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1 / 14 16 回日韓業務交流 2013 5 29 国立中央図書館非図書資料の収集・整理・利用 韓国国立中央図書館 チョン・ヨンソク(資料収集課司書事務官)* パク・イルシム(国家書誌課司書事務官)* イ・シヨン(デジタル情報利用課主務官)* . はじめに 国立中央図書館は、『図書館法』第 20 条(図書館資料の納本)第 1 1 に基づき、国内で 発行・製作する国家文献 2 最近、全世界的に出版・製作環境がオンライン製作へと徐々に変化するに伴い、オンラ イン資料は急増する一方、非図書資料の製作量は徐々に減少する傾向にあります。これに 伴い非図書資料の収集点数も徐々に減少しています。また非図書資料は、過去に収集した 資料の保存年限及び再生機器の変化による再生の難しさ等のさまざまな問題が内在してい ます。 資料(オンライン資料を除く)について 2 部ずつ、納本によって 網羅的に収集しています。 今回の韓日国立図書館業務交流では国立中央図書館の非図書資料収集・整理・利用現況 について簡単にご報告いたします。 . 非図書資料の定義 2.1 用語 非図書資料は図書資料に対応して使用する用語で、視聴覚資料、マイクロ形態資料、電 子資料(オンライン資料を除く)をいいます。通常、非図書資料、非印刷資料、非印刷媒 体、視聴覚資料、特殊資料、特殊媒体等の語で表現したりしています。 また非図書資料はその特性上、媒体により資料の内容が異なり、現在は情報技術の発達 によって相互に融合するマルチメディアの特性も内包しており、多様な概念があるため、 特に用語を区分せずに使用しています。 *チョン・ヨンソクが非図書資料の収集について、パク・イルシムが整理、イ・シヨンが利用についてそ れぞれ発表する。 1 20条(図書館資料の納本)①何人も図書館資料(オンライン資料を除外する。以下本条において同じ。) を発行又は製作した場合、その発行日または製作日から30日以内に図書館資料を国立中央図書館に納本し なければならない。修正増補版である場合にも、同様とする。 2 訳注:「国家文献」とは、「国立中央図書館蔵書開発政策」(2011年)によれば以下の通りである。「国内 外で生産•流通している『図書館法』で規定された図書館資料を、図書館が多様な方法により開発 •収集• 登録•保存する蔵書であり、知識世界及び記録文化の歴史性、累積性、体系性、価値性を担保する大韓民国 の知識文化遺産に係る集合的な概念とアイデンティティを意味する」。

国立中央図書館非図書資料の収集・整理・利用...国立中央図書館で使用する非図書資料の種別区分コードは、「媒体種別」「収録容器種別」

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    第 16 回日韓業務交流 業 務 交 流 Ⅱ 2013 年 5 月 29 日

    国立中央図書館非図書資料の収集・整理・利用

    韓国国立中央図書館 チョン・ヨンソク(資料収集課司書事務官)* パク・イルシム(国家書誌課司書事務官)* イ・シヨン(デジタル情報利用課主務官)*

    1. はじめに

    国立中央図書館は、『図書館法』第 20 条(図書館資料の納本)第 1 項 1に基づき、国内で発行・製作する国家文献 2

    最近、全世界的に出版・製作環境がオンライン製作へと徐々に変化するに伴い、オンラ

    イン資料は急増する一方、非図書資料の製作量は徐々に減少する傾向にあります。これに

    伴い非図書資料の収集点数も徐々に減少しています。また非図書資料は、過去に収集した

    資料の保存年限及び再生機器の変化による再生の難しさ等のさまざまな問題が内在してい

    ます。

    資料(オンライン資料を除く)について 2 部ずつ、納本によって網羅的に収集しています。

    今回の韓日国立図書館業務交流では国立中央図書館の非図書資料収集・整理・利用現況

    について簡単にご報告いたします。 2. 非図書資料の定義

    2.1 用語

    非図書資料は図書資料に対応して使用する用語で、視聴覚資料、マイクロ形態資料、電

    子資料(オンライン資料を除く)をいいます。通常、非図書資料、非印刷資料、非印刷媒

    体、視聴覚資料、特殊資料、特殊媒体等の語で表現したりしています。 また非図書資料はその特性上、媒体により資料の内容が異なり、現在は情報技術の発達

    によって相互に融合するマルチメディアの特性も内包しており、多様な概念があるため、

    特に用語を区分せずに使用しています。

    *チョン・ヨンソクが非図書資料の収集について、パク・イルシムが整理、イ・シヨンが利用についてそ

    れぞれ発表する。 1 第20条(図書館資料の納本)①何人も図書館資料(オンライン資料を除外する。以下本条において同じ。)を発行又は製作した場合、その発行日または製作日から30日以内に図書館資料を国立中央図書館に納本しなければならない。修正増補版である場合にも、同様とする。 2 訳注:「国家文献」とは、「国立中央図書館蔵書開発政策」(2011年)によれば以下の通りである。「国内外で生産•流通している『図書館法』で規定された図書館資料を、図書館が多様な方法により開発 •収集•

    登録•保存する蔵書であり、知識世界及び記録文化の歴史性、累積性、体系性、価値性を担保する大韓民国

    の知識文化遺産に係る集合的な概念とアイデンティティを意味する」。

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    2.2 非図書資料の種別区分コード

    国立中央図書館で使用する非図書資料の種別区分コードは、「媒体種別」「収録容器種別」

    「内容種別」が混在しています。したがって収集段階ではその種別区分コードを付与しづ

    らい側面がありますが、韓国目録規則 4(KCR4:Korean Cataloging Rules4)の種別区分コードを基準として、「録音資料」「地図資料」「映像資料」「画像資料」「電子資料」「立体

    資料」「マイクロ資料」に区分して使用しています。種別区分コードは以下の通りです。

    韓国目録規則 4(KCR4:KoreanCatalogingRules4) 国立中央図書館収集業務

    地図資料 一枚ものの地図、壁地図、地球儀、天球儀、地形模型 一枚ものの地図、壁地図、地球儀

    録音資料

    - サウンドディスク資料: 音盤、音盤、サウンドレコード ․ EP(45 回転小型音盤) ․ SP(1 分間 78 回転) ․ LP(331/3 回転) - サウンドテープ 録音カードリッジ、録音カセット、音盤、録音テープ

    リール、サウンドトラックフィルム、録音シート、録

    音リール

    音盤(LP)、カセットテープ、コンパクトディスク

    画像資料

    絵、絵はがき、掛図、放射線写真、複製画、写真、設

    計図、スライド、原画、立体写真、チャート、トラン

    スペアレンシー、版画、ポスター、フラッシュカード、

    フリップチャート、フィルムストリップ、フィルムス

    リップ

    絵、写真、スライド、視覚

    及びグラフィック、トラン

    スペアレンシー、パンフレ

    ット、リーフレット、一枚

    ものの資料、チャート

    映像資料

    -映画:フィルムカードリッジ、フィルムカセット、フィルムリール -ビデオ録画資料:ビデオカードリッジ、ビデオカセット、ビデオディスク、ビデオリール

    映画フィルム、ブルーレ

    イ、ビデオテープ、DVD

    電子資料 [CD-ROM型]

    電子ディスク、電子光ディスク、電子ディスクカード

    リッジ、電子チップカードリッジ、電子カード、電子

    テープリール、電子テープカセット、電子テープカー

    ドリッジ

    CD-ROM、DVD-ROM

    立体資料 建物、石塔、石燈、碑、付図、模型、標本 実物、縮小物、オブジェク

    ト[透視画、模型、プラネタリウム]

    マイクロ

    資料

    マイクロフィルムリール、マイクロフィルムカセッ

    ト、マイクロフィルムカードリッジ、マイクロフィッ

    シュ、マイクロオペーク、アパチュアカード

    マイクロフィルム、マイク

    ロフィッシュ

    楽譜 声楽譜、合奏譜、クロース・スコア、パート譜、ミニチュアスコア等 楽譜(ピース)

    キット キット

    3. 非図書資料の収集現況

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    国立中央図書館は非図書資料の製作・刊行周期により、資料収集課と連続刊行物課でそ

    れぞれ収集業務を担当しています。この報告では、当館で収集している単行本の性格を持

    つ非図書資料のうち、視聴覚資料、マイクロ形態資料及びオフライン型電子資料を中心に

    収集現況を分析しました。 2003~2012 年までの 10 年間に収集された非図書資料の種別を調べてみると、地図資料、

    録音資料、画像資料、映像資料、電子資料、立体資料、マイクロ資料、楽譜、キット等で

    す。これらの大部分は納本を通じて収集しており、その他に寄贈、交換及び独自製作生産

    により収集しています。 3.1 納本

    納本を通じて収集する非図書資料の収集現況は以下の通りです。 3.1.1 地図資料

    地図資料の場合、一枚ものの地図の収集が 2009 年度から継続して増加しましたが、これは国土地理情報院が製作した地図を積極的に収集した結果と思われます。壁地図の場合、

    2005 年度に集中的に収集して以降、球体とともに減少傾向にあります。 3.1.2 録音資料

    録音資料のうち、アナログ録音方式の媒体である LP 音盤については、過去 10 年間、全く収集していません。カセットテープも 2000 年代序盤から 2006 年までは一般的な形態として収集されましたが、2007 年から急激に減少しています。これは音盤市場の音源録音方式がアナログからデジタルに変わり、収録媒体が小型化し、演奏時間は 2 倍に倍増して原音に近い音で再生される機能を持ったコンパクトディスク(CD)が主要録音資料として製作されていることがわかります。 3.1.3 画像資料

    初期の非図書資料の形態である画像資料としては、絵、写真、スライド、視覚及びグラ

    フィック資料、トランスペアレンシー、パンフレット、一枚ものの資料、チャート等が該

    当しますが、過去 10 年間では最も製作、発行量が低調でした。 3.1.4 映像資料

    映像資料のうち、映画フィルムは、韓国映像資料院において法的に収集されており、当

    館には納本されていません。一方、ブルーレイ型の資料が 2010 年から製作され、納本されています。映像資料は、ビデオテープとビデオ CD が 2000 年代序盤から大量に収集されましたが、2008 年からは減少しています。2000 年代中盤からは DVD が映像資料の代表的な媒体としての位置を占めています。 3.1.5 電子資料(オフライン形態)

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    当館が収集する電子資料のうち、非図書資料の範疇に属する代表的な資料は CD-ROM とDVD-ROM です。CD-ROM は過去 10 年間、代表的な電子媒体として収集しており、DVD-ROM は 2009 年から収集し始めました。 3.1.6 その他

    立体資料、マイクロ資料、楽譜、キット等の非図書資料は音盤、映画フィルム、画像資

    料とともに、過去 10 年間、収集されていません。これは情報技術の発達によって、媒体の小型化、大容量化の趨勢に伴って新しい媒体が出現したためと思われます。

    [表-1]納本による非図書収集の現況

    媒体別 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

    地図資料 一枚ものの地図 290 126 88 405 140 2,050 29,536 8,667 19,880 19,232

    球体 6

    録音資料 音盤(LP) 8 カセットテープ 8196 6950 7672 5732 3714 2,882 1,680 1,472 628 361 コンパクトディ

    スク 4348 5030 3307 7128 10358 12,542 8,468 8,507 5,844 5,186

    映像資料

    絵 写真 63 スライド 視覚及びグラフ

    ィック 24 62 32 88 86 30 10 16 トランスペアレ

    ンシー パンフレット、

    リーフレット、

    一枚ものの資料 938 48 60 50 16 2 8

    チャート 18

    映像資料

    映画フィルム ブルーレイ 598 266 878 ビデオテープ 13695 5837 4952 6298 1792 18 344 719 12 ビデオ CD 974 544 84 30 78 118 8 417 21 80

    DVD 2891 10585 16776 20796 27460 30,216 37,655 40,461 25,635 28,391

    電子資料 CD-ROM 4137 3903 5182 3435 2897 4,198 5,797 4,350 3,160 2,762 DVD-ROM 217 633 299 355

    立体資料

    実物 42 4 縮小物 2 オブジェクト

    [模型、プラネタリウム]

    4

    マイクロ

    資料

    マイクロフィル

    ム マイクロフィッ

    シュ

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    楽譜 楽譜(ピース) 22 キット キット 475 92 10 合計 34,549 33,035 40,291 43,998 46,605 52,174 83,753 65,860 55,813 57,263 3.2 寄贈

    個人文庫の誘致と当館未所蔵資料の寄贈活動等を通して、多様な形態の非図書資料を収

    集しました。2000 年代初めにはピース楽譜を収集し、その他にも録音資料、映像資料及び電子資料等を収集しました。

    [表-2] 寄贈による非図書収集の現況

    媒体別 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

    地図資料 一枚もの地図 17

    録音資料 音盤(LP) 221 1,198 157 449 115 447 カセットテープ 394 432 4 105 170 13 コンパクトディス

    ク 94 20 737 78 15 514 4

    画像資料

    絵 2 5 1 112 4 76 写真 15 20 4 136 スライド 412 視覚及びグラフィ

    ック 21 2

    トランスペアレン

    シー 13 パンフレット・リ

    ーフレット・1 枚もの資料

    3 3 1 58 12

    映像資料

    映画フィルム 1 ビデオテープ 45 112 52 16 78 50 ビデオ-CD 3 6

    DVD 220 1 12 389 3 195 電子資料

    CD-ROM 62 41 176 183 11 DVD-ROM 60

    立体資料

    実 物 1 3 30 縮小物 2 オブジェクト[模型・プラネタリウ

    ム] 5

    マイクロ資料

    マイクロフィルム 11 マイクロフィッシ

    ュ 楽譜 楽譜(ピース) 39,290 110,328

    計 39,290 110,345 962 1,905 300 2,131 1,018 29 1,478 12

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    3.3 交換

    当館は、海外の主要国との資料交換を通じて、海外の政府刊行物及び国際機関の刊行物

    を集中的に収集しています。 特に、米国議会図書館との資料交流を通じて、米国 GPO 資料をマイクロフィッシュ形態で収集しています。

    [表-3] 交換による非図書収集の現況

    媒体別 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

    録音資料 カセットテープ

    1

    4

    コンパクトディスク

    5 5 3

    149

    映像資料 DVD

    58

    7 63 25

    46 21

    電子資料 CD-ROM 52 319

    179 422 208

    38 10

    マイクロ

    資料

    マイクロフィル

    ム 315

    マイクロフィッ

    シュ 22,835 3,568 2,500 2,588 1,350 3,673 3,052 2,653 2,317

    計 52 23,212 3,568 2,500 2,779 1,840 3,910 3,052 2,741 2,812

    3.4 独自製作により生産した非図書資料の現況

    当館では、国内外の古文献、貴重文献等を対象に、画像資料、映像資料、マイクロ資料

    等の非図書資料を独自に製作し、生産しています。 3.4.1 国立中央図書館所蔵資料の独自生産

    古文献(古書・古文書)及び朝鮮文資料等の貴重書をマイクロフィルム化しており、毎

    年同じくらいの量を製作しています。

    [表-4] 独自生産(館内)による非図書資料収集の現況

    媒体別 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

    画像資料

    写真

    2

    パンフレット・リ

    ーフレット・一枚

    もの資料 2

    映像資料 ビデオテープ

    6

    DVD 7,948

    2

    16 15

    電子資料 CD-ROM

    6 10

    マイクロ

    資料

    マイクロフィルム 471 467 525 450 352 720 360 338 529 マイクロフィッシ

    ュ 計 8,419 467 525 450 370 730 360 354 544

    3.4.2 海外所在韓国関連資料の資料生産

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    海外所在の韓国関連資料と「蔵書閣 3」及び「奎章閣 4

    」所蔵の古書の中から、当館で所蔵

    していない古書をマイクロフィルム形態、CD-ROM、DVD等の資料に影印し製作しています。

    [表-5] 独自生産(館外委託)による非図書収集の現況

    媒体別 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012

    映像

    資料 DVD

    168 542 734 904

    電子資料 CD-ROM

    16,028

    1,530 642 1,244 558

    マイクロ資

    マイクロフィ

    ルム 28 143 107

    661 744 855

    マイクロフィ

    ッシュ 計 0 16,028 28 1,673 749 1,244 1,387 1,286 1,589 904

    3.5 非図書資料の変化にともなう収集基準の整備

    過去 10年間の国立中央図書館における非図書資料収集の変化についてご覧いただいたとおり、非図書資料の資料形態は電子的媒体に変化してきたことがわかります。 特に、情報

    媒体環境の急速な変化とともに、音盤資料は音源に代替され、カセットテープ等の容器に

    入れて製作されてきた非図書資料は、ウェブを通じた映像や動画資料に代替されているの

    が現実です。また、語学教育用資料は動画や e-ラーニング資料に代替される等、非図書資料の製作環境が変化しています。

    国立中央図書館は現在、「国立中央図書館非図書資料の収集基準」の整備を計画してい

    ます。すなわち、過去 10 年間の出版界における非図書資料の製作環境の変化を受け入れ、「国立中央図書館蔵書開発政策」、「非図書資料収集マニュアル」を 再整備しようと考え

    ています。

    4 非図書資料の整理

    国立中央図書館は、収集した資料を国立中央図書館資料登録規定(1969 年 3 月 26 日制定、2013 年 2 月 28 日改定)、国立中央図書館資料整理規定(1965 年 9 月 20 日制定、2013年 2 月 18 日改定)により整理しています。

    4.1 整理対象非図書資料

    対象資料:国立中央図書館資料登録規定第 4 条(登録区分)第 5 号により、資料収集課において登録区分コードとして「AV」を付与した資料を対象としています。

    国立中央図書館資料登録規定第 4 条(登録区分) ⑤冊子形態以外の資料で、録

    音資料、映像資料、地図、マイクロ形態資料、電子資料、実物資料、その他、非

    冊子形態の資料をいう。非図書資料と図書が一つの複合資料を構成して出版、製

    作されている場合、以下の各号の資料は非図書資料として区分する。 3 訳注:韓国学中央研究院の傘下にある、李氏朝鮮時代の王朝の図書館。参考URL:http://intl.aks.ac.kr/japanese/viewforum.php?f=82 4 訳注:ソウル大学の傘下にある、李氏朝鮮の王立図書館。現代では朝鮮の歴史的記録物の重要な所蔵庫として機能している。参考URL:http://kyujanggak.snu.ac.kr/kiks/index.do

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    1.物理的形態や内容上、独立して利用することが可能な非図書資料の形態物 2.物理的形態や内容上、主たる資料を判定することが困難な非図書資料を含む複合

    資料

    4.2 整理の標準的ツール

    ○ 分類:韓国十進分類法 5 版(KDC、Korean Decimal Classification) ※芸術分野(600):国立中央図書館独自の拡張展開表を使用

    ○ 目録:韓国目録規則 4 版(KCR、Korean Cataloging Rules) ○ フォーマット:韓国文献自動化目録フォーマット-統合書誌用(KORMARC) 4.3 資料種別ごとの媒体区分及び別置記号

    ○ 資料種別ごとに媒体を区分し請求記号に別置記号を付与して、媒体別に書架に排列され

    るようにする。 資料種別 媒体区分 別置記号 その他

    地図資料 1 枚もの地図 MA ○ 区分法 - 壁に掛けること

    ができる穴があ

    れば壁地図 - 穴がなければ 1

    枚もの地図

    壁地図 MB 地球儀 MC

    画像資料 原画、複製品、写真、図面、郵便葉書、ポスター、絵葉書

    LC

    映像資料 フィルムカートリッジ VA フィルムカセット VB フィルムリール VD ビデオカートリッジ VS ビデオカセット VT ビデオディスク VU ビデオリール VW レーザーディスク VX Digital video disc (DVD) PD ブルーレイディスク PE

    コンピュー

    タ資料 デジタルテープ OA デジタルディスク OB デジタルカセット OC デジタルカートリッジ OD デジタルビデオディスク(DVD) PD ブルーレイディスク PE

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    録音資料 音響カートリッジ SA 音響カセット SB デジタルオーディオテープ SC コンパクトディスク SD 音響テープ(Sound reel) SE 音盤(Sound disc) SG 楽譜(総譜) NA 楽譜(ピース)5 NB

    マイクロ資

    料 マイクロフィッシュ XA マイクロカートリッジ XB マイクロカセット XC マイクロリール XE スライド XU

    4.4 資料種別ごとの主要な整理指針

    1)共通記述事項:タイトルと責任表示に関する事項、版に関する事項、出版に関する事項、形態に関する事項、シリーズに関する事項、注記に関する事項、標準番号 2)請求記号の構成:別置記号、分類記号(KDC5 版)、図書記号(N 年度 - 一連番号) 例)1 枚もの地図:MA911.056-N12-1 4.4.1 地図資料

    1)情報源の優先順位:題字欄、題字欄以外、保管容器、支柱、地図資料以外の情報源 2)資料種別(GMD):地図資料 3)主要事項 ○ 複本処理:複本調査の際、発行日付まで確認し、「日付」が異なる場合は新しい資料と

    して処理 ○ 本文の言語表示:地名が2以上の言語で表記されているものは、本文の言語を表示

    例)서울, Seoul → 0410 $akor$aeng ○ 形態に関する事項:地図の枚数、図数、色彩、大きさ

    例)300 $a 地図 1 枚: $b 天然色: $c 94x64cm 折りたたみ 20x17cm ※1 枚もの地図の大きさを測定するのが難しい場合、「全紙」という用語を先に記述 4.4.2 画像資料

    1)情報源の優先順位:タイトル面、タイトルフレーム、タイトル欄、絵や写真などの裏面、資料以外の情報源 2)資料種別(GMD):画像資料、graphic materials 3)主要事項 ○ タイトルに関する事項 5 訳注:パート譜

  • 10 / 14

    -写真 - タイトルが記述されていない場合、展示名、寄贈者名などを記述 - 未発表(未公開)写真は、被写体や内容を元にタイトルを作成し記述 -美術作品 - 現代作品は最初に展示されたとき付けられたタイトル - 通称や、伝わってきたタイトル - 所蔵機関が付与したタイトルを記述 ○ 責任表示に関する事項:撮影者、画家などを記述 ○ 出版に関する事項:製作年、撮影年度を(製作)、(撮影)という語句を付記して記述 4.4.3 映像資料

    1)情報源の優先順位:映像画面、レーベルのタイトル、容器のタイトル、資料以外の情報源 2)資料種別(GMD):映画、ビデオ録画資料、motion picture、videorecording 3)主要事項 ○ タイトル:画面にタイトルがない場合、タイトルを採択した情報源を注記に関する事

    項に記述 例)本タイトルはレーベルのタイトルである

    ○ 責任表示に関する事項 - 撮影者、監督、演出者、原著作者を表示 - 演技者など、配役陣は「配役:」表出語を前において注記事項に表示

    例)511 1 $a최민식(대수 역), 유지태(우진 역), 강혜정(유진 역)6

    ○ 放送物:放送日時を表示 ○ 形態に関する事項:特定資料種別と数量、再生時間(例:ビデオディスク 1 枚(約 60

    分)) ○ システムに関する事項は、「資料形態 ; 音響特性 ; 画面比率 ; TV 走査方式 ; 地域コ

    ード ; レイヤー」の順に注記 例)DVD-Video ; Dolby digital mono ; 4:3 fullscreen ; NTSC ; 地域コード: 3 ; dual layer 4.4.4 コンピュータ資料

    1)記述対象範囲:コンピュータやワードプロセッサで処理できるデータファイル及びプログラムファイル 2)情報源の優先順位:レーベルのタイトル、内部情報源(タイトル画面、メインメニュー、プログラムの説明、最初の画面、ファイルのヘッダ等)、ファイルの製作者が作成した参照

    マニュアル、利用者マニュアル、ガイドブック、その他の情報源等 3)資料種別(GMD):電子資料、electronic resource 4)主要事項

    6 訳注:511 1 $aチェ・ミンシク(テス役), ユ・ジテ(ウジン役), カン・ヘジョン(ユジン役)

  • 11 / 14

    ○ 責任表示に関する事項:製作者、プログラム設計者、プログラマ、開発者、原案者等

    を記述 ○ 版に関する表示:電子資料の edition、issue、version、release、level、update、アプ

    リケーションプログラム、OS を記述 ○ 形態に関する事項:特定資料種別と数量を記述

    例)電子光ディスク(CD-ROM)3 枚 4.4.5 録音資料

    1)情報源の優先順位:ディスク(ディスクとレーベル)、テープ(リールとレーベル)、テープカセット(カセットとレーベル)、テープカートリッジ(カートリッジとレーベル)、ロ

    ール(レーベル)、フィルムに収録された録音資料(容器とレーベル) 2)資料種別(GMD):録音資料、Sound recording 3)主要事項 ○ 本文の言語:歌、歌詞、演説文等の言語を記述 ○ 責任表示に関する事項:著者、作詞者、台本作家、作曲家、改作者、採録者、収録者、

    演奏監督、指揮者、演奏者、歌手、製作者(プロデューサー) ○ 形態に関する事項:特定資料種別と数量、再生時間

    例)音盤 3 枚(約 103 分) ○ システムに関する事項が表記されている場合、記述 ○ 音盤に収録された曲は内容注記(505 フィールド)に全て記述し、740 フィールドに副

    出する 4.4.6 マイクロ資料

    1)情報源の優先順位:リール(カバー、カートリッジ、スライド) レーベル 2)資料種別(GMD):マイクロ形態資料、microform 4.4.7 非図書資料の整理現況

    (2012 年末現在、単位:点) 資料 種別

    マイクロ

    資料 音響資料 映像資料 電子資料 地図

    その他 資料

    資料数 307,162 285,233 408,945 123,349 88,210 202,137 1,415,036 5. 非図書資料の利用

    5.1 非図書資料の所蔵現況及び管理

    1) 所蔵資料の現況 ○1,415,036 点(詳細は上記 4.3.7 非図書資料の整理現況を参照)

    2) 資料管理

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    ○デジタル図書館メディアセンターでは、音響・映像資料、CD-ROM を管理・運営し、本館の各資料室では、当該資料室の主題と特性に合ったマイクロフィッシュ・フィル

    ム、地図、その他の資料を管理して運営しています。 ○アナログ資料→デジタル媒体変換:本館の資料運営課では、2010 年、非図書資料保存処理システムを構築し、2011 年から媒体変換を開始しました。2012 年末現在、音盤(LP)、カセットテープ、ビデオテープ等、11,600 点を DVD に変換しました。変換された資料は、現在、国家書誌課において登録中であり、登録後に利用サービスを提

    供する予定です。

    5.2 資料運営管理の一般現況

    1) デジタル図書館メディアセンター ○運営人員 : 平日は 7 人(職員 2 人、非正規職 5 人)、資料の利用が比較的少ない週末

    は 6 人(職員 1 人、非正規職 5 人)がデジタル図書館メディアセンターを運営管理

    ○閲覧用資料の保管 : 電磁波遮蔽施設が備えられた地下 3 階書庫と、利用率の高い資料を保管している地下 2 階書庫に、映像・音響資料、CD-ROM 327,760 点を所蔵

    ○資料利用施設 - メディア資料利用室 : ブルーレイ、DVD、ビデオテープを、32 インチモニターで、

    個人で視聴できる座席 40 席、CD-ROM、カセットテープ等を個人で視聴できる座席8 席と、カラーと白黒のプリンターが 1 台ずつある

    - 複合上映館 : 2~4 人、3~6 人、4~8 人、6~12 人が同時に利用できる小さな上映館が4 つあり、52 インチモニターでブルーレイと DVD を利用できる座席が 30 席ある

    - 小会議室 : 映画資料を団体で観覧することができる座席が 35 席ある 2) 本館資料室

    ○主な利用資料である印刷媒体の「図書」と、資料室別の主題と特性に合ったマイクロ

    フィッシュ・フィルム等、非図書のその他の資料を備えています。マイクロ形態の資

    料については、新聞資料室と古典運営室にリーダーとプリンターを備え付けて利用で

    きるようにしました。

    5.3 非図書資料の利用

    5.3.1 デジタル図書館

    1) 利用方法 ○予約端末又はホームページのデジタル図書館予約システムで、資料、座席、時間を予

    約し、メディアセンター案内デスク又は非図書セルフ貸出機で資料を受け取り、1 回 3時間まで利用することができ、追加利用も可能です。 ※LP レコード盤 : 国立中央図書館では、所蔵している LP 盤を継続的に媒体変換しており、媒体変換された資料の整理が終われば、利用に供する予定。現在、所蔵 LP 盤は利用に供されていない。

    ※原文データベース: デジタル閲覧室において、予約を通じて利用することができる。著作権がある原文は、協定を結んだ図書館の指定された端末でも利用が可能。著作

    権がない場合は、ホームページ、国家電子図書館等において自由に利用することが

    できる。 2) 利用統計 : 利用資料数は毎年増加しており、2012年には 57,670点が利用されました(利

    用の内訳は別添の統計を参照)。

    5.3.2 本館資料室

    1) 利用方法 ○開架資料は直接利用し、閉架資料は館内の資料検索用端末で資料を申し込んだ後、当

    該資料室で利用が可能です。1 回 5 点まで申し込むことができます。

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    ※80 年代以前の放送台本、脚本、1945 年以前の楽譜は、原文データベースを構築しておらず、一部原文データベースに入っている資料は、デジタル閲覧室で利用するこ

    とができます。原文データベースにない印刷媒体の資料は、現在、原本で提供サー

    ビスを行っています。 5.4 非図書資料利用の特記事項

    5.4.1 (社)韓国映像産業協会が、刊行後 6 か月以内の映像著作物の図書館での使用料の徴収を推進

    1) 2012.9 「韓国映像産業協会」が、使用料徴収規程改正案の提出を通じ、図書館における館内/館外貸出及び館内共同利用施設での映像著作物上映について使用料の徴収を推進

    2) 2012.11 文化体育観光部長官:図書館の共同利用施設に限り、映像著作物の使用料徴収を承認

    3) 2012.12 国立中央図書館の複合上映館(2~12 人の 施設)では、刊行後 6 か月以降の資料について貸出サービス

    4) 2013.1 「韓国映像産業協会」が、使用料徴収規程改正案提出を通じて、図書館の個人用施設における映像著作物閲覧についての使用料徴収を推進

    5) 2013.5 著作権委員会において審議中 5.4.2 最も利用率が高い層は 60 歳以上で、引続き増加する勢い 5.4.3 利用者の性別比率は男性 78:女性 22 で女性利用者が非常に少ない 5.4.4 デジタル装置の老朽化及びソフトウェアのバージョンの古さにより資料利用に支障 5.4.5 演劇・映画資料とその他の資料の利用率の対比は 66:34 で、映画資料の利用に偏重

    図書館における娯楽主体の資料利用により、「ビデオ房 7

    」化するのではないかとい

    う意見が出ている

    5.5 資料利用の方向性

    5.5.1 映像資料の使用料徴収が拡大した場合、音響や図書にまで影響を及ぼしかねない。 イギリスの公共図書館のように、図書館資料の貸出時に著作権料を支払って利用しな

    ければならない状況に発展する可能性がある。これは、図書館資料の利用の萎縮をも

    たらしかねないため、対応する論理を構築する必要があると考える 5.5.2 利用率の高い 60 代以上の層に、情報活用教育の拡大を通じて、映画を通じた余暇活

    動だけでなく、もう少し多様な情報に接し活用できる機会を提供 5.5.3 女性への利用広報強化 5.5.4 デジタル装置、ソフトウェアの発展速度に合わせて、非図書資料の利用機器及びソフ

    トウェアの整備を推進

    5.5.5 研究者中心の利用サービスのための利用者の開拓を推進

    7 訳注:借りたビデオ(DVD等含む)をその場で鑑賞するための部屋、又はそのような店

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    [別添]

    (毎年 12 月 31 日基準) ○ 所蔵資料(閲覧用)及び利用資料統計

    年度 所蔵資料数 利用資料数

    2010 292,888 48,814 2011 311,508 57,188 2012 327,760 57,670 計

    163,672

    ○ 演劇、映画資料とその他の資料の利用統計

    年度 演劇、映画資料 その他の資料 演劇、映画 : その他の資

    料 (%) 2010 32,232 16,382 66 : 34 2011 37,343 19,883 65 : 35 2012 38,049 19,783 66 : 34 計 107,624 56,048 66 : 34

    ○ 性別利用者統計

    年度 男性 女性 男性 : 女性(%) 2010 18,549 5,011 79 : 21 2011 18,457 5,510 77 : 23 2012 19,218 5,468 78 : 22 計 56,224 15,989 78 : 22

    ○ 年齢別利用者統計

    区分 10 代 20 代 30 代 40 代 50 代 60 代以上 2010 374 3902 4768 4752 3994 5,706 2011 547 4517 4250 4809 4130 5,744 2012 703 4189 4398 5145 4013 6,272 計 1,624 12,608 13,416 14,706 12,137 17,722