77
知財動向と特許庁施策 令和元年度

知財動向と特許庁施策1. 数字で見る知財動向 2. 特許庁の施策 2 ①審査・審判 ②国際的取組 ③支援施策・法改正等 ①日本 ②世界 特許出願件数の推移

  • Upload
    others

  • View
    6

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

知財動向と特許庁施策

令和元年度

特 許 庁

1. 数字で見る知財動向

2. 特許庁の施策

1

①審査・審判②国際的取組③支援施策・法改正等

①日本②世界

1. 数字で見る知財動向

2. 特許庁の施策

2

①審査・審判②国際的取組③支援施策・法改正等

①日本②世界

特許出願件数の推移

3

我が国における出願件数は、特許出願の量から質への転換が図られていたが、下げ止まりの傾向中国における出願件数は大きく増加の傾向が続いている中国からのPCT国際出願件数も大きく増加の傾向が続いている

(出典)WIPO IP Statistics Data Center、特許行政年次報告書2019、各国ウェブサイト

日米欧中韓における特許出願

154.2

59.7

31.4

21.0

17.4

0

20

40

60

80

100

120

140

160

2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018

(万件)

(出願年)

中国

米国

日本韓国

欧州

出願人居住国別のPCT国際出願件数の推移

欧州 6.2

韓国 1.7

中国

5.3

日本5.0

米国5.6

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018

(万件)

(出願年)

(出典)WIPO IP Statistics Data Center

海外への特許出願の動向

4

我が国から海外への特許出願件数は、近年、20万件前後で推移欧米と比較すると、我が国から日米欧中韓(五庁)以外への特許出願は少ない

(出典) WIPO IP Statistics Data Center

自国外への特許出願件数日本 米国 欧州 中国 韓国

0

5

10

15

20

25

2013 2014 2015 2016 2017 2013 2014 2015 2016 2017 2013 2014 2015 2016 2017 2013 2014 2015 2016 2017 2013 2014 2015 2016 2017

(万件)

(年)

<出願先>

0

2

4

6

8

10

2013 2014 2015 2016 2017 2013 2014 2015 2016 2017 2013 2014 2015 2016 2017 2013 2014 2015 2016 2017 2013 2014 2015 2016 2017

(万件)

(年)

<出願先>

五庁以外への特許出願の内訳 ※上図灰色部の内訳

日本 米国 欧州 中国 韓国

我が国における出願件数は、2009年以降3万件前後で推移。2018年度の一次審査期間は平均6.2か月。分野別では、出願規模の大きい情報・通信機器等の件数が減少傾向にあったが、2015年以降は微増。

70.9

20

30

40

50

60

70

80

(万件) JPO(日本)USPTO(米国)EUIPO(欧州)CNIPA(中国)KIPO(韓国)

0123456789

101112

2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018

5

日米欧中韓における意匠登録出願 分野別意匠登録出願件数の推移

(年)(出典)WIPO IP Statistics Data Centerおよび各国提供データを基に特許庁作成

意匠出願の動向

5

A(食品等)

B(服飾品)

C(生活用品等)

D(住宅設備用品)

E(趣味娯楽用品等)

F(包装用容器・文具等)

G(車両等)

H(情報・通信機器等)

J(一般機械器具)

K(産業用機械器具)

L(土木建築用品)

M(その他基礎製品)

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7,000

2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018

(件数)

(年)

(出典)特許庁調べ

意匠の国際登録制度の利用状況

6

※ハーグ協定のジュネーブ改正協定に基づく意匠の国際登録制度。WIPO国際事務局への1つの出願で、複数国(締約国)に同時に出願した場合と同様の効果が得られ、各国への個別の出願に比べ、手続の簡素化や経費の削減をはかることが可能。

※「特許庁ステータスレポート 2019」を元に、特許庁作成

14,44116,435

18,716 19,429

15981

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

2014 2015 2016 2017 2018

国際出願(意匠)数

(件)

(年)

※WIPO IP Statistics Data Centerのデータを元に特許庁作成。※※2018年は途中の月までのデータ

7月に韓国において発効 5月に日本、米国において発効

29,738 29,451 28,796 29,745 29,145

452 2083 2,216 2,26129903 30879 31,961 31,406

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

2014 2015 2016 2017 2018

国際出願(意匠)数を除く出願(意匠)数国際出願(意匠)数(件)

(年)

我が国と米国のハーグ協定への同時加入(2015年)により、意匠の国際登録制度(※)の利用が活発化した。我が国への国際意匠出願件数は2015年以降、増加を続けている。

ハーグ協定に基づく意匠の国際出願動向 我が国への意匠の出願動向

※※

世界的にも出願増の傾向。特に中国の出願増が顕著。

日米欧中韓における商標出願件数の推移

(出典)日本・・・特許庁年次報告書2018年版 中国・・・CTMOAnnual Repport その他・・・WIPO統計※中国は件数での公表を行っていないため、数値は区分数(右軸)

商標出願の動向

7

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

0

50000

100000

150000

200000

250000

300000

350000

400000

450000

500000

2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017

(千区分)(CNIPA)(件)(CNIPA以外)

CNIPA(中国)USTPO(米国)

JPO(日本)KIPO(韓国)

EUIPO(欧州)

60,17656,707

50,05444,201

30,05928,464

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000

2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018

(区分)

(年)

一般役務(41~45類)雑貨繊維(14~18,20~28,34類)産業役務(35~40類)機械(6~13類,19類)食品(29~33類)化学(1~5類)

※料金未納により出願却下された出願を除く※国際商標登録出願を除く。

8

産業分野別では、近年、特に役務(サービス分野)での出願区分数が増加。※一般役務:飲食物の提供、宿泊施設の提供、教育、娯楽など 産業役務:金融、小売など

産業分野別出願区分数の推移

商標出願の動向(産業分野別)

8(出典)特許庁調べ

特許の請求件数は、近年緩やかな減少傾向。意匠・商標の請求件数は概ね横ばい。平均審理期間は、2018年の特許が12.4か月、意匠が6.7か月、商標が7.7か月。

(特許庁作成)

請求件数と審理期間

注:部門移管件数:前置審査を経て審判部に移管された事件

拒絶査定不服審判の請求・審理の動向

9

16,536

7,411

293838

0.0

5.0

10.0

15.0

20.0

25.0

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018

間請

請 求 年 / 審 決 年

請求件数 部門移管件数 請求件数 請求件数

平均審理期間 平均審理期間 平均審理期間(件)

(年)

(月)

特許 12.4月

意匠 6.7月

商標 7.7月

特許異議の申立て

10

特許異議の申立て

異議申立てのうち63.8%は、特許権の権利範囲に何らかの変更があった

審理結果(2015年4月~2018年3月までに

異議申立がされた3,093件)

特許異議申立て総件数(2019年6月末まで): 4,422件(参考)2015年4月~2018年12月の特許掲載公報数:755,625件

特許異議申立て率: 0.6%

*異議申立てがなされた請求項の全てあるいは一部の取消

取消11.2%+却下(訂正有)1.0%+維持(訂正有)51.6% 維持 (訂正無)

1,078(34.9 %)

維持 (訂正無)1,078

(34.9 %)

取下10

(0.3 %)

取下10

(0.3 %)

却下(訂正無)3

(0.1 %)

却下(訂正無)3

(0.1 %)

審理中29

(0.9 %)

審理中29

(0.9 %)取消 *346

(11.2 %)

取消 *346

(11.2 %)

維持 (訂正有)1,595

(51.6 %)

維持 (訂正有)1,595

(51.6 %)

却下(訂正有)32

(1.0 %)

却下(訂正有)32

(1.0 %)

主要国の知財訴訟件数

(※)・各国の知的財産民事訴訟(第一審)の受理件数。・日米ドイツは「特許」、中国は「特許・実用新案・意匠」関連の訴訟。・米中ドイツは暦年。日本は年度。・2015-2016年のドイツの件数は掲載されていない。

(出典)平成29年度知的財産国際権利化戦略推進事業(海外における知財訴訟の実態調査)を基に特許庁作成

155 164 182 154 142

5,189 6,497

5,686 5,564 5,080

9,680 9,195 9,648

11,607 12,357

981 623 568

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

2012年 2013年 2014年 2015年 2016年

日本 米国 中国 ドイツ

11

1. 数字で見る知財動向

2. 特許庁の施策

12

①審査・審判②国際的取組③支援施策・法改正等

①日本②世界

13

ASEANにおける知財動向

• ASEANにおける特許・意匠・商標出願件数は全体的に増加傾向。

特許出願件数の推移 意匠出願件数の推移 商標出願件数の推移

※インドネシアにおける2012年の特許出願件数は未取得 (出典) WIPO IP Statistic Data Center

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1.2

0.0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0

(万件) (万件) (万件)

ASEANにおける出願動向

14

シンガポール

インドネシア

インドネシア

タイ インドネシア

タイ

ベトナム

ASEAN概況:知的財産制度等

15

シンガポール

インドネシア タイ マレーシア ベトナム フィリピン ブルネイ カンボ

ジア ラオス ミャンマー

人口※1 560万人 2.6億人 6900万人 3200万人 9300万人 1億人 40万人 1500万人 700万人 5200万人

GDP(US10億ドル)

※1297 932 407 296 191 305 12 18 14 66

日本輸出額(百億円) ※2 254 150 330 143 169 125 1 4 1 10

進出日本企業数※3 1141 1810 1783 1362 1687 1440 13 270 130 397

特許出願(2015年) ※4 約11,00 約8,500 約7,800 約7,200 約5,200 約3,400 約120 約70 約50 -

マドプロ(効力発生日)

○(2000/10/31)

○(2018/1/2)

○(2017/11/7) - ○

(2006/7/11)○

(2012/7/25)〇

(2017/1/6)〇

(2015/6/5)〇

(2016/3/7) -

ハーグ協定(効力発生日)

○(2005/4/17) - - - - -

〇(2013/12/24

)

〇(2017/2/25) - -

PCT(効力発生日)

○(1995/2/23)

○(1997/9/5)

○(2009/12/24

)

○(2006/8/16)

○(1993/3/10)

○(2001/8/17)

○(2012/7/24)

〇(2016/12/8)

○(2006/6/14) -

PPH ○(2009/7)

○(2013/6)

○(2014/1)

○(2014/10)

○(2016/4)

○(2012/3) - - - -

CPG・PPH+ - - - - - - 〇(2017/10)

〇(2016/7)

〇(2016/11) -

※1 IMF-World Economic Outlook Databases (2017年4月版) ※2 財務省貿易統計(2017年度)※3 海外在留邦人数調査統計(2017年度版) ※4 WIPO IP Statics Data Center, Statistics in ASEAN IPOs

• ASEAN各国の経済発展の度合いには大きなバラつきがある。知財制度等の構築状況も様々。

• ASEAN主要6ヵ国において日本企業による特許出願件数割合は高い。

ASEAN概況:特許出願件数の国別割合

16

○知財庁の設立○国際条約加盟

○審査の迅速化・質の向上

○手続の透明化

○取締規定の充実 ○模倣品取締の充実

制度面 運用面

権利取得

権利行使 ○消費者の啓発

○訴訟制度の充実

PPH・CPGの確実な運用

審査基準の策定・改訂

執行体制の改善

条約加盟と運用支援 円滑な庁運営の実現

法務省・裁判所との連携拡大

審査能力の向上

能力の向上

長官会合等を通じた支援 人材育成協力

審査協力 エンフォースメント支援

対ASEAN知財政策の考え方:制度/運用

17

○適正な権利設定

• 目標:ASEANで知的財産権を円滑かつ予見性高く取得し、活用できる環境の実現

18

BRICSにおける知財動向

• BRICSにおける特許・意匠・商標出願件数は全体的に増加傾向。意匠出願件数の推移特許出願件数の推移 商標出願件数の推移

(出典) WIPO IP Statistic Data Center、中国商標戦略年度発展報告(2015~2017年の中国商標件数)

0.0

0.3

0.6

0.9

1.2

0

20

40

60

80

0

30

60

90

120

150

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

0

10

20

30

40

0

100

200

300

400

500

600<中国><中国以外> (万件)

BRICSにおける出願動向

19

<中国><中国以外>(万件) (万件) <中国><中国以外>(万件) (万件) (万件)

中国

中国 中国

インド

インド

インド

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

500

2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018

特許

実用新案

意匠

• 特許・実用新案・意匠いずれも世界一の出願件数であるところ、2018年、特許は約154万件(前年比11.6%増)、実用新案は約207万件(同22.5%増)、意匠は約71万件(同12.7%増)となり、専利合計で約432万件(同16.8%増)。

• 背景には、政策的な出願奨励策(報奨金や法人税減税)。【特許・実用新案・意匠出願件数】

出典:国家知識産権局 Annual Report, 国家知識産権局 ウェブサイトより特許庁作成

154

207

71

432万件(万件)

中国の知財情勢①:特許出願大国化

20

【中国における訴訟例】

2007年9月、小型ブレーカーに関する実用新案権が侵害されたとして、中国企業がフランス企業の中国合弁会社を訴えた事件について、第一審は3.3億元(約50億円)の損害賠償を認定。被告はこれを不服として上訴したが、2009年4月、フランス企業側が原告に1.5億元(約23億円)を支払うことで、和解が成立。

• 特許・実用新案の出願増加に伴い、知財関連訴訟も急増。• 損害賠償額の高額化。無審査で登録される実用新案権に基づき外国企業を訴え、高額賠償を得る例も。

【中国知財関連民事訴訟件数】

0

50,000

100,000

150,000

200,000

250,000

300,000

2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018

専利

商標

著作権

技術契約

不正競争

その他

中国の知財情勢②:知財紛争の増加、賠償額の高額化

21

350,000

760,000

1,350,000

[値]%

[値]%

0

200,000

400,000

600,000

800,000

1,000,000

1,200,000

1,400,000

1,600,000

0

10

20

30

40

50

60

70

2015 2016 2017

【中国の特許侵害訴訟における原告勝訴率と北京知識産権法院判決の損害賠償平均額の推移】

損害賠償額 原告勝訴率(%) (人民元)

出典:中国知識産権保護状況 出典:(原告勝訴率)平成29年度 特許庁知的財産国際権利化推進事業

(海外における知財訴訟の実態調査)調査研究報告書(損害賠償額)最高人民法院会見(2018年12月29日)

インドの最近の状況

22(出典)出願件数:WIPO統計、GDP:世界銀行

特許出願件数の急増に伴う滞貨の増加が課題審査官を、458名新規雇用(2016年)早期審査制度の導入(2016年)

要件①インド特許庁を国際調査機関等として指定、又は要件②スタートアップ企業

インド政府の取組

【中期的※有望事業展開先】※今後3年程度

滞貨が20.4万件(2017年3月末)から17.2万件(2018年2月末)まで減少したことをインド政府が発表

• 日本からインドへの特許出願は年間約4,000件。インドへの全出願に対して約1割を占める。• 出願増加の結果、審査待ち期間は約6年と長期化。産業界からは早期権利化の要望が強い。• インド政府は、特許審査の順番待ち期間をFA(First Action)18ヶ月に目標設定(2019年ま

でに)。

(出典)国際協力銀行 わが国製造業の海外事業展開に関する調査報告 (2018年11月)

順位 2018年度 社数(431社中) 得票率

1位 中国 225 52.2%

2位 インド 199 46.2%

3位 タイ 160 37.1%

【インドにおける特許出願件数とGDPの推移】

0

4

8

12

16

20

24

28

0

1

2

3

4

5

2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017

万件

インド アメリカ 日本

ドイツ スイス フランス

オランダ イギリス その他1000億US$

ブラジルの最近の状況

23

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

35000

2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017ブラジル 米国 日本 その他

知財制度・運用の主な課題

特許審査の遅延(一次審査通知までの期間が平均8年)ハーグ条約未加盟

【ブラジルにおける特許出願件数】

出典: WIPO statistics data center(2019年6月アクセス)

(年)

(件)

25658件

ブラジル政府の取組

• ブラジルの経済成長及び日本企業の進出に伴い、日本企業による特許出願件数が増加。• 日本企業の知的財産が適切に保護され、安定的に輸出・投資できるビジネス環境整備が課題。

・2018年11月に審査遅延解消に向けて、特許・商標・意匠の処理件数に係る成果目標を含むブラジル産業財産庁戦略計画2018-2021を発表。

・2017年7月にブラジル商工サービス省(MDIC)及びINPIが審査遅延解消に向けて、特許承認手続きを簡素化する規則を提案(医薬品の特許出願を除く)。現在、規則案の詳細を大統領府にて検討中。

・2019年5月に連邦上院議会が、マドリッド協定加盟への批准を承認。2019年10月にもブラジル産業財産庁にてサービス開始見込み。

24

中東、アフリカにおける知財動向

678 713 756856 877

0

200

400

600

800

1000

2013 2014 2015 2016 2017

【中東における進出日本企業数】

出典:外務省

• 中東における進出日本企業数は年々増加しており、それにともない中東における特許出願件数も増加傾向。

• 日本から中東への特許出願件数は2017年で約470件となり、2013年から約170件の増加。• 中東の政治情勢は、2017年6月5日にサウジ、UAE、バーレーン等はカタールと断絶するなど不安

定な状況が継続。

出典:WIPO統計

中東における特許出願数のうち、アフガニスタン・オマーン・クウェート・シリアは未公表2015年のイラクの出願件数は未公表

中東の最近の状況

25

中東

その他

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

35000

40000

45000

2013 2014 2015 2016 2017

中東 米国

日本 その他

米国

日本 300

【中東における特許出願件数】日本 471

ARIPO設立年:1976年

本部:ハラレ(ジンバブエ)

加盟国(19カ国)ガーナ、ガンビア、シェラレオネ、リベリア、ルワンダ、スーダン、ウガンダ、ケニア、タンザニア、ソマリア、ジンバブエ、ボツワナ、ザンビア、マラウィ、モザンビーク、ナミビア、レソト、スワジランド、サントメ・プリンシペ

オブザーバ(12カ国)アンゴラ、アルジェリア、ブルンジ、エジプト、エリトリア、エチオピア、リビア、モーリシャス、ナイジェリア、セイシェル、南アフリカ、チュニジア

【日本のユーザーの要望例】・制度情報を把握することが難しい。・出願から登録までに時間がかかる国がある。・現地代理人との連絡がとりにくく、その質に問題がある。・広域特許庁への加盟促進。・税関での差止制度の整備と運用の向上が必要。

出典:AIPPI報告書(2013年度)

出典:外務省海外在留邦人数調査統計

OAPI設立年:1977年

本部:ヤウンデ(カメルーン)

加盟国(17カ国)ベナン、ブルキナファソ、カメルーン、中央アフリカ、チャド、コンゴ、コートジボワール、赤道ギニア、ガボン、ギニア、ギニアビサウ、トーゴ、セネガル、ニジェール、モーリタニア、マリ、コモロ

※2017年3月現在

我が国ユーザーの要望を踏まえ、アフリカの知財インフラ整備(制度・運用、情報化、人材育成等)を支援

進出日本企業数推移<加盟国一覧>

:ARIPO(アフリカ広域知的所有権機関)

:ARIPOオブザーバ

:OAPI(アフリカ知的所有権機関)

• アフリカには2つの広域特許庁(ARIPO(主に英語圏)、OAPI(主に仏語圏))が存在。• 日本のユーザーは、迅速な権利取得と共に、適切な権利保護を要望。

アフリカの最近の状況

26

275

795

2006 2018

1. 数字で見る知財動向

2. 特許庁の施策

27

①審査・審判②国際的取組③支援施策・法改正等

①日本②世界

28

特許審査・審判に関する施策

世界最速・最高品質の審査

29

最高品質

品質管理の取組の実施

外国文献調査の充実

第四次産業革命への対応

面接審査関連施策の実施

PPH

CPG

ドシエ共有

日米協働調査

PCT協働調査

制度・運用調和

途上国支援

世界最速

権利化までの期間※: 平均14か月以内一次審査期間 : 平均10か月以内

※出願人が補正等をすることに起因して特許庁から再度の応答等を出願人に求めるような場合や、特許庁に応答期間の延長や早期の審査を求める場合等の、出願人に認められている手続を利用した場合を除く。

(2023年度目標)

• JPOの「世界をリードする審査」を核に、日本の審査結果を国際的に発信し、海外知財庁での利用促進を図る。

日本の審査結果の発信強化

早期の権利化

30

・特許庁に対する手続は無料・以下のいずれかの出願が対象

早期審査

① 実施関連出願② 外国関連出願③ 中小企業、個人、大学等の出願

• 21,137件• 2.3月 (一次審査までの期間)

実績(2018年)

・特許庁に対する手続は無料・①、②の両方を満たす出願が対象

スーパー早期審査

• 685件• 0.7月 (一次審査までの期間)

実績(2018年)

① 実施関連出願かつ

② 外国関連出願

• 上市する前にスーパー早期審査等を活用して特許網を構築するようにしている。

ユーザの声• 事業展開が早い分野で、早期の権利化は

商談に有利になる。• ライフサイクルの短い分野で、早期審査を

活用している。

ユーザの声

※「早期審査に関する事情説明書」の提出が必要 ※「早期審査に関する事情説明書」の提出が必要

審査の質

31

• 品質監査/部分監査• 内外乖離(海外の特許庁との審査結果の相違)の分析• 特許審査の質についてのユーザー評価調査

質の検証

品質管理に対する外部評価• 審査品質管理小委員会による評価・提言

• 決裁(管理職による審査内容及び起案書のチェック)• 協議(審査官同士の意見交換・知識共有)• 拒絶理由通知書等の記載様式の統一

• 約50,000件

協議実施実績(2018年度)

特許審査の質全般についての評価

質の保証

7.4%

5.3%

4.2%

3.8%

2.7%

1.5%

1.4%

54.8%

53.0%

52.8%

50.5%

44.4%

43.5%

30.2%

32.1%

35.2%

37.0%

39.4%

44.0%

47.5%

56.6%

4.9%

6.2%

5.7%

6.2%

8.4%

7.3%

11.3%

0.7%

0.3%

0.3%

0.2%

[値]

0.2%

0.5%

2018年度

2017年度

2016年度

2015年度

2014年度

2013年度

2012年度

満足 比較的満足 普通 比較的不満 不満

面接の拡充

32

テレビ面接• 出願人所有のPC等から、インターネット回線でテ

レビ面接審査への参加が可能(専用ソフトのインストール不要)。

面接

• 出願人の所在地付近で面接を実施。• 工場見学も実施することで、説明がより効果的に。• テレビ面接システムで出張面接に参加可能。• INPIT-KANSAIに面接室を設置。

出張面接

• 審査官と直接対話して意思疎通を円滑化。• 審査請求してから審査の手続きが終了するまでいつでも要請可能(無料)。• 1件の案件から、ご希望日程に柔軟に対応。• 面接要請があった場合、審査官は原則一回は面接を受諾。

• 他社製品との差異の重要性を審査官に伝えられた。• 審査官の意図を把握しやすい。

ユーザの声• 4,128件

出張面接1,158件、テレビ面接155件含む

INPIT-KANSAI

実績(2018年)

特許庁

事業化を見据えた包括的な権利化

33

出願技術内容

特許庁各技術分野の審査官による協議

事業戦略

• 事業に関連する複数の出願について分野横断的にまとめて審査を受けることが可能(申請は、2件の出願から可能。)。

• 出願人の望むタイミングでの権利化を支援。• 特許に加え、意匠・商標の出願もまとめて申請可能。

事業戦略対応まとめ審査

• 45件の申請• 446件の特許出願、2件の意匠登録出

願、1件の商標登録出願

実績(2018年)

企業

• 強く広い特許ポートフォリオを迅速かつ効率的に構築できた。

• 意図するタイミングで関連する特許群を権利化できた。

ユーザの声

電気自動車

Patent

素材

Patent

電池Patentモータ

Design車体

デザイン ロゴTrademark

五大特許庁会合

PCT国際機関会合

PCT国際機関会合及び品質サブグループ会合にJPOも参加。

各国・地域の特許庁

ユーザー団体

審査官派遣/受入品質管理の実務者派遣/受入案件を利用した共同分析新興国審査官向けの研修 など

米国知的財産権法協会(AIPLA)米国知的財産権者協会(IPO)国際弁理士連盟(FICPI) など

JPOの品質管理

JPOの審査手法

国際協力・情報発信

34

• 審判制度に対する理解を促進するため、模擬口頭審理の実演を実施。• 2018年度は5都市で開催。(浜松、大阪、名古屋、札幌、那覇)

巡回特許庁 in 名古屋 巡回特許庁 in 那覇

「模擬口頭審理の実演前に傍聴するうえで必要な技術的な知識や争点の説明をしていただけて分かりやすかった」「口頭審理を傍聴する機会がなかったので、とても興味深く勉強することができた」

参加者の声

審判の模擬口頭審理の実演

35

36

意匠審査に関する施策

企業の知財活動の現状 知財の複合的保護

37

(タッチスクリーンを使ったスクロールに関する発明)特許第4743919号

(携帯情報端末の意匠)意匠登録第1326330号

(携帯情報端末の操作画面の意匠)意匠登録第1356982号

商標登録第5125678号商標登録第2173459号

特許権

商標権

意匠権特許権

商標権

意匠権

(運動用衣類に関する発明)特許第4061336号

(部分意匠)意匠登録第1324024号

商標登録第4640682号

• グローバル競争において、従来の技術優位の競争から、デザイン・ブランドによる差別化の重要性が高まっている。

• 権利保護においても、特許に加えて、付加価値や差別化の源泉となるデザインやブランドの要素を意匠権や商標権を活用して複合的に保護することが、ますます重要である。

スポーツウェア CW-X(実施品)(写真:株式会社ワコールより提供)

例:携帯情報端末

例:スポーツウェア

意匠法で保護される身の回りの製品デザイン

38

電動二輪車意匠登録第1437741号

乗用自動車意匠登録第1521541号

即席麺意匠登録第1352447号

電気チェロ意匠登録第1043005-001号

細巾レース地意匠登録第1542310号

包装用瓶意匠登録第1411571号

ステープラー意匠登録第1496319号

包装用箱意匠登録第1529314号

携帯情報端末機意匠登録第1469758号

発光ダイオード電球意匠登録第1598906号

携帯情報端末意匠登録第1539661号

スポーツシャツ意匠登録1324024号

容器入り即席食品用蓋押え意匠登録第1373253号

エックス線横断層診断機用走査機意匠登録第1553963号

コンバイン意匠登録第1440563号

産業用ロボット意匠登録第1507942号

椅子意匠登録第1501457号

消波ブロック意匠登録第1393309号

マンホール蓋意匠登録第1455798号

取付け用便器意匠登録第1481397号

約 31,000 件(2018年)

【意匠登録出願件数】 C.生活用品

L.土木建築用品

J.一般機器

K.産業用機器

B.衣服、身の回り品

H.電子・通信機器

D.住宅設備用品

F.事務・販売用品

ڶ▖ଲୗ୫ષಉ 15%

11%

10%

13%

G.運輸・運搬機械

ۂ▖੦ຊଲષ

ں▖ະᆯ௫

৷ષ

11%

9%

音声入出力型電子計算機意匠登録第1615440号

電子計算機意匠登録第1574793号

送風機意匠登録第1518669号

ロボット意匠登録第1610882号

デジタルカメラ意匠登録第1480863号

自走式電気掃除機意匠登録第1531010号

電気洗濯機意匠登録第1502681号

8%

7%

6% 4% 4%

意匠審査(FA件数及びFA期間)

39

主要国のFA期間

米国 13.3カ月(2018年)

韓国 4.9カ月(2018年)(※一部無審査分野を含む)

2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018FA件数 34,09 31,49 30,77 31,84 31,26 30,58 29,75 30,44 31,60 31,26

平均FA期間 7.1 6.5 6.6 6.3 6.3 6.2 6.1 6.2 5.9 6.1

7.16.5 6.6 6.3 6.3 6.2 6.1 6.2 5.9 6.1

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

7.0

8.0

9.0

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

35,000

40,000 (月)

(件)

(年)

実施庁目標(2019年度)(1)平均FA期間

→ 5~7カ月とする(2)権利化までの平均期間

→ 6~8カ月とする。

• FA(First Action)件数は出願件数にほぼ連動しており、出願された分を審査。• トレンドが共通しやすい同一分野の出願を一定期間分まとめて審査。• バッチでの審査を年間2サイクル行っており、平均FA期間は6~7月で推移。

知的財産権を侵害する物品の輸出入は関税法で禁じられており、意匠権をもとに税関に対して輸入差止めを申し立てることも可能。年間数千点~数万点の意匠権侵害品が日本の税関で差し止められている。また、近年は、意匠権を侵害した者に対して刑事罰で対応するケースもある。

美容用ローラー意匠登録第1387971号)

※ 株式会社MTGウェブサイトより

「平成25年の税関における知的財産侵害物品の差止状況(詳細)」(2014年3月13日財務省)等を基に作成

モータースクーター意匠登録1413347号

送風機意匠登録1371412号

「ホンダ車の模造フロアマット販売川口の韓国籍の社長略式起訴、100万円即日納付」

(2012年11月5日 産経ニュース)

さいたま地検は5日、自動車大手「ホンダ」の純正カーマットの類似品を無断販売したなどとして意匠法違反容疑で埼玉県警に逮捕された韓国商品輸出入総合商社「巨山(きょさん)ジャパン」(埼玉県川口市三ツ和)の李淳培(イスンベー)社長(53)=同市末広=を同罪で略式起訴した。さいたま簡裁は同日、罰金100万円の略式命令を出し、李社長は即日納付した。

起訴状によると、平成23年9月29日ごろから今年4月6日ごろ、ホンダの子会社「ホンダアクセス」(新座市野火止)が特許庁に意匠登録した小型車 「フィット」の純正カーマットの類似品を、インターネットの通信販売サイトを通じて客3人に販売したほか、販売目的で169組を同社の倉庫に保管し、意匠権を侵害したなどとしている。

李社長は県警の調べに対して、販売の事実は認めていたが「形は似ていない」と犯意を否認していた。

「一組の自動車用フロアマットセット」意匠登録1371412号

【意匠権】

(写真のみ)http://www.47news.jp/CN/201210/CN2012101501001441.html

税関における輸入差止事例 意匠法違反で略式起訴された事例

意匠権による模倣品の輸入差止事例

40

「意匠制度活用ガイド」

41

• 意匠制度の概要と活用事例を紹介する「意匠制度活用ガイド」を発行。• 意匠権に期待される効果に着目し、大企業・中小企業・デザイナー・大学・研究機関等、

様々な立場の意匠制度ユーザーの事例を紹介。

42

商標審査に関する施策

合計タイプ別内訳

音 色彩 位置 動き ホログラム出願件数 1,784 643 535 425 161 20登録件数 470 277 7 68 104 14

新しいタイプの商標の出願・登録状況

(2019年5月31日時点)

音商標音楽、音声、自然音等からなる商標であり、聴覚で認識される商標(例:CMなどに使われるサウンドロゴやパソコンの起動音など)

色彩のみからなる商標単色又は複数の色彩の組合せのみからなる商標(例:商品の包装紙や広告用の看板に使用される色彩など)*これまでの図形等と色彩が結合したものではない商標

位置商標文字や図形等の標章を商品等に付す位置が特定される商標

動き商標文字や図形等が時間の経過に伴って変化する商標(例:テレビやコンピューター画面等に映し出される変化する文字や図形など)

ホログラム商標文字や図形等がホログラフィーその他の方法により変化する商標(例:見る角度によって変化して見える文字や図形など)

登録第5804299号権利者:久光製薬㈱

登録第5804315号権利者:三井住友カード㈱

登録第5804316号権利者:㈱ワコール

登録第5930334号権利者:㈱トンボ鉛筆

登録第5933289号権利者:㈱セブン-イレブンジャパン

商標制度をとりまく現状 ①新しいタイプの商標の保護

43

登録第6034112号日清食品ホールディングス株式会社

• 音や色彩といった新しいタイプの商標の登録も可能とすることにより、言語を超えたブランドメッセージを保護し企業の多様なブランド戦略を支援するため、2015年4月から保護開始。

• 2019年5月31日時点の出願件数は1,784件。登録件数は470件。

商標制度をとりまく現状 ②2019年商標法改正

44

従来、国際商標登録出願に係る手続補正書の提出期間は、暫定拒絶通報に対する意見書提出期間(原則3月の指定期間)内に制限(商標法第68条の28第1項)。上記の時期的制限について、暫定拒絶通報を受けた後、事件が審査、審判又は再審に係属している場合に限り補正書の提出を認める。

国際商標登録出願に係る手続補正書の提出期間の見直し

指定通報(願書)

【改正案】

国内代理人あり

国内代理人なし暫定拒絶通報

査定補正書

国内代理人による商品補正を暫定拒絶通報後、事件が特許庁に

係属している間は可能とする

審判手続でも、補正書の提出可能

WIPOに商品減縮申請

近年、公益団体等が地域の活性化等を目的に、自身を表すブランドを広報活動等に使用するケースが見られ、商標権について通常使用権を許諾したいとのニーズが存在。こうしたニーズを踏まえ、公益団体等を表示する著名な商標の通常使用権の許諾制限を撤廃(商標法第31条第1項ただし書)。

公益著名商標の通常使用権に係る許諾制限の見直し

例)ABC大学の商標

をコップに用いる例

ABCUniversity

ABCUniversity

2019年5月17日公布 5月27日施行

2019年5月17日公布 ※公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行

商標制度をとりまく現状 ③マドリッド協定議定書

45

マドプロ出願のメリット①経費削減②出願手続の簡素化③権利管理の簡便化(一括管理)④迅速な審査(拒絶通報期間の制限)

• 本国官庁(各国知財庁)での商標出願又は登録に基づいて国際出願を行い、WIPO国際事務局において国際登録を受けることにより、複数の指定国(同盟国)において、商標の保護を取得し、維持・管理することを可能とする仕組み

• 同盟国数は2019年5月末現在で103カ国。我が国では2000年(平成12年)3月14日に効力が発生

商標制度をとりまく現状 ④商標活用ガイドの作成

46

一部抜粋

• 「事例から学ぶ 商標活用ガイド」を作成し、特許庁HPで公開(2019年3月)• 商標だけに特化して、ビジネス目線で掘り下げた、特許庁「初」の商標活用事例集• ビジネスにおける活用方法や権利化のメリット等を、実際の事例(中小企業が中心)を通じて紹介

すると共に、商標制度の概要についても学んでもらえる内容

詳細はこちら↓

1. 数字で見る知財動向

2. 特許庁の施策

47

①審査・審判②国際的取組③支援施策・法改正等

①日本②世界

特許審査ハイウェイ(PPH: Patent Prosecution Highway)

海外での早期権利化

48

PPH申請(42庁)

グローバルポートフォリオの迅速な構築

精度の向上

携帯性

例)ウェアラブル血圧計(出典)オムロンヘルスケア社ホームページ

装着容易性

世界最速・最高品質の特許審査

審査待ち期間「短縮」(例:通常の出願に比べ、約50%短縮(米国))特許率 「向上」(例:通常出願 約75% ⇒ PPH 約85%(米国))日本起点のPPHを活用することで、グローバルポートフォリオを迅速に構築。2018年10月にはインドとの間で、PPHの試行を2019年度に開始することで一致。

(現在、PPH試行の開始に向けた準備の最終段階)

ユーザの声• PPHにより中国で早期に権利化し、

模倣品対策に活用していく。• アジア市場を目指す製品について、

PPHにより海外で早期権利化する。

JPO特許

国際的な特許制度・運用の調和

49

国際的な特許制度・運用の調和に向けた議論の推進

• 特許制度の国際的な運用調和に向けて、以下の3項目について議論し、2019年6月に各プロジェクトの最終成果を公表。

• 2019年秋までに新たなテーマを選定することで合意(2019年6月第12回長官会合)。

B+会合 (WIPO先進国メンバー、EU、EPO、韓国等)

五庁会合 (日、米、欧、中、韓)

(1) 発明の単一性(2) 出願人による先行技術の開示義務(3) 明細書の記載要件

• 特許制度の国際的な調和に向けて、以下の4項目について議論。(1) 新規性喪失の例外期間(グレースピリオド)(2) 18ヶ月公開(3) 衝突出願(未公開先願)(4) 先使用権

• 国内外での権利取得の円滑化のために、国際的な特許制度・運用の調和が重要。

日米欧ユーザーによる議論を実施。その結果を、知財庁間の議論に活用し、制度調和の実現を目指す。

PCT国際段階での単一性判断における共通手順を提案グローバルドシエを介した審査情報の取得による負担軽減各庁・ユーザによる明確性・サポート要件の事例研究

◆国際審査協力・・・海外特許庁と相互に特許審査官を派遣し、審査実務の調和の推進、日本の審査実務の普及・浸透を促すことにより、我が国企業が海外において円滑かつ予見性高く特許権を取得することを支援。

国際審査協力の機会を通じて、我が国企業からの海外知財庁の特許審査実務に関する要望・関心事項*に関連した情報収集を実施。* 例えば、(ア) 海外知財庁に対して確認を希望する事

項(制度の運用、審査に関する不明点等 )(イ) 海外知財制度に関する要望(ウ) 特許庁の海外知財庁への協力を希望す

る事項(知財制度構築支援の重点事項等)

国際審査協力~グローバルに質の高い権利取得支援~

50

2000年4月から2019年3月末までの国際審査協力実績(延べ人数)

五庁(日米欧中韓の取組)

三極(日米欧)の取組

これまでに29の知財庁・組織と実施

アジア

中国 インド

派遣: 31人

韓国 フィリピン タイ ベトナム

派遣: 9人

台湾 マレーシアインドネシア シンガポール

北米

カナダ アメリカユーラシア

WIPO

欧州等

ドイツ デンマーク EPO

スペイン

派遣: 6人

ポルトガル

イギリス

派遣: 16人

スウェーデン

中東アフリカ

イスラエル

大洋州オーストラリア

中南米アルゼンチン

派遣: 1人

ブラジル チリ

派遣: 2人

コロンビア

派遣: 2人

メキシコ

●2000年4月~2019年3月末までの実績(延べ人数)

五庁ワークショップ(2009~)派遣:13人受入:12人

三極審査官会合派遣:28人受入:24人

審査官分類協議三極分類調和プロジェクト

派遣:73人受入:11人

AS

EA

N

派遣: 39人派遣: 48人 派遣: 30人

派遣: 8人派遣: 51人

受入: 1人

派遣: 287人

中長期派遣:11人

派遣: 8人

受入: 2人

派遣: 2人

受入: 2人

中長期派遣:1人派遣: 9人

受入: 6人

派遣: 2人 派遣: 3人

中長期派遣:10人受入: 50人

受入: 195人

受入: 2人 受入: 5人

受入: 38人受入: 51人 受入: 30人

中長期派遣:1人

受入: 2人

ロシア

派遣: 6人

受入: 2人

派遣: 4人

受入: 4人

派遣: 8人 派遣: 4人 派遣: 9人 派遣: 7人 派遣: 16人

中長期派遣:4人

受入: 4人

受入: 28人中長期派遣:4人中長期派遣:3人

受入: 12人

• 審査実務の調和の推進

• 日本の審査実務の普及・浸透実際の出願についての特許要件等を海外審査官と議論

日本特許庁の審査官による審査実務指導を通じた海外審査官の能力向上支援

五庁(日米欧中韓:IP5)を通じた国際連携の強化

51

AI関連発明の審査基準等について議論するタスクフォースの設立AI関連発明の審査基準を含め、新技術に関する特許制度の課題を、作業部会の枠を超えて横断的に議論するタスクフォースの設立に合意。制度運用調和の5年間の成果確認と、新プロジェクトに向けた取組これまで取り組んできた「発明の単一性」「先行技術の引用」「記載要件」の各プロジェクトの最終成果を公表し、今後取り組む新たなテーマを今秋までに選定することに合意。特許審査ハイウェイ(PPH)の効果を評価するための指標の定義PPHによって審査のスピードや特許査定率がどの程度改善されたかを評価する指標の定義に合意。審査関連情報へのユーザーのアクセス向上を図る取組日本国特許庁がワンポータルドシエのAPIを公開するパイロットプログラムを進めることに合意。

• 世界の特許出願件数の約8割を占める五庁によって知的財産における世界的な取組をリードすべく、2007 年より五庁長官会合を継続して開催し、第12回五庁長官会合を2019年6月に韓国にて開催。

• 五庁では、「制度運用調和」「審査結果の相互利用」「審査の質の向上」「特許情報サービスの改善」等の課題について、幅広い協力を行っている。

第12回五庁長官会合における成果

第12回五庁長官会合

意匠五庁(ID5)、商標五庁(TM5)

52

日米欧中韓の主要五庁が、意匠制度及びその実務に関する国際的な連携を強化・推進するための協力枠組として、2015年に意匠五庁(ID5)会合を創設し、意匠分野の国際協力が本格化。第4回年次会合は2018年11月に韓国で開催された。2019年の第5回年次会合は、ホスト庁をJPOとし、日本で開催予定

第4回ID5年次会合

意匠五庁(ID5)

商標5庁会合(TM5)は、日米欧中韓の商標五庁による国際的な協力を図り、商標が世界各国で適切に保護、活用される環境を整備することで企業のグローバルな事業活動を支援することを目的とする枠組み。現在15のプロジェクトを推進中。2019年第8回TM5年次会合はJPOがホストを務める。

商標五庁(TM5)

第7回TM5年次会合

審判における国際連携

53

• 特許庁、最高裁判所、知的財産高等裁判所、法務省、日本弁護士連合会及び弁護士知財ネットの共催により、知財司法関係者を集めて「国際知財司法シンポジウム2019」を開催予定。

• 我が国の知財司法制度とその判断に関する情報を国内外へ発信することにより、我が国の知財司法制度に対するユーザーの理解の促進やその判断に対する当事者の予見可能性の向上を図る。

日本語,英語(日英同時通訳)

場 所

言 語

プ ロ グ ラ ム 概 要

登壇者 日本,インド,オーストラリア,大韓民国,中華人民共和国及びASEAN加盟10か国(インドネシア,カンボジア,シンガポール,タイ,フィリピン,ブルネイ,ベトナム,マレーシア,ミャンマー,ラオス)の裁判官及び弁護士等

弁護士会館 講堂「クレオ」東京都千代田区霞が関1丁目1番3号

1日目/9月25日(水)

2日目/9月26日(木)

○模擬裁判 ~特許権侵害訴訟におけるクレーム解釈 ○パネルディスカッション~模擬裁判の総括

○模擬裁判~著作権侵害に対する民事司法の各国比較等○プレゼンテーション,パネルディスカッション~著作権侵害に対する刑事司法の各国比較等

国際知財司法シンポジウム2019~アジア太平洋地域における知的財産紛争解決~

3日目/9月27日(金)○パネルディスカッション~特許の進歩性の判断に関する各国比較

54

台湾(日本台湾交流協会台北事務所)

中国(ジェトロ北京事務所)

韓国(ジェトロソウル事務所)

アメリカ(ジェトロニューヨーク事務所)

タイ(ジェトロバンコク事務所)

インド(ジェトロニューデリー事務所)

UAE(ジェトロドバイ事務所)

特許庁の知財専門家を世界に配置

スイス(世界知的所有権機関)

インドネシア(法務・人権省知的財産権総局)(東アジア・アセアン経済研究センター)

フランス(経済協力開発機構)

シンガポール(ジェトロシンガポール事務所)

ドイツ(ジェトロデュッセルドルフ事務所)

アメリカ(新エネルギー・産業技術総合開発機構シリコンバレー事務所)

ブラジル(ジェトロサンパウロ事務所)

(2019年8月13日現在)

1. 数字で見る知財動向

2. 特許庁の施策

55

①審査・審判②国際的取組③支援施策・法改正等

①日本②世界

56

出願人の知財活動を支援する取組

ベンチャー(スタートアップ)にとっての知的財産とは

我が国ベンチャーの創業時の知財意識

• ベンチャーの企業価値は、技術・アイディア(≒知財)に集約• しかし、創業時点で知財を意識するベンチャーは2割に過ぎない

57

60.0

21.8

25.5

25.5

0.0

知的財産の支援を行うことのできる投資家は社

内にいない

知財制度の概要を助言できるが、知財実務や

知財戦略までは支援できない投資家がいる

権利化や交渉の助言等の知財実務を支援でき

るが、知財戦略までは支援できない投資家がい

ビジネスモデルにおける知的財産の戦略的活

用の助言等の知財戦略を支援できる投資家が

いる

無回答

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

全体 (N=55 )

VCにおける知的財産支援を行える投資家有無

知財を企業価値として意識、評価せず重要性に気づいていない事業モデルに合わせた知財戦略を練れていない。中長期的な企業価値向上につながらない。ベンチャーの状況、ニーズを理解した知財専門家に出会えない、そもそも不足

ベンチャーコミュニティの課題

特許審査に関するベンチャー企業支援策

一次審査

スーパー早期審査の申請

最終処分

審査官

面接発明の技術やその意義、事業戦略上の位置づけ等

特許性に関するアドバイス、特許庁のベンチャー関連施策や知財活用の実例等の紹介等

平成30年度の実績 (平均)

最終処分

早期審査の申請

ベンチャー

ベンチャー企業対応 面接活用早期審査

ベンチャー企業対応 スーパー早期審査

一次審査

応答

応答

原則1カ月以内

30日以内(内国出願)又は2カ月以内(外国出願)に応答(応答が遅れた場合は、通常の早期審査の取扱いとなる。)

審査請求審査請求

(出典)グローバル知財戦略フォーラム2018 馬田氏資料(東京大学産学協創推進本部)を基に特許庁作成

創業期ベンチャーは一度の資金調達で13~16か月の運転資金を調達それまでにマイルストーン(事業目標)をクリアできなければ、潰れる

ベンチャー企業対応 面接活用早期審査

一次審査まで 最終処分までスーパー早期 約0.7ヶ月 約2.5ヶ月

早期 約2.3ヶ月 約5.1ヶ月通常 約9.3ヶ月 約14.1ヶ月 58

知財アクセラレーションプログラム”IPAS”

59

事業イメージ

スタートアップ15社に対して3か月間のメンタリングを実施

知財専門家とビジネス専門家の合計300名以上が登録

(IPAS : IP Acceleration program for Startups)

複数の専門家からなる知財メンタリングチームを結成創業期ベンチャー企業に一定期間派遣し、出口(M&A、IPO等)を見据えた適切な知財戦略の構築とこれに基づく権利取得等を支援チームとすることで、ベンチャー経営と知財が両方わかる専門家育成も期待

<イベント開催例>2018年度:IVS、Wework(六本木、みなとみらい)、Startup Hub Tokyo等2019年度も引き続き、インキュベーション施設やスタートアップイベントで周知予定

ベンチャーコミュニティと知財専門家のつながり強化

60

Startup HUB Tokyo

<今後の予定>IPBASE会員向けの機能の拡充(知財専門家検索機能、オンラインQ&A機能 等)

スタートアップが「まず見るサイト」、知財専門家と「つながるサイト」を目指した知財ポータルサイト“IP BASE”を2018年12月に開設インキュベーション施設などでのイベントベンチャーコミュニティへの知財意識の浸透、知財専門家の関与を推進

大企業

社長自ら技術開発を把握し出願・秘匿を判断獲得した知財が事業性担保となり資金調達や大企業との連携に寄与、など

ベンチャー知財戦略事例集 オープンイノベーションのための知財ベストプラクティス集知財部がベンチャー発掘段階から関わり、成果の権利独占を主張しない、など

知財デューデリジェンス(知財DD)標準手順書対象:知財DDに不慣れな者(DDを受ける側も含む)内容:標準的な知財DDのプロセスや確認項目(リスク評価・価値評価)

ベンチャー

知財専門家VC

エンジェル

ベンチャーコミュニティにおける知財の気づき

61

国内外の投資実例に基づく知財の失敗例とその対策案を投資ラウンド別に整理投資ラウンド別に設定すべき知財マイルストーンを提示

ベンチャー投資家向け知財評価・支援手引き

IPAS事業で把握されたベンチャーの知財課題と対応策ビジネスに合った知財戦略構築(オープン&クローズ戦略など)

IPAS2018成果事例集

ベンチャー知財活用・評価・支援の手引き・事例集を作成ベンチャーコミュニティへの知財意識の浸透、知財専門家の関与を推進

【対象】次世代技術(フィンテックやIoT等)で知的財

産を有し、世界を相手に勝負したい中小・ベンチャー企業など(日本特許等を登録済みであること)【地域】シリコンバレー、サンフランシスコ、タイ、深圳、上海

ベンチャー企業向け海外展開支援

62

特許庁補助事業:ジェトロ・イノベーション・プログラム(JIP)

【内容】・Boot Camp(集中講座)・メンタリング(現地アクセラレータによるアドバイス)・ピッチ(現地で開催)・ビジネス・マッチングイベント・イベントへのブース出展

<2019年度の予定>

63

通常

軽減後

【スタートアップの要件】(以下のいずれかを満たすこと)設立後10年未満で資本金3億円以下の法人(支配法人のいないこと)事業開始後10年未満の個人事業主従業員20人以下(商業又はサービス業は5人以下)の法人(支配法人のいないこと)従業員20人以下(商業又はサービス業は5人以下)の個人事業主

約15万円

約5万円

約27万円

約9万円

審査請求料・特許料※1 国際出願に係る手数料

※1 特許料1~10年分

ベンチャー企業向け料金減免制度ベンチャー企業は、「審査請求料」、「特許料」、「国際出願の手数料」が1/32019年4月以降は証明書類が不要になり手続が簡素化

【対象】赤字企業、研究開発型企業など

対象が限定的 全ての中小企業

約40万円(軽減前) 約20万円※出願~権利化~10年間維持する平均的なケース

改正後

【手続】煩雑

(証明書類の作成・提出)簡素化

(証明書類不要)

【料金(国内出願)】

(制度を利用する中小企業は全体の1/3程度)

約20万円(軽減前) 約10万円※特許庁及びWIPOに支払う国際出願関連手数料【料金(国際出願)】

中小企業の特許料及び手数料の一律軽減

64

(2019年4月施行)

• 減免制度が改正され、 2019年4月以降に審査請求(国際出願の場合、出願)をした案件を対象に、従来より減免要件が拡大。

• 証明書類等の提出が不要になり、手続きが大幅に簡素化。

改正前

◆J-PlatPatの提供◆特許情報分析

活用支援

◆J-PlatPatの提供◆特許情報分析

活用支援◆特許料金の減免

◆営業秘密・知財戦略相談

◆早期審査・審理

◆特許料金の減免

◆営業秘密・知財戦略相談

◆早期審査・審理

◆開放特許データベース

◆知財ビジネス評価書

◆事業プロデューサー

◆開放特許データベース

◆知財ビジネス評価書

◆事業プロデューサー

◆新興国等の知財情報の提供

◆外国出願費用補助◆海外での模倣品対策支援◆海外知財訴訟保険補助

◆海外知財プロデューサー◆海外展開知財支援窓口

◆新興国等の知財情報の提供

◆外国出願費用補助◆海外での模倣品対策支援◆海外知財訴訟保険補助

◆海外知財プロデューサー◆海外展開知財支援窓口

アイデア・研究開発 知財の取得 製品化 海外展開

【知財情報の提供】

【資金調達支援】

【専門家による助言】

巡回特許庁 出張面接審査の集中実施、知財制度・支援施策の普及啓発

産業財産権専門官 中小企業等の個別訪問、社内研修、知的財産制度説明会、セミナー

知財総合支援窓口 知財に関する悩みや相談をワンストップで全国で受付

【審査・審判におけるサポート】

横断的支援

中小企業の各事業フェーズに対応した支援展開

65

大学の知財活動の課題

66

発明届出件数 H26 H27 H28 H29国立大学等 6,098 5,767 5,970 5,765公立大学等 515 571 589 574私立大学等 1,755 1,763 1,802 1,802

計 8,368 8,101 8,361 8,141

理工系の全研究者数に対し、発明届出件数は、約4%程度。(H29年度)

出典:総務省 H30年 科学技術研究調査結果の概要

学部及び組織 研究者の人数 研究者全体に占める割合

自然科学 197,702 67.2%人文・社会科学 62,376 21.2%

その他 34,179 11.6%計 294,257 100.0%

出典:文部科科学省 科学技術・学術政策研究所「大学等における産学連携棟実施状況について」(各年度)

8,141197,702 ≒ 4.1%

• 理工系の全研究者数に対し、発明届出件数は約4%程度。(平成29年度)

大学が、自ら保有する特許技術等を活用し事業化を目指す産学連携プロジェクトに対して、知的財産マネジメントを支援

産学連携知的財産アドバイザー

公的資金が投入された研究開発プロジェクトを推進する大学・研究開発コンソーシアム等に対して、知的財産の視点から、事業化を見据えた戦略の策定・実行を支援

知的財産プロデューサー

中小企業等に対して、海外市場における事業展開に適した権利保護・活用等の知財マネジメントの策定・実行を支援

海外知的財産プロデューサー

* 21箇所に10名派遣(2019年4月実績)

*37プロジェクトに22名派遣(2019年4月実績)

産業界のニーズ①大学等に埋もれている有用な技術を、的確な権利とともに使用したい

産業界のニーズ②研究機関等の革新的な技術を、頑強な権利で固めて事業化したい

産業界のニーズ③海外における事業展開が有利となるように、的確な権利を取得したい

*支援回数421回(支援企業等273社)(2017年度)

• 研究機関等(大学、企業、研究開発コンソーシアム等)に知財マネジメントの専門人材を派遣し、知的財産権の積極的な活用を支援。

知財マネジメント専門人材の派遣

67

知財戦略デザイナー派遣事業

研究者の個別訪問

知財戦略デザイナーとURAによる発明発掘研究段階から権利の活用を見据える知的財産戦略をデザイン

国プロ等の大型共同研究ライセンス契約事業化、ベンチャー等

権利の活用産学連携部門との連携

発掘した研究成果を、産学連携部門が特許出願

事業イメージ

知財戦略デザイナーの知見やノウハウをURAと共有知財権取得の成功・失敗事例の共有

社会的価値・経済的価値

の創出へ

研究者

URA知財戦略デザイナー

研究者と一緒に議論

チーム

• 産学連携及び特定技術分野の専門的な知見を有する知財戦略デザイナーを大学に派遣• 知財戦略デザイナーとURAのチームが、研究者を直接訪問して、権利化されていない優れた研

究成果を発掘し、研究段階から未来の権利の活用を見据えた知財戦略をデザイン• 本事業全体を通して得られた知見やノウハウを広め、優れた研究成果の発掘、知財戦略に基づく

更なる研究の発展や社会実装の推進に取り組む大学を支援

68

経営における知的財産戦略事例集

69

「経営層の興味を引くように特に以下の5点を工夫。

① 7人の経営層からのメッセージを実名入りで掲載。

② 海外企業28事例、国内企業28事例を掲載。

③ 43事例は社名入りで掲載。④ 短時間で読めるように各事例は1ページ

に整理。⑤ 業種や目的別で事例を分類

知財戦略事例集の特徴

経営課題を解決するための知財戦略に関する事例集(令和元年6月発行)。ターゲットは、経営層、知財担当役員、知財部長、知財戦略担当者。説明会(東京、大阪、名古屋等)を開催するとともに、企業との意見交換の機会等で周知を予定。今年度は、戦略の策定・実行時における社内の連携状況等の詳細情報を収集し、とりまとめる予定。

標準必須特許への取組

70

╳ クロスライセンスによる解決が困難╳ 必須性やロイヤルティの相場観が業界間で乖離

標準必須性に係る判断のための判定制度

標準必須特許に関する各国の最新判例・ガイドラインの収集・整理

(2018年3月公表、2019年6月改訂版公表)

各国の制度・裁判例を分析し、国内外から広く意見を聴取し取りまとめ。交渉の進め方、ロイヤルティの算定方法等ライセンス交渉に関する論点を整理。

標準必須特許ライセンス交渉の手引き「標準必須特許のライセンス交渉に関する手引き」

特許発明が標準必須特許であるかどうかを判定する制度。2019年7月から、条件付きで、特許発明の技術的範囲

に属しないとの趣旨の判定請求も対象とした。

IoTの普及 標準必須特許のライセンス交渉の当事者が、通信以外の業界、最終製品メーカー(サプライヤー含)、中小企業にも拡大

「標準必須特許ライセンス交渉に関する手引き」公表後の米欧中韓インドの最新の判例、ガイドライン等の動向を収集・整理・解説。

標準必須特許に関する最新情報を随時発信。標準必須特許になじみが薄い方にもわかりやすく提供

標準必須特許ポータルサイト

「標準必須性に係る判断のための判定の利用の手引き」

(2018年6月公表)

(2019年4月公表)「標準必須特許を巡る紛争の解決実態に関する調査研究」

特許庁ステータスレポート・特許行政年次報告書

71

「特許庁ステータスレポート」は、前年における特許庁の主要な統計情報及び政策の成果をいち早く国内外に向けて公表するために毎年3月頃刊行。国内のみならず国外への情報発信のツールとして活用するため、日本語と英語を併記。

「特許行政年次報告書」は、知的財産制度を取り巻く現状、国内外の動向等についてまとめたもの(毎年6月~7月頃刊行)。ステータスレポートより詳しい情報を掲載。「統計・資料編」には詳細な統計情報を掲載。国内外の出願・登録状況や審査・審判の現状とともに、特許庁における各種取組・施策等、産業財産権行政に関する有益な情報を発信する手段として活用。

詳細はこちら↓詳細はこちら↓

72

新時代に対応する法改正、分類改正等

特許法等改正の概要(2019年5月17日公布)

73

<損害賠償>

判決

訴訟提起

侵害の

有無判断

損害額の審理

<証拠収集>

侵害品の販売数量

1個当たり利益

現行の損害額

ライセンス料相当額

権利者の生産・販売能力

施行日:①公布の日(2019年5月17日)から起算して1年6月を超えない範囲内 ②③公布の日から起算して1年を超えない範囲内

侵害の有無の審理

裁判所が中立公正な専門家を選定侵害が疑われる者の施設へ立入り

特許訴訟制度の充実

• 要件は厳格に設定

• 秘密保護の仕組みを導入侵害行為の立証に必要特許権侵害の蓋然性他の手段では証拠が十分に集まらない相手方の負担が過度にならないこと

専門家の選定にかかる異議申立て報告書中の秘密情報の黒塗り専門家の秘密漏洩に対する刑事罰

① 専門家による現地調査[査証] ② 権利者の生産・販売能力等を超える部分の損害を認定

中小・ベンチャー企業にも十分な賠償

③ ライセンス料相当額の増額特許が有効であり侵害されたことが裁判で認定されたことを考慮できる旨明記

• 侵害が容易(特許は公開、物理的に盗む必要なし)• 立証が困難(証拠は侵害者側に偏在)• 侵害を抑止しにくい(刑事事件の起訴なし)

「侵害した者勝ち」にならないよう配慮が必要

特許法等改正の概要(2019年5月17日公布)

74施行日:公布の日(2019年5月17日)から起算して1年超えない範囲内。ただし、複数意匠一括出願制度については、2年を超えない範囲内

意匠制度の充実

① デジタル技術を活用したデザインの保護• 物品に記録・表示されていない画像の保護

本意匠

関連意匠

新たに登録可

アテンザ(2014年)

アテンザ(2012年)

アテンザ(2018年)

例1)クラウド上に保存され、ネットワークを通じて提供される画像 例2)道路に投影された画像

• 建設物の外観・内装デザインの保護例3)内装デザインによるブランド構築

• 関連意匠制度の拡充長期に亘り、一貫したコンセプトに基づき開発されたデザインを保護

• 本意匠の出願から10年以内であれば登録可(これまでは8か月程度)

• 関連意匠にのみ類似する意匠であっても登録可• 意匠権の存続期間を「登録日から20年」から

「出願日から25年」に変更

② ブランド構築のためのデザインの保護

優良な顧客体験が競争力の源泉として重要性を高める中、デジタル技術を活用したデザイン等の保護や、ブランド構築のため、意匠制度等を強化。

③ その他

• 複数の意匠を一括して出願できる制度の導入• 模倣品対策(侵害品を構成部品に分割して

製造・輸入等する行為も取り締まることができる)ボール部

ハンドル部改正後侵害品を構成するボール部とハンドル部を分割して製造・輸入等した場合、一定の要件のもとで、意匠権侵害とみなす。

例4)意匠登録を受けた美容用ローラー

AI審査事例公表・IoT特許分類の新設

75

特許分類(G16Y)の新設

• AI関連技術に関し、記載要件及び進歩性の審査ハンドブックの事例を充実化。(10事例を追加)

AI審査事例の公表

事例(体重推定システム)

IoT関連技術の特許分類の新設

• IoT関連技術を網羅的に抽出可能な特許分類(ZIT)を世界に先駆けて新設・細分化。

• ZITの内容を踏まえて、国際標準として、国際特許分類(IPC)にIoT関連技術のための分類を創設することを提案。

• 五庁及びWIPOでの議論を経て、IPCのサブクラスG16Yとして2020年1月に発効することが決定。

⇒ AI関連技術等と関連が少なかった出願人等に審査の運用を分かりやすく示すことや、特許庁として技術分野によらず統一的に特許性の判断を行うことが重要。

G16Y

フェイスライン角度身長 体重

入力データ

サポート要件を充足

明細書

フェイスライン角度

BMI=体重/身長2

入力データ(身長、フェイスライン角度)と出力データ(体重)との間の相関関係が統計データで示されている。

出力データ教師データ

身長 体重フェイスライン角度

AI学習済みの

体重推定モデル

ご清聴ありがとうございました

76