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中{学生の自我機能導こ穣馨する醗究 97 中学生の自我機能に関する研究 一自我機能調査票を篤いた不適応生徒に対する援助方鋳の検討一 出中 本亮子(篠島大学大学院教育学麟究粉 野瞬徳(教育実践総合センター・臨床心理学) 遷代挫会の変乾認子供たちに大きな影響を与える。子どもたちの変髭を察裁機能の灘癒からとら えて,評慰することで,現代の子どもたちをよ吟深く礫解することができる.霧我1の機能に注馨し た中藷ら(嬉雛)は,自我機能の灘建のためr察我機能調査票」が麗発したG本醗究では,こ劣 懸我機能講査票達を購いて先鴛懸究のig醗年の中学生嚢我機縫と現在2§経年の中学盈の衰駿機能 を鏡鞍することによって.子どもの§我機能に変乾があるかを瞬らかにするための講査醗究を行っ た.そのうえで事辮薄象者に「§我機能調蓋票涯を馬継た援勘方鎌について考察した。諜査麟究の 結果ラ鱒奪麟と髭べ,登簿的に愛翫中学猛の「自我機能講蓋票涯での簿点が紙下していた。事例磯 究から,礫境の変化がもたらす自我機能への変位を麹実にあらわすことが聡らかとな鯵,援融方針 に欝我機能という観点を簾嫁することは.それまでの援饒方欝を修観し.難追修駕する意練もあ甑 重■要な役割を果たした。 〔キーワ一纏 霞我機能譲壷粟 不適慈隻縫 中学生 軽度発達薄書 はじめに 子どもは身体機能と認知機能を発達させながら,少 しずつ外界との接触を拡げていく。それらの発達段賠 の中で自我が芽生え,集懸生活や地者とのかかわ鯵の 中で欝我1ま基礎的な適慈技能を学習していく。藪我の 機能は外翼と内界との調整役であるから,現代鮭会の 変化に伴い,子どもの嚢我の発達も変化しているので はないかと思われる。臨旅的に援助しようとするとき, 人格の中核である霧我を機能的な灘嚢からとらえ評慰 することは大燐な観点である。 中瀬ら(欝綬b)は,「B醗欲,しが開発した自薮 機能評懸法がもっとも包括的である藩と遽べている。 建議akは統合失講症の病霞を多鐵子的心理・身体的 なものとして捉えて,自殺機能に瞳害が認められると したσB罎誌は鴛の轟我機能をあげて,自我機能と 統合失講痘の縫係を考察した。Bel簸藪のあげた捻の 自我機能は,①現実験討,②甥籔,③現実感覚,④動 聾,感精,衝動と統凝,⑤対象縫係.⑥慰考遜程,⑦ 警我による嚢我のための適癒的退行,⑧鋳衛機能,⑨ 麟激障壁.⑳携律的機能.⑪総合一統合機能⑫支醗一 有能性,である。3磁欲は.この肖我機能を評定し, どの欝我機能に欠臨があるのかを明らかにすることが 治療には不可欠であるとした。 また,ノ1、鱗(欝ε5)は,雍我の強さの灘定に関する 醗究の中で,窪窪我を機能として掘握し.その機能の 健全さないし不健全さに臠する凝念は臨床心理学では 重要である涯と遽べ.薮1我機能の灘定の意義について は,治療麗始鋳の霞我機能の灘定が死確に行えれば, その後の治療法の選毅の指標ともなると瞬時に,治療 の進展に対する予灘としての意練も持つとして,欝我 機能を灘寇することの重要性1こついて論じている。 中西ら(欝雛a〉1よ問題を持つ申・高校生の自験 機能を灘足し,再適臨の能力を響慰して捲導や治療の 方法を考察することを目的として,また,単なる鑑霧 の道具ではなく.資質や弱点を総合的に評慰し,治療 を復帰の可能性を購らかにすることを§的として霧我 機能調蓋票を灘発した。これは,B醗盈のあげた雍 我機能が評懸されるように作成されている。B磁欲 が馬継た海我機能評定法は,臨床的面接,実験的手続 き,醸成の心理検壷によって行われているが,中海ら は臨床的面接において評定に灘墾られた質問項羅とそ の評懸基準を参考に,8尺度からなる絵我機能講査 蒙」を作成した。 人賂の中核である自我を機能的な鑓旛から評慰する ことによって,不適癒状態にある魑入がどのように封 鑓しているのかを縫えることが撚来るのではないかと 患われる。特筆こ,臨床的尋こ援勘しょうとするとき,露 我機能を灘寇した結果は援勤方麟の有効な手立てにな 鯵えるであろう。 そこで本醗究では,不適慈生経への援助途中でその 方斜が適{舞であるかどうかをチェックするために,中 西(鰺綴a)が縫発した自我機能講査票を耀いること にした。さらに,この調費票を購いた事醗醗究に先立 ち.現代の中学生の露我機能をこの自我機能調査票を 解聾、て灘寇し,ig8i年の中学生と比較することで,自

中学生の自我機能に関する研究...中{学生の自我機能導こ穣馨する醗究 97 中学生の自我機能に関する研究 一自我機能調査票を篤いた不適応生徒に対する援助方鋳の検討一

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中{学生の自我機能導こ穣馨する醗究 97

中学生の自我機能に関する研究

一自我機能調査票を篤いた不適応生徒に対する援助方鋳の検討一

出中

本亮子(篠島大学大学院教育学麟究粉野瞬徳(教育実践総合センター・臨床心理学)

 遷代挫会の変乾認子供たちに大きな影響を与える。子どもたちの変髭を察裁機能の灘癒からとら

えて,評慰することで,現代の子どもたちをよ吟深く礫解することができる.霧我1の機能に注馨し

た中藷ら(嬉雛)は,自我機能の灘建のためr察我機能調査票」が麗発したG本醗究では,こ劣

懸我機能講査票達を購いて先鴛懸究のig醗年の中学生嚢我機縫と現在2§経年の中学盈の衰駿機能

を鏡鞍することによって.子どもの§我機能に変乾があるかを瞬らかにするための講査醗究を行っ

た.そのうえで事辮薄象者に「§我機能調蓋票涯を馬継た援勘方鎌について考察した。諜査麟究の

結果ラ鱒奪麟と髭べ,登簿的に愛翫中学猛の「自我機能講蓋票涯での簿点が紙下していた。事例磯

究から,礫境の変化がもたらす自我機能への変位を麹実にあらわすことが聡らかとな鯵,援融方針

に欝我機能という観点を簾嫁することは.それまでの援饒方欝を修観し.難追修駕する意練もあ甑

重■要な役割を果たした。

 〔キーワ一纏 霞我機能譲壷粟 不適慈隻縫 中学生 軽度発達薄書

蔓 はじめに

 子どもは身体機能と認知機能を発達させながら,少

しずつ外界との接触を拡げていく。それらの発達段賠

の中で自我が芽生え,集懸生活や地者とのかかわ鯵の

中で欝我1ま基礎的な適慈技能を学習していく。藪我の

機能は外翼と内界との調整役であるから,現代鮭会の

変化に伴い,子どもの嚢我の発達も変化しているので

はないかと思われる。臨旅的に援助しようとするとき,

人格の中核である霧我を機能的な灘嚢からとらえ評慰

することは大燐な観点である。

 中瀬ら(欝綬b)は,「B醗欲,しが開発した自薮

機能評懸法がもっとも包括的である藩と遽べている。

建議akは統合失講症の病霞を多鐵子的心理・身体的

なものとして捉えて,自殺機能に瞳害が認められると

したσB罎誌は鴛の轟我機能をあげて,自我機能と

統合失講痘の縫係を考察した。Bel簸藪のあげた捻の

自我機能は,①現実験討,②甥籔,③現実感覚,④動

聾,感精,衝動と統凝,⑤対象縫係.⑥慰考遜程,⑦

警我による嚢我のための適癒的退行,⑧鋳衛機能,⑨

麟激障壁.⑳携律的機能.⑪総合一統合機能⑫支醗一

有能性,である。3磁欲は.この肖我機能を評定し,

どの欝我機能に欠臨があるのかを明らかにすることが

治療には不可欠であるとした。

 また,ノ1、鱗(欝ε5)は,雍我の強さの灘定に関する

醗究の中で,窪窪我を機能として掘握し.その機能の

健全さないし不健全さに臠する凝念は臨床心理学では

重要である涯と遽べ.薮1我機能の灘定の意義について

は,治療麗始鋳の霞我機能の灘定が死確に行えれば,

その後の治療法の選毅の指標ともなると瞬時に,治療

の進展に対する予灘としての意練も持つとして,欝我

機能を灘寇することの重要性1こついて論じている。

 中西ら(欝雛a〉1よ問題を持つ申・高校生の自験

機能を灘足し,再適臨の能力を響慰して捲導や治療の

方法を考察することを目的として,また,単なる鑑霧

の道具ではなく.資質や弱点を総合的に評慰し,治療

を復帰の可能性を購らかにすることを§的として霧我

機能調蓋票を灘発した。これは,B醗盈のあげた雍

我機能が評懸されるように作成されている。B磁欲

が馬継た海我機能評定法は,臨床的面接,実験的手続

き,醸成の心理検壷によって行われているが,中海ら

は臨床的面接において評定に灘墾られた質問項羅とそ

の評懸基準を参考に,8尺度からなる絵我機能講査

蒙」を作成した。

 人賂の中核である自我を機能的な鑓旛から評慰する

ことによって,不適癒状態にある魑入がどのように封

鑓しているのかを縫えることが撚来るのではないかと

患われる。特筆こ,臨床的尋こ援勘しょうとするとき,露

我機能を灘寇した結果は援勤方麟の有効な手立てにな

鯵えるであろう。

 そこで本醗究では,不適慈生経への援助途中でその

方斜が適{舞であるかどうかをチェックするために,中

西(鰺綴a)が縫発した自我機能講査票を耀いること

にした。さらに,この調費票を購いた事醗醗究に先立

ち.現代の中学生の露我機能をこの自我機能調査票を

解聾、て灘寇し,ig8i年の中学生と比較することで,自

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盤 藏島大学教畜実践醗究紀要第磐号

我機能が変乾しているかどうかを考察した。この調査

醗究によ鯵,現代の中学生に本譜査票を適駕する際に.

霧益な藤見をもたらすと考えられる。

登 醗究の薄象と方法

藩 自我機能講査票について

 中西ら(懲毅農)が翻発した自我機能講査票は次の

8下位尺度.①SLMC(総合・統合機能一支醍・有

能彰1三),②薦(齢界と藪1己の義実感覚),③衰。働灘,

感精.衝動の麟鱗と統鱗),④()R(繋象麗係〉,⑤

董〉F(懿徳機能),⑥SB(麟激難壁〉,⑦Aぎ(欝律的

機能),⑧禦(饗実績討)と叢縫尺度からなる。質問

項襲慧合計箆㌶である。各質賜項羅の記述された内容

に絶して.自分がどの程度あてはまるかを「非常によ

くあてはまるま,ゼかなむあてはまる藩,「あまむあては

まらない薩,ゼほとんどあてはまらない涯,εまったくあ

てはまらない盛,ヂわからない」の6選択殺よむひとつ

選ぶ。採点慧下続殺度ごとに鴛われ,各質溝項額に定

められた方1鱗こ慈むて5点から重点,ゼわからな鮎弓

に3点をあたえる。下救飛縷:の篠点は.各下位尺度の

靉靆}嚢翻の得濃tを婁雛純趨1算され,各ド{窪尺箋斐の得∫慧が

高いほど該当する霞駿機能が良好であることを示し,

露蜷鰻度では露点が高いほど繕頼牲が緩いことをホす。

 各下位尺度は,該遇する醗我機能について震う8購

と叢縫尺縷:のi闘,合わせて9幾で購蔵され,質講項

腱意表2のよう姦こ金離で72馨である。筆窟鐸ま,盤渉1と

単寧を構う質鷺を2㌶追撫して,合計鰻縫の質闘紙を

作成した。灘定される自我機能は以卜「のとお馨でド位

縦度ごとの質緯項舞については資料薩に示した。

 灘定される甕我機能

①Si報。(s轡撫鍵鎗・醸ε§猴童醜転籍磁。縫一醗as雛ダ¥‘

oα鞍欝驚欝㊧(総合・統合機能一支醗・有能牲):ば

らばらな矛濡したことを講擁させ,統合する機能⇔環

境を積極的に支醒し,影響を誓えることができるか,

また影響を与えることに馨し麟人が持っている有能感¢

②総(s倉贈。脅e撰醇。蓄t舞¢轡。ゼ羅3綴。牽s醗)

(外界と露己の鏡実感覚〉:糞巳と馨罫との懸にひかれ

ている蓑ll我境馨の購確さ。外的事象を現実のものとし

て,誉・1分の鴛勤がいつも鹸分轄身に霧するものとして

経験できる程穫:。

③舞。(rε鮮鋭沁糞a離co繍olo蓄由醜s,a群僚s,

3磁睡郷lses〉(動鐙,感精,衝動の鱗御と統麟〉:

衝動表鐡の蕪接牲や欲求不満の癬性の程度.

④o舞(o鵬綻縦皺lo酵紋醤象灘系)二麟象灘係の成

熟牲。蝿象の安定維持。地者との縫係の程度と質。

⑤肝(艶懸s醜蓄撚。編。舞1輪9〉(鋳衛機能〉:防衛機

麟が縫の自殺機能の適感レベルに悪影響を与える程度。

⑤S馨(s藝醗麟鵬麺鍵ド1群〉(麟激簿壁):さまざまな

れレベルの感覚軽激に対する反応の適癒性。

2音容§一6

⑦A蓑(綴憩魏G搬。総葦雛翻。醤i輪9〉(察律釣機能〉:

一次的嚢律姓(注意,記憶,学習.運動,意思)及び

二次的自律性(習楼.趣秣.労働)に幾傷がない程度。

⑧羅(総a縦¥一驚蕊1嚢9〉(環実検講):外的事象と内

的事象の惣覚の解綬と正確さ。

2 調査醗究

 本醗究では,F市にある大綬模公立中学校の中学2

葎生3クラス,中学3年生3クラスに講査を敏頼し,

2奪生驚2名(男子弱名・女子娼名〉,3鰯生玉艦名

(男子磐名・女子52名〉告訴2総名(男子欝5名・女子

鰭名)を蝿象にして,2総4隼§擁紅灘我機能講蚕桑を

実施した。

 講蒼は各教室で担任教嚢熱こよ穆…一斉に行われた。被

綾者には,無記名であること,またテストではないの

で歪解も懸違いもな緊詣と教示するき祭に強調した燈

 講査票羅叡後集計を行い.男女馨彗に下猿尺度ごとに

その平均露点を算議した。算羨された率i均簿点と先そ了

購究の標準化された平均露点を,縫我機能調査票下甑

尺度ごとに平均簸の差の綾定を驚いて.有意差の春無

を験証した。

3 事携醗究

 事鱗対象巻は,筆者(出本)が嬬島大学の臨珠心理

教官絹談室の活蟻のiつであるメンタルフレンド(極

談的家庭教轟,以下騒碧)としてかかわった2名であ

る。繋象者2名に嚢我機能講査票を実籍して,援助方

鋭を穣離し2~3ケ月後,霧度嚢駿機能講嶽票を実施

し,難我機能の変乾を検討した。

 i欝鑑韓〉結築を,実権麟までの援幾方麟に黙らし合

わせ縷説し,その後のMF活嚢は,麟象者の結築か

ら得られたことを蕊蘇した援幾万斜を立てた。i繕繋

から約2ケ弄1半の懸購をおいて繋象者に2露舞の霧我

機能講斑葉を実施し,そこから得られた援助方舞につ

いて綾試した。尚,各事擁嬉象養分欝嚢綬痩の欝点を

先行磯究で標準化された換算表に鍵って.諄懸点を算

毒して該遇する嚢殺機能を評鰹iとした。対象2事鰐の

機要は以下のとおむである。

事溺藩l Aむ縦》・轡の診藪を受鯵た中学2隼生A男

 A男とその輔藍子は中学校のスクールカウンセラー

(中響)が鰐嬉してお馨,筆者(毛ll本)はM雪として

X隼7翔からX十i奪捻弩までの貿ケ弄1雛,詩5§穣か

かわった。かかわり楽擁縁,高校受験を控えた縫子

(締)の綴驚学習援助が柔な嚢的で,蟻ぎと正対iの

学習を矩んだ軽子に付き添うという形であった。三遷

瞬に重継2時翻のかかわむであった。}{子の進跨先決

定後は,琵子の厳Fは終結となり,X+圭算4鍔以

降はA男のみを対象として,学習擾麟をi遷幾i麟i

時欝めかかわることになった。X+i隼g鐸1こil礁銭

の自我機能調査票を鰯濯活動中1こ実施した。 i墾講

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中学生の溢我機能に絶する磯究 鱒

の実施から2ケ弩率が経遷したX+i奪盤月に2懇麟

を実施した。

事椀21学校め懸人場面でどうしてよいかわからなく

 なる中学2年生縫子

 B子は心療内科のクリニックから紹介され,筆者は

蟹ぎとして対人場蕪に譲難をもつB子に学習靉靆を渥

的とし,Y年5月からY嬢2欝までの7ケ素獺,計23

騒君子の家庭を訪聞した。i週織にi繕i時間半の活

動時鵜であった。Mぎ活動4ケ月が経過したY年9月

にi回欝の§我機能講査票を,またY隼捻月に2羅鑓

の欝裁機能調蓋票を蟹F活嚢中に実施した。

灘 講査結果

茎 被検者 本瞬発の被検者数は,中学2年生緯2名(男子蕊名・

女子総名),中学3年生茎艦名(男子磐名・女子麗名)

の合議鱒3名である。中蓉ら(欝8舞)の先行礁究で

露偽性が高いとして除外鰐象となった塵偽尺度2§点議

一ヒの者は,本麟究でも婦象者から除外した。本講究で

は,2総名中56名が塵縫尺度露点以上であ鞍,繋象か

ら絵外された。先行醗究め除外対象となった者は全体

の欝.9736であったが,本麟究では27、5§%と割合でほ

ぼ倍になっている。本機究での被検者数紅ついては褒

奄に,先行醗究の被検者数については表2に示す。

表蓄 本醗究の被験者数

学 奪 姓警彗全被験

ェ数採穏被

沁メ数除外被

沁メ数盤外率

中 2 男子 §6 磯 麺 26.簿霧

中 2 女子 尋§ 34 i2 2§.7§%

申 3 男子 49 3i 鰺 誌.73%

中 3 女子 §2 嘆i 簸 2i.i5擁

合  計 2む3 i4? 5毒 2?.器露

褒2 中西ら(簿§舞〉先行醗究の緩検者数

A 中学男子 欝雛年中学生男子のサンプル数.下位幾度警駈)平均

露点,及び標準偏差を表3に,また2総4年の中学生男

子』については蓑4にまとめた。2欝の平均髄み差の検

定結集について表5と醒箋に示す。

 駿足の結果,5っの下位尺度に;寓意差が晃られた。

唯一老総逢奪の中学生男子が有意に高かった下綾尺度は,

鷺C(衝動統鱗)であった。不安や感精から野離をとっ

ていることを示す。4っの褻我機能が抵下積海にある

中で,嚢C(衝動統舗)の植だけが上がっていること

は,無感嬉・無感動といった感椿に巻き込まれず.嚢

己の情動と野離をおいているということの理われかも

しれない。希薄になった人聞縫係や,婦人関係での葛

藤や衝突を避けた結果,鰐象との懸で強い衝動や感精

を{本験する機会が減少したとも考えられる。

衰3 総額年中学生男子

事盤残慶 s蔓擬C 醜s 獄) o嚢 ○奮  88 Aぎ R?

登 2婚 2i5 2認 2認 2玉5 2蔦 2欝 2i5

獄ea貧2暮.8 鍵.§ 23 3§.暮 2§.き 28.違 25.7 28.i

麟 嘆.蔦 §.議 4、麗 遵.3i 透.欝 嘆.鑓 嵯、蕎 暮.3§

表4 2警砦4年中学生男子

事挫尺度 s董鍾。 RS 裟。 ()嚢 £}欝 s欝 鑑雪 魏丁

箆 縫 72 6警 穫 6暮 72 雛 総

懸e段簑 23.8 2§ 欝.尋 27.9 2§.婆 2?.9 23.? 盤.8

s義 蓬.7董 暮、32 5.総 藁.§3 壌、8暑 轟.i8 藁.95 §.マ

表§ 平均値の差の検窓結果

枝 種 {磐響金被験

メ数採羅綾

ア者数慧磐被

ア者数慧舛率

男子 25i 2垂5 3暮 鮭3壕%中学生

女子 2§7 i簿 2書 i3.52驚

合  齢 壊灘 3襲 縫 i3.§7鯨

2 先行醗究との髭較

 先行癖究の標準化された男女劉の平均讐点と本醗究

で得られた男女懸の平均得点を下猿尺度纏こ比較した。

なお,本麟究のおいては,質闘項§に複数痙答や未墾

答などがあった下位尺度はサンプルから除外したため,

下続尺度ごとにサンプル数が異なっている。先行醗究

の標準穂された平均得点との比較であるために,本醗

究の結果は地域差を考癒に入れなければならないこと

を麟提に考察する。

事鐘項§ s蔓擬C 盆s 醜。 o嚢  三軍 s3 A欝 賢聖

t 一3護 一2.§ 護.襲 纏.マ 豊7 豊§ 一3ユ 甑賂

醒 2縫 2緬 282 2暮4 28至 鰺§ 28逢 2鐙

P<毒.偽 * ≠ * 審 ‡

図葉 下位尺慶溺平均露点の比較(中学生男子)

32 匿璽璽3奪

2違

22

2毒

環畢=

禦垂

嚢 礫 螂嫌 巽蕪 灘霧

霧一、客詰

馨敏・ 薄儀 箋 響鴬繋

粥≠

・磁

礁嚢

難塾純灘

・鞭

欝『靴誤

隔 総茗驚

脳ン

灘灘鷲蓮圭解…

難菌・

蝟カ叢護

難雛輩裂

灘琶

ィ趣�ヨ竜難

灘i翼霧騰こi盟鷲

叢鱗灘癖藻灘灘酸i

繋≦

`忠

T{=u膵=無

叢餐唖苫難叢難鞭冤

sL RS 霞(〕 o嚢 至)ぎ s8 Aぎ R孚

凝c

8 串学女子

 欝雛奪中学生女子のサンプル数.下位尺度購の単均

簿点,及び標準編差を褒§に.また2§縫年の中学生女

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欝暮 篠島大学教鳶実践醗究紀要第磐霧

子については表7にまとめた。鹸定結果について褒8

と鶴2に示す。

 4っの下毬尺度に糞意差が晃られた。有意差が見ら

れた4っの下位飛度のうちで,唯…緯綬年の中学生女

子よむも2§縫奪の中学生女子が有意に高かった下位殺

度は,s2練彗激瞳壁〉であった。これは,内的・外

的麟激の取り入れを適綾に鰻止し.S至一MC(総合・統

合機能一支醗・有能性)の低下を補っていると思われ

る。統合力が低下したために鵜激を取鯵入れないこと

で,趨感性を維持していると考えられる。

表§ 欝欝年中学生女子

下鍵壊§ s董凝C 総 嚢。 o競 むF 88 A欝 盆丁

箆 墨79 工79 i7§ i簿 王簿  i7§ i簿 鋸9

醗e農盤 2§、3 3§、3 22 3i.5 25.3 25.§ 2§.§ 28.9

s遡 3.83 5.蓬5 蓬.艇 達.62 達.簿 逢.鯵 3.蝿 5.駐

表7 2鬱鬱4年中学生女子

事簸項§ s至一疑。 鷺s 嚢。 G貧 蔓草 s8 Aぎ 盆?

登 72 75 73 72 72 6§ 7逢 75

鵬e獄強盆3.§ 29.玉 22.3 2§.8 2器.§ 2?.重 24、玉 2暮、?

s義 3.毅 5.8奪 3.欝 壊.劔 違.39 藁.器 4.5 6.22

表8 平均纏の差の検定の結乗

下盤項麩 s璽凝。 蔑s RC 0費 ○ぎ s欝. Aぎ 驚?

t 曝.2 一王.6 騒.67 一2.5 §.34 2.i8 一3.麦 尋.2

麗 2鱒  252 25§ 2鱒 2婁 2蕊 25i 2§2

夢<§.藩 * * * 零

慶2 下位尺度溺平均得点の銑較(中学生女子)

32

28

2蓬

22

霧i認容i醗2鰻年

杯ン

リ澤舜

簸裳

�=阻

蝠刀f 藏“

d藩

鷺群一

g渦・

ニ薯

�L爬

盤i瞬輿㈱灘鞭灘靉靆i難驚鞭鮫械農・麟山脚.簸剃 r・手縄.嚇

聾需

y響圭瞭コ

魏繊,∴ヤ譲脚■一■『■;毛凌

転韓準濫X難無筆発航・・ン閉・=‘1三嘱鱗…i纐

馨鐵雛花期■粥辮潭亜蕪拶纏騨・澱

独鷲ル罷T一■凱霧雪鑑マ搬弦蔀難

一溜■■■

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香D鱒勲章欝=

熱熱p■卿

蜘署

鶴 源雛莞

s至一 }器  貧。  o嚢  DF  SB  AF  盆T

MC

3 欝鱗年中学生の性差

 2§艇年中学生の性差についてT一検定を行い,その

結果を表9と蟹3に示す。有意差がみられたのは,

RC(徳動銃弾のみであった。中学生男子RC(籍

動統麟)の得点は.中学生女子の嚢C(鬱勃統鱗)の

得点よ絵も有意に高いという結果であった。中学生男

子は鬱勃が表面化することを統凝している績向が強い

2舜な§一§

と考えられ,中学生男子は中学生女子よりも感構表串

を糠喜擁すると理解することが纏来る登

表9 欝欝年中学生男女差(T一検建結果)

下縫墳§ 欝MC 賂  衰。 (壌 ○欝 s難 A雪 翼?

t §.7 尋.3 2.藝 謹.童 9、§ i.綴 尋.壌 一i.3

猷 至嘱 i45 i菊 蔓§ i45 i45 i菊 i4§

P<巷.総 *

慶3 下位尺慶懸平均欝点の男女比較(2暮鐘4年)

32

28

2蓬

22

2鬱

鬱中学後彎子 羅中学隻女子

繰難

難…灘懸難皿㎜…鑛藝醸

灘、灘撒

8罫 RS RC OR 亙)ぎ s諺 A嚢 嚢TMC

尋 現代の中学生の傾向

 2暮春嘆年の中学生は麓鶴姓が高く,§分をよくみせよ

うとする繧向を強く持っていると考えられた。1§雛葎

に箆ベヂ自己顕示的な被験者]が増えたといえ,これ

は.中野(2{矯3)が指摘するように,欝{嬉年代から顕

著にな鞍だした自己愛化を示験しているように思われ

る。しかし,この震輪牲の高さから講査票§体の妥当

性が再度検討される必要性をなげかけるものでもある。

 また,先行醗究との比較で男女の変化にいくつかの

共通点がみられた。男女ともに有意に低くなっている

Sシ瓢C(総合・統合機能一支醗・有能姓)と()貧(麟

象縫係〉であ絵,周囲の琿境や端人縫係において積極

性が低くな鯵,嚢己の意識の中では鳶能感を感じにく

くなっているのではないかと慰われる。また,Aぎ

(自律的機能)も男女ともに羅下しておむ,藝1分がし

なけれ毒まならない霞常的なことに封ずる意欲が抵下し

ているように考えられるゆ

W 事例提示

I AP馨5・し9の診藪を受けた中学2年A男

窪我機能譲査粟実施以前(X隼5月~X+重年§鴛)

 かかわ鯵当携は,嫡のR子も換わって,2人の麟象

者をi人のM爾で行う変則的な活動であった。受験

を控えた筋子の学習獲麟に筆者の意識が多く陶も・てい

た。筆者はA男にとても幼い羅象を持ち,Aの人懐っ

こい姓賂と自尊感精の抵さを感じていた。A男の気分

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中学生の露我機能に臠する麟究 露玉

で睡ぎ活動嚢の当奎三1になってのキャンセルも多く.

突然感精的になることもあったため,A男は糖緒的1こ

安定することが援勤課題と考えていた。筆者は,A男

の好きな活i勤を還して関係性の安定を目請し,常にA

男を励まし.褒め,認める態度で接していた。X+i

年3月には翼子のMF活動が終結し,A男と麓Fのi韓iの活動1こ移行した。継続的・主体的にA男が楽

しんで皺む緩める活動を晃つけるために,さまざまな

ことを行った中で.摂む紙で作る産婆ジナル紙飛膏機

作鯵にA男は才能を発揮し,その後MF活動のメイ

ンとなった。蠕動中に作り上げた紙飛行機に名繭をつ

けた。名韓鴛るという行為は,A男に支醗姓や有能感

を与えたもめと思われた.Mぎ活動が2者闘係に変化

したころは,MぎとA男の露離が急速に近づき,不安

感や戸惑》からか数回キャンセルが続いたが,M獅と

A男の闘に紙飛行機を置継て3者関係にすることで,

対人関係が安定し,M愛活動が定着した。

いつもと変わらぬようにみえたA男であったが,今ま

で皺む繕っていた嘘がばれてしまったことで,ピ、1我機

能が混蔑しているようだった。その状溌の中で,Sト

厳()(総合・統合機能一支醗・有能牲),D欝(防衛機

麟)に変化がない。A男の統合力礎肇己防衛の強さを

示しているものかもしれなも、。

馨§ A勇め窪我機能講糞票2轡§(虚鶏尺度:3§点〉

S至.  嚢S  貧C  O発  至)曾  S慧  A賀  R?

麟。

?§§纏32i

1穰馨の結果と援麟方針(X÷嘩年9月〉

 圭織目の結果は園4に示したが,霞偽尺度の得点が

高》ものであった。A男は能力鎌.ヒのことをゼ串来る雄

と発言する点や鍾愛1こ過度に気を遣う点からも,横

手に良く患われたい気持ちが強輪と考えられた。塵鵜

性が高いため,A男の自我機能の灘定は鉦罐に行われ

たとはいえないが.OR(対象関係〉が最も抵墾響懸

点を示したことから,安定した対人関係を築き維持す

ること灘来ないA男の幾題をあらわしていると患われ

た。A男がグループ活動への興蕨を示したこともあむ.

対人関係に広が鯵を持たせるよう複数の辮人縫係の場

である「フレンドルーム」め参撫を促すことにした。

A男は紙飛行機作りを楽しんでおり,意欲的に取鯵緩

んでいたことから.覗き続き行っていくこととした。

蟹尋 《男の§我機能認萱粟嘩欝欝(鑑儀R度二3鍵蓑〉

■}

S玉.  総  獄〕 ○盆  参欝  S8  A雪  嚢?雌(〕

7魔》§彗32i

2莚聾琶壽の結果力蔑ら(X華箋年肇2月〉

 2回目の結果は馨5に示したが.i罎巨編様麗縫尺

度が高野結果で,貧S(現実感覚),RC(籍動統麟),

SB(灘激障壁)が前回より下がり,全体的に察我機

能が低下している。i繕琶麺〉実施後,A男が保護者の

お金を使い込んでいたことが発覚した。筆者の繭では.

2 学校の潟入場颪でどうしてよいかわからなく

 なる中学2年8予察我機能講査棄実施以羨(Y隼5月~Y年9月〉

 筆者との会話で魯子は,新わからない涯という言葉

を繰警返し,当初活動の糸口を見出せずにいた。言葉

の使い方が場にそぐわず.言語から9子の話を理解す

ることは懸難であった。常に受身であるB子は,筆者

の提案を蓄§むことはなかった。また,風景構域1法力Σら

はβ子の統合力の弱さ,また漣意の範轡が狭く全鉢と

して麹事を掘握することに園難を抱えているようであっ

た(資料2)。ク撃ニッタで実施したW鰺C-Rの結

粟は,V竣欝5,P矯鎗,F緯87で軽度発達篠害が疑わ

れた。わからないことが起きたとき,具体的な手がか

鯵を与えることで,暢事に主体的に取む緩めるのでは

な》かと考えた。多くの端人場面でどうしてよいかわ

からないとパニックを起こしてしまい,大声を饑した

む.泣いたりした。パニックを起こしてしまったこと

に対して自責の念に駆られ落ちこむ姿に,懸人場面で

トラブルを避けることが大切なことだと感じた。

茎攣目の結桑と援跡方鋒(Y年9月〉

 DF(紡衡機能)とS3(麟激鐘壁)が平均値議圭1を

示している(國§)。B子は紡衛的で.麟激に帰して

取善入れないことで鰐越しているようである。B子の

受身的な態度は,積極性や主体牲の乏しさではなく,

嚢分を安定させるためのものであると考えられる。

魑ぎ活動ではタイムスケジュールを設定し構造化をは

かることと,B子の目律性や有能姓が感むられるよう,

複数の選報薮を提示した申から選ばせるなど工夫し

た。

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膿2 纒島大学教蕎婁銭醗究紀要第銘響

麟§ 8子の擦義機能調査票嘩露欝

S至一  総  鷺C  O銭  多雪  S8  A掌  醜丁麗。

2墜§の結果から(Y隼鐙月)

 S露(灘激障壁)は羨回よ鯵大幅に下が鯵,RC(衝

動の統翻の詳懸点は上がった(籔7)。豊睡羅の実

絶後.学校の文化祭などで地者とのかかわ鯵が増え,

通常落ち着いても・るときなら取弩入れずにすむ輔激を

鰻窪しきれなかったのではないかと考える。このころ

学校での端人関係のトラブルが頻繁にあったことから,

0魏(瑞象関係)が下がったと考えられる。どうして

よいかわからなくなるとパニックを起こしてしまうB

子であったが,震C(衝動統素彗)が蟹下していないこ

とから,パニックに録する耐性が育ってきた可能性が

窺えた。

図了 駐子の露我機能調萱嚢2目穰

尊           旨

8L  嚢S  翼C  ⊂)翼  滲F  S狂  A愛  衰肇Mc

V 考 察

手 事擁《について

 21墾とも磁鶴性が高く (縷輪尺縷:>26点〉,自分よ

く見せたい気持ちと本:来の褻分を儲る繧1憩が示唆1され

たG A男とはi犀2ケ月懸,醗ぎとしてかかわった後

に,珪憂欝1の褻我機能講萱票を実施し,その後さらに

2寿月半後に2露甕麺〉§我機能講査票を実施した。2

墾とも緩鶴飛痩が高く信頼性の抵》結果であったこと

は,講査麟究で篠られた現代の中学生と瞬じ懸緒を示

していた。紙飛行機舞穆には集中して取零緩むものの,

うまくいかないとイライラし感量霧的な欝葉がでること

あった。しかし,A男は以繭よ鯵落ち養いていられる

と感じる出来事があったと話し,その落ち着きについ

2§蕊一6

てA男自身も欝定的に捉えているようだった。

 A男が人とかかわることを希求するような発叢“もあっ

たためグループ活動を提案したが,筆者の誘いに表瀬

上のっただけで参総には至らず,A男の発言は本心で

はなかったように思われる。汽男がうそをついていた

ことが露呈した時は,外見、しにAの変化は見受けられ

なかったが,察我機能レベルにおいては大きく動揺し

ていたと考えられる。状濁の変化によってA男の安定

鍵が崩れたと患われた。

2 事鯛8について

 §我機能講査票実施前は,筆者は8子の麹事に対す

る受身的な態度に課題を感じていたが,陰子にとって

は嚢己を安定させるための手段であ鯵,陰子の安定を

保つ鉦では重要な撹点を調査票の結果から得られたの

ではないかと考える。RC(衝動統麟)から,礫境の

変種に敏感な董3子が学校で対人的なトラブルがあった

にもかかわらず,パニックヘの醗牲が育ちっっある可

能性が調査票の結果から考察された。i灘§の調査票

実施後,蟻碧活動の時間や内容が構造化し始めて,君

子は侮をする時溝であるのか掘緩しやすくなったと患

われた。そして,嚢ら学習する教秘を準備するように

なった。学習教鵜の選捉が自分で串来るようになった

ことは,主体性の乏しいB子にとっては大きな成長で

あったと考える。かかわむを続けて7ケ耀,B子の表

情は豊かにな馨隣るくなったよう畜こ感じた。母親絃,

家で麟よ鯵自分から話をしてくるようになったと駐子

の変化を評癒した。

3 援麟方鎌に自我機能講歪粟を矯いることに

 ついて

 繋象者に援跡しょうとするときには,麟象者の抱え

る鷺題をアセスメントして見立てる。嚢我機能調査票

の結果は,対象者が弱い窮我機能を強い自殺機能で補

いながら,外翼と肉弾を調整しそのバランスを保って

いるように運解できたと患われる。開題点の敬善は,

葭我の弱い機能を改善することでもあるが,その際,

強い嚢我の機能を知ることは,婦象者の理解に欠かぜ

ないものと考える。

 さらに,援励方鋭1こ臨我機能という観点を燦えるこ

とで,それまでの靉靆方針を軌道修慶することができ

た。 A男の事鱗では鶴頼性の緩い結果であったが,自

己鑛示的な纐癖が読み簸れ,A男の自己愛的欲求の強

さが翼養えた。B一野の事纒では,翼体的な軽寺闘や欝彗寺に

ついての質鵜にも「わからない謹と答えていたため,

境実検討能力が低いのではないかと患われたが,自我

機能講萱票の結築では,統合力・糞能感の弱さが際立っ

ていた。援勘方斜には,き3子の有能姓が育つようにと

の観点が換えられた。これは,筆毒がそれまでかかわ

むだけでは.欝られなかったことであり,それまでの

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中学生の霞裁機能に絶する醗究 欝3

援勤方鋭に修歪が麓1えられ,その後の援購に重要な役

麟を築たした。

 講査票実施の闘鶏が約2ヶ月半と短い期鰻ながらも

評懸魚、しの変動は筆者の予灘を超えるものであむ,琳

からは見えにくい対象者の特鍛を筆者に示唆するもの

であった。臨我機能を灘達することは機能不全を発見

するだけではなく,複数羅灘定を行うことで自我が環

境に合わせてどのように鰐越しているかがみられるこ

とから,懸人の心鍵状態がより深く蓬解されることが

羅能な硲ではないかと思われる。

W おわ饗に

 調査醗究については地域差を考癒に入れなければな

らないが,2§奪麟と競べ,全{本的に現代中学生の藍俄

機能講査票の得点が抵ドしている申で,中学男子は

盆。(衝動統鱗)が一勤がむ.中学女1子はSB(麟嶽緯壁〉

が上がっているということ結漿が簿られた。実際の穣

定からは覆輪牲が高炉として,除外した対象者の数が

大きく増えていることは大変興味深い。ここに現代の

中学生の変化が反駿されているように思われた。塵偽

鰻ラび高いこと毒ま. 難分をよく見せたいという自己蟹i示

的な欲求のあらわれと鍵解でき,現代の中学生が約鴛

隼の中学生よ膠嚢巳愛鑛向(自己顕示的〉であること

示唆しているではないかと考える。事鱗麟究の結果か

ら,霞我機能の特嫉(翻磁s)よむも自殺機能の状懸

(s薇t駐s〉を反験しやすいのではないかと考えられる。

事擁婦象者の不適癒硝瞬題は経度発達鶴害が養俄の遜

臨不全に授鮫されている酵能性がある。軽度発達瞳害

が脳の機舞馨章善事実行機能の響毒害が指摘されているこ

とを考えると,この質懸紙だけで霞戴機能を灘足する

には鰻罪があろう。軽度発達薄霧を持つ人の霞我につ

いては,さら婁こ募蓄究が必要と患われる。また藝零露を持

たない対象考へ遽請した場合の縷討が今後の課題であ

る。

参考彗1羅文醸

i〉欝艶綴,爽(エ93毒):至)麗至血膿6A翻藪r眠む難鍛重鱗鑛、

 外秣大作(訳)(i瓢8)1欝我と離籍 譲慰書霧

2津re綴,S(欝23〉:察識とエス辞翅融器・ノ縷;木啓

 悪地(譲〉(欝鴨〉ニフロィト著作集第6巻 人文書錠

3〉中穣発(2総§〉:轟機能嚢醗甕の治療と学校精神保健

 からみた診懸露難携 臨賑精神き袈学,2§1馨,5艇一驚§

4〉申麟繧舞ボ占毒搬一(欝8蓋置)二嚢我機能に鷺する心

礫学的醗究一弩裁機能講査票の灘発一 大飯大学人難鵜

学学藩紀要,7,総§一2欝

5)中篇億男・鑛幹八衰器(婚8籍〉1心獺学 i看 霞我・

 農㌶ 有斐麟

§〉中薩猛男・後方誓彦(欝欝C):ナルシズム鋳代の人

聞学 纏繕鐵蔽

7〉中野聡徳(鎗盤):畢どもの購題行動を嚢己愛一K磁蕊

 醸.の視嶽から一 擁農大学教育学部論集(心鍵・敦蕎

 藻鋤,7悉.23-3§

8)心癖縫之(総懸〉:欝我の強さ(琶欝st艶囎撫)の灘

 定に絶する麟究一その隻一東京教脅大学教育学蕩紀要.

 u,欝7-i22

9)生島浩(欝9鱗:慰みを麹えられない少年たち 覇本

 評論暴

i§〉睡中康錐(2縫2):注意欠臨/多勤盤緯書(真○欝))

 の診懸と治療 臨旅精神毯学,議醗,欝欝一驚弱

至聾氏療覧・小難縫之・棄縫、1紘久・梅瀬孝雄・出中庸総

 藁纏(欝麗〉:心鐸臨療大群典 徳風館

i2〉上選富久治・安慶名神毒・獲壷藍子・進春獣郵(捻§3)二

 懇春鱗にお謬る欝我縫一纏発達1こ臆する講査醗究 大薮

 教奮大学紀要第璽部鍔.蛇継,45一謎

i3)匙1肇中庸撚・山下一夫纏(欝欝〉工臨蘇心鯉テスト入轡

  熱垂藩欝

<謝辞>

 本麟究にご脇プ」をいただいた碧海の中学校の生経及び救

農の方々,塵男さん, 8子さん,またそのご家族の方々皆

様毒こ深く感謝も,この場を温むて心よ吟御礼塗し一髪』げます。

<資料>

資料葦:嚢義機能講糞粟質闘項§

趨禽爆一な虚欝尺蔓

 Sレ麟s(総合・統合機能一支配・有籠穫〉

  グループの中で. 妻ナーダーになることもでき,単なる

 グループの一農であることもできる0

2.毎縫の生活で規律正し疑生活をしている。

3.全力を饑して鋤いている(難強している〉と患う。

4.当然負わな曇ればならない黄経はすすんで負う。

5.ゲーム(勝費■事フ訂な費耕るよ御慶勝ちたひど想う。

6、霞分の難待していたような暮らし方をしている。

7.露分は人生でおちこぼれてしまっていると患う。

暮.露分は勃事のなりゆきまかせの生き方をしている。

§、全力投球して生きていると想うG

  RS(躰雰と§己の現実感覚〉

 夢うつつの状態で歩き繰っているような慰むがする。

  嚢分という葬産に実感がもてな輪。

  窪分の身鉢が毒妙な慰むがして嚢分のものではないよ

 うな感じがする。

唾 墜罪が醗壊していくような感じがする。

5 蒙で食事をする群ぱ,入ψで露蓼をずる蒔など行騰な

 よぐないσ

6 まわむの轡翼との接触をなくしたよう毒こ感じることが

 あるα

7 嚢分の霧の繭にあるものが,ひょっとしたら本離縁存

 擁三していないのではないかと感じたことがある0

8 難人と話している時.ガラス欝をへだてているように

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欝4 懸島大学教育実践醗究紀要第48号

感じることがある。

9 誰かにお前は獣欝だといわれると,輩当に自分は験嚢

な入閣であるような気がする。

蟹 汽C(動鐙.感梼,衝動の趨御と統麟)

至 ひどく駿がたった時でも,人講では,その気持ちを顔

 にあらわさないでいられる。

2 仲闘にめ輪わくをかけた時,そのことに薄して長い閤,

 強い罪悪感を感じる。

3 麹事に失鼓した時,長い闘,ゆううつな感精から轟け

 だせない。

4 群々βぎたなぐ,ののむむたぐなるσ

5 {重事や魅強が少しでもうまくいかないと,ひどくがっ

 か離してしまう。

6 楽しくなったむ慧しくなった弩,感椿の変化が激しい

 ほうである。

7 つらい時,悲しい1痔でも人前ではじっとこらえている

 ことができる。

8 性的な感奮轟が頭から毒まなれないでこまることがあるα

9 不安になるとそれ書こたえたれないで,イライラするぴ

欝 o霞(薄象麗係〉

玉.互に繕頼し,鐵1け合える友人がいる。

2、多くの人と幾しくなるのは,あまむ好きではない。

3.おおぜいの考と一緒にいるよむも,ひと管でいるほう

 が好きである。

4.私な趨ってひるノ曳全謬が好きま蓋冨かぎらな毒も

5.常にみんなの注意が欝分に講継ていないと不満である0

6.魅人とっきあっているとき. とかく自分の毛・が傷つ謬

 られやすい。

7.自分には,多くの矯む念いや友人がいる。

8.勉の者から見すてられ,のけものにされているような

 気がする。

9.人の集まっているところに行くのがおっくうであるむ

v 蓉欝(鋳衛機麟)

i 簿隼も麟の嫌な患来事や恥ずかしかった事をよく覚え

 ているほうであるむ

2 {毯の人よむ,特聾穆こきれい馨:きである。

3 まわりの人々のために失数させられることが多い。

4 弄露なπ談を鐸ひτ,笑うごどがたまんある。

5 勉の人に「韓でも察分一人の黄経だと悪って悩む額撫

 がある」と害われたことがある。

6 毒断症である。

7 鳶妙な恐ろしい考えをもっことがある。

8 狭いところ(硬鱗やエレベーター〉にいると灘られな

 くなるのではないかと不安になる。

9 人がこみあっている懸がこわいゆ

璽 $B(蒋激緯壁)

1 物音が気壽こなってなかなか寝っξナなかったむ,すぐ欝

 が醒めるほうである0

2 満員電車やバスの中で,人に接触するのに耐え難くな

 ることがよくある。

3 衣澱の醗ざわむがわるいと,一難中気になって仕方が

2{鐙§一6

 なも㌔

4 黎器騒墨が隣るいと寝婁こくいα

5 しばしばはっき膠原灘のわからない頭痛がするσ

6 天繧iや騒音.異気など不快な覆境にある馨寺,すぐ蕃こイ

 ライうする。

7 私な蒔々,慶を立τる。

8 ちょっとした病気でもすぐ寝込んでしまう。

9 皮麟がよくかぶれた鯵.かゆくなった修する。

羅 Aヂ(嚢律釣機能〉

茎 覚えておかなければならない事舗をふっと忘れてしま

 うことがよくある0

2 いつもなら鐵来る身ぶ鯵や動舞が時としてうまくでき

 ないことがある。

3 読婁するのがむずかしい。

蓬 ふだんは,いつも蕎気なくやっていることが急に難し

 く感じることがあるα

5 窪分で懲分が無欝欝に思われてくることがある。

6 ひまになると,繕壊やっておきたかったことに手をっ

 ける。

7 §1分の好きなこと,壌悪辣があることをや蓼とげるの1こ,

 侮か負1蓬圭を感じることがある。

8そのθの戸整♂ごやらなげ虎義ぐ『なな毒年ごと{を翌欝まで薬量羨ズ

 ずごどが蒔々ある。

9 仕事(麺強〉をやる気がおとろえていると感じる。

羅 Rτ(現実検討〉

至 今までに,ある事穂が本当に趨こったのか,夢だった

 のかわからなくて震ったことがある0

2 時たま・酬ご醒むτな震えなひような、悪ひごどを考えるσ

3 麹事が現実に趨こったのか,馨分の心の中で麺こった

 のかどうか迷った経験がある。

4 たとえ周醗のひとすべてが巽を麩えても.欝分はこれ

 は翠霞実のことだと確{霊したことがある。

5 幻覚を見たむ縫いたむしたことがある。

6 錯覚をおこしたことがある。

了 零導学的には護莞響董できない不思議な音をきいたことがあ

 る。

8 実擦にいるはずがないのに,麹の人懸がいるのを見た

 ことがある。

§ 嚢分の要求や麟望によって現実を歪めて見ることがあ

 る。

資料2 8子の縷景構成法

瞬璽 霧

         睾

(2総5年3月3魑1受理)