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精神科病院の医療収入を上 げるために ~今回の改定を踏まえて~ R02.828 大塚製薬様講演資料 認定登録経営コンサルタント 安田病院事務長 沼田周一

精神科病院の医療収入を上 げるために ~今回の改定を踏まえ …jimunext/webnextr0207/202008ootuka.pdf15:1 入院基本料 800 800 800 811 824 824 824 830 30

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  • 精神科病院の医療収入を上げるために~今回の改定を踏まえて~

    R02.8.28 大塚製薬様講演資料

    認定登録経営コンサルタント

    安田病院事務長 沼田周一

  • 〇 医療付随収入を上げる一般病院なら 差額室料、健康診断。精神科病院は文書料くらい。

    2

    「医療収入を上げる」のは簡単ではないでも、このままでは、賞与は減る一方だ。

    病院医療収入=単価(特に入院単価)×患者数+文書料他精神科病院の医療収入の85%は入院収入

    〇 入院単価を上げる出来高病棟なら 看護補助加算を上げる包括病棟なら 包括外の算定の確認

    〇 病床利用率を上げる(増患)病院に営業の部署がない。口コミの世界。

  • 78.4%

    89.9%

    75.0%

    80.0%

    85.0%

    90.0%

    95.0%

    100.0%

    H10年 H11年 H12年 H13年 H14年 H15年 H16年 H17年 H18年 H19年 H20年 H21年 H22年 H23年 H24年 H25年 H26年 H27年 H28年

    青森県 岩手県 宮城県 仙台市 秋田県

    山形県 福島県 山口県 全国

    3

    東北各県の病床利用率(H10年~H28年)

    (厚生労働省630調査より)

    山口県

    福島県

    岩手県

    平成10年 平成28年

    青森県 93.7% 83.8%

    岩手県 95.1% 81.4%

    宮城県 96.7% 85.5%

    仙台市 93.8% 82.1%

    秋田県 96.8% 87.0%

    山形県 96.5% 88.0%

    福島県 92.1% 78.4%

    山口県 100.9% 89.9%

    全国 95.3% 86.7%

    宮城県

    秋田県山形県

    青森県仙台市

    全国

    外来治療で済む患者さんが増えた

    損益分岐点病床利用率 85.2%(令和元年度日精協医療経済実態調査)

  • 県内の年度別にみた病床数・在院患者数・病床利用率

    H19.3.31 H20.3.31 H21.3.31 H22.3.31 H23.3.31 H24.3.31 H25.3.31 H26.3.31 H27.3.31 H28.3.31 H29.3.31 H30.3.31 H31.3.31

    病床数 6,116 6,104 6,210 6,331 6,222 6,233 6,245 6,268 6,195 6,196 6,189 6,158 6,155

    在院患者数 5,392 5,298 5,377 5,451 5,507 5,404 5,363 5,354 5,266 5,088 5,170 5,192 5,149

    病床利用率 88.2% 86.8% 86.6% 86.1% 88.5% 86.7% 85.9% 85.4% 85.0% 82.10% 83.50% 84.30% 83.70%

    入院患者数と病床利用率

    5,149

    94.4%

    83.7%

    75.0%

    80.0%

    85.0%

    90.0%

    95.0%

    100.0%

    4,400

    4,600

    4,800

    5,000

    5,200

    5,400

    5,600

    H5.3.31 H8.3.31 H11.3.31 H14.3.31 H17.3.31 H20.3.31 H23.3.31 H26.3.31 H29.3.31

    入院患者数と病床利用率(宮城県内)入院患者数 病床利用率

    県内の平均病床稼働率が数年で8割を切る可能性があります。

    4(宮城県入院施設状況調査より)

    Sheet1

    宮城県の精神病床の推移 ミヤギケン セイシン ビョウショウ スイイ

    入院患者数 ニュウイン カンジャ スウ病床利用率 ビョウショウ リヨウリツ病院数 ビョウイン スウ病床数 ビョウショウスウ

    340594,83194.4%5,117

    344244,86093.0%5,224

    347894,91994.4%5,209

    351554,90194.1%5,210

    355205,00594.2%5,315

    358855,03995.2%5,293

    362504,99293.4%5,345

    366165,06493.4%5,421

    369814,99292.4%315,405

    373464,91291.5%315,371

    377115,14289.7%335,68315200215自衛隊病院、エバグリーン病院 ジエイ タイ ビョウイン ビョウイン

    380775,19291.4%335,683

    384425,51591.4%376,0322044619299541川崎こころ病院、石橋病院、仙台富沢病院、杜のホスピタル・あおば カワサキ ビョウイン イシバシ ビョウイン センダイ トミザワ ビョウイン モリ

    388075,45388.3%366,176(50)(50)厚生年金病院 コウセイ ネンキン ビョウイン

    391725,39288.2%356,116(54)(54)白石今野病院 シロ イシ コンノ ビョウイン

    395385,29886.8%356,104

    399035,37786.6%366,210144144東北福祉大学せんだんホスピタル トウホク フクシダイ ガク

    402685,45186.1%6,331

    406335,50788.5%376,22246154(120)200(120)厚生年金病院、杜都千愛病院、恵愛病院 コウセイ ネンキン ビョウイン モリ ミヤコ セン アイ ビョウイン メグミ アイ ビョウイン

    409995,40486.7%376,233

    413645,36385.9%376,245

    417295,35485.4%376,268

    420945,26685.0%376,195

    入院患者数と病床利用率(県内)

    入院患者数

    340593442434789351553552035885362503661636981373463771138077384423880739172395383990340268406334099941364417294209448314860491949015005503949925064499249125142519255155453539252985377545155075404536353545266病床利用率

    34059344243478935155355203588536250366163698137346377113807738442388073917239538399034026840633409994136441729420940.943999999999999950.930.943999999999999950.940999999999999950.941999999999999950.951999999999999960.934000000000000050.934000000000000050.924000000000000040.915000000000000040.897000000000000020.914000000000000030.914000000000000030.883000000000000010.882000000000000010.867999999999999990.865999999999999990.860999999999999990.885000000000000010.866999999999999990.858999999999999990.854179961710274440.8500403551251009

    Sheet2

    県内の入院患者数と病床利用率

    入院患者数340593442434789351553552035885362503661636981373463771138077384423880739172395383990340268406334099941364483148604919490150055039499250644992491251425192551554535392529853775451550754045363病床利用率3405934424347893515535520358853625036616369813734637711380773844238807391723953839903402684063340999413640.943999999999999950.930.943999999999999950.940999999999999950.941999999999999950.951999999999999960.934000000000000050.934000000000000050.924000000000000040.915000000000000040.897000000000000020.914000000000000030.914000000000000030.883000000000000010.882000000000000010.867999999999999990.865999999999999990.860999999999999990.885000000000000010.866999999999999990.85899999999999999

    4病院開院

    Sheet3

    県内の年度別にみた病床数・在院患者数・病床利用率 ケンナイ ネンド ベツ ビョウショウ スウ ザイイン カンジャ スウ ビョウショウ リヨウリツ

    H4年度 ネンドH5年度 ネンドH6年度 ネンドH7年度 ネンドH8年度 ネンドH9年度 ネンドH10年度 ネンドH11年度 ネンドH12年度 ネンドH13年度 ネンド3771138077384423880739172395383990340268406334099941364417294209442460428254319043555

    病床数 ビョウショウスウ5,1175,2245,2095,2105,3155,2935,3455,4215,4055,3715,6835,6836,0326,1766,1166,1046,2106,3316,2226,2336,2456,2686,1956,1966,1896,1586,155

    在院患者数 ザイイン カンジャ スウ4,8314,8604,9194,9015,0055,0394,9925,0644,9924,9125,1425,1925,5155,4535,3925,2985,3775,4515,5075,4045,3635,3545,2665,0885,1705,1925,149

    病床利用率 ビョウショウ リヨウリツ94.4%93.0%94.4%94.1%94.2%95.2%93.4%93.4%92.4%91.5%89.7%91.4%91.4%88.3%88.2%86.8%86.6%86.1%88.5%86.7%85.9%85.4%85.0%82.10%83.50%84.30%83.70%

  • ●増患を阻害するものの一部・外来

    予約診療(特に新患の予約)→ 決まった数しか診療しない。

    「新患●カ月待ち」は、患者を増やす気がない。

    ・入院病棟のナースの雰囲気

    ベッドが空いているのに、医師の前では、さも忙しいそうに振る舞う。→ 医師の遠慮が働き、患者さんに「入院ではなく、もう少し、外来で

    頑張ってみますか。」 と短期入院を勧めない

    「一晩、入院してみたら よく眠れるかもしれませんよ」と言えない。

    「増患」について(意外と無頓着)

    「ぞうかん」(患者を増やす)は、医師だけの問題ではありません。病院職員全体で、患者数を上げると言う意識を持つことが肝心です。

    それには、目に見える「インセンティブ」も必要です。患者が増えていれば、賞与を上げる。「いつもより多く患者さんが来たので、飲み物を提供する」など。

    精神科病院は入院患者数が命一般病院は差額室料と健康診断

    5

  • 「増患」について(患者数と単価の関係)

    例) 一人1日当たり 14,476円、1日の在院患者100人の病院とする

    A:年間収入 14,476×36,500=528,374,000円

    1週間に1名の入院患者を増やした。 年間患者数 36,500+52=36,552人

    B:年間収入 14,476×36,552=529,126,752円

    B-A=752,752円 増収

    患者数が100人のままで、増収分を単価アップで補うには、

    752,752円÷36,500人=20.6円 (2.06点) 単価を14,497円

    一人1日 2点上げる(病院全体で1日200点上げる)には、

    例えば、 精神科作業療法(220点)を毎日1人づづ増やす。

    入院精神療法(1)(400点)を2日に1回実施する。

    入院精神療法(80点)を毎日3人増やす。

    ※入院単価は、精神療養病棟入院料(H30年度日精協総合調査)。

    6

    どちらが大変か

  • 2,842

    2,408

    1,185

    1,789

    55.8%

    46.8%

    34.7%

    0.0%

    10.0%

    20.0%

    30.0%

    40.0%

    50.0%

    60.0%

    70.0%

    1,000

    1,500

    2,000

    2,500

    3,000

    3,500

    統合失調症 器質性精神病 統合失調症占有率 器質性精神病占有率 7

    統合失調症と脳器質性精神障害の年度別

    入院患者数と占有率(宮城県内)

    統合失調症の入院患者数は減る傾向にあり、脳器質性精神障害(認知症と思われる)が増加している。

  • ●一般病院の場合 (地域医療計画)急性期 急性期一般病棟入院料

    回復期リハビリテーション病棟入院料地域包括ケア病棟入院料

    維持期 療養病棟入院料、介護医療院急性期一般入院料地域一般入院料

    ●精神科病院精神科救急入院料(6割が3月以内に退院)精神科急性期治療病棟入院料(4割が3月以内)精神科入院基本料精神療養病棟入院料

    患者さんの病類区分による病棟児童・思春期精神科入院医療管理料認知症治療病棟入院料

    一般病棟入院基本料

    回復期

    入院単価が上がるのでコンサルが盛んに勧める。

    在院期間制限病棟

    在院期間無制限病棟・きっちりした入退院管理

    をしないと減収になる。

    ・統合失調症の入院は減

    少傾向にある。統合失調

    症だけで回転させるのは

    大変。

    「病床のあり方」について

    8精神療養を入院基本料に変更することもある。

    介護医療院も選択肢のひとつ

  • ここ10数年で入院料はいくら上がったか

    9

    ●看護補助加算・15対1精神病棟入院基本料・精神療養病棟入院料の推移

    H18年度 H20年度 H22年度 H24年度 H26年度 H28年度 H30年度 R02年度 R02-H18

    加算1 109 109 109 109 109 109 129 141 32点

    加算2 84 84 84 84 84 84 104 116 32点

    加算3 56 56 56 56 56 56 76 88 32点

    15:1入院基本料 800 800 800 811 824 824 824 830 30点

    精神科急性期治療

    30日以内 1,900 1,920 1,931 1,984 1,984 1,984 1,997 357点

    30日以上 1,600 1,600 1,611 1,655 1,655 1,655 1,665 25点

    1,640

    認知症治療病棟

    30日以内 1.450 1,761 1,809 1,809 1,809 1,811

    31日~60日 1,180 1,461 1,501 1,501 1,501 1,503

    61日以上 1,180 1,171 1,203 1,203 1,203 1,204

    90日以内 1,300 1,330

    91日以上 1,190 1,180

    精神療養病棟入院料 1,090 1,090 1,050 1,061 1,090 1,090 1,090 1,091 1点

    精神科救急入院料

    30日以内 3,200 3,431 3,451 3,462 3,557 3,557 3,557 3,579 379点

    30日以上 2,800 3,031 3,031 3,042 3,125 3,125 3,125 3,145 345点

  • 精神科入院料の比較 (平成30年度日精協総合調査から)1人1日当たりの金額(円)

    10

    入院基本料(15:1)

    入院基本料(20:1)

    精神科救急入院料

    精神科急性期治療病棟入院料

    精神療養病棟入院料

    認知症治療病棟入院料

    入院合計 14,669 13,016 35,429 22,710 14,476 12,813

    入院料 10,215 8,527 31,696 19,091 11,558 12,813

    入院料の比率 80.3% 52.1% 98.4% 84.2% 94.1% 97.8%

    入院料への影響大 看護補助加算 医師配置加算 精神科作業療法

    特掲診療料 1,666 1,769 0 0 0 0

    精神科専門療法 880 736 1,635 1,334 996 715

    入院精神療法 400点 72 169 343 368 21 52

    入院精神療法 150点 28 16 101 72 12 32

    入院精神療法 80点 74 64 2 8 96 60

    精神科作業療法 220点 584 411 438 404 789 467

    医療保護入院等診療料 3 5 26 13 1 4

    精神科退院指導料 3 0 20 17 2 3

    その他 116 71 705 452 75 97

    その他 0 0 251 437 22 59

    入院時食事療養 1,908 1,984 1,847 1,848 1,900 1,952

  • 11

    出来高病棟と包括病棟の入院期間の入院料

    800

    900

    1,000

    1,100

    1,200

    1,300

    1,400

    入院期間の入院料と違い

    15対1精神入院基本料

    261点

    ◇出来高病棟精神病棟入院基本料(15対1) 830点

    +入院期間の加算

    14日以内の期間 465点(1,295点)15日以上30日以内の期間 250点(1,080点)31日以上90日以内の期間 125点( 955点)91日以上180日以内の期間 10点( 840点)181日以上1年以内の期間 3点( 833点)1年以上 0点( 830点)

    1年

    1,080点

    955点

    840点

    1,295点

    加算114日以内の期間 1,295点 1,436点15日以上30日以内の期間 1,080点 1,221点31日以上90日以内の期間 955点 1,096点91日以上180日以内の期間 840点 981点181日以上1年以内の期間 833点 974点1年以上 830点 971点

    精神療養病棟入院料1,091点204点

    ●入院基本料で算定できる主な加算と出来高算定分看護配置加算(25点)、看護補助加算(141点、116点、88点)、精神保健福祉士配置加算(30点)精神科隔離室管理加算(220点)、精神科地域移行実施加算(20点)、精神科身体合併症管理加算(450点・300点) 投薬料、画像診断料、検査料 他

    補助加算1を算定 1,436点

    974点981点

    1,096点

    1,221点

    14日以内

    30日以内

    90日以内 180日以内

    補助加算1を算定

  • 12

    精神科入院の施設基準(概要) R02.4

    看護 15:1 830点 入院期間加算

    看護 18:1 740点 465点(~14日)

    看護 20:1 685点 250点(15~30日)

    125点(31~90日)

    10点(91~180日)

    3点(181日~1年)

    ・医師 48:1

     3,579点 (~30日)

     3,145点 (31日~)

    ・医師 16:1

    ・隔離室を有する  1,997点 (~30日)

     1,665点 (31日~)

    ・医師 48:1

    ・病院常勤1名  1,811点 (~30日)

    ・医師 48:1  1,503点 (31~60日)

    OT1名  1,204点 (61日~)

    ・生活技能訓練室

    ・病院にPSW又はCPが常勤

    ・病院にOT室又は生活技能訓練室

    ・病棟に退院支援相談員を選任

    ・精神保健指定医 病棟常勤1名 病院常勤5名

    看護師 10:1PSW 病棟常勤2名 ・時間外診療・時間外

    初診・自治体等からの受入の件数

    区分 医師の配置 看護職員等の配置 構造設備等 その他の要件

    精神病棟入院基本料

    精神疾患を有する患者

    特記事項なし特記事項なし医師 48:1

    算定の対象となる患者 診療報酬点数

    ・長期の入院を要する精神疾患を有する患者

     1,091点(GFAスコア41以上)

     1,121点(GFAスコア40以下)

     1,151点(GFAスコア30以下

    かつ精神科救急へ協力

    ・新規入院患者の6割以上が3月以内に自宅

    等へ移行

    ・措置・緊急措置・応急措置入院患者

    ・3月以内に精神病棟に入院したことがない患者

    精神療養病棟入院料

    ・措置・緊急措置・応急入院の件数

    精神科救急入院料1

    ・精神保健指定医 病院常勤2名

    ・精神科医病棟 常勤1名

    看護+看護補助者15:1

    (うち、看護5割)

    OT又は経験看護職員1名

    ・病棟床面積患者1人につき18㎡以上

    ・隔離室・個室が半数以上

    ・CT等の検査が速やかに実施できる体制

    認知症治療病棟入院料1

    ・新規入院患者の4割以上が3月以内に自宅

    等へ移行

    ・3月以内に精神病棟に入院したことがない患者

    精神科急性期治療病棟入院料1

    看護 13:1看護補助者 30:1

    看護 20:1看護補助者 25:1

    ・病棟床面積患者1人につき

    18㎡以上

    ・病院にPSWまたはCPが常勤

    ・精神保健指定医 病棟常勤1名 病院常勤2名 PSW又は

    CP病棟常勤1名

    ・集中的治療を要する認知症患者

  • 13

    特定入院料の入院単価分布(R01年度日精協医療経済実態調査報告書より)認知症治療病棟入院料1

    3,872.8点

    3,640.2点

    3,547.2点

    3,399.4点

    2,372.7点

    1,563.7点2,816.1点

    2,597.7点

    1,620.7点

    最大値

    第3四分位数

    中央値

    第1四分位数

    最小値

    精神科救急入院料1

    精神科急性期治療病棟入院料1(医師配置加算あり)

    2,004.9点

    2,016.8点

    2,280.0点

    2,464.6点

    1,499.1点

    1,408.8点

    1,476.6点

    1,414.0点

    1,641.3点

    1,223.2点

    1,442.2点

    精神療養病棟入院料

  • 入院料の単価を上げる

    ●加算を狙う精神科病院の主な加算〇 看護補助加算(入院基本料)

    例)100床の病院で加算2から加算1へ年間収入 (141-116)×10×100×365=912万円加算2(6人) → 加算1(10人) ハードルは高いが「見なし」もあるので。

    〇 地域移行実施加算(入院基本料、精神療養病棟) 1人1日20点(100床で年730万円)算定要件 5年以上入院している患者が5%退院する病棟師長とPSWの役割

    〇 精神保健福祉士加算(入院基本料、精神療養病棟、児童思春期)1人1日30点(100床で1,095万円)入院基本料で90%、精神療養病棟で75%が1年以内に自宅等(転棟、転院を除く)へ年間120名退院するとすると、30名(6月で15名)が転棟、転院したか、絶えず確認

    〇 救急医療管理加算(入院基本料) 加算1:950点 加算2:350点

    〇 データ提出加算(精神科全区分) (140点~220点)90日を超えるごとに算定できることになった。データ提出加算が一般科で必須になってきている。精神科も次回改定からまず救急・急性期から必須になるのではないか。加算のうちに届け出していた方がよいと思う。

    1人1日 H28年度 H30年度 R02年度

    加算1(30:1) 109 129(53点) 141(53点)

    加算2(50:1) 84 104(28点) 116(28点)

    加算3(75:1) 56 76(-) 88(-)

    14

  • 15

    例)精神療養病棟入院料で、LAI(エビリファイ持続性水懸筋注400mg)を投与した場合

    持続性抗精神病注射薬剤が包括外で算定できるようになった。

    ●引き続きエビリファイを使用した場合

    内服薬

    支払い減(44,953円)

    入院料1,091点

    内服薬

    改定前

    入院料1091点

    エビリファイ 44,666円(新薬価)

    抗精神病特定薬剤治療指導管理料(250点)

    入院中にLAIを使うと売上高 58,076円

    改定後

    入院料(加算除く)10,910円

    売上の差 47,166円

    エビリファイ 44,953円(旧薬価)

    ●入院患者100名のうち、10名にエビリファイ注射液を4週に1回(2月で3回)使用したとして2か月分の収支差

    10,910円×100名×61日 10,910円×100名×61日-44,953円×10名×3回 +44,666円×10名×3回+2,500円×10名×2回=65,202,410円 =67,940,980円

    改定前 改定後

    2ケ月分の収支差 2,738,570円

  • 16

    例)精神療養病棟入院料で、LAI(エビリファイ持続性水懸筋注400mg)を投与した場合

    持続性抗精神病注射薬剤が包括外で算定できるようになった。

    ●新規にエビリファイを使用した場合

    内服薬

    支払い減

    入院料1,091点

    内服薬

    改定前

    入院料1091点

    エビリファイ 44,666円(新薬価)

    抗精神病特定薬剤治療指導管理料(250点)

    入院中にLAIを使うと売上高 58,076円

    改定後

    入院料(加算除く)10,910円

    売上の差 47,166円

    ●入院患者100名のうち、10名に新規にエビリファイ注射液を4週に1回(2月で3回)使用したとして2か月分の収支差

    10,910円×100名×61日 10,910円×100名×61日=66,551,000円 +44,666円×10名×3回+2,500円×10名×2回

    =67,940,980円

    2ケ月分の収支差 1,389,980円

    改定前 改定後

    実際は2か月で、5万円しか利益はでないが、借入をする時は、売り上げが 6,651万円より 6,794万円 の方があたりが違う。

  • 精神病棟における身体合併症の治療等の推進

    17

    改定前

    精神科身体合併症管理加算(1日につき)1 7日以内 450点2 8日以上10日以内 225点

    改定後

    精神科身体合併症管理加算(1日につき)1 7日以内 450点2 8日以上15日以内 300点

    精神病棟における高齢化等による病態の変化等を踏まえ、精神科身体合併症管理加算について、算定可能となる日数の上限及び対象疾患等の要件を見直す。

    ●精神科身体合併症管理加算の見直し

    ●精神科で算定できる病棟 (精神療養病棟入院料、児童・思春期精神科入院医療管理料は算定できない)精神病棟入院基本料、精神科救急入院料、精神科急性期治療病棟入院料、認知症治療病棟入院料

    精神病棟に長期に渡り入院する患者の高齢化及び身体合併症等の実態を踏まえ、精神療養病棟入院料について、疾患別リハビリテーション料及びリハビリテーション総合計画評価料を別に算定できるよう見直す

    ●精神療養病棟におけるリハビリテーションの推進

    精神療養病棟入院料の包括から除かれるリハビリテーション料第7部リハビリテーションの区分番号H000に掲げる心大血管疾患リハビリテーション料区分番号H001に掲げる脳血管疾患等リハビリテーション料区分番号H001-2に掲げる廃用症候群リハビリテーション料区分番号H002に掲げる運動器リハビリテーション料区分番号H003に掲げる呼吸器リハビリテーション料区分番号H003-2に掲げるリハビリテーション総合計画評価料

  • ●精神科作業療法の施設基準専用の施設を有しており、当該専用の施設の広さは、作業療法士1人に対して50 平方メートルを基準とすること。なお、当該専用の施設は、精神科作業療法を実施している時間帯において「専用」ということであり、当該療法を実施する時間帯以外の時間帯において、他の用途に使用することは差し支えない。●理学療法の施設基準専用の機能訓練室は、当該療法を実施する時間帯以外の時間帯において、他の用途に使用することは差し支えない18

    ●脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅲ)に関する施設基準 (100点)(1)専任の常勤医師が1名以上勤務していること。(2)専従の常勤理学療法士、常勤作業療法士又は常勤言語聴覚士のいずれか1名以上勤務していること。(3)病院については内法による測定で100 平方メートル以上(4)歩行補助具、訓練マット、治療台、砂嚢などの重錘、各種測定用器具等

    ●廃用症候群リハビリテーション料(Ⅲ)に関する施設基準 (77点)(1)(1) 脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅲ)を届け出ていること。(2) 脳血管疾患等リハビリテーション料(Ⅲ)の施設基準における専任の医師、専従の理学療法士、専従の作業療法士及

    び専従の言語聴覚士は、それぞれ廃用症候群リハビリテーション料(Ⅲ)の専任者又は専従者を兼ねるものとする。※ 廃用症候群とは、病気やケガなどの治療のため、長期間にわたって安静状態を継続することにより、身体能力の大

    幅な低下や精神状態に悪影響をもたらす症状のことをいいます。

    ●運動器リハビリテーション料(Ⅲ)に関する施設基準 (85点)(1)専任の常勤医師が1名以上勤務していること。(2)専従の常勤理学療法士又は常勤作業療法士がいずれか1名以上勤務していること(3)内法による測定で45 平方メートル以上とする。(4)歩行補助具、訓練マット、治療台、砂嚢などの重錘、各種測定用器具等

    ●呼吸器リハビリテーション料(Ⅱ)に関する施設基準 (85点)(1)専任の常勤医師が1名以上勤務していること(2)専従の常勤理学療法士又は常勤作業療法士が1名以上勤務していること(3)内法による測定で45 平方メートル以上とする(4)呼吸機能検査機器、血液ガス検査機器等

    ●理学療法士の平均年収全国 405万円(厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」)北海道・東北 329万円(求人ボックス給与ナビホームページより)

    ●歩行補助具、訓練マット、治療台、砂嚢などの重錘、各種測定用器具等贅沢を言わなければ、30万円くらいで準備可能

    リハビリテーションについて (精神科単科病院でも算定できそうなもの)

    Q 精神科作業療法の施設基準で届け出ている専用の施設を理学療法(例えば、運Ⅲ)で届けることは可能かA 可能 (東北厚生局指導監査課)

  • 精神科の投資効率(人件費)について

    看護師 4,745,000円 精神保健福祉士 4,168,000円 作業療法士 4,168,000円 精神保健指定医 17,269,000円 精神科医師 16,095,000円

    稼働日数は200日とした。 月2,000時間勤務とした。 (給与費は、平成30年度日精協総合調査報告書による)19

    必要な職種 人算定に必要な時間

    算定点数(円)

    1日最大算定人数

    1日の収入(円)

    年間収入(円)

    給与費を除いた1人当たりの収益(円)

    精神科訪問看護・指導料 看護師 1 30分として 5,800 6名程度 34,800 6,960,000 2,215,000

    精神科作業療法 作業療法士 1 2時間 2,200 50名 110,000 22,000,000 17,832,000

    精神科デイ・ケア(小規模)看護師 1

    6時間 5,900 20名 118,000 23,600,000 9,427,500精神保健福祉士 1

    精神科ナイト・ケア看護師 1

    4時間 5,400 20名 108,000 21,600,000 8,427,500精神保健福祉士 1

    精神科デイ・ナイト・ケア看護師 2 10時間

    10,000 30名 300,000 60,000,000 13,813,750精神保健福祉士 2 10時間

    重度認知症患者デイ・ケア料

    看護師 1 6時間

    10,400 25名 260,000 52,000,000 15,751,667作業療法士 1 6時間

    精神保健福祉士 1 6時間

    時給(円) 算定に必要な時間 算定に要する給与費(円) 算定点数(円) 差し引き(円)

    入院精神療法(1)指定医が30分以上 8,635 30分 4,317 4,000 ▲317

    入院精神療法(2)イ 6月以内 8,048 10分として 1,341 1,500 159

    入院精神療法(2)ロ 6月超え 8,048 10分として 1,341 800 ▲541

    通院精神療法ロ 初診60分以上 8,048 60分として 8,048 5,400 ▲2,648

    通院精神療法ハ(1) 30分以上 8,048 30分として 4,024 4,000 ▲24

    通院精神療法ハ(2) 30分未満 8,048 10分として 1,341 3,300 1,959

  • 給食部門は赤字体質化していないか。

    20

    H23.10 H24.10 H25.10 H26.10 H27.10 H28.10 H29.10 H30.10

    病院50床未満 2,245 2,303 2,311 2,439 2,392 2,480 2,596 2,604

    病院50床から99床 1,878 1,892 1,914 2,002 2,047 2,081 2,057 2,110

    病院100床から149床 1,721 1,706 1,691 1,758 1,806 1,860 1,869 1,936

    病院150床以上 1,576 1,596 1,630 1,706 1,752 1,815 1,865 1,905

    精神科病院 1,212 1,211 1,219 1,268 1,282 1,302 1,329 1,346

    2006年(H18年)に、入院時食事療養費が「1日当たり」から「1食当たり」の算定方法が変わり、適時適温の「特別管理加算(200円)」が廃止されました。

    「入院時食事療養費」が1994年度の改定以降、26年間も据え置き状況が続いています。直営・委託を問わず厳しい現状があります。

    委託費(契約単価:税込)の推移 (日本メディカル給食協会加盟会社データ) 単位:円

    赤字:1,920円より委託費が上回っている

    収入 給与費 材料費 消耗品 委託費 設備費 光熱費 その他 合計 収支差

    精神科病院委託 2,028 104 172 9 1,280 14 202 2 1,783 245

    直営 1,974 746 641 26 8 213 188 2 1,824 150

    一般病院委託 1,793 292 231 12 1,349 76 530 6 2,496 ▲703

    直営 1,769 1,102 655 35 19 82 611 9 2,513 ▲744

    平成29年度厚労省実態調査

  • ご清聴ありがとうございました。

    精神科病院の医療収入を上げるために� ~今回の改定を踏まえて~〇 医療付随収入を上げる�      一般病院なら 差額室料、健康診断。�      精神科病院は文書料くらい。スライド番号 3スライド番号 4スライド番号 5スライド番号 6スライド番号 7スライド番号 8ここ10数年で入院料はいくら上がったかスライド番号 10スライド番号 11スライド番号 12スライド番号 13スライド番号 14●入院患者100名のうち、10名にエビリファイ注射液を4週に1回(2月で3回)使用したとして� 2か月分の収支差��  10,910円×100名×61日                10,910円×100名×61日� -44,953円×10名×3回                +44,666円×10名×3回+2,500円×10名×2回� =65,202,410円                      =67,940,980円�  �                        �                          ●入院患者100名のうち、10名に新規にエビリファイ注射液を4週に1回(2月で3回)使用したとして� 2か月分の収支差�  10,910円×100名×61日                10,910円×100名×61日� =66,551,000円                     +44,666円×10名×3回+2,500円×10名×2回�                        =67,940,980円�  �                        �                          精神病棟における身体合併症の治療等の推進スライド番号 18スライド番号 19スライド番号 20ご清聴ありがとう�ございました。