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◇糸島と日刊工業新聞◇ 刊し た、 )に、 めた まれた。 あつく、 して した。 える。そ 1ページ 縁によって げられている。 づくり 「一蘭の森」がオープン社会システム実証センター(右)三次元半導体研究センター九大伊都キャンパス 2014年 平成26年 11月28日 金曜日 【広告特集】

産学官で学術研究都市づくり糸島市、九州大と連携事業強化€¦ · 一方、福岡市と糸島市にまたな活動を行っている。食品メーカーは相次いで市内に進出。水素関連

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Page 1: 産学官で学術研究都市づくり糸島市、九州大と連携事業強化€¦ · 一方、福岡市と糸島市にまたな活動を行っている。食品メーカーは相次いで市内に進出。水素関連

 ◇糸島と日刊工業新聞◇ 終戦直後の 年に日刊工業新聞を復刊した、当時の社長の増田顕邦(故人)は志摩村(現糸島市志摩)出身。 年(明 )に、小学校の校長を務めた教育家のもとに生まれた。 郷土への思いはあつく、中学校の図書館、道

路新設工事費、漁港改修工事費、有線放送施設、小学校の改築工事費などを寄贈して地元に貢献した。 日刊工業新聞は 年 月 日に創刊 周年を迎える。その歴史の重要な1ページは、糸島との縁によって築き上げられている。

産学官で学術研究都市づくり糸島市、九州大と連携事業強化歩行アシストスーツ市が開発に協力

「一蘭の森」がオープン( 年7月)

産学官で学研都市づくり連携、立地を支援

研究機関が集積企業の製品開発を支援

社会システム実証センター(右)と三次元半導体研究センター(左)

九大の超高圧電子顕微鏡

九大伊都キャンパス

 糸島市では農林水産業者だけでなく製造業者や研究試験機関が活発

な活動を行っている。食品メーカーは相次いで市内に進出。水素関連

の研究試験機関は増設で能力を高めた。一方、福岡市と糸島市にまた

がる糸島エリアでは九州大学伊都キャンパスを核とした学術研究都市

づくりが進む。糸島市は九大と毎年100を超える事業を共同で展開

するなど連携を強めている。

   2014年 平成26年 11月28日 金曜日 【広告特集】 ( )

開発中の歩行

アシストスー

 

年4月、糸島リサー

チパークにオープンした

のは「水素エネルギー製

品研究試験センター

イトレック

」。水素を

利用する機器に使われる

バルブやセンサー、タン

クなどの耐久試験や共同

研究を行い、水素エネル

ギー産業にかかわる企業

を支援している。

 同センターは今年、大

型水素タンクに対応した

試験施設を建設、能力を

増強した。これにより水

素ステーション用やタン

クローリー用など大型品

の耐久性や耐圧性の試験

が可能となった。

 ハイトレックと同じく

糸島リサーチパークに立

地しているのが社会シス

テム実証センターと三次

元半導体研究センター。

両センターとも半導体関

連産業の振興が目的の施

設で

年に完成した。

 社会システム実証セン

ターは、開発した半導体

製品を評価、実証する施

設。電子マネーや社会保

障カードなどに利用され

る認証、無線通信、組み

込みソフトなどの技術を

対象としている。アンテ

ナや携帯電話から放射さ

れる電波を測定する電波

暗室のほか振動や温度の

負荷を与えて機能を試験

する部屋を備える。

 三次元半導体研究セン

ターは、複数の半導体チ

ップを積層する研究開発

を支援している。システ

ムインパッケージ

Si

実装基板の標準化も

テーマだ。クリーンルー

ムが7室あり、半導体の

生産ラインやメッキライ

ンを持っている。

 両センターには、起業

や研究開発のために入居

できる部屋もある。

 糸島市は、九大と住友

理工による「歩行アシス

トスーツ」の共同開発に

協力している。このアシ

ストスーツはゴム製触覚

センサーが脚の動きを捉

え、モーターがベルトで

脚を持ち上げて振り出す

動作を助ける。歩くのに

必要な力の約1割を軽減

する。自分の力を使うた

め筋力の維持が可能だ。

 市からは高齢者

人が

実証実験の協力者として

開発に参加。アシストス

ーツを装着して歩き、心

拍数や呼気ガス量、筋力

などを計測して性能を調

べる。また、使用感や改

善希望を伝えることで品

質向上に貢献している。

 情報通信技術

IC

を生かしたまちづく

りでも九大と連携してい

る。

年度には総務省の

「ICT街づくり推進事

業」に採択。大学のIC

カード技術を活用した実

証事業「見守りの街糸

島」を実施した。子供や

高齢者の見守りのほか大

規模災害発生時の本人確

認にICカードを利用す

る。平時には買い物や公

共交通機関の利用にも使

えるシステムとした。今

後は社会保障や納税番号

制度へのICカードの活

用も視野に九大との連携

を継続する。

 観光の新たな可能性と

して、東南アジアの3輪

自動車トゥクトゥクの

実証実験を行っている。

これは学生と市が主催し

た「地域活性化プランコ

ンテスト」の最優秀プラ

ン。「いとトゥク」と名

付けて土日を中心に運行

し、学生が運行を管理し

ている。

 近年の糸島市への企業

進出では食品関連が目立

つ。とんこつラーメン店

を展開する一蘭

福岡市

博多区

は、志摩テクノ

パークへの進出を

年に

決めた。新工場は原材料

の搬入と製品出荷を明確

に分離するなど衛生管理

を徹底。安全安心を追求

し麺やスープを供給して

いる。見学、飲食、物販

のスペースを併設した工

場は「一蘭の

森」と名付け

られて今年オ

ープン。地域

住民と企業と

の交流の場に

もなってい

る。

 冷凍洋菓子を製造販売

している五洋食品産業は

年、危害分析重要管理

HACCP

に対応

した新本社工場を市内に

完成した。生産能力の増

強と効率化が目的だ。

 地元産品の利用を進め

る進出企業もある。液卵

を製造販売する富士食品

は、ネギ入りの卵焼きや

カキ入りの茶わん蒸しを

商品化。やますえは、辛

子めんたいこを製造販売

しており、調味液に地元

の清酒やしょうゆを採用

した。また、アジやタ

イ、イカなど地元の海産

物で干物などを生産して

いる。同社は今後、漁協

と情報を共有、連携を強

化する。

 九大伊都キャンパスは

年に開校。教育研究施

設の建設とともに、福岡

市東区などにあるキャン

パスからの移転が進み、

1万人以上を抱えるキャ

ンパスに拡大した。現在

年度の移転完了に向

けて理学系施設や住環境

の整備が進められてい

る。移転に合わせて地元

産学官には福岡市西区と

福岡県糸島市で学術研究

都市を整備する構想があ

る。

 伊都キャンパスを中心

としたまちづくりを進め

ている産学官組織が、九

州大学学術研究都市推進

機構

OPACK

。福

岡県や福岡市、九州大

学、地元経済界が出資し

月に設立され、

立地促進など、まちづく

りに関するマネジメント

を手がけている。また、

セミナーや説明会を開い

て行う学術研究に関する

広報や研究開発、産学連

携、立地の支援に取り組

んでいる。共同研究を後

押しして企業支援につな

げることも重視する。

 OPACKが

年度に

実施した主な研究開発支

援は、分析クラスター形

成推進、学研都市を実証

フィールドとする研究プ

ロジェクト、超高圧電子

顕微鏡フォーラムに取り

組んだ。

 分析クラスターの形成

では、分析人材を育成す

るために講習会開催を支

援。ガスクロマトグラフ

ィーや高速液体クロマト

グラフィー、原子スペク

トル分析法に関する講義

と実習を行った。また計

測・分析機器ネットワー

クの構築や相談窓口機能

の構築に向けて協議・検

討した。

 超高圧電子顕微鏡フォ

ーラムは、九大の超高圧

電子顕微鏡を企業に開放

して産学官連携の促進を

図る事業。現在の会員は

8社。九電工、京セラ、

クラレ、コベルコ科研、

住友ゴム工業、大日本印

刷、日本エイアンドエ

ル、村田製作所が名を連

ねる。

 OPACKには毎月配

信しているメールマガジ

ンがある。内容は学研都

市エリアのイベントのほ

か自治体、大学、産学連

携、研究機関の活動情報

など。ホームページ内の

「メールマガジン会員募

集」ページから申し込め

る。