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34
ものづくり労働者の雇用・労働の現状第2節景気は、2009年春以降、自律性が弱いながら持ち直し
つつあったが、ものづくりを支える人材の雇用情勢は依然として厳しい状況であった。こうした状況の中、2011年3月11日に発生した東日本大震災の影響により、ものづくり産業は直接の被災に加え、部品供給の途絶、節電などの諸制約が覆いかぶさるなど、大きな被害を受けたところである。今後、東日本大震災の影響によるものづくり人材をめぐる環境は、予断を許さない状況が続くことに注意が必要である。本節においては、雇用情勢と雇用・就業者の年齢構成
の変化や賃金、労働時間、労働災害の状況とともに、厳しい雇用情勢に対する雇用対策、東日本大震災を受けて、政府が講じた雇用・労働対策を概観する。
(1)労働市場の動向完全失業率(季節調整値)は、2009年7月に過去最高
1.雇用情勢と雇用対策
の5.5%を記録した後、低下傾向にある。また、有効求人倍率(季節調整値)は、2009年8月には0.43倍と過去最低を記録した後、緩やかに上昇し、2011年8月には0.66倍となっているが、雇用情勢は依然として厳しい状況にある(図121-1)。全産業の新規求人数は、2001年末以降から2006年
中頃にかけて増加傾向にあり、その後減少に転じたが、2009年6月以降は再び増加傾向にある(図121-2)。製造業における新規求人数は2009年6月以降増減を繰り返しつつ、緩やかに増加している(図121-3)。職業別に有効求人倍率を見ると、2009年にサービスの
職業、専門的・技術的職業、運輸・通信の職業、販売の職業は急激に低下したが、その後、専門的・技術的職業、運輸 ・通信の職業、販売の職業は横ばいで推移している(図121-4)。また、生産工程・労務の職業の有効求人倍率は、2008年後半以降の低下が顕著であった職業を中心に、2009年6月以降緩やかに上昇している(図121-5)。
90 91 92 93 94 95 97 99 01 0396 98 00 02 04 05 06 07 09 111008(年)
0.40
0.60
0.80
1.00
1.20
1.40
有効求人倍率(左目盛り) 完全失業率(右目盛り)
資料:総務省「労働力調査」、厚生労働省「一般職業紹介状況」
(倍)
3.5
3.0
2.5
2.0
4.0
4.5
5.0
5.5
6.0(%)
図121-1 完全失業率及び有効求人倍率の推移(季節調整値)
97 99 01 0396 98 00 02 04 05 06 07 09 111008(年)
40
60
80
100
備考:新規学卒者を除きパートタイムを含む。資料:厚生労働省「職業安定業務統計」
(万人)
図121-2 新規求人数(季節調整値)の推移
35
20
10
0
70
60
50
40
30
80
90
100
備考:新規学卒者を除きパートタイムを含む。資料:厚生労働省「職業安定業務統計」
11.711.411.109.709.409.1 09.10 10.710.410.1 10.1008.1008.708.408.107.10 (年・月)
図121-3 製造業における新規求人数の推移(2007年10月=100、原数値)
全産業製造業電子部品・デバイス・電子回路製造業金属製品製造業電気機械器具製造業輸送用機械器具製造業
01 02 03 04 05 06 07 08 1009 (年)0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
備考:新規学卒者を除きパートタイムを含む。資料:厚生労働省「職業安定業務統計」
(倍) 職業計サービスの職業専門的・技術的職業運輸・通信の職業販売の職業農林漁業の職業管理的職業生産工程・労務の職業事務的職業
図121-4 職業別有効求人倍率の推移
0.0
0.4
0.8
1.2
0.6
1.0
1.4
1.6
備考:新規学卒者を除きパートタイムを含む。資料:厚生労働省「職業安定業務統計」
(倍) 職業計生産工程・労務の職業金属加工の職業輸送用機械組立・修理の職業金属溶接・溶断の職業電気機械器具組立・修理の職業一般機械器具組立・修理の職業
(年・月)10.510.1 10.9 11.511.109.909.1 09.508.9
図121-5 生産工程・労務の職業の有効求人倍率の推移(原数値)
第2節
ものづくり労働者の雇用・労働の現状
第1章 内外経済が変化する中での我が国製造業の動向
36
-20
-40
0
20(%ポイント(「不足」-「過剰」))
↑不足超
過剰超↓
全産業製造業
備考:2004年3月調査より調査対象企業の見直し等が行われたため、数値は接続しない。資料:日本銀行「全国企業短期経済観測調査」
(四半期)
(年)00Ⅰ Ⅱ ⅢⅣ
01Ⅰ Ⅱ ⅢⅣ
02Ⅰ Ⅱ ⅢⅣ
03Ⅰ Ⅱ ⅢⅣ
04Ⅰ Ⅱ ⅢⅣ
05Ⅰ Ⅱ ⅢⅣ
06Ⅰ Ⅱ ⅢⅣ
07Ⅰ Ⅱ ⅢⅣ
08Ⅰ Ⅱ ⅢⅣ
09Ⅰ Ⅱ ⅢⅣ
10Ⅰ Ⅱ ⅢⅣ
11Ⅰ Ⅱ
図121-6 雇用人員判断D.I.の推移
(%)
00 1110090807060504030201
0
10
20
30
40
50
60
70
80
ⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠ (四半期)(年)
調査産業計製造業
図121-7 雇用調整実施事業所割合の推移
(2011年4~6月期の製造業における雇用調整の方法(単位は%))
計 雇用調整実施
雇用調整の方法(複数回答)
実施していない残業規制
休日の振替、夏季休暇等の休日・休暇の増加
臨時、パートタイム労働者の再契約停止・解雇
中途採用の削減・停止
配置転換 出 向一時休業(一時帰休)
希望退職者の募集、解雇
100 48 25 18 3 6 12 7 14 1 52資料:厚生労働省「労働経済動向調査」
(2)雇用調整の状況雇用過不足感の推移を見ると、2009年前半に製造業を中心に急速に高まった過剰感は、その後徐々に低下しているが、2011年第2四半期に入り過剰感が高まりつつある(図121-6)。何らかの雇用調整を実施した事業所の割合は2009年第
2四半期には5割に迫り、特に製造業においては7割に達
した後減少したが、2011年に入り再び増加傾向にある。また、雇用調整の内訳を見ると、「残業規制」が最も多いが、一部で「再契約停止・解雇」等のより厳しい雇用調整が実施されている(図121-7)。雇用調整助成金等の対象者数は、2009年後半から減少
傾向にあり、2011年3月、4月に急激に増加したものの、その後減少している(図121-8)。
加えて、急速な円高の進行はサプライチェーンの中核を担う素材・部品分野の海外移転を加速し、ものづくり産業
の国内雇用の機会の喪失等が懸念されるところであり、このため雇用の確保に向けた早急な対応が求められている。
37
(人) (事業所数)
備考:2008年12月分より中小企業緊急安定助成金(2008年12月1日創設)の休業等実施計画届けの受理件数を含む。資料:厚生労働省調べ
対象者数(左目盛り)事業所数(右目盛り)
0
500,000
1,000,000
1,500,000
2,000,000
2,500,000
3,000,000
0
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000
70,000
80,000
90,000
11.611.310.1210.910.610.309.1209.909.609.308.1208.908.607年度
図121-8 雇用調整助成金等に係る休業等実施計画届け受理状況(速報値)
(年・月)
また、高校内企業説明会、関係者への積極的な情報発信等を実施するとともに、新卒者・既卒者の就職支援を推進する。
b新卒者就職応援本部・新卒応援ハローワークの活用等卒業後3年以内の既卒者の就職を促進するための奨励金を支給する「新卒者就職実現プロジェクト」の活用を図るとともに、「新卒応援ハローワーク」の周知や活用促進を図り、新卒者・既卒者の就職を支援する。また、地域の実情を踏まえた効果的な就職支援を実施するため、ハローワーク、地方公共団体、労働界、産業界、学校等の関係者を構成員とする「新卒者就職応援本部」の活用を図り、地域の関係機関等の連携による新卒者・既卒者の就職支援を実施する。
②雇用を「創る」(ア)重点分野雇用創造事業 4,000億円雇用情勢が厳しい中で、介護等の成長分野として期待されている分野での新たな雇用機会を創出するとともに、人材を育成し雇用に結びつけるための事業等を実施した。
(イ)成長分野等人材育成支援事業の創設 500億円健康、環境分野及び関連するものづくり分野の生産性向上を図るため、期間の定めのない労働者の雇入れや異分野からの配置転換を行った事業主が、職場以外での職業訓練を実施した場合に、訓練費の実費相当(原則上限20万円)を支給する制度を創設した。
(3)厳しい雇用情勢への対応既にみたように、企業を巡る環境は厳しく、解雇等の雇用
調整の事例もみられるなど、雇用情勢も依然として厳しい。このような雇用情勢に適切に対応するため、政府で策定した「雇用戦略・基本方針2011」を踏まえ、新成長戦略の「ステップ2」を着実に実施し、加えて「ステップ3」として、本格的な「雇用・人材戦略」の推進を図っている。具体的には、2011年度予算等において、雇用を「つなぐ」、「創る」、「守る」の3本柱の下で、次のとおり雇用・労働にかかわる支援策を充実させ、総合的な雇用・労働政策を推進しているところである。
①雇用を「つなぐ」(ア)求職者支援制度の創設と担当者制による就職促進
775億円雇用保険(失業給付)を受給できない方々に、無料の職業訓練や訓練期間中の生活支援のための給付(10万円/月)を行う制度を恒久化する(求職者支援制度の創設)。また、ハローワークにおいて、訓練終了後の就職の実
現に向けて、きめ細かな支援が必要と判断される方に対する担当者制によるマンツーマン支援を行う。
(イ)新卒者、既卒者の就職支援 110億円a学卒ジョブサポーターの活用等「学卒ジョブサポーター」を引き続きハローワークに配置し、求人の確保等就職面接会の開催への協力や大学主催の企業説明会等への出張による就職活動の相談等、高校・大学等と一体となった就職支援や中小企業とのマッチングを進める。
第2節
ものづくり労働者の雇用・労働の現状
第1章 内外経済が変化する中での我が国製造業の動向
38
図122-1 被災3県の有効求人数、有効求職者数の推移(単位:人、%)
3月 4月 5月 6月 7月 8月
○有効求人数
岩手県 15,304 16,244 18,282 19,602 21,810 21,693宮城県 25,614 28,241 32,650 37,913 42,547 45,405福島県 20,372 23,114 24,573 29,111 30,097 30,5463県計 61,290 67,599 75,505 86,626 94,454 97,644前月比 ▲8.9 10.3 11.7 14.7 9 3.4
○有効求職者数
岩手県 32,752 40,042 40,943 41,386 39,875 38,007宮城県 51,666 64,428 70,521 72,111 68,880 65,385福島県 41,172 47,044 49,389 50,788 48,592 47,3783県計 125,590 151,514 160,853 164,285 157,347 150,770前月比 ▲5.6 20.6 6.2 2.1 ▲4.2 ▲4.2
備考:数値の斜字体は季節調整値資料:厚生労働省「職業安定業務統計」
(件)
20,415
36,717
25,631
82,763 件
35,470
72,867
59,068
167,405 件
平成 22年度 平成 23年度備考:自発的失業や定年退職、その他特例(休業、一時離職)対象分も含む。資料:厚生労働省調べ
岩手県宮城県福島県
図122-2 被災3県の雇用保険離職票交付件数の推移(3月12日~9月25日の累計)
0
50,000
100,000
150,000
③雇用を「守る」(ア)雇用調整助成金 1兆1,138億円景気の変動などの経済上の理由により、事業活動の縮
小を余儀なくされた事業主が、休業、教育訓練又は出向により、労働者の雇用維持を図った場合に、雇用調整助成金の支給を行う。
(イ)雇用保険の機能強化労働者の生活の安定、失業者の安定した再就職へのインセンティブを強化するため、賃金日額の引上げ、再就職手当等の給付率の引上げの措置を実施した。また、2012年度以降の失業給付に係る法定の保険料率を、雇用保険の財政状況を勘案し、「1.6%」から「1.4%」に引き下げの措置を実施したほか、雇用保険の国庫負担については、引き続き検討を行い、できるだけ速やかに、
安定した財源を確保した上で、国庫負担に関する暫定措置を廃止することを雇用保険法に明記した。
(1)東日本大震災による雇用への影響2011年3月11日に発生した東日本大震災による岩
手・宮城・福島の被災3県で見ると、8月の有効求人数は97,644人と前月に比べ増加しており、有効求職者数については150,770人と前月に比べ減少しているものの、依然として高水準となっている(図122-1)。また、2011年3月12日から9月25日までの被災3県に
おける雇用保険離職者等交付件数は167,405件であり、前年の同じ期間に比べ、1.7倍となっており、依然として
2.東日本大震災による雇用への影響及び雇用・労働対策
39
厳しい状況にある(図122-2)。
(2)東日本大震災に対応した雇用・労働対策東日本大震災の被災者の就労支援、雇用創出を促進す
るため、政府は、「被災者等就労支援・雇用創出推進会議」を設置し、各省庁を横断して総合的な対策を策定し、強力な推進を図ることとした。2011年4月5日に、「被災した方々のしごとと暮らしを、
いわば日本中が一つとなって支えていく」ことを基本的対処方針と定め、全体の名称を『「日本はひとつ」しごとプロジェクト』と名付けることとした。政府は、この基本的対処方針に基づき、当面の緊急総合対策であるフェーズ1、補正予算・法律改正による総合対策であるフェーズ2を取りまとめ、多岐にわたる施策を実行しているところである(図122-3)。
図122-3 東日本大震災に対応した雇用・労働対策
,
23 4 27
23 4 5
第2節
ものづくり労働者の雇用・労働の現状
第1章 内外経済が変化する中での我が国製造業の動向
40
第4四半期以降増加傾向で推移してきたが、2009年第1四半期に減少に転じ、その後増減を繰り返しつつ、横ばいで推移している(図123-1)。長期的に減少傾向で推移してきた製造業の雇用者数は、
2005年に持ち直したものの、2007年後半以降再び減少傾向にある(図123-2)。
(1)就業者数及び雇用者数の推移全産業の就業者数は、1997年後半以降2003年第4四
半期までは減少傾向、2004年第1四半期以降2007年第4四半期までは増加傾向であったが、その後は再び減少傾向で推移している。また、雇用者数については、2003年
3.就業構造の推移
備考:1.Ⅰ~Ⅳは、第1から第4四半期を示す。2.四半期の季節調整値は、総務省で公表している月次の季節調整値を厚生労働省で単純平均して算出したものである。
資料:総務省「労働力調査」
90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10
4,500
5,000
5,500
6,000
6,500
7,000
ⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠ (四半期)
(万人)
(年)
就業者雇用者
図123-1 全産業の就業者・雇用者数の推移(季節調整値)
備考:1 Ⅰ~Ⅳは、第1から第4四半期を示す。 2 「労働力調査」の産業区分は2003年から、2002年改定の産業分類で表章しており、それ以前の産業分類で、表章している2002年以前の数値とは、
数値が接続しない点、留意が必要。資料:総務省「労働力調査」
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10
950
1,000
1,050
1,100
1,150
1,200
1,250
1,300
1,350
▲30.0
▲25.0
▲20.0
▲15.0
▲10.0
▲5.0
0.0
5.0
ⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠⅣⅢⅡⅠ
(万人)
(四半期)(年)
就業者(左目盛)雇用者(左目盛)就業者前年同期比(右目盛)雇用者前年同期比(右目盛)
(%)
図123-2 製造業の雇用者数等の推移(原数値)
41
(2)製造業における就業者数我が国の製造業に従事する就業者数は1,049万人であり、就業者全体6,257万人の16.8%を占める(2010年労働力調査)。製造業における職業別の就業者数を見ると、専門的・
技術的職業従事者79万人(構成比7.5%)、管理的職業従事者36万人(同3.4%)、事務従事者172万人(同16.4%)、販売従事者67万人(同6.4%)、生産工程従事者633万人(同60.3%)、その他の職業従事者62万人(同5.9%)となっている(図123-3)。
(3)ものづくりに関する女性の就業状況製造業における女性の就業者数は314万人であり、製造業就業者全体に占める女性比率は29.9%となっている。この比率は、就業者全体に占める女性比率(42.2%)に比べて製造業は12.3ポイント低い。また、製造業就業者全体に占める女性比率は、就業者全体に占める女性比率が1990年以降緩やかに上昇する一方、低下傾向にある(図123-4)。
資料:総務省「労働力調査」
その他の職業従事者5.9%
生産工程従事者60.3%
販売従事者6.4%
事務従事者16.4%
管理的職業従事者3.4%専門的・技術的
職業従事者7.5%
図123-3 製造業職業別従事者構成比(2010年)
(万人) (%)
0
200
400
600
800
1,000
0.0
5.0
10.0
15.0
20.0
25.0
30.0
35.0
40.0
45.0
50.0
製造業女性就業者数(製造業) 全就業者に占める女性比率(右目盛り) 製造業に占める女性比率(右目盛り)
53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 7473 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10
備考:「労働力調査」の産業区分は2003年から、2002年改定の産業分類で表章しており、それ以前の産業区分で、表章している2002年 以前の数値とは、数値が接続しない点、留意が必要。資料:総務省「労働力調査」
図123-4 製造業における女性の就業者の推移
第2節
ものづくり労働者の雇用・労働の現状
第1章 内外経済が変化する中での我が国製造業の動向
42
(4)就業形態の多様化の進展就業形態の多様化に関して、役員を除く雇用者に占め
る非正規労働者(非正規雇用者。雇用形態が「パート・アルバイト」、「労働者派遣事業所の派遣社員」、「契約社員・嘱託・その他」の合計)の割合の推移を見ると、全産業については1992年の21.7%から2007年には35.5%に大きく上昇し、製造業においても、1992年の17.6%から2007年には27.2%に上昇した。
また、製造業における非正規労働者の内訳を見ると、この5年間でパート・アルバイトが約182万人から約161万人に減少している一方、派遣労働者は約20万人から約58万人に増加している(図123-6)。全産業における非正規労働者のうち、派遣労働者は
2002年以降2008年までは増加していたが、2009年以降減少している(図123-7)。
表123-5 各国製造業就業者数及び女性比率(単位:千人)
全産業 製造業総数 男 女 女性比率 総数 男 女 女性比率
日本(2008) 63,850 37,290 26,560 41.6% 11,740 8,120 3,620 30.8%韓国(2008) 23,577 13,703 9,874 41.9% 3,963 2,692 1,271 32.1%スウェーデン(2008) 4,593 2,422 2,171 47.3% 621 476 145 23.3%フランス(2008) 25,913 13,670 12,243 47.2% 3,645 2,598 1,047 28.7%英国(2007) 29,475 15,904 13,571 46.0% 3,547 2,638 909 25.6%イタリア(2008) 23,405 14,064 9,341 39.9% 4,805 3,443 1,362 28.3%デンマーク(2002) 2,827 1,497 1,330 47.0% 426 289 137 32.2%ドイツ(2008) 38,734 21,188 17,546 45.3% 8,516 6,137 2,379 27.9%米国(2008) 145,362 77,486 67,876 46.7% 15,904 11,249 4,655 29.3%カナダ(2008) 17,126 9,021 8,105 47.3% 2,041 1,444 597 29.3%オーストラリア(2008) 10,741 5,879 4,862 45.3% 1,102 807 295 26.8%備考:産業分類は国際標準産業分類による。 出典:ILO LABORSTA
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
0
400
200
600
800
1,000
1,200
1,400(万人) (万人)全産業 製造業
1992年 1997年 2002年 2007年 1992年 1997年 2002年 2007年
正規の職員・従業者 パート・アルバイト 労働者派遣事業所の派遣社員 契約社員・嘱託・その他
備考:1997年以前の派遣労働者は派遣元の事業所の産業に分類され、2002年以降は派遣先の事業所の産業に分類されているため、接続しない。資料:総務省「就業構造基本調査」
図123-6 全産業及び製造業における雇用形態別労働者数の推移
なお、製造業就業者数に占める女性比率を主要国と比較すると、韓国、デンマークを除き日本の方が比率が高
く、国際的に見て低いとは言えない(表123-5)。
43
000 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 (年)
200
400
600
800
1000
1200
1400
1600
1800(万人)
719 769 718 748 763 780 792 822 821 814
359382
336 342 333 340 333 342 331 339 345
96
467
33161 45
163
43 50 85 106 128 133 140 108355 365 383
407 424 435 468 460
1,756
1,2731,360
1,4511,504
1,5641,633 1,677
1,732 1,760 1,721 1,756
1,2731,360
1,4511,504
1,5641,633 1,677
1,732 1,760 1,721
848
パート アルバイト 労働者派遣事業所の派遣社員 契約社員・嘱託・その他
備考:1. 2000、2001年は2月。2002年以降は年平均。 2.2002年以降は、それ以前の労働力調査特別調査と調査方法、調査月が異なることなどから、時系列比較には注意を要する。資料:総務省統計局「労働力調査特別調査」(2000、2001年)、「労働力調査詳細集計」(2002年~)
図123-7 非正規雇用者数の推移(全産業)
備考:※「サービス業(他に分類されないもの)」には、建設設計業、デザイン業、 法律事務所、労働者派遣業、ビルメンテナンス業等が含まれる。資料:厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況(2010年10月末現在)」
製造業259,362 人39.9%
※サービス業(他に分類されないもの)
83,746 人12.9%
宿泊業、飲食サービス業72,289 人11.1%
卸売業、小売業62,812 人9.7%
教育、学習支援業44,531 人6.9%
情報通信業24,634 人3.8%
その他102,608 人15.8%
図123-8 産業別外国人労働者の割合
資料:厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況(2010年10月末現在)
中国(香港等を含む)111,432 人43.0%
ブラジル65,778 人25.4%
フィリピン29,829 人11.5%
ペルー12,565 人4.8%
その他39,758 人15.3%
図123-9 製造業における国籍別外国人労働者の割合
(5)ものづくりにおける外国人労働者外国人労働者数を地域ごとに見ると、東京、愛知、静岡、神奈川、大阪の上位5都府県で、全体の53.1%を占めている。産業別では、製造業に就く者が最も多く、259,362人
と全体の39.9%を占めている(図123-8)。製造業に就く外国人労働者を国籍別に見ると、中国(香港等を含む。)が最も多く全体の43.0%を占め、次いで、ブラジル、フィリピンの順となっている(図123-9)。
第2節
ものづくり労働者の雇用・労働の現状
第1章 内外経済が変化する中での我が国製造業の動向
44
(1)製造業における新規学卒入職者等の状況製造業における新規学卒入職者数は、1990年代初頭以降下降傾向にある。また、最近の入職者数は、同時期に比べて、半数以下の水準に留まっている(図124-1)。製造業における2010年の新規学卒入職者数は、前年度
に比べ、大卒、高卒とも減少し、1990年以降では最低の
4.就業者の年齢構成 入職者数となった。規模別に見ると、大卒は1000人以上の規模の企業、高卒は300人以上の規模の企業において、大きく低下した(図124-2)。製造業における新規学卒者が卒業後3年以内に離職する
割合は、調査産業計に比べると低いが、調査産業計と同様に企業規模が小さいほど離職率が高い(図124-3)。
0
(千人)
50
350
200
100
300
400
250
150
87 91 97 01 05 079385 89 95 99 0388 92 98 029486 90 96 00 04 06 08 1009 (年)
1,000人以上300-999人100-299人30-99人5-29人
資料:厚生労働省「雇用動向調査」より作成
332.6
133.2
66.1
71.7
34.526.8
335.7
127.2
64.5
79.8
39.824.3
297.7
90.5
54.2
77.3
44.5
31.1
294.5
89.3
60.6
67.6
55.3
21.6
313.9
118.1
64.6
64.2
47.3
19.5
324.9
140.2
60.8
58.1
39.7
25.6
336.2
143.6
79.0
64.0
33.715.8
340.3
134.5
87.1
68.1
32.018.4
307.5
136.3
62.3
53.1
35.719.9
270.1
102.3
47.0
58.4
45.0
17.3
255.2
72.5
48.2
55.4
53.2
25.7
229.4
57.8
44.6
52.9
49.7
24.3
218.8
62.8
42.5
49.7
43.8
19.9
208.6
69.3
41.4
42.9
38.116.8
197.1
54.0
34.3
49.4
37.421.9
169.5
43.1
25.1
44.7
33.722.7
179.1
44.4
31.8
44.4
37.221.2
162.3
48.5
28.8
34.1
31.819.1
134.241.4
24.229.324.414.8
150.3
41.5
28.1
38.4
28.613.6
180.5
52.8
36.2
46.4
30.314.7
163.3
52.6
36.0
39.324.710.8
159.8
47.4
41.0
32.1
31.18.2
159.6
58.5
31.7
35.723.210.6
163.0
63.3
28.0
38.523.010.2
108.7
37.021.125.719.9 5.0
図124-1 製造業における新規学卒入職者数の推移
(年)
5-29人30-99人100-299人300-999人1,000人以上全体
90
80
50
10
70
60
30
40
20
資料:厚生労働省「雇用動向調査」91 97 01 05 0793 95 99 0392 98 029490 96 00 04 06 08 1009
(千人)
0
(年)
5-29人30-99人100-299人300-999人1,000人以上全体
200
150
100
50
91 97 01 05 0793 95 99 0392 98 029490 96 00 04 06 08 1009
(千人)
0
図124-2 製造業における学歴別の新規学卒入職者数の推移
[大卒] [高卒]
45
調査産業計
規模計
製造業
調査産業計
5~29人
製造業
調査産業計
30~99人
製造業
調査産業計
100~499人
製造業
調査産業計
500~999人
製造業
調査産業計
1000人以上
製造業
(%)70.0
60.0
50.0
40.0
30.0
20.0
10.0
0
31.1
17.9
49.2 48.7
39.5 34.9
32.1
21.6
27.3
14.6
22.4
8.7
調査産業計
規模計
製造業
調査産業計
5~29人
製造業
調査産業計
30~99人
製造業
調査産業計
100~499人
製造業
調査産業計
500~999人
製造業
調査産業計
1000人以上
製造業
(%)70.0
60.0
50.0
40.0
30.0
20.0
10.0
0
40.4
30.1
63.7 60.8
48.1
42.6 39.6
30.8 32.7
21.0 26.0
14.7
資料:厚生労働省調べ
〔大学(短大を除く)卒業者〕 〔高校卒業者〕
図124-3 2006年新規学卒就職者の3年後までの離職率(規模別)
(年)
(万人) (%)600
500
400
300
200
100
0
35
30
25
20
15
10
5
089 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10
備考:「労働力調査」の産業区分は2003年から、2002年改定の産業分類で表章しており、それ以前の産業分類で、表章している2002年以前の数値とは、数値が接続しない点、留意が必要。
資料:総務省「労働力調査」
就業者数(34歳以下) 34歳以下の比率(製造業) 34歳以下の比率(全産業)
図124-4 製造業における若年就業者(34歳以下)の推移
(2)製造業における年齢構成の動向製造業就業者における年齢構成を見ると、若年者(34歳以下)の割合は、2002年以降減少し、2010年において27.2%となっている(図124-4)。また、55歳以上の
割合は2002年以降増加傾向にあったが、2007年以降団塊の世代が一斉に定年退職を迎え減少し、2010年において25.3%となっている(図124-5)。
第2節
ものづくり労働者の雇用・労働の現状
第1章 内外経済が変化する中での我が国製造業の動向
46
(年)2.8
10.0
9.3
9.0
12.6
14.5
14.7
12.0
12.1
3.0 3.2
12.8
12.1
14.2
15.0
11.7
8.4
9.5
10.0
2.9 2.6
10.1
9.9
8.3
10.6
15.5
13.3
12.3
13.7
3.5 3.7
14.5
12.7
13.1
14.7
10.0
8.5
10.0
10.3
2.6 2.4
10.4
10.1
8.9
9.5
13.8
13.4
12.7
14.8
3.9 3.9
15.2
13.3
14.0
12.8
9.4
9.2
10.2
10.2
1.9 1.7
9.9
10.6
9.3
9.3
11.8
14.7
13.2
15.5
4.0
1.7
9.5
11.4
9.4
9.1
11.1
15.5
12.4
15.9
4.0
1.7
9.1
11.2
9.9
9.3
10.5
14.9
12.4
16.8
4.2
1.6
8.6
11.3
10.5
9.6
10.0
13.9
13.2
17.0
4.3
1.58.0
11.8
10.9
9.8
10.1
12.7
13.4
17.3
4.5
1.47.6
12.1
10.9
10.4
9.8
12.0
14.0
17.3
4.5
1.37.2
12.1
11.5
10.4
9.7
11.4
15.1
16.8
4.5
1.26.7
11.5
12.0
10.8
10.1
10.8
14.6
17.5
4.7
1.16.5
10.8
12.2
11.6
10.5
10.4
13.6
18.3
4.9
1.16.2
10.5
12.4
11.7
10.7
10.3
12.6
19.4
5.1
1.16.0
10.3
12.4
11.9
10.8
10.4
11.7
19.9
5.4
1.26.1
9.9
12.2
12.5
11.0
10.3
11.4
19.7
5.7
1.36.4
9.5
11.9
12.6
11.5
10.2
10.5
19.9
6.1
1.26.5
9.9
11.3
12.8
11.8
10.5
9.9
19.6
6.5
1.0 6.0
9.5
11.2
13.4
12.2
10.8
10.2
19.2
6.4
1.16.0
9.2
10.9
13.5
12.5
11.7
9.8
19.1
6.2100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
65歳以上55~64歳50~54歳45~49歳40~44歳35~39歳30~34歳25~29歳20~24歳15~19歳
89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10
備考:「労働力調査」の産業区分は2003年から、2002年改定の産業分類で表章しており、それ以前の産業分類で、表章している2002年以前の数値とは、 数値が接続しない点、留意が必要。資料:総務省「労働力調査」
図124-5 年齢階層別就業者の割合(製造業)
製造業における労働者(一般労働者)の賃金は、「きまって支給する現金給与額」は、2001年以前は産業計の
5.賃金・労働時間の動向 平均を下回っていたが、2002年以降は2005年及び2009年を除き上回っている。また、「所定内給与額」については、製造業は産業計の平均より低い状況が続いている(図125-1)。
47
(年)
(千円)
(年)
(千円)
425.0
400.0
375.0
350.0
325.0
300.0
275.0
250.095 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10
備考:1.きまって支給する現金給与額とは、労働契約等であらかじめ定められている支給条件により6月分として支給された現金給与額をいい、所得税等を控除する前の 額をいう。 2.所定内給与額とはきまって支給する現金給与額のうち、超過労働給与額を差し引いた額をいう。 3.「賃金構造基本統計調査」は2004年及び2009年において、それぞれ集計に用いた産業分類が変更されているので、一部の産業ではそれ以前の数値と接続
しない点、留意が必要。資料:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」より作成
産業計 建設業 製造業 運輸業 卸売業・小売業 金融・保険業 飲食店・宿泊業 医療,福祉 教育学習支援業サービス業(他に分類されないもの) 運輸業,郵便業 卸売業,小売業 宿泊業,飲食サービス業 生活関連サービス業,娯楽業教育,学習支援業 サービス業(他に分類されないもの)
410.0
385.0
360.0
335.0
310.0
285.0
260.0
235.0
350
300
95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10
産業計 建設業 製造業 運輸業 卸売業・小売業 金融・保険業 飲食店・宿泊業 医療,福祉 教育,学習支援業サービス業(他に分類されないもの) 運輸業,郵便業 卸売業,小売業 宿泊業,飲食サービス業 生活関連サービス業,娯楽業教育学習支援業 サービス業(他に分類されないもの)
図125-1 業種別の賃金比較
〔きまって支給する現金給与額の推移〕
〔所定内給与額の推移〕
第2節
ものづくり労働者の雇用・労働の現状
第1章 内外経済が変化する中での我が国製造業の動向
48
(%)80
78
76
74
72
70
68
66
64
62
60
きまって支給する現金給与額(千円)
450
400
350
300
250
200
150
100
50
090 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10
(年)
備考:1.賃金比率は管理・事務・技術労働者の賃金額を100としたときの生産労働者の賃金額の割合である。 2.労働者とは、一般労働者を指す。資料:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」より作成
賃金比率(左目盛り)
管理・事務・技術労働者(右目盛り)
生産労働者(右目盛り)
80
78
76
74
72
70
68
66
64
62
60
所定内給与額(千円)
400
350
300
250
200
150
100
50
090 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10
(年)
賃金比率(左目盛り)
管理・事務・技術労働者(右目盛り)
生産労働者(右目盛り)
図125-2 製造業における管理・事務・技術労働者と生産労働者の賃金比較
1時間当たりの所定内給与額について、短時間労働者と一般労働者とを比較すると、産業計では男女ともに大きな差が見られる。また、産業計、製造業ともに一般労働者は一定年齢まで年齢とともに賃金が高まるのに対して、短時間労働者は、男女とも年齢の上昇に伴う賃金の高ま
りはほとんど認められない。なお、製造業短時間労働者は、産業計短時間労働者に
比べ、男性は30歳代前半及び40歳代、女性は、19歳以下を除き、おおむねで1割程度低い水準にある(図125-3)。
次に、「生産労働者」と「管理・事務・技術労働者」の賃金を比較すると、「きまって支給する現金給与額」、「所定内給与額」のいずれについても、「生産労働者」の方が
低くなっており、「管理・事務・技術労働者」の約7割の水準となっている(図125-2)。
49
(円) (円)
1,978 1,943
1,081 1,148
(円) (円)
1,396
1,208
979884
3,000
2,500
2,000
1,500
1,000
500
3,000
2,500
2,000
1,500
1,000
500
〜19歳
20〜24歳
産業計一般
労働者・男性
製造業一般
労働者・男性
産業計短時間
労働者・男性
製造業短時間
労働者・男性
25〜29歳
30〜34歳
35〜39歳
40〜44歳
45〜49歳
50〜54歳
55〜59歳
60〜64歳
65〜69歳
70歳〜
資料:厚生労働省「賃金構造基本統計調査(2010年)」より作成
【男性・年齢別】 【男性・全年齢】
1,500
1,300
1,100
900
700
500
1,500
1,300
1,100
900
700
0
〜19歳
20〜24歳
産業計一般
労働者・女性
製造業一般
労働者・女性
産業計短時間
労働者・女性
製造業短時間
労働者・女性
25〜29歳
30〜34歳
35〜39歳
40〜44歳
45〜49歳
50〜54歳
55〜59歳
60〜64歳
65〜69歳
70歳〜
【女性・年齢別】 【女性・全年齢】
産業計一般労働者・男性 製造業一般労働者・男性産業計短時間労働者・男性 製造業短時間労働者・男性
産業計一般労働者・女性 製造業一般労働者・女性産業計短時間労働者・女性 製造業短時間労働者・女性
図125-3 年齢階級別1時間当たりの所定内給与額 第2節
ものづくり労働者の雇用・労働の現状
第1章 内外経済が変化する中での我が国製造業の動向
50
14093 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10
150
160
170
180
備考:1.事業所規模5人以上。2.労働時間は、一般労働者の労働時間を指す。3.労働時間は、月間労働時間の年平均を示している。4.事業所規模30人以上の調査事業所の抽出替えを1993、1996、1999、2002、2004、2007、2009年の各1月に行っているが、 実数についてはギャップ修正を行っていないので時系列の比較については注意を要する。
資料:厚生労働省「毎月勤労統計調査」
(時間)
(年)
調査産業計所定外労働時間
製造業所定外労働時間
製造業総実労働時間
製造業所定内労働時間
調査産業計所定内労働時間
調査産業計総実労働時間
調査産業計総実労働時間
製造業総実労働時間
調査産業計所定内労働時間
製造業所定内労働時間
図125-4 労働時間の推移
製造業の事業所規模5人以上の事業所における労働者(一般労働者)1人当たりの総実労働時間は、2010年は月平均で168.1時間であり、前年に比べ7.6時間増加した。その内訳は、所定内労働時間は月平均152.9時間で前年に比べ1.5時間増加、所定外労働時間は月平均15.2時間で前年に比べ3.8時間増加している。なお、製造業の総実労働時間は1995年以降では、2009年を除き調査産業計を上回っている(図125-4)。
また、製造業における所定外労働時間(一般労働者及びパートタイム労働者の計)は、2009年4月から2010年4月までは上昇を続け、2010年5月から同年10月は減少し、同年11月以降2011年2月までは再び上昇した。2011年3月、4月は東日本大震災による生産活動の低下に見舞われ、急激に減少したが、5月以降は上昇傾向にある(図125-5)。
51
は、25人増加し、211人である(図126-1)。事故の型別による死亡災害発生状況は、昨年、一昨年と同様、「はさまれ巻き込まれ」、「墜落・転落」が多い(図126-2)。
(1)死亡・死傷災害発生状況2010年の全産業における労働災害による死亡者数は、
1,195人と前年に比べて120人増加し、製造業において
6.労働災害などの発生状況
資料:厚生労働省調べ
0.0
5.0
10.0
15.0
20.0
25.0
2,550
447 448 392 414 409 417 405 351 305 344 323 326 275 293 293 256 268 264 260 186 211
2,489
2,3542,245 2,301
2,414 2,363
2,078
1,844
1,992
1,889
1,790
1,658
1,628
1,620
1,514
1,472
1,357
1,2681,075
1,195
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
3,000
90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10
(%) (人)
(年)
全産業死亡者に占める製造業死亡者の割合(左目盛り)全産業死亡者数(右目盛り)製造業死亡者数(右目盛り)
図126-1 死亡災害発生状況
(人)
40
60
80
100
120110
90
70
100
80
60
調査産業計総実労働時間 製造業総実労働時間 製造業所定外労働時間
グラフベースの線 0.1mmグラフの文字の級数 9Q凡例の級数 9.6Q備考欄の文字 10Q
07 08 09 10 11
調査産業計所定外労働時間
備考:事業所規模5人以上。一般労働者とパートタイム労働者の計。資料:厚生労働省「毎月勤労統計調査」
図125-5 総実労働時間・所定外労働時間の推移2005年=100)
7mm空ける第2節
ものづくり労働者の雇用・労働の現状
第1章 内外経済が変化する中での我が国製造業の動向
52
備考:休業4日以上の死傷災害を集計。資料:厚生労働省調べ
(%) (人)
210,108
200,633189,589
181,900
176,047
167,316
162,862
156,726
148,248
137,316
133,948
133,598
125,918
125,750
122,804
120,354
121,378
121,356
119,291
105,718
107,759
62,404
59,068
53,653
49,896
47,587
45,645
43,293
47,054
42,269
38,840
37,753
36,165
32,921
32,518
31,275
30,054
29,732
29,458
28,259
23,046
23,028
全産業に占める製造業の割合(左目盛り)全産業死傷者数(右目盛り)製造業死傷者数(右目盛り)
(年)
図126-3 死傷災害発生状況
0
5
10
15
20
25
30
35
0
50,000
100,000
150,000
200,000
250,000
90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10
資料:厚生労働省調べ
2010年2009年2008年
(人)
0
10
20
30
40
50
60
70
80
図126-2 製造業における事故の型別死亡災害発生状況
はさまれ
巻き込まれ
墜落・転落
交通事故(道路)
飛来・落下
崩壊・倒壊
激突され
高温・低温物
との接触
転倒
感電
有害物との
接触
おぼれ
爆発
切れ・こすれ
火災
激突
踏抜き
交通事故(その他)
その他
分類不能
また、2010年の労働災害死傷者数(死亡及び休業4日以上)は、全産業では、前年に比べ2,041人増加し
107,759人、製造業では、18人減少し、23,028人である(図126-3)。
53
備考:点線は調査産業計(総合工事業を除く。)を示す。資料:厚生労働省「労働災害動向調査」
0.0
0.5
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
3.5
0.0 0.1 0.2 0.3強度率
度数率
図126-4 労働災害率
調査産業計(総合工事業を除く)鉱業,採石業,砂利採取業製造業電気・ガス・熱供給・水道業情報通信業(通信業、新聞業及び出版業に限る)運輸業,郵便業卸売,小売業サービス業(他に分類されないもの)(一部の業種に限る)
(2)労働災害率の状況2009年の労働災害発生状況を度数率(労働災害の発生の頻度)、強度率(労働災害発生の頻度に重さを加味した
もの)から見ると、製造業は、度数率0.99、強度率0.08であり、調査産業計(総合工事業を除く)の度数率1.62、強度率0.09と比べて、低い(図126-4)。
また、2009年の死傷者1人平均労働損失日数は、全産業においては56.9日と前年より2.3日増加したが、製造業においては79日と前年より6.2日減少した(図126-5)。
一方、2010年の製造業における休業4日以上の業務上疾病者数は1,745人であり、前年に比べ260人増加している(図126-6)。
備考:労働損失日数は次の基準により算出する。死亡・・・・・・・・・・・・・・・7,500日永久全労働不能・・・・・別表の身体障害等級1~3級の日数(7,500日)永久一部労働不能・・・別表の身体障害等級4~14級の日数(級に応じて50~5,500日)一時労働不能・・・・・・・所定休日も含めた暦日数の延休業日数に300/365を乗じた日数
0
20
40
60
80
100
120
140
調査産業計(総合工事業を除く)製造業
98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09
(日)
(年)
図126-5 死傷者1人平均労働損失日数の推移
別表 身体障害等級別労働損失日数表
身体障害等級(級) 1~3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14
労働損失日数(日) 7,500 5,500 4,000 3,000 2,200 1,500 1,000 600 400 200 100 50資料:厚生労働省「労働災害動向調査」
第2節
ものづくり労働者の雇用・労働の現状
第1章 内外経済が変化する中での我が国製造業の動向
54
備考1:死亡者数は、死傷者数の内数。備考2:平成23年3月11日~8月31日までに発生したもの。備考3:休業4日以上の死傷災害を集計。資料出所:死亡災害報告及び労働者死傷病報告
その他商業陸上貨物運送事業
建設業製造業
31
2
230
11 9 1424
1 10
(人)
0
50
100
150
200
250
死傷者数 死亡者数
図126-7 東日本大震災の復旧・復興に関連する死傷者数
(3)東日本大震災の復旧作業に関連する災害発生状況2011年3月11日に発生した東日本大震災の復旧・復興
作業に関連する死傷者数(休業4日以上)は308人で、う
ち死亡者数は15人である。このうち、製造業は死傷者数31人、死亡者数2人である(図126-7)。製造業における死傷者数を事故の型別に見ると、「墜落・転落」、「はさまれ、巻き込まれ」が多い(図126-8)。
備考:休業4日以上のものである。資料:厚生労働省「業務上疾病発生状況等調査」
89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
図126-6 業務上疾病発生状況
0
500
1,000
1,500
2,000
2,500
3,000
3,500
4,000
4,500
5,000(人)
(年)
製造業鉱業建設業運輸交通業貨物取扱業
55
備考1:休業4日以上の死傷災害を集計。備考2:平成23年3月11日~8月31日までに発生したもの。資料出所:死亡災害報告及び労働者死傷病報告
墜落、転落
転倒
激突
飛来、落下
激突され
はさまれ、
巻き込まれ
切れ、こすれ
その他
製造業 全産業 全産業に占める製造業の割合
図126-8 東日本大震災の復旧・復興に係る製造業における事故の型別死傷者数
0
20
40
60
80
100
120
140
0.0
5.0
10.0
15.0
20.0
25.0(%)(人)
133
92
6.89.1 8.3
14.3
5.6
22.6
0.0
14.6
22
112
5
35
1
187
31
0
166
41
第2節
ものづくり労働者の雇用・労働の現状
第1章 内外経済が変化する中での我が国製造業の動向