環境問題を考え、一人ひとりが行動できるよう、地球温暖化防止地域行動計画を策定します。

(2) 地球温暖化対策実行計画の推進    低公害車の導入やグリーン購入など、町役場が率先して地球温暖化対策を実施します。

2 低炭素社会づくりの推進(1) 車社会の変化への対応

EV(電気自動車)・PHV(プラグインハイブリッド車)車の普及をにらみ、充電拠点を整備するとともに、充電時間を活用した買い物などの利便性向上に努めます。

(2) 二酸化炭素吸収対策の推進    森林が温室効果ガスを吸収する役割を果たすことができるよう、間伐などの森林整備や

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地域の気候や風土に合った植樹を実施します。

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(2) 自然保護【現状と課題】

○周囲を山地、丘陵と相模湾に囲まれ、豊かな自然環境は私たちの生活に潤いとやすらぎをあたえ、町民共有の貴重な財産となっています。

○近年、地球の温暖化、オゾン層の破壊など地球環境の問題について人々の関心が一層高まるとともに、地球規模での環境異変や自然の生態系への影響が深刻さを増してきています。

○保安林の指定がかけられており、特に保健保安林地区以外は、皆伐・構造物の設置は制限されています。

○自然公園の整備事業のうち着手されているのが池峯地区(もみじの郷)だけで、他の部分は未着手となっています。

○海岸景観の保全については、県が策定を予定している「(仮称)なぎさ軸広域景観構想」との連携を図っていく必要があります。

○本町の景観計画では、海への眺望確保のため、建築物等の高さの制限を行っていますが、届出・勧告制度なのでより実効性のあるものへと移行させる必要があります。

○広場公園の整備については、公園用地を平成17年4月に地上権設定を行いましたが、海岸整備工事(人工リーフ)が終了しないと実施できない状況で、当初平成18~21年度を予定していましたが、国との調整で平成23年度までとなり、今後さらに遅れる可能性もあります。

○漁港区域の整備は、長期計画を立て事前協議を行う必要があります。○公園へのアクセス、広場公園箇所の災害対策や駐車場の整備などが必要です。○山岳地域から里山にかけて生息するシカ、イノシシ、サルなどはエサを求めて人里まで降りてくる傾向にあり、野生生物と人間との共存が課題となっています。

○身近な自然や貴重な自然を守り、自然と共生する中で、多様性に富んだ豊かな自然環境を将来に引き継ぐことが求められています。

【主要施策】

1 自然環境の保全と活用(1) 山間部の保全と活用

森林が多い山間部では、森林の荒廃を防ぎ森林資源の保全を図りながら、県立奥湯河原自然公園の事業推進をはじめ、自然とのふれあいができる場として拠点的な活用を図ります。

(2) 海岸部の保全と活用砂浜や漁港のある海岸部では、海岸景観を保全するとともに、漁業やレクリエーションでの活用を図り、埋立地では、広場公園を町民の憩いの場として整備を図ります。

(3) 生物多様性保護の推進野生動植物の管理と保護対策を充実し、生物の多様性を確保します。

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(3) エネルギー【現状と課題】

○石油、電気などの使用によって生活様式が変わり、かつては、エネルギーとして利用されていた身近な森林に手が入れられず放置され、豊富な自然エネルギーである森林資源が活用されていない状況です。

○省エネルギー、省電力など省エネルギー対策に関する日常的な認識を高めていく必要があります。

○現在低公害車の導入促進のための補助金は廃止されています。○豊富な森林資源や水資源など、地域の特性を活用した新エネルギーの利用が必要とされています。

○太陽光発電設備の設置にかかる費用、風力発電に必要な風力、設備の設置場所など、個人や企業の努力だけでは解決が困難な部分があります。

○太陽光については、現在国、県、町の補助金があり、個人住宅への設置が進んでいますが、風力や他の自然エネルギーについては、今後普及に向けた検討を進める必要があります。

【主要施策】

1 省エネルギーの推進(1) 省エネルギーの啓発

冷暖房温度の設定やクールビズ、ウオームビズなど工夫をこらした、省電力・省エネルギーを実践し、町行政活動から排出される温室効果ガス排出抑制の目標達成を図るとともに、住民に対し、省エネルギー・省電力などの推進PRを行い、低炭素社会を目指します。

(2) アイドリングストップの啓発・低公害車の導入の推進アイドリングストップ啓発活動を民間との協働により継続して実施していきます。また、公用車の低公害車導入を進めていきます。

2 新エネルギーの活用(1) 新エネルギー活用の検討

太陽光を利用した発電や、太陽熱を利用した住宅の普及などを促進するほか、町内で利用可能なエネルギーの活用を検討します。

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2 循環型社会の構築

(1) ゴミ処理【現状と課題】

○環境に負荷の少ない、持続可能な循環型社会の構築をめざすため、町民、事業者、町が協働し、ごみの発生抑制(リデュース)、再使用(リユース)、再生利用(リサイクル)に取り組む必要があります。

○資源回収実施団体の登録数及び活動が下降気味で、回収される資源系ごみの量が減少傾向にあります。

○プラスチィック包装など分別収集されていないものがあります。○ルールを守らないことによるごみ集積場所でのごみの散乱、未分別が見受けられます。○海水浴場開設期間には海水浴場関連の臨時収集を実施するなど、季節やイベント、交通状況により収集体制、収集時間帯等の変更を行い、柔軟な収集体制をとっていますが、人員、収集車両の配置等で苦慮しています。

○個人及び小規模事業所の多い本町では、事業系ごみと家庭系ごみの区分が難しい状況にあります。

○平成13年に選別処理施設が整備され、ペットボトル及びガラスびん等の処理を行っています。また、カンについても、粗大処理施設において処理を行っています。しかし、プラスチック製容器の処理については、未着手となっています。

○焼却灰の資源化については、最終処分量の削減、循環型社会の構築の面からも、実現に向け検討すべき課題です。しかし、資源化のための施設整備については、建設や運用にかかる経費を当施設が単独で負担することは困難なため、民間事業者への委託や広域での処理を含め、検討すべき課題です。

○現在、小田原市、箱根町、真鶴町及び当町の枠組みでごみ処理の広域化を検討しており、最終処分場においては3町の中に建設することが検討されています。

○最終処分場は、昭和62年度から埋立処分を開始し、ごみの減量化、リサイクルの推進などにより、平成24年度まで処分が可能です。しかし、最終処分場の受容量も限度が近づいており、施設整備にかかる期間もかなり見込まれるため、その間の焼却灰の処理についても検討する必要がある。

○小田原市・足柄下郡3町によるごみ処理広域化の検討は、今までの検討結果について「ごみ処理広域化の考え方」を公表するに至っていますが、まだ実施計画を策定するまでには至っていません。

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【主要施策】

1 3Rの推進(1) リサイクル・リユースの促進

指定ごみ袋の導入の検討、住民一人ひとりの意識啓発などによる分別の徹底と、広報等の活用、学校等への働きかけなどにより、リサイクル・リユース意識の向上と資源回収活動の活性化、資源回収量の増を図ります。また、未分別品目の分別収集及び資源化の検討を湯河原町真鶴町衛生組合、真鶴町と継続していきます。

(2) リデュースの促進生ごみ処理器設置補助金のPRをすすめ、生ごみの資源化及び可燃ごみの減量化を図ります。

2 ごみ処理体制の充実(1) ごみ収集体制の充実

収集職員数の実状にあわせ、委託収集の範囲拡大を検討していきます。また、季節やイベント開催、交通事情など、通常収集では対応できない状況においては、収集時間帯を変更するなど柔軟な収集体制を実施していきます。

(2) 事業系廃棄物の適正な処理の指導事業活動に伴って生じる廃棄物、処理困難物の搬出業者に対しては、処理を担当する湯河原町真鶴町衛生組合と連携し、適正な処理を指導します。

(3) 資源ごみの選別処理施設の建設容器包装リサイクル法に適応した処理のため、広域でのごみ処理を含め、施設整備を図ります。

(4) 焼却灰の資源化の検討最終処分量の削減及び循環型社会の構築をめざし、焼却灰の資源化について検討します。

(5) 最終処分体制の検討新たな処分場の確保とその間の一時的な委託処理及び既設処分場の跡地利用について、「ごみ処理広域化計画」を含め検討を進めます。

(6) 広域化の検討効率的なごみ処理事業による資源循環型社会の実現のため、ごみ処理の現状と課題を踏まえ、広域化に向け小田原市・足柄下地区における検討を進め、広域化実施計画の作成を進めます。

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(2) し尿処理【現状と課題】

○現在、し尿等の処理は、足柄上衛生組合に委託しています。廃棄物は自区内処理が基本となっているが、単独での処理施設建設等は困難な状態で、熱海市との広域での共同処理の検討も現在熱海市の都合により、当面平成23年度まで凍結という状態です。

【主要施策】

1 し尿処理体制の充実(1)新たなし尿処理体制の確立

安定したし尿等の処理を行うため、現在凍結されている熱海市の動向も注意深く見守るとともに、真鶴町とも協力し、今後とも、し尿処理が滞らないように進めていきます。

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(3) 環境学習・教育【現状と課題】

○自然環境保全活動を進めることにより、自然への関心や理解を深め、自然に配慮した行動をとる人材の育成と、自然とのふれあいの場や学ぶ機会を提供し、環境教育や自然と共生するまちづくりを進めていくことが必要です。

○環境問題を子どもたちに伝えていく機会が少ないことから、環境に対する意識向上のための情報提供や教育・学習の機会を充実させる必要があります。

○地域ぐるみで自然環境や歴史文化など、地域固有の魅力を観光客に伝えることにより、その価値や大切さが理解され、保全につながっていくことを目指していく仕組みである「エコツーリズム」が注目されています。

○観光客に地域の資源を伝えることによって、町民も自分たちの資源の価値を再認識し、地域の観光のオリジナリティが高まり、活性化させるだけでなく、地域のこのような一連の取り組みによって地域社会そのものが活性化されていくと考えられています。

【主要施策】

1 環境学習・環境教育の推進(1) 自然体験・自然学習機会の創出

自然体験、自然学習の機会を創出し、自然への関心や理解を深めるよう努めます。

(2) 環境教育施設の整備子どもたちにあたたかみやぬくもりを伝えるべく、木造ながら近代的で、ソーラーパネル、雨水を使った水道など、環境にやさしい設備を備えた、環境教育施設を整備します。

(3) 学校での環境学習の充実総合的な学習の時間などを活用して、環境学習の充実を図ります。

(4) エコツーリズムの検討町民参加型の環境学習機会や講演会などの充実を図るとともに、自然を対象とする観光によって地域の振興を図ろうとするエコツーリズムを検討します。

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(4) 環境衛生【現状と課題】

○今日の生活環境に関する公害問題は、従来の産業型公害から都市型・生活型公害へと移行しています。

○大気汚染、水質汚濁などの公害防止については、監視体制の強化を図るとともに、関係法令や適切な環境情報の提供に努めることが大切になっているため、関係機関と密接な連携により、迅速 的確に解決することが求められています。・

○また、野焼きや不法投棄など、日常生活に起因する事柄について、環境への影響を広く知ってもらい、防止に努める必要があります。

○大きな騒音、振動などの公害としてとらえるものはありませんが、日常生活の中での隣近所での物音などの問題は増加しています。

○県境にあることから、静岡県熱海市との光化学スモッグ注意報等の発生状況が異なっています。

【主要施策】

1 生活環境の保全(1) 水質保全の推進

河川水質調査、地下水モニタリング調査などにより状況把握を行い、水質保全に努めます。

(2) 不法投棄や野焼きの防止野焼きや不法投棄の防止について、あらゆる機会を通して積極的な啓発活動を行い、モラルの向上に努めます。また、県および近隣市町などと連携したパトロールの実施や不法投棄防止看板の設置などの監視体制の強化に努めます。

2 都市型公害防止対策の推進(1) 市街地での騒音・振動などの解消

住環境の変化により、年々増加傾向にある市街地での騒音・振動など都市型公害の解消に関係機関と連携して努めます。

(2) 大気環境の保全県及び町内各関係機関との連携を密にし、注意報等発生時に迅速に情報の伝達を行い、光化学スモックによる被害を防ぐように努めます。

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(5) 上下水道【現状と課題】

○安心・安定な水道を供給し、町民が信頼し続ける上水道の整備を目指すためは、水源水の安定確保、水質徹底管理のための浄水処理方法の改善、老朽化した施設の更新、環境へ配慮した施設の整備及び運営基盤の強化等が必要です。

○平成18年度湯河原町地域水道ビジョンにおいて整理された課題を中心に平成19年度に策定した水道事業施設整備計画を基に水道事業を行っています。

○また、水源を保つため、水源周辺の森林の保護育成・整備については、町全体で取り組む必要があります。

○簡易水道事業においても、水質対策や災害対策などに対して課題を抱えています。これらを湯河原町全体の問題をしてとらえ、将来に向けた対策を講じる必要があります。

○事業認可区域外の下水道整備の経済性について再検証し、集合処理(下水道)が適当と判断された区域については計画的な整備を推進し、早期整備完了を目指す必要があります。

○本町の面整備は昭和50年代から区画整理地内を中心に取り組んできましたが、今後老朽管の改築と侵入水防止対策に順次取り組む必要があります。

○下水処理施設の増設については、汚水量の増加に合わせて拡充しますが、人口減少や節水傾向等の社会情勢を勘案し、将来的な水需要に対応した施設規模を検討する必要があります。

○下水処理施設の改築については、耐用年数や施設の機能の重要度等を勘案した上で優先順位を決め、長寿命化計画を策定後、計画的に対応する必要があります。

○下水処理場は住宅地に隣接するとともに、観光立町としての玄関口である国道沿線に位置することから、今後とも臭気対策を万全にする必要があります。

○地震によるライフライン機能の停止を防止するため、下水処理場の耐震化に取り組む必要があります。

○下水道の安定的なサービス提供と事業の継続性を確保するため、下水道整備区域と処理施設の施設規模の見直しに伴い、経営計画の見直しを図る必要があります。

○増大する資産に対し、効率的な施設管理と安全性の確保が求められています。○経済的な負担等様々な問題がありますが、下水道供用開始区域内の未接続家屋の解消に努める必要があります。

○旅館等大型事業所の下水道への接続を促進する必要があります。○下水道全体計画区域外において、新設する場合は法律により合併処理浄化槽でなければならないとされていますが、既設の単独処理浄化槽については、合併処理浄化槽への転換は努力義務となっているため、転換があまり進んでいません。

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【主要施策】

1 上水道事業の推進(1) 上水道の整備

水道事業施設整備計画に基づき、経営状況を踏まえ費用対効果を勘案して事業採択を検討し、今後も施設の整備を継続的に実施します。

(2) 簡易水道組合の統合水資源の有効活用、効率的な上水道の供給、統一的な町民サービス及び水道事業経営の健全化を図るため、簡易水道組合の統合に向けた定例会や意見交換会等を実施します。

2 下水道事業の推進(1) 下水道事業の面整備の推進

人口減少や節水傾向等将来的な水需要を予測するとともに、単独処理(合併処理浄化槽)との経済性を比較しながら、効率的で経済的な下水道整備区域を選定し、町民の生活環境の向上を図るため、下水道の面整備を計画的に推進します。

(2) 下水道施設の整備充実施設の改築については、長寿命化計画を策定し、施設の長寿命化によるライフサイクルコストの軽減を図りながら、計画的に整備します。また、浄水センターは汚水量の増加に合わせて順次整備しますが、下水道整備区域の再編と人口減少や節水傾向等の社会情勢を勘案し、将来的な水需要を勘案しながら増設を検討します。

(3) 下水道経営の健全化下水道の安定的なサービスの提供と事業の継続性を確保するため、下水道整備区域及び下水処理施設規模等全体計画の見直しや、計画的な施設整備及びライフサイクルコストの平準化、資産を適正に管理するための企業会計方式及びストックマネジメントへの取り組みを進め、経営基盤の強化と安定を図ります。

(4) 公共下水道への早期接続の推進、浄化槽の計画的な整備の促進下水道全体計画区域外においては、「浄化槽設置整備補助金」事業の周知と、単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換のPRを進めます。また、下水道区域内では下水道への接続推進を図り、公共水域の水質汚濁防止及び生活衛生環境の向上を図ります。

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3 安全な暮らしの確保

(1) 防災・危機管理【現状と課題】

○地域防災計画は、平成14年度に改定されて以来、緊急避難場所などの追加はありましたが、改定が行われていません。

○町役場本庁舎の第3庁舎は、新耐震基準となった昭和56年以降の建物ですので、耐震基準を満たしています。しかし、第1庁舎及び第2庁舎は、耐震化が必要ですが耐震化工事を行っておらず、強い地震に襲われた場合、倒壊などの危険性があります。

○発電装置の整備については、整備ができていません。○耐震診断費用だけでも多額の費用が必要となることが、町施設全体の耐震改修の実施率が向上しない一因です。国や県の支援を受けなければ実施は困難となります。また自家発電装置も防災上必要ですが、耐震改修と合わせた方が効率的に実施できます。

○防災思想の普及、防災リーダーの養成などは、その性質上、毎期、定期的に継続実施しなければなりません。

○湯河原町防災行政無線は、町内放送などに使われる固定系と持運びでき、災害時に災害対策本部と各避難場所などの間で連絡がとりあえる移動系があり、どちらもアナログ方式で運用しています。

○固定系設備は昭和56年から昭和57年に整備したもので、一部の部品は製造中止により、修繕できないなどの問題が生じています。また、緊急対処事態や、緊急地震速報を受信する J-ALERTに接続できない状態となっているため、早急にデジタル化への移行が必要です。平成21年度にデジタル化に向けた基本計画策定及び実施設計を行いました。

○消防庁は、防災情報通信設備整備事業交付金を新設して、全国瞬時警報システム( J-ALERT)の一斉整備を目指しています。

○避難収容施設として指定している公共施設が耐震化されていないため、早急の整備が必要です。○食料等の備蓄については、防災資機材と異なり消費期限があるため、周期的かつ定期的な入れ替えが必要です。

○宿泊施設については、平成13年3月に湯河原温泉旅館協同組合と「災害時における避難収容施設等の提供に関する覚書」を取り交わしているため、ある程度の帰宅困難者の収容は見込めますが、大きな災害などにより、本町が陸の孤島状態になった場合には、陸路での輸送は困難となるため、鉄道機関以外の輸送手段を講じる必要があります。避難誘導などについては、地域防災計画に盛り込まなければなりません。

○地震や風水害のときに危険となる箇所については、既に改良工事に着手していますが、予測できない自然現象も考えられることから、今後も危険箇所などについては、県等と連携し、調査・把握することが必要です。

○急傾斜地整備事業は神奈川県の事業であり、区域の指定を受けて実施されます。区域の指定には、土地所有者の承諾が必要となり、また、町負担(約1~2割)も必要となります。

○迅速な津波避難行動を開始するためには、津波情報を瞬時に伝達することが必要であることから、防災行政無線のデジタル化の整備を急がなければなりません。

○また、津波避難ビルとして指定した施設は3箇所ありますが、更なる拡大が必要です。

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○神奈川県による高潮対策事業(人口リーフ)が平成23年度に完成予定です。○予算の確保、公園へのアクセス、広場公園箇所の災害対策や駐車場の整備などが必要です。○災害に対応する能力の弱い高齢者や障がい者などは、大規模な災害が発生した場合、情報の入手や避難行動等が困難なため、大きな被害を被る可能性があります。こうしたことから、地域の方々、関係機関・団体及びボランティアの皆さんの協力のもと、関係者が支援のためのネットワークを構築する必要があります。

○災害時要援護者の避難支援については、その計画案を福祉課が所管課となって検討しています。○災害時要援護者避難支援の個別計画は、平成19年8月に作成していますが、定期的な見直しが必要です。

○湯河原町国民保護計画は、平成19年3月に策定しています。この計画の見直しについては、当該計画の中で、政府における国民保護措置についての検証に基づき、必要に応じて行われる基本方針の変更、国民保護措置に係る研究成果や新たなシステムの構築、県国民保護計画の変更、国民保護措置についての訓練の検証結果等を踏まえ、不断の見直しを行うこととなっていることから、これらの事項について配意しなければなりません。

【主要施策】

1 防災対策の推進(1) 地域防災計画の適切な運用、見直し

関係機関と連携しながら適切な運用と必要な見直しを行います。

(2) 防災拠点の整備防災拠点の耐震化並びに自家発電装置の整備を図るとともに、大規模地震などの災害に素早く対応できる体制を確立します。また、優先度の高い公共施設から計画的に耐震改修を実施し、公共建築物の耐震化率の向上を目指します。

(3) 自主防災組織の強化と防災意識の醸成町や防災関係機関と連携し、各地域の実状を考慮した防災訓練、研修、講演会などを通して防災思想の普及を図るとともに、資機材整備への助成や地域の防災リーダーの養成を行い、自主防災組織の強化を図ります。

(4) 非常通信連絡網の整備防災行政無線を現在のアナログ方式からアンサバック(送受信)が可能なデジタル方式へ移行するとともに、全国瞬時警報システム(J-ALERT)にも対応できるシステムを構築し、非常通信連絡網の強化を図ります。

(5) 避難場所・応急輸送路の確保大規模災害時における避難場所・緊急交通路の確保を図るとともに、町民への周知を図ります。

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(6) 防災倉庫・資機材の整備、食糧等の備蓄、非常物資・応急給水の確保地域防災計画を踏まえた役場及び各地域の防災倉庫や防災資機材の整備、食糧等の備蓄、非常物資や応急給水の確保を進めます。

(7) 帰宅困難者対策の推進宿泊施設や集客施設の管理者、鉄道機関や様々な輸送機関と連携して、観光客等の帰宅困難者の避難誘導や一次的な宿泊施設の提供などの対策を推進します。

(8) 危険箇所の把握、改良事業の推進県が実施した土砂災害警戒区域等の基礎調査結果を踏まえ、地震や風水害のときに危険となる箇所を県等と連携して把握し、改良事業を県等と協議して進めます。また、県の急傾斜地整備事業については、崖の下地区・聖ケ窪地区の整備が完了したことから、温泉場地区の整備を促進します。

(9) 津波対策の強化と人工リーフの整備津波対策として、迅速な津波避難行動を開始するために、津波情報を瞬時に周知・伝達することや、海岸地域にある3階建て以上の高層ビルを津波避難ビルに指定し使用できるよう所有者に協力を求めることなど、津波対策の強化・充実を図ります。また、神奈川県による高潮対策事業による人口リーフの整備を促進します。

(10) 災害時要援護者の避難支援湯河原町災害時要援護者避難支援計画を策定するとともに、災害時要援護者避難支援の個別計画については、防災部局、福祉部局、地域、関係機関などが連携して定期的に見直しを図りながら、実効性のある避難勧告等の伝達体制や避難行動支援体制を構築します。

2 危機管理対策の推進(1) 国民保護法への対応

湯河原町国民保護計画に基づき、武力攻撃事態等において、町民の避難・救援、武力攻撃災害への対処などの国民の保護のための措置を総合的に推進します。

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(2) 治山・治水【現状と課題】

○国、県、町それぞれの役割分担のもと、治山、治水事業を積極的に推進し、町民の安全・安心を確保していく必要があります。

○治山事業は森林の公益的機能を発揮する効果を有することから、土砂の流出や崩壊を抑制する山地災害抑制機能を高めます。

○危険な地形や土質を有する箇所の保安林指定を進めるとともに、保安林の災害復旧及び予防施設の整備や適正な保育を促進することにより、災害に強い森林づくりに取り組む必要があります。

○砂防事業については、現在、カヤの木沢の整備を実施していますが、今後は新崎川上流についても実施する予定です。

○治水事業は砂防、河川、水路改修など多岐にわたる事業であり、洪水による被害、土石流、急傾斜地崩壊などを防ぐため積極的に取り組む必要があります。

○近年、短時間に集中的に降る豪雨の影響で、中小河川の溢水による市街地の浸水被害が全国的に見られるようになり、その対策が求められています。

○基幹水路の断面変更は非常に難しいものがありますが、近年における降雨量の増加に対応可能な水路の整備ができるか、放流先の神奈川県管理の河川の断面が十分であるか検討する必要があります。

○整備にかかる費用は大きく、予算確保も課題です。

【主要施策】

1 治山事業の推進(1) 治山事業の推進

現保安林においては、県や森林所有者に適正な保育などの事業を働きかけるとともに、治山事業主体である県と連携を密にし、山地災害の危険箇所の把握と保安林指定を進め、事業の早期実施に向け働きかけます。

2 治水事業の推進(1) 治水事業の推進

治水対策の充実を図るため、関係機関と災害危険箇所の定期的な調査、巡視を実施するとともに、河川改修、砂防、急傾斜崩壊防止などの事業を促進します。河川改修の実施にあたっては、自然生態に配慮し地域景観に調和した工法を検討します。

(2) 河川・水路の整備町内の中小河川、水路などについて改修整備に取り組みます。さらに、雨水の流出抑制のため、雨水貯留浸透施設の普及、大規模開発における構造物の規制、誘導を検討します。

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(3) 交通安全【現状と課題】

○最近の全国的な交通事故の傾向は、死亡事故の過半数以上を高齢者で占めており、子どもが巻き込まれるケースや、飲酒運転による事故も見られられます。

○観光地ならではの交通渋滞や混雑の影響によって市街地の生活道路まで車が進入するようになり、町民の生活空間にまで交通事故の危険性が高まっています。

○高齢者・幼児・児童を対象とした交通安全教室を積極的に実施し、全体としての交通事故発生件数は減少傾向にあるものの、高齢者・幼児・児童の交通事故発生件数は横ばいあるいは増加傾向にあります。

○街頭での交通指導や各年齢段階に応じた安全教育を推進するとともに、交通安全施設の整備を進めるなど、今後も事故防止のための総合的な施策を町民と協働で進めていく必要があります。

○交通安全施設は、平成14、15年度に実施した「交通安全総点検」を参考に順次整備しています。○町内には幅員の狭い道路が多く、歩道の幅員の確保、用地の確保が課題です。

【主要施策】

1 交通安全対策の充実(1) 交通安全施設や歩道の整備

幼児・児童の通園、通学路の安全確保のため、道路状況や通行量に応じた効果的な施設整備に努めます。また、高齢者等歩行者の安全確保のため、横断歩道の設置など、関係機関と協議し、ユニバーサルデザインに配慮した交通安全施設の整備に努めます。さらに、観光客が交通事故に遭わないよう、道路標識、防護柵、道路反射鏡、道路照明灯などの新設、更新整備を計画的に実施します。

(2) 交通安全意識の高揚幼児から高齢者まで、組織的、体系的な教育や、各段階に応じた適切な学習会の充実を図ります。特に、高齢者の交通事故発生原因となっている「道路での横断」や幼児・児童の交通事故発生原因となっている「自転車の乗車」など、交通ルールやマナーを重点的に指導し、交通事故減少に努めます。また、高齢者においては地域における高齢者交通安全教育の推進役となる「交通安全シルバーリーダー」を養成します。

(3) 交通安全運動の推進交通安全思想の徹底を図るため、警察、交通安全協会や各種団体との連携のもと、町民参加による交通安全運動を推進します。

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(4) 防犯【現状と課題】

○全国的に、殺人、強盗などの凶悪犯罪のほかに、インターネットを利用した悪質な犯罪や、架空請求・不当請求、マルチ商法、振り込め詐欺など、新たな犯罪も進行しています。

○本町では窃盗犯罪が多数発生しており、傷害や恐喝事件も発生しています。○警察を中心に地域と連携し、防犯体制の整備と青少年の非行防止を含む地域ぐるみの防犯活動を進めており、今後も一層の防犯体制の整備充実を図るとともに、犯罪を未然に防ぐための地域環境の整備、安全・安心に対する意識の高揚、啓発の推進が必要となっています。

○ある空き家の中には老朽化が著しいものもあり、周辺環境への影響や道路に近い場合は通行者への影響も考えられます。

【主要施策】

1 防犯体制の充実

 (1) 防犯意識の高揚安全で安心なまち湯河原の実現を図るため、地域や関係機関と緊密に連携して防犯意識の高揚を図り、犯罪を起こさせない、犯罪に強いまちづくりを推進します。

 (2) 防犯環境の整備防犯パトロールを実施するなど、犯罪が発生しにくい地域環境の整備を町民とともに推進します。また、通学路、住宅地などにおける防犯灯(青色LED)の整備を促進し、犯罪の未然防止に努めます。

 (3) 空き家の安全対策の推進老朽化が進み、地域住民の生活安全面で問題があると判断される空き家については、所有者に対し家屋の解体もしくは補修について指導します。

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(5) 消防救急【現状と課題】

○消防庁舎の施設改善、耐震診断、耐震補強、車庫排ガス対策、非常電源、高機能指令センターについては、概ね事業が終了していますが、今後保守点検費用や維持管理費について抑制していく措置が必要となります。

○消防水利については、防火水槽や消火栓の老朽化に伴い維持管理方法の検討が必要です。○消防用ホースは、65mmホース198本、50mmホース96本を基準数としているが更新計画通り整備出来ていないのが現状です。

○上下式防火服は、順次更新を図っていますが、10年を経過している防火服もあるので、隊員の安全面も考慮すると早期の更新が必要です。

○懸案だった、はしご付消防自動車は更新できたものの、その他の消防車両等の更新については、他の事業を優先するため、更新時期を遅らせ現在に至っており、故障や積載機材の経年劣化により消防活動に支障を来たすことが懸念されています。

○救助工作車は、更新基準年数を15年としていますが、19年を経過しており、積載している機材も経年劣化により故障等も多く、早期の更新が必要となっています。

○消防無線のデジタル化は平成26年度運用開始を目指し、県内各消防本部で共同整備等の調整をしていますが、費用負担等で思うに任せない現状です。

○統計システムの導入については、多額の予算が必要となるため、今後も検討していく必要があります。

○高圧ガス圧縮機については導入済みですが、震災時において、災害現場での負傷者の救護所、トリアージ実施場所、現場指揮本部等多目的に活用できるエアーテントや倒壊建物の中にいる負傷者を救助するための資機材を導入する必要があります。

○現在、潜水士有資格者は22名いますが、年齢的に潜水訓練を制限している隊員もいることから、今後も継続的に育成していくことが必要です。

○消火活動に必要不可欠な空気呼吸器については、更新計画に基づき順次整備していますが、必ずしも要望通りでないので、状態を見ながら入れ替えをしていく必要があります。

○消防団詰所は分団によって老朽化が進み、改修や建替えを検討する必要があります。○消防団車両は、更新時期を18年とし、順次更新計画に基づき更新していますが、時代に則した機種を検討する必要があります。

○消防団員の被服については、新基準の活動服の導入をする必要がありますが、財源が町単独となるため、多額の費用が嵩むことから導入時期を他の事業と重ならないようにしていく必要があります。

○消防団用ホースや資機材については、備品検査を通じて毎年点検はしているものの、各分団によってばらつきがあるため効果的な整備が必要です。

○消防団無線のデジタル化については、消防救急無線のデジタル化と同様に検討する必要がありますが、多額の費用を要するため、システムを十分に調整する必要があります。

○消防団の組織の弱体化対策として、機能別分団員の導入や女性消防団員の働きかけを積極的に行う必要がありますが、消防団だけの問題でなく地域全体で対応していくことが急務です。

○火災発生時、危険度の高い対象物への立入り検査、防火指導の強化を図りたいが、人員の調整が難しい状況です。

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○専門的な知識を有する職員を育成するためには、経験や研修に多くの時間を要し、検査要員を確保するのが困難です。

○住宅用火災警報器は、平成23年5月末までの設置が義務付けられていますが、設置率が低く、期限を過ぎた後の対応も検討する必要があります。

○救急事象の多様化と救急活動の高度化に伴い、様々な要求に対応すべく車両の形状や救急資機材の充実を図ってきましたが、車両艤装費並びに資機材購入費が次第に高額となってきており、救急車整備事業費が3,000万円を超える状況になっています。国庫補助などが採択され難く一般財源及び起債に掛かる割合が多くなると思われますが、救急活動を安全かつ円滑に行うためには、耐応年数内(7年)での更新が望まれます。

○現在、消防本部の救急救命士は12名で運用していますが、実動人員としては最低でも13名必要であり、今後定年退職等でさらに救急救命士の欠員が予測されるため、有資格者の採用や救急救命士の養成に積極的に取り組む必要があります。

○救急救命士は医療従事資格者であることから、知識の習得、技術の向上を図るべく多くの研修が必要となりますが、現有数では、長期間の研修になると救命士同士で調整をしており、個々の負担が大きくなっています。

○現在も、町担当部局との調整を行いながら、震災及び集団救急事故などに対応する資機材の整備を進めているところですが、まだまだ現有数が少ない状況で、備蓄資機材保管場所の確保も必要となります。

○地震等の大規模災害発生時には、当町はライフラインが寸断され孤立化が予想されるため、県及び国との調整も不可欠です。

○新型インフルエンザ等の集団感染に対応するため、感染防止衣等の計画的な整備が必要です。○普通救命講習に必要な資機材は、寄贈等により充実化され多くの方が受講しています。消防庁舎での講習は視聴覚施設は整っているものの、他の施設ではビデオプロジェクター等が無く講習方法に限界があります。

○再講習や上級救命講習会の開催にあっては、講師を救急救命士や警防課職員が担当していますが、絶対数が足りず日程等の調整が難しい状況にあります。

○現行の本町の消防が担う救急輸送体制については、より一層の連携を含め体制の充実を図る必要があります。ドクターヘリの運行における救急医療体制については、夜間運行できないなどさまざまな現実に直面しており、これらの課題の打開に向けて関係市町村で協議を継続中です。

【主要施策】

1 消防体制の整備(1) 常備消防体制(消防本部・消防署)の整備

常備消防体制の整備は、全ての事業で多額の予算を必要とし、更新計画通りに実施できない現状にありますが、町民の生命に直結していることを考慮すると、事業内容を精査し効果的な運用を図ることが必要なことから、事業終了後の保守点検や維持管理費にも配慮して常備消防体制の整備を進めます。

(2) 救助活動の強化各資機材、車両、資格ごとの整備・育成計画に基づき、必要な資機材の整備、有資格者の育成を図ります。

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(3) 非常備消防体制(消防団)の充実消防団詰所の建替えや改修、車両の更新、消防団員用被服、消防団用ホース、資機材については、継続的に更新します。また、消防団の充実強化については引き続き関係機関との連携により取り組みます。

(4) 火災予防体制の強化と被害軽減対策火災発生時における危険度の高い不特定多数の人が出入りする防火対象物や消防設備に不備があると認められる防火対象物に対し、効率的に検査、指導を行う体制を整備します。また、住宅防火については、チラシ等による広報だけでなく、各種イベント等でのPR活動の充実や新たな取組みの検討を進めます。

(5) 消防広域化への対応災害が大規模かつ複雑化する中で、災害発生時における初期体制の強化を図り、統一的な指揮下での効率的な運用を行うために、さらに大きな枠組みの中で消防の広域化が進められており、神奈川県消防広域化推進計画を視野に入れながら、体制づくりに努めます。

2 救急業務体制の整備(1) 救急自動車の更新

救急自動車は、車両整備計画に基づき順次更新しているところですが、平成20年度に本署高規格救急自動車を8年目にして更新し、平成22年度に第2救急車、平成24年度に第3救急車の更新を計画しており、今後も町財政担当部局との調整を行いながら、多年的計画の中で実施します。

(2) 救急救命士等の育成職員採用計画に基づく救急救命士有資格者の計画的な採用や消防学校及び病院機関等と連携を図りながら、救急隊員の知識・技能の向上を図ります。

(3) 救急資機材の整備集団災害マニュアル等の見直しを行い、また災害用備蓄品においても町防災担当部局との連携を図りながら、継続的に実施します。

(4) 救急講習会の充実町民の関心も高いことから、今後も継続的に普通救命講習会を開催していくとともに、再講習や上級救命講習会の開催等も積極的に取り組みます。また、視聴覚器材も順次整備します。

3 緊急輸送体制の確保(1) 緊急輸送体制の充実

現行の本町の消防が担う救急輸送体制については、より一層の医療機関との連携を含め体制の充実を図ります。ドクターヘリの運行については引き続き課題の解決に向けて関係市町村で協議を継続します。

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(6) 消費生活【現状と課題】

○消費者庁の発足とともに消費者安全法等が施行され、国・地方公共団体の責務が明文化されました。

○消費生活の安定と向上については、消費生活の多様化・高度化の中で、食品偽装、不正表示、製品トラブル、また、輸入食品などにおいて国民の安全・安心を損なうようなトラブルが急増しています。

○販売競争の激化にともなう誇大広告、宣伝や、複雑化している契約などの中で、架空請求・不当請求、訪問販売、キャッチセールス、催眠商法、送り付け商法など、さまざまな消費者をめぐるトラブルや問題が生じています。

○消費者問題への対応は、消費者、事業者、地域などと一体となって取り組んでいくことが必要ですが、とりわけ消費者自らが時代に対応した確かな眼でものを見分けることができ、自らの力で自主的、合理的な消費生活の実現をめざして行動することが一層重要となっています。

○「自立する消費者」の育成を図るため、関係機関との連携を深めながら、消費生活に関する知識や情報の提供を推進するとともに、消費生活相談の体制を整える必要があります。

○消費生活業務については、窓口業務担当職員が兼務しており、県等が開催する専門知識習得の研修に参加できない状況であり、消費者行政の充実のためにも体制整備が必要です。

○町民の消費生活に対する意識は、都市部に比べて低く、消費者事故が埋もれている可能性があります。

【主要施策】

1 消費者意識の高揚(1) 賢い消費者の育成

消費者グループの育成に努め、消費者の自主的な運営を促進するための支援を行います。また、商品やサービスに関する情報提供と知識の普及を図るため、各種広報、メディアの活用を推進します。

(2) 悪徳商法による被害の防止県事業を活用した高齢者見守り講座等の開催や、出前講座の開催し、町イベントでの啓発活動を実施していきます。

2 消費生活相談の充実(1) 連携体制の充実

国民生活センター、神奈川県消費生活センターとの連携により、情報収集と情報提供、被害防止と早期解決に努めます。

(2) 消費生活相談の充実消費者安全法の基本理念に則り、消費者安全の確保に関する施策の推進を図ります。

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4 計画的な土地利用の推進

(1) 土地利用【現状と課題】

○平成20年度に都市計画マスタープランの見直しを行いました。都市計画マスタープランを踏まえた計画的な将来都市構造を実現させるには、計画の進行管理システムの構築が必要です。

○建築物等の高さの規制・誘導について、よりきめ細やかな基準と法的拘束力が必要です。○神奈川県土地利用調整条例により開発行為が原則不可とされる、無指定地域内での大規模な開発計画が増加傾向にあることから、開発計画の用途地域内への誘導が必要です。

○また、平成15年に見直しを行った「湯河原町特定地域土地利用計画」については、都市計画マスタープランを踏まえ、利用検討ゾーンの見直しも含めた計画の見直しが必要です。

○土地利用については、開発計画と一体性を持たせることが重要であると考えられることから、事務分掌の変更を視野に入れた検討が必要です。

○農地法の法令等の改正が行われるため、国、県の方針決定の動向を見極める必要があります。○「湯河原駅周辺地区市街地総合再生基本計画」を策定してから10年が経過し、おおむね20年間を計画期間とした前期の整備期間が終了しましたが、整備の実現には民間企業の協力も必要な部分が多く、協力を得られず断念せざるを得ない部分もあります。

○温泉場のまち並み検討委員会を発足させ、温泉場らしいまち並みの保全・創出をするため、地区基準を作成し、湯河原町景観計画に「まちづくり推進地区」として位置づけて規制誘導していますが、届出・勧告制の比較的ゆるやかな規制のため、実効性に課題が残っています。

○公園へのアクセス、広場公園箇所の災害対策や駐車場の整備などが必要です。○神奈川県による高潮対策事業(人口リーフ)が平成23年度に完成予定です。○平成18年度に「湯河原海岸利用計画書」を町で策定しています。

【主要施策】

1 駅前・街並みの整備(1) 駅前地域の整備

本町の重要な玄関口である駅前周辺については、温泉観光地にふさわしい湯けむりの感じられる空間としての整備を、地域や企業と協力して計画的に進めます。

(2) 温泉場地区の街並み整備法的拘束力の強化やさらに踏み込んだ屋外広告物等の規制も視野に入れながら、温泉場の情緒を残したまち並みの保全・創出を図ります。

2 適切な土地利用の推進(1) 計画的な将来都市構造の実現

都市計画マスタープランの進行管理システムを構築し、計画的な土地利用を推進します。

(2) 土地利用の規制・誘導

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都市計画マスタープランを都市計画の総合的な指針とし、町全体の適正な土地利用を図るとともに、町民等に施策事業の方向性を明らかにすることにより規制・誘導の効果を導き出します。また、特定地域においては、土地利用の現状を踏まえ、具体的な保全方策、地域振興に寄与する開発行為の適切な誘導を図ることなどを明確にすることを目的に、「湯河原町特定地域土地利用計画」を見直します。さらに、本町に見合う適切な土地利用を実現させるため、高度地区、地区計画、景観地区などの法的規制や、町条例、景観計画の活用により、高さについての規制・誘導を図ります。

(3) 農業振興地域整備計画の見直し農地法等の法令の改正を注視し、国、県の方針を踏まえ、農業振興地域の整備に関し必要な施策を推進するため、計画的に見直しを行います。

(4) 海岸線の整備神奈川県による高潮対策事業(人口リーフ)が平成23年度に完成予定であり、引き続き海辺にふさわしい遊歩道整備等を要望します。また、神奈川県と協力して「湯河原海岸を良くする懇話会」へ意見を求め、整備検討を進めます。さらに、平成18年度に町で作成した「湯河原海岸利用計画書」を基に計画的な事業を推進します。

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(2) 住宅宅地【現状と課題】

○人口減少の歯止めや若者の定着のため、町内各所で宅地造成のほか、公営住宅の整備、供給、土地区画整理事業の推進や、民間宅地開発の適正な誘導による優良宅地の供給に努めてきましたが、人口は減少傾向にあります。

○近年、空き家が増加傾向にあり、まちの健全な発展を推進する上で、住宅ストックの有効活用が課題となっています。

○持ち家取得に対する支援など、定住人口増加に向けた対策が必要になっています。○定住を促進し、市街地の活性化を図るためには、子育て世代や高齢者にも対応した安全で良質な住宅、新しい生活様式や価値観の多様化に対応した住宅、宅地の確保が求められており、快適で暮らしやすい住環境の整備が必要になっています。

○町営住宅については、建物が老朽化してきているため、施設の維持整備に要する割合が高くなってきているとともに、入居者の高齢化は今後ますます進むことが予想されることから、少子高齢社会に適応した整備が求められます。

【主要施策】

1 宅地の整備(1) 宅地の整備

良好な宅地の確保と供給を図るため、未利用地を活用した宅地の提供や土地の面的な開発整備を検討します。また、民間宅地開発については、適切な規制、誘導に努めるとともに必要な支援を行い、良質な宅地の供給を促進します。

(2) 定住の促進家屋を新築する場合の固定資産税減免措置、空き家をリフォームして定住する場合の補助、遠距離通勤(新幹線通勤等)の補助などの経済的支援をはじめ、本町での生活のしやすさをPRするなどして、定住人口の増加を図ります。

2 住宅の整備(1) 住宅の確保

若年層や勤労者の定住化、高齢社会などに対応した住宅提供のため、町民、民間事業者などと連携を図ります。また、増加傾向にある町内の空き家については、まちの健全な発展に及ぼす影響を見極め、地域に応じた必要な対応や活用について検討します。

(2) 町営住宅の整備総合的かつ長期的な視野に立って、それぞれの町営住宅について建替、改善、維持保全、用途廃止の中から適切な手法を選択し、地域のまちづくりおよび自然環境や周辺環境に調和した居住環境の整備を進めます。また、高齢者や障害者だけでなく、すべての人に配慮

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したユニバーサルデザインの町営住宅の整備に努めます。

3 住環境の整備(1) 住環境の形成

土地利用計画との整合を図る必要な規制、指導を行い、良好な住環境の形成を図ります。

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(3) 景観【現状と課題】

○「もみじの郷」及び「さつきの郷」の植栽地内の付帯施設は、平成22年度完成予定ですが、「もみじの郷」については、ほとんどが民有地であるハイキング道の安全性が課題となっています。

○もみじの郷は、池峯地区に平成13年度から整備を始め、平成17年度に570本のイロハモミジの植栽を完了し、平成18年度から一般公開を行っています。整備については、植栽地内の既存樹木の間伐や植栽地までの道路整備を実施しました。県費補助がある平成22年度まで整備し、その後は維持管理が中心となります。

○さつきの郷は、星ヶ山に平成11年度から整備を始め、平成15年度に当初の目標である5万株(100万本)のサツキの植栽を完了し、その後は園路・広場・手すり・案内板等の付帯施設の整備を実施しました。県費補助がある平成22年度まで整備し、その後は維持管理が中心となります。

○「さつきの郷」をはじめ、「花の開花状況」が誘客の目玉となるため、植栽された木々の剪定等の維持管理を計画的に実施する必要があります。

○道路沿いのプランターに年2回草花を植栽していますが、植栽後の除草作業等に手が回らないことから、雑草が伸び、ゴミが捨てられている状況にあります。また、県からプランターは交通障害になるため、交通事故の原因になると指摘されています。

○「各区の花」について、広く町民に周知する必要があります。○湯河原町景観計画や開発指導要綱の法的拘束力の強化が必要です。○マンション問題があります。○平成19年4月に景観法に基づく湯河原町景観計画を策定し自然環境と調和した景観の保全・創出を推進していますが、建築物等の高さについて、より低く抑えられないか、法的拘束力も含めて課題となっており、地域の土地利用特性に見合ったきめ細かい制限が必要です。

○本町の景観計画では、海への眺望確保のため、建築物等の高さの制限を行っていますが、届出・勧告制度なのでより実効性のあるものへと移行させる必要があります。

○海岸景観の保全については、県が策定を予定している「(仮称)なぎさ軸広域景観構想」との連携を図っていく必要があります。

【主要施策】

1 美しい景観の形成(1) 美しい都市景観の形成

湯河原町景観計画に基づき、計画の見直しも検討しながら、市街地などにおける民間開発等への適正な指導を図り、地域の土地利用特性に見合った美しい景観の形成に努めます。

(2) 自然環境と調和した景観の保全・創出海への眺望などに配慮した法的拘束力の強化を図り、自然環境と調和した景観の保全と創出を図ります。

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2 花のまちづくりの推進(1) 花の郷づくり事業の推進

「もみじの郷」及び「さつきの郷」の維持管理や、幕山の「夫婦の桜」や星ヶ山の「ススキ」を活用した景勝地の整備など、花の郷づくり事業を推進します。

(2) フラワーロードの整備花壇等の緑化を中心に、プランターの設置については、設置場所や維持管理の方法について検討しながら、フラワーロードを整備します。

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(4) 公園・緑地水辺【現状と課題】

○公園及び街路樹については、設置時期の古いものから樹木の老朽化が進んでいます。○公共施設をはじめ、公園や街路などの緑化の推進にも、町民の参加意識が必要と考えられます。○自然公園の整備事業のうち着手されているのが池峯地区(もみじの郷)だけで、他の部分は未着手となっています。

○広場公園の整備については、公園用地を平成17年4月に地上権設定を行いましたが、海岸整備工事(人工リーフ)が終了しないと実施できない状況で、当初平成18~21年度を予定していましたが、国との調整で平成23年度までとなり、今後さらに遅れる可能性もあります。

○公園へのアクセス、広場公園箇所の災害対策や駐車場の整備などが必要です。

【主要施策】

1 公園の整備(1) 都市公園の整備

湯河原町緑の基本計画に基づき、街区公園を整備します。

(2) 自然公園の整備森林が多い山間部では、森林の荒廃を防ぎ森林資源の保全を図りながら、県立奥湯河原自然公園の事業推進をはじめ、自然とのふれあいができる場として拠点的な活用を図ります。

(3) 公園ネットワークの形成幕山公園、城山周辺、万葉公園、池峯地区、湯河原海浜公園等を景観の拠点として位置づけるとともに、これらの拠点への道路や新崎川、千歳川、音無川などの河川を景観の軸として利便性に配慮しながら整備し、緑のネットワークを形成します。

2 緑化の推進(1) 町の緑化の推進

生垣設置奨励補助金交付制度の活用や植樹祭の企画など、緑化への町民参加を推進し、地球温暖化防止のためにも、緑化の大切さを町民に知ってもらえるように働きかけます。また「各区の花」については、区会等と連携を図り、区民に周知して緑化への町民意識の高揚を図ります。

3 水辺の整備(1) 千歳川・藤木川・新崎川の護岸整備

千歳川、藤木川や新崎川の景観を生かした遊歩道の整備に併せて、親水機能を付加した護岸整備を要望し、整備を促進します。

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(2) 海岸線の整備県や関係機関と連携して、安全性と親水性に配慮した海岸線の整備を促進します。

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5 交通通信網の整備

(1) 道路整備【現状と課題】

○JRガードの拡幅には、整備期間が3年以上かかることや莫大な費用がかかるため、予算の確保が課題です。JRとの協議やガード前後の用地等が必要となります。

○鍛冶屋ガードは平成10年度に拡幅検討を行い、当時の積算で費用が9億2千万円と積算しました。

○道路の新設、拡幅にあたり、工事個所については地権者の協力も必要になります。○狭あい道路の整備については、土地所有者の判断に委ねることになり、買収ではなく寄附をお願いすることとなるため、積極的な折衝ができていません。測量や分筆の費用もかかります。建築後退線が4.0mで良いのかも検討事項です。

○農道の町道移管にあたっては、農道で整備されている道路を町道移管の規格にあった整備をしてからでないと受け入れていません。また、町道移管のためには、側溝に蓋をかける等の必要があります。

○広域道路網の整備は、事業主体が国や神奈川県であるため、調整や協議が必要です。また、国も県も予算の確保や用地交渉などが厳しい状況です。

○西湘バイパスの石橋ICから真鶴道路に至る延長約3kmの区間については、周辺に小田原厚木道路などの幹線道路が接続し、多くの交通が集中する一方で、2車線の国道135号のみで交通を受け持っているため、休日を中心に著しい交通渋滞が発生しており、西湘バイパスの再延伸が必要です。

○西湘バイパスの延伸について、2車線で山側にバイパス(約3㎞)を整備することは技術的に実現可能であり、平成20年度に調査検討に着手しています。

○伊豆湘南道路の建設促進にあたっては、神奈川県及び静岡県の両県並びに国土交通省への要望活動を実施しているところですが、県レベルにおいて温度差があることや、地域住民をも含めた建設促進に向けた組織の設立と検討が必要なことが課題です。

【主要施策】

1 道路・交通体系の整備(1) 交通マスタープランの策定

町内の交通状況を計画的に改善していくため、町民、関係機関と連携して、交通マスタープランを策定します。

(2) JRガードの拡幅推進幕山公園道路は幹線道路であるため、JR等と協議し整備を推進します。また、城堀ガードやその他の箇所についてもJR等と協議し整備を推進します。

(3) 道路の新設・改良

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町内の交通網の充実を図るため、優先順位を検討し、計画的に道路の建設や改良を推進します。

(4) 狭あい道路の整備地籍情報を蓄積して狭あい道路を把握して整備計画を立て、地元の区や土地所有者と協議して、順次整備を推進します。また、建築後退線(4.0m)部分を寄附してもらうことなども検討します。

(5) 農道の町道移管交通の実態から町道へ移管すべき幹線農道について、管理主体と協議を進め、町道へ管理移管をしていきます。

(6) 広域道路網の整備今後も小田原市、真鶴町、小田原真鶴道路建設促進協議会、小田原真鶴道路整備検討委員会、伊豆湘南道路建設促進期成同盟会等の協力を得ながら、西湘バイパスの再延伸や伊豆湘南道路の整備について国へ要望します。また、地域住民と協力し、地域の機運を高める組織づくりや取り組みを行います。

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(2) 公共交通【現状と課題】

○鉄道については湘南ライナーの延長、快速電車の増便、特急・急行の停車などを関係機関に要請するなど、湯河原駅の一層の利便性向上を図る必要があります。また、湯河原駅のバリアフリー化の促進や温泉観光地の玄関口にふさわしい駅周辺地区の形成を図る必要があります。

○「神奈川県鉄道輸送力増強促進会議」において、毎年度JRに要望していますが、全てにおいて実現にまで至っていません。

○鉄道交通の要望実現には、近隣市町の意見を聴き、より大きな意見として要望していく必要があると考えられます。

○路線バスについては、町民及び観光客の貴重な移動手段であるため、近隣市町や関係機関との協力の中で、路線の確保を図る必要があります。

○現在、運行しているコミュニティバスについて、地域住民の意見等を聴くなどして、運行時間、運行本数など、改善点があるか確認する必要があります。

【主要施策】

1 公共交通網の充実(1) 鉄道交通の充実

「神奈川県鉄道輸送力増強促進会議」において、近隣市町と調整し、地域住民の交通の利便性が確保できるよう、引き続き湘南ライナーの延長、快速電車の増便、特急・急行の停車、駅舎のバリアフリー化などをJRに要望していきます。

(2) バス交通の充実改善点や地域住民からの要望を聴く場を設け、バス事業者、各種関係機関と協議し、更なる利便性の向上を図ります。

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(3) 情報化【現状と課題】

○情報技術や機器の目覚しい進歩は、日常生活に大きな影響を与えており、情報化の一層の進展により、「ユビキタス社会*」の構築が叫ばれています。

○高速情報通信網のインフラ整備では、(株)伊豆急ケーブルネットワークにより町内居住地域の約7割をCATV網でカバーできる整備がされています。また、(株)NTT東日本により町内居住地域のほぼ全域が光ケーブル設置地域に指定され、これにより、町民等が希望すればブロードバンドの利用が可能となりました。

○また、平成11年には、八洲電気(株)が当町をモデルに商店街のポイントシステムを国庫補助で行った際にも、町として関係機関との調整を支援してきました。しかし、このシステムは実験システムであったため、町民、商店に根付くことができませんでした。

○行政サービスの質の向上に向けて、情報技術を活用した電子自治体に向けたの取り組みが求められています。

○携帯電話等に町からの情報を配信するメールマガジンを開始し、パソコンだけでなく屋外でも情報を受け取ることができるようになりました。

○外国籍住民に係る住民票の記載事項の追加等について、住民基本台帳法の一部改正、入管法等の改正法が公布されたため、外国籍住民も住民基本台帳ネットワークシステムに追加され、町民全体を把握することができるようになるため、行政事務の各業務の中で有効な活用方法を検討していく必要があります。

○住民基本台帳ネットワークシステムの中の「住民基本台帳カード」は、他の自治体に比で交付率が高くなっていますが、そのカードの利用は、身分証的に本人確認に用いられているだけにとどまっています。

○住民基本台帳カードを利用した町民向けシステムでは、印鑑登録カード、国保保険証、図書館利用カードなどが上げられますが、いずれも住民基本台帳カードを代替とすることは、システム上の問題や経費的な問題で実現していません。

○全国的にも戸籍の電算化が進捗し、県内では戸籍数の98%以上が移行済みとなっており、処理時間等、行政サービスに大きな格差が生じています。

○戸籍法施行規則(第68条)において、「市町村長は、戸籍事務を電子情報処理組織によって取り扱うよう努めなければならない。」と規定されていますが、県内で足柄下郡3町と足柄上郡の1町の4町だけが電算化されていない状況です。

○電算化することにより、事務の効率化や町民サービスの向上が図られることは電算化した自治体の例からも十分に把握できていますが、費用が高額なため予算化できない状況にあります。

○現在のGISは、庁内の限られた部署でしか利用できないシステムです。GISの利用について、全庁的に利用できるよう、また町民へのWEB公開を検討していく必要があります。

○現在使用しているGISデータが日本測地系を用いているため、今後世界測地系へ移行する時期について、検討する必要があります。

(※日本測地系とは、日本周辺でしか通用しない独自の天文観測による座標系と東京湾平均海面を基準とした測地系であり、世界測地系とは、宇宙科学・測量技術の向上に伴い全世界共通に利用できる測地系です。)

○平成20年度から地籍調査事業を実施していますが、予算の確保や職員の増員が必要です。

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*ユビキタス社会とは、「いつでも、どこでも、何でも、誰でも」がコンピューターネットワークを初めとしたネットワークにつながることにより、様々なサービスが提供され、人々の生活をより豊かにする社会である。「いつでも、どこでも」とはパソコンによってネットワークにつながるだけでなく、携帯情報端末をはじめ屋外や電車・自動車等、あらゆる時間・場所でネットワークにつながる事であり、「何でも、誰でも」とはパソコン同士だけでなく家電等のあらゆる物を含めて、物と物、人と物、人と人がつながることである。

【主要施策】

1 地域情報化の推進(1) 地域情報通信網の整備

通信技術の開発によりNGN(ニュージェネレーションネットワーク)という超高速回線(10ギガバイト)によるインフラ整備が可能になるよう、民間事業者へ要請していきます。

(2) 町民・事業者の情報化支援国、県の補助事業等の動向を注視し、事業者への情報提供及び支援を行い、地域経済の活性化につなげます。

(3) ユビキタスネット社会を実現する地域情報化の推進町ホームページの「携帯電話サイト」の充実や町への訪問者などが自由にパソコンをネットワークへ接続できるホットスポットの設置を進めます。

2 電子自治体の推進(1) 住民基本台帳ネットワークシステムの有効活用

法改正に伴う、既存住基システムを改修するとともに、住民基本台帳カードの多目的利用について調査検討を進めます。また、住民基本台帳カードと各システムの共通インターフェイスを構築し、住民基本台帳カードの利用促進を図ります。

(2) 戸籍電算化システムの導入戸籍法趣旨に応え、戸籍事務の正確性、迅速性を確保するため、早期の導入を検討します。

(3) 地理情報システム(GIS)の活用現行GISとは別に、WEBベースのGISを導入することにより、役場内部で全庁展開してデータの共有を行い、事務の省力化を目指します。また、町ホームページにWEB公開することにより、町民や町への訪問者への利便性を図ります。さらに、引き続き地理情報システムを活用して、固定資産評価の適正化を図るほか、地

籍情報を蓄積し、統合型GISへ向けた基礎データとして道路台帳管理や境界査定業務に有効活用します。

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基本目標4 生涯を通じて学び豊かな心を育むまちづくり

1 生涯学習の推進

(1) 家庭教育【現状と課題】

○生涯にわたる人間形成の過程において、幼児期の教育は重要な役割を担っています。その基本は家庭であり、人格が形成される最初の場であることから、愛情とふれあいのあふれる家庭での教育を支援していくことが求められます。

○家族形態の変化、親の価値観や考え方の変化などにより、家庭教育力の低下が懸念されている中、乳幼児のいる家庭に対して、家庭教育学級、子育てグループや各種講座への参加を呼びかけるなど、家庭教育力の向上に力を入れています。

○近年では、育児に対する不安などから生じる子どもへの暴力が社会問題となっていることから、相談、指導業務にも力を入れていく必要があります。

【主要施策】

1 家庭の教育力の向上(1) 学習機会の充実

子育てやしつけに関する知識、子どもとの接し方など、親の心構えや生活態度について学習する機会を充実します。

(2) 相談体制の充実家庭教育に関する相談体制を充実するとともに、親同士の情報交換、仲間づくりの機会と場を提供し、育児に関する不安や悩みの解消を図ります。

(3) 町民ニーズの把握町民の望む子育て情報や支援策の把握に努め、家庭、学校、地域、職場と連携した取り組みに努めます。

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(2) 幼児教育【現状と課題】

○家庭との連携を図りながら、幼稚園では集団生活の中で必要な生活習慣や豊かな人格形成の基礎を育む体験を通して、人との関わりを大切にした幼児教育が行われています。

○町内には公立1園、私立2園の幼稚園がありますが、多様なニーズに対応したサービスの充実を求める声が高まってきています。

○少子化や景気低迷による共働き世帯の増加から、幼稚園児の減少が懸念されます。○東台福浦小学校と合同の運動会や、月1回程度の合同の給食などを実施しています。○平成21年4月1日施行の「幼稚園教育要領」に基づいた教育活動を推進しています。○土にふれあう園児のつどい事業(芋掘り)を通して、保育園児及び私立幼稚園児との交流を行っています。

○少子化が進む中で、入園する園児が減少し、私立幼稚園の経営は厳しい状態にあります。○保育園の役割と幼稚園の機能は異なりますが、保護者にとっては保育時間が長く、給食もある保育園並みにしてほしいという要望があります。

○所得割に応じて就園奨励費の額が異なりますが、保護者が負担する保育料との差が大きいため、保護者の負担軽減の効果が得られていません。

○今後少子化が一層進むことが予想されることから、幼保一体型制度に向けた取り組みが課題になっています。

【主要施策】

1 幼児教育の充実(1) 教育内容の充実

自立心や基本的な生活習慣などを育むため、幼児一人ひとりに配慮した指導を行います。また、遊びを通しての指導を中心に、小学生との交流や、地域の行事や自然、人材などを活用した豊かな生活体験を通して、幼児の自発性、人とのかかわりを育みます。

(2) 教育基盤の充実幼稚園施設の耐震化や設備の安全性向上など、安心して生活が送れる環境を整えます。また、職員の確保に努め、幼児の特性に応じた指導ができるよう、職員の研修を充実するほか、人事交流や合同研修など、幼稚園と保育所の連携を強化します。

(3) 幼児施設の再編成本来、幼稚園と保育園は「保育に欠ける」という条件があるかないかで大きく異なるが、その役割分担を区分し、私立幼稚園の影響も考慮した中で、幼保一体型制度を検討します。

(4) 私立幼稚園への助成私立幼稚園に対する運営支援を継続します。

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(5) 私立幼稚園就園奨励私立幼稚園への就園奨励費の継続を図り、保護者への負担軽減に努めます。

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(3) 学校教育【現状と課題】

○地域の方の協力を得て、児童・生徒の学習、学校環境、部活動の指導、交通・防犯等の安全対策などの学校支援ボランティアを実施しています。

○情報教育を推進するためのパソコンの機種が古く、パソコンの更新が必要です。○小学校外国語活動に対応するため、中学校に配置している外国人講師の派遣や英会話ができるボランティアにお願いしています。

○外国人講師が1人のため、派遣できる時間数に限りがあるため増員が必要です。○財政状況が厳しい中で、教材用備品や児童用図書などの予算規模の縮小が懸念されます。○郷土の歴史や文化を教えてくれる「郷土史家」などの人材が不足しています。○生徒の安全・安心を図るため、耐震機能を有する旧湯河原高校の校舎に移転しましたが、県の事業で3年間運動場が使用できないため、旧湯河原中学校の運動場や隣接する海浜公園の広場を使用して体育授業や部活動を実施しています。

○個々の障がい児の状況を把握するため、個別の就学相談を実施していますが、保護者の理解が得られずに実施できないことがあります。また、保育園や幼稚園等でも、どう保護者に説明したら理解が得られるか、その対応に苦慮しています。

○県立小田原養護学校へ通学している児童・生徒はもとより、保護者等の精神的・肉体的負担が重い状況があります。

○児童・生徒の不登校対策として、適応指導教室の機能充実を図っていますが、引きこもりの児童・生徒への家庭訪問をしても、児童 生徒に会えなかったり、保護者の理解が得られなかっ・たりすることもあります。

○スクールカウンセラーを配置して、相談・指導体制の強化を図っていますが、より活用しやすい環境づくりが必要です。

○経済的な理由によって小・中学校への就学が困難な児童・生徒の保護者に対して、教育の機会均等の観点から就学助成策を講じており、機会あるごとに制度の周知を図っていますが、通知等を読まない保護者もあります。また、最近の社会経済情勢により、対象者が増加傾向にある。

○教職員研修は、夏休みなど授業に影響が出ない期間に集中するため、日程や時間等に制限が出ています。また、子どもたちと接する時間が少なくなる面もあります。

○湯河原小学校、吉浜小学校の耐震化は、平成20年度をもって終了し、東台福浦小学校は既に耐震構造となっています。湯河原中学校は、耐震化構造の旧湯河原高校に移転しました。

○湯河原町学校の3年後のあり方について検討する必要があります。○最近の社会経済情勢の影響から、育英奨学制度の希望者の増加が予測されます。

【主要施策】

1 小・中学校教育の充実(1) 特色ある教育の推進

地域の方の協力を得て、児童・生徒の学習、学校環境、部活動の指導、交通・防犯等の安全対策などの学校支援ボランティアを推進します。また、総合的な学習の時間において、

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稚アユの放流、川の観察、海の生物観察など湯河原の環境を生かした実体験を通して、命の大切さ、自然のかけがえのなさを学びます。さらに、中学校に配置している外国人講師の派遣や英会話ができるボランティアにより、小学校外国語活動に対応します。パソコン教室用のパソコンの更新については、計画的に整備を図ります。

(2) 小学校教育の充実「郷土ゆがわら」の冊子を作成し、社会科の授業で湯河原の歴史や産業・観光などを学習し、郷土である湯河原に愛着を持てる心の習得をめざします。また、ボランティア協会員や学校支援ボランティアなど、地域の人材を活用するほか、教材用備品や児童生徒用図書の整備は、他の教育予算とのバランスを考慮して整備を進めます。

(3) 中学校教育の充実3年後の湯河原中学校のあり方について、湯河原中学校移転等プロジェクトチーム等で検討します。

(4) 障がい児教育の充実就学相談により児童の状況把握に努めるとともに、児童・生徒の成長、発達に応じた適切な指導、教育、援助等を行います。また、子どもたちの学校生活のサポートや教育補助を行う「障がい児介助員」を継続して配置します。さらに、県立小田原養護学校の分校設置について、機会あるごとに県に要望します。

(5) 暴力行為・いじめ・不登校等の問題解決適応指導教室の機能充実を図るとともに、引きこもり児童・生徒への家庭訪問を繰り返し、児童 生徒や保護者に理解を求めていきます。また、スクールカウンセラーの機能を・充実させ、心の悩み、学校生活の不安などの相談が、気軽にできる雰囲気づくりや指導体制の強化を図ります。

(6) 要保護・準要保護児童生徒の援助経済的な理由によって小・中学校への就学が困難な児童・生徒の保護者に対して、教育の機会均等の観点から就学助成策を講じ、町のホームページや広報紙等により、制度の周知を図ります。また、社会経済情勢に対応し、更なる助成策を推進します。

(7) 教育研究・教職員研修の充実県や町主催の研修会などを通じて、指導力及び技術力の向上を図るとともに、不祥事などを起こさないよう教師としての意識向上を図ります。また、パソコンやUSBメモリーの持ち出しなどの管理を徹底し、個人情報の漏えいや紛失などを起こさないよう教師一人ひとりの意識と自覚を持たせる指導の強化を図ります。

(8) 小 中学校校舎等耐震化事業の推進・3年後の湯河原中学校のあり方について、湯河原中学校移転等プロジェクトチーム等で検討します。

2 高校進学育英奨学制度の充実

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(1) 育英奨学制度の充実成績が優秀であって、経済的な理由で高等学校の課程が就学困難な町内に在住の生徒に対し、交付対象人数などの改正を検討しつつ、奨学金制度を継続します。

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(4) 生涯学習【現状と課題】

○町民大学については、講師選定委員会により、各分野における専門家を講師に迎えて開催しています。今年度第53回を迎えますが、本町が他に誇れる講座でとなっています。単科で受講を希望する町民、一年を通しての受講となることから受講を断念する町民もあります。

○文化活動団体の広報が各団体で差があるため、うまく機能していません。そのため町民への周知が不足がちで会員数の減少につながっています。

○町に公民館が設置されていないため、図書館や地域会館がその役割を担っている面がありますが、人的にも施設的にも不十分な状況のため、町民のニーズに応えきれていません。

○地域会館につきましてはコミュニティ助成事業を活用し、空調機の入れ替えや机、椅子の整備を進めてきましたが、まだ十分ではありません。

○(仮)生涯学習人材バンクで人材の登録を推進しつつも、人材の登録や発掘が困難な状況です。○各種事業や教室に多くの児童 生徒が参加できるよう周知を工夫する必要があります。・○指導者の高齢化や、他団体との連携や協調が図られていないという課題があります。○子どもたちは塾やスポーツ活動に参加し、大人たちは自分の好きな趣味やスポーツ、行楽に興じているため、新たな学習プログラムの構築をしても参加者が少ないと思われます。

○人材育成するためのマンパワーの人材を確保するのが困難です。○地産地消を進めるにも、地場産品が少なく、また、安定供給の確保が困難である。「食育」については、学校現場でも教えていますが、実際は「食」の大切さに対する捉え方が家庭や個人で差があります。

○便利さからコンビニエンスストアやファーストフードへの依存度が高くなっています。○(仮称)スローフード大学院は中止となり、食育の担当が定まらない時期がありました。○図書館資料については、町民の多様なニーズを満たすための充分な資料費が確保できず、利用が多い分野に絞っての資料選定や、他館からの借用等で対応していますが、それもほぼ限界に達し、利用者が希望する資料を提供するのに数ヶ月かかる場合も頻繁に出てきています。また、資料の新陳代謝が滞り、書架にある古い資料の割合が増えてしまっています。

○視聴覚用ブースについては、設置場所や運用面での問題により未設置となっています。ビデオプロジェクターは導入済みですが、すでに機械が古くなっており、充分な活用が難しい状態になっています。

○インターネット上からの資料検索・予約機能等や学校とのオンライン化については、予算の制約により未実施となっています。また、図書館システム導入から10年近く経った現在、機器や基本ソフトの更新の必要が出てきています。

○町内全域サービス網整備については、学校巡回文庫の実施により、小学生については部分的に実現できていますが、移動図書館用の資料費や専用の自動車 (ブックモービル)の導入に必要な予算が確保できないため、ほとんど進展がみられない状況となっています。

【主要施策】

1 生涯学習推進体制の整備

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(1) 町民大学の拡充町民大学では、趣味や教養、暮らしに役立つ基礎的な内容を町民に提供し、人としての魅力を高めるための講演などを開講していることから、本町の宝として後世に引き継いでいきます。また、単科での受講も検討していきます。

(2) 自主的な文化活動の活性化町民文化祭等での文化活動の発表の場を提供しつつ、広く町民に文化活動が選択できるよう関係団体と調整し、広報紙はもとより、ホームページを活用して普及に努めます。

(3) 身近な町有公共施設の設備充実町民が図書館や地域会館を自主的な文化活動の拠点として活用することができるように、施設の整備・充実を検討していきます。また、学校施設についても活用を推進します。さらに、町民が地域会館を自主的な文化活動の拠点として活用することができるよう施設・備品の整備を推進していきます。

(4) 学校教育との連携強化学校支援ボランティアをはじめ、学校における地域教育力活用事業、地域ふれあい活動などへの参画を促進していきます。また、総合的な学習の時間の中で、稚アユの放流、お茶摘体験、漁師の方の協力を得て行う乗船体験など、様々な体験を通して、自然の成り立ちの学習を進めます。さらに、様々な体験を通して学ぶ、知る、見る、触れることの大切さを学習するため、夏休み期間中に行う、社会教育関係の各種教室、図書館や美術館などが行う各種事業への参加を進めます。

(5) 社会教育団体と指導者の育成社会教育の指導者の資質向上のため、研修会への参加の機会を提供し、団体相互の連携を図ります。

2 生涯学習内容の充実(1) 多様なライフスタイルに対応した学習プログラムの作成

他市町村では、生涯学習センターなどの情報発信基地を持っていますが、本町にはないため、それに代わる施策として、今後予想される大勢の退職者の知識や経験を活かし、自分の手で学習プログラムの構築ができるように推進します。

(2) 国際化・情報化時代に即した社会教育の実施国際化・情報化が進み、社会の仕組みが急激な変化を遂げている今日、専門性を持つ人材を育てるには、小さな町では人材の確保が困難ですが、これから団塊の世代の方々が定期的に退職することから、その方々の様々な経験や能力を活用して社会教育を推進します。

(3) 生涯学習としての食育の推進「食」は生命、健康を維持する上で重要な役割を果たす機会と捉えて、食育の重要性を理解し、生涯学習を通して健全な食生活を実践できる人を育てます。また、地域の食生活改善推進団体等と連携をとり、地域住民に対する健康教育などを通して「食」の大切さを伝えていきます。

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3 図書館施設・運営の充実(1) 図書館資料の充実

多様化する町民のニーズに応えられるように、充実した幅広い資料の収集に努めます。また、視聴覚資料や雑誌・新聞等の資料収集に努めるとともに、郷土に関する問い合わせに応えられるように、郷土資料の整備を進めていきます。さらに、少子高齢化対策の一環として、子育て支援関係の資料充実と関連事業の実施に努めます。

(2) 視聴覚設備の設置町民の誰もが視聴覚資料を利用できるように、視聴用のブースを整備し、ビデオプロジェクター、オーバーヘッドカメラ等の視聴覚資材を導入・更新します。

(3) 図書館電算化システムの活用現在の図書館情報システムを活用して、貸出・返却事務の迅速化、資料検索・資料管理の精密化を実現し、利用サービスの質的向上と事務処理の効率化を図るとともに、学校とのオンライン化、他市町村とのネットワーク化を進めます。また、インターネット上からの資料検索や予約等もできるよう、現状のシステムの更新と機能追加を計画します。

(4) 町内全域サービス網の整備町内のどこに住んでいても図書館サービスが受けられるように、インターネット上からの予約や、町内の指定ポイントへの配送、自動車による移動図書館の運行の実現等を図ります。

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(5) スポーツ【現状と課題】

○ヘルシープラザが町民に利用されるようになってからかなりの年数が経過し、施設やトレーニングマシンの老朽化が目立つようになってきています。

○ヘルシープラザは、平成20年4月1日から指定管理者制度を導入し、現在運営を行っています。○中・長期的なスポーツ施策を策定するには、専門的な知識が必要となりますが、その分野での専門知識を有する職員がおりません。

○スポーツ少年団等のスポーツクラブの活動は盛んに行われていますが、活動に十分な施設の提供ができないことも起こっています。

○学校教育施設の開放については、部活などの学校行事と重なるため、使用が制限されることがあり、他団体との重複もあります。

○オレンジマラソンの人気が高まり、参加希望者が増えているが、入浴希望者も多く、受け入れ施設が少ないため収容しきれない事態が生じています。

○高齢者がいつでも、どこでもできるスポーツがありません。

【主要施策】

1 スポーツ施設の充実(1) スポーツ施設の利用促進・運営充実

ヘルシープラザは指定管理者制度を導入して運営を行っていまが、指定管理者制度について検証を行い、利用者の利便性の向上に努めていきます。また、老朽化した施設は計画的に整備を進めます。

2 ポーツ活動の支援(1) 総合的スポーツ施策の推進

社会体育施設として、旧湯河原中学校体育館を整備していきます。また、旧湯河原中学校の運動場は、現湯河原中学校のグラウンドの使用が可能になった段階で旧体育館同様、社会体育施設として位置づけ活用を図ります。

(2) スポーツ活動の支援スポーツ少年団等のスポーツクラブの育成と体育協会等のスポーツ団体への支援を行います。

(3) スポーツ・レクリエーションの場づくり旧湯河原中学校体育館を整備し、社会体育施設として活用するとともに運動場も現中学校の使用ができるようになった場合には、併せて社会体育施設として開放します。

(4) スポーツ教室、イベントの開催ゲートボールに替わる高齢者スポーツとして「グラウンドゴルフ協会」を設立し、関東

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甲信越静大会が開催できるよう促進します。オレンジマラソンは、町最大のスポーツイベントであり、湯河原のイメージアップと「湯河原温泉」のPRにも役立つため、日帰り温泉利用の希望者全員が受け入れられるよう検討します。

(5) スポーツサークル育成と指導者の育成今後も、体育指導員会やヘルシープラザ指定管理者の協力により、スポーツサークルの育成と指導者の研修等、高齢者向けスポーツの指導者の養成に力を入れていきます。また、各地区会館などの施設を活用し、高齢者が地域で誰でも気軽にできるスポーツの普及に努めます。

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(6) 青少年健全育成【現状と課題】

○全国的に問題行動や、未成年の飲酒や喫煙など、青少年による犯罪が多様化しています。○青少年関係団体のメンバーが高齢化により新陳代謝が滞っています。○塾や部活動、スポーツ活動などへの参加が多くなり、地域での活動参加者が少なくなっています。

○青少年育成関係団体の構成員の中には活動の経験も長く、積極的な活動を行っている方もありますが、時として旧態依然とした活動になることもあります。

○青少年関係も多様化、複雑化していく中で、相談業務の役割も重要になってきています。その対応に長い時間がかかる事例も増えてきていることから、現在、女性相談員一人で対応していますが、男性の専門相談員が必要になっています。

○青少年育成団体指導者の研修として毎年視察研修を行い資質の向上を図ってきましたが、研修日程などの調整がなかなかつかず研修の機会が少なくなっています。

○ジュニアリーダー、シニアリーダーの活躍の場が限られた中での活動になりがちなことと、存在や活動内容の周知が十分でないのか、参加生徒が少ない状況です。

【主要施策】

1 家庭・地域・学校の連携(1) 青少年健全育成関係団体の支援

青少年は地域の、ひいては町の宝であることを認識し、町民が長年にわたり培ってきた経験や技能を活かし、青少年育成活動に取り組んでもらえるよう、人材の確保を図るとともに、青少年の健全育成のための活動を行う団体を支援し、各団体間の連携をさらに促進します。

(2) 青少年育成体験活動の推進子ども会、各地区明るい青少年を育てる会などの地域青少年団体や青少年指導委員会などの連携により、各種事業を継続して推進します。さらに、青少年関係団体構成員の経験と実績を引き出し、青少年が中心になった活動ができるよう支援します。

(3) 青少年相談の充実警察や関係機関に働きかけ、複雑多様化する青少年問題に対応するため、専門相談員の設置を継続するとともに男性の専門相談員を確保し、青少年相談の充実を図ります。

2 地域指導者の育成・支援(1) 青少年指導者の育成・支援

他団体との連携を図り、施設見学や研修を通して指導者の資質向上をさらに図ります。

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(2) 次世代地域指導者の育成ジュニアリーダーやシニアリーダーの活動の場を幅広く考え、社会参加の機会を増やし、地域の指導者として養成していくとともに、ジュニアリーダーやシニアリーダーの協力により、参加者の増員も図ります。

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2 文化芸術の振興

(1) 文化芸術【現状と課題】

○各地区の伝統行事・祭事の整理ができておらず、それを伝える後継者も不足しています。○町民の文化活動については、各種団体での自主活動がメインになっていますが、その成果の発表の場と機会が少ない状況です。

○平成18年に現代日本画壇の主軸として活躍する平松礼二画伯の作品を常設する「平松礼二館」を設置し、収蔵品を展示する「常設館」と併せて展示の充実を図りました。

○美術館の建物が既存施設を利用している関係から、バリアフリーに対応していないため、これからの高齢化社会に向けて対策を考える必要があります。また、町民の文化活動の場としての展示施設(ギャラリー)を要望する声もあり、検討の必要があります。

○小さいイベントが多数ある中で、スタッフや協力者が少ないため運営が困難な状況です。

【主要施策】

1 伝統行事の振興(1) 伝統行事・祭事の伝承と活用

幼い頃から伝統行事や祭事に興味を持つように保護者にも働きかけ、各地区における後継者の育成に努めます。また、あらゆる機会をとらえて発表の場を設け、町民はもとより観光客、町外の人々にもアピールします。

2 町民文化芸術活動の支援(1) 教養文化の土壌醸成

美術館でのミニコンサートや、民間施設や個人宅でのコンサートなどが実施されていることから、小さいながらも「手作り」の文化活動が根付いていくよう支援します。

(2) 美術館の充実・活用湯河原に残された文化遺産を後世に伝える役割を担いながら、観光客や町民に湯河原の魅力を知っていただくよう、美術資料を活用した展覧会を企画します。また、生涯学習施設として作家展や講座等の充実に努めるとともに、学校と連携して児童生徒の教育支援を行います。

3 イベントの開拓と育成(1) イベントの開拓と育成

費用対効果などを検証し、「スクラップアンドビルド」方式でこれまでのイベントを再構築します。

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(2) 文化財【現状と課題】

○観光会館に併設されている展示見学施設の資料室の整理(図録化)ができていません。○町内に眠る郷土資料の収集を進めても保管場所がないのが現状です。○文化財の指定については、その掘り起こしの段階から専門の知識を有する人材が必要ですが、文化財に精通した専門の学芸員がおりません。

【主要施策】

1 文化財の保護と活用(1)郷土資料館の充実

自分の住む町に愛着が持てるように、既にある郷土資料を積極的にアピールしていくとともに、その整理を進め、学術的にも観光資源としても活用できるよう調査、研究を進めます。また、既存の展示見学施設や他の施設の活用も検討します。

(2) 町指定文化財第5次指定の調査研究神奈川県など関係機関と連携、協力して文化財の調査、研究を進めます。

(3) 国・県・町指定文化財の保全、保護と巡回調査の実施神奈川県など関係機関と連携、協力して調査を実施し、修復・保護が必要な文化財はリストアップして計画的に補修していきます。また、調査を兼ねた「町の文化財探訪」などの見学会を通し町民にもアピールしていきます。

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3 多文化共生社会の実現

(1) 国際理解【現状と課題】

○国際理解講座として国際交流協会にその事業を委託して実施していますが、国際交流協会の担当スタッフ、すなわちマンパワーの問題や会場の確保が難しい状況にあります。

○大韓民国・朝鮮、フィリピン、ペルーなどから、300人以上が外国人登録を行っています。○「外国籍住民相談窓口」については、通訳をしていただけるボランティアが少なく(1~3人程度)、対応言語の種類も十分ではありません。ボランティアの人数と対応言語の種類の増加の方法が課題です。

○外国籍住民と日本人、外国籍住民同士が、お互いの生活様式や文化などについて、理解を深め合うことが必要です。

【主要施策】

1 国際理解の推進(1) 多文化共生意識の高揚

グローバル社会の実情などを紹介する講演会の開催や、学校での英語教育と生涯学習での多言語学習などを通じて国際理解を醸成し、多文化共生意識の高揚に努めます。

(2) 国際理解講座の開催委託先のゆがわら国際交流協会が独自に語学講座を運営できるよう、会場や人材の確保を支援します。また、講演会は、各種団体や個人と連携し、機会を捉えて開催していきます。

2 外国籍住民の支援(1) 外国籍住民の生活支援

生活全般にわたる相談事業や日本語講座、就園、就学児童の支援を行います。また、「外国籍住民相談窓口」については、国際交流推進団体への協力依頼や町職員の協力を得るなどの方法を検討します。

(2) 多言語での情報提供都市サインや必要なパンフレットなどを多言語で併記するよう努め、外国人が訪れやすい、暮らしやすいまちづくりを推進します。

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(2) 国際交流【現状と課題】

○平成6年に大韓民国忠州市と、平成10年にオーストラリアポートスティーブンス市と姉妹都市提携を結んでいます。

○国際親善都市との交流拡大については、財政的な問題から、ポートスティーブンス市へのホームステイ事業に参加できる生徒たちの人数が少数となっています。また、中学生だけでなく全ての町民を対象として募集し、都市間の交流をさらに深められるような取り組みも必要です。

○ポートスティーブンス市からの訪問団の受け入れ(ホームステイ)に対しては、町民が積極性を持って迎え入れられるような体制を取れるような広報・啓発活動等が必要です。

○姉妹都市以外の国や地域との交流については、町だけでなく国同士の関係も重要であり、言語、文化、環境、治安、経済状況等、様々な角度からの十分な検討が必要です。

○平成16年10月1日から平成17年3月31日までの半年間、大韓民国忠州市と職員人事(相互)交流を実施しましたが、当時「竹島問題」が生じ、政治的・民族的な社会問題へと発展したため、職員人事交流を中断せざるを得なくなったことから、両者が人事交流そのものの認識を十分理解する必要があります。

○職員からの希望者も含め、派遣職員に対し韓国語を習得させるための語学研修の充実を図りましたが、その後の継続的な発展へとつなげられていません。

○交流期間が短かったことや交流が中断したこともあり、事業実施後の費用対効果がどれだけ得られたのか把握できていません。

○職員交流事業を実施する場合、その国の文化や歴史を把握した上で双方が理解をしなければ、職員の受け入れは難しく、また、職員の受け入れや派遣にかかる経費も安価でないため、財政的な対応も求められます。

○国際交流事業や国際理解事業を実施する民間団体への助成制度については、財政面を考慮し見直していく必要があります。

○町内在住外国籍住民や国際交流団体等によって、各国の郷土文化を紹介する「親善交流フェア」を実施してきましたが、参加希望者の減少や補助金の適用除外となったことなどを踏まえ、そのあり方について検証を行う必要があります。

【主要施策】

1 国際交流活動の展開(1) 国際文化の土壌醸成

国際交流協会が自前で事業運営を円滑にできるよう協議します。また、他の団体や個人の活用も視野に入れ検討します。

(2) 国際親善都市との交流拡大ポートスティーブンス市へのホームステイ事業に参加できる生徒たちの人数、町職員の

随行等について検討します。また、ポートスティーブンス市からの訪問団受け入れについては、広報等により町民に周知を図るとともに、積極的に交流を深められるような事業等

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について検討します。また、その他の国や地域との交流を行うに当たっては、町民や議会、各種団体などから意見をいただきながら、様々な角度からの検討を行います。さらに、姉妹都市提携を締結していることから、国・県・他市町村での交流状況や民間外交を含め、時期が熟してきたら職員交流を検討します。

(3) 国際文化交流の推進国際交流事業や国際理解事業を実施する民間団体への助成金については、財政面や他の市町村の状況等を考慮し見直しを図ります。また、「親善交流フェア」については、費用対効果の検証を行い、廃止も含めた事業あり方について検討します。

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(3) 地域間交流【現状と課題】

○三原市、立山町との交流事業としては、やっさまつりによる交流、「親善交流フェア」での地元物産品の販売等がありますが、更なる両都市間の交流事業の拡大が必要です。

○三原市との交流では、小学生の隔年による訪問交流が主となっており、子どもたちにはすばらしい経験となっています。

○姉妹都市・親善都市交流だけでなく「梅サミット」等での交流活動も盛んに行われ、各市町村の相互PRの場として活用されています。

○神奈川県小田原市、南足柄市、中井町、大井町、松田町、山北町、開成町、箱根町、真鶴町、湯河原町、静岡県熱海市の3市8町で組織する「箱根・湯河原・熱海・あしがら観光圏」が立ち上がり、地域間の連携を強めながら宿泊客の増加につなげていくことが期待されています。

○「全国京都会議」に加盟し、「さがみの小京都 ゆがわら」というキャッチフレーズを活用してきましたが、湯河原町観光戦略会議においては、「なじまない」、「個性がない」、「すでに使っていない」など、現状の湯河原を示すフレーズにはなっていないと多くの指摘がありました。

【主要施策】

1 地域間交流の推進(1) 地域間での交流の拡大

「梅サミット」などの加入自治体や近隣1市3町で組織する「西さがみ連邦共和国」、3市8町で組織する「箱根・湯河原・熱海・あしがら観光圏」等をはじめとした各地域間との交流を深め、町民が全国どこでも安心して活動できるよう推進を図ります。

(2) 親善都市及び姉妹都市との交流の推進土肥実平を祖とする小早川氏の縁で昭和51年に親善都市提携をしている広島県三原市とやっさ踊りを機軸に「三原市親善都市子ども交流」事業を今後も推進します。また、平成15年に姉妹都市提携をしている富山県立山町との交流を推進します。

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基本目標5 みんなでつくる自立と協働のまちづくり

1 開かれた行政の推進

(1) 情報公開【現状と課題】

○身近で、開かれた、わかりやすい行政の実現に向け、個人情報の保護に努めながら、情報公開の充実を図ることが不可欠です。

○町政の透明性、町民の理解と信頼を深めるために、情報公開制度を導入し、個人情報保護にも努めています。

○情報公開制度及び個人情報保護制度の手続上、非公開・非開示情報を精査するため、決定までにある程度の日数を要します。

○町ホームページは、町からの情報発信の1つとして重要な役割を果たしています。○現行の町ホームページは、平成10年に作成されたもので、情報検索のカテゴリ分類がわかりにくく、又技術的にも遅れたものとなっています。

【主要施策】

1 開かれた行政の実現(1) 情報公開の推進

市政運営における公正および透明性を確保しながら、行政情報を積極的かつ的確に公開します。

(2) 個人情報保護の推進本町が保有する個人情報について、適切な保護を図るため、個人情報の保護制度の充実を図ります。

(3) ホームページの充実検索のカテゴリ分類の見直し、観光情報と行政情報の見やすさなどを検討し、ホームページの充実を図ります。

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(2) 広報公聴【現状と課題】

○町内に居住している人に満遍なく行政情報や地域の情報を正確かつ迅速に伝え、町民と行政との間に信頼関係を育成していくことが重要です。

○町が抱えている問題や課題を町民とともに考え解決していくための情報提供や、情報の共有を図ることも必要です。

○現在、町の広報紙は新聞折込みにより各世帯に配布していますが、新聞を購読していない世帯が増えているため、広報紙が届かない世帯への情報提供について、考える必要があります。

○若い世代には、広報紙の存在を知らない人もあり、広報紙が世帯に届いても読まない人も多いため、手に取り、読んでもらえる魅力ある広報紙づくりが必要です。

○秘書広報室が町長、副町長直轄になり、部門を越えた横断的な課題に迅速に対応できるようになりました。

○町民から寄せられるホームページ問合せ、ご意見箱、手紙などは、住所、氏名、メールアドレスなどが記入してあれば回答をしていますが、記入することに抵抗を感じ、無記名で送られてきた場合には回答ができず対応に苦慮しています。

【主要施策】

1 広報公聴活動の充実(1) 広報機能の充実

町民が必要なときに必要な情報を入手することができるよう、広報紙やホームページなどを複合的に活用し、探しやすく、わかりやすい広報を行います。また、緊急時においても迅速かつ正確な情報伝達に努めます。

(2) 公聴機能の充実秘書広報室が各部門間の統合調整機能を担って情報の一元化を図り、広聴機能を充実します。また、ご意見箱やパブリックコメントなどの町民ニーズを把握する手段や機会の拡充に努め、公聴活動を推進します。

(3) 親しみの持てる行政の推進若い世代に読んでもらうために、子どもの頃から広報紙に親しんでもらえるよう、子どもが読むことができる分かりやすい広報紙づくりを目指します。また、新聞をとっていない世帯の方などへの対策として、町内公共機関のほか、JR湯河原駅やコンビニエンスストアに備え付けてもらうなどの検討を進めます。

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2 協働によるまちづくりの推進

(1) 町民参加【現状と課題】

○町民、議会及び町が、湯河原町町民憲章の精神を尊重するとともに、それぞれに果たすべき責任を自覚し、役割を分担しながら、協働してまちづくりを進めることを自治の基本理念とする湯河原町自治基本条例を平成18年に制定しました。

○町民が行政に参画できる機会の拡大が必要です。また、行政の情報を積極的に発信することや、公募人員をできるだけ多くするなど、町民が参画しやすい環境を整備することが必要です。

○まちづくりに関連する各種団体は、会議やイベント等で顔合わせの機会はありますが、団体同士の交流や相互の連携には至っていません。

○出前講座は平成15年から始まった事業で、開講数はほぼ安定していますが、受講者数は約半数近くに減少しています。

○毎年、出前講座のメニューは更新していますが、講座によっては数年にわたり申し込みが全くない講座もあることから、メニューの見直しを考える必要があります。

【主要施策】

1 まちづくりへの町民参加の推進(1) 各種計画への町民参加促進

委員会や審議会などへの積極的な参加を呼びかけ、より一層の町民参加を促すとともに、協働作業(会議等)の状況を広報やホームページ等で公表し、行政への参画を目に見える形にすることを検討します。

(2) まちづくり団体の活動支援ボランティアやNPOとの連携や協働を一層進めていける環境づくりを進めます。また、町の会議等を通じて各種団体の交流を促進します。

(3) 出前講座等の開催過去の実績などを整理し、町民にとって魅力ある講座の新設をするなど、活動実践の知識が習得できるよう、内容の充実を図ります。

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(2) 人権・男女共同参画【現状と課題】

○いじめや虐待、差別的発言などが顕在化しています。学校でも授業に人権教育を取り入れていますが、いじめや差別的発言が後を絶ちません。

○潜在意識の中に、まだまだ差別や偏見意識があることは、否めません。そのため、トイレの落書き等による人権侵害事件が後をたたないのも事実です。

○人権について機会あるごとに普及啓発に努めていますが、より効果的な啓発や研修等を考えていく必要があります。

○毎年全職員を対象とした人権研修を伊勢原市と小田原市で行っていますが、年々参加する人数が減ってきており、受講者数の確保と内容の充実が今後の課題です。

○毎月10日と20日の「心配ごと相談」に人権擁護委員も参加して相談業務を行っていますが、相談件数が少なくなっています。

○いじめや虐待が人権を侵害していることを分からない人も多い状況です。○政策決定過程への女性の参画は、「ゆがわら男女共同参画プラン」で女性比率について「目標値を30%」として推進するとしています(平成20年度実績:審議会等14.4%、町職員管理職25.8%、教職員管理職28.6%)。しかし、政策・方針決定過程における女性の参画は増加傾向にあるものの、依然として十分とは言えない状況にあり、あらゆる分野における多様な考え方を生かすため、女性の政策・方針決定過程への参画の拡大が必要です。

○雇用環境を整備し、それぞれのライフスタイルに合った就業選択、就労機会が確保されること、また仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の実現を推進することが必要です。

○雇用の場で行われる性的いやがらせ(セクシャル・ハラスメント)や、性別による不当な差別など、権利を侵害されることのないよう、事業主と労働者の双方に対し、男女雇用機会均等法をはじめ各労働法規の趣旨・内容の周知と遵守の啓発を継続し、雇用環境の整備を働きかけていくことが求められています。

○多様な働き方に対応した人材育成などの支援として、男女を問わず育児・介護休業制度の普及が課題となります。

○雇用状況の悪化にともない求人が減少しています。○農家においては、従前から特に、男性が耕作や経営の中心となっていますが、現代においては、就業・雇用環境の整備は農家に限ったことではないと考えています。

○将来の社会を担う子どもたちが、成長する過程において性別にかかわりなく、それぞれの個性と能力を十分に伸ばし豊かな人間性を育むことができるよう、男女共同参画の視点に立った社会環境づくりに力を入れていくことが求められています。

○女性が生涯の各時期において、女性自らの意思で心身の健康を選択し守ることができるよう、身体と性に関する女性の人権を確立していくことが必要です。

○親しい関係にある配偶者などからの暴力(ドメスティック・バイオレンス)は潜在化しやすいものですが、どのような関係であっても重大な人権侵害で、決して許されないものであるという認識を広く社会に徹底することが重要です。そして、被害者の心身の回復に配慮するとともに、相談しやすい環境の整備や関係機関などとの連携を推進し、防止する体制整備が求められます。

○近年、地域社会の重要性が再認識され、地域の力が一層求められていることから、男女が個性

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と能力を発揮してさまざまな活動に参画していけるよう社会環境整備を進めることが必要です。男女共同参画の視点から社会的慣習などを見直し、地域における男女共同参画のまちづくりを推進することが求められています。

○「ゆがわら男女共同参画プラン改訂版」の計画期間は平成22年度から26年度の5年間としていることから、第2次プランの策定が求められます。

○人権施策の推進には、他市町村で策定されている「人権施策推進指針」の策定が急務ですが、現状において、策定は難しい状況です。

○格差社会と呼ばれる今日、大人社会において、個人の人権が損なわれることが顕在化しているほか、子どもたちを取り巻く環境においても子ども同士によるいじめや差別、保護者等大人からの虐待やネグレクトなどが少なくない状況です。

【主要施策】

1 人権意識の啓発(1) 啓発活動の推進

町民一人ひとりが人権感覚をみがくことによって、日常生活における様々な差別や偏見、いじめや虐待に気づき、その気づきを行動にできるよう啓発機会の拡充に努めます。また、様々な年齢や環境に応じた学習方法や人権資料の活用を推進します。学校における人権教育を通じ、家庭へそれを持ち帰って家族と人権について話し合い、偏見のない社会を目指し、個人から始めて人権に関する考え方を普及させていきます。また、子どもたちの参画による「子どもの人権条例(仮称)」制定に向けて調査・研究を進めます。

(2) 教育・研修の推進町独自の人権講演会・研修会はもとより、関係団体機関の主催する講演会・研修会への積極的な参加を促し、人権意識の高揚と普及を図ります。教育現場においては、いじめや差別をなくし、命を尊重する人権教育を推進します。

(3) 人権問題相談体制の充実関係機関と連携して、心配ごと相談をはじめとする人権問題の相談体制の充実に努めます。児童・生徒にかかわる問題は、基本的には教師や学校全体で取り組み、当事者や保護者と十分説明し、理解をした上で解決を図りますが、一般的な問題については、人権擁護委員や福祉関係職員など関係機関と連携して対応します。

2 男女共同参画社会の実現(1) 政策決定過程への女性の参画

政策・方針決定過程における女性の参画推進及び人材育成、また女性の社会参画に関する調査や分析を行います。

(2) 就業・雇用環境の整備男女平等な雇用環境の整備と、女性の多様な働き方への支援を行います。

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(3) 教育・学習・啓発活動の推進男女平等教育の推進と、男女共同参画に関する情報の収集と提供を行います。また、「子育て学級」や「地域会館活用事業」などを通じて男女共同参画社会づくりを推進します。

(4) 身体と性に関する女性の人権の確立生涯にわたる女性の健康保持対策の推進と、配偶者などによる暴力に対する総合的な対策を推進します。

(5) 男女共同参画社会のまちづくり育児・介護の支援や高齢者・障がい者に対する支援を積極的に行います。また、男性が参画するまちづくりの推進、男女共同参画に関する意識啓発を推進します。

(6) 推進体制・進行管理の充実「ゆがわら男女共同参画プラン」推進体制の充実とプランに沿った実施計画の策定及び進捗状況の把握に努めます。

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(3) コミュニティ【現状と課題】

○各自治会の運営・活動に対し、区会助成金を交付して自治会活動の活性化をサポートしていますが、財政面からその分配方法について見直しを検討する必要があります。

○自治会加入率向上の手法として、窓口でのチラシの配布等による自治会への加入を呼びかけていますが、他の手法についても検討が必要です。

○女性団体等の育成を図りながら、多分野にわたる女性の社会参加を促し、女性の能力や感性が活かされるまちづくりを進めることが必要です。

○今までの高齢者の主たる活動であった、老人クラブへの関心の低下とともに加入者も減少しています(平成16年度:11クラブ・会員数924人→平成20年度:10クラブ・会員数776人)。

○自分にあった趣味や生きがいづくりのための活動の場を求める高齢者も増えています。○今後、さらなる高齢化が進展する中で、その豊かな経験や情報などを活かす社会参加や独居老人の外出機会の場として老人クラブ活動は重要であり、誰もが加入したくなる魅力あるクラブ活動・運営の創設が必要となります。

○また、老人クラブへの助成金については、ほとんどのクラブが繰越額が多く、財政当局より繰越率について指摘を受けている状況です。

○町広報を活用した、ボランティア会員の募集活動を行い、定年退職後の実際に活動できる会員の確保を進めるとともに、なお一層の活動の活性化のため、「湯河原まちづくりボランティア協会」の自立を考慮したNPO法人化等の検討について、助言等の支援が必要です。

【主要施策】

1 自治の促進(1) 自治意識の高揚

    新しい公共の実現に向け、自助・共助・公助の考え方を町民に周知して自治意識を高めるとともに、互いに助けあい、明るいコミュニティづくりが推進されるよう、町民参加意識の高揚に努めます。

2 コミュニティ活動の促進(1) 自治会の育成

自治会への助成金については、財政面・加入率を考慮し必要に応じ交付額、配分方法等の見直しを行うことを検討します。自治会への加入の促進については、現在の活動を継続して行くとともに新たな方法を検討していきます。

(2) 地域活動の促進  自治会活動、地域の祭りや伝統行事、委員会や審議会などへの積極的な参加を呼びかけ、定年退職後の人だけでなく、中高年、若い世代からも広く会員を募集し、地域でのボランティア活動の活性化を図ります。また、子どもの登下校の見守りや高齢者の安否確認など、

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地域での主体的な活動を促進します。

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3 将来を見据えた行政経営の推進

(1) 行政経営【現状と課題】

○現在の行政組織の機能を分析し、機構改革や事務効率向上のための手法について、検討する必要があります。

○勤勉手当における人事評価と、4級(副主幹)及び5級(主幹)への昇格基準に基づいた人事評価の二つが人事評価制度して確立されていますが、昇給時における人事評価は制度として確立されていません。

○定員適正化計画に基づく職員数の削減が進捗するにともない、今後も職員一人当たりの事務量が増えていくことが予測されます。

○職員の福利厚生を目的に結婚祝金・弔慰金・見舞金を支給し、また、昼食時等における煎茶や調味料、洗剤等の購入を行っています。町民の方が納得いただける金額や内容を検討をすることが課題として上げられます。

○財政面の問題から庁舎の移設・建て替えは困難な状況です。○災害時の避難場所としての機能強化については、既に小学校3校については耐震化工事を、中学校については耐震基準を満たす旧湯河原高校への移転を実施しましたが、他の施設についても早急な対応が必要であり、一度に全ての施設に耐震化工事を実施することは不可能であることから、優先順位をつけ順次実施することが必要です。

○公共施設の再配置を行うことにより、行政サービスのあり方にも影響が考えられます。機能・役割や複合化の可能性の検討、また都市計画事業の見直しを含めた再配置のあり方について検討が必要です。

○旧湯河原高校の校舎を3年間借用し、湯河原中学校を移転しましたが、3年の間に中学校のあり方について、検討する必要があります。

○構造改革特別区域の制度は、実情に合わなくなった国の規制が民間企業の経済活動や地方公共団体の事業を妨げていることがあり、こうした現在の実情にそぐわない国の規制を地域を限定して改革することによって構造改革を進め、地域を活性化させることを目的とする制度です。国は、この制度を平成14年から実施しましたが、本町においては、規制の特例措置のメニューから特例措置を活用し、本町に対して構造改革特別区域計画の案の作成についての提案をした民間の事業者は1社だけでした。(この提案につきましては、本町は国へ認定申請し、国から認定を受けましたが、平成19年11月22日付で構造改革特別区域計画の認定が取消されています。)

○地域再生計画の制度においては、本町は、神奈川県及び小田原市と計画を作成し、国から認定を受け、基盤強化交付金(道整備交付金)を交付され、幕山公園通り沿道の一部整備の財源としています。

○市町村研修センターでの研修を活用し「人材育成基本方針」や「研修に関する基本的な方針」に基づき研修を実施していますが、どれだけの研修効果が得られたのかがいま一つ分からないのが現状です。

○研修の効果が職務に反映されるような研修体系の見直しが今後の課題です。○行政内部の評価だけでは十分な検証を行うことが難しいことから、第3者から見た客観的な評

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価が必要です。○評価対象を一部の事務事業に限定するのではなく、一つひとつの事業効果を確かめることにより、その事業が本当に必要なものかどうかを見極めることも必要になります。

【主要施策】

1 行政改革の推進(1) 行政組織(機能)の強化、充実

各部門間の横のつながりの強化、課の統合や事務分掌の見直しによる窓口のワンストップサービスを実施するなど、町民サービス向上について検討を進めます。

(2) 適切な人事管理の推進昇給時における勤務実績を給与へ反映するための人事評価制度の確立を図るとともに、すでに確立されている勤勉手当における人事評価と、4級(副主幹)及び5級(主幹)への昇格基準に基づいた人事評価についても必要に応じて見直し、職員が意欲的、積極的に働ける環境を整え、適切な人事管理の推進を図ります。

(3) 福利厚生の充実今後も職場における職員の活性化を図るため、他市町村で実施している各種福利厚生制度を研究し、町民に納得いただける制度の確立を図ります。

(4) 公共施設再配置の検討厳しい財政状況の中、集中的な建て替えや補修は難しいことから、施設設備の延命化や複合施設化などを念頭に置き、公共施設再編整備計画を策定して、計画的な再配置を進めます。

(5) 民間活力の導入より効率的で経済的な行政サービスを構築するために、指定管理者やPFIなどの民間活力を活用した仕組みを導入して、スリムな行政経営を実現します。

2 人材育成の推進(1) 人材育成の推進

「人材育成基本方針」や「研修に関する基本的な方針」を必要に応じて見直すとともに、職員が主体的に取り組む職場の環境づくりや能力開発による人材育成、新しい公共に対応した職員の意識改革を推進します。

3 行政評価システムの検討(1) 行政評価システムの検討

自己評価による事務事業評価だけでなく、第三者による評価、事業仕分けなども含めた行政評価のあり方を検討することにより、より客観的な視点からの事業の適正化を図ります。

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(2) 財政運営【現状と課題】

○長引く景気低迷により、地域経済を取り巻く環境は大変厳しい状況となっており、事業経営不振や雇用調整に伴う失業等による影響から町民の給与収入が大きく落込んでいます。このような背景から、納税についても納める意志はあっても納めることができない、あるいは分割納付額を減らさないと生活できない等の切実な問題を抱えた滞納者が増加している状況下で、いかに税収を確保し、収納率の向上を図るかが大きな課題となっています。

○国庫補助負担金については、地方分権に向けた動きを停滞させることのないよう、国と地方の役割分担の見直しを進めるとともに、廃止・縮減を図るべきであるとされているため、税源移譲等により一般財源化がされると財源の配分が難しくなります。

○既存の補助制度対象事業については比較的大規模な事業が多く、小規模な自治体に対しては不利な面もみられます。

○平成16年度に設置されたあたらしいまちづくり特別委員会において、町施設使用料及び保育料について適正な料金設定がなされるよう検討が行われましたが、その後は各所管課での検討となっており、料金改定は行われていません。また、減免規定があいまいな使用料の徴収方法もみられます。

○現在では、ほぼ1人1台のパソコンを実現し、事務処理の省力化につながっています。老朽化したパソコンの入替で費用がかかる点や業務システムによっては使用できるパソコンOSが限定される点が課題となります。

○パソコンは全職員に1台設置され、総合行政情報システムの導入により、情報システム化、OA化の推進はかなり図られています。しかし、パソコンや情報システムの操作方法について全職員が熟知しているとは言えず、逆に事務処理に時間を要する場合が見受けられます。

○財政調整基金及び町債管理基金は平成4年度をピークに基金残高が減少しています。○また、開発対策基金(100,000千円)及び下水道事業対策基金(200,000千円)については、町税等の収入の減額などによる財源調整のため、基金の長期繰り替え運用を行っています。

○町債管理基金は町税等の減収により積立を行えず、平成20年度末の残高が2,417千円とわずかになっています。

○中学校移転に伴う旧湯河原高校用地取得費若しくは保育園、地域福祉会館及び庁舎等の耐震化などの地震防災への対応が急務となっているため、町税等の減収が進む現状では起債に頼らなければならない状況となっています。

○土地開発公社については、平成20年度末で731,944千円の公有用地を保有しており、町との買戻しの契約も締結していなかったため、買戻しが進んでいない状況となっています。

○「新地方公会計制度研究会報告書」で示された連結ベースでの財務書類4表の公表が、平成23年度までとなっていますが、財産台帳の整備下水道事業特別会計や衛生組合などの資産評価が進んでいません。また、苦労して作成したバランスシート等の財務諸表も利用されずにいます。

【主要施策】

1 財源の確保・拡充

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(1) 税収の確保強化賦課については、引き続き住民基本台帳システムなどを活用して課税客体の適正な把握に努めます。徴収については、厳しい経済状況が続く中、個々の滞納者に応じた滞納整理を実施します。納める意志はあっても納めることができない、財産もない等の徴収困難な滞納者に対しては、生活実態調査や財産調査に基づき、明らかな徴収不能者については徴収緩和措置を適用し滞納額の圧縮に努めます。他の滞納者に対しては、現在実施している給料や地代の取立て、動産の差押によるインターネット公売、特定滞納者の認定等を今後も継続強化するとともに、不動産公売等のより実効性がある滞納処分について検討し、実施するよう努めます。

(2) 既存の補助制度の活用積極的に交付金、補助金対象事業の掘り起こしを行うとともに、対象事業の拡大や補助対象事業費の縮小を国や県に働きかけ、財源の確保に努めます。

(3) 受益者負担による使用料等の適正な見直し使用料や手数料については、調査・検討を進め、適正な料金設定に努めます。

2 効果的な財政運営(1) OA化による事務の合理化

文書管理システム、電子決済を導入し、内部事務の効率化を図ります。また、パソコン及びシステムの入替を効率的に行うほか、パソコンや情報システムを職員が使いこなせるよう操作研修を充実します。さらに、電子自治体の構築に向けてネットワークを通じて情報システム機能を提供するサービス(ASP・SaaS)の活用を検討します。

(2) 各種基金への積立歳入の根幹を成す町税は平成9年度以降減収しており、平成19年度に税源移譲により増嵩したものの、平成20年度以降は団塊世代の退職や世界的な景気の悪化により、町税等の減収が見込まれているため、基金への積立及び長期繰替え運用基金の元金償還は困難な状況となっていますが、財政調整基金については、標準財政規模の10%を目標に積立を行います。また、平成23年度から10年間で長期繰替え運用基金の元金を償還します。

(3) 地方債の適正な活用高金利の地方債については、平成19年度において普通会計は財政健全化計画、下水道事業特別会計は公営企業経営健全化計画を策定し、平成21年度までの3年間で低利子の借換えを行い公債費の軽減が図られたため、今後も機会があれば低利債への借換えを行います。また、将来世代への負担を少しでも減らしていくためにも、起債は償還額を超えない額で発行します。

(4) 土地開発公社の適切な運営経営健全化計画を策定し、公有用地の積極的な買戻しを行うとともに、損失分の補てんを行うなど、公社の解散に向けた検討を進めます。

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(5) バランスシート作成の検討連結ベースでの財務書類4表(貸借対照表、行政コスト計算書、純資産変動計算書、資金収支計算書)の公表に向けシステム導入も含めた検討を進め、財務諸表の活用方法を検討します。

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4 広域行政の推進

(1) 広域行政【現状と課題】

○単独で行うよりも広域の自治体が連携することで、より効率的・効果的に行うことのできる施策については、広域行政を展開しています。

○真鶴町と熱海市は隣接する市町でもあることから、広域的事業を推進するために、真鶴町とは昭和40年から、熱海市とは昭和46年から協議会を設置し、現在に至っています。

○広域行政の分野においては、その都度、事業を追加して強化推進しているところです。○地域の拡大においては、広域的に推進する事業の洗出しと地域の特定が必要であり、箱根町と観光施策について広域的に取り組んではとの意見もありましたが、西さがみ連邦共和国や県西広域市町村圏協議会との事業と同じであることから特に進捗していないのが現状です。

○広域行政の推進を図る観点から、箱根町、真鶴町とも職員交流を推進していく必要がありますが、現状は小田原市のみとの職員交流しか実施していないため、小田原市ばかりではなく今後は他の市町村との交流も考えていくかどうかが一つの課題になっています。

【主要施策】

1 広域行政の連携拡大(1) 広域行政分野の拡大・強化

真鶴町、熱海市などと行っている広域行政分野については、引続きその都度、追加事業として推進します。また、地域の拡大においては、類似する広域行政協議会との関連を見ながら、関係市町と協議して進めます。

(2) 職員交流推進事業広域行政の推進を図る観点から、小田原市のほかに箱根町、真鶴町との職員交流も検討し、西さがみ連邦共和国での職員交流の推進を検討します。

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(2) 合併【現状と課題】

○市町村への権限移譲を推進する地方分権の流れが進む中、その受け皿となる市町村では、地域住民に身近なサービスの充実や行財政基盤の強化が求められています。

○県西地域2市8町(小田原市・南足柄市・中井町・大井町・松田町・山北町・開成町・箱根町・真鶴町・湯河原町)では平成19年2月8日に「県西地域合併検討会」を設立しました。この組織では、2市8町の枠組みで合併した場合の課題の整理や、新たなまちづくりの可能性を検討しました。

○市町村合併は、地域住民が主体となって地域の将来を考えていくことが重要であり、積極的に情報を提供し、地域住民とともに多角的、多面的に検討を重ねることが求められます。

○国の新しいかたちづくりをめざして検討が進む道州制や、都市機能の集約とネットワーク化を図るための定住自立圏構想への取り組みなど、今後の国の動向には注目していく必要があります。

【主要施策】

1 市町村合併の検討(1) 市町村合併の検討

他地域における取り組みや合併のメリット、デメリットなどの研究を行い、的確な情報提供や民意の把握に努め、将来の合併機運の高まりに備えて、仕組みづくりを検討します。

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