10
二年目の抱負 代表理事組合長 山根成二 …………………2 第66回通常総代会 ………………………………………2 平成29年度事業計画 ……………………………………3 斐伊川を訪れた文化人 (八)梅原 猛(哲学者・作家) ……4 写真で見る地域活動 ……………………………………5 漁協の困りごと …………………………………………6 <斐伊川のアユ>数理科学の視点から迫る回遊の謎 …7 川辺のあそび ……………………………………………8 ありし日の豊かな川を子や孫に 加茂支部 松林静一郎 …9 斐伊川漁協管内図 ………………………………………10 編集・発行/斐伊川漁業協同組合広報委員会/平成29年7月1日発行/雲南市三刀屋町下熊谷1272番地5/TEL(0854)45-2098 滝を楽しむ(加食川にて横田小学校児童) 第10号 斐伊川漁業協同組合広報誌

瀬音 第10号/本文1 放 流 事 業 適 所 適 魚 の 放 流 を 基 本 と し 、 河 川 状 況 を 見 な が ら 左 表 の と お り 適 期 放 流 に 努 め

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Page 1: 瀬音 第10号/本文1 放 流 事 業 適 所 適 魚 の 放 流 を 基 本 と し 、 河 川 状 況 を 見 な が ら 左 表 の と お り 適 期 放 流 に 努 め

山口草堂

二年目の抱負代表理事組合長山根成二 …………………2第66回通常総代会 ………………………………………2平成29年度事業計画 ……………………………………3斐伊川を訪れた文化人(八)梅原 猛(哲学者・作家)……4写真で見る地域活動 ……………………………………5漁協の困りごと …………………………………………6<斐伊川のアユ>数理科学の視点から迫る回遊の謎 …7川辺のあそび ……………………………………………8ありし日の豊かな川を子や孫に加茂支部松林静一郎 …9斐伊川漁協管内図 ………………………………………10

編集・発行/斐伊川漁業協同組合広報委員会/平成29年7月1日発行/雲南市三刀屋町下熊谷1272番地5/TEL(0854)45-2098

滝を楽しむ(加食川にて横田小学校児童)

第10号

斐伊川漁業協同組合広報誌

Page 2: 瀬音 第10号/本文1 放 流 事 業 適 所 適 魚 の 放 流 を 基 本 と し 、 河 川 状 況 を 見 な が ら 左 表 の と お り 適 期 放 流 に 努 め

風かおり、新緑眩い季節とな

りました。斐伊川に若鮎が躍る

季節であります。皆様には、御

健勝にてご活躍のこととお喜び

申し上げます。

斐伊川漁協は、昨年度、計画

通りの事業を行うことができま

した。その上に、稀にみる好決

算でもありました。これも、偏

に組合員各位の御尽力・御協力

の賜物と心から感謝申し上げ

ます。

今年に入り、事務所が窃盗に

見舞われ、組合の財産を失うこ

とになりましたことは、組合員

の皆様に誠に申し訳なく、深く

お詫びを申し上げる次第であり

ます。万全な対策を講じ、この

ようなことがないよう努めてま

いります。

さて、先般、県議会自民党で

は、「斐伊川流域へ国の内水面

水産研究所を設置」に向けた勉

強会を行いました。湖沼・汽水

域を含めた流域レベルの内水面

漁業研究が必要であること、宍

道湖は魚種も豊富で内水面漁業

の研究を行う最適地であること、

宍道湖で起こっている異変は全

国でも起こっていること、江

川・斐伊川においては河川管理

者と漁業者の連携が図られてい

ることなどから、その必要性・

適地性が訴えられました。

一方、平成二十六年、内水面

漁業振興法が制定され、内水面

資源の食材としての品質・付加

価値の向上、販路拡大、漁業者・

加工者・販売業者の連携を推進

していくこととされています。

このような観点から、汽水域

を含めた内水面研究センターを

島根県に設置し、河川工学や産

物の商品化も含めた総合的な研

究を進めてもらおうというもの

です。

まだ、構想段階にすぎません

が、全国的な学者が注目する斐

伊川水系の素晴らしさを再認識

しました。この構想が実現でき

ますよう役割を果たしていきた

いと思います。

本誌『瀬音』も十号を数える

ことになりました。編集委員の

御努力に敬意を表し、感謝申し

上げます。本誌は、組合員の絆

を強めるとともに、組合の歩み

を記録する貴重なものでありま

す。今後も、『瀬音』が末永く

編集されていくことを念ずるも

のであります。

終わりに、本年も組合運営に

対して格別の御理解・御支援を

賜りますようお願い申し上げ、

御挨拶といたします。

第1号議案平成28年事業報告書・貸借対照表・損益計算書及び剰余金処分案承認の件第2号議案平成29年事業計画並びに収支計画書承認の件第3号議案平成29年における借入金の最高限度額決定の件第4号議案余裕金預入先金融機関の承認の件第5号議案平成29年における理事及び監事の報酬決定の件第6号議案平成29年賦課金の額・徴収時期及び徴収方法の件第7号議案定款一部改正の件第8号議案自主禁漁区変更の件

出席総代数

合計

80名

代理出席

1名

委任状

7名

書面

9名

本人

63名

開催日現在の総代数

89名

開催年月日

H29.3.19

総代会の種類

通常

①行政検査における指摘内容等の報告②役員定数検討について③一般財団法人斐伊川漁業振興会報告④その他(主な意見)1.●Q中学生の組合員がおられるが、賦課金を減額しては

どうか。A今後の検討課題としたい。

2.●Qカワウの駆除助成金を増額してはどうか。A役員会等で検討する。

3.●Q遊漁券の現場発行(500円増)を表示すべきだ。A検討する。

第第6666回回通通常常総総代代会会 全全提提出出議議案案通通りり可可決決

◎報告事項

二年目の抱負

代表理事組合長

山根成二

平成29年3月19日午前10時より木次町下熊谷交流センター

重要な議案及び議決事項

平成 29年 7月(2)瀬 音第 10 号

Page 3: 瀬音 第10号/本文1 放 流 事 業 適 所 適 魚 の 放 流 を 基 本 と し 、 河 川 状 況 を 見 な が ら 左 表 の と お り 適 期 放 流 に 努 め

放流事業

適所適魚の放流を基本とし、河川

状況を見ながら左表のとおり適期放

流に努める。

養殖事業

養殖尾数は一万八千尾とする。県

東部での養殖事業がない中で活魚

ニーズに応える意味は大きい。顧客

の目線を想い、良質のあゆ生産に努

めたい。

漁場管理事業

漁場管理は組合の重要事業の一つ

である。近年悪化する河川環境の保

全は、行政の取り組みが行われてい

る状況下ではあるが、思うように河

川再生が図られていないのが現状で

ある。河川工事等による汚濁防止は、

事前協議を踏まえながら監視活動や

現場踏査等により強化に努める。河

川清掃も実施し環境保全の意識の醸

成を図りたい。

有害鳥獣駆除対策事業

カワウ・サギ対策は先の見えない

難題である。様々な駆除方法が示さ

れる中、現実出来るのは銃器での駆

除が一番有効であるが、一方で花火

やテグス張りなどを継続実施するこ

とも重要と考える。銃器使用の制限

強化の話もある中で今後の駆除状況

が弱体低下することを懸念する。駆

除助成金(カワウ一羽五千円、サギ

一羽千円、ブラックバス・ブルーギ

ルはキロ五百円)制度も継続実施す

る。5

教育啓発広報活動事業

子供の自然学習は人格形成の基礎

となるべき重要な取り組みである。

時代を担う子供たちの養育は、組合

のみならず大人社会の責務である。

豊かな心を持った子供たちが育つこ

とを願いながら今年も水辺の教室を

実施する。

広報誌『瀬音』は第十号を発刊す

る。読んでみたい気にさせる紙面作

りに努力したい。

放流量

30kg

190kg

19ヶ所

400万粒

魚種

もくずがに

ふな

うぐい産卵場

わかさぎ卵

放流量

1,630kg

350kg

290kg

1,155kg

魚種

あゆ

うなぎ

やまめ

やまめ成魚

放流量

3か所(斐伊川・赤川・三刀屋川、各1か所づつ)に人工産卵床設置

魚種

こい

氏 名

山根成二

周藤茂雄

谷戸邦夫

錦織 滋

足田耕二

片石武夫

願永信夫

若月末一

蔦川正夫

伊藤 收

高橋修治

亀山真二

河角守雄

鳥谷哲男

石原武志

役職名

代表理事

第一理事

第二理事

第三理事

理 事

理 事

理 事

理 事

理 事

理 事

理 事

理 事

代表監事

監 事

監 事

支部名

三刀屋

木 次

鍋 山

大 東

三 成

多 根

掛 合

阿 井

馬 木

横 田

加 茂

温 泉

田 井

大 東

布 勢

組合員数

76

69

43

35

34

64

66

29

43

44

61

101

46

65

74

22

68

18

27

支部長名

吉田 勉

糸原 功

吉川光則

村田勝仁

八澤重利

中林敏夫

立石好次

小池吉孝

西村謙一

瀬尾正明

森山繁男

野々村一己

舟木 隆

松尾静治

名原英夫

落部 勇

落部照治

高橋 守

松島貞夫

支部名

横 田

八 川

馬 木

亀 嵩

布 勢

三 成

阿 井

三 沢

温 泉

日 登

木 次

大 東

加 茂

三刀屋

鍋 山

多 根

掛 合

吉 田

田 井

平平成成2299年年度度

事事

業業

計計

画画

事 業 概 要

監視員会

組組合合役役員員とと支支部部長長及及びび組組合合員員数数

支部長名と組合員数

養殖池にあゆ導入

役員名(任期:平成28年3月~平成31年3月)

第 10 号瀬 音(3)平成 29年 7月

Page 4: 瀬音 第10号/本文1 放 流 事 業 適 所 適 魚 の 放 流 を 基 本 と し 、 河 川 状 況 を 見 な が ら 左 表 の と お り 適 期 放 流 に 努 め

著書『葬られた王朝』(新潮

社)には次の文がある。

「平成二十一年(二〇〇九)四

月、私は出雲地方に一週間の調

査旅行をした。そこで地元の神

主や地方史研究家からさまざま

な話を聞くとともに考古学的遺

跡を訪ねた」。「スサノオがヤマ

タノオロチを退治したのは出雲

の国の鳥髪山の近くということ

になっている。それは現在の奥

出雲地方木次の地である。私は、

長らくこの地方で小学校の校長

先生をされていた浅沼博氏と雲

南市教育委員会に勤めておられ

る坂本諭司氏の案内でヤマタノ

オロチの伝承地を回り、お二人

から詳しい説明をうかがった」。

出雲湯村温泉、湯乃上館の主

人(西村氏)のお話によれば、

梅原氏が湯乃上館を訪れられた

のは四月末で、新潮社社員二名

が随行、浅沼博氏、坂本諭司氏

とご令室も同行されていた。斐

伊川上流から中流域にかけてス

サノオ伝承が残る地を調査する

旅の途中で、湯乃上館で三時間

余り休息され、入浴と食事をさ

れた。

この時、西村氏のご母堂の求

めに応じて書かれた色紙が湯乃

上館の玄関に飾ってあるのが冒

頭の句である。

脳梗塞の後遺症で右手が不自

由になっておられたので、左

手で書かれた。それがかえって

ユーモラスな内容とともに味わ

いのある書体の色紙になって

いる。

(八) =梅原 猛(哲学者・作家)=

湯湯にに入入りり

ヤヤママタタノノオオロロチチもも

油油断断せせりり

(この本は木次図書館、加茂図書館で借りられます。)

哲学者・作家

梅原猛

大正十四年(一九二五)宮城県仙台市生まれ。京都大学文

学部哲学科卒業。立命館大学文学部教授。京都市立芸術大学教授・

学長。国際日本文化研究センター所長等を歴任。九十九年文化勲章

受章。主な著書、『隠された十字架』、『水底の歌』など多数。

平成 29年 7月(4)瀬 音第 10 号

Page 5: 瀬音 第10号/本文1 放 流 事 業 適 所 適 魚 の 放 流 を 基 本 と し 、 河 川 状 況 を 見 な が ら 左 表 の と お り 適 期 放 流 に 努 め

どどここへへいいっったたかかなな~~★★

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「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「水水水水水水水水水水水水水水水水水水水水水水水水水水水水辺辺辺辺辺辺辺辺辺辺辺辺辺辺辺辺辺辺辺辺辺辺辺辺辺辺辺辺のののののののののののののののののののののののののののの教教教教教教教教教教教教教教教教教教教教教教教教教教教教室室室室室室室室室室室室室室室室室室室室室室室室室室室室」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」感感感感感感感感感感感感感感感感感感感感感感感感感感感感想想想想想想想想想想想想想想想想想想想想想想想想想想想想文文文文文文文文文文文文文文文文文文文文文文文文文文文文かかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかかからららららららららららららららららららららららららららら

アアユユのの放放流流((かかけけやや夢夢のの子子園園))

ココイイをを増増すすたためめのの産産卵卵床床設設置置((鍋鍋山山支支部部))

河河川川清清掃掃・・竹竹伐伐採採((掛掛合合地地区区))

カカワワウウかからら魚魚をを守守るるテテググスス張張りり((三三刀刀屋屋支支部部))

ダダムム湖湖アアユユ再再生生産産調調査査((三三成成ににてて))

第 10 号瀬 音(5)平成 29年 7月

Page 6: 瀬音 第10号/本文1 放 流 事 業 適 所 適 魚 の 放 流 を 基 本 と し 、 河 川 状 況 を 見 な が ら 左 表 の と お り 適 期 放 流 に 努 め

その�組合員の減少

組合の一番の問題は、組合員の高

齢化と減少である。様々な処方箋を

描き対策を講じているが、これだと

いう妙薬はない。組合員共通の認識

を持ち一丸となって減少対策に向

かって取り組むしかないのではと思

う。河川環境の保全を図りながら、

組合員同志の交流や子供達が川に親

しむ機会(水辺の教室)を作り時間

をかけながらでも努力していきたい。

その�遊漁のマナー

近年、渓流釣の愛好家が増えつつ

ある。嬉しいことである。釣人のニー

ズに応えるためヤマメの放流に力を

入れている。しかしながら同時に民

地への駐車や山菜採り、空き缶のポ

イ捨てなど、地元からの苦情もかな

りある。どうか十分に配慮して頂き、

良いマナーで釣りを楽しんでいただ

きたい。

その�河川環境の新たな悪化

尾原ダム湖(さくらおろち湖)に

アオコが発生した。七月上旬から十

二月中旬までの間、湖面全てがアオ

コで緑色に変色した。今までにない

現象であり驚いている。魚の斃死が

確認されていないのが幸いであった。

対策は今のところないようである。

今後どうなるのか頭の痛い問題であ

る。そ

の�外来魚種の増大

時代の進展に伴い、外来魚が増え

る状況が見える。水際での防衛がで

きれば問題は少ないが、これができ

ないことが現在の状況を作っている。

斐伊川ではブラックバス・ブルーギ

ル・アメリカナマズ(チャネル

キャットフィッシュ)・ミドリガメ

がいる。中でもダム湖のブルーギル

の増殖はものすごい。抑える方法は

ないものか。またミドリガメは下流

域から上流域に広がりつつあり木次

位まではすでに生存している。みん

なで嫌われものを退治したい。

漁協の

困りごと

4月13日、役員による斐伊川漁協管内の河川踏査を実施した。これは役員が管内河川の状況を把握する必要があるからだ。魚が生息しやすい場所はどこか?荒廃した河川はどこか?釣りや漁に適した所はどこか?危険な所はないか等、情報収集し、魚の放流場所や放流量を決定していく資料にするためである。漁協事業の最も重要な放流には1,700万円の経費を費やしている。少しでも川に生息する魚が増えることを願いながら、一日をかけ河川パトロールを行った。

さくらおろち湖に発生したアオコ

引野堰堤観察魚道を見る

平成 29年 7月(6)瀬 音第 10 号

Page 7: 瀬音 第10号/本文1 放 流 事 業 適 所 適 魚 の 放 流 を 基 本 と し 、 河 川 状 況 を 見 な が ら 左 表 の と お り 適 期 放 流 に 努 め

斐伊川の生き物調査

昨年に引き続き、組合員の方々の

ご協力のもと、斐伊川の生き物調査

を行っています。今年は新たに、四

月下旬に斐伊川の吉井堰堤直下流、

ならびに三刀屋川・吉田川の合流部

において、アユの遊泳特性を探るた

めに計五千匹の稚アユを放流しまし

た。これまでに、堰堤の小わざ式魚

道がカジカの遡上経路であること、

合流部付近で放流アユが実際に遡上

することやヤマメが再生産している

こと等がわかっています(写真1)。

カワシオグサの繁茂実態調査

尾原ダム直下流では、緑色の糸状

藻類�カワシオグサ�が四季を問わ

ず、とくにダムからの放流量が少な

い時に多く繁茂しています。私ども

は、カワシオグサとダムからの放流

量の関係性の解析に基づいて、その

繁茂を効果的に抑制できるダム管理

手法を模索しています(図1)。ア

ユなどの水産資源とカワシオグサの

関係性の解明が課題です。

アユ回遊の理論構づくり

「アユは河川をどう回遊するか」と

いう疑問に答えるために、生物や物

理の理論に基づいた回遊の解析に取

り組んでいます。とくに、微分方程

式や変分不等式と呼ばれる現代数学

の道具を駆使して、アユはいつ・ど

のような規模で河川を遡上するか、

養殖アユと河川のアユの成長はどう

異なるか、カワウからアユを如何に

して守ればよいか等、多面的な解析

を進めています。

展望貴

重な水産資源であるアユを上手

に管理していくためには、その一生

を深く知る必要があります。しかし

ながら、例えば、なぜ午前十時頃の

水温が十四度に達する日にアユを放

流するとちゃんと遡上するのか(経

験則�十四度ルール�)、成魚が降下

する条件、幼魚の生活等、解明すべ

き課題が数多く存在します。今後は、

アユ生活史のこうした穴を埋め、理

論づくり、現地調査、経験知の集積

により、その管理手法を見いだす研

究に従事していきたいと考えていま

す。また、数理科学の様々な概念が

実問題の解決に大きく資することを

伝えていきたいと考えています。今

後とも、ご指導ご鞭撻のほど宜しく

お願い申し上げます。

斐斐伊伊川川ののアアユユ

〜数理科学の視点から迫る回遊の謎〜

島根大学生物資源科学部

吉岡

秀和

京都大学大学院農学研究科(日本学術振興会特別研究員)

八重樫

優太

株式会社大隆設計技術部

森脇

昭子

横山

勇一

合流部でのアユ捕獲調査

私どもが斐伊川のアユを研究し始めてから、二年

半が経過しました。いま、私どもは斐伊川の生き物

と環境を調査し、理論づくりを通して斐伊川のアユ、

ひいては日本の内水面漁業をどうすれば復活させる

ことが出来るか、数理科学の視点から日夜考究して

います。以下に、一部ではございますが私どもの研

究の現状をご報告させて頂きます。

図1:尾原ダム直下流におけるカワシオグサ繁茂に関する解析結果の一例です。カワシオグサの繁茂指標(繁茂の程度)を評価・予測・制御できる理論を目指しています。(灰色の縦線:繁茂指標の観測値,黒色の曲線:繁茂指標の予測値,上から伸びる黒線:ダムからの放流量)

写真1:吉井堰堤での生き物調査の様子です。魚道に仕掛けた箱網を回収しています。

第 10 号瀬 音(7)平成 29年 7月

Page 8: 瀬音 第10号/本文1 放 流 事 業 適 所 適 魚 の 放 流 を 基 本 と し 、 河 川 状 況 を 見 な が ら 左 表 の と お り 適 期 放 流 に 努 め

水切り水水切切りり

笹舟笹笹舟舟 ペットボトル船ペペッットトボボトトルル船船

石のペンダント石石ののペペンンダダンントト

(みずきり)((みみずずききりり))

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●川辺のあそび

川 あ そ び は 一 人 で は し な い で ね ! !

用意するもの角形のペットボトル、ダンボール、ガムテープ作り方ペットボトルに水を半分ぐらい入れ、ダンボールを船型に切り、両脇をガムテープでとめ、船を作ります。遊び方川にペットボトル船を浮かべて、速さや形を競う。

水面に向かって回転をかけた小石を投げ、水

面で跳ねさせる遊び。出来るだけ平たい丸い石

(碁石の様な形のものが最適)を人差し指を石

の外縁にかけ、親指で上から押さえ、中指で下

から支える。水面に対して石の平らな部分が水

平になるように、構えてアンダースローで川面

に投げる。石が水面に接触して空中にバウンド

アップする。

バウンドアップの回数を競う。

用意するもの笹の葉作り方笹の葉の両端を内側に折り、重なった部分を葉脈に沿って3つにさき、両側を組み合わせて船形を作ります。遊び方笹舟を、流れる川に浮かべて、競争してみよう。

用意するものマジックインク、ニス、ボンド、安全ピン作り方平たい石を見つけ、よく洗い、水性マジックインクで絵を書こう。ニスで仕上げたら、裏に万能ボンドなどで安全ピンを付けて、ペンダントを作ってみよう。

平成 29年 7月(8)瀬 音第 10 号

Page 9: 瀬音 第10号/本文1 放 流 事 業 適 所 適 魚 の 放 流 を 基 本 と し 、 河 川 状 況 を 見 な が ら 左 表 の と お り 適 期 放 流 に 努 め

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・・・・

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五十三年前の三十九年豪雨災害までは加茂町を流れる赤川は豊かな川でした。

当時の赤川を取り戻すことは出来ないか、時々思います。

あの頃の魚の種類の多さ、数の

多さ。鯉・鮒・鰻・オイカワ・カ

ワムツ、今は絶滅危惧種のニガブ

ナ(日本バラタナゴ)・モエビなど

多種多様な魚がいました。桶つけ

をするとハヤやオイカワが長蛇の

列をなして桶に入る順を待ってい

ました。蜆獲りも出来ました。

しかし、水害後は護岸工事がな

され、水質はそれなりにきれいな

状態に戻りましたが、魚影はうん

と薄くなりました。

暫らく川から離れておりました

が、六十年頃から渓流釣りを始め、

斐伊川・三刀屋川・赤川・久野川

上流域を歩きました。当時はどこ

でもそれなりの渓相だったように

記憶しています。ヤマメ・アマゴ・

ゴギ・ニジマスがおり、大山椒魚

やヤマセミにも出会いました。

近年あまり頻繁には渓流に入り

ませんが、いたる所で治水工事や

林道整備、杉の植林が行われ、�

の林が少なくなりました。これが

今日当面している大きな問題だと

思います。こうした問題が積み重

なって、砂が流失し保水力が低下

し、栄養分不足が起こっていると

考えられます。下流域になるほど

水質が悪化する傾向にあります。

温暖化、局地的な集中豪雨など自

然には抗えないと仕方なく諦める

しかないでしょうが、それでもで

きる限り川を守り、水を守ること

は命を守ることだと思います。

加茂町に生まれ六十八年、この

町から離れることができない自分

にとって、三、四年前からこれで

はいけない。何か出来ることはな

いかと思うようになりました。

昔の川を思い出すと水辺には柳

の木がたくさんあり、川床は砂で

水辺には砂浜がありました。小石

があり、洞(うる)もありました

が今日では雨が降るとすぐ流れて

しまい、降らないと流れが悪くな

り淀みが出来、悪臭さえしそうな

流れになってしまっています。

それでもまだ鯉や鰻・鯰がいます。

今年はウグイもけっこう遡上しま

した。河川保護に努めた成果もあ

り、赤川の支流にもハヤ・オイカワ・

スナドジョウ・メダカ・モエビ・スジ

エビなどの小魚なども見られるよ

うになり、少し安心しています。

終わりに、ヤマタノオロチ伝説

がある由緒ある斐伊川、命を育む

大切な水を、かけがえのないもの

として、永く孫子の代まで清らか

な流れであってほしいと切に思い

ます。

期 間あゆは7月1日正午より12月31日までその他は1月1日から12月31日まで

1月1日から12月31日まで

7月1日正午より12月31日まで

3月1日より8月31日まで

1月1日から12月31日まで

上記遊漁料に加算する但し、あゆは7月1日正午より12月31日まで

*同一人が2種類以上の魚種について遊漁する場合又は、2種類以上の漁具漁法により遊漁する場合の遊漁料は、そのうちの最も高い遊漁料とする。*遊漁券の現場発行はプラス500円です。

遊漁料2,000円10,000円2,000円10,000円1,000円7,000円1,500円6,000円800円4,000円

3,000円

期 間1日1年1日1年1日1年1日1年1日1年

1年

漁 具・漁 法

投網・たも網・箱筌

投網・たも網

手釣・竿釣

手釣・竿釣

手釣・竿釣

舟(ボートを含む)

魚 種あゆ・うなぎ・こいうぐい・ふな

もくずがに

あゆ

やまめ・こぎ

うなぎ・こい・うぐいもくずがに・ふな

全魚種

電 話0854-75-06660854-74-05300854-23-94810853-20-11910853-62-22140852-24-11910852-23-07750852-26-26230852-60-11610824-72-1767084-922-3109

取 扱 所ヤマサキショップ すまいる店岩 田 隆 福ポイント 出雲店かめや釣具 出雲店小 村 漁 具 店かめや釣具 松江店天 狗 堂山陰釣具センターポ イ ン ト 松 江 店フィッシングショップぬまたHJ ツ リ グ ヤ 本 庄

住 所雲南市吉田町深野339-8雲南市吉田町民谷456出雲市渡橋町1033-1出雲市渡橋町1085-1出雲市西平田町108-2松江市学園南2-1-8松江市学園南2-1-3松江市北田町215松江市東朝日町73-5広島県庄原市新庄町368-1広島県福山市南本庄3-4-30

電 話0854-52-10540854-52-02340854-54-21000854-56-00270854-56-00520854-57-07820854-48-00010854-48-0008090-1681-80740854-43-67730854-45-31790854-62-0455

取 扱 所角 屋 商 店ヴィラ船通山 斐乃上荘奥出雲サイクリングターミナル奥 出 雲 運 送渡 部 商 店村 田 勝 仁亀 山 幹 生橋 本 屋 商 店F l y S h o p M a r t i r aECO/カーステーションK松 尾 理 容 店願 永 信 夫

住 所仁多郡奥出雲町横田1188-4仁多郡奥出雲町竹崎1843-2仁多郡奥出雲町三成558-6仁多郡奥出雲町下阿井175-9仁多郡奥出雲町上阿井1639仁多郡奥出雲町郡304-1雲南市木次町平田70雲南市木次町平田806-5雲南市木次町新町87雲南市大東町大東2402-1雲南市三刀屋町三刀屋376-6雲南市掛合町掛合2223-2

一 般 遊 漁 券 取 扱 所

平成29年 賦課金および遊漁料

①賦課金(組合員)…6,000円 ②刺網(組合員歴3年以上で、賦課金以外に別途金額必要) ③遊漁料(組合員以外)

ありし日の

豊かな川を子や孫に

加茂支部

松林静一郎

随随随随随随随随随随随随随随随 想想想想想想想想想想想想想想想

第 10 号瀬 音(9)平成 29年 7月

Page 10: 瀬音 第10号/本文1 放 流 事 業 適 所 適 魚 の 放 流 を 基 本 と し 、 河 川 状 況 を 見 な が ら 左 表 の と お り 適 期 放 流 に 努 め

組 合 員 募 集組組合合 員員募募 集集

斐伊川漁協 検索

渓流釣りスポット

あゆ釣りスポット

編編

集集

後後

記記

『瀬音』は十号を数える

に至りました。これはひと

えに、組合員、行政・教育

関係者、斐伊川流域の住民

の皆様のご理解とご協力が

あってのことと深謝いたし

ております。

内容につきましてはマン

ネリ化しないように配慮し

て、興味が湧く紙面に編集

しなければならないと思っ

ています。そのために川の

状況、周辺の出来事、斐伊

川に伝わる伝承、文化など

の情報を頂けますと幸甚に

存じます。

『瀬音』編集委員会

委員長

槙原

片石武夫

吉井

筒井初美

平成二十九年七月

あゆ友釣専用区仁多郡奥出雲町三成 三成大橋から上流1600m(県営三成発電所放水口まで)7月1日正午より7月31日までの間釣りを除く全漁法禁止

雲南市木次町西日登 国道314号高瀬大橋から上流400m(大島地内用水堰下流90mまで)7月1日正午より8月31日までの間釣りを除く全漁法禁止雲南市三刀屋町粟谷 三刀屋川発電所放水口より下流400m7月1日正午より8月31日までの間釣りを除く全漁法禁止

斐伊川(佐々木橋上流)

斐伊川(猿渡橋上流)

斐伊川(大島・吉井)

三刀屋川(成木)

三刀屋川(粟谷)

三刀屋川(三刀屋金属)

三刀屋川(松尾橋上流)

三刀屋川(掛合中学裏)

三 成

温 泉

日 登

三刀屋

三刀屋

三刀屋

掛 合

掛 合

斐伊川上流

大馬木川

内谷川

室原川

三刀屋川

民谷川

竹 崎

馬 木

上阿井

八 川

掛 合

吉 田

禁 漁 区仁多郡奥出雲町三沢中国電力KK設置三沢堰堤 上流180m 下流180m 全漁法禁止

仁多郡奥出雲町横田県営三成発電所堰堤上流200m 全漁法禁止

雲南市木次町平田中国電力設置平田堰堤上流100m 下流100m 全漁法禁止

雲南市木次町西日登大島地内用水堰上流90m 下流90m 全漁法禁止

雲南市木次町里方地内小原床止堰堤上流100m 下流200m 全漁法禁止但し4月1日より7月31日まで

仁多郡奥出雲町八川地内坂根ダムを含む上流全漁法禁止仁多郡奥出雲町八川小八川地内草坂川草坂橋より上流 全漁法禁止仁多郡奥出雲町三成宇根鬼の舌震区域刺網禁止 但し8月1日より翌年5月31日まで仁多郡奥出雲町上阿井内谷川奥内谷橋より上流 全漁法禁止仁多郡奥出雲町河内中国電力KK北原発電所阿井川調整池堰堤より200m 全漁法禁止禁止区域より上流八幡原橋まで釣のみ認める常高寺下より上流あゆ漁に限り投網は認める雲南市木次町西日登引野堰堤魚道及び登り口半径5m 全漁法禁止雲南市大東町上久野桃源郷上長谷川上流頭首工より上 全漁法禁止雲南市木次町木次 久野川木次橋から上流500m(小学校裏) 全漁法禁止

自 主 禁 漁 区雲南市木次町里方地内斐伊川里熊大橋より上流300mまでの区間、あゆ漁のみ全漁法禁止但し10月1日より10月31日まで

雲南市木次町里方地内斐伊川小原床止堰堤上流100m 下流300m あゆ漁のみ全漁法禁止 但し10月1日より10月31日まで

雲南市加茂町加茂中赤川中の大橋(旭町裏)上流50m 下流50m 全漁法禁止

雲南市三刀屋町三刀屋 三刀屋川天神頭首工より坂山橋上流50m 網・釣禁止但し、あゆ漁は認める

雲南市掛合町多根中国電力KK設置滝ヶ平堰堤 上流18m 下流35m 全漁法禁止

雲南市吉田町芦谷芦谷川清水橋より上流全漁法禁止

斐伊川漁協管内図

楽しい釣りはルールを守って安全に

各支部独自の活動の他に本部では、投網大会・ゴルフ大会・水辺の交流行事など、様々な活動をしています。一緒に楽しい活動を行って交流を深めませんか。

出資金1万円(入会時のみ)年会費6,000円ご入会お待ちしています。http//www.hiikawafish.jp

山で学び沢で遊んでさわやかな渓流を育てよう

平成 29年 7月(10)瀬 音第 10 号