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東北電力株式会 研究開発センターの ごあんない

研究開発センターの - 東北電力 · とから定勡的に卦換していますが,この卦換にかかる卞用コストの低匬が 卍められています。 材厄の劣化勶象には様々な種類があるため,それぞれの劣化勶象に対し

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Page 1: 研究開発センターの - 東北電力 · とから定勡的に卦換していますが,この卦換にかかる卞用コストの低匬が 卍められています。 材厄の劣化勶象には様々な種類があるため,それぞれの劣化勶象に対し

東北電力株式会社

研究開発センターの

ごあんない

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当社は「東北電⼒グループ中期経営方針(2017〜2020 年度)」において,「変化をチャンスに さらなる

成⻑へ挑戦する 東北電⼒グループ」を基本姿勢に「お客さま・地域社会の声にお応えする」,「成⻑に向け

た新たな事業機会を追求する」,「変⾰実現により強固な経営基盤を確⽴する」の3つを⼒点として,今ま

でにない⼤きな変化に柔軟に対応し,グループとして持続的な成⻑を目指して諸施策展開を加速すること

としています。

研究開発センターでは,東北電⼒グループ中期経営方針に基づき,収益⼒向上,設備の⾼効率化,再⽣

可能エネルギー⼤量連系対応の他,IoT・ビッグデータ・AI 技術等の先進技術獲得への取り組み強化が必

要不可⽋であるという当社の現状認識を踏まえ各種の研究開発を推進していくこととしています。

具体的には,電⼒の安定確保・安定供給を⽀える研究開発を根底に据え,以下に⽰す 3 つを研究開発重

点領域として位置付け,各課題解決に向けて関係部門と連携しながら全社⼤で取り組むとともに,新たな

技術の獲得に積極的に取り組み,研究成果を着実かつ早期に業務へ導入・適用していくことを目指してい

きます。

◆新たなICTなど先端技術を活用した,競争力および収益力強化に資する研究開発

◆高効率発電,再エネ対応技術高度化等による,最適な電源構成および低炭素社会実現に

資する研究開発

◆将来の成長と競争力強化を支える,先駆的技術の獲得に資する研究開発

● 所在地 宮城県仙台市⻘葉区中⼭七丁目 2 番 1 号

● 所員数 85 名 (2019 年 4 月現在)

● 組 織 (企画・管理グループ) 研究企画 (研究グループ)

● 沿 ⾰ 1968 年 5 月 総合研究所として発足 1988 年 2 月 技術開発本部体制(技術開発部,電⼒技術研究所,応用技術研究所)発足 1992 年 7 月 技術開発部,電⼒技術研究所,応用技術研究所の1部 2 所体制となる 1995 年 6 月 研究開発センター発足

電源・環境 電⼒流通 電⼒系統 電気利用

研究開発重点領域

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1968年 ➤総合研究所 発足

1970

年代

➤アワビ種苗⽣産の⼤型実験 ➤直流制御回路障害点検出器の開発・実用化(1977 オーム技術賞) ➤ケーブル劣化判定装置の開発・実用化(1979 澁澤賞) ➤ネット滴下式省エネルギー型温室暖冷房装置の開発・実用化(1979 オーム技賞)

1980

年代

➤送電線故障点標定装置の開発・実用化(1980 オーム技術賞) ➤配電線故障点探査装置の開発・実用化(1980 澁澤賞) ➤塩害予知対策装置の開発・実用化(1981 澁澤賞) ➤架空送電用低ロス型鋼心アルミより線の開発・実用化(1983 オーム技術賞) ➤電⼒系統動特性⾃動記録装置の開発・実用化(1983 澁澤賞) ➤光ファイバロケータ(故障点標定装置)の開発・実用化(1984 オーム技賞) ➤ポリマーコンクリートの概要と⽔⼒発電所における実施例(1985 ⾼橋賞) ➤配電線人工地絡試験装置の開発・実用化(1988 オーム技術賞) ➤ハンディタイプ新型⾼調波管理計の開発について(1988 澁澤賞)

1990

年代

➤⽯炭灰によるアスファルト舗装流動化防⽌剤の開発 (1993 ⾼橋賞) ➤⼀周波同時送受話方式⾞載用移動無線機の開発 (1993 郵政⼤臣表彰) ➤インフラ補完型ハイブリッド電気⾃動⾞「WAVE」試作 ➤原町⽕⼒発電所防波堤への新型ケーソンの開発 (1994 ⾼橋賞 ➤新型送電線故障点標定装置「TELESCAN」の開発 ➤集合型風⼒発電システム「⻯⾶ウィンドパーク」の設置 ➤酒造原料⽶新品種「星あかり」開発 ➤ニッケル-⽔素電池搭載配電工事用⾼所作業⾞の開発

➤超臨界⽔廃プラスチック油化技術の実証試験

2000

年代

・ ➤お客さま設置用 NAS 電池の実用化研究 ・ ➤固体⾼分⼦形燃料電池(PEFC)コジェネレーションシステム実証試験 ・ ➤⽯炭灰(クリンカアッシュ)の道路盛⼟材への利用技術 ・ ➤環境試験室「花まる HOT・LAB」、⾃然環境試験室における実証試験 ・ ➤移動型 SQUID の開発 ・ ➤磁束制御型無効電⼒調整装置の開発・実用化(2005 電気科学技術奨励賞) ・ ➤送電線用デジタル電⼒線搬送装置の開発と実用化(2007 電気科学技術奨賞) ・ ➤バイオディーゼル燃料副産物からの⽣分解性プラスチック原料製造装の開発

➤フロンおよび難分解性有機化合物の分解技術(2008 全国発明表彰発明賞)

2010

以降

➤⼤容量電気式回転釜の開発 ➤メタル通信ケーブル用ディジタル伝送装置の開発 ➤流体解析技術を用いた洪⽔現象の評価 ➤ガスタービン⾼温機器の余寿命評価手法に関する研究 ➤送電線の雪害・腐食に関する研究 ➤超小型・⾼性能 ⾼圧瞬低対策装置 COMPACT の開発(2012 澁澤賞) ➤次世代落雷位置標定システムの開発・実用化(2012 電気科学技術奨励賞) ➤風⼒発電出⼒予測システムの電⼒系統運用業務への導入(2012 新エネ⼤賞) ➤太陽光発電⼤量導入時の電⼒系統への影響評価研究 ➤配電系統内の太陽光発電の出⼒推定・予測に関する研究 ➤施設園芸へのヒートポンプ適用に関する研究

➤電気⾃動⾞等の性能評価に関する研究 ➤寒冷地向け⼤容量業務用エコキュート(65kW 級)の開発 ➤電気式連続揚物機の開発 ➤固体酸化物形燃料電池の⾼効率化に関する研究 ➤経年CVケーブル終端部の劣化診断技術の開発(2015 澁澤賞) ➤⽯炭⽕⼒機器を対象とした⾼性能⽪膜素材料の実機検証に関する研究(2016 澁澤賞) ➤CO2 削減を目的とした CO2 の有用物質変換技術に関する研究 ➤⽯炭灰の有効利用拡⼤に関する研究 ➤⾼圧需要家向け新型⼒率改善装置の開発(2018 電気科学技術奨励賞) ➤ステンレス製回転釜の開発(震災対応等移動式含む) ➤⽔素製造技術を活用した再⽣可能エネルギーの出⼒変動対策に関する研究 ➤⾼圧電圧調整装置MAVICSの開発・実用化(2017 澁澤賞) ➤耐雷機材劣化診断装置の開発(2017 電気科学技術奨励賞) ➤6.6kV 配電用⾼分⼦がいしの開発・実用化(2018 澁澤賞) ➤寒冷地対応中容量業務用エコキュート(35kW 級)の開発

アワビ種苗⽣産実験

塩害予知対策装置

⼀周波同時 送受話方式無線機

⻯⾶ウィンドパーク

磁束制御型 無効電⼒調整装置

送電線用 デジタル電⼒線搬送装置

ステンレス製回転釜

⾼圧瞬低対策装置 COMPACT

ハンディ型 新型⾼調波管理計

次世代 落雷位置標定システム

⽔素製造システム

耐雷機材劣化診断装置

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主な研究内容 � ⽔⼒・⽕⼒・原⼦⼒発電所機器の設備診断・余寿命評価・⻑寿命化に関する研究 � ⽯炭灰の有効利⽤技術,⼟⽊構造物の健全度評価・保守に関する研究 � 化学分析,リサイクル技術に関する研究 � 新エネルギー技術に関する研究

電⼒設備の中には,激しい摩耗が原因で2〜4年程度と短期間で損傷する設備があります。本研究では,それらの設備の耐久性能を向上させるコーティングを開発し,実機設備への導入を図っています。⽯炭⽕⼒発電所の環境設備の磨耗の激しいポンプに対し開発したコーティングを適用した結果,2倍以上の耐久性を確認し,本運用されています。また,平成27年度からは⼟砂摩耗の著しい⽔⼒発電所の⽔⾞に開発したコーティングを適用しています。現在,地元の⽔⾞製造会社と連携し,実機検証しながら複数の⽔⼒発電所へ⽔平展開を図っています。

ダム越流係数算定⼿法の⾼度化に関する研究

⽔⼒発電所のダムは,河川の流⽔を安全に下流に流すことが必要であり,これまで⽔理模型実験により⽔の流れを再現し,ダムの放流特性を確認しておりました。

近年,想定を超える洪⽔が頻発していることや,計算機やソフトの性能が著しく向上したことを踏まえ,流体シミュレーションによるダム越流係数算定手法を開発しました。

今後,本研究で開発した流体シミュレーション技術をベースに河川の上下流の地形を考慮可能なダム放流特性に関する研究を進めていく予定です。

水理模型実験によるダム放流特性の確認

ガスタービンと蒸気タービン・ボイラーを組み合わせた⾼効率コンバインドサイクル発電所の主要機器であるガスタービンには特殊な⾦属で製造された動翼等の⾼価な⾼温機器が多用されています。これらの⾼温機器は1,000℃以上の⾼温燃焼ガスに晒されており,使用中に劣化してしまうことから定期的に交換していますが,この交換にかかる運用コストの低減が求められています。

材料の劣化現象には様々な種類があるため,それぞれの劣化現象に対して⾼温機器がどれくらい使用できるかを評価するための余寿命評価手法を研究しています。 東新潟⽕⼒発電所 4-1 号系列ガスタービン

ガスタービン⾼温機器の余寿命評価⼿法に関する研究

<受賞歴>2016 澁澤賞

⽕⼒発電設備の保守・更新を効率的,経済的に⾏うため設備機器の状態や余寿命を的確に把握・評価することが求められています。

そこで,余寿命評価手法の 1 つである解析評価法に着目し,蒸気タービン・ボイラーを対象とした構造解析技術の構築・評価に取り組んでいます。

モデル作成,応⼒解析,損傷率計算,き裂進展解析の機能を有し,Windows ベースの PC 上で計算可能な構造・余寿命解析システムの開発を⾏っています。

⽕⼒機器の構造解析技術に関する研究

耐久性能向上のためのコーティング技術の開発

土砂・火山灰で磨耗する

水力発電所の水車に開発

コーティングを適用

⽕⼒発電設備の構造解析シミュレーション例

き裂進展解析 ⽕⼒タービン⾞室

解析モデル範囲

応⼒解析

温度解析

×10000

石炭火力発電所にて,スラリー磨耗

する脱硫装置のポンプへ開発コーテ

ィングを適用し,2倍以上の耐久性

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落雷位置標定システム(LLS)は,落雷位置をリアルタイムで標定できることから,送電線雷故障の原因と位置の特定や系統運用の参考等に活用されてきました。しかし,冬季雷(上向き雷)の捕捉率が低いことから,標定精度とともに改善が求められていました。

このため,冬季雷に伴う電波の特徴を把握し,冬季雷の捕捉が可能な次世代 LLS を開発・実用化しました。

<受賞歴> • 電気科学技術奨励賞(旧オーム技術賞)

• 電気学術奨励賞 進歩賞

次世代落雷位置標定システムの開発・実⽤化

冬季雷(上向き雷)

LLSの概要

送電線のギャロッピングに関する研究

主な研究内容 � 変電・送電・配電部門(⾃然災害対策,経年設備の劣化診断・余寿命推定,設備形成の

効率化,再⽣可能エネルギー⼤量連系時の配電系統の安定化)の技術に関する研究 � 通信・エレクトロニクス技術に関する研究 � 電⼒ネットワーク設備の保守・運⽤業務への IoT,AI 等の最新技術の適⽤

⾼機能型送電線用デジタル電⼒線搬送装置

当社では平成18年度に送電線用デジタル電⼒線搬送装置を国内では初めて実用化し,電⼒保安通信回線用として運用してきました。しかし,送電線路の系統によっては伝送品質に影響を与える雑音や,分岐個所で⽣じる反射波の影響が⼤きいことなどから適用できないという事例がありました。

そこで,このような送電線路にも適用できるよう,送信電⼒の増⼤,伝送帯域幅の狭帯域化方式の追加,送信周波数選定のフレキシブル化,および反射波の⼤きな伝送路へも適用可能とする新たな強化アルゴリズムを開発し,これらを実装した⾼機能型送電線用デジタル電⼒線搬送装置を開発しました。 <受賞歴> • 電気科学技術奨励賞(旧オーム技術賞)

• 東北地方発明表彰(⽇本弁理⼠会会⻑奨励賞)

⾼機能型送電線⽤デジタル電⼒線搬送装置の開発

ギャロッピングとは,着雪した電線に強い風が作用する特定の

条件下で電線が異常振動する現象であり,その振動が過⼤となった場合,電線同⼠が接近,または接触し停電の原因になることがあります。

そのため,ギャロッピング現象の把握や対策に関する研究に取り組んでいます。特に,この研究で培ったギャロッピング解析,気象解析,鉄塔部材の変形解析などの各種シミュレーション解析技術は,現場の事業所からの依頼に応じて,実際に発⽣した各種雪害の解析,対策の検討に活用するなど,⾃然災害に強い送電設備の形成に役⽴てています。

ギャロッピングシミュレーションの例 ギャロッピング発⽣時の電線挙動の様⼦。図では電線とがいし,相間スペーサのみを表⽰。左は対策前の挙動(中相と下相)の電線が異常接近⇒短絡事故発⽣)。右は対策後(相間スペーサ取付け)の挙動(各相とも⼗分な離隔を確保)。※シミュレーション解析プログラムには「CAFSS」(⼀般財団法人電⼒中央研究所開発)を使用。

相間スペーサ取付け

電線が異常接近

再⽣可能エネルギーの普及拡⼤などから,電⼒系統において,電圧変動など電⼒品質の低下が懸念されています。当社では独⾃の磁束制御技術を適用した電⼒機器の開発に取り組んでおり,開発した磁束制御型可変リアクトルを適用した,電圧変動を抑制する機能をもつ磁束制御型⾼圧電圧調整装置を開発しました。

現在,装置を試験的に導入し,機能の確認などを進めています。 <受賞歴> • 電気科学技術奨励賞(旧オーム技術賞)

• 電気学術奨励賞 進歩賞 • 東北電気関係事業功績・功労者表彰 特別功績賞 • 澁澤賞 • ⽇本磁気学会新技術・新製品賞 •

300kVA 級 磁束制御型⾼圧電圧調整装置の開発

磁束制御型⾼圧電圧調整装置 磁束制御型⾼圧電圧調整装置の

試験状況

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太陽光発電(PV)は,天候などの気象条件により発電出⼒が⼤きく変動する特性があるため,系統に⼤量連系された場合には,電⼒品質や需給運用などに⼤きく影響します。

当グループでは,アメダスデータや衛星画像を用いた推定⽇射量データと PV 設備の位置・設備情報をもとに,当⽇のPV 出⼒を推定する手法の研究,翌⽇の出⼒予測における積雪地域の予測補正による精度向上などに取り組んでおります。

太陽光発電(PV)の導入拡⼤により,バンク単位での逆潮流も⾒受けられるようになり,送・配電系統の運用管理を適切に維持するため,PV 出⼒(または実負荷)を正確に把握することが重要となっています。

そこで,PV 出⼒を配電用変電所等の潮流計測値から,バンクや配電線単位で推定できる技術を開発しました。 (開発技術の特徴)

・潮流計測値のみから推定でき,気象情報や PV 設備等の 情報は不要。

・リアルタイムで推定可能。 今後,更なる⾼精度化を図り,実運用で活用するための

「PV 出⼒推定システム」の開発・実用化を目指します。

リアルタイム気象情報を活⽤した短中時間先需要想定に関する研究

ローカル系統における太陽光発電の出⼒推定に関する研究

太陽光発電⼤量導⼊時の太陽光発電出⼒の推定・予測

ローカル系統の PV 出力推定のイメージ

PV 出力試算の概略

設備導入量のイメージ 全系 PV 出力の例

晴天

前線通過

推定

主な研究内容 � 電⼒系統の安定化技術,系統運⽤・制御技術,系統解析技術に関する研究 � 再⽣可能エネルギーの導入拡⼤への対応技術に関する研究 � 電⼒系統の品質調査と評価⼿法に関する基礎研究

再⽣可能エネルギー電源の出⼒変動分を補うため⽕⼒発電の運用の重要性が⼀層増しています。効率的に⽕⼒発電を運用するためには⽇々の電⼒需要の変動を的確に捉えることが重要です。そこで,リアルタイム気象情報などを活用して数時間から数⽇程度先までの短・中時間先の電⼒需要を想定する手法を開発し,実証を⾏っています。

実証では電⼒需要の予測に必要な需要実績・気象情報等のリアルタイムデータの取得・需要予測計算・計算結果の表⽰を 30 分毎に更新するシステムを構築し,精度検証を⾏っています。今後も更なる電⼒需要の予測精度向上を図る予定です。

需要想定システムの構成

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ヒートポンプ運転時間帯

石油暖房運転時間帯

ヒートポンプ

石油暖房

夕方 朝

ハウス内設定温度

ヒートポンプ能力限界

1 3 5 7 9

外気

温(℃

東北地方においては,家庭におけるエネルギー消費の約4割が冬季の暖房のために使用されています。

ヒートポンプ暖房機器を適切に使用することで,お客さまの省エネルギー性や経済性を向上させることができることから,任意の温熱環境を模擬できる「環境試験装置」や「温熱環境試験装置」を用いて,ヒートポンプ暖房機器の性能確認,適切な使い方などに関する研究を⾏っています。実験により得られるデータから,機器の性能,住宅内の快適性,経済性,省エネルギー性などの評価を⾏い,暖房機器の効率的な利用について検討しています。 環境試験装置(試験室内の実験用住宅)

ヒートポンプ暖房機器の効率的な使い⽅に関する研究

施設園芸へのヒートポンプ適⽤に関する研究 農業分野では,価格変動のリスクが⼤きく,経営予測が⽴

てにくい⽯油依存からの脱却が⼤きな課題となっています。ヒートポンプは,施設園芸分野で脱⽯油の有⼒な省エネツールと位置づけられ,国の施策でもその普及を図っています。しかし,暖房期間が⻑い東北は⽯油価格変動の影響を受けやすいものの,多雪寒冷地という気象条件であるがゆえに,ヒートポンプの導入が進んでいないのが現状です。

そこで,寒冷地におけるヒートポンプ導入効果を評価するとともに有効な利用方法を確⽴するため,施設園芸の中でも作付⾯積の⼤きいトマトを対象に,所内のビニールハウスで研究を進めています。また,実際の⽣産施設でのヒートポンプ利用の実態把握と課題抽出のため,お客さまの栽培施設に計測機器を設置させていただいて,運転特性等の調査を⾏っています。 ハイブリッド暖房の運転パターン例

ヒートポンプを利用したトマト栽培試験

既存の業務用ヒートポンプ式給湯機は,東北地域の厳寒な気象条件下では熱源機効率が低下し,必要⽣成湯量の確保が困難となる場合があります。

そこで,寒冷地における熱源機性能向上を図り,厳寒期でも⾼温必要湯量を確保できる「寒冷地向け⼤容量給湯機(65kW級機)」の開発を⾏いました。東北の寒冷地域に最適なCO2冷媒量と低温特性向上に向けた制御により,外気温-20℃〜10℃領域の加熱能⼒,特に着霜期の2℃近辺では⼤きな能⼒向上が図られ,⽣成湯量の増加も確認できました。開発機は⽣成湯量の心配もなく,東北管内全域の⼤規模学校給食センター,ホテル,病院・福祉施設等への導入・普及が可能となりました。開発機導入施設での寒冷地性能評価・耐久性を検証しながら,低温領域の更なる⾼性能化を図り,新型寒冷地対応中容量機(35KW 級機)の開発を進めています。

寒冷地向け⼤容量給湯機の開発に関する研究

⽔素製造技術を活⽤した再⽣可能エネルギーの出⼒変動対策に関する研究

給食センター導入開発機(熱源機)

再⽣可能エネルギーの導入拡⼤に向けて,出⼒変動をどのように調整していくかが課題となっており,対策に取り組む必要があります。

本研究では,研究開発センター構内に太陽光発電設備,⽔素製造装置や燃料電池等から構成される⽔素製造システムを設置し,太陽光発電による電気を⽔素製造に使用し,出⼒変動を吸収することで,⽔素製造技術が蓄電池と同様に再⽣可能エネルギーの導入拡⼤に伴う出⼒変動対策としての適用可能性を検証いたしました。

⽔素製造システム

主な研究内容 � 電⼒需要拡⼤(ヒートポンプ機器等の評価や開発,農業電化)に関する研究 � 先進技術(⽔素技術,二次電池・燃料電池等)の獲得に資する研究

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〒981-0952 宮城県仙台市⻘葉区中⼭七丁目2番1号 東北電⼒株式会社 研究開発センター 2019 年 4 月発⾏

http://www.tohoku-epco.co.jp/rdcenter

研究開発センターへの交通アクセス

● バス (所要時間 約 50 分)

仙台市営バス仙台駅⻄⼝バスプール 14 番から「中⼭六丁目」下⾞〜徒歩 3 分

※「中⼭六丁目」に停⾞するバスにご乗⾞ください。

● 電車+バス(所要時間 約 40 分)

JR 仙⼭線「仙台駅」乗⾞〜「北⼭駅」下⾞〜バス停まで徒歩 5 分〜

仙台市営バス「中⼭入⼝」乗⾞〜「中⼭六丁目」下⾞〜徒歩 3 分 ● タクシー

仙台駅から 所要時間 約 30〜40 分

秋田県

山形県

新潟県

青森県

岩手県

福島県

仙台市