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2 ガスタービンのコンバインド化による高効率化に伴い,1980年代より国内で火 力発電所の建設が盛んに行われ,運転後のメンテナンスニーズの高まりとともに, ガスタービンのOEMであるGEと,国内大手プラントメーカーである東芝との共 同出資により,当社はOEMの修理技術を有するガスタービン高温部品修理専門会 社として,1996年に横浜に創業致しました。以来18年以上,GE製ガスタービン 修理の国内最大手として,多種多様なガスタービン高温部品の修理技術の確立に取 り組み,火力発電所の安定運転に間接的に寄与して参りました。 この間ガスタービンの技術革新は早く,求められる修理技術も益々高度化・多様 化していく中,技術開発に力を注ぎ,現在では国内で操業される50Hz用の9型, 60Hz用の7型の多くの高温部品を修理できる技術・設備・人材を蓄積して参りま した。その結果,最新H型高温部品の修理が可能な,世界で唯一の修理工場として, 海外の多くのお客様とも取引をさせて頂ける状況となりました。 国内のお客様は世界最高の品質要求を有しており,当社ではお客様との切磋琢磨 を続ける中,修理品質においても確固たる地位を築き,その強みを伸ばすため,更 に品質重視の姿勢で取り組んでおります。一方,経済のグローバル化が進む中,低 賃金国の修理ショップとの競争にも晒されており,業務の簡素化によるコスト削減, 修理期間の短縮に取組み,修理品質の差別化と合わせ,お客様に満足感と納得感を 感じて頂けるサービスの提供に努めて参ります。 国内ガスタービンの歴史と共に18年以上歩み,国内にしっかりと根を張って操業 している当社を,ご愛顧頂ければ幸いです。今後とも,経済の基盤である電力事業 の中で,ガスタービン高温部品の修理という分野において,微力ながら尽力させて いただきたいと思います。 代表取締役社長 二瓶 義宗 事業所等紹介 東芝ジーイー・タービンサービス株式会社 (Toshiba-GE Turbine Services Co., Ltd.)

事業所等紹介 東芝ジーイー・タービンサービス株式会社...2015/02/03  · (Toshiba-GE Turbine Services Co., Ltd.) 3 当社は発電用ガスタービンの修理サービスを行うことを目的に,1996年5月にGEと東芝の合弁会社として,横

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 ガスタービンのコンバインド化による高効率化に伴い,1980年代より国内で火力発電所の建設が盛んに行われ,運転後のメンテナンスニーズの高まりとともに,ガスタービンのOEMであるGEと,国内大手プラントメーカーである東芝との共同出資により,当社はOEMの修理技術を有するガスタービン高温部品修理専門会社として,1996年に横浜に創業致しました。以来18年以上,GE製ガスタービン修理の国内最大手として,多種多様なガスタービン高温部品の修理技術の確立に取り組み,火力発電所の安定運転に間接的に寄与して参りました。 この間ガスタービンの技術革新は早く,求められる修理技術も益々高度化・多様化していく中,技術開発に力を注ぎ,現在では国内で操業される50Hz用の9型,60Hz用の7型の多くの高温部品を修理できる技術・設備・人材を蓄積して参りました。その結果,最新H型高温部品の修理が可能な,世界で唯一の修理工場として,海外の多くのお客様とも取引をさせて頂ける状況となりました。 国内のお客様は世界最高の品質要求を有しており,当社ではお客様との切磋琢磨を続ける中,修理品質においても確固たる地位を築き,その強みを伸ばすため,更に品質重視の姿勢で取り組んでおります。一方,経済のグローバル化が進む中,低賃金国の修理ショップとの競争にも晒されており,業務の簡素化によるコスト削減,修理期間の短縮に取組み,修理品質の差別化と合わせ,お客様に満足感と納得感を感じて頂けるサービスの提供に努めて参ります。 国内ガスタービンの歴史と共に18年以上歩み,国内にしっかりと根を張って操業している当社を,ご愛顧頂ければ幸いです。今後とも,経済の基盤である電力事業の中で,ガスタービン高温部品の修理という分野において,微力ながら尽力させていただきたいと思います。

代表取締役社長

二瓶 義宗

事 業 所 等 紹 介 東芝ジーイー・タービンサービス株式会社(Toshiba-GE Turbine Services Co., Ltd.)

Page 2: 事業所等紹介 東芝ジーイー・タービンサービス株式会社...2015/02/03  · (Toshiba-GE Turbine Services Co., Ltd.) 3 当社は発電用ガスタービンの修理サービスを行うことを目的に,1996年5月にGEと東芝の合弁会社として,横

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 当社は発電用ガスタービンの修理サービスを行うことを目的に,1996年5月にGEと東芝の合弁会社として,横浜市鶴見区に設立されました。以来18年余を経過し,国内外のガスタービン部品の修理実績を数多く有し,現在に至っております。

会 社 概 要

社  名東芝ジーイー・タービンサービス株式会社

(略称)TGTS

所 在 地 〒230-0034 横浜市鶴見区寛政町20-1

設  立 1996年9月17日

資 本 金 8億円

従業員数 80名

代 表 者代表取締役社長 二瓶 義宗代表取締役会長 鈴木  繁

主要業務 発電用ガスタービン修理

会社創設(1996年)会社創設(1996年)

未 来未 来

創設10年(2006年)創設10年(2006年)

現 在現 在

 発足時「技術はGEから,製造設備と人材は東芝から」という概念のもと,修理会社としての体制が整えられた。

 最新型ガスタービンH型の修理拠点となるため,技術開発体制を強化した。これにより,H型の修理ができる世界で唯一の修理工場となった。

 H型の修理ができる世界唯一の修理工場として,国内外のお客様より広く信頼を得る。国内のお客様の高い品質要求に応えるため,品質重視で取組んでいる。

 H型で築いた最新修理技術をベースに,国内でニーズが高まる高効率ガスタービン(HA型など)の修理技術を確立し,電力の安定供給を支えることで,社会に貢献していく所存です。

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 定期的な修理が必要なガスタービン部品は,ガスタービンの心臓部にあたる動翼,静翼,シュラウド,燃焼器,ロー

ターなどの主要機器です。ガスタービン心臓部は起動停止ごとに常温から約1,500℃まで温度変化を繰返し,金属融

点を超える温度域での運転となるため,その機能維持のため,厳格に管理される必要があります。

 さらにガスタービンは毎分3,000/3,600回転で運用されるため,その主要機器には高い信頼性が求められます。修

理においては,一旦使用され劣化した機能を回復させることから,業務の全てに細心の注意を払う必要があります。

燃料ノズル:最適な燃焼状態を実現するため厳格な流量管理が求められる

静翼:高温の高速流体の影響下で機能するため,冷却機能を回復させる工夫が求められる

シュラウド:ガスタービン機能を最大化させるため,百分の1ミリ単位の曲率加工精度が求められる

動翼:動翼は回転体として過酷な状況で使用されるため,完全なる欠陥の検出や修理品質が求められる

燃焼器:最も高温となる燃焼器には高度なコーティング技術が求められる

ガスタービン部品の修理紹介

燃料ノズル

静翼

燃焼器ライナー

シュラウド

トランジションピース

動翼

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 米国のテキサス大学で機械工学を専攻し,学生時代に一人旅でアフリカや中東へ行った際に目の当たりにしたエネルギー問題をきっかけとして,発電事業に興味を持ち,卒業後の2014年8月にTGTSへ入社しました。 新入社員として駆け出したばかりの状態ですが,社員一人ひとりのリーダーシップの強さに日々驚いています。TGTSには周りを巻込み自ら行動するという社風があり,国内だけでなく海外とのビジネスが直接的に活発に行われており,技術的知識だけではなく,そのコミュニケーション能力も優れている技術者が多いと感じます。そのようなグローバルな人材に囲まれ,最先端のガスタービン補修に携われることはとても刺激的であると共に,経験豊富な先輩方からのアドバイスを得て,自分自身の成長を実感できるところが,毎日のエネルギー源になっています。� [品質スタッフ 岩田 隼平]

 先進国である日本にある工場として,コストの安い新興国工場といかに工夫して差別化するか,TGTSには独自のやり甲斐と喜びがあります。新しい材質・技術への対応を,市場の高い品質要求に応えながら進めるには,発想力,技術力,経験のみならず,使命感を持ったプロジェクト推進力が求められます。これらは技術を探求する技術者精神,顧客の求める品質レベルを達成しようとする使命感,ものづくりを工夫する職人気質,経験を蓄積し協力して展開する組織力など,もともと日本人が本来持っている資質や気風に基づいているものです。TGTSでは上記にあげた日本の地力をもとに,世界中のお客様へ価値を発信し続けています。この部分に使命を負っていることに誇りを感じながら日々取組んでおります。� [技術部 福永 潤一郎]

技術者に聞く

若手技術者に聞く

 ガスタービンの高温部品を検査する私達にとって,専門知識や経験は非常に重要です。そこで私達は検査員に対して,公的な非破壊検査資格の取得に加え,ガスタービン部品知識に特化した専門試験を課し,検査レベルの向上に力を入れております。さらに資格取得奨励制度を新設し,検査員の資格意欲を向上させる取組みも行っております。�� [品質保証部 藤巻 均]

検査技術者の声

 高温部品がTGTSに搬入されたのち,非破壊検査によって,修理判定基準を超えるき裂,酸化減肉,変形,欠損といった損傷状態が特定されます。部品ごとに損傷の位置,数,程度が異なり,その詳細記録をもとに,部品ごとの修理設計メニューが作成されます。修理設計においては,損傷の発生部位,部品の材質や状態により,適用される修理技術が選定されます。 発電効率の向上にはガスタービン温度の上昇が有効であり,それに伴い母材金属やコーティング技術の開発が進み,それを追従する形で,修理技術の向上も求められます。TGTSではガスタービン使用者の要望に合わせ,進化する材料やコーティングに対する修理技術を提供できるよう,技術開発も含め取組んでおります。� [技術部 持丸 雅典]

修理技術者の声

品質スタッフ岩田 隼平

技術部 持丸 雅典

品質保証部藤巻 均