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第3次 勝山市地域福祉計画 計画期間:平成28年度~ 32年度

第3次 勝山市地域福祉計画 - Katsuyama勝山市では、平成18年に第1次勝山市地域福祉計画を策定し、 平成23年には第2次計画を策定しました。この間、平成21年か

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  • 第3次

    勝山市地域福祉計画計画期間:平成28年度~ 32年度

    勝 山 市

  •  勝山市では、平成18年に第1次勝山市地域福祉計画を策定し、

    平成23年には第2次計画を策定しました。この間、平成21年か

    ら始まった災害時要援護者登録制度は、避難行動要支援者登録

    制度として定着し、各地域の自主防災組織も年々増加していく

    など、地域での見守り活動や要支援者、行方不明者への取り組

    みが、地域住民と行政が関係団体や各機関と連携し一体となっ

    て、地域福祉の推進に取り組む動きが着実に進んできています。

     勝山市の人口が逓減傾向で、高齢化率は32%を超え、三世代

    同居も多かった世帯構成にも変化が見られ、核家族、ひとり暮らしや高齢者のみの世帯

    も増加しています。

     このような状況の中で、地域は地域で見守り、共に生きるという、助け合いの精神が

    今後ますます重要となり「自助、互助、公助、共助」の考え方を今後も浸透させていく

    必要があると思われます。

     今回策定しました 第3次勝山市地域福祉計画は、勝山市がこれまで進めてきた子ど

    も、高齢者、障害者、健康・保健の各福祉施策をさらに発展させ、生活困窮者自立支援

    制度への取り組みも加え「誰もが安心して暮らせる人にやさしいすこやかなまちづく

    り」の基本理念の基、住み慣れた地域でお互いを思いやり、支え助け合い、自らも参画、

    活動できる地域社会を作っていくことを大きな目標としております。

     本計画の策定にあたって、住民意識調査や各種関係計画の策定にご協力いただきまし

    た、検討会委員各位や多くの市民の皆様方に対しまして、心より感謝申し上げますとと

    もに、本計画を推進し実のあるものとするよう、今後も市民の皆様および関係団体等と

    一層の連携を図り、寄り添い力を合わせて地域福祉の向上に積極的に取り込んでまいり

    ます。

     平成28年3月

                            勝山市長 山 岸 正 裕

    ご あ い さ つ

  • -1-

    目次��������������������������������� 1

    第1章 地域福祉計画とは 第1節 計画策定の趣旨����������������������� 3 第2節 「地域福祉」という考え方������������������� 4�������������������������� �第2章 勝山市の人口の推移と福祉を取り巻く現状と課題 第1節 人口の推移と人口構成�������������������� 5 第2節 民生委員・児童委員の活動状況���������������� 6 第3節 福祉を取りまく現状と課題(各計画から)������������ 7      (1)子ども      (2)高齢者      (3)障害者      (4)健康・保健      (5)避難行動要支援者      (6)生活保護(生活困窮)� 第4節 住民意識調査より(抜粋)�������������������21

    第3章 地域福祉の基本目標� �������������������37 1 基本理念 2 計画期間と位置付け 3 計画の体系 4 地域福祉の基本目標

    第4章 目標達成のための具体的施策 第1節 生活課題の取り組みと福祉への理解の向上(自助)��������40      (1)高齢者、障害者、子どもなど市民を取り巻く生活課題      (2)健康づくりは生活の基本      (3)自らが地域の福祉を理解する

    第3次 勝山市地域福祉計画

  • -2-

     第2節 地域における支え合い(住民同士の見守り 互助)�������45      (1)お隣、ご近所付き合いを再確認      (2)地域活動の担い手(住民の中の各種相談員)の育成と役割

     第3節 地域福祉を支援するネットワークの構築(公助)��������49      (1)各種相談機関等の支援体制の育成と役割       (2)生活困窮に陥らないような相談体制の構築      (3)社会福祉協議会とともに

     第4節 地域福祉を支援する仕組みづくり��������������54         (みんながつながって見守り続ける)      (1)災害時避難行動要支援者登録活動を活用していく      (2)地域で見守る体制づくり      (3)まちなかでの憩いの場で「みんなで見守り・支え合う」

     第5節 健康と福祉の拠点の活用�(みんなが集う場所)� ��������61      (1)福祉健康センター「すこやか」の活用      (2)健康の駅「湯ったり勝山」の活用

     語彙説明�����������������������������64

     計画策定の経過/検討組織����������������������65

        注)文中に「※」の表示のあるものは、語彙説明を参照してください。

  • -3-

    3

    第 1 章 地域福祉計画とは

    第1節 計画策定の趣旨

    平成 12 年6月の社会福祉法の改正により、第4条にて地域福祉の推進が位置づけら

    れ、市町村の地域福祉計画の策定(第 107 条)が新たに規定されました。

    第4条では、福祉サービスを必要とする地域住民が、地域社会を構成する一員として

    日常生活を営み、社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が与えら

    れるように、地域福祉の推進に努めねばならないことが示され、第 107 条では、計画

    策定(変更含む)にあたり、住民、社会福祉事業者、社会福祉活動を行う者へ必要な措

    置を講じ、その内容を公表することが示されています。

    平成 25 年度には、福祉全般に対する市民向けアンケート調査を実施し、その結果を

    踏まえて、平成 26 年度に健康増進計画、老人福祉計画・介護保険事業計画、子ども・

    子育て支援事業計画、障害者福祉計画を策定しました。

    それらを土台とし、加えて平成 27 年4月から始まった生活困窮者自立支援制度の取

    り組みや、勝山市地域防災計画に明記された避難行動要支援者計画などに基づく要支援

    者等への支援、地域の見守り活動などを含めた形で地域福祉計画を策定しました。

    日本創成会議の提言のように全国で超少子高齢化が急速に進み、特に勝山市の高齢化

    率は平成 27 年4月現在で 32.4%になり、この率は今後も益々増えていくことになり

    ます。

    このような時代には、自助、互助、公助、共助の「4つの助」のもとにそれぞれの立

    場で地域を維持する取り組みが必要になってきます。

    この「4つの助」のうちの自助、互助、公助を念頭に、勝山市の福祉環境を維持、推

    進していけることを目的として、計画を策定しました。

  • -4-

    4

    第2節「地域福祉」という考え方

    「地域福祉」という考え方は、高齢者や障害者、児童といった対象者ごとではなく、

    「地域」という場所に注目して、そこに住む人達がお互いに“支え合う”視点から、福

    祉を捉えたものです。

    私たちの地域には、ひとり暮らしの高齢者や障害者、子育て中の家族など、自立した

    生活を送るために、何らかの支えを必要としている人がいます。

    「地域福祉」への取り組みは、そういった人達の生活上の問題点や悩みを話し合い、

    自分たちにできることを考え、お互いに手を貸したり気遣ったりすることから始まりま

    す。

    誰もが住み慣れた地域で、健やかに安心して日常生活を営み、社会、経済、文化その

    他あらゆる分野で参加・活動できる地域社会を実現するためには、地域に住む私たちが

    お互いを思いやり、支え合い、助け合っていくことが大切です。

  • -5-

    第 2 章 勝山市の人口の推移と福祉を取り巻く現状と課題

    第1節 人口の推移と人口構成

    人口の推移

    人口の推移をみると、年々減少しており、反比例するように高齢化率も年々上昇し

    ています。また、人口ピラミッドからも人口の年齢構成がわかります。

    資料:市住民基本台帳 各年4月1日現在

    %人

    人人

  • -6-

    第2節 民生委員・児童委員の活動状況

    民生委員・児童委員の活動状況 民生委員・児童委員数 78 名 主任児童委員 8 名 計 86 名

    ○民生委員・児童委員、主任児童委員(以下「民生委員」という)の活動件数

    民生委員の相談支援活動件数は、年度によって若干差はあるものの、平均して

    2,000 件台となっています。平成 26年度は年間 2,446 件となっており、分野別で

    は「高齢者に関すること」が全体の約 29.4%、「子どもに関すること」が約 49.3%

    となっています。

    相談支援活動以外の活動件数では、「地域福祉活動・自主事業」が全体的に大きく占

    めており、地域に深くかかわっている現状があります。また、見守り、声かけなどの

    訪問回数は、年々減少傾向にありますが、活動日数は、平成 26 年度は 11,045 日で、

    民生委員一人あたり 128 日となっています。

    ●相談支援活動件数 (単位:件)

    区 分

    分野別の件数

    高齢者に 関すること

    障害者に 関すること

    子どもに 関すること

    その他 合 計

    22 年度 1,184 166 765 417 2,532

    23 年度 719 109 421 863 2,112

    24 年度 807 106 609 558 2,080

    25 年度 749 136 528 463 1,876

    26 年度 713 122 1,206 405 2,446

    ●相談支援活動以外の活動件数 (単位:件)

    区 分 行事・事業・会議

    の参加協力 民児協

    運営、研修 地域福祉活動・

    自主事業 その他

    (調査・証明等) 合 計

    22 年度 2,359 1,990 4,795 2,675 11,819

    23 年度 2,560 1,693 5,102 3,548 12,903

    24 年度 2,512 1,972 5,345 2,606 12,435

    25 年度 2,610 1,930 5,151 2,347 12,038

    26 年度 2,848 1,695 4,368 2,435 11,346

    ●訪問回数と活動日数

    区 分 訪問回数(回) 活動日数

    (日) 訪問・連絡活動 その他 合 計

    22 年度 20,324 9,965 30,289 12,962

    23 年度 20,420 9,278 29,698 12,627

    24 年度 19,245 8,091 27,336 12,284

    25 年度 17,809 7,726 25,535 11,855

    26 年度 15,349 6,516 21,865 11,045

    (資料:市福祉・児童課)

  • -7-

    (勝山市のすがた)

    (国勢調査)

    (国勢調査)

    22.5 21.5 21.0 18.8 16.6 14.8 12.7 11.8

    66.7 66.0 64.8 64.2

    61.8 59.6 59.8 57.7

    10.8 12.5 14.2 17.1 21.6 25.6 27.4 30.4

    0%

    10%

    20%

    30%

    40%

    50%

    60%

    70%

    80%

    90%

    100%

    S50 S55 S60 H2 H7 H12 H17 H22

    0~14歳 15~64歳 65歳以上

    (人) 出生数の推移

    年齢(3区分)別人口割合の推移

    第3節 福祉を取りまく現状と課題(各計画から)

    (1) 子ども 子ども・子育て支援策の充実

    昭和50年に 475 人であった勝山市内の出生数は、平成12年に初めて200人を

    割り込み、それ以降一時的に回復はしたものの減少傾向に歯止めがかからないことが

    人口減少の大きな要因になっています。これに加え高齢化が進んで14歳以下の人口

    比率は 11.8%(平成22年国勢調査)で、昭和50年と比べると 10.7 ポイントも低

    下しています。

    一方、一世帯あたりの平均世帯人員数が昭和50年の 4.05 人から 3.28 人(平成

    22年)にまで減少し、年々核家族化が進んでいます。また、携帯型ゲーム機の普及

    や塾・習い事に通う子どもの増加等により遊びの形態や友達関係が変化するなど、子

    どもたちを取り巻く家庭環境が大きく変化してきています。また、子育てに対する保

    護者の意識が多様化すると共に、不安を抱く保護者の数も増加してきています。

    さらに子どもをめぐる問題行動として、子どもが被害者となる犯罪や事故、児童虐

    待やいじめ等があり、子どもに関する社会的問題も深刻化しています。

    このような状況を踏まえ、勝山市では平成17年3月に「勝山市次世代育成支援地

    域行動計画」(前期計画)を策定し、子どもの健やかな成長と子育てを行政と地域社会

    全体で支える仕組みづくりを体系化し、新しい取り組みを始め、さらに平成 22 年3

    月には前期計画について必要な検証を行ったうえで、誰もが安心して子育てができる

    「子育て環境モデル都市」の実現を基本理念とした後期計画を策定し、子育て支援施

    策を推進してきました。

    平成27年3月には、これまで取組みを進めてきた次世代育成支援地域行動計画の

    基本的な考え方等を継承したうえで、質の高い幼児期の学校教育・保育の総合的な提

    供及び地域の子ども・子育て支援を推進するため「勝山市子ども・子育て支援事業計

    画」を策定し、現在はその計画に基づき各種事業に取り組んでいます。

    7,652

    7,731 7,718 7,701

    7,733

    7,942 7,990

    7,773

    4.05 3.99 3.94 3.87 3.77 3.54

    3.37

    3.28

    0.00

    0.50

    1.00

    1.50

    2.00

    2.50

    3.00

    3.50

    4.00

    4.50

    7,400

    7,500

    7,600

    7,700

    7,800

    7,900

    8,000

    8,100

    S50 S55 S60 H2 H7 H12 H17 H22

    (人)(世帯)

    世帯数 人員数

    世帯数、1世帯あたりの平均世帯人員の推移

  • -8-

    勝山市子ども・子育て支援事業計画 (平成27年 3 月)

    行動計画の期間 平成 27 年度~31 年度(5 か年)

    基本理念 育つよろこび 育てるしあわせ 豊かな自然に笑顔あふれるまち

    基本目標

    ●質の高い教育・保育、子育て支援の充実

    ●安心安全な子育て環境の充実

    ●子どもの成長を支える地域環境の充実

    計画の体系

    ● 就 学 前 の 学 校 教 育 ・ 保 育 の 提 供 体 制 の 充 実 ・ 保 育 園 、 幼 稚 園 、 認 定 こ ど も 園 の 充 実 ・ 学 校 教 育 ・ 保 育 の 一 体 的 な 提 供 体 制 の 確 保

    ● 地 域 に お け る 子 ど も ・ 子 育 て 支 援 の 充 実 ・ 地 域 子 ど も ・ 子 育 て 支 援 事 業 の 充 実 ・ 多 様 な 保 育 サ ー ビ ス の 充 実

    ● 子 育 て 家 庭 の 支 援 ・ 地 域 に お け る 子 育 て 支 援 サ ー ビ ス の 充 実 ・ 保 育 サ ー ビ ス の 充 実 ・ 幼 児 教 育 の 充 実 ・ 子 ど も の 居 場 所 づ く り ・ 子 育 て 家 庭 へ の 経 済 的 支 援 ・ ワ ー ク ・ ラ イ フ ・ バ ラ ン ス の 推 進

    ● 子 ど も の 権 利 を 守 る 環 境 の 充 実 ・ 子 ど も を 犯 罪 等 の 被 害 か ら 守 る た め の 活 動 の 推 進 ・ 被 害 に あ っ た 子 ど も の 保 護 の 推 進 ・ 児 童 虐 待 防 止 対 策 の 充 実 ・ ひ と り 親 家 庭 の 自 立 支 援 の 推 進 ・ 障 害 児 施 策 の 充 実

    ● 子 ど も の 安 全 を 見 守 る 環 境 づ く り の 充 実

    ・ 安 全 な 道 路 交 通 環 境 の 整 備

    ・ 安 心 し て 生 活 で き る 環 境 の 整 備

    ・ 子 ど も の 交 通 安 全 を 確 保 す る た め の 活 動 の 推 進

    ● 子 ど も と 保 護 者 の 健 康 支 援 の 充 実

    ・ 乳 幼 児 や 母 親 の 健 康 の 確 保 及 び 不 妊 へ の 支 援

    ・ 食 育 の 推 進

    ・ 歯 科 保 健 対 策 の 充 実

    ・ 小 児 医 療 の 充 実

    ● 地 域 と 共 に 次 代 を 担 う 子 ど も の 生 き る 力 を 育 む

    ・ 子 育 て 支 援 の ネ ッ ト ワ ー ク づ く り

    ・ 青 少 年 の 健 全 育 成

    ・ 思 春 期 の 保 健 対 策 の 充 実

    ・ 次 代 の 親 の 育 成

    ・ 学 校 の 教 育 環 境 等 の 整 備

    ・ 家 庭 や 地 域 の 教 育 力 の 向 上

    ・ く ら し の 礼 儀 作 法 の 普 及 ・ 啓 発

  • -9-

    (2) 高齢者 高齢化率 40%の時代へ

    ・・・増え続ける要介護者や一人暮らし高齢者を社会全体で支えるために

    勝山市の平成 27 年4月1日現在の高齢者(満 65 歳以上)の人口は 8,024 人で、

    人口(24,754 人)に占める高齢者の割合(高齢化率)は、32.4%になっています。

    平成 22 年の高齢化率は 29.0%であるため、5年間に 3.4%上昇しており、このまま

    推移すると平成 37 年には、39.6%となることが見込まれます。また、福井県の高齢

    化率は平成 27 年4月1日現在で 27.6%となっており、県平均を 4.8%上回っていま

    す。

    こうした高齢化の進展に伴い、寝たきりや認知症などの要介護高齢者が増加し、核

    家族化の影響で高齢者のひとり暮らし世帯や老夫婦世帯も増加傾向にあります。平成

    27 年の高齢者基礎調査によると、高齢者のひとり暮らし世帯は 1,104 世帯で市全体

    の 13.7%となっています。また、現在 75 歳以上の約 30%が要介護認定を受けてお

    り、介護サービスを利用されている方の割合も県内の市の中で最も高い状況です。

    このような状況を踏まえ、平成 27 年1月にオープンした「健康の駅 湯ったり勝

    山」を介護予防拠点と位置付け、高齢者が気軽に介護予防事業に参加できる場として

    活用を図るとともに、地域で要介護者を支える体制については、地域包括支援センタ

    ーを中心に保健・医療・福祉の関係機関や民間事業者、民生委員・児童委員を核とし、

    元気な高齢者自らが参画する地域ボランティアネットワークと協力し、きめ細かな地

    域支援事業の実施と、介護保険サービス事業の充実が重要となってきます。

    以上のことを考慮し、勝山市では平成 27 年3月に第6次勝山市老人福祉計画・勝

    山市介護保険事業計画を策定し各種事業に取り組んでいます。

    (資料:高齢者福祉基礎調査)

    (資料:国勢調査・日本の地域別将来推計人口)

  • -10-

    勝山市老人保健福祉計画・勝山市介護保険事業計画(平成27年3月)

    計画期間 平成27年度~29年度(3か年)

    基本目標

    ● 高齢者の自立支援の推進

    ・介護予防・生活支援サービスの充実

    ・地域の高齢者見守り活動の推進

    ・高齢者の社会参加と生きがいづくりの推進

    ●高齢者介護体制の充実

    ・勝山らしい在宅ケアの推進

    ・在宅医療・介護連携の推進

    ・認知症施策の強化

    ・介護サービスの充実

    ・低所得者対策と利用者負担の適正な見直し

    ●高齢者総合相談・支援の充実

    ・地域包括支援センターの機能強化

    ・介護者支援、相談の充実

    ・高齢者の権利擁護、虐待防止事業の推進

    ・成年後見制度の周知

  • -11-

    (3) 障害者 障害者の自立と社会参加をどのように支援していくか

    平成25年4月に障害者自立支援法が、障害者総合支援法(障害者の日常生活及び

    社会生活を総合的に支援するための法律)に改正され、難病患者の方々も、障害福祉

    サービスを利用できる対象になるなど、障害福祉という言葉には多くの意味合いが含

    まれるようになりました.

    勝山市内の障害者数の現状を見ると、人口が減少しているにもかかわらず、年々人

    数が増えていっています。

    身体障害者は肢体不自由が多く、平成 26 年3月末現在で全体の 57.4%を占めてお

    り、次いで内部障害は 23.6%となっており心臓・腎臓障害が多く占める状況になっ

    ています。年齢別では、65 才以上の高齢者が全体の 77.5%を占め、障害者の高齢化

    が顕著になっています。

    知的障害者は、平成 26 年3月末日現在で療育手帳の所持者数が 218 人で、その

    内 18 歳から 59 歳の人は 148 人で 67.9%を占めています。

    精神障害者保健福祉手帳を所持している人の数は、同制度開始以降増加しており、

    平成 26 年3月末現在で 242 人となっています。また、精神科に通院し、自立支援

    医療の支給を受けている人は 442 人(平成 26 年3月現在)で、年々増加傾向にあ

    ります。

    勝山市においては、平成 25 年4月からのことばの育ちの教室では、言語聴覚士に

    よる療育により専門機関へのつなぎを行い、近くで専門的な療育ができるようになり

    ました。また、念願の奥越特別支援学校が開校と同時に放課後等デイサービスも学校

    の敷地内に開設し、障害をもった子どもへの福祉サービスも充実してきました。

    障害者が就労できる事業所として就労継続支援A型事業所の新設もあり、障害者が

    社会参加かつ、自立に向けた環境整備が出来つつあります。

    勝山市では、共通基本目標として「障害の有無にかかわらず、誰もが相互に人格と

    個性を尊重し差別もなく、支え合う地域社会の実現に向け、障害者の自立と社会参加

    の支援等のための施策の推進」とし、各施策に取り組んでいます。

    障 害 者 ( 児 ) 数 の 推 移

    資料:福井県障害福祉課 市福祉・児童課

  • -12-

    区 分 A1

    (最 重 度 )

    A2

    (重 度 )

    B1

    (中 度 )

    B2

    (軽 度 ) 計

    0~ 5 歳 0 0 1 1 2

    6~ 12 歳 2 0 2 4 8

    13~ 17 歳 8 0 3 7 18

    18~ 30 歳 15 1 15 25 56

    31~ 59 歳 27 2 36 27 92

    60~ 64 歳 12 1 9 3 25

    65~ 74 歳 7 0 3 2 12

    75 歳以上 2 0 2 1 5

    合計 73 4 71 70 218

    区 分 1級 2級 3級 4級 5級 6級 計

    視 覚 33 29 12 13 20 11 118

    聴 覚 4 37 22 21 1 75 160

    平 衡 機 能 0 0 1 0 0 0 1

    音 声 ・言 語 ・そしゃく 0 1 9 7 0 0 17

    上 肢 72 68 43 29 26 14 252

    下 肢 26 69 183 220 25 19 542

    体 幹 20 29 25 2 16 0 92

    脳 原 性 上 肢 ・移 動 2 2 3 2 1 0 10

    心 臓 140 4 52 17 0 0 213

    腎 臓 60 4 13 3 0 0 80

    呼 吸 器 7 0 18 6 0 0 31

    ぼうこう・直 腸 ・小 腸 ・免 疫

    1 2 2 38 0 0 43

    肝 臓 1 1 0 0 0 0 2

    合 計 366 246 383 358 89 119 1,561

    身体障害者(児)の状況 平 成 26 年 3 月 31 日 現 在 資 料 : 福 井 県 障 害 福 祉 課

    知的障害者(児)の状況 平 成 26 年 3 月 31 日 現 在 資 料 : 市 福 祉 ・ 児 童 課

  • -13-

    (自立支援医療(精神通院)申請件数) 平 成 26 年 3 月 31 日 現 在

    どうすれば社会参加しやすいか ○ お知らせがあれば ○ 一緒にいってくれる人がいれば ○ 車で送迎があれば ○ 近くで行われていれば

    197 198220

    243 242

    0

    50

    100

    150

    200

    250

    300

    H21年度 H22年度 H23年度 H24年度 H25年度

    精神障害者(児)の状況 平 成 26 年 3 月 31 日 現 在 資 料 : 福井県障害福祉課、市 福 祉 ・ 児 童 課

    障害者の社会参加の状況

    日常生活上の不安に感じること

    障害者へのアンケート結果から 平 成 2 5 年 1 0 月 実 施 資 料 : 市 福 祉 ・ 児 童 課

    43.4%5.9%6.5%6.9%

    1.0%10.0%

    4.5%14.9%

    6.0%1.0%

    健康・病気

    住まいや食事・身…

    仕事

    人間関係

    結婚

    金銭等

    親族への影響

    災害時・緊急時の…

    感じない

    その他

    よく参加す

    る(月1~

    3回)

    15%

    ときどき参

    加する(年

    2~3回)

    22%ほとんど参加しない

    29%

    参加したこ

    とはない

    27%

    無回答

    7%

  • -14-

    第4次勝山市障害者福祉計画(平成 27 年3月)

    計画期間 平成 27 年度~31 年度(5か年)

    基本的な

    考え方

    ●福 祉 サ ー ビ ス ・ 相 談 ・ 支 援 体 制 の 充 実

    ●保 健 ・ 医 療 と の 連 携

    ●豊 か な 生 活 の た め の 自 立 支 援

    ●地 域 で 支 え る 基 盤 づ く り

    ●生 活 環 境 の 整 備

    ●差 別 の 解 消 と 権 利 擁 護 の 推進

    施策の体系

    ●福祉サービス・相談・支援体制の充実 ・相談支援体制の構築 ・在宅サービス等の充実 ・サービスの向上と人材の育成 ・福祉用具・機器の利用支援

    ●保健・医療との連携 ・保健・医療の充実 ・精神保健・医療との連携 ・難病に関する施策の推進

    ●豊かな生活のための自立支援 ・障害者雇用の推進と就労支援 ・経済的自立の支援

    ・障害児の就学・放課後等の支援

    ・スポーツ、 文 化 活 動 等 の 推 進

    ●地域で支える基盤づくり ・ボランティア活動の充実と地域での見守り活動 ・福祉教育の推進(心のバリアフリー・障害者に対する理解) ・災害時における支援体制づくり

    ●生活環境の整備 ・公共施設等のバリアフリー ・交通・移動手段の支援 ・情報通信における情報アクセシビリティの向上 ・意思疎通の支援の充実

    ●差別の解消と権利擁護の推進 ・障害者虐待防止に関すること ・成年後見と権利擁護 ・行政機関の窓口対応における障害者理解

  • -15-

    (4) 健康・保健 市民生活の安定と福祉向上の基本は”健康”にあり

    勝山市は少子高齢化や生活習慣の変化等により生活習慣病の割合が増加しています。

    死因別死亡率をみると、がん(悪性新生物)、続いて心疾患や脳血管疾患の順となって

    います。また、平成 24 年の平均寿命と健康寿命の差、いわゆる介護や看護を必要と

    する期間は男性が 1.5 年、女性が 3.5 年になっています。

    誰もが生涯を通じて安心して暮らせる社会の実現のためには、一人ひとりの健康づ

    くりの推進とともに、それを支える社会環境の整備が必要です。今後、生涯にわたる

    健康づくりとして、良い生活習慣の実践による疾病予防の取り組みが一層重要となっ

    ています。また、家庭や地域、各関係機関がそれぞれの立場で役割を持ち、また連携

    し健康づくりを推進していくことが重要です。

    勝山市では、以上の観点に立ち、平成 27 年3月に第3次勝山市健康増進計画を策

    定し、「自分の健康は自分でつくり守る」ことを視点に事業を推進します。

    【死因別死亡率の年次推移】

    (資料:福井県奥越健康福祉センター事業概要 死亡率は市で算出)

    【健康寿命と平均寿命】

    (資料:福井県健康増進課統計)

  • -16-

    勝山市第3次健康増進計画書(平成27年3月)

    計画期間 平成 27~31 年度(5か年)

    目標

    (1)良い生活習慣の実践による健康づくり

    ① 食生活「家族ぐるみで食習慣を見直し、健康に配慮した食生活を実

    践する」

    ② 運動(ウォーキング)「ウォーキングなど健康のための運動をする」

    ③ 健診(検診)「健診(検診)を受けて自己管理する」

    ④ 歯と口「歯科健診を受けて歯と口の健康を保つ」

    ⑤ アルコール「アルコールに対して正しい知識を身につけ、適正飲酒

    を心がける」

    ⑥ たばこ「たばこを吸う人を減らし、たばこによる健康被害を減らす」

    ⑦ 睡眠・休養・こころ「生活リズムを整え、休養をとりストレスと上

    手く付き合う」

    (2)次世代を担う子どもの健康づくり

    「安心して妊娠・出産・子育てができ、子どもが健やかに成長できる」

    (3)健康を支える環境

    ① 人材・地区組織育成「地域と協同、連携による健康づくりを推進す

    る」

    ② 感染症対策「感染症を予防し、感染拡大を防ぐ」

    ③ 医療体制「安心して地域で医療を受けられる」

  • -17-

    (5) 避難行動要支援者(災害時要援護者)等の状況

    勝山市は、平成 18 年3月に示された「災害時要援護者の避難支援ガイドライン」

    に基づき、「勝山市災害時要援護者避難支援計画」を平成 20 年3月に策定し、災害時

    要援護者新規・更新登録を毎年実施しています。そして同意された要援護者に対する

    個別支援計画も策定しています。

    また、同意された要援護者の情報は、区長・町内会長・班長など地域の自主防災組

    織などの関係者に名簿として配布(毎年更新)し災害時には自助共助の精神のもと地

    域で支援体制をとるなど、登録から名簿の作成・活用に至るまで行政と地域の協力で

    実施しています。

    このように、勝山市内には、112 地区それぞれが、区長等を中心とした見守り活動

    を行っています。中でも、区や地域として自主防災組織として市において登録されて

    いるのは 53 自主防災組織(50 地区)(平成 27 年4月1日現在)であり、冬季間に

    おける除雪活動も含めて地域で助け合いながら生活しています。

    災害対策基本法の改正(平成25年)による勝山市地域防災計画の見直しに際し、避

    難行動要支援者の行動支援に関する取り組み指針(平成25年8月内閣府)を踏まえ新

    たに「勝山市避難行動要支援者避難支援計画」を策定し、現在に至っています。

    2

    33 4449 50

    114 114 114 113 112

    0%10%20%30%40%50%

    020406080

    100120

    自主防災組織数と組織率

    自主防災組織数

    全体地区数

    組織率

    2830人 2904人 2987人 2887人 2906人2360人 2360人 2418人 2292人 2245人

    50%60%70%80%90%100%

    500人1000人1500人2000人2500人3000人3500人

    避難行動要支援者の登録数・同意率

    作成対象者

    同意済者

    個別計画作成済者

    同意率

  • -18-

    (6) 生活保護等の状況

    ○生活保護の現状

    勝山市においては、平成7年度までは、障害年金等による所得保障の充実を見る中

    で被保護世帯、保護人員も下降傾向で保護率も 0.99‰を示していましたが、バブル

    崩壊による不況の時代が終わり明るい兆しが見えてきたかに思えた頃、サブプライム

    ローンを震源とする金融危機による世界的な景気低迷は、日本国内の雇用状況を悪化

    させ社会問題となりました。平成 27 年 4 月の保護率は 2.34‰で前年度の 2.22‰と

    比較すると若干上昇しました。なお、過去数年間の保護率は、約 2.5‰前後で増減を

    繰り返しながら推移している状況であります。

    (参考 全国平均 16.39‰ 平成24年度数値)

    注)‰とは、1000 分の1の単位

    平成 22 年度 平成 23 年度 平成 24 年度 平成 25 年度 平成 26 年度

    管内世帯数 7,772 7,730 7,724 7,639 7,596

    被保護世帯数 53 53 51 49 46

    管内人口 25,471 25,254 24,942 24,622 24,277

    被保護人員 66 63 63 59 54

    保護率(‰) 2.59 ‰ 2.49 ‰ 2.53 ‰ 2.40 ‰ 2.22 ‰

    高齢者世帯

    48%

    母子世

    0%障害者世帯

    14%

    傷病者世帯

    14%

    その他世帯

    24%

    世帯類型別H26年度

    53

    66 63 6359

    542.59 ‰

    2.49 ‰2.53 ‰

    2.40 ‰

    2.22 ‰

    2.00 ‰

    2.10 ‰

    2.20 ‰

    2.30 ‰

    2.40 ‰

    2.50 ‰

    2.60 ‰

    2.70 ‰

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    70

    被保護世帯数

    被保護人員

    保護率(‰)

  • -19-

    ○生活困窮に関する相談

    失業や病気で生活が苦しい、医療費や介護費用が払えないなど、金銭の困窮に起

    因する相談は、福祉・児童課の生活保護の担当が相談にあたっています。相談のほ

    とんどが雇用保険、傷病手当、高額療養費の制度など、他の制度を知らないために

    申請していない場合が多く、他法他施策にて対応できるように相談者に対して制度

    の紹介や、援助を行っています。

    どの制度でも対応できず、生活保護の申請に至るケースもあります。近年の傾向

    として相談件数は減ってきています。

    47 44

    32 34

    23

    148

    3 3 49 6 3 2 4

    平成22年度 平成23年度 平成24年度 平成25年度 平成26年度

    生活困窮に関する相談件数

    相談件数 生活保護申請 内 生活保護開始

  • -20-

  • -21-

    第4節 住民意識調査より(抜粋)

    住民意識調査の実施

    地域福祉計画を策定するに当たり、平成 25 年 9 月から 10 月にかけて住民意識調査

    を実施しました。調査は、一般、健康、高齢者、障害児者、児童・生徒、子育て世帯を

    対象に実施し、調査項目については、調査対象者及びそれぞれの目的に合わせて検討を

    行い、統計学上の信頼度を確保できるよう調査対象数と調査方法(郵送、託送、学校等

    委託など)を決定しました。

    調査対象者数の少ない「障害児調査」を除く他の調査対象については、統計学上の高

    い信頼度を得るデータ数を確保することができました。結果の概要は以下のとおりです。

    住民意識調査件数

    調査期間:平成25年9月~平成25年 10 月 集計まとめ:平成26年3月 (件)

    調査名称

    対象者

    対象者総数

    部分計

    調査対象数

    回収数

    回収率(%)

    信頼度99%と

    なる標本数

    信頼度95%と

    なる標本数

    信頼度90%と

    なる標本数

    一般 64歳

    以下 14,247 14,247

    1,200 610 50.83% 636 374 267

    健康 700 560 80.00% 636 374 267

    高齢者 65 歳以上

    一般 6,191 7,174

    700 680 97.14% 602 362 261

    要介護

    (在宅) 983 421 412 97.86% 397 276 213

    障害児 在宅 39

    41 41 26 63.41% 39 37 36施設 2

    身体障害者 在宅 1,394

    ※ 1,126

    670

    473 70.60% 419 287 219

    施設 35

    知的障害者 在宅 146

    80施設 38

    精神障害者 在宅 255

    施設 1

    児童・生徒

    小学生 381 1,026 1,026

    377 98.95% 243 192 159

    中学生 645 620 96.12% 328 241 192

    高校生 673 673 673 331 49.18% 335 245 194

    子育て世帯 幼児 766 1,626 766 689 89.95% 356 256 201

    860 842 97.90% 375 266 207

    ※ 障害者手帳対象者総数のうち、複数の手帳所持者は 1 と数え、要介護認定者は除く。

  • -22-

    調査結果概要

    ○「一般調査」

    「一般調査」では、18 歳から 64 歳までの人を対象に、生活課題及び福祉意

    識に関する項目を主に調査を行いました。

    生活課題では、「不安や悩み」(複数回答)について、半数近くの人が「日々の

    生活や金銭・経済的なこと」を選び、続いて「自分の健康に関すること」、「家族

    の病気」の順で健康不安が多い状況が伺えます。

    また、「生活の中で不便に感じていること」(複数回答)で最も多いのが、前回

    の調査に続いて「除雪など雪が多いことによる不便さ」となっています。以下、

    「働くところがないこと」、「公共交通機関が利用しにくいこと」、「近くにお店が

    ないこと」の順になっています。

    41人

    263人

    34人

    165人

    170人

    73人

    27人

    72人

    81人

    21人

    106人

    親子関係

    日々の生活や金銭・経済的なこと

    住環境や食事・身の回りのこと

    家族の病気(介護・看護をふくむ)

    自分の健康

    子どもの教育・しつけ

    近所付き合い

    仕事や職場の人間関係

    自分または家族の結婚

    その他

    特にない

    あなたが強く感じている不安や悩みは何ですか(2つまで選択)

    108人

    171人

    158人

    44人

    7人375人

    32人

    89人

    近くにお店がない

    働くところ(企業)がない

    公共交通機関が利用しにくい

    道路が狭いことや、舗装がされていない

    下水道(農業集落排水を含む)が完備されていない

    除雪など雪が多いことによる不便さ

    その他

    特になし

    生活の中で特に不便を感じていることは何ですか(2つまで選択)

  • -23-

    地域のまちづくり活動への考え方として、「大切だと思うが、仕事などが忙しく

    てほとんど参加できない」が 53%で最も多く、地域活動への理解はあるのがわ

    かります。

    ボランティア活動を「したいが、忙しくてできない」、「したいが、何をしてい

    いいかわからない」が多くあり、今できなくても、したい気持ちがあることがわ

    かります。

    あなたは地域のまちづくり活動についてどのように考えていますか

    あなたはどのようなボランティア活動をしたいですか、または興味がありますか

    (2つまで選択)

  • -24-

    充実しているという意見も多いが、「老人福祉」「保健・健康」が充実してほしいと

    いう意見が多く占めています。

    「年金や手当の充実」が最も多く、経済的支援を求めていることがわかりますが、

    「福祉を支える人づくり」も必要との意見も多く占めています。

    福祉・保健事業やサービスでもっと充実してほしいと思う内容は何ですか

    (2つまで選択)

    すべての人が住みやすい福祉社会を目指すためには、何が必要ですか(3つまで選択)

  • -25-

    その他の意見(抜粋)

    強く感じている不安や悩み(2つまで)

    ○ 排雪の川がせまく流れが悪いのではやく広くしてほしい。

    ○ 機械化されてロボット化されていくことが不安である。

    ○ 結婚しない若者が多い。

    ○ 就職・学業に関して不安である。

    生活の中で特に不便に感じていることは何ですか(2つまで)

    ○ 近所の騒音、ごみを燃やすことによる煙とにおいの被害。

    ○ 除雪時の雪の捨て場・家の前の川には水が流れていない。

    ○ 交通マナーが悪いこと。

    生きがいは何ですか(2つまで)

    ○ 毎日普通に元気に生活できること。

    ○ 孫の成長。

    あなたはどのようなボランティア活動をしたいですか、または興味があり

    ますか(2つまで) ○ 現在活動を行っている方からの呼びかけ等の声がかかった時に、興味があれば参

    加したい。

    福祉・保健事業やサービスでもっと充実してほしいと思う内容は何ですか

    (2つまで) ○ 介護予防にもっと力を入れるべき・デイケアや小規模多機能型のものを作る。

    ○ 地域の一員として生活できるようにするための援助(施設に入ってしまったら地

    域の一員にはなれない。生きがい、生活のハリが失われる。)

    ○ 高齢者の生きがいづくりとなるような地域での健康づくりや運動や集える場所づ

    くり。

    ○ 成年後見制度の周知等、不安解消のための施策。

    ○ 家でこもりがちな老人障害者への声掛けと、集いに参加しやすいように仕向ける

    手助け。

    ○ 児童センターの閉館時間が早すぎる、退社後の迎えが間に合わない。

    ○ 小学生の登下校時間帯の見守り隊など活動。

  • -26-

  • -27-

    ○健康調査

    健康調査では、18 歳から 64 歳までの人を対象に、健康意識に関する調査を行い

    ました。

    あなたは健康に自信がありますか

    健康に自信がある人は年齢が高くなるにしたがって、割合は減少しています。

    健康を保つためにあなたは何に一番気を付けていますか

    「栄養のバランスを考えて食事をする」「太りすぎない」「休養を十分にとる」との

    回答が多くありました。健康を保つために気を付けている人が多いなか、何もしてい

    ない人もみられます。

    あなたは現在の食生活をどのように思っていますか

    食生活について、「大変よい」「よい」

    と回答した人と、「すこし問題」「問題が

    多い」と回答した人の割合は、ほぼ同じ

    でした。

  • -28-

    かかりつけ医がいますか

    かかりつけ医が「市内にいる」との回答は、60%ありました。年代が高くなるほ

    ど割合が高くなっています。「いない」との回答は 30%ありました。

    最近1ヶ月間に、ストレスを感じたことはありましたか

    90%近い人がストレスを感じたと回答しています。

    あなたは、悩みやストレスについて相談出来る人がいますか

    相談出来る人が「いる」と回答した人は 80%以上ありました。また、年齢がたか

    くなるにつれ、割合は減少しています。

  • -29-

    ○高齢者(一般・在宅要介護)

    高齢者調査は、「高齢者一般」、「在宅要介護」の2つの分類別に調査を行いま

    した。

    「高齢者一般」の調査では、毎日の暮らしの中の不安事で「健康に関すること」

    が 505 人で 74.3%、「介護に関すること」が 328 人で 48.2%の順で不安を感

    じている状況が伺えます。

    また、「現在行っている余暇活動や社会貢献活動は」との問いに対しては、「健

    康づくりのための運動」が 331 人で 48.7%、地区のサロンが 242 人で 35.6%

    と何らかの活動を行っている方が前回調査時より増えています。

    毎日の暮らしの中でどのような事に不安を感じますか

    現在行っている余暇活動や社会貢献活動は

  • -30-

    在宅で介護サービスを受けている方の調査では、介護をしている方の年齢が

    65 歳以上の方が 42.7%で介護者の高齢化が進んでいます。また、61.9%の方

    が「介護を代われる人がいない」と答え、特定の人に介護の負担がかかっており、

    両調査項目とも前回調査時より割合が高くなっています。

    介護している方の年齢は

    介護を代われる方はいますか

  • -31-

    ○子育て世帯

    子育て世帯に対する調査では、未就学児童の保護者と小学生の保護者それぞれに調

    査を行いました。

    (1)家庭状況と子育ての実態。

    未就学児童・小学生の親の就労状況をみると、「就労(フルタイム)」「フルタイ

    ム(育休など)」「就労(パートタイム)」「パートタイム(育休など)」を合わせて、

    母親の 88.0%、父親の 90.5%が就労しています。

    このことから、この世代においては共働きの家庭が大きな割合を示していること

    がわかります。

    (2)保育サービスの利用状況と放課後の過ごし方

    平日の定期的な幼稚園や保育園の利用について、未就学児童の保護者の 85.5%

    が「利用している」と回答しており、その内訳では認可保育園が最も多くなってい

    ます。

    ■ 母親・父親の就労状況

    就労(フルタイム)

    89.5%

    就労(フルタイム)

    54.9%

    フルタイム(育休など)

    0.1%

    フルタイム(育休など)

    3.5%

    就労(パートタイム)

    0.9%

    就労(パートタイム)

    28.4%

    パートタイム(育休など)

    0.0%

    パートタイム(育休など)

    1.3%

    就労していた

    1.0%

    就労していた

    8.2%

    就労したことがない

    0.0%

    就労したことがない

    0.7%

    無回答

    8.5%

    無回答

    3.0%

    0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

    父親

    母親

    ■ 幼稚園・保育園などの定期的な利用状況(複数回答)

    利用している

    85.5%

    利用してい

    ない

    11.9%

    無回答

    2.6%

    6.6%

    89.6%

    0.2%

    0.2%

    0.3%

    2.7%

    0.2%

    0.0%

    0.2%

    0.3%

    0.2%

    0% 20% 40% 60% 80% 100%

    幼稚園

    認可保育園

    認定こども園

    家庭的保育

    事業所内保育施設

    自治体の認証・認定保育施設

    その他の認可外の保育施設

    居宅訪問型保育

    ファミリー・サポート・センター

    その他

    無回答

    (資料:未就学児童・小学生ニーズ調査)

    (資料:未就学児童ニーズ調査)

  • -32-

    未就学児童(5歳以上児のみ)の保護者で、子どもの小学校低学年(1~3年生)

    における希望する放課後の過ごし方は、「自宅」と「放課後児童クラブ〔学童保育〕」

    が最も高くなっています。

    未就学児童(5歳以上児のみ)の保護者で、子どもの小学校高学年(4~6年生)

    における希望する放課後の過ごし方は、「自宅」が最も高く、次いで「習い事(ピ

    アノ教室、スポーツ少年団、学習塾など)」となっています。

    ■ 1~3年生における希望する放課後の過ごし方(複数回答)

    (資料:未就学児童ニーズ調査)

    ■ 4~6年生における希望する放課後の過ごし方(複数回答)

    (資料:未就学児童ニーズ調査)

    40.0%

    8.4%

    24.2%

    31.6%

    40.0%

    0.0%

    3.2%

    14.7%

    0% 10% 20% 30% 40% 50%

    自宅

    祖父母宅や友人・知人宅

    習い事

    児童センター・放課後子ども教室

    放課後児童クラブ〔学童保育〕

    ファミリー・サポート・センター

    その他(公民館、公園など)

    無回答

    60.0%

    11.6%

    36.8%

    20.0%

    30.5%

    0.0%

    7.4%

    15.8%

    0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70%

    自宅

    祖父母宅や友人・知人宅

    習い事

    児童センター・放課後子ども教室

    放課後児童クラブ〔学童保育〕

    ファミリー・サポート・センター

    その他(公民館、公園など)

    無回答

  • -33-

    (3)子育てに関する保護者の意識

    子育てに関して「非常に不安や負担を感じる」「何となく不安や負担を感じる」

    を合わせると、未就学児童の保護者は 50.9%、小学生の保護者は 50.6%となり

    ます。

    ■ 子育てへの不安や負担の意識状況

    未就学児童

    小学生

    (資料:小学生ニーズ調査)

    非常に感じ

    6.2%

    なんとなく

    感じる

    44.7%ほとんど感

    じない

    30.6%

    無回答

    18.4%

    非常に感じる

    7.1%

    なんとなく感

    じる

    43.5%ほとんど感じ

    ない

    31.0%

    無回答

    18.4%

    (資料:未就学児童ニーズ調査)

  • -34-

    不安や負担を感じる理由としては、未就学児童、小学生の保護者ともに「子ども

    の教育に関すること」が最も多く、次いで「子どもとの時間を十分にとれない」

    の順となっています。

    (資料:未就学児童ニーズ調査)

    ■ 子育てに不安や負担を感じる理由(複数回答)

    未就学児童

    小学生

    (資料:小学生ニーズ調査)

    39.9%

    7.4%

    40.2%

    35.3%

    40.5%

    28.5%

    11.1%

    5.4%

    9.1%

    1.7%

    0% 20% 40% 60%

    病気や発育・発達・栄養に関すること

    育児の方法がよくわからない

    子どもとの時間を十分にとれない

    子育てに時間がとられ、自分のやりたいことができずに疲れやストレスがたまる

    子どもの教育に関すること

    子育てに関する出費がかさむ

    祖父母等と子育てに関する意見が合わない

    配偶者が育児に協力してくれない

    その他

    無回答

    29.2%

    6.1%

    40.4%

    20.6%

    58.6%

    29.4%

    8.4%

    4.7%

    7.5%

    2.6%

    0% 20% 40% 60% 80%

    病気や発育・発達・栄養に関すること

    育児の方法がよくわからない

    子どもとの時間を十分にとれない

    子育てに時間がとられ、自分のやりたいことができずに疲れやストレ

    スがたまる

    子どもの教育に関すること

    子育てに関する出費がかさむ

    祖父母等と子育てに関する意見が合わない

    配偶者が育児に協力してくれない

    その他

    無回答

  • -35-

    ○障害者(障害児・障害者)

    障害者の社会参加状況については、「ほとんど参加しない」「参加したことはな

    い」と答えた人は約 60%いましたが、開催場所や情報、一緒に参加する仲間、

    自由に参加できる支援体制など、条件が整備されれば参加すると答えています。

    また、障害者への理解が進むためには、「障害者と接する機会を多く持つ」こと

    や、「学校での福祉教育」「障害のある人が積極的に社会参加を行う」状況を望ん

    でいることがわかりました。

    地域の行事やスポーツ・文化活動に参加したことはありますか

    障害がある人に対する地域住民の理解を深めるためにはどうしたらよいと思いますか

    よく参加する

    (月1~3回)

    16%

    ときどき参加す

    る(年2~3

    回)

    23%ほとんど参加し

    ない

    32%

    参加したことは

    ない

    29%

    障害者と接する

    機会を多く持つ

    29%

    学校で福祉教育

    を行う

    16%

    障害のある人が

    積極的に社会参

    加を行う

    23%

    理解を深めるP

    R活動をする

    16%

    企業が積極的に

    福祉活動に携わ

    10%

    その他

    6%

    よく参加する

    (月1~3回)

    16%

    ときどき参加す

    る(年2~3

    回)

    23%ほとんど参加し

    ない

    32%

    参加したことは

    ない

    29%

    障害者と接する

    機会を多く持つ

    29%

    学校で福祉教育

    を行う

    16%

    障害のある人が

    積極的に社会参

    加を行う

    23%

    理解を深めるP

    R活動をする

    16%

    企業が積極的に

    福祉活動に携わ

    10%

    その他

    6%

  • -36-

    ○児童・生徒

    朝の気分はどうですか

    「朝の気分はどうですか」との問いに対して、約 50%が「時々すっきりしない日

    がある」と答え、約 30%は「すっきりしない日がある」と答えています。

    朝食を食べますか

    「毎日食べる」と回答した人は約 80%ありました。「食べない日が多い」との回

    答は4%となり、中学2、3年生が他の学年に比べて多くありました。

    今までにどんなボランティアをしたことがありますか

    60~80%が清掃ボ

    ランティアなどを経験

    しています。一方で「し

    たいが何をしたらいい

    のか分からない」との回

    答は、10~20%ありま

    した。

  • -37-37

    第3章 地域福祉の基本目標

    1 基本理念

    2 計画期間と位置付け(諸計画との関係)

    計画期間 平成 28年4月から平成33年3月までの5か年間

    勝山市総合計画 第4章第2項より

    誰もが安心して暮らせる人にやさしいすこやかなまちづくり

    地域福祉計画(平成28年度~32年度)

    子ど

    も・

    子育

    て支

    事業

    計画

    障害

    者福

    祉計

    老人

    福祉

    計画

    介護

    保険

    事業

    計画

    健康

    増進

    計画

    平成27 年度~31 年度 平成 27 年度~29 年度

    勝山市総合計画 23年度~32年度

  • -38-38

    3 計画の体系

    Ⅳ 地域福祉を支援する仕組みづくり(みんながつながって見守り続ける)(1)災害時避難行動要支援者登録活動を活用

    していく (2)地域で見守る体制づくり (3)まちなかでの憩いの場で「みんなで見守

    り・支え合う」

    Ⅴ 健康と福祉の拠点の活用(みんなが集う場所) (1)福祉健康センター「すこやか」

    の活用 (2)健康の駅「湯ったり勝山」の

    活用

    Ⅰ 生活課題の取り組みと福祉への理解の向上

    (1)高齢者、障害者、子どもなど市民を取り巻く生活課題

    (2)健康づくりは生活の 基本

    (3)自らが地域の福祉を 理解する

    自助

    Ⅲ 地域福祉を支援するネットワークの構築

    (1)各種相談機関等の支援体制の育成と役割

    (2)生活困窮に陥らないような相談体制の構築

    (3)社会福祉協議会と ともに

    公助Ⅱ 地域における支え合い(住民同士の見守り) (1)お隣、ご近所付き合

    いを再確認 (2)地域活動の担い手

    (住民の中の各種相談員)の育成と役割

    互助

    社会保険(社会保障)共助

  • -39-39

    4 地域福祉の基本目標

    I 生活課題の取り組みと福祉への理解の向上(自助)

    自らの生活課題や地域における住民の生活課題を整理することで、自らの健康は自らが管理し、地域において自分は何が出来るか考えられるように福祉などの学習の場の提供をしていきます。

    Ⅱ 地域における支え合い(住民同士の見守り 互助) 地域での既存の団体を活用、再確認し、隣近所で「お互いさま」精神で助けあう環境が出来るようにしていきます。

    Ⅲ 地域福祉を支援するネットワークの構築(公助)

    困りごと全般の相談など、相談しやすい体制を整え、支援が必要な人を関係機関と連携をはかりながら支え合いが出来る体制を作っていきます。

    Ⅳ 地域福祉を支援する仕組みづくり (みんながつながって見守り続ける)

    災害時避難行動要支援者登録活動や地域見守り協定などを通して、関係機関のみな

    らず地域一体となってお互いに見守っていく体制を作っていきます。

    Ⅴ 健康と福祉の拠点の活用(みんなが集う場所)

    福祉健康センター「すこやか」や健康の駅「湯ったり勝山」の施設を活用し、市民の交流の場を設け、健康管理や社会参加の場を提供します。

  • -40-40

    第4章 目標達成のための具体的施策 第1節 Ⅰ 生活課題の取り組みと福祉への理解の向上(自助) (1) 高齢者、障害者、子どもなど市民を取り巻く生活課題

    (現状と課題) 高齢者の単身世帯や高齢夫婦世帯の割合が年々増加する中、高齢者世帯にとって、

    病気や経済的なこと、買物、食事や掃除など家事に対する不安があります。 また冬には、自宅周りの除雪や屋根雪下ろしの負担が大きく、自分たちだけでは解

    決できない問題もあり、生活への不安がますます深刻化しています。 障害者については、高齢者の障害者手帳の取得が増えていく一方、若年層において

    も、うつ病や発達障害などの精神疾患により、生活や就労の困難さを抱えるなど潜在的にあった生活問題が徐々に表に現れ、このような不安を抱える方々への対応件数が増えてきています。

    子育てに関しては、勝山市は「子育て支援日本一」を目指して、保育料の軽減や児童センター等の利用料の無料化など、フォーマルサービス(※1)の充実により子育てしやすい環境に努めていますが、祖父母や近所の人に頼らなくてもいいといった若い保護者達とその親達との世代間の子育て意識のギャップがあります。

    また、就労形態の多様化による家族との交流時間、話し合いの機会が少なくなっており、若年層が「地域のみんなで子どもを育てる」といった認識や、世代間の交流の場、地域での人と人とのつながりも希薄になってきています。

    年金支給年齢の繰り下げにより、企業は定年退職年齢を 60 歳から 65 歳へと延長して行く中、65 歳を高齢者として区分するより、65 歳になっても、健康を維持しボランティア活動や地域活動に参画していくといった状況は、今後ますます必要になってくると思われます。

    また、人口の年齢構成(5 頁参照)からみて、本来地域で中心となって支える若壮年層が小さくなっている状況では、自分たちが住んでいる地域で、年代に関係なく住民同士が、お互いに支え合うことを自ら認識する必要があります。

    よって、行政の力だけでは、限界があることも認識しつつ、地域と行政が連携して住民全体を支援していく体制づくりが重要となってきています。

    (施策の方向性) 1 地域での住民の高齢化による除雪作業や買い物の不便さなどの問題や、ひきこ

    もりの人や世帯の問題、経済的に困窮している世帯など、身近な生活課題を地域住民自ら考えていけるように、市はふれあいサロンや介護予防教室、障害者理解の出前講座等などを実施し、住民に考える場の提供を行います。

    2 自助、互助、公助(共助)で地域福祉(見守り体制)の構築に努めます。 (後段 第4章内でそれぞれ方向性を記載)

  • -41-41

    (2) 健康づくりは生活の基本(自らの健康は自らが管理)

    (現状と課題) 福祉健康センター「すこやか」を拠点にし、赤ちゃんから高齢者までの健康づくり

    に取り組んできました。しかし、高齢化が進み、生活習慣の変化等により疾病構造が変化し、がん、虚血性心疾患、脳血管疾患、糖尿病などの生活習慣病の割合が増加しています。生活習慣病の増加は、介護負担や医療費等の社会的負担の増大にもつながります。誰もが生涯を通じ安心して暮らせる社会の実現のため、一人ひとりが良い生活習慣の実践による健康づくりの取り組みと、それを支える社会環境の整備が必要となっています。

    (施策の方向性)

    健康づくりの対応と方向性については、平成26 年度に作成した第3次健康増進計画「すこやか勝山健康づくりプラン」において、行政機関をはじめ、市民、地域、企業や各種団体の連携のもと「自分の健康は自分でつくり守る」ことを視点とし、健康づくりの目標とその実現に向けた方策を定めています。また、「すこやか勝山12か条」とし市民行動目標を設定し具体的な取り組みを示しました。 (主な内容) 1 良い生活習慣の実践による健康づくり

    ① 健康のために良い食生活が実践できるよう支援します ② 日常で取り組みやすいウオーキングなどを推進します ③ 病気の早期発見や重症化予防ができるよう支援します ④ 正しい口腔ケアと歯科健診を受けることの必要性について知識を普及します ⑤ 適正飲酒について知識の普及啓発をおこないます ⑥ たばこによる健康被害を減らす取り組みをします ⑦ ストレスと上手く付き合うための知識の普及に努めます

    2 次世代を担う子どもの健康づくり

    安心して妊娠・出産・子育てができ、子どもが健やかに成長できる環境づくりを推進します

    3 健康を支える環境を整備

    ① 地区組織や人材の育成・連携を促進します ② 新型インフルエンザ等の新興感染症など危機管理体制を整えます ③ 市民が市内にかかりつけ医を持ち、自らの健康管理ができるよう普及啓発に

    努めます

  • -42-42

    すこやか勝山 12か条 (市民行動目標 第3次勝山市健康増進計画より)

    第1条 かかりつけ医をもとう 第2条 さあ始めよう 禁煙生活 第3条 しっかり睡眠、ゆっくり休養、減らそうストレス 第4条 受けよう 健診・がん検診 第5条 こまめに動こう始めよう ウオーキング 第6条 1日3回 歯を磨こう 第7条 地域の健康づくり活動に参加しよう 第8条 つくろう 週2回の“休肝日” 第9条 声かけあい地域で見守る子どもの成長 第10条 食事や間食は時間を決め 毎食食べよう 野菜料理第11条 外から帰ったら、うがい手洗い 第12条 毎月21日は健康の日

  • -43-43

    (3) 自らが地域の福祉を理解する(広報、啓発活動)

    (現状と課題) 住民意識調査(23 頁参照)での質問「地域のまちづくり活動についてどのように

    考えているか」に対する回答において、「積極的参加」、「自分の出来る範囲での参加」と回答した地域活動に参加している方は 45%を占め、「大切だと思うが、仕事が忙しくてほとんど参加できない」と回答した方が 53%を占めていました。その回答からは、住民の多くが、地域活動への参加の有無にかかわらず、地域への貢献活動の重要さについて認識していることが分かりました。住民の中には、地域の一員でありながらも地域活動に参加できない後ろめたさを感じている方や、地域でどのような福祉活動が行われているのか理解できずに、何にどう参画すればいいのか分からない方もおられるかもしれません。

    今後は住民に対し、積極的な広報、啓発活動を行うことによって、住民自らが地域の福祉への関心と理解をより深めていくことが重要になっていきます。 (施策の方向性) 福祉の意義と必要性について、市民への周知はもちろんのことながら、まず市、市社会福祉協議会が、地域において住民のためにどんな活動しているのか、自らも参画出来ることがあるのではないかといった、住民の自発的な思いが生まれるような広報、啓発活動に努めます。 また、学生のころからノーマライゼーション(※2)の理念に基づいた福祉観を育てること、とりわけ次代を担う子どもたちへの福祉教育推進のため、市社会福祉協議会、各学校、関係機関との連携を図ります。 (主な内容)

    広報活動の実施 市広報、市社会福祉協議会広報において、福祉や健康に関する活動の取り組みを紹介していきます。

    出前講座の実施 奥越地区障害者自立支援協議会による障害者理解のための出前講座等を市民向けに実施し、福祉への理解を図ります。

    福祉体験講座などの開催

    市社会福祉協議会が市内の全小中学校高等学校に対して、「福祉教育推進事業」を行い、福祉学習に取り組んでいけるように、福祉教育指導員(手話奉仕員等)を派遣し、小中学生のころから福祉への理解を図ります。

    すこやかフェスタの開催

    市民が身近に福祉を体験できる場としてのフェスタを開催し、市民が福祉を理解できるように図ります。

  • -44-

  • -45-45

    第2節 Ⅱ 地域における支え合い (住民同士の見守り 互助)

    (1) 隣、近所付き合いを再確認 「隣、近所で助けあいましょう」

    (現状と課題) 若年層の人口減少とリーマンショック以降の経済状況の変化で、若壮年層を含む労

    働者の就労形態が多様化になりました。 そのため、昔のように夕方になると帰宅し家族や地域の仲間との時間を持つといっ

    た状況が少なくなってきています。 よって地域活動に関しても、かつて各地区にあった青年団がなくなり、婦人会・壮

    年会の会員も減少するなど、地区で同年代や同性で団体を構成して、平日も熱心に若壮年層が地域活動に参画をしていくといった時代ではなくなってきました。

    近年は、インターネットの普及により若年層のみならず、年代を超えて SNS(ソーシャルネットワークサービス ※3)を利用し、共通の話題や趣味などをもった者たちだけでコミュニケーションをとる方法が普及しています。

    ただ特に高齢者などは、地域や目に見える友達同士のつながりを大切にしています。 よって各地区とも地域のつながりに関して、どういった方法でつながっていけば良

    いか試行錯誤をしていると思われます。 (施策の方向性)

    隣近所がかかわって地域をどうやって見守るかを考え、実行する方法などを市が援助していきます。

    1 まず、地域での既存の団体を活用、再確認し、隣近所で「お互いさま」精神で助けあう環境を住民がつくっていけるようにします。

    2 地域自らが支え合い、各種団体間で協力関係づくりをすすめるために、市として、市の事業である災害時避難行動要支援者登録活動などを一助としながら、地域のつながりの大切さを認識するような環境づくりに努めます。

    3 自主防災組織が、「勝山市自主防災組織備品購入事業」の補助制度を利用し、地域の見守りの一環として除雪を行うことが出来ることを周知し、未組織地区の自主防災組織の設立を促します。

  • -46-46

    地域における団体(単位)

    家族(各家庭)、近所、区、町内会、班、自主防災組織、 子ども会、婦人会、青年会、壮年会、老人会 地域見守り隊など

    それぞれの団体でできること � 家族(各家庭)

    近所の人たちに挨拶が出来るように家族で特に子どもたちと話し合う。 � 近所 � 一人暮らしや高齢者世帯、子ども、ひきこもり家庭など、近所の人が気を配る

    ようにする。 � 普段からあいさつを交わすなど、気軽に声を掛け合い見守っていく。

    � 区、町内会、班 � 区内の行事に住民が参加しやすいものを企画する。 � 避難行動要支援者登録活動を通して地域の要支援者を把握する。 � 区等において、災害時などの要支援者の支援を考える場を持つ。

    � 自主防災組織 区と協同して災害時などの要支援者の支援を考える場を持つ。

    � 子ども会 子ども会活動を通して保護者だけでなく、地域で子どもを育ち見守る環境を作っていく。

    � 婦人会、青年会 壮年会、老人会、地域ごとのボランティア団体など区などで

    企画する行事に協力していく。また会員同士のつながりを保っていく。

    � 地域見守り隊 子どもの登下校を見守り、安全を確保していく。

  • -47-47

    (2) 地域活動の担い手(住民の中の各種相談員)の育成と役割

    (現状と課題) 地域の中には、支援の必要な高齢者、障害者、子ども、ひとり親家庭などに対し支援をする民生委員児童委員や主任児童委員、市民の健康保持・推進のため活動する保健推進員、市民の食生活改善のために活動する食生活改善推進員など(以下「民生委員等」という。)が、住民に近いところに配置されています。 それぞれが、地域の実情や高齢者、障害者、子どもなど支援が必要な方々の状況を把握して活動しています。

    また、老人会では独自に老人家庭相談員を各単位老人会に配置し、老人会員の見守り活動をおこなっています。

    このように、民生委員等が、区などの地区組織、各地区社会福祉協議会や市と連絡を取り合いながら、住民の支援の一助を担っています。

    民生委員・児童委員の任期は3年で、現在86名の委員が活動していますが、人口減少と高齢化率の上昇に伴い、将来、民生委員児童委員のなり手の確保が難しくなる可能性があります。

    地域福祉の考え方は、すべての住民が福祉の担い手であり、同時に受け手でもあるという、「お互いさま」の精神の上に成り立っています。

    そのうえで、民生委員等が福祉活動のリーダーとして、地域にかかわり、次世代を担うボランティア精神をもった者の育成が重要です。よって地域住民に民生委員等の活動状況と役割を理解してもらう活動が必要です。

    (施策の方向性)

    1 住民からの期待に応えられる活動を展開できるように、民生委員等と区などの地区組織との日常的な活動交流や情報交換を実施し、住民には民生委員等の活動状況の周知を行います。

    2 地区社会福祉協議会の行事に民生委員等も参画し、地域のつながりを住民全体で考え支えていきます。また、民生委員等が活動しやすい環境づくりに取り組んでいきます。

  • -48-48

    (主な内容) ・ 民生委員等の名前や役割を市民にPRします。 ・ 民生委員等の資質の向上のための研修会を開催し、自主的な研鑽活動の支援をし

    ます。 ・ 民生委員等同士の交流や情報交換の場を設けます。 ・ 地域においては、老人家庭相談員など地区独自の相談活動を行っている方々と共

    に、区等の活動に民生委員等もかかわる機会を持たせ、情報交換や地区住民の支援を協同で行います。

    ・ 民生委員等が、地域で支援が必要な方の処遇について、市関係課へ速やかに連絡できるように市と連携を図っていきます。

    ・ ふれあいサロンなど地域で実施するような行事に対して、地区社会福祉協議会、地区の民生委員等、地区独自のボランティア団体、地域住民たちを結びつけるように支援していきます。

  • -49-49

    第3節 Ⅲ 地域福祉を支援するネットワークの構築(公助) (1) 各種相談機関等の支援体制の育成と役割

    (現状と課題) 生活課題が多様化する中、身近に相談できる人がいないことや相談先がわからないために、問題を抱え込んだり、孤立してしまう人がいます。

    そういった方を、地域の民生委員等と連携しながら、公的な各種相談機関へ結びつける必要があります。各種相談機関には、それぞれ専門的な知識をもった相談員が配置されています。

    市民がどこにどんな相談に行けばいいのか、誰に相談すれば専門的な相談に結びつくのか、周知していく必要があります。

    各相談機関が、専門性を活かし他の機関や地域の民生委員等との連携を図ることで、問題を解決していくことが重要です。 (施策の方向性と内容) 各種相談窓口をわかりやすく市民に周知し、安心して専門的な支援が受けられるような体制をつくっていきます。

    1 住民にわかりやすいように、市広報やパンフレットを窓口に配置し相談機関の役割と紹介をします。

    2 各種相談機関の相談員等に対し、地域ケア会議や奥越地区障害者自立支援協議会の場等で研修を実施し、相談員等の資質の向上を図ります。

    3 必要な方に対するケース会議を開くなど、それぞれの相談機関が連携できるよう図ります。

    4 地域の民生委員等の方々の研修会等で、各相談機関の役割や内容を紹介し、共に住民に対し支援できるような環境作りを図ります。

  • -50-50

    福祉に関する主な相談機関の一覧

    名 称 内 容 場所 健康長寿課 福祉・児童課 健康・福祉全般に関わる相談

    困りごと支援センター 「らいと」

    生活のしづらさ全般の相談 (特に経済的な困窮状態)

    地域包括支援センター 「やすらぎ」

    高齢者全般に関する相談 (高齢者虐待を含む)

    成年後見サポートセンター「ささえ愛」

    成年後見制度など権利擁護に関わる相談

    障害者生活支援センター 障害者、難病患者などの生活、就労など全般に関わる相談 障害者虐待防止センター

    (福祉・児童課内) 障害者虐待に関わること

    子育て相談室 (家庭児童母子父子)

    子育て全般に関する相談(児童虐待、DV含む)

    勝山市社会福祉協議会 福祉全般に関わる相談

    福祉健康センター「すこやか」

    健康の駅「湯ったり勝山」 看護師による健康相談、介護相談の実施 市民交流センター

    1階

    地域子育て支援センター 主に未就園の子育て家庭に対する育児相談 市民交流センター

    2階

    まちなか Café 生活支援コーディネーターを配置し、誰もが気軽に立ち寄りやすく相談できる場所

    勝山サンプラザ 2 階

    居宅介護支援事業所 介護サービス利用者がサービス全般に関わる相談 市内に10 か所

    (注 1) 指定特定(障害児)相談

    支援事業所 障害福祉サービス利用者がサービス全般に関わる相談

    市内に3 か所 (注 2)

    注 1)平成28 年 2 月 1 日現在。詳しくは健康長寿課まで 注 2)平成28 年2 月 1 日現在。詳しくは福祉・児童課まで ◎虐待等に対応するネットワーク

    以下の組織で現状報告やケース検討会などを行います。 ・高齢者等虐待防止ネットワーク会議…高齢者・障害者虐待に関すること ・要保護児童対策地域協議会・児童虐待防止ネットワーク会議…児童虐待に関する

    こと

  • -51-51

    (2) 生活困窮に陥らないような相談体制の構築 (現状と課題)

    勝山市においては、保護率が2.22‰(平成26 年度末 18 頁参照)と全国的にみても非常に低い状況です。(参考 全国平均 16.39‰ 平成24 年度数値)

    勝山市の保護率が低い状況であるその一因として、生活困窮に関する相談を受ける生活保護のケースワーカー(※4)が、生活保護に至る手前での支援として、各種制度など他法他施策の活用や、福祉に関する主な相談機関(50 頁参照)との連携を行っていることが考えられます。

    経済的な問題ばかりでなく、心身に障害を持ったことで生き辛くなり、生活困窮に陥るなど、人それぞれ原因や状況は異なりますが、問題を抱えて生活が困窮状態になっている世帯は、潜在的にあると考えられます。潜在的な生活困窮世帯を早期に見つけ問題解決へと導いてくことが必要になってきます。

    平成27年4月からは、生活困窮者自立支援法が成立し、勝山市においても「第2のセーフティネット」を強化するものとして、前述のような複合的な課題を抱える生活困窮者等に対し、包括的な相談支援や就労支援等を実施していくための相談窓口「勝山市困りごと支援センター らいと」を設けました。

    今後は、この窓口の周知として、民生委員・児童委員など生活に密着している関係機関と連携を図り、生活困窮の家庭などを早期に見つけ、地域にて生活を継続できるよう支援をしていく必要があります。

    (施策の方向性と内容)

    現在経済的に困窮している、または生活する上での種々の問題で困っていることで、経済的に困窮状態に陥ると予測されるような方々に対しても、早期に相談し支援することで、安定した生活ができるように支援をしていきます。この相談支援窓口を市民、地域に根ざしている民生委員等に周知し、来所しやすい環境を作ります。

    1 市広報などを使い、困りごと支援センター「らいと」の周知を行います。

    2 相談支援員の資質の向上のために研修を行います。

    3 相談者に対して関係機関との連携と情報共有を行います。

    4 相談者が生活保護に陥らないように、あらゆる制度を活用しその人にあった支援をしていきます。

    5 社会資源の一つである「地域のつながり…地縁」を活用していきます。

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    ○生活困窮者自立支援制度の概要

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    (3) 社会福祉協議会とともに

    (現状と課題) 勝山市は、市の各種施策に基づいて事業を実施しています。その中で、市社会福祉

    協議会との協働・連携による事業が多くなっています。 市社会福祉協議会は地域福祉を推進する団体として「人と人がつながる元気がでるまちづくり」を目指し様々な事業を展開しています。 社会情勢の変化に伴い子育てに悩む親世代、高齢者の孤立、児童や障害者及び高齢者への虐待、自殺者の増加、失業等による生活困窮などが課題になっています。制度の狭間にある課題を抱えた地域の方々が相談でき、課題解決に向かうことができる環境を整えつつあります。

    (施策の方向性と内容)

    1 市、市社会福祉協議会、地区社会福祉協議会が連携を深め、それぞれの役割を地域のなかで果たせるように努めます。

    2 地域の困りごとが市や社会福祉協議会に届く、または地域の中で解決していくためのマネジメントができる体制づくりに努めます。

    3 ふれあいサロン事業を地区社会福祉協議会が実施し、地域で開催、支え合う体制への支援をします。

    4 地域いきいきボランティアポイント事業とボランティアセンターとの連携をします。

    5 各種相談事業における相談支援専門員等の資質向上への支援をします。

    勝山市社会 福祉協議会 地区社会福祉協議会

    ボランティア

    福祉団体等

    勝山市

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    第4節 Ⅳ 地域福祉を支援する仕組みづくり (みんながつながって見守り続ける)

    (1) 災害時避難行動要支援者登録活動を活用していく (現状と課題) 自助・互助・公助(共助)といったものが一連でつながることにより、地域、市民全体で一人ひとりの問題を解決していくことが必要になってきています。 まず、区などの地域では身体の状況や高齢者のみの世帯など、もし災害が起こった時に手助けが必要な方が誰なのかを知ること、そして支援が必要な方自身も「一人では行動できない」など、地域住民に自分の状況をわかってもらうことが必要です。 災害時避難行動要支援者の登録活動は、市で定めた登録者の基準はあるものの、まず班長、町内会長、区長を