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公益財団法人8020推進財団 平成 25 年度 歯科保健活動助成交付事業報告書 1.事業名:フロリデーション(水道水フッ化物濃度調整)についての啓発活動 2.申請者名:公益社団法人富岡甘楽歯科医師会 3.実施組織名: 富岡甘楽歯科医師会、富岡市、下仁田町、南牧村、甘楽町、下仁田町健康づくり推進 協議会、下仁田町保健推進員協議会、下仁田町フロリデーション推進会議、住民組織 等、日本口腔衛生学会(学術支援) 4.事業の概要: 富岡甘楽歯科医師会は、WHO(世界保健機関)が推奨する最も優れた公衆衛生的なむし歯予防対策であるフロ リデーションを、富岡甘楽地区に普及させたいと考えている。フロリデーションが実施されれば、子供から高齢者ま で、給水地域で生活する住民すべてが、生涯を通じてむし歯予防の恩恵を受けることが可能になり、健康格差の解 消にもつながる。 フロリデーションの実施により、むし歯が大幅に減少すれば、国が提唱する8020運動の実現に大きく貢献する。 さらに、歯が残り咀嚼力が保持されることは、全身的な病気の予防や健康増進にもつながり、将来は医療費の抑制 に結びつくと考えられる。 富岡甘楽歯科医師会は、10年以上にわたり、一貫してフロリデーションを推奨してきた。リーフレットを市町村の 広報と一緒に全世帯に配布するなど、フロリデーションについての情報を継続的に提供できる体制が整備されてい る。その結果、フロリデーションについてある程度の知識を持つ住民は、富岡甘楽地区全域で毎年確実に増加して いる。フロリデーションについて正確な知識を持つ人は、その実施についても肯定的な意見を持つ場合が多いので、 今後も正確な情報を提供し啓発活動を継続していく必要がある。今後、国や県の積極的な支援があれば、フロリデ ーションを実施するための環境が整うと考えている。 富岡甘楽歯科医師会は、平成 24 年 4 月 1 日付けで、公益社団法人に移行したが、「住民のむし歯予防を目的 に最良の公衆衛生的な対策である水道水フッ化物濃度調整(フロリデーション)を啓発する事業」が公益事業として 明記されている。 フロリデーション普及啓発事業の経緯 下仁田町では、平成 15 年度から 18 年度まで4年連続で、㈶8020推進財団から歯科保健活動助成の 交付を受け、関係諸団体が連携しフロリデーションの実施をめざした啓発活動を継続してきた。平成 16 年 度には日本口腔衛生学会監修のリーフレット「フロリデーション」、平成 17年度には厚生労働科学研究班の 技術支援を受けた「フロリデーションモデル装置」が完成した。平成 18 年3月には、下仁田町フロリデーシ ョン推進会議が提出した「フロリデーションの普及をめざした啓発活動の推進に関する陳情書」が、下仁 田町議会において趣旨採択になった。 平成 19 年度からは、富岡甘楽歯科医師会が主体になり、7年連続で歯科保健活動助成の交付を受け、下 仁田町での活動を継続しながら、管内他市町村の住民を対象にした啓発活動にも、積極的に取り組んでい る。 平成 19 年度は、4月に富岡甘楽歯科医師会主催の公衆衛生研修会を開催し、フッ化物を利用したむし歯

公益財団法人8020推進財団 平成25年度 歯科保健活動助成 ...公益財団法人8020推進財団 平成25年度 歯科保健活動助成交付事業報告書 1.事業名:フロリデーション(水道水フッ化物濃度調整)についての啓発活動

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  • 公益財団法人8020推進財団

    平成 25 年度 歯科保健活動助成交付事業報告書

    1.事業名:フロリデーション(水道水フッ化物濃度調整)についての啓発活動

    2.申請者名:公益社団法人富岡甘楽歯科医師会

    3.実施組織名:

    富岡甘楽歯科医師会、富岡市、下仁田町、南牧村、甘楽町、下仁田町健康づくり推進

    協議会、下仁田町保健推進員協議会、下仁田町フロリデーション推進会議、住民組織

    等、日本口腔衛生学会(学術支援)

    4.事業の概要:

    富岡甘楽歯科医師会は、WHO(世界保健機関)が推奨する最も優れた公衆衛生的なむし歯予防対策であるフロ

    リデーションを、富岡甘楽地区に普及させたいと考えている。フロリデーションが実施されれば、子供から高齢者ま

    で、給水地域で生活する住民すべてが、生涯を通じてむし歯予防の恩恵を受けることが可能になり、健康格差の解

    消にもつながる。

    フロリデーションの実施により、むし歯が大幅に減少すれば、国が提唱する8020運動の実現に大きく貢献する。

    さらに、歯が残り咀嚼力が保持されることは、全身的な病気の予防や健康増進にもつながり、将来は医療費の抑制

    に結びつくと考えられる。

    富岡甘楽歯科医師会は、10年以上にわたり、一貫してフロリデーションを推奨してきた。リーフレットを市町村の

    広報と一緒に全世帯に配布するなど、フロリデーションについての情報を継続的に提供できる体制が整備されてい

    る。その結果、フロリデーションについてある程度の知識を持つ住民は、富岡甘楽地区全域で毎年確実に増加して

    いる。フロリデーションについて正確な知識を持つ人は、その実施についても肯定的な意見を持つ場合が多いので、

    今後も正確な情報を提供し啓発活動を継続していく必要がある。今後、国や県の積極的な支援があれば、フロリデ

    ーションを実施するための環境が整うと考えている。

    富岡甘楽歯科医師会は、平成 24 年 4 月 1 日付けで、公益社団法人に移行したが、「住民のむし歯予防を目的

    に最良の公衆衛生的な対策である水道水フッ化物濃度調整(フロリデーション)を啓発する事業」が公益事業として

    明記されている。

    フロリデーション普及啓発事業の経緯

    下仁田町では、平成 15 年度から 18 年度まで4年連続で、㈶8020推進財団から歯科保健活動助成の

    交付を受け、関係諸団体が連携しフロリデーションの実施をめざした啓発活動を継続してきた。平成 16 年

    度には日本口腔衛生学会監修のリーフレット「フロリデーション」、平成 17 年度には厚生労働科学研究班の

    技術支援を受けた「フロリデーションモデル装置」が完成した。平成 18 年3月には、下仁田町フロリデーシ

    ョン推進会議が提出した「フロリデーションの普及をめざした啓発活動の推進に関する陳情書」が、下仁

    田町議会において趣旨採択になった。

    平成 19 年度からは、富岡甘楽歯科医師会が主体になり、7年連続で歯科保健活動助成の交付を受け、下

    仁田町での活動を継続しながら、管内他市町村の住民を対象にした啓発活動にも、積極的に取り組んでい

    る。

    平成 19 年度は、4月に富岡甘楽歯科医師会主催の公衆衛生研修会を開催し、フッ化物を利用したむし歯

  • 予防についての知識を再確認し、フロリデーションの実施をめざす歯科医師会の姿勢を明確に示した。11

    月に、住民啓発の媒体としてフロリデーション啓発ポスター 「知っていますか? フロリデーション」(B2

    版)を4種類制作し、公共施設や医療機関、薬局、店舗等への掲示を依頼した。また、平成 20 年 1 月に、

    チラシ「知っていますか? フロリデーション」(A4版)を2種類制作し配布している。

    平成 20 年度は、6月1日に「知っていますか? フロリデーション」をテーマに「歯の健康フェア 2008」

    (第 23 回)を開催した。事前に保育園・幼稚園・小学校の園児・児童を通じて保護者全員に配布した「歯

    の健康フェア」のチラシの裏面を利用して、フロリデーションの情報提供を実施した。

    平成 21 年2月に、富岡甘楽歯科医師会は、住民、市町村の議員、県や市町村の歯科保健担当者、歯科医

    師、歯科衛生士などを対象に歯科保健講演会を開催した。この講演会の開催により、フッ化物を利用した

    むし歯予防についての知識を再確認し、フッ化物の利用やフロリデーションの普及をめざす富岡甘楽歯科

    医師会の姿勢を住民や行政に対しても明確に示した。

    また、富岡甘楽歯科医師会発行、厚生労働科学研究「フッ化物応用の総合的研究班」監修のリーフレッ

    ト「Do you know Fluoridation ?」 (A4版 4ページ)を制作し 40,000 部印刷した。リーフレットは、

    講演会や会議等で2月から関係者に配布を開始した。その後も、市町村や歯科医師会主催の各種事業にお

    いて、フロリデーション啓発用資料として継続的に利用している。

    平成 21 年度は、リーフレット「Do you know Fluoridation ?」を、管内 4 市町村(富岡市、甘楽町、下

    仁田町、南牧村)の協力により、全世帯(約 28,000 世帯)に配布した。また、富岡甘楽歯科医師会発行、厚

    生労働科学研究「フッ化物応用の総合的研究班」監修のリーフレット「フッ化物で むし歯を減らす いろ

    いろな方法」を、平成 22 年3月に制作し、5月に市町村の広報と一緒に全世帯に配布した。

    平成 22 年度は、厚生労働科学研究「フッ化物応用の総合的研究班」と共同で、富岡甘楽地区の1市2

    町1村でアンケート調査を実施した。1歳から4歳の児を持つ保護者を対象にアンケート用紙を 1,006 人

    に配布し、934 名(92.8%)から回答を得た。アンケート調査の結果については、富岡甘楽歯科医師会のホー

    ムページで、平成 22 年度厚生労働研究報告「フロリデーションに関する住民の認知度調査」として、内容

    を公開している。

    平成 23 年3月に制作した リーフレット「フロリデーション 水道水とフッ化物でみんなの歯を健康に」

    (発行 富岡甘楽歯科医師会/監修 厚生労働科学研究「フッ化物応用の総合的研究班」)は、このアンケー

    トの結果を中心に編集し、32,000 部印刷した。6月には、管内4市町村(富岡市、甘楽町、下仁田町、南牧

    村)の協力により、広報と一緒に全世帯(約 28,000 世帯)に配布した。

    また、フロリデーション啓発用の風船を制作して、下仁田町商工会主催の夏祭り、南牧村健康祭、ぐん

    ま食育フェスタ in 富岡、甘楽町健康祭などで配布した。風船は、子供たちに大変人気があり、フロリデー

    ションの認知度を上げるための媒体として効果的だと考える。

    平成 23 年度は、平成 24 年3月に、リーフレット「一生自分の歯で食べるために」(発行 公益社団法人

    富岡甘楽歯科医師会/監修 厚生労働科学研究「フッ化物応用の総合的研究班」)を制作し、33,000 部印刷

    した。6月には、管内4市町村(富岡市、甘楽町、下仁田町、南牧村)の協力により、広報と一緒に全世帯(約

    28,000 世帯)に配布した。なお、富岡甘楽歯科医師会が、平成 23 年 12 月に公益社団法人の認定を受け、平

    成 24 年 4 月 1 日付で公益社団法人に移行したため、発行者を「公益社団法人富岡甘楽歯科医師会」、発行

    日を「平成 24 年 4 月 1 日」とした。公益社団法人富岡甘楽歯科医師会の公益事業には、「住民のむし歯予

    防を目的に最良の公衆衛生的な対策である水道水フッ化物濃度調整(フロリデーション)を啓発する事業」

  • が明記された。

    平成 24 年度は、7月 21 日 に日本歯科医師会館1階大会議室で開催された、公益財団法人8020推進

    財団主催の「平成 22 年度の歯科保健事業報告会・公募研究発表会」で、富岡甘楽歯科医師会副会長 萩原吉

    則が「フロリデーション(水道水フッ化物濃度調整)についての啓発活動」について報告した。報告内容に

    ついて、平成 24 年 11 月に8020推進財団から報告書が発行された。また、公益財団法人8020推進

    財団会誌「8020」NO12 (平成 25 年 1月発行) に、地域における歯科保健活動として「フロリデーショ

    ン(水道水フッ化物濃度調整)についての啓発活動 公益社団法人富岡甘楽歯科医師会副会長 萩原吉則」

    が掲載された。平成 25 年3月に、リーフレット「一生自分の歯で食べるために」(発行 公益社団法人富岡

    甘楽歯科医師会)を制作し、33,000 部印刷した。6月には、管内4市町村(富岡市、甘楽町、下仁田町、南

    牧村)の協力により、広報と一緒に全世帯(約 28,000 世帯)に配布した。

    平成 26 年3月に、パンフレット「フッ化物でむし歯予防 だれにでもできる小さな努力で確かな効果」

    (発行 公益社団法人富岡甘楽歯科医師会)を制作し、5,000 冊印刷した(資料1)。今後、管内市町村や歯科

    医師会主催の事業で、フロリデーション啓発用資料として活用する予定である。

    5.事業内容:

    富岡甘楽歯科医師会は、フロリデーションの実施をめざした啓発活動の一環として、市町村や関係団体

    と連携して下記の事業を実施した。活動の内容は、教育媒体の開発と配布(2)~(11)、啓発現場活動の実践

    (1)(13)(15)(16)、広報活動(12)、組織活動(14)など、多岐にわたっている。

    フロリデーション啓発事業

    ポスター作製

    リーフレット作製

    ふうせん作製

    モデル装置

    パンフレット作製

  • (1)歯と口の健康週間対外行事「歯の口の健康フェア 2013」の開催

    富岡甘楽歯科医師会は、毎年6月の第1日曜日に歯と口の健康週間の対外行事として、歯と口の健康フ

    ェアを開催している。今年度は「歯と口の健康フェア 2013」(第 28 回)を下記のとおり開催した。フロリデ

    ーションコーナーを設け、フロリデーション啓発ポスターの掲示、リーフレットの配布、フロリデーショ

    ン水の試飲体験等を通して、来場者にフロリデーションについての情報提供を行った。

    日時 6月2日(日)午前 10 時から午後3時

    会場 富岡甘楽口腔保健センター

    主催 富岡甘楽歯科医師会

    共催 富岡保健福祉事務所・富岡市・下仁田町・南牧村・甘楽町

    協力 群馬県歯科衛生士会 西毛支部

    後援 富岡市教育委員会・下仁田町教育委員会・南牧村教育委員会・甘楽町教育委員会

    主催者側参加者 約 60 人

    来場者数 296 名 (名簿記載者数)

    (主な内容)

    健診、歯科保健相談

    8020 賞表彰

    歯科保健啓発図画・ポスター、歯科保健啓発標語の展示

    フロリデーション啓発コーナー(フロリデーション水の試飲、リーフレットの配布等)

    フッ化物洗口体験コーナー

    フッ化物歯面塗布

    ブラッシング指導

    マイクロスコープによる細菌の観察

    富岡保健福祉事務所コーナー

    市町村コーナー

    各種パンフレットの配布

    風船配布(フロリデーション啓発用)

    口腔ガンについての啓発コーナー

    「歯と口の健康フェア 2013」フロリデーションコーナーの様子(左)と主催者側の参加者(右)

  • (2)パンフレット「フッ化物でむし歯予防」の制作と配布

    平成 26 年3月に、パンフレット「フッ化物でむし歯予防 だれにでもできる小さな努力で確かな効果」

    (発行 公益社団法人富岡甘楽歯科医師会)を制作し、5,000 冊印刷した(資料1)。今回は、(株)アイ・メデ

    ィカルが発行している既成のパンフレットを基にして、フロリデーションについての当会の見解を加え、

    独自のパンフレットに仕上げた。

    パンフレットは、歯科医師会が主催する「歯と口の健康フェア 2014」や各種コンクールなどで配布する

    予定である。また、市町村の協力を得て、フッ化物洗口を実施する保育園・幼稚園の保護者、フッ化物洗

    口を実施している児童生徒の保護者、乳歯のむし歯予防事業への参加者などへ配布するつもりである。市

    町村議会、市町村教育委員会、健康づくり推進協議会、国保運営委員会等でも啓発資料として活用したい。

    (3)リーフレット「一生自分の歯で食べるために」を全世帯に配布

    平成 25 年3月に、リーフレット「一生自分の歯で食べるために」(発行 公益社団法人富岡甘楽歯科医師

    会)を制作し、33,000 部印刷した(資料2)。6月には、管内4市町村(富岡市、甘楽町、下仁田町、南牧村)

    の協力により、広報と一緒に全世帯(約 28,000 世帯)に配布した。その後、リーフレットは、市町村主催の

    フッ化物洗口説明会や歯科医師会主催の「歯と口の健康フェア 2013」などの各種事業において、フロリデ

    ーション啓発用資料として継続的に利用している。

    (4)リーフレット「一生自分の歯で食べるために」を全世帯に配布(平成 23 年度事業か

    らの継続)

    平成 24 年3月に、リーフレット「一生自分の歯で食べるために」(発行 富岡甘楽歯科医師会/監修 厚

    生労働科学研究「フッ化物応用の総合的研究班」)を制作し、33,000 部印刷した。6月に、管内4市町村(富

    岡市、甘楽町、下仁田町、南牧村)の協力により、広報と一緒に全世帯(約 28,000 世帯)に配布した。その

    後、リーフレットは、市町村主催のフッ化物洗口説明会や歯科医師会主催の「歯と口の健康フェア」など

    の各種事業において、フロリデーション啓発用資料として継続的に利用している。

    (5)リーフレット「水道水とフッ化物でみんなの歯を健康に」の配布(平成 22 年度事業

    からの継続)

    平成 23 年3月に、リーフレット「フロリデーション 水道水とフッ化物でみんなの歯を健康に」(発行 富

    岡甘楽歯科医師会/監修 厚生労働科学研究「フッ化物応用の総合的研究班」)を制作し、32,000 部印刷し

    た。6月に、管内4市町村(富岡市、甘楽町、下仁田町、南牧村)の協力により、広報と一緒に全世帯(約 28,000

    世帯)に配布した。その後、リーフレットは、市町村主催のフッ化物洗口説明会や歯科医師会主催の「歯と

    口の健康フェア」などの各種事業において、フロリデーション啓発用資料として継続的に利用している。

    (6) リーフレット「フッ化物で むし歯を減らす いろいろな方法」の配布(平成 21 年度

    事業からの継続)

    平成 22 年3月に、富岡甘楽歯科医師会発行、厚生労働科学研究「フッ化物応用の総合的研究班」監修の

    リーフレット「フッ化物で むし歯を減らす いろいろな方法」を制作し 40,000 部印刷した。5月には、管

    内4市町村(富岡市、甘楽町、下仁田町、南牧村)の協力により、広報と一緒に全世帯(約 28,000 世帯)に配

    布した。その後、リーフレットは、市町村主催のフッ化物洗口説明会や歯科医師会主催の「歯と口の健康

    フェア」などの各種事業において、フロリデーション啓発用資料として継続的に利用している。

  • (7) リーフレット「Do you know Fluoridation ?」の配布(平成 20 年度事業からの継続)

    平成 21 年2月に、富岡甘楽歯科医師会発行、厚生労働科学研究「フッ化物応用の総合的研究班」監修の

    リーフレット「Do you know Fluoridation ?」を制作し富岡甘楽地区の全世帯に配布した。今年度も、市

    町村のフッ化物洗口説明会や歯科医師会主催の「歯と口の健康フェア」などの各種事業において、フロリ

    デーション啓発用資料として継続的に利用している。

    (8)フロリデーション啓発用の風船を配布(平成 22 年度事業からの継続)

    平成 22 年度に、当会勤務の歯科衛生士がデザインした原画を利用して、フロリデーション啓発用の風船

    を制作した。その原版を利用し、毎年、必要数を追加購入して各種イベントで利用している。

    今年度は、歯と口の健康フェア 2013(6月2日)、親と子のよい歯のコンクール(6月 13 日)、下仁田町商

    工会主催の夏祭り(8月 14 日)、町村の健康祭などで配布した。風船は、子供たちに大変人気があり、フロ

    リデーションの認知度を上げるための媒体として効果的だと考える。

    (9)フロリデーション啓発ポスターの掲示(平成 19 年度事業からの継続)

    平成 19 年 11 月にフロリデーション啓発ポスター 「知っていますか? フロリデーション」(B2版 片面

    カラー)を4種類制作(各 500 枚印刷)したが、今年度も引き続きを啓発活動に利用している。ポスターは、

    市町村保健センターなどの公共施設、富岡甘楽歯科医師会の会員の歯科診療所、富岡市甘楽郡医師会の会

    員の医療機関、富岡甘楽薬剤師会の会員の薬局、一般の店舗などに掲示されているが、掲示場所の増加や

    古くなったポスターの交換に努めている。

    (10)チラシ「知っていますか? フロリデーション」の配布(平成 19 年度事業からの継続)

    平成 19 年度(平成 20 年1月)に制作したチラシ「知っていますか? フロリデーション」(A4版 両面カ

    ラー印刷)の配布を継続している。主な対象は、市町村の歯科保健事業や富岡甘楽歯科医師会主催の各種

    事業への参加者、歯科医院の受診者などである。

    (11)クリアファイルの利用(平成 20 年度事業からの継続)

    平成 19 年度の事業で制作したポスター3種類のデザインが、㈱アイ・メディカルから名入れ可能なクリ

    アファイルとして発売された。カタログは定期的に全国の歯科医院へ配布されている。商品として販売さ

    れることにより、フロリデーションの普及に関心がある人たちが簡単に利用できる状況になっている。

    平成 20 年度に購入した「富岡甘楽歯科医師会」の名入りクリアファイルを、今年度も利用している。

    (12) 富岡甘楽歯科医師会のホームページの充実

    富岡甘楽歯科医師会のホームページを利用して、フッ化物利用とフロリデーションについての情報提供

    を行っている。当会が発行したリーフレットの紹介と共に、公的機関の見解やフッ化物についてのQ&A

    が掲載されているホームページを紹介している。また、平成 22 年度厚生労働研究報告「フロリデーション

    に関する住民の認知度調査」として、平成 22 年度に富岡甘楽地区で実施したアンケート調査の結果を公開

    している。

  • (13)フッ化物洗口説明会を利用した啓発

    富岡甘楽地区では、幼稚園、保育園のフッ化物洗口を継続していくために説明会を毎年開催している。

    今年度は、富岡市2回、甘楽町1回、下仁田町4回、南牧村1回の説明会を実施した。説明では、フロリ

    デーションが最も優れた公衆衛生的なむし歯予防法でフッ化物洗口は次善の策であること、フロリデーシ

    ョンがむし歯予防のためのフッ化物利用の原点であること等をきちんと説明している。

    (14)富岡保健福祉事務所の歯科保健連絡調整会議

    「地域における生涯を通じた歯及び口腔の健康づくりを推進するため、市町村及び関係機関の連携を図

    り、効果的な歯科保健活動を展開する」ために、歯科保健連絡調整会議が富岡保健福祉事務所において毎

    年開催されている。会議は、管内市町村歯科保健担当課、教育委員会、富岡甘楽歯科医師会、富岡保健福

    祉事務所で構成されている。

    今年度の調整会議は1月 30 日に開催された。下仁田町から、フロリデーション啓発事業についての報告

    があった。歯科医師会から、制作中のパンフレット「フッ化物でむし歯予防」について報告し、配布方に

    ついて市町村に依頼した。

    (15)下仁田町保健センターに設置されたフロリデーションモデル装置の利用

    平成 17 年度に厚生労働科学研究班の技術支援を受けた「フロリデーションモデル装置」が完成し、下仁田

    町保健センターに設置されている。1階と3階のホールに設置されたウォータークーラーや2階の調理室

    でフロリデーション水を利用することができる。また、下仁田町内の 11 施設(歯科医院3、医院1件、薬

    局2、接骨院1、飲食店1、こんにゃく商店1、いこい処1、理髪店1)で、希望者がフロリデーション水

    の試飲を体験できる体制が整っている。さらに、歯の健康フェア、健康祭、講演会、研修会、夏祭りなど

    の各種事業を利用して、フロリデーション水を希望者に提供している。日本国内でフロリデーションが未

    実施の状況では、フロリデーション水を気軽に体験できるモデル装置は、住民がフロリデーションを理解

    する上で効果的である。

    (16)下仁田町フロリデーション推進会議主体の主な活動

    ①定例会の開催

    下仁田町フロリデーション推進会議は、下仁田町内の会員を中心に毎月定例会を開催し、会員の知識向

    上に努めている。

    ②町長、議員等への働きかけ

    下仁田町長や下仁田町議会議員に時々面談を求め、住民の立場からフロリデーション推進について要望

    を行っている。

    ③下仁田コンニャク夏祭り(下仁田町商工会主催)に参加

    平成 25 年 8 月 14 日に開催された「下仁田コンニャク夏祭り」会場において、フロリデーション推進会

    議のコーナーを設け、フロリデーション啓発用の風船の配布、リーフレットの配布、ポスターの展示、フ

    ロリデーション水の試飲( 540 人)、歯ブラシ、キシリトールガムの配布等の啓発活動を行った。

    参加者は、下仁田町保健師 4 名、下仁田町フロリデーション推進会議 6名、富岡甘楽歯科医師会(歯科医

    師 2名、歯科衛生士 2名)である。活動に対する反発は全くなく、フッ化物利用については自然に受け入れ

    られてきている感じがした。

  • 下仁田町商工会主催の下仁田コンニャク夏祭りの様子 平成 25 年 8 月 14 日

    ④下仁田町健康祭へ参加

    平成 25 年 11 月 23 日に開催された下仁田町主催の健康祭(参加者 約 400 人)の会場に、フロリデーショ

    ン推進会議のコーナーを設け、リーフレットの配布、ポスターの展示、フロリデーション水の試飲、歯ブ

    ラシ、キシリトールガムの配布等の啓発活動を行った。また、富岡甘楽歯科医師会が主体で運営した「歯

    みがき体験コーナー」には、フロリデーション推進のポスターを掲示した。

    下仁田町健康祭のフロリデーションコーナー(左)と歯みがき体験コーナー(右) 平成 25 年 11 月 23 日

    6.実施後の評価(今後の課題):

    富岡甘楽地区では、市町村の協力によりリーフレットを全世帯に配布するなど、フロリデーションについての情報

    を継続的に提供できる体制が整備されている。その結果、フロリデーションについてある程度の知識を持つ住民は、

    富岡甘楽地区全域で毎年確実に増加している。フロリデーションについて正確な知識を持つ人は、その実施につ

    いても肯定的な意見を持つ場合が多いので、今後も正確な情報を提供し啓発活動を継続していく必要がある。今

    後、国や県の積極的な支援があれば、フロリデーションを実施するための環境が整うと考えている。

    (1)富岡甘楽地区の歯科保健関係者の状況

    下仁田町では、平成 15 年度以降、歯科保健活動助成の交付を受け、関係諸団体が連携しフロリデーショ

    ンの実施をめざした啓発活動を継続してきた。また、平成19年度からは富岡甘楽歯科医師会が主体になり、

    富岡甘楽地区全域で、フロリデーションについての情報提供を積極的に行ってきた。

    富岡甘楽歯科医師会の社員定時総会では、毎年、フッ化物利用の推進やフロリデーション啓発活動の実

  • 施が明記された事業計画が全員一致で承認されている。また、富岡甘楽歯科医師会が、平成 24 年 4月 1 日

    付で移行した公益社団法人の公益事業には、「住民のむし歯予防を目的に最良の公衆衛生的な対策である水

    道水フッ化物濃度調整(フロリデーション)を啓発する事業」が明記されている。

    富岡甘楽歯科医師会の会員、富岡保健福祉事務所・市町村の歯科保健担当課の保健師、地域の歯科保健

    事業を担当している歯科衛生士などの専門職の間では、フロリデーションがフッ化物を利用したむし歯予

    防対策の原点であり、公衆衛生的に最も優れたむし歯予防法であるという共通認識が形成されている。啓

    発用リーフレットの配布には、行政も協力的で広報と一緒に全世帯への配布が可能になっている。また、

    平成 22 年度に実施したフロリデーションについてのアンケート調査も、市町村保健師の協力により 92.8%

    という高い回収率が可能になった。

    しかし、国や県などの積極的な支援が不足しているため、市町村が単独でフロリデーションを実施する

    ことの困難さについても十分認識しているので、啓発事業には積極的に協力しても、実施については消極

    的になる行政の担当者が多いのが実情である。このことが、フロリデーション推進の足かせになっている。

    平成 25 年 1 月に8020推進財団から発行された冊子「歯は一生のパートナー」の中では、フロリデーション

    がきちんと取り上げられている。このような全国レベルの情報提供が継続されれば、フロリデーションの実施を目指

    している地域に対する大きな支援になると思う。また、富岡甘楽地区の乳歯のむし歯予防対策が、冊子の中で活用

    レポートとして紹介されたことで、富岡甘楽歯科医師会のめざす施策に対する信頼性が増してきている。

    (2)富岡甘楽地区の住民に対する啓発活動の状況と住民の意識

    平成 19 年度からは富岡甘楽歯科医師会が主体になり、富岡甘楽地区全域で、フロリデーションについて

    の情報提供を積極的に行ってきた。平成 21 年度以降は、毎年、歯の衛生週間、歯と口の健康週間の時期に、

    フロリデーション啓発用のリーフレットを広報と一緒に富岡甘楽地区の全世帯に配布してきた。その結果、

    フロリデーションについてある程度の知識を持つ住民は、富岡甘楽地区全域で毎年確実に増加してきた。同時に、

    フッ化物利用全般についても理解が深まってきている。

    平成 25 年度は、富岡甘楽地区の幼稚園・保育園 28 施設のフッ化物洗口実施率が 99.2%(実施児数 1000 人/

    対象児数 1008 人)になった。平成 18 年度の実施率 96.0%と比較すると、フッ化物利用全般について理解が得ら

    れていることが分かる。

    それでも、フロリデーションやフッ化物利用に対して拒否反応を示す人が一部にはいる。一部の専門職

    (歯科医師の場合も多い)や、学校でのフッ化物洗口に反対している教職員組合の活動家から、意図的に流

    されたフッ化物利用についての偽情報の影響だと思う。フッ化物利用に対する誤解は単純なものが多い。

    誤解を解くためには、やはり粘り強い情報提供が必要だと思う。

    (3)フロリデーションを実施するための必要条件

    富岡甘楽地区の行政は、歯科医師会がフロリデーションについての情報を住民に提供することについて

    協力的である。市町村や富岡甘楽歯科医師会主催の各種事業において、フロリデーションについて正確な

    情報を継続的に提供していくことにより、住民から幅広い支持が得られれば、フロリデーションを実施す

    るための地域の環境が整うと考えている。そのためには、今後も啓発活動を継続していく必要がある。

    また、フロリデーションを実施するための条件として、市町村長(水道事業者も兼ねる場合が多い)の支

    持と議会の承認は必要不可欠である。しかし、国や県などの積極的な支援が不足しているため、市町村が

    単独ではフロリデーションの実施を決断しにくい状況である。これが、フロリデーションを実施できない

    理由ひとつになっている。フロリデーション実施のためには、国や県レベルの積極的支援が必要不可欠で

    ある。

  • (資料1)パンフレット フッ化物でむし歯予防 (縦 210mm×横 105mm 12 ページ) 発行 公益社団法人富岡甘楽歯科医師会 平成 26 年 3 月制作

  • (資料2)リーフレット「一生自分の歯で食べるために」(A4版4ページ)

    発行 公益社団法人富岡甘楽歯科医師会 平成 25 年3月制作