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理論効率
非可逆プロセスによるエントロピー変化はない理想的なエネルギー変換(Landsberg efficiency)
=1- (4/3)(Tr/Ts )+(1/3)(Tr/Ts )4=93.3% , Ts =5700K,Tr =300K
太陽エネルギーの変換技術により限界効率が決まる
熱力学における太陽電池の理論効率
ホットキャリア
Sun light
Selective energy contact
インターバンド
p
nSun light
タンデム
Sun light
W=(Es-Er)-Tr(Ss-Sr)=σ(Ts4-Tr4)-Tr(4/3σTs3-4/3σTr3),
・ ・ ・ ・ ・
s:太陽, r:室温の系
Sun light
単一接合
太陽電池の種類
2
0
第一世代バルク, 高コスト
Con
vers
ion E
ffic
iency %
有機
タンデム
色素増感型アモルファス
多結晶
単結晶
10
20
30
40
太陽電池の効率推移
3
3接合タンデムの新たな記録が達成された42.1%(2010年、集光)、35.8%(2009年、非集光)
42.1%
4
単一接合太陽電池の効率向上(Si)
資源や安全など シリコン (Si)が主流
光閉じ込め、反射防止
10~50μm
~
~~ ~~
• 再結合を抑え、キャリア寿命の増大
• 薄膜の作製プロセスの開発(sheet growth techniques)
• 反射防止など
欠陥の制御
0
5
10
15
20
25
30
0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5
Bandgap(eV)
Eff
icie
nc
y(%
)
単一接合の最大効率:25~30%バンドギャップ: 1.4eV付近
100%P
FFVIη
incident
ocsc
, FF:曲線因子
高効率化するには
5
単一接合太陽電池の効率向上(CIGS)
1998年にUNSWが実現した最高効率
多結晶シリコン:19.8%
単結晶シリコン:24.4%
出典:APPLIED PHYSICS LETTERS, VOLUME 73, NUMBER 14, 1991
Honeycomb 構造による光の反射損失を低減させ、光吸収の有効膜厚を増大させた。
酸化膜で表面を被覆することによって、表面再結合を抑える
理論値に近い効率が実現されている
単一接合太陽電池の効率向上(CIGS)
第二世代であるCIGS太陽電池は第三世代の高効率・低コスト太陽電池としても期待されている。その特徴は
コストが低く、高速生産が可能
効率が高い
耐久性が高い
module cost
CIGS 太陽電池について
CIGS
Soda lime glass
ZnO系バファー
CIGS太陽電池の基本構成バンド図
CIGS
ZnO
HR/n+-ZnO
CdS
Eg=1.4eV付近で最大の効率(~30%)を持つと考えられるが、現状での電池はEgが約1.2eVのものである。
接合界面における反転層の形成が高効率の一つ要因
p-type
In/Ga の組成比によってバンドギャップの制御(1.0-1.7eV)が可能
接合界面における反転層の形成が高効率の要因
カルコパイライト系太陽電池の課題
高品質な膜開発(CIGS)(Ga/(In+Ga)~0.6, Eg=1.4 eV)
接合界面の制御によるキャリアの長寿命化バファー層、ワイドギャップの窓材料などの最適化
CIGS太陽電池のVocを向上させるアプローチ
In,Gaの使用量を減すための代替材料の可能性
Si
GaAs Ⅲ Ⅴ
Ⅳ
Ⅱ Ⅳ Ⅴ2CdGeP2
Ⅲ Ⅴ
Ⅳ
Ⅱ Ⅵ
Ⅵ2ⅢⅠCuInSe2
CdS
Si
GaAs
物質名 Eg(eV) a (Å)
Zn-Ge-P2 2.34 5.47
Zn-Sn-P2 1.66 5.67
Zn-Ge-As2 1.15 5.65
Zn-Sn-As2 0.73 5.85
Zn-Sn-Sb2 0.3 6.28
Cu-Al-Te2 2.06 5.96
・・・高品質な膜の作製プロセスの確立が重要
第三世代太陽電池のアプローチ
高効率(50%)・低コスト化に向けて
Eg
サイズ効果を利用したタンデム型材料の設計が可能
単一接合において中間バンドを利用した光吸収域の拡大が可能
キャリアのエネルギー緩和時間の増大によって高エネルギーの光の活用も原理的に可能
大
中間バンド方式
p
n量子ドット型太陽電池
タンデム型太陽電池:複数のセルを接合させ光吸収域を拡大
タンデム型太陽電池のアプローチ
高効率モノリシックタンデム型(多接合型)太陽電池の条件
格子の整合性
最適なバンドギャップの組み合わせ
既存の多接合太陽電池は、高い結晶性を持つ良質な薄膜の作製が容易であるⅢ-Ⅴ族が一般的である。人工衛星で実用されているInGaP/ GaAs/ Geの3接合太陽電池は格子整合型である。
bottom
middle
Top InGaP
GaAs
Ge
Eg = 1.85 eV
Eg = 1.42 eV
Eg = 0.67 eV
5.2
5.4
5.6
5.8
6
6.2
6.4
0 0.5 1 1.5 2 2.5
Ge GaAs
GaPSi
InAs
InP
GaSb
InGaP
Bandgap(eV)
Lat
tice
co
nst
ant(
Å)
タンデム型太陽電池のアプローチ
理想な3接合太陽電池は47%の高効率が得られる
既存の3接合太陽電池は、格子整合( 0.67eV/1.4eV/1.88eV )である故に、バンドギャップが最適な組み合わせではない
接合数
効率
%(A
m1.5
)
理想的な3 接合0.74eV/1.2eV/1.8eV 61%%
(36 cells, 1 sun)
10
20
30
40
50
60
70
0 1 2 3 4
実現された効率は理論に及ばない
31.5%
タンデム型太陽電池のアプローチ
Middle セルにGaAs よりバンドギャップの小さいセルを用いるBottom セルにGeよりバンドギャップの大きいセルを用いる
既存の3接合タンデムセルの光電流は、Middle セル(GaAscell)で発生した光電流によって制限される
タンデム型太陽電池のアプローチ
0
10
20
30
40
50
60
70
80
0
0.5
1
1.5
2
2.5
3
3.5
4
4.5
5
0 1 2 3 4
Jsc mAcm-2
Np
h (
10
17
cm
-2 S
-1)
Energy (eV)
3接合(0.74eV/1.2eV/1.8eV)タンデム太陽電池の最大効率は59%
10
20
30
40
50
60
70
0 1 2 3 4接合数
効率
%
61%%(36 cells, 1 sun)
71%(36 cells, 1000 sun)
1000 sun
1 sun
35.8 % (1 sun, 2009, Sharp)
新しい組み合わせにより、3接合太陽電池の向上を図る
41.1 % (454 sun, 2009,Fraunhofer-ISE)
2010年9月にシャープが東京大学(ToDai)と共同開発した集光型太陽電池が42.1%の世界最高効率を達成
タンデム型太陽電池のアプローチ
Efficiency limit
タンデム型太陽電池のアプローチ
0
10
20
30
40
50
60
70
80
0
0.5
1
1.5
2
2.5
3
3.5
4
4.5
5
0 1 2 3 4
Jsc mAcm-2
Np
h (
10
17
cm
-2 S
-1)
Energy (eV)
3接合(0.74eV/1.2eV/1.8eV)タンデム太陽電池の最大効率は59%
InGaP
GaAs
InGaAs
Eg = 1.85 eV
Eg = 1.42 eV
Eg = 0.97 eV
2009, Sharp35.8%
InGaP
GaAs
Ge
Eg = 1.88 eV
Eg = 1.42 eV
Eg = 0.67 eV
Conventional
32%InGaP
InGaAs
Ge
Eg = 1.75 eV
Eg = 1.2 eV
Eg = 0.67 eV
2009, Fraunhofer-ISE41.1%(454sun)
光電流を増大させる
起電力を増大させるVoc=3V
Isc=13.94mA/cm2
タンデム型太陽電池のアプローチ
2009, Sharp:35.8%
InGaP
GaAs
InGaAs
GaAs
InGaP
GaAs
InGaAs
Eg = 1.85 eV
Eg = 1.42 eV
Eg = 0.97 eV
支持基板
通常の成膜の順番を逆転させ、 GaAs基板上に格子整合性の高いtop , middleセルを形成してからバファー層を挿入してbottom セルを作製する。支持基板に張り合わせて、 GaAs 基板を分離させる。
タンデム型太陽電池のアプローチ
タンデム型太陽電池のアプローチ
0
10
20
30
40
50
60
conventional sharp Fraunhofer-ISE
454
sun
タンデム型太陽電池の接合数を増やして、高効率化を狙うには格子整合性の問題を解決する必要がある。
5.2
5.4
5.6
5.8
6
6.2
6.4
6.6
0 1 2 3 4
格子定数
[A]
バンドギャップ[eV]
Zinc blende type & Diamond type
Ⅲ-Ⅴ
Ⅱ-Ⅵ
Ⅳ
In-Sb
In-As
Ge
Ga-Sb
Ga-As
In-P
Cd-Te
Zn-Te
Si Ga-P
Cd-Se
Zn-Se
Zn-S
多元系材料の良質な膜の開発が重要である
タンデム型太陽電池のアプローチ
3 cells 4 cells
InGaP
InGaAs
Ge
Eg = 1.75 eV
Eg = 1.2 eV
Eg = 0.67 eV
AlInGaP
InGaAs
Ge
Eg = 2.0 eV
Eg = 1.4 eV
Eg = 0.67 eV
Eg = 1eV
InGaAsN:Sb
InGaAs/GaAsPInGaAsN/GaAsInAs/GaAsN:Sb
超格子構造
東京大学で新しいⅢ-Ⅴ系のバルク結晶、歪み補償を利用した超格子や量子ドット膜の開発が進まれている CVDなどの薄膜形成技術の開発や確立
1eV程度のバンドギャップを持つ薄膜を開発するアプローチ
バルク薄膜 量子ドット
歪み補償効果を利用
タンデム型太陽電池のアプローチ
タンデム型太陽電池のアプローチ
0
10
20
30
40
50
60
70
80
0
0.5
1
1.5
2
2.5
3
3.5
4
4.5
5
0 1 2 3 4
Jsc mAcm-2
Np
h (
10
17 c
m-2
S-1
)
Energy (eV)
東大の4接合(0.67eV/1eV/1.4eV/2eV)タンデム太陽電池の最大効率は52%
量子ドット太陽電池
量子サイズ効果を利用したタンデム型太陽電池
SiO2層とSiが過剰となるSiOx層との積層膜を加熱してSi量子ドットを形成
出典: Nanotechnology 19 (2008) 245201(UNSW),Pro. Martin A Green1
Siのドットサイズが小さいほど起電力が大きい(効率~10%)
サイズ効果が確認できた
高効率に向けて
Si 量子ドットを用いた単一接合太陽電池が1%の効率を実現した(東京工業大学)。
量子サイズ効果を利用したタンデム型太陽電池
アモルファスSiC:H
Si量子ドット
Prof.Konagai
量子ドット層
n+-Si
金属電極
アモルファスSi(p)
金属電極
バンドギャップはIn/Ga比によって制御できる→Eg =1~1.7eV.
CIGS材料のタンデムセル
CuGaSe2 Eg~1.7eV
CuInGaSe2 Eg~1.2eV
narrow gap? Eg~07eV
Eg = 1.010 + 0.626x − 0.167x(1 − x), x= In/Ga
wide gap? Eg ~ 1.8eV
CuInGaSe2 Eg ~ 1.4eV
CuInSe2 Eg~1.0eV
or ・・・
3接合のタンデムには他の光吸収材料との組み合わせが必要
光の透過できるバファー層などの開発も不可欠
高効率化に向けて
高効率化に向けて
中間バンドを利用した量子ドット太陽電池の高効率化(>60%)
InAs QD
in
0
100
200
300
400
500
0.01 0.1 1 10 100
モジ
ュー
ルコスト
[¥/W
]
生産コスト(GW/y)
12% 15% 17%
SM
EI
TI
SM
EI
TI
モジュール効率
Case※ 1→2 2→3
SM 43円/W 3円/W
EI 43 26
TI 136 29
222 58
コスト低下
※ 生産コスト モジュールコスト(円/W)
Case1 : 0.01GW/y 391
Case2 : 1 169
Cace3 : 100 111
SM:スケールメリットEI:効率向上TI:技術進歩
多結晶Si太陽電池モジュールのコスト
SOG-Si
ウェハ
(スライス)
セル
モジュール
(保護ガラス)
CO2[g-C/w]
計
Cost[円/W] Cost[円/W] CO2[g-C/w] Cost[円/W]
177.9 44% 19%73.9 14%23.2 51.5 40% 13.2 12%
98.5 25% 94.1 24% 40.9 24% 21.5 17% 19.5 18%
52.0 13% 62.2 16% 32.7 19% 17.3 13% 17.1 15%
32.1 8% 111.4 28% 33.4 20% 9.0 7% 18.4 17%
92.9 23% 111.9 29% 71.3 42% 46.8 36% 59.6 54%
19.1 5% 50.6 13% 26.3 16% 8.2 6% 22.0 20%
401 100% 391 100% 100% 100%100%169 129 111
Case 1-10 MW Case 3-100 GWCase 2-1 GW
多結晶Si 太陽電池モジュールコスト
27
太陽電池モジュールのコスト
現状 将来① 将来②
効率CIGS
効率13%InGaAsP三層効率40%
InGaAsP三層効率40%
1GW/年規模のトータルコスト 1000億円
300億円(一層/1分)
3000億円(一層/100分)
1Wあたりモジュールコスト 112円/W 51円/W 145円/W
内訳 材料費 90円/W 45円/W 45円/W
電気代 5円/W <1円/W 50円/W
人件費 2円/W 1円/W 5円/W
償却その他 15円/W 5円/W 45円/W
Limits of Ga and In Resources
Ⅰ Required material weight
1 CIGS Cell (Efficiency = 15%, Layer thickness 2μm)・ Ga weight = 9g/kW = 900 t/100GW・ In weight = 26g/kW
= 2,600 t/100GW
2Ga system cell (3 - junction, Eff. = 40%, Layer thickness = 2μm)・ Ga weight = 15g/kW = 1,500 t/100GW
Ⅱ Present production rates and potential of Ga, In resources
Production(2007, t/y) PotentialGa 221(96*) 110,000 t/y ( 1,000 ** t/y)In 1,340(530* ) 30,000
*Recycled in Japan **From Bayer process
CIGS PV potential :100 GW/y