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水田農業をめぐる情勢と生産の目安について
令和2年1月22日神奈川県農業再生協議会
Ⅰ 水田農業をめぐる情勢について・・・・・・・・・・・・・・・・・ P.1
Ⅱ 令和2年産⽶「⽣産の⽬安」算定の考え⽅について・・・・・・・・ P.7
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Ⅰ 水田農業をめぐる情勢について1.作付状況等
① 31年産について、主⾷⽤⽶は昨年より0.7万ha減、備蓄⽶は昨年より1.1万ha増、飼料⽤⽶と加⼯⽤⽶の作付⾯積は昨年よりもそれぞれ減少した。
② ⽣産量は、作況指数99で、特に九州の作況が悪かったことなどから、国の⽣産量の⾒通しの範囲内に収まったのが31年産の状況である。
③ 仮に31年産が平年ベースの作況100であった場合、733万トンとなり、国の⾒通しを7〜15万トン程度超過しており、作柄次第では⽣産過剰となっていた可能性がある。
④ なお、本県の主⾷⽤⽶作付⾯積は、昨年より40ha減の3,040ha。作況指数は7 月上中旬の低温・⽇照不⾜等により95(やや不良)で、10aあたりの収量は470kg(前年産との⽐較△22kg)である。
【全国の31年産の作付状況】
加工用米 飼料用米新市場開拓米
(輸出用米等)備蓄米
30年産① 138.6 5.1 8.0 0.4 2.2元年産② 137.9 4.7 7.3 0.4 3.3
差 ②-① ▲ 0.7 ▲ 0.4 ▲ 0.7 0.0 1.1
年産 主食用米戦略作物等作付面積
✔加工用米と飼料用米の作付は減
✔備蓄米の作付は増
【令和元年産の収穫量等】作況100とした場合の主食用米等の生産量
(試算)
733
主食用米等生産量の見通し
718~726
主食用米の収穫量
726
✔平年ベースとした場合の生産量と比べても7~15万トン超過✔作況「99」となったため、見通しの範囲内に収まった
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2.需要量および販売価格の動向
① 主⾷⽤⽶の全国ベースの需要量は⼀貫して減少傾向にある。最近は、⼈⼝減等を背景に年10万トン程度と減少幅が拡⼤している。
② また、販売価格はここ数年上昇基調であるが、⻑期的にみれば低下傾向で推移している。
⺠間在庫量と相対取引価格の相関関係
全国的な⽶の需給状況と相対取引価格には相関関係があり、⽣産量の少ない本県であっても、販売価格にその影響を受けることとなる
【主⾷⽤⽶の需要量の推移】 【⽶の販売価格の推移】
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3.今後の需給見通し
① 今後の需給⾒通しは、令和3年6月末の⺠間在庫(188万トンと適正水準の180万トン)をふまえて、令和2年産の⽣産量を708〜717万トンと幅を持たせて設定した。
② 全体の需給安定に向けて、令和2年産は平成31年産より主⾷⽤⽶を9〜18万トン減らすことが必要となる。
【今後の需給⾒通し】 (単位:万トン)
A 189B 726
C=A+B 915D 727
E=C-D 188F=G-E 708~717
G=H+I 896~905H 717I 179~188
令和元年6月末民間在庫量
R元年/
2年
令和元年産主食用米等生産量
令和元/2年主食用米等供給量計
令和元/2年主食用米等需要量
令和2年6月末民間在庫量
R2/3年
令和2年産主食用米等生産量
令和2/3年主食用米等供給量計
令和2/3年主食用米等需要量
令和3年6月末民間在庫量
◎適正な在庫水準(180万トン)を目指すためには、
令和2年産で9~18万トン減らす必要
人口の減少+
消費量の減少
毎年▲10万トン程度
◆さらなる需要減
【主⾷⽤⽶の需要量の推移(再掲)】
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4.令和2年産米施策関連予算
① 水田活⽤の直接⽀払交付⾦については、転換作物拡⼤加算(1.5万円/10a)や水田農業高収益化推進助成(高収益作物2.0万円/10a×5年間、⼦実⽤とうもろこし︓1.0万円/10a)の創設、高収益作物等拡⼤加算の拡充(3.0万円/10a【前年⽐+1.0万円】)等により、3,050億円となった
② 飼料⽤⽶・⽶粉⽤⽶は、より安定的な⽣産・供給にシフトするため、産地交付⾦の多収品種加算を⾒直して、複数年加算(1.2万円/10a)を創設したほか、転換作物拡⼤助成および高収益作物等拡⼤加算は、地域農業再⽣協議会単位とすることや配分時期を年度当初の4月にするなどの⾒直しが⾏われた。また、産地交付⾦の県枠の拡⼤(1割以上→1.5割以上)の運⽤⾒直しがなされた。
③ このほか、畑作物の直接⽀払交付⾦(ゲタ)や収⼊減少影響緩和対策交付⾦(ナラシ)、収⼊保険制度など、前年度と同様に引き続き、措置された。
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4.令和2年産米施策関連予算【水田活用の直接支払交付金(3,050億円)】
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Ⅱ.「生産の目安」算定の考え方について1.平成31年産「生産の目安」の提⽰① 30年産⽶から再⽣協議会の任意の取り組みとなるにあたり、「神奈川県農業再⽣協議会」が「⽣産の⽬安」を算定し、地域再⽣協議会等に通知することとした。
② 1月15⽇に同協議会水田農業推進部会を開催し、本県の31年産⽶については、「⽣産数量⽬標廃⽌2年⽬で制度が不安定であること」、「31年産も地域別の⽣産の⽬安の提⽰が求められていること」から、県全体および地域の⽣産の⽬安を提⽰することとし、学校給⾷会からの要望数量に対する供給不⾜分(1,380t)を上乗せした⽬安(15,301t)を決定した。
③ この決定を受け、農業再⽣協議会、県および中央会は、市町村、JAおよび関係機関へ、31年産⽶に係る⽣産の⽬安を⽰した。
④ あわせて、令和2年産については、原則、県全体の⽣産の⽬安を⽰すのみとし、地域段階は31年産配分シェア率と基準単収等を基礎に地域で算出することを確認した。
【31年産生産の目安の算定方法】
全国 726 万tから算
出される本県の目安
(A)
学校給食会の受
け入れ希望数量
(B)
学校給食会への供給
実績(過去3か年平
均) (C)
供給不足分へ
の上乗せ数量
(B-C=D)
生産の目安
(A+D)
13,921t 3,500t 2,120t 1,380t 15,301t
〈参考(30年産)〉
14,093t 2,800t 2,231t 569t 14,662t
639t
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2.令和2年産「生産の目安」の提⽰① 基本的な考え⽅
令和2年産は、⽣産数量⽬標の廃⽌による制度移⾏が定着化したことなどから、県全体の⽣産の⽬安を⽰すのみとする。
② 具体的な算定⽅法ア.県 段 階○ 令和2年産の⽣産の⽬安算定にあたっては、全国の需要⾒通し量717万トンに本県のシェア率(国が27〜29年産まで固定して使⽤した約0.19%)を乗じた量に学校給⾷会への供給不⾜分を上乗せした15,334tを県全体の⽬安とする。
イ.地域段階○ 31年産配分シェア率(上乗せ数量配分後)と基準単収等を基礎に地域で算出する。
③ 今後のスケジュール1月22⽇県農業再⽣協議会水田農業推進部会での議を経て、1月下旬に令和2年産の⽣産の⽬安
および配分基準単収を通知する。④ その他
令和3年産の県全体の⽣産の⽬安については、制度定着による⽣産者への不利益措置がないことなどを確認のうえ、提⽰そのものを検討する。
【令和2年産生産の目安の算定方法】
全国 717 万tから算
出される本県の目安
(A)
学校給食会の受
け入れ希望数量
(B)
学校給食会への供給
実績(過去3か年平
均) (C)
供給不足分へ
の上乗せ数量
(B-C=D)
生産の目安
(A+D)
13,748t 3,500t 1,914t 1,586t 15,334t
〈参考(31年産)〉
13,921t 3,500t 2,120t 1,380t 15,301t
注)(C)=H28(2,402t)+H29(1,689t)+H30(1,652t)/3か年
33t
横浜市の事例【地域における生産の目安の算定方法(例)】
生産量(t) 面積換算値(ha)
基礎データ
(31年産)
■横浜市シェア率=約3.88%
594.35t(横浜市)/15,301t(県全体)
■配分基準単収(H24-30)
494kg/10a
令和2年産 ①15,334t(県全体)
②約3.88%(横浜市31年産シェア率)
③595.63t(①×(594.35/15,301))
①480kg(横浜市配分基準単収:H25-31)
※配分基準単収は、生産の目安とともに通知
②124.090ha
(595.63t×1000÷480kg/10a) ※1.令和2年産①は試算のための値を代用している。 ※2.配分基準単収は、「加工用米の生産予定面積の算出に用いる地域の合理的な単収」として、県協議
会が市町村の値を算出して国に協議する。
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【参考︓平成31年産地域別の生産の目安】