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- 13 - 身近な犯罪・事故の特徴と対策 身近な犯罪・事故の特徴と対策 (1) 平成30年中の道内における発生傾向 平成30年中、道内では犯罪が減少傾向にありますが、住宅や店舗を対象とした侵入窃盗や 車上ねらい、自転車盗など私たちの身近なところで発生する窃盗事件が刑法犯認知件数の 大半を占めているほか、子供や女性が被害者となるわいせつ事件等も依然として後を 絶ちません。これらの犯罪は、誰もが被害に遭う可能性がありますので、他人事とは思わず、 一人ひとりが高い防犯意識を持って自ら被害防止に努めましょう。 夜間の発生が多く、道路上における発生が約3割を占めています。 児童・生徒等(小・中・高校生、大学生・専門学校生)の被害が 約40%を占めています。 被害防止のポイント イヤホンで音楽を聴きながら、スマートフォンや携帯電話を操作しながらの いわゆる「ながら歩き」はやめましょう。 夜間の一人歩きは極力避け、人通りが多く、明るい道を通りましょう。 玄関に入って施錠するまでに後方を見るなど、周囲を十分警戒しましょう。 侵入窃盗のうち、空き巣が約4割を占めています。 住宅対象侵入窃盗(空き巣、忍込み、居空き)のうち、玄関や窓等 の無締りの被害が最も多く、約5割を占めています。 被害防止のポイント わずかな時間の外出でも確実に施錠しましょう。 CP錠やガラスを割れにくくする防犯フィルムを活用しましょう。 警報装置、防犯カメラ、センサーライト等の防犯機器を設置しましょう。 窃盗犯のうち、自転車盗は約2割を占めています。 無施錠の被害が約半数を占めており、生徒等の被害が約6割を占めています。 被害防止のポイント 強制わいせつ 侵入窃盗 自転車盗

第第44身身近近なな犯犯罪罪・・事事故故のの特特 …...-13-第第44身身近近なな犯犯罪罪・・事事故故のの特特徴徴とと対対策策 (1) 平成30年中の道内における発生傾向

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第第44 身近な犯罪・事故の特徴と対策身近な犯罪・事故の特徴と対策

(1) 平成30年中の道内における発生傾向

平成30年中、道内では犯罪が減少傾向にありますが、住宅や店舗を対象とした侵入窃盗や

車上ねらい、自転車盗など私たちの身近なところで発生する窃盗事件が刑法犯認知件数の

大半を占めているほか、子供や女性が被害者となるわいせつ事件等も依然として後を

絶ちません。これらの犯罪は、誰もが被害に遭う可能性がありますので、他人事とは思わず、

一人ひとりが高い防犯意識を持って自ら被害防止に努めましょう。

発 生 傾 向

◆ 夜間の発生が多く、道路上における発生が約3割を占めています。

◆ 児童・生徒等(小・中・高校生、大学生・専門学校生)の被害が

約40%を占めています。

被害防止のポイント

◆ イヤホンで音楽を聴きながら、スマートフォンや携帯電話を操作しながらの

いわゆる「ながら歩き」はやめましょう。

◆ 夜間の一人歩きは極力避け、人通りが多く、明るい道を通りましょう。

◆ 玄関に入って施錠するまでに後方を見るなど、周囲を十分警戒しましょう。

発 生 傾 向

◆ 侵入窃盗のうち、空き巣が約4割を占めています。

◆ 住宅対象侵入窃盗(空き巣、忍込み、居空き)のうち、玄関や窓等

の無締りの被害が最も多く、約5割を占めています。

被害防止のポイント

◆ わずかな時間の外出でも確実に施錠しましょう。

◆ CP錠やガラスを割れにくくする防犯フィルムを活用しましょう。

◆ 警報装置、防犯カメラ、センサーライト等の防犯機器を設置しましょう。

発 生 傾 向

◆ 窃盗犯のうち、自転車盗は約2割を占めています。

◆ 無施錠の被害が約半数を占めており、生徒等の被害が約6割を占めています。

被害防止のポイント

強制わいせつ

侵入窃盗

自転車盗

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◆ 短時間の駐輪でも必ず施錠しましょう。

◆ 駐輪時には補助錠を併用しましょう(ツーロック)。

◆ 路上には放置せずに管理された駐輪場を利用しましょう。

◆ 自転車に防犯登録をしましょう。

発 生 傾 向

◆ 施錠中の被害が約7割を占めています。

◆ 駐車場・住宅敷地における被害が約7割を占めています。

◆ 現金以外にも、バッグ・財布、クレジット・キャッシュカード等の被害が

多くなっています。

被害防止のポイント

◆ 車内にバッグなどの荷物を置いたままにしないようにしましょう。

◆ 明るくて管理された駐車場を利用しましょう。

◆ 車両は車庫などに入れ、出入口を施錠しましょう。

◆ 警報装置、防犯カメラ、センサーライト等の防犯機器を活用しましょう。

発 生 傾 向

◆ 駐車場・住宅敷地における被害が約5割を占めています。

◆ バッテリー、ナンバープレート、タイヤ・ホイール等の被害が多くなっています。

被害防止のポイント

◆ 明るく、管理された駐車場を利用しましょう。

◆ 車両は車庫などに入れて、出入口を施錠しましょう。

◆ 盗難防止ネジやナットでナンバープレートなどを固定しましょう。

◆ 警報装置、防犯カメラ、センサーライト等の防犯機器を活用しましょう。

発 生 傾 向

◆ タイヤ交換時期に届出が増加しますが、年間を通じて発生しています。

◆ 車庫や物置における被害が約6割を占めており、そのうち無施錠での被害が約8割

を占めています。

被害防止のポイント

◆ かぎのかかる場所にタイヤを保管して、出入口を施錠しましょう。

◆ タイヤを鎖などで連結して施錠しましょう。

◆ タイヤの裏側などに目印を付けましょう。

◆ 警報装置、防犯カメラ、センサーライト等の防犯機器を活用しましょう。

車上ねらい

部品ねらい

タイヤ盗難

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(2) 犯罪抑止対策の推進

ア 道内の犯罪情勢

平成30年中、道内における刑法犯の認知件数は2万5,459件で、平成に入り認知件数が

最も多かった平成14年の9万4,091件と比べて約7割減少しています。

イ 「街頭犯罪等抑止総合対策」から「地域の犯罪情勢に即した効果的な犯罪抑止対策」へ

全国の刑法犯認知件数は平成13年まで6年連続で戦後最多を記録し、平成14年においても

前年を上回る勢いで増加するなど、治安悪化に対する国民の不安感が増大しました。

このような犯罪情勢を改善するため、全国警察を挙げた諸対策を推進することとなり、

北海道警察においても平成15年から、ひったくりなどの街頭犯罪と空き巣などの侵入犯罪

を抑止する「街頭犯罪等抑止総合対策」を推進しました。

さらに、平成24年7月からは、「地域の犯罪情勢に即した効果的な犯罪抑止対策」として

警察本部及び警察署が、地域住民が不安を感じ解決を望む犯罪や犯罪の総量抑制によって

道民の不安感を払拭すべき犯罪を重点犯罪に選定し、抑止活動を行っています。

ウ 北海道警察重点犯罪の認知件数の推移

平成30年中、北海道警察重点犯罪の認知件数は、前年に比べて子供・女性対象犯罪が

281件(10.8%)、特殊詐欺が149件(51.5%)、侵入強盗・侵入窃盗が1,896件(20.4%)、

自転車盗が3,977件(11.1%)、車上ねらい・部品ねらいが2,283件(10.7%)、タイヤ盗難

が246件(10.5%)減少しました。

項 目 21年 22年 23年 24年 25年 26年 27年 28年 29年 30年

子供・女性対象犯罪 319 312 293 362 399 352 390 314 315 281

子供被害犯罪 69 91 74 103 101 123 106 102 121 106

女性被害犯罪 250 221 219 259 298 229 284 212 194 175

特殊詐欺 - - 123 191 217 259 275 191 307 149

侵入強盗・侵入窃盗 4,755 4,545 4,459 4,150 3,750 3,730 3,562 3,095 2,383 1,896

侵入強盗 60 86 57 59 58 59 28 31 26 29

侵入窃盗 4,695 4,459 4,402 4,091 3,692 3,671 3,534 3,064 2,357 1,867

自転車盗 12,345 12,784 10,906 8,810 7,965 7,568 6,574 5,206 4,472 3,977

車上ねらい・部品ねらい 7,245 7,018 7,040 5,441 3,623 3,844 2,847 3,010 2,557 2,283

車上ねらい 5,889 5,785 6,032 4,601 2,700 3,017 2,085 2,172 1,962 1,848

部品ねらい 1,356 1,233 1,008 840 923 827 762 838 595 435

タイヤ盗難 1,548 1,632 1,457 1,768 1,121 1,541 855 443 275 246

注)平成21年、平成22年は公式統計データはなく、平成30年は暫定値です。

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(3) 予防対策

ア 街頭活動の強化

警察署では犯罪発生の時間帯、場所等を分析し、街頭活動を強化するなど犯罪の

予防対策と検挙活動を強化しています。

イ 参加・体験・実践型防犯教室などの開催

皆さんのまちを管轄する警察署や地域の

防犯協会では、防犯設備士などの専門家の

協力を得て、防犯ガラスの破壊体験や防犯

性能の高い優良防犯機器を紹介する実践型

防犯教室、学校などにおける子供たちが

不審者と遭遇した際の声掛け対応訓練や

学校への不審者侵入を想定した実戦的な

対応訓練等、皆さんが参加・体験できる

各種防犯教室を開催しています。 【実践型防犯教室】

【不審者からの声掛け対応訓練】 【学校への不審者侵入を想定した対応訓練】

ウ 地域住民の自主防犯活動に対する支援

安全で安心して暮らせる北海道を実現するためには、自治体などの関係機関・団体や

防犯ボランティアを始めとした地域住民の皆さんが、それぞれの立場で犯罪防止のための

活動に主体的に取り組むことが重要です。地域住民の皆さんによる子供の見守り活動、

防犯ボランティア活動、青色回転灯装備車によるパトロール活動等、様々な活動が行われ、

安全で安心な地域づくりに貢献しています。

北海道警察では、自主防犯活動が積極的に行われるよう、様々な機会を通じて

「自らの安全は自らが守る」、「地域の安全は地域の力で守る」ことの重要性を訴えると

ともに、自主防犯活動を支援するため、地域で発生した犯罪や防犯対策などを

ホームページ、電子メール、ツイッター、Yahoo!防災速報、地域安全ニュース、

交番ミニ広報紙等を活用し、適宜発信しています。このほか、合同パトロールや

パトロール資機材の貸与なども行っています。

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【防犯ボランティアの見守り活動】 【青色回転灯装備車の出動式】

エ 情報発信活動

(ア) ホームページを活用した「犯罪発生マップ」による犯罪発生情報の提供

犯罪被害に遭わないためには、犯罪の発生実態を認識し、日ごろから自主防犯対策を

講じることが必要です。

北海道警察では、身近な犯罪の発生状況をより多くの方々に知っていただくために、

北海道警察本部のホームページに地理情報システム(GIS)を活用した「犯罪発生マップ」

を掲載し、道内における7罪種(ひったくり、路上強盗、自動車盗、車上ねらい、

部品ねらい、侵入強盗、侵入窃盗)の発生状況をお知らせしています。

【犯罪発生マップの概要】

罪 種 掲載方法 更新頻度

ひったくり、路上強盗 ピンマップ 1週間に1回更新

(属性情報として事件概要なども掲載)

自動車盗、車上ねらい、部品ねら 密度マップ 1か月に1回更新

い、侵入強盗、侵入窃盗 (発生密度に応じ、色分け表示)

【ピンマップ】 【密度マップ】

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(イ) 電子メールなどを活用した地域安全情報の提供

北海道警察では平成19年4月から、携帯電話や

パソコンの電子メールを活用して皆さんに犯罪の

発生、防犯対策等に関する情報(地域安全情報)を

タイムリーに提供する「ほくとくん防犯メール」を

運用し、情報発信を積極的に行っています。

このほか、ケーブルテレビ放送や地上デジタル

放送を活用し、「子供に対する声掛け事案」や

「犯罪の発生、防犯対策等に関する情報」を皆さん

にお知らせしています。

【ほくとくん防犯メール】

(ウ) ツイッターを利用した地域安全情報などの提供

北海道警察では平成28年10月から、ツイッター社

が運営するツイッターを利用した地域安全情報など

の発信(公式アカウント名「北海道警察防犯情報発

信室 @HP_seian」)を始めました。「ほくとくん防犯

メール」と同様にタイムリーな情報をより多くの方

に発信できる手段として、多くの情報を発信

しています。

【北海道警察防犯情報発信室ツイッター】

(エ) Yahoo!防災速報による犯罪情報等の提供

北海道警察では、ヤフー株式会社と協定を締結して

平成29年7月から、Yahoo!防災速報により緊急性の

高い防犯情報等の配信を開始しました。

スマートフォン用の無料アプリケーションを

インストールすることで情報を受け取ることができ、

地図情報を表示する機能や位置情報と連動する

現在地連動通知機能等の便利な機能があり、犯罪の

発生情報などが分かりやすく表示されます。

また、携帯電話やパソコンでもメール版に

登録することで情報を受け取ることができます。

【Yahoo!防災速報】

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【ケーブルテレビ放送による情報発信】

(デイリーニュース) (道警ほくとくん防犯TV)

(オ) 広報媒体を活用した地域安全情報の広範囲な提供

北海道警察では、増加している犯罪や社会の関心が高い犯罪について、マスコミを

通じた報道、ホームページや大型ビジョンを活用した広報啓発、電子メールによる

関係機関・団体などへの情報発信、チラシの作成・配布等により、広く道民の皆さんへ

犯罪被害防止を呼びかけています。

【ホームページへの資料掲載】 【被害防止啓発用チラシ】

【関係機関・団体等への情報提供】

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【JR札幌駅構内ビジョンでの広報】

一件でも多くの犯罪を減少させるため

警察本部 生活安全企画課 警部補

刑事ドラマの影響もあり、警察に対し、すでに起きた犯罪を

捜査するイメージを持たれている方も多いと思います。しかし、警察の中には、犯罪が

発生する前から将来起こりうる犯罪を予測し、どうすれば犯罪の発生を抑止し、被害を

未然に防ぐことができるかについて考え、対策に取り組んでいる部署があります。私の係

は、ひったくりや空き巣、車上ねらいなど日々変化する犯罪情勢を分析しながら、その

結果を警察署の警察官に還元して犯罪の抑止と検挙活動を支援するだけでなく、住民の方

にとっても有効な防犯対策を検討し、ツイッターやウェブサイトなどで積極的に情報発信

を行っています。また、自転車の盗難対策として有効な自転車防犯登録業務も重要な仕事

のひとつです。住民の方から問い合わせを受けた際は、わかりやすく丁寧な説明を

心がけていますが、「ありがとう。」の言葉をかけていただくことがあり、大変励みになっ

ています。平成30年は道内で2万5,459件の犯罪が発生しましたが、その一件一件には

悲嘆に暮れる被害者がいるという現実を肝に銘じ、一件でも多くの犯罪被害を未然に

防ぐことができるよう、効果的な犯罪抑止対策を進めていきたいと考えています。

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2 特殊詐欺

(1) 特殊詐欺とは

特 殊 詐 欺電話やメール等により、被害者に対面することなく、他人名義の預貯金口座へ

振り込ませたり、郵送させるなどして現金をだまし取る詐欺で、振り込め詐欺と

振り込め詐欺以外の特殊詐欺に分けられます。それぞれの手口は次のとおりです。

振り込め詐欺

●オレオレ詐欺

息子などを装って電話し、示談金の支払いや

借金の返済等を名目に現金をだまし取る詐欺

○家族を名乗る者から突然、「お金を用立

てて欲しい」と電話があれば要注意!

○家族の元々の電話番号にかけ直して確認!

●架空請求詐欺

投資に絡む名義貸しトラブルやサイト利用

料金名目等を装い、現金をだまし取る詐欺

○「名義を貸して」「名義貸しは違法。警察

に捕まる」と言われたら詐欺です。

○電子マネーで支払いを求められたら要注意!

●融資保証金詐欺

FAXなどで融資希望者を募り、保証金、

手数料等の名目で現金をだまし取る詐欺

○FAXで突然送られてくる「低金利」「無

担保」「即日融資」等の融資話には要

注意!

●還付金等詐欺

行政機関を装い、医療費の還付金名目で被害

者をATMに誘導し、現金をだまし取る詐欺

○ATMで還付金は戻ってきません。

○「携帯を持ってATMへ」は詐欺です。

振り込め詐欺以外の特殊詐欺

●金融商品等取引名目の詐欺

未公開株、社債等に関する資料を送り

つけ、購入すれば利益が得られるなどと

言って現金をだまし取る詐欺

○身に覚えのないパンフレットが送られて

来たら要注意!

○「必ず利益が得られる」などの誘いには

要注意!

●ギャンブル必勝情報提供名目の詐欺

電子メールなどで、宝くじ、競馬、パ

チンコ等の必勝情報を提供するなどと偽

り、現金をだまし取る詐欺

○ロト6などの当選番号が事前にわかることはありません。

○ギャンブルで、「必ず儲かる」「絶対に当たる」等の話はありません。

●異性との交際あっせん名目の詐欺

メールなどで異性交際をあっせんし、

虚偽の情報を提供するなどした後、会員

登録料などの名目で現金をだまし取る詐欺

○突然、「異性紹介」「必ず交際できる」等

とメールが来たら要注意!

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(2) 道内の情勢

平成30年中、特殊詐欺認知件数は149件、被害金額は約3億5千万円と前年より減少

していますが、依然として高い水準にあります。

【認知件数】 単位:件 【被害金額】 単位:億円

(3) 近年の犯行手口

親族や警察官をかたるオレオレ詐欺や「訴訟告知はがき」や「未納料金請求メール」など

の架空請求詐欺の高額被害が多発するなど、深刻な情勢が続いています。

交付形態別では、被害者が現金を自宅等に受取りにきた犯人に直接手渡す「現金手交型」

及び宅配便等で送付する「現金送付型」のほか、コンビニエンスストア等で電子マネーを

購入し、そのIDを教えるよう要求されたり、払込票番号を伝えられコンビニエンスストア

等でその支払いをさせられる被害が発生しています。

(4) 被害防止への取組

ア 関係機関などと連携した水際対策の推進

金融機関、コンビニエンスストア、スーパーマーケ

ット、宅配事業者等に対し、利用客に対する声掛けの

協力を要請し、お金をだまし取られる寸前の「水際」

で、多数の被害を防止しています。

コンビニエンスストアチェーン4社と警察による

共同宣言を締結し、コンビニエンスストアとの連携を

強化しています。

イ タイムリーできめ細かな防犯情報の発信

特殊詐欺の新たな手口や同種手口の連続発生情報など、各種広報媒体を活用した

タイムリーできめ細かな防犯情報の発信を行っています。

0

50

100

150

200

250

300

350

259 275

191

307

149

0

2

4

6

8

10

12

14 12.5

9.3

4.4

6.7

3.5

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ウ 直接的・個別的な防犯指導などによる地域住民の抵抗力強化

地域住民が特殊詐欺の電話等を受けた場合でも、

自ら見破り、被害を防ぐことができる「抵抗力」を

高めていただくため、地域住民のお宅に伺い面接

する巡回連絡などの機会を通じ、被害防止グッズや

啓発チラシを配布しながら手口や対処方法を

分かりやすく説明しているほか、地域住民が

自ら考え「抵抗力」を高めることができるよう、

「すごろくゲーム」や「自ら考えるチラシ」を作成

して、配布しています。

特殊詐欺を撲滅するために

警察署 刑事第二課 警部補

「孫に結婚祝いを送るために、お金を引き出しにきました。」

被害者の高齢女性は、息子を名のる男にオレオレ詐欺の電話

で騙されていて、金融機関で高額の現金を引き出そうとしていました。

「私は騙されていませんから、警察はもう帰ってください!」

被害者は、犯人の電話で息子が不正をしたと信じ込まされていて、息子を守るために

必死になって警察の協力を拒否していたのです。

オレオレ詐欺などの特殊詐欺は、犯行グループが電話やメールなどを利用して、被害者

の善意や良心につけ込んで騙しにかけるという非常に悪質な犯罪であり、被害者が対面

していない犯人を検挙するという難しさがあります。

被害者や被害者の親族をはじめとする多くの方々の協力を得て犯人につながる証拠を

集め、北海道外において犯人を割り出して検挙し、数都道府県に亘る余罪についても検挙

しており、犯行グループを徹底的に検挙するために、捜査を続けています。

犯人の検挙を被害者の方々に伝えたときの温かい言葉をさらなる励みにして、被害者の

思いに応えられるよう一つひとつの事件を全力で取り組む所存です。

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3 ストーカー・配偶者暴力事案

(1) ストーカー事案の取扱状況

北海道警察では、警察本部、各方面本部、各警察署に「人身安全対策班」を設置して、被害

者等からの相談に応じるとともに、ストーカー規制法を始め、あらゆる法令を適用してストー

カー事案の取締りを行っています。

ア 相談受理の状況

平成30年中の道内におけるストーカー事案の相談受理件数は761件で、前年と比べて

141件減少しており、平成28年以降は、減少傾向で推移しています。

被害者の性別は、女性が691件(90.8%)と全体の9割以上を占めており、年齢別では、

20歳代が267件(35.1%)と最も多く、次いで30歳代が177件(23.3%)、40歳代が134件

(17.6%)となっています。

被害者と行為者の関係は、交際相手が286件(37.6%)と最も多く、次いで友人・知人が

93件(12.2%)、行為者不明が92件(13.3%)、面識のない者が82件(10.8%)と

なっています。

(件)

372

426 390404

794 1,018

1,1421,207

1,061

902761

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

男70

女691

被害者の性別

交際相手

286

友人・知人

93不明

92

面識無し

82

配偶者

52

職場関係

49

その他

107 被害者と行為者の関係

90.8%

9.2%

(件)(件)

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- 25 -

ストーカー行為の態様別については、ストーカー規制法に基づく「つきまとい行為」別

(複数計上)に分類してみると、1号の「つきまとい、待ち伏せ、押し掛け等」は395件、

3号の「面会、交際等の要求」は256件、5号の「無言電話、連続電話、連続電子メール等」

は153件となっています。

イ 検挙・警告の状況

平成30年中の道内におけるストーカー規制法に基づく警告件数は91件、禁止命令件数は

51件となっています。

また、ストーカー事案の検挙件数は116件で、主な罪種は、ストーカー規制法違反28件、

住居侵入26件、傷害・暴行13件、脅迫11件、北海道迷惑行為防止条例違反9件と

なっています。

(件)

198 196

180

143 11691

14 13 12 830

5172

133 138

156138

116

0

50

100

150

200

250

H25 H26 H27 H28 H29 H30

検挙・警告・禁止命令件数警告

禁止命令

検挙

395

30

256

84

153

824

61

19 50

50

100

150

200

250

300

350

400

450

1号 2号 3号 4号 5号 6号 7号 8号 その他 目的違う

ストーカー行為の態様別グラフ(複数計上)

(件)

件数

28件

住居侵入 26件

傷害・暴行 13件

脅迫 11件迷惑行為防止条例 9件

その他 29件

計 88件

116件

合   計

ストーカー規制法

検挙法令別内訳検挙罪名

凡例 1号   つきまとい、待ち伏せ、押し掛け等 2号   監視していると告げる 3号   面会、交際等の要求 4号   乱暴な言動 5号   無言電話、連続電話、連続電子メール等 6号   汚物などの送付 7号   名誉を傷つける 8号   性的羞恥心の侵害 その他  法目的に合致するが1~8に該当しない 目的違う 法目的に合致せず1~8に該当しない

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(2) 配偶者からの暴力事案の取扱状況

平成30年中の道内における配偶者からの暴力事案の相談受理件数は、3,291件で前年と比べ

て259件増加し、高水準で推移しています。

ア 相談受理の状況

平成30年中の道内における配偶者からの暴力事案の相談受理件数3,291件のうち女性から

の相談は2,682件(81.5%)となっています。

年齢別では、30歳代が854件(25.9%)、20歳代の相談が818件(24.9%)、40歳代が730件

(22.2%)となっています。

被害者と加害者の関係は婚姻関係が2,306件(70.0%)、同居型の交際関係が598件

(18.2%)、元夫婦が168件(5.1%)、内縁関係が161件(4.9%)となっています。

(件)

744 786 8661,233

1,635

2,177

2,854 3,047 3,0323,291

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

男609

2,682

被害者の性別 (件)

81.5%

18.5%

婚姻関係2,306

交際関係598

元夫婦168

内縁関係161

交際解消

48内縁解消

10

被害者と加害者の関係 (件)

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イ 保護命令発令・検挙状況

平成30年中の道内における裁判所からの配偶者暴力防止法に基づく保護命令発令通知は

91件で、前年と比べて1件増加しました。

平成30年中の検挙については、配偶者暴力防止法に基づく保護命令違反の検挙は1件で、

前年と比べて3件減少し、他事件での検挙件数は348件で、前年と比べて39件増加しました。

主な罪種については、暴行162件、傷害159件、殺人未遂7件、脅迫5件などと

なっています。

(3) ストーカー事案及び配偶者からの暴力事案の事例及び取組

ア 事例

・ 平成30年4月、女性を無理矢理車両に乗せようとした男を未成年者略取未遂等で逮捕

し、同男によるストーカー行為に関して文書警告を実施しました。

・ 平成30年7月、知人女性の住居や実家に押しかけ行為をし、警告を受けていたにもか

かわらず、さらに、同女性の知人宅に押しかけた男を、ストーカー規制法違反で逮捕

しました。

・ 平成30年8月、走行中の車両内で妻と口論し、妻の顔面等を複数回殴打して傷害を

負わせた夫を傷害で逮捕しました。(妻は病院搬送後に死亡)

イ 取組

・ 医療機関との連携によるストーカー事案加害者に対するカウンセリング治療の推進

・ 道立女性相談援助センターや保護観察所との連携の強化により、被害の拡大を防止す

るための活動を推進

(件)

105119 131

114 9091

191

269286 326 313

349

50

100

150

200

250

300

350

400

450

500

H25 H26 H27 H28 H29 H30

保護命令・検挙件数検挙

保護命令 件数

1件

暴行 162件

傷害 159件

殺人未遂 7件

脅迫 5件

その他 15件

計 348件

349件

DV法

検挙法令別内訳検挙罪名

合   計

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高齢者がかかわる交通事故

(1) 現状

平成30年中の北海道内における高齢運転者側に主な原因のある(第一当事者)交通死亡事故

は、発生件数が37件で前年に比べ3件増加、死者数が40人で前年に比べ5人増加しました。

運転者の年代別にみると、高齢運転者側に主な原因のある交通事故は、発生件数、死者数

ともに最も多くなっています。

また、過去10年の推移をみると、件数は若干の増減はあるものの、横ばいの件数で推移して

いますが、交通死亡事故件数全体が減少傾向で推移しているので、全事故に対する高齢運転者

による交通死亡事故の件数の占有率は増加傾向にあります。

また、死者の年齢別をみると、高齢者が79人と全体の約56%を占有しています。

死者数についても、過去10年の推移をみると、減少傾向で推移していますが、他の年代の

死者数がそれ以上に減少しているため、全死者数に占める高齢者の死者数は増加傾向にあり、

平成27年以降は、4年続けて50%を越えています。

高齢死者の状態別の状況をみると、四輪乗車中が半数を占めていますが、高齢者以外の

死者と比較すると、歩行中の割合が約2倍になっています。

(2) 対策

北海道警察では、高齢歩行者対策と高齢運転者対策の両面に関して、それぞれ対策を講じて

います。

(取組の詳細は第14「交通死亡事故抑止活動」をご覧ください。)

平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 平成29年 平成30年発生件数(件) 47 37 47 40 44 41 46 42 34 37死者数(人) 50 37 51 42 48 48 51 45 35 40占有率(%) 22.9 18.2 25.7 21.7 24.7 26.1 27.4 28.2 23.6 28.5

区  分

1当高齢者(原付以上)

区 分 若年者 25~29歳 30歳代 40歳代 50歳代 60~64歳 高齢者発生件数 11 4 22 22 19 10 37死 者 数 13 5 23 25 19 11 40

 ※ 1当原付以上

平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 平成29年 平成30年

死者数(人) 111 99 97 85 97 75 96 83 76 79占有率(%) 50.9 46.0 51.1 42.5 52.7 44.4 54.2 52.5 51.4 56.0

218 215 190 200 184 169 177 158 148 141全死者数(人)

区  分

高齢死者

四輪乗車中53.2%

二輪乗車中1.3%

自転車5.1%

歩行者

40.5%

高齢死者状態別

四輪乗車中

61.3%

二輪乗車中

11.3%

自転車

3.2%

歩行者

24.2%

高齢者以外死者状態別