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水柿 研究室の紹介
2019年11月(令和2年度配属用)
http://www.mizugaki.es.uec.ac.jp
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水柿 研究室 ー 全般1
所属: III類(電子工学) 先進理工学科
担当: 水柿義直 教授学生数:平成30年度: M2-4名,M1-3名,B4-3名
平成31年度: M2-3名,M1-3名,B4-2名令和 2年度: M2-3名,M1-3名,B4-?名 (人数は最大予定数)
受入定員: 標準配属人数(III類:2017年入学生の定員2名,総定員3名) すべてのプログラム(コース)の学生を受け入れます。
大学院(情報理工学研究科):基盤理工学専攻 (標準配属人数:原則3名)
研究室紹介: 西2号館418室にて11月23日(土) 13:00~17:0011月24日(日) 11:00~17:00 ※22日(金)は公開無し
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水柿 研究室 ー 全般2
ゼミ・その他の行事:研究室内
輪講、研究報告。(週2回、通年)超伝導の勉強会(前学期)各種行事
飲み会,ハイキング (体育祭,スキー合宿)
守屋研究室と共同運営
島田研究室・小久保研究室と学内共同研究合同ゼミ(輪講、研究報告) (週1回、通年)共同研究
西2号館 4階 418号室
類Ⅲ水柿・守屋研究室 基盤理工学専攻
電子・イオン・磁力線を1個ずつ扱うエレクトロニクス 電線を流れる電流は・・・・・電子の動き 電解質溶液を流れる電流は・・イオンの動き 磁場の動きは・・・・・・・・磁力線の動き
強磁性体/超伝導体トンネル接合を有する単一電子トランジスタの走査電子顕微鏡写真
約200nm
ディジタル信号を高精度なアナログ電圧に変換する超伝導集積回路の光学顕微鏡写真
『浮き磁石』の実演では,超伝導体上の空中に回転可能な状態で固定された磁石をご覧いただきます。
究極的には,電子1個,イオン1個,磁力線1本のコントロール
当研究室では 電子を1個ずつ扱う「単一電子素子」 イオンを1個ずつ扱う「単一イオン素子」 磁力線を1本ずつ扱う「超伝導単一磁束量子素子」に関する研究を遂行しています。
水柿研究室 at a glance• キーワード
単一電子デバイス、超伝導デバイス、集積回路、量子効果、
脂質二分子膜、単一イオン伝導
強磁性体/超伝導体トンネル接合を有する単電子トランジスタの走査電子顕微鏡写真
約200nm
体育祭参加(ソフトボール)SVBLクリーンルーム入口
高精度な正弦波電圧波形を生成する超伝導ジョセフソン集積回路の光学顕微鏡写真
400 μm低温実験風景OPAL-Ringより
金電極上および金電極間隙の金ナノ粒子配列
Siチップ内の直径数十μm
の孔に脂質二分子膜を形成
単分子膜貼り合わせ法の装置
34 mm
脂質二分子膜の実験
超伝導回路の実験
単一電子デバイスの実験
6
もう少しだけ詳しい研究テーマ紹介
単一磁束量子(超伝導)デバイスと集積回路の研究高精度な電圧発生と電圧増倍超伝導電子素子を使った高度センシング超伝導集積回路(アナログとディジタル)の高度設計と実証
単一電子デバイスの研究ナノ粒子を使った新しい作製法単電子トランジスタを使った高度センシング確率動作や周期特性を利用した情報処理応用
脂質二分子膜のエレクトロニクス応用 細胞膜を形成する脂質二分子膜の高絶縁性を利用した
水中エレクトロニクスを開拓します。 単一イオン伝導もターゲットの一つです。
いずれのテーマについても、理想としては『物理の発見・理解』から、その『システム応用』までを守備範囲としたい。
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超伝導ジョセフソン・デバイス
超伝導 ある温度以下で抵抗がゼロになる。
他にも特異な性質(巨視的量子効果)が現れる。
ジョセフソン効果 超伝導電子のトンネリングにおいて発現する量子効果(ジョセフソンさんが予言)。
エレクトロニクス応用 電圧を正確に定義できる(電圧標準)。
超高感度な磁気センサー。
超高速・超低消費電力ディジタル回路。
超伝導を発見した人
ジョセフソン効果を予言した人
超伝導に絡んだノーベル物理学賞
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両極性電圧出力を実現する単一磁束量子D/A変換器に関する研究(H27年度修士論文、目黒会賞受賞)
正確な両極性電圧波形を出力する超伝導集積回路を実現しました。 超伝導材料はNb(ニオブ)
液体ヘリウム温度(4.2 K)に冷却して動かします。
ジョセフソン効果に基づいた交流電圧標準の実現を目指した研究です。
可変パルス数増倍回路
デマルチプレクサ
直列接続型
DFQA1mm
条件 fIN = 460 MHz, fDC = 32 kHz-2.5
-2
-1.5
-1
-0.5
0
0.5
-500
-300
-100
100
300
500
0 2 4
Curr
ent o
f sw
itch
sign
al
[mA]
V OU
T[μV]
Time [ms]
Vout GND Switch signal
回路レイアウト設計 回路の構成(測定系込み)
回路動作の測定例
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磁束バイアス線を1本に減じたDFQアンプの設計と動作検証
(平成29年 電気学会 基礎・材料・共通部門 優秀論文発表賞)
磁束量子の発生を利用した量子精度の電圧増倍器(DFQアンプ)について,そのパラメータを見直すことで動作範囲を拡大しました。
新型
旧型(左)と新型(右)の等価回路と試作した回路の光学顕微鏡写真
旧型
新型(磁束バイアス無し)
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単一電子デバイス
単一電子トンネリング
トンネル接合の面積を極小(ミクロン以下)にすると、(かつ低温にすると、)
電子1個のトンネリングを制御できる。
電子1個未満の電荷を観測できる。
エレクトロニクス応用
超高感度な電荷センサー。
超高密度・超低消費電力ディジタル回路。
電流を正確に定義できる可能性もある。
スピントロニクスと融合。
電子1個の電荷を測定した人
超伝導島電極を有する強磁性SETにおける磁気抵抗比の極性とトンネル抵抗値の相関(電子情報通信学会・電子デバイス研究会 論文発表奨励賞受賞)
超伝導体と磁性体を組み合わせた単一電子トランジスタを用いて,超伝導体内でのスピン蓄積現象を解析しました。
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500nm
gate
island
Co /AlxOy /Aljunction
Co /AlxOy /Aljunction
AlCo
Cosource
drain
Sample A
電子顕微鏡像
電流-電圧特性,微分コンダクタンスー電圧特性の例(左は高抵抗,右は低抵抗)
トンネル抵抗 (RRT) と磁気抵抗比 (MRR) 極性の相関
金ナノ粒子散布法で作製した微小トンネル接合ランダム配列での単一電子帯電効果(平成28年度3月期の博士学位論文の一部)
金ナノ粒子のランダム配列を利用した単一電子素子を作製法を
提案・実証しました。13
あらかじめ用意しておいた金属電極間隙に金ナノ粒子を散布して,ランダム配列を作製(左の光学顕微鏡像ではナノ粒子は見えません。)
2電極間の電流-電圧特性が第3電極に印加する電圧で繰り返し変化し,単一電子帯電効果が確認されました。(a) 電流電圧特性の例。(b) ゲート電圧 vs. バイアス電圧平面上に微分コンダクタンスをカラープロットしたもの。
Drain
Source Gate
Drain
Source GateDrain
Source Gate
1 μm
Gate – Source: 250 nm
Gap: 1000 nm
-5
-2.5
0
2.5
5
-3 -1.5 0 1.5 3
Gate Voltage, VG = 0.03 V
0.015 V
0 V
Drain – Source Voltage, VDS (V)
Dra
in C
urre
nt, I
D(n
A)
(a) (b)
Temperature T = 77 K
Dra
in –
Sour
ce V
olta
ge, V
DS
(V) D
rain Conductance,G
D(nS)
Gate Voltage, VG (V)
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シラン化処理により固定された金ナノ粒子配列の単一電子素子への応用関する研究(H29年度卒業論文、目黒会賞受賞)
基板のシラン化とチオール化を導入して金ナノ粒子配列を作製し,単一電子帯電効果を観測しました。
https://www.sigmaaldrich.com/japan/materialscience/nano-materials/gold-nanoparticles.html
【参考】金コロイド溶液の色(金ナノ粒子のサイズで色が変化する)
171018A (8 h)
171106A (1 h)
171106F (14 h)
400 nm
シラン化した基板に付着した金ナノ粒子(液浸時間を変えた場合の変化)
先行研究におけるC10S2のコンダクタンス0.5 nS~と一致
0.4 nS
200 nm
DrainSource
171018A Gap 5
すべ
て粒
径30
nm
粒径 30 nm
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脂質二分子膜のエレクトロニクス応用
脂質二分子膜
液中にて形成される。細胞膜の材料(リン脂質)。
極めて絶縁性が高い(2次元絶縁膜)。
個々のリン脂質分子には流動性がある。
脂質二分子膜内でのイオンや電子の通り道(ナノチャネル)を形成し、水溶液中で機能する高感度な化学・物理センサを構築します。(東北大学・平野愛弓教授のJST-CREST研究に参加しています。) https://www.jst.go.jp/kisoken/crest/project/1111086/14531695.html
水溶液中でのリン脂質分子は,親水基を外側に,疎水基を内側に配置するように整列します。(図はWikipediaより引用)
脂質二分子膜を挟むように配置した電極間のインピーダンスをRC並列回路モデルで近似解析
単分子膜貼り合わせ法で作製した脂質二分子膜の電気的特性と寿命の相関 (平成28年度卒業研究)
Si/Si3N4チップに設けた孔に脂質二分子膜を形成しました。
緩衝溶液に挿入したAg/AgCl電極間のインピーダンスを,LCRメーターで測定しました。
RC並列回路モデルを仮定して容量値の変化を追跡したところ,脂質二分子膜の寿命と容量値変化との間の相関性を見い出しました。 16
脂質二分子膜形成前後での並列容量の変化の様子 脂質二分子膜の寿命と形成
時の容量増加量との関係
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研究室での生活
研究手法は実験が基本ですが、種々の計算も必要です。(計算主体のテーマもあり得る。)
当研究室での研究は、過去の先輩による業績・成果の上に成り立っています。 将来の研究は、皆さんの業績・成果の上に成り立ちます。 各人が重要な構成員です。協調しながら研究室生活を続けることが重要です。
誰もやったことがないことをするのが研究です。各人の努力と工夫が重要です。
明確なコアタイムはありませんが、平日の昼間は研究活動していることを前提としています。 研究遂行や日常的保守業務の面で、研究室メンバーがお互いに協力し合うことが求められています。
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チームとしての研究活動
M2-B4ラインを基本とした研究遂行 M2→M1→B4: 教育、ノウハウの伝授等々 B4→M1→M2: 研究の補助・補完等々
卒研生 観客から選手に転身(研究室の歴史を担う一員)
いきなり活躍する人もいます。
M1 (標準的には)2軍から1軍に昇格
M2 (標準的には)控えからスタメンに昇格
チームワークが嫌いな人、日常の挨拶ができない人は不向きです。
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研究の目標(希望を含む)
卒業研究審査に合格する。
学会の講演会や研究会にて研究成果を報告する。
特許などの知的所有権を獲得する。
学術雑誌に論文(主として英文)を掲載する。
研究成果を利用したアプリケーションを世の中に送り出す。
学域・学部卒
院修了