1
24 2単位 専門科目/医療・福祉マネジメント科目群 福祉・介護のマネジメントとリーダーシップ 福祉・介護事業体(法人・事業所)のマネジメントの基礎を学び、そのうえでサービスの質を向上させるためのチームワーク、リーダーシップのあり方について学ぶ。 受講するにあたって ●テキスト:「福祉職員キャリアパス対応生涯研修課程テキスト 3 チ-ムリ-ダ-編」全国社会福祉協議会 2013年  ●事前に以下①②について準備してくること(A4用紙1枚以内、 7枚コピーし当日持参のこと)。グループワークで使用する。 ①自らの勤務する福祉事業体(法人・事業所)の経営理念について調べ、経営する事業の概要、理念の有無、理念の内容 ②理念が経営に生かされているかどうかについて簡単にまとめる(500字程度)。 ※福祉・介護事業に現在従事していない者は、過去の勤務先や実習先、近隣の福祉事業体などについて調べ、できる限り事 前課題を準備してくること。 ①事前学習の すすめ 田島誠一 『「社会福祉法人の経営改革」、日本社会事業大学専門社会福祉士講座③』社会保険研究所、 2009 ②参考図書 レポートによる評価(最終講で作成) ③評価基準 ①事前学習のすすめで示した事前課題を持参することが重要である。最低限、理念の有無、理念の内容は準備しておくこと が受講の条件である。 ④より学びを 深めるために 講義の構成 1. 担当教員の講義 : ①福祉サービスの目的と特性、②マネジメントの 基礎、③サービスマネジメントのあり方 2. ゲスト講師(1)の講義 : ①総合的な経営の現状、②人材育成システ ムの現状、②チームワーク向上の取り組み 3. 担当教員の講義 : ①チームワーク構築の目標と課題、②チームワー クの構成、③リーダーシップのあり方 4. ゲスト講師(2)の講義 : ①法人施設の歴史・現状・課題、②期待さ れる職員像(専門人性と職業人性)、③チームワークを高めるための実 践事例 5. グループワーク : 各自の持参した、事前課題を相互紹介し、その中か ら事例を選択し、グループおよび全体で討議する 6. 担当教員の講義 : ①マネジメントは理念の明確化から、②チーム ワークを高めるための事業計画策定と成果について、③「職場文化」の 構築について、④内発的動機で働き続けるために 講義の流れ 教員・講師からの講義を聴くのみで修了しないよう参加型の講義を目指す。 そのため、それぞれの講義の終了後、講義内容についての小グループ で討議を行い、質問やより詳細な内容について議論を行い。講師との質 疑の場を設ける。 また、受講者の持ち寄った様々な事業体の理念について、グループワー クと全体討議により、理念とサービス提供との関連の理解を促進したい。 講義のポイント 講義目的・到達目標 福祉・介護サービスを提供する経営主体(法人)において、理念に基づいたマネジメントが行われることが求められている。理念を実現するために目的・ 目標を設定し、その実現のためにサービスを提供しなければならない。 この講義では、マネジメントの基礎、マネジメントサイクルの理解、理念に基づく経営の重要性、とりわけサービスマネジメントのサイクルを管理しニーズに 対応しサービスを不断に向上するための方法を学ぶ。 福祉・介護サービスを提供する経営主体(法人)において、理念に基づいたマネジメントが行われることが求められている。施設・事業所は法人の理念 を実現するために目的・目標を設定し、その実現のためにサービスを提供しなければならない。そのためにマネジメントの意義とプロセスを学ぶ。 ゲスト講師からは理念を生かすための組織的な仕組むみづくりの実例を聞き、マネジメントの理解をより実践的に深めるようにしたい。 マネジメントの基礎 サービス提供の場面で小規模・小単位化が進行している中で、現場での良質なチームワークの構築は以前にまして重要になってきている。サービス・マ ネジメントを進めるためには、管理者・マネージャー・リーダー・フォロワ―(メンバー)それぞれの責任と果たすべき役割を理解しなければ良質なチーム ワークは実現できない。 講義では、チームワークの意義と構築のための方法を学ぶとともに、OJTなどの研修や職場内研究活動の実際を学び、チームワークとリーダーシップの 実践的なあり方についての理解を深めることを目標とする。 ゲスト講師からは、 「専門人性」と「組織人性」を高めるための仕組みづくりにいついて講義を受け、チームワークの在り方について学ぶ。 チームワークとリーダーシップ 1 福祉サービスについての理解、マネジメント の基礎、福祉パラダイム転換とマネジメント 7 2 総合的な経営の現状、人材育成システ ムの現状、チームワーク向上の取り組み 3 チームワークとは何か、チーム構成員の役 割り、リーダーシップとは何か 4 法人の理念とあるべき姿、理念を生かす ために期待する職員像、チームワークを高 めるための実践紹介 6 理念を基礎とした経営、マネジメントプロ セスとチームワーク、職場文化構築とリー ダーシップ、内発的動機による研修研究 5 グループワーク、全体討議:受講生が持ち寄った 福祉事業体の理念は妥当なものか、理念は経 営・サービス管理にどのように生かされているか レポート作成 担当教員:田島 誠一

福祉・介護のマネジメントとリーダーシップ 担当教員:田島 ...24 2単位 専門科目/医療・福祉マネジメント科目群 福祉・介護のマネジメントとリーダーシップ

  • Upload
    others

  • View
    0

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 福祉・介護のマネジメントとリーダーシップ 担当教員:田島 ...24 2単位 専門科目/医療・福祉マネジメント科目群 福祉・介護のマネジメントとリーダーシップ

24

2単位

専門科目/医療・福祉マネジメント科目群

福祉・介護のマネジメントとリーダーシップ福祉・介護事業体(法人・事業所)のマネジメントの基礎を学び、そのうえでサービスの質を向上させるためのチームワーク、リーダーシップのあり方について学ぶ。

受講するにあたって

●テキスト:「福祉職員キャリアパス対応生涯研修課程テキスト 3 チ-ムリ-ダ-編」全国社会福祉協議会 2013年 ●事前に以下①②について準備してくること(A4用紙1枚以内、7枚コピーし当日持参のこと)。グループワークで使用する。①自らの勤務する福祉事業体(法人・事業所)の経営理念について調べ、経営する事業の概要、理念の有無、理念の内容②理念が経営に生かされているかどうかについて簡単にまとめる(500字程度)。※福祉・介護事業に現在従事していない者は、過去の勤務先や実習先、近隣の福祉事業体などについて調べ、できる限り事前課題を準備してくること。

①事前学習の すすめ

田島誠一 『「社会福祉法人の経営改革」、日本社会事業大学専門社会福祉士講座③』社会保険研究所、2009②参考図書

レポートによる評価(最終講で作成)③評価基準

①事前学習のすすめで示した事前課題を持参することが重要である。最低限、理念の有無、理念の内容は準備しておくことが受講の条件である。

④より学びを 深めるために

講義の構成

1. 担当教員の講義 : ①福祉サービスの目的と特性、②マネジメントの基礎、③サービスマネジメントのあり方

2. ゲスト講師(1)の講義 : ①総合的な経営の現状、②人材育成システムの現状、②チームワーク向上の取り組み

3. 担当教員の講義 : ①チームワーク構築の目標と課題、②チームワークの構成、③リーダーシップのあり方

4. ゲスト講師(2)の講義 : ①法人施設の歴史・現状・課題、②期待される職員像(専門人性と職業人性)、③チームワークを高めるための実践事例

5. グループワーク : 各自の持参した、事前課題を相互紹介し、その中から事例を選択し、グループおよび全体で討議する

6. 担当教員の講義 : ①マネジメントは理念の明確化から、②チームワークを高めるための事業計画策定と成果について、③「職場文化」の構築について、④内発的動機で働き続けるために

講義の流れ

教員・講師からの講義を聴くのみで修了しないよう参加型の講義を目指す。そのため、それぞれの講義の終了後、講義内容についての小グループで討議を行い、質問やより詳細な内容について議論を行い。講師との質疑の場を設ける。また、受講者の持ち寄った様 な々事業体の理念について、グループワークと全体討議により、理念とサービス提供との関連の理解を促進したい。

講義のポイント

講義目的・到達目標

福祉・介護サービスを提供する経営主体(法人)において、理念に基づいたマネジメントが行われることが求められている。理念を実現するために目的・目標を設定し、その実現のためにサービスを提供しなければならない。この講義では、マネジメントの基礎、マネジメントサイクルの理解、理念に基づく経営の重要性、とりわけサービスマネジメントのサイクルを管理しニーズに対応しサービスを不断に向上するための方法を学ぶ。福祉・介護サービスを提供する経営主体(法人)において、理念に基づいたマネジメントが行われることが求められている。施設・事業所は法人の理念を実現するために目的・目標を設定し、その実現のためにサービスを提供しなければならない。そのためにマネジメントの意義とプロセスを学ぶ。ゲスト講師からは理念を生かすための組織的な仕組むみづくりの実例を聞き、マネジメントの理解をより実践的に深めるようにしたい。

マネジメントの基礎

サービス提供の場面で小規模・小単位化が進行している中で、現場での良質なチームワークの構築は以前にまして重要になってきている。サービス・マネジメントを進めるためには、管理者・マネージャー・リーダー・フォロワ―(メンバー)それぞれの責任と果たすべき役割を理解しなければ良質なチームワークは実現できない。講義では、チームワークの意義と構築のための方法を学ぶとともに、OJTなどの研修や職場内研究活動の実際を学び、チームワークとリーダーシップの実践的なあり方についての理解を深めることを目標とする。ゲスト講師からは、「専門人性」と「組織人性」を高めるための仕組みづくりにいついて講義を受け、チームワークの在り方について学ぶ。

チームワークとリーダーシップ

1 福祉サービスについての理解、マネジメントの基礎、福祉パラダイム転換とマネジメント

7

2 総合的な経営の現状、人材育成システムの現状、チームワーク向上の取り組み

3 チームワークとは何か、チーム構成員の役割り、リーダーシップとは何か

4法人の理念とあるべき姿、理念を生かすために期待する職員像、チームワークを高めるための実践紹介

6理念を基礎とした経営、マネジメントプロセスとチームワーク、職場文化構築とリーダーシップ、内発的動機による研修研究

5グループワーク、全体討議:受講生が持ち寄った福祉事業体の理念は妥当なものか、理念は経営・サービス管理にどのように生かされているか

レポート作成

担当教員:田島 誠一 2単位 担当教員:訓覇 法子

専門科目/医療・福祉マネジメント科目群

ソーシャルワーク国際比較ソーシャルワークの国際比較から日本のソーシャルワークを理解する

受講するにあたって

講義目的・到達目標

講義の構成

まず、講義の目的と目標を明確にし、講義の進め方を確認する。次に、実践として、科学としての社会福祉とは何かを考え、明確にする。同時に、社会福祉とソーシャルワークの用語の関係や使い方についても整理する。次に、実践としての社会福祉を巡る多義的な概念定義の方法を取り上げ、定義に使用される基準について吟味する。ソーシャルワークの歴史的発展(時代や状況)とそれを促した要因、ソーシャルワークの方法と技術、ソーシャルワークの社会的機能の二重性について理解する。さらに、ソーシャルワークの国際比較例を取り上げ、特に社会政策モデル・福祉レジームとソーシャルワーク・モデルの相互関係、ソーシャルワーク・モデルのそれぞれの特徴、その意義を考察する。国際類型を基軸として、日本の社会政策モデル・福祉レジームとソーシャルワークの特徴について整理し、考察する。

講義の流れ

知識を単に暗記するのではなく、批判的検証力を履修者各自が身に着けることを重視する。批判的検証・考察に必要な「各自が考える作業」と「根拠ある見解」を生成するために、担当教員が提起する課題についてグループ討議を行い、各グループが発表し、発表結果を担当教員が整理し、理論化する方法をとる。したがって、履修者の積極的な授業参加を要求する。

講義のポイント

今日、ソーシャルワークは経済発展や文化を問わず、世界的な現象として存在する。国際比較の意義を明確にするために、①比較とは何か比較の目的と方法、国際比較に必要な条件に関する基礎知識を習得する。次に、②実践としての・科学としてのソーシャルワークとは何かを明確にする。③国際比較的視点から、ソーシャルワークの歴史的発展とともに、ソーシャルワークとは何か、多様な定義方法と定義を取り巻く一連の問題を理解し、考える。

ソーシャルワーク国際比較の意義と定義に関する基礎知識

ソーシャルワークの原型は欧米諸国の慈善事業にさかのぼるが、近代的な社会福祉制度の成立に伴って発展してきた諸実践がひとつの専門職として体系化され、その方法、手段、技術を総称してソーシャルワークと呼ばれるようになった。日本では、古くは社会事業、社会福祉援助技術などと訳されてきた。今までの研究により、ソーシャルワークの機能は社会政策モデル・福祉レジームに依存することが明らかである。ゆえに、ソーシャルワーク・モデル(国際類型)も異なる。ソーシャルワークの国際比較の仕方や、国際類型とそれぞれの内容・類似性と差異は何かを学び、理解する。ひいては、国際比較的視点から日本のソーシャルワークの特徴を考察し、明らかにする。

社政策モデル・福祉レジームとソーシャルワーク・モデル

①ソーシャルワークに関する理解の曖昧な点を整理しておくこと。②参考図書を読み、理解の難しいあるいは曖昧な点を整理しておくこと。可能な限り「社会福祉政策国際比較」を履修する、あるいは履修が不可能な場合はそれに相当する基礎知識を受講条件とする。

①事前学習の すすめ

訓覇法子・田澤あけみ『実践としての・科学としての社会福祉 現代比較社会福祉論』法律文化社。訓覇法子『アプローチとしての福祉社会システム論』法律文化社、もしくは訓覇法子『福祉社会システム論』日本福祉大学、2014

②参考図書

グループ討議への積極的参加を評価に加え、講義2日目の終わりに1時間の筆記試験を実施する(持ち込み不可)。評価は、講義内容の正確な理解力と批判的検証による考察力を重視する。講義は論理的な積み重ねであるため完全出席の努力とともに、単位修得のみの動機による履修は控えること。

③評価基準

2日間の講義では十分内容を理解することは難しいために、担当教員が適切であると判断する参考文献を指定し、必要に応じて資料を配布する。自分の理解が正しかったかどうかを確かめ、理解を深めるためにそれらを必読すること。

④より学びを 深めるために

講義の目的と目標の設定・講義の進め方1

実践としての・科学としての社会福祉とは何か2

ソーシャルワークの定義のための基準と問題点4

ソーシャルワークの歴史的発展と社会的機能の二重性5

社会政策モデル・福祉レジームとソーシャルワーク・モデル(国際類型)7

ソーシャルワークの国際比較の方法6

概念社会福祉とソーシャルワーク3

日本のソーシャルワークの特徴8