18
病理学 Pathology 田沼順一 丸山 山崎 病理学担当教員 3年 早期臨床実習 病理学総論 う蝕学(病理学各論として) 4年 腫瘍学(病理学各論として) 主要臓器の病理学(口腔病理学) 口腔の疾患の病理学(口腔病理学) 5年 PBL: 顎顔面診断治療学 臨床予備実習(ポリクリ): 病理検査学 6年 臨床実習: 病理診断学 病理学教育カリキュラムの構成 欠席しない 眠らない ノートをとる 質問する 講義ほど効率のいい勉強法はない 耳学問が大事 大学の講義: 四つのポイント ノート(固定綴じ)・カード・ルーズリーフ 鉛筆・色鉛筆・マーカ のりはさみ 図表プリント ハンドアウト 講義のノート: 重要な道具だて 筆箱に入れておく 切ってノートに貼りつける 予習は原則不要 講義中の記録が必須であるが、それだけではだめ 自宅での再整理 知識の論理性 なぜ? 図解する、表をつくる 自分の言葉で記述 ー 手書き 不明なことの解決 教科書・参考書 論文 質問 講義のノート

病理学...病理学の歴史 古代 病気は人力を超越妖魔説 ギリシャ、ローマ時代 科学的背景 Aristoteles時代のギリシャ哲学 人体疾患の固体病理学説に発展する根拠

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Page 1: 病理学...病理学の歴史 古代 病気は人力を超越妖魔説 ギリシャ、ローマ時代 科学的背景 Aristoteles時代のギリシャ哲学 人体疾患の固体病理学説に発展する根拠

病理学

Pathology

• 田沼順一

• 丸山 智

• 山崎 学

病理学担当教員

3年 早期臨床実習病理学総論

う蝕学(病理学各論として)

4年 腫瘍学(病理学各論として)主要臓器の病理学(口腔病理学)口腔の疾患の病理学(口腔病理学)

5年 PBL: 顎顔面診断治療学臨床予備実習(ポリクリ): 病理検査学

6年 臨床実習: 病理診断学

病理学教育カリキュラムの構成

欠席しない

眠らない

ノートをとる

質問する

講義ほど効率のいい勉強法はない

耳学問が大事

大学の講義: 四つのポイント

ノート(固定綴じ)・カード・ルーズリーフ

鉛筆・色鉛筆・マーカ

のり・はさみ

図表プリント

ハンドアウト

講義のノート: 重要な道具だて

筆箱に入れておく

切ってノートに貼りつける

予習は原則不要

講義中の記録が必須であるが、それだけではだめ

自宅での再整理 知識の論理性 なぜ?

図解する、表をつくる

自分の言葉で記述 ー 手書き

不明なことの解決

教科書・参考書

論文

質問

講義のノート

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病理学講義のすすめかた

出席: カード(記名、着席位置記録) 講義で配布 遅刻の場合は、カードを自作 試験前に出席率を掲示

講義:復習中心 自宅学習 講義ノートのチェック

ハンドアウト:A4判ノートに切り貼り 鋏とスティック糊 マーカー・色鉛筆

ハンドアウトのダウンロード

http://www.dent.niigata-u.ac.jp/patho/index.html

ユーザー名: niigata-u

パスワ ー ド: education2010

新潟大学歯学部 病理学総論 <細胞損傷> 1

細胞損傷 cell injury

傷害の場は 

病気:傷害への反応

細胞 

2

細胞の構成要素

細胞膜

細胞質

新潟大学歯学部 病理学総論 <細胞損傷>

3

細胞傷害(損傷)因子

n 細胞の恒常性をやぶるもの     

細胞

反応

細胞死 順 応

肥大 過形成 腫瘍

変性 萎縮 化生

異形成

新潟大学歯学部 病理学総論 <細胞損傷> 4

細胞の死への道のり

Point of no return

損傷刺激

恒常性

維持可能域

変性域 不可逆点

正常安定 変化安定平衡

新潟大学歯学部 病理学総論 <細胞損傷>

5

細胞が生きているということは?

n 細胞外環境から

   細胞膜をへだてて

細胞は分離独立

n 独立性の喪失 → 細胞死

新潟大学歯学部 病理学総論 <細胞損傷> 6

細胞の恒常性  酸素供給経路

細胞外 細胞内

外因性基質

内因性基質

能動輸送

受動漏出

Na, Ca

ADP+P1ATP

O2

K, Mg

Na, Ca

K, Mg

ATPase

虚血

解糖

新潟大学歯学部 病理学総論 <細胞損傷>

• handoutを活用

• handoutはすぐに切り抜く

• ウェブサイトでPDFファイル

• A4判ノート

• ノートの左側頁に貼り付ける

• 帰宅後は

調べたことを追加

左側頁の修正と

左右頁の連結

病理学講義 – handout -

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• 学習成果• ノートの一頁目に目次をつける

• 自身で獲得した知識体系• 教科書よりも自分のノート

• 医療実践のよりどころ• 歯科医師としての基盤

病理学講義 – 講義ノート -

3 4

虚血 ischemia心筋梗塞脳梗塞

ATP産生には二つの経路(1)ミトコンドリア内ー酸化的代謝 ATP→ATPase→ADP+Pi

(好気的呼吸) クエン酸回路(2)解糖系:グルコース→ピルビン酸回路:NADH・ATP

(嫌気的呼吸) Glucose1分子当たりのATP生成量?

Na+ K+ポンプATPで水とCaイオンをくみ出す → 恒常性の維持 Ca2+濃度

細胞内<細胞外1 µM 1.8 mM(0.1-10) 8.4~10.0 mg/dl(4.2~5.0 mEq/L)

10/19/2018_3時限

③ 受動輸送と能動輸送

Ca2+濃度?

細胞内Na<K 陽イオン化↓

膜電位↓

細胞内低下

• 1頁に2−3枚程度

• 講義中は、主に左側頁にメモ

• 帰宅(放課)後右側頁に

• 調べたこと(生理学・生化学で学習したことの復習)を追加

• 左側頁の修正• 左右頁の内容を連結 (理解する)

*Glucose1分子→36 ATP(筋肉)

細胞呼吸という概念

「個々の細胞の呼吸が障害される」と考える!

←日付を入れる

解糖経路図を貼り付ける

←頁数を入れる 頁数を入れる →

私の書斎から

教科書・参考書

本書の前身は,菊地浩吉・吉木敬編「新病理学総論」第16版である。伝統と実績を誇る「新病理学総論」を書名,装丁も一新した改訂版.

疾患のメカニズム,分子病理学の進歩により大きく変貌してきた最新情報を,分子模型を理解しやすいシェーマで解説.また,医学教育モデル・コアカリキュラムの到達目標内容とその解説部分がひと目でわかるガイド付き

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フルカラーで、圧倒的な情報量! 貴重なマクロ画像を多数収載したほか、豊富なイラストと丁寧な解説で組織像の見方がわかる。またX線像やCT像などの臨床画像を追加し、「臨床との関連」の記載を強化。「病理のわかる臨床医を目指す」には最適の教科書。

今版から各章冒頭に「構成マップ」を配置、重要事項のまとめが俯瞰できる。医師国家試験対策はもちろん、レポートなど日々の学習にも強い味方。

視覚的に理解することが容易なシェーマ図を豊富に盛り込んだ病理学の教科書。医療系学部学生を対象とし、通読のしやすさに優れ、アドバンスな内容や臨床的知識、コラム的な解説は文字の大きさで本文とは区別しており、レベルに応じた学習が可能。

今版ではフルカラー化を行い、組織や細胞構造等のイラストが色分けされたことで、より一層理解しやすくなっている。

• 大 型 最新内科学体系 全80巻

• 中 型 ハリソン内科書 全2巻

• 標準型 標準内科学

• 小 型 小内科書

教科書・参考書

病態病理学・標準病理学

わかりやすい病理学

現代病理学大系

Kumar+Abbas+Aster: Robbins Basic Pathology,9th Edition with STUDENT CONSULT Online Access (Elsevier/Saunders)ロビンス基礎病理学テキスト第9版928 pp. 1600 figs. 2012年5月(USA)

1087ページ丸善出版; 原書9版 (2014/9/1)

¥ 19,440

Kumar+Abbas+Aster: Robbins Basic Pathology, 10th Edition ロビンス基礎病理学テキスト第10版935 pp. (1050 illus.) 2018年

ロビンズの病理学テキスト "Pathologic Basis of Disease" の縮小版とも言うべき「基礎病理学」の改訂第10版. 高画質の顕微鏡写真,肉眼写真,放射線画像,挿図が満載され,優れた病理学教科書として好評を博している. 全編にわたって病原論,形態学,病態生理学が強調されていることも特徴といえる. 付属のStudent Consult eBookでは全文検索,画像のダウンロードのほか,ヴァーチャル顕微鏡スライド,自己評価問題集,冊子にはない追加画像,アップデートされた病理症例研究が閲覧できる.

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Kumar+Abbas+Aster: Robbins and Cotran Pathologic Basis of Disease

Professional Edition, 9e (Robbins Pathology)ロビンス&コトラン病理学テキスト第9版1,391 pp. (1600 ilus.) 2014年

Kumar+Abbas+Aster: Robbins & Cotran Pathologic Basis of Disease, 9e (Robbins Pathology)ロビンス&コトラン病理学テキスト第9版1,391 pp. (1600 ilus.) 2014年

病理学テキストのベストセラーとして有名な、ロビンズ&コトランの改訂第9

版。分子生物学、病気の分類、新薬や薬物療法などにおいて、高品質の写真画像とフルカラーのイラストレーションにより、新しい情報が提供されています。本書には上記の学生用テキスト以外に、教員用のProfessional Editionもあります。こちらは、教員向けのコンテンツが含まれるため、StudentConsultではなく、ExpertConsultの電子版が付属しています。

Klatt: Robbins and Cotran Atlas of Pathology, 3rd edition (Saunders)ロビンス/コトラン病理学アトラス第3版587 pp. (1700 illus.) 2014年

"Robbins and Cotran Pathologic Basis of Disease" 第9版および "Robbins Basic Pathology" 第9版を補完するアトラス集. 1,500葉以上の優れたカラー病理写真は,一般的疾患のほとんどすべてをカバーしている. そのうち400葉については新たなものと差し替えられ,中には今回初めて取り入れられたものもある. 病理医の手頃な参照本として,あるいはUSMLEを受験する学生の知識整理用として重宝な一冊となっている.

• 大 型 デスクトップパソコン

• 中 型 ノートパソコン

• 標準型 タブレット

• 小 型 スマホ

学習デバイス

病気

疾病

疾患 病変

disease生理的ではない生活現象

し っ ぺ い

病理学の歴史

ヒトはどのように病気になるのか

病気はどのように進行するのか

病気はどのようにして治るのか

医療は病気にどのように効くのか

ヒトはどのようにして死ぬのか

病理学は何を明らかにするか

疾病の機序を究める病理学 pathologyは医学そのもの、中心的位置

ヒトはどのように病気になるのか

病気はどのように進行するのか

病気はどのようにして治るのか

医療は病気にどのように効くのか

ヒトはどのようにして死ぬのか

以上の一般原則を理解したうえで、

病理学の学習を通して身につけたいこと

どんな病気でもその成り立ちを説明することに興味をもつ

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病理学の歴史古代

病気は人力を超越 妖魔説

ギリシャ、ローマ時代

科学的背景 Aristoteles時代のギリシャ哲学

人体疾患の固体病理学説に発展する根拠

Hippocrates 医学の祖

人体は4種の主な体液からなっている

(血液、粘液、黄胆汁、黒胆汁)

4主液が一定の混合状態にある時に健康

混合状態に変調をきたすと病気に

病気の本質を体液の変化: 体液病理学

病理学の歴史体液病理学

Galenusにより完成、4つのうち血液が重要

解剖学的知識を加えて、生体には固形の成分もある

4主液+固体成分の混合状態いかんで健康と病気

固体病理学

Asklepiades

病気の本態は生体の有形成分の混合状態及び

形態の異常によっておこる

病理学の歴史

ルネッサンス以後 - 実証的病理学 –

人体解剖の系統的観察に出発した科学としての病理学

Andreas Vesal (Vesalius)

病気の際には一定の形態的異常がある

Malpighi

毛細血管(1661)、赤血球(1665)を発見

→固体病理学に科学的根拠

病理学の歴史

Morgagni 世界で最初の病理解剖書

「解剖的研究における疾病の局所および原因」

Laennec, Dupuytren 臓器病理学

病気の際の臓器組織の変化および経過を明らかに

Harvey 血液循環の理を明らかに

体液病理学のうち、血液の重要性が再認識

→Andralにより血液病理学が創設

病理学の歴史

Rokitansky (1804〜1878)

血液病理学を発展

病気の本態を血液の混合状態の変化に求め、

血液の主成分である線維素および蛋白質の種々の

変化によって血液は変調して病気が発生

病理解剖を病理学の基本的な方法論として確立

Adenomyomatosis

病理学の歴史Rudolf Virchow (1821〜1902)

細胞病理学を提唱 「Cellularpathologie」 (1858年)

(顕微鏡の発明により)細胞が生体構成の単位である

細胞は細胞から発生、機能、栄養、再形成の3作用を営む

→細胞および細胞群の変化によって病気が発生

疾患はすべて局在性の細胞の変化に基づくものである

今日の病理学の根底を築く

Ludwig Aschoff (1866〜1942)細胞病理学を大成

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Rudolf Virchow: Cellular Pathologie, Berlin 1871

新潟大学歯学部 病理学総論 <導入>38

Rudolf Virchow

吉田富三訳 細胞病理学

… dass die Zell wirklich das

letzte Form-Element aller

lebendigen Erscheinung sowohl

im Gesunden, als im Kranken

sei, von welcher alle Thaetigkeit

des Lebens ausgehe.

Cellular Pathologie

細胞こそ、健康状態・病的状態を

通じて、一切の生命現象の真の

究極的有形単位であり、一切の

生命活動の発源地である。

Die allgemeine Pathologie ist nicht anderes,

als eine Lehre der krankhaften Affektionen

und der der Gesundheit zustrebenden

Reaktionen.

病理学総論とは病的障害と健康を指向して作用する反応とを扱う学問

Ludwig Aschoff

現代病理学の確立と発展

Rudolf Virchow 以来

病理解剖学、細胞病理学を基礎とし発展

病理組織学 pathological histology

病理細胞学 pathological cytology病理形態学

方法論の進歩と病理学の分化

機能的解析

新たな研究分野: 細菌学、ウイルス学、遺伝学、腫瘍学、免疫学など

現代病理学の確立と発展

病理学自体に新しい研究分野

病理生理学 pathological physiology

細胞膜透過性、体液のイオン、自律神経機能

病理生化学 pathological chemistry

細胞、体液の化学組成、物質代謝の異常と疾病

組織と細胞の生理的、病的状態における

機能と形態の関係が追求される

現代病理学の確立と発展

Aschoffと清野

生きた細胞の機能を生体染色法で観察

網状織内皮細胞系(網内系)の概念

→生体防御、炎症の考え方

RossleとKlinge

免疫病理学

自己免疫、免疫不全症候群、免疫増殖症候群の疾病機序

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現代病理学の確立と発展

細胞化学、組織化学、蛍光抗体法、酵素抗体法

免疫組織化学 immunohistochemistry

→生体防御、炎症の考え方

細胞工学、遺伝子工学

疾患の本態が分子レベルで解明

分子病理学 molecular pathology分子生物学的理解

病気の場は 細胞

分子

現代の病理学の成立過程

1860 年 Rudolf Virchow

2016 年

細胞病理学の端緒

分子病理学へ変遷

遺伝子

蛋白質糖質脂質

現代病理学の確立と発展

動的な病理学研究

従来の病理学

剖検材料を主とした病理解剖学に根拠

全身死の断面における生体の静的な剖検的変化を顕微鏡で捉える

研究のみでなく、臨床診断上重要な意義

生検法、脱落細胞学が発達

発生し変化する病変を組織・細胞学的に動的に追求する

現代病理学の確立と発展

動的な病理学研究

臨床病理学 clinical pathology

疾患の本態および現象を動的に把握することが可能

実験病理学 experimental pathology

動物において人の疾患の原因、現象および結果を再現

人体の病理学の裏付け

腫瘍病理学の研究、炎症、感染症病理学の研究

多環性芳香族炭化水素

「癌は細胞の外的刺激に対する一連の反応である」

R.Virchowの発癌の刺激説

山極, 市川 コールタールを白兎の耳殻に長期塗布

1915年 世界初の化学物質による人工発癌と転移形成に成功(実験的発癌)

3:4-ベンツパイレン(BP)の発癌性を証明

発癌性炭化水素

9:10-ジメチル-1:2-ベンツアントラセン(DMBA)が合成

皮膚塗布により扁平上皮癌皮下注入により線維肉腫

ベンゼンは造血障害、白血病

山極 勝三郎

東京大学医学部標本室

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病気の成立・転帰の機序を解明するために

ふたつのアプローチがある

• 実験病理学

(病気の科学)

医学のなかの病理学

• 臨床(人体)病理学

現代病理学の確立と発展

新しい病理形態学

従来は光学顕微鏡によって発展

位相差顕微鏡: 生きた細胞が観察

映画: 運動・機能が動的に把握

電子顕微鏡: 細胞の微細構造

組織細胞化学・免疫組織化学の進歩

細胞組織における物質の同定、細胞機能の推定

現代病理学の確立と発展

小器官病理学 organellepathology

超遠心器による細胞小器官の分離、精製

→機能、形態、化学が明らかに

走査型電子顕微鏡、細胞の凍結割断

→細胞の立体的な微細構造が明らかに

細胞内小器官の障害や相互関係の破綻

→細胞の機能障害

現代病理学の確立と発展

学問としての病理形態学

自然科学としての基礎理論に欠ける

→形態の認識、識別には経験が必要

パターン認識は数量化しにくい

最先端の方法を取り入れ、医学、医療に貢献

病理学

物質レベルにおける細胞の識別

日本の病理学

明治初期まで: 漢方医学の亜流

前野良沢(1722〜1808)、杉田玄白(1732〜1817)

「解体新書」を訳出

緒方洪庵(1810〜1863)

「病理学通論」を訳出

病理学真の科学的な

明治以降: ドイツ医学、Virchow、Aschoffを祖述

第二次世界大戦後: アメリカ医学の発展

病理学の医学に置ける位置づけ

病理学 pathology

病気の原因を明らかにし、病変の成り立ちを究め、

その結果生じた形態学的変化や機能的障害を解明

病因論 etiology: 病気の原因と病変との関係

病気は生体の構造・機能の異常の総体

病理学は生体の構造・機能の常態からの逸脱

病理学の領域

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病理学の医学に置ける位置づけ

病理学の方法論

病理解剖学、病理組織学などの病理形態学

病理学の領域

機能の異常は何らかの形で構造異常に投影

組織化学、免疫組織化学などにより解析

形態学 総合的解析+ 一個体全体臓器、組織、細胞単位分子レベル

病理学の医学に置ける位置づけ

病因論、各臓器組織の差を超えて共通にみられる病変

を病変の成立機序や種類などにより質的に分類

病理学の教育

病理学総論

病理学各論

原因、病変の成り立ち、経過、転帰などの原則的概括

各臓器、器官系に則して、各種病変を扱う

口腔病理学

病理学の医学に置ける位置づけ

医学の基礎的科学のなかで最も臨床医学に密着

医学、医療と病理学

多くの国では「臨床医学」として位置づけ

日本では「基礎医学」

医療のなかの病理学

病理診断(病理検査)

• 剖検

• 病理組織診断

(生検)

• 細胞診

臨床と直結した病理学

病理組織診断

病変の一部または全部を外科的に切除したもの(検体)を標本化して、組織・細胞の形態をみて、病気の診断をする

検体の種類

・ 生検

・ 手術材料

・ 術中迅速診断: 手術中に病理診断を行う

• 人体から組織を採取

• 組織標本を作製

• 鏡検で疾患の診断

• 病理学的診断

• 腫瘍の確定診断

• 臨床的知識を十分備えた病理医

• 診断と診療行為

生検 biopsy

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• 診断の確定

• 経過による病変の推移

• 治療効果の判定

• 手術範囲の決定、予後推定

• 移植臓器の処置決定

病理組織診断から得られる情報

術中迅速診断

手術に際して、病変

部位や切除断端など

の組織から小片を採

取し、凍結標本を作

製して病理診断に供

する場合の検査

• 細胞塗沫法

• 生検と相補的• 癌の早期発見

• 悪性腫瘍の診断

• 患者負担が軽度で迅速に診断

• 細胞診の有効な分野• 膣スメアによる子宮頸癌

• 喀痰による肺癌

細胞診 cytology

• なぜ死んだか• 直接死因

• 間接死因

• 治療効果の判定

• 臨床的診断の適否• 治療へのフィードバック

• 日本病理剖検輯報

→ 疾患の本態の把握

病理解剖 Autopsy

病理解剖の歴史

1286年 イタリアでペストが流行した際に病因解明を目的に胸部の部分解剖

がおこなわれた 病理解剖の最初の記録

1500年頃 北イタリアで病理解剖学が誕生

1784年 サンディフォルト(オランダ)が「病理解剖学的観察」を刊行最初の病理解剖アトラス

19世紀 病理解剖の発展期

1832年 ロキタンスキーがウイーン総合病院 病理医長に就任

ロキタンスキー法 (臓器を摘出せずに遺体の中で検索する方法)

1856年 ウィルヒョウがベルリン大学 病理学教授に就任ウィルヒョウ法 (個別臓器の系統的な検索を重視した解剖方法)

20世紀 病理組織学の確立顕微鏡性能・標本作製技術の向上

わが国における剖検の歴史 (吉村 昭「梅の入墨」1999)

• 1754年 山脇東洋(京都) 刑死者38才男性 腑分け →「蔵志」

• 1758年 栗山孝庵(萩) 刑死者 処刑法:斬首を進言

伊良子光顕(京都) 刑死者

• 1759年 栗山孝庵(萩) 刑死者17才女性

• 1771 年 杉田玄白(江戸) 刑死者 女性 ターヘル・アナトミア前野良沢 中川淳庵 解体新書

• 1861年 大槻俊斎 解剖願提出(お玉ヶ池種痘所のちの医学所→大病院→医学校→大学東校→→帝国大学医学部)

• 1868年 宇都宮鉱之進(開成所化学教授) 献体申出書

• 1869年 医学校生徒田口和美 黴毒院入院患者34才女性 本人と家族の同意(のちの解剖学教授)

• 1870年 大学東校 刑死獄死者解剖を習慣化

• 1873年 デーニッツ獄死脚気患者26才男性第一大学区医学校(大学東校改め)

• 1874年 デーニッツ心肥大患者38才女性東京医学校(第一大学区医学校)

• 1875年 司馬俊海(愛知県病院) 子宮外妊娠 結核性腸穿孔腹膜炎

日本初の病理解剖

日本初の篤志病理解剖

日本人医師による日本初の病理解剖

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医療における病理医の役割

病気 = 内因 × 外因

病 因 論

遺伝的(先天的)背景= 遺伝子変異・遺伝子多型

• 一般的素因• 個人的素因

• 内分泌異常• 免疫アレルギー

環境(後天的)要因• 栄養状態

• 物理的因子

• 化学的因子

• 生物因子

• 社会的因子

遺伝的背景(先天的)(遺伝子変異・遺伝子多型性)

内 因

• 一般的素因: 男⇔女;小児⇔成人

• 個人的素因: 新潟⇔東京; 会社員⇔画家

• 内分泌機構: 成長・発育・身長・体重・皮膚

• 免疫機構: アレルギー・過敏症

Whitacre CC. Nature Immunology 2001; 2: 777-80.

自己免疫疾患の男女差(患者百万人・アメリカ合衆国)

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

男 女

(%)2.0

0.34.4

0.30.04

2.10.3

0.03

0.60.4

女性に著しく偏って多い病気がある

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腫瘍発生の原因

1) 外因 発癌の直接原因

①化学的刺激 化学発癌物質

②物理的発癌因子 機械的刺激から放射線

③生物学的刺激 腫瘍ウィルス

2) 内因 発癌の素地となるもの、腫瘍素因

①遺伝的素因 先天的遺伝子異常、遺伝子多型

②ホルモン

③免疫

④栄養

発癌因子の特定

1) 動物を用いるin vivo発癌

2) 培養細胞を用いるin vitro発癌

3) 点突然変異を指標とする方法

マウス、ラット動物種や他の内因、代謝過程の相違いなどの問題も

ヒトの細胞を用いることが可能

各種代謝酵素系を加えられることから有効重視

発癌物質の多くは突然変異誘発作用→発癌作用と強い相関

労力、費用のかかる動物実験に変わる手段

化学発癌物質の検出

遺伝的素因 hered i ta ry d ispos i t ion

癌家系 cancer family

一定の癌が好発、癌発生率が高い: 遺伝

網膜芽細胞腫、神経線維腫症、家族性大腸ポリープ

( Rb ) ( NF1/2 ) ( APC )

一卵性双生児では発癌臓器の一致率が高い

悪性腫瘍を合併しやすい遺伝性疾患

疾患 遺伝形式 合併しやすい腫瘍

掌蹠膿疱症

Paget 病

色素性乾皮症

シェーグレン症候群

皮膚筋炎

優性

不規則優性

常染色体性劣性

食道癌

骨肉腫

皮膚癌

悪性リンパ腫

悪性リンパ腫, 胃腸癌

• 栄養状態: 飢餓 ⇔ 肥満

• 物理的因子: 機械力・熱(温度)・光線・放射線

• 化学的因子: 酸・アルカリ・金属・有機溶媒・

治療薬

• 生物因子: ウイルス・細菌・真菌・植物・原虫・寄生虫・昆虫・動物

• 社会的因子: 貧困⇔裕福・民族紛争・戦争

環境(後天的)要因

外 因

飢 餓• 飢えと栄養不足は、世界第1位の死亡原因である。

• 飢えと貧困によって、世界では毎日2万5000人の人々が

亡く なっている。

• 世界には、全ての人々が食べるのに十分な食糧がある

いっぽうで、8億人以上の人々が常にお腹をすかせている。

• 飢えに苦しむ人のほとんどが開発途上国に住んでいる。

サハラ砂漠以南のアフリカでは、3人に1人が飢えている。

• 飢えに苦しむ人々のうち、3億人以上が南アジアに住ん

でいる。これは、アメリカとオーストラリアの人口を足したよ

りも多数。

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肥 満

• 飢餓と対抗して、体内に大量の脂肪を蓄積する能力を身につける必然性が、人類にはあった

• 脂肪過多は健康の敵

•「体格指数」(Body Mass Index、BMI)。

•日本肥満学会では 体格指数の理想値を《22》計算式は

• 肥満の原因は、遺伝3:環境7

• 肥満は生活習慣病

体重(kg)÷ [身長(m)×身長(m)]

腫瘍の疫学 epidemiology of tumor

腫瘍の発生、罹患、死亡の実態(統計学的度数分布)

腫瘍の推定原因

→ 予防方法を確立

腫瘍の成り立ちに結びつけ

悪性腫瘍は年々増加の一途

平均余命年齢の増加

高年齢層、癌好発年齢層の比較的増加

医療技術の進歩による癌の発見率の上昇

発癌因子の増加に伴う真の癌発生の増加

主要死因別死亡率の年次推移

どの部位のがん死亡が多いか?

その他 口腔・咽頭 (男子 5,268、女子 2,147)

部位別がん死亡数(2014)

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どの部位のがん死亡が多いか~年齢による変化

部位別のがん死亡率(1年間に人口10万人あたり何人死亡するか)

がん死亡率~年齢による変化

男女とも、おおよそ60歳代から増加し、高齢になるほど高い。60歳代以降は男性が女性より顕著に高い。

日本人で最も多いがんは?

1. 胃がん

2. 肺がん

3. 大腸がん

男性

4. 前立腺がん

1. 乳がん

2. 大腸がん

3. 胃がん

女性

(9人に1人)

(10人に1人)

(11人に1人)

(12人に1人)

(12人に1人)

(14人に1人)

(18人に1人)

部位別がん罹患数(2010)

どの部位のがん罹患が多いか

その他 口腔・咽頭 (男子 13,923、女子 5,309)

部位別がん罹患数(2012)

どの部位のがん罹患が多いか~年齢による変化

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部位別のがん罹患率(1年間に人口10万人あたり何例がんと診断されるか)

がん罹患率~年齢による変化

男女とも50歳代くらいから増加し、高齢になるほど高い。30歳代後半から40歳代で女性が男性よりやや高く、60歳代以降は男性が女性より顕著に高い。

Number of deaths due to oral cancerIndia

Malta Hungary

Spain Slovenia Romania

Poland Finland

Scotland Norway

New Zealand-white Israel

Singapore Germany

RhodeshiaSweden England Nigeria Japan

New Zealand -Maori

0 5 10 15 20 25

deaths/100,000 population(Waterhouse, et al. 1976)

インドで口腔がんが多いのは噛みタバコ習慣のせい

Number of deaths due to oral cancer

IndiaMalta

Hungary Spain

Slovenia Romania

Poland Finland

Scotland Norway

New Zealand-white Israel

Singapore Germany

RhodeshiaSweden England Nigeria Japan

New Zealand -Maori

0 5 10 15 20 25

deaths/100,000 population(Waterhouse, et al. 1976)

日本には噛みタバコ習慣はないので口腔がんは少ない、

しかし、口腔がんがないわけではない。ではその原因は?

外因としての 物理的因子

• 機械力

• 熱

• 放射線

物理的発癌因子 phys ica l carc inogen

1) 機械的刺激口腔癌: 不適合補綴物や齲歯子宮癌: 多産婦直腸癌: 糞便停滞部位

胆嚢癌: 胆石症に続発

機械的刺激+炎症や化学物質による刺激

2) 放射線

原爆被爆者に癌発生率が高い、慢性骨髄性白血病

X線の長期間照射による医師、X線技師

コバルト、ウラニウム、ラジウム鉱山労働者の肺癌

3) 紫外線

細胞障害性、DNAに対し突然変異誘発作用

皮膚癌、悪性黒色腫、色素性乾皮症

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新潟大学歯学部 病理学総論 <導入> 97

0 100

100

(人/一万人)

被曝線量依存性発がん率 ー しきい値がない

発がん患者数

被曝線量 (mS)

2017年、福島原発事故の現状。

2017年10月23日に公表された最新の福島県民調査報告書によると、福島県の小児甲状腺がん及び疑いの子供達は、4か月半前…前回の190人から3人増えて合計193人になりました。

外因としての 化学的因子

• 酸 塩酸, 硫酸

• アルカリ 水酸化ナトリウム

• 重金属 有機水銀(水俣病), カドミウム(イタイイタイ病)

• 有機溶媒 エチルアルコール(アルコール性肝硬変)

• 治療薬

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• ウイルス

• 細菌

• カビ

• 原虫

• 寄生虫

• 昆虫

• 動物

外因としての 生物因子

B型肝炎ウイルス(HBV)

Hepatitis B virus (HBV)

慢性肝炎→肝細胞癌(疫学的証拠)

肝炎の表面B抗原陽性の肝癌患者の約90%にHBVのDNAが組み込まれている

HBVの腫瘍発生効果は多因子性

HBVによる慢性の肝細胞傷害・再生

→環境因子による突然変異を容易に

HBVに含まれるHBx調節因子

→NF-κB経由で増殖調節遺伝子の転写を活性化

細胞基質のシグナル転写経路を活性化

→RAS-MAPキナーゼ

→TP53を不活性化

エプスタイン・バーウイルス(EBV)

バーキットリンパ腫、移植術後のリンパ球増殖性疾患

B細胞腫瘍

鼻咽頭癌などの病因に関係

NK細胞リンパ腫 natural killer (NK) cell lymphoma

EBウイルス

B細胞に親和性、B細胞に感染して細胞を増殖、不死化

EBVにコードされた遺伝子

LMP-1 B細胞表面のCD40分子を介するB細胞活性化に似た活性化シグナル経路によりB細胞を増殖

Bcl-2を活性化→アポトーシス抑制

EBNA-2 Cyclin D、SRCファミリーなど宿主遺伝子に形質転換

エプスタイン・バーウイルス(EBV)

免疫状態:正常EBVによるB細胞増殖は制御

無症状、伝染性単核症 infectious mononucleosis

免疫制御から逸脱したB細胞t(8;14)転座のような突然変異→MYC 癌遺伝子が活性化

増殖制御の消失→単クローン性新生物の発生

免疫抑制状態:HIV疾患患者や臓器移植を受けた患者

EBV感染B細胞の多クローン性増殖

リンパ芽球様細胞株を産生

バーキットリンパ腫

マラリヤなどによる免疫抑制→B細胞増殖、T細胞による認識(-)

T細胞によって認識される細胞表面抗原を発現

(免疫状態の改善で細胞増殖を抑制)

ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)

消化性潰瘍の原因

胃癌、胃のリンパ腫の原因

形質転換したB細胞、リンパ濾胞の辺縁帯

MALT リンパ腫 (Marginalzone-associated lymphoma)

慢性胃炎→胃粘膜中にリンパ濾胞が形成

ヘリコバクター・ピロリ感染→HP反応性T細胞形成

→多クローン性の B細胞の増殖

→単クローン性の B細胞の腫瘍が増殖

(増殖調節遺伝子の突然変異の蓄積)

HP除菌→T細胞の抗原刺激に変化

慢性胃炎→胃の萎縮・腸上皮化生→異形成→胃癌

経過10年、HP感染患者の3%

100%

50%

0%

病気にはそれぞれ特有の内因と外因の貢献割合がある。

新潟大学歯学部 病理学総論 <導入> 108

しかし、個人の社会的・環境的生活状況の影響によっても左右される

個体

内 因

外 因