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第69回済生会学会・平成28年度済生会総会済生会の伝統継承と未来への挑戦 −新しい医療と福祉の構築に向けて−
一般演題(ポスター)
会場:301-304 3F Jゾーン時間:11:20~12:09
放射線①
P28-7 IGRTにおけるIsoCalの効果検証
山やまにし
西 英ひであき
明1)、桑波田奈央1)、服部 博幸1)、北本 明2)、藤田 秀樹1)
大阪府済生会中津病院 放射線治療技術部1、大阪府済生会中津病院 放射線技術部2
【目的】放射線治療において、画像による照射位置の照合は重要であり、治療の効果に直接影響を及ぼす。特にIGRT(画像誘導放射線治療)では、毎回得られた照合画像からずれ量を求め位置補正を行ってから照射するため、位置照合装置の中心位置精度が重要となってくる。当院では、毎朝Winston-Lutz(WL)テストおよびCBCT撮影を実施し、位置照合装置の中心位置精度の評価を行っている。2016年2月に位置照合装置のガントリ角度依存性を補正するためのソフトウェアを(Isocenter Calibration for Advantaged Imaging : IsoCal) を 導 入した。IsoCal導入前後のCBCTの測定結果を解析し、IsoCalの効果の検証を行った。
【方法】使用装置は、バリアン社製Clinac iX、Eclipse Ver.13.6を使用した。まず、Eclipseで5mmφの仮想ターゲットのプランを作成した。毎朝、WLを実施するために5mmφタングステン球をレーザーポインタに合わせて設置する。EPID(electric portal imaging device)およびOBI(on-board Imager)を用いてWLテストを実施後、OBIでCBCTを撮影する。CBCTの撮影条件は、管電圧100kV、管電流80mA、マトリックスサイズ512×512として、月曜日はHalf Fanそれ以外はFull Fanで撮影した。得られた画像を、自作ソフトウェアを用いて仮想ターゲットの照射野中心とタングステン球中心の変位量を求め、ずれ量(D)を計算して保存した。IGRTでは、ほとんどの場合CBCTを用いて位置照合を行うため、CBCTのX(Lat)、Y(Ver)、Z(Lng) 方 向 の 変 位 量の絶対値およびずれ量(D)を用いて評価した。導入前255日分のデータと導入後133日分のデータを解析し、それぞれの値を比較した。
【結果】IsoCal導入前は、ずれ量が1mmを超えていることもあったが、導入後はすべて1mm以下に収まっていた。IsoCal導入前のX、Y、ZおよびDの平均値は、それぞれ0.30、0.20、0.30、0.58mmであった。導入後のそれぞれ値は、0.16、0.09、0.17、0.30mmとなり、すべて有意差が認められた。
【結論】IsoCalを導入することにより、位置照合装置の中心位置精度が向上することが明らかになった。この結果は、IGRTを行う上で非常に有用である。