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1 No.60 January 2008 1 2 3 4 5 6 リレーエッセイ 途上国と技能力 就任のご挨拶 テーマエッセイ 「人のつながり」 退任のご挨拶JICE NEWS まつおか かずひさ 昭和22年生まれ。昭和45年海外技術協力事業団入 団。建設省(出向)、アジア開発銀行(出向)、JICAインドネシア事務所次長、無償資金 協力部基本設計調査第一課長、研修事業部管理課長、人事部人事課長、派遣事業 部長、アジア第一部長、理事、国際協力専門員(客員)を歴任。平成20年1月より現職。 平成 20 年の年頭にあたりまして、謹んで新年の御祝辞を 申し上げます。 旧年中は一方ならぬ御厚情を賜り、誠にありがとうござい ました。本年も引き続き御指導と御支援を賜りますよう、よろ しくお願い申し上げます。 さて、私こと、先般の当センター理事会におきまして理事 長に推挙され、本年1月1日付で就任いたしました。昨今の 想像を超える変革の中、当センターも時代の要請に的確に 応え、存在意義をより高めるよう、堅実な運営が求められて いることを鑑みますと、その責任の重大さを痛感しておりま す。非才の身ではございますが、この大任を果たすべく、 役職員と一丸となって、誠心誠意努力して参る所存でござ います。 公益法人改革、10 余年にもわたるODA 予算の削減、独 立行政法人国際協力機構(JICA)と国際協力銀行(JBIC) (円借款部門)の統合を含む ODA 改革等、当センターを取 り巻く環境が大きく変わろうとしている中、私共は平成 18 年 度からの 3 年間の中期目標として(1)公益法人としてのゆる ぎない地位の確立、(2) 「人づくり協力のプロ集団」としての 地位の確立、(3)専門性を高めるための人材育成の強化、 を掲げ、事業を推進して参りました。また、昨年の設立 30 周年を機に、将来の進むべき指針として、新たにミッションス テートメントを作成しました。こうした諏訪前理事長の運営方 針を継承・具現化し、成果を発現させると共に、公益法人と して自らの志と実力によって信用と支持を勝ち得て生きてい く、という原点を忘れずに、広く関係各位の御意見、御批判 を拝聴しながら、運営にあたりたいと存じます。 関係各位におかれましては、引き続き当センターへの御厚 誼と御支援を賜りますよう、重ねてお願い申し上げますと共 に、この 1 年が皆様と御家族にとって、素晴らしい年でありま すよう、心よりお祈り申し上げまして、就任の御挨拶とさせて いただきます。 就任のご挨拶 財団法人日本国際協力センター 理事長 松岡 和久 新理事長に松岡和久氏が就任

新理事長に松岡和久氏が就任 - JICE 一般財団法人 日本国際 ...sv2.jice.org/kouhou/pdf/JICE_no60.pdfハリス賞、日本熱処理技術協会林賞、JICA国際協力功労賞などを受賞。講師研究員としてベルリン工科大学

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No.60January2008

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2・3

4・5

6

リレーエッセイ/途上国と技能力

就任のご挨拶

テーマエッセイ/「人のつながり」退任のご挨拶/JICE NEWS

まつおか かずひさ 昭和22年生まれ。昭和45年海外技術協力事業団入団。建設省(出向)、アジア開発銀行(出向)、JICAインドネシア事務所次長、無償資金協力部基本設計調査第一課長、研修事業部管理課長、人事部人事課長、派遣事業部長、アジア第一部長、理事、国際協力専門員(客員)を歴任。平成20年1月より現職。

平成20年の年頭にあたりまして、謹んで新年の御祝辞を

申し上げます。

 旧年中は一方ならぬ御厚情を賜り、誠にありがとうござい

ました。本年も引き続き御指導と御支援を賜りますよう、よろ

しくお願い申し上げます。

 さて、私こと、先般の当センター理事会におきまして理事

長に推挙され、本年1月1日付で就任いたしました。昨今の

想像を超える変革の中、当センターも時代の要請に的確に

応え、存在意義をより高めるよう、堅実な運営が求められて

いることを鑑みますと、その責任の重大さを痛感しておりま

す。非才の身ではございますが、この大任を果たすべく、

役職員と一丸となって、誠心誠意努力して参る所存でござ

います。

 公益法人改革、10余年にもわたるODA予算の削減、独

立行政法人国際協力機構(JICA)と国際協力銀行(JBIC)

(円借款部門)の統合を含むODA改革等、当センターを取

り巻く環境が大きく変わろうとしている中、私共は平成18年

度からの3年間の中期目標として(1)公益法人としてのゆる

ぎない地位の確立、(2)「人づくり協力のプロ集団」としての

地位の確立、(3)専門性を高めるための人材育成の強化、

を掲げ、事業を推進して参りました。また、昨年の設立30

周年を機に、将来の進むべき指針として、新たにミッションス

テートメントを作成しました。こうした諏訪前理事長の運営方

針を継承・具現化し、成果を発現させると共に、公益法人と

して自らの志と実力によって信用と支持を勝ち得て生きてい

く、という原点を忘れずに、広く関係各位の御意見、御批判

を拝聴しながら、運営にあたりたいと存じます。

 関係各位におかれましては、引き続き当センターへの御厚

誼と御支援を賜りますよう、重ねてお願い申し上げますと共

に、この1年が皆様と御家族にとって、素晴らしい年でありま

すよう、心よりお祈り申し上げまして、就任の御挨拶とさせて

いただきます。

就任のご挨拶 財団法人日本国際協力センター 理事長

松岡 和久

新理事長に松岡和久氏が就任

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私の提言 no.60 2008 Januaryno.60 2008 January

途上国と技能力途上国と技能力

沖 猛雄さん(名古屋大学名誉教授)

日本の「ものづくり」と「人づくり」を伝える日本の製造業の理念として有名な「ものづくりは人づくり」。そこに込められた日本的なものの考え方、技術と人のかかわりを研修を通じ開発途上国の人材育成に活かしている例を紹介する。

「技術」と「技能」

名古屋大学名誉教授の沖猛雄さ

んは、独立行政法人国際協力機構

(JICA)中部国際センターで技

術顧問として研修のコースリーダ

ーを務めている。今年75歳になる

沖さんは、「JICAの研修との

関わりは、かれこれ四半世紀近く

になります。もうライフワークで

すね。講義をするのは得意だし、

好奇心が旺盛だから、自分の性格

に合っていたのでしょう」とふり

返る。

研修では、何を学ぶかと同時に

学んだ技術を自国でどう活かすか

が重要だと沖さんは考えている。

担当している研修コースのうち

「ものづくり基盤技術」では、技術

(テクニック)ではなく技能、つま

り日本の「ものづくり」の考え方を

教えている。長年研修員と関わっ

てきた経験をとおして、「日本で

も地域によって文化が異なるよう

に、研修員の出身国ごとにさまざ

まな文化や考え方があることを実

感している」という。

「だから、研修で学んだことを

自国で活かすためには、何をした

らよいかを考えてほしい。技術や

技能に対する理解の仕方も国によ

って異なるので、研修員それぞれ

が自国に合った実施計画を考えれ

ばいいのです」と沖さんは続ける。

そのため研修の現場では、研修員

に「技能」の概念を理解し活かすた

めのコーディネーションが求めら

れるという。「知恵(=技能)を与

えないで辞書(=知識)を与えても

意味がありません。その辞書をい

かにうまく使うかを教えることが

求められます」。

「すりあわせ」と名古屋気質

 「日本の文化を理解しなければ、

日本の技術を自国で活かすことは

むずかしい」と語る沖さん。日本

の製造業の強味は、技術だけでは

なく技能を伴う点にあり、その象

徴が「すりあわせ」だという。

「良い部品を集めただけで良い

自動車ができるとは限りません。

『部品を集めて自動車を作る』こと

と『自動車という思想に基づいて

部品を作る』ことは意味が異なる

のです。たとえば、軽量化やハイ

ブリッド機能を持つ自動車を作る

うえで、必要な部品を作り組み合

わせていくために技術者と技能者

が考えを出し合い意志疎通を重

ね、良い意味での妥協をして付加

価値をつけ、ものづくりをしてい

く。それが『すりあわせ』です。環

境に配慮した新製品を作るために

は、性能や価格の面で折り合いを

つける必要もあるでしょう。で

も、企業としての社会貢献を考え

た場合、必要であれば決断を下す

し、周辺産業もまた良い意味で妥

協策をとって1つの製品を作り

あげていくのです」。なかでも中

部地方が「技術王国」といわれる

のは、「名古屋気質(かたぎ)」が根

底にあるという。「名古屋は、東

京や大阪と比べて土地は豊かで

農産物にも恵まれていましたが、

政治権力とは離れた位置にあり

ました。経済的にも歴史的にも

耐えて糧にして発展・

成長してきた強さが

あります。トヨタが

あれだけ大きな会社

になったのも、この独

特の気質があったか

らでしょう。素晴ら

しいことだと思いま

すよ」。

「技能」という考え

方は、研修員にとって

は理解しづらいが、研

修で学んだことを、い

かに祖国で実現可能

な計画にしていくか

という思考を学んで

もらいたいと沖さん

は続ける。「『日本の

知』は技術に伴う技能

であり、ものを作る考

え方です。それを活かすための技

能が『すりあわせ』ですが、とても

日本的な発想なので、英語にあて

はまる表現がないのです」。

そして、日本で研修を行う意義

は、日本の文化や日本のものの考

え方を伝えることにあると沖さん

は考えている。「日本の文化がわ

からなければ、研修員が日本の文

化に基づいた『ものづくり』の考え

方を本当に理解できるとはいえま

せん。『技能』という日本的な思考

をいかに伝えるかが、重要課題で

す。専門家派遣では、『技術』を教

えることはできても『技能』を理解

してもらうことは難しい。だから、

日本に来て工場などの視察をとお

して研修員自身の五感で実感し、

学んでほしいのです」。

人材育成の前に、人材の確保を!

沖さんは、JICAの研修コース

に関わるとともに、現在も非常勤

講師として母校の教壇に立ち、孫

ほどの年齢の大学生たちを教えて

いる。「必要とされている限り、講義

も研修コースも関わり続けていく

つもりです。まだまだ元気ですよ」。

「弟子たちが自分で育っていく

んです、私は彼らにこき使われて

いるだけ」と謙遜する沖さん。育

てた弟子たちは、いまや地元名古

屋で教授職や企業の要職に就き、

地域産業の中枢を担っている。「で

も、いくら偉くなっても、人間が

できていない人は面倒を見ない」

と沖さんは強調する。「人材育成

以前の問題として、人材の確保が

大事。『読み書きそろばん』と、そ

れを組み合わせて物事を思考する

という、人間として基本的な能力

を持っていることが大切です。思

考力がなかったら文章は書けませ

んし、辞書を持っていたって使い

方を知らなければどうしようもな

いのです。これは国の内外を問わ

ず、研修員であろうと弟子であろ

うと関係ありません。いくら優秀

な大学を出ていても、人間ができ

ていなければ人材育成につながり

ません。それを忘れてはいけない

と思います」。

おき たけお昭和7年愛知県津島市生まれ。名古屋大学工学部卒業、同大学大学院博士課程修了、工学博士。昭和51年同大学教授、平成5年同大学高温エネルギー変換研究センター所長を経て、平成7年から現職。この間、社団法人表面技術協会会長、社団法人日本熱処理技術協会会長などを歴任。現在、JICA中部国際センター技術顧問、社団法人表面技術協会名誉員、社団法人日本熱処理技術協会名誉員・顧問、社団法人日本防錆技術協会副会長、社団法人軽金属学会名誉員などを務める。表面技術協会論文賞、日本金属学会谷川・ハリス賞、日本熱処理技術協会林賞、JICA国際協力功労賞などを受賞。講師研究員としてベルリン工科大学に留学(昭和48年~55年)。主な著書に『金属電気化学』(共立出版)、『暮らしと新材料~21世紀の生活をより豊かにする』(日刊工業新聞社)、『表面処理工学』(日刊工業新聞社)など。

視察先に同行する沖さん(手前右から2 人目)(写真提供:愛知工研協会)

日本の「技能力」を実感する研修員(写真提供:愛知工研協会)

日本の「伝統的なものづくり」からも研修員は学ぶことは多い(左端はJICE研修監理員)(写真提供:愛知工研協会)

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no.60 2008 January

冗談好きで情熱的なベトナム人

 

ベトナム人は、とても向学心があって、何事にも一生懸命

です。本音と建前もあるし、礼儀正しくて、日本人にとて

も似ています。でも、コミュニケーションの取り方には違いが

あります。1つは、冗談好き。たとえばベトナム人は、初対

面の人に対しても挨拶のあとすぐ冗談を言います。それか

ら、私もそうですが、ベトナム人はとにかく相手をほめます。

ほめられたら冗談でかわして「ありがとうございます」と上手

に受けるのです。そうすると次の話題に進んで行けるでしょ

う? 

ベトナム人の研修員同士でも、男性の研修員が女性の

研修員に「その服はとても似合いますね」「荷物重いから持っ

てあげましょう」と話しかけます。研修監理員の私に対して

も「とてもすてきな色のブラウスですね」「今日は疲れました

ね、大丈夫ですか」。共に仕事をする仲間でありながらも、

女性が女性であること、男性が男性であることをいつも意識

させられます。日本の仕事場では、性別を意識せずパート

ナーとして対応するようですが、朝の挨拶に一言付け加えれ

ば、もっと親しくなれますよ。

 

もう1つは、すごくロマンチックで情熱的。たとえば、紅葉

がきれいだと音楽や詩で表現します。特に男性は、女性に

対してとても情熱的でとにかくまめです。このようなユーモ

アのセンスや情熱的なところは、フランスの統治下になる以前

からの、もともと持っている民族性のようです。

もっと気持ちを表現してみては?

 

日本人はとてもシャイですね。もう少し自分に自信を持っ

て心を開いてくれればいいのにと思います。私の仕事は初対

面の方が相手の場合がほとんどなので、日本人の方と打ち解

けるための「アイスブレイカー」の役割は大切です。

たとえば、「今日はとても寒いですね、コートを着

てくればよかった」と話しかけます。相手が「そう

ですね、昨日は暖かかったのに変ですよね」と返し

てきたら、「昨日テレビ見ました? 

日本の政治も

大変ですね」等々いろいろと話しかけて、どういう

話題で相手が心を開いてくれるか様子を見ながら

会話を進めるように心がけています。

 一方、ベトナム人は自分を出すのが上手です。

とてもお喋りでにぎやかで、物静かな人は少ない

ようです。日本に来てからは、相手の話を聞きな

がら会話をするように心がけています。まだまだ

上手ではないのですが……。日本人は「以心伝心」

で本当にコミュニケーションができているのかなと思

うときがあります。相手がどう思っているかわから

ないと不安になるし、つい良くない方向へ解釈してしまうでしょ

う? 

特に家庭内のコミュニケーションは大切です。ベトナムの

男性は、人にもよりますが、よく旦那さんが奥さんに対して、

食事を作ってくれたことへの感謝を言葉や態度で表現します。

日本人の男性も、下手な表現でもいいから恥ずかしがらずに

「ありがとう」の気持ちを奥さんに伝えてほしいですね。日本

人の女性も、自分の考えを相手に伝えることが大切です。そ

れから、日本の会社で仕事への評価を言葉で表現しないのも

不思議に感じます。「よくやった」と思っているなら、言葉でフィ

ードバックすれば、相手のモチベーションも違うと思いませんか。

日本人はなぜ結婚しないの?

 

昭和57年に来日して以来、日本人がもつ相手への気配り

や気遣い、相手にも同様の心遣いを期待してしまうところ

などがベトナム人とそっくりだと実感しています。ベトナム人

も他人にとても親切です。でもそれが当たり前になっていて、

「日本に知り合いがいるから配ってほしいと近所の友人から頼

まれた」と、研修員が大荷物を持って来日することがよくあ

ります。日本人も同様で、相手に対して一生懸命で、無理

をしてストレスを溜めてしまいます。生きていくうえで人と

のコミュニケーションは不可欠だし、同時にストレスも感じま

す。だからといって人とつきあわないのもつまらない。私の旦

那さんは日本人ですが、人と接するときは相手とほどよい

距離を保ち、相手に対して偏見を持たず、「自分」を持って

いて自信を失わず自然体でいる人です。うらやましいなと

思います。

 

ここ10年ほど、ベトナム人の研修員から必ず聞かれること

は、「日本人はなぜみんな結婚しないのですか?」。ベトナム

人は、戦争のために男性が少なくなっても努力して結婚して

いる。日本は男性も女性もたくさんいるのに結婚しないで、

少子化だと大騒ぎするのは不健全じゃないかというのです。

ベトナム人は結婚することが当たり前で、男性でも女性でも

若いうちに結婚します。私もそうでした。もちろん、旦那

さんとは今でもとても仲良くて、生まれ変わってもまた結婚

したいくらい幸せですよ。

 

また、よく日本で、「ベトナムはかかあ天下」といいますが、

それは誤解です。もちろんベトナムでも局長や国家主席な

どの要職は男性が就くものという風潮があるように、男尊

女卑の社会意識はあります。でも家庭の中では男女平等で、

奥さんがすごく強い口調で「だめ!」と言っても旦那さんは怒

りませんし、「なにを、女のくせに」なんて言う男性は、見た

ことも聞いたこともありません。確かにベトナム人の女性は

はっきり物を言います。でも、ベトナム人の女性の強さは、

本当の意味での、精神的な強さなんです。以前地方で出会

った女性たちは、婚約者が戦場で負傷し手や足を失って帰っ

てきても、当然のように結婚していました。「結婚の約束をし

たのだから当たり前じゃないの」と。よほど腹が据わっていな

いと受け入れられる現実ではありません。ベトナム人の女性

は、とても芯の強い素晴らしい人たちなのです。だから「ベト

ナムはかかあ天下」という通説は、日本人男性の尺度・観点

から見たものかもしれませんね。

テーマエッセイ

似ているようで似ていない

    

〜ベトナム人と日本人

ながい らんベトナム出身。ホーチミン総合大学外国語学科(ロシア語専攻)卒業。昭和57年来日。聖心女子大学卒業。平成6年ベトナム語の研修監理員として登録。研修監理のほか、ベトナムへの調査団同行通訳業務などでも活躍。

テーマエッセイ「“人のつながり”って何だろう」とはさまざまな分野で活躍する方に、一つのテーマやキーワードから“人のつながり”を語っていただく企画です。JICEが目指す人と人とのつながりをあらためて考えるきっかけにしていきます。

活気に満ちたハノイ市内(写真提供:吉田勝美/ JICA)

笑顔のベトナム人女性 (写真提供:吉田勝美/ JICA)

”人のつながり“って何だろう?

永井 

蘭さん

no.60 2008 January

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no.60 2008 January

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平成19年度第2回評議会および理事会を開催平成19年12月14日に、JICE本部内会議室において平成19年度第2回評議員会および理事会が開催されました。今回は理事、評議員および顧問の選任等について審議が行われ、すべての議案が承認されました。なお、1頁および6頁の記事にあるとおり、諏訪龍理事長が平成19年12月31日付で退任し、本年1月1日付で松岡和久理事長が就任しました。役員および評議員の異動については、下記「役員・評議員の異動」のとおりです。

外務省「対GCC諸国人材育成支援訪日研修」を実施平成19年11月12日から22日までの11日間、外

務省「対GCC(湾岸協力理事会)諸国人材育成支援訪日研修」が実施されました。この研修は、中東4カ国(アラブ首長国連邦、カタール、クウェート、バーレーン)での教育分野の専門家育成を目的として平成17年から行われているもので、JICEは平成19年度の研修運営機関として、研修コースの企画・策定・運営・現場監理までを一貫して担当しました。

教育の現場から日本の教育制度・教育手法を学ぶ研修員(視察先の久我山幼稚園にて)

〔平成19年12月31日付〕 退任  理事長 諏訪 龍  理 事 今井 康容  評議員 末森 満  顧 問 岩元 克

〔平成20年1月1日付〕 新任  理事長 松岡 和久  理 事 大野 慎一  評議員 菊地 文夫  顧 問 諏訪 龍

役員・評議員の異動〔平成19年7月21日~平成20年1月1日〕

 このたび、平成19年12月31日をもってJICE理事長を退任することになりました。 丸5年にわたり国際協力の最前線で本当に楽しく仕事をすることができ、無事に本職をまっとうさせていただいたことを喜んでおります。この間に賜わりました関係各位の御協力に対し、心から感謝申し上げる次第であります。 JICEは、先般平成19年3月25日に設立30周年を迎えました。著しく変ってきている外部環境を直視すると、来し方を想い行末を案ずる良い機会として捉え、組織を挙げて“進化”を遂げるべく取り組みを開始しました。こうして、これからのJICEの方向として、社会に認められた公益法人の資格で、開発途上国の人づくりに協力するプロ集団を目指すという決意を新たにし、現在着実に歩を進めているところであります。 また、JICEが行っている研修員、留学生、青少年の本邦への受入れは、ひいては地域社会の活性化にもつながるものですが、JICEはこの分野での一層の社会貢献も目指そうとしております。   今後ともJICEが、松岡新理事長の指揮の下、一丸となって内外の御期待に応えていくと信じております。

退任のご挨拶前理事長 諏訪 龍

知をつなぐ。世界をつなぐ。未来をつなぐ。

平成20年1月20日発行 ●発行所:財団法人日本国際協力センター(ジャイス)〒160-0023 東京都新宿区西新宿六丁目10番1号 日土地西新宿ビル20・21階 TEL.03-5322-2500 FAX.03-5322-2520 http://sv2.j ice.org古紙配合率 1 0 0%再生紙を使用しています

私たちJICEは、個人情報保護法を遵守し、徹底した個人情報の管理をいたします。

広報紙『JICE』に対するご意見、ご感想、ご質問、今後取り上げてほしいテーマや人物などを、下記アドレスへメールでお寄せください。広報紙『JICE』編集事務局 e-mail:kohoshi-j [email protected]皆さまの声をお聞かせください

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