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独立行政法人 医薬品医療機器総合機構...すべての有効性変数はmITT集団を対象として解析した。mITT集団は、ランダム化された集団のうち、治

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 172

治験実施計画書の識別コード:R727-CL-1003

薬物動態/薬力学用検体の採取時間及び分析方法:

PK 解析のため、Day 1 後来院ごとに血液検体を採取した。抗アリロクマブ抗体解析のため、事前に定めた

時点で血液検体を採取した。探索的なバイオマーカー解析のため、RNA 解析用全血、並びに血清中 PCSK9濃度及びスタチン濃度(代謝物を含む)測定用の血清検体も採取した(ロスバスタチン濃度のみ測定した)。

統計手法:

すべての有効性変数は mITT 集団を対象として解析した。mITT 集団は、ランダム化された集団のうち、治

験薬を投与され以下の条件を満たす集団と定義した。

• Visit 1(Day −7~Day −1)から治験薬の初回投与前までに 1 つ以上の LDL-C 値(計算値)を有する。

• 治験薬の初回投与から 終投与後 21 日までに 1 つ以上の LDL-C 値(計算値)を有する。

主要評価項目について、mITT 集団の部分集団である Per Protocol Set でも解析された。

主要評価項目であるベースラインから投与後 12 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(LOCF 法)は、投

与群(5 群:プラセボ、アリロクマブ 150 mg Q4W、200 mg Q4W、300 mg Q4W 及び 150 mg Q2W)及

び層別因子であるエゼチミブの使用の有無を固定効果、ベースラインの LDL-C 値を共変量とした共分散分

析(ANCOVA)モデルを用いて解析した。

ANCOVA モデルにより、アリロクマブの各投与群は適切な対比検定によりプラセボ群と比較した。プラセ

ボ群に対する群間差の 95%CI(多重比較の調整は行わなかった)を示した。

連続変数の副次評価項目は、投与群及び層別因子であるエゼチミブの使用を固定効果、それぞれのベース

ライン値を共変量とし、主要評価項目と同様に ANCOVA モデルを用いて解析した。Lp(a)及び TG のよう

な非正規分布に従うことが想定されるパラメータについては、順位に基づく ANCOVA モデルを用い、プラ

セボ群と各投与群との比較のため p 値を求めた。他のパラメータについては、正規分布の仮定が崩れた場

合に、代替法として順位に基づく ANCOVA モデルを用いた。

多重性について調整は行わなかった。

安全性に関するすべての変数は、安全性解析対象集団を対象に解析した。安全性解析対象集団は、ランダ

ム化された集団のうち治験薬(アリロクマブ又はプラセボ)を少なくとも 1 回以上投与された集団とした。

安全性の解析は、記述的に行った。

• 連続変数については、計算に反映された患者数、平均値、中央値、標準偏差、 小値及び 大値の記

述統計量を用いた。

• カテゴリカルデータについては、各カテゴリーについて頻度及び百分率を示した。

総アリロクマブ濃度、総 PCSK9 濃度、遊離 PCSK9 濃度及びロスバスタチン濃度は、各時点及び投与群別

に要約した。LLOQ 未満の濃度は 0 とした。治験中止のための来院については、記述統計量の計算から除

外した。

抗アリロクマブ抗体価は、患者ごとに各時点及び投与群別に示した。

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

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治験実施計画書の識別コード:R727-CL-1003

要約:

集団の特性:

米国及びカナダの 16 施設で合計 77 名の患者(15~16 名/投与群)がランダム化された。そのうち 76 名

が治験薬投与期間を終了し、300 mg Q4W 群の 1 名が初回投与後に全身性そう痒症及び局所注射部位反応

を発現して治験薬投与を中止した。人口統計学的特性及び疾患特性は、投与群間でおおむね一致しており、

多くの患者(71%)がスクリーニング来院時点でエゼチミブを服用していた。全体のベースライン時のLDL-C(計算値)の平均値 ± 標準偏差は 154.9 ± 42.1 mg/dL であり、投与群間で同様であった。

有効性の結果:

アリロクマブ投与により迅速で有意な LDL-C 値の低下が認められ、その程度は投与量に依存していた。

主要有効性評価項目であるベースラインから投与後 12 週時までの LDL-C(計算値)の変化率について、ア

リロクマブ群とプラセボ群との群間差(調整平均)は、−18.22%(150 mg Q4W 群)、−20.89%(200 mg Q4W 群)、−31.88%(300 mg Q4W 群)及び−57.25%(150 mg Q2W 群)であった。これらの結果は以下

の副次評価項目の結果により支持された。

• LDL-C 値(計算値)の変化量[プラセボとの調整平均の群間差は−23.1 mg/dL(150 mg Q4W 群)~−83.5 mg/dL(150 mg Q2W 群)]

• LDL-C 値が 100 mg/dL 未満に達した患者の割合(プラセボ群では 13.33%、アリロクマブ群では 18.75~93.75%)

• 投与後 12 週時に、LDL-C 値が 70 mg/dL 未満に達した患者の割合(プラセボ群では認められず、アリ

ロクマブ群では 12.50~81.25%)

さらに、以下のパラメータについて、アリロクマブ群はプラセボ群と比較し、用量に依存して有意に低下

した。

• Total-C(プラセボとの調整平均の群間差 −9.62~−35.07 mg/dL)、non-HDL-C(プラセボとの調整平

均の群間差 −15.50~−46.56 mg/dL)

• Apo B(プラセボとの調整平均の群間差 −14.51~−43.79 mg/dL)

アリロクマブ投与後に予想される傾向は、HDL-C、Apo A-1 及び Lp(a)でも認められたが、HDL-C を除き、

それらの低下又は上昇は用量に依存しなかった。

• HDL-C:変化率(平均値)のプラセボとの調整平均の群間差は 4.29 ~10.14%で、用量に依存していた。

• TG:ベースラインからの変化率(中央値)のプラセボとの群間差は、5.6%(300 mg Q4W 群)~−6.2%(150 mg Q4W 群)であった。

• Apo A-1:変化率のプラセボとの調整平均の群間差は 7.01%(200 mg Q4W 群)~14.14%(150 mg Q2W群)であった。

• Lp(a):ベースラインからの変化率(中央値)のプラセボとの群間差は、投与群を通して−3.54%(200 mg Q4W 群)~−19.47%(150 mg Q2W 群)であった。

アリロクマブ投与後の HbA1c、グルコース、hs-CRP 及び体重は、ベースラインから投与後 12 週時までわ

ずかな変化が見られるか又は変化は全く認められなかった。

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

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治験実施計画書の識別コード:R727-CL-1003

安全性の結果:

全投与群の 77%(59 名)の患者に TEAE が認められ、 も多く発現した事象は注射部位反応であった。ア

リロクマブ群でよく見られた他の TEAE(PT)は、下痢(11%)及び疲労(8%)であった。多くの TEAEの重症度は軽度~中等度であった。重度の TEAE は、全投与群を通して 6 名に発現したが、これらはすべ

て治験薬との因果関係が否定された。治験薬との因果関係が否定できないと判断された TEAE は、プラセ

ボ群で 13.3%、アリロクマブ群では 33.3~43.8%に認められた。アリロクマブ群で多く認められた TEAEは、主として一般・全身障害および投与部位の状態によるものであり、特に注射部位反応はプラセボ群の0 名に対してアリロクマブ群で 32.3%の患者に発現した。

1 件の SAE がプラセボ群の 1 名で報告され、患者は小腸閉塞で入院した。

死亡例は認められなかった。

300 mg Q4W 群の 1 名が治験薬の初回投与後に全身性そう痒症及び局所注射部位反応により治験薬投与を

中止した。

各来院時の生化学的検査及び血液学的検査の結果(平均値及び中央値)は、おおむねベースライン値と一

致したか又はベースライン値からのわずかな一過性の変動を認めた。経時的な上昇又は低下の傾向は見ら

れなかった。個々の患者の検査値で臨床的に意義のあるものは認められなかった。

LDL-C 値が 25 mg/dL 未満を示した患者は、すべてのアリロクマブ群で認められた。発現頻度は用量に依存

し、多くの場合 300 mg Q4W 群及び 150 mg Q2W 群で発現し、これは治験薬投与のタイミングと一致して

いた(投与後 2 週間)。LDL-C 値は通常次の来院時までにベースライン値に戻ったが、150 mg Q2W 投与

群の患者は治験薬投与中止後まで戻らなかった。少数の患者が LDL-C 値 15 mg/dL 未満を示したが、これ

らは一過性であり、治験薬投与に対応しており、ベースライン値に戻った。

各来院時の体重及びバイタルサイン(平均値及び中央値)はおおむねベースライン値と一致していた。

ECG で PCSA を示した患者の割合は、アリロクマブ群(38.7%、24/62 名)とプラセボ群(40.0%、6/15 名)

で同程度であった。これらの患者のうち、20 名は心臓障害の既往歴があり、多くがベースライン時にも ECGの異常を示したが、それ以外の患者で見られた異常は、主に境界型 QTcB 又は QTcF 間隔であった。

薬物動態の結果:

総アリロクマブ濃度、総及び遊離 PCSK9 濃度は全投与群で Day 85 に定常状態であった。

アリロクマブ: Day 85 の総アリロクマブ濃度の 高トラフ濃度(平均値)は、150 mg Q2W 群及び 300 mg Q4W 群で認

められた。スタチン(ロスバスタチンを含む)とエゼチミブを併用している患者の総アリロクマブ濃度は、

スタチンを単独で投与している患者の約 1/2、ロスバスタチンを投与している患者の総アリロクマブ濃度は

他のスタチンを投与している患者の約 1/2 であった。スタチンを単独で投与している患者と比べ、ロスバ

スタチンとエゼチミブを併用している患者の総アリロクマブ濃度は約 1/4 であった。

総 PCSK9 濃度: アリロクマブの用量又は投与頻度の増加に伴い、総 PCSK9 濃度(平均値)が用量依存的に増加した。 総 PCSK9 濃度のベースライン値はロスバスタチンとエゼチミブを併用している患者で も高かった。

遊離 PCSK9 濃度: アリロクマブの用量又は投与頻度の増加に伴い、遊離 PCSK9 濃度(平均値)が用量依存的に減少した。 全投与群でベースライン及び投与後の遊離 PCSK9 濃度(平均値)は、ほとんどの場合エゼチミブを投与し

なかった患者よりエゼチミブを投与された患者で高く、ロスバスタチン以外のスタチンを投与されていた

患者よりロスバスタチンを投与されていた患者で高かった。

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3.0)

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治験実施計画書の識別コード:EFC13672

治験方法:

ランダム化、二重盲検、並行群間、プラセボ対照、不均衡割付け(アリロクマブ:プラセボ = 2:1)、多

施設共同試験。

本治験は 長 3 週間のスクリーニング期間、52 週間の二重盲検投与期間及び 8 週間のフォローアップ期間

からなり、全治験期間は約 63 週間であった。アリロクマブ 75 mg Q2W を開始用量として、事前に規定し

た投与後 8 週時の LDL-C 値に基づき、投与後 12 週時に 150 mg Q2W へ増量可能とした。すなわち、アリ

ロクマブに割り付けられた患者は、投与後 12 週時から 50 週時の 終投与まで 75 mg Q2W を継続投与す

るか、あるいは投与後 8 週時の LDL-C 値が、heFH 患者又は冠動脈疾患の既往を有する非家族性高コレス

テロール血症(non-FH)患者では 100 mg/dL(2.59 mmol/L)以上、又は一次予防のカテゴリーⅢに分類

された疾患の既往又は危険因子を有する non-FH 患者では 120 mg/dL(3.10 mmol/L)以上の場合、投与後

12 週時から 50 週時の 終投与まで 150 mg Q2W に増量して投与されることとした。

本治験では、2 段階の解析を計画した。一次解析では、投与後 24 週時までの有効性評価項目の 終解析(主

要評価項目及び副次評価項目)並びに投与後 24 週時までに収集され、バリデートされた安全性データの中

間解析を行った。二次解析( 終解析)は治験終了時に行い、投与後 52 週時までの有効性評価項目及び安

全性、薬物動態学及びその他の解析の 終解析を行った。

患者数:

予定: 216 名

ランダム化: 216 名

投与:215 名

評価:

有効性 (ITT 集団):215 名

(mITT 集団):214 名

安全性: 215 名

薬物動態: 215 名

抗体: 215 名

QOL: 215 名

診断及び選択基準:

スタチン以外の脂質低下療法の有無を問わず、スクリーニング来院(Week −3)前に一定用量のスタチン

でコントロール不十分な heFH 患者又は non-FH 患者

- 冠動脈疾患の既往の有無を問わない、heFH 患者、又は

- 冠動脈疾患の既往若しくは一次予防カテゴリーⅢに分類された疾患の既往又は危険因子を有する

non-FH 患者。heFH の診断は、遺伝子型解析又は日本動脈硬化学会の「動脈硬化性疾患予防ガイ

ドライン 2012 年版」に基づく臨床診断基準を用いた。臨床診断基準に適合しないが治験責任医

師により heFH が強く疑われる場合は、遺伝子型に関する情報を得ることについて患者の同意を

得た後、スクリーニング期間に遺伝子型解析を行うこととした。

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治験実施計画書の識別コード:EFC13672

評価基準:

有効性:

主要評価項目:投与の遵守を問わずすべての LDL-C 値を用いた ITT 集団におけるベースラインから投与後

24 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(ITT estimand)

重要な副次評価項目は、多重性を考慮した階層的検定手順を用い、以下に示すとおり ITT estimand(投与

の遵守を問わずすべての脂質の値を用いて ITT 集団について解析)又は on-treatment estimand(有効性評

価期間に得られた脂質の値を用いて mITT 集団について解析)を用いて行った。

• ベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Apo B の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Apo B の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの non-HDL-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの non-HDL-C の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Total-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Apo B の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの non-HDL-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Total-C の変化率(ITT estimand)

• 投与後 24 週時に LDL-C の目標値に達した患者の割合[heFH 患者又は冠動脈疾患の既往を有する

non-FH 患者については LDL-C(計算値)100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満、一次予防のカテゴリー Ⅲに分類された疾患の既往又は危険因子を有する non-FH 患者については LDL-C(計算値)120 mg/dL(3.10 mmol/L)未満に達した患者の割合](ITT estimand)

• 投与後 24 週時に LDL-C の目標値に達した患者の割合[heFH 患者又は冠動脈疾患の既往を有する

non-FH 患者については LDL-C(計算値)100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満、一次予防のカテゴリー Ⅲに分類された疾患の既往又は危険因子を有する non-FH 患者については LDL-C(計算値)120 mg/dL(3.10 mmol/L)未満に達した患者の割合](on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Lp(a)の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの空腹時 TG の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの HDL-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Apo A-1 の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Lp(a)の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの空腹時 TG の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの HDL-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Apo A-1 の変化率(ITT estimand)

(electronic

3.0)

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治験実施計画書の識別コード:EFC13672

安全性:

有害事象、特に注目すべき有害事象(AESI)、心血管イベント、死亡、臨床検査、バイタルサイン及び ECG

その他:

抗アリロクマブ抗体、アリロクマブの血清中トラフ濃度(Ctrough)、ベースラインから投与後 12 週時、24 週時及び 52 週時までの HbA1c の変化量

生体試料の分析方法:

総アリロクマブ濃度(遊離アリロクマブと PCSK9 に結合したアリロクマブ)は、バリデートされた ELISA法(LLOQ 0.078 µg/mL)を用いて測定した。

総及び遊離PCSK9濃度は、バリデートされたELISA法を用いて測定した(定量下限はそれぞれ0.156 µg/mL及び 0.0312 µg/mL)。

抗アリロクマブ抗体測定用検体は、バリデートされた非定量的な抗体価ベースのイムノアッセイ法を用い

て分析した。本測定法は、スクリーニング、確認試験及び抗体価の測定の 3 段階よりなる。陽性対照に基

づく測定法の感度は約 5.6 ng/mL であった。

抗アリロクマブ抗体が陽性の検体は、バリデートされた非定量的競合リガンド結合測定法を用いて、中和

抗体を評価した。陽性対照に基づく測定法の感度は 470 ng/mL であった。

統計手法:

症例数の決定:

LDL-C の変化率の母平均の群間差を 30%、その標準偏差(両群共通)を 20%、有効性の主要評価項目が評

価不能となる症例を 5%と仮定したとき、有意水準 5%(両側)のもとで 90%の検出力を確保するためには

27 名(アリロクマブ群 18 名、プラセボ群 9 名)が必要である。

さらに、症例数を増加しアリロクマブの安全性を評価した。アリロクマブを 12 ヵ月間投与される患者を

100 名以上確保するために、12 ヵ月間の脱落率を 30%と想定して症例数を設定した。また、heFH 患者及

び non-FH 患者それぞれの有効性評価の検出力を 90%以上確保するため、non-FH 患者を 189 名(アリロク

マブ群 126 名、プラセボ群 63 名)及び heFH 患者を 27 名(アリロクマブ群 18 名、プラセボ群 9 名)組

み入れることとし、 終的な症例数は 216 名となった。

(electronic

3.0)

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治験実施計画書の識別コード:EFC13672

解析対象集団:

主要有効性解析対象集団は ITT 集団とした。ITT 集団は、ランダム化された集団のうち主要評価項目が評価

可能、すなわち、ベースラインの LDL-C 値(計算値)を有し、投与後 24 週時までに 1 時点の analysis window内で 1 つ以上の LDL-C 値(計算値)を有する患者集団と定義した。ITT estimand の解析は、ITT 集団につ

いて実施した。副次有効性解析対象集団は mITT 集団とした。mITT 集団は、ランダム化された集団のうち

二重盲検下で治験薬を少なくとも 1 回量又は一部を投与され、有効性評価期間での主要評価項目が評価可

能、すなわち、ベースラインの LDL-C(計算値)を有し、投与後 24 週時までに 1 時点の analysis window内で 1 つ以上の有効性評価期間内の LDL-C 値(計算値)を有する患者と定義した。

安全性解析対象集団は、ランダム化された集団のうち二重盲検下で治験薬を少なくとも 1 回量又は一部を

投与された集団とした。

抗体解析対象集団は、ランダム化され、治験薬を投与された集団(安全性解析対象集団)のうち、ベース

ライン時の抗体が評価可能で、二重盲検下での治験薬初回投与後に少なくとも 1 回以上抗体が評価可能な

集団とした。

QOL 解析対象集団は、ランダム化され、治験薬を投与された集団(安全性解析対象集団)のうち、EQ-5D質問票の5項目のうちのいずれかについてベースライン及びベースライン後の評価が行われた患者とした。

有効性解析:

主要有効性評価項目を mixed-effect model with repeated measures(MMRM)を用いて解析した。本モデ

ルには、カテゴリカル変数の固定効果として投与群、時点、ランダム化因子、投与群と時点の交互作用、

ランダム化因子と時点の交互作用を用い、連続変数の固定効果としてベースラインの LDL-C 値及びベース

ライン値と時点の交互作用を用いた。第 1 種過誤確率を 5%に制御し、複数の評価項目を取り扱うため、重

要な副次評価項目の上述した順序に従い治験実施計画書で事前に規定した階層手順を用いた。

安全性解析:

安全性解析は治験薬の二重盲検下の初回投与から 終投与後 70 日までの期間(TEAE 期間)について記述

的に行った。一次解析では TEAE 期間はカットオフ日までとした。

(electronic

3.0)

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Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 182

治験実施計画書の識別コード:EFC13672

要約:

集団の特性:

本治験では 216 名の患者がアリロクマブ群(144 名)及びプラセボ群(72 名)にランダム化され、アリロ

クマブ群の 1 名を除く全員が治験薬を投与された。ランダム化された患者の 19.0%(41 名)が heFH 患者

であり、81.0%(175 名)が non-FH 患者であった。ベースライン時の人口統計学的特性、疾患特性及び脂

質パラメータは投与群間でおおむね一致していた。ランダム化の時点ですべての患者が一定用量のスタチ

ンを使用しており、14.4%(31 名)がスタチン以外の脂質低下療法を受けていた。全体のベースライン時

の LDL-C(計算値)の平均値 ± 標準偏差は 141.2 ± 26.7 mg/dL(3.656 ± 0.691 mmol/L)であった。

アリロクマブ群では、投与後 12 週時以降に 1 回以上投与された 140 名の患者のうち、1.4%(2 名)が投

与後 12 週時にアリロクマブ 75 mg Q2W 投与から 150 mg Q2W 投与へ増量した(盲検下での自動化システ

ムによる)。

24 週間二重盲検投与期間において、多くの患者(アリロクマブ群 99.3%、プラセボ群 100%)で、80%以

上の服薬率が遵守された。

有効性の結果:

<24 週間二重盲検投与期間>

ITT 解析により、主要有効性評価項目であるベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C の変化率(調整

平均)は、アリロクマブ群で−62.5%、プラセボ群で+1.6%であり、プラセボ群と比べてアリロクマブ群で

大きく低下した。プラセボ群に対する群間差(95% CI)は−64.1%(−68.5; −59.8%)で、臨床的に意味の

ある統計学的に有意な差が見られた(p<0.0001)。

On-treatment 解析でも、ベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C の変化率(調整平均)は、アリロ

クマブ群で−63.7%、プラセボ群で+1.7%であり、プラセボ群と比べてアリロクマブ群で大きく低下した。

LDL-C 変化率の群間差は−65.3%であり、ITT 解析と一貫した結果が得られた(p<0.0001)。

ITT 集団では、ベースラインから投与後 12 週時までの LDL-C の変化率(調整平均)は、アリロクマブ群で

−64.2%、プラセボ群で−2.7%であり、プラセボ群と比べてアリロクマブ群で大きく低下した。プラセボ群

に対する群間差は−61.5%で、統計学的に有意な差が見られた(p<0.0001)。

On-treatment 解析でも、ベースラインから投与後 12 週時までの LDL-C の変化率(調整平均)は、アリロ

クマブ群で−64.8%、プラセボ群で−2.8%であり、プラセボ群と比べてアリロクマブ群で大きく低下した。

LDL-C 変化率の群間差は−62.1%であり、ITT 解析と一貫した結果が得られた(p<0.0001)。

アリロクマブ群では、LDL-C は投与後 4 週時(投与期間での 初の測定時点)から低下し、投与後 24 週時

まで維持された。

開始用量のアリロクマブ 75 mg Q2W 投与により、LDL-C 値が 2 回連続で 25 mg/dL(0.65 mmol/L)未満

であった患者は、アリロクマブ群で 12 名(8.6%)であった。そのうちの 2 名(1.4%)は LDL-C 値が 2 回

連続で 15 mg/dL(0.39 mmol/L)未満となった。

主要有効性評価項目のサブグループ解析(ITT 解析)の結果から、アリロクマブ群ではプラセボ群と比べて、

人口統計学的特性及びベースライン特性によらず、ベースラインから投与後 24 週時まで LDL-C の一貫し

た低下が認められた。

Apo B、non-HDL-C、Total-C、Lp(a)、空腹時 TG、HDL-C 及び Apo A-1 のすべての重要な副次評価項目に

ついて階層的検定手順に従いプラセボ群と比べたとき、アリロクマブ群で投与後 12 及び 24 週時に統計学

的に有意な差が認められた。ITT 解析では、LDL-C の目標値に到達した患者の割合(heFH 患者又は冠動脈

疾患の既往を有する non-FH 患者については LDL-C が 100 mg/dL 未満、一次予防のカテゴリーⅢに分類さ

れた疾患の既往又は他の危険因子を有する non-FH 患者については LDL-C が 120 mg/dL(3.10 mmol/L)未

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

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治験実施計画書の識別コード:EFC13672 満に達した患者の割合)は、アリロクマブ群では 96.7%であり、一方プラセボ群では 10.2%であった。

<52 週間二重盲検投与期間>

アリロクマブ群に割付けられた 144 名、プラセボ群に割付けられた 72 名のうち、52 週間投与完了した患

者はそれぞれ 132 名(91.7%)及び 66 名(91.7%)であった。

アリロクマブの強力な LDL-C 低下効果は投与後 4 週時から認められ、その効果は二重盲検投与期間が終了

する投与後 52 週まで持続した。ITT 集団における投与後 52 週時の LDL-C 値(調整平均 ± 標準誤差)は、

アリロクマブ群で 53.4 ± 1.9 mg/dL 及びプラセボ群で 135.6 ± 2.8 mg/dL であり、投与後 24 週時の LDL-C値(アリロクマブ群 53.5 ± 1.8 mg/dL 及びプラセボ群 143.4 ± 2.5 mg/dL )と同程度であった。また、ベー

スラインから投与後 52 週時までの LDL-C の変化率は、アリロクマブ群−62.5%及びプラセボ群−3.6%、そ

の群間差は−58.9%(p<0.0001)と投与後 24 週時の有効性と同程度であった(−64.1%, p<0.0001)。

副次有効性評価項目について、アリロクマブ投与後 52 週時では投与後 24 週時と同様に、LDL-C、Apo B、Non-HDL-C、Total-C、14Lp(a)及び空腹時 TGでプラセボ群と比べてアリロクマブ群で有意な低下が、HDL-C及び Apo A-1 では有意な増加が見られた。

安全性の結果:

<24 週間二重盲検投与期間>

曝露量は投与群間で同程度であり、いずれの投与群も平均曝露期間は 23.5 週間であった。

TEAE は、アリロクマブ群 72.7%(104 名)及びプラセボ群 62.5%(45 名)で認められ、安全性上の懸念

は認められなかった。

SAE がアリロクマブ群の 4.2%(6 名)(急性腎盂腎炎 1 名、聴神経腫 1 名、硝子体出血 1 名、突発難聴 1名、狭心症 1 名、交通事故・寛骨臼骨折・鎖骨骨折・肋骨骨折・肩甲骨骨折 1 名)、プラセボ群の 5.6%(4名)(急性腎盂腎炎 1 名、前立腺炎・膵癌 1 名、脊椎すべり症 1 名、医療機器不快感 1 名)で発現した。

死亡例は報告されなかった。

治験薬の投与中止に至った TEAE は、アリロクマブ群の 4.2%(6 名)(聴神経腫 1 名、2 型糖尿病 1 名、

大動脈弁閉鎖不全症・冠動脈再狭窄・鎖骨下動脈狭窄・大動脈狭窄 1 名、注射部位反応 2 名、交通事故・

寛骨臼骨折・鎖骨骨折・肋骨骨折・肩甲骨骨折 1 名)及びプラセボ群の 2.8%(2 名)(膵癌 1 名、脊椎す

べり症 1 名)に認められ、アリロクマブ群の 1.4%(2 名)で見られた治験の中止に至った注射部位反応を

除いて、個々の事象(PT)は各 1 名に報告された。

もよく見られた TEAE は鼻咽頭炎(アリロクマブ群 26.6%、プラセボ群 16.7%)及び注射部位反応(ア

リロクマブ群 10.5%、プラセボ群 2.8%)であった。

全身性アレルギー性 TEAE がアリロクマブ群の 3.5%(5 名)及びプラセボ群の 4.2%(3 名)で認められた

が、重篤又は治験薬の投与中止に至った事象は見られなかった。

局所注射部位反応がアリロクマブ群の 10.5%(15 名)及びプラセボ群の 2.8%(2 名)で認められたが、ア

リロクマブ 150 mg Q2W に増量された患者では見られなかった。これらの事象はすべて軽度で一時的なも

のであり、非重篤であった。注射部位反応により治験を中止したアリロクマブ群の 2 名は、それぞれ 1 日

及び 7 日後に回復した。

溶血性貧血が確定診断された患者は見られなかった。

MedDRA 標準検索式(SMQ)の「肝障害」に分類される TEAE がアリロクマブ群の 2.8%(4 名)及びプ

ラセボ群の 2.8%(2 名)に認められ、これらの TEAE はいずれも非重篤で治験薬の投与中止に至るもので

はなかった。

神経学的事象がアリロクマブ群の 2.1%(3 名)及びプラセボ群の 1.4%(1 名)で発現したが、これらの事

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

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治験実施計画書の識別コード:EFC13672 象はすべて非重篤であり、治験薬の投与中止には至らなかった。

神経認知学的事象を発現した患者はいなかった。

眼科学的事象がアリロクマブ群の 2.1%(3 名)及びプラセボ群の 1.4%(1 名)に認められ、アリロクマブ

群の 1 件が重篤と判断された。糖尿病の既往を有する患者で、硝子体出血の悪化であった。

妊娠及び症候性過量投与の患者は見られなかった。

治験薬投与期間中に、心血管イベント(虚血による冠動脈血行再建術)がアリロクマブ群の 1 名で認めら

れた。この事象は、不安定狭心症及び冠動脈血行再建術の既往を有する患者で報告された冠動脈攣縮であ

った。プラセボ群では報告されなかった。

LDL-C 値が 2 回連続で 25 mg/dL(0.65 mmol/L)未満であった患者は、アリロクマブ群の 8.5%(12 名)

で認められた。これらの 12 名はアリロクマブを増量しておらず、特定の安全性プロファイルは確認されな

かった。プラセボ群では見られなかった。

アリロクマブ群の 2.8%(4 名)で治験薬投与期間中に抗アリロクマブ抗体陽性が認められた。これらの抗

体陽性患者の 75%(3 名)で TEAE が認められたが、アリロクマブ群の抗アリロクマブ抗体陰性患者では

72.7%(101/139 名)で認められた。中和抗体陽性が認められた患者はいなかった。抗アリロクマブ抗体の

陽性患者に特定の安全性プロファイルは確認されなかった。

アリロクマブを 150 mg Q2W に増量された 2 名の患者について、特定の安全性プロファイルは確認されな

かった。

全体として、臨床検査パラメータ又はバイタルサインについて、臨床的に意義のある経時的な上昇又は低

下傾向は認められなかった。

TEAE期間にHbA1cのPCSA(8%を超えるHbA1cが1回以上発現)が認められた患者数はプラセボ群(4.2%、

3 名)と比べてアリロクマブ群(16.9%、24 名)で多かった。このことは、ベースライン時に HbA1c が 6.5%以上の患者がプラセボ群(44.4%)よりアリロクマブ群(59.7%)で多く、ベースライン時にプラセボ群(59.7%)

よりアリロクマブ群(72.9%)で糖尿病患者数が多かったためと考えられた。

一定用量のスタチン療法でコントロール不十分な心血管リスクの高い日本人のheFH患者又はnon-FH患者

集団において、アリロクマブ 75 mg Q2W 投与又は 150 mg Q2W までの増量投与によるスタチンとの併用

療法は、概して良好な忍容性を示し、安全性プロファイルも良好であった。

<52 週間二重盲検投与期間>

アリロクマブは投与期間中良好な忍容性を示し、特定の安全性の懸念は確認されなかった。

TEAE は、アリロクマブ群 90.9%(130 名)及びプラセボ群 83.3%(60 名)で認められた。

SAE は、アリロクマブ群 7.0%(10 名)及びプラセボ群 12.5%(9 名)で認められた。投与後 24 週以降に

認められた SAE(PT)はアリロクマブ群で蜂巣炎 1 名、筋膿瘍 1 名(24 週までに SAE として急性腎盂腎

炎を発現した患者と同一)、外傷性骨折・白内障 1 名、うっ血性心筋症 1 名及び心筋梗塞 1 名、プラセボ

群で心筋梗塞・冠動脈狭窄 1 名、腸閉塞 1 名、ネフローゼ症候群 1 名及び外傷性骨折 2 名であった。死亡

は報告されなかった。

治験薬の投与中止に至った TEAE は、アリロクマブ群 4.9%(7 名)及びプラセボ群 5.6%(4 名)で報告さ

れた。投与後 24 週以降に認められた治験薬の投与中止に至った TEAE(PT)はアリロクマブ群で注射部位

反応が 1 名、プラセボ群でリウマチ性多発筋痛が 1 名及びネフローゼ症候群が 1 名であった。

もよくみられた TEAE(PT)は、鼻咽頭炎(アリロクマブ群 45.5%、プラセボ群 36.1%)、背部痛(ア

リロクマブ群 12.6%、プラセボ群 5.6%)及び注射部位反応(アリロクマブ群 12.6%、プラセボ群 4.2%)

であった。その他の PT は低い頻度で報告され、特定の傾向は見られなかった。SAE のうち、プラセボ群

(electronic

3.0)

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2.16.2 治験対象集団 患者背景を表 55に示す。

表 55 - 患者背景 - Randomized 集団(EFC13672 試験)

Placebo (N=72)

Alirocumab 75 Q2W/

Up150 Q2W (N=144)

All (N=216)

Age(years) Number 72 144 216 Mean (SD) 61.8 (9.0) 60.3 (9.7) 60.8 (9.5) Median 63.5 61.5 62.0 Min : Max 36 : 79 35 : 80 35 : 80

Age group (years) [n(%)]

Number 72 144 216 <65 39 (54.2%) 94 (65.3%) 133 (61.6%) ≥65 and <75 28 (38.9%) 42 (29.2%) 70 (32.4%) ≥75 5 (6.9%) 8 (5.6%) 13 (6.0%)

Age group (years) [n(%)]

Number 72 144 216 <65 39 (54.2%) 94 (65.3%) 133 (61.6%) ≥65 33 (45.8%) 50 (34.7%) 83 (38.4%)

Sex [n(%)]

Number 72 144 216 Male 47 (65.3%) 84 (58.3%) 131 (60.6%) Female 25 (34.7%) 60 (41.7%) 85 (39.4%)

Race [n(%)]

Number 72 144 216 Asian 72 (100%) 144 (100%) 216 (100%)

BMI (kg/m2)

Number 72 144 216 Mean (SD) 25.40 (3.21) 25.63 (4.28) 25.55 (3.95) Median 25.18 24.96 24.97 Min : Max 16.0 : 34.1 17.6 : 40.5 16.0 : 40.5

(electronic

3.0)

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Placebo (N=72)

Alirocumab 75 Q2W/

Up150 Q2W (N=144)

All (N=216)

BMI group (kg/m2) [n(%)] Number 72 144 216 <25 35 (48.6%) 74 (51.4%) 109 (50.5%) ≥25 37 (51.4%) 70 (48.6%) 107 (49.5%)

Source: EFC13672, CSR No 5.3.5.1-5, PGM=PRODOPS/SAR236553/EFC13672/CIR/REPORT/PGM/dem_demo_r_t.sas OUT=REPORT/OUTPUT/J2_dem_demo_r_t_all_i.rtf (10MAR2015 - 5:50)

(electronic

3.0)

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2.16.3 有効性の評価 ベースラインから投与後 24 週時及び 52 週時までの LDL-C の変化率を、表 56及び表 57にそれぞれ

示す。

表 56 - ベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C の変化率:ITT 解析 – ITT 集団(EFC13672 試験)

Calculated LDL Cholesterol Placebo (N=72)

Alirocumab 75 Q2W/

Up150 Q2W (N=143)

Baseline (mmol/L) Number 72 143 Mean (SD) 3.668 (0.691) 3.655 (0.694) Median 3.548 3.574 Min : Max 2.41 : 5.59 2.43 : 6.37

Baseline (mg/dL) Number 72 143 Mean (SD) 141.6 (26.7) 141.1 (26.8) Median 137.0 138.0 Min : Max 93 : 216 94 : 246

Week 24 percent change from baseline (%)

LS Mean (SE) 1.6 (1.8) -62.5 (1.3) LS mean difference (SE) vs placebo -64.1 (2.2) 95% CI (-68.5 to -59.8) p-value vs placebo <0.0001*

Note: Least-squares (LS) means, standard errors (SE) and p-value taken from MMRM (mixed-effect model with repeated measures) analysis. The model includes the fixed categorical effects of treatment group, randomization strata as per IWRS, time point, treatment-by-time point and strata-by-time point interaction, as well as the continuous fixed covariates of baseline calculated LDL-C value and baseline calculated LDL-C value-by-time point interaction MMRM model and baseline description run on patients with a baseline value and a post-baseline value in at least one of the analysis windows used in the model. The p-value is followed by a '*' if statistically significant according to the fixed hierarchical approach used to ensure a strong control of the overall type-I error rate at the 0.05 level Source: EFC13672, CSR No 5.3.5.1-5, PGM=PRODOPS/SAR236553/EFC13672/CIR/REPORT/PGM/eff_mmrm.sas OUT=REPORT/OUTPUT/J2_eff_mmrm_ldlw24_i_t_i.rtf (10MAR2015 - 6:02)

(electronic

3.0)

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表 57 - ベースラインから投与後 52 週時までの LDL-C の変化率:ITT 解析 – ITT 集団(EFC13672 試験)

Calculated LDL Cholesterol Placebo (N=72)

Alirocumab 75 Q2W/

Up150 Q2W (N=143)

Baseline (mmol/L) Number 72 143 Mean (SD) 3.668 (0.691) 3.655 (0.694) Median 3.548 3.574 Min : Max 2.41 : 5.59 2.43 : 6.37

Baseline (mg/dL) Number 72 143 Mean (SD) 141.6 (26.7) 141.1 (26.8) Median 137.0 138.0 Min : Max 93 : 216 94 : 246

Week 52 percent change from baseline (%)

LS Mean (SE) -3.6 (1.9) -62.5 (1.4) LS mean difference (SE) vs placebo -58.9 (2.3) 95% CI (-63.5 to -54.3) p-value vs placebo <0.0001

Note: Least-squares (LS) means, standard errors (SE) and p-value taken from MMRM (mixed-effect model with repeated measures) analysis. The model includes the fixed categorical effects of treatment group, randomization strata as per IWRS, time point, treatment-by-time point and strata-by-time point interaction, as well as the continuous fixed covariates of baseline calculated LDL-C value and baseline calculated LDL-C value-by-time point interaction MMRM model and baseline description run on patients with a baseline value and a post-baseline value in at least one of the analysis windows used in the model. The p-value is not adjusted for multiplicity and provided for descriptive purpose only Source: EFC13672, CSR No 5.3.5.1-5a, PGM=PRODOPS/SAR236553/EFC13672/CSR/REPORT/PGM/eff_mmrm.sas OUT=REPORT/OUTPUT/J2_eff_mmrm_ldlw52_i_t_i.rtf (09NOV2015 - 6:37)

(electronic

3.0)

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2.16.4 安全性の評価 投与後 24週時までに認められたすべての TEAE 及び因果関係が否定できない TEAE を表 58に、SAE

を表 59、52 週間投与時の TEAE 期間に認められたすべての TEAE 及び因果関係が否定できない TEAE

を表 60 に、SAE を表 61 にそれぞれ示す。

表 58 -投与後 24 週時までに認められたすべての TEAE 及び因果関係が否定できない TEAE

- 安全性解析対象集団(EFC13672 試験)

Placebo (N=72)

Alirocumab 75 Q2W/

Up150 Q2W (N=143)

Primary System Organ Class Preferred Term n(%) All

Related to IMP

injections All

Related to IMP

injections Any class 45 (62.5%) 4 (5.6%) 104 (72.7%) 17 (11.9%) 感染症および寄生虫症 18 (25.0%) 0 52 (36.4%) 1 (0.7%)

鼻咽頭炎 12 (16.7%) 0 38 (26.6%) 0 歯周炎 1 (1.4%) 0 4 (2.8%) 0 膀胱炎 1 (1.4%) 0 3 (2.1%) 0 咽頭炎 3 (4.2%) 0 3 (2.1%) 0 急性扁桃炎 0 0 2 (1.4%) 0 麦粒腫 0 0 2 (1.4%) 0 口腔ヘルペス 0 0 2 (1.4%) 0 急性副鼻腔炎 0 0 1 (0.7%) 0 気管支炎 0 0 1 (0.7%) 0 胃腸炎 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 ウイルス性胃腸炎 0 0 1 (0.7%) 0 帯状疱疹 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 外耳炎 0 0 1 (0.7%) 0 爪囲炎 0 0 1 (0.7%) 1 (0.7%) 歯髄炎 0 0 1 (0.7%) 0 急性腎盂腎炎 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 足部白癬 0 0 1 (0.7%) 0 上気道感染 0 0 1 (0.7%) 0 細菌性結膜炎 1 (1.4%) 0 0 0

良性、悪性および詳細不明の新生物(嚢胞およ

びポリープを含む) 2 (2.8%) 0 2 (1.4%) 0 聴神経腫 0 0 1 (0.7%) 0

(electronic

3.0)

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Placebo (N=72)

Alirocumab 75 Q2W/

Up150 Q2W (N=143)

Primary System Organ Class Preferred Term n(%) All

Related to IMP

injections All

Related to IMP

injections 消化器の良性新生物 0 0 1 (0.7%) 0 膵癌 1 (1.4%) 0 0 0 皮膚乳頭腫 1 (1.4%) 0 0 0

免疫系障害 0 0 1 (0.7%) 0

節足動物刺傷アレルギー 0 0 1 (0.7%) 0 内分泌障害 0 0 1 (0.7%) 0

自己免疫性甲状腺炎 0 0 1 (0.7%) 0 代謝および栄養障害 1 (1.4%) 0 10 (7.0%) 0

糖尿病 0 0 4 (2.8%) 0 2型糖尿病 1 (1.4%) 0 4 (2.8%) 0 痛風 0 0 2 (1.4%) 0

精神障害 0 0 1 (0.7%) 0

身体表現性心血管系障害 0 0 1 (0.7%) 0 神経系障害 4 (5.6%) 0 13 (9.1%) 0

浮動性めまい 0 0 2 (1.4%) 0 体位性めまい 0 0 2 (1.4%) 0 頭痛 0 0 2 (1.4%) 0 坐骨神経痛 2 (2.8%) 0 2 (1.4%) 0 自律神経失調 0 0 1 (0.7%) 0 頚動脈狭窄 0 0 1 (0.7%) 0 概日リズム睡眠障害 0 0 1 (0.7%) 0 感覚鈍麻 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 傾眠 0 0 1 (0.7%) 0 糖尿病性ニューロパチー 1 (1.4%) 0 0 0

眼障害 6 (8.3%) 0 4 (2.8%) 0

霰粒腫 0 0 1 (0.7%) 0 糖尿病網膜症 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 網膜静脈閉塞 0 0 1 (0.7%) 0

(electronic

3.0)

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Placebo (N=72)

Alirocumab 75 Q2W/

Up150 Q2W (N=143)

Primary System Organ Class Preferred Term n(%) All

Related to IMP

injections All

Related to IMP

injections 硝子体出血 0 0 1 (0.7%) 0 結膜沈着物 1 (1.4%) 0 0 0 結膜出血 1 (1.4%) 0 0 0 眼痛 1 (1.4%) 0 0 0 眼瞼そう痒症 1 (1.4%) 0 0 0 緑内障 1 (1.4%) 0 0 0

耳および迷路障害 0 0 3 (2.1%) 0

回転性めまい 0 0 2 (1.4%) 0 突発難聴 0 0 1 (0.7%) 0

心臓障害 0 0 6 (4.2%) 0

狭心症 0 0 1 (0.7%) 0 大動脈弁閉鎖不全症 0 0 1 (0.7%) 0 徐脈 0 0 1 (0.7%) 0 心拡大 0 0 1 (0.7%) 0 洞性徐脈 0 0 1 (0.7%) 0 心室性期外収縮 0 0 1 (0.7%) 0

血管障害 2 (2.8%) 0 8 (5.6%) 0

高血圧 1 (1.4%) 0 6 (4.2%) 0 大動脈瘤 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 大動脈狭窄 0 0 1 (0.7%) 0 末梢動脈閉塞性疾患 0 0 1 (0.7%) 0 鎖骨下動脈狭窄 0 0 1 (0.7%) 0 静脈瘤 0 0 1 (0.7%) 0

呼吸器、胸郭および縦隔障害 3 (4.2%) 0 8 (5.6%) 0

咳嗽 2 (2.8%) 0 2 (1.4%) 0 上気道の炎症 0 0 2 (1.4%) 0 喘息 0 0 1 (0.7%) 0 鼻閉 0 0 1 (0.7%) 0 口腔咽頭痛 0 0 1 (0.7%) 0 胸水 0 0 1 (0.7%) 0

(electronic

3.0)

Page 25: 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構...すべての有効性変数はmITT集団を対象として解析した。mITT集団は、ランダム化された集団のうち、治

2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 193

Placebo (N=72)

Alirocumab 75 Q2W/

Up150 Q2W (N=143)

Primary System Organ Class Preferred Term n(%) All

Related to IMP

injections All

Related to IMP

injections 血管運動性鼻炎 1 (1.4%) 0 0 0

胃腸障害 10 (13.9%) 1 (1.4%) 26 (18.2%) 1 (0.7%)

齲歯 1 (1.4%) 0 6 (4.2%) 0 下痢 0 0 3 (2.1%) 0 歯周病 2 (2.8%) 0 3 (2.1%) 0 上腹部痛 2 (2.8%) 0 2 (1.4%) 0 アフタ性口内炎 0 0 2 (1.4%) 0 放屁 0 0 2 (1.4%) 0 胃炎 0 0 2 (1.4%) 0 痔核 1 (1.4%) 0 2 (1.4%) 0 悪心 0 0 2 (1.4%) 0 腹部膨満 0 0 1 (0.7%) 0 腹痛 0 0 1 (0.7%) 0 虚血性大腸炎 0 0 1 (0.7%) 0 便秘 0 0 1 (0.7%) 0 腸憩室 0 0 1 (0.7%) 0 消化不良 0 0 1 (0.7%) 0 腸炎 0 0 1 (0.7%) 0 軟便 0 0 1 (0.7%) 0 胃ポリープ 0 0 1 (0.7%) 0 びらん性胃炎 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 胃食道逆流性疾患 0 0 1 (0.7%) 0 過敏性腸症候群 0 0 1 (0.7%) 1 (0.7%) 歯痛 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 嘔吐 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 歯肉腫 1 (1.4%) 0 0 0 消化管運動障害 1 (1.4%) 1 (1.4%) 0 0 歯の知覚過敏 1 (1.4%) 0 0 0

肝胆道系障害 2 (2.8%) 1 (1.4%) 3 (2.1%) 0

アルコール性肝疾患 0 0 1 (0.7%) 0 胆道仙痛 0 0 1 (0.7%) 0 肝機能異常 1 (1.4%) 1 (1.4%) 1 (0.7%) 0

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 194

Placebo (N=72)

Alirocumab 75 Q2W/

Up150 Q2W (N=143)

Primary System Organ Class Preferred Term n(%) All

Related to IMP

injections All

Related to IMP

injections 脂肪肝 1 (1.4%) 0 0 0

皮膚および皮下組織障害 3 (4.2%) 0 9 (6.3%) 0

湿疹 1 (1.4%) 0 2 (1.4%) 0 皮脂欠乏性湿疹 0 0 2 (1.4%) 0 脂漏性皮膚炎 0 0 2 (1.4%) 0 皮膚炎 0 0 1 (0.7%) 0 過角化 0 0 1 (0.7%) 0 汗疹 0 0 1 (0.7%) 0 爪床出血 0 0 1 (0.7%) 0 発疹 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 蕁麻疹 1 (1.4%) 0 0 0

筋骨格系および結合組織障害 15 (20.8%) 0 32 (22.4%) 0

背部痛 2 (2.8%) 0 11 (7.7%) 0 変形性脊椎症 0 0 3 (2.1%) 0 筋肉痛 1 (1.4%) 0 2 (1.4%) 0 頚部痛 2 (2.8%) 0 2 (1.4%) 0 変形性関節症 1 (1.4%) 0 2 (1.4%) 0 四肢痛 0 0 2 (1.4%) 0 関節周囲炎 1 (1.4%) 0 2 (1.4%) 0 関節痛 6 (8.3%) 0 1 (0.7%) 0 頚部脊柱管狭窄症 0 0 1 (0.7%) 0 鼡径部痛 0 0 1 (0.7%) 0 四肢不快感 0 0 1 (0.7%) 0 筋痙縮 0 0 1 (0.7%) 0 筋力低下 0 0 1 (0.7%) 0 筋骨格系胸痛 0 0 1 (0.7%) 0 筋骨格痛 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 足底筋膜炎 0 0 1 (0.7%) 0 脊椎すべり症 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 腱鞘炎 0 0 1 (0.7%) 0 弾発指 0 0 1 (0.7%) 0 筋骨格硬直 3 (4.2%) 0 0 0

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 195

Placebo (N=72)

Alirocumab 75 Q2W/

Up150 Q2W (N=143)

Primary System Organ Class Preferred Term n(%) All

Related to IMP

injections All

Related to IMP

injections 腎および尿路障害 1 (1.4%) 0 2 (1.4%) 0

腎機能障害 0 0 1 (0.7%) 0 尿失禁 0 0 1 (0.7%) 0 尿路結石 1 (1.4%) 0 0 0

生殖系および乳房障害 1 (1.4%) 1 (1.4%) 1 (0.7%) 0

勃起不全 0 0 1 (0.7%) 0 前立腺炎 1 (1.4%) 1 (1.4%) 0 0

一般・全身障害および投与部位の状態 5 (6.9%) 2 (2.8%) 25 (17.5%) 16 (11.2%)

注射部位反応 2 (2.8%) 2 (2.8%) 15 (10.5%) 15 (10.5%) 非心臓性胸痛 0 0 3 (2.1%) 0 末梢性浮腫 1 (1.4%) 0 3 (2.1%) 1 (0.7%) 医療機器損傷 0 0 2 (1.4%) 0 疲労 0 0 2 (1.4%) 0 冠動脈再狭窄 0 0 1 (0.7%) 0 異常感 0 0 1 (0.7%) 0 ワクチン接種部位反応 0 0 1 (0.7%) 0 医療機器不快感 1 (1.4%) 0 0 0 発熱 1 (1.4%) 0 0 0

臨床検査 0 0 2 (1.4%) 0

肝機能検査異常 0 0 2 (1.4%) 0 傷害、中毒および処置合併症 1 (1.4%) 0 17 (11.9%) 0

挫傷 0 0 6 (4.2%) 0 転倒 0 0 6 (4.2%) 0 節足動物刺傷 0 0 3 (2.1%) 0 靱帯捻挫 0 0 2 (1.4%) 0 交通事故 0 0 2 (1.4%) 0 寛骨臼骨折 0 0 1 (0.7%) 0 節足動物咬傷 0 0 1 (0.7%) 0 骨挫傷 0 0 1 (0.7%) 0

(electronic

3.0)

Page 28: 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構...すべての有効性変数はmITT集団を対象として解析した。mITT集団は、ランダム化された集団のうち、治

2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 196

Placebo (N=72)

Alirocumab 75 Q2W/

Up150 Q2W (N=143)

Primary System Organ Class Preferred Term n(%) All

Related to IMP

injections All

Related to IMP

injections 鎖骨骨折 0 0 1 (0.7%) 0 上顆炎 0 0 1 (0.7%) 0 手骨折 0 0 1 (0.7%) 0 熱中症 0 0 1 (0.7%) 0 裂傷 0 0 1 (0.7%) 0 肋骨骨折 0 0 1 (0.7%) 0 肩甲骨骨折 0 0 1 (0.7%) 0 坐骨神経損傷 0 0 1 (0.7%) 0 引っかき傷 0 0 1 (0.7%) 0 皮下血腫 0 0 1 (0.7%) 0 外傷性血腫 0 0 1 (0.7%) 0 創傷 1 (1.4%) 0 0 0

MedDRA/J 17.1 n (%) = Number and percentage of patients with at least one TEAE Note: Table sorted by SOC internationally agreed order and decreasing frequency of PT in alirocumab group PGM=PRODOPS/SAR236553/OVERALL/CTD_2015_01_JP_JPN/REPORT/PGM/ae_socpt_efc13672_rel_s_t.sas OUT=REPORT/OUTPUT/ae_socpt_efc13672_rel_s_t_i.rtf (04JUN2015 - 3:36)

(electronic

3.0)

Page 29: 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構...すべての有効性変数はmITT集団を対象として解析した。mITT集団は、ランダム化された集団のうち、治

2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 197

表 59 -投与後 24 週時までに認められた SAE - 安全性解析対象集団(EFC13672 試験)

Primary System Organ Class Preferred Term n(%)

Placebo (N=72)

Alirocumab 75 Q2W/

Up150 Q2W (N=143)

Any class 4 (5.6%) 6 (4.2%) 感染症および寄生虫症 1 (1.4%) 1 (0.7%)

急性腎盂腎炎 1 (1.4%) 1 (0.7%) 良性、悪性および詳細不明の新生物(嚢胞およびポリープを含む) 1 (1.4%) 1 (0.7%)

聴神経腫 0 1 (0.7%) 膵癌 1 (1.4%) 0

眼障害 0 1 (0.7%)

硝子体出血 0 1 (0.7%) 耳および迷路障害 0 1 (0.7%)

突発難聴 0 1 (0.7%) 心臓障害 0 1 (0.7%)

狭心症 0 1 (0.7%) 筋骨格系および結合組織障害 1 (1.4%) 0

脊椎すべり症 1 (1.4%) 0 生殖系および乳房障害 1 (1.4%) 0

前立腺炎 1 (1.4%) 0 一般・全身障害および投与部位の状態 1 (1.4%) 0

医療機器不快感 1 (1.4%) 0 傷害、中毒および処置合併症 0 1 (0.7%)

交通事故 0 1 (0.7%) 寛骨臼骨折 0 1 (0.7%) 鎖骨骨折 0 1 (0.7%) 肋骨骨折 0 1 (0.7%)

(electronic

3.0)

Page 30: 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構...すべての有効性変数はmITT集団を対象として解析した。mITT集団は、ランダム化された集団のうち、治

2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 198

Primary System Organ Class Preferred Term n(%)

Placebo (N=72)

Alirocumab 75 Q2W/

Up150 Q2W (N=143)

肩甲骨骨折 0 1 (0.7%) MedDRA/J 17.1 n(%) = number and percentage of patients with at least one treatment emergent SAE Note: Table sorted by SOC internationally agreed order and decreasing frequency of PT in alirocumab group PGM=PRODOPS/SAR236553/OVERALL/CTD_2015_01_JP_JPN/REPORT/PGM/ae_socpt_efc13672_s_t.sas OUT=REPORT/OUTPUT/ae_socpt_efc13672_s_t_serious_i.rtf (04JUN2015 - 3:37)

表 60 -52 週間投与時の TEAE 期間に認められたすべての TEAE 及び因果関係が否定できない TEAE

- 安全性解析対象集団(EFC13672 試験)

Placebo (N=72)

Alirocumab 75 Q2W/

Up150 Q2W (N=143)

Primary System Organ Class Preferred Term n(%) All

Related to IMP

injections All

Related to IMP

injections Any class 60 (83.3%) 8 (11.1%) 130 (90.9%) 29 (20.3%) 感染症および寄生虫症 36 (50.0%) 0 85 (59.4%) 2 (1.4%)

鼻咽頭炎 26 (36.1%) 0 65 (45.5%) 0 咽頭炎 4 (5.6%) 0 9 (6.3%) 0 歯周炎 1 (1.4%) 0 7 (4.9%) 0 胃腸炎 3 (4.2%) 0 5 (3.5%) 1 (0.7%) 膀胱炎 1 (1.4%) 0 4 (2.8%) 0 気管支炎 1 (1.4%) 0 3 (2.1%) 0 足部白癬 0 0 3 (2.1%) 0 急性扁桃炎 0 0 2 (1.4%) 0 ウイルス性胃腸炎 0 0 2 (1.4%) 0 麦粒腫 0 0 2 (1.4%) 0 口腔ヘルペス 0 0 2 (1.4%) 0 歯髄炎 0 0 2 (1.4%) 0 細菌性尿路感染 0 0 2 (1.4%) 0 急性副鼻腔炎 0 0 1 (0.7%) 0 蜂巣炎 0 0 1 (0.7%) 0 結膜炎 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 ヘリコバクター感染 0 0 1 (0.7%) 0

(electronic

3.0)

Page 31: 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構...すべての有効性変数はmITT集団を対象として解析した。mITT集団は、ランダム化された集団のうち、治

2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 199

Placebo (N=72)

Alirocumab 75 Q2W/

Up150 Q2W (N=143)

Primary System Organ Class Preferred Term n(%) All

Related to IMP

injections All

Related to IMP

injections 帯状疱疹 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 インフルエンザ 6 (8.3%) 0 1 (0.7%) 0 筋膿瘍 0 0 1 (0.7%) 0 外耳炎 0 0 1 (0.7%) 0 爪囲炎 0 0 1 (0.7%) 1 (0.7%) 急性腎盂腎炎 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 上気道感染 0 0 1 (0.7%) 0 細菌性上気道感染 0 0 1 (0.7%) 0 ウイルス性上気道感染 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 気管支肺炎 1 (1.4%) 0 0 0 細菌性結膜炎 1 (1.4%) 0 0 0 細菌性腸炎 1 (1.4%) 0 0 0 毛包炎 1 (1.4%) 0 0 0 歯肉炎 1 (1.4%) 0 0 0 副鼻腔炎 1 (1.4%) 0 0 0 扁桃炎 1 (1.4%) 0 0 0

良性、悪性および詳細不明の新生物(嚢胞およ

びポリープを含む) 3 (4.2%) 0 5 (3.5%) 0 聴神経腫 0 0 1 (0.7%) 0 消化器の良性新生物 0 0 1 (0.7%) 0 肝臓血管腫 0 0 1 (0.7%) 0 脂漏性角化症 0 0 1 (0.7%) 0 皮膚乳頭腫 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 子宮平滑筋腫 0 0 1 (0.7%) 0 アクロコルドン 1 (1.4%) 0 0 0 膵癌 1 (1.4%) 0 0 0

血液およびリンパ系障害 0 0 1 (0.7%) 0

鉄欠乏性貧血 0 0 1 (0.7%) 0 免疫系障害 5 (6.9%) 0 4 (2.8%) 0

造影剤アレルギー 0 0 2 (1.4%) 0 節足動物刺傷アレルギー 0 0 1 (0.7%) 0

(electronic

3.0)

Page 32: 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構...すべての有効性変数はmITT集団を対象として解析した。mITT集団は、ランダム化された集団のうち、治

2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 200

Placebo (N=72)

Alirocumab 75 Q2W/

Up150 Q2W (N=143)

Primary System Organ Class Preferred Term n(%) All

Related to IMP

injections All

Related to IMP

injections 季節性アレルギー 5 (6.9%) 0 1 (0.7%) 0

内分泌障害 0 0 1 (0.7%) 0

自己免疫性甲状腺炎 0 0 1 (0.7%) 0 代謝および栄養障害 7 (9.7%) 0 23 (16.1%) 2 (1.4%)

糖尿病 4 (5.6%) 0 12 (8.4%) 1 (0.7%) 2型糖尿病 1 (1.4%) 0 7 (4.9%) 1 (0.7%) 痛風 0 0 2 (1.4%) 0 耐糖能障害 0 0 1 (0.7%) 0 高尿酸血症 0 0 1 (0.7%) 0 脱水 1 (1.4%) 0 0 0 低血糖症 1 (1.4%) 0 0 0

精神障害 1 (1.4%) 0 3 (2.1%) 0

不眠症 0 0 2 (1.4%) 0 身体表現性心血管系障害 0 0 1 (0.7%) 0 悪夢 1 (1.4%) 0 0 0

神経系障害 8 (11.1%) 0 22 (15.4%) 0

浮動性めまい 0 0 5 (3.5%) 0 頭痛 2 (2.8%) 0 5 (3.5%) 0 感覚鈍麻 1 (1.4%) 0 3 (2.1%) 0 坐骨神経痛 2 (2.8%) 0 3 (2.1%) 0 体位性めまい 0 0 2 (1.4%) 0 自律神経失調 0 0 1 (0.7%) 0 頚動脈狭窄 0 0 1 (0.7%) 0 概日リズム睡眠障害 0 0 1 (0.7%) 0 同名性半盲 0 0 1 (0.7%) 0 筋緊張亢進 0 0 1 (0.7%) 0 末梢性ニューロパチー 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 傾眠 0 0 1 (0.7%) 0 緊張性頭痛 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 糖尿病性ニューロパチー 1 (1.4%) 0 0 0

(electronic

3.0)

Page 33: 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構...すべての有効性変数はmITT集団を対象として解析した。mITT集団は、ランダム化された集団のうち、治

2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 201

Placebo (N=72)

Alirocumab 75 Q2W/

Up150 Q2W (N=143)

Primary System Organ Class Preferred Term n(%) All

Related to IMP

injections All

Related to IMP

injections 片頭痛 1 (1.4%) 0 0 0

眼障害 9 (12.5%) 0 11 (7.7%) 0

白内障 0 0 3 (2.1%) 0 眼瞼炎 0 0 1 (0.7%) 0 霰粒腫 0 0 1 (0.7%) 0 アレルギー性結膜炎 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 糖尿病網膜症 2 (2.8%) 0 1 (0.7%) 0 眼脂 0 0 1 (0.7%) 0 高眼圧症 0 0 1 (0.7%) 0 網膜静脈閉塞 0 0 1 (0.7%) 0 硝子体出血 0 0 1 (0.7%) 0 結膜沈着物 1 (1.4%) 0 0 0 結膜出血 2 (2.8%) 0 0 0 眼痛 1 (1.4%) 0 0 0 眼瞼そう痒症 1 (1.4%) 0 0 0 緑内障 1 (1.4%) 0 0 0

耳および迷路障害 2 (2.8%) 0 3 (2.1%) 0

回転性めまい 2 (2.8%) 0 2 (1.4%) 0 突発難聴 0 0 1 (0.7%) 0

心臓障害 2 (2.8%) 0 10 (7.0%) 1 (0.7%)

狭心症 0 0 1 (0.7%) 0 大動脈弁閉鎖不全症 0 0 1 (0.7%) 0 大動脈弁狭窄 0 0 1 (0.7%) 0 徐脈 0 0 1 (0.7%) 0 心拡大 0 0 1 (0.7%) 0 うっ血性心筋症 0 0 1 (0.7%) 1 (0.7%) 心筋梗塞 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 動悸 0 0 1 (0.7%) 0 洞性徐脈 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 心室性期外収縮 0 0 1 (0.7%) 0 心不全 1 (1.4%) 0 0 0

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 202

Placebo (N=72)

Alirocumab 75 Q2W/

Up150 Q2W (N=143)

Primary System Organ Class Preferred Term n(%) All

Related to IMP

injections All

Related to IMP

injections 冠動脈狭窄 1 (1.4%) 0 0 0

血管障害 8 (11.1%) 0 11 (7.7%) 0

高血圧 5 (6.9%) 0 9 (6.3%) 0 大動脈瘤 2 (2.8%) 0 1 (0.7%) 0 大動脈狭窄 0 0 1 (0.7%) 0 末梢動脈閉塞性疾患 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 鎖骨下動脈狭窄 0 0 1 (0.7%) 0 静脈瘤 0 0 1 (0.7%) 0

呼吸器、胸郭および縦隔障害 6 (8.3%) 0 13 (9.1%) 0

咳嗽 2 (2.8%) 0 4 (2.8%) 0 アレルギー性咳嗽 0 0 1 (0.7%) 0 喘息 0 0 1 (0.7%) 0 慢性閉塞性肺疾患 0 0 1 (0.7%) 0 鼻閉 0 0 1 (0.7%) 0 口腔咽頭不快感 0 0 1 (0.7%) 0 口腔咽頭痛 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 胸水 0 0 1 (0.7%) 0 肺胞内嚢胞 0 0 1 (0.7%) 0 上気道の炎症 0 0 1 (0.7%) 0 しゃっくり 1 (1.4%) 0 0 0 血管運動性鼻炎 2 (2.8%) 0 0 0

胃腸障害 20 (27.8%) 2 (2.8%) 41 (28.7%) 2 (1.4%)

齲歯 1 (1.4%) 0 9 (6.3%) 0 下痢 1 (1.4%) 0 5 (3.5%) 0 上腹部痛 4 (5.6%) 0 4 (2.8%) 0 胃炎 0 0 4 (2.8%) 1 (0.7%) 歯周病 2 (2.8%) 0 4 (2.8%) 0 アフタ性口内炎 0 0 3 (2.1%) 0 便秘 0 0 3 (2.1%) 0 悪心 0 0 3 (2.1%) 0 腹部膨満 0 0 2 (1.4%) 0

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 203

Placebo (N=72)

Alirocumab 75 Q2W/

Up150 Q2W (N=143)

Primary System Organ Class Preferred Term n(%) All

Related to IMP

injections All

Related to IMP

injections 腸憩室 1 (1.4%) 1 (1.4%) 2 (1.4%) 0 消化不良 1 (1.4%) 0 2 (1.4%) 0 腸炎 0 0 2 (1.4%) 0 放屁 0 0 2 (1.4%) 0 胃食道逆流性疾患 0 0 2 (1.4%) 0 痔核 2 (2.8%) 0 2 (1.4%) 0 嘔吐 1 (1.4%) 0 2 (1.4%) 0 腹部不快感 3 (4.2%) 0 1 (0.7%) 0 腹痛 0 0 1 (0.7%) 0 口唇炎 0 0 1 (0.7%) 0 慢性胃炎 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 虚血性大腸炎 0 0 1 (0.7%) 0 十二指腸潰瘍 0 0 1 (0.7%) 0 軟便 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 胃ポリープ 1 (1.4%) 1 (1.4%) 1 (0.7%) 0 びらん性胃炎 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 過敏性腸症候群 0 0 1 (0.7%) 1 (0.7%) 歯痛 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 バレット食道 1 (1.4%) 0 0 0 歯肉腫 1 (1.4%) 0 0 0 食中毒 1 (1.4%) 0 0 0 消化管運動障害 1 (1.4%) 1 (1.4%) 0 0 腸閉塞 1 (1.4%) 0 0 0 大腸ポリープ 1 (1.4%) 1 (1.4%) 0 0 直腸炎 1 (1.4%) 0 0 0 歯の知覚過敏 1 (1.4%) 0 0 0 口内炎 1 (1.4%) 0 0 0

肝胆道系障害 3 (4.2%) 1 (1.4%) 6 (4.2%) 1 (0.7%)

肝機能異常 1 (1.4%) 1 (1.4%) 3 (2.1%) 1 (0.7%) アルコール性肝疾患 0 0 1 (0.7%) 0 胆道仙痛 0 0 1 (0.7%) 0 胆石症 0 0 1 (0.7%) 0 胆嚢ポリープ 1 (1.4%) 0 0 0

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 204

Placebo (N=72)

Alirocumab 75 Q2W/

Up150 Q2W (N=143)

Primary System Organ Class Preferred Term n(%) All

Related to IMP

injections All

Related to IMP

injections 脂肪肝 1 (1.4%) 0 0 0

皮膚および皮下組織障害 9 (12.5%) 0 17 (11.9%) 0

湿疹 2 (2.8%) 0 3 (2.1%) 0 皮膚炎 1 (1.4%) 0 2 (1.4%) 0 皮脂欠乏性湿疹 0 0 2 (1.4%) 0 過角化 0 0 2 (1.4%) 0 汗疹 0 0 2 (1.4%) 0 脂漏性皮膚炎 0 0 2 (1.4%) 0 皮膚嚢腫 0 0 1 (0.7%) 0 接触性皮膚炎 0 0 1 (0.7%) 0 皮膚乾燥 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 異汗性湿疹 0 0 1 (0.7%) 0 嵌入爪 0 0 1 (0.7%) 0 間擦疹 0 0 1 (0.7%) 0 脂肪肥大症 0 0 1 (0.7%) 0 爪床出血 0 0 1 (0.7%) 0 掌蹠角皮症 0 0 1 (0.7%) 0 発疹 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 そう痒症 2 (2.8%) 0 0 0 蕁麻疹 2 (2.8%) 0 0 0

筋骨格系および結合組織障害 24 (33.3%) 1 (1.4%) 48 (33.6%) 0

背部痛 4 (5.6%) 0 18 (12.6%) 0 頚部痛 2 (2.8%) 0 5 (3.5%) 0 変形性脊椎症 0 0 5 (3.5%) 0 関節痛 6 (8.3%) 0 4 (2.8%) 0 筋痙縮 1 (1.4%) 0 3 (2.1%) 0 変形性関節症 1 (1.4%) 0 3 (2.1%) 0 筋肉痛 3 (4.2%) 0 2 (1.4%) 0 四肢痛 0 0 2 (1.4%) 0 関節周囲炎 1 (1.4%) 0 2 (1.4%) 0 腱鞘炎 2 (2.8%) 0 2 (1.4%) 0 骨変形 0 0 1 (0.7%) 0

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 205

Placebo (N=72)

Alirocumab 75 Q2W/

Up150 Q2W (N=143)

Primary System Organ Class Preferred Term n(%) All

Related to IMP

injections All

Related to IMP

injections 頚部脊柱管狭窄症 0 0 1 (0.7%) 0 鼡径部痛 0 0 1 (0.7%) 0 椎間板突出 0 0 1 (0.7%) 0 四肢不快感 0 0 1 (0.7%) 0 腰部脊柱管狭窄症 0 0 1 (0.7%) 0 筋力低下 0 0 1 (0.7%) 0 筋骨格系胸痛 0 0 1 (0.7%) 0 筋骨格痛 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 筋骨格硬直 4 (5.6%) 0 1 (0.7%) 0 結節性変形性関節症 0 0 1 (0.7%) 0 足底筋膜炎 0 0 1 (0.7%) 0 脊椎すべり症 2 (2.8%) 0 1 (0.7%) 0 弾発指 2 (2.8%) 0 1 (0.7%) 0 関節炎 1 (1.4%) 0 0 0 足変形 1 (1.4%) 0 0 0 リウマチ性多発筋痛 1 (1.4%) 1 (1.4%) 0 0 滑液嚢腫 1 (1.4%) 0 0 0

腎および尿路障害 4 (5.6%) 1 (1.4%) 10 (7.0%) 0

血尿 0 0 3 (2.1%) 0 尿路結石 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 排尿困難 0 0 1 (0.7%) 0 緊張性膀胱 0 0 1 (0.7%) 0 頻尿 0 0 1 (0.7%) 0 腎嚢胞 0 0 1 (0.7%) 0 腎機能障害 0 0 1 (0.7%) 0 腹圧性尿失禁 0 0 1 (0.7%) 0 尿失禁 0 0 1 (0.7%) 0 腎結石症 1 (1.4%) 0 0 0 ネフローゼ症候群 1 (1.4%) 1 (1.4%) 0 0 腎不全 1 (1.4%) 0 0 0

生殖系および乳房障害 1 (1.4%) 1 (1.4%) 6 (4.2%) 1 (0.7%)

前立腺炎 1 (1.4%) 1 (1.4%) 2 (1.4%) 1 (0.7%)

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 206

Placebo (N=72)

Alirocumab 75 Q2W/

Up150 Q2W (N=143)

Primary System Organ Class Preferred Term n(%) All

Related to IMP

injections All

Related to IMP

injections 良性前立腺肥大症 0 0 1 (0.7%) 0 子宮頚管ポリープ 0 0 1 (0.7%) 0 勃起不全 0 0 1 (0.7%) 0 閉経後出血 0 0 1 (0.7%) 0 前立腺腫大 0 0 1 (0.7%) 0 逆行性射精症 0 0 1 (0.7%) 0

一般・全身障害および投与部位の状態 10 (13.9%) 3 (4.2%) 29 (20.3%) 20 (14.0%)

注射部位反応 3 (4.2%) 3 (4.2%) 18 (12.6%) 18 (12.6%) 非心臓性胸痛 0 0 3 (2.1%) 0 末梢性浮腫 1 (1.4%) 0 3 (2.1%) 1 (0.7%) 医療機器損傷 1 (1.4%) 0 2 (1.4%) 0 疲労 1 (1.4%) 0 2 (1.4%) 0 無力症 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 胸部不快感 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 1 (0.7%) 冠動脈再狭窄 0 0 1 (0.7%) 0 異常感 0 0 1 (0.7%) 0 ワクチン接種部位反応 0 0 1 (0.7%) 0 医療機器不快感 1 (1.4%) 0 0 0 発熱 1 (1.4%) 0 0 0

臨床検査 0 0 12 (8.4%) 1 (0.7%)

血中クレアチンホスホキナーゼ増加 0 0 5 (3.5%) 1 (0.7%) 肝機能検査異常 0 0 2 (1.4%) 0 アラニンアミノトランスフェラーゼ増加 0 0 1 (0.7%) 0 血圧低下 0 0 1 (0.7%) 0 グリコヘモグロビン増加 0 0 1 (0.7%) 0 脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラ

グメント増加 0 0 1 (0.7%) 0 前立腺特異性抗原増加 0 0 1 (0.7%) 0

傷害、中毒および処置合併症 10 (13.9%) 0 32 (22.4%) 0

転倒 5 (6.9%) 0 11 (7.7%) 0 挫傷 3 (4.2%) 0 8 (5.6%) 0

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

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Placebo (N=72)

Alirocumab 75 Q2W/

Up150 Q2W (N=143)

Primary System Organ Class Preferred Term n(%) All

Related to IMP

injections All

Related to IMP

injections 靱帯捻挫 0 0 6 (4.2%) 0 節足動物刺傷 0 0 4 (2.8%) 0 交通事故 1 (1.4%) 0 4 (2.8%) 0 外傷性骨折 2 (2.8%) 0 2 (1.4%) 0 偶発的過量投与 0 0 1 (0.7%) 0 寛骨臼骨折 0 0 1 (0.7%) 0 節足動物咬傷 0 0 1 (0.7%) 0 骨挫傷 0 0 1 (0.7%) 0 凍瘡 0 0 1 (0.7%) 0 鎖骨骨折 0 0 1 (0.7%) 0 上顆炎 0 0 1 (0.7%) 0 手骨折 0 0 1 (0.7%) 0 熱中症 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 損傷 0 0 1 (0.7%) 0 関節脱臼 0 0 1 (0.7%) 0 裂傷 0 0 1 (0.7%) 0 靱帯損傷 0 0 1 (0.7%) 0 半月板損傷 0 0 1 (0.7%) 0 処置による疼痛 0 0 1 (0.7%) 0 肋骨骨折 0 0 1 (0.7%) 0 肩甲骨骨折 0 0 1 (0.7%) 0 坐骨神経損傷 0 0 1 (0.7%) 0 引っかき傷 1 (1.4%) 0 1 (0.7%) 0 皮下血腫 0 0 1 (0.7%) 0 歯牙損傷 0 0 1 (0.7%) 0 外傷性血腫 0 0 1 (0.7%) 0 創傷 2 (2.8%) 0 1 (0.7%) 0 足骨折 1 (1.4%) 0 0 0 皮膚擦過傷 1 (1.4%) 0 0 0

MedDRA/J 17.1 n (%) = Number and percentage of patients with at least one TEAE Note: Table sorted by SOC internationally agreed order and decreasing frequency of PT in alirocumab group PGM=PRODOPS/SAR236553/OVERALL/CTD_2015_02_JP_JPN/REPORT/PGM/ae_socpt_efc13672_rel_s_t.sas OUT=REPORT/OUTPUT/ae_socpt_efc13672_rel_s_t_i.rtf (18NOV2015 - 3:09)

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 208

表 61 -52 週間投与時の TEAE 期間に認められた SAE - 安全性解析対象集団(EFC13672 試験)

Primary System Organ Class Preferred Term n(%)

Placebo (N=72)

Alirocumab 75 Q2W/

Up150 Q2W (N=143)

Any class 9 (12.5%) 10 (7.0%) 感染症および寄生虫症 1 (1.4%) 2 (1.4%)

蜂巣炎 0 1 (0.7%) 筋膿瘍 0 1 (0.7%) 急性腎盂腎炎 1 (1.4%) 1 (0.7%)

良性、悪性および詳細不明の新生物(嚢胞およびポリープを含む) 1 (1.4%) 1 (0.7%)

聴神経腫 0 1 (0.7%) 膵癌 1 (1.4%) 0

眼障害 0 2 (1.4%)

白内障 0 1 (0.7%) 硝子体出血 0 1 (0.7%)

耳および迷路障害 0 1 (0.7%)

突発難聴 0 1 (0.7%) 心臓障害 1 (1.4%) 3 (2.1%)

狭心症 0 1 (0.7%) うっ血性心筋症 0 1 (0.7%) 心筋梗塞 1 (1.4%) 1 (0.7%) 冠動脈狭窄 1 (1.4%) 0

胃腸障害 1 (1.4%) 0

腸閉塞 1 (1.4%) 0 筋骨格系および結合組織障害 1 (1.4%) 0

脊椎すべり症 1 (1.4%) 0 腎および尿路障害 1 (1.4%) 0

ネフローゼ症候群 1 (1.4%) 0 生殖系および乳房障害 1 (1.4%) 0

前立腺炎 1 (1.4%) 0

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

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Primary System Organ Class Preferred Term n(%)

Placebo (N=72)

Alirocumab 75 Q2W/

Up150 Q2W (N=143)

一般・全身障害および投与部位の状態 1 (1.4%) 0 医療機器不快感 1 (1.4%) 0

傷害、中毒および処置合併症 2 (2.8%) 2 (1.4%)

交通事故 0 1 (0.7%) 外傷性骨折 2 (2.8%) 1 (0.7%) 寛骨臼骨折 0 1 (0.7%) 鎖骨骨折 0 1 (0.7%) 肋骨骨折 0 1 (0.7%) 肩甲骨骨折 0 1 (0.7%)

MedDRA/J 17.1 n(%) = number and percentage of patients with at least one treatment emergent SAE Note: Table sorted by SOC internationally agreed order and decreasing frequency of PT in alirocumab group PGM=PRODOPS/SAR236553/OVERALL/CTD_2015_02_JP_JPN/REPORT/PGM/ae_socpt_efc13672_s_t.sas OUT=REPORT/OUTPUT/ae_socpt_efc13672_s_t_serious_i.rtf (01DEC2015 - 6:09)

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 212

6 月初めから、排尿終末時痛及び切迫性尿失禁の症状があり、 6 月 13 日から

発熱があった。

6 月 16 日、38.6℃の発熱を訴えて治験実施医療機関に来院した。血液検査及び尿検査

にて、WBC 及び CRP が高値を示し、尿混濁も観察されたが、X 線検査では胸腹部に特異的な

所見はなく、咽頭部の発赤もなかった。これらの症状及び検査結果より、急性前立腺炎と診断

された。患者は同日、入院し、午前 11 時、ジクロフェナクナトリウム坐剤 25 mg、乳酸リンゲ

ル液 500 mL、セフトリアキソンナトリウム 2 g が投与されたが、午後 9 時、体温 39.9℃であり、

発汗過多が認められ冷却療法を実施した。

6 月 17 日、発熱が持続した(午前 38.0℃、午後 39.0℃)。泌尿器科専門医が診察し、

血液検査と尿検査を実施した。約 2 週間前から排尿終末時痛と切迫性尿失禁があり、1週間前

より体調不良と排尿症状が増悪していた。直腸診で前立腺の熱感及び腫張を認めた。午前 9 時

の時点で、昨日より炎症反応に改善はないが、濃縮尿は軽減した。セフトリアキソンナトリウ

ム 1 g と乳酸リンゲル液 1000 mLが投与された( 6 月 20 日まで継続)。午後 8 時、大量

の発汗があり、35.2℃に解熱した。

6 月 19 日、泌尿器科専門医が再度診察した。発熱と炎症反応は改善傾向を示し、ほ

とんどの排尿症状が消失した。PSA は 2.67 であり上昇は認められなかった。

6 月 20 日、前日から解熱しており、直腸診で改善を認めた。経直腸的超音波検査の

結果もほぼ正常で、前立腺被膜の乱れも観察されなかった( 6 月 21 日)。セフトリア

キソンナトリウム 1 g と乳酸リンゲル液 500 mLが投与された( 6 月 23 日まで継続)。

6 月 23 日に、血液検査と尿検査が実施された。症状が軽快したため、セフカペン ピ

ボキシル塩酸塩(フロモックス)錠 300 mg 処方にて退院した。

治験薬は、一時的に投与中止された。 7 月 5 日、本事象は後遺症なく回復した。治験

責任医師により、本事象と治験薬との因果関係ありと判定され、スタチン又はその他の脂質低

下療法との因果関係が否定された。治験依頼者により、本事象と治験薬、スタチン、その他の

脂質低下療法との因果関係が否定された。

治験薬 終投与後 14 日の 6 月 21 日(Day 71)に、重度の膵頭部癌(膵癌)が発現し、

重篤な有害事象として報告された。

6 月 21 日、磁気共鳴胆道膵管撮影(MRCP)が実施され、総胆管拡張及び肝障害を認

めた。加えて、径 30 mm の膵頭部嚢胞及び多発性膵頭部嚢胞があった。

7 月 5 日(Day 85)に、腹部コンピューター断層撮影(腹部 CT)で径 25 mm の膵頭

部嚢胞及び多発性膵頭部嚢胞を認めた。腹部超音波検査で径 40 mm の膵頭部嚢胞を認めた。腫

瘍マーカー検査(DUPAN-2 測定)にて臨床的に重要な異常[188 U/mL(基準値:0~150 U/mL)]

を認めた。

(electronic

3.0)

*新薬承認情報提供時に置換え

同年* 同年*

同年*

同年*

同年*

同年*

同年*

同年*

同年*

同年*

同年*

同年*

同年*

同年*

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 234

尿 pH 値は正常であった。抗核抗体は 40(基準値:<40)であり、Homogenous 型及び Speckled

型陽性であった。

患者はネフローゼ症候群により 3 月 30 日に入院した。Day 275( 3 月 31 日)

に腎生検を受け、ネフローゼ症候群の病因である膜性糸球体腎炎が確認された。Day 281(

4 月 6 日)における頚部及び骨盤の CT スキャンにおいて腹部大動脈瘤が認められ、短軸の

大直径は 49 mm であった。頚部及び骨盤の CT スキャンにおいて左腎背側に高吸収域が認め

られ、これは腎生検後の出血と考えられた。ネフローゼ症候群に対する治療としてフロセミド

80 mg 1 日 1 回( 3 月 27 日から)、並びにプレドニゾロン 50 mg 1 日 2 回( 4 月

3 日から 4 月 16 日まで)、40 mg 1 日 1 回( 4 月 17 日から 5 月 12 日)、

25 mg 1 日 1 回( 5 月 13 日から)及び 10.5 mg 1 日 1 回( 6 月 15 日から)が投与

された。患者の症状はステロイド療法により改善がみられた。また、血圧降下薬、アゾセミド、

フェブキソスタット、ラベプラゾール及びゾピクロンの投与も受けた。

4月 16 日の臨床検査では、アルブミン 3.2 g/dL(基準値:3.9~4.9 g/dL)、総蛋白 6 g/dL、

GFR 31 mL/min、クレアチニン 1.87 mg/dL(基準値:036~1.06 mg/dL)、BUN 57.1 mg/dL(基

準値:8~20 mg/dL、ベースライン値正常範囲内)、尿酸 9.2 mg/dL(基準値:0~7 mg/dL)で

あった。尿検査において、比重は正常であったが、蛋白陽性が認められた。潜血、白血球エス

テラーゼ及び亜硝酸塩陽性は認められなかった。

5 月 7 日、頸部及び骨盤の CT スキャンにおいて再度腹部大動脈瘤が認められたが、

前回の検査と比較して拡大は認められなかった。細気管支炎及び気管支炎が疑われたが、治療

を行わず経過観察され、症状は改善した。ネフローゼ症候群により入院が長期化したこと、ま

た腹部大動脈瘤に対して手術が予定されていることから治験を中止した。患者は 5 月

13 日に退院した。 5 月 14 日の血液検査では、アルブミン 3.1 g/dL、総蛋白 6 g/dL、HbA1c

6.5%(基準値は未報告)、クレアチニン 2.4 mg/dL、GFR 28.2 mL/min、BUN 66 mg/dLであった。

5 月 25 日の検査では、クレアチニン 2.22 mg/dL、BUN 68.7 mg/dL、GFR 26 mL/min

であった。 5 月末まで在宅療養が予定された。 7 月 4 日、プレドニゾロンを継続

投与していることが報告された。

7 月 6 日、患者は腹部大動脈瘤に対する手術のため総合医療センターへ入院した。プ

レドニゾロンの用量は 10 mg/日へ減量された。当初、患者は 8 月 6 日に退院する予定で

あったが、術後感染症による縫合部位の化膿により入院は延長され、再縫合が実施された。

8 月 27 日、大動脈瘤は回復し退院した。ネフローゼ症候群及び術後の腹部大動脈瘤は経過観

察された。プレドニゾロン 10 mg/日の投与が継続された。

治験薬の投与はネフローゼ症候群により中止した。 終情報入手日の時点で、ネフローゼ症

候群の症状は安定していたが、本事象は未回復と判断された。治験依頼者はネフローゼ症候群

と治験薬との因果関係を否定したが、治験責任医師はネフローゼ症候群と治験薬との因果関連

は否定できないと判断した。

(electronic

3.0)

*新薬承認情報提供時に置換え

同年*

同年*

同年*

同年*

同年*

同年*

同年*

同年*

同年*

同年*

同年* 同年*

同年*

同年*

同年*

同年*

同年*

同年*

同年*

同年*

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 239

治験実施計画書の識別コード:EFC11568

治験方法:

ランダム化、二重盲検、並行群間、プラセボ対照、不均衡割付け(アリロクマブ:プラセボ = 2:1)、多

施設共同試験。

本治験は、 長 2 週間のスクリーニング期間、52 週間の二重盲検投与期間、8 週間のフォローアップ期間

からなり、全治験期間は約 62 週間であった。アリロクマブ 75 mg Q2W を開始用量として、事前に規定し

た投与後 8 週時の LDL-C 値に基づき、投与後 12 週時に 150 mg Q2W へ増量可能とした。アリロクマブに

割り付けられた患者(割付けは二重盲検下で自動化されたプロセスで実施)は、投与後 8 週時の LDL-C 値

が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満の場合はアリロクマブ 75 mg Q2W を継続し、70 mg/dL(1.81 mmol/L)以上の場合はアリロクマブ 150 mg Q2W へ増量して、投与後 12 週時から 50 週時の 終投与まで投与され

ることとした。

治験期間中、通常の医療機関でのモニタリング実施時に、1 施設(医療機関番号 840-833)に GCP 不遵守

が認められた。本医療機関での治験は中止され、適用される法律や規制に基づき関連当局及び独立倫理委

員会にその旨を通知した。

患者数:

予定:306 名

ランダム化:316 名

投与:314 名

評価:

有効性 (ITT 集団):311 名 (mITT 集団):309 名

安全性:314 名

抗体:296 名

QOL:302 名

診断及び選択基準:

スタチン以外の脂質低下療法の有無を問わず、スクリーニング来院(Week −2)前に 4 週間以上一定の

大耐用量でのスタチン治療で管理目標値に達していない、心血管リスクの高い高コレステロール血症患者。

心血管リスクの定義は、本治験の計画時に利用可能なガイドラインである the National Cholesterol Education Program Adult Treatment Panel III(NCEP ATP III)の 2004 年総括版、並びに心血管リスクの高い集団を、

リスクの高い患者及びリスクの極めて高い患者に細分した欧州ガイドラインの2011年版に基づいて設定し

た。本治験に組み入れられた患者はすべて 2011 年版欧州ガイドラインに定義された心血管リスクの極めて

高い患者のサブカテゴリーに属していた。対象患者は、心血管疾患(心血管イベントの既往が容易に立証

されたものに限定)、中等度の慢性腎臓病又は更に複数の危険因子を有する糖尿病の既往を有することと

した。心血管疾患の既往を有する患者は、脂質低下療法での治療中にもかかわらず LDL-C 値が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)以上の場合に組み入れた。心血管疾患の既往のない患者は、ベースラインの LDL-C 値が

100 mg/dL(2.59 mmol/L)以上、すなわち、2011年版ガイドラインの管理目標値より 30 mg/dL(0.78 mmol/L)以上高い場合に組み入れた。

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 241

治験実施計画書の識別コード:EFC11568

評価基準:

有効性:

主要評価項目:投与の遵守を問わずすべての LDL-C 値を用いた ITT 集団におけるベースラインから投与後

24 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(ITT estimand)。

重要な副次評価項目は、多重性を考慮した階層的検定手順を用い、以下に示すとおり ITT estimand 又は

on-treatment estimand を用いた。

• ITT estimand:投与の遵守を問わずすべての脂質の値を用いて ITT 集団について解析

• On-treatment estimand:有効性評価期間に得られた脂質の値を用いて mITT 集団について解析

重要な副次評価項目:

• ベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Apo B の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Apo B の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの non-HDL-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの non-HDL-C の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Total-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Apo B の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの non-HDL-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Total-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 52 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(ITT estimand)

• 投与後 24 週時に LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 24 週時に LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した患者の割合(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Lp(a)の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの HDL-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの空腹時 TG の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Apo A-1 の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Lp(a)の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの HDL-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの空腹時 TG の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Apo A-1 の変化率(ITT estimand)

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 242

治験実施計画書の識別コード:EFC11568

その他の副次評価項目:

• 投与後 12、24 及び 52 週時に、LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した患者の割

合(ITT estimand)

• 投与後 12 及び 52 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した患者の割合(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12、24 及び 52 週時までの LDL-C(計算値、mg/dL 及び mmol/L)の変化量(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 52 週時までの Apo B、non-HDL-C、Total-C、Lp(a)、HDL-C、空腹時 TG 及

び Apo A-1 の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12、24 及び 52 週時までの Apo B/Apo A-1 比の変化量(ITT estimand)

• 投与後 12、24 及び 52 週時に、Apo B 値が 80 mg/dL(0.8 g/L)未満に達した患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 12、24 及び 52 週時に、non-HDL-C 値が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した患者の割合

(ITT estimand)

• 投与後 12、24 及び 52 週時に、non-HDL-C 値が 130 mg/dL(3.37 mmol/L)未満に達した患者の割合

(ITT estimand)

• 投与後 12、24 及び 52 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した又は LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)以上の場合は LDL-C(計算値)がベースラインから 50%以上

低下した患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 12、24 及び 52 週時に、LDL-C(計算値)がベースラインから 50%以上低下した患者の割合(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12、24 及び 52 週時までの Total-C/HDL-C 比の変化量(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 及び 24 週時までの Total-C の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Apo B の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの non-HDL-C の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 及び 24 週時までの Lp(a)の変化率(on-treatment estimand)

• 投与後 24 週時に LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した患者の割合(on-treatment estimand)

安全性:

TEAE(SAE 及び AESI を含む)、心血管イベント、死亡、臨床検査(尿検査、血液学的検査及び生化学的

検査、C 型肝炎抗体、肝パネル、CPK)、バイタルサイン、ECG

その他:

hs-CRP、HbA1c、抗アリロクマブ抗体、25 mg/dL(0.65 mmol/L)未満の LDL-C 値、15 mg/dL(0.39 mmol/L)未満の LDL-C 値及び EQ-5D 質問票を用いて評価した QOL

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 243

治験実施計画書の識別コード:EFC11568

生体試料の分析方法:

抗アリロクマブ抗体測定用検体は、バリデートされた非定量的な抗体価ベースのイムノアッセイ法を用い

て分析した。本測定法は、スクリーニング、確認試験及び抗体価の測定の 3 段階よりなる。陽性対照に基

づく測定法の感度は約 5.6 ng/mL であった。

抗アリロクマブ抗体が陽性の検体は、バリデートされた非定量的競合リガンド結合測定法を用いて、中和

抗体を評価した。陽性対照に基づく測定法の感度は 470 ng/mL であった。

統計手法:

症例数の決定:

LDL-C の変化率の母平均の群間差を 30%、その標準偏差(両群共通)を 25%、主要評価項目がすべての患

者で評価可能と仮定するとき、有意水準 5%(両側)のもとで検出力 95%を確保するためには、45 名(ア

リロクマブ群 30 名、プラセボ群 15 名)が必要である。

しかしながら本治験計画を通して規制要件を満たすため、症例数を増加しアリロクマブの安全性を評価し

た。本治験で 12 ヵ月間アリロクマブを投与される患者を 147 名以上確保するには、治験開始後 3 ヵ月間の

脱落率を 10%、残りの 9 ヵ月間の脱落率を 20%と仮定し、割付け比 2:1 でランダム化する場合、 終的

に必要な全症例数は 306 名であった(アリロクマブ群 204 名、プラセボ群 102 名)。

解析対象集団:

主要有効性解析対象集団は ITT 集団とした。ITT 集団は、ランダム化された集団のうち主要評価項目が評価

可能、すなわち、ベースラインの LDL-C 値(計算値)を有し、治験薬投与の有無を問わず、投与後 24 週

時までに 1 時点の analysis window 内で 1 つ以上の LDL-C 値(計算値)を有する患者集団と定義した。ITT estimand の解析は、ITT 集団について実施した。

副次有効性解析対象集団は mITT 集団とした。mITT 集団は、ランダム化された集団のうち二重盲検下で治

験薬を少なくとも 1 回量又は一部を投与され、有効性評価期間での主要評価項目が評価可能、すなわち、

ベースラインの LDL-C(計算値)を有し、投与後 24 週時までに 1 時点の analysis window 内で 1 つ以上の

有効性評価期間内の LDL-C 値(計算値)を有する患者と定義した。なお、有効性評価期間は、二重盲検下

の治験薬初回投与から 終投与後 21 日までの期間とした。On-treatment estimand の解析は、mITT 集団に

ついて実施した。

安全性解析対象集団は、ランダム化された集団のうち二重盲検下で治験薬を少なくとも 1 回量又は一部を

投与された集団とした。

抗体解析対象集団は、ランダム化され、治験薬を投与された集団(安全性解析対象集団)のうち、ベース

ライン時の抗体が評価可能で、二重盲検下での治験薬初回投与後に少なくとも 1 回以上抗体が評価可能な

集団とした。

QOL 解析対象集団は、ランダム化され、治験薬を投与された集団(安全性解析対象集団)のうち、EQ-5D質問票の5項目のうちのいずれかについてベースライン及びベースライン後の評価が行われた患者とした。

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 244

治験実施計画書の識別コード:EFC11568

有効性解析:

有効性評価項目の主要解析を、患者が治療を継続していたかにかかわらず、すべての脂質データを含めた

ITT アプローチ(上記で定義した ITT 集団に基づく)により行った。これは、主要評価項目及び副次評価項

目において定義した ITT estimand に対応する。また、有効性評価期間に得られた脂質データを含めた

on-treatment アプローチ(上記で定義した mITT 集団に基づく)による解析を行った。これは副次評価項目

で定義した on-treatment estimand に対応する。

ITTアプローチでは、投与の遵守状況によらずすべての患者のデータを解析してそのベネフィットを評価し、

可能な限り患者の母集団における効果を 大限に反映した。On-treatment アプローチでは患者が実際に投

与された期間に限定して治療効果を解析し、各時点まで治療を遵守した患者において得られるベネフィッ

トを評価した。

有効性は、ランダム化により割り付けられた投与群に基づき解析した。

測定項目は、規定時又は規定外、絶食下か否かを問わず、すべて analysis window 内に割り当て、投与後 4 週時から 52 週時までの時点で評価した。

ベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C(計算値)の変化率は、MMRM を用いて解析した。投与後

4 週時から 52 週時までの analysis window 内で利用可能なすべてのベースライン後データが用いられ、欠

測データが MMRM モデルを用いて説明された。本モデルには、カテゴリカル変数の固定効果として投与群

(アリロクマブ又はプラセボ)、ランダム化因子(IVRS による)、時点(投与後 4 週時から 52 週時まで)、

投与群と時点の交互作用、ランダム化因子と時点の交互作用を用い、連続変数の固定効果としてベースラ

インの LDL-C 値及びベースライン値と時点の交互作用を用いた。

第 1 種過誤確率を 5%に制御し、複数の評価項目を取り扱うため、重要な副次評価項目の上述した順序に従

い治験実施計画書で事前に規定した階層手順を用いた。

• 正規分布に従うことが想定される連続変数の副次評価項目(TG、Lp(a)以外の脂質)は、主要評価項目

と同様に MMRM モデルを用いて解析した。

• 非正規分布に従うことが想定される連続変数の副次評価項目(TG、Lp(a))は、欠測値を扱うために多

重代入法を用いた後、群間比較を行うために、対象とする評価項目を反応変数、投与群、(IVRS によ

る)ランダム化因子、対応するベースラインを効果として、M-推定量によるロバスト回帰モデル(SAS ROBUSTREG プロシージャを使用)により解析した。両群における平均について、統合された推定値

とその群間差及びそれらの対応する標準誤差、95%CI、p 値を求めた(SAS MIANALYZE プロシージャ

を使用)。

• 2 値変数の有効性副次評価項目は、欠測値の対応のために多重代入法を用いた後、投与群を主効果、対

応するベースライン値を共変量として、(IVRS による)ランダム化因子を層とした層別ロジスティッ

ク回帰により解析した。プラセボ群に対するオッズ比について統合された推定値、95%CI、p 値を求め

た(SAS MIANALYZE プロシージャを使用)。データによりロジスティック回帰が適用できない場合

(例えば、一方の投与群の反応割合が 1 で 尤推定値が存在しない場合)は、欠測値を扱うために LOCF法を用い、群間比較を行うために exact conditional logistic regression を適用した。

安全性解析:

安全性解析は記述的に行い、安全性解析対象集団について実際に投与された群に基づいて実施した。安全

性の解析は、治験薬の二重盲検下の初回投与から 終投与後 70 日までの期間(TEAE 期間)について行っ

た。

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 245

治験実施計画書の識別コード:EFC11568

要約:

集団の特性:

本治験では 316 名の患者がランダム化され、314 名が治験薬を投与された。そのうち 207 名がアリロクマ

ブ 75 mg Q2W 又は 75 mg Q2W から 150 mg Q2W へ増量投与、107 名がプラセボを投与された。各群の

患者の多く(約 78%)が冠動脈疾患の既往を有し、糖尿病及び高血圧の既往を有する患者は全集団でそれ

ぞれ 43.0%及び 88.6%であった。

ベースライン時の人口統計学的特性、疾患特性及び脂質パラメータは投与群間でおおむね一致していた。

ランダム化の時点で 1 名を除くすべての患者が 大耐用量のスタチンを使用しており(患者の 63%がアト

ルバスタチン 40~80 mg/日、ロスバスタチン 20~40 mg/日又はシンバスタチン 80 mg/日を使用)、42.1%がエゼチミブ等のスタチン以外の脂質低下療法を受けていた。全体のベースライン時の LDL-C(計算値)

の平均値 ± 標準偏差は 102.2 ± 31.6 mg/dL(2.646 ± 0.820 mmol/L)であった。服薬遵守率は、アリロクマ

ブ群で 97.6%、プラセボ群で 97.7%であった。

有効性の結果:

有効性は ITT アプローチ(ITT 解析)及び on-treatment アプローチ(on-treatment 解析)を用いて評価した。

これらの解析により相補的な情報が得られた。

本治験の主要目的は、心血管リスクの高い高コレステロール血症患者において、スタチン以外の脂質低下

療法の有無を問わず、一定の 1 日 大耐用量のスタチン療法の併用療法としてアリロクマブを 24 週間投与

したときの LDL-C の低下を、プラセボと比較して検証することであった。本主要目的は達成された。

主要評価項目の解析-ITT 解析

ITT アプローチにより、投与の遵守状況によらずすべての患者からのデータを解析してそのベネフィットを

評価し、患者集団における効果を 大限に反映した。

主要有効性評価項目であるベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C の変化率(調整平均)は、アリ

ロクマブ群で−48.2%、プラセボ群で−2.3%であり、プラセボ群と比べてアリロクマブ群で大きく低下した。

プラセボ群に対する群間差(95%CI)は−45.9%(−52.5; −39.3%)で、臨床的に意味のある統計学的に有

意な差が見られた(p<0.0001)。

アリロクマブ群では、LDL-C は投与後 4 週時(投与後 初の測定時点)から低下し、投与後 52 週時まです

べての時点で維持された。

感度分析では、欠測データの取扱いによらず、頑健な治療効果が示された。

副次評価項目及びその他の評価項目の解析

On-treatment アプローチにより、患者が実際に投与された期間に限定した治療効果を解析し、評価時点で

達成される治療のベネフィットを評価した。

On-treatment 解析でも、べースラインから投与後 24 週時までの LDL-C の変化率(調整平均)は、アリロ

クマブ群で−50.7%、プラセボ群で−0.8%であり、プラセボ群と比べてアリロクマブ群で大きく低下した。

LDL-C 変化率の群間差は−49.9%であり、ITT 解析と一貫した結果が得られた。

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 246

治験実施計画書の識別コード:EFC11568

アリロクマブに割り付けられたすべての患者は投与後 12 週時までアリロクマブ 75 mg Q2W を投与される

ため、投与後 12週時におけるアリロクマブ 75 mg Q2W 投与の LDL-Cに対する効果をプラセボと比較した。

ITT 解析でのベースラインから投与後 12 週時までの LDL-C の変化率(調整平均)は、アリロクマブ群で

−46.3%、プラセボ群で 1.1%であり、プラセボ群と比べてアリロクマブ群で統計学的に有意に低下した。

LDL-C 変化率の群間差(95%CI)は−47.4%(−53.6; −41.3%)であった(p<0.0001)。On-treatment 解析

でも、ベースラインから投与後 12 週時までの LDL-C の変化率(調整平均)の群間差(95%CI)は−49.3%(−55.3; −43.3%)で、ITT 解析と同様の結果が得られた(p<0.0001)。

アリロクマブ群では、投与後 12 週以降に 1 回以上投与された 191 名の患者のうち、32 名(16.8%)が投

与後 12 週時にアリロクマブ 75 mg Q2W 投与から 150 mg Q2W 投与へ増量した(盲検下での自動化システ

ムによる)。増量しなかった患者では増量した患者と比べて、ベースライン時の LDL-C が低かった。増量

しなかった患者では、LDL-C のベースラインからの変化率(平均値 ± 標準偏差)は投与後 12 週時で−52.2 ± 22.0%であり、投与後 24 週時も維持されていた(−49.5 ± 26.3%)。増量した患者では、LDL-C のベー

スラインからの変化率は投与後12週時で−25.3 ± 26.6%であり、投与後24週時には更に低下していた(−50.2 ± 35.2%)。

ITT 解析におけるベースラインから投与後 52 週時までの LDL-C の変化率(調整平均)は、アリロクマブ群

で−42.5%、プラセボ群で 0.5%であり、プラセボ群と比べてアリロクマブ群で統計学的に有意に低下し、

LDL-C 変化率の群間差は−43.0%であった。On-treatment 解析からもほぼ同程度の有効性が認められ、ベー

スラインから投与後 52 週時までの LDL-C 変化率(調整平均)の群間差は−50.1%であった。

ITT 解析におけるベースラインから投与後 12、24 及び 52 週時までの LDL-C の変化量の群間差(調整平均)

は、それぞれ−46.9 mg/dL(−1.214 mmol/L)、−46.4 mg/dL(−1.201 mmol/L)及び−42.6 mg/dL(−1.103 mmol/L)であり、すべての時点でプラセボ群よりアリロクマブ群で大きく低下した。投与後 24 週時の LDL-C 値は、

プラセボ群で 97.8 mg/dL(2.533 mmol/L)に対してアリロクマブ群で 51.4 mg/dL(1.332 mmol/L)であっ

た。

ITT 解析での投与後 12 週時(増量前)に LDL-C が目標値[70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満]に達した患者

の割合は、プラセボ群(11.3%)と比べてアリロクマブ群(76.0%)で高かった。

ITT 解析での投与後 24 週時に LDL-C が目標値[70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満]に達した患者の割合にお

いても、プラセボ群(9.0%)と比べてアリロクマブ群(75.0%)で高かった。

LDL-C値が2回連続で25 mg/dL(0.65 mmol/L)未満であった患者の割合は、アリロクマブ群で19.5%(39 名)

であり、プラセボ群では認められなかった。そのうちアリロクマブ群の 4.5%(9 名)は LDL-C 値が 2 回連続で 15 mg/dL(0.39 mmol/L)未満となった。

主要有効性評価項目のサブグループ解析(ITT 解析)の結果から、アリロクマブ群ではプラセボ群と比べて、

人口統計学的特性及びベースライン特性によらず、ベースラインから投与後 24 週時までに LDL-C の一貫

した低下が認められた。アリロクマブ群において臨床的に関連があると考えられる唯一の因子は心筋梗塞

又は虚血性脳卒中の既往歴であったが、これらの既往歴にかかわらず臨床的に意味のある LDL-C の低下が

認められた。

Apo B、non-HDL-C 及び Total-C についても、LDL-C と同様に、プラセボ群と比べてアリロクマブ群で投

与後 12 及び 24 週時に有意に低下した。また、投与後 24 週時に、HDL-C は有意に上昇し、Lp(a)は有意に

低下した。空腹時 TG については、投与後 24 週時において統計学的な有意差は認められなかった。その結

果、階層手順に従い、他の重要な副次評価項目について正式な統計学的検定は実施されなかった。投与後

52 週時の結果は、投与後 24 週時に得られた結果と一致していた。

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

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治験実施計画書の識別コード:EFC11568

安全性の結果:

曝露量は投与群間で同程度であり、いずれの投与群も平均曝露期間は約 45 週間であった。

TEAE、SAE、死亡に至った TEAE 及び治験薬の投与中止に至った TEAE の発現割合は両投与群間で同程

度であった。治験期間中に 5 名の死亡[アリロクマブ群 1.4%(3 名)、プラセボ群 1.9%(2 名)]及び治

験後に 1 名の死亡(プラセボ群)が報告されたが、治験薬との因果関係はいずれも否定された。SAE はす

べて治験薬との因果関係が否定された。いずれの投与群でも PT レベルでの特定の傾向は認められず、個々

の PT の発現割合は低かった。治験薬の投与中止に至った TEAE に臨床的に明らかな傾向は認められなか

った。

TEAE は、アリロクマブ群 75.8%(157 名)、プラセボ群 75.7%(81 名)に認められた。両投与群におい

て多く(10%以上)認められた TEAE(SOC)は、感染症および寄生虫症(アリロクマブ群、プラセボ群

でそれぞれ 37.2%、27.1%)、筋骨格系および結合組織障害(23.7%、21.5%)、胃腸障害(18.8%、15.9%)、

呼吸器、胸郭および縦隔障害(13.5%、13.1%)、代謝および栄養障害(10.1%、5.6%)、傷害、中毒、

および処置合併症(14.0%、20.6%)、一般・全身障害および投与部位の状態(12.6%、15.0%)及び神経

系障害(11.6%、15.9%)であった。患者の 3%以上 10%未満に認められた TEAE(SOC)のうち、心臓障

害がプラセボ群(3.7%)と比べてアリロクマブ群(8.2%)で発現割合が高かったが、この違いは虚血性冠

動脈障害(HLT)が認められた患者の割合がアリロクマブ群で高かった(プラセボ群 0.9%に対して 2.9%)

ことによるものであった。アリロクマブ群で 3%以上に認められ、プラセボ群との差が 2%以上のTEAE(PT)は、鼻咽頭炎(7.2%、4.7%)、尿路感染(6.3%、3.7%)、悪心(3.9%、0%)、注射部位反応(5.3%、

2.8%)及び高血圧(4.8%、1.9%)であった。プラセボ群で 3%以上に認められ、アリロクマブ群との差が

2%以上の TEAE(PT)は、関節痛(3.9%、7.5%)、胃食道逆流性疾患(1.4%、3.7%)、上気道感染(7.7%、

10.3%)及び非心臓性胸痛(1.0%、6.5%)であった。

治験薬投与期間中に、心血管イベントはアリロクマブ群 2.9%(6 名)、プラセボ群 2.8%(3 名)に認めら

れた。治験薬投与後に多く認められた心血管イベントは、虚血による冠動脈血行再建術であった(アリロ

クマブ群 1.4%、プラセボ群 0.9%)。

AESI のうち、全身性アレルギー性の TEAE がアリロクマブ群の 8.7%(18 名)及びプラセボ群の 6.5%(7 名)

に認められた。そのうち喘息がアリロクマブ群の 2.4%(5 名)に認められ、プラセボ群では認められなか

った。重篤な全身性アレルギー性の TEAE(喘息 2 名、間質性肺疾患 1 名)がアリロクマブ群の 3 名に認

められ、アリロクマブ群の 2 名が全身性アレルギー性の TEAE(間質性肺疾患及び全身性皮疹)により治

験薬投与を中止した。プラセボ群では、重症、重篤又は治験薬の投与中止に至った全身性アレルギー性の

TEAE は認められなかった。

局所注射部位反応の TEAE がアリロクマブ群の 5.3%(11 名)及びプラセボ群の 2.8%(3 名)に認められ

た。局所注射部位反応の多くは重症度が軽度であり、重症、重篤又は治験薬の投与中止に至った TEAE は

認められなかった。

本治験において、溶血性貧血、妊娠及び症候性の過量投与は認められなかった。PCSA に該当する ALT の

上昇がアリロクマブ群の 1.5%(3 名)及びプラセボ群の 1.9%(2 名)に認められた。SMQ の「肝障害」

に分類される TEAE がアリロクマブ群の患者の 2.4%(5 名)及びプラセボ群の 4.7%(5 名)に認められ、

これらの TEAE はいずれも重篤、死亡、又は治験薬投与中止に至るものではなかった。

眼科学的事象がアリロクマブ群の 1.4%(3 名)及びプラセボ群の 0.9%(1 名)に認められ、そのうちアリ

ロクマブ群の 1 名で SAE と判断される網膜剥離が報告された。

神経学的事象がアリロクマブ群の 2.4%(5 名)及びプラセボ群の 1.9%(2 名)に認められ、アリロクマブ 群の 1 名で SAE と判断される筋力低下が報告された。プラセボ群の 1 名に 2 件の神経認知学的事象が認めら

れ、そのうち 1 件(認知症)は SAE と判断されて治験薬投与を中止し、死亡に至った。

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3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 253

治験実施計画書の識別コード:EFC11569

• ベースラインから投与後 24 週時までの non-HDL-C の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Total-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Apo B の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの non-HDL-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Total-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 52 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(ITT estimand)

• 投与後 24 週時に LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 24 週時に LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した患者の割合(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Lp(a)の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの HDL-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの空腹時 TG の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Apo A-1 の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Lp(a)の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの HDL-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの空腹時 TG の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Apo A-1 の変化率(ITT estimand)

その他の副次評価項目:

• ベースラインから投与後 104 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(ITT estimand)

• 投与後 12、24、52 及び 104 週時に、LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した患

者の割合(ITT estimand)

• 投与後 12、52 及び 104 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した患者の割

合(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12、24、52 及び 104 週時までの LDL-C(計算値、mg/dL 及び mmol/L)の変

化量(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 52 及び 104 週時までの Apo B、non-HDL-C、Total-C、Lp(a)、HDL-C、空腹

時 TG 及び Apo A-1 の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12、24、52 及び 104 週時までの Apo B/Apo A-1 比の変化量(ITT estimand)

• 投与後 12、24、52 及び 104 週時に、Apo B 値が 80 mg/dL(0.8 g/L)未満に達した患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 12、24、52 及び 104 週時に、non-HDL-C 値が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した患者の

割合(ITT estimand)

• 投与後 12、24、52 及び 104 週時に、non-HDL-C 値が 130 mg/dL(3.37 mmol/L)未満に達した患者の

割合(ITT estimand)

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3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

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治験実施計画書の識別コード:EFC11569

• 投与後 12、24、52 及び 104 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した又は

LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)以上の場合は LDL-C(計算値)がベースラインから 50%以上低下した患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 12、24、52 及び 104 週時に、LDL-C(計算値)がベースラインから 50%以上低下した患者の

割合(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12、24、52 及び 104 週時までの Total-C/HDL-C 比の変化量(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 及び 24 週時までの Total-C の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Apo B の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの non-HDL-C の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 及び 24 週時までの Lp(a)の変化率(on-treatment estimand)

• 投与後 24 週時に LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した患者の割合(on-treatment estimand)

安全性:

TEAE(SAE 及び AESI を含む)、心血管イベント、死亡、臨床検査(尿検査、血液学的検査及び生化学的

検査、C 型肝炎抗体、肝パネル、CPK)、バイタルサイン、ECG

薬物動態:

Cmax、Ctrough、Ctrough av及び Cfollow-up

その他:

hs-CRP、HbA1c、抗アリロクマブ抗体、25 mg/dL(0.65 mmol/L)未満の LDL-C 値、15 mg/dL(0.39 mmol/L)未満の LDL-C 値及び EQ-5D 質問票を用いて評価した QOL

薬物動態/薬力学用検体の採取時間及び分析方法:

総アリロクマブ濃度(遊離アリロクマブと PCSK9 に結合したアリロクマブ)は、バリデートされた ELISA(LLOQ 0.078 µg/mL)を用いて測定した。

総及び遊離 PCSK9 濃度は、バリデートされた ELISA を用いて測定した(LLOQ はそれぞれ 0.156 µg/mL及び 0.0312 µg/mL)。

抗アリロクマブ抗体測定用検体は、バリデートされた非定量的な抗体価ベースのイムノアッセイ法を用い

て分析した。本測定法は、スクリーニング、確認試験及び抗体価の測定の 3 段階よりなる。陽性対照に基

づく測定法の感度は約 5.6 ng/mL であった。

抗アリロクマブ抗体が陽性の検体は、バリデートされた非定量的競合リガンド結合測定法を用いて、中和

抗体を評価した。陽性対照に基づく測定法の感度は 470 ng/mL であった。

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3.0)

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治験実施計画書の識別コード:EFC11569

統計手法:

症例数の決定:

LDL-C の変化率の母平均の群間差を 20%、その標準偏差(両群共通)を 25%、主要評価項目がすべての患

者で評価可能と仮定するとき、有意水準 5%(両側)のもとで検出力 95%を確保するためには、96 名(ア

リロクマブ群 64 名、エゼチミブ群 32 名)が必要である。

しかしながら本治験計画を通して規制要件を満たすため、症例数を増加しアリロクマブの安全性を評価し

た。本治験で 12 ヵ月間アリロクマブを投与される患者を 316 名以上確保するには、治験開始後 3 ヵ月間の

脱落率を 10%、残りの 9 ヵ月間の脱落率を 20%と仮定し、割付け比 2:1 でランダム化する場合、 終的

に必要な全症例数は 660 名であった(アリロクマブ群 440 名、エゼチミブ群 220 名)。

解析対象集団:

主要評価項目及び副次評価項目の主要有効性解析対象集団は ITT 集団とした。ITT 集団は、ランダム化され

た集団のうち主要評価項目が評価可能、すなわち、ベースラインの LDL-C 値(計算値)を有し、治験薬投

与の有無を問わず、投与後 24 週時までに 1 時点の analysis window 内で 1 つ以上の LDL-C 値(計算値)を

有する患者集団と定義した。ITT estimand の解析は、ITT 集団について実施した。

主要評価項目及び重要な副次評価項目の解析対象集団は mITT 集団とした。mITT 集団は、ランダム化され

た集団のうち二重盲検下で治験薬を少なくとも 1 回量又は一部を投与され、有効性評価期間での主要評価

項目が評価可能、すなわち、ベースラインの LDL-C(計算値)を有し、投与後 24 週時までに 1 時点の analysis window 内で 1 つ以上の有効性評価期間内の LDL-C 値(計算値)を有する患者と定義した。なお、有効性

評価期間は、二重盲検下の治験薬初回投与(カプセル剤か注射剤のいずれか早い方)から注射剤の 終投

与後21日まで、若しくはカプセル剤の 終投与後3日までのいずれか早い方までの期間とした。On-treatment estimand の解析は、mITT 集団について実施した。

安全性解析対象集団は、ランダム化された集団のうち二重盲検下で治験薬を少なくとも 1 回量又は一部を

投与された集団とした。

抗体解析対象集団は、ランダム化され、治験薬を投与された集団(安全性解析対象集団)のうち、ベース

ライン時の抗体が評価可能で、二重盲検下での治験薬初回投与後に少なくとも 1 回以上抗体が評価可能な

集団とした。

QOL 解析対象集団は、ランダム化され、治験薬を投与された集団(安全性解析対象集団)のうち、EQ-5D質問票の 5 項目のうちのいずれかについて、投与後 52 週時までに 1 時点の analysis window 内でベースラ

イン及び 1 回以上のベースライン後の評価が行われた患者とした。

有効性解析:

有効性評価項目の主要解析を、患者が治療を継続していたかにかかわらず、すべての脂質データを含めた

ITT アプローチ(上記で定義した ITT 集団に基づく)により行った。これは、主要評価項目及び副次評価項

目において定義した ITT estimand に対応する。また、有効性評価期間に得られた脂質データを含めた

on-treatment アプローチ(上記で定義した mITT 集団に基づく)による解析を行った。これは副次評価項目

で定義した on-treatment estimand に対応する。

ITTアプローチでは、投与の遵守状況によらずすべての患者のデータを解析してそのベネフィットを評価し、

可能な限り患者の母集団における効果を 大限に反映した。On-treatment アプローチでは患者が実際に投

与された期間に限定して治療効果を解析し、各時点まで治療を遵守した患者において得られるベネフィッ

トを評価した。

(electronic

3.0)

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治験実施計画書の識別コード:EFC11569

有効性は、ランダム化により割り付けられた投与群に基づき解析した。

測定項目は、規定時又は規定外、絶食下か否かを問わず、すべて analysis window 内に割り当て、投与後 4 週時から 104 週時までの時点で評価した。

主要有効性評価項目である ITT estimand によるベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C(計算値)

の変化率は、MMRM を用いて解析した。投与後 4 週時から 52 週時までの analysis window 内で利用可能な

すべてのベースライン後データが用いられ、欠測データが MMRM モデルを用いて説明された。本モデルに

は、カテゴリカル変数の固定効果として投与群(アリロクマブ又はエゼチミブ)、ランダム化因子(IVRSによる)、時点(投与後 4 週時から 52 週時まで)、投与群と時点の交互作用、ランダム化因子と時点の交

互作用を用い、連続変数の固定効果としてベースラインの LDL-C 値及びベースライン値と時点の交互作用

を用いた。

第 1 種過誤確率を 5%に制御し、複数の評価項目を取り扱うため、重要な副次評価項目の上述した順序に従

い治験実施計画書で事前に規定した階層手順を用いた。

• 正規分布に従うことが想定される連続変数の副次評価項目(TG、Lp(a)以外の脂質)は、主要評価項目

と同様に MMRM モデルを用いて解析した。

• 非正規分布に従うことが想定される連続変数の副次評価項目(TG、Lp(a))は、欠測値を扱うために多

重代入法を用いた後、群間比較を行うために、対象とする評価項目を反応変数、投与群、(IVRS によ

る)ランダム化因子、対応するベースラインを効果として、M-推定量によるロバスト回帰モデル(SAS ROBUSTREG プロシージャを使用)により解析した。両群における平均について、統合された推定値

とその群間差及びそれらの対応する標準誤差、95%CI、p 値を求めた(SAS MIANALYZE プロシージャ

を使用)。

• 2 値変数の有効性副次評価項目は、欠測値の対応のために多重代入法を用いた後、投与群を主効果、対

応するベースライン値を共変量として、(IVRS による)ランダム化因子を層とした層別ロジスティッ

ク回帰により解析した。エゼチミブ群に対するオッズ比について統合された推定値、95%CI、p 値を求

めた(SAS MIANALYZE プロシージャを使用)。データによりロジスティック回帰が適用できない場

合(例えば、一方の投与群の反応割合が 1 で 尤推定値が存在しない場合)は、欠測値を扱うために

LOCF 法を用い、群間比較を行うために exact conditional logistic regression を適用した。

安全性解析:

安全性解析は記述的に行い、安全性解析対象集団について実際に投与された群に基づいて実施した。安全

性の解析は、治験薬の二重盲検下の初回投与から 終投与後 70 日までの期間(TEAE 期間)について行っ

た。

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3.0)

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解析の時期:

解析は 2 段階で実施した。

• 一次解析:投与後 52 週時までの有効性解析及び安全性の中間解析 一次解析は、ランダム化されたすべての患者を対象に、投与後 52 週の analysis window までのすべて

の脂質データが収集され、バリデートされた後に行った。投与後 52 週時までの有効性評価項目の解析

は各時点における有効性評価項目の 終解析であり、投与後 52 週を超えた脂質データは記述的な解析

を行った。安全性解析は、共通のカットオフ日までに収集され、バリデートされたすべての安全性デ

ータについて行った。本解析について共通のカットオフ日を 後の患者の投与後 52 週時の来院日とし

た。

一次解析結果によって、進行中の治験の実施にいかなる変更も生じなかった。有効性の主要評価項目

及び重要な副次評価項目の解析は一次解析時にすべての患者で実施したため、一次解析と二次解析の

ための多重性の調整は不要であった。

• 二次解析: 終解析 二次解析は治験の終了時に行うこととし、投与後 52 週以降の有効性データ及び安全性の 終解析を行

う。

要約:

集団の特性:

本治験では 720 名の患者がランダム化され、治験薬を投与された。そのうち 479 名がアリロクマブ 75 mg Q2W 又は 75 mg Q2W から 150 mg Q2W へ増量投与、241 名がエゼチミブ 10 mg/日を投与された。ラン

ダム化された集団の約 90%に冠動脈疾患の既往があり、2 名を除くその他の患者は冠動脈疾患と同等のリ

スクの既往を有していた。糖尿病及び高血圧の既往を有する患者は全集団でそれぞれ 30.7%及び 80.6%で

あった。

ベースライン時の人口統計学的特性、疾患特性及び脂質パラメータはアリロクマブ群とエゼチミブ群間で

おおむね一致していた。ランダム化の時点で 1 名を除くすべての患者が 大耐用量のスタチンを使用して

おり(患者の 68.8%がアトルバスタチン 40~80 mg/日、ロスバスタチン 20~40 mg/日又はシンバスタチ

ン 80 mg/日を使用)、5.7%がスタチン又はエゼチミブ以外の脂質低下療法を受けていた。全体のベースラ

イン時の LDL-C(計算値)の平均値 ± 標準偏差は 107.3 ± 35.7 mg/dL(2.778 ± 0.926 mmol/L)であった。

服薬遵守率は、アリロクマブ群で 98.2%、エゼチミブ群で 98.0%であった。

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3.0)

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有効性の結果:

有効性は ITT アプローチ(ITT 解析)及び on-treatment アプローチ(on-treatment 解析)を用いて評価した。

これらの解析により相補的な情報が得られた。

本治験の主要目的は、心血管リスクの高い高コレステロール血症患者において、一定の 1 日 大耐用量の

スタチン療法の併用療法としてアリロクマブを24週間投与したときのLDL-Cの低下を、エゼチミブ10 mg/ 日と比較して検証することであった。本主要目的は達成された。

主要評価項目の解析-ITT 解析

ITT アプローチにより、投与の遵守状況によらずすべての患者からのデータを解析してそのベネフィットを

評価し、患者集団における効果を 大限に反映した。

主要有効性評価項目であるベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C の変化率(調整平均)は、アリ

ロクマブ群で−50.6%、エゼチミブ群で−20.7%であり、エゼチミブ群と比べてアリロクマブ群で大きく低

下した。エゼチミブ群に対する群間差(95%CI)は−29.8%(−34.4; −25.3%)で、臨床的に意味のある統

計学的に有意な差が見られた(p<0.0001)。

アリロクマブ群では、LDL-C は投与後 4 週時(投与後 初の測定時点)から低下し、投与後 52 週時まです

べての時点で維持された。

感度分析では、欠測データの取扱いによらず、頑健な治療効果が示された。

副次評価項目及びその他の評価項目の解析

On-treatment アプローチにより、患者が実際に投与された期間に限定した治療効果を解析し、評価時点で

達成される治療のベネフィットを評価した。

On-treatment 解析でも、べースラインから投与後 24 週時までの LDL-C の変化率において、エゼチミブ群

と比べてアリロクマブ群で大きく低下した。LDL-C変化率の群間差(調整平均)は−30.6%であり(p<0.0001)、ITT 解析と一貫した結果が得られた。

アリロクマブに割り付けられたすべての患者は投与後 12 週時までアリロクマブ 75 mg Q2W を投与される

ため、投与後 12 週時におけるアリロクマブ 75 mg Q2W 投与の LDL-C に対する効果をエゼチミブと比較し

た。ITT 解析でのベースラインから投与後 12 週時までの LDL-C の変化率(調整平均)は、アリロクマブ群

で−51.2%、エゼチミブ群で−21.8%であり、エゼチミブ群と比べてアリロクマブ群で統計学的に有意に低

下した。LDL-C 変化率の群間差(95%CI)は−29.4%(−33.7; −25.1%)であった(p<0.0001)。On-treatment解析でも、ベースラインから投与後 12 週時までの LDL-C の変化率(調整平均)の群間差(95%CI)は−29.7%(−33.8; −25.6%)で、ITT 解析と同様の結果が得られた(p<0.0001)。

アリロクマブ群では、投与後 12 週以降に 1 回以上投与された 446 名の患者のうち、82 名(18.4%)が投

与後 12 週時にアリロクマブ 75 mg Q2W 投与から 150 mg Q2W 投与へ増量した(盲検下での自動化システ

ムによる)。増量しなかった患者では増量した患者と比べて、ベースライン時の LDL-C が低かった。増量

しなかった患者では、LDL-C のベースラインからの変化率(平均値 ± 標準偏差)は投与後 12 週時で−57.6 ± 19.9%であり、投与後 24 週時も維持されていた(−54.7 ± 24.3%)。増量した患者では、LDL-C のベー

スラインからの変化率は投与後12週時で−30.1 ± 33.5%であり、投与後24週時には更に低下していた(−42.5 ± 33.7%)。

ITT 解析におけるベースラインから投与後 52 週時までの LDL-C の変化率(調整平均)は、アリロクマブ群

で−49.5%、エゼチミブ群で−18.3%であり、エゼチミブ群と比べてアリロクマブ群で統計学的に有意に低

下し、LDL-C 変化率の群間差は−31.2%であった。On-treatment 解析からもほぼ同程度の有効性が認められ、

ベースラインから投与後 52 週時までの LDL-C 変化率(調整平均)の群間差は−32.2%であった。

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

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治験実施計画書の識別コード:EFC11569

ITT 解析におけるベースラインから投与後 12、24 及び 52 週時までの LDL-C の変化量の群間差(調整平均)

は、それぞれ−29.0 mg/dL(−0.752 mmol/L)、−30.9 mg/dL(−0.801 mmol/L)及び−32.0 mg/dL(−0.828 mmol/L)であり、すべての時点でエゼチミブ群よりアリロクマブ群で大きく低下した。投与後 24 週時の LDL-C 値

は、エゼチミブ群で 82.5 mg/dL(2.138 mmol/L)に対してアリロクマブ群で 51.6 mg/dL(1.337 mmol/L)であった。

ITT 解析での投与後 12 週時(増量前)に LDL-C が目標値[70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満]に達した患者

の割合は、エゼチミブ群(46.2%)と比べてアリロクマブ群(77.2%)で高かった。

ITT 解析での投与後 24 週時に LDL-C が目標値[70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満]に達した患者の割合にお

いても、エゼチミブ群(45.6%)と比べてアリロクマブ群(77.0%)で高かった。投与後 24 週時に LDL-Cがベースラインから 50%以上低下した患者の割合においても、エゼチミブ群(8.9%)と比べてアリロクマ

ブ投与(62.2%)で高かった。

LDL-C値が2回連続で25 mg/dL(0.65 mmol/L)未満であった患者の割合は、アリロクマブ群で22.8%(105 名)

であり、エゼチミブ群では認められなかった。そのうちアリロクマブ群の 6.7%(31 名)は LDL-C 値が 2 回連続で 15 mg/dL(0.39 mmol/L)未満となった。

主要有効性評価項目のサブグループ解析(ITT 解析)の結果から、アリロクマブ群ではエゼチミブ群と比べ

て、人口統計学的特性及びベースライン特性によらず、ベースラインから投与後 24 週時までに LDL-C の

一貫した低下が認められた。ベースラインの HDL-C 値においては量的交互作用がみられた。

Apo B、non-HDL-C 及び Total-C についても、LDL-C と同様に、エゼチミブ群と比べてアリロクマブ群で

投与後 12 及び 24 週時に有意に低下した。また、投与後 24 週時に、Lp(a)は有意に低下し、HDL-C 及び

Apo A-1 は有意に上昇した。空腹時 TG については、投与後 24 週時において統計学的な有意差は認められ

なかった。その結果、階層手順に従い、他の重要な副次評価項目(投与後 12 及び 24 週時の Apo A-1 並び

に投与後 12 週時の Lp(a)、HDL-C 及び TG の変化率)について正式な統計学的検定は実施されなかった。

投与後 52 週時の結果は、投与後 24 週時に得られた結果と一致していた。

安全性の結果:

曝露量は投与群間で同程度であり、平均曝露期間(中央値)は、アリロクマブ群で約 60 週間、エゼチミブ

群が 59 週間であった。

SAE(死亡を含む)の発現割合は、両投与群で同程度であった(アリロクマブ群18.8%、エゼチミブ群17.8%)。

治験期間中にアリロクマブ群で 2 名、エゼチミブ群で 4 名の死亡が報告されたが、いずれも治験薬との因

果関係は否定された。非致死的な SAE が 5 名(アリロクマブ群 4 名、エゼチミブ群 1 名)に認められ、こ

れらは治験薬との因果関係が否定できないと判断された。投与中止に至った TEAEは、エゼチミブ群(5.4%、

13 名)と比べてアリロクマブ群(7.5%、36 名)で高かったが、PT レベルで臨床的に明らかな傾向は見ら

れなかった。

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

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治験実施計画書の識別コード:EFC11569

TEAE は、アリロクマブ群 71.2%(341 名)、エゼチミブ群 67.2%(162 名)に認められた。患者の 10%以上、又は 3%以上 10%未満で認められた TEAE(SOC)のうち、筋骨格系および結合組織障害(アリロ

クマブ群 19.6%、エゼチミブ群 17.0%;PT レベルで臨床的に明らかな傾向はなし)を除き、アリロクマブ

群とエゼチミブ群との間に意味のある差(2%以上)は見られなかった。アリロクマブ群で患者の 3%以上

に認められ、エゼチミブ群より発現割合が高かった TEAE(PT)は、上気道感染(アリロクマブ群、エゼ

チミブ群でそれぞれ 6.5%、5.8%)、頭痛(4.4%、4.1%)、関節痛(4.0%、3.7%)、鼻咽頭炎(3.8%、

3.7%)及びインフルエンザ(3.5%、2.9%)であった。エゼチミブ群で患者の 3%以上に認められ、アリロ

クマブ群より発現割合が高かった TEAE(PT)は、偶発的過量投与(6.3%、6.6%)、浮動性めまい(4.8%、

5.4%)、筋肉痛(4.4%、5.0%)、高血圧(3.8%、4.1%)、狭心症(2.5%、4.6%)及び副鼻腔炎(0.8%、

3.3%)であった。発現割合は低いが、慢性閉塞性肺疾患がアリロクマブ群の 1.7%(8 名)に認められ、エ

ゼチミブ群では認められなかった(これらのうち 3 名は SAE として報告されたが、投与中止に至った事象

はなかった)。

治験薬投与期間中に心血管イベントが 32 名に認められた[アリロクマブ群 4.8%(23 名)、エゼチミブ群

3.7%(9 名)]。発現割合が高かった心血管イベントは、虚血による冠動脈血行再建術(アリロクマブ群

3.3%、エゼチミブ群 1.7%)及び非致死性心筋梗塞(アリロクマブ群 2.5%、エゼチミブ群 1.2%)であっ

た。

AESI のうち、全身性アレルギー性の TEAE がアリロクマブ群の 6.3%(30 名)及びエゼチミブ群の 5.0%(12 名)に認められた。そのうちアリロクマブ群の 1 名に過敏性血管炎(シャンバーグ病)が認められ、

治験薬の投与を中止した。全身性アレルギー性の SAE はアリロクマブ群の 0.2%及びエゼチミブ群の 0.4%に認められ、両投与群ともに 0.8%が治験薬の投与を中止した。局所注射部位反応の TEAE がアリロクマブ

群の 2.5%(12 名)及びエゼチミブ群(プラセボ注射)の 0.8%(2 名)に認められた(重症度はアリロク

マブ群の中等度の 1 名を除き、すべて軽度)。

本治験において、溶血性貧血、妊娠及び症候性の過量投与は認められなかった。

PCSA に該当する ALT の増加がアリロクマブ群の患者の 2.1%(10 名)及びエゼチミブ群の 0.4%(1 名)

に認められた。また、SMQ の「肝障害」に分類される TEAE がアリロクマブ群の患者の 2.5%(12 名)及

びエゼチミブ群の 3.7%(9 名)に認められた。肝障害に関連する TEAE のうち も多く認められた TEAE(PT)は ALT 増加であり(アリロクマブ群 0.8%、エゼチミブ群 1.2%)、そのうちアリロクマブ群の 0.6%(3 名)及びエゼチミブ群の 0.4%(1 名)が治験薬の投与を中止した。

眼科学的事象がアリロクマブ群の 1.3%(6 名)及びエゼチミブ群の 0.8%(2 名)に認められ、アリロクマ

ブ群の 0.2%(1 名)に SAE と判断される網膜剥離が認められた。これらの TEAE で治験の中止に至った

ものはなかった。

神経学的事象がアリロクマブ群の 2.7%(13 名)及びエゼチミブ群の 2.9%(7 名)に認められ、各投与群

の PT ごとの発現頻度はすべて 2 名以下であった。これらのうち、アリロクマブ群の 2 名(感覚障害、横

断性脊髄炎)が SAE として報告され、横断性脊髄炎の 1 名は治験薬の投与を中止した。

神経認知学的事象がアリロクマブ群の 0.8%(4 名)及びエゼチミブ群の 1.2%(3 名)に認められた。これ

らのうち、アルツハイマー型認知症(アリロクマブ群の 1 名)、錯乱状態及び一過性全健忘(エゼチミブ

群の 1 名)が SAE として報告された。

LDL-C値が2回連続で25 mg/dL(0.65 mmol/L)未満であった患者の割合はアリロクマブ群で22.8%(105 名)

であり、そのうち 31 名は LDL-C 値が 2 回連続で 15 mg/dL(0.39 mmol/L)未満となったが、これらの患

者に安全性に関する特定の懸念は認められなかった。

アリロクマブ群の 27 名の患者において、TEAE 期間に抗アリロクマブ抗体陽性が認められた。これらの患

者のうち 16 名に TEAE が認められたが、アリロクマブ群の抗アリロクマブ抗体陰性の患者から認められた

TEAE と異なるものではなかった。

(electronic

3.0)

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治験実施計画書の識別コード:EFC12492

治験薬以外の薬剤:

以下の薬剤は、基礎治療薬又は救済治療として使用される可能性のある薬剤であるため、治験薬以外の薬

剤として扱った。

スタチン(ロスバスタチン、アトルバスタチン、シンバスタチン)、小腸コレステロールトランスポータ

ー阻害薬(エゼチミブ)、陰イオン交換樹脂(コレスチラミン、コレスチポール、コレセベラム)、ニコ

チン酸、フェノフィブラート及びオメガ-3 脂肪酸(1 日 1000 mg 以上)。

投与期間:78 週間。治験実施計画書に従い、 後の患者の投与後 52 週の来院日をカットオフ日とした一

次解析を行った。 終解析は治験終了時(78 週間の二重盲検下投与後)に行う。

観察期間:約 89 週間(20 ヵ月間)[スクリーニング期間 3 週間、二重盲検投与期間 78 週間、フォローア

ップ期間 8 週間(継続投与試験に不参加の患者又は治験を中止した患者)]

評価基準:

有効性:

主要評価項目:投与の遵守を問わずすべての LDL-C 値を用いた ITT 集団におけるベースラインから投与後

24 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(ITT estimand)。

重要な副次評価項目は、多重性を考慮した階層的検定手順を用い、以下に示すとおり ITT estimand 又は

on-treatment estimand を用いた。

• ITT estimand:投与の遵守を問わずすべての脂質の値を用いて ITT 集団について解析

• On-treatment estimand:有効性評価期間に得られた脂質の値を用いて mITT 集団について解析

重要な副次評価項目:

• ベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Apo B の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Apo B の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの non-HDL-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの non-HDL-C の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Total-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Apo B の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの non-HDL-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Total-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 52 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(ITT estimand)

• 投与後 24 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した心血管リスクの極めて

高い患者又は LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した心血管リスクの高い患者の

割合(ITT estimand)

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

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治験実施計画書の識別コード:EFC12492

• 投与後 24 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した心血管リスクの極めて

高い患者又は LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した心血管リスクの高い患者の

割合(on-treatment estimand)

• 投与後 24 週時に LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 24 週時に LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した患者の割合(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Lp(a)の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの HDL-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの空腹時 TG の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Apo A-1 の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Lp(a)の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの HDL-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの空腹時 TG の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Apo A-1 の変化率(ITT estimand)

注:心血管リスクの分類については、以下に示すように、「高い」及び「極めて高い」と定めた。

- 心血管リスクの極めて高い患者:冠動脈疾患又は同等のリスクを有するヘテロ接合性家族性高

コレステロール血症患者

- 心血管リスクの高い患者:上記以外のヘテロ接合性家族性高コレステロール血症患者

その他の副次評価項目:

• ベースラインから投与後 78 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(ITT estimand)

• 投与後 12、52 及び 78 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した心血管リ

スクの極めて高い患者又は LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した心血管リスク

の高い患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 12、24、52 及び 78 週時に、LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した患者

の割合(ITT estimand)

• 投与後 12、52 及び 78 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した患者の割

合(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12、24、52 及び 78 週時までの LDL-C(計算値、mg/dL 及び mmol/L)の変

化量(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 52 及び 78 週時までの Apo B、non-HDL-C、Total-C、Lp(a)、HDL-C、空腹時

TG 及び Apo A-1 の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12、24、52 及び 78 週時までの Apo B/Apo A-1 比の変化量(ITT estimand)

• 投与後 12、24、52及び 78週時に、Apo B値が 80 mg/dL(0.8 g/L)未満に達した患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 12、24、52 及び 78 週時に、non-HDL-C 値が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した患者の

割合(ITT estimand)

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

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治験実施計画書の識別コード:EFC12492

• 投与後 12、24、52 及び 78 週時に、non-HDL-C 値が 130 mg/dL(3.37 mmol/L)未満に達した患者の

割合(ITT estimand)

• 投与後 12、24、52 及び 78 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した又は

LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)以上の場合は LDL-C(計算値)がベースラインから 50%以上低下した心血管リスクの極めて高い患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 12、24、52 及び 78 週時に、LDL-C(計算値)がベースラインから 50%以上低下した患者の割

合(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12、24、52 及び 78 週時までの Total-C/HDL-C 比の変化量(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 及び 24 週時までの Total-C の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Apo B の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの non-HDL-C の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 及び 24 週時までの Lp(a)の変化率(on-treatment estimand)

• 投与後 24 週時に LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した患者の割合(on-treatment estimand)

安全性:

TEAE(SAE 及び AESI を含む)、心血管イベント、死亡、臨床検査(血液学的検査、生化学的検査、C 型肝炎抗体、肝パネル及び CPK)、バイタルサイン、ECG

その他:

hs-CRP、HbA1c、抗アリロクマブ抗体、薬物動態、25 mg/dL(0.65 mmol/L)未満の LDL-C 値、15 mg/dL(0.39 mmol/L)未満の LDL-C 値及び EQ-5D 質問票を用いて評価した QOL

薬物動態/薬力学用検体の採取時間及び分析方法:

総アリロクマブ濃度(遊離アリロクマブと PCSK9 に結合したアリロクマブ)は、バリデートされた ELISA(LLOQ 0.078 µg/mL)を用いて測定した。

総及び遊離 PCSK9 濃度は、バリデートされた ELISA を用いて測定した(LLOQ はそれぞれ 0.156 µg/mL及び 0.0312 µg/mL)。

抗アリロクマブ抗体測定用検体は、バリデートされた非定量的な抗体価ベースのイムノアッセイ法を用い

て分析した。本測定法は、スクリーニング、確認試験及び抗体価の測定の 3 段階よりなる。陽性対照に基

づく測定法の感度は約 5.6 ng/mL であった。

抗アリロクマブ抗体が陽性の検体は、バリデートされた非定量的競合リガンド結合測定法を用いて、中和

抗体を評価した。陽性対照に基づく測定法の感度は 470 ng/mL であった。

統計手法:

症例数の決定:

LDL-C の変化率の母平均の群間差を 30%、その標準偏差(両群共通)を 25%、主要評価項目がすべての患

者で評価可能と仮定するとき、有意水準 5%(両側)のもとで検出力 95%を確保するためには、45 名(ア

リロクマブ群 30 名、プラセボ群 15 名)が必要である。

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 268

治験実施計画書の識別コード:EFC12492

しかしながら本治験計画を通して規制要件を満たすため、症例数を増加しアリロクマブの安全性を評価し

た。本治験で 12 ヵ月間アリロクマブを投与される患者を 225 名以上確保するには、治験開始後 3 ヵ月間の

脱落率を 10%、残りの 9 ヵ月間の脱落率を 20%と仮定し、割付け比 2:1 でランダム化する場合、 終的

に必要な全症例数は 471 名であった(アリロクマブ群 314 名、プラセボ群 157 名)。

解析対象集団:

主要有効性解析対象集団は ITT 集団とした。ITT 集団は、ランダム化された集団のうち主要評価項目が評価

可能、すなわち、ベースラインの LDL-C 値(計算値)を有し、治験薬投与の有無を問わず、投与後 24 週

時までに 1 時点の analysis window 内で 1 つ以上の LDL-C 値(計算値)を有する患者集団と定義した。ITT estimand の解析は、ITT 集団について実施した。

副次有効性解析対象集団は mITT 集団とした。mITT 集団は、ランダム化された集団のうち二重盲検下で治

験薬を少なくとも 1 回量又は一部を投与され、有効性評価期間での主要評価項目が評価可能、すなわち、

ベースラインの LDL-C(計算値)を有し、投与後 24 週時までに 1 時点の analysis window 内で 1 つ以上の

有効性評価期間内の LDL-C 値(計算値)を有する患者と定義した。On-treatment estimand の解析は、mITT集団について実施した。

安全性解析対象集団は、ランダム化された集団のうち二重盲検下で治験薬を少なくとも 1 回量又は一部を

投与された集団とした。

抗体解析対象集団は、ランダム化され、治験薬を投与された集団(安全性解析対象集団)のうち、ベース

ライン時の抗体が評価可能で、二重盲検下での治験薬初回投与後に少なくとも 1 回以上抗体が評価可能な

集団とした。

PK 解析対象集団は、ランダム化され、治験薬を投与された集団(安全性解析対象集団)のうち、二重盲検

下での治験薬初回投与後に評価可能な血液検体を 1 つ以上採取された集団とした。

QOL 解析対象集団は、ランダム化され、治験薬を投与された集団(安全性解析対象集団)のうち、EQ-5D質問票の 5 項目のうちのいずれかについて、投与後 52 週時までに 1 時点の analysis window 内でベースラ

イン及び 1 回以上のベースライン後の評価が行われた患者とした。

有効性解析:

有効性評価項目の主要解析を、患者が治療を継続していたかにかかわらず、すべての脂質データを含めた

ITT アプローチ(上記で定義した ITT 集団に基づく)により行った。これは、主要評価項目及び副次評価項

目において定義した ITT estimand に対応する。また、有効性評価期間に得られた脂質データを含めた

on-treatment アプローチ(上記で定義した mITT 集団に基づく)による解析を行った。これは副次評価項目

で定義した on-treatment estimand に対応する。

ITTアプローチでは、投与の遵守状況によらずすべての患者のデータを解析してそのベネフィットを評価し、

可能な限り患者の母集団における効果を 大限に反映した。On-treatment アプローチでは患者が実際に投

与された期間に限定して治療効果を解析し、各時点まで治療を遵守した患者において得られるベネフィッ

トを評価した。

有効性は、ランダム化により割り付けられた投与群に基づき解析した。

測定項目は、規定時又は規定外、絶食下か否かを問わず、すべて analysis window 内に割り当て、投与後 4 週時から 78 週時までの時点で評価した。

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

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治験実施計画書の識別コード:EFC12492

ベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C(計算値)の変化率は、MMRM を用いて解析した。投与後

4 週時から 52 週時までの analysis window 内で利用可能なすべてのベースライン後データが用いられ、欠

測データが MMRM モデルを用いて説明された。本モデルには、カテゴリカル変数の固定効果として投与群

(アリロクマブ又はプラセボ)、ランダム化因子(IVRS による)、時点(投与後 4 週時から 52 週時まで)、

投与群と時点の交互作用、ランダム化因子と時点の交互作用を用い、連続変数の固定効果としてベースラ

インの LDL-C 値及びベースライン値と時点の交互作用を用いた。本モデルから、ベースラインで調整した

両投与群の投与後 24 週時の平均値、対応する標準誤差及び 95%CI を得た。アリロクマブ群とプラセボ群

から得られたデータを比較するため、適切な対比を用い、有意水準 5%として、これらの推定値の差を検定

した。

第 1 種過誤確率を 5%に制御し、複数の評価項目を取り扱うため、重要な副次評価項目の上述した順序に従

い治験実施計画書で事前に規定した階層手順を用いた。

• 正規分布に従うことが想定される連続変数の副次評価項目(TG、Lp(a)以外の脂質)は、主要評価項目

と同様に MMRM モデルを用いて解析した。

• 非正規分布に従うことが想定される連続変数の副次評価項目(TG、Lp(a))は、欠測値を扱うために多

重代入法を用いた後、群間比較を行うために、対象とする評価項目を反応変数、投与群、(IVRS によ

る)ランダム化因子、対応するベースラインを効果として、M-推定量によるロバスト回帰モデル(SAS ROBUSTREG プロシージャを使用)により解析した。両群における平均について、統合された推定値

とその群間差及びそれらの対応する標準誤差、95%CI、p 値を求めた(SAS MIANALYZE プロシージャ

を使用)。

• 2 値変数の有効性副次評価項目は、欠測値の対応のために多重代入法を用いた後、投与群を主効果、対

応するベースライン値を共変量として、(IVRS による)ランダム化因子を層とした層別ロジスティッ

ク回帰により解析した。プラセボ群に対するオッズ比について統合された推定値、95%CI、p 値を求め

た(SAS MIANALYZE プロシージャを使用)。データによりロジスティック回帰が適用できない場合

(例えば、一方の投与群の反応割合が 1 で 尤推定値が存在しない場合)は、欠測値を扱うために LOCF法を用い、群間比較を行うために exact conditional logistic regression を適用した。

安全性解析:

安全性解析は記述的に行い、安全性解析対象集団について実際に投与された群に基づいて実施した。安全

性の解析は、治験薬の二重盲検下の初回投与から 終投与後 70 日までの期間(TEAE 期間)について行っ

た。非盲検の継続投与試験(LTS13463 試験)で発現、悪化、又は重篤となった TEAE 及び PCSA につい

ては本試験の TEAE 期間に含めなかった。また、TEAE 期間は共通のカットオフ日までとした。

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

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治験実施計画書の識別コード:EFC12492

解析の時期:

解析は 2 段階で実施した。

• 一次解析:投与後 52 週時までの有効性解析及び安全性の中間解析

一次解析は、ランダム化されたすべての患者を対象に、投与後 52 週の analysis window までのすべて

の脂質データが収集され、バリデートされた後に行った。投与後 52 週時までの有効性評価項目の解析

は各時点における有効性評価項目の 終解析であり、投与後 52 週を超えた脂質データは記述的な解析

を行った。安全性解析は、共通のカットオフ日までに収集され、バリデートされたすべての安全性デ

ータについて行った。本解析について共通のカットオフ日を 後の患者の投与後 52 週時の来院日とし

た。

一次解析結果によって、進行中の治験の実施にいかなる変更も生じなかった。有効性の主要評価項目

及び重要な副次評価項目の解析は一次解析時にすべての患者で実施したため、一次解析と二次解析の

ための多重性の調整は不要であった。

• 二次解析: 終解析

二次解析は治験の終了時に行うこととし、投与後 52 週以降の有効性データ及び安全性の 終解析を行

う。

要約:

集団の特性:

ベースライン時の人口統計学的特性、疾患特性及び脂質パラメータは投与群間で同様であった。患者の約

半数(アリロクマブ群の 50.8%、プラセボ群の 52.1%)が、冠動脈疾患、他の心血管疾患又はその他の重

要なリスク因子の既往を有していた。ほとんどすべての患者が 大耐用量のスタチンを使用しており(患

者の83.3%がアトルバスタチン40~80 mg/日、ロスバスタチン20~40 mg/日又はシンバスタチン80 mg/ 日を使用)、61.1%がエゼチミブ等のスタチン以外の脂質低下療法を受けていた。強力な脂質低下療法を受

けているにもかかわらず、ベースライン時の LDL-C(計算値)の平均値 ± 標準偏差は、144.6 ± 49.7 mg/dL(3.746 ± 1.287 mmol/L)であった。

有効性の結果:

アリロクマブは、本治験で対象としたヘテロ接合性家族性高コレステロール血症患者に対して有効であり、

主要評価項目及びすべての重要な副次評価項目を満足する結果が得られた。

主要評価項目の解析-ITT 解析

ITT アプローチにより、投与の遵守状況によらずすべての患者からのデータを解析してそのベネフィットを

評価し、患者集団における効果を 大限に反映した。

主要有効性評価項目であるベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C の変化率(調整平均)は、アリ

ロクマブ群で−48.8%、プラセボ群で 9.1%であり、プラセボ群と比べてアリロクマブ群で大きく低下した。

プラセボ群に対する群間差(95%CI)は−57.9%(−63.3; −52.6%)で、臨床的に意味のある統計学的に有

意な差が見られた(p<0.0001)。

アリロクマブ群では、LDL-C は投与後 4 週時(投与後 初の測定時点)から低下し、投与後 52 週時まです

べての時点で維持された。

感度分析では、欠測データの取扱いによらず、頑健な治療効果が示された。

(electronic

3.0)

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副次評価項目及びその他の評価項目の解析

On-treatment アプローチにより、患者が実際に投与された期間に限定した治療効果を解析し、評価時点で

達成される治療のベネフィットを評価した。

On-treatment 解析でも、ベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C の変化率(調整平均)は、アリロ

クマブ群で−49.3%、プラセボ群で 8.8%であり、プラセボ群と比べてアリロクマブ群で大きく低下した。

LDL-C 変化率の群間差は−58.1%であり(p<0.0001)、ITT 解析と一貫した結果が得られた。

アリロクマブに割り付けられたすべての患者は投与後 12 週時までアリロクマブ 75 mg Q2W を投与される

ため、投与後 12週時におけるアリロクマブ 75 mg Q2W 投与の LDL-Cに対する効果をプラセボと比較した。

ITT 解析でのベースラインから投与後 12 週時までの LDL-C の変化率(調整平均)は、アリロクマブ群で

−43.5%、プラセボ群で 5.7%であり、プラセボ群と比べてアリロクマブ群で統計学的に有意に低下した。

LDL-C 変化率の群間差(95%CI)は−49.2%(−53.9; −44.5%)であった(p<0.0001)。On-treatment 解析

でも、ベースラインから投与後 12 週時までの LDL-C 変化率(調整平均)の群間差(95%CI)は−49.5%(−54.2; −44.8%)で、ITT 解析と同様の結果が得られた(p<0.0001)。

アリロクマブ群では、投与後 12 週以降に 1 回以上投与された患者のうち、43.4%(135 名)が投与後 12 週時に150 mg Q2W投与へ増量した。増量しなかった患者では増量した患者と比べて、ベースライン時のLDL-Cが低く、12 週時までに LDL-C が大きく低下した。増量した患者では、LDL-C が投与後 12 週時と比べ投与

後 24 週時に更に低下した。

ITT 解析におけるベースラインから投与後 12、24 及び 52 週時までの LDL-C の変化量の群間差(調整平均)

は、それぞれ−70.3 mg/dL(−1.821 mmol/L)、−84.3 mg/dL(−2.183 mmol/L)及び−80.1 mg/dL(−2.075 mmol/L)であり、すべての時点でプラセボ群よりアリロクマブ群で大きく低下した。アリロクマブ群での LDL-C の

低下は投与後 4 週時から認められ、その後治験期間を通して投与後 52 週時まで維持された。

投与後 24 週時に LDL-C 値が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した心血管リスクの極めて高い患者又は

100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した心血管リスクの高い患者の割合は、プラセボ群(2.4%)と比べて

アリロクマブ群(72.2%)で有意に高かった(p<0.0001)。投与後 24 週時に LDL-C 値が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した患者の割合は、アリロクマブ群では 59.8%であったのに対し、プラセボ群では 0.8%であった。

LDL-C 値が 2 回連続で 25 mg/dL(0.65 mmol/L)未満であった患者の割合は、アリロクマブ群で 5.0%(16 名)

であった。そのうちアリロクマブ群の 1.9%(6 名)の患者は LDL-C 値が 2 回連続で 15 mg/dL(0.39 mmol/L)未満であった。

主要有効性評価項目のサブグループ解析(ITT 解析)の結果から、アリロクマブ群ではプラセボ群と比べて、

人口統計学的特性及びベースライン特性によらず、ベースラインから投与後 24 週時までに LDL-C の一貫

した低下が認められた。アリロクマブ群において臨床的に関連があると考えられる交互作用は性別に認め

られたが、性別にかかわらず臨床的に意味のある LDL-C の低下が認められた。

Apo B、non-HDL-C 及び Total-C についても、LDL-C と同様に、プラセボ群と比べてアリロクマブ群で投

与後 12 及び 24 週時に有意に低下した。また、投与後 12 及び 24 週時に、Lp(a)及び空腹時 TG はベースラ

インから有意に低下し、HDL-C 及び Apo A-1 は有意に上昇した。投与後 52 週時の結果は投与後 24 週時に

得られた結果と一致していた。

(electronic

3.0)

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安全性の結果:

曝露量は投与群間で同程度であり、曝露期間(平均値)は両群とも 59 週間であった。全般的に、安全性に

関する特定の懸念は認められなかった。TEAE 及び治験薬の投与中止に至った TEAE の発現割合は、投与

群間で同程度であった。死亡に至った TEAE はアリロクマブ群の 1.2%(4 名)で報告されたが、プラセボ

群では認められなかった。

TEAE は、アリロクマブ群で 77.3%(249 名)、プラセボ群で 74.8%(122 名)に認められた。アリロク

マブ群で多く認められた TEAE(SOC)は、感染症および寄生虫症(40.1%)、筋骨格系および結合組織

障害(22.4%)、一般・全身障害および投与部位の状態(19.3%)であった。プラセボ群で多く認められた

TEAE(SOC)は、感染症および寄生虫症(36.8%)、筋骨格系および結合組織障害(25.2%)、一般・全

身障害および投与部位の状態(20.2%)であった。

アリロクマブ群において多く(いずれかの投与群で発現割合が 3%以上であり、投与群間で発現割合の差が

2%以上)認められた TEAE(PT)は、注射部位反応(アリロクマブ群、プラセボ群でそれぞれ 11.8%、9.8%)、

鼻咽頭炎(9.9%、6.7%)及び筋痙縮(3.1%、0.6%)であった。プラセボ群で多く認められた TEAE(PT)は、筋痛(2.2%、4.3%)、CPK(1.2%、4.3%)、咳嗽(1.2%、3.7%)及び頚部痛(0.3%、3.1%)であ

った。TEAE の重症度は全体として軽度又は中等度であった。

TEAE 期間中にアリロクマブ群で 4 名[心筋梗塞 2 名(心突然死と判定された 1 名を含む)、トルソー症

候群を合併した遠隔転移を伴う膵癌 1 名及び遠隔転移を伴う非小細胞肺癌 1 名]の死亡が報告されたが、

プラセボ群では認められなかった。いずれの死亡例も治験薬との因果関係は否定された。

SAE がアリロクマブ群の 12.1%及びプラセボ群の 9.2%に認められた。個々の TEAE(PT)の発現頻度は

おおむね低く、悪性新生物(アリロクマブ群 6 名、プラセボ群 0 名)も含め、特定の臨床的傾向は認めら

れなかった。2 名の SAE(筋骨格系胸痛、貨幣状湿疹)以外はすべて治験薬との因果関係が否定された。

18 名の患者[アリロクマブ群 3.1%(10 名)、プラセボ群 4.9%(8 名)]が TEAE により治験薬投与を中

止した。治験治療の中止に至った TEAE に特定の臨床的傾向は見られず、各 TEAE(PT)で 2 名以上に認

められた事象はなかった。

治験薬投与期間中に心血管イベントがアリロクマブ群 2.2%(7 名)、プラセボ群 1.2%(2 名)に認められ

た。 も多く認められた心血管イベントは虚血による冠動脈血行再建術であった[アリロクマブ群0.6%(2 名)、

プラセボ群 1.2%(2 名)]。

全身性アレルギー性の TEAE がアリロクマブ群の 7.5%(24 名)及びプラセボ群の 8.6%(14 名)に認め

られた。アリロクマブ群の貨幣状湿疹(SAE)の 1 名及びプラセボ群の過敏症の 1 名がそれぞれ治験を中

止した。

局所注射部位反応の TEAE がアリロクマブ群の 11.8%(38 名)及びプラセボ群の 9.8%(16 名)に認めら

れた。局所注射部位反応の多くは重症度が軽度であり、発現期間は短く、ほとんどの場合 1 回のみの発現

であった。注射部位反応により治験薬の投与中止に至った患者は認められなかった。

LDL-C 値が 2 回連続で 25 mg/dL(0.65 mmol/L)未満であった患者の割合はアリロクマブ群で 5.0%(16 名)

であったが、これらの患者に特定の安全性プロファイルは確認されなかった。

アリロクマブ群の 5.5%(17 名)で TEAE 期間に抗アリロクマブ抗体陽性が認められた。抗体陽性患者の

88.2%に TEAE が認められ、抗体陰性患者では 77.2%で認められた。2 名の患者のみで中和抗体陽性が認

められたが、いずれの患者も 1 回のみの発現であった。

(electronic

3.0)

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本治験において、溶血性貧血及び症候性の過量投与は認められなかった。女性患者の妊娠は認められなか

ったが、患者のパートナーの妊娠が 2 名で報告された。本治験に組み入れられた後に、C 型肝炎が認めら

れた患者はいなかった。SMQ の「肝障害」に分類される TEAE がアリロクマブ群の 2.8%(9 名)及びプ

ラセボ群の 1.8%(3 名)に認められた。3 名の TEAE(アルコール性肝炎、国際標準比増加及び肝酵素上

昇)が重篤とみなされ、このうち 1 名(肝酵素上昇)が治験薬の投与を中止した。また、非重篤な TEAE(トランスアミナーゼ上昇)の 1 名も治験薬の投与を中止した。これらの事象はすべてアリロクマブ群で

認められた。本治験で Hy’s law に該当する症例は認められなかった。

神経学的事象がアリロクマブ群の 2.2%(7 名)及びプラセボ群の 4.3%(7 名)で認められたが、特定の傾

向は認められなかった。神経認知学的事象がアリロクマブ群の 1 名(錯乱状態)及びプラセボ群の 2 名(ア

ルツハイマー型認知症及び健忘)で認められた。

眼科学的事象がアリロクマブ群の 0.6%(2 名)及びプラセボ群の 0.6%(1 名)に認められた。アリロクマ

ブ群の 1 名で認められた網膜動脈塞栓症は SAE とみなされた。

臨床検査パラメータ及びバイタルサインについて、臨床的に意義のある経時的な上昇又は低下傾向は認め

られなかった。投与期間のいずれの時点においても、PCSA の発現頻度について意味のある群間差は認め

られなかった。

CMQ の「糖尿病」に分類される TEAE がアリロクマブ群の 1.6%(5 名)及びプラセボ群の 1.8%(3 名)

に認められた。空腹時血糖及び HbA1c の変化量について、投与群間で臨床的に意義のある差異は認められ

なかった。

全般的に、TEAE の発現割合はアリロクマブの 75 mg 用量を維持した患者(68.2%)と 150 mg へ増量した

患者(69.6%)とで同程度であった。

本治験で対象とした一定の 1 日 大耐用量のスタチン療法(スタチン以外の脂質低下療法併用の有無は問

わない)でコントロール不十分なヘテロ接合性家族性高コレステロール血症患者集団において、アリロク

マブ 75 mg Q2W 投与及び治療目標に達しない患者への 150 mg Q2W までの増量投与によるスタチンとの

併用療法は良好な安全性プロファイルを示した。

薬物動態の結果:

アリロクマブの平均 Ctroughは、75 mg Q2W から 150 mg Q2W へ増量したとき、用量比例性をわずかに上

回る増加を示した。

ベースライン時の遊離 PCSK9 濃度は、増量した患者と増量しなかった患者とで同程度であった。アリロク

マブ 75 mg Q2W 投与開始後 12 週間で遊離 PCSK9 濃度は大きく低下し、増量した患者と増量しなかった

患者とでは同じような低下傾向を示したが、アリロクマブを 150 mg Q2W 投与へ増量することにより遊離

PCSK9 濃度は更に低下した。

治験薬投与下で抗アリロクマブ抗体陽性反応がアリロクマブ群の 5.2%(16 名)で認められ、そのうち 6 名は持続的、10 名は一過性であった。1 名の患者が抗体価 3840 を示し、2 名が抗体価 480 を示した。その他

の抗アリロクマブ抗体陽性検体の反応は低く、抗体価 240 を超える検体はなかった。中和抗体陽性が報告

された患者は 2 名のみであり、いずれも発現は非連続的であった。アリロクマブの増量後、治験薬投与下

で新たに抗アリロクマブ抗体反応を示した患者はいなかった。抗アリロクマブ抗体陽性反応を示した患者

はすべて 終評価時(投与後 24 週時又は 52 週時)には陰性となった。全般的に抗アリロクマブ抗体の産

生は、アリロクマブの薬物動態又は本剤の LDL-C に対する効果に影響を及ぼさないと考えられた。

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治験実施計画書の識別コード:EFC12732

評価基準:

有効性:

主要評価項目:投与の遵守を問わずすべての LDL-C 値を用いた ITT 集団におけるベースラインから投与後

24 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(ITT estimand)。

重要な副次評価項目は、多重性を考慮した階層的検定手順を用い、以下に示すとおり ITT estimand 又は

on-treatment estimand を用いた。

• ITT estimand:投与の遵守を問わずすべての脂質の値を用いて ITT 集団について解析

• On-treatment estimand:有効性評価期間に得られた脂質の値を用いて mITT 集団について解析

重要な副次評価項目:

• ベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(ITT estimand 及び on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Apo B の変化率(ITT estimand 及び on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後24週時までのnon-HDL-Cの変化率(ITT estimand及びon-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Total-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Apo B、non-HDL-C 及び Total-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 52 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(ITT estimand)

• 投与後 24 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した心血管リスクの極めて

高い患者又は LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した心血管リスクの高い患者の

割合(ITT estimand 及び on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24週時までの Lp(a)、HDL-C、空腹時TG及びApo A-1の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12週時までの Lp(a)、HDL-C、空腹時TG及びApo A-1の変化率(ITT estimand)

• 投与後 24 週時に LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した患者の割合(ITT estimand及び on-treatment estimand)

注:心血管リスクの分類については、以下に示すように、「高い」及び「極めて高い」と定めた。

- 心血管リスクの極めて高い患者:冠動脈疾患又は同等のリスクを有するヘテロ接合性家族性高

コレステロール血症患者

- 心血管リスクの高い患者:上記以外のヘテロ接合性家族性高コレステロール血症患者

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3.0)

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治験実施計画書の識別コード:EFC12732

その他の副次評価項目:

• ベースラインから投与後 78 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(ITT estimand)

• 投与後 12、52 及び 78 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した心血管リ

スクの極めて高い患者又は LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した心血管リスク

の高い患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 12、24、52 及び 78 週時に、LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した患者

の割合(ITT estimand)

• 投与後 12、52 及び 78 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した患者の割

合(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12、24、52 及び 78 週時までの LDL-C(計算値、mg/dL 及び mmol/L)の変

化量(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 52 及び 78 週時までの Apo B、non-HDL-C、Total-C、Lp(a)、HDL-C、空腹時

TG 及び Apo A-1 の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12、24、52 及び 78 週時までの Apo B/Apo A-1 比の変化量(ITT estimand)

• 投与後 12、24、52及び 78週時に、Apo B値が 80 mg/dL(0.8 g/L)未満に達した患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 12、24、52 及び 78 週時に、non-HDL-C 値が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した患者の

割合(ITT estimand)

• 投与後 12、24、52 及び 78 週時に、non-HDL-C 値が 130 mg/dL(3.37 mmol/L)未満に達した患者の

割合(ITT estimand)

• 投与後 12、24、52 及び 78 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した又は

LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)以上の場合は LDL-C(計算値)がベースラインから 50%以上低下した心血管リスクの極めて高い患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 12、24、52 及び 78 週時に、LDL-C(計算値)がベースラインから 50%以上低下した患者の割

合(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12、24、52 及び 78 週時までの Total-C/HDL-C 比の変化量(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 及び 24 週時までの Total-C の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Apo B の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの non-HDL-C の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 及び 24 週時までの Lp(a)の変化率(on-treatment estimand)

• 投与後 24 週時に LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した患者の割合(on-treatment estimand)

安全性:

TEAE(SAE 及び AESI を含む)、心血管イベント、死亡、臨床検査(血液学的検査、生化学的検査、C 型肝炎抗体、肝パネル及び CPK)、バイタルサイン、ECG

その他:

hs-CRP、HbA1c、抗アリロクマブ抗体、25 mg/dL(0.65 mmol/L)未満の LDL-C 値、15 mg/dL(0.39 mmol/L)未満の LDL-C 値及び EQ-5D 質問票を用いて評価した QOL

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

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治験実施計画書の識別コード:EFC12732

統計手法:

症例数の決定:

LDL-C の変化率の母平均の群間差を 30%、その標準偏差(両群共通)を 25%、主要評価項目がすべての患

者で評価可能と仮定するとき、有意水準 5%(両側)のもとで検出力 95%を確保するためには、45 名(ア

リロクマブ群 30 名、プラセボ群 15 名)が必要である。一次解析時点で 12 ヵ月間アリロクマブを投与され

る患者を 50 名以上確保するには、治験開始後 3 ヵ月間の脱落率を 10%、3~12 ヵ月間の脱落率を 20%と

仮定し、割付け比 2:1 でランダム化する場合、 終的に必要な全症例数は 105 名であった(アリロクマブ

群 70 名、プラセボ群 35 名)。

解析対象集団:

主要有効性解析対象集団は ITT 集団とした。ITT 集団は、ランダム化された集団のうち主要評価項目が評価

可能、すなわち、ベースラインの LDL-C 値(計算値)を有し、治験薬投与の有無を問わず、投与後 24 週

時までに 1 時点の analysis window 内で 1 つ以上の LDL-C 値(計算値)を有する患者集団と定義した。ITT estimand の解析は、ITT 集団について実施した。

副次有効性解析対象集団は mITT 集団とした。mITT 集団は、ランダム化された集団のうち二重盲検下で治

験薬を少なくとも 1 回量又は一部を投与され、有効性評価期間での主要評価項目が評価可能、すなわち、

ベースラインの LDL-C(計算値)を有し、投与後 24 週時までに 1 時点の analysis window 内で 1 つ以上の

有効性評価期間内の LDL-C 値(計算値)を有する患者と定義した。なお、有効性評価期間は、二重盲検下

の治験薬初回投与から 終投与後 21 日までの期間とした。On-treatment estimand の解析は、mITT 集団に

ついて実施した。

安全性解析対象集団は、ランダム化された集団のうち二重盲検下で治験薬を少なくとも 1 回量又は一部を

投与された集団とした。

抗体解析対象集団は、ランダム化され、治験薬を投与された集団(安全性解析対象集団)のうち、ベース

ライン時の抗体が評価可能で、二重盲検下での治験薬初回投与後に少なくとも 1 回以上抗体が評価可能な

集団とした。

QOL 解析対象集団は、ランダム化され、治験薬を投与された集団(安全性解析対象集団)のうち、EQ-5D質問票の 5 項目のうちのいずれかについて、投与後 52 週時までに 1 時点の analysis window 内でベースラ

イン及び 1 回以上のベースライン後の評価が行われた患者とした。

有効性解析:

有効性評価項目の主要解析を、患者が治療を継続していたかにかかわらず、すべての脂質データを含めた

ITT アプローチ(上記で定義した ITT 集団に基づく)により行った。これは、主要評価項目及び副次評価項

目において定義した ITT estimand に対応する。また、有効性評価期間に得られた脂質データを含めた

on-treatment アプローチ(上記で定義した mITT 集団に基づく)による解析を行った。これは副次評価項目

で定義した on-treatment estimand に対応する。

ITTアプローチでは、投与の遵守状況によらずすべての患者のデータを解析してそのベネフィットを評価し、

可能な限り患者の母集団における効果を 大限に反映した。On-treatment アプローチでは患者が実際に投

与された期間に限定して治療効果を解析し、各時点まで治療を遵守した患者において得られるベネフィッ

トを評価した。

有効性は、ランダム化により割り付けられた投与群に基づき解析した。

測定項目は、規定時又は規定外、絶食下か否かを問わず、すべて analysis window 内に割り当て、投与後 4 週時から 78 週時までの時点で評価した。

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 281

治験実施計画書の識別コード:EFC12732

ベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C(計算値)の変化率は、MMRM を用いて解析した。投与後

4 週時から 52 週時までの analysis window 内で利用可能なすべてのベースライン後データが用いられ、欠

測データが MMRM モデルを用いて説明された。本モデルには、カテゴリカル変数の固定効果として投与群

(アリロクマブ又はプラセボ)、ランダム化因子(IVRS による)、時点(投与後 4 週時から 52 週時まで)、

投与群と時点の交互作用、ランダム化因子と時点の交互作用を用い、連続変数の固定効果としてベースラ

インの LDL-C 値及びベースライン値と時点の交互作用を用いた。本モデルから、ベースラインで調整した

両投与群の投与後 24 週時の平均値、対応する標準誤差及び 95%CI を得た。アリロクマブ群とプラセボ群

から得られたデータを比較するため、適切な対比を用い、有意水準 5%として、これらの推定値の差を検定

した。

第 1 種過誤確率を 5%に制御し、複数の評価項目を取り扱うため、重要な副次評価項目の上述した順序に従

い治験実施計画書で事前に規定した階層手順を用いた。

• 正規分布に従うことが想定される連続変数の副次評価項目(TG、Lp(a)以外の脂質)は、主要評価項目

と同様に MMRM モデルを用いて解析した。

• 非正規分布に従うことが想定される連続変数の副次評価項目(TG、Lp(a))は、欠測値を扱うために多

重代入法を用いた後、群間比較を行うために、対象とする評価項目を反応変数、投与群、(IVRS によ

る)ランダム化因子、対応するベースラインを効果として、M-推定量によるロバスト回帰モデル(SAS ROBUSTREG プロシージャを使用)により解析した。両群における平均について、統合された推定値

とその群間差及びそれらの対応する標準誤差、95%CI、p 値を求めた(SAS MIANALYZE プロシージャ

を使用)。

• 2 値変数の有効性副次評価項目は、欠測値の対応のために多重代入法を用いた後、投与群を主効果、対

応するベースライン値を共変量として、(IVRS による)ランダム化因子を層とした層別ロジスティッ

ク回帰により解析した。プラセボ群に対するオッズ比について統合された推定値、95%CI、p 値を求め

た(SAS MIANALYZE プロシージャを使用)。データによりロジスティック回帰が適用できない場合

(例えば、一方の投与群の反応割合が 1 で 尤推定値が存在しない場合)は、欠測値を扱うために LOCF法を用い、群間比較を行うために exact conditional logistic regression を適用した。

安全性解析:

安全性解析は記述的に行い、安全性解析対象集団について実際に投与された群に基づいて実施した。安全

性の解析は、治験薬の二重盲検下の初回投与から 終投与後 70 日までの期間(TEAE 期間)について行っ

た。非盲検の継続投与試験(LTS13463 試験)で発現、悪化、又は重篤となった TEAE 及び PCSA につい

ては本試験の TEAE 期間に含めなかった。また、TEAE 期間は共通のカットオフ日までとした。

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

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治験実施計画書の識別コード:EFC12732

解析の時期:

解析は 2 段階で実施した。

• 一次解析:投与後 52 週時までの有効性解析及び安全性の中間解析 一次解析は、ランダム化されたすべての患者を対象に、投与後 52 週の analysis window までのすべて

の脂質データが収集され、バリデートされた後に行った。投与後 52 週時までの有効性評価項目の解析

は各時点における有効性評価項目の 終解析であり、投与後 52 週を超えた脂質データは記述的な解析

を行った。安全性解析は、共通のカットオフ日までに収集され、バリデートされたすべての安全性デ

ータについて行った。本解析について共通のカットオフ日を 後の患者の投与後 52 週時の来院日とし

た。

一次解析結果によって、進行中の治験の実施にいかなる変更も生じなかった。有効性の主要評価項目

及び重要な副次評価項目の解析は一次解析時にすべての患者で実施したため、一次解析と二次解析の

ための多重性の調整は不要であった。

• 二次解析: 終解析 二次解析は治験の終了時に行うこととし、投与後 52 週以降の有効性データ及び安全性の 終解析を行

う。

要約:

集団の特性:

ヘテロ接合性家族性高コレステロール血症患者 107 名において、アリロクマブ群で女性患者が多く(アリ

ロクマブ群 51.4%、プラセボ群 37.1%)、半数を超える患者が冠動脈疾患、他の心血管疾患又はその他の

重要なリスク因子の既往を有していた(アリロクマブ群 52.8%、プラセボ群 65.7%)。この投与群間の違

いは主に冠動脈血行再建術の既往によるものであった。すべての患者が 大耐用量のスタチンを使用して

おり(患者の 79.4%がアトルバスタチン 40~80 mg/日、ロスバスタチン 20~40 mg/日又はシンバスタチ

ン 80 mg/日を使用)、27.1%がエゼチミブ等のスタチン以外の脂質低下療法を受けていた。脂質低下療法

を受けているにもかかわらず、全体のベースライン時の LDL-C(計算値)の平均値 ± 標準偏差は 197.8 ± 53.4 mg/dL(5.123 ± 1.38 mmol/L)であった。

本治験では、患者 7名をランダム化した医療機関 643-710及び患者 6名をランダム化した医療機関 840-743で、重大な GCP 不遵守が確認された。これらの医療機関での治験は中止され、当該医療機関を除外して感

度分析を行った。

有効性の結果:

有効性は ITT アプローチ(ITT 解析)及び on-treatment アプローチ(on-treatment 解析)を用いて評価した。

これらの解析により相補的な情報が得られた。

主要評価項目の解析-ITT 解析

ITT アプローチにより、投与の遵守状況によらずすべての患者からのデータを解析してそのベネフィットを

評価し、患者集団における効果を 大限に反映した。

主要有効性評価項目であるベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C の変化率(調整平均)は、アリ

ロクマブ群で−45.7%、プラセボ群で−6.6%であり、プラセボ群と比べてアリロクマブ群で大きく低下した。

プラセボ群に対する群間差(95%CI)は−39.1%(−51.1; −27.1%)で、臨床的に意味のある統計学的に有

意な差が見られた(p<0.0001)。

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

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治験実施計画書の識別コード:EFC12732

アリロクマブ群では、LDL-C は投与後 4 週時(投与後 初の測定時点)から低下し、投与後 52 週時まです

べての時点で維持された。

GCP不遵守が確認された 2施設の患者を除外して行った感度分析において、ベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C の変化率(調整平均)は、アリロクマブ群で−50.3%、プラセボ群で−2.3%であり、プラセ

ボ群と比べてアリロクマブ群で統計学的に有意に低下した(プラセボ群に対する群間差:−48.0%、p<0.0001)。

感度分析では、欠測データの取扱いによらず、頑健な治療効果が示された。

副次評価項目及びその他の評価項目の解析

On-treatment アプローチにより、患者が実際に投与された期間に限定した治療効果を解析し、評価時点で

達成される治療のベネフィットを評価した。

On-treatment 解析でも、ベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C の変化率(調整平均)は、アリロ

クマブ群で−45.5%、プラセボ群で−6.6%であり、プラセボ群と比べてアリロクマブ群で大きく低下した。

LDL-C 変化率の群間差は−38.9%であり(p<0.0001)、ITT 解析と一貫した結果が得られた。

また、ITT 解析におけるベースラインから投与後 12 週時までの LDL-C 変化率(調整平均)は、アリロクマ

ブ群で−46.9%、プラセボ群で−6.6%、プラセボ群に対する群間差(95%CI)は−40.3%(−51.4; −29.3%)

であり、統計学的に有意な差が見られた(p<0.0001)。On-treatment 解析でも、ベースラインから投与後

12 週時までの結果は ITT 解析の結果と一致していた。

ITT 解析におけるベースラインから投与後 12、24 及び 52 週時までの LDL-C の変化量の群間差(調整平均)

は、それぞれ−77.6 mg/dL(−2.010 mmol/L)、−75.3 mg/dL(−1.951 mmol/L)及び−74.9 mg/dL(−1.940 mmol/L)であり、すべての時点でプラセボ群よりアリロクマブ群で大きく低下した。アリロクマブ群での LDL-C の

低下は投与後 4 週時から認められ、その後治験期間を通して投与後 52 週時まで維持された。

LDL-C の目標値[100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満又は 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満]に達した患者の割

合は、すべての時点でプラセボ群と比べ、アリロクマブ群で高かった。投与後24週時にLDL-C値が70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した心血管リスクの極めて高い患者又は 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達し

た心血管リスクの高い患者の割合は、プラセボ群(5.7%)と比べてアリロクマブ群(41.0%)で有意に高

かった(p=0.0016)。

Apo B、non-HDL-C 及び Total-C についても、LDL-C と同様に、プラセボ群と比べてアリロクマブ群で投

与後 12 及び 24 週時に有意に低下した。また Lp(a)がプラセボ群と比べてアリロクマブ群で投与後 24 週時

に有意に低下した。

主要有効性評価項目のサブグループ解析(ITT 解析)の結果から、アリロクマブ群ではプラセボ群と比べて、

人口統計学的特性及びベースライン特性によらず、ベースラインから投与後 24 週時までに LDL-C の一貫

した低下が認められた。ランダム化に用いた性別及び脂質低下療法については、効果の不均一性がやや認

められた。

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

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治験実施計画書の識別コード:EFC12732

安全性の結果:

スタチン等の脂質低下療法でコントロール不十分なヘテロ接合性家族性高コレステロール血症患者の本集

団において、アリロクマブ 150 mg Q2W の併用療法は良好な忍容性を示し、安全性プロファイルも良好で

あった。両投与群で投与による曝露量は同程度であり、曝露期間は両群とも 60 週間であった。全般的に、

安全性に関する特定の懸念は認められなかった。

TEAE の発現割合はプラセボ群(71.4%)と比べアリロクマブ群(61.1%)で低かった。SAE の発現割合は

アリロクマブ群 11.1%(8 名)及びプラセボ群 11.4%(4 名)と両群で同程度であり、すべての SAE につ

いてアリロクマブとの因果関係が否定された。治験薬の投与中止に至った TEAE の発現割合も、両投与群

で同程度であり[アリロクマブ群 4.2%(3 名)、プラセボ群 2.9%(1 名)]、安全性が懸念される特定の

傾向は認められなかった。本治験期間中に死亡例は認められなかった。

プラセボ群よりアリロクマブ群で発現割合の高かった TEAE(SOC)は、感染症および寄生虫症(アリロ

クマブ群、プラセボ群でそれぞれ 40.3%、34.3%)、一般・全身障害および投与部位の状態[19.4%、8.6%;

主に治験薬投与との因果関係が否定できない注射部位反応(TEAE)によるもので、アリロクマブ群で 5%以上の発現割合(8.3%、6 名)で認められた]並びに心臓障害(12.5%、0%)であった。

アリロクマブ群よりプラセボ群で発現割合の高かったT EAE(SOC)は、筋骨格系および結合組織障害(16.7%、

28.6%)、胃腸障害(13.9%、20.0%)並びに傷害、中毒および処置合併症(11.1%、14.3%)であった。

心血管イベントがアリロクマブ群の 8.3%(6 名)で認められ、プラセボ群では認められなかった。アリロ

クマブ群の 1 名に心不全及び腎不全の悪化が認められ治験薬の投与を中止したが、いずれの事象も後遺症

なく回復し、アリロクマブ、スタチン又はその他の脂質低下療法との因果関係は否定された。

AESI のうち、全身性アレルギー性の TEAE がアリロクマブ群の 4.2%(3 名)及びプラセボ群の 2.9%(1名)に認められた。アリロクマブ群でそう痒症が 2 名、紅斑性皮疹が 1 名で認められた。治験薬投与下の

局所注射部位反応がアリロクマブ群の 8.3%(6 名)及びプラセボ群の 2.9%(1 名)で認められ、アリロク

マブ群の 6 名で見られた局所注射部位反応は非重篤で、治験薬の投与中止には至らなかった。アリロクマ

ブ群及びプラセボ群の各 1 名で非重篤の神経学的事象が認められ、また、アリロクマブ群及びプラセボ群

の各 1 名で非重篤の神経認知学的事象が認められた。溶血性貧血、妊娠及び症候性の過量投与は認められ

なかった。

肝障害に関連する TEAE がアリロクマブ群の 4 名及びプラセボ群の 2 名で認められ、そのうち、アリロク

マブ群のアルコール性肝炎 1 名及び薬物性肝障害 1 名は、スタチン療法に起因する事象と判定された。

Hs-CRP、HbA1c などの臨床検査パラメータ又はバイタルサインについて、臨床的に意義のある経時的な

上昇又は低下傾向は認められなかった。心血管イベントと判定された患者以外で ECG の異常は認められな

かった。LDL-C 値が 2 回連続で 25 mg/dL(0.65 mmol/L)未満であった患者の割合はアリロクマブ群の 5.6%(4 名)であり、そのうち 1.4%(1 名)は LDL-C 値が 2 回連続で 15 mg/dL(0.39 mmol/L)未満となった。

これらの患者に安全性の懸念を示す特定の傾向は見られなかった。10 ヵ月後に 1 名に網脈絡膜症が報告さ

れた。

アリロクマブ群の 1 名に抗アリロクマブ抗体陽性が示されたが、TEAE は認められなかった。

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

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治験実施計画書の識別コード:R727-CL-1112

治験方法:

ランダム化、二重盲検、プラセボ対照、不均衡割付け(アリロクマブ:プラセボ = 2:1)、並行群間、国

際共同試験。

本治験は、 長 2 週間のスクリーニング期間、78 週間の二重盲検投与期間、8 週間のフォローアップ期間

からなり、全治験期間は約 88 週間であった[非盲検の継続投与試験に参加しない場合又は治験を中止した

場合]。78 週間の二重盲検投与期間終了後、本治験(CL-1112 試験)を完了した患者は非盲検の継続投与

試験へ参加可能とし、二重盲検投与期間のいずれの投与群においても、継続投与試験でアリロクマブを投

与されることとした。

アリロクマブ 75 mg Q2W を開始用量として、事前に規定した投与後 8 週時の LDL-C 値に基づき、投与後

12 週時に 150 mg Q2W へ増量可能とした。アリロクマブに割り付けられた患者(割付けは二重盲検下で自

動化されたプロセスで実施)は、投与後 8 週時の LDL-C 値が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満の場合はアリ

ロクマブ 75 mg Q2W を継続し、70 mg/dL(1.81 mmol/L)以上の場合はアリロクマブ 150 mg Q2W へ増

量して、投与後 12 週時から 76 週時の 終投与まで投与されることとした。

スタチン又はその他の脂質低下療法(該当する場合)は、スクリーニング時から治験終了時の来院まで投

与量を含めて変更しないこととした。投与後 24 週時から、事前に規定した条件下で、基礎療法である脂質

低下療法の変更を可能とした。

患者数:

予定:250 名

ランダム化:249 名

投与:248 名

評価:

有効性 (ITT 集団):247 名 (mITT 集団):247 名

安全性:248 名

抗体:240 名

QOL:244 名

診断及び選択基準:

スクリーニング来院(Week −2)前に 4 週間以上、一定の 大耐用量でのスタチン治療(スタチン療法以

外の脂質低下療法併用の有無は問わない)でコントロール不十分なヘテロ接合性家族性高コレステロール

血症患者

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 289

治験実施計画書の識別コード:R727-CL-1112

評価基準:

有効性:

主要評価項目:投与の遵守を問わずすべての LDL-C 値を用いた ITT 集団におけるベースラインから投与後

24 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(ITT estimand)。

重要な副次評価項目:

• 有効性評価期間に得られたすべての LDL-C 値を用いた mITT 集団におけるベースラインから投与後 24週時までの LDL-C(計算値)の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Apo B の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Apo B の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの non-HDL-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの non-HDL-C の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Total-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Apo B の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの non-HDL-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Total-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 52 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(ITT estimand)

• 投与後 24 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した心血管リスクの極めて

高い患者又は LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した心血管リスクの高い患者の

割合(ITT estimand)

• 投与後 24 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した心血管リスクの極めて

高い患者又は LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した心血管リスクの高い患者の

割合(on-treatment estimand)

• 投与後 24 週時に LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 24 週時に LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した患者の割合(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Lp(a)の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの HDL-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの空腹時 TG の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Apo A-1 の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Lp(a)の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの HDL-C の変化率(ITT estimand)

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 290

治験実施計画書の識別コード:R727-CL-1112

• ベースラインから投与後 12 週時までの空腹時 TG の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Apo A-1 の変化率(ITT estimand)

その他の副次評価項目:

• ベースラインから投与後 78 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(ITT estimand)

• 投与後 12、52 及び 78 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した心血管リ

スクの極めて高い患者又は LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した心血管リスク

の高い患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 12、24、52 及び 78 週時に、LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した患者

の割合(ITT estimand)

• 投与後 12、52 及び 78 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した患者の割

合(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12、24、52 及び 78 週時までの LDL-C(計算値、mg/dL 及び mmol/L)の変

化量(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 52 及び 78 週時までの Apo B、non-HDL-C、Total-C、Lp(a)、HDL-C、空腹時

TG 及び Apo A-1 の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12、24、52 及び 78 週時までの Apo B/Apo A-1 比の変化量(ITT estimand)

• 投与後 12、24、52及び 78週時に、Apo B値が 80 mg/dL(0.8 g/L)未満に達した患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 12、24、52 及び 78 週時に、non-HDL-C 値が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した患者の

割合(ITT estimand)

• 投与後 12、24、52 及び 78 週時に、non-HDL-C 値が 130 mg/dL(3.37 mmol/L)未満に達した患者の

割合(ITT estimand)

• 投与後 12、24、52 及び 78 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した又は

LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)以上の場合は LDL-C(計算値)がベースラインから 50%以上低下した心血管リスクの極めて高い患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 12、24、52 及び 78 週時に、LDL-C(計算値)がベースラインから 50%以上低下した患者の割

合(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12、24、52 及び 78 週時までの Total-C/HDL-C 比の変化量(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 及び 24 週時までの Total-C の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Apo B の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの non-HDL-C の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Apo B の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの non-HDL-C の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 及び 24 週時までの Lp(a)の変化率(on-treatment estimand)

• 投与後 24 週時に LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した患者の割合(on-treatment estimand)

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 291

治験実施計画書の識別コード:R727-CL-1112

安全性:

TEAE(SAE 及び AESI を含む)、心血管イベント、死亡、臨床検査(血液学的検査、生化学的検査、C 型肝炎抗体、肝パネル及び CPK)、バイタルサイン、ECG

その他:

hs-CRP、HbA1c、抗アリロクマブ抗体、25 mg/dL(0.65 mmol/L)未満の LDL-C 値、15 mg/dL(0.39 mmol/L)未満の LDL-C 値及び EQ-5D 質問票を用いて評価した QOL

生体試料の分析方法:

抗アリロクマブ抗体測定用検体は、バリデートされた非定量的な抗体価ベースのイムノアッセイ法を用い

て分析した。本測定法は、スクリーニング、確認試験及び抗体価の測定の 3 段階よりなる。陽性対照に基

づく測定法の感度は約 5.6 ng/mL であった。

抗アリロクマブ抗体が陽性の検体は、バリデートされた非定量的競合リガンド結合測定法を用いて、中和

抗体を評価した。陽性対照に基づく測定法の感度は 470 ng/mL であった。

統計手法:

症例数の決定:

LDL-C の変化率の母平均の群間差を 30%、その標準偏差(両群共通)を 25%、主要評価項目がすべての患

者で評価可能と仮定するとき、有意水準 5%(両側)のもとで検出力 95%を確保するためには、45 名(ア

リロクマブ群 30 名、プラセボ群 15 名)が必要である。

しかしながら本治験計画を通して規制要件を満たすため、症例数を増加しアリロクマブの安全性を評価し

た。本治験で 12 ヵ月間アリロクマブを投与される患者を 126 名以上確保するには、治験開始後 3 ヵ月間の

脱落率を 10%、残りの 9 ヵ月間の脱落率を 20%と仮定し、割付け比 2:1 でランダム化する場合、 終的

に必要な全症例数は 250 名であった(アリロクマブ群 167 名、プラセボ群 83 名)。

解析対象集団:

有効性解析対象集団:

患者が治療を継続していたかにかかわらず、すべての脂質データを含めた ITT アプローチ(ITT 集団に基づ

く)により、有効性の主要及び副次評価項目を解析した。さらに、有効性評価期間に得られた脂質データ

のみを含めた on-treatment アプローチ(mITT 集団に基づく)による解析を行った。

MMRM を用いて有効性の主要評価項目を評価した。本モデルには、カテゴリカル変数の固定効果として投

与群、ランダム化因子、時点(投与後 4、8、12、16、24、36 及び 52 週時)、ランダム化因子と時点との

交互作用及び投与群と時点との交互作用を用い、連続変数の固定効果として、対応するベースライン値及

びベースライン値と時点との交互作用を用いた。

重要な副次評価項目は、多重性を考慮した階層的検定手順を用いた。ITT 集団又は mITT 集団を対象とし、

規定した estimand 別に副次評価項目を解析した。欠測値は多重代入法により補完し、推定値を求めた。ま

た、複数の感度分析も行った。

安全性解析対象集団:

安全性解析対象集団について投与群別にデータを解析した。安全性の観察期間のそれぞれについて有害事

象を要約した。血液生化学的検査及び血液学的検査のすべての変数(実測値及びベースラインからの変化

量)について要約統計量[平均値、中央値、第 1 四分位数(Q1)、第 3 四分位数(Q3)、標準誤差、 小

値及び 大値を含む]を visit 毎に集計し、投与群別に示した。EQ-5D 質問票の結果についても記述的に要

約した。

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

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治験実施計画書の識別コード:R727-CL-1112

要約:

集団の特性:

本治験では 249 名の患者がアリロクマブ 75 mg Q2W 群(167 名)及びプラセボ群(82 名)に割り付けら

れ、プラセボ群の 1 名を除く全員が治験薬を投与された。アリロクマブ群の 6.6%(11 名)及びプラセボ

群の 3.7%(3 名)が治験を中止した。

全体として各投与群にランダム化された女性(47.4%、118 名)及び男性(52.6%、131 名)に偏りは認め

られず、患者のほとんどが白人(98.0%、244 名)であった。全患者の平均年齢は 53.2 歳(範囲:22~85 歳)

で、65 歳未満が 79.5%、65 歳以上が 20.5%であった。

ベースライン特性は投与群間で同等であった。全体として患者の 38.6%が「極めて高い」心血管リスクに分

類される冠動脈疾患又は同等の疾患(他の心血管疾患又は重要なリスク因子)の既往を有していた。ラン

ダム化されたすべての患者が脂質低下療法としてスタチンを使用しており(患者の 88.0%がアトルバスタ

チン 40~80 mg/日、ロスバスタチン 20~40 mg/日又はシンバスタチン 80 mg/日を使用)、69.9%がスタ

チン療法以外の脂質低下療法を受けていた。全体のベースライン時の LDL-C(計算値)の平均値 ± 標準偏

差は、134.4 ± 41.1 mg/dL(3.480 ± 1.065 mmol/L)であった。

アリロクマブ群の 19.8%(33 名)及びプラセボ群の 17.1%(14 名)で、有効性解析に影響を及ぼし得る

治験実施計画書からの重大な逸脱が報告された。

有効性の結果:

主要評価項目の解析 – ITT 解析

主要有効性評価項目であるベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C の変化率(調整平均 ± 標準誤差)

は、アリロクマブ群で−48.7 ± 1.9%、プラセボ群で 2.8 ± 2.8%であり、プラセボ群と比べてアリロクマブ

群で大きく低下した。プラセボに群に対するアリロクマブの群間差(95%CI)は−51.4%(−58.1; −44.8%)

で、統計学的に有意な差が見られた(p<0.0001)。

感度分析では、欠測データの取扱いによらず、頑健な治療効果が示された。

性別、年齢、BMI、既往歴(腎疾患、糖尿病)、LDL-C、HDL-C、空腹時 TG、Lp(a)、スタチン投与の強度

及びスタチン療法以外の脂質低下療法等のサブグループ解析では、アリロクマブ群ではプラセボ群と比べ

て、人口統計学的特性及びベースライン特性によらず、ベースラインから投与後 24 週時までに LDL-C の

一貫した低下が認められた。

副次評価項目の解析

On-treatment 解析でも、ベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C の変化率(調整平均)におけるプ

ラセボ群に対するアリロクマブ群の群間差(95%CI)は−52.2%(−58.7; −45.6%、p<0.0001)であり、ITT解析と一貫した結果が得られた。アリロクマブ群では、LDL-C は投与後 4 週時(投与後 初の測定時点)

から低下し、投与後 52 週時まですべての時点で維持された。

ITT解析におけるベースラインから投与後12週時までのLDL-C変化率(調整平均)は、アリロクマブ群(75 mg Q2W)で−43.8%、プラセボ群で 4.6%、プラセボ群に対する群間差(95%CI)は−48.4%(−54.7; −42.2%)

であり、統計学的に有意な差が見られた(p<0.0001)。On-treatment 解析でも、ベースラインから投与後

12 週時までの LDL-C 変化率(調整平均)のプラセボ群に対するアリロクマブ群の群間差(95%CI)は−48.8%(−55.0; −42.5%)で、ITT 解析の結果と一致していた(p<0.0001)。

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

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治験実施計画書の識別コード:R727-CL-1112

ITT 解析におけるベースラインから投与後 12、24 及び 52 週時までの LDL-C の変化量の群間差(調整平均)

は、それぞれ−62.7 mg/dL(−1.6 mmol/L)、−68.9 mg/dL(−1.8 mmol/L)及び−77.6 mg/dL(−2.0 mmol/L)であり、すべての時点でプラセボ群よりアリロクマブ群で大きく低下した。投与後 24 週時の LDL-C 値は、

アリロクマブ群で 67.7 mg(1.754 mmol/L)であったのに対し、プラセボ群では 136.6 mg/dL(3.537 mmol/L)であった。

投与後 24 週時に LDL-C 値が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した患者の割合は、プラセボ群で 1.2%で

あったのに対し、アリロクマブ群では 68.2%であった。

Apo B、non-HDL-C、Total-C 及び Lp(a)についても、アリロクマブ群でプラセボ群と比べて投与後 12 及び

24 週時に有意に低下した。空腹時 TG については、投与後 12 及び 24 週時にアリロクマブ群で有意に低下

した。投与後 52 週時のすべての脂質パラメータについて、投与後 12 及び 24 週時と一貫した結果が得られ

た。HDL-C の有意な上昇が投与後 12 及び 24 週時に、Apo A-1 の有意な上昇が投与後 24 週時に認められ

た。

安全性の結果:

TEAE がアリロクマブ群の 70.1%(117 名)及びプラセボ群の 76.5%(62 名)で認められた。両投与群に

おいて多く認められた TEAE(SOC)は、感染症および寄生虫症、筋骨格系および結合組織障害であった。

アリロクマブ群でプラセボ群より発現割合が高かった TEAE(PT)(発現割合が 5%を超え、投与群間に

2%以上の差が認められた TEAE)は、インフルエンザ(アリロクマブ群、プラセボ群でそれぞれ 14.4%、

7.4%)、下痢(5.4%、1.2%)及び注射部位反応(10.8%、7.4%)であった。プラセボ群でアリロクマブ

群より発現割合が高かった TEAE は、鼻咽頭炎(アリロクマブ群 10.8%、プラセボ群 19.8%)であった。

SAE はアリロクマブ群の 6.0%(10 名)及びプラセボ群の 8.6%(7 名)に認められた。いずれの投与群に

おいても TEAE に特定の傾向は認められず、個々の TEAE(PT)の発現頻度は 2 名以下であった。本治験

で死亡は報告されなかった。

治験薬の投与中止に至った TEAE がアリロクマブ群の 3.0%(5 名)及びプラセボ群の 1.2%(1 名)に認め

られた。各 TEAE(PT)で 2 名以上に認められた事象はなかった。

全身性アレルギー性の TEAE が、アリロクマブ群の 10.2%(17 名)及びプラセボ群の 7.4%(6 名)に認

められた。アリロクマブ群の 1 名がアレルギー反応に関連する TEAE(血管浮腫)により治験を中止した。

局所注射部位反応の TEAE がアリロクマブ群の 10.8%(18 名)及びプラセボ群の 7.4%(6 名)に認めら

れ、これらの患者のうち、アリロクマブ群の 10 名及びプラセボ群の 3 名が当該事象を 2 回以上発現した。

局所注射部位反応の多くは軽度であった。局所注射部位反応の発現期間(中央値)は、アリロクマブ群で

はプラセボ群よりも短かった(アリロクマブ群 3.6 日、プラセボ群 10.1 日)。

溶血性貧血及び症候性の過量投与は認められなかった。

SMQ の「肝障害」に分類される TEAE がアリロクマブ群の 3.0%(5 名)及びプラセボ群の 2.5%(2 名)

で認められた。 も多く報告された肝障害に関連する TEAE は、ALT 増加[アリロクマブ群 1.8%(3 名)

及びプラセボ群 2.5%(2 名)]であり、治験実施計画書に事前に規定した基準を満たす ALT 増加がアリロ

クマブ群の 1.8%(3 名)で認められたが、プラセボ群では見られなかった。アリロクマブ群の 0.6%(1 名)

に A 型肝炎が治験薬投与下の TEAE として認められた。2 名以上の患者で認められたその他の肝障害に関

連する TEAE(PT)はなかった。

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 298

治験実施計画書の識別コード:LTS11717

治験薬以外の薬剤:

以下の薬剤は、基礎治療薬又は救済治療として使用される可能性のある薬剤であるため、治験薬以外の薬

剤として扱った。

スタチン(ロスバスタチン、アトルバスタチン、シンバスタチン)、小腸コレステロールトランスポータ

ー阻害薬(エゼチミブ)、陰イオン交換樹脂(コレスチラミン、コレスチポール、コレセベラム)、ニコ

チン酸、フェノフィブラート及びオメガ-3 脂肪酸(1 日 1000 mg 以上)。

投与期間:18 ヵ月間(78 週間)

観察期間:約 20 ヵ月間[スクリーニング 3 週間、二重盲検投与期間 18 ヵ月(78 週間)、フォローアップ

期間 8 週間]

評価基準:

有効性:

主要評価項目:投与の遵守を問わずすべての LDL-C 値を用いた ITT 集団におけるベースラインから投与後

24 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(ITT estimand)。

重要な副次評価項目は、多重性を考慮した階層的検定手順を用い、以下に示すとおり ITT estimand 又は

on-treatment estimand を用いた。

• ITT estimand:投与の遵守を問わずすべての脂質の値を用いて ITT 集団について解析

• On-treatment estimand:有効性評価期間に得られた脂質の値を用いて mITT 集団について解析

重要な副次評価項目:

• 有効性評価期間に得られたすべてのLDL-C値を用いたmITT集団におけるベースラインから投与後24 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C(測定値)の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Apo B の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Apo B の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの non-HDL-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの non-HDL-C の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Total-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Apo B の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの non-HDL-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Total-C の変化率(ITT estimand)

• 投与後 24 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した心血管リスクの極めて

高い患者又は LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した心血管リスクの高い患者の

割合(ITT estimand)

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 299

治験実施計画書の識別コード:LTS11717

• 投与後 24 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した心血管リスクの極めて

高い患者又は LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した心血管リスクの高い患者の

割合(on-treatment estimand)

• 投与後 24 週時に LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 24 週時に LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した患者の割合(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Lp(a)の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの HDL-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの空腹時 TG の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Apo A-1 の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Lp(a)の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの HDL-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの空腹時 TG の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Apo A-1 の変化率(ITT estimand)

注:心血管リスクの分類については、以下に示すように、「高い」及び「極めて高い」と定めた。

- 心血管リスクの極めて高い患者:冠動脈疾患又は同等のリスクを有する非家族性又はヘテロ接

合性家族性高コレステロール血症患者

- 心血管リスクの高い患者:上記以外のすべての患者(冠動脈疾患又は同等のリスクのないヘテ

ロ接合性家族性高コレステロール血症患者)

その他の副次評価項目:

• ベースラインから投与後 52 及び 78 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(ITT estimand)

• 投与後 12、52 及び 78 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した心血管リ

スクの極めて高い患者又は LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した心血管リスク

の高い患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 12、24、52 及び 78 週時に、LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した患者

の割合(ITT estimand)

• 投与後 12、52 及び 78 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した患者の割

合(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12、24、52 及び 78 週時までの LDL-C(計算値、mg/dL 及び mmol/L)の変

化量(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12、52 及び 78 週時までの LDL-C(測定値)の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 52 及び 78 週時までの Apo B、non-HDL-C、Total-C、Lp(a)、HDL-C、空腹時

TG 及び Apo A-1 の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12、24、52 及び 78 週時までの Apo B/Apo A-1 比の変化量(ITT estimand)

• 投与後 12、24、52及び 78週時に、Apo B値が 80 mg/dL(0.8 g/L)未満に達した患者の割合(ITT estimand)

(electronic

3.0)

Page 132: 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構...すべての有効性変数はmITT集団を対象として解析した。mITT集団は、ランダム化された集団のうち、治

2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 300

治験実施計画書の識別コード:LTS11717

• 投与後 12、24、52 及び 78 週時に、non-HDL-C 値が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した患者の

割合(ITT estimand)

• 投与後 12、24、52 及び 78 週時に、non-HDL-C 値が 130 mg/dL(3.37 mmol/L)未満に達した患者の

割合(ITT estimand)

• 投与後 12、24、52 及び 78 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した又は

LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)以上の場合は LDL-C(計算値)がベースラインから 50%以上低下した心血管リスクの極めて高い患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 12、24、52 及び 78 週時に、LDL-C(計算値)がベースラインから 50%以上低下した患者の割

合(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12、24、52 及び 78 週時までの Total-C/HDL-C 比の変化量(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 及び 24 週時までの Total-C の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Apo B の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの non-HDL-C の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 及び 24 週時までの Lp(a)の変化率(on-treatment estimand)

• 投与後 24 週時に LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した患者の割合(on-treatment estimand)

安全性:

TEAE(SAE 及び AESI を含む)の発現、心血管イベント、死亡、臨床検査[血液学的検査、標準的な生化

学的検査、C 型肝炎、肝パネル、CPK、ビタミン E 及びその他の脂溶性ビタミン、副腎皮質刺激ホルモン

(ACTH)の反射的分泌及び ACTH 刺激時のコルチゾール値、性腺ホルモン]、バイタルサイン、ECG

薬物動態:

血清中総アリロクマブ濃度、総及び遊離 PCSK9 濃度及び抗アリロクマブ抗体

その他:

hs-CRP、C 型肝炎検査、HbA1c、25 mg/dL(0.65 mmol/L)未満の LDL-C 値、15 mg/dL(0.39 mmol/L)未満の LDL-C 値、EQ-5D 質問票を用いて評価した QOL 及び色覚検査

薬物動態/薬力学用検体の採取時間及び分析方法:

総アリロクマブ濃度(遊離アリロクマブと PCSK9 に結合したアリロクマブ)は、バリデートされた ELISA(LLOQ 0.078 µg/mL)を用いて測定した。

総及び遊離 PCSK9 濃度は、バリデートされた ELISA を用いて測定した(LLOQ はそれぞれ 0.156 µg/mL及び 0.0312 µg/mL)。

抗アリロクマブ抗体測定用検体は、バリデートされた非定量的な抗体価ベースのイムノアッセイ法を用い

て分析した。本測定法は、スクリーニング、確認試験及び抗体価の測定の 3 段階よりなる。陽性対照に基

づく測定法の感度は約 5.6 ng/mL であった。

抗アリロクマブ抗体が陽性の検体は、バリデートされた非定量的競合リガンド結合測定法を用いて、中和

抗体を評価した。陽性対照に基づく測定法の感度は 470 ng/mL であった。

(electronic

3.0)

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統計手法:

症例数の決定:

安全性の評価を行うために、投与後 12 ヵ月及び 18 ヵ月の時点での脱落率をそれぞれ 25%及び 35%と仮定

し、アリロクマブを 12 ヵ月以上投与される患者が 1000 名以上、18 ヵ月間投与される患者が約 900 名とな

る症例数として 2100 名(アリロクマブ群 1400 名、プラセボ群 700 名)と算出した。

解析対象集団:

主要有効性解析対象集団は ITT 集団とした。ITT 集団は、ランダム化された集団のうち主要評価項目が評価

可能、すなわち、ベースラインの LDL-C 値(計算値)を有し、治験薬投与の有無を問わず、投与後 24 週

時までに 1 時点の analysis window 内で 1 つ以上の LDL-C 値(計算値)を有する患者集団と定義した。ITT estimand の解析は、ITT 集団について実施した。

副次有効性解析対象集団は mITT 集団とした。mITT 集団は、ランダム化された集団のうち二重盲検下で治

験薬を少なくとも 1 回量又は一部を投与され、有効性評価期間での主要評価項目が評価可能、すなわち、

ベースラインの LDL-C(計算値)を有し、投与後 24 週時までに 1 時点の analysis window 内で 1 つ以上の

有効性評価期間内の LDL-C 値(計算値)を有する患者と定義した。なお、有効性評価期間は、二重盲検下

の治験薬初回投与から 終投与後 21 日までの期間とした。On-treatment estimand の解析は、mITT 集団に

ついて実施した。

安全性解析対象集団は、ランダム化された集団のうち二重盲検下で治験薬を少なくとも 1 回量又は一部を

投与された集団とした。

眼科学的試験解析対象集団は、ランダム化され、治験薬を投与された集団(安全性解析対象集団)のうち

眼科学的サブ スタディに登録され、ベースライン後に、1)色覚検査、2) 高矯正視力検査、3)細隙灯

顕微鏡眼底検査、4)眼圧検査、5)散瞳検査による水晶体の観察及び眼底検査、6)眼底及び視神経乳頭の

写真撮影について、1 回以上評価された患者集団とした。

PK 解析対象集団は、ランダム化され、治験薬を投与された集団(安全性解析対象集団)のうち、二重盲検

下での治験薬初回投与後に評価可能な血液検体を 1 つ以上採取された集団とした。

抗体解析対象集団は、ランダム化され、治験薬を投与された集団(安全性解析対象集団)のうち、ベース

ライン時の抗体が評価可能で、二重盲検下での治験薬初回投与後に少なくとも 1 回以上抗体が評価可能な

集団とした。

QOL 解析対象集団は、ランダム化され、治験薬を投与された集団(安全性解析対象集団)のうち、EQ-5D質問票の 5 項目のうちのいずれかについて、投与後 52 週時までに 1 時点の analysis window 内でベースラ

イン及び 1 回以上のベースライン後の評価が行われた患者とした。

(electronic

3.0)

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有効性解析:

有効性評価項目に関する主要解析は、患者が治療を継続していたかにかかわらず、すべての脂質データに

ついて ITT アプローチ(上記で定義した ITT 集団に基づく)により行った。これは、主要評価項目及び副

次評価項目について定義した ITT estimand に対応する。また、有効性評価期間に得られた脂質データにつ

いて on-treatment アプローチ(上記で定義した mITT 集団に基づく)による解析を行った。これは副次評

価項目について定義した on-treatment estimand に対応する。

ITT アプローチにより、投与の遵守を問わずすべての患者のデータを解析し、患者集団における治療計画の

ベネフィットを評価し、可能な限りその効果を反映させた。On-treatment アプローチにより、患者が実際

に治療を受けた期間に限定して、投与効果を解析し、所定の時点まで治療を遵守した患者において得られ

るベネフィットを評価した。

ランダム化により割り付けられた投与群別に有効性を解析した。

測定項目は、計画されたものか否か、空腹時か否かを問わず、すべて analysis window 内に割り当て、投与

後 4 週時から 78 週時までの時点で評価した。

ベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C(計算値)の変化率は、MMRM を用いて解析した。投与後

4 週時から 52 週時までの analysis window 内で利用可能なすべてのベースライン後データが用いられ、欠

測データが MMRM モデルを用いて説明された。本モデルには、カテゴリカル変数の固定効果として投与群

(アリロクマブ又はプラセボ)、ランダム化因子(IVRS による)、時点(投与後 4 週時から 52 週時まで)、

投与群と時点の交互作用、ランダム化因子と時点の交互作用を用い、連続変数の固定効果としてベースラ

インの LDL-C 値及びベースライン値と時点の交互作用を用いた。本モデルから、ベースラインで調整した

両投与群の投与後 24 週時の平均値、対応する標準誤差及び 95%CI を得た。アリロクマブ群とプラセボ群

から得られたデータを比較するため、適切な対比を用い、有意水準 5%として、これらの推定値の差を検定

した。

第 1 種過誤確率を 5%に制御し、複数の評価項目を取り扱うため、重要な副次評価項目の上述した順序に従

い治験実施計画書で事前に規定した階層手順を用いた。

• 正規分布に従うことが想定される連続変数の副次評価項目(TG、Lp(a)以外の脂質)は、主要評価項目

と同様に MMRM モデルを用いて解析した。

• 非正規分布に従うことが想定される連続変数の副次評価項目(TG、Lp(a))は、欠測値を扱うために多

重代入法を用いた後、群間比較を行うために、対象とする評価項目を反応変数、投与群、(IVRS によ

る)ランダム化因子、対応するベースラインを効果として、M-推定量によるロバスト回帰モデル(SAS ROBUSTREG プロシージャを使用)により解析した。両群における平均について、統合された推定値

とその群間差及びそれらの対応する標準誤差、95%CI、p 値を求めた(SAS MIANALYZE プロシージャ

を使用)。

• 2 値変数の有効性副次評価項目は、欠測値の対応のために多重代入法を用いた後、投与群を主効果、対

応するベースライン値を共変量として、(IVRS による)ランダム化因子を層とした層別ロジスティッ

ク回帰により解析した。プラセボ群に対するオッズ比について統合された推定値、95%CI、p 値を求め

た(SAS MIANALYZE プロシージャを使用)。

安全性解析:

安全性解析は記述的に行い、安全性解析対象集団について実際に投与された群に基づいて実施した。安全

性の解析は、治験薬の二重盲検下の初回投与から 終投与後 70 日までの期間(TEAE 期間)、又はカット

オフ日(該当する場合)までについて行った。非盲検の継続投与試験(LTS13463 試験)で発現、悪化、

又は重篤となった TEAE 及び PCSA については本試験の TEAE 期間に含めなかった。また、TEAE 期間は

共通のカットオフ日までとした。

(electronic

3.0)

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感度分析では、欠測データの取扱いによらず、頑健な治療効果が示された。

副次評価項目の解析

On-treatment アプローチにより、患者が実際に投与された期間に限定した治療効果を解析し、評価時点で

達成される治療のベネフィットを評価した。

On-treatment 解析でも、べースラインから投与後 24 週時までの LDL-C の変化率(調整平均)は、アリロ

クマブ群で−62.8%、プラセボ群で 0.7%であり、プラセボ群と比べてアリロクマブ群で大きく低下した。

LDL-C 変化率の群間差(95%CI)は −63.5%(−65.9; −61.2%)であり、ITT 解析と一貫した結果が得られ

た。

ITT 解析におけるベースラインから投与後 12、24 及び 52 週時までの LDL-C の変化量の群間差(調整平均)

は、それぞれ−74.4 mg/dL(−1.928 mmol/L)、−70.6 mg/dL(1.829 mmol/L)及び−69.9 mg/dL(−1.811 mmol/L)であり、すべての時点でプラセボ群よりアリロクマブ群で大きく低下した。投与後 24 週時の LDL-C 値(調

整平均)は、プラセボ群の 118.9 mg/dL(3.081 mmol/L)に対してアリロクマブ群では 48.3 mg/dL(1.252 mmol/L)であった。

ITT 解析での投与後 24 週時に LDL-C が目標値[70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満]に達した患者の割合は、

プラセボ群(8.0%)と比べてアリロクマブ群(79.3%)で高かった。

LDL-C 測定値(ベータ定量法により測定)については、ITT 解析におけるベースラインから投与後 24 週時

までのプラセボ群に対する変化率(調整平均)の差(95%CI)は−61.3%(−64.0; −58.5%)であり(p<0.0001)、LDL-C 計算値の平均で得られた結果と同程度であった。

主要有効性評価項目のサブグループ解析(ITT 解析)の結果から、アリロクマブ群ではプラセボ群と比べて、

人口統計学的特性及びベースライン特性によらず、ベースラインから投与後 24 週時までに LDL-C の一貫

した低下が認められた。アリロクマブ群において臨床的に関連があると考えられる交互作用は性別及びベ

ースラインの PCSK9 濃度(総及び遊離 PCSK9 濃度)に認められたが、性別及びベースラインの PCSK9濃度(総及び遊離 PCSK9 濃度)にかかわらず臨床的に意味のある LDL-C の低下が認められた。

ITT 解析での投与後 24 週時の以下の脂質パラメータについて、アリロクマブ群ではプラセボ群と比べて有

意に低下した。

• Apo B[プラセボ群に対する群間差(95%CI): −54.0%(−56.3; −51.7%)、p<0.0001]

• non-HDL-C[プラセボ群に対する群間差(95%CI):−52.3%(−54.4; −50.2%)、p<0.0001]

• Total-C[プラセボ群に対する群間差(95%CI):−37.5%(−39.1; −35.9%)、p<0.0001]

• Lp(a)[プラセボ群に対する群間差(95%CI):−25.6%(−28.1; −23.1%)、p<0.0001]

• TG[プラセボ群に対する群間差(95%CI):−17.3%(−20.1; −14.6%)、p<0.0001]

また ITT 解析での投与後 24 週時の HDL-C 及び Apo A-1 について、アリロクマブ群ではプラセボ群と比べ

て有意に上昇した。

• HDL-C[プラセボ群に対する群間差(95%CI):4.6%(3.3; 5.9%)、p<0.0001]

• Apo A-1[プラセボ群に対する群間差(95%CI):2.9%(1.6; 4.2%)、p<0.0001]

ITT 解析と on-treatment 解析のいずれも投与後 12 及び 52 週時の結果は一致していた。

(electronic

3.0)

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安全性の結果:

投与群間で曝露量は同程度であり、両投与群の平均曝露期間は 64.6 週間であった。

TEAE、SAE、死亡に至った TEAE 及び治験薬の投与中止に至った TEAE の発現割合は、投与群間で同程

度であった。

TEAE は、アリロクマブ群の 78.6%(1218 名)、プラセボ群の 80.6%(635 名)に認められた。SOC 別の

TEAE の発現頻度において投与群間で差は認められなかった。両投与群において多く(患者の 10%以上)

認められた TEAE(SOC)は、感染症および寄生虫症、筋骨格系および結合組織障害、胃腸障害、神経系

障害、一般・全身障害および投与部位の状態、傷害、中毒および処置合併症、呼吸器、胸郭および縦隔障

害、並びに心臓障害であった。プラセボ群よりもアリロクマブ群において発現割合の高かった TEAE(PT)は、注射部位反応、気管支炎、筋肉痛、筋痙縮、咳嗽及び挫傷であった。プラセボ群よりもアリロクマブ

群において発現割合の低かった TEAE(PT)は、上気道感染、尿路感染、頭痛、背部痛、関節痛、四肢痛、

疲労、転倒、浮動性めまい、変形性関節症、狭心症、うつ病、心房細動及び鼻炎であった。

治験期間中に 19 名[アリロクマブ群の 0.7%(11 名)とプラセボ群の 1.0%(8 名)]が死亡した。これら

の死亡例のうち、アリロクマブ群の 0.5%(7 名)が TEAE 期間に死亡し、4 名が治験薬の投与終了後に発

現した有害事象により死亡した。プラセボ群では 8 名が TEAE 期間に死亡した。治験中の死亡については、

いずれも治験薬との因果関係は否定された。死亡例の多く(19 名のうち 15 名)は、心血管リスクの高い

患者で起こりうる心血管イベントに起因するものと判断された。SAE はアリロクマブ群の 16.5%(255 名)

及びプラセボ群の 17.6%(139 名)で認められた。いずれの投与群においても、PT 別に分類した SAE に

特定の臨床傾向は認められず、個々の TEAE(PT)の発現割合は低かった。アリロクマブ群の 6.2%(96名)及びプラセボ群の 5.5%(43 名)が TEAE により治験薬の投与を中止した。治験の中止に至った TEAEについて、特定の臨床傾向は認められず、個々の TEAE(PT)の発現割合は低かった。

治験薬投与期間中に心血管イベントがアリロクマブ群 4.0%(62 名)、プラセボ群 4.4%(35 名)に認めら

れた。 も多く認められた心血管イベントは、虚血による冠動脈血行再建術であった(アリロクマブ群2.6%、

プラセボ群 2.5%)。事後解析により、複合評価項目である主要心血管イベント(MACE)の発現割合は、

アリロクマブ群(1.4%)がプラセボ群(3.0%)よりも低く、プラセボ群に対するハザード比(95%CI)は

0.462(0.259; 0.824)であった。

全身性アレルギー性の TEAE がアリロクマブ群の 9.0%(140 名)及びプラセボ群の 9.0%(71 名)に認め

られ、両群で同程度であった。そのうちそう痒症がアリロクマブ群の 1.4%(21 名)及びプラセボ群の 0.4%(3 名)で認められ、アリロクマブ群で多く認められた。重篤な全身性アレルギー性の TEAE がアリロク

マブ群の 0.3%(5 名)及びプラセボ群の 0.4%(3 名)で認められ、その内訳は、アリロクマブ群で過敏症、

薬物過敏症、アレルギー性皮膚炎及び喘息(2 名)、プラセボ群でサイトカイン放出症候群、喘息及び急

性呼吸不全であった。アリロクマブ群の 0.6%(9 名)が全身性アレルギー性の TEAE により治験薬の投与

を中止したが、プラセボ群で全身性アレルギー性の TEAE による中止は認められなかった。

局所注射部位反応の TEAE がアリロクマブ群の 5.8%(90 名)及びプラセボ群の 4.3%(34 名)で認めら

れた。局所注射部位反応の多くは重症度が軽度であり、発現期間は短く、ほとんどの場合 1 回のみの発現

であった。注射部位反応によりアリロクマブ群の 0.3%(4 名)及びプラセボ群の 0.5%(4 名)が治験薬の

投与を中止した。

CMQ の「糖尿病」に分類される TEAE が、アリロクマブ群の 4.3%(67 名)及びプラセボ群の 3.9%(31 名)

で認められた。ベースライン時の糖尿病に関連するカテゴリー別の解析により、治験薬投与期間の糖尿病

の発現割合について、ベースライン時の非糖尿病患者ではアリロクマブ群とプラセボ群との間に差がなか

った。全体及びベースライン時の血糖コントロールのカテゴリー別に見ると、空腹時血糖及び HbA1c のベ

ースラインからの変化量について投与群間で臨床的に意味のある差は認められなかった。

(electronic

3.0)

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治験実施計画書の識別コード:LTS11717

ミエリン鞘の障害やニューロパチー等の神経学的事象に関連する TEAE がアリロクマブ群の 4.2%(65 名)

及びプラセボ群の 3.9%(31 名)で認められたが、特定の臨床的な傾向は見られなかった。SMQ の「ギラ

ン・バレー症候群」に分類される TEAE がアリロクマブ群の 3.7%(58 名)及びプラセボ群の 3.6%(28名)に認められたが、ギラン・バレー症候群と判断される TEAE の発現はなかった。錯感覚がプラセボ群

(0.6%)と比べてアリロクマブ群(1.2%)で多く認められたが、全体として投与群間で発現割合に差のあ

る TEAE は見られなかった。SMQ の「末梢神経障害」に分類される TEAE がアリロクマブ群の 3.2 %(50 名)

及びプラセボ群の 3.6%(28 名)に認められた。SMQ の「脱髄」に分類される TEAE がアリロクマブ群の

0.4%(4 名)で認められたが、プラセボ群では見られなかった。事前に規定した SMQ に分類される重篤

な事象がアリロクマブ群の 0.3%(4 名)に認められた(運動失調、脱髄、ミラー・フィッシャー症候群及

び視神経炎)が、プラセボ群には見られなかった。

神経認知学的事象の発現割合はアリロクマブ群で 1.2%、プラセボ群で 0.5%と低く、健忘、記憶障害及び

錯乱状態が認められた。神経認知学的事象が認められたほとんどの患者が治験薬の投与を継続した。重篤

な神経認知学的事象がアリロクマブ群の 0.2%(3 名)(錯乱状態、認知症及び前頭側頭型認知症)及びプ

ラセボ群の 0.1%(1 名)(認知症)で認められた。これらの事象はすべて治験薬との因果関係が否定され

た。

本治験ではアリロクマブ群のすべての患者が 150 mg Q2W 投与を受けた。LDL-C 値が 2 回連続で 25 mg/dL(0.65 mmol/L)未満となった場合に生じる可能性のある影響を評価するために、特定の臨床検査モニタリ

ングを実施した。LDL-C 値が 2 回連続で 25 mg/dL(0.65 mmol/L)未満であった患者はアリロクマブ群の

36.2%(562 名)であったが、これらの患者群で特に安全性上の懸念は認められなかった。これらの患者群

の安全性プロファイルは、全体として安全性解析対象集団におけるアリロクマブ群で認められたものと同

様であった。2 回連続して LDL-C 値の低値が認められた後に発現、悪化又は重篤となった神経学的事象は、

錯感覚、感覚鈍麻及び振動覚低下(それぞれ 2 名に発現)並びに構語障害、ミラー・フィッシャー症候群、

神経痛、神経根障害及び三叉神経痛(それぞれ 1 名に発現)であった。LDL-C 値 25 mg/dL 未満を 2 回連

続して示した患者で認められた神経認知学的事象は、記憶障害、認知症、錯乱状態及び前頭側頭型認知症

(それぞれ 1 名に発現)であった。LDL-C の低値が 2 回連続して認められた患者の神経学的事象及び神経

認知学的事象の発現割合は、LDL-C 値の低値が 2 回連続して認められなかった患者の発現割合と同程度で

あり、安全性解析対象集団におけるアリロクマブ群とプラセボ群の発現割合と同程度であった。

TEAE 期間中に抗アリロクマブ抗体陽性反応がアリロクマブ群の計 75 名で認められた。アリロクマブ群に

おける局所注射部位反応の発現割合は、抗体陰性患者(5.5%)と比べて抗体陽性患者(12.0%)で高かっ

たが、全身性アレルギー性の TEAE は、抗体反応陰性患者と比べて抗体反応陽性患者での増加は認められ

なかった。全身性アレルギー性の TEAE の内訳は、過敏症、全身性そう痒症、発疹及び皮膚炎(各 1 名)

並びに結膜炎(2 名)であり、過敏症は治験薬の初回投与後に発現し、重篤な TEAE と判断された。抗体

陽性患者で認められた他の全身性アレルギー性のTEAEに重篤なものはなく、治験薬の投与中止に至るTEAEはなかった。

肝障害に関連する TEAE がアリロクマブ群の 2.2%(34 名)及びプラセボ群の 1.3%(10 名)に認められ

た。治験実施計画書に規定した ALT 増加が認められた患者の割合について、投与群間で差は認められなか

った(アリロクマブ群 1.4%及びプラセボ群 1.3%)。プラセボ群の 1 名に胆管炎に関連した肝障害(Hy’s law)

の可能性があった。肝障害又は事前に規定した ALT 増加が認められた患者のほとんどが治験を継続した。

肝障害に分類された TEAE により治験薬の投与中止に至った患者の割合は、アリロクマブ群とプラセボ群

とで同程度(0.3%)であった。

(electronic

3.0)

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治験実施計画書の識別コード:EFC11716

治験方法:

ランダム化、二重盲検、並行群間、エゼチミブ対照、均等割付け(アリロクマブ:エゼチミブ = 1:1)、

多施設共同、国際共同試験。

本治験は以下の 3 つの期間からなり、全治験期間は約 34 週間であった。

• 長 2 週間のスクリーニング期間:患者(又は配偶者、親族等、指名を受けた者)はアリロクマブの

プラセボを用いて投与方法(自己注射又は注射)の訓練を受けた。

• 24 週間の二重盲検投与期間:

- アリロクマブに割り付けられた患者は投与後 12 週時までアリロクマブ 75 mg Q2W を皮下投

与された。患者は盲検下で、投与後 8 週時の LDL-C 値が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満の場

合はアリロクマブ 75 mg Q2W を継続し、100 mg/dL(2.59 mmol/L)以上の場合はアリロクマ

ブ 150 mg Q2W へ増量して、投与後 12 週から 22 週時まで投与されることとした(増量は二

重盲検下で自動化されたプロセスで実施)。すべての患者は投与後 24 週時までエゼチミブの

プラセボを 1 日 1 回経口投与されることとした。

- エゼチミブに割り付けられた患者はエゼチミブ 10 mg を 1 日 1 回経口投与され、また、アリ

ロクマブのプラセボを Q2W で皮下投与された。

• 8 週間のフォローアップ期間:安全性評価

治験期間中、盲検下での自動増量プロセスにエラーがあり、投与後 8 週時の LDL-C 値が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)以上 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満の患者が投与後 12 週時に 150 mg Q2W 投与へ増量された。

患者数:

予定:100 名

ランダム化:103 名

投与:103 名

評価:

有効性 (ITT 集団):103 名 (mITT 集団):101 名

安全性:103 名

薬物動態:103 名

抗体:100 名

診断及び選択基準:

LDL-C 値が 100~190 mg/dL(2.59~4.91 mmol/L)で、系統的冠動脈リスク評価(Systematic Coronary Risk Estimation:SCORE)に基づいた 10 年間の致死性心血管疾患の発症リスクが 1%以上 5%未満と定義され

る中程度の心血管リスクを伴う患者。

(electronic

3.0)

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治験実施計画書の識別コード:EFC11716

評価基準:

有効性:

主要評価項目:ベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C(計算値)の変化率

重要な副次評価項目(階層的検定手順):

• ベースラインから投与後 12 週時までの LDL-C(計算値)の変化率

• ベースラインから投与後 24 週時までの Apo B の変化率

• ベースラインから投与後 24 週時までの non-HDL-C の変化率

• ベースラインから投与後 24 週時までの Total-C の変化率

• ベースラインから投与後 12 週時までの Apo B の変化率

• ベースラインから投与後 12 週時までの non-HDL-C の変化率

• ベースラインから投与後 12 週時までの Total-C の変化率

• 投与後 24 週時に LDL-C 値が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した患者の割合

• 投与後 24 週時に LDL-C 値が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した患者の割合

• ベースラインから投与後 24 週時までの Lp(a)の変化率

• ベースラインから投与後 24 週時までの HDL-C の変化率

• ベースラインから投与後 12 週時までの HDL-C の変化率

• ベースラインから投与後 12 週時までの Lp(a)の変化率

• ベースラインから投与後 24 週時までの空腹時 TG の変化率

• ベースラインから投与後 12 週時までの空腹時 TG の変化率

• ベースラインから投与後 24 週時までの Apo A-1 の変化率

• ベースラインから投与後 12 週時までの Apo A-1 の変化率

その他の副次評価項目:

• 投与後 12 週時に LDL-C 値 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した患者の割合

• 投与後 12 週時に LDL-C 値 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した患者の割合

• ベースラインから投与後 12 及び 24 週時までの LDL-C 値(mg/dL 及び mmol/L)の変化量

• ベースラインから投与後 12 及び 24 週時までの Apo B/Apo A-1 比の変化量

• 投与後 12 及び 24 週時に Apo B 値 80 mg/dL(0.8 g/L)未満に達した患者の割合

• 投与後 12 及び 24 週時に non-HDL-C 値 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した患者の割合

• 投与後 12 及び 24 週時に non-HDL-C 値 130 mg/dL(3.37 mmol/L)未満に達した患者の割合

• ベースラインから投与後 12 及び 24 週時までの Total-C/HDL-C 比の変化量

• ベースラインから投与後 12 及び 24 週時に LDL-C 値が 50%以上低下した患者の割合

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

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治験実施計画書の識別コード:EFC11716

安全性:

TEAE(SAE 及び AESI を含む)、心血管イベント、臨床検査(血液学的検査及び生化学的検査)、バイタ

ルサイン、ECG

薬物動態/薬力学用検体の採取時間及び分析方法:

総アリロクマブ濃度(遊離アリロクマブと PCSK9 に結合したアリロクマブ)は、バリデートされた ELISA(LLOQ 0.078 µg/mL)を用いて測定した。

総及び遊離 PCSK9 濃度は、バリデートされた ELISA を用いて測定した(LLOQ はそれぞれ 0.156 µg/mL及び 0.0312 µg/mL)。

抗アリロクマブ抗体測定用検体は、バリデートされた非定量的な抗体価ベースのイムノアッセイ法を用い

て分析した(検出下限約 1.7 ng/mL)。本測定法は、スクリーニング、確認試験及び抗体価の測定の 3 段階

よりなる。

抗アリロクマブ抗体が陽性の検体は、バリデートされた非定量的競合リガンド結合測定法を用いて、中和

抗体を評価した。陽性対照(抗アリロクマブモノクローナル中和抗体)に基づく測定法の検出下限は470 ng/mLであった。

統計手法:

解析対象集団:

主要有効性解析対象集団は ITT 集団とした。ITT 集団は、ランダム化された集団のうち主要評価項目が評価

可能、すなわち、ベースラインの LDL-C 値(計算値)を有し、治験薬投与の有無を問わず、投与後 24 週

時までに 1 時点の analysis window 内で 1 つ以上の LDL-C 値(計算値)を有する患者集団と定義した。

副次有効性解析対象集団は mITT 集団とした。mITT 集団は、ランダム化された集団のうち二重盲検下で治

験薬を少なくとも 1 回量又は一部を投与され、ベースライン及び有効性評価期間の投与後 4 週時から 24 週

時までに計画された測定時点のうち 1 時点で 1 つ以上の評価可能な LDL-C 値(計算値)を有する患者と定

義した。なお、有効性評価期間は、治験薬の初回投与から 終皮下投与後 21 日まで又はカプセルの 終経

口投与後 3 日までのうち、どちらか早い日までの期間とした。

安全性解析対象集団は、ランダム化された集団のうち二重盲検下で治験薬を少なくとも 1 回量又は一部を

投与された集団とした。

抗体解析対象集団は、ランダム化され、治験薬を投与された集団(安全性解析対象集団)のうち、ベース

ライン時の抗体が評価可能で、二重盲検下での治験薬初回投与後に少なくとも 1 回以上抗体が評価可能な

集団とした。

PK 解析対象集団は、ランダム化され、治験薬を投与された集団(安全性解析対象集団)のうち、二重盲検

下での治験薬初回投与後に評価可能な血液検体を 1 つ以上採取された集団とした。

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

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治験実施計画書の識別コード:EFC11716

有効性解析:

有効性は、ITT 集団について、ランダム化により割り付けられた投与群に基づき解析した。

測定項目は、規定時又は規定外、絶食下か否かを問わず、すべて analysis window 内に割り当て、投与後 4 週時から 24 週時までの時点で評価した。

ベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C(計算値)の変化率は MMRM を用いて解析した。投与後 4 週時から 24 週時までの analysis window 内で利用可能なすべてのベースライン後データが用いられ、欠測デ

ータが MMRM モデルを用いて説明された。本モデルには、カテゴリカル変数の固定効果として投与群(ア

リロクマブ又はエゼチミブ)、時点(投与後 4 週時から 24 週時まで)、投与群と時点の交互作用を用い、

連続変数の固定効果としてベースラインの LDL-C 値及びベースライン値と時点の交互作用を用いた。

第 1 種過誤確率を 5%に制御し、複数の評価項目を取り扱うため、重要な副次評価項目の上述した順序に従

い治験実施計画書で事前に規定した階層手順を用いた。

• 正規分布に従うことが想定される連続変数の副次評価項目(TG、Lp(a)以外の脂質)は、主要評価項目

と同様に MMRM モデルを用い、ITT 集団を対象として解析した。

• 非正規分布に従うことが想定される連続変数の副次評価項目(TG、Lp(a))は、ITT 集団を対象として、

欠測値を扱うために多重代入法を用いた後、群間比較を行うために、対象とする評価項目を反応変数、

投与群、対応するベースラインを効果として、M-推定量によるロバスト回帰モデル(SAS ROBUSTREGプロシージャを使用)により解析した。両群における平均について、統合された推定値とその群間差

及びそれらの対応する標準誤差、95%CI、p 値を求めた(SAS MIANALYZE プロシージャを使用)。

• 2 値変数の有効性副次評価項目は、ITT 集団を対象として、欠測値の対応のために多重代入法を用いた

後、投与群を主効果、対応するベースライン値を共変量としたロジスティック回帰により解析した。

エゼチミブに対するオッズ比について統合された推定値、95%CI、p 値を求めた(SAS MIANALYZEプロシージャを使用)。

安全性解析:

安全性解析は記述的に行い、安全性解析対象集団について実際に投与された群に基づいて実施した。安全

性の解析は、治験薬の二重盲検下の初回投与(カプセル剤又は注射剤のどちらか先に投与された方)から

終投与後 70 日までの期間(TEAE 期間)について行った。

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

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治験実施計画書の識別コード:EFC11716

要約:

集団の特性:

ベースライン時の人口統計学的特性、疾患特性及び脂質パラメータは投与群間で同様であった。全体のベ

ースラインの LDL-C(計算値)の平均値 ± 標準偏差は 139.7 ± 25.8 mg/dL(3.619 ± 0.668 mmol/L)であ

った。

有効性の結果:

ITT 集団におけるベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C の変化率(調整平均)は、アリロクマブ群

で−47.2%、エゼチミブ群で−15.6%であり、エゼチミブ群と比べてアリロクマブ群で大きく低下した。エ

ゼチミブ群に対する群間差(95%CI)は−31.6%(−40.2; −23.0%)で、統計学的に有意な差が見られた

(p<0.0001)。アリロクマブ群では、LDL-C は投与後 4 週時から大きく低下し、以後治験期間を通してす

べての時点で維持された。ITT 集団における 150 mg Q2W 投与へ増量する前のベースラインからの投与後

12 週時までの LDL-C の変化率(調整平均)は、アリロクマブ 75 mg Q2W 群で−48.1%及びエゼチミブ群

で−19.6%、エゼチミブ群に対する群間差(95%CI)は−28.5%(−35.7; −21.2%)であり、統計学的に有意

な差が見られた(p<0.0001)。mITT 集団を対象とした主要評価項目の感度分析(「on-treatment analysis」)

では、有効性評価期間においても、ベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C の変化率(調整平均)

は、アリロクマブ群で−54.1%、エゼチミブ群で−17.2%であり、エゼチミブ群と比べてアリロクマブ群で

大きく低下した。エゼチミブ群に対する群間差(95%CI)は−36.9%(−42.7; −31.2%)であった(p<0.0001)。

盲検下で自動化された用量増量プロセスにおいて、LDL-C 値 100 mg/dL の代わりに誤って 70 mg/dL 以上

の基準値が適用され、LDL-C 値 70 mg/dL 以上 100 mg/dL 未満の 13 名の患者が増量されたため、別の感度

分析を行い、その影響の可能性について検討した。これらの患者で投与後 12 週時以降に収集されたデータ

を除いた ITT 集団の解析結果は主要有効性解析結果と同等であった。ベースラインから投与後 24 週時まで

の LDL-C の変化率(調整平均)は、アリロクマブ群で−44.3%、エゼチミブ群で−15.6%であり、エゼチミ

ブ群に対する群間差(95%CI)は−28.7%(−37.9; −19.5%)であった(p<0.0001)。

LDL-C値が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した患者の割合は、投与後 24週時ではエゼチミブ群の 32.2%に対してアリロクマブ群 88.1%であり、投与後 12 週時ではエゼチミブ群の 30.7%に対してアリロクマブ

群 88.3%であった。LDL-C 値が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した患者の割合は、投与後 24 週時では

エゼチミブ群の 2.4%に対してアリロクマブ群 59.4%であり、投与後 12 週時ではエゼチミブ群の 0%に対

してアリロクマブ群 57.7%であった。両群の患者の割合は多重代入法を用いた後に推定した。

投与後 12 及び 24 週時に、アリロクマブは Apo B、non-HDL-C 及び Total-C をエゼチミブと比較して有意

に低下させた。投与後 12 及び 24 週時に、Lp(a)及び空腹時 TG の低下並びに HDL-C 及び Apo A-1 の上昇

が両投与群で見られ、アリロクマブでより改善傾向が認められた。しかしながら、Lp(a)について統計学的

な有意差は認められず、他の重要な副次評価項目について正式な統計学的検定は実施されなかった。

薬物動態の結果:

ベースラインの総及び遊離 PCSK9 濃度はアリロクマブ群及びエゼチミブ群で同程度であった。アリロクマ

ブの単剤療法を受けた患者の多くで、75 mg Q2W 投与により遊離 PCSK9 が十分ブロックされ、治験期間

を通して有効性が維持された。

アリロクマブの平均 Ctrough及び平均 Cmaxは、75 mg Q2W から 150 mg Q2W へ増量したとき、ほぼ用量依

存的に上昇した。

二重盲検投与期間及びフォローアップ期間中、4 名の患者が抗アリロクマブ抗体陽性であった。抗アリロ

クマブ抗体陽性検体はすべて抗アリロクマブ抗体反応が低く、抗体価 120 を超える検体はなかった。これ

らの陽性検体は中和抗体ではなかった。

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

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治験実施計画書の識別コード:R727-CL-1110

治験方法:

ランダム化、二重盲検、実薬対照、並行群間、国際共同試験。

本治験に組み入れられた患者は、ベースライン時のアトルバスタチンの用量(20 mg 又は 40 mg)に応じ

て、以下の 7 群のいずれかにランダム化された。

アトルバスタチン 20 mg が投与されていた患者(20 mg レジメン):

• アリロクマブ 75 mg + アトルバスタチン 20 mg + エゼチミブ プラセボ

• アトルバスタチン 40 mg + アリロクマブ プラセボ及びエゼチミブ プラセボ

• エゼチミブ 10 mg + アトルバスタチン 20 mg + アリロクマブ プラセボ

アトルバスタチン 40 mg が投与されていた患者(40 mg レジメン):

• アリロクマブ 75 mg + アトルバスタチン 40 mg + エゼチミブ プラセボ

• アトルバスタチン 80 mg + アリロクマブ プラセボ及びエゼチミブ プラセボ

• ロスバスタチン 40 mg + アリロクマブ プラセボ及びエゼチミブ プラセボ

• エゼチミブ 10 mg + アトルバスタチン 40 mg + アリロクマブ プラセボ

本治験は、2~6 週間のスクリーニング期間、24 週間の二重盲検投与期間、8 週間のフォローアップ期間か

らなり、全治験期間は約38週間であった。アリロクマブに割り付けられた患者は、アリロクマブ75 mg Q2Wを開始用量として、心血管リスク及び事前に規定した投与後 8 週時の LDL-C 値に基づき、投与後 12 週時

に 150 mg へ増量可能とした(増量は二重盲検下で自動化されたプロセスで実施)。以下の基準に基づき

22 週時の 終投与までアリロクマブを投与されることとした。

• 非家族性又はヘテロ接合性家族性高コレステロール血症患者で、冠動脈疾患又は他の心血管疾患、若

しくは標的臓器障害を伴う糖尿病の既往を有する患者:

- 投与後 8 週時に LDL-C 値が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満の場合、アリロクマブ 75 mg Q2W投与を継続、又は

- 投与後 8 週時に LDL-C 値が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)以上の場合、アリロクマブ 150 mg Q2W投与へ増量

• 冠動脈疾患又は他の心血管疾患の既往のない非家族性又はヘテロ接合性家族性高コレステロール血症

患者で、10 年間の致死的心血管疾患リスクのスコアが 5%以上の患者、中等度の慢性腎臓病、又は標

的臓器障害を伴わない糖尿病を有する患者:

- 投与後 8 週時に LDL-C 値が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満の場合、アリロクマブ 75 mg Q2Wを継続、又は

- 投与後 8 週時に LDL-C 値が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)以上の場合、アリロクマブ 150 mg Q2Wへ増量

患者数:

予定:350 名

ランダム化:355 名

投与:354 名

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

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治験実施計画書の識別コード:R727-CL-1110

重要な副次評価項目:

• ベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Apo B の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Apo B の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの non-HDL-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの non-HDL-C の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Total-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Apo B の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの non-HDL-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Total-C の変化率(ITT estimand)

• 投与後 24 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した心血管リスクの極めて

高い患者又は LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した心血管リスクの高い患者の

割合(ITT estimand)

• 投与後 24 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した心血管リスクの極めて

高い患者又は LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した心血管リスクの高い患者の

割合(on-treatment estimand)

• 投与後 24 週時に LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 24 週時に LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した患者の割合(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Lp(a)の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの HDL-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの空腹時 TG の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Apo A-1 の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Lp(a)の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの HDL-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの空腹時 TG の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Apo A-1 の変化率(ITT estimand)

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

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治験実施計画書の識別コード:R727-CL-1110

その他の副次評価項目:

• 投与後 12 週時に LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した心血管リスクの極めて高

い患者又は LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した心血管リスクの高い患者の割

合(ITT estimand)

• 投与後 12 及び 24 週時に LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 12 週時に LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した患者の割合(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 及び 24 週時までの LDL-C 値(計算値、mg/dL 及び mmol/L)の変化量(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 及び 24 週時までの Apo B/Apo A-1 比の変化量(ITT estimand)

• 投与後 12 及び 24 週時に Apo B 値が 80 mg/dL(0.8 g/L)未満に達した患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 12 及び 24 週時に non-HDL-C 値が 100 mg/dL 未満に達した患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 12 及び 24 週時に non-HDL-C 値が 130 mg/dL(3.37 mmol/L)未満に達した患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 12 及び 24 週時に LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した又は LDL-C(計

算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)以上の場合は LDL-C(計算値)がベースラインから 50%以上低下

した心血管リスクの極めて高い患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 12 及び 24 週時に LDL-C 値がベースラインから 50%以上低下した患者の割合(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 及び 24 週時までの Total-C/HDL-C 比の変化量(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 及び 24 週時までの Total-C の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Apo B の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの non-HDL-C の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 及び 24 週時までの Lp(a)の変化率(on-treatment estimand)

• 投与後 12 週時に LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した心血管リスクの極めて高

い患者又は LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した心血管リスクの高い患者の割

合(on-treatment estimand)

• 投与後 24 週時に LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した患者の割合(on-treatment estimand)

安全性:

TEAE(SAE 及び AESI を含む)、心血管イベント、死亡、臨床検査(尿検査、血液学的検査及び生化学的

検査、C 型肝炎抗体、肝パネル、CPK)、バイタルサイン、ECG

その他:

hs-CRP、HbA1c、抗アリロクマブ抗体、25 mg/dL(0.65 mmol/L)未満のLDL-C値及び15 mg/dL(0.39 mmol/L)未満の LDL-C 値

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

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治験実施計画書の識別コード:R727-CL-1110

生体試料の分析方法:

抗アリロクマブ抗体測定用検体は、バリデートされた非定量的な抗体価ベースのイムノアッセイ法を用い

て分析した。本測定法は、スクリーニング、確認試験及び抗体価の測定の 3 段階よりなる。陽性対照に基

づく測定法の感度は約 5.6 ng/mL であった。

抗アリロクマブ抗体が陽性の検体は、バリデートされた非定量的競合リガンド結合測定法を用いて、中和

抗体を評価した。陽性対照に基づく測定法の感度は 470 ng/mL であった。

統計手法:

試験データは、ベースライン時のアトルバスタチンのレジメン(20 mg レジメン、40 mg レジメン)内の

各投与群及びこれらの 2 レジメンの併合データ別に要約した。有効性の主要解析及び副次解析はベースラ

イン時のアトルバスタチンの用量レジメンごとに実施し、併合データは補助的に用いた。一方、安全性に

ついては併合データを基に評価を行い、各レジメン内のデータは補助的に用いた。

人口統計学的特性及びベースライン特性は、ITT 集団について投与群別に記述的に要約した。連続変数は平

均値、中央値、標準偏差、 小値及び 大値を用い、カテゴリカル変数は各投与群の患者数及び患者の割

合を用いて要約した。

MMRM を用いて 5 回の対比較(20 mg レジメン内の 2 回、40 mg レジメン内の 3 回)を行い、主要有効性

評価を行った。本モデルでは、カテゴリカル変数の固定効果として投与群、ランダム化因子、時点(投与

後 24 週時までの規定された評価時点)、ランダム化因子と時点の交互作用及び投与群と時点の交互作用を

用い、また連続変数の固定効果として対応するベースライン値及びベースライン値と評価時点の交互作用

を用いた。主要有効性評価項目における 5 回の対比較の検定では、多重性を調整するため、各比較を両側

有意水準 0.01 で評価し、試験全体の有意水準 0.05 を維持した。

重要な副次評価項目は主要評価項目と同様に MMRM モデルを用いて評価し、多重性を調整するために、そ

れぞれの 5 回の対比較において階層的検定手順を用いた。規定した estimand に応じて ITT 又は mITT 集団

について副次評価項目の記述的な要約及び解析を実施した。推定には多重代入法を用いた。また、複数の

感度分析も実施した。

安全性解析は、安全性解析対象集団について実際に投与された群に基づいて実施した。有害事象はそれぞ

れの安全性観察期間で別々に要約した。二重盲検投与期間中のベースライン後の各来院時における血液学

的及び血液生化学的パラメータについては、実測値及びベースラインからの変化量を、各投与群について

平均値、中央値、Q1、Q3、標準偏差、標準誤差、 小値及び 大値により要約した。

要約:

治験期間中、通常の医療機関でのモニタリング実施時に、1 施設(医療機関番号 840-598)に GCP 不遵守

が認められた。治験実施計画書を遵守した治験の実施が困難と判断されたため、本医療機関での治験は中

止され(ランダム化 5 名)、適用される法律や規制に基づき関連当局及び独立倫理委員会にその旨を通知

した。

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 323

治験実施計画書の識別コード:R727-CL-1110

集団の特性:

ベースライン時にアトルバスタチン 20 mg の治療を受けていた(20 mg レジメン)169 名、アトルバスタ

チン 40 mg の治療を受けていた(40 mg レジメン)186 名の合計 355 名の患者がランダム化され、エゼチ

ミブ 10 mg + アトルバスタチン 40 mg 群の 1 名を除き、すべての患者が治験薬を投与された。治験薬の投

与を中止した患者の割合はすべての投与群で同程度であった。

有効性解析に影響を及ぼす可能性のある治験実施計画書からの重大な逸脱が患者全体で 18.0%(64 名)に

認められ、ITT 解析から 2.8%(10 名)、on-treatment 解析から 4.2%(15 名)の患者が除外された。

全体のベースライン時の LDL-C 計算値(平均値 ± 標準偏差)は、105.1 ± 34.1 mg/dL(2.723 ± 0.884 mmol/L)であり、LDL-C 測定値(平均値 ± 標準偏差)は 101.4 ± 32.7 mg/dL(2.626 ± 0.848 mmol/L)であった。

ベースライン時の人口統計学的特性は、投与群間で不均衡は見られなかった。患者全体の平均年齢 ± 標準

偏差は 62.9 ± 10.2 歳で、範囲は 30~85 歳であった。患者の半数以上が男性であり(65.1%、231/355 名)、

女性は 34.9%(124/355 名)であった。全体として治験対象集団の多くが白人(86.2%、306 名)及び黒人

又はアフリカ系アメリカ人(10.7%、38 名)であり、ヒスパニック系又はラテン系は少なかった(ヒスパ

ニック系又はラテン系以外:81.1%、288 名)。患者全体の BMI の平均値 ± 標準偏差は 31.0 ± 6.4 kg/m2

であり、体重の平均値 ± 標準偏差は 89.6 ± 22.2 kg であった。

全般的にベースライン時の病歴、疾患特性及び脂質パラメータは、各投与群間で不均衡は認められなかっ

た。

有効性の結果:

有効性は ITT 解析及び on-treatment 解析により評価した。これらの 2 つの解析により相補的な情報が得ら

れた。ITT 解析により、投与の遵守状況によらずすべての患者からのデータを解析してそのベネフィットを

評価し、患者集団における効果を 大限に反映した。On-treatment 解析により、患者が実際に投与された

期間に限定した治療効果を解析し、評価時点で達成される治療のベネフィットを評価した。

患者全体として、アリロクマブ併用群の 14%(13 名)が投与後 12 週時にアリロクマブ 150 mg Q2W へ増

量した。

ベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C の変化率について、MMRM モデルを用いた ITT 解析により、

アリロクマブ併用群とその他の投与群との間に統計学的な有意差が認められた。

アトルバスタチン 20 mg レジメンの患者におけるベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C の変化率

(調整平均)は、アリロクマブ + アトルバスタチン 20 mg 群で−44.1%であり、アトルバスタチン 40 mg群−5.0%及びエゼチミブ10 mg + アトルバスタチン20 mg群−20.5%と比べて統計学的に有意に低下した(ア

トルバスタチン 40 mg 群に対し p<0.0001 、エゼチミブ 10 mg + アトルバスタチン 20 mg 群に対し

p = 0.0004)。

アトルバスタチン 40 mg レジメンの患者におけるベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C の変化率

(調整平均)は、アリロクマブ + アトルバスタチン 40 mg 群で−54.0%であり、ロスバスタチン 40 mg 群

−21.4%、アトルバスタチン 80 mg 群 −4.8%及びエゼチミブ 10 mg + アトルバスタチン 40 mg 群−22.6%と

比べて統計学的に有意に低下した(ロスバスタチン 40 mg 群、アトルバスタチン 80 mg 群及びエゼチミブ

10 mg + アトルバスタチン 40 mg 群の対比較でいずれも p<0.0001)。

感度分析では、各レジメンで事前に規定した主要有効性解析と一致した頑健な治療効果が示された。アト

ルバスタチン 40 mg レジメン及び併合集団に、性別のサブグループで量的交互作用が見られた。また、ア

トルバスタチン 20 mg レジメン及び 40 mg レジメンともに、心筋梗塞又は脳卒中の既往の有無に関して比

較群に対する反応の差を一因とするわずかな差が認められたが、これらの影響は併合集団では認められな

かった。

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 324

治験実施計画書の識別コード:R727-CL-1110

性別、年齢、BMI、心筋梗塞及び虚血性脳卒中の既往、中等度の慢性腎臓病の有無、糖尿病の病態、ベー

スラインの各パラメータ(LDL-C、HDL-C、空腹時 TG 及び Lp(a))等の人口統計学的特性のサブグループ

解析において、両レジメンともに全集団と一貫したベースラインからの LDL-C の低下が認められた。

重要な副次評価項目においても、主要有効性解析で示されたアリロクマブの LDL-C に対する効果とおおむ

ね一致した結果が得られた。アリロクマブ + アトルバスタチン 20 mg とエゼチミブ 10 mg + アトルバスタ

チン 20 mg の対比較を除き、LDL-C の重要な副次評価項目に関するすべての比較において統計学的な有意

差が認められた。

Total-C、non-HDL-C、Apo B 及び Lp(a)等の脂質に関する重要な副次評価項目についても、LDL-C と同様

に、アリロクマブの併用投与で有意に低下した。

またアリロクマブ併用群において、TG のわずかな低下、HDL-C 及び Apo A-1 の上昇が認められた。これ

らのパラメータで統計学的有意差が認められなかった要因として、本治験の検出力の基準とした LDL-C よ

りこれらのパラメータの変化量が小さいこと、又はこれらのパラメータでばらつきが大きいことが考えら

れた。

安全性の結果:

アトルバスタチン 20 mg レジメンと 40 mg レジメンの併合データにおいて、TEAE がアリロクマブ併用群

の 65.4%(68 名)、スタチン強化投与群の 63.8%(95 名)、エゼチミブ併用群の 64.4%(65 名)に発現

した。筋骨格系および結合組織障害(SOC)は、スタチン強化投与群(12.8%)及びエゼチミブ併用群(12.9%)

と比べて、アリロクマブ併用群(23.1%)で多く認められた。血管障害(SOC)は、スタチン強化投与群

(2.0%)と比べて、アリロクマブ併用群(6.7%)及びエゼチミブ併用群(6.9%)で多く認められた。胃

腸障害(SOC)は、アリロクマブ併用群(11.5%)及びエゼチミブ併用群(15.8%)と比べて、スタチン

強化投与群(20.8%)で多く認められた。本治験では 2 名の死亡が報告され、いずれもエゼチミブ 10 mg + アトルバスタチン 20 mg 群の患者であった。SAE は、アリロクマブ併用群の 3.8%(4 名)、スタチン強

化投与群の 5.4%(8 名)及びエゼチミブ併用群の 6.9%(7 名)で発現した。

19 名の患者が TEAE により治験を中止し、内訳はアリロクマブ併用群の 6.7%(7 名)、スタチン強化投与

群の 5.4%(8 名)及びエゼチミブ併用群の 4.0%(4 名)であった。

注射部位反応は、アリロクマブ併用群の 2.9%(3 名)、スタチン強化投与群の 2.0%(3 名)及びエゼチミ

ブ併用群の 3.0%(3 名)に発現した。

臨床検査パラメータ又はバイタルサインにおいて、臨床的に意義のある経時的な上昇又は低下傾向は認め

られなかった。ECG、HbA1c 又は C 型肝炎に関する安全性の懸念は認められなかった。

投与期間中に LDL-C 値が 2 回連続で 25 mg/dL(0.65 mmol/L)未満であった患者の割合は、アリロクマブ

併用群で 18.3%(19 名)、スタチン強化投与群で 0.7%(1 名)であり、エゼチミブ併用群では認められな

かった。このうち、アリロクマブ併用群の 68.4%(13 名)に TEAE が認められた。PT 別の TEAE で 2 名以上に発現した事象は認められなかった。

抗体の評価結果:

治験期間中、11 名の患者の 27 検体が抗アリロクマブ抗体陽性を示した。治験薬投与下で発現した抗アリ

ロクマブ抗体陽性反応は、アトルバスタチン 20 mg レジメンと 40 mg レジメンの併合データにおいて、ア

リロクマブ併用群の 5.1%(5/99 名)及びスタチン強化投与群の 0.7%(1/141 名)に認められ、エゼチミ

ブ併用群では認められなかった。治験薬投与下で抗アリロクマブ抗体陽性反応を示したアリロクマブ併用

群の 5 名のうち、3 名が持続的、1 名が一過性の陽性反応、1 名は確定不能であった。

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 327

治験実施計画書の識別コード:R727-CL-1118

治験方法:

ランダム化、二重盲検、実薬対照、並行群間、国際共同試験。

本治験に組み入れられた患者は、ベースライン時のロスバスタチンの用量(10 mg 又は 20 mg)に応じて、

以下の 6 群のいずれかにランダム化された。

ロスバスタチン 10 mg が投与されていた患者(10 mg レジメン):

• アリロクマブ 75 mg + ロスバスタチン 10 mg + エゼチミブ プラセボ

• ロスバスタチン 20 mg + アリロクマブ プラセボ及びエゼチミブ プラセボ

• エゼチミブ 10 mg + ロスバスタチン 10 mg + アリロクマブ プラセボ

ロスバスタチン 20 mg が投与されていた患者(20 mg レジメン):

• アリロクマブ 75 mg + ロスバスタチン 20 mg + エゼチミブ プラセボ

• ロスバスタチン 40 mg + アリロクマブ プラセボ及びエゼチミブ プラセボ

• エゼチミブ 10 mg + ロスバスタチン 20 mg + アリロクマブ プラセボ

本治験は、2~6 週間のスクリーニング期間、24 週間の二重盲検投与期間、8 週間のフォローアップ期間か

らなり、全治験期間は約38週間であった。アリロクマブに割り付けられた患者は、アリロクマブ75 mg Q2Wを開始用量として、心血管リスク及び事前に規定した投与後 8 週時の LDL-C 値に基づき、投与後 12 週時

に 150 mg へ増量可能とした(増量は二重盲検下で自動化されたプロセスで実施)。以下の基準に基づき

22 週時の 終投与までアリロクマブを投与されることとした。

• 非家族性又はヘテロ接合性家族性高コレステロール血症患者で、冠動脈疾患又は他の心血管疾患、若

しくは標的臓器障害を伴う糖尿病の既往を有する患者: - 投与後 8 週時に LDL-C 値が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満の場合、アリロクマブ 75 mg Q2W

投与を継続、又は

- 投与後 8 週時に LDL-C 値が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)以上の場合、アリロクマブ 150 mg Q2W投与へ増量

• 冠動脈疾患又は他の心血管疾患の既往のない非家族性又はヘテロ接合性家族性高コレステロール血症

患者で、10 年間の致死的心血管疾患リスクのスコアが 5%以上の患者、中等度の慢性腎臓病、又は標

的臓器障害を伴わない糖尿病を有する患者: - 投与後 8 週時に LDL-C 値が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満の場合、アリロクマブ 75 mg Q2W

を継続、又は

- 投与後 8 週時に LDL-C 値が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)以上の場合、アリロクマブ 150 mg Q2Wへ増量

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 330

治験実施計画書の識別コード:R727-CL-1118

重要な副次評価項目は、多重性を考慮した階層的検定手順を用い、以下に示すとおり ITT estimand 又は

on-treatment estimand を用いた。

• ITT estimand:投与の遵守を問わずすべての脂質の値を用いて ITT 集団について解析

• On-treatment estimand:有効性評価期間に得られた脂質の値を用いて mITT 集団について解析

重要な副次評価項目:

• ベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Apo B の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Apo B の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの non-HDL-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの non-HDL-C の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Total-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Apo B の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの non-HDL-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Total-C の変化率(ITT estimand)

• 投与後 24 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した心血管リスクの極めて

高い患者又は LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した心血管リスクの高い患者の

割合(ITT estimand)

• 投与後 24 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した心血管リスクの極めて

高い患者又は LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した心血管リスクの高い患者の

割合(on-treatment estimand)

• 投与後 24 週時に LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 24 週時に LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した患者の割合(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Lp(a)の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの HDL-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの空腹時 TG の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Apo A-1 の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Lp(a)の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの HDL-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの空腹時 TG の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Apo A-1 の変化率(ITT estimand)

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

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治験実施計画書の識別コード:R727-CL-1118

その他の副次評価項目:

• 投与後 12 週時に LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した心血管リスクの極めて高

い患者又は LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した心血管リスクの高い患者の割

合(ITT estimand)

• 投与後 12 及び 24 週時に LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 12 週時に LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した患者の割合(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 及び 24 週時までの LDL-C 値(計算値、mg/dL 及び mmol/L)の変化量(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 及び 24 週時までの Apo B/Apo A-1 比の変化量(ITT estimand)

• 投与後 12 及び 24 週時に Apo B 値が 80 mg/dL(0.8 g/L)未満に達した患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 12 及び 24 週時に non-HDL-C 値が 100 mg/dL 未満に達した患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 12 及び 24 週時に non-HDL-C 値が 130 mg/dL(3.37 mmol/L)未満に達した患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 12 及び 24 週時に LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した又は LDL-C(計

算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)以上の場合は LDL-C(計算値)がベースラインから 50%以上低下

した心血管リスクの極めて高い患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 12 及び 24 週時に LDL-C 値がベースラインから 50%以上低下した患者の割合(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 及び 24 週時までの Total-C/HDL-C 比の変化量(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 及び 24 週時までの Total-C の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Apo B の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの non-HDL-C の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 及び 24 週時までの Lp(a)の変化率(on-treatment estimand)

• 投与後 12 週時に LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した心血管リスクの極めて高

い患者又は LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した心血管リスクの高い患者の割

合(on-treatment estimand)

• 投与後 24 週時に LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した患者の割合(on-treatment estimand)

安全性:

TEAE(SAE 及び AESI を含む)、心血管イベント、死亡、臨床検査(尿検査、血液学的検査及び生化学的

検査、C 型肝炎抗体、肝パネル、CPK)、バイタルサイン、ECG

その他:

hs-CRP、HbA1c、抗アリロクマブ抗体、25 mg/dL(0.65 mmol/L)未満のLDL-C値及び15 mg/dL(0.39 mmol/L)未満の LDL-C 値

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

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治験実施計画書の識別コード:R727-CL-1118

生体試料の分析方法:

抗アリロクマブ抗体測定用検体は、バリデートされた非定量的な抗体価ベースのイムノアッセイ法を用い

て分析した。本測定法は、スクリーニング、確認試験及び抗体価の測定の 3 段階よりなる。陽性対照に基

づく測定法の感度は約 5.6 ng/mL であった。

抗アリロクマブ抗体が陽性の検体は、バリデートされた非定量的競合リガンド結合測定法を用いて、中和

抗体を評価した。陽性対照に基づく測定法の感度は 470 ng/mL であった。

統計手法:

試験データは、ベースライン時のロスバスタチンのレジメン(10 mg レジメン、20 mg レジメン)内の各

投与群及びこれらの 2 レジメンの併合データ別に要約した。有効性の主要解析及び副次解析はベースライ

ン時のロスバスタチンの用量レジメンごとに実施し、併合データは補助的に用いた。一方、安全性につい

ては併合データを基に評価を行い、各レジメン内のデータは補助的に用いた。

人口統計学的特性及びベースライン特性は、ITT 集団について投与群別に記述的に要約した。連続変数は平

均値、中央値、標準偏差、 小値及び 大値を用い、カテゴリカル変数は各投与群の患者数及び患者の割

合を用いて要約した。

MMRM を用いて 4 回の対比較(10 mg レジメン内の 2 回、20 mg レジメン内の 2 回)を行い、主要有効性

評価を行った。本モデルでは、カテゴリカル変数の固定効果として投与群、ランダム化因子、時点(投与

後 24 週時までの規定された評価時点)、ランダム化因子と時点の交互作用及び投与群と時点の交互作用を

用い、また連続変数の固定効果として対応するベースライン値及びベースライン値と評価時点の交互作用

を用いた。主要有効性評価項目における 4 回の対比較の検定では、多重性を調整するため、各比較を両側

有意水準 0.0125 で評価し、試験全体の有意水準 0.05 を維持した。

重要な副次評価項目は主要評価項目と同様に MMRM モデルを用いて評価し、多重性を調整するために、そ

れぞれの 4 回の対比較において階層的検定手順を用いた。規定した estimand に応じて ITT 又は mITT 集団

について副次評価項目の記述的な要約及び解析を実施した。推定には多重代入法を用いた。また、複数の

感度分析も実施した。

安全性解析は、安全性解析対象集団について実際に投与された群に基づいて実施した。有害事象はそれぞ

れの安全性観察期間で別々に要約した。二重盲検投与期間中のベースライン後の各来院時における血液学

的及び血液生化学的パラメータについては、実測値及びベースラインからの変化量を、各投与群について

平均値、中央値、Q1、Q3、標準偏差、標準誤差、 小値及び 大値により要約した。

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

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治験実施計画書の識別コード:R727-CL-1118

要約:

集団の特性:

ベースライン時にロスバスタチン 10 mg の治療を受けていた(10 mg レジメン)145 名、ロスバスタチン

20 mg の治療を受けていた(20 mg レジメン)160 名の合計 305 名の患者がランダム化され、全患者が治

験薬の投与を受けた。ランダム化された集団のうち、63 名(20.7%)の患者が脂質低下療法としてスタチ

ン以外の治療を受けていた。

ベースライン時の人口統計学的特性は、すべての投与群で同様であった。患者全体の平均年齢 ± 標準偏差

は 60.9 ± 10.4 歳であった。多くの患者は男性(61.3%、187 名)、白人(83.9%、256 名)及び黒人又は

アフリカ系アメリカ人(8.9%、27 名)であり、ヒスパニック系又はラテン系は少なかった(ヒスパニック

系又はラテン系以外:86.6%、264 名)。患者の 63.0%(192 名)が何らかの心血管疾患の既往やリスク因

子を有しており、その割合はすべての投与群で同程度であった。全体のベースライン時の LDL-C(計算値)

の平均値 ± 標準偏差は 111.3 ± 39.0 mg/dL(2.882 ± 1.009 mmol/L)であった。ベースライン時のすべての

脂質パラメータ及び脂質低下療法の使用状況は、すべての投与群で同程度であった。

ロスバスタチン 10 mg レジメンと 20 mg レジメンの併合データにおいて、有効性解析に影響を及ぼす可能

性のある治験実施計画書からの重大な逸脱がアリロクマブ併用群の 26.2%(27 名)、ロスバスタチン増量

群の 12.9%(13 名)及びエゼチミブ併用群の 21.8%(22 名)に認められた。

有効性の結果:

有効性は ITT 解析及び on-treatment 解析により評価した。これらの 2 つの解析により相補的な情報が得ら

れた。ITT 解析により、投与の遵守状況によらずすべての患者からのデータを解析してそのベネフィットを

評価し、患者集団における効果を 大限に反映した。On-treatment 解析により、患者が実際に投与された

期間に限定した治療効果を解析し、評価時点で達成される治療のベネフィットを評価した。

主要評価項目の解析-ITT 解析

主要有効性評価項目であるベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C の変化率(調整平均)は、ロス

バスタチン 10 mg レジメンではアリロクマブ併用群とその他の投与群との間に統計学的な有意差が認めら

れたが、20 mg レジメンでは有意差は認められなかった。

ロスバスタチン 10 mg レジメンにおけるベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C の変化率(調整平

均)は、アリロクマブ + ロスバスタチン 10 mg 群で−50.6%であり、ロスバスタチン 20 mg 群−16.3%及び

エゼチミブ 10 mg + ロスバスタチン 10 mg 群−14.4%と比べて統計学的に有意な差が見られた(各群の対

比較で p<0.0001)。

一方、ロスバスタチン 20 mg レジメンにおけるベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C の変化率(調

整平均)は、アリロクマブ + ロスバスタチン 20 mg 群で−36.3%であり、ロスバスタチン 40 mg 群−15.9%、

エゼチミブ 10 mg + ロスバスタチン 20 mg 群−11.0%と比べて、設定した有意水準 p<0.0125 に基づくと統

計学的な有意差は認められなかったが(それぞれ p=0.0453 及び p=0.0136)、数値上大きく低下した。

20 mg レジメンにおいて、ロスバスタチン 40 mg 群及びエゼチミブ 10 mg + ロスバスタチン 20 mg 群と比

較して、アリロクマブ + ロスバスタチン 20 mg 群の主要評価項目の解析で統計学的有意差が認められなか

った要因の 1 つとして、第Ⅱ相試験よりばらつきが大きかったことが考えられた。本治験の患者数は、共

通の標準偏差を 25%と仮定した場合、いずれかの対比較においても 20%以上の平均値の差について 90%の検出力が確保できると想定していた。しかし、20 mg レジメンでみられた標準偏差はばらつきが大きく、

アリロクマブ併用群との平均値の差は予測より低かった。全体的に、ベースラインから投与後 24 週時まで

の LDL-C の変化率において、アリロクマブ併用群で低下が予測より小さく、ロスバスタチン増量群で予測

より大きかった。

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

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感度分析では、10 mg レジメンにおいて事前に規定した主要有効性解析と一致した頑健な治療効果が示さ

れた。20 mg レジメンでは、重大な GCP 不遵守のあった治験実施医療機関 1 施設の影響を評価した感度分

析において、本医療機関を除いた場合のアリロクマブ + ロスバスタチン 20 mg 群の変化率(−38.6%)と

エゼチミブ 10 mg + ロスバスタチン 20 mg 群の変化率(−11.0%)に有意差が認められた(p=0.0089)。

性別、年齢、BMI、心筋梗塞及び虚血性脳卒中の既往、中等度の慢性腎臓病の有無、糖尿病の病態、ベー

スラインの各パラメータ(LDL-C、HDL-C、空腹時 TG 及び Lp(a))等の人口統計学的特性のサブグループ

解析において、ロスバスタチン群及びエゼチミブ + ロスバスタチン群と比較して、アリロクマブ併用群で

全集団と一貫した LDL-C のベースラインからの低下が認められた。

アリロクマブを投与された 92 名のうち、投与後 12 週時にアリロクマブを増量した患者は 18.5%(17 名)

であった。増量しなかった患者では、投与後 12 週時から投与後 24 週時までの LDL-C は低下を維持してい

たが、増量した患者では、投与後 12 週時から投与後 24 週時までに LDL-C は更に低下していた。

副次評価項目の解析

10 mg レジメンでは有効性の主要評価項目に統計学的有意差が確認されたため、重要な副次評価項目に階

層的検定を適用した。20 mg レジメンでは有効性の主要評価項目に統計学的有意差が確認されなかったた

め、全ての副次有効性評価項目の p 値は名目上と考えられた。

On-treatment 解析でも、10 mg レジメンにおけるベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C の変化率

は、ロスバスタチン 20 mg 群及びエゼチミブ 10 mg + ロスバスタチン 10 mg 群と比べて、アリロクマブ + ロスバスタチン 10 mg 群で統計学的に有意に大きく低下し、ITT 解析と一貫した結果が得られた。また、

LDL-C 変化量についても、ロスバスタチン 20 mg 群及びエゼチミブ 10 mg + ロスバスタチン 10 mg 群と

比べて、アリロクマブ + ロスバスタチン 10 mg 群で統計学的に有意に低下した。

10 mg レジメンでは、ロスバスタチン増量群又はエゼチミブ併用群と比較して、アリロクマブ併用群で以

下の脂質パラメータで有意差が認められた。

• On-treatment 解析における、ベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C(計算値)の変化率

• ITT 解析及び on-treatment 解析における、ベースラインから投与後 12 週時までの LDL-C(計算値)の

変化率

• ITT 解析及び on-treatment 解析における、ベースラインから投与後 24 週時までの Apo B の変化率

• ITT 解析及び on-treatment 解析における、ベースラインから投与後 24 週時までの non-HDL-C の変化

• ITT 解析における、ベースラインから投与後 24 週時までの Total-C の変化率

• ITT 解析における、ベースラインから投与後 12 週時までの Apo B の変化率

• ITT 解析における、ベースラインから投与後 12 週時までの non-HDL-C の変化率

• ITT 解析における、ベースラインから投与後 12 週時までの Total-C の変化率

• ITT 解析及び on-treatment 解析における、投与後 24 週時に LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した心血管リスクの極めて高い患者又は LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満

に達した心血管リスクの高い患者の割合

• ITT 解析及び on-treatment 解析における、投与後 24 週時に LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した患者の割合

• ベースラインから投与後 24 週時までの Lp(a)の変化率

(electronic

3.0)

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アリロクマブ + ロスバスタチン 10 mg 群において、TG のわずかな低下、HDL-C 及び Apo A-1 の上昇が認

められた。これらのパラメータで統計学的有意差が認められなかった要因として、本治験の検出力の基準

とした LDL-C よりこれらのパラメータの変化量が小さいこと、又はこれらのパラメータでばらつきが大き

いことが考えられた。

アリロクマブ + ロスバスタチン 20 mg 群では、Apo B、Total-C、non-HDL-C 及び Lp(a)に、ロスバスタチ

ン 40 mg 及びエゼチミブ 10 mg + ロスバスタチン 20 mg と比べて数値的に大きな低下が認められた。

安全性の結果:

10 mg レジメンと 20 mg レジメンの併合データにおいて、曝露量は各投与群で同程度であった。TEAE は

患者全体の 59.0%(180 名)に発現し、アリロクマブ併用群で 56.3%(58 名)、ロスバスタチン増量群で

67.3%(68 名)及びエゼチミブ併用群で 53.5%(54 名)と各群で同程度であった。

一般・全身障害および投与部位の状態(SOC)は、ロスバスタチン増量群(9.9%、10 名)及びエゼチミ

ブ併用群(7.9%、8 名)と比べ、アリロクマブ併用群(14.6%、15 名)で多く発現した。また、呼吸器障

害は、エゼチミブ併用群(2.0%、2 名)と比べ、アリロクマブ併用群(6.8%、7 名)及びロスバスタチン

増量群(5.0%、5 名)で多く発現した。

筋骨格系および結合組織障害(SOC)は、アリロクマブ併用群(12.6%、13 名)と比べ、ロスバスタチン

増量群(20.8%、21 名)及びエゼチミブ併用群(18.8%、19 名)で多く発現した。傷害、中毒および処置

後合併症(SOC)は、エゼチミブ併用群(10.9%、11 名)及びアリロクマブ併用群(9.7%、10 名)と比

べ、ロスバスタチン増量群(16.8%、17 名)で多く発現した。

SAE は患者全体の 7.2%(22 名)に発現し、その内訳はアリロクマブ併用群 5.8%(6 名)、ロスバスタチ

ン増量群及びエゼチミブ併用群各 7.9%(8 名)であった。治験期間中にエゼチミブ 10 mg + ロスバスタチ

ン 20 mg 群の 1 名で投与後 56 日目に硬膜下血腫の発現により死亡が認められた。

治験薬の投与中止に至った TEAE は患者全体の 5.9%(18 名)に認められ、その内訳はアリロクマブ併用

群 4.9%(5 名)、ロスバスタチン増量群 5.0%(5 名)及びエゼチミブ併用群 7.9%(8 名)であった。

治験薬投与下で発現した AESI として、局所注射部位反応、全身性アレルギー性事象、ALT 上昇、溶血性

貧血、神経学的事象、神経認知学的事象、眼科学的事象、過量投与及び妊娠が認められた。

全身性アレルギー性事象が、アリロクマブ併用群 8.7%(9 名)、ロスバスタチン増量群 6.9%(7 名)及び

エゼチミブ併用群 2.0%(2 名)で認められた。アリロクマブ併用群で 2 名以上に認められたアレルギーに

関連する事象(PT)は、注射部位反応及び発疹のみであった。

注射部位反応は、アリロクマブ併用群 3.9%(4 名)、ロスバスタチン増量群 2.0%(2 名)及びエゼチミブ

併用群 0 名に発現した。アリロクマブ併用群で報告された注射部位反応のうち確認された重症度はすべて

軽度であり、治験薬の投与中止に至った事象はなかった。

神経学的事象はアリロクマブ併用群 1.9%(2 名)、ロスバスタチン増量群 2.0%(2 名)及びエゼチミブ併

用群 3.0%(3 名)で認められ、神経認知学的事象はアリロクマブ併用群 1.0%(1 名)、ロスバスタチン増

量群 1.0%(1 名)及びエゼチミブ併用群 1.0%(1 名)で発現した。

治験薬投与下で発現した心血管イベントは、「非致死性虚血性脳卒中」がロスバスタチン増量群 1.0%(1名)、「非致死性心筋梗塞」及び「虚血による冠動脈血行再建術」がエゼチミブ併用群 1.0%(1 名)に認

められた。アリロクマブ併用群には心血管イベントの報告はなかった。

糖尿病又は糖尿病合併症の TEAE がアリロクマブ併用群の 1.9%(2 名)、ロスバスタチン増量群の 4.0%(4 名)及びエゼチミブ併用群の 3.0%(3 名)に認められ、その多くは合併症の糖尿病の悪化であった。

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3.0)

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治験実施計画書の識別コード:R727-CL-1119

治験方法:

ランダム化、二重盲検、並行群間、ダブルダミー、実薬対照、多施設共同、国際共同試験。

本試験は、1 週間のスクリーニング期間、2 週間のウォッシュアウト期間、4 週間の単盲検プラセボ投与に

よる導入期間、24 週間の二重盲検投与期間、8 週間のフォローアップ期間からなり、全治験期間は約 39週間であった(非盲検の継続投与試験に参加しない場合又は治験を中止した場合)。二重盲検投与期間を

完了した患者は非盲検の継続投与試験へ参加可能とした(約 3 年を予定)。

単盲検導入期間中に骨格筋関連有害事象(肉離れ又は外傷を除く)を発現しなかった患者のみが二重盲検

投与期間へ参加可能とし、以下の 3 群のいずれかにランダム化された。

• アリロクマブ 75 mg Q2W 皮下投与 + エゼチミブ プラセボ及びアトルバスタチン プラセボ

• エゼチミブ 10 mg + アリロクマブ プラセボ

• アトルバスタチン 20 mg + アリロクマブ プラセボ

アリロクマブに割り付けられた患者は、アリロクマブ 75 mg Q2W を開始用量として、事前に規定した投

与後 8 週時の LDL-C 値及び心血管リスクの程度[心血管リスクが極めて高い場合は LDL-C 値が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)以上、心血管リスクが中等度又は高い場合は LDL-C 値が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)以上]

に基づき、投与後 12 週時に 150 mg へ増量することとした(増量は二重盲検下で実施)。

非盲検継続投与期間では、24 週の二重盲検期間終了後、すべての患者がアリロクマブ 75 mg Q2W を投与

された。医師の判断により、投与後 32 週時の LDL-C 値に基づき、投与後 36 週時に 150 mg Q2W 投与へ

増量可能とした。

患者数:

予定:250 名

ランダム化:314 名

投与:313 名

評価:

有効性 (ITT 集団):310 名 (mITT 集団):301 名

安全性:313 名

抗体:296 名

診断及び選択基準:

スタチン不耐性で、心血管リスクが中程度、高い又は極めて高い、非家族性又はヘテロ接合性家族性高コ

レステロール血症患者。

スタチン不耐性を主な選択基準とし、2 種類以上のスタチン( 小 1 日開始用量での 1 種類のスタチンと

任意の用量の別のスタチン)に耐性がない場合をスタチン不耐性とした[スタチンでの治療時に疼痛、脱

力、又は筋痙攣などの骨格筋関連症状(肉離れ又は外傷を除く)の発現又は悪化が認められ、スタチン治

療中止時に消失する場合]。

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3.0)

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治験実施計画書の識別コード:R727-CL-1119

重要な副次評価項目:

• ベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの LDL-C(計算値)の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Apo B の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Apo B の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの non-HDL-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの non-HDL-C の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Total-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Apo B の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの non-HDL-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Total-C の変化率(ITT estimand)

• 投与後 24 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した心血管リスクの極めて

高い患者、若しくは LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した心血管リスクが中程

度の又は高い患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 24 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した心血管リスクの極めて

高い患者、若しくは LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した心血管リスクが中程

度の又は高い患者の割合(on-treatment estimand)

• 投与後 24 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 24 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した患者の割合(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Lp(a)の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの HDL-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの空腹時 TG の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 24 週時までの Apo A-1 の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Lp(a)の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの HDL-C の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの空腹時 TG の変化率(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Apo A-1 の変化率(ITT estimand)

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

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治験実施計画書の識別コード:R727-CL-1119 その他の副次評価項目: • 投与後 12 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した心血管リスクの極めて

高い患者、若しくは LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した心血管リスクが中程

度の又は高い患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 12 及び 24 週時に、LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 12 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した患者の割合(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 及び 24 週時までの LDL-C(計算値、mg/dL 及び mmol/L)の変化量(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 及び 24 週時までの Apo B/Apo A-1 比の変化量(ITT estimand)

• 投与後 12 及び 24 週時に、Apo B 値が 80 mg/dL(0.8 g/L)未満であった患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 12 及び 24 週時に、non-HDL-C 値が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満であった患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 12 及び 24 週時に、non-HDL-C 値が 130 mg/dL(3.37 mmol/L)未満であった患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 12 及び 24 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した又は LDL-C(計

算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)以上の場合は LDL-C(計算値)がベースラインから 50%以上低下

した心血管リスクの極めて高い患者の割合(ITT estimand)

• 投与後 12 及び 24 週時に、LDL-C(計算値)がベースラインから 50%以上低下した患者の割合(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 及び 24 週時までの Total-C/HDL-C 比の変化量(ITT estimand)

• ベースラインから投与後 12 及び 24 週時までの Total-C の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの Apo B の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 週時までの non-HDL-C の変化率(on-treatment estimand)

• ベースラインから投与後 12 及び 24 週時までの Lp(a)の変化率(on-treatment estimand)

• 投与後 12 週時に、LDL-C(計算値)が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した心血管リスクの極めて

高い患者又は LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した心血管リスクが中程度の又

は高い患者の割合(on-treatment estimand)

• 投与後 24 週時に、LDL-C(計算値)が 100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した患者の割合(on-treatment estimand)

安全性:

TEAE(SAE 及び AESI を含む)、心血管イベント、死亡、臨床検査(尿検査、血液学的検査及び生化学的

検査、C 型肝炎抗体、肝パネル、CPK)、バイタルサイン、ECG

その他: hs-CRP、HbA1c、抗アリロクマブ抗体、25 mg/dL(0.65 mmol/L)未満のLDL-C値及び15 mg/dL(0.39 mmol/L)未満の LDL-C 値

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3.0)

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治験実施計画書の識別コード:R727-CL-1119

生体試料の分析方法:

抗アリロクマブ抗体測定用検体は、バリデートされた非定量的な抗体価ベースのイムノアッセイ法を用い

て分析した。本測定法は、スクリーニング、確認試験及び抗体価の測定の 3 段階よりなる。陽性対照に基

づく測定法の感度は約 5.6 ng/mL であった。

抗アリロクマブ抗体が陽性の検体は、バリデートされた非定量的競合リガンド結合測定法を用いて、中和

抗体を評価した。陽性対照に基づく測定法の感度は 470 ng/mL であった。

統計手法:

人口統計学的特性及びベースライン特性は、二重盲検投与期間のランダム化した全集団及び非盲検継続投

与期間の集団について、投与群別に記述統計量を用いて要約した。各投与群について、連続変数を平均値、

中央値、標準偏差、 小値及び 大値により要約した。ベースラインの脂質パラメータ、HbA1c 及び hs-CRPについては、Q1、Q3 も記載した。カテゴリカル変数は各投与群の患者数及び患者の割合を用いて要約し

た。

主要有効性評価項目の評価には、MMRM を用いた。本モデルでは、カテゴリカル変数の固定効果として投

与群、ランダム化因子、時点、投与群と時点の交互作用、ランダム化因子と時点の交互作用を用い、連続

変数の固定効果としてベースラインの LDL-C 値及びベースライン値と時点の交互作用を用いた。推定は多

重代入法で行った。また、多重代入法により欠測値を補完し、ANCOVA モデルを用いて投与群について検

定した。統計解析計画書で規定したサブグループ感度分析を行った。

重要な副次評価項目は同様に MMRM モデル及び階層的検定手順を用い、多重性を調整して評価した。

安全性評価結果の記述的要約は、二重盲検投与期間と非盲検継続投与期間について別々に記載した。正式

な推測統計に基づく検定は行わなかった。

要約:

集団の特性:

本治験のスクリーニングに参加した 519 名のうち、69.6%(361 名)がスクリーニング期間を終了し、そ

のうち 87.0%(314 名)が単盲検プラセボ導入期間を終了した。導入期間を終了しなかった患者の主な中

止理由は、4 週間の単盲検プラセボ導入期間での CMQ「骨格筋関連事象」に分類される有害事象(肉離れ

又は外傷を除く)の発現であった[48.9%(23 名)]。二重盲検投与期間では、314 名の患者を 3 つの投

与群に 2:2:1 で割り付けた(アリロクマブ群 126 名、エゼチミブ群 125 名、アトルバスタチン群 63 名)。

エゼチミブ群の 1 名を除き、全患者が治験薬を投与された。

二重盲検投与期間は、投与群間で概して性別に偏りは見られなかった。患者の平均年齢 ± 標準偏差は 63.4 ± 9.5 歳であった。患者のほとんどが白人で(93.9%)、ヒスパニック系又はラテン系は少なかった(ヒス

パニック系又はラテン系以外:97.8%)。体重及び BMI の平均値 ± 標準偏差は、それぞれ 83.6 ± 19.0 kg及び 29.1 ± 5.8 kg/m2

であった。二重盲検投与期間では人口統計学的特性に投与群間で明らかな差はなかっ

た。非盲検継続投与期間には 281 名が組み入れられ、人口統計学的特性は二重盲検投与期間と同様であっ

た。

54.1%(170 名)が「心血管リスクが極めて高い」と判定され、28.3%(89 名)が「心血管リスクが高い」、

また 13.7%(43 名)が「心血管リスクが中程度」と判定された。全体のベースライン時の LDL-C 計算値

(平均値 ± 標準偏差)は 191.3 ± 69.3 mg/dL、LDL-C 測定値(平均値 ± 標準偏差)は 183.2 ± 69.8 mg/dLであった。ベースラインの全脂質パラメータと脂質低下療法の使用については、投与群全体でほぼ同程度

であった。

アリロクマブ群の 18.3%(23 名)、アトルバスタチン群の 17.5%(11 名)及びエゼチミブ群の 20.0%(25 名)

に、有効性解析に影響し得る重大な治験実施計画書からの逸脱があった。

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有効性の結果:

有効性主要評価項目である ITT 解析におけるベースラインから投与後 24 週時までの LDL-C の変化率(調

整平均)は、アリロクマブ群で−45.0%、エゼチミブ群で−14.6%であり、エゼチミブ群と比べてアリロク

マブ群で大きく低下し、LDL-C の低下は非盲検継続投与期間を通して投与後 52 週時まで維持された。エゼ

チミブ群に対する群間差は−30.4%で、統計学的に有意な差が見られた(p<0.0001)。

ベースラインから投与後 12 週時までの LDL-C の変化率(調整平均)においても、ITT 解析及び on-treatment解析で、エゼチミブ群と比べてアリロクマブ群(全患者がアリロクマブ 75 mg を投与)で大きく低下した。

アリロクマブ群では、投与後 12 週以降に 1 回以上投与された 109 名の患者のうち、49.5%(54 名)が投

与後 12 週時にアリロクマブ 75 mg Q2W 投与から 150 mg Q2W 投与へ増量した(盲検下での自動化システ

ムによる)。増量した患者では増量しなかった患者と比べて、ベースライン時の LDL-C が高く、投与後 12 週までの治療効果が小さかった。増量しなかった患者では、LDL-Cのベースラインからの変化率は投与後12 週時で−57.2%であり、投与後 24 週時も維持されていた(−54.1%)。増量した患者では、LDL-C のベースラ

インからの変化率は投与後 12 週時で−46.3%であり、投与後 24 週時には更に低下していた(−52.6%)。

LDL-C、Apo B、non-HDL-C について、投与後 12 及び 24 週時に、エゼチミブ群と比べ、アリロクマブ群

で統計学的に有意な低下が認められた。さらに、Total-C と Lp(a)の有意な低下が投与後 24 週時に認められ

た。

LDL-C 値が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した心血管リスクの極めて高い患者の割合又は LDL-C 値が

100 mg/dL(2.59 mmol/L)未満に達した心血管リスクが中程度又は高い患者の割合、並びに投与後 24 週

時に LDL-C 値が 70 mg/dL(1.81 mmol/L)未満に達した患者の割合は、エゼチミブ群と比べてアリロクマ

ブ群で大きかった。

性別、年齢、BMI、心筋梗塞及び虚血性脳卒中の既往、中等度の慢性腎臓病の有無、糖尿病の病態、ベー

スラインの各パラメータ(LDL-C、HDL-C、空腹時 TG 及び Lp(a))等の人口統計学的特性のサブグループ

解析では、アリロクマブ群ではエゼチミブ群と比べて、人口統計学的特性及びベースライン特性によらず、

一貫した LDL-C のベースラインからの低下が認められた。

感度分析では、アリロクマブ群ではエゼチミブ群と比べて、事前に規定した主要有効性解析と一致した頑

健な治療効果が示された。

二重盲検投与期間にアリロクマブ群で認められた LDL-C、Apo B 及び non-HDL-C のベースラインからの変

化量や、その他の脂質パラメータの変化は非盲検継続投与期間において維持された。さらに、非盲検継続

投与期間でエゼチミブ又はアトルバスタチンからアリロクマブへ切り替えた患者で、二重盲検投与期間で

認められたアリロクマブの効果と一致する効果が示された。

安全性の結果:

二重盲検投与期間

二重盲検投与期間の曝露量はすべての投与群間で同程度であった。治験薬の平均曝露期間± 標準偏差は、

アリロクマブ群 21.47 ± 5.91 週間、アトルバスタチン群 19.43 ± 7.76 週間及びエゼチミブ群 19.82 ± 7.25 週間であった。

(electronic

3.0)

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2.7.6 個々の試験のまとめ SAR236553 - アリロクマブ(遺伝子組換え)

Property of the Sanofi group - strictly confidential Page 345

治験実施計画書の識別コード:R727-CL-1119

TEAE はアリロクマブ群の 82.5%(104 名)、アトルバスタチン群の 85.7%(54 名)及びエゼチミブ群の

80.6%(100 名)に認められた。いずれかの投与群で 10%以上の患者に発現した TEAE(SOC)は、感染

症および寄生虫症、神経系障害、呼吸器、胸郭および縦隔障害、胃腸障害、皮膚および皮下組織障害、筋

骨格系および結合組織障害、一般・全身障害および投与部位の状態、並びに傷害、中毒および処置合併症

であった。SAE は、アリロクマブ群の 9.5%(12 名)、アトルバスタチン群の 11.1%(7 名)、エゼチミ

ブ群の 8.1%(10 名)に認められた。治験薬の投与中止に至った TEAE の発現割合は、アトルバスタチン

群(25.4%)及びエゼチミブ群(25.0%)と比べ、アリロクマブ群(18.3%)でやや低かった。 も多く認

められた治験薬の投与中止に至った TEAE(SOC)は筋骨格系および結合組織障害であり、その中で多く

認められた PT は筋肉痛であった。死亡例は認められなかった。糖尿病又は糖尿病合併症に関連する TEAE、事前に規定した ALT の増加や溶血性貧血を発現した患者は認められなかった。二重盲検投与期間に 2 回連

続して LDL-C が 25 mg/dL(0.65 mmol/L)未満であった患者は認められなかった。心血管イベントはアリ

ロクマブ群の 2.4%(3 名)、アトルバスタチン群の 1.6%(1 名)及びエゼチミブ群の 0.8%(1 名)に認

められた。

本治験ではスタチン不耐性の患者を対象としているため、骨格筋関連事象を、治験責任医師により報告さ

れた事象と、スタチン不耐性に関連する骨格筋関連事象として事前に専門家の判断により特定した CMQを用いて収集された事象の 2 通りで評価した。CMQ による骨格筋関連の TEAE の発現割合は、アトルバス

タチン群 46.0%(29 名)及びエゼチミブ群 41.1%(51 名)と比較してアリロクマブ群 32.5%(41 名)で

低く、アトルバスタチン群に対するアリロクマブ群のハザード比は 0.61 であった(95%CI: 0.38; 0.99)。

すべての投与群で、CMQ の骨格筋関連事象に分類される PT で も多く認められた TEAE は筋肉痛であり、

発現割合はアリロクマブ群 24.6%(31 名)、アトルバスタチン群 27.0%(17 名)及びエゼチミブ群 23.4%(29 名)と投与群間で同程度であった。治験の中止に至った骨格筋関連 TEAE の発現割合は、アトルバス

タチン群(22.2%)及びエゼチミブ群(20.2%)と比べ、アリロクマブ群(15.9%)で低く、アトルバスタ

チン群に対するアリロクマブ群のハザード比は 0.67 であった(95%CI: 0.34; 1.32)。治験責任医師により

報告された骨格筋関連事象についても同様の結果が得られた。

注射部位反応及び全身又は局所アレルギー性事象の発現割合は各投与群間で同程度だった。神経学的事象

がエゼチミブ群と比較してアリロクマブ群及びアトルバスタチン群でわずかに多く認められたが、骨格筋

関連の AESI を除き、他の AESI の発現割合は各投与群間で同程度だった。

二重盲検投与期間に、血液学的検査、生化学的検査、又はバイタルサインについて明らかな傾向は示され

なかった。

非盲検継続投与期間

本期間のアリロクマブの平均曝露期間 ± 標準偏差は 13.87 ± 6.80 週間であった。非盲検継続投与期間では

55.9%(157 名)に TEAE が認められた。SAE は 2.1%(6 名)、投与中止に至った TEAE は 2.8%(8 名)

に認められた。患者の 10%以上で見られた TEAE(SOC)は、筋骨格系および結合組織障害、感染症およ

び寄生虫症、並びに一般・全身障害および投与部位の状態であった。多くの TEAE の重症度は軽度から中

等度であった。

非盲検継続投与期間に、46名がCMQに分類される骨格筋関連のTEAEを発現し、発現割合 3%以上のTEAE(PT)は、四肢痛(5.7%)及び筋肉痛(4.3%)のみであった。重度の筋肉痛が 0.7%(2 名)に発現した

が、他の骨格筋関連 TEAE はすべて軽度又は中等度であった。非盲検継続投与期間に SAE と判断された骨

格筋関連の TEAE は認められなかった。骨格筋関連事象により 1.4%(4 名)が治験薬の投与を中止し、内

訳(PT)は、筋骨格不快感(0.4%)、筋肉痛(0.7%)及び四肢痛(0.7%)であった。

非盲検継続投与期間に、血液学的検査、生化学的検査、バイタルサインについて明らかな傾向は示されず、

死亡は報告されなかった。

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3.0)

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