21
様式1 アジア研究教育拠点事業 平成27年度 実施計画書 1.拠点機関 日本側拠点機関: 東京大学大気海洋研究所 インドネシア拠点機関 インドネシア科学院海洋研究センター マレーシア拠点機関: プトラマレーシア大学 フィリピン拠点機関: フィリピン大学ディリマン校 チュラロンコン大学 ベトナム拠点機関: 海洋環境資源研究所 2.研究交流課題名 (和文): 東南アジアにおける沿岸海洋学の研究教育ネットワーク構築 (交流分野:沿岸海洋学) (英文):Establishment of research and education network on coastal marine science in Southeast Asia (交流分野:Coastal Marine Science研究交流課題に係るホームページ: http://mits10.aori.u-tokyo.ac.jp/asiacore/ 3.採用期間 平成 23 4 1 日~平成 28 3 31 年度目) 4.実施体制 日本側実施組織 拠点機関:東京大学大気海洋研究所 実施組織代表者(所属部局・職・氏名):大気海洋研究所・所長・津田 コーディネーター(所属部局・職・氏名):大気海洋研究所・教授・西田周平 協力機関:名古屋大学地球水循環研究センター、東京大学大学院農学生命科学研究科、 東京大学アジア生物資源環境研究センター、鹿児島大学総合研究博物館、北里大学海 洋生命科学部、鹿児島大学水産学部、東海大学海洋学部、創価大学工学部、東海大学 海洋研究所、国立科学博物館動物研究部、神戸女学院大学人間科学部、愛媛大学沿岸 環境科学研究センター 事務組織:東京大学大気海洋研究所事務部

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様式1

アジア研究教育拠点事業

平成27年度 実施計画書 1.拠点機関

日 本 側 拠 点 機 関 : 東京大学大気海洋研究所 インドネシア拠点機関: インドネシア科学院海洋研究センター マレーシア拠点機関: プトラマレーシア大学 フィリピン拠点機関: フィリピン大学ディリマン校 タ イ 拠 点 機 関 : チュラロンコン大学 ベ ト ナ ム 拠 点 機 関 : 海洋環境資源研究所

2.研究交流課題名

(和文): 東南アジアにおける沿岸海洋学の研究教育ネットワーク構築 (交流分野:沿岸海洋学) (英文):Establishment of research and education network on coastal marine science in

Southeast Asia (交流分野:Coastal Marine Science) 研究交流課題に係るホームページ: http://mits10.aori.u-tokyo.ac.jp/asiacore/

3.採用期間 平成 23 年 4 月 1 日~平成 28 年 3 月 31 日 ( 5 年度目)

4.実施体制 日本側実施組織 拠点機関:東京大学大気海洋研究所 実施組織代表者(所属部局・職・氏名):大気海洋研究所・所長・津田 敦 コーディネーター(所属部局・職・氏名):大気海洋研究所・教授・西田周平 協力機関:名古屋大学地球水循環研究センター、東京大学大学院農学生命科学研究科、

東京大学アジア生物資源環境研究センター、鹿児島大学総合研究博物館、北里大学海

洋生命科学部、鹿児島大学水産学部、東海大学海洋学部、創価大学工学部、東海大学

海洋研究所、国立科学博物館動物研究部、神戸女学院大学人間科学部、愛媛大学沿岸

環境科学研究センター 事務組織:東京大学大気海洋研究所事務部

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2

相手国側実施組織(拠点機関名・協力機関名は、和英併記願います。) (1)国(地域)名:インドネシア

拠点機関:(英文)Research Center for Oceanography, Indonesian Institute of Sciences (LIPI)

(和文)インドネシア科学院海洋研究センター コーディネーター(所属部局・職・氏名):(英文)Director・Zainal ARIFIN 協力機関: (英文)Agency for the Assessment and Application of Technology (BPPT) (和文)技術評価応用庁 (英文) Sam Ratulangi University (和文)サム・ラツランギ大学 (英文)Research Center for Biology, Indonesian Institute of Sciences (LIPI) (和文)インドネシア科学院生物学研究センター

経費負担区分:パターン1 (2)国(地域)名:タイ 拠点機関:(英文)Chulalongkorn University

(和文)チュラロンコン大学 コーディネーター(所属部局・職・氏名):(英文)Faculty of Science ・Associate

Professor・Thaithaworn LIRDWITAYAPRASIT 協力機関: (英文)Burapha University (和文)ブラパ大学 (英文) Phuket Marine Biological Center (和文) プーケット海洋生物センター (英文) Prince of Songkla University (和文) ソンクラ王子大学 (英文) Kasetsart University (和文) カセサート大学 (英文) Marine and Coastal Resources Research Center (和文) 海洋沿岸資源研究センター

経費負担区分:パターン2 (3)国(地域)名:ベトナム 拠点機関:(英文)Institute of Marine Environment and Resources (IMER)

(和文)海洋環境資源研究所

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3

コーディネーター(所属部局・職・氏名):(英文)Director・TRAN Dinh Lan

協力機関: (英文)Research Institute of Marine Fisheries (和文)海洋水産研究所 (英文)Institute of Oceanography, Nha Trang (和文)ニャチャン海洋研究所 経費負担区分:パターン1

(4)国(地域)名:マレーシア 拠点機関:(英文)Universiti Putra Malaysia

(和文)プトラマレーシア大学 コーディネーター(所属部局・職・氏名):(英文)Faculty of Agriculture ・Professor・

Fatimah Md. YUSOFF 協力機関: (英文)Universiti Kebangsaan Malaysia (和文)クバンサーン・マレーシア大学 (英文)Universiti Teknologi Malaysia (和文)マレーシア工科大学 (英文)Universiti Sains Malaysia (和文)マレーシア科学大学

経費負担区分:パターン2 (5)国(地域)名:フィリピン 拠点機関:(英文)University of the Philippines, Diliman

(和文)フィリピン大学ディリマン校

コーディネーター(所属部局・職・氏名):(英文)Marine Science Institute Professor・Miguel D. FORTES

協力機関: (英文)De La Salle University (和文)デラサール大学 (英文)University of the Philippines, Visayas (和文)フィリピン大学ヴィサヤス校

(英文)St. Paul University Manila (和文)セントポール大学マニラ校 経費負担区分:パターン2

5.全期間を通じた研究交流目標

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東南アジア海域はサンゴ礁、マングローブをはじめとする多様な沿岸生態系のほか、水

深 4000m を超える半閉鎖的な海盆を含み、世界の海洋の中で最も種多様性が高いことで知

られる。また豊かで多様な水産資源の供給源として、約 6 億人の人口を擁する沿岸諸国の

経済や国民生活にとっても重要な場である。一方この海域では陸域からの汚染物質の流入

負荷や漁業・リゾート開発等の人間活動にくわえ、地球規模の気候変動の影響による深刻

な沿岸環境の悪化が進んでいる。

平成 13 年度から実施されている日本学術振興会の多国間拠点大学交流事業「沿岸海洋科

学」は、我が国と東南アジア五ヵ国の協力によりこれらの問題に取り組み、この海域にお

ける物質循環、有害藻類、生物多様性、汚染物質の現状と動態について多くの成果を得て

きた。10 年間の大学交流事業によりこの海域の海洋科学に関する知見を統合する学際的な

研究・教育体制が形成されつつあり、若手研究者も育ってきている。

本研究交流課題では、上記事業を基盤として構築してきた沿岸海洋学のネットワークを

維持・強化するとともに、学際的協力による参加各国における最先端の沿岸海洋学の拠点

形成により、地球規模の国際的取り組みにも貢献しうる研究教育ネットワークを構築する。

さらに、若手研究者をネットワークに参加させることにより、次世代を担う研究者育成を

目指す。

以上の目的のため、本研究交流課題では、平成 23〜27 年度の 5 年間、インドネシア、マ

レーシア、フィリピン、タイ、ベトナムおよび日本の 6 ヵ国の研究者が連携して、ユネス

コの IOC(政府間海洋委員会)/WESTPAC(西部太平洋委員会)の中でも重要視されている

下記の3課題について7つの研究グループにより共同研究を実施する。

課題1.東南アジアの沿岸海洋学:物理過程(G1)

課題2.東南アジアの沿岸海洋学:生物多様性(G2H, G2P, G2M, G2F, G2B)

課題3.東南アジアの沿岸海洋学:環境汚染(G3)

一方海草群集をはじめとする沿岸生態系については、個別課題の研究者を組織した研究

グループにより、海域を特定した総合的調査を実施する。さらに、参加国および研究分野

相互の研究交流を促進する目的で、毎年1回、国際セミナーを開催する。 6.前年度までの研究交流活動による目標達成状況 初(H23)年度は 5 年間の事業計画の策定、既存資料の整備、および課題毎の継続的調査・

研究に充てた。このため、個別課題の日本側担当者を各国に派遣し、次年度以降の共同研

究計画を相手国研究者と共同で策定するとともに、各国、各分野における資料・知見の収

集と現地調査を開始した。また日本において国内会合(6月)および国際ワークショップ

(12 月)を開催し、多国間拠点大学交流事業の成果をふまえ、総合的生態系調査の計画を

はじめとする 2 年度目以降の実施計画を策定した。また、リモートセンシング、ハビタッ

トマッピング、生物多様性等の分野について数名の研究者を日本に受入れ、研究者交流を

促進した。

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H24〜26 年度は、協力国間の連携を保ちつつ、日本と各国の2国間協力を柱に共同研究を

実施した。主な活動・成果として、課題1(物理過程)ではタイのバンパコン河口域に発

生し貝類養殖に被害を及ぼしている貧酸素水塊の長期観測、課題2(生物多様性)では東

南アジア全域の有害藻類図鑑の出版、アジア・太平洋全域の動物プランクトン(ヤムシ類)

データベースと生物多様性モデルの構築、インドネシア海域で漁獲され広くアジア諸国で

消費されていた食用クラゲが実は未知の種であることが判明しこれを新種として国際誌に

記載したこと、アマモ場生態系の生物多様性調査、マレーシアの魚類フィールドガイドの

出版、タイにおける造礁サンゴ類の遺伝子解析と八方サンゴ付着動物の調査、課題3(環

境汚染)ではインドネシア西カリマンタンにおける重金属汚染調査などがあげられる。本

事業での主要課題のひとつである分野間の連携については、課題1〜3の協働のもと、マ

レーシアにおいてアマモ場生態系の共同調査を3年間にわたり実施し、アマモ場生態系の

現状と食物網を通じた汚染物質の動態について多くの知見を得た。教育面ではマレーシア

における形態分類と分子分類手法の統合的解析に関するセミナーの共同開催、タイと日本

の水族館の研究協力体制構築への貢献(課題2)、マレーシアにおける国際生物会議

(i-SIMBIOMAS)への協力(課題3)などがあげられる。いっぽう、インドネシア(ジャ

カルタ)とタイ(チェンマイ)で本事業第2、3回のジョイントセミナーを開催し、H26

年度にはインドネシアセミナーのプロシーディングスを出版した。さらに H26 年度には、

21 ヵ国から約 550 名が参加した第 9 回 IOC/WESTPAC シンポジウム(4 月)に共催団体と

して参加し、約 70 名のメンバーが Asian CORE ワークショップをはじめとする多くのセッ

ションにおいて研究成果を発表するとともに、今後の活動計画への意見・情報交換を行っ

た。本シンポジウムのプロシーディングスは現在編集中である。また活動情報の社会への

発信と協力研究者間の情報共有のため英和両分でのウェブサイトを運営し逐次新情報の掲

載に努めた結果、多くのアクセス(2014 年には約 18,000 回)があった。拠点の拡充につい

て特筆すべき成果としては、本プロジェクトの活動(課題3)を契機として、インドネシ

アに豊富に存在するメダカ類の環境研究等への適用を目指す「メダカ研究センター」がス

ラウェシ島のハサヌディン大学に設置されたこと、フィリピンでのワークショップ(課題

2:G2P)を契機として「The Plankton Society of the Philippines」が設立されたことな

どが挙げられる。社会貢献としては、マレーシアのジョホール海域で進行中の埋め立て事

業に対して、本プロジェクトの一環として実施されたアマモ場総合調査の結果がひとつの

契機となり、工事が中断され環境アセスメントが実施されることとなったことが挙げられ

る。

このように、H26 年度を含め、当初目標とした計画は、協力体制の構築、学術研究、研究

者の育成、社会貢献何れの点でもほぼ予定通りに達成されているものと考える。 7.平成27年度研究交流目標 ※本事業の目的である「研究協力体制の構築」「学術的観点」「若手研究者育成」に対す

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る今年度の目標を設定してください。また、社会への貢献や、その他課題独自の今年

度の目的があれば設定してください。

いずれの課題とも、過去4年間の活動(現場調査、研究打ち合わせ、国際ワークショッ

プ等)を通じて研究協力体制を構築してきたが、H27 年度はプロジェクトの最終年度なので、

前年度までの研究交流を継続するとともに、これまでの活動・成果の総括とプロジェクト

終了後の研究交流とネットワークの維持・拡充のための方針の策定にとくに力を注ぐ予定

である。以下、項目別に示す。

<研究協力体制の構築>

プロジェクトを通じて構築されてきた体制を今後とも維持・発展させるため、JSPS の

Core-to-Core プログラム(A 型およびB 型)をはじめとする競争的資金の獲得を目標として、

各国コーディネータおよび課題リーダーとの緊密な連絡と意見交換を通じて方針を策定す

る。この際、世界的にその重要性・必要性が叫ばれている「持続可能な生態系維持のため

の対策」を念頭に、超学際的視点からの協働(自然科学、社会・経済、政治、当事者、市

民などの各セクション間の協働)を目指す他の事業(フューチャーアース-SIMSEA など:

http://www.futureearth.org/events)との連携も考慮する。このための予備的意見交換はすでに

H26 年度の IOC/WESTPACシンポジウムのAsian COREセッションを契機に進められている

が、H27 年度は日本で開催予定のセミナーで総合的な論議の場を設ける。

この他、課題2(生物多様性)の G2B(ベントス)では、新たに環形動物多毛類の分野

のメンバーを追加することにより,多様性に富む底生動物における各国との研究協力体制

の充実をはかる。課題3(環境汚染)では、メダカ類を利用する有害物質のアッセイ系を

普及させるために、プトラマレーシア大学、LIPI RCO およびハサヌディン大学メダカ研究

センターを拠点として協力体制を整備する。また、神戸女学院大学を汚染物質の分析の拠

点、東京大学大気海洋研究所および京都大学農学研究科をメダカ類の情報および技術提供

の拠点と位置づけ、これらの拠点間での相互の派遣・招聘を実施する。これらの活動を活

発化させるために、プトラマレーシア大学との部局間協定を更新し、ハサヌディン大学と

は新たに部局間協定の締結を検討する。

<学術的観点>

全ての課題で、従来の共同研究を進めるとともに、とくにこれまでの研究成果を論文、

報文、および書籍として出版・公表することを目指す。なお、課題2(生物多様性)の研

究グループ(G2B、G2M)では H27 年度にフィールドガイドを出版する予定で周到な準備

を進めてきた。また、各課題グループでは以下に示す目標の他にも多くの活動を計画して

きた。しかし、H27 年度における資金削減という不測の事態のため、遺憾ながら、何らかの

救済措置がない限りプロジェクト期間内にこれらの目標を断念せざるを得ないことを付記

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する。以下に課題毎の目標を示す。

課題1:物理過程(G1)

北部タイランド湾での貧酸素水塊の形成海域および分布の季節変化について共同調査を

継続し、その形成要因を解明する。ジャカルタ湾底層における貧酸素化についても船舶調

査を実施する。タイでは沿岸環境にとって重要な藻場の分布を把握するための現地観測と

人工衛星データ解析を共同で行う。 課題2:生物多様性

G2H(有害藻類):本ネットワークを活用してAmphidiniumの分布情報を取りまとめる。

インドネシアのランプン湾で初めて確認された Cochlodinium polykrikoides は分布域の拡

大が疑われている有害赤潮原因種であるため,遺伝的形質に基づいて所属する種内個体群

を特定することで,インドネシア産株の元来の分布域を推定する。魚毒原因種 Ostreopsisのタイプ種の産地がタイのチャン島南岸であることため,この産地より分離した試料を用

いることで世界的に混乱している同属の系統分類を整理する。マレーシアのジョホール海

峡で 2014 年に記録された Karlodinium australe による魚類大量斃死は同種による初の被

害報告であり,同海域における定着状況は本種による被害対策を行う上で重要な基礎資料

となる。 G2P(プランクトン):各国間の協力により、東南アジア全域に亘る以下の研究を総括し

論文を作成する:クラゲ類の生物・生態学;動物プランクトンの分子系統地理;カイアシ

類の形態・分子分類学;アマモ場生態系共同調査。 G2M(大型植物):G1 と協力し海草・海藻藻場のハビタットマッピングを行う。また各

国間の協力により、東南アジア全域に亘る以下の研究を実施する:分子遺伝と飼育実験に

よる小型海草分類の再検討;海藻・海草の安定同位体を用いた環境評価;藻場の生産力解

析;タイ南部アンダマン海の海産植物フィールドガイド作成。また、アマモ場生態系共同

調査について取り纏めを行う。

G2B(ベントス):タイおよびマレーシアのメンバーとの共同研究により,八放サンゴ類

ならびにそれに付着する棘皮動物の分析と造礁サンゴ類の遺伝的解析に関する研究をさら

に進め,論文執筆の準備を進める。マレーシアのメンバーとの共同研究により,藻場に分

布する底生動物相に関する研究を進める。新たに,多毛類の分類に関する共同研究を開始

する。 G2F(魚類):マレー半島東岸(タイ湾側)における商業魚種の調査はこれまでに十分に

実施されており、2 冊のフィールドガイドとして出版されている。しかし、同海域における

サンゴ礁性魚類の調査は未だ行われていない。H27 年度に実施予定のビドン島の魚類相調

査では、サンゴ礁性魚類相を明らかにすることを目的としている。また、ベトナム・ハロ

ン湾は世界遺産として有名であるが、同海域に生息する魚類についてはほとんど知られて

いないうえ、ハロン湾自体の水質環境は年々悪化しており、魚類相の解明は急務である。 課題3(環境汚染)

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アマモ場生態系調査において、堆積物と各種動植物中の汚染物質量を G2 からの安定同位

体分析による栄養段階評価と合わせて考察することで、生態系における汚染物質の動態把

握を目指す。また、東南アジアに豊富に存在するメダカ類について、飼育実験設備を普及

させて汚染指標生物としての利用技術を確立し、そこにゲノム編集等の最新技術で汚染に

敏感な系統を作製して導入することで、分子生物学を利用する環境研究を大きく前進させ

たい。また、貝類の汚染物質対する応答についても研究を進める。

<若手研究者育成> 何れの課題でも、これまでと同様、トレーニングコース、セミナー、成果取りまとめ等

の活動への若手研究者の参加を通じて育成を進めて行く。課題毎の具体的目標を以下に示

す。 課題1:物理過程(G1) タイとインドネシアでの貧酸素水塊および藻場分布に関わる共同調査に、若手の研究者

や大学院生が多く参加することにより船舶観測の基礎的な技術の習得をはかる。 課題2:生物多様性(G2)

G2H(有害藻類):現地合同調査に現地と日本の大学院生等の若手研究者の参加を促すこ

とで育成を図る。 G2P(プランクトン):マレーシアでプランクトンの写真・映像技術に関するトレーニン

グコースを実施する。 G2M(大型植物):相互交流により学生・若手研究者の分類・分子遺伝・生産力解析・

安定同位体分析各分野のトレーニングを実施する。

G2B(ベントス):底生動物の形態分類ならびに分子系統解析のワークショップを開催し,

東南アジア諸国の若手研究者や学生への教育を行う。また,タイやマレーシアとの共同研

究に,若手研究者を参画させることにより,彼らの研究能力の向上をはかる。日本国内へ

留学したメンバーへの教育も行う。 G2F(魚類):マレーシアの 2 大学、およびベトナムの研究所に所属する若手研究者や学

生と共同で調査を行い、魚類学の基礎を伝えるとともに、研究成果の共同発表を目指す。 課題3:環境汚染(G3) 汚染物質分析のためにマレーシアから若手研究者を長期間招聘し、分析技術の向上を図

る。また、メダカ類の利用と、ゲノム編集技術の普及を目指して、ハサヌディン大学メダ

カ研究センターにおいて技術トレーニングコース(またはワークショップ)を開催すると

ともに、現地学生の教育を行う。 <その他(社会貢献や独自の目的等)> 課題1:物理過程(G1) タイでは貧酸素水塊の流入に伴い養殖されている魚介類に大きな被害がでている。貧酸

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素水塊の発生要因や時期、そして水塊の挙動が解明できれば漁業被害を軽減できる可能性

があり、タイの水産業に貢献できると考えられる。 課題2:生物多様性(G2)

G2H(有害藻類):有害藻類に関する基礎研究を通した若手研究者の育成と国際連携の推

進を継続に加え,社会科学系研究者との連携を模索し,有害藻類被害対策に関する現状調

査を実施する。IOC/WESTPAC-HAB プロジェクトとの連携をとりながら東南アジアにお

ける有害藻類研究者国際ネットワークを強化する。 G2P(プランクトン):本プロジェクトでのトレーニングコースを契機として設立された

「The Plankton Society of the Philippines (PSP)」の第1回会合を開催する。 G2F(魚類): マレーシアとベトナムの調査結果の中から個別に論文として成果を公表す

るとともに、一般向けのフィールドガイドを出版する。マレーシアのビドン島調査の成果

に過去に出版されたタイ湾とトレンガヌ沖の魚類図鑑を合わせて、『マレー半島東岸の魚

類』の出版を目指す。また、ベトナムのハロン湾の魚類フィールドガイドを作製し、出版

する予定である。

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8.平成27年度研究交流計画状況

8-1 共同研究

整理番号 R-1 研究開始年度 平成23年度 研究終了年度 平成27年度

研究課題名 (和文)東南アジアの沿岸海洋学:物理過程

(英文)Coastal marine science in Southeast Asia: Physical processes

日本側代表者

氏名・所属・職

(和文)森本昭彦・愛媛大学沿岸環境科学センター・教授

(英文)Akihiko Morimoto・Ehime University・Professor

相手国側代表者

氏名・所属・職

(英文)Zainal ARIFIN・Research Center for Oceanography, Indonesian

Institute of Sciences (LIPI)・Director

Thaithaworn LIRDWITAYAPRASIT ・ Faculty of Science, Chulalongkorn

University ・Associate Professor

TRAN Dinh Lan・Institute of Marine Environment and Resources (IMER)・

Director

Mazlan Abd. HASHIM・Universiti Teknologi Malaysia・Professor

Miguel D. FORTES・University of the Philippines, Diliman・Professor

参加者数

日本側参加者数 14 名

インドネシア側参加者数 7 名

タイ側参加者数 3 名

ベトナム側参加者数 5 名

マレーシア側参加者数 3 名

フィリピン側参加者数 0 名

27年度の研究

交流活動計画

インドネシアでは、ジャカルタ湾の貧酸素水塊の分布と時間変化を把

握するため、船舶観測を実施する。マレーシアでは H26年度までに得ら

れた現場観測データと衛星データを使い、ジョホール州の藻場マッピン

グを行う。タイでは北部タイランド湾の貧酸素水塊の挙動を解明するた

めに必要となる数値モデルの開発と現場観測を行う。現場観測は 4月と 6

月に実施し、その後は H26年度から蓄積した観測データをもとに、貧酸

素水塊の挙動を把握可能な物理モデルと低次生態系モデルを開発する。

また、アンダマン海において最大規模のアマモ場であるコタリボン島の

藻場マッピングを行う。ベトナムでは、ハイフォン湾付近の環境変化を

把握するための基礎となる数値モデルの開発を行う。

上記の目的のため、インドネシアとタイへ日本の研究者を派遣する。

さらに、協力研究者間で活発な意見交換を行い、調査・分析結果に基づ

く論文を作成・公表する。

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27年度の研究

交流活動から得

られることが期

待される成果

インドネシアのジャカルタ湾では首都ジャカルタの治水を目的として

防潮堤の建設計画があり、この事業がジャカルタ湾の海洋環境に与える

影響の評価が急務である。今回観測を実施することで、貧酸素水塊の時

空間変化を把握することができ、影響評価のための基礎資料となる。

衛星リモートセンシングによる藻場のハビタットマッピングは本事業

開始時より継続されており、データの蓄積だけでなく藻場分布の経年変

化に関する知見も得られる。特に、衛星データを使うことにより広域の

藻場の状況を把握できるようになる。

本グループでは現地観測と数値モデルの融合により、東南アジア各国

の海洋環境の現状把握と将来起こりうる変化を知ろうとしている。これ

までは、観測機器の制限から数値モデル研究や衛星データ解析に偏って

いたが、現地観測も実施できる体制になってきた。数値モデル、現場観

測、衛星データ解析により総合的な沿岸海洋研究が実施されることが期

待される。

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整理番号 R-2 研究開始年度 平成 23年度 研究終了年度 平成 27年度

研究課題名 (和文)東南アジアの沿岸海洋学:生物多様性

(英文)Coastal marine science in Southeast Asia: Biodiversity

日本側代表者

氏名・所属・職

(和文)西田周平・東京大学大気海洋研究所・教授

(英文)Shuhei Nishida・Atmosphere and Ocean Research Institute・Professor

相手国側代表者

氏名・所属・職

(英文)Zainal ARIFIN・Research Center for Oceanography, Indonesian

Institute of Sciences (LIPI)・Director

Thaithaworn LIRDWITAYAPRASIT ・ Faculty of Science, Chulalongkorn

University ・Associate Professor

TRAN Dinh Lan・Institute of Marine Environment and Resources (IMER)・

Director

Fatimah Md. YUSOFF・Universiti Putra Malaysia・Professor

Miguel D. FORTES・University of the Philippines, Diliman・Professor

参加者数

日本側参加者数 42 名

インドネシア側参加者数 26 名

タイ側参加者数 24 名

ベトナム側参加者 30 名

マレーシア側参加者 35 名

フィリピン側参加者 28 名

27年度の研究

交流活動計画

本課題班は5つの研究グループ(有害藻類、プランクトン、大型植物、

魚類、ベントス)から構成される(以下それぞれ G2H, G2P, G2M, G2F, G2B

と略記)。各グループは個別の課題について各国メンバーと研究交流を進

めるが、相互に関連した問題については他の課題(物理=G1;汚染=G3)

および上記グループ間の協働により調査・研究を実施する。また、何れ

のグループも協力研究者間で活発な意見交換を行い、調査・分析結果に

基づく論文を作成・公表する。

G2H:昨年度有害赤潮原因種 Cochlodinium polykrikoides の出現を確認し

たインドネシアにメンバーを派遣して現地合同調査を実施するほか、フ

ィリピンで有害藻類被害対策の現状に関する聞き取り調査を行う。

G2P:フィリピンおよびマレーシアでのクラゲ類生態調査、マレーシ

アでの動物プランクトンの生態に関する共同研究に日本メンバーを派遣

する。フィリピンから研究者を招聘し、アマモ場生態系の食物網に関す

る試・資料の分析・解析・論文作成を行う。マレーシアで開催されるプ

ランクトンの写真撮影手法に関するワークショップに講師としてメンバ

ーを派遣する。

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G2M:タイに日本メンバーを派遣し、タイ南アンダマン海海産植物フ

ィールドガイド最終編集会議を行う。ベトナムの藻場調査に日本メンバ

ーを派遣する。タイ・マレーシアから研究者を招聘し、海草・海藻の遺

伝解析、同位体分析、成分分析のために試料分析とデータ解析および研

究打合せを行う。

G2F:ベトナムとマレーシアに日本人メンバーを派遣し、現地研究者

とともに、それぞれハロン湾とビドン島の魚類相調査を行う。得られた

標本の同定作業を行い、次年度の魚類図鑑出版に向けた準備をする。

G2B:タイのアンダマン海における底生動物の採集調査に日本のメン

バーを派遣し、タイのメンバーを招聘し日本においてそのデータ分析を

行う。マレーシアにおけるワークショップに指導者を派遣する.インド

ネシアに日本のメンバーを派遣し、海藻藻場の共同現地調査を行う。

27年度の研究

交流活動から得

られることが期

待される成果

各国の実状に対応した研究交流を通じて、各生物群の多様性に関する

データベース、フィールドガイドの整備・拡充と、多くの論文の公表に

よる知見の充実が期待される。また、日本側メンバーの派遣と海外協力

国メンバーの招聘、ワークショップ等の活動を通じて、若手研究者が調

査と試料分析の実技、結果の解析と論文の作成等について修得すること

が期待される。

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整理番号 R-3 研究開始年度 平成 23年度 研究終了年度 平成 27年度

研究課題名 (和文)東南アジアの沿岸海洋学:環境汚染

(英文)Coastal marine science in Southeast Asia: Environmental pollution

日本側代表者

氏名・所属・職

(和文)井上広滋・東京大学大気海洋研究所・教授

(英文)Koji Inoue・Atmosphere and Ocean Research Institute・Professor

相手国側代表者

氏名・所属・職

(英文)Zainal ARIFIN・Research Center for Oceanography, Indonesian

Institute of Sciences (LIPI)・Director

Thaithaworn LIRDWITAYAPRASIT ・ Faculty of Science, Chulalongkorn

University ・Associate Professor

TRAN Dinh Lan・Institute of Marine Environment and Resources (IMER)・

Director

Ahmad ISMAIL・Universiti Putra Malaysia・Professor

Miguel D. FORTES・University of the Philippines, Diliman・Professor

参加者数

日本側参加者数 4 名

インドネシア側参加者数 6 名

タイ側参加者数 7 名

ベトナム側参加者 4 名

マレーシア側参加者 7 名

フィリピン側参加者 4 名

27年度の研究

交流活動計画

マレーシアのアマモ場生態調査に関して、堆積物および各種生物の追

加サンプリングを行う。汚染物質の定量と技術指導のためマレーシアか

ら招聘を行う。G1, G2 と協力して汚染経路の推定を行う。インドネシア

では、LIPI と協力しあいながら、沿岸・河口域の調査を継続する。また、

協力研究者間で活発な意見交換を行い、調査・分析結果に基づく論文を

作成・公表する。

塩分適応機能に優れるメダカ類をバイオアッセイに利用するための設

備を、LIPI RCO およびハサヌディン大学メダカ研究センターに整備し、

すでに飼育施設が機能しているプトラマレーシア大学とあわせ、毒物代

謝遺伝子をノックアウトした系統の導入を図る。さらに、貝類や魚類の

金属に対する応答に関する研究を進める。 インドネシアでは、ゲノム編集技術を中心とするトレーニングコース

を実施する。

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27年度の研究

交流活動から得

られることが期

待される成果

日本側研究者の現地サンプリングへの参加と、東南アジア側研究者の

日本招聘による化学分析により、日本側研究者は現地の汚染の実態を把

握することができ、招聘研究者は分析技術を向上させることができる。

一方、現地に普通に生息し、維持管理が容易なメダカ類を研究に導入

することにより、先端のゲノム編集技術の応用による汚染検出システム

の開発と活用が期待できる。加えて、日本はメダカに関する研究上のデ

ータやノウハウが充実しているため、日本で培った研究資源をアジアで

展開することで、日本らしい国際貢献ができる。

ゲノム編集技術を中心に紹介するトレーニングコースを実施すること

により、現在の共同研究者のレベルアップが図れることはもとより、今

まで繋がりがなかった研究者や学生の関心を引くことができ、それをき

っかけに、新たな共同研究の萌芽が期待される。

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8-2 セミナー 整理番号 S-1 セミナー名 (和文)東南アジアの沿岸生態系に関する国際セミナー

(英文) International Seminar on Coastal Ecosystems in Southeast Asia

開催期間 平成 27 年 11 月(3 日間) 開催地(国名、都市名、

会場名) (和文)日本、柏市、東京大学大気海洋研究所 (英文) Japan, Kashiwa, Atmosphere and Ocean Research Institute, University of Tokyo

日本側開催責任者 氏名・所属・職

(和文)西田周平・東京大学大気海洋研究所・教授 (英文)Shuhei Nishida・Atmosphere and Ocean Research Institute, University of Tokyo・Professor

相手国側開催責任者 氏名・所属・職 (※日本以外での開催の場合)

(英文)

参加者数

A. 25/ 100

B.A. 7/ 35

B.A. 7/ 35

B.A. 7/ 35

B.A. 7/ 35

B.A. 7/ 35

B.A. 60/ 275

B.

日本<人/人日>

インドネシア<人/人日>

フィリピン<人/人日>

合計<人/人日>

セミナー開催国(日本)

タイ<人/人日>

ベトナム<人/人日>

マレーシア<人/人日>

派遣

A. 本事業参加者(参加研究者リストの研究者等) B. 一般参加者(参加研究者リスト以外の研究者等)

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※日数は、出張期間(渡航日、帰国日を含めた期間)としてください。これによりがたい

場合は、備考欄を設け、注意書きを付してください。 セミナー開催の目的 H25〜27 年度に実施された本事業における東南アジアの沿岸海洋

学に関する各グループにおける研究交流活動と分野間協力による

アマモ場生態系の総合調査の成果を発表・議論するとともに、プ

ロジェクト全体を通じての成果を総括する。また、会期中にナシ

ョナルコーディネータ・グループリーダー会合を開き、プロジェ

クト完結後のネットワークの維持・発展のための具体的方策を検

討する。

期待される成果 本セミナーでは、東南アジアに特徴的な沿岸生態系であるアマモ

場、サンゴ礁、および内湾域における物理過程、生物多様性、お

よび汚染物質の現状に関する知見が拡充されるとともに、今後の

研究のための指針が得られるものと期待される。また、H28 年度

以降の東南アジアにおける沿岸海洋学の研究教育ネットワークの

維持・拡充についての方針が策定されるものと期待される。さら

に、若手研究者が論議に加わることにより、国際的な場で活躍で

きる研究者の育成にも寄与する。

セミナーの運営組織 運営委員長:Prof. Shuhei Nishida, University of Tokyo, Japan 国内運営委員: Assoc. Prof. Mitsunori Iwataki, University of Tokyo, Japan Prof. Akihiko Morimoto, Ehime University, Japan Prof. Hiroyuki Motomura, Kagoshima University, Japan Assoc. Prof. Ken-ichi Hayashizaki, Kitasato University, Japan Prof. Toshihiko Fujita, National Museum of Nature and Science, Japan Prof. Koji Inoue, University of Tokyo, Japan 国外運営委員: Dr. Zainal Arifin, Research Center for Oceanography-LIPI,

Indonesia Prof. Fatimah Md. Yusoff, Universiti Putra Malaysia, Malaysia Prof. Miguel D. Fortes, University of the Philippines Assoc. Prof. Thaithaworn Lirdwitayaprasit, Chulalongkorn University, Thailand

Dr. TRAN Dinh Lan, Institute of Marine Environment and Resources (IMER), Vietnam

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開催経費

分担内容 日本側 内容 国内旅費

外国旅費 会議費 外国旅費に係る消費税

(インドネシ

ア)側 内容 外国旅費

(マレーシ

ア)側 内容 外国旅費

(フィリピ

ン)側

内容 外国旅費

(タイ)側 内容 外国旅費

(ベトナム)

内容 外国旅費

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8-3 研究者交流(共同研究、セミナー以外の交流)

平成 27 年度は実施しない。

8-4 中間評価の指摘事項等を踏まえた対応

指摘された事項のうち、論文の国際誌への掲載が少ない点については、H25〜26 年度には

眼に見える進展があった。H27 年度はさらに多くの論文が期待される。実際には本プロジェ

クトのネットワークにより実施された研究の成果論文の多くが国際誌に掲載されているが、

実際の調査・研究のほとんどが相手国のマッチングファンドで実施された場合などに、謝

辞に「Asian CORE」と明記することを躊躇する相手国研究者も多い。これが論文リストに

国際誌への掲載論文が少なくなっている主因である。しかしネットワークの役割を重視す

る本プログラムでは、直接の資金援助が無い場合でも、ネットワークとしての研究への貢

献は重要である。そこで、セミナー、ワークショップ、メール連絡などの様々な手段で、

メンバー全員に、可能な範囲内でできるだけ Asian CORE への謝辞を論文に含めるよう通知

している。

協力国メンバーが日本への派遣が少ないことについては、その多くは事業規模と学振の

本事業の制度に由来する制約による。H27 年度には、H26 年度と同様他の競争的資金により

改善を図る。参加国間のネットワーク構築も本事業の制約によるところが大きいが、日本

と協力国間の2国間の活動とネットを通じての情報交換の併用により改善を図る。十分な

マッチングファンドの確保については、各国コーディネータの努力により改善されつつあ

るが、各国の各課題班における新規事業の提案や申請書の作成補助を通じて一層の改善を

図る。

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9.平成27年度研究交流計画総人数・人日数 9-1 相手国との交流計画

派遣先

派遣元

9/ 59 7/ 54 4/ 37 8/ 70 3/ 21 31/ 241

0/ 0(7/ 35) (7 35)

7/ 42 7/ 42(2/ 10) (2 10)

0/ 0(7 35) (7 35)9/ 65 9/ 65

(2/ 10) (2 10)6/ 35 6/ 35

(2/ 10) (2 10)22/ 142 9/ 59 7/ 54 4/ 37 8/ 70 3/ 21 53/ 383

(20/ 100) (0/ 0) (0/ 0) (0/ 0) (0/ 0) (0/ 0) (20/ 100)

合計フィリピン

<人/人日>

<人/人日> <人/人日> <人/人日> <人/人日>

日本 インドネシア タイ ベトナム マレーシア

<人/人日> <人/人日> <人/人日>

日本

<人/人日>

タイ

<人/人日>

ベトナム

<人/人日>

<人/人日>

インドネシア

合計

<人/人日>

マレーシア

<人/人日>

フィリピン

※各国別に、研究者交流・共同研究・セミナーにて交流する人数・人日数を記載してくだ

さい。(なお、記入の仕方の詳細については「記入上の注意」を参考にしてください。)

※相手国マッチングファンドなど、本事業経費によらない交流についても、カッコ書きで

記入してください。

9-2 国内での交流計画

0/ 0 <人/人日>

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10.平成27年度経費使用見込み額

(単位 円)

経費内訳 金額 備考

国内旅費 145,000

外国旅費 5,569,000

謝金

備品・消耗品購入費

その他の経費 200,000

外国旅費・謝金等に係る消費税

350,000

計 6,264,000研究交流経費配分額以内であること。

626,400

研究交流経費の10%を上限とし、必要な額であること。また、消費税額は内額とする。

6,890,400

国内旅費、外国旅費の合計は、研究交流経費の50%以上であること。

研究交流経費

合  計

業務委託手数料