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まちづくりの構想

第2章 まちづくりの構想 - city.machida.tokyo.jp · 将来の都市空間の構造 ... 構造(まとめ) 将来都市像・基本目標 将来の都市空間の構造

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第2章 まちづくりの構想

2-1| 都市全体のまちづくり構想

継承 反映即する

○基本目標 「住みたいまち、すごしたいまち、誰もが誇れるまちをつくる」○重点目標 ・“ 町田らしさ ” が感じられるまちをつくる       ・良好な住環境を支える都市機能を充実させる

・生活の質を高める・市域を意識しない生活を実現する

環境文化を育む魅力ある質の高い生活都市

町田市は、「商都」と「住宅都市」の性格をあわせ持ち、さらに北部の丘陵域などの豊かな「自然」と共生している生活都市であり、この個性を重視し、高質な都市としての発展をめざします。町田市が、これからも生活都市として発展していくために大切なことは、自然や歴史、文化を含めた、人とその生活の身近にある価値ある資源を多くの人の関わりによって守り育てる環境文化を息づかせながら、中心市街地などでにぎわい、憩い、働く等の多様な都市活動が持続的に展開され、身近な生活空間がより豊かになることを基本に町田の持つ多様な魅力を高め、さらに職と住のバランスのとれた都市としての自立性を追求していくことにより、市民が町田に暮らすことの楽しさや喜びを享受できる魅力ある質の高い生活都市の形成をめざしていくことです。また、市民と行政がこのような将来都市像を共有し、協働してまちづくりを推進していくことが大切だと考えます。この将来都市像の実現に向け、以下の3つの基本目標を設定します。

           ●基本目標1:地域特性を活かした安全で快適な暮らしを実現する都市      ●基本目標2:生活や余暇を楽しめるにぎわいと活力のある都市      ●基本目標3:水とみどり豊かな環境資源と共生する都市

■町田市都市計画マスタープラン(1999 年)●基本目標 「豊かな環境文化と持続的な活力を持つ生活都市の育成」

町田市中期経営計画に掲げる基本的理念、都市像

■町田市基本構想・基本計画の都市像と都市づくり分野の目標

●都市像:人と地域が主体のまち/人が集まり、豊かにすごせる魅力あるまち/活躍する人が育つまち

第2章 まちづくりの構想

1 改定都市計画マスタープランの将来都市像と基本目標

都市計画マスタープランは基本構想に即して定めることとされています。「町田市基本構想・基本計画」の都市像と都市づくり分野の目標は下記の通りで、それに即した将来都市像を示します。

❶将来都市像

2-1 都市全体のまちづくり構想

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❷将来都市像の実現に向けた基本目標

●基本目標1:地域特性を活かした安全で快適な暮らしを実現する都市町田市の都市としての個性を形成する3つのゾーン特性を活かした、安全で快適な暮らしが実現できる都市の形成をめざします。3つのゾーン特性とは、町田市の歴史や地形などにより地域特性が形成されている、「町田駅周辺の中心市街地ゾーン」、「一般住宅、住宅団地などの住宅市街地ゾーン」、「北部の丘陵域を中心としたみどり豊かな郊外地ゾーン」の3つの個性ある地域です。•3ゾーンの個性がより発揮され、相互が交流できるまち•高齢者や障がい者など、すべての人が暮らしやすいまち•安心して子育てができる環境の整った、暮らしやすいまち•地域特性を活かした、ゆとりある安全で安心な住まいと住環境のあるまち•地域のコミュニティが育まれ、さまざまな市民活動が展開されるまち•にぎわいの拠点や身近な公共公益施設、公園や緑地などに気軽に行けるまち

●基本目標2:生活や余暇を楽しめるにぎわいと活力のある都市各ゾーンの中では、市民や町田市を訪れる人々により、「暮らし、働き、憩い、遊び、学ぶ」など多様な都市活動が営まれています。これら都市活動の広域的拠点である町田駅周辺の中心市街地、次いで都市活動の拠点となっている鶴川駅周辺、南町田駅周辺及び多摩境駅周辺、身近な生活圏の中心である生活中心地について、各々の地区特性を活かし、生活や余暇を楽しめる、にぎわいと活力のある拠点としての形成・発展と、各拠点を相互に行き来しやすい都市の形成をめざします。•人々が集う、広域的な中心地である商業・業務、文化・芸術拠点として魅力のあるまち•身近に生活や余暇を楽しめる地域の商業地、公共公益施設などが整い、それらを身軽に回遊できるまち•サービス業、コミュニティビジネスなどの第三次産業を中心とした、地元産業で市民が働ける、職と住が均衡したまち•市内外にアクセスしやすい道路、公共交通などの都市基盤の整ったまち

●基本目標3:水とみどり豊かな環境資源と共生する都市広域的な「水とみどりの拠点」である北部の丘陵域や、市街地内に点在する「水とみどりの拠点」、鶴見川、恩田川、境川などの河川環境、市街地内に残る緑地などを大切にし、暮らしの中で市民が「みどり・農・景観」と親しめる、環境資源と共生する都市の形成をめざします。•水系、生態系を守り、豊かな自然資源を保全・育成するまち•地産地消がかなう「農とみどり」のふるさとのあるまち•環境負荷の小さい、持続可能な循環型システムを実現するまち•豊かな自然・歴史資源と調和し、活用していくまち•ゆとりある自然風景、農業体験などに親しむため、多くの人々が訪れるまち

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2-1| 都市全体のまちづくり構想

【将来都市像】 基本目標:1地域特性を活かした安全で快適な暮らしを実現する都市

基本目標:2生活や余暇を楽しめるにぎわいと活力のある都市

基本目標:3水とみどり豊かな環境資源と共生する都市

将来の都市空間の構造:1ゾーン特性を活かした魅力ある高質な生活空間の形成

(P.35 ~)

3つのゾーン特性を活かしたまちの形成をめざします。

将来の都市空間の構造:2にぎわいの拠点と軸の形成

(P.41 ~)各ゾーンの「にぎわいの拠点」とそれらを結び広域に連携する都市活動軸の形成をめざします。

将来の都市空間の構造:3水とみどりの拠点と軸の形成

(P.45 ~)各ゾーンにゆとりと潤いをもたらす「水とみどりの拠点」と、それらを結ぶ水とみどりのネットワークの形成をめざします。

上記により形成される「環境文化を育む魅力ある質の高い生活都市」の構造をめざします。

将来の都市空間の構造(まとめ)

将来都市像・基本目標 将来の都市空間の構造

環境文化を育む魅力ある質の高い生活都市

■将来都市像・基本目標と将来の都市空間の構造

第2章 まちづくりの構想

2 将来都市像と基本目標を実現するための将来の都市空間の構造

将来都市像と基本目標を実現していくために、将来の都市空間の構造として、「ゾーン特性を活かした魅力ある高質な生活空間の形成」、「にぎわいの拠点と軸の形成」、「水とみどりの拠点と軸の形成」を構想し、これらの総合化により「環境文化を育む魅力ある質の高い生活都市」をめざした、将来の都市空間の構造を構築していきます。

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1)将来の都市空間の構造1:ゾーン特性を活かした魅力ある高質な生活空間の形成「環境文化を育む魅力ある質の高い生活都市」の実現を図るために、町田駅周辺の中心市街地ゾーン(第一ゾーン)、一般住宅、住宅団地などの住宅市街地ゾーン(第二ゾーン)、北部の丘陵域を中心としたみどり豊かな郊外部ゾーン(第三ゾーン)それぞれの特性を活かした、以下のような生活空間の形成をめざします。また、各ゾーン内で展開される市民生活について、出来るだけコンパクトな範囲で日常の生活が充足できるよう、徒歩や公共交通などによる環境にやさしい交通手段から構成される、身近な生活空間の確立をめざします。

❶第一ゾーン(町田駅周辺の中心市街地)~中心市街地としての都市機能の強化~•都市生活を支える商業地、働く場として都市型産業機能の集積を誘導するとともに、文化・芸術施設や公共公益施設などの都市的な利便性や快適性を享受するための環境整備を進めていきます。•東京都心や横浜市、相模原市方面にアクセスしやすい交通条件を活かしながら、周辺市と連携した都市機能の集積を誘導し、広域的な都市核としての形成を図ります。•歩いて活動できる、快適で魅力ある移動環境の整備を進めていきます。•中枢的な行政、防災、公安機能の充実を図るとともに、災害に強い拠点づくりを推進していきます。•都市的な利便性の高い都市型住宅について、商業系用途の連続性に配慮しながら集積を図るとともに、都市景観に配慮した街並み形成を誘導していきます。

❷第二ゾーン(一般住宅、住宅団地などの住宅市街地)~住まいと住環境の質的な向上~•戸建て住宅、住宅団地や、周辺環境と調和した集合住宅を中心とした、良質な住まいとゆとりある住宅地の保全・形成を図ります。•生活の中心地として、鉄道駅周辺、幹線道路沿道、団地内などでの適切な商業機能の集積を図るとともに、市民生活を支える公共公益施設の充足を進めていきます。•至近の駅への交通の利便性を確保し、日常生活の核となる生活の中心地、中心市街地などのにぎわいの拠点や隣接市周辺の拠点に移動しやすい環境を整えていきます。•地域の自然資源のつながりを重視し、身近なみどりによる「水とみどりの拠点や軸」との連携を図っていきます。•地形的特性などを踏まえた、安全で安心なまちづくりを進めていきます。

❸第三ゾーン(「水とみどりの広域拠点」を中心としたみどり豊かな郊外部)~豊かな自然環境の保全と活用~•北部の丘陵域をはじめとする豊かな自然資源、農地や歴史資源と調和した、落ち着きのある生活空間の維持・保全を図ります。•自然の潤いを享受できる広域的な癒しの拠点として、北部の丘陵域において「水とみどりの広域拠点」の育成を図り、あわせて、市内外の各所から気軽に訪れることができるよう移動しやすい環境を整えていきます。•みどり豊かな自然風景と調和した、ゆとりある戸建て住宅を中心とした住宅地の形成・維持を図っていきます。•至近の駅への交通の利便性を確保し、日常生活の核となる生活の中心地、中心市街地などのにぎわいの拠点や隣接市周辺の拠点に移動しやすい環境を整えていきます。

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第2章 まちづくりの構想

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2)将来の都市空間の構造2:にぎわいの拠点と軸の形成市民や町田市を訪れる人々により、「暮らし、働き、憩い、遊び、学ぶ」など多様な都市活動が営まれる中で、にぎわいと交流が育まれ、魅力と活力のあふれる地域社会が維持・継承される拠点づくりを進めていきます。広域的な都市活動を支え、都市構造の中枢を担う拠点としての「都市核」、市外からの玄関口として市外を含めた周辺地域の中心核となる拠点としての「副次核」、さらに、市民の日常生活を支え、身近な交通・地域コミュニティ活動の拠点となる地域密着型の中心地としての「生活中心地」を、にぎわいと交流を創出する拠点として位置づけ、それらを緊密に結び広域に連携する「都市活動軸」の形成をめざします。

❶にぎわいの拠点の形成人が集い、持続的な活力を生み出すにぎわいの拠点を、これまでのまちづくりの蓄積や都市機能の集積状況などを踏まえながら、地域の資源を活かしつつ、交通体系と連携して育成していきます。ア)都市核(町田駅周辺の中心市街地)

• 町田駅周辺の中心市街地は、「都市核」としてこれまでのまちづくりの蓄積を活かしながら、市の中心核、多摩の「核都市」の広域拠点にふさわしい、広域的な商業・業務、情報、文化・芸術、交流などの都市の利便性・快適性を享受できる都市機能の充実を図り、多くの人が集いあいながら新たな都市の文化を生み出す場として育成・整備していきます。• 市庁舎の移転に伴い、新庁舎を訪れる多くの人々が安全で快適に移動できるよう、歩きやすい空間整備や沿道景観づくりなど、新庁舎周辺の環境整備を推進します。また、庁舎移転後の庁舎跡地周辺の再編を計画的に進めていきます。

イ)副次核(鶴川駅、南町田駅、多摩境駅周辺の市街地)• 鶴川駅周辺は、東の玄関口となる交通・都市活動の拠点として、地域の資源を活かしながら、周辺市とも連携した都市基盤の整備、商業・文化機能の集積、公共公益施設の整備などの都市機能の充実を図っていきます。• 南町田駅周辺は、南の玄関口となる交通・都市活動の拠点として、住宅市街地と近接し、さらに広域的な交通結節点という特性を活かしながら、商業施設や集合住宅などの建設動向を踏まえた、都市基盤整備、商業・産業などの都市機能の集積を誘導していきます。• 多摩境駅周辺は、西の玄関口となる交通・都市活動の拠点として、多摩ニュータウンの活力あるまちづくりと連携し、後背に緑域を抱える現況地形や植生を活かしながら、研究開発機能のほか、商業、サービスなど多様な産業・業務機能の複合的集積と、それにあわせた職住近接型の住宅の集積を促進していきます。

ウ)生活中心地• 住宅市街地に近接した、市民の日常生活の中心地である、相原、玉川学園前、成瀬、つくし野、すずかけ台の各駅周辺、忠生地区及び団地の近隣センターなどの生活中心地では、公共交通を支える都市基盤の整備、地域密着型の公共公益施設の充実、魅力ある商業地の育成を図っていきます。

❷都市活動軸の形成周辺都市とより活発な連携をとりながら持続的な発展を遂げていくために、これを支える交通網か

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2-1| 都市全体のまちづくり構想

第2章 まちづくりの構想

らなる都市活動軸を充実していきます。ア)鉄軌道

• 多摩方面とのつながりを強化する鉄軌道系交通網の整備(小田急多摩線の横浜線・相模線方面への延伸、多摩都市モノレールの町田までの乗り入れ)を働きかけていきます。• 小田急小田原線の相模大野駅までの複々線化・連続立体交差化を働きかけます。

イ)バス• 公共交通環境の基幹であるバス交通ネットワークの充実と利便性の向上を図ります。

ウ)幹線道路• にぎわいの各拠点、周辺地域の拠点相互を緊密につなぐ、骨格的な幹線道路網の整備を図ります。• 今後、整備が予定されている圏央道など、広域的な高規格幹線道路へのアクセス性を高めて、広域的な自動車交通条件の向上を進めていきます。

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2-1| 都市全体のまちづくり構想

第2章 まちづくりの構想

らなる都市活動軸を充実していきます。ア)鉄軌道

•• 多摩方面とのつながりを強化する鉄軌道系交通網の整備(小田急多摩線の横浜線・相模線方面への延伸、多摩都市モノレールの町田までの乗り入れ)を働きかけていきます。•• 小田急小田原線の相模大野駅までの複々線化・連続立体交差化を働きかけます。

イ)バス•• 公共交通環境の基幹であるバス交通ネットワークの充実と利便性の向上を図ります。

ウ)幹線道路•• にぎわいの各拠点、周辺地域の拠点相互を緊密につなぐ、骨格的な幹線道路網の整備を図ります。•• 今後、整備が予定されている圏央道など、広域的な高規格幹線道路へのアクセス性を高めて、広域的な自動車交通条件の向上を進めていきます。

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3)将来の都市空間の構造3:水とみどりの拠点と軸の形成町田市の有する、北部の丘陵域をはじめとする樹林地、農地や河川などの自然的な資源、歴史的な資源などを守り、活かして、環境施策の推進とともに市民をはじめとして多くの人々の関わりによって「環境文化」を育む、水とみどり豊かな都市空間としていきます。そのために、北部の丘陵域のまとまった自然資源の保全と活用を図る「水とみどりの広域拠点」の形成をめざすとともに、各ゾーンにゆとりと潤いをもたらす「水とみどりの拠点」と、それらを結ぶ「水とみどりのネットワーク」の形成をめざします。

❶水とみどりの拠点の形成ア)水とみどりの広域拠点

• 鶴見川源流周辺の丘陵域一帯を「水とみどりの広域拠点」として位置づけ、源流の周辺緑地、既存集落地などが一体となった、個性ある谷戸や里山の景観を継承して、市民だけでなく近郊の都市からも多くの人々が訪れ、自然の潤いを享受できる広域的な癒しの拠点として育成していきます。•「水とみどりの広域拠点」の形成にあたっては、市民、環境保全に取り組む団体、訪れる人々、農作物を購入する消費者、教育や生産活動に取り組む学校・企業など、さまざまな主体の関わりを重視します。

イ)水とみどりの拠点• 地域の風土的な環境の中で維持されてきた谷戸のみどり、河川源流の周辺緑地、大規模な公園・緑地など、まとまりのある貴重な緑地を「水とみどりの拠点」として位置づけ、生態系や自然環境を保全していくとともに、市民が自然とふれあい、憩うことができる空間として育成していきます。また、訪れた市民が、自然に興味を持ち、新たな担い手として活動できるよう、「水とみどりの拠点」の情報発信機能の強化をめざします。• 特に、「七国山・薬師池水とみどりの拠点」と「水とみどりの広域拠点」である北部の丘陵域については、その空間的なつながりを重視し、市の骨格的な環境文化空間として育成を図っていきます。

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2-1| 都市全体のまちづくり構想

第2章 まちづくりの構想

❷水とみどりのネットワークの形成ア)みどりの東西軸・南北軸

• 大戸緑地から三輪緑地に至る地域を「みどりの東西軸」、野津田・小野路から金森方面へとつながる地域を「みどりの南北軸」として位置づけ、公園の整備、緑地の保全・再生、住宅地の緑化を重点的に進め、三浦半島から多摩丘陵に至る広域的なみどりのネットワークを維持・継承していきます。• また、軸内の農地、史跡や寺社などの歴史的資源やこれと一体となった樹林地、斜面緑地を保全し、町田の原風景を保全・継承していきます。

イ)河川環境軸• 鶴見川、恩田川、境川とその支流及びその周辺の緑地を「河川環境軸」として位置づけ、治水面に配慮しながら、市民と協働して、源流域や谷戸をはじめとした緑地の保全、保水性の向上、生態系の保全・回復を進めるともに、河川沿いの樹林地や農地と一体となって、水と親しめる空間づくりを進めていきます。また、旧河道、堰など河川にまつわる地域資源の保全を図り、河川に係わる環境文化を発信・継承していきます。

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2-1| 都市全体のまちづくり構想

第2章 まちづくりの構想

❷水とみどりのネットワークの形成ア)みどりの東西軸・南北軸

•• 大戸緑地から三輪緑地に至る地域を「みどりの東西軸」、野津田・小野路から金森方面へとつながる地域を「みどりの南北軸」として位置づけ、公園の整備、緑地の保全・再生、住宅地の緑化を重点的に進め、三浦半島から多摩丘陵に至る広域的なみどりのネットワークを維持・継承していきます。•• また、軸内の農地、史跡や寺社などの歴史的資源やこれと一体となった樹林地、斜面緑地を保全し、町田の原風景を保全・継承していきます。

イ)河川環境軸•• 鶴見川、恩田川、境川とその支流及びその周辺の緑地を「河川環境軸」として位置づけ、治水面に配慮しながら、市民と協働して、源流域や谷戸をはじめとした緑地の保全、保水性の向上、生態系の保全・回復を進めるともに、河川沿いの樹林地や農地と一体となって、水と親しめる空間づくりを進めていきます。また、旧河道、堰など河川にまつわる地域資源の保全を図り、河川に係わる環境文化を発信・継承していきます。

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3)将来の都市空間の構造3:水とみどりの拠点と軸の形成  各ゾーンにゆとりと潤いをもたらす「水とみどりの拠点」と、それらを結ぶ水と  みどりのネットワークの形成をめざします。 ①水とみどりの拠点の形成  ●水とみどりの広域拠点(鶴見川源流周辺の丘陵域一帯)  ●水とみどりの拠点(谷戸のみどり、河川源流の周辺緑地、大規模な公園・緑地など) ②水とみどりのネットワークの形成  ●みどりの東西軸・南北軸(多摩丘陵の広域的なみどりのネットワーク)  ●河川環境軸(鶴見川、恩田川、境川とその支流)

1)将来の都市空間の構造1:ゾーン特性を活かした魅力ある高質な生活空間の形成  3つのゾーン特性を活かしたまちの形成をめざします。  ●第一ゾーン(町田駅周辺の中心市街地)  ●第二ゾーン(一般住宅、住宅団地などの住宅市街地)  ●第三ゾーン(「水とみどりの広域拠点」を中心としたみどり豊かな郊外部)

2)将来の都市空間の構造2:にぎわいの拠点と軸の形成  各ゾーンの「にぎわいの拠点」とそれらを結び広域に連携する「都市活動軸」の  形成をめざします。 ①にぎわいの拠点の形成  ●都市核(町田駅周辺の中心市街地)  ●副次核(鶴川駅、南町田駅、多摩境駅周辺の市街地)  ●生活中心地(相原、玉川学園前、成瀬、つくし野、すずかけ台の各駅周辺、         忠生地区及び団地の近隣センターなど) ②都市活動軸の形成  ●都市活動軸(拠点間をつなぐ骨格的移動軸)  ●都市活動広域連携軸(広域的なつながりの基軸)  ●鉄軌道系交通網(構想)

4)将来の都市空間の構造(まとめ)  上記により形成される「環境文化を育む魅力ある質の高い生活都市」の構造をめざします。

4)将来の都市空間の構造(まとめ)先述した、1)ゾーン特性を活かした魅力ある高質な生活空間の形成、2)にぎわいの拠点と軸の形成、3)水とみどりの拠点と軸の形成を構想し、これらの総合化により、「環境文化を育む魅力ある質の高い生活都市」をめざした、4)将来の都市空間の構造を示します。

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2-1| 都市全体のまちづくり構想

第2章 まちづくりの構想

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2-1| 都市全体のまちづくり構想

第2章 まちづくりの構想

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前節で掲げた将来都市像と基本目標の実現に向け、将来の都市空間の構造として掲げた「ゾーン特性を活かした魅力ある高質な生活空間の形成」、「にぎわいの拠点と軸の形成」、「水とみどりの拠点と軸の形成」を土地利用の面から総合的に実現していきます。住宅を主体とした土地利用がされていることを踏まえ、魅力ある生活都市としての高質化を図っていくため、現在の住環境を守ることを基調に、良好な住宅地の形成を図るとともに、日常生活や都市活動の利便性に配慮しながら、商業・業務や工業などの都市的土地利用を配置していきます。また、貴重で豊かな自然資源を有している都市としての性格を今後とも守り育てていくため、地形特性を踏まえつつ、樹林地や農地などの自然的土地利用の計画的な保全と配置を図ります。

1.地域特性にあわせた土地利用の誘導

1 住宅系土地利用

住宅系土地利用は、ゾーン特性や住宅地の形成経緯などを考慮し、地区計画制度の活用などにより、多様な地区の個性を活かした、みどり豊かで魅力ある住宅地の保全・形成を図っていきます。

ア)戸建て主体の住宅地(低密度住宅地)• 土地区画整理事業など、まとまって開発された戸建て住宅を主体とする住宅地では、多様な住まいのニーズに配慮しながら、長期にわたって活用できる社会的ストックとなるように、現在の良好な住環境を保全・育成していきます。また、新たに形成される住宅地では、周辺環境と調和した、みどり豊かでゆとりある住宅地としての誘導を図ります。• 既存住宅地のうち、道路などの都市基盤が十分ではない地区では、生活道路やみどりの確保を図りながら、既存の街並みと調和した建て方を誘導し、みどり豊かな良好な住環境を形成していきます。市街化区域内農地が多く存在する地区では、主要な生活道路、公園などを整備し、みどりと調和した良好な住環境を形成していきます。

イ)一般住宅地(中高密度住宅地)• 計画的につくられた中高層集合住宅団地では、多様な世代が住まう健全な地域コミュニティの維持を基本とし、建物や設備の状況、人口・世帯の動向、住宅地としての立地条件などを踏まえ、みどり豊かに育まれた環境を継承しながら、新たな社会的需要に応えた適切な住環境を確保していきます。• また、市街地に点在する中高層住宅地や、駅周辺商業地の後背、幹線道路沿道では、街なかの住宅地としての立地条件の良さを活かしながら、都市基盤の整備状況に応じて、中高層住宅の立地を許容する住宅地としていきます。

2-2 土地利用の方針

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2-2| 土地利用の方針

第2章 まちづくりの構想

• これらの中高層住宅の立地にあたっては、周辺の住宅の日照・通風などの居住環境に配慮しつつ、商業環境や操業環境とも調和を図った、良好な住環境の確保を図っていきます。

ウ)複合市街地(沿道市街地)• 主要な幹線道路沿道については、交通量の状況や後背市街地の環境に配慮しながら、沿道商業・業務・サービス施設と住居機能が複合的に立地した、良好な街並みを有する市街地の形成を誘導していきます。

2 商業・業務系土地利用

商業・業務系土地利用は、市民の日常生活の利便性に配慮し、コンパクトな生活圏域を確立するため、各鉄道駅周辺や計画的に配置された住宅地内の商業地、沿道商業地を中心として配置します。また、都市核や副次核の拠点地区については、地区の広域的条件や都市基盤整備の状況に応じた合理的、適切な密度の利用を実現することにより、活力と魅力あふれる都市生活を支える商業業務地を形成していきます。

ア)商業業務地(町田駅周辺)• 町田駅周辺は、広域的なにぎわいの拠点(都市核)として今後も発展していくため、都市基盤整備と一体となった商業系土地利用の立地や、多様な小規模店舗立地に配慮するとともに、質の高い文化・芸術の機能集積を促進し、人々が集い、交流できる、高次な都市機能の集積を図っていきます。• また、近接する芹ヶ谷公園や境川などの自然資源とのつながりを重視し、だれもが安心してゆったりと時間を楽しめる、みどり豊かな回遊ネットワークを充実させながら、にぎわいと魅力あふれる中心的な商業業務地として形成していきます。

イ)商業業務地(鶴川駅周辺、南町田駅周辺、多摩境駅周辺)• 鶴川駅周辺は、川崎市や横浜市など市外の地域も含めた、市北東部一帯の拠点(副次核)として、また、北部の丘陵域方面に通じる玄関口として、地域の豊かな自然や歴史資源を活かしながら、多くの人々が集い交流する場にふさわしい魅力づくりを進め、商業・業務、文化、コミュニティ、福祉・医療などの都市機能の集積を図っていきます。• 南町田駅周辺は、横浜市や大和市など市外の地域も含めた市南部一帯の拠点(副次核)として、広域的な交通条件の良さを活かしながら、新たな交通基盤の整備などと一体となって、回遊性と利便性の高い商業・サービス施設を中心として行政、福祉・医療などの都市機能が集積する商業業務地の形成を誘導していきます。• 多摩境駅周辺は、多摩ニュータウンの活力あるまちづくりと連携し、市北西部一体の拠点(副次核)として、また、北部の丘陵域方面に通じる主要な玄関口として、後背に緑域を抱える現況地形や、研究開発機能のほか広域型商業施設の集積を活かしながら、多様な商業・業務、宿泊、サービス、福祉・医療などの多様な都市機能の集積を図っていきます。

ウ)生活利便性を支える商業地• 住宅市街地に近接した日常生活の中心地である、相原、玉川学園前、成瀬、つくし野、すずかけ台の各駅周辺、計画的に形成された住宅地内の商業地や主要な道路沿道に形成されてきた商

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業地については、地域密着型の公共公益施設の充実を図りながら、市民生活の利便性を支える魅力ある商業地として育成していきます。

3 工業(産業)系土地利用

工業などの産業系土地利用は、産業構造の変化等を見すえ、市内の産業機能の定着のために、周辺環境との調和に配慮しながらその維持に努めます。また、出来る限り用途の純化を図り、産業振興施策との連携により、環境と調和した産業地の整備を図ります。

ア)産業市街地• 市内産業機能の定着と活性化を図るため、旭町、忠生、鶴間や小山ヶ丘等において、周辺環境と調和した工業機能等の導入により、工業地としての育成を図っていきます。• 東名高速道路横浜町田インターチェンジ周辺は、交通条件の良さを活かした流通・業務機能の集積について、引き続きその可能性を検討していきます。

イ)住宅・産業共存地• 住宅と工場や倉庫などが混在する地区では、周辺環境と調和する都市型産業機能の定着及び導入を図っていきます。• また、工場用地の土地利用が転換される際には、周辺住宅地環境や既存の操業環境と調和した土地利用となるよう誘導していきます。

4 自然的土地利用(市街化調整区域の土地利用)

源流域をはじめ、優良な自然資源を多く抱える市街化調整区域は、町田市の重要な都市資産であるとともに、首都圏の貴重なみどり資源です。「樹林地・農地を中心とする地区」として、豊かな緑農環境を引き続き守り育てていくために、必要な都市基盤を確保しながらも、樹林地や農地などとしての利用を基本に、丘陵緑地や谷戸の農地などの自然的土地利用を保全し、みどり豊かな都市を実現します。

ア)樹林地・農地を保全する地区• まとまった樹林地や農地は、生態系や自然地形、営農環境を保全するために、現在の緑農環境を保持し、他の土地利用への転換を抑制していきます。• 水源涵養、景観形成、生物生息の場として重要な役割を果たす樹林地、全市的なみどりの連続性確保の観点から重要となる拠点的緑地を中心に、緑地保全の諸制度を活用して、積極的に保全していきます。• 農地については、環境上の機能を有する緑地としての役割を踏まえつつ、農作物を生産する生産地として、また市民が農とふれあえる場として位置づけ、農業振興や観光施策と連携して、その保全を図っていきます。• 所有者の高齢化や後継者不足などにより耕作を放棄した農地や、手入れの行き届かない樹林地

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2-2| 土地利用の方針

第2章 まちづくりの構想

については、市民と協働してその保全・活用を図っていきます。イ)自然環境との調和に配慮する地区

• すでに一定の都市的土地利用が行われ、自然的土地利用と混在している区域については、無秩序な開発、不良市街地の発生や景観破壊などを防止するため、自然資源や周辺環境への影響に配慮した、立地、環境、緑化、美観等に関する一定の技術基準を満たす土地利用を誘導していきます。• 郊外に位置する既存集落地や、自然的、農業的な環境の中での居住施設の立地などについては、地域全体としての空間的なあり方を大切にしながら、必要な生活環境を整えていくため、低密度な土地利用を基調として、市街化調整区域地区計画の活用を視野に入れた土地利用の誘導を図っていきます。

5 大規模な施設等

ア)河川• 市内を流れる主な河川沿いは、生物生息の場として、また、防災、学習、レクリエーションなどの多様な役割を担い、都市生活に潤いを与える貴重な資源として、源流付近の谷戸をはじめとした緑地や農地と一体的に保全し、市民が水辺や自然とふれあえる場としていきます。• また、市内の湧水周辺についても、樹林地の保全など、適切な土地利用としていきます。

イ)大規模な公園・地域制緑地• 自然環境保全をはじめ、レクリエーション、防災、景観形成などの観点から、特に重要な樹林地や農地などの自然的土地利用については、都市公園等の施設緑地としての整備や、風致地区、特別緑地保全地区、東京都保全地域等の地域制緑地として位置づけ、その確実な保全に努めるとともに、多くの市民が利用できるような整備を図っていきます。

ウ)大学・研究所等• 市内にある大学や民間の研究所などの大規模な教育・研究施設については、みどり豊かで地域に開放された施設として利用できるように関係機関に働きかけていきます。

エ)供給処理施設• 上下水道、廃棄物処理施設などの供給処理施設は、安全で快適な都市生活を支える基盤施設として、資源の循環や自然環境の保全、周辺環境との調和に配慮しながら、将来を見通した適切な配置・整備を図っていきます。

2.計画的な土地利用の誘導

1 都市計画制度活用の基本的な考え方

ア)「町田市土地利用基本方針」をもとにした都市計画制度の運用

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• 市では、2002 年に「町田市土地利用基本方針」を策定し、土地利用における基本的な考え方と、都市計画法の各種制度の活用方針を定めました。• 用途地域等の都市計画制度の運用(導入・見直し)にあたっては、土地利用の動向や将来の動向・見通しを踏まえた検討・検証を行い、この土地利用基本方針において土地利用の方向性及び実現手法を明らかにした上で、計画的な誘導を図っていきます。

イ)拠点市街地の再編への対応• 中心市街地をはじめ、市内の拠点市街地の充実・再編を図るにあたっては、現況課題や将来動向を検証した上で、拠点ごとの整備方針を定め、方針内容に即した都市計画制度(地区計画、市街地開発事業、特別用途地区等)の活用を行っていきます。

2 まちづくり制度の活用

ア)地区計画制度等を活用したまちづくりの推進• 大規模な土地利用転換や用途地域の境界部分での高層マンションなどの建築は、地域の住環境はもとより、公共施設需要に対しても大きな影響を及ぼします。既存市街地での調和のとれた市街地環境の形成のため、市民の意向を反映しながら、地区計画等のまちづくり制度を活用した地区の細やかな誘導を図っていきます。• また、一団地の住宅施設の再編や、市街化調整区域での適正な土地利用、既成市街地の再編など、特に計画的な土地利用を誘導していく必要のある地区においては、地区の特性や周辺環境に配慮しながら、地区計画制度を活用した細やかな誘導を図っていきます。

イ)「住みよい街づくり条例」との連動• 土地利用の規制・誘導施策の活用にあたっては、計画段階から地区の住民意向を十分に反映していくため、「住みよい街づくり条例」による街づくり制度との連動を図り、市民・事業者と協働した地区の土地利用誘導をめざします。

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2-2| 土地利用の方針

第2章 まちづくりの構想

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2-2| 土地利用の方針

第2章 まちづくりの構想

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広域的で緊密な都市間連携と活力ある都市活動を支え、子どもから高齢者まで、市民のだれもが公共交通を使って、市内外の各所に不便なく移動でき、人やモノが早く正確に信頼性高く移動できる都市を実現するために、基幹交通網(鉄道・バス等の公共交通や主要幹線道路など)の充実を図ります。その際、高齢社会の進行に対応した公共交通のバリアフリー化や、だれもが安心して通行できる「人にやさしい道づくり」、低炭素化の要請に配慮した自動車交通需要の抑制に貢献する交通施策を進めるとともに、災害時においても人やモノが円滑に移動できる交通網を検討していきます。また、相模原市などの隣接する各都市の周辺拠点と円滑に連絡でき、かつ、圏央道などの広域幹線道路と結ばれる道路交通体系の実現に向けて、隣接市及び関係機関と連携して取り組んでいきます。

1 公共交通の整備・充実

ア)総合的な交通需要マネジメント施策への取組み• 2006 年に策定した 「町田市交通マスタープラン」 では、暮らしの安全安心、持続可能な都市の活力の実現と環境の保全への配慮を基本的視点として、町田市の交通施策を体系化しています。• 公共交通の整備・充実にあたっては、これを基本に、総合的な交通需要を制御する施策について、関係機関との役割分担を踏まえながら、町田市として行うべき取組みを進めていきます。

イ)軌道系交通網の強化• 多摩地域の南北間の連携強化及び市内の公共交通の利便性を高めるため、多摩都市モノレールの町田駅までの早期乗り入れを働きかけるとともに、その導入空間の確保を進めていきます。• 小田急多摩線のJR横浜線・相模線方面への延伸については、その実現に向けて、関係機関との協議を継続していきます。• また、小田急小田原線の相模大野駅までの複々線化・連続立体交差化をはじめ、既存鉄道の速達性・快適性の向上に向けた鉄道サービスの拡充について、関係機関に働きかけていきます。

ウ)新たな公共交通手段導入の検討• 低炭素社会の実現や高齢社会の進行など、時代の要請や生活ニーズの変化を踏まえて、市内移動の利便性を高めていくために、新たな交通システムの導入も視野に入れた、総合的な公共交通施策を検討していきます。• 公共交通機関の利用が不便な地域などにおいては、DRT(呼び出し型交通機関)や乗合タクシーなど、地域の実態に即した新たな輸送手段の活用を検討していきます。

エ)駅周辺の交通基盤整備• 駅利用者の歩きやすさや安全性を確保し、駅周辺の円滑な交通流動を実現していくため、バス交通の充実度や駅勢圏の大きさなど各駅が担う交通結節機能の役割に応じて、駅前広場、駐車場、自転車等駐車場の整備や、だれもが快適に移動できる歩行空間の確保などを進めていきます。

2-3 基幹交通網の方針

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2-3| 基幹交通網の方針

第2章 まちづくりの構想

• 市民や来街者が多く集う町田駅周辺においては、総合的な交通広場の整備など交通ターミナル機能の強化に向けた取組みを進めていきます。• 駅利用者の利便性の向上やユニバーサルデザインの観点から、各鉄道駅について、だれもが移動しやすく、利用しやすい施設への改善を継続して要請していきます。• 駅及び駅周辺では、だれにでもわかりやすい公共サインシステム、駐車場情報提供システム、バス乗り場案内システムなどを整備していきます。

オ)路線バスの利便性向上とコミュニティバス導入の推進• 市民の生活に密着した公共交通機関である路線バスについて、鉄道ネットワークとの連続性や定時性・速達性を高めるとともに、利用者にバス乗り場、系統案内などの情報をわかりやすく提供するなど、路線バスの利便性向上に向けての関係事業者と継続した協議を進めていきます。• 路線バス交通の走行環境の改善のため、バスルートとなる幹線道路網の整備、バス優先レーンやバスベイの設置などを進めていきます。また、バス停周辺のバリアフリー化をはじめ、上屋の設置や自転車等駐車場の整備検討など、バス停周辺の環境整備を進めていきます。• 公共交通不便地区や坂などの高低差がある地域などにおいて、交通サービスの向上を図るため、コミュニティバス路線の開設を継続して推進していきます。

カ)公共交通で中心市街地へアクセスしやすい交通体系の形成• 既存の鉄道網や路線バス網などを基盤としながら、だれもがスムースに公共交通で中心市街地に訪れることができる交通環境を形成していきます。• 需要の多い区間を対象として、連節バスを導入するとともに、バス優先レーンやPTPS(公共車両優先システム)の導入などのバス走行環境の整備により、鉄道ネットワークとの連続性や定時性・速達性を高めます。• 最寄り駅へのアクセス性の低い地域や公共交通の利用が不便な地域への対応のため、BRT(連節バス、バス専用レーン、PTPS等を活用した鉄軌道に近い都市輸送システム)や幹線支線システムの導入など、全市的なバス路線網の再編を進めます。そのために必要となるバス走行環境や乗り継ぎ拠点などの利用環境の整備を、既存ストックを有効に活用しながら進めていきます。

2 道路交通網の整備

ア)高速道路・自動車専用道路と接続する骨格的な道路網の整備• 圏央道、(仮称)相模野幹線、津久井広域道路、核都市広域幹線道路などに接続する骨格的な道路網の整備を、関係機関に働きかけていきます。• 市内の道路交通網は、これらの道路網に円滑に接続するように整備を進めていきます。

イ)広域的な幹線道路網の整備• 広域的な都市間の交流・連携を促進し、市内の重要な公共交通の軸となる、町田街道などの主要な幹線道路の早期整備について、関係機関と連携しながら進めていきます。

ウ)市内幹線道路網の整備• 町田駅を中心とした市内環状方向及び放射方向の市内幹線道路の整備を推進し、市内幹線道路網のネットワーク機能を高めていきます。

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• 道路整備にあたっては、必要性が高く、早期に事業効果が期待される路線について優先的に整備を行うなど、効果的な整備を進めていきます。• また、交差点付近の交通渋滞などの局所的な交通課題を解決していくため、右折レーンの設置や交差点改良などによるボトルネック対策を進めます。• 次期整備方針(2005 年度策定の「多摩地域の都市計画道路の整備方針(第三次事業化計画)」につづく整備方針)の策定に向けて、隣接市と不整合が生じている路線などについては、広域的・基幹的道路ネットワークの観点から、有効性の検討を行います。• 市内道路網として新規に検討する路線として、多摩都市モノレールの導入空間となる道路について、北部の丘陵域の自然環境への影響に配慮した道路構造を含めた路線検討を行っていきます。また、将来的に交通利便性の向上が必要な路線については、新規の都市計画道路として位置づけていきます。

3 公共空間へのユニバーサルデザインの導入

• 将来の高齢者の増大を見すえ、子どもから高齢者まで、だれもが安全で安心して快適に過ごせるまちとしていくため、「町田市福祉のまちづくり総合推進条例」に掲げるユニバーサルデザインの考え方を基本とした公共空間の充実を図ります。• 中心市街地をはじめ、駅周辺など多くの人が集まる地区を中心に、道路上の障害物の除去や段差の解消及び緩和、視覚障がい者が安全に歩ける誘導ブロックの設置、公共施設でのエレベーターやスロープの設置や、だれにもわかりやすいサインシステムの導入などを進め、公共空間へのユニバーサルデザインの導入を推進していきます。

4 隣接都市の拠点等と連携した交通体系の整備

ア)町田市の中心市街地と相模大野駅周辺との公共交通の強化• 町田市の中心市街地と相模大野駅周辺地区を連絡する都市計画道路の整備に向けて、相模原市と協議・連携して取り組んでいきます。• これとあわせて、双方の拠点間連携を高めるため、拠点間を結ぶバス交通網の整備について、相模原市やバス事業者と協議・連携して検討していきます。

イ)多摩センター駅周辺と相模原駅周辺を連絡する道路網の整備• 南多摩尾根幹線(多 3・1・6)の町田街道から国道 16 号線方面への延伸について、東京都、相模原市と連携して検討していきます。

ウ)隣接都市との連続性を重視した道路網の整備• 相模原市をはじめ、横浜市、川崎市、大和市、多摩市や八王子市など、隣接する都市の主要道路と市内幹線道路網を接続する道路網の整備について、隣接市と協議・連携した取組みを継続していきます。

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2-3| 基幹交通網の方針

第2章 まちづくりの構想

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2-3| 基幹交通網の方針

第2章 まちづくりの構想

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テーマ別まちづくり方針の設定第2章で示した、「都市全体のまちづくり構想(将来都市像、基本目標及び将来の都市空間の構造)」を実現していくため、以下の5つのまちづくりテーマに着目し、それらの施策の方向性を「テーマ別まちづくり方針」として示します。

第3章 テーマ別まちづくり方針

3-3 環境にやさしいまちづくり (環境先進都市)

○ 環境負荷の小さい都市の構築○ 環境と調和した身近な生活環境の整備○ 環境にやさしい生活スタイル・社会経済システムへの転換

3-4 自然を活かすまちづくり (みどりとの共存)

○ 良好な自然環境の保全・再生○ 水とみどりの広域拠点(北部の丘陵域)の形成○ 公園・緑地の整備○ 市街地における緑化の推進、農地の保全・活用

3-1 にぎわいと交流を創出するまちづくり (拠点活性化)

○ にぎわいのある中心市街地の再編○ にぎわいと活力のある副次核の形成○ 身近な生活中心地の充実

3-2 安全安心のまちづくり (防災・防犯)

○ 減災まちづくりの推進○ 被災後の復興まちづくり体制の整備○ 日常安全性の向上○ 安全安心のための地域力の向上

3-5 住みつづけたいまちづくり (住環境・コミュニティ)

○ 質の高い住宅地の保全・形成○ 生活行動圏の充実-生活中心地の整備とアクセス性の充実○ 良好なコミュニティの形成

第3章 テーマ別まちづくり方針

3-1| にぎわいと交流を創出するまちづくり (拠点活性化)

■施策の体系

町田市においては、第2章の「にぎわいの拠点と軸の形成」で示したように、市内外の人々が最も多く集う町田駅周辺の都市核(中心市街地)や、市域周辺で近隣から市民が集う副次核(鶴川・南町田・多摩境の各駅周辺)、市民の日常的な生活中心地などが、にぎわいと交流の舞台となります。これら都市核、副次核、生活中心地では、各々の地域特性を活かした商業・業務機能の集積や文化・芸術、福祉・医療などの暮らしを支える機能の充実を図るとともに、コミュニティ施設や歩いて楽しい環境整備などにより人々の交流を促進し、にぎわいと交流の舞台を整えていきます。これらの都市核や副次核、身近な生活中心地などで、多様なにぎわいが享受でき、交流できる都市環境を創出していくことより、市民の暮らしが楽しく豊かになる都市をめざします。

3-1 にぎわいと交流を創出するまちづくり (拠点活性化)

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1.にぎわいのある中心市街地の再編

町田市の中心市街地は、都市圏域(半径 10km)の人口として約 200 万人を有し、町田駅の 1日平均乗降客数が約 40万人と、東京都内の郊外都市の中心地としては中枢の広域拠点となっています。町田市の「都市核」として、これまで築いてきた多様性ある商業地としての魅力を活かしつつ、周辺の芹ヶ谷公園や境川などの豊かな自然環境と一体となった市街地を形成し、要所を巡りながら、まちを楽しむことができる快適な中心市街地に再編していきます。

1 町田らしい都市文化を育成する中心市街地の形成

❶にぎわいのある土地利用の誘導ア)小田急線町田駅東側の商業機能が集積した原町田エリアの誘導

•• 商業・業務機能の集積を誘導し、中心商業地として発展するとともに、人々が交流できる拠点としての形成を地元の方々と協働して取り組んでいきます。•• 国際版画美術館や町田市民文学館に加え、新たな文化・芸術機能の集積を図り、買い物以外にも楽しめる、懐の深い、回遊性のある中心市街地の形成を進めていきます。•• 芹ヶ谷公園とその隣接する市有地については、原町田大通り(町 3・4・11)の延伸を視野に入れながら、市民が憩い、楽しめる空間として再生していきます。

イ)小田急線町田駅西側の主に業務機能が集積した中町・森野エリアの誘導•• 業務機能の集積を誘導するとともに、新たな商業機能や文化・芸術機能の集積が図られるよう、地元の方々と協働して取り組んでいきます。•• 新庁舎の整備に伴い、町田駅前通り(町 3・4・39)沿道での商業・業務機能の集積を誘導します。•• 公社森野住宅の建替え計画にあわせて、都市型住宅の供給、商業・業務機能の導入、基盤施設の充実、雨水調整機能の導入の可能性について検討していきます。

❷にぎわいと交流の拠点形成ア)にぎわいと交流の核づくり

•• 小田急線町田駅及びJR町田駅に隣接又は近接する地区では、高度利用を推進し、商業・業務機能などの集積によるにぎわいの核づくりを促進し、総合的な交通ターミナル機能の強化や、人々が集える広場づくりを推進していきます。•• 現市庁舎(跡地)周辺では、庁舎の機能転換を見すえて、周辺市街地と連携した再整備を検討し、中心市街地の新しい核を形成していきます。

イ)広場や公園の整備•• 大きなイベントを催すことができる広場や公園、街角の小さな広場など、市民が集い、憩い、活動できる場を整えていきます。

ウ)多様性のある機能集積と情報発信機能の充実•• 来街者が、中心市街地内で時間を消費できる都市機能の充実をめざすため、中心市街地に不足するコンベンション機能などの充実を検討していきます。•• 町田市の観光案内・イベント案内・買物案内などができる情報発信機能の整備を、地元の方々

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第3章 テーマ別まちづくり方針

3-1| にぎわいと交流を創出するまちづくり (拠点活性化)

と協働して取り組んでいきます。エ)にぎわいと交流を演出する仕掛けづくり

•• 文化・芸術の振興を図るため、ハードの整備だけでなく、その後の運営・維持管理も含めたソフト面の仕組みを、現在のTMO(中心市街地の活性化のための活動を行う組織)などの活動を発展させ、市民団体やNPOなどと協働して検討していきます。•• 現在実施している、大道芸などのイベントの場と機会の拡充を図るとともに、これら各種イベントの開催について、市民や地元事業者と協働した取組みを推進していきます。

❸周辺環境と調和した複合市街地の形成•• 中心市街地の周辺部で住宅機能の集積が進んでいることから、夜間人口の確保につながる複合的な土地利用となるよう、沿道の街並み景観の形成やにぎわいの連続性、周辺環境との調和などに配慮して、良好な都市型住宅を誘導していきます。•• 高齢者福祉施設や子育て支援施設など、生活を支える公共公益施設を適切に配置していきます。

2 歩いて楽しい中心市街地の形成

❶子どもから高齢者まで、だれもが安心して快適に歩ける仕組みづくりア)フリンジパーキングの整備

•• 中心市街地において安心して歩ける歩行環境を形成し、中心市街地への車の進入を抑制するため、フリンジ(外縁部)における自動車駐車場の整備を推進していきます。

イ)総合的な物流貨物車対策の実施•• 中心市街地での荷さばき貨物自動車の歩行空間への流入を防止するため、町田市都市・地域総合交通戦略に定める「交通対策重点エリア」において、総合的な物流貨物車対策を実施していきます。その際、地元商店街、事業者などと協働して、取組みを強化していきます。

ウ)自転車総合対策の推進•• 歩行者と自転車が安心して快適に通行できるよう、自転車総合対策を検討していきます。•• 市民や来街者が中心市街地周辺を自転車で回遊できるよう、電動アシスト自転車を貸し出す仕組みを検討していきます。

エ)ユニバーサルデザイン•• 歩道の段差の緩和や解消などにより、中心市街地を、子どもから高齢者まで、だれもが安全で快適に移動できる環境を整えていきます。

❷シンボルロードの整備ア)原町田大通りの延伸によるシンボルロードの形成

•• 芹ヶ谷公園とJR町田駅を結ぶ原町田大通りを延伸整備し、中心市街地から芹ヶ谷公園の玄関口へのシンボルロードとして整備していきます。

イ)文学館通りを経由して国際版画美術館に至るシンボルロードの形成•• 文学館通りは、国際版画美術館へのアクセス路として、歩行者が安心して快適に歩ける環境を整えていきます。

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❸新庁舎へのアクセス路の充実ア)主動線である町田駅前通りの充実

•• 町田駅から新庁舎に至る町田駅前通りは、道路幅員の拡幅整備の可能性を含め、だれもが快適に移動できる歩道環境の整備について検討していきます。•• また、沿道での建物更新を誘導し、壁面後退等、沿道環境を整えるための地区計画制度の導入を検討していきます。

イ)町田駅から新庁舎へのその他のアクセス路の検討•• 境川ゆっくりロード(河川沿いの自動車歩行者専用道路)などを活用した、町田駅からのアクセス路の可能性を検討していきます。•• また、町田駅から町田駅前通り以北の市街地を経由するアクセス路の可能性についても検討していきます。

3 にぎわいのある都市景観の形成

ア)魅力ある都市景観の形成•• 町田駅前通り、原町田大通り、文学館通りなど、中心市街地を代表する道路の沿道では、地元の方々と協働して建物の形態や意匠、壁面位置、広告物などのルールづくりを進め、魅力ある沿道景観を誘導します。•• 駅に隣接又は近接して商業集積がある地区では、街並み誘導型地区計画の活用などにより、にぎわいのある都市景観形成を誘導していきます。•• 電線類の地中化を推進するとともに、バリアフリー化、住宅街での緑化の推進、街路灯の更新などを進めていきます。•• 中心市街地の周辺部の複合市街地で立地が進んでいる都市型住宅について、建物の高さなど、周辺環境と調和した都市景観となるように誘導していきます。

イ)中心市街地の主要な区画道路整備と沿道景観の形成•• 中心市街地で、都市計画道路を補完する主要な区画道路整備を進め、沿道の街並み景観を整えていくため、主要区画道路のあり方を検討するとともに、地区計画制度の導入を検討していきます。

ウ)みどり豊かな都市景観の形成•• 既存の樹木・樹林、住宅地内のみどりの保全と育成を図り、みどり豊かな中心市街地を形成していきます。•• 中心市街地周辺部の都市型住宅地の開発に際しては、みどりの環境が整うよう誘導し、周辺環境と調和した、みどり豊かな市街地を誘導していきます。•• 境川沿いでは、水辺を楽しめる沿川空間づくりや、みどり豊かな景観形成を推進していきます。

4 公共交通・道路基盤の充実

ア)小田急線町田駅周辺での駅前ターミナル機能の強化

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第3章 テーマ別まちづくり方針

3-1| にぎわいと交流を創出するまちづくり (拠点活性化)

•• 小田急線町田駅に隣接する街区では再開発を誘導し、立体都市計画制度の活用などによる駅前交通拠点(駅前広場、公共交通の乗降場など)の整備を検討します。

イ)駅舎及び周辺でのバリアフリー化の促進•• 小田急線町田駅、JR町田駅とその周辺を巡るペデストリアンデッキや駅周辺の歩道などにおいて、バリアフリー化に継続して取り組んでいきます。

ウ)鉄道による交通動線分断の解消•• 小田急線及びJR横浜線にはいくつかの踏切があり、歩行者の交通動線が分断されているとともに、バス交通と歩行者が輻輳(ふくそう)するなどの課題があります。この解消に向けて、地下歩行者道の整備や交差点改良などを検討していきます。•• また、その抜本的な解決策として、小田急線の複々線化及び連続立体交差化について関係機関に働きかけていきます。

5 隣接都市の拠点(相模大野駅周辺)との連携

ア)JR町田駅南側地区の再整備と相模大野駅周辺への道路網の整備•• JR町田駅南側地区(市営駐車場周辺)の再整備について、相模原市と連携しながら、駅前広場機能や商業・業務機能などの充実を検討していきます。•• これとあわせて、相模大野駅方面とJR町田駅南側地区との連絡を円滑にするため、相模原市と協議・連携しながら交通網の整備を推進していきます。

イ)公共交通機能の充実•• 町田市の中心市街地と相模大野駅周辺の市街地が連携した拠点となるよう、両拠点間を気軽に移動できるバス等の公共交通機関の導入について、相模原市と連携して検討していきます。

2.にぎわいと活力のある副次核の形成

市の郊外部に位置し、隣接市の周辺市街地を含めた拠点となっている、鶴川駅周辺、南町田駅周辺及び多摩境駅周辺地区を、町田市の玄関口として、かつ、市民の利便性向上を図る観点から「副次核」として位置づけ、活性化を図っていきます。

1 鶴川駅周辺

ア)東の玄関口としての副次核の育成•• 鶴川駅周辺は、川崎市、横浜市などの市外も含めた市北東部一帯の拠点で、北部の丘陵域方面等に通じる、町田市の主要な玄関口となっています。後背に大きな住宅団地(低層・中層)を抱える鶴川駅の北側では、土地区画整理事業を実施して都市基盤が整い、また近傍には、香具山美術館、白洲邸などの観光・文化資源が立地しています。これらの豊かなみどりや資源を活かしながら、重要な副次核としてさらに発展していくよう育成していきます。

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•• 鶴川駅北口の低未利用地について、魅力ある商業・業務機能の集積が図られるよう誘導していきます。•• 鶴川駅南側においては、土地区画整理事業を基本として、計画的な土地利用の誘導を図ります。•• 鶴見川やみどり豊かな周辺の自然環境を活かした良好な街並みづくりを進めるとともに、駅舎の整備と一体となって魅力ある駅前空間を整えていきます。

イ)道路・交通の充実•• 駅から周辺住宅地へのバス交通の充実を働きかけていくとともに、自転車等駐車場の整備について継続して取り組んでいきます。••「水とみどりの広域拠点」への出発点として、バス乗り場や行き先、町田の案内情報など市民や来街者にわかりやすい案内サービスなどの充実を図ります。•• 鶴川駅南側について、土地区画整理事業などにより基盤整備を図るとともに、川崎都市計画道路(川 3・4・22)から鶴川駅南口にアクセスする道路整備を東京都や川崎市に働きかけていきます。•• 駅周辺の道路交通課題として、芝溝街道と横浜・上麻生線の交差する上麻生交差点付近の交通渋滞を緩和するため、東京都や川崎市に対して交差点改良などの取組みを働きかけていきます。•• 小田急小田原線の複々線化及び連続立体交差化を関係機関に働きかけていくとともに、周辺環境への影響を低減する鉄道構造などにも考慮した取組みを要望していきます。

2 南町田駅周辺

ア)南の玄関口としての副次核の育成•• 南町田駅周辺は、横浜市、大和市など市外も含めた市南部一帯の拠点として、広域的な交通の要衝としての立地条件や、駅に隣接した広域的商業施設の立地などを活かし、重要な副次核として育成していきます。•• 駅北側の市街地では、国道 16号線(町 3・2・1)により周辺街区と分断されている状況を改良するとともに、住宅系と工業系の土地利用が混在している市街地環境の改善についての検討を進めていきます。•• 横浜町田インターチェンジ周辺については、広域的な交通拠点という特性を活かして、流通・業務機能の集積を図りながら、産業市街地としての形成を誘導していきます。

イ)道路・交通の充実•• 国道 16号の町田立体事業と並行して、駅北口での駅前広場、自転車等駐車場の整備に取り組んでいきます。また、駅北側の市街地から安全に安心して駅にアクセスできる地下道の整備を進めます。•• これらの基盤整備とあわせて、バス交通網の充実を図るようバス事業者に働きかけていきます。•• 南町田駅、駅南側の商業集積地、鶴間公園や境川ゆっくりロードなどを回遊できる、散策ルートを検討していきます。

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第3章 テーマ別まちづくり方針

3-1| にぎわいと交流を創出するまちづくり (拠点活性化)

3 多摩境駅周辺

ア)西の玄関口としての副次核の育成•• 多摩境駅周辺は、多摩ニュータウンの活力あるまちづくりの一端を担い、かつ、多摩ニュータウンと町田市とをつなぐ役割を担っています。後背に多摩丘陵のみどりを抱える現況地形を活かしながら、市北西部一体の拠点、北部の丘陵域の「水とみどりの広域拠点」方面に通じる主要な玄関口となる、みどり豊かでにぎわいのある副次核として育成していきます。•• 業務施設集積地区としての土地区画整理事業が実施され、産業・研究開発機能のほか、広域型商業施設の集積が進んでおり、近年では都市型住宅が駅周辺を中心に多く供給されています。これらの立地を活かしながら、駅周辺で多様な商業・業務、宿泊、サービス、福祉・医療などの都市機能の集積を誘導していきます。

イ)沿道景観形成と交通の充実•• 地区計画制度を活用した街並み形成に、継続して取り組んでいきます。特に、多摩境通り(町3・4・25)沿道では、にぎわいやゆとりのある沿道景観をつくるとともに、丘陵地の豊かなみどりの感じられる景観づくりを進めていきます。•• 交通渋滞の緩和を図るため、周辺地域を含めた都市計画道路網の拡充を検討していくとともに、町田駅方面へのバス交通網の充実について関係機関に働きかけていきます。

3.身近な生活中心地の充実•高齢社会の進展に伴い、市民が歩いて暮らせる範囲で、日常生活に必要となる公益サービスや生活利便サービスを十分に享受できる生活圏の構築が必要であり、住宅市街地に近接した身近な場所で生活が充足できるよう、「生活中心地」の充実を図っていくことが重要となります。相原、玉川学園前、成瀬、つくし野、すずかけ台の各駅周辺、木曽山崎団地、鶴川団地の近隣センター周辺や、忠生、真光寺広袴、成瀬台、金森地区などの住宅地内の商業地について、公共交通を支える道路整備、地域密着型の公共公益施設の充実、魅力ある商業地の育成を図り、市民の暮らしを支える生活中心地としての機能を充実させていきます。

1 身近なにぎわいや交流の場の形成

ア)日常生活の利便性に配慮した都市的土地利用の配置•• 市民生活を支える身近な生活中心地においては、駅周辺、団地の中心、住宅地周辺などのそれぞれの地域の特性を活かして、商業、文化、コミュニティ、福祉・医療などの機能の導入を検討していきます。•• 近傍に大学や研究機関などが立地する生活中心地では、これらの機関と連携して、にぎわいや交流の場を創出していきます。•• 新たに駅前広場の整備を進めている相原駅周辺では、基盤整備にあわせて、商業機能の集積な

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■都市核、副次核、生活中心地の位置

どにより、生活中心地としてのにぎわいを形成していきます。•• 木曽山崎センター周辺など、統廃合された学校跡地等が近傍に立地する地区については、跡地活用と連携した生活中心地が形成されるよう検討していきます。•• また、生活中心地のあり方について、近隣住民、関係する民間事業者・関係権利者などと継続して話し合うことのできる仕組みづくりを検討していきます。

イ)みどり豊かで美しい生活中心地の景観形成•• 市民にとって、生活中心地が潤いのある拠点となるように、地域特性を踏まえ、街路樹などによる緑化を継続して推進していくとともに、イベントを催すことのできる広場などの整備を進めていきます。•• 生活中心地と周辺住宅地が連続しながら調和した景観となるよう、街並み景観の形成を誘導していきます。

2 生活中心地での道路・交通の充実

ア)住まいから生活中心地への公共交通の充実•• 公共交通不便地区や起伏がある地域で、生活中心地への交通サービスの向上を図るため、バス交通の充実を働きかけるとともに、コミュニティバスの開設などを継続して進めます。•• 生活中心地では、引き続き自転車等駐車場の整備を進めていきます。

イ)生活中心地での道路整備•• 生活中心地の主要道路では、地域特性を踏まえ歩道の整備を継続して推進していくとともに、歩道の段差解消など、ユニバーサルデザインの実現に努めます。•• 相原駅においては、大戸踏切の立体交差化を東京都と共同して進めるとともに、駅前広場や周辺道路の整備を進めていきます。•• 玉川学園前駅周辺など、地形に起伏がある生活中心地では、駅から住宅地にアクセスしやすい、バリアフリーに配慮した道路整備について検討していきます。

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第3章 テーマ別まちづくり方針

3-2| 安全安心のまちづくり (防災・防犯)

■施策の体系

市民が安全に、安心して暮らすため、災害時に備えるまちづくりと日常時の安全性を高めるまちづくりに取り組みます。災害時に備えるまちづくりとして、地震や水害などの災害による被害を少なくし、早期に復旧・復興できるようにまちづくりを進めるとともに、そのための体制を整えていきます。日常時の安全性を高めるまちづくりには、犯罪の防止に配慮した環境づくりを進め、治安が良いと感じられる防犯まちづくりを進めていきます。さらに、市民一人ひとりの「自分たちの命は自分たちで守ろう!」「自分たちのまちは自分たちで守ろう!」という意識を基本としながら、市民の防災・防犯への関心を高めていくとともに、地域がまとまって活動を行うことを支援していきます。また、まちづくりのさまざまな機会を捉えて、市民による防災・防犯活動の輪を広げ、安全安心に係わる地域力の向上、地域活動の活性化を図ります。

3-2 安全安心のまちづくり (防災・防犯)

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1.減災まちづくりの推進

近年、大規模な地震が発生する可能性が高いとの調査結果が、国から公表されています。ゲリラ豪雨による局地的な被害が発生してきており、このような地球規模の気候変動に伴う被害を最小限に抑える適応策が必要とされてきています。このような地震や水害などの被害を抑える「減災まちづくり」を進めていくため、必要な施設の整備や災害に強い市街地への誘導を図るとともに、適切な情報提供に努め、防災性の向上を図っていきます。

1 震災に強いまちづくりの推進

❶基幹となる施設の整備ア)緊急輸送道路 ・ 啓開道路と沿道の整備

•• 東京都が指定する緊急輸送道路や市が指定する啓開道路は、緊急活動のほか、市民の広域的な避難経路になり得ることから、沿道の建築物について不燃化 ・耐震化を促進していきます。•• 道路拡幅等が未整備の緊急輸送道路について、東京都に対して整備を要請していきます。また、啓開道路は、関係機関と調整を図り、幹線道路整備の進ちょくを踏まえて路線の見直しを図ります。

イ)被災時の活動の場となるオープンスペースの確保•• 被災時の活動の場となる、公園等の公共施設や災害時における協力農地などのオープンスペースについて、事前に被災時の利用方法を明確にします。

ウ)上下水道施設の機能の確保•• 上水道について、救急医療機関などの主要施設に対する供給ルートは、重点的に耐震化を進めます。また、上水道施設の耐震化推進の継続や、応急給水業務などの分担について、東京都との調整を図ります。•• 飲料水の備蓄や災害時協力井戸の活用などにより、地震発生後2〜3日までの初期応急給水の水源の確保を図ります。また、病院等に対し給水体制の確保を図ります。•• 下水道管渠(かんきょ)については、災害時の活動拠点の重要度や既存施設の老朽度を考慮して、耐震化を推進します。•• 震災時に汚水処理機能を確保するために、下水処理場の耐震化を進めていきます。

エ)消防施設の充実•• 地域の人口増減の動向などを踏まえて、必要に応じて消防署の出張所の設置を要望していきます。また、消防団施設については、老朽化した消防器具置場の建替えを進めます。•• 都市基盤の整備や大規模開発の機会を捉えて、防火水槽や消火栓などの設置を誘導するほか、河川水を利用するための取水ピット等の整備を河川管理者に要請し、消防水利の確保を図ります。

オ)ヘリコプター臨時離着陸場の維持・確保•• 負傷者、物資・資機材等の輸送を考慮して、ヘリコプター臨時離着陸場の維持と確保を図り、物資集積所や病院など、関連する施設への道路の整備を図ります。

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第3章 テーマ別まちづくり方針

3-2| 安全安心のまちづくり (防災・防犯)

カ)通信網、通信手段の確保•• 幹線道路の電線類の地中化を契機として、通信網の安全性向上を図ります。•• 新市役所庁舎での防災センター整備や防災無線のデジタル化等を進め、避難場所や情報拠点、防災機関と災害時の活動に対応できる施設との連絡通信手段の整備を図ります。

❷地域防災拠点や避難場所等の整備・確保ア)地域防災拠点の整備

•• 小中学校は、避難所、情報・連絡、物資の供給、救急の活動などの機能を果たす「地域防災拠点」になります。そこで、避難生活に必要な発電機等の設備の充実、ヘリサインの整備を進めます。また、小中学校の統廃合や新設にあたっては、必要に応じて、地域防災拠点としての機能の維持、整理を進めます。•• 災害時要援護者への対応策として、社会福祉関係団体等と協力して二次避難所の確保を図ります。

イ)避難場所の整備•• 避難場所としての公園は、災害時にさまざまな活用ができる公園とします。•• 公園や高校などを、地域の情報連絡・救援活動の拠点機能を持つ避難場所及び避難所として、整備します。•• 既存公園について、被災時の避難場所・防災活動の場として、避難者の受入れ、物資や資材の集積 ・分配、復旧活動のための資機材置場などの機能を果たせるよう、安全性の向上を図るための整備・改善を進めます。

ウ)一時的な避難など、身近な防災活動の場となる空間の確保•• 一時集合場所や身近な防災活動の場として、街区公園では、地域からの要望を踏まえて、自主防災組織の防災倉庫の設置などの整備を図ります。

❸災害に強い市街地整備の推進ア)市街地の不燃化の誘導

•• 幹線道路の沿道、河川沿いや鉄道沿線、不特定多数の人々が集まる中心市街地などでは、開発や道路改良の機会を捉えて、耐火建築物等の建築による不燃化を誘導し、延焼遮断帯としての機能を強化し、安全な街区の形成を図ります。•• そのため、市街地の不燃化を促進するべき区域について、防火地域・準防火地域の指定など、不燃化のための規制誘導策の導入を検討します。

イ)建築物の耐震化の促進•• 旧耐震基準で建設された木造住宅や分譲マンション、不特定多数が利用する建築物などの耐震化の促進・誘導を図ります。また、ガラスや外壁タイル、広告物、設備機器、天井材、自動販売機などの揺れによる落下転倒の危険を未然に防ぐための対応を進めます。また、エレベーターの閉じ込め防止については、国・東京都の動向を踏まえて、指導を進めます。•• 避難、物資の備蓄、救援救護活動の拠点となる、防災上重要な市有建築物については、災害対策上の位置づけや老朽度などを踏まえて耐震化を図ります。•• これら耐震化促進にあたっては、「(仮称)町田市耐震化促進整備プログラム」を策定し、地域危険度や旧耐震基準の割合・高齢化率の高い地域、中心市街地、緊急輸送道路沿道など、市の防災上の特徴や課題を踏まえ、市民や関係団体との連携を図りながら、重点的・効率的に推進

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します。ウ)中心市街地や各駅周辺の安全性の確保

•• 中心市街地や各鉄道駅周辺など、不特定多数の人々が集まる場所では、災害時の帰宅困難者の発生や混乱などの不測の事態が発生する可能性があるため、災害時に安全に行動できるよう、地震や火災に強い建物づくり、ライフライン確保のための電線類地中化、落下物や違法駐輪対策、公共サイン・バリアフリーの推進や情報拠点づくりなどの安全対策を推進します。

エ)住宅地の安全性の確保•• 消防車などの緊急車両が進入困難な住宅地の解消を図るため、狭あい道路の拡幅整備事業や生活道路整備事業による道路の整備や、地区計画制度を活用した建築物の壁面後退などにより、十分な道路空間・沿道空間の確保を図ります。•• 東京都が公表している土砂災害危険箇所(土石流危険渓流等、地すべり危険箇所、急傾斜地崩壊危険箇所)について、危険な箇所の把握・点検を呼びかけるとともに、対策を急ぐべき区域は、土砂災害警戒区域などの指定を検討するなど、土砂災害対策を促進し、安全の確保を図ります。

オ)団地の防災性の向上•• 戸建て住宅からなる団地では、木造住宅の耐震化促進助成制度を活用して、住宅の耐震診断・耐震改修を支援していきます。•• 集合住宅からなる団地のうち、分譲マンションについては、耐震化促進助成制度を活用して耐震化を支援していきます。また、公的賃貸住宅について、東京都住宅供給公社には「公社賃貸住宅耐震化整備プログラム」に基づく耐震化推進を、UR都市機構に対しては耐震改修対応方針の策定・推進を要請していきます。•• 高齢化が顕著な団地については、地域の自主的な防災体制の強化・充実を図ります。

2 総合治水対策の推進

ア)河川の整備•• 国、東京都、神奈川県に対して、河川整備の一層の推進を要請していきます。特定都市河川である鶴見川流域については、流域水害対策計画を推進していきます。•• また、境川については、東京都、神奈川県や隣接市と協力し、特定都市河川の指定や流域水害対策計画の策定を進め、治水安全度の向上を図ります。

イ)雨水管渠の整備•• 浸水対策の履歴や他事業との関係を考慮し、効果的、効率的に雨水管渠(かんきょ)整備を図ります。

ウ)雨水貯留浸透施設の整備•• 道路や公園の整備にあたっては、透水性舗装の整備や、雨水貯留浸透施設の整備を進めます。•• 近年多発するゲリラ豪雨対策として、雨水貯留浸透施設の設置について検討していきます。

エ)保水機能の維持•• 樹林地の水源涵養や土砂流出抑制の機能などを踏まえ、隣接自治体と協力して、自然的土地利用の保全による保水機能の維持を図ります。

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第3章 テーマ別まちづくり方針

3-2| 安全安心のまちづくり (防災・防犯)

3 災害リスク情報の把握及び周知の推進

ア)防災マップ、ハザードマップの周知・更新、避難情報等の提供•• 災害の危険性のある区域や防災施設等を周知するため、防災マップや洪水ハザードマップの内容を充実させ、積極的に公表するとともに、非常時の災害情報や安否情報、交通情報、生活・ライフライン情報をリアルタイムで提供するメール配信等の手段を周知することにより、防災意識の向上を図り、市民はこれらを活用して日常時から災害に備え、防災まちづくりを進めます。

イ)災害時要援護者情報の把握の推進•• 地域防災計画に基づき、避難誘導及びその他支援を効率的・効果的に行うために、要援護者の情報を事前に把握するとともに、さまざまなまちづくりの機会を捉えて、要援護者リストに関する市民の理解を深め、支援を必要とする方に要援護者リストへの登録の呼びかけを進めます。

2.被災後の復興まちづくり体制の整備

大地震が発生した場合、被災直後の応急 ・復旧活動だけでなく、その後のまちの復興に取り組むことが重要です。都市計画マスタープランを復旧・復興のまちづくりの基本的な指針として、これを踏まえながら、被災後の復旧・復興のまちづくりを速やかに進めるための「(仮称)震災復興マニュアル」を策定し、体制の整備に取り組みます。

1 復旧・復興体制の確立

ア)「(仮称)震災復興マニュアル」の策定•• 大規模に被災した場合に、都市や住宅、生活の復興が速やかに進められるように、地域防災計画や事業継続計画などを踏まえて「(仮称)震災復興マニュアル」を策定し、復旧・復興のための体制を整えていきます。•• この中で、速やかな復興を進めるため、市の体制や復興に係る方針・計画の策定手順、応急仮設住宅や恒久的な住宅の確保、地区の復興まちづくりの進め方、復旧・復興事業の進め方や役割分担などについて明らかにしていきます。また、これとあわせて、必要な条例等の検討、整備を進めます。•• 策定した「(仮称)震災復興マニュアル」について、より実効的な計画とするため、定期的に研修や訓練を行い、その成果を反映して改善を図るとともに、被災前からのまちの改善など、災害に強いまちづくりにつながるように取り組んでいきます。

イ)復旧・復興に係る計画の策定と準備•• 大地震が発生した場合、建物の倒壊などによる大量のがれきの発生や、避難生活におけるトイレの確保などの課題が考えられます。このような大地震後の復旧・復興に係るさまざまな課題に対応するための具体的な計画の策定と準備を進めます。

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•• 災害からの復興が迅速かつ円滑に進むように、あらかじめ土地の境界を確定させるための地籍調査事業を引き続き進めていきます。

3.日常安全性の向上

日常生活の中にも、犯罪や交通事故など、さまざまな危険が潜んでいます。2000 年には約 1万件あった市内の年間刑法犯認知件数は、近年の防犯まちづくりの取組みによって、5千〜 6千件まで減少しています。これらの取組みを継続し、犯罪の防止につながる、まちの死角をなくした安全な環境づくりに加えて、人のつながりを広げてコミュニティを育む空間をつくるなど、治安が良いと感じられる防犯まちづくりを進めて、日常安全性の確保を図っていきます。

1 防犯まちづくりの推進

ア)「(仮称)防犯まちづくり計画」の検討•• 市民と来街者にとって、町田市が安心なまちと感じられるように、防犯に配慮した、きれいで明るいまちづくりを進め、体感治安の向上を図ります。このようなまちづくりを計画的に推進するために、「(仮称)防犯まちづくり計画」の策定に向けた検討を進めていきます。

イ)地域特性を活かした防犯まちづくりの推進•• 小田急線町田駅東側の商業集積地、西側の新市庁舎周辺や、市内の各駅周辺において、それぞれの地域特性を活かした防犯まちづくりを進めていきます。具体的には、防犯カメラや防犯灯の設置、防犯性能の高い住宅の普及、防犯性に配慮した道路・公園等の整備、通学路等における児童の安全確保、交番等の設置などが挙げられます。

2 日常生活での安全の確保

ア)交通事故対策の推進•• 道路の危険箇所について、歩道設置、サイン整備、カーブミラーやガードレールの設置、道路沿いの植栽の管理や建物の壁面後退などによる交差点の見通し改善など、道路環境の改善を図っていきます。

イ)公園の安全確保•• 公園の整備や改修にあたっては、安全基準等を満たす遊具の設置や、死角を減らして視認性の向上を図るなど、公園利用者の安全の確保に取り組みます。

ウ)救命機器の整備•• AED(自動体外式除細動器)の設置について、開発等の事前協議を通じて設置を指導するとともに、目に止まりやすい場所に設置するなどの啓発を進めます。

エ)住所整理の推進•• 緊急車両が現地へ円滑に到着できるように、住所整理を引き続き進めていきます。

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第3章 テーマ別まちづくり方針

3-2| 安全安心のまちづくり (防災・防犯)

オ)危機管理体制の整備•• 危機管理指針に基づき、地域防災計画と国民保護計画で想定されている内容以外について、危機管理対応マニュアルを作成し、必要な体制や具体的な対策を整理していきます。

4.安全安心のための地域力の向上

日常時でも災害時でも、安全の確保は、市民一人ひとりの「「自分たちの命は自分たちで守ろう!」「自分たちのまちは自分たちで守ろう!」という意識が基本になります。そのため、ハード面の整備だけではなく、人と人のつながりが広がり、地域コミュニティの力が高まるような、地域の人々がまとまって行う自主的な活動を支援しながら、安全安心のまちづくりに対する関心を高めていきます。

1 自主的な防災・防犯体制の整備・充実

ア)防災・防犯意識の向上の促進•• 広報、イベント、メール配信やまちづくりの取組みを活用し、また、防災・防犯に取り組む団体と連携しながら、日常生活の中で防災・防犯を意識しやすい情報提供を行い、防災・防犯意識の向上を図ります。

イ)地域力の向上とネットワークづくりの推進•• 地域の活動の中心となる自主防犯組織の防犯パトロールなどの活動や清掃活動、自主防災組織による防災訓練などの活動、地域による高齢者への見守り支援活動など、防災・防犯や日常安全性をテーマとする団体の活動を支援するとともに、それらの活動が継続されるように、地域活動のリーダーの育成を支援し、防災・防犯に係る地域力の向上を図ります。•• 身近な道路や公園などの施設整備やイベントの開催の機会を捉えて、市民やこれらの団体のつながりが広がるように配慮し、地域での活動の活性化を促進していきます。

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第3章 テーマ別まちづくり方針

3-2| 安全安心のまちづくり (防災・防犯)

オ)危機管理体制の整備•• 危機管理指針に基づき、地域防災計画と国民保護計画で想定されている内容以外について、危機管理対応マニュアルを作成し、必要な体制や具体的な対策を整理していきます。

4.安全安心のための地域力の向上

日常時でも災害時でも、安全の確保は、市民一人ひとりの「「自分たちの命は自分たちで守ろう!」「自分たちのまちは自分たちで守ろう!」という意識が基本になります。そのため、ハード面の整備だけではなく、人と人のつながりが広がり、地域コミュニティの力が高まるような、地域の人々がまとまって行う自主的な活動を支援しながら、安全安心のまちづくりに対する関心を高めていきます。

1 自主的な防災・防犯体制の整備・充実

ア)防災・防犯意識の向上の促進•• 広報、イベント、メール配信やまちづくりの取組みを活用し、また、防災・防犯に取り組む団体と連携しながら、日常生活の中で防災・防犯を意識しやすい情報提供を行い、防災・防犯意識の向上を図ります。

イ)地域力の向上とネットワークづくりの推進•• 地域の活動の中心となる自主防犯組織の防犯パトロールなどの活動や清掃活動、自主防災組織による防災訓練などの活動、地域による高齢者への見守り支援活動など、防災・防犯や日常安全性をテーマとする団体の活動を支援するとともに、それらの活動が継続されるように、地域活動のリーダーの育成を支援し、防災・防犯に係る地域力の向上を図ります。•• 身近な道路や公園などの施設整備やイベントの開催の機会を捉えて、市民やこれらの団体のつながりが広がるように配慮し、地域での活動の活性化を促進していきます。

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■施策の体系

地球温暖化による気候変動の危機に際して、低炭素社会構築のためのさまざまな取組みが求められている中、まちづくりの分野においても、環境に対する負荷の小さい都市の実現を図る必要があります。町田市では、町田リサイクル文化センターから周辺施設への廃熱の供給や、ごみゼロ市民会議の活動など、「環境先進都市」として、環境文化に根ざした先駆的な取組みを実施してきました。それらの取組みの経験を活かし継続するとともに、自動車からの二酸化炭素(CO2)排出量の抑制策や自然エネルギーなど地球にやさしいエネルギーの利活用、緑地の保全などを総合して、市域全体からのCO2 の排出量抑制に寄与する取組みを進めていきます。また、汚水の効率的な処理や廃棄物の適正な処理を進め、公害の防止を図ることにより、環境と調和した身近な生活環境を整えていきます。環境にやさしいまちづくりには、市民、事業者、市の一人ひとりが責任と自覚を持って、それぞれの役割を果たしながら、ともに考え、行動していくこと(環境パートナーシップ)が重要です。これまでの実績を踏まえ、引き続き協働による取組みを進めていきます。

3-3 環境にやさしいまちづくり (環境先進都市)

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第3章 テーマ別まちづくり方針

3-3| 環境にやさしいまちづくり (環境先進都市)

1.環境負荷の小さい都市の構築

町田市の市街地は、地形の影響を受けつつ、鉄道や道路などと関連しながら拡大してきました。鉄道駅は市域の外縁部に偏在し、市内の移動手段は、バスや自家用車などの自動車に頼らざるを得ない傾向が強いことに特徴があります。自動車からの CO2 排出量の削減が急務とされている中、バスや鉄道などに比べて一人当たりの CO2 排出量が多い自家用車に、過度に依存することなく生活できる、コンパクトなまちの形成をめざします。また、再生可能・未利用エネルギーのさらなる利活用や建築物の長寿命化などを図っていくことで、環境負荷の小さい、持続可能な都市ストックの形成に取り組んでいきます。樹木は、育成する過程で CO2 を吸収・固定するとともに、都市におけるヒートアイランド現象の緩和に重要な役割を持っています。地球温暖化防止の観点から、緑地の保全や適切な管理、市街地の緑化を進めていきます。

1 自動車からのCO2 排出量の少ない都市の形成

❶コンパクトな市街地の形成ア)身近な生活空間における生活支援機能の充実

•• 日常生活に必要な移動を出来るだけ少なく、また、移動手段として自家用車に過度に依存することのないまちの形成をめざすため、身近な生活空間において、公共公益施設の適正な配置や魅力ある商業地の育成を図っていきます。

イ)バス交通等の公共交通の充実•• 自家用車利用に依存しないまちをめざすために、公共交通機関の充実を図ります。特に、市民生活にとって重要な交通手段である、路線バスの充実に向けた取組みを進めます。•• 公共交通の利用が不便な地域では、コミュニティバスのほか、DRT(呼び出し型交通機関)、乗合タクシーなど、地形や地域の実態に即した公共交通サービスの向上を検討します。

ウ)新たな交通手段への対応•• 公共交通の充実に加えて、高齢者や障がい者をはじめ、だれもが不自由を感じることなく移動できる環境づくりを進めるため、中心市街地や日常生活の中心となる駅周辺などにおいて、福祉用電動車両などの新たな交通手段への対応を想定した施設整備を検討します。

エ)徒歩や自転車などの移動環境の整備•• 中心市街地をはじめ、鉄道駅周辺など多くの人が集まる地区を中心に、歩行空間を充実するとともに、バリアフリー化を進め、だれもが安全に安心して移動できる環境を整えていきます。•• 河川沿いの自転車歩行者専用道路の充実、幹線道路における自転車レーン導入の研究・検討などを進め、自転車の走行環境を整えていきます。•• 鉄道駅やバス停留所周辺における自転車等駐車場の整備について検討するとともに、レンタサイクルのあり方について研究し、自転車移動の利便性を高めていきます。

❷環境負荷の小さい自動車利用の促進ア)交通渋滞の解消

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•• 交通渋滞を解消することで CO2 の排出を抑制していくため、都市計画道路の整備を計画的に進めていくとともに、既存道路のボトルネック対策や右折レーンの設置などにより、道路の交通処理能力の向上を図ります。

イ)自動車利用の効率化•• 中心市街地における総合的な荷さばき駐車対策の実施や、中心市街地や団地などの人口が集中している地区におけるカーシェアリングの導入に向けた検討を行うなど、交通需要マネジメントを推進し、自動車利用の効率化を図ります。

ウ)低公害車の利用促進•• 電気自動車など、従来のガソリン車やディーゼル車と比べて CO2 排出量の少ない低公害車の普及促進のために、必要な措置を講じていきます。

エ)エコドライブの推進•• 急加速や急減速、無駄なアイドリングを行わないなど、環境に配慮した運転(エコドライブ)の普及による CO2 排出量の削減をめざします。市は、市民や事業者にエコドライブの実践を促していくため、率先してエコドライブを実践するとともに、エコドライブに関する意識を高める取組みを進めていきます。

2 環境負荷の小さい都市ストックの形成

ア)環境負荷低減を考慮した都市施設等の整備•• 町田リサイクル文化センターの廃熱や、下水処理場の汚泥等からのエネルギー回収などについて、利用方法の拡充や未利用エネルギーの利活用など、環境負荷低減を考慮した施設の新設 ・更新を図っていきます。•• 廃棄物の発生抑制や資源の循環に寄与していく観点から、道路等の都市施設や建築物等については、既存ストックの有効活用と予防保全型の管理を進めていきます。また、新設や更新の際は、長寿命化やライフサイクルアセスメントを考慮した整備を進めていきます。

イ)環境負荷低減を考慮した建築物等の普及促進•• 環境性能の高いストックの形成を図るため、都市開発等の機会を捉え、建築物の環境性能の向上を図っていくほか、街区・地区単位での再生可能・未利用エネルギーの利活用や面的なエネルギー利用効率の向上を視野に入れながら、都市開発諸制度等の活用を図っていきます。•• 長期優良住宅の普及促進に努めるとともに、既存建築物の長寿命化や再生可能・未利用エネルギーの利活用、断熱性の強化、雨水利用等による環境性能の向上など、環境性能の高い建築物の普及促進のための仕組みを研究していきます。

3 環境負荷の低減に寄与する緑地の保全と緑化の推進

❶ CO2 吸収・固定機能を持つ緑地の保全ア)緑地の保全・適切な管理

•• 市街化調整区域に広がる樹林地は、人の手で維持されてきた二次林であり、適正な管理が行わ

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第3章 テーマ別まちづくり方針

3-3| 環境にやさしいまちづくり (環境先進都市)

れることで CO2 を吸収・固定する機能を持っています。そこで、市民、NPO、事業者などと協働しながら、良質な雑木林として保全していきます。•• また、市街化区域においても、街路樹などの樹木の育成環境を整えるとともに、「水とみどりの拠点」については重点的に緑地を保全していきます。

イ)剪定枝等の再利用•• 緑地の管理などによって発生する剪定枝について、堆肥・チップ化を図り、地域での再利用を進めるとともに、間伐材の利用方法についても研究していきます。

❷ヒートアイランド現象の緩和ア)建物緑化などの被覆面の改善の推進

•• 建築物からの排熱削減を図るほか、屋上や壁面の緑化(建物緑化)、高反射性塗料の使用を促進するとともに、地表面の緑化、保水性舗装の使用などにより、市街地におけるヒートアイランド現象の緩和を図ります。•• 建物緑化の普及を図るため、市営住宅や学校などの公共施設で積極的に採用し、その取組みの周知に努めます。特に学校施設においては、環境教育と一体となって、校庭の芝生化など環境に配慮した施設づくりを進めます。

イ)地域の風の流れに配慮した緑地の配置•• ヒートアイランド現象の緩和を図るため、河川の位置や地形などの影響を受ける地域の風の流れに配慮した、緑地の連続的な配置や建築物の配置及び高さの誘導について、研究していきます。

2.環境と調和した身近な生活環境の整備

雨水の地下浸透の促進などにより円滑な水循環を確保するとともに、効率的な汚水処理を推進し、廃棄物処理施設等の整備を進めていきます。また、騒音、振動、悪臭などの公害の防止を進め、必要に応じ、環境アセスメント制度の適切な活用を図りながら、環境と調和した身近な生活環境を整えていきます。

1 水循環システムの確保

ア)円滑で効率的な水循環の確保•• 透水性舗装や雨水浸透施設の設置により、雨水の地下への浸透を図り、円滑な水循環を確保します。•• 水資源の効率的な利活用のため、家庭や事業所、工場等での水利用のあり方や、雨水などの未利用水の利活用の方向性について、研究・検討していきます。

イ)効率的な汚水処理対策の推進•• 市街化区域における公共下水道の整備を進めるとともに、市街化調整区域については、公共下水道と合併処理浄化槽を併用しながら汚水処理対策を進めます。

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•• 管渠、下水処理場の維持管理に係る費用を抑え、かつ、より安定した下水処理をめざして、施設の延命化を進めます。•• 流入する下水量、処理能力等を勘案し、2ヶ所ある下水処理場のあり方を検討します。

ウ)環境に配慮した下水処理の推進•• 下水処理場においては、河川などの水質改善のため最適な水処理を進めます。•• 汚泥の利活用など、環境負荷の小さい下水処理を進めていきます。

2 廃棄物等の適正処理の推進

ア)廃棄物処理施設の計画的整備•• 現在行っているビン・カン・ペットボトルだけでなく、プラスチックや生ごみなどの資源化システムや、資源化できないごみを安全に処理するシステムについて、市民、事業者、市が一体となって検討し、廃棄物の適正な処理をより充実させていきます。また、それらの仕組みづくりに即して、必要なリサイクル施設の整備について検討します。•• ダイオキシン等の環境を悪化させる物質の排出を抑え、効率的で環境負荷の小さい次世代型のリサイクル施設を整備します。•• 環境負荷のより小さい廃棄物処理を実現していくために、ビン・カンや金属、ガラス等を分別し、資源化するための総合資源化施設を設置します。•• 家庭から出る生ごみの 100%資源化をめざし、家庭用生ごみ処理機や集合住宅用の大型の処理機の普及に努めるとともに、家庭で処理しきれない生ごみのバイオガス化を進めていきます。•• 市内及び周辺都市において、高度成長期に整備された住宅ストックやインフラが更新期を迎えることで、今後、廃棄物が大量に発生することが予想されます。このような状況を踏まえ、廃棄物処理行政と連携しつつ、産業廃棄物処理施設等の適切なあり方を研究していきます。•• 廃棄物の種類に応じた、近隣都市との連携による広域的相互支援体制の構築を図ります。

イ)建設資材廃棄物の再資源化の促進•• 特定の建設資材や建設残土について、「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)」などに基づき、分別解体等及び再資源化等を促進し、廃棄物の削減と資源の有効利用を推進します。

ウ)汚物処理場の再整備の検討•• 公共下水道の普及に伴い、整備された当初の役割を終えつつある汚物処理場の現状を踏まえ、再整備のあり方について検討します。

3 公害の防止

ア)騒音、振動、悪臭、水質汚濁の防止•• 出来る限り土地利用の用途の純化や分離を図ることによって、住宅と工場などの施設の適正な立地を図ります。また、工場、事業所の緑化を図るなど工場と住宅が共存する環境づくりを進めていきます。

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第3章 テーマ別まちづくり方針

3-3| 環境にやさしいまちづくり (環境先進都市)

•• 道路整備にあたっては、状況に応じた低騒音舗装の採用や、幹線道路沿いに緑地帯を設けるなどして、沿道市街地に対する騒音や振動の軽減を図ります。•• 健康で安全な生活環境の実現をめざし、事業所への立ち入り検査や指導、未届事業者への届出指導、啓発を行い、事業活動による騒音、振動、悪臭や水質汚濁の防止に取り組みます。

イ)有害化学物質及び大気汚染物質の排出抑制•• 事業者に対して、健康に被害を及ぼすおそれのある有害化学物質の適正な使用及び管理の徹底を指導し、有害化学物質による環境リスクを低減します。•• 大気汚染は広域的な問題でもあるため、東京都、近隣都市と連携して監視を行います。また、事業所への指導については、大気汚染防止法を所管する東京都と連携して指導を行います。

ウ)土壌汚染への対応•• 土壌汚染に関する情報が、市民・事業者に適切に提供できる仕組みづくりを推進するとともに、事業者、土地所有者等に対して適切な指導を行います。•• 公共施設等を設置する際には、対象地の土壌汚染の状態の把握に努めます。

エ)航空機による騒音被害の軽減•• 引き続き、市内での騒音発生状況を把握し公表するとともに、関係市と連携しながら、国及び米軍に対して、周辺住民への配慮、防音工事対策区域の拡大などの要請を行っていきます。

3.環境にやさしい生活スタイル・社会経済システムへの転換

環境にやさしいまちづくりには、一人ひとりの環境に配慮した行動や、事業活動に伴う環境負荷の低減によって、環境にやさしい生活スタイルや社会経済システムが定着していくことが不可欠です。環境にやさしい取組みを市民や事業者に広め、「町田市に関わるすべての人が協働して環境保全に取り組んでいること」を基本として、市民、事業者、市はもとより、市民団体や来訪者も含めた町田市に関わるすべての人が責任と自覚を持って、それぞれの役割を果たしながら、ともに考え、行動していく「環境パートナーシップ」の構築をめざします。また、CO2排出量の削減や環境に配慮した取組みの社会的要請がそれぞれの事業主体に対して高まっている中、市も、事業所の一つとして環境マネジメントシステムを構築し、環境負荷低減に向けて積極的に取り組みます。

1 環境パートナーシップの構築

ア)協働による環境にやさしい取組みの推進•• 環境パートナーシップの構築に向けて、市民、事業者、市の個々の取組みを進めるとともに、協働の仕組みを検討し、推進していきます。•• リサイクル広場の増設と協働による運営や、廃棄物減量等推進員等との連携事業の実施など、協働の取組みを進めていきます。•• ごみ減量やエコドライブ、省エネルギー、環境に配慮した住まいづくりなど、環境にやさしい生活スタイルを広めていくための、普及啓発活動を推進していきます。

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•• 事業系ごみの発生及び排出抑制のため、事業者に対するインセンティブの付与や、拡大生産者責任の考え方からの事業者への働きかけなど、事業者のごみ減量・資源化の取組みを促す仕組みを検討していきます。

イ)環境学習の場の創出•• 北部の丘陵域や河川などの豊かな自然に恵まれている町田市の特性を活かして、市民活動と連携を図りながら、実践的な環境学習の場の創出を推進します。また、小中学校での環境学習において協働の取組みを進めます。

2 市の環境マネジメントの推進

•• 市では、本庁舎等において ISO14001 の認証取得後、成瀬及び鶴見川クリーンセンターまでその適用範囲を拡大しています。今後は、最適な環境マネジメントシステムのあり方について検討していきます。•• 事業所としての町田市全体からの CO2 の排出量の削減に向けて、各組織の連携を強化して取り組むとともに、「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づく、市役所における CO2 の排出抑制のための施策についての計画を策定します。•• 今後も引き続き、市として、環境に関わる国や東京都の動向を捉えながら、市の状況を踏まえつつ、持続可能な循環型社会の実現をめざした取組みを促進していきます。

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第3章 テーマ別まちづくり方針

3-3| 環境にやさしいまちづくり (環境先進都市)92

第3章 テーマ別まちづくり方針

3-3| 環境にやさしいまちづくり (環境先進都市)92 93

■施策の体系

市内の自然環境は、近年、自治体の広域連携が図られている、多摩・三浦丘陵の重要な部分であり、広域的な「緑の回廊」として、また、生物の多様性の観点からも重要な役割を担っています。この豊かな自然資源の保全と再生を図るとともに、人と自然が共存し、人々が自然と親しめるまちづくりに取り組み、第2章で示す「水とみどりの拠点と軸」を形成していきます。水系や生態系を維持する上で重要な源流域の緑地の保全や、河川と河川沿いの緑地等の一体的な保全・再生により、良好な自然環境を維持していきます。貴重な自然が残る北部の丘陵域については、地域住民の生活利便性に配慮しつつ、「水とみどりの広域拠点」として、市民や市外の人々が気軽に訪れ、農やみどりとふれあえる環境を整備するなど、その価値をより高めていけるまちづくりを進めます。また、まとまりのある緑地を「水とみどりの拠点」として位置づけ、公園や緑地として保全し、市民が自然とふれあい、憩うことができる空間として育成していきます。市街地においても、身近な空間の緑化を積極的に進めていくとともに、防災や環境、レクリエーションなど多面的な機能を持つ農地を保全する方策を検討していきます。

3-4 自然を活かすまちづくり (みどりとの共存)

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第3章 テーマ別まちづくり方針

3-4| 自然を活かすまちづくり (みどりとの共存)

1.良好な自然環境の保全・再生

市内には、多摩丘陵を流域とする鶴見川、恩田川、そして多摩丘陵及び関東山地を流域とする境川などが流れています。「河川環境軸」として位置づけた河川とその周辺の緑地等については、市民が身近に自然とふれあえる水辺空間として保全・再生していきます。源流域を中心とした樹林地等は、良好な水辺環境の創出に必要不可欠であり、貴重な生物の生息・生育空間でもあるため、生態系ネットワークを考慮しながら保全を図っていきます。また、市街化調整区域に残された貴重なみどりは、多摩・三浦丘陵を構成する重要な部分であり、市民の財産でもあります。今後も水循環の確保と生態系の維持を図りながら、この丘陵地一帯を良好な状態で維持・継承していくために、自然と調和した土地利用の誘導や景観形成を進めていきます。

1 水循環と生態系の維持・継承

ア)水循環の確保•• 鶴見川水系、境川水系、一部の多摩川水系の河川源流域である樹林地の保全により、保水機能を維持し、雨水浸透策などの環境施策と複合して、健全な水循環を確保していきます。

イ)生態系の核となる緑地・水系の保全•• 生態系の核となる、まとまりのある緑地や水系の総合的な保全・再生を図り、生物の多様性を育む、つながりのある自然環境を育成していきます。•• また、あわせて、自然とのふれあい、保全活動を通した環境学習やレクリエーションなどの場としての活用を図っていきます。

ウ)生態系ネットワークの形成•• 市内の多様な生物の生息・生育環境を有する区域については、その保全・育成を図り、生き物の移動経路などのネットワークを形成していきます。

2 良好な河川環境の形成(河川環境軸の形成)

ア)潤いのある水辺空間の整備•• 鶴見川、恩田川、境川については、東京都や神奈川県などの河川管理の主体に働きかけ、治水面に配慮しつつ、多自然川づくりや親水空間の整備、河川沿いの自転車歩行者専用道路の充実を図り、親水性の高い、潤いのある水辺空間としていきます。•• 河川整備により残された旧河川敷や囲繞(いにょう)地を、河川と一体的な沿川公園・緑地として整備するにあたっては、河川管理者と連携し、市民活動団体等との協働による整備や保全管理を推進していきます。

イ)河川と調和した周辺環境づくり、河川に係わる環境文化の発信•• 河川沿いにある、樹林地・農地の保全、公園や緑道の一体的な整備を図り、市民が自然とふれあえる潤いのある場としていきます。また、市民が水辺に気軽に訪れることができるように、最寄り駅からのアクセスルートを整備します。

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•• 旧河道、堰など河川にまつわる地域資源の実態を把握し、保全を進めるともに、河川に係わる環境文化を発信・継承していきます。

ウ)水路、支流や湧水の保全•• 景観形成や生物の生息・生育空間としての観点から、貴重である水路や支流は、周辺の緑地や施設と一体的な水とふれあえる空間として整備していきます。•• 市内に多数存在する湧水については、その涵養域となる周辺の樹林地と一体的に保全します。

3 自然と調和した土地利用の誘導、自然景観や眺望の保全

ア)自然と調和した土地利用の規制・誘導•• 市街化調整区域を緑地保全ゾーンと調和ゾーンに分け、一定の基準のもとで特定の土地利用を許容する調和ゾーンにおいては、資材置場や墓地などの土地利用行為を適正に規制・誘導していきます。•• 残土の不法投棄などを防止するため、定期的な巡回を継続するとともに、関係自治体との広域的な連携を図っていきます。

イ)丘陵地における自然景観・眺望景観の保全•• 主要な尾根筋や丘陵斜面のみどりの連続性を保全し、丘陵地にふさわしい、みどり豊かな自然景観を維持・保全し、その育成を図ります。•• また、起伏の豊かな地形を活かし、眺望景観の視点からの景観づくりを進めます。

ウ)歴史的・文化的資源を尊重した生活風景の形成••「谷戸」と呼ばれる多摩丘陵の代表的な地形や、寺社や古道などの地域の文化や歴史を物語る景観資源を維持・継承していくため、地域でこれまで培われてきた個性や特徴、自然景観を守り育てる景観づくりを進めていきます。•• 小野路宿通り沿道では、周辺の自然環境と歴史的な街並みが一体となった景観形成を進めます。

2.水とみどりの広域拠点(北部の丘陵域)の形成

北部の丘陵域に広がる「水とみどりの広域拠点」では、貴重な多摩丘陵のみどりを将来にわたって保全していくとともに、農地と周辺の樹林地が一体となった里山の保全・活用を進め、市内外を問わず、多くの人々が自然の潤いを享受できる広域的な癒しの拠点としていきます。さらに、広域拠点にアクセスしやすい交通環境や、地域で安心して住みつづけられる生活環境を整備していきます。

1 貴重なみどり・水資源の将来への継承

ア)里山環境を形成する重要なみどりの保全・再生•• 鶴見川源流域に位置する「源流保水の森」やまとまった樹林地、里山の原風景を今に伝える谷戸など、北部の丘陵域の風景を形成している重要なみどりについては、法制度等を活用した確実な保全・再生を図ります。また、みどり資源の質を高めるための保全管理の方針を定めます。

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第3章 テーマ別まちづくり方針

3-4| 自然を活かすまちづくり (みどりとの共存)

•• すでに都市計画公園・緑地や地域制緑地に指定されている区域についても、引き続き緑地の保全を進めていきます。

イ)市民参画による里山環境の保全・再生•• 自然環境の資質の高い丘陵風景を維持している、野中谷戸、西山中谷戸、東谷戸や奈良ばい谷戸については、地域の協力や市民の参画を得ながら、里山環境の保全・再生を進めます。•• 里山を舞台にして、企業・大学の社会貢献活動と連携した自然環境保全活動を実施します。

2 地域資源の魅力を活かした里山環境づくり

ア)農業の担い手の支援・育成 •• 認定農業者のほか、専業者や兼業農家などの協力を得ながら多様な担い手の育成を図り、地域農業の継続をめざします。また、都市市民による農業ボランティアや農業ヘルパーの組織化などに取り組みます。加えて、農業研修の充実など、新規就農者等の育成を進めます。•• 農作業の効率を向上させるために、ほ場整備や農道の整備に取り組みます。

イ)農とみどりに親しめる空間整備•• 市民農園や体験農園などの市民交流型農業やクラインガルテンの仕組みの導入などにより、市民が気軽に農業にふれ、交流を図ることができる仕組みを検討していきます。さらに、農的空間をレジャーとして楽しめる観光農園や農業公園の適用について、あり方を含めた検討を行っていきます。•• 市民による樹林地の保全管理、農作業や体験学習活動を支援するため、農とみどりの交流施設等の整備を進めます。また、地域や団体による地元農作物の販売を行う直売所の開設や運営を支援します。

ウ)回遊ネットワークの整備•• 北部の丘陵域の各所に散在する、さまざまな自然・歴史・文化資源をネットワークでつなぎ、来訪者がこれらを散策し、回遊・交流できる歩行者ネットワークを整備します。•• 歩行者ネットワークの整備にあたっては、フットパスの取組みとの連携や、よこやまの道、尾根緑道など周辺の歩行者ネットワークとの連続性に配慮します。•• 地域資源を活用した散策スポットや回遊・交流の拠点となる施設を整備するとともに、散策ルート沿いを中心に花の庭をつくるなど、新しいスポットを市民との協働で整備し、回遊ネットワークの魅力を高めていきます。あわせて、私有地への立ち入り防止など、利用者のマナー向上のためのルールづくりを進めます。

3 交通基盤や生活環境の整備

ア)交通アクセス性の改善•• 小山田地域では、多摩ニュータウンや町田市の既成市街地とを南北に連絡する、幹線道路などを整備し、交通アクセスを改善します。小野路地域では、小野路宿通りのまちづくりや周辺の自然環境に配慮した道路整備計画について検討していきます。

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•• 幹線道路の整備にあたっては、地域の地形構造への影響を最小限に留めるとともに、法面の緑化など周辺の自然環境に配慮した整備を進めます。また、幹線道路の整備にあわせて、バス交通など公共交通を充実していきます。

イ)集落地の生活環境の整備•• 既存の集落地では、地域で安心して住みつづけていくことができるよう、生活道路の改善・整備、下水道等の汚水処理対策、日常生活の質を高める施設の立地誘導などについて、周辺の自然環境に配慮しながら進めていきます。•• 営農環境を整えるため、農道の整備など、農地へのアクセス性の向上を図ります。

3.公園・緑地の整備

「水とみどりの拠点」として位置づけた、まとまりのある緑地や大規模な公園等について、生態系や自然環境を保全していくとともに、市民が自然とふれあい、憩うことができる空間として活用していきます。また、日常的な自然とのふれあいの場、生活に安らぎを与える場、災害時やレクリエーション、子育てのニーズに対応する場として、身近な公園・緑地を整備していきます。

1 多摩丘陵を支える骨格的な「水とみどりの拠点」の整備

ア)「水とみどりの拠点」の整備・充実••「水とみどりの拠点」として位置づけた大規模な公園・緑地等について、都市計画公園や都市計画緑地の指定、地域制緑地の指定、緑地保全の森や市民の森制度の活用などにより保全し、市民が自然とふれあい、憩うことができる空間として整備します。•• 特に、小山田、図師・小野路及び金森の「水とみどりの拠点」については、積極的に整備を進めます。

イ)自然とのふれあい活動の場、エコツーリズムなどの観光の場としての整備•• 緑地の管理に参画する市民活動を支えるための施設整備や、市民や来訪者への情報発信機能の強化などにより、「水とみどりの拠点」を自然とのふれあい活動の場やエコツーリズムなどの観光の場として活用します。••「七国山・薬師池水とみどりの拠点」は、薬師池公園、町田ぼたん園などの特徴のある公園や緑地、七国山ファーマーズセンターや周辺に広がる田園風景を活かした、グリーンツーリズムやエコツーリズムなどの観光の場としての活用を図ります。また、近接する「水とみどりの広域拠点」(北部の丘陵域)との回遊性にも配慮し、市の骨格的な環境文化空間としての活用を進めます。

2 だれもが安全に安心して利用できる公園緑地の整備・再整備

ア)多様な公園・緑地の整備•• 身近な生活空間に潤いを与えるとともに、多様なスポーツ・レクリエーション需要への対応と、

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第3章 テーマ別まちづくり方針

3-4| 自然を活かすまちづくり (みどりとの共存)

緊急時の避難場所を確保するため、総合公園などの都市基幹公園をはじめとした多様な公園・緑地を整備していきます。•• 市街地内で身近な公園が不足している地域においては、生産緑地の買取、公共施設跡地の確保などにより、公園の整備を進めます。•• 公園・緑地の整備にあたっては、緑地基金の積極的な積み立てとその適切な運用などによる財源の確保や、土地利用を変更する機会を捉えた公園・緑地の確保の手法の強化など、多様な方法を活用して進めていきます。

イ)協働による公園・緑地の整備・利活用の促進•• 地域の歴史や自然環境を活かした地域らしさのある公園づくり、安全で安心して使うことのできる公園づくり、だれもが利用しやすく憩いの場となる公園の整備や利活用を、市民との協働により進めます。•• 生物多様性の保全など緑地の多様な機能を発揮する、質の高い緑地として保全していくため、市民等との協働により、緑地の保全・再生・活用を進めます。

ウ)既存公園の長寿命化•• 既存公園を長期間活用できる施設としていくために、それぞれの公園・緑地の特色にあわせて予防的な維持管理や改修を進め、公園の長寿命化を図ります。

3 散策ルートの形成

•• 既存の緑道やフットパス、ハイキングコースなどを活用し、地域の歴史資源や観光資源をつなぎ、地域の成り立ちや特性について学びながら楽しく歩ける散策ルートを形成します。そのために、案内サイン、休憩施設の整備や利用者のマナー向上などを図るとともに、緑化等による沿道の景観づくりを進めていきます。

4.市街地における緑化の推進、農地の保全・活用

市街地でみどりを身近に感じられる環境をつくるために、道路、河川や公園、公共施設用地の緑化や民有地の緑化を進め、既存のみどり資源とをつなぎながら、みどりのネットワーク化を図ります。さらに、宅地開発等におけるみどりの減少を食い止めるために、開発・建築における緑地保全や緑化の誘導を進めます。また、都市の中の貴重なみどりの空間である農地を保全していきます。

1 市街地における緑化の推進

❶公有地や民有地の緑化によるみどりのネットワークの形成ア)みどりのネットワークの基軸となる公共空間の緑化

•• 市街地においては、道路沿い、河川沿いの公有地、民有地の緑化を進め、みどりのネットワークの形成を進めます。

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•• 都市計画道路などの整備にあわせて、街路樹や環境緑地帯を設けるとともに、沿道建物のセットバックにより緑地空間を確保するなど、みどり豊かな道路空間の形成を図ります。•• 河川沿いは、河川空間の緑化を進めるとともに、旧河川敷や囲繞(いにょう)地などの公共用地や、沿川敷地の緑化誘導を進めていきます。

イ)公共施設・民有地の緑化、名木等の保全•• 地球温暖化防止の観点からも、公共施設においては、屋上や壁面の建物緑化、校庭の芝生化をはじめとする敷地内緑化など、民有地における緑化のモデルとなるような施設緑化を進めます。•• 住宅や事務所等の民有地においては、生垣等による道路沿いの敷地内緑化、屋上や壁面の緑化などを推進します。•• 保護樹木制度や景観重要樹木制度を活用し、名木や地域のシンボルとなる樹木の保全を進めます。また、町田市民有緑地保全地域指定要綱に基づく民有緑地保全協定により、市街地の緑地の保全を進めます。

❷開発・建築における緑化の誘導ア)みどりのネットワークに配慮した公園・緑地等の整備

•• 開発・建築行為に際して、周辺のみどり資源とのつながりに配慮した、公園・緑地の整備や緑化を誘導していきます。

イ)開発事業等における緑化基準の導入•• 市街地での開発事業等における緑化推進を強化するため、都市緑地法に基づく緑化地域制度や市独自の緑化条例、地区計画制度による緑化に関する基準など、市街地緑化のための制度や基準の導入を検討します。

ウ)緑化支援策の整備•• 緑化基準の導入にあわせて、緑化に対する助成制度や、維持管理の負担の軽減など、市民や事業者の緑化を支援するための制度の整備を検討します。

2 農地の保全・活用

ア)農業を続けられる基盤づくり•• 環境と調和し、安全で信頼される農業者を育成するとともに、農作物の育成、それを活かした加工飲食品の検討、地域内で農作物が流通するシステム(地産地消)づくりを進め、農業基盤を強化し、農地の保全につなげます。また、企業や大学の農業への関わりを促進します。

イ)生産緑地地区の保全方策の推進•• 現在指定されている生産緑地地区を維持するために、農作物の栽培を推奨し、事業の拡大をめざすとともに良好な農業経営の支援策として活用できるよう検討を進めます。•• 担い手不足などにより営農が困難となっている農家について、市民の参画による新たな援農体制を構築し、生産緑地地区の肥培管理レベルの維持・向上を図っていけるよう検討を進めます。•• そのため、相続税猶予制度及び生産緑地法の見直しを国に要請していくとともに、現行制度において「農業経営」の解釈の中で援農等、農家以外の市民の協力が得られるような運用の検討を進めていきます。また、農地の有効利用、保全を図る手段として、農家以外の市民の農業へ

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第3章 テーマ別まちづくり方針

3-4| 自然を活かすまちづくり (みどりとの共存)

の参画の可能性を検討していきます。ウ)交流型農業の推進

•• 交流型農業の推進を図るため、農家の高齢化などによって耕作が困難な農地について、市民農園や体験農園を普及していきます。

エ)農地の多面的機能の確保•• 市街地に残る生産緑地地区は農作物の供給に加え、都市の環境保全、防災、食育など多面的機能を有しています。そこで、生産緑地地区を買い取り、緑地や防災公園としての整備を検討します。あわせて、公園の中に農地としての機能を残していくことも検討していきます。•• 災害時における活動用地を確保するため、災害時の協力農地の協定締結を推進します。

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第3章 テーマ別まちづくり方針

3-4| 自然を活かすまちづくり (みどりとの共存)

の参画の可能性を検討していきます。ウ)交流型農業の推進

•• 交流型農業の推進を図るため、農家の高齢化などによって耕作が困難な農地について、市民農園や体験農園を普及していきます。

エ)農地の多面的機能の確保•• 市街地に残る生産緑地地区は農作物の供給に加え、都市の環境保全、防災、食育など多面的機能を有しています。そこで、生産緑地地区を買い取り、緑地や防災公園としての整備を検討します。あわせて、公園の中に農地としての機能を残していくことも検討していきます。•• 災害時における活動用地を確保するため、災害時の協力農地の協定締結を推進します。

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■施策の体系

「住宅都市」として発展を遂げてきたことを踏まえ、市民の豊かな住生活を実現していくため、市民が長く住まえる、また住みつづけたいと感じることのできる、身近な住環境・生活空間の醸成と良好なコミュニティの形成を図り、持続可能な住宅市街地を保全・形成していきます。地域特性を活かした良好な住環境や街並み、良質な住宅ストックを備える、質の高い住宅地の形成を図るとともに、子どもから高齢者まで、だれもが暮らしよく、また気軽に移動できる生活の場を用意していくために、「生活の中心地を核とした身近な生活空間(生活行動圏)」を確立していきます。また、良好なコミュニティは住みつづけていくための最も重要な要素であり、生活の質を高めていくことにつながっていきます。市民が地域で活動・活躍する場や機会を持ち、市民主体によるまちづくりを進めていく基盤となるコミュニティの形成を図ります。

3-5 住みつづけたいまちづくり (住環境・コミュニティ)

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第3章 テーマ別まちづくり方針

3-5| 住みつづけたいまちづくり (住環境・コミュニティ)

1.質の高い住宅地の保全・形成

市民の快適な暮らしに寄与する質の高い住宅地を形成していくため、地形、立地、形成過程などの地域特性を活かし、周辺環境と調和した良好な住宅地や街並みの保全・形成を誘導していくとともに、さまざまな世代の居住ニーズに対応できる、良質な住宅のストックの形成や再生を支援していきます。

1 良好な住環境の保全・形成

❶周辺環境と調和した、良好な住環境の保全・形成ア)良好な魅力ある住宅地形成

•• まとまって開発された低層の戸建て住宅地が形成されている地域や、新たに戸建て住宅を中心とした住宅地が形成される地域では、地域の特性を踏まえて、一定規模の敷地を確保するなどして、高質な住宅地の保全・形成を図っていきます。•• 地区計画制度などを活用し、地区特性、住宅地の形成経過や周辺環境の状況に応じて、建築物の敷地面積の最低限度、高さの最高限度や用途の制限などのあり方を検討しながら、地区のきめ細かい誘導を行っていきます。

イ)既存市街地での調和のとれた住環境の形成•• 鉄道駅周辺などでは、街なかの住宅地としての立地条件の良さを活かしつつ、大きく居住環境を阻害する可能性のある施設の立地については用途や形態への配慮を求めることを前提に、都市型住宅の立地を誘導していきます。•• 幹線道路沿道では、公共施設や道路などの都市基盤の状況に応じて、中高層住宅の量や立地を規制・誘導していきます。•• 住宅や工場などが混在する地域では、都市型産業機能の定着及び導入を図るとともに、住宅の立地を規制・誘導することにより、出来る限り用途の純化を図っていきます。

❷宅地開発におけるゆとりある住宅地形成への適正な誘導ア)周辺環境と調和したゆとりある宅地開発等の誘導

•• 宅地開発にあたっては、事業者に対して、事業計画の事前公開や近隣住民への説明、一定の整備水準を備えた道路、公園等の公共公益施設や一定規模以上の敷地規模の確保を求め、周辺環境と調和したゆとりある住宅地の形成を誘導していきます。•• 中高層建築物の建築にあたっては、一定の基準を備えた道路その他の公共公益施設の確保や、みどりの保全と育成への負担と協力を、事業者に要請していきます。また、カーシェアリングなど将来社会の生活スタイルにも柔軟に対応しうる基準の運用方法を検討していきます。

イ)早期周知による街づくり•• 一定規模以上の建築や開発等については、地域の生活環境や居住環境に与える影響への十分な配慮を要することから、事業者に対して、事業計画を構想段階から公開して関係住民等との話し合いを重ねることを求め、地域の特性に配慮した良好な建築や開発等を誘導していきます。

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2 みどりと調和した良好な景観を有する豊かな街並みづくり

❶みどりにあふれた街並みづくりア)みどり豊かな生活風景の保全

•• 多摩丘陵に残る貴重なみどりをはじめ、公園や緑地のまとまった緑地域に点在する樹木などを活かしながら、みどり豊かな生活風景を守り育てていきます。

イ)総合的な市街地緑化によるみどり豊かな都市空間の創出•• 住宅地の生垣化、屋上緑化など市民参加による市街地緑化の充実を図り、さらにこれらと街路樹や公共空間のみどり、市街地内の農地などとつなぎながら、安らぎと潤いのある街並みを形成していきます。

❷景観に配慮したまちづくりア)地域特性を活かした個性ある街並みづくり

•• それぞれの住宅地の特性や魅力を活かした、良好な街並み景観の保全と創出を図り、調和のとれたみどり豊かな住宅地の景観形成を進めていきます。

イ)身近な文化や歴史を物語る景観の保全・育成•• 地域の文化的・歴史的な面影の残る景観は、地域の個性や特徴を際立たせる景観資源であると同時に、地域のシンボルともなっています。この地域の文化や歴史を物語る景観を、積極的に保全・育成していきます。

ウ)街並みを豊かにする形態意匠の誘導•• 一定規模以上の建築物の建築等を行う場合には、事業者との届出協議等を進め、周辺環境と調和した景観づくりを進めていきます。また、届出制度の基準に加え、色彩に関するガイドラインや、景観に配慮した建築物等の指針となるデザインガイドラインなどに基づいた、積極的な景観づくりを進めます。

3 良質な住宅ストックの形成及び再生の支援

❶安全で快適な住宅ストック形成の誘導ア)長寿命で良質な住宅ストックの形成

•• 住宅ストックが世代を超えて有効に活用されていくよう、耐久性、耐震性、メンテナンスの容易性や機能の可変性に優れ、バリアフリー性能、省エネルギー性能等を備えるなど、長期にわたって使用できる優良な住宅ストックの形成を促していきます。

イ)既存ストックの耐震改修、機能更新等のリフォーム促進•• 住宅の耐震化を推進するため、耐震化の必要性や助成制度などについて広く周知するとともに、既存ストックの耐震診断・耐震改修を促進していきます。•• 住宅が適切に管理され、良好な状態で長く使用されていくよう、住宅機能の適切なリフォームを促進するための支援の充実を図ります。

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第3章 テーマ別まちづくり方針

3-5| 住みつづけたいまちづくり (住環境・コミュニティ)

ウ)だれもが安全・快適に住みつづけられる住宅機能の確保への支援•• 高齢者をはじめ、だれもが安全・快適な住生活が送れるように、居住者の多様なニーズに応じた改善、特に玄関や階段、風呂、トイレなどのバリアフリー化の支援を行って、住みつづけていくことのできる良質な住宅となるように誘導していきます。

❷多様な居住ニーズに対応した住宅ストックの確保ア)公的住宅の改修・建替えにおける高齢者、障がい者向け住宅の確保

•• 都市再生機構や東京都住宅供給公社等の公的住宅の改修・建替えにおいては、高齢者、障がい者向け住宅の整備や、昇降機の設置や段差の解消等の修繕的対応など、だれにも暮らしよい住宅の確保がされるよう誘導していきます。

イ)多様なニーズに対応しうる住宅・住戸の確保•• 子育て家族や高齢者などの住生活を支えるため、既存ストックの活用や世代バランスに配慮しながら、市場では十分な量を確保しにくいファミリー向け賃貸住宅の供給支援や、三世代同居・近居の支援を行い、ライフステージや居住ニーズに応じた住宅を確保していきます。•• 北部の丘陵域など、豊かな自然環境を身近に感じながら「農ある暮らし」を実践できる、郊外型の田園居住の方向性を検討していきます。•• 市民がライフスタイルやライフステージの変化や居住ニーズに対応した住宅を選択できるよう、住まいに関する情報の提供をはじめとして、適切な住み替えへの支援を行っていきます。

❸更新期を迎えた住宅地・住宅ストックの再生支援ア)新たな社会的需要に対応した大規模団地の再生

•• 昭和 30 〜 40 年代にかけて建設された大規模団地について、地域コミュニティの維持と継承を基調としながら、多様な世代が住まう場として良好な住環境を保全し、居住者のニーズや施設の老朽化の程度などに応じて、バリアフリー化や耐震化などによる建物や設備の修繕・建替えなど、適切な対応をとっていきます。•• その際には、居住者をはじめ、管理主体等を含めた幅広い主体間の調整が必要となるため、賃貸・分譲の形式や開発・管理主体等に応じた対応をとるものとし、市は関係機関の調整主体としての役割を果たしていきます。•• 都市計画による一団地の住宅施設として整備された団地については、地区計画への移行を基本として再生を図っていくこととし、このような大規模団地の再生を計画的に進めるため、市としての大規模団地の再生に対する方針を、関連主体と協議しながら策定していきます。•• また、団地の再生にあたっては、これまで蓄積されたみどり豊かな環境の継承を前提に、緑化の一層の向上、周辺の緑地との調和とネットワークの形成を図り、良好な景観形成に寄与する社会的ストックとしての再生を図っていきます。

イ)建替え期における既存住宅地の良好な住環境の保全と円滑な建替え誘導•• 更新期を迎える住宅地について、地区計画、建築協定、景観計画などの規制誘導手法の活用を促進することにより、良好な街並みや景観、みどりなどの保全・形成を図っていきます。•• 分譲マンションなどの共同住宅については、適切な維持管理を促すとともに、老朽化に伴う円滑な建替えを支援していきます。•• 良好な住環境の保全・形成に向けて、地域住民が住宅地のマネジメント活動に主体的に取り組

108

むための環境整備を行っていきます。

2.生活行動圏の充実−生活中心地の整備とアクセス性の充実

子どもから高齢者まで、だれもが暮らしよい生活の場となるために、その基盤となる基幹的なライフライン網を充実していくとともに、地域のコミュニティ活動など、日常生活の拠点となる、多様な公共公益施設等の適正な配置や充実を図っていきます。公共公益施設の利用をはじめ、身近な生活の場での移動を容易にするため、だれもが利用しやすい公共交通や道路基盤を整えていきます。

1 高度な都市生活や活動を支える基幹的なライフライン網の充実

ア)基幹的なライフライン網のさらなる充実•• 高度な都市生活や活動を支え、災害時においても一定期間十分に自立的な生活を送ることができるように、上下水道、電気、通信、ガスなどの基幹的なライフライン網を多重的に用意していきます。

イ)高次の福祉・医療サービス提供に向けた情報通信網の確保•• 情報社会の多角的な進展によって、福祉・医療の分野での新たなサービスの展開が予想されます。その基盤となる情報通信ネットワークシステムの導入空間となりうる道路などの都市基盤整備、公共施設の情報拠点化などによって、高次の福祉・医療サービスなどの提供に向けた情報通信網の構築への対応をとっていきます。

2 日常生活の拠点となる多様な公共公益施設等の充実

❶日常生活を支える公共公益施設等の充実ア)公共公益施設の適正な配置

•• 市民が日常生活において必要となるサービスを不便なく享受できるように、既存施設の有効活用を前提として、公共公益施設を適正に配置していきます。•• 地域の居住人口や交通環境の状況を踏まえて適正な配置を図る公共公益施設としては、次のような施設が挙げられます。

   ○子育て家族を支え、子どもが健やかに成長できるための子育て・子育ち、教育関連施設   ○高齢者が安心して暮らしつづけるための福祉サービス施設   ○障がい者の社会的活動を支える障がい福祉施設   ○市民の健康を守る医療・保健施設   ○地域参加・活動を支える地域コミュニティの拠点施設   ○多様な世代の健康増進・余暇活動を活性化するスポーツ・レクリエーション施設   ○あらゆる世代の学習ニーズを保障する生涯学習施設

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第3章 テーマ別まちづくり方針

3-5| 住みつづけたいまちづくり (住環境・コミュニティ)

   ○さまざまなテーマからなる多様な市民活動の場となる公共・文化施設イ)住まう魅力を高める商業施設の立地誘導

•• 住宅地の徒歩圏内において暮らしよい生活の場を用意するため、住まうことの魅力を高めることに貢献するような小規模な商業施設(コンビニエンスストア、レストラン、ギャラリーなど)の立地しやすい環境を整えます。

ウ)世代間交流を促進するための施設複合化と既存施設の有効活用•• 老朽化などをきっかけとして公共公益施設の再生方針を検討する際には、世代間交流を促進することを視野に入れ、必要に応じて施設の複合化を図っていきます。•• 市立小中学校については、今後の児童及び生徒数の推移を見ながら、空き教室をはじめとして、施設の有効利用を検討していきます。大規模団地内の空き店舗などについても、地域コミュニティ活動の場などとして、地域住民のニーズに応じた活用を図っていきます。

エ)生涯学習・社会教育の場としての教育・研究施設の地域開放•• 市内にある大学や民間の研究所などの大規模な教育・研究施設については、生涯学習・社会教育の場として、これまで以上に地域のニーズに応じて地域に開放されるように、関係機関に働きかけていきます。

❷良質な公共公益施設の整備ア)だれもが利用しやすい公共公益施設の整備

•• 公共公益施設をはじめとして大勢の市民が利用する施設は、ユニバーサルデザインの考え方を取り入れながら、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化に関する法律(バリアフリー法)」や「町田市福祉のまちづくり総合推進条例」による整備水準を備えた、だれもが利用しやすい施設として整備していきます。•• だれもが公共公益施設を利用しやすくするため、徒歩やバスサービスなどによる、安全で円滑なアクセス方法の確保・充実を図っていきます。

イ)地域の景観形成に寄与する公共公益施設の整備•• 市民が利用する公共公益施設をデザイン面から快適にし、良好な景観形成に積極的に貢献するため、市等が行う公共公益施設の整備における景観形成に関する指針(「公共事業景観形成指針」)を策定し、地域の景観づくりを先導する、町田らしい公共空間の景観形成を推進していきます。

3 だれもが不便なく移動できるまちづくり

❶歩いて暮らせるまちづくりア)人にやさしく歩きやすい道づくり

•• 住宅地内において安全かつ快適な歩行者空間を確保するため、みどり豊かで歩きやすい生活道路の整備を進めていくとともに、ゾーンを定めた速度規制や通過交通の抑止方策を図っていきます。•• 日常生活を営む上で重要な生活道路については、その幅員の確保を地域住民と連携して進めていきます。

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イ)移動しやすい交通環境の確保•• 幹線道路と有機的に連絡する生活道路網を整えて、交通の円滑化を図るとともに、公共交通を基本とした移動環境を確保していきます。

❷ユニバーサルデザインによる都市空間の創出ア)まちにおけるユニバーサルデザインの推進

•• だれもが安全で快適に移動できるまちとするため、幹線道路をはじめとして歩道と車道の分離を推進し、歩道の段差の解消、視覚障がい者が安全に歩ける誘導用ブロックの設置を進めるなど、まちにおけるユニバーサルデザインを推進していきます。•• 将来の高齢者の増大を見すえて、車いすのほか、高齢者や障がい者が利用する新たな交通手段(福祉用電動車両など)を想定しながら、移動しやすい道づくりに取り組んでいきます。

イ)だれにでもわかりやすい公共サインシステムの整備•• 安全で快適に移動できるようにするため、だれにでもわかりやすい公共サインシステムを整備していきます。

ウ)坂の多い地形を考慮した安全な歩行ルートの確保や代替交通手段の用意•• 地形的特徴から坂の多い住宅地が広がっていることを考慮して、手すり付き階段の整備、安全な代替ルートの整備や代替交通手段の用意などを行っていきます。

3.良好なコミュニティの形成

良好なコミュニティは住みつづける上で重要であり、今後とも、コミュニティと市がそれぞれの役割のもと、連携・協力しながら、まちづくりの課題解決に取り組んでいくことが大切です。まちづくりの課題をコミュニティが主体となって解決していく活動を支援し、地域や地区の特性を育むまちづくり活動を推進するとともに、このコミュニティをより豊かなものにしていけるよう、その活動の場や機会を充実させていきます。

1 住民発意による街づくり活動の支援

ア)「住みよい街づくり条例」を活用した住民発意の地区街づくりの推進•• 地域や地区における特性や個性を大切にした街づくりを進めていくためには、そこに暮らす住民自身が地域の課題を話し合いで解決するなどの取組みを通じて、身近な街づくりを一歩ずつ実現していくことが大切です。こうした地区の住民等による「地区街づくり」の取組みを、「町田市住みよい街づくり条例」の仕組みを活用し、支援していきます。•• また、この地区街づくり活動により策定される「地区街づくりプラン」と、都市計画や景観計画等による仕組みの連動を一層図っていきます。

イ)多様なまちづくり主体との協働の推進•• 地域や地区を対象とした街づくりのほかに、特定の地域や地区に捉われない市全体のまちづくりや、地域や地区でも一定のテーマに賛同する住民等がまちづくりの研究あるいは実践活動を

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第3章 テーマ別まちづくり方針

3-5| 住みつづけたいまちづくり (住環境・コミュニティ)

行うようになってきています。これら、まちづくり主体と活動の多様化を踏まえ、協働のまちづくりを推進していきます。

2 コミュニティ活動への支援の充実

❶地域の中で、さまざまな世代の住民が活躍できる場や機会の充実ア)さまざまな世代の地域参加・交流の促進

•• 子どもから高齢者まで、さまざまな世代の地域住民が地域のために学び、働き、それらの活動の成果を発表できる場や機会を増やすことで、地域参加と交流を促進し、地域で生活していく中で地域社会とのつながりを実感できる、地域コミュニティの醸成を図っていきます。

イ)地域による地域活動の推進•• 地域住民と連携して地域の課題を解決する、地域団体、市民活動団体やNPOなどによる地域貢献活動やコミュニティビジネスを支援し、活気あるまちづくりを推進します。

ウ)介護予防・健康づくり活動の推進•• 介護予防や生活習慣病予防に向けた健康づくりの場や機会を増やして、地域での自主的な健康づくり活動を支援していきます。

❷住みつづけていくことのできるコミュニティ形成への支援ア)コミュニティ活動の拠点となる施設・環境の用意

•• 地域コミュニティやテーマコミュニティなど、市域全体や各地域を拠点に活躍している市民団体や、文化活動などを行うサークル団体などが活動しやすい場を用意していきます。•• また、これらのコミュニティが主体となって取り組む、高齢者や子育て家族への支えあい活動などを支援していきます。

イ)次世代を担う子どもたちを地域で支える取組みの推進•• 次世代を担う子どもたちが安全で健やかに育ち、豊かな市民性が培われていくことは、将来のまちづくりの安定と発展につながります。地域の中で子育て家族を支える取組みを進め、子どもの成長を地域で支えあうコミュニティの形成を促していきます。

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ア)河川

ア)町田市の中心市街地と相模大野駅周辺との  公共交通の強化

ア)戸建て主体の住宅地(低密度住宅地)

ア)総合的な交通需要マネジメント施策への取組み

ア)商業業務地(町田駅周辺)

エ)駅周辺の交通基盤整備

カ)公共交通で中心市街地へアクセスしやすい  交通体系の形成

ア)産業市街地

ア)高速道路・自動車専用道路と接続する  骨格的な道路網の整備

ア)樹林地・農地を保全する地区

ウ)市内幹線道路網の整備

ア)「町田市土地利用基本方針」をもとにした  都市計画制度の運用

ア)地区計画制度等を活用したまちづくりの推進

イ)大規模な公園・地域制緑地

イ)多摩センター駅周辺と相模原駅周辺を  連絡する道路網の整備

イ)一般住宅地(中高密度住宅地)

イ)軌道系交通網の強化

イ)商業業務地  (鶴川駅周辺、南町田駅周辺、多摩境駅周辺)

イ)住宅・産業共存地

イ)広域的な幹線道路網の整備

イ)自然環境との調和に配慮する地区

イ)拠点市街地の再編への対応

イ)「住みよい街づくり条例」との連動

ウ)大学・研究所等

ウ)隣接都市との連続性を重視した道路網の整備

ウ)複合市街地(沿道市街地)

ウ)新たな公共交通手段導入の検討

オ)路線バスの利便性向上と  コミュニティバス導入の推進

ウ)生活利便性を支える商業地

エ)供給処理施設

地域特性にあわせた土地利用の誘導

計画的な

土地利用の

誘導

3工業(産業)系土地利用

3公共空間へのユニバーサルデザインの導入

5大規模な施設等

1住宅系土地利用

1公共交通の整備・充実

1都市計画制度活用の基本的な考え方

2商業・業務系土地利用

2道路交通網の整備

2まちづくり制度の活用

4自然的土地利用(市街化調整区域の土地利用)

4隣接都市の拠点等と連携した交通体系の整備

2-2 土地利用の方針

2-3 基幹交通網の方針

将来都市像の実現に向けた施策体系

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ア)フリンジパーキングの整備

ア)原町田大通りの延伸によるシンボルロードの形成

ア)主動線である町田駅前通りの充実

ア)にぎわいと交流の核づくり

ア)東の玄関口としての副次核の育成

ア)住まいから生活中心地への公共交通の充実

ア)南の玄関口としての副次核の育成

ア)西の玄関口としての副次核の育成

ア)日常生活の利便性に配慮した  都市的土地利用の配置

ア)小田急線町田駅東側の商業機能が集積した  原町田エリアの誘導

イ)小田急線町田駅西側の主に業務機能が集積した  中町・森野エリアの誘導

イ)みどり豊かで美しい生活中心地の景観形成

ウ)鉄道による交通動線分断の解消

ア)JR 町田駅南側地区の再整備と  相模大野駅周辺への道路網の整備

イ)総合的な物流貨物車対策の実施

イ)文学館通りを経由して国際版画美術館に至る  シンボルロードの形成

イ)町田駅から新庁舎へのその他のアクセス路の  検討

イ)広場や公園の整備

イ)道路・交通の充実

イ)生活中心地での道路整備

イ)道路・交通の充実

イ)沿道景観形成と交通の充実

イ)公共交通機能の充実

ウ)自転車総合対策の推進

ウ)多様性のある機能集積と情報発信機能の充実

エ)ユニバーサルデザイン

エ)にぎわいと交流を演出する仕掛けづくり

ア)魅力ある都市景観の形成

イ)中心市街地の主要な区画道路整備と沿道景観の  形成

ウ)みどり豊かな都市景観の形成

ア)小田急線町田駅周辺での駅前ターミナル機能の強化

イ)駅舎及び周辺でのバリアフリー化の促進

にぎわいのある中心市街地の再編

にぎわいと

活力のある

副次核の形成

身近な生活

中心地の

充実

❶にぎわいのある 土地利用の誘導

❶子どもから高齢者まで、 だれもが安心して快適 に歩ける仕組みづくり

❷にぎわいと交流の 拠点形成

❷シンボルロードの整備

❸周辺環境と調和した 複合市街地の形成

❸新庁舎へのアクセス路の 充実

1鶴川駅周辺

4公共交通・道路基盤の充実

5隣接都市の拠点(相模大野駅周辺)との連携

2南町田駅周辺

3多摩境駅周辺

1町田らしい都市文化を 育成する中心市街地の 形成

2歩いて楽しい 中心市街地の形成

3にぎわいのある都市景観の形成

1身近なにぎわいや交流の場の形成

2生活中心地での道路・交通の充実

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ア)河川の整備

ア)市街地の不燃化の誘導

ア)交通事故対策の推進

ア)地域防災拠点の整備

オ)ヘリコプター臨時離着陸場の維持・確保

オ)団地の防災性の向上

オ)危機管理体制の整備

ア)「(仮称)防犯まちづくり計画」の検討

ア)「(仮称)震災復興マニュアル」の策定

ア)防災・防犯意識の向上の促進

イ)復旧・復興に係る計画の策定と準備

イ)地域力の向上とネットワークづくりの推進

ア)防災マップ、ハザードマップの周知・更新、  避難情報等の提供

ア)緊急輸送道路・啓開道路と沿道の整備

イ)被災時の活動の場となるオープンスペースの  確保

イ)災害時要援護者情報の把握の推進

イ)雨水管渠の整備

イ)建築物の耐震化の促進

イ)公園の安全確保

イ)避難場所の整備

カ)通信網、通信手段の確保

イ)地域特性を活かした防犯まちづくりの推進

ウ)雨水貯留浸透施設の整備

ウ)中心市街地や各駅周辺の安全性の確保

ウ)救命機器の整備

ウ)一時的な避難など、  身近な防災活動の場となる空間の確保

ウ)上下水道施設の機能の確保

エ)保水機能の維持

エ)住宅地の安全性の確保

エ)住所整理の推進

エ)消防施設の充実

減災まちづくりの推進

被災後の復興

まちづくり

体制の整備

日常安全性の向上

安全安心の

ための地域力

の向上

❶基幹となる施設の整備

❷地域防災拠点や避難場所 等の整備・確保

❸災害に強い市街地整備の 推進

1復旧・復興体制の確立

3災害リスク情報の把握及び周知の推進

1震災に強いまちづくりの 推進

2総合治水対策の推進

1防犯まちづくりの推進

1自主的な防災・防犯体制の整備・充実

2日常生活での安全の確保

将来都市像の実現に向けた施策体系

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ア)身近な生活空間における生活支援機能の充実

ア)円滑で効率的な水循環の確保

ア)廃棄物処理施設の計画的整備

ア)騒音、振動、悪臭、水質汚濁の防止

ア)協働による環境にやさしい取組みの推進

イ)環境学習の場の創出

ア)緑地の保全・適切な管理

ア)建物緑化などの被覆面の改善の推進

イ)バス交通等の公共交通の充実

イ)効率的な汚水処理対策の推進

イ)建設資材廃棄物の再資源化の促進

イ)有害化学物質及び大気汚染物質の排出抑制

イ)剪定枝等の再利用

イ)地域の風の流れに配慮した緑地の配置

ウ)新たな交通手段への対応

ウ)環境に配慮した下水処理の推進

ウ)汚物処理場の再整備の検討

ウ)土壌汚染への対応

エ)徒歩や自転車などの移動環境の整備

ア)交通渋滞の解消

イ)自動車利用の効率化

ウ)低公害車の利用促進

エ)エコドライブの推進

エ)航空機による騒音被害の軽減

ア)環境負荷低減を考慮した都市施設等の整備

イ)環境負荷低減を考慮した建築物等の普及促進

環境負荷の小さい都市の構築

環境と調和した

 身近な生活環境の整備

環境にやさしい生活

スタイル・社会経済

システムへの転換

❶コンパクトな市街地の 形成

❷環境負荷の小さい自動車 利用の促進

❶CO2 吸収・固定機能を  持つ緑地の保全

❷ヒートアイランド現象の 緩和

1水循環システムの確保

2廃棄物等の適正処理の推進

3公害の防止

1自動車からの CO2 排出量の少ない 都市の形成

2環境負荷の小さい都市ストックの形成

3環境負荷の低減に 寄与する緑地の保全と 緑化の推進

1環境パートナーシップの構築

2市の環境マネジメントの推進

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ア)自然と調和した土地利用の規制・誘導

ア)農業の担い手の支援・育成

ア)多様な公園・緑地の整備

ア)農業を続けられる基盤づくり

ア)里山環境を形成する重要なみどりの保全・再生

ア)交通アクセス性の改善

ア)水循環の確保

ア)「水とみどりの拠点」の整備・充実

ア)潤いのある水辺空間の整備

イ)生態系の核となる緑地・水系の保全

イ)自然とのふれあい活動の場、  エコツーリズムなどの観光の場としての整備

ア)みどりのネットワークの基軸となる  公共空間の緑化

ア)みどりのネットワークに配慮した公園・  緑地等の整備

イ)公共施設・民有地の緑化、名木等の保全

イ)河川と調和した周辺環境づくり、  河川に係わる環境文化の発信

イ)丘陵地における自然景観・眺望景観の保全

イ)農とみどりに親しめる空間整備

イ)協働による公園・緑地の整備・利活用の促進

イ)生産緑地地区の保全方策の推進

イ)開発事業等における緑化基準の導入

イ)市民参画による里山環境の保全・再生

イ)集落地の生活環境の整備

ウ)歴史的・文化的資源を尊重した生活風景の形成

ウ)回遊ネットワークの整備

ウ)既存公園の長寿命化

ウ)交流型農業の推進

ウ)緑化支援策の整備

ウ)生態系ネットワークの形成

ウ)水路、支流や湧水の保全

エ)農地の多面的機能の確保

良好な自然環境の

 保全・再生

水とみどりの広域拠点

(北部の丘陵域)の

形成

公園・緑地の整備

市街地における緑化の推進、

 農地の保全・活用

❶公有地や民有地の 緑化によるみどりの ネットワークの形成

❷開発・建築における 緑化の誘導

3自然と調和した土地利用の誘導、自然景観や眺望の保全

3交通基盤や生活環境の整備

3散策ルートの形成

1水循環と生態系の維持・継承

1貴重なみどり・水資源の将来への継承

2農地の保全・活用

2良好な河川環境の形成(河川環境軸の形成)

2地域資源の魅力を活かした里山環境づくり

1多摩丘陵を支える骨格的な「水とみどりの拠点」の整備

1市街地における緑化の 推進

2だれもが安全に安心して利用できる公園緑地の整備・ 再整備

将来都市像の実現に向けた施策体系

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ア)良好な魅力ある住宅地形成

イ)既存市街地での調和のとれた住環境の形成

ア)周辺環境と調和したゆとりある宅地開発等の誘導

イ)早期周知による街づくり

ア)みどり豊かな生活風景の保全

イ)総合的な市街地緑化によるみどり豊かな    都市空間の創出

ア)地域特性を活かした個性ある街並みづくり

イ)身近な文化や歴史を物語る景観の保全・育成

ウ)街並みを豊かにする形態意匠の誘導

ア)長寿命で良質な住宅ストックの形成

イ)既存ストックの耐震改修、  機能更新等のリフォーム促進

ウ)だれもが安全・快適に住みつづけられる  住宅機能の確保への支援

ア)公的住宅の改修・建替えにおける高齢者、  障がい者向け住宅の確保

イ)多様なニーズに対応しうる住宅・住戸の確保

ア)新たな社会的需要に対応した大規模団地の再生

イ)建替え期における既存住宅地の良好な住環境の  保全と円滑な建替え誘導

ア)基幹的なライフライン網のさらなる充実

イ)高次の福祉・医療サービス提供に向けた  情報通信網の確保

ア)公共公益施設の適正な配置

イ)住まう魅力を高める商業施設の立地誘導

ウ)世代間交流を促進するための施設複合化と  既存施設の有効活用

エ)生涯学習・社会教育の場としての教育・  研究施設の地域開放

ア)だれもが利用しやすい公共公益施設の整備

イ)地域の景観形成に寄与する公共公益施設の整備

ア)人にやさしく歩きやすい道づくり

イ)移動しやすい交通環境の確保

ア)まちにおけるユニバーサルデザインの推進

イ)だれにでもわかりやすい公共サインシステムの整備

ウ)坂の多い地形を考慮した安全な歩行ルートの  確保や代替交通手段の用意

ア)「住みよい街づくり条例」を活用した  住民発意の地区街づくりの推進

イ)多様なまちづくり主体との協働の推進

ア)さまざまな世代の地域参加・交流の促進

イ)地域による地域活動の推進

ウ)介護予防・健康づくり活動の推進

ア)コミュニティ活動の拠点となる施設・環境の用意

イ)次世代を担う子どもたちを  地域で支える取組みの推進

質の高い住宅地の保全・形成

生活行動圏の充実—

 生活中心地の整備とアクセス性の充実

良好な

 コミュニティの形成

❶周辺環境と調和した、 良好な住環境の保全・形成

❷宅地開発におけるゆとりある  住宅地形成への適正な誘導

❶みどりにあふれた 街並みづくり

❷景観に配慮した まちづくり

❶安全で快適な 住宅ストック形成の誘導

❷多様な居住ニーズに対応 した住宅ストックの確保

❸更新期を迎えた住宅地・ 住宅ストックの再生支援

1高度な都市生活や活動を支える基幹的な ライフライン網の充実

❶日常生活を支える 公共公益施設等の充実

❷良質な公共公益施設の 整備

❶歩いて暮らせる まちづくり

❷ユニバーサルデザイン による都市空間の創出

2日常生活の拠点となる 多様な公共公益施設等の 充実

3だれもが不便なく 移動できるまちづくり

1良好な住環境の 保全・形成

2みどりと調和した 良好な景観を有する 豊かな街並みづくり

3良質な住宅ストックの 形成及び再生の支援

1住民発意による街づくり活動の支援

2コミュニティ活動への 支援の充実

❶地域の中で、さまざまな 世代の住民が活躍できる 場や機会の充実

❷住みつづけていくことの できるコミュニティ形成 への支援

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町田市都市計画マスタープラン《全体構想編》 2011年改定

発 行 日  2011 年(平成 23 年)6 月 初版発 行 者  町田市       〒 194-8520 町田市中町 1-20-23       電話 042-722-3111刊行物番号  11 - 9編   集  町田市都市づくり部都市計画課印   刷  株式会社 芳文社