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関東農政局両総農業水利事業所 国営両総農業水利事業完工記念誌 両総用水のあゆみ

国営両総農業水利事業完工記念誌 両総用水のあゆみ - maff.go.jp...利根川樋門 大須賀川排水路 第一導水路 第一揚水機場 利 根 川 第一排水機場

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Page 1: 国営両総農業水利事業完工記念誌 両総用水のあゆみ - maff.go.jp...利根川樋門 大須賀川排水路 第一導水路 第一揚水機場 利 根 川 第一排水機場

関東農政局両総農業水利事業所

国営両総農業水利事業完工記念誌

両総用水のあゆみ

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CONTENTS ●両総用水のあゆみ

上空から見た両総用水の主要施設( 昭和 37 年)

南部幹線用水路(公平水路橋)

4号サイホン

第二揚水機場

第二導水路

利根川樋門

大須賀川排水路 第一導水路

第一揚水機場

利 根 川

第一排水機場

昭和天皇陛下行幸水郷大橋S21.6.6 利根川上空 第一導水路

第二揚水機場北部幹線一号サイホン

第一排水機場吐出口と利根川樋門

北部幹線20号トンネル 南部幹線38号開渠南部幹線8号サイホン

利根川樋門と第一排水機場上空

目  次

地域農業の歴史――――――――――――――――   4◆九十九里平野 ◆佐原地域  

千葉県の農業を変えた両総~両総用水事業~  ―――   6◆大規模用水事業が進められるに至った背景◆国営両総用水事業の経過◆国営両総用水事業の整備概要◆県営事業の実施経緯 ◆支線用排水路の整備概要◆両総用水受益内における農業基盤整備の実施

房総最大の資産へ――――――――――――――――― 11

◆房総導水路事業の概要

生まれ変わった両総~両総農業水利事業~  ――――― 12

◆地域の概要 ◆事業の目的 ◆事業の概要

◆主要施設

○利根川両総水門 ○第1導水路   ○第1揚水機場○北部幹線用水路 ○第2揚水機場  ○南部幹線用水路○第3揚水機場  ○東部幹線用水路 ○松潟堰○中央管理所   ○栗山川統合機場 ○山武東部支線機場○松潟揚水機場  ○支線用水路(国営施工)○第1排水機場  ○大須賀川排水路、八間川排水路

地域の営農―――――――――――――――――― 26◆主要作物 ◆生産基盤 ◆新たな農業の展開

地域用水機能――――――――――――――――― 27

多面的機能の維持・発揮(旧農地・水・環境保全向上対策) ― 27

関係市町村の紹介――――――――――――――― 28

ようこそ!両総用水資料室へ(第2揚水機場) ――― 35

事業のあゆみ――――――――――――――――― 36

両総地区イラストマップ―――――――――――― 38

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地域農業の歴史 ●

田下駄・カンジキ

排水不良のため田舟による稲の収穫

排水不良のため田舟による稲の搬送

佐原

那珂川筑波山勝

波江

小貝川

鬼怒川渡良瀬川

利根川

荒(綾瀬)川

入間川

太日川

多摩川

香取の海

江戸湾

江戸初期までの利根川の流れ

河川の氾濫の状況

旱魃による水田のひび割れ

久賀

多 

千代田

二 

睦岡

豊岡

大総

日吉

常磐

飯高

豊栄

南条

東陽横

芝松

白浜

上堺

蓮沼

大平

栗山川

木戸川

境川

緑海

南郷

片貝町

豊成

豊海町

正気

公平

東町

向源村

丘山

大網町

 岡増穂

真亀川

白里町

東金町

本納町豊岡

大 和

関村

白瀉南白亀川

一松

東村 土

茂  

原  

高根

八積

一宮

東良見古

大富

註   河川灌漑地区    両総用水灌漑予定地

        九

      十

    九

  里

鳴浜

主要な河川と灌漑地域(昭和10年頃)

 

九十九里平野

今から六千年ほど前の縄文時代の九十九里平野は、ほぼ全域が海の底であった。やがて数千年を経て土地は隆起し、弥生時代には海岸線も後退した。こうした長期にわたる陸地化の過程で平野には海岸線と並行に並ぶ 8列の大きな砂丘群が形成された。

大和政権が成立する頃になると、ほぼ現在の海岸線あたりまで陸地化された。陸地と言っても砂丘にはばまれて取り残された湖沼(ラグーン:海跡湖)がたくさんあり、平野のほぼ全域がアシやマコモの茂る湿地帯であった。南から稲作文化が伝わると、人々はその湿地帯に稲を植えて、半農半漁のような暮らしをしていた。人々はわずかに高くなっている砂丘の上に集落や畑を造って住み、砂丘と砂丘の間の低湿地を水田にした。所々に残る松林の列は、昔そこが海岸線であり防風林であったことを示している。この平野の縞模様は砂丘の名残であり、太古からの人々の暮らしや農業の歴史が刻まれている。

平安時代~明治時代までは、平野に位置する水田集落は、これらの低湿地や湖沼を埋める形で開発されてきた。特に江戸時代における九十九里浜の大規模な地引き網の盛況や塩田の開発に伴い人口が大幅に増加したことが、この平野の水田の開発に拍車をかけた。しかし、開発された水田は、泥田であったり、ザル田(砂

地で水が抜ける田)であったり、条件は良くなかった。この平野には大きな河川はなく、多くの水田はその水源を天水に頼っていた。そもそも水が十分でないこの平野において、これら湖沼の開発が進めば進むほど、その湖沼を用水源にしている下流の村は、益々水が足りなくなっていった。また、平野に雨が降ると何列もの砂丘群が邪魔をして、水は南北へ蛇行したり、低地によどんだりして平野から直ちに排水されない。まだ充分に稲が伸びていない梅雨時には、湛水害が発生する。開発された水田は水はけが悪いところが多く、田下駄・カンジキを使用して農作業をしていた。大正時代になりようやく平野の河川改修が行われるようになったが、川を深く掘り下げて大量の水が流れるように断面を大きくしたことから、掘削された河川に周辺の地下水が流れ込み、砂地のザル田であった水田から水が抜けてしまい、もともと水不足であった平野の水不足を加速させる結果となった。

このように九十九里平野の水田は、用水の絶対量が不足していることに加え、この平野の農家は、日照れば渇水、降れば湛水という極めて不安定

な営農を強いられてきた。このような状況は両総用水による用水施設の整備が完成するまで続いていた。図は昭和 10 年頃の平野における主要な河川からの灌漑地域を表したもので、天水に頼っている地域の大きいことが解る。

佐原地域

一方、「水郷」で有名な佐原一帯は、中世を通して古代の「香取の海」と呼ばれて、一大沼沢地であった。この地区に開拓の手が伸びるのは 16 世紀末、つまり江戸幕府が成立する直前の頃だと言われている。一大沼沢地に堆積した洲の上に新田村が出現し、順次周辺の洲が開田され、1640 年までに 16 の新田集落(「水郷十六島」といわれていた。)ができていた。

江戸幕府が成立し、水郷十六島の開発が始まった頃、この地域はとてつもない変化に見舞われた。当時の利根川は図のように江戸湾に流れ込んでおり、いわゆる香取の海は、今の鬼怒川や霞ヶ浦周辺の河川が集まるところであった。江戸初期に始まる利根川の瀬替えによって、利根川水系や渡良瀬川水系の水がこの香取の海に押し寄せ、従来の 2倍の量の水が流れ込むことになった。瀬替えは、江戸の水害対策、関東平野の開拓、銚子と江戸を結ぶ水運、東北の雄藩への防御などいくつかの重要な目的を持っていた。佐原は、銚子から江戸への水運の中継点となり、千石船が行き交う港として栄えた。

八代将軍徳川吉宗の代になって、利根川は連続堤防で固定され、直線化された。この影響で、利根川上流の大雨によって佐原周辺の水位がピークになるのに、以前は 5日かかったものが、この時代の後には 2日となった。(現在は、明治以降の治水工事によって 1日に短縮されている。)大雨とほぼ同時に利根川の水位が増すようになり、利根川の水位が支流より高くなるため佐原周辺の川に逆流する。大雨に加え、本流からの逆流によって川の水は溢れ、大被害をもたらすという事が何度も繰り返された。

明治時代の中期以降、鉄道の進展により舟運は衰退の道をたどり始め、舟運が衰えると河川は洪水を防ぐため堤防を高める工法に変わり、この地の排水はより困難となった。さらに昭和の始め、利根川支流の河口に逆流を防ぐための水門が造られた。これにより利根川からの洪水を防ぐことは可能となったが、大須賀川など利根川の支流の水は行き場を失い周辺農地に溢れるようになった。こうした水害常襲地の対策として、梅雨時の湛水害を避け、台風前に収穫できる稲の早生種の栽培が行われていた。このため現在でも佐原地域は早場米の産地となっている。このような状況は両総用水による排水施設の整備が完成するまで続いていた。

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千葉県の農業を変えた両総 ~両総用水事業~

山武郡大網町地先苗代枯死の状況(昭和15年度旱魃)

昭和18年度事業計画書添付写真

水車での水汲み

冠水田での稲刈りの様子

大須賀川改修工事 第一排水機場

改修前の大須賀川

昭和32年8月佐原―東金間通水式

大規模用水事業が進められるに至った背景

両総用水の地域は千葉県の北東部にあたり、利根川の支流である大須賀川沿岸と九十九里浜に注ぐ栗山川沿岸並びに九十九里浜に沿って広がる長生郡一宮川までの九十九里平野の大部分の耕地よりなっている。本地域は、太平洋に面しているため好気象に恵まれながらも、背後の丘陵地帯の分水嶺が平野部に接近して走っている関係で、耕地面積に対し集水区域が少ないため、大部分が天水田であり、一度旱

かんてん

天が続くと水田は荒野と化し、一方、利根川沿岸佐原地域は低湿地帯のため、年々水害の脅威にさらされ、これにより農家の努力も水泡に帰する状況であった。このため、昭和に入ってから九十九里浜一帯の用水補給と利根

川沿岸低湿地の排水改良の計画が個々に叫ばれていたが、工事の困難な事と経済的な理由からなかなか実現されなかった。県では丘陵地帯に溜池を設置し、また既存の河川用水の利用等

を図るため、数多くの県営用排水改良事業を計画し、一部は実施されたが、局部的で全地域の用排水を改良するまでには至らなかった。このため排水改良、耕地整理事業等の土地改良事業が制約を受け、農業生産の発展が遅れ、県内でも後進地域といわれていた。

国営両総用水事業の経過

昭和8年、昭和9年に続いて、昭和15年の旱かんばつ

魃の被害が激しかったことから、千葉県は昭和 15 年と昭和 16 年の 2 年で、本地域の用水改良実施計画を樹立し、昭和 16 年県会の決議を得て、政府に事業の採択を要望した。しかし、国は事業量が膨大で事業期間が長期にわたることを理由にこれを承認しなかった。当時は、昭和恐慌、満州事変に続き、日米開戦前という激動の

時代であった。そのような中において「両総用水期成同盟連合会」の会長

である十枝雄三氏らの粘り強い請願活動により、遂に昭和 18年、第二次大戦中にもかかわらず、国会承認となり、国は農地開発営団に施行の代行を委任した。農地開発営団は、昭和 18 年 4 月佐原町に事業所を設け、同年 7 月起工式を挙行した。しかし、戦中戦後の資材難やインフレにともなう種々の悪条件が重なり、一時事業の中止に至り地元関係者に一抹の不安を抱かせたが、昭和 21 年 6 月の天皇陛下行幸もあり、公共事業として再開した。昭和 22 年の農地開発営団閉鎖後、農林省直轄事業として引き継がれ、事業は昭和 23 年度より堅実な

進展を示すに至った。特に、昭和 25 年度には一般会計事業費のほかに 5億円の対日援助見返資金の投入を得て、排水事業の完成と、北部幹線用水路工事の進捗をみた。総事業費は当初 1,986 万円であったが、戦後のインフレの影響等により年々増加し、特に南部幹線の路線の変更、施行年度の延長等により総事業費は 60 億 590 万円となり、昭和 38 年度末まで主要工事は完成し、計画変更を行った。昭和 39 年一部追加工事を行い、国営両総用水事業が完了し、昭和 40 年 9 月 19 日東金市で関係者が参列し盛大な竣工式が挙行された。

昭和 18 年の事業計画書より抜粋第一節 事業ノ目的現況記載ノ如ク本計画区域ノ水田ノ大部分ハ確固タル用水源ナク所謂天水田多ク其他溜池河川等ニ依ルモノト雖モ何レモ水量豊富ナラズ干魃ニ際シ用水不足ヲ来タス現況ナリ仍テ之カ救済策トシテ本地域ノ北辺ヲ流下スル利根川ヨリ機械揚水シテ用水幹線ヲ開鑿シ以テ香取、山武、匝瑳、長生、四郡五十一ヶ町村ニ亘ル約一萬五千町歩ノ旱害地ニ用水ヲ補給シ旱害除去スルト共ニ香取郡下大須賀川及小野川沿岸ノ耕地ハ旱害地タルノミナラズ一朝豪雨ニ際會センカ濁流反乱シテ被害ヲ蒙ルコト夥シキヲ以テ用水計画ト同時ニ排水計画実施ノ要アリト認メラレヲ以テ両川ノ悪水ヲ佐原町岩ケ崎ニ導流シ機械排水ニ依リ利根川ニ放流シテ水害ヲ除去シ以テ銧後農村ノ生産ノ安全ト農産物ノ増殖ヲ圖ルヲ目的トス

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国営両総用水事業の整備概要

用 水 施 設

頭 首 工 場 所 取 水 量 構 造(全高×全幅)

利 根 川 樋 門 佐原市粉名口 14.470m3/s 鉄筋コンクリート(11.15m × 16.30m)

横 芝 堰 横芝町大字横芝~大字栗山 12.178 m3/s 鉄筋コンクリート(9.315m × 35.45m)

揚 水 機 場 揚 水 量 実 揚 程 ポ ン プ 規 模

第 一 揚 水 機 場 14.470m3/s 22.50m 口径1,200mm(1,000kW×3台)、口径1,200mm(850kW×2台)

第 二 揚 水 機 場 11.703m3/s 22.00m 口径1,200mm(1,000kW×2台)、口径1,200mm(850kW×2台)

第 三 揚 水 機 場   0.646m3/s 10.50m 口径 300mm(25kW× 2台)、口径 400mm(50kW× 1台)

用 水 路 最大通水量 延 長 構 造

北 部 幹 線 用 水 路 14.470m3/s   8,609m開渠:コンクリート緩傾斜型、隧道:コンクリート半円型等、第一導水路延長含む

栗 山 川 疎 水 路 18.170m3/s 18,898m 開渠:コンクリートブロックライニング、コンクリート矢板、土水路、河川利用区間延長含む

南 部 幹 線 用 水 路 11.703m3/s 39,802m開渠:コンクリート緩傾斜型、直壁型、隧道:コンクリート馬蹄型等、第二導水路延長含む

西 部 幹 線 用 水 路 0.646m3/s   6,522m隧道:コンクリート馬蹄型、サイホン:コンクリート矩形型管等、第三導水路延長含む

排 水 施 設

水 門 流 域 面 積 計画排水量 排水先河川 計画最高外水位

利 根 川 樋 門 118.02km2 49.0m3/s 利根川 YP5.67 m

排 水 機 場 流 域 面 積 実 揚 程 計画排水量 ポンプ規模

第 一 排 水 機 場 118.02km2 4.11m 15.32m3/s口径 1,500mm(300kW× 2台)口径 1,200mm(250kW× 2台)

第 二 排 水 機 場  1.88km2 3.50m   0.68m3/s 口径     600mm(  75kW× 1台)

排 水 路 流 域 面 積 計画排水量 延 長 構 造 排 水 河 川

大 須 賀 川 排 水 路 118.02km2 49.0m3/s 4,000m底 幅:12.5m深 さ:5.59m法勾配:1:0.4

新大須賀川計画洪水位:YP3.5m

県営事業の実施経緯

国営事業による幹線水路工事の進展に伴い、早急な支線計画の樹立に迫られた千葉県は、昭和 25 年、26 年の 2ケ年にわたって地区全域の現地調査を行い用水 15 支線と、排水 2支線の総延長 143,824m、総事業費 14 億 1, 100 万円の計画をまとめ国に提出した。この事業は昭和 27 年度に採択され、直に全体実施設計に入り、昭和 28 年より大須賀支線・常磐支線用排水路より着工された。県営事業は国営事業より 10 年遅く着工したため、幹線に通水出来ても支線水路が完成されず水利用が著しく阻害されていた。このため、地元負担金の納入も滞り、県では地元からの強い要望もあり国、県営同時完了を目標として施工調整を農林省に要請した。その結果、昭和 34 年度以降、年間予算が 2~ 3億円となって、全線にわたり著しい工事の進捗が図られた。昭和 39 年度には計画当初より 10 ケ年以上の歳月を経過していたことや幹線事業の一部路線変更に伴う受益地域の出入、県営両総中部排水事業の合併等に併う計画変更を行った。この合併された中部排水事業を除く県営事業は、昭和 42 年 3月に完了し、中部排水事業を含む全県営支線事業は昭和 48 年 3 月に完成した。その間に団体営派線工事も着々と完成し、利根川の水が九十九里平野 19,885ha を潤すと共に利根川沿岸の低地帯が水害から守られることとなった。

支線用排水路の整備概要

支 線 用 水 路事業量(m)

支配面積(ha)

取水量(m3/s)

備 考

大 須 賀 線 5, 396 966.22 0.553

常 磐 線 8, 587 419.53 0.395

多 古 線 4, 698 389.32 0.280

南 条 線 6, 852 417.58 0.359

松 尾 線 3, 874 319.26 0.342

南 郷 線 12, 885 668.13 1.150

東 金 線 23, 477 1, 600.49 2.604

福 岡 線 23, 505 1, 732.44 2.024

増 穂 線 2, 961 170.55 0.212

大 網 線 12, 647 579.34 0.449

本 納 線 14, 098 582.91 1.004

東 郷 線 14, 236 499.47 0.988

高 根 線 12, 608 568.90 0.914

茂 原 線 5, 843 188.89 0.344

五 郷 線 3, 334 186.48 0.225

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東金支線円筒分水工 多古支線円筒分水工

長柄ダム●房総最大の資産へ●

横芝揚水機場

支線排水路事業量(m)

流域面積(km2)

支配面積(ha)

排水量(m3/s)

備 考

大 須 賀 線 5,858 52.39 1,080 37.62

常 磐 線 5,753 43.91  411 18.51

真 亀 川 上 流 3,688 21.67  500 22.31

高 倉 川 5,154 12.67  403 12.69

北 幸 谷 川 6,245 18.90  754 18.99

細 屋 敷 川 3,033 8.00  293   8.93

浜 川 2,908 7.03  323   7.89

両総用水受益内における農業基盤整備の実施

両総用水受益内におけるほ場整備事業は、事業が創設された昭和 38 年以前に着工された地区の割合が全体の 47%と高い。その後、受益内では昭和 60 年度までに全体で 17,397ha が着工された。

房総導水路事業の概要

房総導水路事業は、九十九里地域、南房総地域、千葉県及び千葉市への水道用水と千葉臨海工業地帯及びその周辺地域への工業用水の供給を目的として昭和45 年度から平成 16 年度まで水資源開発公団(現水資源機構)により実施された。事業内容としては、両総用水施設の一部(利根川両総水門~両総第一揚水機場~北部幹線~栗山川~横芝堰)約32km を共用し、横芝揚水機場から長柄ダムを経て大多喜ダム(中止決定済)までの約 67㎞を公団(現水資源機構)専用水路で送水する。両総用水施設を共用することとしているのは、利根川の水資源の合理的開発の一環として、既設の両総用水施設を共用し施設の有効利用を図る観点からのもので、昭和 52 年度から共同利用が始まっている。なお、かんがい期には、両総農業用水の必要水量に加えて新規利水の3.0m3/s を同時に通水するために、両総用水施設の一部を拡張する工事を実施している。本事業は、水道用水として九十九里地域 2.14m3/s、南房総地域 0.5m3/s、千葉県 1.849m3/s、千葉市 0.411m3/s並びに千葉市から君津市に至る千葉臨海工業地帯及びその周辺地域の工業用水として 3.5m3/s の合計 8.4m3/sの都市用水を供給することを目的として、利根川本川から最大 13.3m3/sを取水し、東金ダム、長柄ダムによる開発水を加えて計画水量を供給するものである。

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 生まれ変わった両総 ~両総農業水利事業~

600

500

400

300

200

100

0

3000.0

2500.0

2000.0

1500.0

1000.0

500.0

0.0S7 S8 S9 S10 S13 S14 S15 S25 S30 S37 S40 S45 S51 S55 S60 H2 H7 H12 H17 H22

降水量

匝瑳

長生

山武

千葉県

年別反収の推移とかんがい期降水量(3月~8月)

反収(kg/10a)

降水量(3月~8月)

50,000

40,000

30,000

20,000

10,000

0

(百万円) その他    野菜    米

S35 40 45 49 55 60 H2

旧国営事業(S18~S40)

(資料:両総土地改良区史上巻、千葉県農林水産統計年報)         ※ 1930 ~ 1987 年:千葉県原種農場成東分場(千葉県農林部)              1988 ~ 2013 年:アメダス横芝光データ

関係市町村における農業粗生産額の推移(資料:千葉農業水産統計年報)

太 平 洋

九十九里浜

東部幹線

第 1導水路

一宮町

長生村

白子町

大網白里市

九十九里町

東金市 山武市

横芝光町

多古町

匝瑳市

香取市

成田市

茂原市

神崎町

第1排水機場

第1揚水機場

利根川

北部幹線

第2揚水機場中央管理所

第3揚水機場

南部幹線

一宮川

南白亀川

真亀川

作田川

木戸川

栗山川

利根川両総水門

栗山川統合機場南部幹線

栗山川

     凡  例

用 水 受 益

用 ・ 排 水 受 益

排 水 受 益

揚 水 機 場

排 水 機 場

用  水  路

排  水  路

用水路既設利用

排水機場既設利用

頭 首 工 等

山武東部支線機場

松潟堰

地域の概要

両総地区は、干葉県北東部に位置し、利根川右岸、栗山川沿岸から九十九里平野南部にかけて展開する 17,970ha(水田 13,560ha、畑 4,410ha)の地域で、年平均気温が 15℃と温暖で、年平均降水量は 1,500mmである。本地域を大別すると、太平洋に面した九十九里平野と利根川右岸の佐原地域になるが、かつて、九十九里平野は水源に恵まれず慢性的な水不足に悩み、佐原地域は低湿地で常習的な冠水被害を受ける地域であった。両地域の干ばつと洪水の被害を一挙に解決したのが、戦中の昭和 18 年 4 月に着工し、昭和 40 年に完了した国営両総用水事業である。この事業によって、農業の用排水基盤が安定し、首都圏への米、生鮮野菜等の供給基地として大きな役割を担う農業地帯として発展してきた。

事業の目的

昭和40年に完了した国営両総用水事業は、利根川右岸の佐原地域を排水不良から救い、慢性的な水不足に苦しめられてきた九十九里平野を潤し続けてきた。しかし、両総用水は年々施設の老朽化が進み維持管理に関する経費が増嵩すると共に、農業経営の変化に対応した新しい施設の建設が求められるようになった。このため、平成 5年度に特に緊急的に整備を要する施設を対象として施設更新事業に着手した。また、それ以外の施設についても老朽化が進んでいたため、施設全体の更新を行い農業用水の安定供給を図ることとし、平成 10 年度に事業計画の変更を行った。この事業により現況施設の機能維持・回復を図るとともに、農業者の減少や高齢化、米価の低迷等水田農業をめぐる厳しい状況にかんがみ、用水管理に係る労力・費用の軽減等、維持管理の合理化を図ることとし、広大かつ平坦な九十九里平野の受益地において、用水配分の適正化、用水到達時間の短縮、送水効率の向上を図るため、幹線用水路をパイプライン化及び 2路線化にするとともに、集中的な水管理システムを導入した。併せて汎用耕地化を図るため、排水施設の機能強化を行うこととした。

事業の概要

受 益 面 積 17,970ha(水田 13,560ha、畑 4,410ha)工 事 量 利根川両総水門 1箇所、頭首工 3箇所、揚水機場 6箇所、      幹線用水路 4条 70.6km、支線用水路 8条 17.2km、      排水機場 1箇所、排水路 2条 6.9km、水管理施設 1式総 事 業 費 1,070 億円工 期 平成 5年度~平成 26 年度

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改修後改修前

YP-1.100m

21,200 18,500 16,000 14,000

排水取水

主要施設

利根川両総水門

九十九里平野と佐原地域の水田への農業用水と、水資源開発公団(現水資源機構)による房総導水路建設事業の都市用水を利根川から取水する施設であるとともに、利根川の水位上昇時に閉じて洪水の流入を防ぐ施設である。

      改修後の断面図

     改修後の構造諸元

項 目施設名

位 置 形 式 構  造取水量(m3/s)

排水量(m3/s)

備  考

利根川両総水門香取市佐原口

ステンレス製ローラゲート

幅 10.0 m ×高さ 4.6 m × 1門(用排水兼用水門)

幅 15.0 m ×高さ 4.5 m × 1門(排水水門)

幅   2.5 m ×高さ 4.0 m × 1門(機械排水水門)

[17.47]14.47

105.10[ ] は房総導水路建設事業を含む最大取水量(共用施設)

第 1導水路

利根川より最大毎秒 14.47m3 の農業用水と 3.0m3 の都市用水を第 1揚水機場まで導水する水路である。導水路の途中に第 1制水門を設置し、洪水時の流入量を調節している。

  改修前の第一導水路と第一制水門         改修後の第 1 導水路と第 1 制水門

     改修後の構造諸元

項目施設名

支配面積(ha)

通水量(m3/s)

施 工 延 長 (km)構 造 付帯構造物 備 考

総延長 開水路 管水路 その他

第1導水路 17,370[17.47]14.47

1.2 1.2 - -コンクリート水路鋼矢板水路

第 1制水門[ ] は房総導水路建設事業を含む最大取水量(共用施設)

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1,200mm横軸両吸込渦巻ポンプ

天井走行クレーン(7.5ton)

18,000 17,650 5,200

12,450

電動蝶型弁

HWL +19.36

HWL TP+0.660LWL TP-1.63

送水管φ 1,200mm  L=19.95m(上)と吐水槽(左)

開 水 路5,7005,200

300 3005,2005,800

2,400

250

トンネル

300

300

250250

3,100

2,300 内巻鉄筋

コンクリート

200

1,306 既設1,294 2,6005,200

バイパス

二次覆工

一次覆工

φ2,300~2,600

シールド

CL

2000(Bバーム)

フェンス H=1.200

張りコンクリート t=100

1000200~250

5000~6000 4000(Aバーム)1000200~250 3750 250

表層工(密粒度アスコン t=50)

100

100

2500~2700

2200~2400

300

100250~300 250~300

5200~66005700~6600

450 100

地盤安定処理工

 

第1揚水機場

利根川両総水門より最大毎秒 14.47 m3[17.47m3]の用水を取り入れ、第 1導水路を経て、この機場で高台の北部幹線へ汲み上げる施設である。用水は北部幹線で一部を分水した後、栗山川に注水する。

改修前 改修後

    改修後の断面図

    改修後の構造諸元

項 目

施設名位 置

揚水量(m3/s)

揚程(m) 揚水機 原動機備 考

実揚程 全揚程 形式口径(mm)

台数(台)

形式動力(kW)

台数(台)

第1揚水機場香取市佐原ホ

[17.47]14.47

20.99 23.00横軸渦巻型

1,200

1,100

5

2電動機

800

900

5

2

[ ] は房総導水路建設事業を含む最大取水量(共用施設)

北部幹線用水路

北部幹線用水路の主水路はトンネル、開渠、暗渠、サイホンで構成され、全延長約8km のうちトンネルは約 4km となっている。房総導水路建設事業の毎秒 3.0m3 の増量を含めて最大毎秒 17.47m3 が流れる。トンネル補強増厚分の通水断面を確保するために副水路(バイパス水路)を造成して、複線化を図った。栗山川に注水するまでの間 5箇所に分水し、1,051.6ha の水田に補給している。

改修前 改修後

改修後の断面図

    改修後の構造諸元

項 目施設名

支配面積(ha)

通水量(m3/s)

施 工 延 長 (km)構 造 備 考

総延長 トンネル 開渠 暗渠 サイホン

北部幹線用水路 17,370[17.47]14.47

7.5 3.5 2.8 0.3 0.9半円形トンネル鉄筋コンクリート水路 鋼管

[ ] は房総導水路建設事業を含む最大取水量(共用施設)施工延長及び構造の上段は主水路、下段が副水路(バイパス水路)

7.3 6.6 0.0 0.0 0.7円形トンネル 鉄筋コンクリート水路 鋼管及びFRPM管

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TP+5.80

▽ ▽

HWL+1.80LWL+0.30

スクリーン

TP-1.40

8,600

24.5009,000 15,500

天井クレーン

操作室

電気室

TP-4.20

φ1,200

ポンプ室φ1,200渦巻ポンプ

12,200

TP+5.60GL

φ2,400

TP-2.40

10,000 10,2001,300

6,000 8,5001,300

2,900

従来工法

FRPMφ165

0(3種

エアミルク充填

浮上防止金具

排水ドレーンφ150

2873

158

DCIPφ165

0(T形

2873

1000

150

600

300

C

最大450mmまでとする

水切り(100×100)

浮上防止金具

90°

コンクリート基礎(18N-8-20 or 25)

排水ドレーンφ150

新工法(露出配管工法)

溶接金網φ2.6×100×100

無筋コンクリート(18N-8-20 or 25)

64845684400 400

24003416

400400

2501980

902320

2470

浮上防止バンド良質土

ベース金具

エアモルタル山砂

ホークアンカー

枠式ターンバックル

φ1500

(FRPM材 2 種)

1:0.6

第2揚水機場

栗山川から用水を南部幹線用水路へ汲み上げる施設である。第 2揚水機場は両総用水施設全体の中央管理等を行うため、旧機場の用地では手狭であることから、新しい機場は栗山川沿いに移設した。

         改修前                改修後

                                   改修後の断面図

                                                                                                                                                    吐水槽

                                                                                                                                               ポンプ設備

  改修後の構造諸元

項 目

施設名位 置 揚水量

(m3/s)

揚 程(m) 揚 水 機 原 動 機備 考

実揚程 全揚程 形式 口径(mm)

台数(台) 形式 動力

(kW)台数(台)

第 2揚水機場 横芝光町大字寺方 11.70 38.00 44.00 横軸

渦巻型 1,200 4 電動機 1,700 4

南部幹線用水路

両総用水全体の中でも最長の約 33km におよぶ用水路で、老朽化とともに、用水を無駄なく送水するためすべてパイプライン化し、コスト縮減も考慮し既設の水路の中に埋設した。特に昭和 32年に完成した公平水路橋は、地盤が軟弱で当時ではかなりの難工事であったといわれ、水路自体を補剛桁としたランガー桁式の 5径間(径間長 60m)の鋼製水路橋である。本事業により耐震補強等を行い、桁内にパイプを布設して水路橋を有効活用している。

改修前    改修後

改修後の断面図

  改修後の構造諸元

項 目施設名

支配面積(ha)

通水量(m3/s)

施 工 延 長 (km)構 造 備 考

総延長 開水路 管水路 その他

南部幹線用水路 11,970 11.70 32.9 - 32.9 -

管水路2,600mm

1,100mm

既設開水路内布設延長  L=16.5㎞ 既設サイホン内布設延長 L=  2.1㎞ 既設トンネル内布設延長 L=14.3㎞

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▽HWL+18.20

TP+19.00

9,400

7,400

TP+13.00

φ1,200

φ1,200渦巻ポンプ

15,000 9,500

15,200

TP+19.20

LWL+15.20

TP+11.20

7,000

スクリーン

砂基礎

φ2,300

砂基礎

φ400~1800

FRPM,DCIP

▽ NWL+0.920

護床工TP-2.240

洗掘防止鋼矢板

8.000

遮水鋼矢板

21,200

TP+2.860

▽朔望平均満潮位TP+0.60

3,160

TP-2.240

ゴム引き布製起伏堰

23,200 9,900

TP-2.241

護床工

5,100取水位

改修後

集中監視制御機器

改修前

❸第2・第3揚水系監視操作設備

❷第2揚水機場監視操作設備

❶第1排水系・第1揚水系 監視設備

第3揚水機場

南部幹線用水路上流部からの用水を一旦、高台にある吐水槽まで汲み上げて南部幹線用水路下流部と新設の東部幹線用水路に送水する施設である。

    新  設                     

    構造諸元

項 目

施設名位  置

揚水量(m3/s)

揚 程(m) 揚 水 機 原 動 機備考

実揚程 全揚程 形式口径(mm)

台数(台)

形式動力(kW)

台数(台)

第 3揚水機場 山武市成東 10.05 37.40 40.10横軸渦巻型

1,200 3 電動機 1,644 3

東部幹線用水路

東部幹線用水路は、南部幹線用水路から分岐する新設管水路で、幅約 10kmの九十九里平野に公平かつ効率的に用水を配分する施設である。また、パイプライン化に伴い用水管理が容易となる。

      新 設

    構造諸元

項 目施設名

支配面積(ha)

通水量(m3/s)

施 工 延 長 (km)構 造 備 考

総延長 開水路 管水路 その他

東部幹線用水路 5,670 5.45 29.0 - 29.0 -

管水路1,800mm

400mm

推進工 12 箇所、シールド工 1箇所含む

機場の断面図

断面図

松潟堰

旧施設は、一宮川に千葉県が昭和 9~ 12 年に建設したもので、海水の侵入を防ぐ役目も果たしており、本事業で全面改修した。新しい堰は旧堰より約 260m 上流に移し、洪水吐と土砂吐ゲートが合わせて 3門あり、右岸側に舟通しを 1門設置した。洪水吐水門の形式はゴム引き布製起伏堰である。 

   改修後の構造諸元

施設名 松潟堰 位置 一宮町大字宮原(右岸)長生村大字金田(左岸)備考

形  式堰高(m)

堤長(m) 取水位(m)

取水量(m3/s)

付 帯 施 設固定部 可動部 計

ゴム引き布製起伏堰

3.16 - 94.5 94.5 0.92 1.12

洪水吐水門 堤高 3.16m ×堤長 30.24m × 2門(ゴム引き布製)土砂吐水門 堤高 3.16m ×堤長 10.50m × 1門 ( 鋼製 )舟通し 1門魚道  1式

中央管理所

中央管理所は両総地区のほぼ中央に位置する第2揚水機場内に設置した。主要な施設の中で特に重要な施設について、集中監視制御(自動制御)を行うもので、集中監視にはテレメーター、集中制御にはテレコントロール等の機器を装備した。

改修後の断面図

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栗山川統合機場

栗山川沿いの篠本機場、南条支線機場、芝崎機場、多古支線機場の 4機場を国営事業により統合し、効率的な水管理に資する施設とするため新設した。なお、調整池を含めた機場の位置は、稀少植物の生息地を回避し、環境にも配慮した位置とした。

    新 設

  構造諸元

項 目

施設名位 置

揚水量(m3/s)

揚 程(m) 揚 水 機 原 動 機備 考

実揚程 全揚程 形式口径(mm)

台数(台)

形式動力(kW)

台数(台)

栗山川統合機場横芝光町大字新井

0.93 38.10 42.00 横軸渦巻型 450 2 電動機 232 2 揚水用0.94   2.15   3.40 横軸軸流型 700 1 電動機   45 1 栗山川注水用

※調整池(10 万 m3 )を併設

山武東部支線機場

栗山川沿いに設置されている山武東部支線機場は、適切な水管理を行うため、流量制御機能をもつ施設に改修した。

    改修前                改修後

  改修後の構造諸元

項 目

施設名位 置

揚水量(m3/s)

揚程(m) 揚水機 原動機備考

実揚程 全揚程 形式口径(mm)

台数(台)

形式動力(kW)

台数(台)

山武東部支線機場横芝光町大字横芝

1.73 18.75 28.00立軸斜流型

900 1 電動機 647 1

松潟揚水機場

一宮川沿いに設置されている松潟揚水機場は、松潟堰の位置変更に伴い改修し、操作室では松潟堰の操作を一体的に行うことで効率的な施設管理が可能となった。

改修前 改修後

  改修後の構造諸元

項 目

施設名位 置

揚水量(m3/s)

揚 程(m) 揚 水 機 原 動 機備考

実揚程 全揚程 形式口径(mm)

台数(台)

形式動力(kW)

台数(台)

松潟揚水機場 長生村大字金田 1.12 13.86 15.80立軸斜流型

500 2 電動機 119 2

支線用水路(国営施工)  

  改修後の構造諸元

項 目施設名

支配面積(ha)

通水量(m3/s)

施 工 延 長 (km)構  造 備 考

総延長 開水路 管水路 その他

大 須 賀 支 線 用 水 路 990 0.55 3.9 - 3.8 0.1 管水路 φ 1,000mmその他は既設開水路の嵩上

南 条 支 線 用 水 路 1,270 1.46 2.2 - 2.2 - 管水路φ 800mm~φ 600mm

山武東部支線用水路 2,020 1.73 1.9 - 1.9 - 管水路φ 1,000mm~φ 600mm

南 郷 支 線 用 水 路 950 1.12 2.1 - 2.1 - 管水路φ 1,000mm~φ 450mm

東 金 東 支 線 用 水 路 1,490 2.01 2.4 - 2.4 - 管水路φ 900mm~φ 800mm

福 岡 南 支 線 用 水 路 860 0.61 1.3 - 1.3 - 管水路φ 700mm~φ 600mm

福 岡 東 支 線 用 水 路 1,270 1.33 1.4 - 1.4 - 管水路φ 800mm~φ 600mm

松 潟 支 線 用 水 路 1,120 1.12 2.0 - 2.0 - 管水路φ 1,000mm~φ 800mm

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11,000 15,300 8,400 7,800

自動除塵機

φ1650横軸斜流ポンプ

YP4.00

YP1.30

YP-4.75YP-2.30

YP3.40

1:2.0

3480~

2470

基礎コンクリート

砕石t=15cm

吸出防止シートt=10mm

張ブロック

9000

河床幅15.00

1:2.1

0▽

河床幅15.00

岩戸堰

川尻水門

第1排水機場

第1排水機場は、大須賀川排水路及び八間川排水路流域の水田 1,580ha を洪水から守るため、利根川の水位が両排水路の水位より高い場合、第1排水機場を稼働させて利根川へ排水する施設で、水田の営農条件の変化等に対応するため第 1排水機場の能力を大幅に向上させた。

                                                     改修前               改修後

                     改修後の断面図

    改修後の構造諸元

項 目

施設名位 置

排水量(m3/s)

揚 程(m) 排 水 機 原 動 機備 考

実揚程 全揚程 形式口径(mm)

台数(台)

形式動力(kW)

台数(台)

第 1排水機場香取市佐原ホ

20.00 2.72 3.70横軸斜流型

1,650 3 電動機 314 3旧計画排水量(15.32m3/s)

  

大須賀川排水路、 八間川排水路

大須賀川排水路及び八間川排水路の流域の変化や周辺水田の営農条件が変化したことから、両排水路の改修を行い、第 1排水機場と併せて流域からの洪水の排水強化を図った。

大須賀川排水路  改修後

           改修後の断面図

八間川排水路   改修後

           改修後の断面図

    改修後の構造諸元

項 目施設名

受益面積(ha)

排水量(m3/s)

施 工 延 長 (km)構 造 こう配 付帯施設 備 考

総延長 開水路 管水路 その他

大須賀川排水路 590 85.1 3.2 3.2 - - 張りブロック 1/5,000 岩戸堰旧計画排水量(49.0m3/s)

八間川排水路 990 23.8 3.7 3.7 - - 張りブロック 1/10,000 川尻水門旧況排水量 (18.1m3/s)