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保税業務担当者研修会 平成26219日(水)、20日(木)【神戸】 (保税関係法令) 1

保税業務担当者研修会 - kanzei.or.jp · 保税地域にある外国貨物を見本として一時持ち出そうす る者は、税関長の許可を受けなければならい。

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保税業務担当者研修会

平成26年2月19日(水)、20日(木)【神戸】

(保税関係法令)

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講義予定(アウトライン)

保税地域制度の総論外国貨物を置く場所の制限見本の一時持出し外国貨物の廃棄貨物管理の手続き等

保税地域制度の各論指定保税地域保税蔵置場保税工場

保税運送制度の概要収容制度の概要免税コンテナーの概要

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⑴ 外国貨物を置く場所の制限(法第30条第1項)

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保税制度における一般的規制

外国貨物は、保税地域以外の場所に置くことはできない。

難破貨物保税地域に置くことが困難又は著しく不適当な貨物特定郵便物、刑事訴訟法の規定により押収された物件その他政令で定める貨物信書便物のうち税関長が取締り上支障がないと認めるもの特例輸出貨物

例外

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保税制度における一般的規制

(2) 保税地域に置くことが困難又は著しく不適当な貨物(法第30条第1項第2号、関基30-2)

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巨 大 重 量 貨 物

大量貨物で置くことが困難な貨物

交通不便・陸揚げ、積み込まれる

腐敗変質・貨物を汚損のおそれ

貴重品・危険物・生鮮食品の施設無

税関長がやむを得ないとした貨物

税関長の許可(場所・期間を指定)

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(3) 他所蔵置に係る保税地域についての準用規定(法第36条)

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見本の一時持出し(法第32条)

保税蔵置場の許可を受けた者の関税の納付義務(法第45条)

貨物の取扱(関税法第40条第1項)貨物の内容点検、改装、仕分けその他の手入れ

(注)見本の展示、簡単な加工その他に類する(税関長の許可)行為は不可(法40条第2項の準用規定なし)

保税制度における一般的規制

外国貨物の廃棄(法第34条)

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(4) 見本の一時持出(法第32条)

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保税地域にある外国貨物を見本として一時持ち出そうする者は、税関長の許可を受けなければならい。

許可基準

課税上問題がなく、かつ、少量の場合(関基32-1)

手続

見本として持ち出す外国貨物は、税関長の指定する期間内戻し入れるものものとする。ただし、残余の貨物と一括して輸入許可を受けた場合はこの限りではない。(関基32-1(1))

保税制度における一般的規制

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(5) 外国貨物の廃棄(法第34条)

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保税地域にある貨物を廃棄しようとする者は、あらかじめその旨を税関に届け出なければならない。ただし、(関税法第45条第1項ただし書(許可を受けた者の関税の納付義務)の規定により)滅却について承認を受けた場合は、この限りでない。

廃棄の意義及び取扱い(関基23-9、34-1)

貨物の滅却とは、焼却等により貨物の形態をとどめなくすること外国貨物の廃棄とは、外国貨物を滅却し、又は腐敗、変質等により本来の用途に供されなくなった外国貨物をくずとして処分すること

廃棄が滅却以外の廃棄であるときは、その廃棄後の現況により輸入手続きを要する

保税制度における一般的規制

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(6) 記帳義務(法第34条の2)

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保税地域の種類 記帳義務者 参 考

指定保税地域 貨物管理者 法34の2 、令29条の2第1項、関基34の2‐2

保税蔵置場 被許可者 法34の2 、令29条の2第1項、関基34の2‐2

保税工場 被許可者 法61の3、令50条、関基61の3‐1

保税展示場 被許可者 法62の7、令51条の7、関基62の7‐2

総合保税地域 貨物管理者 法34の2 、令29条の2第2項、関基34の2‐2

保税地域(保税工場・保税展示場を除く)において貨物を管理する者(許可を受けた者)は、その管理する外国貨物又は輸出しようとする貨物について、帳簿を設け、政令で定める事項を記載しなければならない。

保税制度における一般的規制

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(7) 記帳義務(関令第29条の2)・・・指定保税地域・保税蔵置場

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保税制度における一般的規制

1号 外国貨物(輸出しようとする貨物を含む)を入れた場合

2号 外国貨物を取扱した場合

3号 IS承認又は置く期間について税関長の指定を受けた場合

4号 輸入の許可を受けた場合

5号 輸入の許可前における貨物の引取り承認を受けた場合

6号 見本の一時持出許可を受けた場合

7号 外国貨物を出した場合(輸入許可済貨物の搬出記帳不要)

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(8) 社内管理規定(CP=Compliance Program)の整備

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迅速かつ適正な通関の確保 & 保税事務の円滑な遂行

基本項目(関税法基本通達 3 4の 2- 9 )

保税制度における一般的規制

(1)社内管理規定の目的 (2)社内管理責任体制の整備 (3)貨物管理手続体制の整備 (4)貨物保全体制の整備 (5)税関への通報体制の整備 (6)教育訓練体制の整備 (7)評価・監査制度の整備 (8)その他留意事項

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貨物管理に関する社内管理規定(作成例)

※ この作成例は保税蔵置場等の新規申請者及び被許可者が社内管理規定を整備する際の参考としていただくものです。実際の整備にあたっては、法令順守及び適正な貨物管理を確保する観点を踏まえた上で、各社の実情に即して作成願います。

(基本方針)第1条 国際交易の一翼を担う当社は、適正・円滑な輸出入貿易に資する観点から、関税法及び

その関連法規を誠実に遵守することを会社の基本方針とする。

(目的)第2条 当貨物管理に関する社内管理規定(以下「規定」という。)は、当社が許可を受けている保

税蔵置場における貨物管理体制の確立に関し、必要な事項を定め、役員以下従業員にこの規定の方針及び手続を理解し履行するよう周知徹底を図り、もって、関税法その他関税関係法令を遵守して適正な貨物管理を行うことを目的とする。

作成例は保税蔵置場としていますが、規定の整備は保税地域全般が対象とされていますので、指定保税地域の貨物管理者の場合等にあっては、適宜字句を置き換えてください。

(適用範囲)第3条 この規定は当社の○○○○保税蔵置場において適用する。

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(責任体制)第4条 貨物管理の責任体制を確立するため、保税業務に関する総合責任者及び貨物、委託、

顧客の各管理責任者並びに同補佐を定める。

2 前項の総合責任者等の氏名等は、別紙「保税業務社内管理組織図」のとおりである。

3 前項の保税業務社内管理組織図に変更があった場合は、その都度変更後の組織図を作成し、旧組織図については2年間場所を定めて保管する。

関税法施行令第35条第3項の規定に基づき、許可の際に付される条件に留意してください。(支配人その他の主要な従業者に変更があった場合には遅滞なく税関長に届け出る旨の条件)

(総合責任者の範囲)第5条 総合責任者は、当社が行う保税業務について、総合的に管理、監督する責任を負う。

(貨物管理責任者の責任範囲)第6条 貨物管理責任者は次の各号に掲げる事項について、適切に管理、監督する責任を負う。

一 貨物の搬入、蔵置、棚卸、取扱い、搬出等の管理(貨物の数量、態様等の把握を含む)

二 記帳義務を課されている帳簿及びその他関係帳票類を所定の場所に2年間保管管理

三 貨物の保全のための体制の整備及び管理

四 貨物の異常を発見した場合及びその他不審情報があった場合の税関への通報

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(委託管理責任者の責任範囲)第7条 委託管理責任者は、庫内作業等に従事する委託企業の従業員について、資質の把握

等を適切に管理、監督する責任を負う。

(顧客管理責任者の責任範囲)第8条 顧客管理責任者は、保税蔵置場を利用する顧客について顧客名簿(所在地、電話、担

当者氏名)を作成するなど、その資質や経営状態等を把握し適切に管理する責任を負う。

(各責任者補佐の責任範囲)第9条 各責任者補佐は、前第5条から第8条までの各責任者を助け、各条に掲げる事項を処

理する。

(貨物管理手続き)

第10条 各担当者は、当社が管理運営する保税地域に貨物を搬入、蔵置、取扱い、搬出する各段階における貨物管理手続きについて、次の各条に定める手続きを厳守するものとする。なお、担当者及びその担当業務については別紙「保税業務社内管理組織図」のとおりとする。

余力がある場合には、更に業務処理手順を定め、貨物管理業務処理フロー図といったものを作成することをお勧めします。

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(搬出入管理)第11条 輸入貨物の搬入に当たっては、次の各号に定める事務を行う。

一 搬入される外国貨物と船卸票、若しくはこれに代わる書類又は保税運送承認書写し(以下「搬入関係書類」という。)を対査して、貨物の記号、番号、品名、数量及びコンテナシール番号等の異常の有無の確認を行う。また、「要確認」又は「要施封」の記載がある保税運送承認書に係る貨物については、到着後直ちに貨物管理責任者又は同補佐に報告する。貨物管理責任者等はその内容を速やかに管轄税関の保税(取締)担当部門へ連絡する。

[海上貨物通関情報処理システム(以下「システム」という。)を利用して保税業務を行っている保税地域(以下「システム保税地域」という。)においては、搬入される外国貨物と搬入関係書類又はシステム保税地域に配信される「保税運送承認貨物情報」等を対査して、上記の確認を行う。]

二 外国貨物の搬入が終了した時は、搬入関係書類に貨物の到着年月日、搬入の開始及び終了の年月日を記載するとともに、当該貨物に数量の過不足又は損傷があった時はその内容を注記する。

[システム保税地域において、搬入確認を終了したときは、「保税運送承認番号」等をもってシステムへ「搬入確認登録」等を行う。事故貨物等については、「貨物管理番号」毎に事故内容に応じ「搬入確認登録」等を行う。なお、貨物情報が登録されていない貨物については、「システム外搬入確認(輸入貨物)」を利用して「搬入確認登録」を行う。]

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三 前二号の処理を行った搬入関係書類に基づき、保税台帳に必要事項を記載し、その搬入関係書類をその写しとともに一定の期間分(一週間程度)を取りまとめて、管轄税関の保税(取締)担当職員に提出する。

四 搬入された貨物について次に掲げる事実を確認し又はその疑いがあると認めた時は、直ちにその内容を貨物管理責任者又は同補佐に報告する。貨物管理責任者等はその内容を速やかに管轄税関の保税(取締)担当部門へ連絡する。イ 前一号、二号で対査した書類に記載された品名との相違、数量との過不足、重大な損傷又はこれに準じる異常。

ロ 麻薬、銃砲刀剣類等関税法第69条の11第1項各号に掲げる貨物その他法令により輸入が禁止されている貨物の存在。

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2 輸出貨物(輸出許可を受けた貨物及び輸出しようとする貨物)の搬入については、その貨物と搬入関係伝票等とを対査して、貨物の記号、番号、品名及び数量等の異常の有無を確認した上で、保税台帳に必要事項を記載する。なお、搬入された貨物について麻薬等関税法第69条の2第1項各号に掲げる貨物その他法令により輸出が禁止されている貨物であることを確認し又はその疑いがあると認めた時は、直ちにその内容を貨物管理責任者又は同補佐に報告する。貨物管理責任者等はその内容を速やかに管轄税関の保税(取締)担当部門へ連絡する。

[システム保税地域については、輸出貨物(輸出未通関貨物及び輸出許可済貨物をいう。)の搬入にあたっては、貨物と伝票等又はシステム保税地域に配信される「輸出貨物登録情報」等を対査して、上記の確認を行う。貨物の搬入が終了したときは、輸出未通関貨物については「輸出管理番号」単位で、輸出許可済貨物については「搬出番号」又は「輸出管理番号」をもって「搬入確認登録」を行う。ただし、事故貨物等については「輸出管理番号」毎に「搬入確認登録」を行う。

なお、貨物情報未登録の輸出許可済貨物については、「システム外搬入確認(輸出許可済)」を利用して「輸出許可番号」毎に「搬入確認登録」を行う。]

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3 輸入貨物等の搬出については、次の各号に定める事務を行う。一 貨物を搬出する場合は、荷主、通関業者、運送業者等貨物を搬出しようとする者から、当該搬出貨物に係る許可書又は承認書(以下「搬出関係書類」という)をあらかじめ提示させ、それらの書類と当該貨物の記号、番号、品名及び数量等の異常の有無を確認の上、それらの書類に確認印を押印し、貨物の搬出を認め、必要事項を保税台帳に記帳する。

[システムにより輸入許可等を受けた貨物を搬出する場合は、システム保税地域に配信される「輸入許可貨物情報」「輸入許可前貨物引取承認貨物情報」「保税運送承認貨物情報」と当該貨物とを対査して、上記の確認を行い、貨物の搬出を認める。搬出確認を終了したときは、保税運送貨物を搬出する場合は「貨物管理番号」等をもってシステムへ「搬出確認登録」等を行う。]

二 提示された書類の内容に不審な点を発見したとき、又は提示された書類と当該搬出しようとする貨物の相違を発見したときは、直ちにその内容を貨物管理責任者又は同補佐に報告する。貨物管理責任者等はその内容を速やかに管轄税関の保税(取締)担当部門へ連絡する。

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4 輸出貨物の搬出については、次の各号に定める事務を行う。一 輸出の許可を受けた貨物を搬出する場合は、荷主又は通関業者から当該搬出しようとする貨物に係る輸出許可書等をあらかじめ提示させ、それらの書類と当該貨物の記号、番号、品名及び数量等の異常の有無を確認の上、それらの書類に確認印を押印し、貨物の搬出を認め、必要事項を保税台帳に記帳する。

[システムにより輸出許可を受けた貨物を搬出する場合は、システム保税地域に配信される「輸出許可貨物情報」とを対査して、上記の確認を行い、貨物の搬出を認める。搬出確認を終了したときは、「輸出貨物管理番号」等をもってシステムへ「搬出確認登録」(「バンニング情報登録」又は「船積完了登録」を含む)を行う。

なお、貨物情報を有する輸出しようとする貨物を内貨のまま国内に引き取る場合、あるいは滅却承認貨物又は収容される貨物を搬出する等の場合は、「搬出確認登録」(貨物引取り)を行う。]

二 提示された輸出許可書等の内容に不審な点を発見したとき、又は提示された輸出許可書等と当該搬出しようとする貨物との相違を発見したときは、直ちにその内容を貨物管理責任者又は同補佐に報告する。貨物管理責任者等はその内容を速やかに管轄税関の保税(取締)担当部門へ連絡する。

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(蔵置管理)第12条 外国貨物(輸入許可前の貨物及び輸出の許可を受けた貨物をいう。以下同じ)又は輸出しよ

うとする貨物については、純粋の内国貨物と混合することのないように区分し、その貨物の積載船名、品名、個数、数量及び搬入した年月日、その他必要な事項についての表示を付けさせた上、区分して蔵置する。

2 危険物(消防法別表に掲げる発火性又は引火性のある貨物)又は他の貨物を損傷し、若しくは腐敗させるおそれのある貨物については、更に一般貨物と区分して蔵置する。

3 貴重品その他盗難等のおそれの多い貨物については、特別の保管施設を設けてその施設内に蔵置させる。

取扱貨物の種類にもよりますが、可能な限り、貨物の棚卸しの規定を設けることをお勧めします。

(貨物取扱管理)第13条 外国貨物又は輸出しようとする貨物について、「内容の点検」「改装」「仕分け」「その他の手

入れ」を行うにあたっては、次の手続きによる。

一 自ら又は荷主立会いの下で行う取扱いについては、貨物管理責任者等を通じてあらかじめ管轄税関の保税(取締)担当部門に連絡する。

二 取扱いの年月日、内容等について保税台帳に記帳する。

三 取扱いは担当者自ら又は担当者立会いの下で行う。

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四 取扱いの際に、次の事実を確認し又はその疑いがあると認めたときは、直ちに貨物管理責任者等を通じて速やかに管轄税関の保税(取締)担当部門に連絡する。イ 関係書類に記載された品名との相違、数量との過不足、重大な損傷又はこれに準ずる異常。

ロ 麻薬、覚せい剤又は銃砲刀剣類等の関税法第69条の2第1項各号(輸出してはならない貨物)及び関税法第69条の11第1項各号(輸入してはならない貨物)に掲げる貨物の存在。

ハ その他事故貨物。

五 取扱いが終了したときは、取扱いの内容、月日等を(作業日報等)記録(取扱いの結果、貨物の記号、番号又は数量に変更があった場合は、その記録も併せて作成)し、保税台帳に記帳の後保管する。

[システム保税地域においては、事前に取扱内容に応じた「貨物取扱登録」を行ったうえ取扱う。取扱作業が終了したときは、終了した旨の「貨物取扱確認登録」を行う。]

六 荷主、通関業者等(以下「荷主等」という。)が取扱いを行った結果、貨物の記号、番号又は数量に変更があった場合は、その記録の作成を求め、これに確認印を押印して返付し、その写しについて前記五の処理をする。

七 関税法第69条の2第1項各号(輸出してはならない貨物)及び関税法第69条の11第1項各号(輸入してはならない貨物)に掲げる貨物並びに荷主等が取扱いを行う貨物等、税関から通報要請のあった貨物の取扱いについては、必ず税関へ通報した上で行う。

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2 外国貨物又は輸出しようとする貨物について、「見本の展示」「簡単な加工」その他これらに類する行為を行うにあたっては、次の手続きによる。

一 管轄税関の保税(取締)担当部門に『貨物取扱許可申請書』を提出し、取扱いの許可を受ける。

二 前記の手続きを荷主等が行う場合は、その許可書を確認する。

三 本取扱いは『貨物取扱許可書』に基づき担当者自ら又は担当者の立会いの下で行う。

四 取扱貨物の異常については前項四号による。

五 取扱いが終了したときは『貨物取扱許可書』に基づき貨物を確認の上、管轄税関の保税(取締)担当部門に連絡し、確認を受ける。

六 『貨物取扱許可書』に基づき必要事項を保税台帳に記帳する。

[システム保税地域においては、「貨物取扱許可貨物情報」が配信されるので、これに基づき取扱いを行う。取扱作業が終了したときは、終了した旨の「貨物取扱確認登録」を行う。]

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3 輸出貨物並びに輸入貨物の税関検査のための搬出入手続きは次による。一 輸出入貨物の見本検査、一部検査又は全部検査が税関検査場で行われる場合は、検査指定票『運搬用』及び『倉主用等』が提出されるので、これに所要の事項を記入し『倉主用等』は検査貨物を搬出する際の控えとして整理保管し、『運搬用』は検査貨物の蔵置場所と税関検査場等の間の運搬の確認に使用されるため返却する。

二 検査貨物が税関検査場等から蔵置場所に戻された時は、『運搬用』が再提出されるので、『倉主用等』と照合の上、整理保管する。

三 税関検査による搬出入年月日等必要事項を保税台帳に記帳する。

4 見本の一時持ち出しの場合の手続きは次による。蔵置中の外国貨物を見本として一時持ち出す場合は、荷主又は通関業者に対して税関の許可印が押印された『見本持出許可申請書』あるいは『見本持出台帳』の提出を求め、申請書等の内容と当該貨物を対査確認の上搬出を認め、必要事項を保税台帳に記帳する。

[システム保税地域において見本を持ち出す場合は『見本持出許可貨物情報』が配信されるので、その内容と貨物を対査確認の上搬出を認め、『見本持出確認登録』を行う。]

5 公務員による見本採取の場合の手続きは次による。一 税関職員が見本採取する場合は「検査指定票」を、その他の公務員が見本採取する場合は、税関の確認印のある「見本採取票」を確認する。

二 保税台帳に採取した貨物の品名等、必要事項を記載する。

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6 外国貨物を廃棄する場合の手続きは次による。一 蔵置中の外国貨物の廃棄は、税関の受理印のある「外国貨物廃棄届」に基づき廃棄する。

二 保税台帳に廃棄した貨物の品名等、必要事項を記載する。

7 外国貨物を滅却する場合の手続きは次による。一 外国貨物の滅却は、税関の承認印が押印された「滅却承認申請書」を提出させ、対査確認し搬出(滅却)を認める。

二 保税台帳に搬出(滅却)した貨物の品名等、必要事項を記載する。

(記帳・記録)第14条 搬出入、取扱い等記帳義務が発生した時は、船卸票等証拠書類と対査確認を行い、迅速

かつ正確に保税台帳に記帳を行った後、証拠書類、その写し、伝票、台帳等必要書類を適切に保管する。

[システム保税地域における保税台帳等の取扱いは、次による。(ただし、電磁的記録により保存することを税関へ届け出た場合に限る。)

貨物情報を有する貨物に係る許可、承認または届出がシステムを使用して行われた場合は、システムから配信される管理資料(「輸入貨物搬出入データ」、「輸出貨物搬出入データ」及び「貨物取扱等一覧データ」をいう。)をあらかじめ税関に届け出た方法で電磁的記録保存することで、保税台帳とする。ただし、管理資料に反映されないものについては、別途保税台帳を設け記帳する。]

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税関保税検査部門の業務検査により、非違・処分とされる事案の殆どは、当保税台帳の作成漏れあるいは収録漏れです。可能な限り、複数の担当者が作成あるいは収録を確認する体制としておくことをお勧めします。

(顧客(荷主)管理)第15条 各担当者(営業担当者を含む)は、顧客(荷主)の資質、経営状態等について把握するとと

もに、寄託、検品、取扱いその他要望等で不審な点を認めた時は、速やかに顧客(荷主)責任者又は同補佐に報告する。顧客(荷主)責任者等は、当社が管理運営する保税地域における貨物について無用の事故を防止し、健全な保税地域の運営を図る観点から、貨物管理上必要な顧客(荷主)の状況を貨物管理責任者等に伝達する。

(外国貨物の保全措置)第16条 当社が管理運営する保税地域における貨物の亡失等を防止し、外国貨物の適切な保全を

図るため、必要に応じて、保税地域への人又は貨物の出入りをチェックするほか、常時又は定期的に巡回警備等を行う。巡回警備等に際して、不審者や不審物を発見した場合には、必要な措置を講ずるとともにただちに貨物管理責任者又は同補佐に報告する。貨物管理責任者等はその内容を速やかに管轄税関の保税(取締)担当部門へ連絡する。

(教育訓練)第17条 総合責任者は、関連部門の協力を得て、すべての役員及び従業員に対して、規定の方針

及び手続きを理解させ、関係法令、税関周知事項の徹底、規定における各人の職務を明確に把握させるための教育、訓練を行う。

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(評価・監査)第18条 総合責任者は、規定の諸手続きが厳格に遵守され、かつ、実施されていることを確認する

ため、内部監査人を定め、原則として毎年、評価・監査を実施する。内部監査人は、評価・監査の実施の都度、その結果を別途定めるチェックシートにより、総合責任者又は役員等に報告するとともに、規定の実効性の評価、改善のための勧告を行う。また、報告を受けた総合責任者又は役員等は、速やかにその内容を税関に提出するものとする。

(留意事項)第19条 社員がこの規定並びに関係法令に違反した場合、社内就業規則に基づき処分を行う。

(追加)付則 この規定は、平成年月日から実施する。

当該保税地域における保税業務を他の者に委託する場合には、更に追加の項目が必要となります。

(業務委託)第○条 業務委託を受けた者は、この社内管理規定に基づき、業務を行うこととする。

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保税地域にある外国貨物が、亡失し、または滅却されたときは、その許可を受けた者に関税納付義務を課し関税の確保を期すこととなっている。

(9) 倉主責任 関税納付義務(法第45条)

保税制度における一般的規制

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指定保税地域(その1)

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保税地域制度(各論)

意 義(法第37条第1項)

要 件(関基37-1)

国、地方公共団体又は港湾施設若しくは空港施設の建設若しくは管理を

行う法人であって政令で定める者が所有し、又は管理する土地又は建設

物その他の施設で、開港又は税関空港において税関手続の簡易、迅速な

処理を図るため、外国貨物の積卸し、運搬、又は一時蔵置ができる場所を

財務大臣が指定

国、地方公共団体(港湾管理者)、指定法人等が所有、管理

税関手続きの簡易、迅速な処理を目的とし公共的に運営される

運営主体が港湾管理者、指定法人又はその借受者等であること

開港等の港域内、港域に接続していること

監視取締上支障がないと認められる

外国貨物の適切な保全措置が講じてあること

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指定保税地域(その2)

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貨物の取扱い(法第40条)

内容点検、改装、仕分け、その他の手入れ(第1項) ⇒ 記帳 見本展示、簡単な加工、その他これらに類するもの(第2項) ⇒ 許可

外国貨物の搬入停止等(法第41条の2)

貨物管理者が指定保税地域の業務について関税法の規定に違反したとき⇒期間を指定して外国貨物又は輸出しようとする貨物の搬入を停止させることができる。

貨物管理者の関税納付義務等(法第41条の3(第45条の準用))

外国貨物が亡失・滅却されたとき ⇒ 貨物管理者から関税を徴収外国貨物が亡失した場合⇒貨物管理者は税関長に届け出

保税地域制度(各論)

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(1) 保税蔵置場(意義等)

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意義等(法第42条)

外国貨物の積卸し、運搬、蔵置ができる場所として税関長が許可申請に基づき許可許可期間は10年以内の期間を指定(現行:6年以内)

許可の要件(法第43条)人的要件場所的要件施設的要件量的要件

保税地域制度(各論)

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(2) 保税蔵置場(蔵入承認等)

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外国貨物を置くことができる期間(法第43条の2)

外国貨物を置くことの承認(法第43条の3)

収容能力増減等の届出(法第44条)

被許可者の関税納付義務等(法第45条)

休業・廃業の届出(法第46条)

許可手数料の納付(税関関係手数料令第2条)

保税地域制度(各論)

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(3) 保税蔵置場(蔵入承認)

保税蔵置場A

保税蔵置場B

保税運送

搬入後3ヶ月

(①蔵入承認)

搬入後3ヶ月

(②蔵入承認)

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最初の蔵入承認(①)の日から通算して2年

蔵入期間の計算例(通算)

保税地域制度(各論)蔵入期間の計算例(通算)

保税蔵置場に置くことの承認を受けた日が異なる2種以上の外国貨物を使用して、改装、仕分けその他の手入れが行われた場合

• 使用された外国貨物のうち、後に蔵入れされた貨物に係る当初蔵入承認の日から通算する。

保税蔵置場に置くことの承認を受けた外国貨物が、2以上の保税蔵置場又は保税蔵置場以外の保税地域に置かれることとなった場合

• 最初に保税蔵置場に置くことを承認した日以降、当該2以上の保税蔵置場に蔵置していた期間を合算する。

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(4) 保税蔵置場(許可の失効・取消処分)

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許可の取消し等(法第48条)

次のいずれかに該当する場合、期間を指定して外国貨物又は輸出しようとする貨物の搬入を停止させ、又は許可を取り消すことができる。

被許可者、代理人、支配人、その他従業者が保税蔵置場の業務について関税法の規定に違反したとき(第1項第1号) 被許可者について関税法第43条第2号から第10号までのいずれかに該当することとなったとき(第1項第2号)

許可の失効(法第47条)

業務を廃止したとき 承継手続を行わなかったとき、承継の承認をしなかったとき 解散したとき 破産宣告を受けたとき 許可期間が満了したとき 税関長が許可を取り消したとき

保税地域制度(各論)

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(1) 保税工場(意義等)

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意義等(法第56条)

外国貨物の加工、製造(混合)、改装、仕分その他の手入れができる

場所として税関長が許可

許可期間は10年以内(現行:6年以内)

面積に応じて許可手数料を毎月納付

許可の要件(法第61条の4((第43条準用))

人的要件 ⇒違反なし、資力あり、法令知識あり施設的要件⇒貨物保全措置量的要件 ⇒相当数あり

(注)場所的要件はなし

保税地域制度(各論)

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(2) 保税工場(IM承認等)

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外国貨物を置くことができる期間(法第57条)

保税蔵置場の規定の準用(法第61条の4)

保税工場に置くことの承認(IM承認)された日から2年(延長有り)

保税蔵置場の許可(第42条第2項及び第3項)

許可の要件(第43条)

外国貨物を置くことができる期間(第43条の2第2項)

外国貨物を置くことの承認(第43条の3)

外国貨物を置くことの承認の際の検査(第43条の4)

収容能力増減等の届出(第44条)

被許可者の関税納付義務等(第45条)

休業・廃業の届出(第46条)

許可の失効(第47条)

許可の取消し等(第48条)

許可の承継(第48条の2)

保税地域制度(各論)

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(3) 保税工場(併設保税蔵置場等)

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★みなし保税蔵置場(法第56条第2項)

保税工場の許可を受けた者は、当該保税工場において使用する輸入貨物については、当該貨物を当該保税工場に入れた日から3月までの期間に限り、当該保税工場につき関税法第42条第1項(保税蔵置場の許可)の許可を併せて受けているものとみなす。

★併設蔵置場(法第56条第3項)

当該保税工場の一部の場所につき、第42条第1項(保税蔵置場の許可)をあわせて受けることができる。

保税蔵置場

保税工場

⇒ 保税蔵置場の許可手数料:1/2

保税地域制度(各論)

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(4) 保税工場(貨物管理等に関する手続き)

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保税作業の届出(法第58条)保税工場において保税作業をしようとする者は、その開始および終了の際、その旨を税関に届け出なければならない。ただし、税関長が取締り上支障がないと認めてその旨通知した場合における保税作業の開始についてはこの限りではない。

使用原料品の製造歩留まりが安定していることその他保税作業の性質その他の事情を勘案して取締り上支障がないと認めて、税関長が保税作業により製造される製品及びその原料品である外国貨物を特定して指定した保税工場については、第58条(保税作業の届出)の規定にかかわらず、当該製品を製造するための保税作業の開始及び終了の際の届け出を要しない。 ↓

毎月使用し、又は製造した税関の特定した上記の原料品及び保税製品の数量等を記載した報告書を、その翌月10日までに税関に提出

保税地域制度(各論)

指定保税工場の簡易手続(法第61条の2)

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(5) 保税工場(保税製品)

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内国貨物の使用(法第59条第1項)

保税工場における保税作業に外国貨物と内国貨物を使用したときは、これによって出来た製品は、外国から本邦に到着した外国貨物とみなす。

外 内+ =砂糖 水あめ キャンディー

保税地域制度(各論)

外外

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(6) 保税工場(内外貨混合使用)

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内国貨物の使用(法第59条第2項)

税関長の承認を受けて、外国貨物と内国貨物を混じて使用したときは、前項の規定にかかわらず、これによって出来た製品のうち、当該外国貨物の数量に対応するものを外国から本邦に到着した外国貨物とみなす。

原料課税 ⇒ 外貨原料(IM承認の時の性質・数量により課税)・・・関税法第4条第1項第2号

保税地域制度(各論)

(外貨)砂糖

(内貨)水あめ

+(内貨)砂糖

100kg

100kg

200kg

製品400kg

200kg

200kg

(外貨)キャンディー

(内貨)キャンディー

※同種の内貨

★内外貨混合使用 事例

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保税運送制度の概要

意 義(法第63条)

保税運送の種類

外国貨物は、税関長に申告し、その承認を受けて、開港、税関空港、保税地域、税関官署及

び他所蔵置場所相互間に限り、外国貨物のまま運送することができる。運送状況等の事情、

取締り上支障ないと認められる場合は、指定する期間内の運送について一括して承認するこ

とができる。

税関長は、保税運送承認をする場合において必要があると認めるときは、税関職員に貨物の

検査をさせ、また、関税額に相当する担保を提供させることができる。

保税運送に際しては、運送目録を税関に提示し、その確認を受けなければならない。

税関長により運送期間を指定。ただし、災害その他やむを得ない事由による場合は期間の延

長可(期間の延長承認)。

保税運送の承認を受けた外国貨物が運送先に到着したときは、その承認を受けた者は前記

のとおり発送時に確認を受けた運送目録を、直ちに到着地の税関に提示し、その確認を受け

なければならない。

(1) 保税運送(意義等)

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陸路運送(OLT Over Land Transport)

海路運送(ICT Inter Coast Transport )

空路運送(ACT Air Craft Transport )

自動車等、鉄道による運送 船舶等による運送 航空機等による運送

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保税運送の手続を要しない外国貨物(法第63条第1項、施行令第52条)

保税運送の承認をしない貨物(関基63-1)

郵便物

特例輸出貨物

本邦に到着した外国貨物で当該外国貿易船により又は他の外国貿易荷積み替えられて引き続き運送されるもの

輸出貨物で外国貿易船により運送されるもの

法第69条の2第1項各号、法第69条の11第1項各号に掲げる貨物。その他法令によりにより輸出入が禁止されている貨物

他法令により輸入について許可、承認等を必要とする貨物のうち要注意品目と認められるもの(例えば、鉄砲、危険品等)

数量が確定しない貨物で、課税物件の確定上支障があるもの

保税運送制度の概要(2) 保税運送の制限等

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運送の申告者(関基63-4)

保税運送の申告手続き(関基63-5)

原則、運送しようとする外国貨物についての運送契約上の当事者(貨主、荷送人、運送人又は運送取扱人)の名をもって申告。

これら者の委任に基づいて通関業者が代理申告を行う場合、代理人である旨の記載及びその名を連記

運送途上において運送手段の変更を伴う場合、取締り上支障が無ければ1申告で可。

「申告価格」等記載が必要がないと認められるものについては、記載の省略可。(同一市町村内の保税運送、その他税関長が取締上支障がないと認めた貨物の保税運送)

原油、重油等の液状貨物又は穀物その他ばら貨物に係る保税運送を行う場合であって、税関長が取締り上支障がないと認めた場合→ 予定数量による保税運送を容認。ただし、運送数量が確定したときは、保税運送の承認数量を訂正。

保税運送制度の概要(3) 保税運送(申告手続き)

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輸出又は積戻し貨物の運送(関基63-16)

「輸出申告書(積戻し申告書)」(C-5010又はC-5015-2)等の「保税運送」欄に所要事項を記入することにより運送申告書の提出に代える→ 輸出許可書等の「保税運送」欄にチェック+運送期間の記入=保税運送承認(併せ)

船積港で全量又は一部不積となり承認税関に返送となる場合→ 新たな運送手続きを要せず、願書(適宜の様式)に輸出許可書を添付して提出

併せ運送先に到着後、事情の変更によりさらに他港に運送の上船積する場合→ 新たな運送手続きを要せず、到着税関に対し「船名、数量等変更申請書」(C-5200)(2通)に輸出許可書(又は積戻し許可書)を添付して提出(必要に応じ運送期間の延長有)

一貫保税運送(申告時蔵置場所からCFS経由船積予定船までの保税運送)可。この場合、CFSにおいては輸出許可書、ドック・レシート(含B/L Instructions)及びコンテナ詰めタリーシートのいずれも写しをセットして保管することにより搬出入記帳として可

保税運送制度の概要(4) 保税運送(輸出又は積戻し貨物の運送)

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輸出運送貨物の到着確認(関基63-17)

直ちに外国貿易船に積み込まれる場合→ 船積確認の際に併せて到着確認を実施、この際、CYに搬入される場合は輸出許可書等を保管すること

により搬出入の記帳として可

積込予定船舶の入港待ち等やむを得ない理由により保税蔵置場等に一時蔵置される場合→ その搬入の際に到着確認を実施

到着確認を受けた積戻し許可書の提示(関基63-18) 到着確認日から1月以内に併せ承認税関の輸出通関担当部門に提出

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包括保税運送の承認要件(関基63-22) 運送をしようとする者

→ 保税地域の被許可者、→ 通関業者、→ その他税関手続きに関する十分な知識を有し、税関長が適当と認める者

運送区間(継続的に行われるもの)→ 一の保税地域と他の一の保税地域(税関検査場を含む)→ 同一の税関官署の管轄区域に所在する一の保税地域(発送地に限る)と複数の保税地域の間(コンテナ詰貨物(船卸後開扉されたものを除く)は、到着地の保税地域が発送地税関の管轄区域内に所在するか否かは問わない)

→ 開港(一の岸壁に接岸する外国貿易船の停泊場所(発送地に限る)に限る)と同一の保税地域の間→ 同一の税関官署の管轄区域に所在する開港と複数の保税地域の間

運送貨物(次のいずれかに該当するもの)→ 航空貨物であって航空会社又はこれらの会社から委託を受けた者の責任で運送されるもの→ コンテナ詰め貨物(船卸後開扉されたものを除く)→ 保税工場の保税作業による製品→ 旅具通関される貨物(同一税関管内において通関業者が自己の責任による運送されるものに限る)など→ 運送される貨物が特定される貨物(関税率表の類程度)

但し、外国貿易船から直接発送される貨物(船卸票が発給される貨物を除く。)を除く。

保税運送制度の概要(5) 保税運送(包括保税運送手続き)

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運送期間経過後の関税の徴収(法第65条)

指定された期間内に運送先に到着しないとき ⇒ 関税徴収 運送された外国貨物が運送先に到着する前に亡失した場合⇒その承認を受けた者は税関長に届け出

保税運送制度の概要

(6) 保税運送(関税の徴収等)

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(7) 内国貨物の運送

意 義(法第66条)

内国貨物を外国貿易船等に積んで本邦内の場所相互間を運送しようとす

る者は、税関長に申告してその承認を受けなければならない。(第1項)

運送先に到着したときは、その承認を受けた者は当該承認を証する書類を、

直ちに到着地の税関に提出しなければならない。(第2項)

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税関長は、保税地域の利用についてその障害を除き、又は関税の徴収を確保するため、次に掲げる貨物を収容することができる。

貨物の収容

保税地域にある貨物の収容(関税法第80条第1項第1号~第3号の3)

置かれている場所入れた日からの期間

(蔵入等承認手続きをとらないもの)蔵入等承認を受けた日からの期間

指定保税地域 1月 -

保税蔵置場 3月 2年(+延長期間)

保税工場 3月 2年(+延長期間)

総合保税地域 3月 2年(+延長期間)

特殊な貨物に係る収容(関税法第80条第1項第4号~第7号)

保税地域の消滅(※)後保税地域とみなされる場所にある外国貨物 税関長が指定する期間

他所蔵置場所にある貨物 税関長が指定する期間

税関長の搬出命令を受けた貨物で保税地域にあるもの 税関長が指定する期間

収容解除の承認を受けた貨物 税関長が指定する期間

(※)指定の取消、許可の失効、許可期間の満了

(1)収容(法第80条)

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(2)緊急収容(法第80条第2項)

収容することができる貨物のうち、生活力を有する動植物であるとき、腐敗し、若しくは変質したとき、腐敗若しくは変質の虞があるとき、又は他の外国貨物を害する虞があるときは、本来外国貨物を置くことができる期間の経過を待たずして(期間の短縮して)収容することができる。

(3)収容の方法(法第80条の2)

収容は税関が占有して行うものとする。

(4)収容の効力(法第81条)

収容の効力は、収容された貨物から生ずる天然の果実に及ぶものとする。収容は、裁判上の仮差押又は仮処分によってその執行を妨げられない。

貨物の収容

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(5)収容の解除(法第83条)

収容の解除の申請に際しては、収容に要した費用及び収容課金を納付して税関長の承認を受けなければならない。

【収容に要した費用】

収容貨物の保管費用、運搬費(人夫賃等を含む)、公告費、通信費等

保管費用の例(税関収容倉庫の場合) ⇒ 180円/トン(㎥)×日数(関税法施行令第70条の3)

【収容課金】

収容貨物の種類、容積又は重量及び収容期間を基準として定める額

収容課金の例 ⇒ 130円/トン(㎥)×日数(※)(関税法施行令第70条の2)

(※)貨物を収容した日から起算し、収容の解除の日又は公売若しくは随意契約による売却の日の前日まで

貨物の収容

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(6)収容貨物の公売(法第84条)

収容された貨物が最初に収容された日から4月を経過してもなお収容されているときは、税関長は、公告をした後当該貨物を公売に付すことができる。

貨物の収容

貨物の収容・公売

①収容

⑤公売

④公売の公告

②収容の公告(収容後直ちに)

(外国貨物⇒内国貨物)

買受⇒自由流通

・収容課金の納付

・収容に要した費用の納付

解除の承認

③収容解除の申請

(収容後4月経過、公売の日の10日前)

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(7)公売代金等の充当・供託(法第85条第1項)

公売又は随意契約により売却された貨物の代金は、次の順序で充当されることとされている。 公売又は随意契約による売却に要した費用 収容に要した費用 収容課金 関税及びその他の国税

(8)公売代金等の残金の処分(法第85条第2項)

質権者又は留置権者は、貨物の所有者に先立ってその質権又は留置権により担保されていた債権に達するまでの金額の交付を優先して受けることができる。

貨物の収容

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(1) コンテナーに関する通関条約等特例法(意義)

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免税コンテナーの概要

意 義「コンテナー通関条約」は、貨物の国際運送におけるコンテナーの使用を発展させ、かつ、容易にすることを目的として、貨物の国際運送の用に使用されるコンテナーについて、技術上の条件を定め、簡易な手続きを行うことにより、輸入の許可の日から1年以内に再輸出することを条件として一時免税輸入を許可すること等を定めた条約である。

わが国は、昭和46年5月、「コンテナー通関条約」及び「TIR条約」の批准をしたことに伴って、「関税法」及び「関税定率法」の特例その他必要な事項を定める「コンテナーに関する通関条約及び国際道路運送手帳による担保の下で行う貨物の国際運送に関する通関条約(TIR条約)の実施に伴う関税法等の特例に関する法律」を制定・施行した。

当該条約と特例法の関係は、両条約を特例法が補完する関係にあり、例えば、コンテナーの免税輸入に関しては特例法に規定がなく、「コンテナー通関条約」(第2条)の規定を直接適用することとなる。

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(2) コンテナーに関する通関条約等特例法(免税条項等)

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免税コンテナーの概要

コンテナーの輸入免税条項(コンテナーに関する通関条約第2条)

各締約国は、貨物を詰めて輸入された後に空で若しくは貨物を詰めて再輸出されるコンテナー又は空で輸入された後に貨物を詰めて再輸出されるコンテナーについては、その再輸出等を条件とし、輸入税、輸入禁止及び輸入制限の免除を受ける一時輸入を認める。

免税コンテナー等の用途外使用の制限(特例法第4条)

コンテナー条約第2条又は第5条1の規定により輸入税の免除を受けて輸入したコンテナー(免税コンテナー)又は修理用の部分品は、その輸入の許可の日から1年以内に(延長の場合有り(2年を限度)、貨物の運送の用以外の用途に供し、又はこれに供するため譲渡してはならない。

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(3) コンテナーに関する通関条約等特例法(通関手続き)

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免税コンテナーの概要

コンテナーの輸入又は輸出手続き(特例法施行令第2条)

コンテナー条約第2条の規定により関税及び消費税の免除を受けてコンテナーを輸入しようとする者(※)又は免税コンテナーを輸出しようとする者が、その輸入申告に際し、「積卸コンテナー一覧表」を税関長に提出した場合には、関税法第67条の規定による申告があったものとみなすことができる。

(※)船会社、コンテナヤードオペレーター(通関業)

⇒ 陸揚げ後直ちに輸入者ごとに一括して輸入申告

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(4) コンテナーに関する通関条約等特例法(記帳義務等)

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免税コンテナーの概要

免税コンテナーの管理者の記帳義務(特例法第6条)

免税コンテナー又は免税部分品を輸入した者(管理者)は、政令で定めるところにより、これらの物品の管理、運用及び保管に関する事項を帳簿に記載しなければならない。

管理者変更の場合の通知(特例法第7条)

免税コンテナー又は免税部分品について管理者が代わることとなったときは、その変更前の管理者は、これらの物品の引渡しの日から5日を

経過する日までに、変更後の管理者に対し、政令で定めるところにより、これらの物品についての再輸出期間その他必要な事項を通知しなければならない。

⇒当該記帳義務、通知の規定に違反した場合、罰則(罰金刑)あり

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