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様式8 アジア研究教育拠点事業 平成22年度 実施報告書 1.拠点機関 日本側拠点機関: 京都大学エネルギー理工学研究所 韓国側拠点機関: ソウル国立大学 中国側拠点機関: 清華大学 2.研究交流課題名 (和文): 先進エネルギー科学 (交流分野: エネルギー学 (英文): Advanced Energy Science (交流分野: Energy Science 研究交流課題に係るホームページ: http://a-core.iae.kyoto-u.ac.jp 3.開始年度 平成20年度( 年目) 4.実施体制 日本側実施組織 拠点機関:京都大学エネルギー理工学研究所 実施組織代表者(所属部局・職・氏名):エネルギー理工学研究所・所長・尾形幸生 コーディネーター(所属部局・職・氏名):エネルギー理工学研究所・教授・小西哲之 協力機関:京都大学、北海道大学、東北大学、大阪大学、東京大学、九州大学、名古屋 大学、日本原子力研究開発機構、大阪府立大学、高エネルギー加速器研究機 構、産業技術総合研究所、高輝度光科学研究センター、総合研究大学院大学、 早稲田大学、理化学研究所 事務組織:京都大学宇治地区事務部研究協力課 相手国側実施組織(拠点機関名・協力機関名は、和英併記願います。) (1)国(地域)名:大韓民国 拠点機関:(英文)Seoul National University (和文)ソウル国立大学 コーディネーター(所属部局・職・氏名): (英文)Department of Nuclear EngineeringProfessorJoo Han-Gyu

アジア研究教育拠点事業 平成22年度 実施報告書...究所(SINAPS)、韓国原子力研究所(KAERI)を主軸に加えることで、より効率的な体制を

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Page 1: アジア研究教育拠点事業 平成22年度 実施報告書...究所(SINAPS)、韓国原子力研究所(KAERI)を主軸に加えることで、より効率的な体制を

様式8

アジア研究教育拠点事業 平成22年度 実施報告書

1.拠点機関

日 本 側 拠 点 機 関 : 京都大学エネルギー理工学研究所

韓 国 側 拠 点 機 関 : ソウル国立大学

中 国 側 拠 点 機 関 : 清華大学

2.研究交流課題名

(和文): 先進エネルギー科学

(交流分野: エネルギー学 )

(英文): Advanced Energy Science

(交流分野: Energy Science )

研究交流課題に係るホームページ: http://a-core.iae.kyoto-u.ac.jp

3.開始年度

平成20年度( 3 年目)

4.実施体制

日本側実施組織

拠点機関:京都大学エネルギー理工学研究所

実施組織代表者(所属部局・職・氏名):エネルギー理工学研究所・所長・尾形幸生

コーディネーター(所属部局・職・氏名):エネルギー理工学研究所・教授・小西哲之

協力機関:京都大学、北海道大学、東北大学、大阪大学、東京大学、九州大学、名古屋

大学、日本原子力研究開発機構、大阪府立大学、高エネルギー加速器研究機

構、産業技術総合研究所、高輝度光科学研究センター、総合研究大学院大学、

早稲田大学、理化学研究所

事務組織:京都大学宇治地区事務部研究協力課

相手国側実施組織(拠点機関名・協力機関名は、和英併記願います。)

(1)国(地域)名:大韓民国

拠点機関:(英文)Seoul National University

(和文)ソウル国立大学

コーディネーター(所属部局・職・氏名):

(英文)Department of Nuclear Engineering・Professor・ Joo Han-Gyu

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協力機関:(英・和文)

Pu-kyong National University・釜慶国立大学校

Dong Eui University・東義大学校

National Fusion Research Center・国立核融合研究センター

Korea Advanced Institute of Science and Technology・韓国科学技術院

Korea Atomic Energy Research Institute・韓国原子力研究所

Kyung Hee University・慶熙大学校

Pohang University of Science and Technology・浦項工科大学校

DanKook University・檀国大学校

Cheju National University・済州国立大学校

Hanyang University・漢陽大学校

Pohang University・浦項大学校

Kangwon National University・江原国立大学校

Pohang Accelerator Laboratory・浦項加速器研究所

経費負担区分:パターン2

(但し、受入国内での用務地内移動費及び諸雑費については派遣国の負担)

(2)国(地域)名:中華人民共和国

拠点機関:(英文)Tsinghua University

(和文)清華大学

コーディネーター(所属部局・職・氏名):

(英文)Engineering Physics・professor・Wang Kan

協力機関:(英・和文)

Chinese Academy of Science・中国科学院

China Institute of Atomic Energy・中国原子能科学研究院

University of Science and Technology Beijing, School of Material Science

and Engineering・北京科学技術大学材料科学与工程学院

Northwestern Polytechnical University・西北工業大学

University of Science and Technology of China, National Synchrotron

Radiation laboratory・中国科学技術大学、中国科大国家同步輻射実験室

Shanghai Institute of Applied Physics・中国科学院上海応用物理研究所

経費負担区分:パターン2

(但し、受入国内での用務地内移動費及び諸雑費については派遣国の負担)

5.全期間を通じた研究交流目標

日本、韓国、中国に共通であり、かつ世界的な問題である人類の持続的発展に向けて、

地球環境問題とエネルギーの安定的供給の課題に応える先進エネルギー科学の協調的研究

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交流基盤を3国間に形成する。具体的には、先進的原子力エネルギー、バイオエネルギー、

プラズマ・核融合、量子放射エネルギー応用、エネルギー材料などの環境調和型エネルギ

ーの科学と基盤技術について、参加国の施設間の共同利用、共同研究、情報交換、人的交

換によって、効率的な研究の推進、東アジア地域の特徴に適した未来型エネルギー技術体

系の構想、そのための共通学術基盤の確立をめざす。先進的原子力や核融合、循環型社会

を目指したバイオエネルギー、先進エネルギー材料など、日中韓3国に共通の課題であり、

かつそれぞれが独自に世界的に高度な技術を開発している課題について、効果的に協力を

推進する体制を構築する。日中韓三国間でネットワークを利用した緊密で効果的な共同研

究の推進を行い、高度技術による環境調和型エネルギーシステムという新しい概念での研

究展開を図る。5年間でアジア地域を中心とし、世界をリードしうる先進エネルギー科学

の学術コミュニティの形成を目指す。全期間を通じては、単に交流を実施するのみならず、

それによって構築された協力体制を利用し、国際協力により他の資金による研究も含めた

具体的な研究を効果的に促進し、かつその成果を、本交流を利用してセミナーや国際会議、

出版物として国際的に発信することも重要な目標である。この結果としての研究成果の質

的量的増加、若手研究者や学生などの人材育成効果も期待される。

6.平成22年度研究交流目標

22年度は、それぞれの分野で組織された体制の整備拡充に努めるとともに、具体的な交

流、協力活動が本格化する。特に中国、韓国で実質的にわが国のアジアンコア事業に相当

する事業が存在していない構造に配慮し、中国、韓国のマッチングファンドをより強力に

有効利用する一方、それら、アジアンコアと異なる事業の趣旨を満たしつつ3国の協力プ

ラットフォームの構築につとめる方向に方針を若干変更する。交流は人材育成に幾分重心

を移し、それを目的とした若手研究者・学生の企画運営による研究集会やサマースクール

などを計画、実施する。

7.平成22年度研究交流成果

7-1 研究協力体制の構築状況

R-1) 本テーマの協力体制は、京大―清華大―SNUの軸に加え、平成 21年度より ASIPP、NFRI

を加えてきた。さらに中国では、核融合工学研究の拡充、特にブランケット工学の進展に

従い、西南物理研究所や、中国科技大(USTC)との協力へと体制を広げている。また韓国

でも、大学における研究において、本協力のパートナーである SNUの CARFRE の比重が高ま

っており、協力体制を構築している。いずれも、学生や若手研究者の人数、活動状況にお

いて我が国に勝るものがあり、有効な協力となっている。

R-2) アジアでは超電導トカマクの運転・建設が順調に進んでおり、KSTAR(韓国)、EAST(中

国)が現在運転中であり、JT-60SA(日本)が建設を始めたところである。HL-2A やヘリオ

トロン Jなど現在稼働中の装置を用いたプラズマ実験、及び、プラズマ理論解析を中心に、

核融合プラズマ物理・工学に関する共同研究に向けて、中国とは西南物理研究所、清華大

学、大連工科大学、淅江大学と、韓国とは国立核融合研究所、KAIST、ソウル国立大学と研

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究交流・情報交換を進めつつある。

R-3) 本テーマの研究協力体制は、京大―ソウル国立大―山東大の間で構築されているが、

これに、それぞれの研究で中国、韓国でトップにある The Chinese University of Hong Kong

と韓国海洋研究院(KORDI)を新たに加えることで、より効率的な体制を組むことができた。

中国、韓国ともこれら研究機関には教員、研究者・学生の派遣が計画されており、効果的

な今後の連携体制が構築できた。

R-4) 主として北海道大学=京都大学=北京科技大=ソウル国立大の連携関係が構築され

てきたが、これに加えて、清華大、釜京大(プギョン)、KIST(韓国科学技術研究所)を加

えることが出来た。これにより効率的な交流が可能となった。中国、韓国ともこれら研究

機関には教員、研究者・学生が派遣されている。特に R4関係の教員、大学院生を加えた小

規模研究交流会をプギョン大で開催したことにより、R-4についての韓国側との交流は加速

された。

R-5)本テーマについての、研究協力体制は京大―清華大―ソウル国立大の間で、もとより

構築されているが、これに、それぞれの研究で中国、韓国でトップにある上海応用物理研

究所(SINAPS)、韓国原子力研究所(KAERI)を主軸に加えることで、より効率的な体制を

組むことができた。中国、韓国ともこれら研究機関には教員、研究者・学生が派遣されて

おり、官学の連携が進んでいるので、これを取り込む形で体制が構築できた。

7-2 学術面の成果

R-1) 液体金属ブランケット、高温材料、ニュートロニクスや水素挙動については共通のテ

ーマであり、特にトリチウム生成特性と増殖性能については理解と設計手法、評価技術の

進展があった。材料については SiC 材料のブランケットへの適用について、共存性、水素

同位体との相互作用について新たな知見が得られており、情報を交換した。炉設計分野で

はそれぞれに特徴ある成果が見られており、特に中国における fission-fusion hybrid と、

わが国の提案する biomass hybrid の成果について有効な交流が行われた。これらの成果は

長期的な核融合エネルギー利用と開発戦略の検討にも重要な知見を与える。

R-2) HL-2Aトカマクのある西南物理研究所(中国・成都)、大連工科大学、また、韓国先進

科学技術大学(KAIST)との研究交流を行い、核融合炉心プラズマ物理、特にゾーナル流と

閉じ込めとの関連に焦点を置いた乱流・揺動に関する実験・理論シミュレーション、荷電

交換再結合分光を用いたイオン温度・トロイダル回転計測、電子サイクロトロン加熱・電

流駆動システム技術開発、及び、高速カメラを用いたプラズマ揺動計測に関する共同研究

を推進した。プラズマの特性を調べる上で重要な計測システムである電子サイクロトロン

放射計測、反射計計測等に関する情報交換も行った。

R-3) 海洋バイオエネルギー分野と海洋天然資源の有効利用において KORDI は優れた研究

プログラムを行っている。海洋バイオエネルギー分野、海洋天然資源の応用において、京

都大学-KORDI間の共同研究の可能性を模索した。その結果、共同研究を開始することを決

定し、サンプルの交換などを行うことを取り決めた。エネルギー理工学研究所におけるバ

イオ分子・バイオマス・バイオエネルギーに関する研究の成果を韓国で発信する事ができ

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た。またソウル大及び韓国の他大学、The Chinese University of Hong Kong及び中国の他

大学における当該領域の研究の進展に関する最新の情報を収集する事ができ、今後研究を

進める上での指針が得られた。

R-4)R-1核融合炉第一壁構造材料として重要な低放射化フェライト鋼は、特に日本原子力研

究開発機構が中心となり材料の開発(F82H)を行っているが、これに対応して欧州連合が

UROFERを開発したのに続き、中国も CLAMを開発し始めた。本プロジェクトにより、中国側

は CLAM の材料評価を F82H と同一条件で比較したいとの意向が強くあり、この照射損傷研

究は一気に進歩した。

R-5)本テーマでは、電子ビームを用いた量子放射線を利用して、革新的なエネルギー材料

開発等を目指した研究をそれぞれ行ってきている。更なる協力体制の強化を目指し、2010

年 12 月 2-3 日の二日間にわたって、“China-Korea-Japan Joint Workshop on Electron/Photon

Sources and Applications”( 電子源・光子源とその応用に関する日中韓ワークショップ)を

中国上海の SINAPS で開催した。日本から総勢 11名、韓国から 3名を含む約 30名の参加を

得て、日中韓各国における高輝度電子ビームの発生、また、これを利用した先進光源の開

発、さらにこれら電子源・光子源の利用研究について、最新の研究成果や課題を共有する

とともに、今後の計画や方向について協議することができた。引き続き平成 23年度におい

ても、韓国において、同様の会議を開催する事を確認し、継続的な協力関係が築かれた。

また、特に近年様々な分野で応用が期待されている THz光に関して、KAERIより韓国の新し

い研究プロジェクトに対する協力依頼もなされ、日中からの技術協力を約束した。

7-3 若手研究者養成

R-1)韓国釜慶大学および中国西南物理研究所において、学生及び若手研究者を中心とする

研究交流を、核融合炉工学、特にブランケット、トリチウムおよび材料について実施した。

特にトリチウム工学、固体ブランケット(増殖材および増倍材)に関する若手の交流は新

たなテーマであり、相互に情報と人員を交換すべき有力な課題のいくつかが摘出された。

エネルギー材料としての先進金属およびセラミック材料の研究について、特殊な環境にお

ける耐久性や物質、特に水素同位体との相互作用についての認識が深まったことも、若手

研究者の育成上の成果である。

R-2) 京都大学エネルギー科学研究科博士後期課程の学生1名が韓国 KAISTを訪問し、荷電

交換再結合分光に関する研究交流・情報交換を行った。京都大学エネルギー科学研究科博

士後期課程の学生2名が中国・西南物理研究所を訪問し、荷電交換再結合分光、周辺揺動

解析に関する議論を行った。また、大連工科大学の博士課程学生1名が京都大学エネルギ

ー科学研究科を訪問し、京都大学博士課程プログラムとの協力のもとマルチスケール MHD

と微視的揺動相互作用に関するシミュレーションに関する共同研究を行うなど、学生の教

育を重要な課題として位置づけている。

R-3) ソウル国立大学、The Chinese University of Hong Kong と韓国海洋研究院を訪問し

た際に、次年度に京都大学エネルギー科学研究科の学生をソウル国立大学、The Chinese

University of Hong Kongと韓国海洋研究院に派遣し、バイオエネルギー、特に海洋天然物

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資源の利用と生体高分子を利用したバイオエネルギー研究の展開を図る計画を議論した。

R-4) 中国側からの教員および大学院学生の派遣が行われた。その結果、CLAM の照射損傷の

電子線による比較評価が行われた。さらに、日本の大学院学生のプギョン大やソウル国立

大への派遣により、大学院生レベルの交流は非常に盛んになった。これにより、中国と韓

国の若手研究者は日本のどこと共同研究をすれば何が得られるかが明らかになった効果は

今後の学術交流につながると期待される。

R-5)京都大学エネルギー科学研究科の学生を始め、大阪大学、東北大学、分子科学研究所、

産業技術総合研究所の若手研究者が SINAPSや KAERI を訪問し、加速器装置や実験施設等の

見学と情報交換を行った。特に SINAPSでは各種のアンジュレータを組み合わせた野心的な

新光源の開発を行っており、若手研究者に強い刺激を与えた。

7-4 社会貢献

R-1) 直接の社会貢献や応用につながるものは多くはないが、中国および韓国の若手との地

球環境問題についての意見の交換は、それぞれの国の特殊な状況を反映しつつ共通の課題

ととらえる上で、興味深い貢献とみられる。中国は、エネルギー技術の二酸化炭素排出削

減において経済成長との両立が強く求められ、韓国も再生可能エネルギーよりも先進原子

力への期待が大きいが、いずれも社会的にエネルギー科学において地球環境問題の比重が

大きくなっており、わが国との交流はその要請に応えている。

R-2) 日本側からは若手研究者をできるだけ多く参加させ、中国・韓国の若手研究者・学生

との交流を通して中国・韓国の文化に直接触れさせることにより、共通する点及び相違点

についての理解度を深めた。

R-3) 本研究分野は、エネルギー問題を通じて、地球環境問題への特異な影響と貢献が期待

される。すなわち現在のバイオエネルギーが食料生産と競合するのに対し、本事業で主対

象とするのは、バイオエネルギーを指向したケミカルバイオロジーの展開である。これは

廃棄物や未利用資源を対象とし、構造化学的アプローチ等の先端的手法でバイオリファイ

ナリーによる資源化を目指すもので、資源消費型社会をリサイクル型に転換する原動力と

なる。また二酸化炭素放出の削減に加えて大気中からの吸収効果も持つ。このような日本

側の研究の基本姿勢、環境問題に対する考え方は、中国、韓国の研究者に影響を与えてお

り、社会的効果が期待される。

R-4) 地球環境問題の解決に必要な核融合や水素関係のクリーンエネルギーシステムに対

して、材料の果たす役割は大きい。この意味でエネルギー材料科学に対する日本、中国、

韓国の教員、研究者、大学院生の興味を促進することが出来た。特に隣接したこれらの国々

はエネルギーや環境問題で連携する意義が大きいことを認識できた意味は大きい。

R-5) 本研究分野においても、量子放射線の利用の最終目標は、地球環境問題の解決への貢

献であり、特にゼロエミッションを目指すエネルギー研究を行っている日本側の研究の基

本姿勢、環境問題に対する考え方は、中国、韓国の若手研究者に良い刺激となり、社会的

効果が期待される。我が国の学生に対しても、意識の向上が図れた。

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7-5 今後の課題・問題点

年度の最後に発生したわが国の東日本大震災による交流のインパクトは、年度末に計画さ

れた交流の多くに重大な影響と課題を残したが、その対応は 2011年度にほとんど持ち越さ

れる。

R-1) 昨年度も報告したが、中国、韓国における核融合工学、先進原子力研究の拡大と指導

者不足に対しての支援は依然必要であるが、本事業における小規模な対応では不足である。

また先方の運営、予算状況も変化しており、対応が重要である。

R-2) 中国西南物理研究所では新しいトカマクの予算が承認され、数年後に建設が開始され

る。今後、加熱・電流駆動・プラズマ計測等の共同研究がより重要性を増すことが予想さ

れ、本事業は重要な役割を果たすことになる。実験に関連して実質的な共同研究を進める

ために 1 ヶ月以上の長期滞在によるデータ取得と綿密な解析が最適であるが、困難な場合

は問題解決の手法として TV会議システムを用いた遠隔実験参加も考慮してゆく。

R-3) 中国、韓国では、生体高分子の機能解析・機能設計をもとにした次世代のバイオエネ

ルギー研究レベルの向上に指導者側が追い付かない面があり、我が国からの有効な支援体

制が課題である。問題点としては、アジアンコア相当のプログラムが中国韓国で成立しな

かったため、経費使用に制約があることに対する調整が必要である。

R-4) 中国の大学が交流に対して非常に熱心であるのに対して、韓国の大学はやや低調であ

る。これは中国が拡大基調で研究予算が年々倍々に増加しているのに対して、韓国は世界

で太刀打ちできる領域を決めた集中化を行っていることと関係が深いと思われる。さらに

中国は日本を訪問する学生の希望は非常に多いが、韓国の場合は米国派遣が第一の希望で

あり、日本への希望はなかなか出ない傾向がある。しかし、研究の課題を具体化すればこ

の点は解決できるものと思う。今後工夫したいところである。

R-5)中国においては、研究機関間での結びつきが必ずしも強固ではなく、個別対応という

印象であり、協力体制の拡大はかなりの時間が必要である。一方、韓国では本分野に関す

る教育を行っている大学は僅かであり、学生の育成には問題がある。後者に関しては我が

国の大学の協力が不可欠であろう。更に本プログラム運用上の問題点として、アジアンコ

ア相当のプログラムが中国韓国で成立しなかったため、マッチングファンドで使用目的や

制約が異なることに対する調整が必要である。特に学生派遣の条件の違いには留意が必要

である。また、当該年度行った中国(上海)でのワークショップに関しては、韓国から中

国への旅費等の支出は完全に自己負担にならざるを得なかったため、韓国からの寄与は限

られた。

7-6 本研究交流事業により発表された論文

平成22年度論文総数 6 本

うち、相手国参加研究者との共著 0 本

うち、本事業が JSPS の出資によることが明記されているもの 6 本

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8.平成22年度研究交流実績概要

8-1 共同研究

R-1) 中国・西南物理研究所との交流で、ブランケット、エネルギー利用、トリチウムシス

テム、高温材料、ニュートロニクスについての情報交換を行い、炉設計について相互比較

を行った。特に、固体ブランケットにおけるトリチウム増殖率評価について技術交流を行

った。また、SiC複合材およびジルコニアの製造と特性評価について韓国釜慶大と横浜国立

大、京大間で共同研究が行われた。清華大と京大の間では核融合エネルギー利用システム、

特に水素製造・燃料製造について技術情報を交換した。

R-2) 中国・西南物理研究所、中国・大連工科大学、また、韓国先進科学技術大学(KAIST)

との研究交流を行い、核融合炉心プラズマ物理、特にゾーナル流と閉じ込めとの関連に焦

点を置いた乱流・揺動に関する実験・理論シミュレーション、荷電交換再結合分光を用い

たイオン温度・トロイダル回転計測、電子サイクロトロン加熱・電流駆動システム技術開

発、及び、高速カメラを用いたプラズマ揺動計測に関する共同研究を推進した。プラズマ

の特性を調べる上で重要な計測システムである電子サイクロトロン放射計測、反射計計測

等に関する情報交換も行った。ヘリオトロン J でのプラズマ実験では超音速分子ビーム燃

料補給に関する研究等に関し共著論文を出版した。

R-3) バイオ分子・バイオマス・バイオエネルギー研究に関して、ソウル国立大学、韓国海

洋研究院、The Chinese University of Hong Kong と情報交換、技術交流を行った。特に、

海洋バイオエネルギー分野、海洋天然資源の応用において、京都大学-KORDI 間の共同研究

の可能性を模索し、共同研究の開始とサンプルの交換などを行うことを取り決めた。

R-4)核融合炉材料工学や水素材料工学についての具体的コラボレーションを実施すること

が出来た。その成果は順次交換されてゆくと思われる。また、本プログラムで相互理解を

得た中国の大学から日本の大学に留学生が来るケースが増え、共同研究実施の担い手にも

なっている。

R-5) THz 光源、自由電子レーザー、電子銃について情報交換並びに技術交流を行った。具

体的には中国では高調波利用高利得 FEL や FEL のエコーモード等、世界的にもユニークな

研究を行っており、学術面での互いの向上が期待できる。一方、韓国では THz 光発生・利

用に一日の長があり、コンパクトな装置を用いて分析やイメージングといった成果をあげ

ている。更に、これらの研究は共に、高品質の電子ビームを如何に生成するかという共通

の課題を有しており、この面では我が国における研究ポテンシャルが非常に高いところと

なっており、相補的な関係を有しつつ、実質的な共同研究に発展させる予定である。

8-2 セミナー

3 月 4~5 日に韓国釜山市釜慶大学において日本・中国・韓国のセミナーを実施した。3

か国からの講師、学生、若手研究者により、日本から 25 名、中国・韓国から約 40 名が参

加して開催し、先進エネルギーシステムおよびその材料工学について活発な討議を行った。

18 件の講義とともに、学生はショートプレゼンテーションとポスター発表の両方を行い、

若手の育成効果に特に留意した。タスクとしてはR-1,R-2,R-4に相当するが、

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トピックは従来の先進原子力・核融合に関連した炉物理、熱媒体、高温材料などに加え、

エネルギー材料としてのリチウムとその化合物、水素貯蔵やエネルギー変換用機能材料な

どにスコープを広げている。これは、本事業で実施している個々の研究とその先進技術自

体が、関連分野に展開しているためであり、エネルギー科学自体のもつ学際性を表してい

ると考えられる。類似のスコープで昨年に引き続いて実施しているため、若手研究者間で

相互理解がすでにある程度あり、議論も深度を向上して実験装置や方法論などについて、

相互に情報交換の効果が認識されている。また、エネルギー問題に固有の視点として、経

済や社会、地球環境問題など、科学技術だけではなく、相互に情報を交換し、理解を深め

る必要があることがある程度共通した認識となってきた。必ずしもセミナーのトピックと

して摘出しているわけではないが、このような分野の議論が活発となっていることも国際

協力事業のセミナーとして望ましい成果といえよう。

8-3 研究者交流(共同研究、セミナー以外の交流)

本事業においては、特別な場合を除いて、共同研究、セミナー以外のカテゴリーの研究者

交流は実施していない。

事業の運営に関する打ち合わせは、セミナーや共同研究の場でコーディネーターやタスク

リーダーが会った際に随時実施している。今年度は、3月、釜山でのセミナーの場で運営に

関する打ち合わせを実施した。

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9.平成22年度研究交流実績人数・人日数

9-1 相手国との交流実績

派遣先

派遣元

日本

<人/人日>

韓国

<人/人日>

中国

<人/人日> 合計

日本

<人/人日>

実施計画

46/189

(10/30)

33/152

79/341

(10/30)

実績 53/206

26/104

79/310

韓国

<人/人日>

実施計画 26/104

(23/98)

26/104

(23/98)

実績 7/51

7/51

中国

<人/人日>

実施計画 22/105

(36/133)

22/105

(36/133)

実績 9/76

(38/114)

9/76

(38/114)

合計

<人/人日>

実施計画 48/209

46/189

(46/163)

33/152

(23/98)

127/550

(69/261)

実績 16/127

53/206

(38/114)

26/104

95/437

(38/114)

※各国別に、研究者交流・共同研究・セミナーにて交流した人数・人日数を記載してくだ

さい。(なお、記入の仕方の詳細については「記入上の注意」を参考にしてください。)

※日本側予算によらない交流についても、カッコ書きで記入してください。(合計欄は( )

をのぞいた人・日数としてください。)

9-2 国内での交流実績

実施計画 実 績

2/8 <人/人日> 0/0 <人/人日>

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10.平成22年度研究交流実績状況

10-1 共同研究

整理番号 R-1 研究開始年度 平成21年度 研究終了年度 平成24年度

研究課題名 (和文)先進原子力システム

(英文)Advanced Nuclear System

日本側代表者

氏名・所属・職

(和文)小西哲之・京都大学エネルギー理工学研究所・教授

(英文)Satoshi Konishi,Inst.of Advanced Energy,Kyoto Univ.,Profess

or

相手国側代表

氏名・所属・職

Han-Gyu Joo, Dept. of Nuclear Engineering, Seoul National Univ., ・P

rofessor

Kan Wang, Dept. of Engineering Physics, Tsinghua Univ., Professor

交流人数

(※日本側予

算によらない

交流について

も、カッコ書き

で 記 入 の こ

と。)

① 相手国との交流

派遣先

派遣元 日本 韓国 中国 計

<人/人日> <人/人日> <人/人日> <人/人日>

日本 <人/人日>

実施計画

5/21 5/25 10/46

実績 5/23 7/21 12/44

韓国 <人/人日>

実施計画 6/24

(5/20) 6/24(5/20)

実績 5/43 (0/0) 5/43(0/0)

中国 <人/人日>

実施計画 6/24 (5/20)

6/24(5/20)

実績 2/13 (0/0) 2/13(0/0)

合計 <人/人日>

実施計画 12/48 5/21(5/20) 5/25(5/20) 22/94(10/40)

実績 7/56 5/23(0/0) 7/21(0/0) 19/100(0/0)

② 国内での交流 0/0 人/人日

22年度の

研究交流活

3 か国共通のテーマとして核融合ブランケットとニュートロニクスを中心

に引き続いて研究交流を実施し、わが国からは韓国大田、中国成都等を訪問

した。中国、韓国ではITERに関連して研究組織、人員の拡充に伴い、ブ

ランケット関連研究の急速な進展が注目される。

研究交流活

動成果

韓国、中国ともに、液体金属とともにITER―TBM計画との関連から固

体増殖ブランケットの研究が活発化しており、わが国のトリチウム研究と有

効な情報交換が行われた。

日本側参加者数

68 名 (14-1日本側参加者リストを参照)

大韓民国側参加者数

41 名 (14-2韓国側参加研究者リストを参照)

中華人民共和国側参加者数

27 名 (14-3中国側参加研究者リストを参照)

Page 12: アジア研究教育拠点事業 平成22年度 実施報告書...究所(SINAPS)、韓国原子力研究所(KAERI)を主軸に加えることで、より効率的な体制を

12

整理番号 R-2 研究開始年度 平成21年度 研究終了年度 平成24年度

研究課題名 (和文)核融合プラズマ科学

(英文)Plasma & Fusion Science

日本側代表者

氏名・所属・職

(和文)長崎百伸・京都大学エネルギー理工学研究所・教授

(英文)Kazunobu Nagasaki,Inst.of Advanced Energy,Kyoto Univ.,Profe

ssor

相手国側代表

氏名・所属・職

Yong Su Na, Seoul National Univ., Professor

Y. Pu, Z. Gao, Tsinghua Univ., Professor

交流人数

(※日本側予

算によらない

交流について

も、カッコ書き

で 記 入 の こ

と。)

① 相手国との交流

派遣先

派遣元 日本 韓国 中国 計

<人/人日> <人/人日> <人/人日> <人/人日>

日本 <人/人日>

実施計画

5/20 5/25 10/45

実績 4/21 3/17 7/38

韓国 <人/人日>

実施計画 5/20

(5/20) 5/20(5/20)

実績 0/0 (0/0) 0/0(0/0)

中国 <人/人日>

実施計画 5/20 (5/20)

5/20(5/20)

実績 3/41 (0/0) 3/41(0/0)

合計 <人/人日>

実施計画 10/40 5/20(5/20) 5/25(5/20) 20/85(10/40)

実績 3/41 4/21(0/0) 3/17(0/0) 10/79(0/0)

② 国内での交流 0/0 人/人日

22年度の

研究交流活

HL-2Aトカマクのある西南物理研究所(中国・成都)及び大連工科大学(中

国・大連)との研究交流を主として行い、核融合炉心プラズマ物理、特に現

在プラズマ・核融合科学分野において主たる課題となっているゾーナル流と

閉じ込めとの関連に焦点を置いた乱流・揺動に関する実験・理論シミュレー

ション、ECH/ECCD システム技術開発、荷電交換分光、高速カメラ揺動計測

に関する共同研究を推進した。

研究交流活

動成果

核融合炉心プラズマ物理、特にゾーナル流と閉じ込めとの関連に焦点を置

いた乱流・揺動に関する実験・理論シミュレーションに関する研究交流によ

り、異常輸送に関する理解が進んだ。また、荷電交換再結合分光を用いたイ

オン温度・トロイダル回転計測、電子サイクロトロン加熱・電流駆動システ

ム技術開発、及び、高速カメラを用いたプラズマ揺動計測に関する共同研究

が進み、プラズマパラメタの向上に貢献した。これに関連して、共著論文を

執筆した。

日本側参加者数

93 名 (14-1日本側参加者リストを参照)

大韓民国側参加者数

35 名 (14-2韓国側参加研究者リストを参照)

中華人民共和国側参加者数

29 名 (14-3中国側参加研究者リストを参照)

Page 13: アジア研究教育拠点事業 平成22年度 実施報告書...究所(SINAPS)、韓国原子力研究所(KAERI)を主軸に加えることで、より効率的な体制を

13

整理番号 R-3 研究開始年度 平成20年度 研究終了年度 平成24年度

研究課題名 (和文)バイオエネルギー

(英文)Bio- Energy

日本側代表者

氏名・所属・職

(和文)森井 孝・京都大学エネルギー理工学研究所・教授

(英文)Takashi Mori,Inst.of Advanced Energy,Kyoto Univ.,Professor

相手国側代表

氏名・所属・職

Tai Hyun Park, Seoul National University,Professor

Xin-Hui Xing, Dept.of Chemical Engineering,Tsinghua University,Prof

essor

Ge-Hua Wang, Inst.of Nuclear & New Energy Technology,Tsinghua Unive

rsity,Professor

交流人数

(※日本側予

算によらない

交流について

も、カッコ書き

で 記 入 の こ

と。)

① 相手国との交流

派遣先

派遣元 日本 韓国 中国 計

<人/人日> <人/人日> <人/人日> <人/人日>

日本 <人/人日>

実施計画

5/20 5/20 10/40

実績 5/15 1/3 6/18

韓国 <人/人日>

実施計画 5/20

(5/20) 5/20(5/20)

実績 2/8 (0/0) 2/8(0/0)

中国 <人/人日>

実施計画 5/15 (5/20)

5/15(5/20)

実績 0/0 (0/0) 0/0(0/0)

合計 <人/人日>

実施計画 10/35 5/20(5/20) 5/20(5/20) 20/75(10/40)

実績 2/8 5/15(0/0) 1/3(0/0) 8/26(0/0)

② 国内での交流 0/0 人/人日

22年度の

研究交流活

予算の都合により韓国、中国からの日本への訪問は実現できなかったが、日

本から韓国・中国への訪問及び講演を行うことにより、海洋バイオエネルギ

ー分野、海洋天然資源の応用、生体高分子を利用するエネルギー研究開発に

おける共通認識を深め、来年度以降の具体的な共同研究をさらに進めていく

ための基盤情報を得ることが出来た。

研究交流活

動成果

バイオエネルギーは多くの研究分野を含み、遺伝子工学や化学工学まで多岐

にわたっているので、具体的研究開発テーマあるいは実験設備についての共

通認識が必要である。そこで、本年度は日本からソウル国立大学、韓国海洋

研究院、The Chinese University of Hong Kongを訪問し、研究者によるセ

ミナーおよび共同研究の打合せを行うことにより、三国間での次世代バイオ

エネルギー研究における共通認識の構築に努めた。

日本側参加者数

27 名 (14-1日本側参加者リストを参照)

大韓民国側参加者数

16 名 (14-2韓国側参加研究者リストを参照)

中華人民共和国側参加者数

25 名 (14-3中国側参加研究者リストを参照)

Page 14: アジア研究教育拠点事業 平成22年度 実施報告書...究所(SINAPS)、韓国原子力研究所(KAERI)を主軸に加えることで、より効率的な体制を

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整理番号 R-4 研究開始年度 平成21年度 研究終了年度 平成24年度

研究課題名 (和文)先進エネルギー材料

(英文)Advanced Energy Materials

日本側代表者

氏名・所属・職

(和文)大貫惣明・北海道大学大学院工学研究科・教授

(英文)Somei Ohnuki,Dept.of Engineering,Hokkaido Univ.,Professor

相手国側代表

氏名・所属・職

Chong-Rae Park, Seoul National Univ., Professor

Farong Wan, U. of Science and Technology Beijing, Professor

交流人数

(※日本側予

算によらない

交流について

も、カッコ書き

で 記 入 の こ

と。)

① 相手国との交流

派遣先

派遣元 日本 韓国 中国 計

<人/人日> <人/人日> <人/人日> <人/人日>

日本 <人/人日>

実施計画

8/32 8/40 16/72

実績 6/20 7/31 13/51

韓国 <人/人日>

実施計画 6/24

(4/18) 6/24(4/18)

実績 0/0 (0/0) 0/0(0/0)

中国 <人/人日>

実施計画 4/36 (4/18)

4/36(4/18)

実績 4/22 (0/0) 4/22(0/0)

合計 <人/人日>

実施計画 10/60 8/32(4/18) 8/40(4/18) 26/132(8/36)

実績 4/22 6/20(0/0) 7/31(0/0) 17/73(0/0)

② 国内での交流 0/0 人/人日

22年度の

研究交流活

22年 10 月には日中ジョイントセミナーが京都大学を会場として開催され、

R-4関係の中国からの参加者が多数参加した。 23年 3月 4―5 日にはプギョ

ン大において R-4を含んだ研究交流がなされ、日本と韓国から関係の研究者

のほか大学院生も参加し、活発な交流がなされた。そのほかに中国から北海

道大学への教員と大学院生の派遣。北海道大学から北京科技大とソウル大へ

の教員と院生の派遣。室蘭工大から北京科技大への教員、院生の派遣があっ

た。

研究交流活

動成果

10月の日中ジョイントセミナーの際に R-4関係の多数の論文が発表された。

特に核融合炉や高速炉関係の新材料の成果が多かった。3月のプサンでの研

究交流会では、従来の材料の照射損傷の研究に加えて、水素エネルギー関係

の研究分野の研究が多く討論され、従来の研究領域が新エネルギー関係にも

拡大しているのはこの分野の将来に良いことである。

日本側参加者数

83 名 (14-1日本側参加者リストを参照)

大韓民国側参加者数

21 名 (14-2韓国側参加研究者リストを参照)

中華人民共和国側参加者数

53 名 (14-3中国側参加研究者リストを参照)

Page 15: アジア研究教育拠点事業 平成22年度 実施報告書...究所(SINAPS)、韓国原子力研究所(KAERI)を主軸に加えることで、より効率的な体制を

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整理番号 R-5 研究開始年度 平成21年度 研究終了年度 平成24年度

研究課題名 (和文)高品位エネルギー応用

(英文)Application of High Quality Energy

日本側代表者

氏名・所属・職

(和文)大垣英明・京都大学エネルギー理工学研究所・教授

(英文)Hideaki Ohgaki,Inst.of Advanced Energy,Kyoto Univ.,Professor

相手国側代表

氏名・所属・職

Byung Cheol Lee, Korea Atomic Energy Institute, Professor

Chuanxiang Tang, Dept. of Engineering Physics, Tsinghua Univ., Pro

fessor

交流人数

(※日本側予算

によらない交流

についても、カ

ッコ書きで記入

のこと。)

① 相手国との交流

派遣先

派遣元 日本 韓国 中国 計

<人/人日> <人/人日> <人/人日> <人/人日>

日本 <人/人日>

実施計画

4/20 6/26 10/46

実績 3/12 8/32 11/44

韓国 <人/人日>

実施計画 4/16

(4/20) 4/16(4/20)

実績 0/0 (0/0) 0/0(0/0)

中国 <人/人日>

実施計画 2/10 (2/10)

2/10(2/10)

実績 0/0 (0/0) 0/0(0/0)

合計 <人/人日>

実施計画 6/26 4/20(2/10) 6/26(4/20) 16/72(6/30)

実績 0/0 3/12(0/0) 8/32(0/0) 11/44(0/0)

② 国内での交流 0/0 人/人日

22年度の研

究交流活動

中国、韓国でトップレベルにある上海応用物理研究所(SINAPS)、韓国原

子力研究所(KAERI)を主軸に加えることで、より効率的な体制を組み 2010

年 12月 2-3日の二日間にわたって、“China-Korea-Japan Joint Workshop on

Electron/Photon Sources and Applications”( 電子源・光子源とその応用

に関する日中韓ワークショップ)を中国上海の SINAPSで開催した。本会議

には各国の若手研究者も多数参加し研究交流を深める事ができた。

研究交流活動

成果

中国からは高調波利用高利得 FEL や FEL のエコーモード等の世界的にも

ユニークな研究について、韓国ではコンパクトな装置を用いた THz光発生・

利用研究が研究課題としてあげられた。更に、これらの研究に共通する高

品質電子ビーム生成に関する研究について日本側から提供された。

日本側参加者数

53 名 (14-1日本側参加者リストを参照)

大韓民国側参加者数

28 名 (14-2韓国側参加研究者リストを参照)

中華人民共和国側参加者数

13 名 (14-3中国側参加研究者リストを参照)

Page 16: アジア研究教育拠点事業 平成22年度 実施報告書...究所(SINAPS)、韓国原子力研究所(KAERI)を主軸に加えることで、より効率的な体制を

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10-2 セミナー

整理番号 S-1

セミナー名 (和文)日本学術振興会アジアンコアプログラム核融合プラズマ及

び炉工学に関するセミナー

(英文)JSPS Asian CORE Program, Seminar on Fusion plasma and

Fusion Reactor Technology

開催時期 平成23年 3月 4日 ~ 平成23年 3月 5日(2日間)

開催地(国名、都市名、

会場名)

(和文)大韓民国、プサン市、釜慶国立大学

(英文)Republic of Korea, Pusan, Pu-kyon National University

日本側開催責任者

氏名・所属・職

(和文)小西哲之・京都大学エネルギー理工学研究所・教授

(英文)Satoshi Konishi, Inst. of Advanced Energy, Kyoto Univ.,

Professor

相手国側開催責任者

氏名・所属・職

(※日本以外で開催の場合)

Joo Han-Gyu, Dept. of Nuclear Engineering, Seoul National

Univ., Professor

参加者数

派遣先

派遣元

セミナー開催国

(大韓民国)

日本

<人/人日>

A. 30/115

B.

C.

韓国

<人/人日>

A.

B.

C. 58/174

中国

<人/人日>

A.

B.

C. 38/114

合計

<人/人日>

A. 30/115

B.

C. 96/288

A.セミナー経費から負担

B.共同研究・研究者交流から負担

C.本事業経費から負担しない(参加研究者リストに記載されていない研究者は集計しない

でください。)

Page 17: アジア研究教育拠点事業 平成22年度 実施報告書...究所(SINAPS)、韓国原子力研究所(KAERI)を主軸に加えることで、より効率的な体制を

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セミナー開催の目的 先進原子力分野、プラズマ核融合、核融合ブランケットについての、

日中韓の最新の知見を交換するとともに若手研究者、大学院学生に

体系的にそれらの基礎的知識と研究動向を学ばせる。また、本アジ

アンコアプログラム「先進エネルギー科学」の全体像を共同研究タ

スク相互で共有すること目的とする。

セミナーの成果 本事業に特徴的な、先進エネルギーシステムの学術について、日

中韓で共通の理解と研究教育基盤を共有した。特に技術的進展だけ

でなく各国のエネルギーシナリオ、エネルギー戦略に研究は大きな

影響を受けており、今後社会経済的分析を含めた情報交換の必要性

を相互に認識した。今後の研究協力、特に相互の若手研究者や学生

の交流計画の策定に資する。先進原子力・核融合分野での今後の日

中韓の定期的学術会合システムの構築の原型とした。

セミナーの運営組織 現地運営組織は、韓国内の拠点機関・協力機関により組織し、プ

ログラム作成/参加者組織に関しては、各国のコーディネータ・共

同研究代表者が共同して行った。

開催経費

分担内容

と金額

日本側 内容 金額

派遣旅費 2,012,992円

韓国側 内容 開催経費、参加者滞在費、 金額

韓国側参加者旅費 600,000円

中国側 内容 金額

派遣旅費 600,000円

Page 18: アジア研究教育拠点事業 平成22年度 実施報告書...究所(SINAPS)、韓国原子力研究所(KAERI)を主軸に加えることで、より効率的な体制を

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10-3 研究者交流(共同研究、セミナー以外の交流)

① 相手国との交流

派遣先

派遣元

日本

<人/人日>

韓国

<人/人日>

中国

<人/人日>

<人/人日>

日本

<人/人日>

実施計画

4/16 4/16 8/32

実績 0/0 0/0 0/0

韓国

<人/人日>

実施計画 0/0

(0/0) 0/0(0/0)

実績 0/0 (0/0) 0/0(0/0)

中国

<人/人日>

実施計画 0/0 (0/0)

0/0(0/0)

実績 0/0 (0/0) 0/0(0/0)

合計

<人/人日>

実施計画 0/0 4/16(0/0) 4/16(0/0) 8/32(0/0)

実績 0/0 0/0(0/0) 0/0(0/0) 0/0(0/0)

② 国内での交流 0/0 人/人日

Page 19: アジア研究教育拠点事業 平成22年度 実施報告書...究所(SINAPS)、韓国原子力研究所(KAERI)を主軸に加えることで、より効率的な体制を

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11.平成22年度経費使用総額

経費内訳 金額(円) 備考

研究交流経費 国内旅費 0

外国旅費 8,876,438

謝金 172,800

備品・消耗品購入費 1,227,186

その他経費 151,126

外国旅費・謝金に係る消費税

345,450

計 10,773,000

委託手数料 1,077,300

合 計 11,850,300

12.四半期毎の経費使用額及び交流実績

経費使用額(円) 交流人数<人/人日>

第1四半期 515,361 5/13

第2四半期 336,234 3/16

第3四半期 1,629,309 21/94

第4四半期 6,840,847 51/233

第5四半期 0 0/0

第6四半期 1,451,249 15/81

計 10,773,000 95/437

13.平成22年度相手国マッチングファンド使用額

相手国名 平成22年度使用額

(日本円換算額) [単位:現地通貨]

韓国 約 4,620,000円相当 [ウォン]

66,000,000

中国 約 4,680,000円相当 [ 元 ]

390,000

※ 交流実施期間中に、相手国が本事業のために使用したマッチングファンドの金額につ

いて、現地通貨での金額、及び日本円換算額を記入してください。