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排水の管理② 処理施設の維持管理 建設局下水道部計画課 平成30年度 排水管理責任者資格認定講習 (平成30年11月19日・20日 於:神戸国際会館9階 大会場)

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  • 排水の管理②

    処理施設の維持管理

    建設局下水道部計画課

    平成30年度 排水管理責任者資格認定講習 (平成30年11月19日・20日 於:神戸国際会館9階 大会場)

  • 前講義にて…

    処理対象物質 排水処理方法高温排水 水冷法酸・アルカリ排水 中和法浮遊物質 自然沈殿法、凝集沈殿法、加圧浮上法BODの高い排水 活性汚泥法、回転生物接触法、嫌気性消化法油類 自然浮上分離法シアン アルカリ塩素化法六価クロム 薬品還元法、イオン交換樹脂法

    重金属水酸化物凝集沈殿法、鉄粉法、フェライト法、キレート樹脂法、イオン交換樹脂法

    有機塩素化合物ベンゼン

    処理対象物質ごとの排水処理方法(例)

    エアレーション法、活性炭吸着法

    代表的な処理方法を中心に説明します。

    、凝集加圧浮上法

    2

  • 目 次

    1. 代表的な排水処理方法

    (1) 油水分離槽 (2) 調整槽

    (3) 中和処理 (4) 凝集処理

    (5) 生物処理 (6) その他

    2. 違反の事例と維持管理

    3. まとめ 3

  • 4

    1. 代表的な排水処理方法

    (1)油水分離槽

    排水中の油分と水を分離

    (水と油の比重の違いを利用)

  • 1. (1) 油水分離槽

    ◆油分を含む排水が発生する主な場所

    【①動植物油脂類】

    ・厨房

    飲食店、ホテル、旅館 など

    ・生産設備全般

    食料品製造工場 など

    5

  • 1. (1) 油水分離槽

    ◆油分を含む排水が発生する主な場所

    【②鉱油類】

    ・整備場、洗車場

    車両整備、ガソリンスタンド など

    ・脱脂工程

    機械器具等製造業、めっき業 など

    6

  • 汚水管へ

    流量調整器

    〔平面図〕

    〔断面図〕

    雨水管へ

    7

    1. (1) 油水分離槽

    排水 処理水

    油分が上部に浮く

    下部の水が次の槽へ

    4~5槽が望ましい

    ◆油水分離槽の構造

  • ◆油水分離槽の構造 (飲食店等の厨房向け)

    8

    1. (1) 油水分離槽

    断面図

    上からの写真

    し渣かご

    容量が小さく、排除基準が守れないことも

  • 9

    1. 代表的な排水処理方法

    (2)調整槽

    水質、水量の平均化

    (負荷変動の抑制)

  • ・飲食店、ホテル、旅館

    ・食料品製造業

    …排水の量及び質の時間変動が大きい

    ⇒排水の貯留により水質を平均化し

    排除基準を守れる可能性がある

    ただし、水質使用料の対象となる可能性有

    10

    1. (2) 調整槽

    ◆平均化で対応可能な業種の例

  • ◆構造

    11

    排水

    排水

    空気 ←スクリーン

    1. (2) 調整槽

    容量:一日分の排水量を貯留可能(目安)

    夾雑物の 除去

    腐敗防止

    沈殿防止

  • 12

    1. 代表的な排水処理方法

    (3)中和処理

    酸性、アルカリ性排水を薬品等の

    添加により中性に調整

  • 1. (3) 中和処理

    ・水溶液中の水素イオン濃度の対数

    ・排除基準:5を超え、9未満

    ・希釈によってpHを1変化させるには、

    10倍の水が必要

    13

    酸性 中性 アルカリ性

    1 7 14

    ◆水素イオン濃度 (pH) とは?

  • ◆中和剤の種類と特徴 薬品名 化学式 利点 難点

    硫酸 H2SO4 ・溶解性 大 ・反応性 大

    ・取り扱い が危険

    塩酸 HCl ・溶解性 大 ・反応性 大

    ・取り扱いが危険 (HClガスの発生)

    二酸化炭素 CO2 ・安全 ・低pHになりにくい

    ・高価

    アルカリ

    苛性ソーダ NaOH ・溶解性 大 ・反応性 大 ・汚泥量 少

    ・重金属の 再溶解

    生石灰 CaO ・重金属の 再溶解防止 ・汚泥の脱水性

    ・溶解性 小 ・反応性 小 ・汚泥量 多 消石灰 Ca(OH)2

    14

    1. (3) 中和処理

    各事業場排水に適した薬品の使用を!

  • ◆中和処理のフロー

    15

    1. (3) 中和処理

    アルカリ

    pH不可

    原水 処理水

    調整槽 中和槽 監視槽

    MpH pH

  • ◆中和処理施設の例

    16

    1. (3) 中和処理

    中和槽と制御盤 中和槽

    pH電極

  • 1. 代表的な排水処理方法

    (4)凝集処理

    対象物質を凝集させて除去

    17

  • 1. (4) 凝集処理

    ◆凝集とは? ・コロイド等の粒子が集まり塊(フロック)になる

    ・フロックの除去方法 ⇒凝集沈殿 or 凝集加圧浮上 除去対象物質の重さ等により使い分け

    凝集のイメージ

    無機 凝集剤

    高分子 凝集剤

    18

  • ◆凝集沈殿 (重金属類・ふっ素化合物等)

    原理

    フロックを一定時間滞留させ

    沈降させて除去

    対象物質

    重金属等の比重の大きい物質

    19

    1. (4) 凝集処理

  • ◆凝集沈殿のフロー

    20

    排水

    処理水槽

    スラッジ

    処理水

    原水槽 凝集反応槽(急速撹拌槽)

    凝集反応槽(緩速撹拌槽)

    沈殿槽汚泥処理へ

    酸 アルカリ無機

    凝集剤高分子凝集剤

    P pH

    1. (4) 凝集処理

    無機凝集剤により 微細フロック形成

    高分子凝集剤で フロックを架橋し 粗大化

    注意点:シアンや六価クロムは前処理が必要

  • ◆凝集沈殿の例

    21

    pH電極

    急速攪拌槽 沈殿槽

    緩速攪拌槽 処理水

    1. (4) 凝集処理

    フロックの形成

  • ◆凝集沈殿の例

    22

    原水 凝集槽の水 処理水

    1. (4) 凝集処理

  • ◆凝集加圧浮上 (主に油類処理)

    23

    1. (4) 凝集処理

    原理 加圧水により発生させた微細気泡をフロックに付着させることで軽くし、浮上させて除去 対象物質 油等の比重の小さい物質の除去に有効。 (油水分離槽で除去できない乳濁状態の油類が対象。)

  • ◆凝集加圧浮上のフロー

    24

    排水

    加圧浮上槽 処理水槽

      スカム加圧水 汚泥処理へ

    加圧水槽

    (緩速撹拌槽)

    処理水

    空気空気圧縮

    高分子凝集剤

    原水槽

    酸 アルカリ無機

    凝集剤

    (急速撹拌槽)凝集反応槽 凝集反応槽

    P pHP

    1. (4) 凝集処理

    無機凝集剤により 微細フロック形成

    高分子凝集剤で フロックを架橋し 粗大化

    掻き寄せ機

    加圧水を大気解放 微細気泡が発生

    循環 利用

  • ◆凝集加圧浮上の例

    25

    凝集反応槽 加圧浮上分離槽

    撹拌機

    掻き寄せ機

    1. (4) 凝集処理

    加圧水により フロックが浮上

  • ◆その他~凝集ろ過~

    26

    1. (4) 凝集処理

    排水

    処理水槽

    スラッジ

    処理水

    原水槽 凝集反応槽(急速撹拌槽)

    凝集反応槽(緩速撹拌槽)

    沈殿槽汚泥処理へ

    酸 アルカリ無機

    凝集剤高分子凝集剤

    P pH

    ろ過機(フィルター)で微細フロックを除去

    利点 ・省スペース ・メンテナンスが容易

  • 1. 代表的な排水処理方法

    (5)生物処理

    有機汚濁の除去

    27

  • 1. (5) 生物処理

    ◆生物処理とは?

    細菌などの微生物を用いて排水中の 有機汚濁を処理

    生物処理の種類

    ・浮遊生物法:生物は槽全体に分散 (活性汚泥法、担体流動床など)

    ・生物膜法:生物は支持体(ろ材)に付着 (散水ろ床、回転円板、接触酸化、担体流動床など)

    28

  • 排水

    反応タンク原水槽

    PB←空気

    PB←空気

    沈殿槽

    返送汚泥 汚泥処理設備へ

    処理水

    1. (5) 生物処理

    ◆活性汚泥法 (浮遊生物法)

    29

    曝気 腐敗防止 沈殿防止 曝気

    混合促進 酸化促進 沈殿防止

    反応タンクの 生物量確保

  • 1. (5) 生物処理

    活性汚泥法の反応タンク 30

    ◆活性汚泥法 (浮遊生物法)

  • 1. (5) 生物処理

    活性汚泥法の沈殿槽

    処理水

    31

    ◆活性汚泥法 (浮遊生物法)

  • 1. (5) 生物処理

    ◆接触酸化 (生物膜法)

    接触酸化の反応タンク

    表面に生物膜

    の形成

    支持体(ろ材)

    曝気

    汚水を支持体と接触

    32

    処理水 排水

    B

    空気

    v v v v v v v v v v v

  • 1. (5) 生物処理

    33

    ◆接触酸化 (生物膜法)

    接触酸化塔

  • 1. (5) 生物処理

    ◆担体流動床 (浮遊生物法+生物膜法)

    ・活性汚泥法の反応タンクに担体を投入する ・生物量が多く、処理効率が高い

    生物が付着した担体 担体

    材質や表面を工夫 ⇒生物の付着量 大

    34

  • 1. (6)その他

    現場での回収の徹底

    再溶解の防止が基本

    ※曝気法・活性炭吸着法 ⇒原水濃度、設備、メンテナンス等により処理能力に差異が生じることに留意

    ◆有機塩素化合物(ジクロロメタン等)

    35

  • 1. (6)その他

    ・排水処理施設から出た汚泥

    (凝集・生物処理で生じた脱水汚泥など)

    ・発生源で回収した汚濁物質 (めっき槽液、廃液タンク、食品残渣・油など)

    ◆廃棄物の処理

    36

    ⇒法律に則り適正な処理が必要

    廃棄物処分も排水処理の一部です!

  • 37

    2. 違反の事例と維持管理

    (1)動植物油(油水分離槽、調整槽) (2)pH(中和) (3)重金属(凝集沈殿) (4)鉱油・動植物油(凝集加圧浮上) (5)BOD・SS(生物処理)

  • 38

    (1)動植物油(油水分離槽、調整槽)

    厨房排水

    油水分離槽 調整槽

    公共下水道

    原因 :油水分離槽の管理不足による油分の流出 食器類の洗浄前の拭き取りが不十分 対策 :油水分離槽の清掃(操業後の浮上油の回収など) 定期的な汚泥の回収 維持管理しやすい環境作り 発生源での負荷削減 注意点:調整槽の能力にも限界がある

    飲食店

    2. 違反の事例と維持管理

  • アルカリ

    pH不可

    原水 処理水

    調整槽 中和槽 監視槽

    MpH pH

    (2)pH(中和)

    工程排水

    原因 :ガラス電極の汚染による中和不良 対策 :pH電極の洗浄・校正、洗浄頻度の把握 日常点検の強化 処理水槽に監視用pH計と返送ラインを設置 その他:薬品の補充、予備電極

    業種問わず多数

    処理水槽

    2. 違反の事例と維持管理

    39

  • 40

    pH電極

    ガラス電極

    こまめな洗浄が必要です!

    2. 違反の事例と維持管理

  • 41

    (3)重金属(凝集沈殿)

    ①凝集不良 原因 :ポンプ閉塞により薬注がなされず凝集不良となった 対策 :薬注の確認、薬品タンクの容量確認 凝集状態の確認 ②汚泥越流 原因 :沈殿槽の汚泥引抜を怠ったことによる汚泥越流 対策 :定期的な汚泥の引抜(脱水)・引抜(脱水)頻度の把握 沈殿槽・処理水槽の目視確認

    めっき業

    排水

    処理水槽

    スラッジ

    処理水

    原水槽 凝集反応槽(急速撹拌槽)

    凝集反応槽(緩速撹拌槽)

    沈殿槽汚泥処理へ

    酸 アルカリ無機

    凝集剤高分子凝集剤

    P pH

    2. 違反の事例と維持管理

  • 42

    (4)鉱油・動植物油(凝集加圧浮上)

    原因 :処理水質の悪化に伴い、加圧水供給装置が閉塞し フロックが浮上除去されなかった 対策 :加圧水供給装置の閉塞解消・加圧水槽の清掃 加圧浮上槽・処理水槽の目視確認

    自動車整備 食品製造業

    排水

    加圧浮上槽 処理水槽

      スカム加圧水 汚泥処理へ

    加圧水槽

    (緩速撹拌槽)

    処理水

    空気空気圧縮

    高分子凝集剤

    原水槽

    酸 アルカリ無機

    凝集剤

    (急速撹拌槽)凝集反応槽 凝集反応槽

    P pHP

    2. 違反の事例と維持管理

  • (5)BOD・SS(生物処理)

    原因 :沈殿槽の汚泥引抜を怠ったことによる汚泥越流 対策 :定期的な汚泥の引抜・引抜頻度の把握 沈殿槽・処理水槽の目視確認

    食品製造業

    排水

    反応タンク原水槽

    PB←空気

    PB←空気

    沈殿槽

    返送汚泥 汚泥処理設備へ

    処理水

    2. 違反の事例と維持管理

    43

  • 44

    2. 違反の事例と維持管理

    (1) 油水分離槽、調整槽における油流出 ⇒日常管理、負荷源の回収不足 (2) 中和施設におけるpH電極の汚染 ⇒日常管理の不足 (3) 凝集沈殿における凝集不良・汚泥流出 ⇒日常管理、目視確認の不足 (4) 凝集加圧浮上における汚泥流出 ⇒日常管理、目視確認の不足 (5)生物処理における汚泥流出 ⇒目視確認の不足

  • ・汚水発生源の内容の把握

    ・排水処理の内容の把握

    ・排水処理施設の適切な維持管理

    ・担当者以外も意識をもつ

    ・緊急時における処理対応

    など 45

    3. まとめ

    ◆排除基準を遵守するために