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第4章 プログラムの基本事項 第4章 プログラムの基本事項 Ⅰ プログラムにより兵庫経済がめざす姿 本県経済は、バブル景気の崩壊や阪神・淡路大震災の負の遺産を克服し、平成14年頃 からプラス成長が続いている。しかし、震災以降、本県の経済成長率が国と同じであった と仮定すると、本県の総生産(実質)は、平成17年度時点で2兆3,464億円を失っ たことになる。このため、ポスト震災復興10年の中間年である平成22年度末までに、 震災で失われた兵庫県の経済ポテンシャルの1/2を取り戻すためには、国内総生産(実 質)が年率2.2%成長した場合、県内総生産(実質)は年率平均3.6%成長、経済規模 は平成17年度の1.2倍をめざすことになり、それに伴い、県内従業者数(民営)は年約 5万人の増加が見込まれる。そこで、このプログラムでは、『「ひょうご経済1.2倍元気 アップ」をめざす~“ものづくり兵庫”、“先進兵庫”、“働きがい兵庫”の実現~』を産学 官民が協働するためのスローガンとして掲げて取り組む。 【プログラムにより兵庫経済がめざす姿(産学官民が協働するためのスローガン)】 「ひょうご経済1.2倍元気アップ」をめざす ~“ものづくり兵庫”、“先進兵庫”、“働きがい兵庫”の実現~ 県内[国内]総生産(実質)・県内従業者数の伸び <参考:試算> [国内GDP(実質)が年率2.2%成長した場合] ◆県内総生産(実質) (17 年度)20.4 兆円→(22 年度)24.1 兆円[年率平均 3.6%成長] ◆県内従業者数(民営) (18 年度) 211 万人→(22 年度) 232 万人[年約 5 万人増] 90 95 100 105 110 115 120 125 130 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 県内GDP ① 国内GDP ② 県内従業者数 ③ (6年度:100) 震災以降、国と同じ伸び率(14.53%)で あったと仮定すると、本県の総生産(実質)は、 17年度時点で、2兆3,464億円を失ったこ とになる。 阪神・淡路 大震災 活性化プログラム(20~22年度) 震災復興10年 ポスト震災復興10年 県内GDP(実質)の伸び率 に、過去の従業者数の伸び 率、生産年齢人口の推計、 労働生産性の伸びを勘案し た県内従業者数の試算値 22年度 :232万人 (年約5万人増 ) (年度) 22年度までに全国との 差を半分にまで 縮める。 県成長:年率平均3.6% 国成長:年率2.2% 90 95 100 105 110 115 120 125 130 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 県内GDP ① 国内GDP ② 県内従業者数 ③ (6年度:100) 震災以降、国と同じ伸び率(14.53%)で あったと仮定すると、本県の総生産(実質)は、 17年度時点で、2兆3,464億円を失ったこ とになる。 阪神・淡路 大震災 活性化プログラム(20~22年度) 震災復興10年 ポスト震災復興10年 県内GDP(実質)の伸び率 に、過去の従業者数の伸び 率、生産年齢人口の推計、 労働生産性の伸びを勘案し た県内従業者数の試算値 22年度 :232万人 (年約5万人増 ) (年度) 90 95 100 105 110 115 120 125 130 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 県内GDP ① 国内GDP ② 県内従業者数 ③ (6年度:100) 震災以降、国と同じ伸び率(14.53%)で あったと仮定すると、本県の総生産(実質)は、 17年度時点で、2兆3,464億円を失ったこ とになる。 阪神・淡路 大震災 活性化プログラム(20~22年度) 震災復興10年 ポスト震災復興10年 県内GDP(実質)の伸び率 に、過去の従業者数の伸び 率、生産年齢人口の推計、 労働生産性の伸びを勘案し た県内従業者数の試算値 22年度 :232万人 (年約5万人増 ) (年度) 22年度までに全国との 差を半分にまで 縮める。 県成長:年率平均3.6% 国成長:年率2.2% 【県実績】17・18 年度 ・GDP:3.3%/年 ・従業者数:4.7 万人/年 83

第4章 プログラムの基本事項 Ⅰ プログラムにより兵庫経済がめざ … · おける研究開発を重点的に促進するとともに、国家基幹技術である大型放射光施設

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Page 1: 第4章 プログラムの基本事項 Ⅰ プログラムにより兵庫経済がめざ … · おける研究開発を重点的に促進するとともに、国家基幹技術である大型放射光施設

第4章 プログラムの基本事項

第4章 プログラムの基本事項

Ⅰ プログラムにより兵庫経済がめざす姿

本県経済は、バブル景気の崩壊や阪神・淡路大震災の負の遺産を克服し、平成14年頃

からプラス成長が続いている。しかし、震災以降、本県の経済成長率が国と同じであった

と仮定すると、本県の総生産(実質)は、平成17年度時点で2兆3,464億円を失っ

たことになる。このため、ポスト震災復興10年の中間年である平成22年度末までに、

震災で失われた兵庫県の経済ポテンシャルの1/2を取り戻すためには、国内総生産(実

質)が年率2.2%成長した場合、県内総生産(実質)は年率平均3.6%成長、経済規模

は平成17年度の1.2倍をめざすことになり、それに伴い、県内従業者数(民営)は年約

5万人の増加が見込まれる。そこで、このプログラムでは、『「ひょうご経済1.2倍元気

アップ」をめざす~“ものづくり兵庫”、“先進兵庫”、“働きがい兵庫”の実現~』を産学

官民が協働するためのスローガンとして掲げて取り組む。

【プログラムにより兵庫経済がめざす姿(産学官民が協働するためのスローガン)】

「ひょうご経済1.2倍元気アップ」をめざす

~“ものづくり兵庫”、“先進兵庫”、“働きがい兵庫”の実現~

県内[国内]総生産(実質)・県内従業者数の伸び<参考:試算>

[国内GDP(実質)が年率2.2%成長した場合]

◆県内総生産(実質)

(17年度)20.4兆円→(22年度)24.1兆円[年率平均3.6%成長]

◆県内従業者数(民営)

(18年度) 211万人→(22年度) 232万人[年約5万人増]

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6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22

県内GDP ①

国内GDP ②

県内従業者数 ③

(6年度:100)

震災以降、国と同じ伸び率(14.53%)であったと仮定すると、本県の総生産(実質)は、17年度時点で、2兆3,464億円を失ったことになる。

阪神・淡路大震災

活性化プログラム(20~22年度)

震災復興10年 ポスト震災復興10年

県内GDP(実質)の伸び率に、過去の従業者数の伸び率、生産年齢人口の推計、労働生産性の伸びを勘案した県内従業者数の試算値

22年度 :232万人(年約5万人増)

(年度)

22年度までに全国との差を半分にまで縮める。

県成長:年率平均3.6%

国成長:年率2.2%

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6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22

県内GDP ①

国内GDP ②

県内従業者数 ③

(6年度:100)

震災以降、国と同じ伸び率(14.53%)であったと仮定すると、本県の総生産(実質)は、17年度時点で、2兆3,464億円を失ったことになる。

阪神・淡路大震災

活性化プログラム(20~22年度)

震災復興10年 ポスト震災復興10年

県内GDP(実質)の伸び率に、過去の従業者数の伸び率、生産年齢人口の推計、労働生産性の伸びを勘案した県内従業者数の試算値

22年度 :232万人(年約5万人増)

(年度)

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6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22

県内GDP ①

国内GDP ②

県内従業者数 ③

(6年度:100)

震災以降、国と同じ伸び率(14.53%)であったと仮定すると、本県の総生産(実質)は、17年度時点で、2兆3,464億円を失ったことになる。

阪神・淡路大震災

活性化プログラム(20~22年度)

震災復興10年 ポスト震災復興10年

県内GDP(実質)の伸び率に、過去の従業者数の伸び率、生産年齢人口の推計、労働生産性の伸びを勘案した県内従業者数の試算値

22年度 :232万人(年約5万人増)

(年度)

22年度までに全国との差を半分にまで縮める。

県成長:年率平均3.6%

国成長:年率2.2%

【県実績】17・18年度

・GDP:3.3%/年

・従業者数:4.7万人/年

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第4章 プログラムの基本事項

また、この兵庫経済がめざす姿の実現に向け、本県の貴重な資源であり、産業を活性

化させ競争力を高める源泉となる「研究教育機関」、「中小企業の力」、「農林水産資源」、

「商業集積」、「観光資源」、「人材」を生かし、つないで相乗効果を発揮し、新たな価値

の創造を図るとともに、こうした取り組みを通じて、「住みたいまち、訪れたいまち、

働き・学びたいまち“ひょうご”」の社会像に近づけるよう努める。

【「プログラムにより兵庫経済がめざす姿」の取り組みイメージ】

<兵庫経済の新たな飛躍のステージ>

訪れたいまち

働き・学びたいまち

住みたいまち

“ひ ょ う ご”

豊かな県土で育まれた 安全安心な

農林水産資源

地域の核となり 多様な機能を担う

商 業 集 積

歴史文化・自然など 多彩で豊かな

観 光 資 源

優れた技術やノウハウを持つ

中小企業の力

兵庫の強みを生かした 成長産業をリードする

研究教育機関

産業や地域の活性化 を支える優れた

人 材

地域の資源を生かして、 新たな価値を創造する

産 業 の 活 性 化

《プログラムにより兵庫経済がめざす姿

(産学官民が協働するためのスローガン)》

「ひょうご経済1.2倍元気アップ」をめざす

~“ものづくり兵庫”、“先進兵庫”、“働きがい兵庫”の実現~

《プログラムがめざす社会像》

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Page 3: 第4章 プログラムの基本事項 Ⅰ プログラムにより兵庫経済がめざ … · おける研究開発を重点的に促進するとともに、国家基幹技術である大型放射光施設

第4章 プログラムの基本事項

[参 考]

「住みたいまち、訪れたいまち、働き・学びたいまち “ひょうご”」のイメージ

働・学

【安全・安心】

・災害に強い

・防犯力が高い

・食の安全安心

【地域協働】

・子育てが安心

・地域コミュニティ

が充実

・ボランタリー活動

が活発

【健康福祉】

・医療が充実

・高齢者や障害者等

へのケアが充実

【教育・情報】

・学校・地域教育の質

が高い

・情報化が進展

【交流】

・観光地が魅力的

・ホスピタリティが充実

・都市農村交流が活発

【都市アメニティ】

・環境がいい

・交通基盤が充実

・多文化共生できる

・買い物が便利

・食べ物がおいしい

・余暇を楽しめる

【産業】

・成長性の高い企業が立地

・研究機関・支援機関が充実

・優秀な人材が確保できる

【地域資源】

・自然・歴史文化等

が豊か

・ブランド力が高い

【就業】

・やりがいのあるしごとが選択

できる

・起業などにチャレンジできる

・職業能力が向上できる

■災害に対して安全なまちである ⑲56.0%

■子育てを地域で支え合う雰囲気がある ⑲29.4%

■地域に自分の活躍の場がある ⑲21.9%

■警察署・交番等数 ⑲763カ所

■訪問介護員数 ⑰9,156人(全国5位)

■幼稚園数 ⑲758カ所(全国3位)

■ボランタリー登録数 ⑯6,671団体(全国1位)

■地域に誇りや愛着を感じている ⑲50.8%

■自慢したい地域の風景や名所がある ⑲50.1%

■県観光客入込数 ⑱1億3,300万人

■外国人訪問者数 ⑱54万人

■楽農生活交流人口 ⑱1,004万人

■歴史文化遺産・温泉・産業遺産・特産物等の観光

資源が豊富

■住んでいる地域は買い物や通院に便利である

⑲61.4%

■近所に子どもの遊び場や憩いの場がある

⑲59.1%

■高速道路の供用延長距離

⑱640km(全国2位)

■外国人登録者数 ⑱10.2万人

■多言語で対応できる医療機関が充実

■しごとと生活の両立ができている ⑲54.5%

■しごとにやりがいを感じる ⑲60.7%

■起業するのに魅力的な地域である ⑲14.1%

■大学進学率 ⑲58.0%(全国4位)

■兵庫情報ハイウェイ総延長距離 ⑲1,100km

■工場立地件数 ⑱115件(全国1位)

■大型放射光施設SPring-8や X線自由電子レーザーが立地

■世界最高性能の次世代スーパーコンピュータが立地予定

■多数の研究所等が立地 ⑲394施設・機関

■国内外で高いシェアを誇る光る中小企業が多数立地

※○内の数字は調査年度または年次

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第4章 プログラムの基本事項

Ⅱ ものづくり産業を起点とした兵庫経済の成長シナリオ

本県のものづくり産業は、重厚長大産業から優れた技術やノウハウを持つ中小企業、地場産業

に至るまで厚みをもって集積しており、県内総生産の全国比(特化係数)は1.2倍で、就業者

1人当たり総生産も全国平均より高いことから、こうしたものづくり産業の強みを生かして新た

な生産需要や雇用就業を創出し、生産・雇用・消費の好循環による持続的な経済成長を図る。

ついては、本県のものづくり産業は、高度成長期以降、一般機械、電気機械、輸送用機械等の

加工組立型産業のウエイトが高くなってきており、自動車、電子・電気機器、精密機械等の擦り

合わせ型の加工組立製品において優位性をもっていることから、川上を担う中小製造業の基盤と

なる部材加工技術をさらに高度化し、製造現場のシーズを迅速に高付加価値型の製品や事業に結

びつけ、価格・納期・アピール力を含めた総合力により、国際競争力の強化を図っていく。

さらに、今後の成長市場の動向を見据えながら、企業集積や高度な研究教育機関などの本県の

強みを十分に生かして、本県の次世代を担う成長産業の創出・育成に中長期的な視点で粘り強く

取り組んでいく必要があることから、グローバル市場での飛躍をめざす先端技術分野として、神

戸医療産業都市構想を中核とする「健康・医療」、環境・エネルギー関連企業等の集積を生かし

た「環境・エネルギー」、ロボット関連企業等の集積を生かした「ロボット(人工知能)」分野に

おける研究開発を重点的に促進するとともに、国家基幹技術である大型放射光施設 SPring-8 や

X線自由電子レーザー、次世代スーパーコンピュータ等の立地を生かして、県内企業等による広

範な産業分野での利用を促進する。

<本県に強みがある先端技術分野(国家基幹技術)> 【厚みのあるものづくり産業の集積】

次世代スーパー

コンピュータ

X線自由電子

レーザー

大型放射光施設

SPring-8

【生産・雇用・消費の好循環による持続的な経済成長】

◆生産需要の誘発

◆商業・サービス業の活性化

・商業(流通・販売等)

・ビジネス支援サービス(試験分析、IT、デザイン等)

・生活支援サービス(健康・医療、介護・育児等)

◆雇用就業機会の創出

・団塊世代や若年者、女性等

◆所得増加、消費の拡大 など

・・・

・・・

<ものづくり基盤技術>

鋳 造 プレス

加 工 めっき 切 削 熱処理 金 型

健康・医療 ロボット(人工知能)

情報家電 輸送機械

鍛 造

駆動部品

構造部品

配線

エンジン部品

高強度 ボルト 駆動

部品 医療処理器具

インプラント 半導体部品

配線 基盤

外装部品

筐体車体部品

燃料電池部品

実装部品

< 川 下 産 業 >

環境・エネルギー

電極・電解質

センサー部品

◆中小製造業の基盤となる部材加工

技術をさらに高度化し、製造現場の

シーズを迅速に高付加価値型の製

品や事業に結びつけ、価格・納期・

アピール力を含めた総合力により、

国際競争力の強化を図っていく

◆今後の成長市場の動向を見据えな

がら、企業集積や高度な研究支援機

関などの本県の強みを十分に生か

して、本県の次世代を担う成長産業

の創出・育成に中長期的な視点で粘

り強く取り組んでいく

<加工組立型産業を支える中小製造業 の技術力強化>

広範な産業分野での利用

先端技術分野 企業・研究教育機関の集積 支援体制・産学官連携組織

ナノ ・国家基幹技術である大型放射光施設

SPring-8 やX線自由電子レーザーが立地

・高輝度光科学研究センターや理化学研究

所、兵庫県立大学ニュースバル放射光施

設等の研究教育機関が立地

・兵庫県専用ビームライン、兵庫県放射光

ナノテク研究所、兵庫ものづくり支援セ

ンター等

・CASTクラブや播磨ものづくりクラス

ター協議会、MEMS技術利用研究会等<成長市場を見据えた次世代産業の 創出・育成>

情報通信・エレ

クトロニクス

・国家基幹技術である次世代スーパーコン

ピュータが立地

・情報通信機器、デジタル家電、電子部品

等の企業集積に加え、ディスプレイパネ

ルの大型生産拠点が立地

・防災科学技術研究所、情報通信研究機構、

WHO神戸センター、地球環境戦略研究

機関、日本原子力研究開発機構、カーネ

ギーメロン大学日本校、兵庫県立大学大

学院でのシミュレーション科学を専門と

する新研究科等の研究教育機関が立地

・高度計算科学研究支援センター(仮称)

の設置

<本県に強みがある先端技術分野(成長市場)>

先端技術分野 市場動向(全国) 企業・研究教育機関の集積 支援体制・産学官連携組織

健康・医療 健康・福祉関連サービス市場

16 年 51.8 兆円

→27 年 66.4 兆円

・神戸医療産業都市構想を中核に、医薬品や医療機器関

連企業、理化学研究所発生・再生科学総合技術研究セ

ンターや先端医療センター、神戸臨床研究情報センタ

ー、大学等の研究教育機関が立地

・県立福祉のまちづくり工学研究所、兵庫もの

づくり支援センター等

・神戸医療産業都市構想研究会、アシステック

研究会等 新たな 需要の創出

環境・エネルギー 環境ビジネス市場

12 年 30 兆円

→22 年度 47 兆円

・環境・エネルギー関連企業が神戸・阪神・播磨地域を

中心に立地し、環境装置等の生産額は全国の約 10%、

特に廃水処理(23.7%)や廃棄物処理(13.7%)のシ

ェアが高い

・(財)兵庫県環境クリエイトセンター、県立健

康環境科学研究センター、兵庫ものづくり支

援センター等

・ひょうごエコタウン推進会議等 ・経営革新

・新産業・新事業創出

・販路開拓

・中小企業融資制度等に

よる資金調達 など

ロボット

(人工知能)

次世代ロボット市場

16 年 0.5 兆円

→27 年度 3.1 兆円

・原子力や特殊用途用の検査・計測ロボット、多関節ア

ームロボット等のロボット関連企業が神戸・阪神・東

播磨地域を中心に立地

・NPO法人国際レスキューシステム研究機構や大学等

の研究教育機関が立地

・(財)新産業創造研究機構、兵庫ものづくり支

援センター、県立福祉のまちづくり工学研究

所等

・神戸RT研究会、AMPIロボット研究会、

関西次世代ロボット推進会議等

支援

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第4章 プログラムの基本事項

1 グローバル市場での飛躍をめざす先端技術分野

《兵庫の強みを生かした成長産業をリードする

「研究教育機関」を生かす》

① ナノ / ② 情報通信・エレクトロニクス

(ナノバイオ・ナノ材料・ナノ加工、情報通信機器、電子部品など)

本県には、播磨科学公園都市に世界 高性能の大型放射光施設SPring-8が立地しており、

県では兵庫県専用ビームラインの設置、県立先端科学技術支援センターや兵庫ものづくり

支援センター播磨の整備等によりナノテク分野の産業利用を促進してきた。これまでに、

企業や兵庫県立大学をはじめとする学術研究機関等により、素材・加工・バイオ等の分野

で研究開発が行われており、播磨ものづくりクラスター協議会(94社・機関)等の産学官

による連携推進組織も構築されている。こうしたなか、国家基幹技術に位置づけられてい

るX線自由電子レーザー(大型光放射施設SPring-8敷地内、平成22年度完成予定)と世界

先端・ 高性能の次世代スーパーコンピュータ(神戸ポートアイランド第2期地区内、平

成22年度末稼働予定)が(独)理化学研究所により整備されることとなった。そこで今後

は、これらの先端基幹技術を本県産業の飛躍の起爆剤とし、ロボット、健康・医療、環境・

エネルギー、情報通信・エレクトロニクス、防災等の応用技術分野や加工組立(ものづくり

基盤技術)分野への展開を図る必要がある。

そこで、兵庫県専用ビームラインの機能強化や「兵庫県放射光ナノテク研究所」の整備、

兵庫県立大学のニュースバル放射光施設との連携により、放射光を利用した共同研究開発

等を促進するとともに、次世代スーパーコンピュータの研究開発利用を支援する「高度計算

科学研究支援センター(仮称)」や兵庫県立大学大学院に計算科学を専門とする新研究科を

設置し、スーパーコンピューティング研究教育拠点の形成に向けて、次世代スーパーコン

ピュータの利用を促進する。また、カーネギーメロン大学日本校(CMU)等と連携しなが

ら、情報セキュリティ産業の振興を図る。

【大型放射光施設SPring-8を活用した事例】

取組分野 主 な 成 果 事 例

ナノ材料 自動車排ガス処理用新規触媒、ナノ高分子複合材料(タイヤ、液晶用フィルム等)、高性能二次電池、次世代光通信デバイス用フォトニクス材料、有機超分子材料 等

ナノバイオ DNA配列ナノ構造体、有機分子型ディスプレー材料、汚染物除去ナノフィルター、環境汚染ナノバイオセンサー、ドラッグデリバリー用ナノバイオ材料、新規ヘアコンディショナー等

【次世代スーパーコンピュータの活用可能な分野(例)】

【原子力】 原子炉解析、原子力施設の耐震解析等

【ライフサイエンス】 テーラーメイド医療、新薬の開発等

【ものづくり】 自動車の衝突解析等

【防災・地球環境】台風の進路や集中豪雨の予測等

【天文・宇宙物理】 銀河形成解明等 【航空・宇宙】

ロケットエンジンの設計、航空機の開発等

【ナノテクノロジー】 新しい半導体材料の開発等

ナノ、情報通信・エレクトロニクス等の多様な産業分野で、国家基幹技術である

大型放射光施設SPring-8やX線自由電子レーザー、次世代スーパーコンピュータの

応用・実用化を促進

88

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第4章 プログラムの基本事項

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【現状及び将来の姿】

先 端 応 用 技 術 分 野

ナ ノ 情報通信・エレクトロニクス

ロボット

健康・医療 加工組立

(ものづくり基盤技術)

未知の領域の開拓

スピードの高速化

研究開発 先端技術の融合

次世代スーパーコンピュータ 大型放射光施設SPring-8

X線自由電子レーザー 連携

先 端 基 幹 技 術

高輝度光科学研究センター 理化学研究所

県立先端科学技術支援センター

放射光ナノテク研究所

高度計算科学研究支援センター(仮称)

県立大学大学院新研究科

研究支援・人材育成

新産業創造研究機構

日本原子力研究開発機構地球環境戦略研究機関

防災科学技術研究所

県立工業技術センター

WHO神戸センター

情報通信研究機構

カーネギーメロン大学日本校

産業利用

・・・ 兵庫県立大学

ナノ、情報通信・エレクトロニクス等の多様な産業分野で、国家基幹技術であ

る大型放射光施設SPring-8やX線自由電子レーザー、次世代スーパーコンピュ

ータの応用・実用化を促進

放射光の産業

利用促進

連携・交流

・集積

・放射光ナノテク

研究所の整備

・県専用ビームラインの

機能強化 等

・産学官の連携推進

体制構築

・産業集積条例の活

用/特区による

規制緩和

【主な施策と支援機関】

人材育成

・情報セキュリテ

ィ人材の育成

・県立大学大学院

新研究科の設置

県立先端科学技術支援センター、高度計算科学研究支援センター(仮称) 等

次世代スーパーコンピュー

タの産業利用支援

・高度計算科学研究

支援センター(仮

称)の設置 等

情報通信・エレクトロ

ニクス産業の振興

・情報セキュリティ

産業の振興

・電子応用技術への

支援 等

連携

防災・地球環境環境・エネルギー

・・・

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第4章 プログラムの基本事項

③ 健康・医療 (医薬品、機能食品、健康・医療機器など)

神戸医療産業都市を核とした高度な健康・医療技術研究、製品開発等の促進

日本の健康・福祉関連サービスの市場規模

は約51.8兆円(平成16年)であり、こ

のうち、医療サービスが約32兆円、医療機

器・医薬品が約8.4兆円を占めている。今

後は、先端医療技術の研究や健康・医療機器

の開発等をさらに発展させ、高齢化社会の進

展や健康志向の高まり等に伴い成長する健

康・医療市場を先導していく必要がある。

本県では、神戸医療産業都市構想(神戸ポ

ートアイランド第2期)を中核に、医薬品や医療機器関連の多くの企業や、理化学研究所

発生・再生科学総合研究センターや先端医療センター、神戸臨床研究情報センター、大学

等の研究機関の集積が進んでおり、神戸医療産業都市構想研究会(326社・機関)やア

システック研究会(約70社・機関)等の産学官による連携推進組織も構築されている。

健康・福祉関連サービス市場規模(全国)

66.4

51.8

40

60

80

H16 H27

(兆円)

《経済産業省「新経済成長戦略」(平成18年)》

(年)

そこで、引き続き、陸海空の交通ネットワークや快適な都市環境等の立地優位性を生か

しながら、産業集積条例や構造改革特区制度等を活用して医療産業の集積を図るとともに、

大型放射光施設 SPring-8 の産業利用の促進や兵庫ものづくり支援センター、県立福祉の

まちづくり工学研究所等の支援機能の充実等により、医薬品や機能食品、健康・医療機器

等の技術研究や製品開発等を促進していく。

【取り組み事例】

取 組 分 野 内 容 制 度 活 用

医薬品 DNAやたんぱく質の分析を高感度・高速に行うための手法の

調査研究

産学研究発掘・育成

事業

機能食品 有害ミネラルを体内から排泄する健康食品の開発に向けた毛髪

分析の精度向上の研究

県COEプログラム

推進事業

慢性完全閉塞疾患用の診断・治療機能付超音波カテーテルの研

究開発

県COEプログラム推進事業、経産省地域新規産業創造技術開発補助事業

医療機器

赤外レーザーによる胆石微粉砕装置の実用化研究

県COEプログラム推進事業、大学発ビジネスインキュベート事業

健康機器 重度障害者が意思伝達するための脳波スイッチ装置の開発 新産業創出支援事業

90

Page 9: 第4章 プログラムの基本事項 Ⅰ プログラムにより兵庫経済がめざ … · おける研究開発を重点的に促進するとともに、国家基幹技術である大型放射光施設

第4章 プログラムの基本事項

【現状及び将来の姿】

【神戸医療

産業都市】

【機能食品】

【主な施策と支援機関】

兵庫ものづくり支援センター、県立福祉のまちづくり工学研究所 等

施 設 名 入居企業数 施 設 名 入居企業数

神戸国際ビジネスセンター 24 パイロットエンタープライズゾーン 4

神戸バイオメディカル創造センター 11 神戸大学インキュベーションセンター 2

神戸キメックセンタービル 17 製造工場用地 12

神戸医療機器開発センター 16 業務施設用地 3

先端医療センター研究棟 9 分子イメージング研究開発拠点 1

神戸臨床研究情報センター 3 神戸健康産業開発センター 8

神戸インキュベーションオフィス 4 合 計 114

(H19.11.29現在)

神戸医療産業都市を核とした高度な健康・医療技術研究、製品開発等の促進

医薬品等の技術研究・製品開発 連携・交流・集積 PR・啓発

・兵庫県COEプログラムの推進

・ものづくり支援センターの支援

・大型放射光施設の活用 等

・神戸医療産業都市構想研究会

・産業集積条例の活用

・特区による規制緩和 等

・健康を楽しむまちづく

り懇話会の開催 等

医療制

成長する健康・

医療市場

創 薬 健康・医療機器 機能食品臨床研究 再生医療

〈素材〉酒粕発酵素材、食品用澱粉、天然系着色料、不凍タンパク質、

日本酒由来成分αGG、コエンザイムQ10、超微粉末のり等

先端医療研究の進展 高齢化社会の進展

健康志向の高まり ナノバイオ技術の向上

・・・

健康・医療に係る産学官連携機能の強化

次世代スパコン立地予定地

神戸健康産業開発センター

神戸国際ビジネスセンター 先端医療センター

神戸バイオテクノロジー

研究・人材育成センター

分子イメージング研究開発拠点

神戸臨床研究情報センター

神戸バイオメディカ

ル創造センター

発生・再生科学 総合研究センター

神戸医療機器開発センター

〈食品〉SPS(しょうゆ多糖類)を活用した栄養補助食品等

91

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第4章 プログラムの基本事項

④ 環境・エネルギー (環境、リサイクル、省エネルギー機器など)

大気・水質・土壌汚染等の公害問題や地球

温暖化等の環境問題、エネルギー需要の拡大

による環境負荷の深刻化等が懸念されてお

り、国際的な資源獲得競争も激化しているな

か、我が国は、地球温暖化防止に係る京都議

定書に基づき、二酸化炭素排出量削減の目標

達成に取り組んでおり、日本企業は、社会の

持続可能な発展に資するため、成長する省資

源・省エネルギー市場を引き続き、先進的な

技術で先導していく必要がある。

本県の環境・エネルギー関連企業は、神戸・阪神・播磨地域を中心に集積しており、環

境装置等の生産額は全国の10%を占め、特に、廃水処理用は全国の23.7%、廃棄物

処理用は全国の13.7%を占めている。また、廃タイヤ等のリサイクルに取り組む環境・

リサイクル関連企業も多く、その生産額は全国の5.4%を占めている。さらに、蒸気機

関等の廃熱利用によるコージェネレーション設備や太陽光発電パネル等を製造する省エ

ネルギー関連企業も多い。そして、大学や研究機関が神戸地域を中心に立地しており、ひ

ょうごエコタウン推進会議(約307社・機関、平成19年8月現在)等の産学官による

連携推進組織も構築されている。

そこで引き続き、ひょうごエコタウン構想等に基づき、(財)兵庫県環境クリエイトセン

ターや県立健康環境科学研究センター、兵庫ものづくり支援センター等の支援機能の充実

により、環境・リサイクル、省エネルギー関連技術の研究やプラント・設備機器の開発等、

エコビジネスの振興を図っていく。

【取り組み事例】

取 組 分 野 内 容 制 度 活 用

環境素材 プラスチックの耐摩耗性、電動性等の機能を高めるためのコー

ティング技術に関する調査研究 産学研究発掘・育成事業

廃棄物処理用粉砕機の高性能刃物部材の開発 県COEプログラム推

進事業 廃棄物処理

瓦屑、浄水発生土、牡蠣殻の合成による環境浄化機能材の研究大学発ビジネスインキ

ュベート事業

省エネルギー 有機性廃棄物にメタン発酵技術等を組み合わせた処理を行う

ことで高効率なエネルギーを回収する技術を開発

県COEプログラム推

進事業

環境問題やエネルギー需要の拡大等に対応した技術研究、製品開発等の促進

環境ビジネスの市場規模(全国)

47

30

20

30

40

50

H12 H22

(兆円)

《環境省「わが国の環境ビジネスの市場規模及び雇用規模の現状と将来予測についての

(年)

推計」(平成15年)》

92

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第4章 プログラムの基本事項

93

神戸市エコティック21事業化

研究会〈総合リサイクル拠点〉

川崎重工業(株)ほか〈木質

バイオマスコージェネレーション〉

生活協同組合コープ

こうべ〈食品廃棄物の

複合リサイクル〉、(株)兵庫

オートリサイクル、(株)神戸ポ

ートリサイクル〈自動車部品

等のリユース・リサイクル〉

アサヒプリテック(株)〈パソコン

等OA機器リユース・リサイクル拠点〉

宍粟市(旧一宮町)〈木質

バイオマスコージェネレーション〉

関西タイヤリサイクル(株)

〈廃タイヤガスリサイクル〉

(株)神戸製鋼所〈廃プラス

チック高炉還元剤化〉

成長する省資源・

気運の高まり

循環型社会形成への

エネルギー需要の拡大

省エネルギー市場

・・・

省エネルギー 廃棄物処理 リサイクル

【ひょうごエコタウン構想】

環境浄化

環境・エネルギーに係る技術研究開発

公害問題

地球温暖化

【主な施策と支援機関】

【現状及び将来の姿】

環境・エネルギー関連技術研究

・製品開発 連携・交流・集積 PR・啓発

・兵庫県COEプログラムの推進

・ものづくり支援センターの支援

・大型放射光施設の活用 等

・ひょうごエコタウン推進協議会

・産業集積条例の活用

・特区による規制緩和 等

・ひょうごエコプラザでの

環境学習等への支援

・ひょうご環境ビジネス展

の開催 等

環境問題やエネルギー需要の拡大等に対応した技術研究・製品開発等の促進

兵庫ものづくり支援センター 等

(財)兵庫県環境クリエイトセンター、県立健康環境科学研究センター、

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第4章 プログラムの基本事項

⑤ ロボット(人工知能) (産業用、生活支援、医療・福祉ロボットなど)

次世代のロボットニーズに対応した技術研究、製品開発等の促進

日本のロボットは、溶接、塗装、機械組

立、電子部品の実装等の産業用が99%を

占め、世界のロボットの42%(平成16

年末現在)が日本製である。今後は、機構

部、センサ、制御、情報処理、マン・マシ

ーンインターフェース、解析等の広範な要

素技術の集大成であるロボット技術をさ

らに発展させ、成長する次世代のロボット

市場を先導していく必要がある。

次代のロボット市場規模(全国)

3.1

0.5

0

2

4

H16 H27

(兆円)

《経済産業省「新経済成長戦略」(平成18年)》

(年)

本県では、神戸・阪神・東播磨地域を中心に、原子力や特殊用途用の検査・計測ロボッ

ト、多関節アームロボット等を製造する多くのロボット関連企業や、NPO法人国際レス

キューシステム研究機構や大学等の研究機関が集積し、神戸RT(ロボットテクノロジー)

研究会(120社・機関)やAMPIロボット研究会(22社・機関)、関西次世代ロボッ

ト推進会議(116社・機関)等の産学官による連携推進組織も構築されている。

そこで、産業用のみならず、公共、生活支援、医療・福祉等の非産業分野での次世代の

ロボットニーズに対応するため、(財)新産業創造研究機構(NIRO)や兵庫ものづくり

支援センター、福祉のまちづくり工学研究所等の支援機能を充実し、災害救助や情報通信

等の異分野との融合等によりロボット技術の研究や製品開発等を促進していく。

【取り組み事例】

取組分野 内 容 制 度 活 用

産 業 食品製造や有機材料を扱うラインの効率化のために、壊れやすいもの

や軟らかいものを安定的に持てる小型の3軸触角センサを開発

大学ビジネスイン

キュベート事業

公 共 都市の地下街等でのテロ・災害を想定した移動ロボット群による高速

探査システムの開発

経済産業省プロト

タイプロボット開

発支援事業

ロボットハンドの実用化に向けた力覚センサ情報や関節角度情報の

制御等、要素技術の開発

県COEプログラ

ム推進事業 生活支援

既に開発済みのロボットのあらゆる方向の動作を検知する超小型6

軸モーションセンサの実用化の研究・市場調査

大学発ビジネスイ

ンキュベート事業

医療・福祉 リハビリ用上下肢訓練ロボットの実用化に向けたセンシング、制御、

機構等の開発

NEDO人間支援型

ロボット実用化基盤

技術開発事業

94

Page 13: 第4章 プログラムの基本事項 Ⅰ プログラムにより兵庫経済がめざ … · おける研究開発を重点的に促進するとともに、国家基幹技術である大型放射光施設

第4章 プログラムの基本事項

【現状及び将来の姿】

【主な施策と支援機関】

NIRO、兵庫ものづくり支援センター、県立福祉のまちづくり工学研究所 等

公 共 医療・福祉

・災害救助

・土木建築

・清掃 等

・手術支援

・リハビリ支援

・介護 等

・セキュリティ

・エンターテイメント

産業用(現状99%)

ロボット技術の研究・製品開発

・兵庫県COEプログラムの推進

・ものづくり支援センターの支援

・NIROによる研究開発コーディ

ネート 等

連携・交流・集積

・神戸RT研究会

・AMPIロボット研究

会 等

PR・啓発

・レスキューロボット

コンテストの開催

次世代のロボットニーズに対応した技術研究、製品開発等の促進

広範なロボット技術の研究開発

従 来 利 用

・輸送用機械産業(ハンド

リング、溶接等)

・電気機械産業(電機・電

子部品の組立・検査作業

等)

・原子力プラント(保守点

検等) 等

・機構部(駆動機構・動力等)

・センサ(姿勢・画像・力・触角等)

・制御、情報処理(人工知能、自律・

移動制御等)

・マン・マシンインタフェース、解析 等

生活支援

次世代のニーズ

95

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第4章 プログラムの基本事項

2 兵庫経済を牽引する産業分野

《優れた技術やノウハウを持つ「中小企業の力」を生かす》

⑥ オンリーワン企業・ベンチャービジネス

(新技術や高度な知識等により起業や新分野進出に挑戦)

市場ニーズの多様化に加え

て、会社法の改正により、起

業時の出資額規制が緩和され

るなど、技術力や経営力の強

みを生かして、中小企業や起

業家等が新たな事業創出に挑

戦しやすい環境となった。

県内民営事業所数は、平成

16年~18年において

545件(0.2%)増加し、

開業率が廃業率を上回った。特にサービス業の事業所数は、3,592件(5.7%)の

増加で、このうち医療・福祉1,648件(13.2%)や教育・学習支援業437件

(5.6%)などが大幅に増加しており、きめ細かな地域ニーズへの対応や、大企業では実

施しにくい革新的な事業を展開している企業が多く生まれている。

そこで、中小企業や起業家等の市場ニーズの変化等を見据えた機動的な挑戦に対応し、

(財)ひょうご産業活性化センター等の支援により、経営戦略の構築や販路開拓の促進、資

金調達の円滑化等を図り、優れた技術やサービスを有するオンリーワン企業やベンチャー

ビジネス等の創出を図っていく。

【取り組み事例】

取組分野 内 容 制 度 活 用

防 災 環境にやさしい家庭用防災用品の開発 県生活産業創出支援事業

健康・医療 低被ばくデジタルX線撮像装置の高精度化研究 県COEプログラム推進事業

福 祉 無料介護情報サービスの提供 ひょうご・神戸チャレンジマーケット

エアレーション技術による排水処理等、環境浄化設備

の開発 販路開拓支援事業登録企業 環境・

エネルギー 蓄熱装置、空調システム等の開発 産学連携新産業創出支援事業

データを暗号化復元化するセキュリティソフトの開発 ひょうご産業活性化ファンド 情 報

企業のプロモーション用映像コンテンツの製作・配信 販路開拓支援事業登録企業

製造技術 コンクリート製建造物の外壁等の超高温水洗浄機械 (財)ひょうご産業活性化センター直接投資

市場ニーズを見据えた革新的な事業に挑戦するオンリーワン企業・ベンチャー

ビジネス等の創出

県内民営事業所の業種別開廃業数

19,8032,056571

9,667

94 2,542 1,861 1,403

-16,413-1,768

-10,958

-550-1,314-2,910

-36-2,972

-20,000

-15,000

-10,000

-5,000

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

・建

・通

・小

・保

サー

ス業

-3,000

-2,000

-1,000

0

1,000

2,000

3,000開業 廃業 増減数

開業廃業数(件)

《総務省「平成16年事業所・企業統計調査(確報)、平成18年事業所・企業統計調査(確報)」》

増減数(件)県内民営事業所の業種別開廃業数

19,8032,056571

9,667

94 2,542 1,861 1,403

-16,413-1,768

-10,958

-550-1,314-2,910

-36-2,972

-20,000

-15,000

-10,000

-5,000

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

・建

・通

・小

・保

サー

ス業

-3,000

-2,000

-1,000

0

1,000

2,000

3,000開業 廃業 増減数

開業廃業数(件)

《総務省「平成16年事業所・企業統計調査(確報)、平成18年事業所・企業統計調査(確報)」》

増減数(件)

96

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第4章 プログラムの基本事項

⑦ 加工組立(ものづくり基盤技術) (産業機械、輸送用機械、電気機械、地場産品など)

日本の製造業は、市場動向を見据え

た製品メーカーの先進的な技術開発

力と高度で多様な部材加工技術を有

する中小製造業との緊密な連携によ

り、自動車、電子・電気機器、精密機

械等の擦り合わせ型の加工組立製品

において優位にある。今後は、川上を

担う中小製造業の基盤となる鋳鍛

造・プレス加工・めっき等の部材加工

技術をさらに高度化し、国際競争力の

強化を図る必要がある。

本県では、蒸気タービン等の産業機械、造船や車両・二輪車等の輸送機械、さらには、

電装品や監視制御装置等の電気機械など、製品メーカーとその部材加工を行う中小製造業

等が多く集積し、兵庫県工業技術振興協議会(15研究会・621社)や(有)アドック神

戸(37社)等の産学官による連携推進組織も構築されている。また、 近は、産業集積

条例の活用等により松下プラズマディスプレイ(株)が尼崎市に世界 大規模のプラズマ

ディスプレイの製造拠点を整備するなど、県内への製造業等の設備投資が活発化している。

そこで、加工組立型産業における製品ニーズの多様化・高度化や取引関係の複線化等に

対応するため、県立工業技術センター等の支援機能を充実し、部材加工等を行う中小製造

業等の技術研究・製品開発を促進するとともに、技術進歩への対応や次世代への技術・技

能の継承のため、ものづくり人材の育成等に取り組む。

【取り組み事例】

取組分野 内 容 制 度 活 用

半導体や液晶製造装置用のアルミニウム合金、マグネシウム合金製

真空容器製造のための摩擦撹拌接合技術の開発

第二創業・新分野進

出支援事業 鋳造技術

金型製品等用にコンピュータの3次元データから立体形状を作製

する技法を応用し、迅速・柔軟な新鋳造法を開発

中小企業技術開発産

学官連携促進事業

めっき技術 液晶用磁石等用にフェライト磁石への密着性の高いニッケルめっ

き技術を開発、製品化

切削技術 微細加工用ドリルなど微小工具の折損を予防するマイクロ機械加

工システムの開発

県立工業技術センタ

ーと企業の共同研究

加工組立製品の高度化等に対応した中小企業等の技術研究、製品開発等の促進

世界75%

日本25%

日本66%

世界34%

世界51%

日本49%

《素材・原材料》

《製造設備》

世界68%

日本32%

《部品》

《最終製品》

情報家電産業の国際シェア

《 経済産業省「平成18年版ものづくり白書」》

川上 川下

世界75%

日本25%

日本66%

世界34%

世界51%

日本49%

《素材・原材料》

《製造設備》

世界68%

日本32%

《部品》

《最終製品》

情報家電産業の国際シェア

《 経済産業省「平成18年版ものづくり白書」》

川上 川下

98

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第4章 プログラムの基本事項

県立工業技術センター、兵庫ものづくり支援センター 等

【現状及び将来の姿】

【製品加工組立を支える中小製造業のイメージ】

【主な施策と支援機関】

・兵庫県工業技術振興

協議会

・産業集積条例の

活用 等

連携・交流・集積

技術開発コストの拡大

透明導電膜

有 機 合 成 プラスチック添加剤

導 光 板

液晶用光学フィルム

PDP用光学フィルム

貼り合わせテープ PDP用バックパネル

材料・加工技術

部 品

終製品

フラットパネル用真空容器

PDP用半導体

薄型ディスプレイパネル

電 子 材 料

ガラス基板

取引関係の複線化 製品ニーズの多様化

・高度化

開発期間の短期化

製造業の国際

競争力の強化

ものづくり基盤技術の高度化

・・・・金型 熱処理切削めっきプレス加工鍛造 鋳造

・技能グランプリ、フ

ェスタの開催

・技能者の顕彰 等

PR・啓発

・「ものづくり大学校

(仮称)」による人

材育成

・職業能力開発訓練

人材育成

・県立工業技術センターによ

る技術開発 等

中小企業等の技術研究・ 製品開発

加工組立製品の高度化等に対応した中小企業等の技術研究、製品開発等の促進

99

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第4章 プログラムの基本事項

⑧ ビジネス・生活支援サービス (試験分析、IT、介護・育児など)

日本経済はサービス経済化が進んでおり、試験分

析・生産管理、システム開発、広告・デザイン、専

門人材教育等のビジネス支援サービス分野、また、

健康・医療、育児・介護支援等の生活支援サービス

分野で大きな成長が予想されている。また、人材不

足が懸念される高齢者介護や障害者の自立生活支

援等の分野においては、地域に密着したサービスを

提供するコミュニティ・ビジネスの成長や商店街の

コミュニティ機能の強化が期待される。

本県でも、県内総生産に占めるサービス業のシェ

アは24.0%(平成17年)で製造業と同程度であ

り、サービス経済化が進んでいる。特に、情報サービス業の年間売上高(平成17年)では、

システム管理(対前年比54.7%増)、ソフトウェア開発(同13.4%増)等が伸びている。

また、兵庫ニューメディア推進協議会等の産官学による連携推進組織が構築され、情報

の高度化やセキュリティ教育を推進するカーネギーメロン大学日本校等の教育機関も立地

している。一方、生活支援サービス分野では、高齢者福祉・介護事業の事業所数(平成16

年・18年比:49.7%増)及び従業者数(同:32.6%増)が大幅に増加している。

そこで、サービスニーズの高度化等に対応したビジネス・生活分野のサービス業の振興

を図るため、(財)ひょうご産業活性化センター等の支援により、技術開発支援や販路開拓、

人材育成に取り組むほか、ITを活用したサービス業の生産性の向上やコンテンツ産業、

コミュニティ・ビジネスの振興、商店街のコミュニティ機能の強化を図る。

【取り組み事例】

取 組 分 野 内 容 制 度 活 用

自動細胞培養技術、ナノ加工、計測技術等を活用した自動化シス

テムの開発

マーケティングナビゲートシ

ステム ビジネス支援サ

ービス 看護・介護記録データの管理システム等の開発 新産業創出支援事業

インターネットTV電話、会議システムの開発 (財)ひょうご産業活性化センター投資

情報サービス ブロードバンド動画情報専門サイトの企画製作

IT活用ビジネス創出支援事業

生活支援サービス 企業内保育園、育児応援サイト等の運営 新産業創出支援事業

コミュニティ・

ビジネス 高齢者・在宅療養者への訪問ヘアカット

コミュニティ・ビジネス創

出・育成支援事業

警報装置を備えた自動販売機の設置 まちのにぎわいづくり 商店街のコミュ

ニティ機能 保育や高齢者の憩いの場の設置 先導的活性化事業

サービスニーズの高度化等に対応したビジネス・生活分野のサービス業の振興

93.9

66.475

51.8

3.93.1

0

20

40

60

80

100

H16 H27

ビジネス支援 健康・福祉 育児支援

(兆円)

(年)

25.8%増

28.2%増

25.2%増

市場規模の見込み(全国)

《経済産業省「新経済成長戦略」(平成18年)》

100

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第4章 プログラムの基本事項

【現状及び将来の姿】

(財)ひょうご産業活性化センター、中小企業支援ネットひょうご 等

サービスニーズの高度化等に対応したビジネス・生活分野のサービス業の振興

事業所向けサービス業等

の事業創出・高付加価値化

・試験分析・生産管理技術等へ

の支援

・新技術・サービス創造支援

人材育成

・ビジネスプラザひょうご の

運営

・コンテンツ産業の振興 等

・コミュニティ・ビジネス創出支援

・生きがいしごとサポートセンタ

ーの運営

・商店街の空き店舗の活用促進

生活支援

サービス

ビジネス

支援

サービス

コミュニテ

ィ・ビジネス

少子高齢社会の到来

・病理学的試験研究・臨床検査、医療・バイオ分野等での自動化システ

ムの開発、IT人材教育・ソフトウェアの開発、看護・介護管理シス

テム等の開発、物流システムの開発 等

・子育て・保育サービス

・介護サービス、高齢者向け宅配サービス、コミュニティレストラン

・作業所との連携による障害者のチャレンジショップ

・地域通貨、地場産品の展示・即売

・子供の見守り活動、地域防災活動、芸術文化活動 等

情報

サービス

サービス経済化 の進展

・インターネットTV電話等の開発、交通流動計測システムの開発、ブ

ロードバンド動画情報サイトの企画製作 等

情報技術革命の進展

ビジネス・生活分野のサービス業の振興

【主な施策と支援機関】

成熟社会・

知識社会化

商店街のコミ

ュニティ機能

生活支援サービス業等の

事業創出・高付加価値化

・情報セキュリティにかかわ

る人材育成 等

・専門人材の育成

・コンテンツ制作人材発掘育

101

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第4章 プログラムの基本事項

《豊かな県土で育まれた

安全安心な「農林水産資源」を生かす》 ⑨ 第六次産業(農水産物、食品加工、流通・販売など)

日本の農水産物は、「高品質」・「安全・

安心」という高い評価を得ており、アジア

諸国の経済発展に伴い、輸出の拡大が予想

されることから、WTO(世界貿易機関)

やFTA(自由貿易協定)において、農林

水産物の自由化が段階的に進むことを視

野に入れ、生産・流通コストの削減や量の

確保、ブランド化による付加価値の向上等

に取り組む必要がある。

本県では、多様な自然環境のもと、山田

錦、あわじ玉葱、但馬牛、松葉ガニ、明石だこなど、高い品質とブランド力を有し、全国

でも高いシェアを占める多彩な農水産物が多数産出されており、これらの県産品を生かし

た安全安心な食づくりや地産地消の取り組みが進んでいる。また、神戸・阪神・大阪等の

大消費地を背景に、本県の食品製造業(飲料・たばこ含む)の出荷額は全国の5.0%(全

国5位)、県内製造業の13.3%を占めており、食品産業は兵庫経済を支える重要な産

業となっている。品目別では、乳製品や肉製品の出荷額が高く、清酒やコーヒー、油脂類

で高いシェアの商品が多い。

そこで、農畜産物の生産をはじめ、食品加工や流通・販売を総合的に行う第六次産業の

振興に向け、県立農林水産技術総合センター等において、農水産物の品質強化と地域の特

長を生かした加工食品の開発等の研究に取り組むとともに、農産加工グループ等へ食品加

工技術の相談指導や技術支援・経営指導を行う。また、産地と食品産業との連携強化によ

る食の安定供給を進めるとともに、直売所の設置及び直売活動参加農家への支援や高品質

な農産物等の輸出促進に取り組む。 【取り組み事例】

取組分野 内 容 制度活用

県産白瓜の奈良漬及び若取り瓜の粕漬製品

明石産のたこ、魚介類を使用した高付加価値タイプのプレミアムレトルトカリー

丹波黒枝豆の剥き豆の素材冷凍加工技術及び丹波黒エダマメの「ゆば包み」

淡路島のくぎ煮の煮汁を有効活用した「無添加お好み焼きソース」

「兵庫県産の黒大豆入り奉天」、「夢前のそば粉入り奉天」

食品産業・

産地連携

新製品開

発事業

加工食品の

開発

どぶろく、焼酎など酒類の製造 県立工業技

術センター

直売所の開

ふぁーみんSHOP八幡(加古川市)、道の駅丹波おばあちゃんの里(丹波市)、

旬菜蔵上郡(上郡町)、久代直売所(川西市)など(平成18年度408カ所)

農産物直

売所整備

促進事業

県産農林水

産物・食品の

輸出

台湾で農産物・水産物・加工食品(55品目/8団体)による「ひょうご農林

水産フェア」を開催

「高品質」「安全安心」ニーズ等に対応した食品産業の製品開発、販路拡大等の促進

(億円)

《農林水産省「21世紀新農政2007」》

(年)

農林水産物・食品の輸出拡大目標(全国)

2,954 3,739

6,000

10,000

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

H16 H18 H21 H27

(億円)

《農林水産省「21世紀新農政2007」》

(年)

農林水産物・食品の輸出拡大目標(全国)

2,954 3,739

6,000

10,000

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

H16 H18 H21 H27

102

Page 21: 第4章 プログラムの基本事項 Ⅰ プログラムにより兵庫経済がめざ … · おける研究開発を重点的に促進するとともに、国家基幹技術である大型放射光施設

第4章 プログラムの基本事項

【主な施策と支援機関】

・地域産品の供給体制の整備

・地産地消の促進

・高品質な農産物等の輸出促

・ひょうご食品認証制度の推

進 等

販路拡大

・認定農業者への支援・育成

・青年農業者等新規就農者の

確保と育成

・女性・高齢農業者への起業

支援 等

・農水産物等の生産技術等に

係る試験研究

・県産品にこだわった新製品

開発

・地域の加工グループの技術

研修 等

人材育成 農水産技術の開発

「高品質」「安全安心」ニーズ等に対応した食品産業の製品開発、販路拡大等の促進

県立農林水産技術総合センター、農業改良普及センター、県立工業技術センター

【現状及び将来の姿】

【全国上位を占める主な食品産業(農水産物・加工食品)など】

品 目 出荷量(額) シェア 順位 主な産地

米 山田錦(酒米) 15,816t 79.9% 1 播磨地域

野菜 たまねぎ 87,900t 9.3% 3 淡路地域

果実 いちじく 1,640t 11.0% 3 神戸・阪神地域

花き類 カーネーション 46,500千本 10.7% 3 淡路地域

畜産物 ブロイラー出荷羽数 12,494千羽 2.1% 9 但馬地域

水産物 ズワイガニ 1,512t 31.2% 1 日本海

ビスケット類・干菓子 48,775 百万円 15.3% - - 食料品

マーガリン 46,509 百万円 10.2% - -

清酒 152,338 百万円 29.7% - - 飲料・

たばこ コーヒー 26,789 百万円 15.5% - -

※平成17年統計調査等による。

食品産業を支える技術開発と販路開拓

地産地消の推進 食品の安定供給

農林水産物の貿易自由化食生活の多様化・高度化

高品質や安全安心

が求められる食品

103

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第4章 プログラムの基本事項

《地域の核となり多様な機能を担う「商業集積」を生かす》 ⑩ 商業・商店街

(商品、対面販売、地域コミュニティ機能等)

我が国では、大型小売業の破綻、吸収・

合併等、流通業界の再編が進み、大型店

同士の商圏競合により、地域間、店舗間

の競争が激しくなっている。また、まち

づくり3法の改正を踏まえ、中心市街地

への都市機能の集約により、まちなか商

業の活性化に取り組む機運が高まってい

る。さらに、人口減少や消費行動の多様

化などにより、地域の商店街は厳しい状

況にあることから、地域特性を生かした

商店街づくりに取り組む必要がある。

本県の卸・小売業は、県内総生産の

9.9%、県内事業所の28.3%、県内従業者数の22.7%を占めている。平成6年

から16年では、売場面積は増加しているが、事業所数や年間商品販売額は減少している。

特に、神戸・阪神・播磨地域では、大規模商業集積の形成や大型店の出店が進み、大阪な

どとの商圏競合により競争が激しくなっている。一方、地域の商店街では、地場産業や特

産品、歴史文化など地域特性を生かした商品・サービスの提供はもとより、安心・安全な

どの地域コミュニティ機能を担う動きも見られる。

そこで、都市再生などにより地域の核となる大規模商業集積の形成・高度化を促進する

とともに、大型店の出店等に伴うまちなか商業の活性化や地域特性を踏まえた商店街の魅

力創出・活性化を図るため、(財)ひょうご産業活性化センターや商工会議所・商工会、まち

づくり会社等が連携して、まちづくりと一体となったイベントの実施やリーダー養成、商

店継承、空き店舗活用、基盤施設整備などに対して、効果的・効果的な支援に取り組む。

【取り組み事例】

取 組 分 野 内 容 制 度 活 用

大規模商業集積の形成・高度化

三宮駅南地区、阪神尼崎駅南地区、伊丹市中心市街地地区、芸術文化センター周辺地区、宝塚市中心市街地地区、JR加古川駅周辺都心再生地区など

都市再生事業

阪神タイガースの地元商店街としてのブランド化 中心市街地活性化

まちなか元気商店街創造事業 中小企業活性化基金

まちと市場の情報発信、小中学生の宿題ルーム、各種教室 空き店舗活用支援事業空き店舗対策

乳幼児の一時預り所を含む子育て支援施設

清酒や和菓子等を生かしたオリジナル商品の開発 地域資源を 生かした活性化 地場産業との連携によるオリジナル鞄の展示、工房の設置

先導的活性化事業

地域の核となる商業集積の形成・高度化と多様な機能を担う商店街の活性化

1.2

53.4

18.9

31.4

36.6

45.1

40.9

68.2

60.7

79.3

0 20 40 60 80 100

その他

通信販売・インターネット

近所以外の中小店

近所以外のコンビニエンスストア

近所以外の量販専門店

近所以外の大型店

近所の中小店

近所のコンビニエンスストア

近所の量販専門店

近所の大型店

(%)

日常的に利用する場所・業態(全国)

〈(株)三菱総合研究所「消費者実態アンケート調査〉

1.2

53.4

18.9

31.4

36.6

45.1

40.9

68.2

60.7

79.3

0 20 40 60 80 100

その他

通信販売・インターネット

近所以外の中小店

近所以外のコンビニエンスストア

近所以外の量販専門店

近所以外の大型店

近所の中小店

近所のコンビニエンスストア

近所の量販専門店

近所の大型店

(%)

日常的に利用する場所・業態(全国)

〈(株)三菱総合研究所「消費者実態アンケート調査〉

104

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第4章 プログラムの基本事項

105

流通業界の再編

地域間、店舗間 の 競 争 激 化

地域の核となる商業集積・

商店街の活性化

【商業・商店街の活性化に向けた取り組みイメージ】

まちづくりと一体となった商業集積、地域特性を生かした商店街の活性化

【主な施策と支援機関】

【現状及び将来の姿】

まちなかへの商業集積の機運

地域の商店街

<特色ある取り組み>

播州織(西脇)

豊岡かばん(宵田)

映画文化(長田)等

まちなか商業

<中心市街地活性化>

大型店出店対策

空き店舗活用 等

大都市圏の

商業集積

地域の核となる大規模商業集積 <都市再生など> 三宮、尼崎、伊丹、 西宮、宝塚 加古川 等

商圏競合

地域商店街の衰退

商業集積の形成・高度化 まちなか商業の再活性化 特色ある商店街づくり

・市街地整備、都市再生等によ

る大規模商業集積の形成・高

度化の促進

・中心市街地での商店街活性

化への支援

・大型店の出店に伴うまちな

か商業の再活性化

・空き店舗活用への支援

・商店街活性化プログラムの

推進

・地域特性を踏まえた成功事

例の創出支援

・商店街組織の強化と若手リ

ーダー等の養成

・事業継承支援 等

地域の核となる商業集積の形成・高度化と多様な機能を担う商店街の活性化

(財)ひょうご産業活性化センター、中小企業支援ネットひょうご 等

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第4章 プログラムの基本事項

《歴史文化・自然など多彩で豊かな「観光資源」を生かす》

⑪ 観光・ツーリズム (宿泊、飲食、レジャー、芸術・文化、特産品など)

人口減少社会の到来や国際交流の進

展が見込まれるなか、観光消費は宿泊

業、運輸業等の観光関連産業のみなら

ず、幅広い産業に経済波及効果をもた

らすことから、地域経済の活性化に寄

与する21世紀の有力な成長産業とし

て大きな関心を集めている。平成19

年1月に観光立国推進基本法が施行さ

れ、21世紀の我が国の重要政策に「観

光」が位置づけられた。また、団塊世代の退職に伴う余暇時間の増大等により、旅行者の

ニーズが多様化・高度化するなか、テーマ性や体験志向の強い新たな旅の形が関心を集め

るなど、交流人口の拡大に向けた魅力ある地域づくりや国際観光の振興等の必要性が高ま

っている。

日本の縮図と言われる本県には、歴史文化・自然景観・保養レジャー施設・食文化・産

業等、多彩な観光資源が存在し、平成18年度の観光客入込数は1億3327万人で、3

年連続で前年度を上回り、訪日外国人旅行者数も54万人で前年を上回った。また、平成

17年度の県内観光消費額も1兆815億円、前年度比104.4%と大幅に増加している。

そこで、交流人口の拡大によるさらなる地域の活力創出に向け、「ひょうごツーリズム

ビジョン後期行動プログラム」に基づき、観光関連産業や(社)ひょうごツーリズム協会、

フィルムコミッション団体等と連携しながら、大型観光交流キャンペーンに向けた観光・

ツーリズム資源の発掘による地域の魅力づくり、観光ボランティアガイドの活動支援、特

産品の販路開拓、観光・ツーリズム情報の発信などに取り組む。

【取り組み事例】

取組分野 内 容 制度活用等

歴史景観形成地区歴史・文化

龍野地区の自然と調和した歴史的景観の保全(たつの市)

ひょうご・芸術文化あふれるまちづくり計画(西宮市) 等

自然・環境

神戸観光再生計画(神戸市)、北はりま都市と農山村の交流の郷づくり

計画(北播磨)、西播磨「水と緑の郷」特区(西播磨)、但馬・コウノ

トリ翔る郷づくり計画、くにうみツーリズム特区(淡路) 等

地域再生計画

構造改革特区計画

産 業 湊川隧道(会下山トンネル)(神戸市)、銀の馬車道(中播磨)、鉱石の道

(但馬)、鐘ヶ坂峠記念公園(丹波市) 等 産業ツーリズム

交流人 ボランティアガイドに対する研修や情報交流会の実施、地域の多様な

主体の協働による体験観光プログラムの企画・開発 等

「体験観光」推進団

体育成助成

プロモー

ション

映画やテレビドラマなどのロケ誘致支援活動(神戸、姫路、城崎、丹

波篠山、淡路島等) 等

ひょうごロケ支援

Net

人口減少社会を見据えた交流人口の拡大による地域の活力創出

23,923

1,1012,156

22,780

2,4811,645

15,000

17,000

19,000

21,000

23,000

25,000

27,000

29,000

31,000

H17 H22

(10億円) 国内観光消費額の推計結果

(年度)

日本人国内消費額

訪日外国人旅行消費額

余暇増大の影響

団塊世代の影響

《国土交通省「平成19年度観光白書」》

106

Page 25: 第4章 プログラムの基本事項 Ⅰ プログラムにより兵庫経済がめざ … · おける研究開発を重点的に促進するとともに、国家基幹技術である大型放射光施設

第4章 プログラムの基本事項

【現状及び将来の姿】

飲食店 宿泊業 特産品

交流人口拡大による

地域の活力創出

旅行サービス

人口減少社会

国際交流の進展

ひょうごの観光・ツーリズムの推進

観光消費の経済波及効果

団塊世代の余暇増大

運輸業 ・・・

【観光・ツーリズム資源】

目 的 分 類 観光・ツーリズム資源

社寺参拝 西宮神社(西宮市)、清荒神(宝塚市)等

まつり 灘のけんかまつり(姫路市)、丹波篠山味祭り(篠山

市)等 鑑賞型

施設見学等 六甲摩耶地区(神戸市)、姫路城(姫路市)等

温泉 城崎温泉(豊岡市)、有馬温泉(神戸市)等 行楽型

公園・遊園地 王子公園(神戸市)、有馬富士公園(三田市)等

ゴルフ・テニス ゴルフ場(三木市・加東市)等 スポーツ型

海水浴・ヨット 須磨(神戸市)、竹野浜・浜須井・切浜(豊岡市)等

ツーリズム型

グリーンツーリ

ズム、エコツーリ

ズム

兵庫楽農生活センター(神戸市)、ふるさとの森公園

(加東市、篠山市他)、コウノトリの郷公園(豊岡市)、

農林水産体験ファーム、ひょうご環境学校 等

動態調査報告書等

※平成17年度兵庫県観光客

(社)ひょうごツーリズム協会、(社)兵庫県物産協会、フィルムコミッション団体 等

人口減少社会を見据えた交流人口の拡大による地域の活力創出

地域づくり プロモーション 国際ツーリズム

・観光地活性化の取

り組み支援

・産業ツーリズムの

推進

・県特産品の販路開

拓 等

・大型観光交流キャン

ペーンの推進

・ひょうごロケ支援

Net事業の展開

・近隣府県との連携に

よる観光PR 等

・ひょうごツーリスト・イン

フォメーション・デスクに

よる海外旅行者への

情報提供

・訪日教育旅行の受入

促進 等

交流人づくり

・「体験観光」推進団

体の育成支援

・観光ボランティア

ガイドの活動支援

【主な施策と支援機関】

107

Page 26: 第4章 プログラムの基本事項 Ⅰ プログラムにより兵庫経済がめざ … · おける研究開発を重点的に促進するとともに、国家基幹技術である大型放射光施設

第4章 プログラムの基本事項

3 多様な雇用就業ニーズへの対応

《産業や地域の活性化を支える優れた「人材」を生かす》 ⑫ 団塊世代や若年者、女性の雇用就業

(豊富な経験や高い能力・意欲で産業や地域の活性化に貢献)

我が国では、好調な輸出や投資の拡

大等に牽引され景気の拡大局面が続い

ているが、企業規模や業種、雇用形態

等によっては雇用のミスマッチが生じ

ており、特に中小企業では産業を支え

る人材の確保が厳しい状況となってい

る。また、団塊世代の退職による技能・

技術の継承も課題であり、少子高齢化

の進展による労働力人口の減少も現実

の問題となりつつある。今後、産業や

地域の活性化を推進するため、団塊世代などの高年齢者や若年者、女性などの多様な雇用

就業環境を整備するほか、企業ニーズにマッチした職業能力開発を行う必要がある。

本県では、昭和22~24年生まれの団塊世代が、全労働力人口の8.2%を占めてお

り、豊富な技能・技術を持つ人材の活用をはかる必要がある。また、本県で実施した求職

者アンケート調査結果によると、「正規社員・フルタイム」を希望する者が9割あり、就職

氷河期を経験した求職者(25~34歳)も「正規社員」を希望している者が多い。さら

に、女性の潜在的な労働力率(15歳以上人口に占める労働力人口及び非労働力人口のう

ち就業希望者の割合)も高いことから、若年者や女性の雇用就業を拡大する必要がある。

そこで、団塊世代については、培ってきた能力や実務経験を踏まえた就職相談や求人企

業とのマッチングによる早期就職、シルバー人材センターによる就業機会の創出、生きが

いしごとサポートセンターによるコミュニティ・ビジネスの起業などを支援する。また、

若年者については、若者しごと倶楽部によるワンストップの支援や企業の人材ニーズを踏

まえた職業能力開発への支援を行うほか、女性については、妊娠や出産、育児に伴い退職

した女性等の就職や起業、地域活動等へのチャレンジを総合的に支援する。

【取り組み事例】

取 組 分 野 内 容 制 度 等

団塊世代等の高年齢者 配食サービスや子どもの健全育成、有機野菜の生

産・販売等のコミュニティ・ビジネスの起業支援

生きがいしごとサポートセ

ンター

若 年 者 建築CADコースやオフィスビジネスコース等の

座学と企業の実践を組み合わせた人材育成支援

実務・教育連結型人材育成

システム(デュアルシステム)

女 性

出産、育児等のために退職し、再び就職や地域活動

等にチャレンジする女性等を対象とした情報提

供・相談などによるワンストップ支援

ひょうご女性チャレンジひ

ろば

多様で柔軟な雇用就業環境の創出と職業能力開発支援による雇用就業の実現

(歳)

43.5

13.8

65.2

73.980.780.476.375.883.879.7

27.6

71.8

13.8

40.1

60.868.574.3

70.675.4

63.162.7

16.9

43.9

66.2

38.0

48.857.861.5

59.9

54.042.6

12.8

21.7

0 .0

10 .0

20 .0

30 .0

40 .0

50 .0

60 .0

70 .0

80 .0

90 .0

15~19

20~24

25~29

30~34

35~39

40~44

45~49

50~54

55~59

60~64

65以上

潜在的な女性の労働力率(H17年)

女性の労働力率(H17年)

女性の労働力率(S50年)

年齢階級別女性の労働力率(全国)(%)

《総務省「労働力調査」》

※潜在的な女性の労働力率:15歳以上人口に占める労働力人口及び非労働力人口(調査期間中収入になる仕事を少しもしなかった人のうち、休業者及び完全失業者以外の人)のうち就業希望者の割合

(歳)

43.5

13.8

65.2

73.980.780.476.375.883.879.7

27.6

71.8

13.8

40.1

60.868.574.3

70.675.4

63.162.7

16.9

43.9

66.2

38.0

48.857.861.5

59.9

54.042.6

12.8

21.7

0 .0

10 .0

20 .0

30 .0

40 .0

50 .0

60 .0

70 .0

80 .0

90 .0

15~19

20~24

25~29

30~34

35~39

40~44

45~49

50~54

55~59

60~64

65以上

潜在的な女性の労働力率(H17年)

女性の労働力率(H17年)

女性の労働力率(S50年)

年齢階級別女性の労働力率(全国)(%)

《総務省「労働力調査」》

※潜在的な女性の労働力率:15歳以上人口に占める労働力人口及び非労働力人口(調査期間中収入になる仕事を少しもしなかった人のうち、休業者及び完全失業者以外の人)のうち就業希望者の割合

108

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第4章 プログラムの基本事項

109

ひょうご・しごと情報広場、シニアしごと倶楽部、シルバー人材センター、生きがい

しごとサポートセンター、若者しごと倶楽部、ひょうご女性チャレンジひろば 等

多様で柔軟な雇用就業環境の創出と職業能力開発支援による雇用就業の実現

高年齢者の雇用就業支援 若年者の雇用就業支援 女性の雇用就業支援

・就職相談や求人企業とのマッ

チング

・就業ニーズに対応した臨時

的・短期的な就業機会の創出

労働力人口の減少 団塊世代の退職に伴う技能継承問題 団塊世代や若年者、女性

などの多様な人材の活用

【主な施策と支援機関】

【現状及び将来の姿】

【育児休業制度の充実】

・長期間取得可能な育児休業制度 ・こまやかな情報提供等による職場復帰支援

・育児休業中の代替要員としてOB・OGの活用

【仕事と生活の調和のとれた多様な労働条件の整備】

・子どもが小学校に就学するまで時間外勤務を制限

・半日や時間単位で取得できる休暇制度 ・育児目的にも活用できるテレワーク 等

女性の雇用就業支援

団塊世代など高年齢者の雇用就業・生きがい就労支援

【雇用の確保】

・定年の引き上げ ・継続雇用制度の導入

【生きがいしごとの創出】

・福祉、子育て支援 ・まちづくり、環境保全 ・芸術、文化、イベント企画 等

若年者の自立・雇用就業支援

【職業能力開発】

・実務・教育連結型人材育成システム(デュアルシステム)の実施

・公共職業訓練インターンシップの実施

・民間における職業能力訓練への支援 等

人手不足 雇用のミスマッチ

・ひょうご女性チャレンジひ

ろばによる情報提供・相談

・事業所内保育施設の整備推

・実務・教育連結型人材育成

システム 等

・若者しごと倶楽部による若

年者の就職相談・職業適性

診断・キャリアカウンセリ

ング・職業紹介

・コミュニティ・ビジネスの起

業・就業支援 等

Page 28: 第4章 プログラムの基本事項 Ⅰ プログラムにより兵庫経済がめざ … · おける研究開発を重点的に促進するとともに、国家基幹技術である大型放射光施設

第4章 プログラムの基本事項

Ⅳ プログラムの基本方向とプロジェクト体系

1 兵庫経済の持続的な成長

次世代を担う新たな産業の創出・育成をめざして、先端技術分野での研究開発や企業誘

致、経済交流を促進するとともに、革新に挑戦する中小企業への支援に取り組む。また、

ものづくり基盤技術の向上やブランド戦略等により、熟練の技から先端の科学・技術まで

を有する本県のものづくり産業の競争力強化を図るとともに、生産・雇用・消費の好循環

を創出し、兵庫経済の持続的な成長につなげていくため、商業集積の形成・高度化や多様

な機能を担う商店街の活性化を図るほか、ビジネスや生活を支援するサービス業等の振興

などに取り組む。あわせて、観光・ツーリズムなどを通じた交流の拡大により地域の活力

を創出する。

<基本方向1> 成長産業の育成と基幹産業の競争力強化

[プロジェクト①]新たな産業を創出する先端技術研究開発と経済交流の促進

○ 次世代成長産業の育成

・大型放射光施設SPring-8やX線自由電子レーザー等を活用したナノ

技術研究開発への支援

・次世代スーパーコンピュータの立地に向けた研究開発支援体制の整備

・研究基盤集積「リサーチHUB兵庫」の情報発信

・兵庫ものづくり支援センター等による先端技術研究開発への支援

・(財)新産業創造研究機構等による産学官連携の推進

○ 企業・研究所の誘致と国際経済交流の推進

・国内外からの企業・研究所の誘致 ・国際経済交流の推進

【地域の資源を生かした取り組み分野】 ①ナノ、②情報通信・エレクトロニクス、

③健康・医療、④環境・エネルギー、⑤ロボット(人工知能)

○ 中小企業の経営革新と新産業・新事業創出の促進

・(財)ひょうご産業活性化センター等による経営支援

・ひょうご21世紀産業創造戦略による新産業・新事業の創出

○ 中小企業の新たな挑戦を支える金融の円滑化

・中小企業融資制度による支援

・中小企業者に対する多様な資金供給と信用補完制度の推進

・小規模企業者等の設備導入の促進

[プロジェクト②]個性を発揮し、革新に挑戦する光る中小企業の創出

【地域の資源を生かした取り組み分野】 ⑥オンリーワン企業・ベンチャービジネス、

⑦加工組立、⑧ビジネス・生活支援サービス

110

Page 29: 第4章 プログラムの基本事項 Ⅰ プログラムにより兵庫経済がめざ … · おける研究開発を重点的に促進するとともに、国家基幹技術である大型放射光施設

第4章 プログラムの基本事項

[プロジェクト③]兵庫の強みであるものづくり産業の競争力強化

○ ものづくり技術の高度化の推進

・県立工業技術センターによる技術研究開発への支援

・ものづくり現場改善と産学交流の推進

○ 県産資源を生かした食品加工・販売の促進

・食品加工に係る技術指導、商品開発への支援

・県産品の消費拡大と販売の促進

○ ものづくり人材の育成と技能・技術の振興

・「ものづくり大学校(仮称)」の整備 ・ものづくり技能・技術の振興

○ ひょうごブランド戦略の推進

・ひょうごブランド戦略等の推進 ・伝統工芸品産業の振興

【地域の資源を生かした取り組み分野】 ①~⑤、⑦加工組立、⑨第六次産業

[プロジェクト④]豊かさの実感につながる商業・サービス業の活性化

○ 商業集積の形成・高度化と多様な機能を担う商店街の活性化

・地域の核となる大規模商業集積の形成・高度化の促進

・大型店の出店等に伴うまちなか商業の再活性化への支援

・地域特性を踏まえた商店街の魅力創出・活性化への支援

○ サービス業等の振興

・ビジネス支援サービス業の振興 ・情報関連産業の振興

・生活支援サービス業の振興 ・コミュニティ・ビジネスの振興

【地域の資源を生かした取り組み分野】 ②情報通信・エレクトロニクス、

⑧ビジネス・生活支援サービス、⑩商業・商店街

<基本方向2> 地域資源を活用した交流の拡大

[プロジェクト⑤]交流の拡大による地域の活力創出

○ 観光・ツーリズムの推進

・地域の魅力や観光資源等を生かした地域づくりと交流人づくり

・効果的なプロモーションの推進 ・国際ツーリズムの推進

○ 国際交流の推進

・国際交流基盤の整備 ・海外におけるネットワークの形成

・友好交流・国際協力の推進

・外国人が安全で安心して生活できる社会の実現

【地域の資源を生かした取り組み分野】 ⑪観光・ツーリズム

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Page 30: 第4章 プログラムの基本事項 Ⅰ プログラムにより兵庫経済がめざ … · おける研究開発を重点的に促進するとともに、国家基幹技術である大型放射光施設

第4章 プログラムの基本事項

2 多様で安定した雇用就業の実現

人口減少・少子高齢社会の到来、団塊世代の大量退職、終身雇用制や年功序列型賃金体

系の終焉、雇用就業形態の多様化など、急激に変化する雇用環境に的確に対応しながら、

若年者、中高年齢者、女性、障害者などの多様な就業ニーズを踏まえたきめ細かな支援に

より、県民誰もが意欲と能力に応じて生き生きと働くことができる機会を提供するととも

に、職業能力の開発等により生活の自立につながる安定した雇用就業の実現を図る。

<基本方向3> 多様で安定した雇用就業の実現

[プロジェクト⑥]多様で安定した雇用就業機会の確保

○ しごと情報の提供ときめ細かな雇用就業支援

・中小企業等の人材確保への支援

・求職者への総合的なしごと情報の提供

・年長フリーターなど若年者の自立・雇用就業支援

・団塊世代など高年齢者の雇用就業・生きがい就労支援

・女性の雇用就業支援

・障害者の雇用就業支援

○ 多様で柔軟な雇用就業環境の創出促進

・多様で安定した雇用就業の実現に向けた労使コミュニケーションの

促進

・仕事と生活の調和に配慮した雇用就業環境の創出

○ セーフティネットの整備

○ 企業のニーズを踏まえた職業能力開発への支援

・公共職業能力開発施設による職業能力開発への支援

・民間職業能力開発への支援

・兵庫しごとカレッジシステムによる職業能力開発への支援

・新たな能力開発システムの推進

[プロジェクト⑦]職業能力開発による安定した雇用就業の実現

【地域の資源を生かした取り組み分野】 ⑫団塊世代や若年者、女性の雇用就業

【地域の資源を生かした取り組み分野】 ⑫団塊世代や若年者、女性の雇用就業

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第4章 プログラムの基本事項

【プログラムの概念図】

※県民局施策も各プロジェクトの中で展開

1 成長産業の育成と基幹産業の競争力強化 2 地域資源を活用し

た交流の拡大 [ターゲット]

兵庫経済を牽引する

産 業 分 野

●オンリーワン企業、ベンチ

ャービジネス

●加工組立

●ビジネス・生活支援サービス

●第六次産業

●商業・商店街 ●観光・ツーリズム

[ターゲット] 兵

観光・ツーリズム

国 際 交 流

●友好交流・国際協力

●外国人県民・留学生の

安全・安心など

●観光資源等を生かした地域

づくりと交流人づくり

●効果的なプロモーション

●海外からの誘客など

④商業・サービス業の活性化

③ものづくり産業の競争力強化

②光る中小企業の創出

①先端技術研究開発と経済交流の促進

⑤交流の拡大による地域の活力創出

施策展開

グローバル市場 での飛躍をめざす

先端技術分野

中長期的対応 現 在

中小企業の力研究教育機関 内 外 の ●ナノ 成

●情報通信 ・エレクトロニクス

●健康・医療 ●環境・エネルギー ●ロボット(人工知能)

3 多様で安定した雇用就業の実現

多様な雇用就業ニーズへの対応

【求職者】

●団塊世代や若年者、女性などの多様な働き方に対応

した雇用就業機会の確保など

【企 業】

●高度技術者の確保、サービス人材の育成など

【雇用就業環境】

●仕事と生活の調和 ●セーフティネットなど

[ターゲット]

⑥多様で安定した雇用就業機会の確保

施策展開

⑦職業能力開発による安定した雇用就業の実現

長 観 光 資 源企

業 農林水産資源の

誘 致

商 業 集 積

就業需要の誘発

人 材

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