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51協会だより 三重県高圧ガス安全協会 三重県高圧ガス地域防災協議会 三重県高圧ガス溶材組合 平成25年1月

第51号 協会だより”会... · 2013. 2. 4. · 協会だより 第51号 新年のご挨拶 ・三重県高圧ガス安全協会長 ・・・・・・・・ 1 ・三重県防災対策部長

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  • 第51号

    協会だより

    三 重 県 高 圧 ガ ス 安 全 協 会

    三重県高圧ガス地域防災協議会

    三 重 県 高 圧 ガ ス 溶 材 組 合

    平成25年1月

  • 協会だより 第51号

     

    新年のご挨拶

     ・三重県高圧ガス安全協会長 ・・・・・・・・ 1

     ・三重県防災対策部長 ・・・・・・・・ 2

    三重県からのお知らせ

     ・三フッ化窒素に関する法令改正について ・・・・ 3

     ・高圧ガス移動中の事故防止について ・・・・・・・・ 4

     ・高圧ガス事故発生の状況 ・・・・・・・・ 6

     ・高圧ガス移動車両路上点検結果 ・・・・・・・・ 7

    法令遵守について ・・・・・・・・ 8

    保安大会

     ・三重県保安大会 ・・・・・・・・ 10

     ・中部高圧ガス保安大会 ・・・・・・・・ 10

     ・高圧ガス保安全国大会 ・・・・・・・・ 11

    受賞者のことば

     ・経済産業大臣表彰を受賞して ・・・・・・・・ 12

     ・中部近畿産業保安監督部長表彰を受賞して ・・・・ 13

     ・高圧ガス保安協会会長表彰を受賞して ・・・・ 14

    コンプライアンスシリーズ(№6)

     ・容器への高圧ガスの充てん ・・・・・・・・ 15

    高圧ガス移動防災訓練に参加して ・・・・・・・・ 19

    新会員のご紹介

     ・㈱ウエキコーポレーション 中部支店 四日市営業所 21

    我が社の保安管理

     ・KHネオケム㈱四日市工場 ・・・・・・・・ 23

     ・ジャパンファインプロダクツ㈱三重工場 ・・・・ 25

    容器保安対策指針の解説(その4) ・・・・・・・・ 27

    高圧ガス輸送・移送防災講習会 危険物運搬車両路上点検 30

    弥・味・嘉さんのひと言(第6回)

     ・二日酔い ・・・・・・・・ 31

    消防機関高圧ガス講習会の開催 ・・・・・・・・ 33

    高圧ガス消費事業所保安講習会 ・・・・・・・・ 35

    25年度上期講習会のお知らせ(KHK中部支部) ・・・・ 36

    24年度 高圧ガス製造保安責任者等試験結果 ・・・・ 37

    新刊図書のご紹介 ・・・・・・・・ 39

    図書販売のご案内 ・・・・・・・・ 40

    編集後記 ・・・・・・・・ 41

    表紙写真:工場萌え(鈴木氏撮影)

    -  目  次  -

  • 新年のご挨拶

    三重県高圧ガス安全協会

    会長 永 廣 泰 久 (JSR(株)四日市工場 常務執行役員工場長)

    平成25年の新春を迎え、会員の皆様ともども新年のお慶びを申しあげます。

    昨年 5 月に会長に就任後、皆様のご支援、ご協力により大きな問題もなく当協会の

    運営に携わっております。 今年も引き続きご理解、ご支援を賜りますよう宜しくお願い致します。

    昨年は欧州の金融・財政問題、中国・東南アジア地域の景気減速、又、政治外交問

    題も絡み、景気の面ではなかなか良い材料のない事業環境でありました。こういった

    状況は今年も当面継続するであろうと思われます。他方、安全面では石油化学工場で

    死傷者を伴う大きな事故が複数発生し、安全管理はもとよりサプライチェーンを含め

    国内外に大きな影響を及ぼしました。石油化学に関する物質を扱う同業者として、

    これらを重大に受け止め他山の石とし、従来にも増して事故防止に取り組まなければ

    と思っております。 このような環境の中で、会員各社の皆様におかれましては高圧ガスの事故防止に

    日夜懸命に取り組まれていることと存じます。いうまでもなく安全の確保は企業活動

    の基本であり、これなくして事業運営はあり得ません。又、社会からは事業者に対し

    事故を起こさないことが強く求められております。事故を未然に防止するには自社で

    起こったヒヤリハット等を謙虚に社内に周知すると共に、他社での事故事例を収集・

    解析して原因を深堀する。そして自社で起こる可能性があるのかないのかを予断を

    持たずに判断し、可能性のあるものに対しては事前の対策を講じることが必要です。 他で起ったことは自社でも必ず起る前提で、如何にそれを起さないようにするかを

    真剣に考える必要があります。 協会といたしましては、本年も監督官庁のご指導のもと、会員の皆様とよくコミュ

    ニケーションをとり、保安の強化・継続に尽力したいと考えております。 当協会の活動に関しまして本年も昨年同様皆様のご支援、ご協力を賜りますよう宜

    しくお願い申し上げます。 最後になりましたが、本年が会員の皆様にとって良い年になりますよう祈念致しま

    して、新年のご挨拶とさせて頂きます。

    -1-

  • 新年の御挨拶

    三重県防災対策部

    部 長 稲 垣 司 平成25年の新春を迎え、謹んで新年の御挨拶を申し上げます。

    貴協会並びに会員の皆様におかれましては、平素から高圧ガスの保安の確保に積極

    的に取り組んでいただいておりますことに厚く御礼申し上げます。

    三重県では、昨年4月に、「県民力でめざす『幸福実感日本一』の三重」を基本理念

    とした「みえ県民力ビジョン」を策定しました。防災対策については、「減災」の考え

    方を重視し、「自助」「共助」を軸とした県民力による地域防災力の向上と、それを支

    える施設整備や体制づくりなどの「公助」の取組を進めていくこととしています。

    「みえ県民力ビジョン」では、緊急に対処すべき重要な課題に対応する10本の緊急

    課題解決プロジェクトの一つに「命を守る緊急減災プロジェクト」を位置づけ、全庁

    的に防災・減災対策に取り組むこととしています。このプロジェクトの中で、「地域

    防災計画」の見直しや、新たな「地震被害想定調査」の実施、そしてこれらを踏まえ

    た「新地震対策行動計画(仮称)」等、新たな地震・防災対策の策定を計画しています。

    この「新地震対策行動計画(仮称)」は、単に県の計画にとどまることなく、県内

    市町や防災関係機関、さらには県民の皆様に参画を求め、県が一体となった防災・

    減災に向けた行動をより一層推進していきたいと考えています。

    また、高圧ガス等の保安の確保については、「みえ県民力ビジョン」を構成する施策

    の中に位置づけ、適正な保安の確保を図ることとしています。 高圧ガス事故に関しては、平成24年の全国の事故件数は6月末時点で461件であり、

    このうち2件で人命を失うような重大事故が発生しています。

    県内においては、皆様方の御努力で、死者・重傷者の発生する事故は起きていない

    ものの、容器の喪失・盗難を除いた事故件数が、10月末時点で20件発生しています。

    この中には、可燃性ガスの漏えい・火災など、ひとつ間違えれば大事故に繋がるお

    それのある事故も見受けられます。 県といたしましても安全で住みよい社会の実現のため、今後も県内の高圧ガス事故

    ゼロを目標として取り組んでまいりたいと考えておりますので、皆様方におかれまし

    ても保安の確保により一層御尽力いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 最後に貴協会の益々の御発展と、会員の皆様方の御健勝と御活躍を心からお祈り

    するとともに、本年が事故・災害の無い良い年になることを切に願い、新年の御挨拶

    といたします。

    -2-

  • 三フッ化窒素に関する法令改正について

    近年、需要の増加に伴い、三フッ化窒素による事故が増加しており、平成21年

    には、近隣住民の方々や住家にも被害が及ぶような大規模な爆発火災事故も発生

    しています。

    このような現状を踏まえ、三フッ化窒素の製造、貯蔵、移動、消費、廃棄の

    各段階における保安を確保するため、高圧ガス保安法の技術上の基準が平成23年

    8月26日、例示基準が平成24年6月27日に改正されました。

    1.技術上の基準の追加

    (1)小火災の防止

    ①断熱圧縮や流体摩擦に配慮したバルブ操作を行うこと

    ②三フッ化窒素を取り扱う設備・容器の内面から可燃物を除去すること

    (2)延焼の防止

    ①三フッ化窒素を取り扱う施設等に消火設備等を設置すること

    ②三フッ化窒素の充塡場所から可燃物を撤去すること

    ③三フッ化窒素の消費施設から一定距離内での火気の使用を制限すること

    (3)容器等の破裂防止

    ①充塡場所、容器置場への延焼を防止する措置を取ること

    ②車両による移動の際に消火器等を携行すること

    2.機能性基準の運用について(例示基準)の改正

    (1)既存例示基準項目の修正

    ①防消火設備

    ②移動時に携行する消火設備並びに資材等

    (2)新規例示基準項目の追加

    ①容器が破裂することを防止するための措置(三フッ化窒素)

    三フッ化窒素を取り扱われている事業者、これから取り扱う予定の事業者に

    おかれましては、法令に基づいた適切な設備の運用を行われますようお願いいた

    します。

    三重県からのお知らせ

    -3-

  • 高圧ガスの移動中の事故防止について

    高圧ガスの移動中の事故防止について、経済産業省商務流通保安グループ高圧ガス

    保安室長から、下記の情報提供がありました。 高圧ガス移動中の事故防止については、常に留意されておられるとは存じますが、

    さらに配意していただき、事故防止に努めていただきますようお願いいたします。 平成 24年 11 月 8日付け、24高圧第 11号 三重県防災対策部消防・保安課長あて

    高圧ガスの移動中の事故防止について(要請)

    平成 24 年 10 月 1 日付け 24 高圧第 3 号「危険物運搬車両に対する指導取締りの実施について」にて、

    11 月 1 日から 30 日までの間、各都道府県警察により高圧ガスを含む危険物運搬車両に対する指導取締りが

    実施されることとなっており、実効ある取締りとなるように都道府県等に対し協力の依頼をさせて頂きました。

    こうした中で、当該取締りの実施期間前ではありますが、10 月 6 日、中央自動車道において、LP ガス容器

    を積載していたトラックが横転し、積載していたLPガス容器35本が落下し、このうち4本が炎上、2本が破裂、

    1 本が約 200m 離れた小学校に落下するという事故が発生しました。本事故は高圧ガス保安法の移動中の

    事故に当たり、現時点までの調査によるとトラックは運転手の漫然運転が原因で横転し事故に至ったもので

    あり、高圧ガス保安法令の違反はなかったとの報告を受けています。事故の概要は別紙をご参照ください。

    今回の事故では、幸いにも人的被害は生じませんでしたが、人的被害が発生するおそれのあった事故と

    考えられます。このため、貴県に対し、今回の事故の概要について情報提供を行うとともに、高圧ガスに係る

    関係団体に対し、別添のとおり、高圧ガス保安法令に基づく移動の基準の遵守に加え、高圧ガスを車両に

    積載して移動する際の車両の安全運行への配慮を要請しましたので、お知らせします。

    別紙

    〈事故概要〉

    1.事故の種類:高圧法(移動) 中央自動車道 LP ガス火災・破裂事故(仮称)

    2.発生日時(曜日):平成 24 年 10 月 6 日(土)10 時 43 分

    3.発生場所:中央自動車道下り 61.8KP 左ルート (大月市富浜町鳥沢字小神 2697 番地)

    4.事故の概要:

    A社の運転手と保安業務員が乗った車両により、A社の関連会社から大月市市内の一般消費者へLP

    ガス容器を向け輸送中、中央自動車道下り 61.8KP 付近において、運転手の漫然運転(原因は引き続き

    調査中)により、横転した。本事故は自損事故かつ物損事故。

    その横転の衝撃により、積み荷(LP ガス 50kg 容器×18 本、同 30kg 容器×2 本、同 20kg 容器×15 本

    合計 35 本)が路上に散乱した。

    散乱した容器のうち、

    ・50kg 容器 4 本から噴出・出火。

    (横転の衝撃により、路面との摩擦熱もしくは火花が発生した可能性あり)

    三重県からのお知らせ

    -4-

  • -5-

  • 高圧ガス事故発生の状況 (データは平成 24 年 10 月現在)

    1.全国の事故件数の推移 (単位:件) 19 年 20 年 21 年 22 年 23 年

    冷 凍 40 53 85 93 177 コンビナート 31 43 28 33 41 そ の 他 80 82 111 140 147

    所 小 計 151 178 224 266 365 移 動 31 30 21 34 31 消 費 535 585 573 633 649 そ の 他 19 18 10 5 5 合 計

    (喪失・盗難を除く件数) 736

    (288)

    811

    (314)

    828

    (300)

    938

    (381)

    1050

    (456)

    2.県内の事故件数の推移(喪失・盗難を除く) (単位:件)

    19 年 20 年 21 年 22 年 23 年 事 故 件 数 6 7 11 8 19

    3.全国の人的被害の推移

    19 年 20 年 21 年 22 年 23 年 死 者(人) 5 4 5 3 1 負傷者(人) 80 92 104 77 70 人身事故件数 53 56 36 41 33

    4.事故の発生状況

    ① 全国の高圧ガス事故の発生件数は、近年増加傾向にあります。平成 23 年の事故発生件数は、喪失・盗難を除くと 456 件であり、前年に比べ増加しました。ただし、東日本大震災の影響によるものが含まれています。

    ② 三重県の高圧ガス事故の発生件数についても、近年増加傾向にあり、漏洩・

    火災等の事故が発生しています。平成 23 年の事故発生件数は、喪失・盗難を除くと 19 件であり、例年と比較して、突出して多くなりました。

    ③ 全国の平成 23 年の人身被害は、死者 1 名及び負傷者 70 名と、前年より減少しています。三重県においては死者及び負傷者ともありませんでした。

    ④ 近年の事故原因としては、全国的に設備の劣化・腐食等によるもの、誤操

    作・誤判断によるものが多い傾向にあり、維持管理及び教育訓練等によるヒ

    ューマンエラー対策が重要と考えられます。

    三重県からのお知らせ

    -6-

  • 高圧ガス移動車両路上点検結果

    11 月に県内 14 箇所において、高圧ガス移動車両の路上点検を行った結果は、次の

    とおりでした。 1.点検車両台数及び違反車両台数

    点検車両台数 違反車両台数

    ローリー ばら積み ローリー ばら積み

    LP 一般 LP 一般 計

    LP 一般 LP 一般 計

    14 3 9 11 37 0 0 0 5 5

    2.違反事項別件数

    応急用資材工具等の不備 4

    消火設備の不備 2

    イエローカードの不携帯 1

    違反のあった全ての車両について、違反事項を是正したとの報告を受けています。

    ※一車両で複数の違反件数が指摘されるケース

    があったことから、違反車両台数と違反件数

    とは、合計が一致しません。

    三重県からのお知らせ

    応急資材工具や消火設備は、

    日常的に使用しないので、点検

    がおろそかになります。

    定期的に点検する習慣をつけ

    ましょう。

    特に乾電池などの消耗品は、

    定期的な交換が必要です。

    -7-

  • 法 令 遵 守 に つ い て

    三重県防災対策部長から「高圧ガス保安法の遵守等について」と題する下記の通知

    がありました。

    これは、LPガスを充てん期限切れの容器に充てんした法令違反に対する注意喚起

    ですが、「法令遵守」は自主保安の基本であることは言うまでもありません。

    皆様の事業所におかれましては、法令遵守が徹底されているか、今一度見直して

    いただきますようお願いいたします。

    なお、充てんに関しては、15ページのコンプライアンスシリーズ(№6)「容器への

    高圧ガスの充てん」を参考にしてください。

    防 災 第 0 2 - 7 2 2 - 3 号

    平 成 2 4年 1 2月 1 2日

    三重県高圧ガス安全協会長 様

    三重県防災対策部長

    高圧ガス保安法の遵守等について

    今般、下記のとおり、県内の高圧ガス第一種製造所(充てん事業所)において、高圧ガス保安

    法(昭和 26 年法律第 204 号)第 48 条第 1 項第 5 号で定める充てん基準に違反して、高圧ガス(液

    化石油ガス)を容器に充てんするなどの法令違反事案が判明しましたので、高圧ガス充てん事業

    所に対して、別添のとおり平成 24 年 12 月 12 日付け防災第 02―722-2 号により通知しました。

    つきましては、貴協会におかれましても、会員への周知・指導等をお願いします。

    確認された法令違反の概要

    1.違法な充てん行為

    以下の2事業所において、充てん期限切れのLPガス容器にLPガスを充てんした。

    ・A社a支店

    時 期:平成 22 年 10 月から平成 24 年 9月

    本 数:116 本(延べ充てん回数:157 回)

    販売先:一般住宅、事業所等に販売

    参 考:同支店のLPガス販売先の全戸訪問調査(3,479 戸)を実施し、違法な充てん行為

    があった容器を全て回収しました。

    ・A社b支店

    時 期:平成 23 年 2月及び平成 24 年 2月

    本 数:2本(延べ充てん回数:3 回)

    販売先:自社内で利用

    2.帳簿記載事項違反

    a支店において、充てんに係る帳簿に法令で定める記載事項を記載していなかった。

    3.LPガス販売基準違反

    LPガスを販売する際、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律で定

    める販売の方法の基準に違反して、充てん期限を6月以上経過した容器を供給管等に接続

    をした。

    -8-

  • 防 災 第 0 2 - 7 2 2 - 2 号

    平 成 2 4年 1 2月 1 2日

    高圧ガス充てん事業所長 様

    三重県防災対策部長

    高圧ガス保安法の遵守について(通知)

    今般、県内の高圧ガス第一種製造所(充てん事業所)において、高圧ガス保安法(昭和 26 年

    法律第 204 号)第 48 条第 1 項第 5 号で定める充てん基準に違反して、高圧ガス(液化石油ガス)を

    容器に充てんするなどの法令違反事案が判明しました。

    つきましては、高圧ガス充てん事業所におかれましては、下記2、3の事項について、高圧

    ガスの自主保安体制の点検及び法令遵守の徹底をお願いします。

    1.確認された法令違反事案の概要

    【高圧ガス安全協会長あて文書の内容に同じ】

    2.高圧ガスを容器に充てんする場合における充てん期限確認の徹底

    高圧ガスを容器に充てんする場合、その容器が高圧ガス保安法第 48 条第 1 項各号に定める

    要件に適合していることを確認してから充てんを行うこと。

    (法第 48 条第 1項第 1号から第 4号)

    省略

    (法第 48 条第 1項第 5号)

    容器検査若しくは容器再検査を受けた後又は自主検査刻印等がされた後経済産業省令で定

    める期間を経過した容器又は損傷を受けた容器にあっては、容器再検査を受け、これに合格

    し、かつ、次条第三項の刻印又は同条第四項の標章の掲示がされているものであること。

    3.高圧ガスを容器に充てんした場合、備えなければならない帳簿に記載すべき事項及び帳簿の

    保存期間の徹底

    高圧ガスを容器に充てんした場合(特に定める場合を除く)、備えなければならない帳簿

    に、法令で定める全ての事項を記載するともに、帳簿の保存期間(記載した日から 2 年)を

    守ること。

    例:(液石則第 93 条第 1項)

    法第六十条第一項の規定により、第一種製造者は、事業所ごとに、次の表の上欄に掲げる

    場合に応じて、それぞれ同表の下欄に掲げる事項を記載した帳簿を備え、同表第一項及び第

    二項に掲げる場合にあっては記載の日から二年間、同表第三項に掲げる場合にあっては記載

    の日から十年間保存しなければならない。

    記載すべき場合 記載すべき事項

    一 液化石油ガスを容器に充てんした場合(液化石油ガスを燃料として使用する車両に固

    定された容器(当該車両の燃料の用に供する液化石油ガスを充てんするためのものに限

    る。)に液化石油ガスを充てんした場合を除く。) 充てん容器の記号及び番号、充て

    ん容器ごとの充てん質量並びに充てん年月日

    -9-

  • 三 重 県 保 安 大 会

    高圧ガスや火薬類等の危険物質の取り扱いによる事故防止や保安意識

    の高揚を図るため、三重県保安大会が 10 月 24 日 (水 )に三重県総合文化

    センター小ホールにおいて開催されました。

    高圧ガス取扱優良事業所等三重県知事表彰の表彰式が行われましたが、

    当協会会員の受賞はありませんでした。

    また、山 田 労 働 安 全 衛 生 コンサルタント事 務 所 山 田 善 久 氏 に『高 圧 ガス等

    保 安 確 保 と労 働 安 全 管 理 活 動 のあり方 について』と題 する基 調 講 演 をしていた

    だきました。講 演 は、「①安 全 とは ②安 全 文 化 の創 造 ③職 場 風 土 をいかにして

    創 るか ④ヒューマンエラー防 止 」と展 開

    さ れ 、 最 後 に 「 企 業 の 社 会 的 責 任 」 と

    し て 法 令 遵 守 を 上 回 る 社 会 的 視 野 に

    基 づ く 自 主 管 理 基 準 、 第 三 者 に よ る

    現 場 設 備 の 安 全 診 断 、 説 明 責 任 ・

    情 報 公 開 の 促 進 、 人 の 意 識 ・ 感 性 の

    重 要 性 などについて言 及 していただい

    た貴 重 な内 容 でした。

    中部高圧ガス保安大会

    11 月 15 日 (木 )に名 古 屋 逓 信 会 館 で開 催 された第 26 回 中 部 高 圧 ガス保安

    大会(主催:中部高圧ガス保安団体連合会)において、高圧ガス保安

    中部近畿産業保安監督部長表彰が行われ、次の事業所が受賞されました。

    山田善久氏の基調講演

    高圧ガス保安中部近畿産業保安監督部長表彰・ 優 良 販 売 業 者 ㈱ ナ ッ ク

    表彰を受ける中村社長

    -10-

  • 高圧ガス保安全国大会

    第 49 回 高 圧 ガス保 安 全 国 大 会 (主 催 :経 済 産 業 省 、高 圧 ガス保 安 協 会 )は、10 月

    26 日 (金 )に東 京 で開 催 され、技 術 講 演 会 、経 済 産 業 大 臣 表 彰 式 、高 圧 ガス

    保 安 協 会 長 表 彰 式 ならびに特 別 講 演 会 が行 われました。

    当 協 会 会 員 からは、次 の方 が経 済 産 業 大 臣 表 彰 、高 圧 ガス保 安 協 会 長 表

    彰 を受 賞 されました。

    高圧ガス保安協会会長表彰 〔敬称略〕

    ・保 安 功 労 者 伊 藤 洋 司 (川瀬産業㈱)

    経済産業大臣表彰 〔敬称略〕

    ・保 安 功 労 者 小 林 昭 夫 (JSR㈱四日市工場)

    大臣表彰を受ける小林氏

    小林昭夫氏

    伊藤洋司氏

    -11-

  • 経済産業大臣表彰を受賞して

    JSR㈱四日市工場

    環境保安部 小林昭夫

    平成 24 年度保安功労者として高圧ガス経済産業大臣表彰を受賞致しました。

    高圧ガス製造に携わるものとして最高の栄誉である経済産業大臣表彰を頂く

    ことが出来ましたことは、私個人の実績というより、工場に関わる安全活動、

    安全実績が特に優れている事を、評価していただいた結果と思っています。

    これも偏に、中部近畿産業監督部、三重県防災対策部、三重県高圧ガス安全

    協会等、関係各位のご指導とご支援の賜と深く感謝申し上げます。

    当社は、1957 年に合成ゴムの国産化を目指し日本合成ゴム㈱(現 JSR㈱)と

    して設立されました。その後、社会経済環境が大きく変化する中で「Materials

    Innovation」の企業理念のもと、現在では合成ゴム製品に加え、半導体材料、

    ディスプレイ材料、光学材料等も生産しております。

    私は、1970 年に四日市工場に入社し、合成ゴムの原料であるブタジエンの

    製造施設に 26 年間従事した後、1996 年に現在の環境保安部に異動となり、安全・

    保安関係の業務に携わることになりました。

    製造施設では、ダウ・ケミカル社の危険度評価法の第 5 版を参考にして、

    ブタジエンプラントの危険度を定量評価し、危険度の高いところから安全対策

    を行ってプラントの安全性の向上に努めてきました。

    また、高圧ガス認定制度についても 1988 年にブタジエン製造施設の 2 年連続

    運転認定取得から、2010 年の認定(保安検査・完成検査)更新業務まで、製造

    部門・保安部門として申請書の作成や、現地審査の対応に携わってきました。

    当工場では『無事故、無災害の創業を続け、従業員と地域社会の安全を確保

    し、社会との共生を図る』を安全に関する経営方針として推進しています。

    1994 年に ISO9001 を基に当工場の安全マネジメントシステムを構築しました

    が、毎年少しずつでもスパイラルアップを図るべく所管部署として、安全活動

    を推進しています。近年では、安全マネジメントシステムを補完するものとし

    て、KZ活動(危険ゼロ、ケガゼロ活動)と呼ぶ自主保安、安全活動を行って

    います。

    このような活動を通じて改めて強く感じたことは、安全は一人ひとりの技術、

    感性によって守られるということです。

    守るべき事、ルールに従うべき事は、当然のことであり、誰に言われるでも

    なく、また、誰かが見ているからでもなく、誰もが自然にできる自律した安全

    文化の醸成を目指し、率先垂範して取り組んでいく所存です。

    安全活動に終わりはありません。この度の受賞を励みとし、今後も自主保安

    の向上に邁進してまいります。

    受賞者のことば

    -12-

  • 中部近畿産業保安監督部長表彰を受賞して

    ㈱ナック 代表取締役 中村信通

    このたび、優良販売業者として高圧ガス保安中部近畿産業保安監督部長表彰

    を受賞することが出来ました。これも偏に皆様方のご支援の賜であると感謝

    いたしております。誠にありがとうございます。 我社は今年、創業 40 周年を迎えましたが、その区切りの年に受賞できたのも、

    何かのご縁かと身の引き締まる思いであります。

    創業当時は、ただガスの配達を一生懸命やっているだけで、ボンベの回収や

    保安というものにあまり力を注いでなかったように思います。 三重県の高圧ガス溶材組合に参加させていただき、皆さんが自らの保安対策

    だけでなく、消費先の保安対策にまで頑張っておられるのを見て、「これでは、

    だめだ」と思うようになり、また、組合長に就任してからは、愛知や岐阜の方々

    と接触する機会も増えたことで、更に勉強させていただきました。 一方、東日本大震災で大変な被害に遭われた方々から直接、地震や津波の話

    を聞く機会がありましたが、我々では想像することのできない程、厳しかった

    そうです。 いずれ、私たちにも必ずやってくる大きな課題です。どの位の規模のものと

    なるかはわかりませんが、「備えあれば憂いなし」です。 先般、当社のお客様から「今のガス設備を地震に耐えるものにやり替えて

    ほしい。」との依頼がありました。 お客様に教えられた形ですが、我社もちょうど高圧ガス貯蔵庫を建設中で

    したので、震度7に耐えられるよう耐震強度を変更致しました。 私どもの会社は、ユーザー様にガスを販売すると同時に安全と安心も指導

    させていただくことで、事故の無い社会にしたいと考えています。 このため、我社の社員が高圧ガスに関する更に高い知識を持つよう、頑張っ

    て参りますので、どうかこれからも変わらぬご指導を賜りますようお願い

    申し上げ、お礼とさせていただきます。 完成した新貯蔵庫

    受賞者のことば

    -13-

  • 高圧ガス保安協会会長表彰を受賞して

    川瀬産業㈱ 部長 伊藤洋司

    この度、高圧ガス保安功労者として高圧ガス保安協会会長表彰を受賞させて

    頂き、高圧ガスに携わる者として身に余る光栄であります。

    これもひとえに行政、関係団体、諸先輩方のご指導とご支援の賜物であり、

    厚く御礼申し上げます。

    今回、私共の保安教育への取り組みについて述べさせていただきます。

    東海、東南海、南海の巨大地震対策が急がれている昨今、それに対する教育

    訓練はもとより、社内保安教育の内容を充実させる一環として、毎年行って

    いる「社外講師を招いての保安教育」により、外部から見た「我社の安全」に

    ついてご意見、ご指導を賜ることで、全社員の安全意識の向上及び保安知識の

    習得に努力致しています。

    また、ユーザー様においての保安教育についても積極的に協力させていただ

    いているところであります。

    今後は、無事故の継続に努め、「地域社会の信頼を得る会社」を維持出来る

    ように後身の指導に心血を注いでまいる所存でございますので、関係各位の

    尚一層のご指導、ご鞭撻を宜しくお願い申し上げます。

    平成 25 年度 三重県高圧ガス安全協会長表彰候補者を募集します。

    1 表彰の種類

    個 人 の 部 ①優良保安管理者 ②優良保安監督者

    ③優良保安従事者 ④保安功労者 ⑤保安功績者

    事業所の部 優良事業所

    2 応募期間

    平成25年3月25日(月)必着

    3 表 彰

    表彰式は、三重県高圧ガス安全協会総会(5 月 16 日)の席で行います。

    4 表彰基準、推薦書

    表彰基準、推薦書の様式は、[email protected] へメールで お申し込みください。

    お 知 ら せ

    受賞者のことば

    -14-

  • 容器への高圧ガスの充てん

    容器への高圧ガスの充てんは、主としていわゆる充てん所で行われていますが、充てん

    所以外の高圧ガス製造事業所における次の行為も容器への高圧ガスの充てんに該当する

    ので、高圧ガス保安法に従って高圧ガスを充てんしなければなりません。

    容器への高圧ガスの充てんに該当する行為の例

    ・容器に高圧ガスをサンプリングする

    ・製造工程等で余った高圧ガスを大気へ放出せずに容器に回収する

    ・回収した容器の残ガスを別の容器に移し替える

    内容積 100ml を超える容器に高圧ガスを充てんする場合には、次の事項に留意して下さ

    い。(法第3条第 2項、法第48条)

    1 高圧ガスを充てんしようとする容器は、容器検査又は容器再検査に合格した

    年月から定められた期間(容器再検査の期間)以内か

    高圧ガスの容器は、別表1のとおり容器の種類及び製造してからの経過年数ごとに

    容器再検査の期間が定められています。(容器則第24条、容器則附則(平成9年 12月

    26日省令第125号)第 2条、容器則細目告示第22条)

    高圧ガスを容器に充てんする場合は、容器に刻印された容器検査又は直近に容器再検

    査に合格した年月の前月の末日(内容積4,000 リットル以上の容器、高圧ガス運送自動

    車用容器、圧縮天然ガス自動車燃料装置用容器、圧縮水素自動車燃料装置用容器及び液

    化天然ガス自動車燃料装置用容器にあっては刻印等において示された月日の前日)から

    起算して、容器毎に定められた容器再検査の期間以内であることが必要であり、この期

    間を過ぎた容器には高圧ガスを充てんすることはできません。

    (法第48条第 1項第 5号)

    例)

    <内容積47リットルの一般継目無し容器(アルゴン容器、窒素容器等)>

    製造年月 容器再検査年月 容器再検査の期間 充てんできる期限

    S63.10 H23.5 3年 H26.4 末

    H 2.10 H22.5 3年 H25.4 末

    H11.12 H21.9 5年 H26.8 末

    H18. 5 H23.4 5年 H28.3 末

    コンプライアンスシリーズ №6

    コンプライアンスシリーズは,三重県防災対策部消防・保安課

    予防・保安グループに執筆いただいています。

    -15-

  • <内容積24リットルの溶接容器(10kgLPG容器、フルオロカーボン容器等)>

    製造年月 容器再検査年月 容器再検査の期間 充てんできる期限

    S63.12 H24.5 1年 H25.3 末

    H 2.12 H24.5 2年 H26.8 末

    H11.12 H23.9 6年 H29.8 末

    H18. 5 H24.4 6年 H30.3 末

    2 充てんしようとする高圧ガスは、容器に刻印されている種類の高圧ガスか

    容器には充てんすべき高圧ガスの種類が刻印されており、刻印された高圧ガス以外の

    高圧ガスを充てんすることはできません。 (法第48条第 4項)

    <不適切な高圧ガスの充てんの例>

    ・製造工程で余ったフルオロカーボンをLPG容器に入れる

    ・窒素ガスをLPG容器に小分けして使用する

    ・窒素の容器に同じ不活性ガスである炭酸ガスを充てんする

    なお、容器には高圧ガスの名称、略称又は分子式が刻印されている容器のほかに、

    PG、SG、FC1、FC2、FC3、CNG、CHG、LNGのように刻印されて

    いる容器があります。このような容器に充てんできる高圧ガスの種類については、別表

    2のとおりです。(容器則第2条第 18号から第23号、及び第8条第 1項第 3号)

    3 充てん量は適正か

    容器に高圧ガスを充てんする場合、圧縮ガスにあっては容器に刻印された圧力以下の

    圧力で、液化ガスにあっては容器に刻印された内容積に応じて計算した質量以下で

    充てんしなければなりません。(法第48条第 4項第 1号)

    容器へ高圧ガスを充てんする際は過充てんとならないよう、充てん圧力又は充てん

    質量の管理を確実に行って下さい。

    4 充てんの記録は保存しているか

    高圧ガスを容器に充てんした場合は、次の事項を記録し、2年間保存しなければなり

    ません。(一般則第95条、液石則第93条、コンビ則第50条)

    ・充てん容器の記号及び番号

    ・充てん容器ごとの充てん圧力(液化ガスの場合は充てん質量)

    ・充てん年月日

    「容器に高圧ガスをサンプリングする」、「製造工程等で余った高圧ガスを容器に

    回収する」、「容器内のガスを別の容器に移し替える」といった場合にあっても、

    充てんに係る記録を保存する必要がありますので、注意して下さい。

    以上、容器への高圧ガスの充てんの際の留意事項を述べました。

    容器への高圧ガスの充てんを行っている事業所におかれては、今一度関係法令及び記録

    類の有無の確認をお願いいたします。

    -16-

  • 【別表1】

                  経過年数 容器の種類

    4年以下 15年未満 20年未満 20年以上

    溶接容器超低温容器ろう付け容器

    内容積25㍑以下の溶接容器(HCN,NH3,Cl2除)  但し、

    耐圧試験圧力3.0MPa以下 かつ、S37.7以降容器検査合格又はRT合格

    一般継目なし容器

    一般複合容器

    圧縮水素自動車燃料装置用容器液化天然ガス自動車燃料装置用容器圧縮水素運送自動車用容器

    圧縮天然ガス自動車燃料装置用容器 2年1月※一部容器のみ

    アルミニウム合金製スクーバ用継目なし容器

    液化石油ガス自動車燃料装置用容器(溶接容器に限る)

    2年

                  経過年数 容器の種類

    一般継目なし容器(内容積500㍑以下)

    一般継目なし容器(内容積500㍑超)

    上記以外の容器

    20年以上

    3年

    1年

    5年

    (平成元年3月31日以前に容器検査に合格した容器)

    容 器 再 検 査 の 期 間

    5年

    5年

    (平成元年4月1日以降に容器検査に合格した容器)

    再検査不可移動不可

    6年

    1年1月

    6年

    2年

    3年

    4年 2年1月

    -17-

  • 【別表2】

    容器の刻印

    PG

    イ モノシラン

    ロ ホスフィン

    ハ アルシン

    ニ ジボラン

    ホ セレン化水素

    ヘ モノゲルマン

    ト ジシラン

    チ イからトまでのガスのうち、二以上を成分とする混合ガス

    リイからチまでのガスのうち、一以上及びPG容器に充てんできるガスのうち、一以上を成分とする混合ガス

    ヌイからチまでのガスのうち、一以上及び水素を成分とする混合ガス

    ルイからチまでのガスのうち一以上、PG容器に充てんできるガスのうち、一以上及び水素を成分とする混合ガス

    FC1

    FC2

    FC3

    CNG

    CHG

    LNG

    充てんできる高圧ガス

    圧縮天然ガス

    液化フルオロカーボン12、134a、500、401A、401B、115、412A、218、407D、22、502

    液化フルオロカーボン422D、900JA、509A、422A、407C、402B、404A、407A、901JA、507A、402A、407B、125、407E、FC1容器に充てんできる液化フルオロカーボン

    液化フルオロカーボン410B、410JA、410A、32、FC1容器及びFC2容器に充てんできる液化フルオロカーボン

    液化天然ガス

    圧縮水素(圧縮水素自動車燃料装置用容器及び圧縮水素運送自動車用容器)

    ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン若しくは、窒素又はこれらのガスのうち二以上を成分とする混合ガス

    SG

    -18-

  • 高圧ガス移動防災訓練に参加して

    平成 24 年度三重県総合防災訓練は、9 月 2 日(日)鈴鹿市との共催により、

    鈴鹿市石薬師町の三重県消防学校を中心に開催されました。

    今回の訓練は、同時発生的に各災害が発生した場合を想定し、対応する

    関係機関の連携と住民参加を重視した訓練が行われ、三重県高圧ガス地域

    防災協議会では、「車両追突による可燃性・毒性高圧ガス漏洩拡散防止訓練」

    として当該訓練に参加しました。

    平成 22、23 両年の訓練は、台風のため残念ながら中止となりましたが、

    今年は天候にも恵まれて大規模な訓練となりました。訓練は南海トラフを

    震源としたマグニチュード 9.0 の巨大地震の発生を想定して開始されました。

    震度 6 強の揺れを観測し、多くの死傷者、家屋倒壊、道路損壊、電気、

    ガス、水道のライフラインの寸断などが発生している状況下で、乗用車が

    衝突し、高圧ガスタンクローリーの配管が破損して毒性・可燃性ガスである

    液化アンモニアが漏洩、また負傷者も発生したという想定のもと、災害の

    拡大防止、初期防除活動及び負傷者の救出に重点をおいて実施しました。

    訓練項目は、次のとおりです。 ① 車 両 衝 突 事 故 に よ る 高 圧 ガ ス タ ン ク ロ ー リ ー の 配 管 破 損 及 び ガ ス 漏 洩 に 対 す る

    初 期 対 応 活 動 [乗 務 員 ]

    ② 負 傷 者 に 対 す る 応 急 救 護 活 動 [乗 務 員 ]

    ③ 緊 急 遮 断 弁 閉 止 措 置 [乗 務 員 ]

    ④ 消 防 、 警 察 、 防 災 事 業 所 へ の 通 報 [乗 務 員 ]

    ⑤ 危 険 区 域 の 設 定 [防 災 事 業 所 要 員 ]

    -19-

  • ⑥ 住 民 等 へ の 避 難 ・ 火 気 使 用 中 止 の

    広 報 活 動 [防 災 事 業 所 要 員 、 警 察 ]

    ⑦ 空 気 呼 吸 器 装 着 に よ る ガ ス 漏 洩 閉 止

    等 の 初 期 防 除 活 動

    [乗 務 員 、 防 災 事 業 所 要 員 ]

    ⑧ 消 防 機 関 へ の 引 き 継 ぎ

    [防 災 事 業 所 要 員 ]

    ⑨ 噴 霧 散 水 に よ る ア ン モ ニ ア 除 害 活 動

    [消 防 機 関 ]

    ⑩ 消 防 活 動 の 後 方 支 援

    [乗 務 員 、 防 災 事 業 所 要 員 ]

    ⑪ 消 防 の 除 害 活 動 が 終 了 後 、 衝 突 車 両 の レ

    ッ カ ー 移 動 [日 本 自 動 車 連 盟 ]

    この訓練は、アンモニア漏洩時における基本的な活動の習得として位置

    付け、高圧ガス地域防災協議会会員 21 名が参加しました。訓練を実施した

    結果、それぞれの基本動作が確実に行われたことを確認できました。 最後に鈴木知事から「津波避難や避難所運営訓練など、住民の皆さんが

    主体となって実施して頂いたことが大きな成果である。関係機関の連携も

    よく充実した訓練であった。」との講評があり、訓練は幕を閉じました。 三重県高圧ガス地域防災協議会では、今後も、高圧ガス積載車両の移動中

    に事故等が発生した際に、共同して対応するための組織強化に努めていき

    たいと考えています。 (東ソー 森川記)

    -20-

  • 特材ガス配管施工

    排気配管(ライニング管) バルクガス配管施工(プラント配管)

    株式会社ウエキコーポレーション 中部支店 四日市営業所

    1.設 立

    弊社は昭和 11 年(1936 年)の創業以来、時代と共に変化する産業用ガスのニーズにお応えすることにより、多くのお取引先様のご愛顧を賜り、76 年の歴史を刻んで

    参りました。

    当四日市営業所は、2008 年 5 月に四日市市広永町の工業団地内に開設致しました。

    2.事業内容

    ガス関連事業に加えて、工業用薬品や各種溶剤等の「化成品事業」と金属部品・ファインセラミック・電子部品等の「部品材料事業」にも注力しており、この3部

    門が当社の事業ドメインとなっております。 又、長年の経験を基に各種バルクガス配管工事、及び半導体&液晶用の特殊ガス

    配管工事をトータル的にご提案致します。 (設計~施工~法対応~改造)

    1) ガス販売 2) 化成品の販売 3) 部品材料の販売 4) ガス配管工事

    ・一般工業ガス

    ・特殊材料ガス

    (半導体、液晶用)

    ・標準ガス(校正用)

    ・燃料用ガス

    ・希ガス(レアガス)

    ・工業用薬品

    ・各種溶剤

    ・代替フロン

    ・水系洗浄剤

    ・金属部品材料

    ・特殊金属製品

    ・ファインセラミッ

    ク部品

    ・表面処理

    ・一般高圧ガス配管

    工事

    ・特殊材料ガス配管

    工事

    (半導体、液晶用)

    【ガス供給配管施工例】

    新会員のご紹介

    -21-

  • 3.ガス関連事業における弊社特色

    特定作業者認定制度導入(ライセンス制) 半導体工場でリスクが高いと定めた作業については、「免許制 (作業許可制 )」としています。

    この免許は、必要水準の知識、技術、技能、マナーを有すると社内認証された者に付与する

    ものです。

    今、業務遂行上での安全性並びに作業品質の維持向上を図るなか、また個々の能力と責任

    が問われるなか、顧客との「信頼・信用」を構築して行くために当制度の導入となりました。

    当社はガス・エキスパート・カンパニーとして、常にアンテナを高く張って、

    お客様のニーズを敏感にキャッチ(高感度)、お客様の立場でものを考え(当事者

    意識)、ガス・トータル・ソリューションでタイムリーなご提案をする(スピード)、

    そして真にお客様に必要とされる(高感度)企業を目指して参ります。

    今後とも宜しくお願い申しあげます。 (営業所長 中島 祐司)

    Step-1 学科テスト Step-2 実技テスト

    受験資格:実務経験 6 ヶ月以上の者 現場で社内試験官立会のもと実技試験の実施

    ・「作業検証試験チェックリスト」に基づく判定制度

    ウエキコーポレーション

     作業の基礎知識

    編集・発行  営業企画部/事業所管理課

    平成16年度版

    <資料作成> 泉事業所供給技術グループ

    「特定作業者認証制度」用テキスト

    ガス検知器・ガス精製装置編

    社外秘

    メンテ係

    ウエキコーポレーション

     作業の基礎知識

    編集・発行  営業企画部/事業所管理課

    平成16年度版

    <資料作成> 横浜事業所供給技術グループ

    「特定作業者認証制度」用テキスト

    シリンダー交換作業編

    社外秘

    特殊ガス係

    ウエキコーポレーション

     作業の基礎知識

    編集・発行  営業企画部/事業所管理課

    平成16年度版

    <資料作成> 大分事業所供給技術グループ

    「特定作業者認証制度」用テキスト

    品質管理・CEの概要と保守管理編

    社外秘

    ガス製造係

    当社オリジナルテキストによる自己学習

    〒512-8061

    四日市市広永町97-1

    TEL 059(365)5611

    FAX 059(365)5723

    学学科科テテスストト

    ・・法法令令 ・・学学識識基礎知知識識 ・・実実務務専専門門知知識識

    -22-

  • 「我が社の保安管理」

    KHネオケム株式会社 四日市工場 四日市市大協町二丁目3番地

    1.KHネオケム株式会社の概要

    当社は、旧協和発酵工業(現協和発酵キリン)

    の発祥事業として、発酵法によるアセトン・

    ブタノール生産からスタートし、その後製法

    転換によりオキソアルコールを出発点に様々

    な製品を幅広い産業に提供する石油化学工業

    として、着実に成長してまいりました。

    2011 年 3 月末に協和発酵キリングループ

    から独立し、2012 年 4 月 1 日にKHネオケム

    と社名を変更しました。これまで以上に社会の

    ニーズに的確且つ機動的に対応することに

    より社会に貢献するべく、社員一同心構えを

    新たにしております。 事業の展開は、各種溶剤・可塑剤原料を中心

    とし、汎用性の高い基礎化学品、環境配慮型の

    製品群を中心とする機能性材料、及び先端技術

    に基づいた電子材料分野への素材供給と、多岐

    に亘っておりますが、いずれも「モノづくり」

    産業の基礎資材として重要な位置付けにあり

    ます。また、基礎化学品については主にアジア

    地域、機能性材料、及び電子材料分野への素材

    については、欧米・アジアなど幅広い地域の

    お客様のご要望にお答えすることにより、

    積極的なグローバル展開を行っております。 生産拠点としては、千葉県市原市と三重県

    四日市市の2地域に工場を構え、ともに経済

    産業大臣より高圧ガス認定(完成・保安)検査

    実施者として認定されております。 2.四日市工場の概要

    工業用アルコール類、酢酸エステル類、

    ケトン類などの溶剤や可塑剤原料を製造して

    いるほか、有機酸、高分子材料、潤滑油原料、

    電子材料向け高純度溶剤といったファイン

    ケミカルを展開しています。四日市工場で製造

    する溶剤の品揃えの豊富さは日本トップクラ

    スで、国内外の幅広い産業分野に供給されてい

    ます。四日市第2コンビナートには午起製造所、

    第3コンビナートには霞ヶ浦製造所があり、

    合計 32万 m2の敷地を有しています。

    四日市工場全景

    3.安全活動

    KHネオケムは、さまざまな分野に特色ある

    製品を提供し、地球環境と人々の快適な暮らし

    を支える化学品メーカーでありつづけるため

    に「安全基本理念」を定め、企業としての社会

    的責任を果たすことを第一に掲げ事業活動を

    推進しています。そして、お客様や取引先の

    皆様、あるいは、地域の方々を始めとするステ

    ークホルダーの皆様からの信頼をもとに、安全

    で地球環境にやさしいものづくりを行うこと

    により社会との共生を心掛けています。 また、化学品メーカーは何よりも工場の安全

    な運転が求められることから、これを徹底する

    ために「保安管理の基本方針」を定め、保安・

    安全の確保に努めています。

    「安全基本理念」 1)安全は会社経営の基盤である 2)安全は全員の参加と自覚と努力により得

    られる

    午起製造所

    霞ケ浦製造所

    (コンビナート部門)

    -23-

  • 「保安管理の基本方針」 1)保安関連法令の遵守はもとより、自ら決め

    たことは確実に遵守する 2)常に危険源を認識し、保安事故の予防に

    努める 3)保安管理システムを継続的に改善し、保安

    管理レベルの向上を目指す 4)社員及び関連する人々が自ら保安活動を

    推進するよう、教育啓蒙に努める この方針を受けて、四日市工場では次の3点

    に重点を置いた 2012 年度の安全活動を行って

    います。 1)危険源の特定・見直し、高圧ガス配管及び

    機器の外面腐食対応および地震防災体制の

    見直しによる無事故・無災害の継続 2)パトロール記録管理値の現場掲示による

    見える化運動の推進 3)法定資格取得率の向上指導、事故事例およ

    び労災事例研究、e-ラーニングおよびビデオを活用した安全教育の継続

    機器全面に足場を掛けての外面腐食検査

    四日市工場では、外面腐食等の設備点検や設

    備改善に注力するとともに、協力会社との合同

    環境保安パトロールを毎月実施する等の安全

    活動を継続しています。また、毎年1回の協力

    会社と工場従業員全員での津波避難訓練の

    ほか、地震火災を想定した工場総合防災訓練

    および海への油流出を想定した海上防災訓練

    を毎年3回実施するとともに、部署単位でも

    様々な防災訓練を毎月実施し緊急対応に万全

    を期しております。

    合同環境保安パトロール後の検討会

    タンク火災を想定した防災訓練

    4.おわりに

    四日市工場では、2008 年 10 月 10 日に業種

    別無災害最長記録 (有機化学製品製造業、23,953,235 時間)を樹立しました。 KHネオケムがこの地で製造を開始し 50 年

    余り、地域の皆様とともに発展してまいりまし

    たが、社名コンセプトであります「Kurashi Hanayagu 暮らし華やぐ」の実現のため「人々の豊かな暮らしに貢献する」を目指し、今後も

    安全で安定的な生産を続けると同時に、社員に

    浸透している「安全基本理念」を念頭に、無

    事故、無災害の達成に取り組んでまいります。

    -24-

  • 1.ジャパンファインプロダクツ㈱の概要 ジャパンファインプロダクツ㈱は、

    2001 年 10 月当時の親会社であった日本

    酸素㈱と大陽東洋酸素㈱の特殊ガス製造

    部門が合併して発足した会社です。 2004 年 10 月 両親会社が合併し、大陽

    日酸㈱となった後は、大陽日酸グループ

    の一員として、大気や排ガス等の測定に

    欠かせない基準となる「標準ガス」、不純

    物を極限まで除去しキーデバイスの製造

    プロセスなどに使用される「高純度ガス」、

    日々高集積化が進む電子工業、再生可能

    エ ネ ル ギ ー の 太 陽 電 池 に 使 用 さ れ る

    「半導体材料ガス」などの特殊ガス生産

    に特化したガスメーカーです。 当社は、全国に4つの特殊ガス工場を

    配置し、最適なネットワーク体制で国内

    および海外向けに特殊ガスの生産を行っ

    ています。 4工場とも安全確保・環境保全・品質

    確保に万全の体制で臨んでいます。

    2.三重工場の概要 当三重工場は、総敷地面積 4 万 4000m2、

    建家面積1万 400 m2 を有し、高純度ガス

    と各種半導体材料ガスを月産1万本生産

    する特殊ガス工場です。

    生産品目の中でも特に主力で生産して

    いるガス種は半導体材料ガスであり、

    その中でも特殊高圧ガス(アルシン、

    ジシラン、ジボラン、セレン化水素、

    ホスフィン、モノゲルマン、モノシラン)

    を多く取り扱っています。 特殊高圧ガスは、災害の発生を防止

    するため特別に注意を要すると高圧ガス

    保安法に掲げられるものであり、排ガス

    無害化処理等の設備を備えて安全確保・

    環境保全に万全を期した製造を行って

    います。 3.製造工程の概要 製造工程は、 原 料 ガ ス 昇 圧 → 精 製 → 充 填

    → 品質・保安検査 → 出荷

    のフローとなっています。

    ジャパンファインプロダクツ㈱三重工場 伊賀市炊村 2500

    「我が社の保安管理」

    三重工場の全景

    各工場の位置図

    三重工場

    (三重) 小山工場

    (栃木)

    川崎工場

    (神奈川)

    北九州工場

    (福岡)

    (製造・消費部門 )

    -25-

  • 取り扱うガスは、可燃性、毒性ガスが

    主体であり、特に特殊高圧ガスには可燃

    性、毒性と合わせ自然発火性を有する

    ガスが含まれます。 自然発火性ガスは、燃焼の 3 要素で

    ある「可燃物」「酸素」「熱(点火エネル

    ギー)」の内、「熱(点火エネルギー)」が

    無くとも空気中に漏出すると容易に燃焼

    します。 これら可燃性、毒性、自然発火性を

    有する危険性の高い高圧ガスを安全に

    製造するため、製造設備には様々なノウ

    ハウを加えると共に、ガス漏洩監視設備

    や排出ガスの除害設備、並びにそれらを

    統合管理するためのシステムを設けてい

    ます。 4.保安方針 当社の保安方針は、可燃性ガス、毒性

    ガスを含む特殊ガス製造の専門企業と

    して、「安全の確保は最大の社会的責任」

    と認識し、事業活動領域はもとより広く

    公共の安全に貢献することを保安方針に

    掲げ取り組んでいます。 5.事故防止への取り組み 事故防止への取り組みとして、KY

    グループを組織してヒヤリハット活動や

    危険予知活動等の安全活動を通じ、安全

    レベルを向上するシステムを構築、職場

    や公共の安全確保に取り組んでいます。 特に昨年度から、東日本大震災の教訓

    を基に東海・東南海・南海地震に備え、

    社内に地震対策ワーキンググループを

    立ち上げ、人命優先、二次災害防止を

    掲げて、以下のような万一の災害時に

    被害を最小限にとどめる取り組みを行

    っています。

    ・強固な容器転倒防止柵の設置

    ・工場屋内における避難通路の確保

    (強固な柵による作業者の安全確保)

    ・緊急地震システムに連動した緊急遮断

    システムの構築

    ・荷物棚の転倒防止、落下防止処置

    また、高圧ガスを取り扱う事業所と

    して、全社員に対し定期的な教育を実施

    し、保安の確保に努めています。 6.おわりに 当社は、大陽日酸グループの一員と

    して安全活動に積極的に参画し、公共の

    安全確保に貢献すると共に社員ひとり

    一人の安全意識の高揚をはかり、保安

    技術・保安知識の向上に努めます。

    防災訓練

    -26-

  • 『愛知・岐阜・三重県 高圧ガス容器保安対策指針』の解説(その4)

    三重県高圧ガス溶材組合 加納康行

    今回は、『4.各自業者がとるべき措置』の⑥について説明します。

    ⑥ 容器の置場(販売)/ 容器の置場(消費)

    販売用の高圧ガス容器置場は「高圧ガス取締法」の時代には、販売施設とし

    て基準が定められていましたが、平成 9 年 4 月の「高圧ガス保安法」施行後は

    貯蔵施設としての基準が適用されるようになりました。 貯蔵というとCEの貯槽など大きなタンクが連想されますが、貯蔵の規制は

    気化ガスで容積 0.15m3、液化ガスで質量 1.5 ㎏を超えるものとなっており、

    通常流通している高圧ガスが充てんされた容器を置く場所、つまり我々が普段

    容器置場と呼んでいる所は、ほとんど例外なく貯蔵となります。 販売あるいは消費目的のために充てんされた容器が、いわゆるバラ瓶状態で

    置かれている場所、あるいは消費設備に高圧ガス供給のための容器が配管に

    接続されている場所も容器置場として扱われます。 充てんされた容器だけで空容器はいいんじゃないか・・・、と言えそうです

    が、保安法では「空容器」は容器検査後、あるいは容器再検査後の未充てん

    容器を意味しており、充てんされたガスを消費して残圧がなくなった容器は

    「残ガス容器」として、「充てん容器」とともに容器置場に於いて管理しなけれ

    ばなりません。 この貯蔵に関しては、一般則「貯蔵の方法に係る技術上の基準」に従って、

    販売用の容器置場であっても消費用の容器置場であっても区別なく、規制を

    受けます。 以下に条文を示します。

    一般則 第 18 条 二 容器(中略)により貯蔵する場合にあっては、次に掲げる基準に適合

    すること。 イ 可燃性ガス又は毒性ガスの充てん容器等の貯蔵は、通風の良い場所

    ですること。 ロ 第 6 条第 2 項第 8 号の基準に適合すること。 【ハ、ニ省略】

    ホ 貯蔵は、船、車両若しくは鉄道車両に固定し、又は積載した容器 (中略)によりしないこと。

    -27-

  • 一般則 第 6 条第 2 項第 8 号 容器置場及び充てん容器等は、次に掲げる基準に適合すること。 イ 充てん容器等は、充てん容器及び残ガス容器にそれぞれ区分して

    容器置場に置くこと。 ロ 可燃性ガス、毒性ガス及び酸素の充てん容器等は、それぞれ区分

    して容器置場に置くこと。

    ハ 容器置場には、計量器等作業に必要な物意外を置かないこと。

    二 容器置場(不活性ガス及び空気のものを除く。)の周囲 2 メートル

    以内においては、火気の使用を禁じ、かつ、引火性又は発火性の物を

    置かないこと。ただし、容器と火気又は引火性若しくは発火性の物の

    間を有効に遮る措置を講じた場合は、この限りでない。

    ホ 充てん容易等は、常に 40 度(中略)以下に保つこと。

    へ 充てん容器等(中略)には、転落、転倒等による衝撃及びバルブの

    損傷を防止する措置を講じ、かつ、粗暴な取り扱いをしないこと。 ト 可燃性ガスの容器置場には、携帯電燈以外の燈火を携えて立ち入ら

    ないこと。

    また、高圧ガス保安法だけでなく、労働安全衛生法においても類似の規制が

    あります。 労働安全衛生規則(ガス等の容器の取扱い)

    第 263 条 事業者は、ガス溶接等の業務(中略)に使用するガス等の

    容器については、次に定めるところによらなければならない。 一 次の場所においては、設置し、使用し、貯蔵し、又は放置しない

    こと。 イ 通風又は換気の不十分な場所 ロ 火気を使用する場所及びその附近 ハ 火薬類、危険物その他爆発性若しくは発火性の物又は多量の

    易燃性の物を製造し、又は取り扱う場所及びその附近 二 容器の温度を 40 度以下に保つこと。 (以下略)

    貯蔵には、製造、販売、消費、移動等、それぞれの形態についての基準が

    ありますので、不明の点があれば、現在お取引の販売事業所、ガスメーカー

    あるいは三重県消防・保安課へお問い合わせください。 (例) ・ガス種や貯蔵量によって、届出あるいは許可は必要か? ・火気(使用場所)や保安物件までの距離は?

    -28-

  • 容器区分や転倒防止対策が

    良く行われている容器置場

    地震で散乱した容器置場

    その他、消防法にも規定があります。 貯蔵又は取扱の届出(法第 9 条3、危険物の規則に関する政令第 1 条の 10)

    下表の量以上の高圧ガスを貯蔵し又は取り扱うものは、あらかじめ、所轄

    消防長又は消防署長に届けなければならない。廃止の場合も同様である。

    例(抜粋)・圧縮アセチレン 40 ㎏

    ・液化石油ガス 300 ㎏

    ・アンモニア 200 ㎏

    高圧ガス容器の受払いは、販売事業所と消費事業所との間で予め決められた

    場所において、互いに立ち会って行なうことを前号で説明しましたが、一般的

    には、引き渡しや保管する場所は容器置場になります。 どんな場合であっても、容器置場から持ち出し(移動し)、容器置場に戻すと

    いうことを確実に行えば、容器紛失の確率は少なくなると思います。 また、地震時に備えて容器は鎖やロープでしっかりと固定しておくことが、

    転倒を防止するうえで大切です。鎖やロープはできる限り二段にかけることを

    お勧めします。 容器置場が綺麗に整頓され、よく管理されていれば、最近、増加している

    「容器の盗難」(高圧ガス事故となります。)にも早く気がついて、その後の

    届出などの処理に迅速な対処ができるでしょう。

    -29-

  • 高圧ガス輸送・移送防災講習会

    危険物運搬車両路上点検

    9 月 30 日(日)午前 9 時から三重県四日市庁舎 6 階の大会議室に於いて、高圧

    ガス輸送・移送防災講習会を開催しました。

    当日は、強い勢力をもった台風 17 号が東海地方に接近中であったにも拘らず、

    多数(126 名)のご参加を頂き、感謝申し上げます。

    この講習会は、三重県防災対策部、三重県高圧ガス地域防災協議会、三重県

    高圧ガス溶材組合の三者の共催で、高圧ガスの輸送に携わる方を対象に法律、

    交通安全などの基本的な事項について、今一度見直していただくことを目的に

    開催しているものです。 地域防災協議会の坂口会長から『高圧ガス輸送中の事故は大災害にも繋がる

    ことから、本講習会は防災意識を尚一層高めていただく機会であります。』との

    挨拶がありました。続いて、県消防・保安課 森村主査から法律の再認識という観点で「高圧ガス保安法」の解説があり、四日市南警察署交通官 稲垣警視が 受講者とのコミュニケーションを巧に図りながら「交通安全運転と事故防止」

    について熱弁を奮って頂きました。 更に、元東海運輸建設㈱神谷氏

    から「高圧ガス輸送の心構え」と

    題し、豊富な経験をベースに説得

    性のある講話を頂きました。 午後から予定していた高圧ガス

    溶材組合の「高圧ガス輸送車両点

    検」は、台風の影響で風雨が強く

    なり、中止となりました。

    一方、毎年 11 月に全国一斉に行なわれる「危険物運搬車両路上点検」が本年

    も県内各地で実施されました。11 月 7 日(水)に四日市市羽津の上海老茂福線で

    実施された路上点検に立ち会いました。

    対象車両は、万一、交通事故に遭遇した場合には大災害に繋がる恐れもある

    高圧ガス、危険物、毒劇物などで、関係法令で定められた防災機材(消火器、

    保護具、イエローカード等)の搭載及び輸送に必要な免許保持等の検査が行な

    われた他、不正燃料(軽油)の検査も併せて行われました。 県の消防・保安課、四日市県税事務所、四日市市消防本部、四日市市保健所

    がそれぞれの関係車両を点検し、2時間で約 20台の車両点検が行なわれました。 高圧ガス地域防災協議会では、今後も高圧ガス安全協会、高圧ガス溶材組合

    とベクトルを合わせ、高圧ガス輸送が安全に遂行できるよう支援してまいり

    ます。 『ご安全に!』 (三菱化学物流 北村記)

    講習会の様子

    -30-

  • 弥・味・嘉さんのひと言(第 6 回)

    お酒を飲み過ぎると二日酔いになる。これはアルコールの摂取量が多すぎて

    アルコールが消化不良となるためである。

    二日酔いの原因は?

    私はお酒を飲むという雰囲気が大好きで、また親しい仲間と話ができること

    から、どうしてもお酒が進み、益々饒舌になって時間が経つのも忘れ、知らな

    いうちに深酒になってしまい、翌日猛反省することになる。

    お祝いの席にお酒は切り離せない。結婚式・歓迎会・祝賀会・・・。

    お祝い以外の席でも酒の席は多々あるけど。

    「まず一献」の言葉もあるように、コミュニケーションの場を取り持つのは、

    お酒であり、これは昔も今も変わらない。

    酒に強いか? 弱いか?

    アルコールの血中濃度は飲んだ量と体重に関係し、お酒に強いか、弱いかは、

    あまり関係がないらしい。

    大柄な人は、血液の量が多いために、同じ量のアルコールを飲んでも血中の

    アルコール濃度は低く保たれるので、お酒に強い傾向があるが、太っている人

    の場合は脂肪が多いだけで、血液量が増えるわけではないので、お酒に強いと

    は一概に言えない。

    アルコールの分解速度は体重に比例しており、一般的には、体重1kg に

    ついて 1時間あたりアルコール 0.1g を分解すると説明されている。

    つまり、体重 70kg の人が 1時間に分解できるアルコールは 7g である。

    たとえば、350ml の缶ビール(アルコール分 5%)1 缶中のアルコール量は、

    アルコールの比重が約 0.8 であるので、約 14g となり、これを分解するには

    2 時間もかかる計算となる。

    お酒を飲んで体内に吸収されたアルコールは、肝臓でアルコールが酸化され

    て悪酔いの原因である毒性の高いアセトアルデヒドとなり、さらに酢酸に分解

    され、最終的に二酸化炭素と水として体外に排泄という経路をたどる。

    アセトアルデヒドが酢酸へ分解される際に「アセトアルデヒド脱水素酵素」

    という酵素が働くが、日本人にはこの酵素がよく働く人、働きが弱い人、まっ

    たく働かない人の3種類が存在する。

    酵素がよく働く人は酒に強く、働きが弱い人は酒にやや弱く、まったく働か

    ない人はいわゆる「下戸」となる。

    一般的に白色人種や黒色人種の人は酒に強く、日本・中国・韓国人には酒に

    弱い人がかなり多く存在する。

    -31-

  • 日本の地方別では、北海道や東北地方、南九州や沖縄の人は強く、中部、

    北陸、近畿地方には弱い人が多いという。

    アセトアルデヒドを代謝できる能力が高いかどうかは、アルコールパッチ

    テストで簡単に判定することができる。

    アルコールパッチテストの方法

    ① 救急絆創膏のガーゼ部分に消毒用アルコールを数滴しみこませる。

    ② この絆創膏を上腕の内側の柔らかい部分に貼る。

    ③ 7分後に絆創膏をはがし、すぐにガーゼが当たっていた箇所の肌の色

    を見て、赤くなっていれば、「まったく飲めない体質」。

    ④ 肌が赤くならなかった人は、さらに 10 分経過してから、同じ箇所を

    もう一度見て、肌が赤くなっていれば、「あまり飲めない体質」、肌の

    色が変わっていなければ、「飲める体質」といえるらしい。

    私は酒が大好きであることは最初に書いた。一定量を超えると節度がなくな

    り、二次会・三次会と重なって、翌日に影響することはしばしばである。

    やはり節度を持って飲酒する習慣を身につけたいのだが、できないのが酒好

    きの悪い癖である。

    聞いた話で確かではないが、二日酔いの特効薬は酸素であるらしい。

    酸素を取り入れることでアセトアルデヒドを早く酸化分解して、頭痛と悪寒

    をなくすことができれば爽快であるはずだが、どなたか経験された方はいない

    だろうか。

    ドリンク剤などを飲んで解消する方法をよく言われるが、私にはあまり効果

    はないようだ。

    私の絶対的な解消法は、一生懸命からだを動かして汗をかくこと。

    ただ、基礎体力がないことにはできないので、普段からの「からだ作り」が

    大切なことは言うまでもない。

    飲めない体質の人やあまり飲めない体質の人は、無理にお酒を飲まないよう

    にしましょう。

    飲める体質の人でも、飲みすぎて身体を壊さないように心がけましょう。

    弥・味・嘉

    -32-

  • 消防機関高圧ガス講習会の開催

    高圧ガス地域防災協議会は、高圧ガス保安法の規則に定められた「事故等の発生に

    際して応援を受けるための措置」のひとつとして、高圧ガスの移動時における事故等の

    発生に際して応援をするための組織であり、三重県においても、昭和 47 年に設立しま

    した。

    現在、高圧ガス輸送事業所、製造事業所、販売店など 151 の事業所が会員となって

    おり、このうち事故現場に赴いて高圧ガスによる災害等を防止する活動などを行う

    ための事業所を「高圧ガス防災事業所」として指定しています。

    消防本部の皆様を対象に「防災事業所の認知及び必要性について」のアンケートを

    お願いした結果、我々の組織や活動の認知度が低いことが判明しました。 このため、消防機関の皆様に「地域防災協議会」、「防災事業所」についてご理解いた

    だくための講習会を今回初めて開催しました。 開催日時:8月 2日(木)13 時 30 分~16 時 30 分

    会 場:三重県総合文化センター 中研修室(生涯学習センター4F)

    出 席 者:12消防本部 31名

    講習内容:三重県高圧ガス地域防災協議会について (敬称略)

    三重県高圧ガス地域防災協議会 理事 神谷 任男

    高圧ガス保安法令について

    三重県防災対策部消防・保安課 主査 森村 高幸

    高圧ガスの知識

    大陽日酸㈱中部支社 技術部長 松田 美智春

    -33-

  • 講習会後の消防機関のアンケート結果として、

    ● 高圧ガス防災事業所について

    ア 高圧ガス防災事業所の活動についてご存知でしたか。

    ①名前も活動内容も知っていた。 2

    ②名前は知っていたが、活動内容は知らなかった。 4

    ③今日の講習会で知った。 24

    ④その他 0

    イ 高圧ガスの種類毎に防災事業所が決められていることをご存知でしたか。

    ①知っていた。 2

    ②今日の講習会で知った。 28

    ③その他 0

    ● 高圧ガス講習会について

    ア 講習内容は、今後の消防活動に有意義でしたか。

    ①高圧ガスの基礎的な知識を得ることができたので、今後の消防活動

    に役立てたい。 27

    ②本日の講習内容レベルでは、消防活動への応用はできない。 1

    ③その他 3

    イ 今後、講習会の開催を要望されますか。

    ①本日のような講習会を継続して開催し多くの職員が受講できるよう

    にしてほしい。 18

    ②レベル別の講義内容とした講習を開催してほしい。 4

    ③ガス漏洩事故想定などの実技を含む講習を開催してほしい。 17

    ④講習会の開催は不要である。 0

    ⑤その他 0

    このアンケート結果からも分るように、「地域防災協議会」、「防災事業所」の認知度

    向上も図られ、また、消防機関からの講習会の期待もあることから、次年度以降も開催

    を継続していきたいと考えています。 (JSR 小林記)

    -34-

  • 高圧ガス溶材組合は、高圧ガス安全協会

    と共催で毎年高圧ガス消費事業所の従業員

    を対象とした保安講習会を開催しており、

    本年度は、10 月 12 日(金)に三重県四日市

    庁舎で 123 名の参加を得て開催しました。

    講習内容は下記のとおりですが、今後は

    受講者の方の意見を取り入れ、受講者にと

    ってより良い講習会にしていきたいと思い

    ます。

    講習内容:高圧ガス保安法・関係規則について

    三重県防災対策部消防・保安課 主幹 中川隆司氏

    東日本大震災での被害状況と高圧ガスの災害防止について

    大陽日酸㈱中部支社 技術部 課長 瓦林督弘氏

    酸素・アセチレン・炭酸ガス等の安全な取扱について

    高圧ガス工業㈱ 課長 塚本浩二氏

    ガス使用周辺機器の安全な取扱について

    ヤマト産業㈱ 取締役 北野辰治氏

    (名古屋酸素 加田記)

    中川講師

    瓦林講師

    塚本講師

    北野講師

    高圧ガス消費事業所保安講習会

    -35-

  • 25年度上期講習会のお知らせ(KHK中部支部)

    ★印の申し込みは、KHKのホームページ(http://www.khk.or.jp)で24時間対応します。

    専用郵便振替用紙でお申込みの場合は、受付最終日が下記日付の2日前となります。

    ○印は、KHK中部支部へ電話(052-221-8730)でお申込ください。(土日祝日を除く)

    種 類 講習・検定日 受付期間 会 場

    特定高圧ガス

    取扱主任者講習

    (液化酸素、特殊高圧ガス)

    4/4~5

    (検定)4/18○3/11~3/29

    名古屋商工会議所

    (検定会場)

    電気文化会館

    甲種化学講習 4/24~26

    (検定)5/26

    甲種機械講習 4/15~17

    (検定)5/26

    ★3/11~24

    名古屋国際会議場

    (検定会場)

    名古屋工学院専門学校【予定】

    第1次 5/14~16

    第2次 5/28~30 名古屋国際会議場

    知 (検定)6/9

    (検定会場)

    名古屋工学院専門学校【予定】

    5/7~9 プラトンホテル四日市

    乙種機械

    講 習

    三 重 (検定)6/9

    ★3/25~4/7

    (検定会場)

    名古屋工学院専門学校【予定】

    乙種化学講習 5/21~23

    (検定)6/9★3/25~4/7

    熱田神宮文化殿

    (検定会場)

    名古屋工学院専門学校【予定】

    第一種販売講習 6/5~7

    (検定)6/21★4/30~5/12

    名古屋企業福祉会館

    (検定会場)

    熱田神宮文化殿

    第1次 6/10~12

    第2次 6/18~20

    知 (検定)6/30

    名古屋国際会議場

    (検定会場)

    名古屋工業大学【予定】 丙種化学

    特別講習

    三 重 6/4~6

    (検定)6/30

    ★4/30~5/12

    三重県トラック協会 北部輸送サービス

    センター (検定会場も同じ)

    保安主任者講習 7/8~9 ★5/20~6/2 名古屋企業福祉会館

    第1次 7/18~19 愛

    知 第2次 7/23~24 名古屋国際会議場

    第1次 6/26~27

    保安係員

    (一般高圧ガス)

    講 習 三

    重 第2次 7/3~4

    ★5/20~6/2

    四日市農協会館

    高圧ガス移動監視者講習

    (総合)

    8/21~22

    (検定)9/1○7/23~8/12

    名古屋企業福祉会館

    (検定会場)

    熱田神宮文化殿

    ※ 【予定】 と記載した会場は、変更させていただくことがあります。

    -36-

    http://www.khk.or.jp/

  • 平成 24 年度 高圧ガス製造保安責任者等試験結果

    昨秋、11 月 11 日に津市の三重大学で実施された平成 24 年度高圧ガス

    製造保安責任者及び高圧ガス販売主任者試験の合格者発表が、1 月 7 日

    にありました。

    出願者は 1,178 名でしたが、受験者は 1,060 名で、うち 530 名の方が

    合格されました。

    平均合格率は 50.0%と前年度よりも 3.2 ポイント上昇しています。

    乙種化学、乙種機械、第二種冷凍