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帝塚山大学帝塚山大学 特色特色GPGPシンポジウムシンポジウム
学習学習意欲の意欲の向上を目指した向上を目指したITIT活用活用
ーー自学自習:「経済学基礎知識自学自習:「経済学基礎知識10001000題」の取組題」の取組ーー
20072007年年11月月2727日日
木船久雄木船久雄
名古屋学院大学名古屋学院大学 経済学部経済学部
2
目次目次
1. 1. 学習意欲を駆り立てるには学習意欲を駆り立てるには
2. 2. 自学自習の取組自学自習の取組
3. 3. 自学自習の成果自学自習の成果
4. 4. 今後の計画と課題今後の計画と課題
3
1. 1. 学習意欲を駆り立てるには学習意欲を駆り立てるには
4
学習意欲が沸かない理由学習意欲が沸かない理由
勉強しなくても困らない
勉強する理由が無い
勉強しても見返りは少ない
勉強内容が判らない
勉強することが多すぎる
勉強の仕方が判らない
勉強しても成果が上がらない
勉強は面白くない
社会全般の姿
大学生固有の姿
物質的な豊かさ
不甲斐ない大人
見えない目標
基礎学力の不足
学習慣れしていない学生
多様化する学生の背景
大衆化した大学
5
大衆化した大学大衆化した大学
文字が読めない学生文字が読めない学生
文章が書けない学生文章が書けない学生
計算が出来ない学生計算が出来ない学生
宿題をやらない学生宿題をやらない学生
歴史を知らない学生歴史を知らない学生
座っていられない学生座っていられない学生
・・・・・・
教員の嘆き教員の嘆き 大学の姿大学の姿大衆化に対応できていな大衆化に対応できていな
い大学い大学
大衆化する教員大衆化する教員
大学をサービス業と認大学をサービス業と認めない教職員めない教職員
昔ながらの大学像昔ながらの大学像
大学は既に最高学府ではない大学は既に最高学府ではない
市場競争にさらされる経営体としての大学市場競争にさらされる経営体としての大学
大学の現実大学の現実 意識改革意識改革
6
学生の学習意欲を喚起する学生の学習意欲を喚起する
大衆化した大学で,学習の動機付けを行うために
明確な目標
学習範囲が明確
面白い
学習成果が目に見える
達成感(満足感)
勉強の仕方
動機付け動機付け
飽きさせない飽きさせない
エンジョイエンジョイ
即時性即時性
自信を持たせる自信を持たせる
応用力応用力
教員の意識と教育手法の改革教員の意識と教育手法の改革
教授範囲の標準化・明確化
教員相互の連携
教育手法のカイゼンカイゼン(サービス業としての意識)
教育面からの教員評価
FDFD活動活動
リメディアル
専門基礎
専門
・標準化
・非治外法権化
教育内容の構造
7
8
2. 2. 自学自習の取組自学自習の取組-経済学基礎知識-経済学基礎知識10001000題-題-
9
取り組みの背景取り組みの背景
【【学生学生】】
理解度にバラツキ理解度にバラツキ
経済学への興味の喪失経済学への興味の喪失
【【教員教員】】
理解度の把握が困難理解度の把握が困難
教育内容の設定が困難教育内容の設定が困難
【【問題群問題群】】
基礎学力の低下
知識水準のバラツキ
学習意欲の希薄化
【【原因原因】】
本取り組み本取り組みこのままでは・・・
教育の目標設定も質の維持も困難教育の目標設定も質の維持も困難
10
取り組みの目標取り組みの目標
学生学生
教員教員
学習目標の設定がし易い学習目標の設定がし易い
楽しみながら学習できる楽しみながら学習できる((面白い)面白い)
学習範囲が明確学習範囲が明確
成果が即時に判る成果が即時に判る
いつでもどこでも学習できるいつでもどこでも学習できる
システムシステム
目標目標
基礎学力の基礎学力の向向上・定着上・定着
学習意学習意欲欲やスコアのやスコアの向向上上
理解度の定量的な把握理解度の定量的な把握
リアルタイムな授業リアルタイムな授業改改善善
道具立て道具立て
ee--ラーニラーニ
ング手法ング手法
自学自習自学自習
11
取り組みの姿取り組みの姿
CCSCCSCCampus ampus
CCommunication ommunication SSystemystem
CCSCCSインターネットと学内LAN を利用した情報共有・教育支援システム(2002年導入)
「自学自習」システムの搭載「自学自習」システムの搭載《《択一式設問と解説択一式設問と解説》》
システム開発(2001)システム稼動(2002)試行的利用(2003)
カリキュラムと対応させた本格的利用 (2004)
「経済学基礎知識1000題」
自学自習システム自学自習システム
12
今日・明日のスケ今日・明日のスケジュールに,自分がジュールに,自分が受講している科目受講している科目が表示されるが表示される
CCSCCSの学生用ポータル画面(トップページ)の学生用ポータル画面(トップページ)
自学自習に自学自習にアクセスアクセス
13
学生は,履修科目学生は,履修科目
の担当教員に直接の担当教員に直接
質問ができる。質問ができる。
ここからでも「自学自習」にアクここからでも「自学自習」にアクセスできる。セスできる。担当教員は、授業の進度に合担当教員は、授業の進度に合わせて、設問群のリンク先を増わせて、設問群のリンク先を増やすことができる。やすことができる。
履修科目を開くと・・・履修科目を開くと・・・
14
設問を開くと・・・設問を開くと・・・
設問が示される設問が示される
選択肢が選択肢が示される示される
15
この学生がどのこの学生がどの
ような問題でつような問題でつ
まずいているかまずいているか
判断できる。判断できる。
学生の学習履歴学生の学習履歴が一覧できるが一覧できる。。
A
教員画面による個別学生の学習履歴の確認教員画面による個別学生の学習履歴の確認
16
正答率による設問の難易度チェック正答率による設問の難易度チェック
正答率が低い問題群
正答率順序に並べ替える
17
カリキュラムと「経済学基礎知識カリキュラムと「経済学基礎知識10001000題」との対応題」との対応
大分野大分野 カリキュラム基本活用科目カリキュラム基本活用科目 分野分野//設問数設問数
1 マクロ経済 ◎マクロ経済学入門,マクロ経済学ほか 6分野/180問
3 財政 〇財政学入門,財政学ほか 3分野/ 60問
4 金融 〇金融論入門,金融論ほか 3分野/ 60問
7 データの処理 〇統計学入門,統計学,OA実習ほか 3分野/140問
8 日本経済の仕組み 〇日本経済入門,日本経済論ほか 6分野/180問
9 法と政治制度 〇憲法1,〇民法1,政治学,商法ほか 4分野/120問
5 歴史と経済史 〇経済史入門,経済史ほか 3分野/ 60問
2 ミクロ経済 ◎ミクロ経済学入門,ミクロ経済学ほか 6分野/180問
6 グローバル経済 〇国際経済学入門,国際経済学ほか 3分野/ 60問
10 ビジネス英語 TOEIC英語演習1・2ほか 3分野/ 60問
◎◎はは必修科目必修科目,,〇〇はは学科基幹科目学科基幹科目
18
学生への学生への学習学習動機付け動機付け
(1) ランキング表示
(2)授業の進度に合わせた設問群の公開
(3)定期試験に範囲の一部として出題
19
取り組み体制取り組み体制
自学自習システム「経済学基礎知識1000題」
CCS: Campus Communication System
パソコン配布
情報教育センター
大学組織のサポートを受けながら学部で取り組む体制大学組織のサポートを受けながら学部で取り組む体制
情報教育センター
学部教授会
基礎教育センター
対面授業と連動
教員による問題作成
学習インセンティブ
学習履歴の活用
eラーニング環境 学部教員の関与 大学組織の関与
20
3. 3. 自学自習の成果自学自習の成果
21
学生の利用実績(月平均)学生の利用実績(月平均)
71,001
43,61639,317
25,797
16,390
6113,789
12,827
62,161
53
132
369
253
18
162
282
167
414
0
20,000
40,000
60,000
80,000
春学期 秋学期 春学期 秋学期 春学期 秋学期 春学期 秋学期 春学期
0
50
100
150
200
250
300
350
400
450
実利用人数(右軸→)
解かれた問題数(←左軸)
問題数 人数試行的な取組 本格的な取組
2002年度 2003年度 2004年度 2005年度 2006年度
(注)データ,情報教育センター「経済学部 自学自習利用実績」資料
22
学生の評価学生の評価
とても役立つ
57%
まあまあ役立つ33%
まったく役立たない
1%
あまり役立たない
2%
わからない7%
N=275
とても良いと思う55%
まあ良いと思う34%
わからない8%
まったく良くない1%
あまり良くないと思う
2%
N=277
自学自習は学習の役に自学自習は学習の役に立ちましたか?立ちましたか?
講義内容と自学自習の連講義内容と自学自習の連動をどう思いますか?動をどう思いますか?
教員の評価教員の評価
「基本的知識」を確認するために有効。
学生の学習意欲の向上につながった。
活用後に,試験の得点分布が上がった。
再履修者や低単位学生向けの教材に有効。
教育成果教育成果
関係教員の授業水準や重点領域が解った。
難しい問題領域は,意識して授業内で丁寧
に説明するようになった。
①講義,②授業内小テスト,③自学自習の
問題開放,の3者を連動させて,授業を進めるようになった。
教員の変化教員の変化
23
24
効果の定量化効果の定量化
試験の素点(A)と①出席,②宿題,③自学自習の回数,との相関係数
科目名:「現代の経済と政策」
学期末試験の素点(A) ①出席状況
②宿題提出回数
③自学自習③自学自習回数回数
2003年度 0.349 0.465 0.7400.740
2004年度 0.438 0.435 0.7740.774
2005年度 0.434 0.494 0.6950.695
(注)データは1年次準必修科目「現代の経済と政策」(経済学科,児島クラス)母集団のN=188(2003),295(2004),282(2005)
25
効果:試験の得点分布(効果:試験の得点分布(11))
得点分布
0
5
10
15
20
25
<10 >10 >20 >30 >40 >50 >60 >70 >80 >90
平均点
1998年度:51.61999年度:46.72005年度:50.3
1998年度
1999年度
2005年度
構成比%
①2つの山が形成される
②2つの山が左にシフト
③左の山が消え,山は1つに統合
(注)データは1年次必修科目「マクロ経済学」(木船クラス)母集団のN=104(1998),107(1999),72(2005)
26
効果:試験の得点分布(効果:試験の得点分布(22))
0
5
10
15
20
25
<10 >10 >20 >30 >40 >50 >60 >70 >80 >90
2003年度
2005年度
平均点2003年度:45.22005年度:58.4
構成比%
得点分布
①2つの山の存在と左の山の高さが問題
②左の山が消え,右の山が高くなる。
(注)データは1年次必修科目「ミクロ経済学」(伊澤クラス)母集団のN=74(2003),34(2005)
27
自学自習問題をそのまま試験に出す自学自習問題をそのまま試験に出す
0
5
10
15
20
25
30282624222018161412108642(素点:満点は30点)
受験者数:118人受験者の平均点:24.3
人数分布
受験者平均点
データ:現代の経済と政策(政策学科),2004年度,N=118
半数以上が8割以上の正解率
2極分化
28
自学自習問題をアレンジして試験に自学自習問題をアレンジして試験に出す出す
0
5
10
15
20
25
30>
90
80~
89
70~
79
60~
69
50~
59
40~
49
30~
39
20~
29
10~
19
<10
人数
得点分布
受験者数:133人平均:49.5点
正規分布化も可能
下位の山が縮小
データ:資源経済学,2006年度,受験者数:133人,問題数85題
29
中長期的に期待できる中長期的に期待できるFDFD効果効果
教育範囲の設定(レベル設定)教育範囲の設定(レベル設定)
対面教育や設問群の対面教育や設問群の改改善善
公開と透明性,相互の啓発公開と透明性,相互の啓発
効果の定量化と分析効果の定量化と分析
教育の教育のPDCAPDCAサイクルサイクル 教育の質の維持と保証教育の質の維持と保証
PlanPlan
ActionAction
CheckCheck
DoDo
30
4. 4. 今後の計画と課題今後の計画と課題
31
今後の計画今後の計画
今後の計画今後の計画 ①設問・解説ともに拡充・改善①設問・解説ともに拡充・改善
設問数の拡大と設問や解説の質改善設問数の拡大と設問や解説の質改善
専門教科への拡張専門教科への拡張
②学生が気軽に質問できる体制の整備②学生が気軽に質問できる体制の整備大学院生メンターの基礎教育センターへの配置大学院生メンターの基礎教育センターへの配置
③フォーラムの開催③フォーラムの開催
自学自習システムの進化の方向自学自習システムの進化の方向
④アクセサビリティの向上④アクセサビリティの向上携帯電話での利用を検討携帯電話での利用を検討
学部外へ拡張学部外へ拡張 ①大学全体,①大学全体,全学全学部で部でのの展開展開
②学外②学外(高大連携・(高大連携・生涯教育生涯教育))への開放への開放
32
20062006年度の実施事業年度の実施事業
学生相談窓口(院生メンター)の設置学生相談窓口(院生メンター)の設置
携帯電話による自学自習の利用システム構築携帯電話による自学自習の利用システム構築
既存の設問群の改良・追加既存の設問群の改良・追加
専門科目での利用専門科目での利用
他学部・他学科での問題群の開設他学部・他学科での問題群の開設
33
課題課題
学生の能動的な取組には至っていない学生の能動的な取組には至っていない
インセンティブが不可欠インセンティブが不可欠
必修科目・期間科目の更なる標準化必修科目・期間科目の更なる標準化
試験問題の統一試験問題の統一
それでも学習しない学生への対応それでも学習しない学生への対応
34
おしまいおしまい