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主担当教員 舘野寿丈、越水重臣 定員 10名 総時間数 193.5時間 項目 プログラムの概 受講対象者 プログラムの狙 出席要件 修了要件 本プログラムは、次の2つのモジュール、10の科目から構成される。 基礎編5科目は、全科目を必修とし、実践編は5科目のうち最低2科目を選択するものとする、。 【基礎編】 (必修時間:93時間) 製品開発の基礎 1-1 統計学の基礎(網代)(10.5時間) 1-2 設計工学特論(舘野)(22.5時間) →正規科目 1-3 開発者のための知的財産コントロール(石橋)(15時間) 1-4 創造設計特論(越水)(22.5時間) →正規科目 1-5 プロトタイピング工学特論(舘野)(22.5時間) →正規科目 【実践編】 (必修時間:33時間又は45時間) 品質と信頼性 2-1 品質工学特論(越水)(22.5時間) →正規科目 2-2 信頼性工学特論(越水)(22.5時間) →正規科目 2-3 統計学の応用(網代)(10.5 時間) CAD/CAE 3-1 デジタル製品開発特論(舘野)(22.5時間) →正規科目 チーム設計 4-2 設計工学・プロトタイピング工学特別演習(舘野)(22.5時間) →正規科目 原則として、各科目において3分の2以上の出席を要する。 履修証明書修得のための修了要件は、2つのユニットすべての必修科目において合格すること。なお、修了 要件に認定するための、各科目有効期限は 5年である。 産業技術大学院大学 『製品開発プロセス』シラバス 内容 製品開発のプロセスを体系的に学ぶ。新製品開発のプロセスでは、まず製品仕様書に基づき概念設計を行 い、それを具現化するために詳細設計を行う。設計段階で品質を作り込むためには、製品が市場で品質トラ ブルを起こさないためのロバスト設計や製品事故を起こさないための信頼性技法が必要となる。また、昨今 の製品開発では、3D-CAD/CAEやRP(ラピッドプロトタイピング)といったデジタルエンジニアリング技 術を用いて開発期間の短縮を図っている。さらには、競合他社の知的財産への侵害をさけるために知財コン トロールを行う必要もある。本プログラムでは、こういった一連の製品開発プロセスにおいて役立つ汎用技 術を身につけることを目的とする。 ものづくりに関連する企業の製品企画、開発・設計等に関わる方 本プログラムでは、一連の製品開発プロセスにおいて役立つ汎用技術を身につけることを目的としている。 修得できる知識やスキルは以下の通りである。 ・設計開発プロセスの全容に対する理解 ・統計的手法(実験計画法) ・QFD(品質機能展開)を使った製品企画 ・TRIZに代表される発想技法 ・品質を確保するための設計手法(品質工学・タグチメソッド、信頼性解析手法) ・デジタル設計技法(3D-CAD/CAE/RP) プログラムの構

産業技術大学院大学 『製品開発プロセス』シラバス …...製品開発のプロセスを体系的に学ぶ。新製品開発のプロセスでは、まず製品仕様書に基づき概念設計を行

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Page 1: 産業技術大学院大学 『製品開発プロセス』シラバス …...製品開発のプロセスを体系的に学ぶ。新製品開発のプロセスでは、まず製品仕様書に基づき概念設計を行

主担当教員 舘野寿丈、越水重臣 定員 10名

総時間数 193.5時間

項目

プログラムの概要

受講対象者

プログラムの狙い

出席要件

修了要件

本プログラムは、次の2つのモジュール、10の科目から構成される。基礎編5科目は、全科目を必修とし、実践編は5科目のうち最低2科目を選択するものとする、。

【基礎編】 (必修時間:93時間)製品開発の基礎  1-1 統計学の基礎(網代)(10.5時間)  1-2 設計工学特論(舘野)(22.5時間) →正規科目  1-3 開発者のための知的財産コントロール(石橋)(15時間)  1-4 創造設計特論(越水)(22.5時間) →正規科目  1-5 プロトタイピング工学特論(舘野)(22.5時間) →正規科目

【実践編】 (必修時間:33時間又は45時間)品質と信頼性  2-1 品質工学特論(越水)(22.5時間) →正規科目  2-2 信頼性工学特論(越水)(22.5時間) →正規科目  2-3 統計学の応用(網代)(10.5 時間)CAD/CAE  3-1 デジタル製品開発特論(舘野)(22.5時間) →正規科目チーム設計  4-2 設計工学・プロトタイピング工学特別演習(舘野)(22.5時間) →正規科目原則として、各科目において3分の2以上の出席を要する。

履修証明書修得のための修了要件は、2つのユニットすべての必修科目において合格すること。なお、修了要件に認定するための、各科目有効期限は 5年である。

産業技術大学院大学 『製品開発プロセス』シラバス

内容製品開発のプロセスを体系的に学ぶ。新製品開発のプロセスでは、まず製品仕様書に基づき概念設計を行い、それを具現化するために詳細設計を行う。設計段階で品質を作り込むためには、製品が市場で品質トラブルを起こさないためのロバスト設計や製品事故を起こさないための信頼性技法が必要となる。また、昨今の製品開発では、3D-CAD/CAEやRP(ラピッドプロトタイピング)といったデジタルエンジニアリング技術を用いて開発期間の短縮を図っている。さらには、競合他社の知的財産への侵害をさけるために知財コントロールを行う必要もある。本プログラムでは、こういった一連の製品開発プロセスにおいて役立つ汎用技術を身につけることを目的とする。

ものづくりに関連する企業の製品企画、開発・設計等に関わる方

本プログラムでは、一連の製品開発プロセスにおいて役立つ汎用技術を身につけることを目的としている。修得できる知識やスキルは以下の通りである。

・設計開発プロセスの全容に対する理解・統計的手法(実験計画法)・QFD(品質機能展開)を使った製品企画・TRIZに代表される発想技法・品質を確保するための設計手法(品質工学・タグチメソッド、信頼性解析手法)・デジタル設計技法(3D-CAD/CAE/RP)

プログラムの構成

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ユニット名 科目名 統計学の基礎

担当教員

項目

授業の概要

授業の目的・狙い

到達目標

使用方法

課題

受講準備

履修条件

テキスト・教材

参考書

成績評価

次の2つのポイントで評価する(合計100点満点)課題 60点(各回20点で3回実施の予定)試験 40点授業の内容を応用し、問題解決策を立案してもらう(提出はレポート形式とする)

紙媒体資料およびシミュレーション教材を配布する。

毎回、授業の要約・質問や感想を記入した「感想シート」を作成してもらい、これをフィードバックとして、授業の進捗状況等を管理する。

『製品開発プロセス』個別科目案内

網代 剛

大村平(2003)『QC数学のはなし』日科技連大村平(2006)『改訂版統計解析のはなし』日科技連石村園子(2004)『数学入門』共立出版

「製品開発プロセス」各講義の前提となる統計の基礎を学習する。イノベーションには異分野への挑戦が重要である一方で、大学院レベルの講義の理解には、一定水準以上の基礎知識が必要になることも事実である。そこで、この講座では、文科系・芸術系学部出身者および企画・営業部門の実務経験者を中心的な受講者像として想定した、統計および数学の基礎を扱う。学習にあたっては、シミュレーション型の教材を用いることで、正確な理解と直観的理解を高次元で両立し、単なる記号の暗記ではなく、数学的なものの見方・考え方が身に着くよう配慮した。

その他

講義(単方向)

講義(双方向)

演習(単独)

演習(グループ)

授業の手法の特徴

本科目は「製品開発プロセス」の各講義を能率的なものとするための基礎知識の修得を第一の目的とする。あわせて、統計の基本的な考え方を理解し身いつけること(具体的には、小数の標本を手掛かりに、モデルを用いて、未知量を推測するという統計の基本的な考え方を理解し、代表的なモデルを用いて母集団の推定および標本の検定を実際に行う経験を持つこと)、将来の実務におけるプロジェクトで、他のメンバーの議論が理解でき、可能ならば、積極的な提案ができるようになるための基礎知識を身につけることも、この講座の副次的な目的として狙ってゆく。

基礎編

・毎回、シミュレーション型教材を用いて自律的な演習を実施する。(ファイルはダウンロードも可能)・毎回、小グループでの統計的手法についてのディスカッションを求める(複雑な内容を簡潔に伝達・理解・合意を形成する演習)。・毎回、授業の内容,質問および感想を記した「感想シート」の作成・提出を求める(簡潔に表現する演習)。

授業の内容

「ものつくり」に関連する事務経験があることが望ましいが、経験の有無によらず「ものつくり」に強い興味・関心のある受講者を希望する。

内容

授業の方法

授業内容を記した紙媒体資料を配布

授業内容についてのミニレポートの実施

シミュレーション型教材による、試行錯誤を含む自律的な学習を支援

小グループによるディスカッション(5~10分程度)実施

最低到達レベル・モデルや推論と言った、数学的なものの見方・考え方が身に着く。・他のプロジェクトメンバーによる統計の説明が理解できる。上位到達レベル・目的に応じた適切な実験計画が立案できる。・統計について、他のプロジェクトメンバーに正確かつ簡潔に説明ができる。・統計の専門家ではないプロジェクトメンバーからの要求を適切にくみ取りつつ、プロジェクトを運営できるリーダーとなる。

第1回 記述統計と推測統計1:現実を記述する記述統計と未知量を推測する推測統計を比較する。キーワード:基本統計量,確率,記述統計,推測統計第2回 記述統計と推測統計2:推測統計の基本的な思考方法を検討する。キーワード:モデル,パラメータ,正規分布,指数分布第3回 推定と検定1:正規分布をモデルとして用いた未知量の推定の概念と方法を検討する。キーワード:標本,母集団,推定と検定,t分布第4回 推定と検定2:観察された事象を統計のモデルを用いて検定する概念と方法を検討する。キーワード:仮説,χ2分布,F分布第5回 仮説と検定3:観察された事象を統計のモデルを用いて検定する概念と方法を検討する。キーワード:実験計画,分散分析第6回 :演習:観察された事象と仮定(Assumption)を組み合わせて統計のモデルを構築する。キーワード:指数分布,信頼性曲線,代替案第7回 概念の紹介:統計の範疇ではないが「製品開発プロセス」学習の上で前提となる数学的な概念を検討する。キーワード:指数,対数,行列,数列と極限値

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ユニット名 科目名 設計工学特論

担当教員

項目

授業の概要

授業の目的・狙い

到達目標

使用方法

第1回:設計の目的講義の目的と15回の学習内容の解説し、学生が講義選択の判断ができるようにする。設計プロセスとは何かについて概説する。

第7回:機能の選択製品は顧客の要求を満足させるために多くの機能を持つ。その要求事項と機能との関係は複雑であるので、これらを整理したうえで必要な機能を選択するプロセスについて説明する。具体的な方法として品質機能展開(QFD)について説明する。

第6回:設計プロセスと企画概念設計から詳細設計までの設計プロセスを説明したうえで、製品企画段階でのプロセス手法に関して説明する。顧客の要求機能を抽出する方法として、KJ法やコンジョイント分析について説明する。

第5回:公理:公理的設計設計を公理的な立場でとらえ、良い設計を公理から導こうとする公理的設計の考え方について説明する。設計公理の一つである情報量最小の公理を用いたレクサット評価法について説明し、異なる複数の評価軸があっても、バランス良く設計する方法を説明する。

第4回:環境:ライフサイクルデザイン地球環境を考慮した設計の必要性を述べ、具体的な取り組みである製品ライフサイクルデザインについて説明する。

第3回:人間:ユーザビリティと安全製品を使用するのはユーザであり、ユーザが使いやすい設計にすることが重要である。具体的な取り組みであるユーザビリティデザイン、ユニバーサルデザインについて説明する。また、使いやすさの設計は、形状だけでなくユーザの動作とも関係することを述べる。

第2回:作りやすさ:製造性設計・組立性設計製品を設計するうえでは、作りやすさの考慮が必要である。具体的な方法である製造製設計、組立性設計をはじめ、設計の初期に後段の工程を考慮するフロントローディングの重要性について説明する。

この授業は、製品の機能設計を中心に、製品企画、概念設計、詳細設計、試作に至る設計プロセスにおいて必要な設計方法を体系的に習得できる。具体的には、学習者はこの講義を通じて以下の知識・能力を習得できる。• 製品の企画から設計、試作までの一連の具体的なプロセス• 製品設計をする上で必要な着眼点• 機能と感性のバランスを持った製品設計をするための方法• 製品の機能的な観点における概念設計から試作までの方法• 設計上の様々な視点としての、作りやすさを考慮した設計、環境を考慮した設計など、設計での留意点に関する知識• 設計開発プロセスでの問題解決方法である、発想法、品質機能展開、最適化手法など、システマティックな手法に関する知識と、実際問題へ適用する能力

その他

講義(単方向)

講義(双方向)

基礎編

講義はPPTの資料に基づいて行い、必要に応じて資料を配布する。毎回の授業において、簡単な演習を実施する。

内容

授業の方法

履修証明プログラムシラバス        『製品開発プロセス』個別科目案内

舘野寿丈

製品設計においては、製造性などの共通に現れるプロセスでの留意すべき着目点がある、また、設計を効率的に間違いなく進めるために、設計中に発生する課題に対処する具体的な手法も有効である。これら着眼点とプロセス手法の観点から、良い設計をするための方法論を示す。授業はまず、設計するうえで根本となる概念について解説し、続いて具体的な手順すなわち技法や手法に落とし込む形で説明することを方針とする。毎回の授業では、授業内容に該当する問題解決手法を少なくとも一つ示し、その手法について簡単な演習を実施する。演習を通じて設計プロセスで生ずる問題の特徴や、システマティックな解決のあり方を説明する。

演習(単独)

演習(グループ)

最低到達レベル• 製品の機能的な観点での企画から設計・試作まで、一連のプロセスを理解する。• 設計プロセスのそれぞれのステージで生ずる問題の特徴を理解し、それを解決する代表的な手法の特徴と重要性を理解する。上位到達レベル• 製品の設計プロセス全体を捉え、企画や設計の初期段階において不備のない考慮をしたり、後段のプロセスを考慮した設計ができるようになる。• 設計プロセスでの問題解決手法を自らの課題に応用し、効率的に運用できるようになる。

授業の手法の特徴

PPTを用いた講義

質疑応答

提示された課題についての演習

提示された課題についての演習

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課題

受講準備

履修条件

テキスト・教材

参考書

成績評価

第14回:推定推定の方法には、仮定したモデルから推定するエンジニアリングとしての方法と、統計分析の結果から推定値を算出する方法とがある。これらの性質の違いと、それぞれの方法を演習を通して考察する。

第15回:設計の評価製品への要求項目は、通常複数ある。設計の最終段階では、それらをバランスよく満足する製品に仕上げる必要がある。機能の評価から感性評価にわたり多くの評価項目をもつ場合にも合理的に判断できるレクサット評価法について説明する。

第13回:統計分析実験結果の評価においては、仮定したモデルと結果とを比較するエンジニアリングとしての手法と、結果を統計的に捉える分析手法とがある。これらの性質の違いを説明し、特に統計的な評価方法として、分散分析の手法を説明する。

第12回:実験の方法試作においては、時間とコストの観点から、少ない試作回数で有意義な評価を得る必要がある。実験計画法を用いた効率的な実験の計画手法について説明する。

第11回:試作法試作には、さまざまな観点があり、それぞれの観点で試作の方法が異なる。デジタル試作と実試作について説明し、電子回路試作を通して試作の意義を考察する。

第10回:原理に基づく構造設計機能を実現する構造は複数存在する。それらの構造を機能の発現原理の観点で比較する方法について説明する。また、構造の設計においては、良い設計をするための設計原理に則っている必要がある。代表的な設計原理を説明について説明する。

第9回:企画の分析と評価製品の企画においては、製品の機能だけでなく、製品が誰にどのような価値を与えるのかというビジネスモデルを含めて考え、評価する必要がある。具体的な分析手法としてCausal-Loop Diagramにつて説明する。

第8回:発想法顧客の要求を満足させる方法は複数ある。可能性をできる限り多く発想することが問題解決につながる。具体的な発想法としてメタコンセプト法について説明する。

第5回および第9回講義後課題を課す。個人で作成し1週間以内に提出する。

授業の内容

Wordにより文章が作成できること。Excelによるグラフ作成ができること。

次の3つのポイントで評価する(合計100点満点)• レポート課題 30×2=60点• 最終試験 40点第15回の講義終了後に試験を行う。

• LMSで配布する.

授業中に完了できなかった演習課題の実施

• 中沢弘、製品開発のための中沢メソッド、工業調査会 (2006)• 大富浩一、初歩から学ぶ設計手法、工業調査会(2007)

筆記試験を実施する

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ユニット名 科目名 開発者のための知的財産コントロール

担当教員

項目

授業の概要

授業の目的・狙い

到達目標

使用方法

課題

受講準備

履修条件

テキスト・教材

参考書

成績評価

『製品開発プロセス』個別科目案内

石橋 亮一

特になし

製品開発において創出される知的財産である発明の多くは特許出願され、その中で一定レベル以上に達している発明については特許権という独占権が与えられている。特許出願された発明も特許が与えられた発明も誰もがアクセスできる状態で公開されている。このような環境では、製品開発に特許の仕組みや情報を活用することは、他社特許を侵害するリスクを避け、自社の製品を優れたものにし、他社との差別化を図る上で極めて有効である。ここでは特許の仕組みと情報を製品開発に融合させて自在に活用し、製品開発における知的創造活動を積極的にコントロールするための活きた基礎知識を学ぶ。

その他

講義(単方向)

講義(双方向)

特になし

内容

授業の方法

①グループ演習の総合評価:50%②提出課題:30%③小テスト:20%

テキスト・演習用のワークシート、その他教材はプリントにて授業内で配布する

毎回配布するフィードバックシートに、授業のまとめ・意見を書いて提出すること。

演習(単独)

演習(グループ)

最低到達レベル :1.特許情報を取得し、正しい知識に基づいて製品コンセプトが特許権を侵害するリスクについて検討できるレベル2.侵害回避と製品差別化の観点の違いを理解できるレベル上位到達レベル :1.特許をPF(プロブレムフォーミュレータ)により客観的に図式化できるレベル2.特許情報を利用した侵害回避と製品差別化を実践適用できるレベル

[授業計画]講義は講師のまとめた配布テキスト、およびワークシートを使用しておこなう。授業は全10回を5回ずつ2日間に分けた集中講義としておこない、出席は毎回授業開始時に出欠を確認する。また、授業の中で適宜演習をおこない、その内容を発表、あるいは提出させる。[内容]第1回 講義の目的と10回(2日間)の学習内容、知財コントロールの全体像の解説第2回 製品開発に活用する特許知識: 特許制度の仕組み、特許情報の種類、情報の読み方、侵害判定の解説、小テスト第3回 特許調査: 調査ツール、調査方法、侵害調査の要点、調査演習/レポート/発表第4回 特許分析(1): 機能分解、因果関係、図式化の解説、小テスト第5回 特許分析(2): 図式化演習/発表/検証議論第6回 侵害回避および差別化の解説: 回避、特許をベースとした製品差別化の解説、小テスト第7回 侵害回避の演習: 特許回避演習/発表/回避検証議論第8回 製品差別化の演習(1): 製品差別化演習(差別化ポイント抽出、アイデア出し)第9回 製品差別化の演習(2): 製品差別化演習(コンセフ゜ト化、評価)/発表/議論第10回 特許権利化: 特許出願の目的、特許網、手続きの解説、小テスト * 演習について:講義内容の理解を深めるため、適宜個人、グループによる演習をおこなう。

[授業の目的・ねらい]知財コントロール手法と関連づけることにより、製品開発者が知っておくべき特許の実践的な基礎知識を習得するとともに、演習をおりまぜながら、特許情報を取得、分析、図式化し、それを基に知的創造活動を積極的にコントロールする手法を習得する。[修得できる知識・能力]1.製品開発する上で知っておくべき基本的な特許の知識2.特許情報を取得し、侵害判定する調査能力3.特許情報を分析し、図式化する分析能力4.他社特許の侵害を回避するリスク回避能力5.自社製品を他社と差別化する企画能力

基礎編

演習成果物を提出する

授業の内容

授業の手法の特徴

講義に際して、学生の理解と判断を引き出すために質問-回答-補足説明を用いる

必要に応じて短時間で個人演習を行うことで理解を深める

グループ演習を行うことで知財コントロールのプロセスの実践力を高める

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ユニット名 科目名 創造設計特論

担当教員

項目

授業の概要

授業の目的・狙い

到達目標

使用方法

講義(双方向)

演習(単独)

演習(グループ)

授業の手法の特徴

パワーポイントを使い、内容の理解度を高めるよう意図したもの

双方向、多方向に行われる討論や質疑応答

個人ワークによる演習

グループワークによる演習

『製品開発プロセス』個別科目案内

越水 重臣

製品設計は、製品企画→仕様の決定→概念設計→詳細設計の流れで行われる。本講義では、その上流工程である「概念設計」の部分に焦点をあてる。創造性が最も必要とされる概念設計の段階において、技術コンセプトの創出に役立つ発想支援技法として、TRIZ(創造的問題解決の理論)がある。また、複雑なシステムの設計に役立つ思考法として、システムシンキングがある。本講義では、TRIZ、システムシンキングといった思考法や発想支援技法を学ぶ。さらに、製品を普及させるためには、ビジネスモデルの構築も必要となるため、ビジネスモデルの発想法も解説する。個人ワークやグループワークによる演習を通じてその理解を深める。

この授業は、思考法や発想法に関する知識を習得するとともに、その手法を用いて、問題解決に応用できるようになることを目的とする。学習者はこの講義を通じて以下の知識や能力を習得できる。1. 自由連想、垂直思考、水平思考、類比思考、強制思考といった発想法の特徴を理解し、使い分けることができる。2. 創造的問題解決の理論TRIZの中核的な創造技法である①矛盾マトリクス(技術的矛盾)と発明原理40、②物理的矛盾と分離原理、③技術進化のパターンを理解する。3. システムシンキングにおける因果ループ図の作成方法を理解する。4. ピクト図解によるビジネスモデルの表記方法を理解する。

基礎編

授業 内容

内容

授業の方法

その他

講義は毎回配布する資料を使用して行う。毎回授業の中で、重要ポイントに関する演習を行い、終了後回収する。

• 第1回 講義概要、発想法の基本(1)発散と収束講義の目的と15回の学習内容の解説し、学生が講義選択の判断ができるようにする。また、自由連想(ブレインストーミング)によるアイデア発想と親和図法によるアイデア収束の演習を行う。• 第2回 発想法の基本(2)垂直思考と水平思考ロジカルシンキングとも呼ばれる垂直思考法について学ぶ。技術問題の解決では、根本原因分析や機能分析によく用いられる思考法である。一方の水平思考はラテラルシンキングあるいはイノベーションシンキングと呼ばれ、斬新な発想をするのに必要とされる思考法である。水平思考についても演習を通して学ぶ。• 第3回 発想法の基本(3)類比思考と強制思考問題に対してアナロジーを加えて発想する類比発想法と発想の始点や方向を固定してアイデアを強制的に導き出そうとする強制発想法について学ぶ。• 第4回 創造的問題解決の理論 TRIZ(1)創造的問題解決の理論であるTRIZを概説したあとで、その中心的な創造技法である矛盾マトリクスと発明原理40を解説する。• 第5回 創造的問題解決の理論 TRIZ(2)技術的矛盾は発明原理で解くが、物理的矛盾には分離原理を適用する。ここでは4つの分離原理を解説する。また、技術システムの進化パターンは分野を超えて繰り返されるという技術進化の法則を解説する。• 第6回 創造的問題解決の理論 TRIZ(3)技術問題の革新的な解決策は、異分野の知識を活用して生まれることが多い。ここでは、TRIZソフトの科学・技術の知識データベースを利用した類比発想による問題解決方法を解説する。

 

 

最低到達レベル• 問題定義において、根本原因あるいは根本矛盾の推定ができる。• PF(Problem Formulation)図や因果ループ図により問題を多面的に把握でき、解決策のアイデア発想に結び付けることができる。• 問題解決のアイデアを評価し、技術コンセプトの生成とその評価ができる。上位到達レベル• 自由連想、垂直思考、水平思考、類比思考、強制思考といった発想法の特徴を理解している。• 創造的問題解決の理論TRIZの中核的な創造技法である矛盾マトリクス(技術的矛盾)と発明原理の利用方法理解している。• 因果ループ図、ピクト図解の作図法を理解している。

講義(単方向)

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課題

受講準備

履修条件

テキスト・教材

参考書

成績評価

課題の成果物、プレゼンテーションおよびレポート試験により評価する。以下の3つのポイントで評価する(合計100点満点)• 講義内演習    30点• 課題1のプレゼンテーションおよびレポート 50点• 課題2のレポート 20点

• 講義資料はLMS等で配布する。

前回の講義内容をよく復習してから講義にのぞむこと。

レポート課題2つが課される・課題1 :技術的問題解決の演習成果について、レポートにまとめて提出する。・課題2 :システムの因果ループ図を作成する演習の結果について、レポートにまとめて提出する。

授業の内容

特になし

利用 類 発 問題解決方法 解説•第7回 【演習】技術的問題の構造化技術的な問題を取り上げ、問題解決をするグループ演習を4回にわたり行う。初回は、PF(Problem Formulation)図を作成し問題の構造化を行う。• 第8回 【演習】問題解決アイデアの発想問題点(技術的矛盾)を明らかにした後、これまでに学習したTRIZの発明原理や分離原理などを使って問題解決策のアイデア発想を行う。• 第9回 【演習】問題解決のコンセプト生成と評価前回に発想した解決策を組み合わせて新しいアイデアを得る。また、解決策を一般化した後でさらに新たな発想をしてみる。これらを繰り返し、解決策コンセプトを生成する。最後に解決策コンセプトの評価を行う。• 第10回 プレゼンテーション4回にわたり行われたグループ演習の成果をプレゼンテーションする。• 第11回 システムシンキング(1)問題の全体構造や要素間の関係性に着目する思考法であるシステムシンキングについてロジカルシンキングとの対比を用いて解説する。• 第12回 システムシンキング(2)システムの全体像を因果ループ図により表現する方法を学ぶ。• 第13回 システムシンキング(3)因果ループ図から問題解決のための発想法ついて、演習を通じて理解する。• 第14回 ビジネスモデル発想11個のビジネスモデル原型を解説し、それらを表記するピクト図解について学ぶ。• 第15回 ワールドカフェによる発想

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ユニット名 科目名 プロトタイピング工学特論

担当教員

項目

授業の概要

授業の目的・狙い

到達目標

使用方法

第1回:3次元形状モデルの表示3次元形状モデルを2次元のディスプレイに投影して表現する方法を説明する。また、機械的な機構を表現する方法を説明する。

第7回:サーフェスモデルの編集サーフェスモデル編集の特徴とソリッドモデルへの変換について説明する。演習を通してそのモデルの特徴とモデリング手法を理解する。

第6回:サーフェスモデル自由曲面の定義に便利なサーフェスモデルの表現形式について説明する。演習を通してそのモデルの特徴とモデリング手法を理解する。

第5回:設計演習1:ソリッドモデリング受講者がイメージする形状を、ソリッドモデルによりモデリングする演習を行う。

第4回:ソリッドモデルの変形操作修正設計で多用されるソリッドモデルの変形操作の特徴について説明する。演習を通してそのモデルの特徴とモデリング手法を理解する。

第3回:ソリッドモデリング中身の詰まった3次元形状の表現形式であるソリッドモデルについて説明する。演習を通してそのモデルの特徴とモデリング手法を理解する。

第2回:パラメトリック設計現在の3D-CADモデルの主要な構造となっている、形状の定義を変数の組み合わせとして表現する方法について説明する。

第8回:設計演習2:サーフェスモデリング受講者がイメージする形状を、サーフェスモデルによりモデリングする演習を行う。

この授業では、3次元形状評価を目的としたプロトタイピングのプロセスを体系的に習得できる。具体的には、学習者はこの講義を通じて以下の知識・能力を習得できる。1. 3次元形状の表現方法2. 3D-CADによるソリッドモデリング、サーフェスモデリング、アセンブリモデリング3. CADモデルを利用したコンピュータグラフィクス4. 積層造形によるラピッド・プロトタイピング5. 個人の創造する形状のモデリングと造形

その他

講義(単方向)

講義(双方向)

基礎編

授業の内容

講義はPPTの資料に基づいて行い、必要に応じて資料を配布する。毎回の授業において、簡単な演習を実施する。

内容

授業の方法

履修証明プログラムシラバス        『製品開発プロセス』個別科目案内

舘野寿丈/中島瑞季

プロトタイピングは設計した製品を検証・評価するために、製品の持つ性質をある側面から表現することである。検証・評価すべき性質は機能的なものから感覚的なものまで含まれ、表現方法や評価方法も多岐にわたる。この授業では、特に3次元形状の表現方法と形状生成プロセスを体系的に説明する。毎回の授業では、3次元CADによるモデリングおよびラピッドプロトタイピング(積層造形)を用いた演習を行い、形状表現と形状生成プロセスの理論が実際と対応づけながら理解されるようにする。

演習(単独)

演習(グループ)

最低到達レベル• 個人の創造する形状の3次元形状モデルを自在に作成できる。• 形状評価のためにレンダリングを施した仮想映像を自在に作成できる。上位到達レベル• 3次元形状の表現方法とモデリング方法、および評価に至るまでのプロセスを理解する。• 3次元CADとラピッドプロトタイピング(積層造形)装置の基本的な操作ができるようになる。

授業の手法の特徴

PPTを用いた説明

 

3D-CADを使用した演習、積層造形に関する作業の演習

 

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課題

受講準備

履修条件

テキスト・教材

参考書

成績評価

第14回:バーチャルプロトタイピング:レンダリングモデリングした形状を実試作せず、コンピュータ上で本物が如く表現する仮想試作について説明する。仮想試作の中でも特に外観形状評価に用いられるレンダリングについて説明する。自作のモデルをレンダリングして表示する演習を行う。

第15回:デザインレビュー受講者が自ら設計した製品・試作品のプレゼンテーションを行う。

第13回:設計演習4:積層造形受講者がイメージする形状をモデリングし、積層造形で作成する演習を行う。

第12回:ラピッドプロトタイピング(2):工具パス生成と型切削により、デジタルモデルから型を構築したり、プロトタイピングする方法について説明する。

第11回:ラピッドプロトタイピング(1):積層造形ラピッドプロトタイピングの意義について説明し、その代表的な手法である積層造形法について説明する。演習を通して3D-CADで作成したモデルを造形するまでの手順を理解する。

第10回:設計演習3:アセンブリモデリング受講者がイメージして構築したソリッドモデルを組み合わせて、アセンブリモデルを構築する演習を行う。

第9回:アセンブリモデリングソリッドモデルで定義された複数のモデルを組み合わせて構築されるアセンブリモデルについて説明する。演習を通してアセンブリモデルの特徴とモデリング手法を理解する。

第5回、第8回、第10回、第13回、および第15回に実施する設計演習課題での成果物をレポートとして1週間以内に提出する。

Wordにより文章が作成できること。Excelによるグラフ作成ができること。

次の3つのポイントで評価する(合計100点満点)• レポート課題 10×5=50点• プレゼンテーション 10点第15回にプレゼンテーションを行う。• 最終試験 40点第15回の講義終了後に筆記試験を行う。

• LMSで配布する.

授業中に完了できなかった演習課題の実施

• よくわかる3次元CADシステムSolidWorks入門

筆記試験を実施する

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ユニット名 科目名 品質工学特論

担当教員

項目

授業の概要

授業の目的・狙い

到達目標

使用方法

『製品開発プロセス』個別科目案内

越水 重臣

本講義では、品質工学の中核的手法である「パラメータ設計法」「機能性評価」「MTシステム」について学習する。パラメータ設計は、開発者の名前をとって「タグチメソッド」と呼ばれたり、その目的から「ロバストデザインメソッド」と呼ばれたりもする。その内容は、市場での品質トラブルを未然防止するための設計手法である。機能性評価は、品質ではなく機能を評価するための手法であり、開発設計を効率化することを目的とする。そして、MT(マハラノビス・タグチ)システムは比較的新しい手法で、予測や診断、判別のためのパターン認識の手法であり、様々な分野に応用が進んでいる。

講義(単方向)

講義(双方向)

演習(単独)

演習(グループ)

内容

授業の方法

その他

授業の手法の特徴

パワーポイントを使い、内容の理解度を高めるよう意図したもの

双方向、多方向に行われる討論や質疑応答

講義は毎回配布する資料を使用して行う。毎回授業の中で、重要ポイントに関する演習を行い、終了後回収する。

• 第1回 講義概要、パラメータ設計の概要講義の目的と15回の学習内容の解説し、学生が講義選択の判断ができるようにする。また、第1回目の内容として、品質工学の体系とパラメータ設計の概要を理解する。• 第2回 品質工学におけるシステムのとらえ方品質工学では、システムに関するパラメータを「信号因子」「計測特性」「制御因子」「ノイズ因子」の4つに分類し、システムダイアグラムを完成させる。ここでは、システムダイアグラムについて理解する。• 第3回 SN比と感度による評価品質工学のパラメータ設計では、得られた実験データを「SN比」と「感度」と呼ばれる指標に変換して評価を行う。ここでは、SN比と感度の意味とその計算方法について理解する。• 第4回 直交表を用いた実験品質工学のパラメータ設計では、パラメータの水準を最適化するのに「直交表」を利用する。ここでは、統計手法である直交表を用いたデータ解析法を学ぶ。• 第5回 工程平均の推定と確認実験前回の直交表を用いた実験で最適条件が決まるとその条件下での性能を推定することができる。その推定方法と確認実験のやりかたを学ぶ。• 第6回 バーチャル実験による演習(1)バーチャル実験シミュレータの使い方を学ぶ。研究対象となる技術システムについて理解する。• 第7回 バーチャル実験による演習(2)バーチャル実験シミュレータを用いて静特性のパラメータ設計を体験学習する。制御因子とノイズ因子をL18直交表に割り付けて実験を行う。

最低到達レベル• 品質工学には独特の用語がある。「信号因子」「計測特性」「制御因子」「ノイズ因子」の内容を説明できる。• 実験データから「SN比」と「感度」が計算できる。直交表を使った最適化のためのデータ解析ができる。• ロバストデザインと従来の設計法の違いを説明できる。• マハラノビス距離による判別のしくみが説明できる。上位到達レベル• 機能性評価によるデータ解析ができる。• 機能性評価とパラメータ設計を組み合わせた動特性のパラメータ設計について実験計画が立案できる。• MTシステムを使った応用事例が作れる。

この授業は、品質工学の手法に関する知識を習得するとともに、その手法を実務に応用できるようになることを目的とする。学習者はこの講義を通じて以下の知識や能力を習得できる。1. パラメータ設計を理解し、実務課題に対して実験計画の立案ができる。2. 機能性評価の方法を理解し、実験データの解析ができる。3. MTシステムを使ったパターン認識のプロセスを理解し、応用事例を考えることができる。

実践編

個人ワークによる演習

グループワークによる演習

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課題

受講準備

履修条件

テキスト・教材

参考書

成績評価

• 越水重臣、鈴木真人著、『実践・品質工学』(日刊工業新聞社)2、310円

特になし

課題の成果物、プレゼンテーションおよびレポート試験により評価する。以下の3つのポイントで評価する(合計100点満点)• 講義内演習(機能性評価)    20点• 課題1のレポート       50点• 課題2のレポート       30点

• 講義資料はLMS等で配布する。

前回の講義内容をよく復習してから講義にのぞむこと。

行う。• 第8回 バーチャル実験による演習(3)引き続き、バーチャル実験シミュレータを用いて静特性のパラメータ設計を体験学習する。L18直交表実験の結果から最適条件を決定し、確認実験を行う。• 第9回 機能性評価品質と機能の違いを解説する。次に品質工学の機能性評価の方法を学ぶ。動特性のSN比と感度の計算方法について学ぶ。• 第10回 機能性評価の演習実際の製品について、信号因子、ノイズ因子、計測特性を決めて機能性評価を行う(グループ演習)。機能性評価についての理解を深める。• 第11回 動特性のパラメータ設計機能性評価によるパラメータ設計(動特性のパラメータ設計)について学ぶ。また、動特性のパラメータ設計について実験計画を立案してみる。• 第12回 MTシステムの概要診断、予測、判定の手法であるMT(マハラノビス・タグチ)システムについて学ぶ。ここでは、マハラノビス距離の計算方法とMT法による判別の方法を理解する。• 第13回 MTシステムのデータ解析MTシステムにおけるデータ解析の方法を解説する。さらには、MTシステムの簡単な事例と数理を紹介する。• 第14回 MTシステムの事例MTシステムを用いたパターン識別の事例を紹介する。MTシステムの有用性について理解する。• 第15回 MTシステムの演習ソフトウエアを用いてMTシステムを体験学習することで理解を深める。

レポート課題が2つ課される。・課題1 :受講者各自のテーマでパラメータ設計の実験計画を立案する。その結果をレポートにまとめる。・課題2 :受講者各自のテーマでMTシステムのデータ解析を実施する。その結果をレポートにまとめる。

授業の内容

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ユニット名 科目名 信頼性工学特論

担当教員

項目

授業の概要

授業の目的・狙い

到達目標

使用方法

『製品開発プロセス』個別科目案内

越水 重臣

製品や設備が与えられた使用環境や使用法で、決められた期間にわたり要求された機能を果たすかといった信頼性はリライアビリティと呼ばれ狭義の信頼性を指す。それに対して、機能性だけではなく安全性も損なわないというのが広義の信頼性であるディペンダビリティである。最近では製品の安全性に対する顧客や社会の目がますます厳しくなってきており、製品安全の確保は企業にとって最重要の課題である。そこで本講義では、信頼性・安全性工学の基礎を学んだ後、実務に役立つ信頼性と安全性の設計手法を学ぶ。

講義(単方向)

講義(双方向)

演習(単独)

演習(グループ)

内容

授業の方法

その他

授業の手法の特徴

パワーポイントを使い、内容の理解度を高めるよう意図したもの

双方向、多方向に行われる討論や質疑応答

第1回 講義ガイダンス、製品安全と信頼性設計・安全性設計講義の目的と15回の学習内容を解説する。初回は、近年ますます重要になる製品安全を強調し、それを確保するための信頼性・安全性設計について解説する。第2回 信頼性と安全性信頼性と安全性の定義、評価方法を解説する。第3回 故障のタイプとワイブル解析信頼性工学で重要となる故障曲線(バスタブ曲線)を解説した後、ワイブル確率紙を用いて信頼性データを解析し、故障タイプを判定する方法を学ぶ。第4回 偶発故障期における信頼性偶発故障期の信頼性データの特徴と信頼性試験による故障率および信頼度の推定方法を学ぶ。また、保全性の重要性を知る。第5回 システムの信頼性と信頼性設計直列・並列システムの信頼度の計算方法と信頼性設計(冗長設計、フールプルーフ、フェイルセーフ、フェイルソフトなど)の設計思想を学ぶ。第6回 FMEA解説FMEA(Failure Mode and Effects Analysis)と呼ばれる信頼性解析手法を学ぶ。第7回 FMEA実習① 実際の製品についてFMEAを適用する。FMEAの準備となる「機能-構造系統図」を作成し製品を理解する。第8回 FMEA実習② 実際の製品についてFMEAを適用し、その結果をFMEAシートにまとめる。第9回 FMEA実習③FMEAの実施結果についてグループごとに発表をおこなう。第10回 FMEAの実際企業におけるFMEAの実施事例を紹介する。第11回 FTA解説FTA(Fault Tree Analysis) と呼ばれる安全性解析手法を学ぶ。第12回 FTA実習実際の製品についてFTAを適用する。危害シナリオを想定した後、FT図を作成する。この演習はグループワークである。第13回 リスクアセスメントの解説国際安全規格における安全の定義を紹介し、R-Mapによるリスクアセスメントの実施手順を解説する。第14回 リスクアセスメントの演習実際の製品についてリスクアセスメント行う。リスク低減策を考え、DRBFM(Design Review Based on Failure Mode)に従い、設計案を評価する。第15回 失敗学に学ぶ本質安全制御安全と本質安全の違いを理解する。

最低到達レベル• 冗長設計、フールプルーフ、フェイルセーフ、フェイルソフトといった信頼性設計の違いを具体事例で説明できる。• 簡単な製品について信頼解析手法FMEAおよび安全性解析手法FTAを実施することができる。• 製品の危害シナリオを想定し、ハザードが特定できる。上位到達レベル• 簡単な製品についてFMEA,FTA,リスクアセスメントを実施したうえで信頼性と安全性の向上ための設計対策が考案できる。

本講義では、信頼性設計と安全性設計の手法を習得することを目標とする。またグループ演習では、メンバーと協力して成果物を作成することを学ぶ。具体的には、学習者はこの講義を通じて以下の知識や手法を習得できる。1) 信頼性設計の方法(冗長設計、フールプルーフ、フェイルセーフ、フェイルソフトなど)2) 信頼性解析手法FMEA3)安全性解析手法FTA4) リスクアセスメント手法 R-Map

実践編

授業の内容

個人ワークによる演習

グループワークによる演習

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課題

受講準備

履修条件

テキスト・教材

参考書

成績評価

特になし

課題の成果物、プレゼンテーションおよびレポート試験により評価する。以下の3つのポイントで評価する(合計100点満点)• 課題1のプレゼンテーションおよびグループ内での貢献度20点、レポート30点• 課題2のレポート 30点• 講義内演習 20点

• 講義資料はLMS等で配布する。

前回の講義内容をよく復習してから講義にのぞむこと。

課題1はグループ演習である。その結果をグループ発表し、レポートにまとめて提出する。・課題1 :身近な製品についてFMEAを実施する。FMEAシートを作成し、グループごとに発表する。課題2は個人演習である。その結果をレポートにまとめて提出する。・課題2 :身近な製品についてリスクアセスメントを実施する。

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ユニット名 科目名 統計学の応用

担当教員

項目

授業の概要

授業の目的・狙い

到達目標

使用方法

課題

受講準備

履修条件

テキスト・教材

参考書

成績評価

本科目の目的は「統計学の基礎」で学習した知識を、実践に用いることで、コンピテンシーの獲得である。本科目で扱う課題は、電動模型の性能評価、脳波の計測、作業の評価といったように、複数の評価基準および評価方法が考えられるような、ある程度の複雑さを持った課題を対象とする。受講者には、決められた手順の遂行(アルゴリズム)だけではなく、一部試行錯誤を含む、目的に応じた手段の選択(ヒューリスティックス)といったより高次元の思考を実践してもらい、能力を鍛える科目とする。

『製品開発プロセス』個別科目案内実践編

網代 剛

内容

「製品開発プロセス」において実践的に、実験計画立案・遂行・評価できる能力を身につける。イノベーションを引き起こす「コンピテンシー」の獲得には、具体的な文脈(対象や環境、および解決すべき問題など)の中での学習が望ましい。一方で、無秩序に経験だけを重ねていても、学習の効率は期待できない。実践的な経験と、体系たてられた知識との相互作用が望まれる。そこで、本科目では、「統計学の基礎」で学習した知識を、用いて、具体的な課題を解決する実践的な講義を実施することで、製品開発プロセスにおけるリーダーとなれるようなコンピテンシー獲得をめざす。

最低到達レベル・具体的な課題に対して、論理的に矛盾のない実験計画が立案できる。・他のプロジェクトメンバーによる実験計画が理解できる。上位到達レベル・具体的な課題に対して、複数の実験計画(代替案)が立案できる。・複数の代替案について、メリット・デメリットやリスクなどの評価ができる。・所与の課題の解決だけではなく、統計の知識に立脚した、新たな研究課題を定義できる。

授業の内容

第1回 講義:「統計学の基礎」の内容を概観し、実験計画法および本科目での学習方法について講義を実施する。キーワード:統計学の基礎,実験計画法,学習方略第2回 【計画と代替案1】:電動模型の性能評価について概要を提示し、実験計画を立案する。キーワード:実験計画,代替案の立案,代替案の評価,因子,水準,条件第3回 【実験と評価1】:第2回で立案した実験計画を実施し結果および実験の過程を評価する。キーワード:評価,検定,改善案第4回 【計画と代替案2】:簡易脳波計を用いた状態評価について、実験計画を立案するキーワード:実験計画,代替案の立案,代替案の評価,因子,水準,条件第5回 【実験と評価2】:第4回で立案した実験計画を実施し結果および実験の過程を評価する。キーワード:評価,検定,改善案第6回 【計画と代替案3】:モデル撮影における作業評価について、実験計画を立案するキーワード:実験計画,代替案の立案,代替案の評価,因子,水準,条件第7回 【実験と評価3】:計画3で立案した実験計画を実施し結果および実験の過程を評価する。キーワード:評価,検定,改善案

授業の方法

授業の手法の特徴

講義(単方向) 授業内容を記した紙媒体資料を配布

講義(双方向) 授業内容についてのミニレポートの実施

演習(単独) シミュレーション型教材による、試行錯誤を含む自律的な学習を支援

大村平(2003)『QC数学のはなし』日科技連大村平(2006)『改訂版統計解析のはなし』日科技連石村園子(2004)『数学入門』共立出版

次の2つのポイントで評価する(合計100点満点)課題 60点(各回20点で3回実施の予定)試験 40点授業の内容を応用し、問題解決策を立案してもらう(提出はレポート形式とする)

演習(グループ) 小グループによるディスカッション(5~10分程度)実施

その他

・毎回、シミュレーション型教材を用いて自律的な演習を実施する。(ファイルはダウンロードも可能)・毎回、小グループでの統計的手法についてのディスカッションを求める(複雑な内容を簡潔に伝達・理解・合意を形成する演習)。・毎回、授業の内容,質問および感想を記した「感想シート」の作成・提出を求める(簡潔に表現する演習)。

毎回、授業の要約・質問や感想を記入した「感想シート」を作成してもらい、これをフィードバックとして、授業の進捗状況等を管理する。

「ものつくり」に関連する事務経験があることが望ましいが、経験の有無によらず「ものつくり」に強い興味・関心のある受講者を希望する。

紙媒体資料、シミュレーション教材を配布し、実験材料および機材を提供する。

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ユニット名 科目名 デジタル製品開発特論

担当教員

項目

授業の概要

授業の目的・狙い

到達目標

使用方法

演習(単独)

演習(グループ)

最低到達レベル• デジタルエンジニアリングの基本的な考え方とプロセスについて理解する。• CAEの代表的な手法であるFEMの基礎を理解する。• CAEツールを活用し、構造力学解析、伝熱解析、流体解析などの基本的な解析ができる。上位到達レベル• 対象物のCAE解析を自らの設定によって実施し、設計の評価ができる。• CAEによる解析結果を活用して、目的に合わせた設計の最適化ができる。

授業の手法の特徴

PPTを用いた説明

 

シミュレーションソフトウェアを使った解析演習

 

履修証明プログラムシラバス        『製品開発プロセス』個別科目案内

舘野寿丈

現在の機械・電気製品の設計開発では、デジタル技術が駆使されており、たとえば構造力学解析や伝熱解析など、有限要素法(FEM)に代表されるシミュレーション解析による評価を行いながら製品開発するいわゆるCAE(Computer- aided Engineering)のプロセスが主流となってきている。この授業では、特に3次元形状モデルをベースにした工学解析によって設計開発を進めるプロセスを、実習を交えて体系的に説明する。毎回の授業では、講義に合わせて3次元CADに含まれる解析ツールを用いた演習を行い、理論と実際とが対応づけられて理解されるようにする。

実線編

授業の内容

講義はPPTの資料に基づいて行い、必要に応じて資料を配布する。毎回の授業において、簡単な演習を実施する。

内容

授業の方法

第8回:流体解析水や空気の流れは複雑で、計算機によるシミュレーションが有用である。流体解析での計算手法について概要を説明し、簡単な形状を対象にした演習を行う。

この授業では、FEM等の工学解析を駆使しながら製品設計を進めていく、いわゆるCAEを活用した設計開発のプロセスを体系的に習得できる。具体的には、学習者はこの講義を通じて以下の知識・能力を習得できる。1. 工学解析を活用して設計開発する一連のプロセス2. FEMによる構造解析3. FEMによる熱・流体解析4. 機構運動解析5. シミュレーションに基づく設計最適化

その他

講義(単方向)

講義(双方向)

第1回:有限要素法製品の力学的な特性や熱・流体特性を評価するには、計算機シミュレーションが欠かせない。このような解析を活用して設計を進めるデジタルエンジニアリングの概要について説明する。また、工学解析の代表的な手法であるFEMについて説明する。

第7回:伝熱解析FEMによる基本的な流れ解析の理論を説明する。伝熱解析での計算手法について説明し、簡単な形状を対象にした演習を行う。

第6回:設計演習(1):構造解析必要な強度を持つ構造物の設計演習を行う。

第5回:落下解析(動解析)製品の強度解析には、静的な強度と、動的な強度との両面からの解析が必要である。動的な強度解析の方法の一つとして落下解析について説明し、簡単な形状を対象にした演習を行う。

第4回:固有値解析機械的特性の一つである振動は、製品の運動特性や発生する音などに関係し、機械設計において重要である。固有振動数解析の計算手法について説明し、簡単な形状を対象にした演習を行う。

第3回:非線形解析実際の製品で使用される材料は、非線形の力学的特性を持つ。非線形の特性を考慮した強度や変形の解析について説明し、簡単な形状を対象にした演習を行う。

第2回:静解析製品の機械的特性は、形状に強く関係する。形状設計するためのCADと工学解析により設計をするCAEとの関係について説明する。また、構造解析における静解析の計算手法について説明し、簡単な形状を対象にした演習を行う。

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課題

受講準備

履修条件

テキスト・教材

参考書

成績評価

次の2つのポイントで評価する(合計100点満点)• レポート課題 20×3=60点第6回、第10回、および第13回に実施する設計演習課題での成果物をレポートとして1週間以内に提出する。• 最終試験 40点第15回の講義終了後に試験を行う。試験を同等のレポート提出とする場合もある。

• LMSで配布する.

授業中に完了できなかった演習課題の実施

• 金沢大学設計教育グループ、3次元CAD・CAM・CAEを活用した創造的な機械設計、日刊工業新聞社(2009)• 泉聡志・坂井信介、理論と実務がつながる実践有限要素法シミュレーション、森北出版(2010)

筆記試験を実施する

第6回、第10回、および第13回に実施する設計演習課題での成果物をレポートとして1週間以内に提出する。

Wordにより文章が作成できること。Excelによるグラフ作成ができること。3D-CADによる形状モデリングができること。(プロトタイピング工学特論を受講済みであることが望ましい)

第12回:ダイナミクス解析機構解析の動解析について説明し、簡単な形状を対象にした演習を行う。

第11回:キネマティクス解析機構の説明と機構解析の必要性について説明する。機構解析の静解析について説明し、簡単な形状を対象にした演習を行う。

第10回:設計演習(2):熱・流体解析伝熱解析と流体解析を連成させて、要求される熱収支を満足する形状を得る設計演習を行う。

第9回:熱流体連成解析関係する複数の物理挙動を同時に解析する連成解析について説明する。連成解析の一つである伝熱解析と流体解析を連成させた解析について説明し、簡単な形状を対象にした演習を行う。

第14回:最適化の考え方工学解析の結果に基づいて設計解を得る方法である最適化のプロセスについて説明する。簡単な形状を対象に最適化の設計演習を行う。

第15回:多目的最適化複数の目的を満足する設計解を得る方法である多目的最適化のプロセスについて説明する。簡単な形状を対象に多目的最適化の設計演習を行う。

第13回:設計演習3:機構解析機構解析を行いながら要求される動的運動特性を持つ機構を得る設計演習を行う。

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ユニット名 科目名 設計工学プロトタイピング特別演習

担当教員

項目

授業の概要

授業の目的・狙い

到達目標

使用方法

第1回:戦略策定(1):メンバーの構成製品企画においてはチームの強みや弱みなど特長を考慮しながら実現可能な計画を進める必要がある。チームを組織し、メンバーの自己紹介を行って、チームの特長を把握する。

第7回:基本構造の作成(1):基本構造の試作実体の中で最も重要な機能に関係する構造を抽出する。その構造から試作を開始する。試作は常に複数の選択肢を持ちながら進める。

第6回:実体・詳細設計(2):概念設計書の作成構造を実体とするためには、一部の部品やモジュールの調達を必要とすることが多い。その調達方法や納期を含め、実際的な概略図を含む概念設計書を作成する。

第5回:実体・詳細設計(1):仕様策定複数存在する手段(構造)の中から、いくつかの実現可能な案を絞り込み、製品に求められる要求仕様として整理する。

第4回:概念設計(2):構造案の比較目的の機能を実現する手段(構造)は必ず複数存在する。可能性のある手段(構造)をできる限り多く発想し、そられについて比較検討し、性能比較表として整理する。

第3回:概念設計(1):要求機能の整理開発設計する製品に必要とされる機能を、品質機能展開等を活用して整理する。その中から最も重要となる機能の選定を行う。

第2回:戦略策定(2): ゴールの設定チームの特長を考慮して、本授業内で達成させる設計開発対象のゴールを設定する。

第8回:基本構造の作成(2):動作確認試作物の動作確認を行い、仕様に照らし合わせて十分な性能が出ているかどうかを確認する。

この授業では、設計工学特論とプロトタイピング工学特論で学んだ設計開発手法について、演習を通じて理解を深めるとともに、実際上の問題と有効性を理解する。具体的には、学習者はこの講義を通じて以下の知識・能力を習得できる。1. チームの特徴と設計開発条件を考慮した製品企画2. 提案製品の機能分析3. 3D-CAD,ラピッドプロトタイピング,組み込みシステム等を活用した製品設計・開発4. チームワークとプロジェクトスケジューリング5. 製品のドキュメンテーションとプレゼンテーション

その他

講義(単方向)

講義(双方向)

実線編

授業の内容

演習はPBL形式で行われるが、毎回の授業開始時に当該週の活動内容と提出物についてPPTの資料に基づいた説明がされる。設計開発対象物はチームのディスカッションに基づいて決定されるが、開発設計プロセスについては指導に基づいて進行する。必要に応じて資料を配布する。

内容

授業の方法

履修証明プログラムシラバス        『製品開発プロセス』個別科目案内

舘野寿丈

製品の設計とプロトタイピングによる検証・評価は一巡のプロセスで済ませることが理想だが、実際には何度か繰り返しながら仕上げるプロセスを生ずる。しかも、プロトタイピングの過程で不測の問題を生じたり、要求項目を変更せざるを得ない場合も生じたりする。このようにダイナミックに変化する状況のなかで製品を作り上げる開発設計演習を実施する。この授業はPBL形式で実施し、提示された一つの課題を対象に機能とデザインの両面からチーム設計を進めていく。演習を通じて、設計工学特論・プロトタイピング工学特論で学んだ知識を実際に活用するとともに、設計開発プロセスの実際上の問題や有効性が認識されるよう行うことを方針とする。

演習(単独)

演習(グループ)

最低到達レベル• 設計工学特論とプロトタイピング工学特論で学んだ設計開発手法を対象課題に適用しながら、設計開発を進めることができる。• 設計チームのメンバーとして、担当の役割を遂行する。• 設計開発した製品を説明するドキュメント作成とプレゼンテーションを行う。上位到達レベル• チーム活動に積極的に参加し、チームメンバーの意思疎通を図り、成果物のレベル向上に貢献する。

授業の手法の特徴

PPTによる活動内容の説明

設計開発時に発生する事象に対する解決策の説明

週報、報告書の作成

チームによる対象物の企画、設計、試作

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課題

受講準備

履修条件

テキスト・教材

参考書

成績評価

第14回:ドキュメンテーション(2):レポート作成個人単位でのプロジェクトへの関わり方等に関して考察し、報告書にまとめる。

第15回:プレゼンテーション:発表準備・発表設計開発した試作機を紹介するプレゼンテーションの資料作成を行う。プレゼンテーションはチームで一つとし、すべてのメンバーが資料作成の一部を担当するようにする。

第13回:ドキュメンテーション(1):ドキュメントの整理これまでのプロジェクトの推移を一つの報告書にまとめる。チーム内で反省会を行って、成果物の評価、プロジェクトプロセスの評価を行う。

第12回:試作機の改良(2):動作試験最終試作の動作試験を行い、仕様に照らし合わせて要求機能が満足されているかどうかを評価する。可能な限り定量評価を試みる。

第11回:試作機の改良(1):修正設計試作機の修正設計をおこなって、最終試作機を設計・試作する。

第10回:試作機の作成(2):動作試験一次試作の動作確認を行い、修正箇所を検討する。検討においては、複数のバリエーションを比較する形で行う。

第9回:試作機の作成(1):設計と試作基本機能を含む試作機全体の設計・試作を行う。3D-CADやラピッドプロトタイピングを有用に活用する。試作は複数のバリエーションを持たせて作製する。

毎週、グループ毎に週報を提出する。各人必ず1回は週報作成担当となる。第14回の演習終了後に、開発した試作機に関するレポートを個人で作成し、1週間以内に提出する。

設計工学・プロトタイピング工学特論を受講済みであることが望ましい

次の3つのポイントで評価する(合計100点満点)• 週報 5×8=40• 個人レポート課題 30点• プレゼンテーション試験 30点第15回の終了後、試験として、開発した試作機についてのプレゼンテーションを行う。

• LMSで配布する.

チーム内で設定した分担課題を完了しておく

プレゼンテーション試験を行う