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大田清掃工場第一工場再稼働事業に 係る費用対効果分析書 令和元年6月 東京二十三区清掃一部事務組合

大田清掃工場第一工場再稼働事業に 係る費用対効果分析書 · 大田. 清掃工場. 第一工場再稼働事業に 係る費用対効果分析書. 令和. 元

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大田清掃工場第一工場再稼働事業に

係る費用対効果分析書

令和元年6月

東京二十三区清掃一部事務組合

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本費用対効果分析は、大田清掃工場第一工場(以下「第一工場」という。)再稼働事業を推進す

るに当たり交付金制度を活用することを目的とし、「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する

法律」第五条及び同施行令第三条に基づき実施するものである。

1 事業の目的

東京二十三区清掃一部事務組合(以下「清掃一組」という。)は、清掃一組を構成する 23 区

と情報共有を図りながら緊密な相互協力体制を築くことにより、排出されるごみの安全で安定

した中間処理の効率的運営に取り組んでいる。清掃工場の整備にあっては、一般廃棄物処理基

本計画(以下「一廃計画」という。)において、循環型ごみ処理システムの推進と安定的な全量

中間処理体制を維持・確保するため、長期的な整備スケジュールを定めている。

現行の一廃計画における清掃工場の整備スケジュールについては、東京オリンピック・パラ

リンピック大会の開催による中央清掃工場の稼働停止や、光が丘清掃工場、目黒清掃工場の整

備工事期間の変更により、平成 30年1月に一部変更を行ったところである。

しかしながら、平成 29 年度の清掃工場処理量の実績が基本計画の予測量を上回ったことや、

次期基本計画で予測する清掃工場処理量が現行の予測量より増加する結果となったことから、

平成 26年度より休止していた第一工場(600t/日(200t/日×3炉))を整備し、23区から発生

するごみの安定的な全量焼却体制の確保に万全を期すこととした。

なお、本事業では、廃棄物処理施設の社会的役割が拡大している背景を踏まえて、可能な限

り地球温暖化対策に取り組んでいく。

2 施設概要

表1に第一工場の施設概要を示す。第一工場は、隣接する不燃センターの排水量増加に伴い

平成 18 年度より同センターから排出される汚水を処理している。平成 26 年度以降は、ごみ焼

却プラントは休止しているものの、汚水処理設備は引き続き運用中である。

表1 第一工場の施設概要

施設規模 焼却プラント:600 t/日 (200 t/日×3炉)

建設年月 着工:昭和 62年7月 しゅん工:平成2年3月

施設建設費 総額:約 198億円

焼却方式 全連続燃焼式火格子焼却炉

3 費用対効果の分析

第一工場の整備工事が、廃棄物処理のライフサイクルコスト(以下「廃棄物処理 LCC」とい

う。)の面で有効であるか否かを検証するため、「再稼働する場合」と「施設更新する場合」に

おける一定期間内の廃棄物処理 LCCを分析し、比較評価する。

分析・評価に当たっては、「廃棄物処理施設長寿命化総合計画作成の手引き(ごみ焼却施設編)」

(環境省大臣官房 廃棄物・リサイクル対策部 廃棄物対策課 平成 27 年3月改定)を活用し、

廃棄物処理 LCCを算出する。

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再稼働する場合にあっては、1炉目を令和2年度後半までに整備、再稼働させ、残りの2炉

を令和4年度までに整備する。600t/日の施設規模で整備するが、200t/日での操業を予定して

おり、定期補修工事や故障により停止しても予備炉の運用により、共通設備の点検補修期間を

除く全期間で稼働が可能である。

また、施設更新の場合にあっては、再稼働する場合と同じ 200t/日の施設規模の建替工事・

操業を仮定するが、予備炉はない状況となる。建替工事の開始時期は、再稼働する場合とあわ

せた令和元年度とし、その期間は光が丘清掃工場(300t/日)の建替工事期間を参考として5年

間とする。

4 分析対象期間

分析対象期間については、令和元年度を開始年度とし、計画稼働年度である令和 19年度を終

了年度とする。表2に分析対象期間を示す。

なお、再稼働する場合の整備工事完了後は、15年間の稼働を予定しているが、その後の建替

工事については、分析対象期間以降に投じられるイニシャルコストであるため対象としない。

表2 分析対象期間

注 1)しゅん工年度を経過年数1年とし、しゅん工翌年度を稼働年数1年とする。本書において、以降

の表記も同様とする。

注 2)平成 25年度は稼働年数 24年となるが、休止前年度のため点検補修範囲は小規模である。また、

平成 26年度以降の休止期間中は、点検補修経費をほとんど要していない(汚水処理設備は運用を

継続しているが、この経費は全体に対して少額のため除外する。)。これらのことから、再稼働を開

始する令和3年度を稼働年数 24年として起算する。

注 3)表中の()内の数字は再稼働後の稼働年数を示す。

経過年数

稼働年数

R1 31年目 -      整備工事 1年目     建替工事 1年目

R2 32年目 -      整備工事 2年目     建替工事 2年目

R3 33年目 24年      整備工事 3年目 (1)     建替工事 3年目

R4 34年目 25年      整備工事 4年目 (2)     建替工事 4年目

R5 35年目 26年              (3)     建替工事 5年目

R6 36年目 27年              (4)

R7 37年目 28年              (5)

R8 38年目 29年              (6)

R9 39年目 30年   (7)

R10 40年目 31年              (8)

R11 41年目 32年              (9)

R12 42年目 33年              (10)

R13 43年目 34年              (11)

R14 44年目 35年              (12)

R15 45年目 36年              (13)

R16 46年目 37年              (14)

R17 47年目 38年              (15)

R18 48年目 39年              (16)

R19 49年目 40年              (17)

R20 50年目 41年

R21 51年目 42年

R22 52年目 43年

R23 53年目 44年

… …      …

長寿命化計画策定

整備工事の1年目と2年目、建替工事の全期間は休止とするが、整備工事の3年目から1炉を稼働する。

年度 再稼働する場合 施設更新する場合 備考

計画稼働年度

分析対象期間

令和元年度

~19年度

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5 廃棄物処理 LCCの算出

(1)対象とする経費

廃棄物処理 LCCの算出で対象とする経費を表3に示す。対象から除外する経費と対象に加

味する経費については、長寿命化の手引きを参考に次のとおりとする。

・ 施設更新する場合の用地費は、現段階で確定できないため除外する。

・ 再稼働後は予備炉の運用が可能であり、施設更新後の操業条件とは異なる。そのため、

各年度の状況に応じたごみ処理経費を加味する。

・ 休止期間の汚水処理に係る経費は、ごみ焼却時の経費と比較して少額であるため、対

象から除外する。ただし、稼働後は施設全体の一部として、対象経費に包含する。

・ 平成 13年度及び 14年度には、電気集じん機からろ過式集じん機への変更など飛灰搬

出設備の大規模な整備をし、平成 19年度及び 20年度には、隣接する大田清掃工場(新

工場)の建替工事に伴い、第一工場単独の主灰搬出設備を増設している。これらの設備

投資を、工事完了年度(前者:平成 14年度、後者:平成 20年度)から点検補修費割合

出用の建設費として加味する。工事完了以降の点検補修費には両設備に係る費用も含

むこととなる。

表3 廃棄物処理 LCC 算出の対象経費

項目 再稼働する場合 施設更新する場合

廃棄物処理イニシャルコスト 整備工事費 新施設建設費

廃棄物処理ランニングコスト 点検補修費 点検補修費

ごみ処理経費 ごみ処理経費

現施設分売電収入 新施設分売電収入

(2)廃棄物処理イニシャルコスト

廃棄物イニシャルコストの算出条件を表4及び表5に示す。

表4 再稼働する場合の算出条件(廃棄物処理イニシャルコスト)

プラント分 11,880,000 千円

11,880,000 千円

1,650,000 千円

915,429 千円

合計 14,445,429 千円

令和元年度 令和2年度 令和3年度 令和4年度

2,263,467 千円 7,357,816 千円 4,093,682 千円 5,557,267 千円

2,057,697 千円 6,688,924 千円 3,721,529 千円 5,052,061 千円

19,800,000 千円

ストーカ式焼却炉(発電付)

稼働開始(しゅん工) 平成2年3月

飛灰処理設備  (着工年度:H13  工事完了年度:H14)

現施設建設費(税率0%、5%)

焼却灰搬出設備 (着工年度:H19  工事完了年度:H20)[税抜]

プラント分   (着工年度:S62  工事完了年度:H2 )

(飛灰処理設備、焼却灰搬出設備の改造を除く)

長寿命化計画策定年度 令和元年度

稼働目標年 令和19年度(経過年数:49年)

整備工事実施時期及び想定工事費(税率10%)

合計:19,272,232 千円

[税抜]合計:17,520,211 千円

3

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表5 施設更新する場合の算出条件(廃棄物処理イニシャルコスト)

注 1)新施設の規模は、再稼働する場合の操業条件に合わせて 200t/日とし、建設費は直近3工場の

契約実績を用いて算出する。算出に当たり税率、物価変動(表6参照)を考慮し、0.6乗則(「

廃棄物処理施設建設工事等の入札・契約の手引き」(平成 18年7月 環境省大臣官房廃棄物・リ

サイクル対策部))を用いる。

杉並工場建設 600t: 283.6 億円(税率5%)

光が丘工場建設 300t:335.9億円(税率8%)

目黒工場建設 600t:514.7億円(税率8%)

注 2)新施設建設費のうち、プラント分は、表4に示す現施設建設費の割合と同様とした。

注 3)新施設建設の各年度工事費は、工事開始から完了までの5年間を等分する(各 20%)。

(3) 廃棄物処理ランニングコスト

ア 点検補修費

廃棄物処理ランニングコストである点検補修費については、過去の実績から施設の建設

費に対する点検補修費の割合を求め、その累計の傾向から将来の点検補修費の割合を推定

し、求めた割合に建設費を乗じて各年度の点検補修費を算出する。算出に当たっては、次

のことを条件とする。

・ 本事業では、ほぼ全ての設備機器において更新若しくは整備を行うため、「再稼働する

場合」の点検補修費は、第一工場の過去実績による点検補修費割合と全工場から推定す

る点検補修費割合を等分して活用し、算出する。

・ 事業完了後は1炉の稼働を予定している。再稼働する場合においては、3炉稼働の場

合よりも低減する点検補修費を見込むため、1炉目、2炉目、3炉目、共通設備を4等

分し、1炉分と共通設備に係る点検補修費を対象とする(3炉稼働の場合の点検補修費

の半分を対象とする。)。

・ 消費税は、点検補修費割合推計時に除き、将来の点検補修費累計時に見込む。

a 点検補修費の実績

第一工場建設費に対する点検補修費の割合から、その累積傾向を近似式により求める

と下図1に示すとおりとなる。点検補修費の近似式には、より高い相関を示す多項式を

採用した。点検補修費の実績と建設費に対する点検補修費の割合を表6に示す。

なお、建設費や点検補修費の実績を活用する際には、物価変動や税率を考慮した。

[ 点検補修費割合累計の近似式 ] 多項式 y = 0.0061 x2 + 5.0307 x - 10.114

x:稼働年数+1 (しゅん工翌年度を稼働年数1年目とする)

第一工場建設 200t:243.32 億円(税率 10%)

( 4,866,400 千円/年 ) プラント分 14,599,200 千円

( 4,424,000 千円/年 ) プラント分 13,272,000 千円

想定する新施設稼働期間(残存価値算出用)

30年間(延命化対策を行わない場合)

[税抜]

新施設建設費(税率10%)

24,332,000 千円

22,120,000 千円

ストーカ式焼却炉(施設規模:200t/日、発電付)

新施設稼働開始年度 令和6年度

新施設建設期間令和元年度~令和5年度(建替工事期間中は、施設休止を継続する。)

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実点検補修費 換算点検補修費

稼働年数 (千円/年) (千円/年) 各年度(%) 累計(%)

1 1.092533 78,800 86,092 0.664 0.664

2 1.106820 163,000 180,412 1.391 2.055

3 1.123946 227,000 255,136 1.967 4.022

4 1.165612 428,800 499,814 3.854 7.876

5 1.175335 524,800 616,816 4.756 12.632

6 1.183965 545,600 645,971 4.981 17.613

7 1.199415 576,109 690,993 5.328 22.941

8 1.181973 779,200 920,994 7.102 30.043

9 1.219582 624,000 761,019 5.868 35.911

10 1.244710 371,200 462,036 3.563 39.474

11 1.250598 518,400 648,310 4.999 44.473

12 1.275344 560,000 714,193 5.507 49.980

13 1.285076 417,600 536,648 3.556 53.536

14 1.271716 1,232,224 1,567,039 10.385 63.921

15 1.198918 431,680 517,549 3.430 67.351

16 1.138571 809,060 921,172 6.105 73.456

17 1.046231 1,219,585 1,275,967 8.456 81.912

18 1.006159 702,461 706,787 4.684 86.596

19 0.980617 758,221 743,525 4.651 91.247

20 1.069718 501,290 536,239 3.354 94.601

21 1.041247 448,433 466,930 2.921 97.522

22 1.026896 507,176 520,817 3.258 100.780

23 1.071840 398,788 427,436 2.674 103.454

11,880,000 千円 12,968,919 千円

1,650,000 千円 2,120,375 千円

915,429 千円 897,685 千円H20以降加算(焼却灰搬出設備整備)

点検補修費割合算定用の現施設建設費(プラント分)

H2

H3

H4

H5

H6

H7

H8

H9

H10

H11

換算建設費(物価考慮後)A×しゅん工年度の物価係数

実建設費(物価考慮前)A

年度 建設費に対する点検補修費の割合物価係数

H12

H13

H14

H15

H16

H17

H18

H19

H14以降加算(飛灰搬出設備整備)

H20

H21

H22

H23

H24

図1 点検補修費割合の累計(実績)

表6 点検補修費の実績(税抜)と建設費に対する点検補修費割合

注 1)しゅん工年度は対象外とする。平成 25年度は稼働しているが、休止前年度のため点検補修範囲は少なく、

対象外とする。

注 2)物価係数は、国内企業物価指数(日本銀行 2015年基準)のうち、鉄鋼、非鉄金属、金属製品、電気機

器の平均を活用し、令和元年度を「1」として各年度で設定した。

注 3)点検補修費割合算出用の現施設建設費は、建築関係を除きプラント設備部分のみとする。

注 4)点検補修費の主な内訳は、次のとおりである。

・定期的な点検整備(年1回の定期補修工事)及び整備工事の費用

・突発的な補修及び修理の費用

y = 0.0061x2 + 5.0307x - 10.114R² = 0.9935

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

100.0

120.0

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23

点検補修費割合の累計(

%)

稼働年数(しゅん工翌年度:1年)

5

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0.0

50.0

100.0

150.0

200.0

250.0

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41

点検補修費割合の累計(

%)

稼働年数(しゅん工翌年度:1年目)

建設費(プラント分)に対する点検補修費の割合 実績値

建設費(プラント分)に対する点検補修費の割合 推定値

100%(22年目)

50%(12年目)

b 点検補修費割合の推定

点検補修費割合については、実績から求めた点検補修費割合を累計して近似式により

将来分を推定し、年度間の差分を各年度の割合とする。推定した点検補修費割合の累計

結果は図2に示すとおりである。

図2 点検補修費割合の累計(推定)

第一工場の点検補修実績から推定した将来の点検補修費割合を表7に示す。また、清

掃一組が所管する全工場の点検補修実績から推定した点検補修費の割合を表8に示す。

表7 表8

点検補修費の割合(第一工場実績から推定) 点検補修費の割合(全工場実績から推定)

稼働年数 各年度(%) 累計(%)

R3 24 10.682 114.136

R4 25 5.330 119.466

R5 26 5.342 124.808

R6 27 5.354 130.162

R7 28 5.366 135.528

R8 29 5.378 140.906

R9 30 5.391 146.297

R10 31 5.403 151.700

R11 32 5.415 157.115

R12 33 5.427 162.542

R13 34 5.439 167.981

R14 35 5.452 173.433

R15 36 5.464 178.897

R16 37 5.476 184.373

R17 38 5.488 189.861

R18 39 5.500 195.361

R19 40 5.513 200.874

  年度建設費に対する

点検補修費の割合

各年度(%) 累計(%)

しゅん工年度 0.069 0.069

1 0.677 0.746

2 1.262 2.008

3 1.539 3.546

4 1.772 5.318

5 2.031 7.349

6 2.521 9.870

7 2.333 12.203

8 2.438 14.641

9 2.372 17.013

10 2.900 19.913

11 2.795 22.708

12 2.854 25.562

13 4.178 29.740

14 3.619 33.358

15 3.454 36.812

16 3.506 40.318

建設費に対する点検補修費の割合稼働年数

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イ ごみ処理経費

再稼働事業では1炉(200t/日)の操業を想定しており、工事完了後は予備炉を運用する

ことで通年の連続ごみ処理(共通設備の点検補修期間を除く。)が可能である。一方、施設

更新後は、同じ 200t/日の稼働であるが、予備炉はない。そのため、定期点検補修や故障に

よる停止期間のごみ処理委託を経費として加味する。また、維持管理費(点検補修費を除

く。以下同様とする。)も稼働日数に応じて経費が異なるため、これも加算する。

なお、これらのごみ処理経費の算出に当たっては、第一工場の1炉稼働実績が少ないこ

とから、同規模(200t/日)で操業する渋谷清掃工場の実績を用いる。

【ごみ処理経費算出の考え方】

算出条件として、1炉当たりの標準計画稼働日数を 283日※とする。この日数は、暦日

数から定期点検補修などの計画停止日数や故障停止日数を差し引いている。

また、各年度の日数にうるう年は考慮しないこととする。

※ 引用元:一般廃棄物処理基本計画(平成 27年2月 東京二十三区清掃一部事務組合)

令和元年度、2年度

再稼働する場合と施設更新する場合のどちらも工事中であり、差分は生じない。本書

作成の令和元年6月の翌月以降でごみ処理委託費を計上する。

再稼働する場合のごみ処理経費 :ごみ処理委託費

(令和元年度→274日、令和2年度→365日)

施設更新する場合のごみ処理経費:同上

令和3年度、4年度

再稼働する場合では、1炉の操業を開始している。ただし、予備炉は整備が完了して

いないため、標準計画稼働日数の 283日間の維持管理費と 82日間のごみ処理委託費を計

上する。施設更新する場合でも同じ日数のごみ処理を見込むため、365日間のごみ処理

委託費を計上する。

再稼働する場合のごみ処理経費 :維持管理費 (283日)+ごみ処理委託費(82 日)

施設更新する場合のごみ処理経費:ごみ処理委託費 (365日)

令和5年度

再稼働する場合では、3炉すべての整備が完了しており、予備炉の運用が可能となる。

共通設備の点検補修期間(14日間)を除いて 351日間の稼働を見込み、同日数の維持管

理費と 14日間のごみ処理委託費を計上する。施設更新する場合は、工事期間中であるた

め、再稼働する場合と同じ期間(365日間)のごみ処理委託費を計上する。

再稼働する場合のごみ処理経費 :維持管理費 (351 日)+ごみ処理委託費(14日)

施設更新する場合のごみ処理経費:ごみ処理委託費 (365日)

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令和6年度以降

再稼働する場合では、引き続き 351日間の稼働が可能なため、同日数の維持管理費と

14日間のごみ処理委託費を計上する。施設更新する場合では、建替工事が完了し、操業

を開始するが、予備炉はない。そのため、標準計画稼働日数の 283 日間は維持管理費と

して計上するが、再稼働する場合との差分(82日間)はごみ処理委託費として加算する。

再稼働する場合のごみ処理経費 :維持管理費 (351 日)+ごみ処理委託費(14日)

施設更新する場合のごみ処理経費:維持管理費(283日)+ごみ処理委託費 (82日)

上記の考え方に基づいて算出したごみ処理経費を表9に示す。

表9 ごみ処理経費(税込)

注 1)維持管理費は、清掃工場別の処理単価(東京二十三区清掃一部事務組合)の渋谷清掃工場における平

成 17年度から 29年度の実績を平均した。ただし、残灰等埋立処分委託については、直近の動向を踏ま

え平成 24年度から 29年度の平均とした。

なお、表中の「283日稼働」の欄が引用した経費である。

注 2)「351日稼働」の維持管理費は、283日の計画稼働日数に対し日割り計算により増額した。

注 3)維持管理費のうち、人件費には業務委託費を含む。

注 4)ごみ処理委託費の処理単価は、多摩地域ごみ実態調査(平成 29年度統計)(財団法人 東京市町村自治

調査会)の事業系のごみ処理手数料の平均である。

ウ 売電収入

「施設更新する場合」は、施設全体が一新されることからプラント性能、ひいては発電

性能も大きく向上することが見込まれる。「再稼働する場合」と将来の売電収入に差異が生

じるため、この売電収入を廃棄物処理 LCC の算出に加味する。再稼働事業の工事完了後は

1炉稼働を継続するが、第一工場における1炉稼働の発電実績はないため、売電収入の算

出には、第一工場の1炉分の焼却能力(200t/日)を有する渋谷清掃工場の実績を用いて推

定する。表 10 に渋谷清掃工場の売電量と売電収入の実績を、表 11 に事業実施後の売電収

入を示す。

詳細の算出条件は、次のとおりとする。

14日間 82日間 274日間283日間

(実績平均)351日間 365日間

― ― ― 674,492 836,556 ―

光熱水費 ― ― ― 74,637 92,570 ―

焼却灰等運搬費 ― ― ― 31,251 38,760 ―

作業用消耗品等 ― ― ― 37,766 46,840 ―

薬剤購入 ― ― ― 20,361 25,253 ―

環境対策測定等 ― ― ― 35,316 43,801 ―

建物・車両維持管理 ― ― ― 15,983 19,823 ―

残灰等埋立処分委託 ― ― ― 8,872 11,003 ―

人件費 ― ― ― 450,306 558,506 ―

99,680 583,840 1,950,880 2,014,960 2,499,120 2,598,800

ごみ処理経費(千円)

ごみ処理委託費

項目

維持管理費

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再稼働する場合 施設更新する場合 備考

4,200 kW 5,300 kW (26.2%増)

9,954,832 kWh 12,562,998 kWh

適用しない 適用する

― 平均:52.5% (49.0~57.2%)

― 17 円/kWh 税抜

税抜

98,262 千円 229,101 千円

しゅん工時 33,791 千円 78,786 千円

バイオマス単価

バイオマス比率

FIT制度

平均売電量

発電出力

項目

平均:9.0円/kWh (8.1~11.2円/kWh)

売電収入

非バイオマス単価

税込(10%)

・ 施設更新する場合の発電出力は、循環型社会形成推進交付金の交付要件であるエネル

ギー回収率 19.0%(150t/日超、200t/日以下)を満たす出力(5,300kW)※とする。

※ 施設更新する場合の発電出力は、次の式を用いて算出する。

エネルギー回収率(%) =新施設の発電出力(𝑘𝑊) × 3,600(𝑘𝐽/𝑘𝑊ℎ)

11,849(𝑘𝐽/𝑘𝑔) × 200(𝑡/日) × 1,000(𝑘𝑔/𝑡) ÷ 24(ℎ)× 100 = 19.0%

ごみ質 11,849 kJ/kg : 平成 29年度ごみ性状調査(大田清掃工場分)

・ 発電量については、出力の増加率に合わせ増加させ、増加分はすべて売電に寄与する

ものとする。

・ 所内で使用する電力量は変化しないものとし、所内消費節減額はごみ処理経費に含む

ものとする。

・ 整理する売電収入実績の対象は、FIT制度の運用が始まった平成 25年度以降(平成 29

年度まで)のデータとする。

・ 施設更新する場合の売電単価は、FIT制度を適用することとし、平成 25年度以降のバ

イオマス比率を用いて算出する。再稼働する場合は、FIT制度は適用外となる。

表 10 売電量及び売電収入実績(渋谷清掃工場:平成 25年度~29 年度、税込)

出典)清掃工場等作業年報(東京二十三区清掃一部事務組合)

表 11 事業実施後の売電収入

注)しゅん工時の売電費用は、全工場のしゅん工月から年度末までの操業期間を平均(125.52日)し、按分した。

年度 売電量(kWh) 売電収入(千円)

H25 10,721,320 144,575

H26 10,972,616 155,751

H27 8,548,976 130,812

H28 9,641,048 135,268

H29 9,890,200 133,336

平均 9,954,832 139,948

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(4)残存価値

現施設の残存価値は稼働から 30 年を経過した時点で「0」とする。施設更新する場合、

しゅん工時点で施設建設費を残存価値とし、その年度から等分で減価償却されるものとする

(しゅん工年度末時点で 30 分の1の減価償却を見込む。)。表 12に残存価値の推移を示す。

表 12 残存価値の推移(税抜)

注)現施設の残存価値においては、それぞれしゅん工時のみ物価係数を考慮した。

経過年数

経過年数

経過年数

H1 1 20,894,369 - - 20,894,369 -

H2 2 20,173,874 - - 20,173,874 -

H3 3 19,453,378 - - 19,453,378 -

H4 4 18,732,883 - - 18,732,883 -

H5 5 18,012,387 - - 18,012,387 -

H6 6 17,291,892 - - 17,291,892 -

H7 7 16,571,396 - - 16,571,396 -

H8 8 15,850,901 - - 15,850,901 -

H9 9 15,130,405 - - 15,130,405 -

H10 10 14,409,910 - - 14,409,910 -

H11 11 13,689,414 - - 13,689,414 -

H12 12 12,968,919 - - 12,968,919 -

H13 13 12,248,423 - - 12,248,423 -

H14 14 11,527,928 1 2,152,181 - 13,680,109 -

H15 15 10,807,432 2 2,077,968 - 12,885,400 -

H16 16 10,086,937 3 2,003,755 - 12,090,691 -

H17 17 9,366,441 4 1,929,541 - 11,295,983 -

H18 18 8,645,946 5 1,855,328 - 10,501,274 -

H19 19 7,925,450 6 1,781,115 - 9,706,566 -

H20 20 7,204,955 7 1,706,902 1 911,150 9,823,007 -

H21 21 6,484,459 8 1,632,689 2 879,731 8,996,880 -

H22 22 5,763,964 9 1,558,476 3 848,312 8,170,752 -

H23 23 5,043,468 10 1,484,263 4 816,893 7,344,625 -

H24 24 4,322,973 11 1,410,050 5 785,475 6,518,497 -

H25 25 3,602,477 12 1,335,836 6 754,056 5,692,369 -

H26 26 2,881,982 13 1,261,623 7 722,637 4,866,242 -

H27 27 2,161,486 14 1,187,410 8 691,218 4,040,114 -

H28 28 1,440,991 15 1,113,197 9 659,799 3,213,987 -

H29 29 720,495 16 1,038,984 10 628,380 2,387,859 -

H30 30 0 17 964,771 11 596,961 1,561,731 -

R1 ― 18 890,558 12 565,542 1,456,099 -

R2 ― 19 816,344 13 534,123 1,350,467 -

R3 ― 20 742,131 14 502,704 1,244,835 -

R4 ― 21 667,918 15 471,285 1,139,203 -

R5 ― 22 593,705 16 439,866 1,033,571 1 21,382,667

R6 ― 23 519,492 17 408,447 927,939 2 20,645,333

R7 ― 24 445,279 18 377,028 822,307 3 19,908,000

R8 ― 25 371,066 19 345,609 716,674 4 19,170,667

R9 ― 26 296,853 20 314,190 611,042 5 18,433,333

R10 ― 27 222,639 21 282,771 505,410 6 17,696,000

R11 ― 28 148,426 22 251,352 399,778 7 16,958,667

R12 ― 29 74,213 23 219,933 294,146 8 16,221,333

R13 ― 30 0 24 188,514 188,514 9 15,484,000

R14 ― ― 25 157,095 157,095 10 14,746,667

R15 ― ― 26 125,676 125,676 11 14,009,333

R16 ― ― 27 94,257 94,257 12 13,272,000

R17 ― ― 28 62,838 62,838 13 12,534,667

R18 ― ― 29 31,419 31,419 14 11,797,333

R19 ― ― 30 0 0 15 11,060,000

年度 現施設

(千円)

経過年数

新施設

(千円)

飛灰処理設備・焼却灰搬出設備

を除く(千円)

飛灰処理設備のみ(千円)

焼却灰搬出設備のみ(千円)

R1~R5

新施設建設

R5

しゅん工

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(5)社会的割引率

分析対象期間における各年度の経費算出結果については、社会的割引率による現在価値化

を行うものとする。

社会的割引率とは、将来の価値を現在の価値に換算するための要素で、公共事業の分野で

は「公共事業評価の費用便益分析に関する技術指針(共通編)」(平成 21 年6月国土交通省)

により、社会的割引率を4%と設定している。そのため、基準年度から分析対象期間最終年

度までの各年度の経費計算結果を以下の式により現在価値に換算するものとする。

社会的割引率4%における割引係数は、表 13に示すとおりである。

<算出式> 現在価値 = t年度における経費計算結果 ÷ t年度の割引係数

割引係数:(1+r)j-1

r:割引率(4 %=0.04)

j:基準年度からの経過年数(基準年度=1)

表 13 社会的割引率4%における割引係数

(6)廃棄物処理 LCC と残存価値

「再稼働する場合」と「施設更新する場合」における廃棄物処理 LCCは、以下に示すとお

りである。また、残存価値においても廃棄物処理 LCC から控除すべきものとして整理する。

ア 再稼働する場合の廃棄物処理 LCC

分析対象期間内において、再稼働する場合の点検補修費を算出した結果を表 14に示す。

再稼働する場合の廃棄物処理 LCC は、点検補修費、整備工事費及びごみ処理経費を加算

し、売電収入を差し引き、これらの合算に社会的割引率を考慮して算出した(表 15)。

イ 施設更新する場合の廃棄物処理 LCC

分析対象期間内において、施設更新する場合の点検補修費を算出した結果を表16に示す。

施設更新する場合の廃棄物処理 LCC は、点検補修費、新施設建設費及びごみ処理経費を

加算し、売電収入を差し引き、これらの合算に社会的割引率を考慮して算出した(表 17)。

年度経過年数(j)

割引係数 年度経過年数(j)

割引係数

R1 1 1.0000 R11 11 1.4802

R2 2 1.0400 R12 12 1.5395

R3 3 1.0816 R13 13 1.6010

R4 4 1.1249 R14 14 1.6651

R5 5 1.1699 R15 15 1.7317

R6 6 1.2167 R16 16 1.8009

R7 7 1.2653 R17 17 1.8730

R8 8 1.3159 R18 18 1.9479

R9 9 1.3686 R19 19 2.0258

R10 10 1.4233

11

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表 14 再稼働する場合の点検補修費(税抜)

注 1)小数点以下は四捨五入により算出した。

注 2)1炉目(共通設備を含む。)は令和2年度、2、3炉目は令和4年度をしゅん工年度とし、当該年度は全工場実績から推定した点検補修割合のみを見込む。

ただし、共通設備のうち、発電設備は令和4年度中に整備を完了する。

注 3)第一工場実績推定の点検補修費割合は、本事業での整備機器を対象とし、全工場実績推定の点検補修費割合は、更新機器を対象とする。そのため、前者の

稼働年数 24年目と稼働年数1年目が同じ年度(令和3年度)に扱う値となる。以降の年度も同様の扱いとする。

注 4)点検補修費は、1炉目、2炉目、3炉目、共通設備を4等分し、1炉分と共通設備を対象とする(3炉稼働の場合の半分を対象とする)。

稼働年数第一工場実績推定

全工場実績推定

第一工場実績推定

全工場実績推定

R1 ― 0 2,057,697

R2 ― 0.069 355 1,154 1,509 6,688,924

R3 24 10.682 0.677 58,433 189,949 248,382 3,721,529

R4 25 5.330 1.262 0.069 33,911 110,233 642 871 145,658 5,052,061

R5 26 5.342 1.539 10.682 0.677 35,398 115,066 105,682 143,466 399,612

R6 27 5.354 1.772 5.330 1.262 36,658 119,163 61,331 83,258 300,410

R7 28 5.366 2.031 5.342 1.539 38,052 123,695 64,020 86,908 312,675

R8 29 5.378 2.521 5.354 1.772 40,634 132,090 66,299 90,002 329,025

R9 30 5.391 2.333 5.366 2.031 39,734 129,163 68,820 93,425 331,143

R10 31 5.403 2.438 5.378 2.521 40,336 131,120 73,491 99,766 344,712

R11 32 5.415 2.372 5.391 2.333 40,058 130,217 71,863 97,555 339,693

R12 33 5.427 2.900 5.403 2.438 42,836 139,247 72,951 99,033 354,067

R13 34 5.439 2.795 5.415 2.372 42,358 137,691 72,449 98,351 350,849

R14 35 5.452 2.854 5.427 2.900 42,728 138,895 77,473 105,171 364,268

R15 36 5.464 4.178 5.439 2.795 49,601 161,237 76,608 103,997 391,442

R16 37 5.476 3.619 5.452 2.854 46,787 152,089 77,278 104,906 381,060

R17 38 5.488 3.454 5.464 4.178 46,000 149,531 89,707 121,780 407,018

R18 39 5.500 3.506 5.476 3.619 46,329 150,601 84,618 114,871 396,420

R19 40 5.513 3.326 5.488 3.454 45,470 147,808 83,195 112,939 389,412

5,787,355 17,520,211計

R4年度工事分

(千円)

R2年度工事分

(千円)

点検補修費割合 A

R1年度工事分

(千円)

年度

R3年度工事分

(千円)

点検補修費 B=A×C÷2検討対象期間中の点検補修費

A + B

(千円)

再稼働する場合の点検補修費

R1年度、R2年度分工事分(%)

R3年度、R4年度分工事分(%)

整備工事費(プラント部分)C

(千円)

12

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表 15 再稼働する場合の廃棄物処理 LCCと残存価値の推移(税込)

注 1)小数点以下は四捨五入により算出した。

注 2)残存価値は、表 12の各年度のそれに消費税を考慮した。

注 3)発電設備は、令和4年度中に整備を完了する。同年度はしゅん工時の売電収入(表 11)を見込む。

稼働年数

R1 ― 10% 2,263,467 0 0 1,950,880 1,601,709 1.0000 2,263,467 0 0 1,950,880 1,601,709

R2 ― 10% 7,357,816 1,659 0 2,598,800 1,485,513 1.0400 7,074,823 1,595 0 2,498,846 1,428,378

R3 24 10% 4,093,682 273,220 0 1,258,332 1,369,318 1.0816 3,784,839 252,607 0 1,163,399 1,266,011

R4 25 10% 5,557,267 160,223 33,791 1,258,332 1,253,123 1.1249 4,940,232 142,433 30,039 1,118,617 1,113,986

R5 26 10% 439,573 98,262 936,236 1,136,927 1.1699 375,736 83,992 800,270 971,816

R6 27 10% 330,451 98,262 936,236 1,020,732 1.2167 271,596 80,761 769,488 838,935

R7 28 10% 343,942 98,262 936,236 904,537 1.2653 271,826 77,659 739,932 714,879

R8 29 10% 361,927 98,262 936,236 788,341 1.3159 275,041 74,673 711,480 599,089

R9 30 10% 364,257 98,262 936,236 672,146 1.3686 266,153 71,798 684,083 491,119

R10 31 10% 379,183 98,262 936,236 555,951 1.4233 266,411 69,038 657,792 390,607

R11 32 10% 373,662 98,262 936,236 439,755 1.4802 252,440 66,384 632,506 297,092

R12 33 10% 389,473 98,262 936,236 323,560 1.5395 252,987 63,827 608,143 210,172

R13 34 10% 385,933 98,262 936,236 207,365 1.6010 241,057 61,375 584,782 129,522

R14 35 10% 400,694 98,262 936,236 172,804 1.6651 240,643 59,013 562,270 103,780

R15 36 10% 430,586 98,262 936,236 138,243 1.7317 248,649 56,743 540,646 79,831

R16 37 10% 419,166 98,262 936,236 103,682 1.8009 232,754 54,563 519,871 57,572

R17 38 10% 447,719 98,262 936,236 69,121 1.8730 239,038 52,462 499,859 36,904

R18 39 10% 436,062 98,262 936,236 34,560 1.9479 223,863 50,445 480,639 17,742

R19 40 10% 428,353 98,262 936,236 0 2.0258 211,449 48,505 462,156 0

19,272,232 6,366,083 1,507,723 21,109,884 18,063,361 4,266,278 1,001,277 15,985,659

税率 残存価値

(千円)

社会的割引考慮前

残存価値

(千円)

社会的割引考慮後

ごみ処理経費

(千円)

ごみ処理経費

(千円)

売電収入

(千円)

売電収入

(千円)

年度整備工事費

(千円)

点検補修費

(千円)割引係数

整備工事費

(千円)

点検補修費

(千円)

13

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表 16 施設更新する場合の点検補修費(税抜)

注 1)小数点以下は四捨五入により算出した。

注 2)点検補修費算出用の新施設建設費は、プラント部分のみとする。

稼働年数

R1 ―

R2 ―

R3 ―

R4 ―

R5 ― 0.069 13,272,000 9,156

R6 1 0.677 13,272,000 89,840

R7 2 1.262 13,272,000 167,481

R8 3 1.539 13,272,000 204,209

R9 4 1.772 13,272,000 235,141

R10 5 2.031 13,272,000 269,520

R11 6 2.521 13,272,000 334,550

R12 7 2.333 13,272,000 309,651

R13 8 2.438 13,272,000 323,543

R14 9 2.372 13,272,000 314,834

R15 10 2.900 13,272,000 384,932

R16 11 2.795 13,272,000 370,998

R17 12 2.854 13,272,000 378,723

R18 13 4.178 13,272,000 554,472

R19 14 3.619 13,272,000 480,256

4,427,306

新施設建設費 B[プラント部分]

(千円)

年度建設費に対する

点検補修費割合 A(%)

点検補修費A ×B

(千円)

建替工事期間中は、施設の休止を継続する。汚水処理設備の運用は継続するが少額のため点検補修費は計上しない。

施設更新する場合の点検補修費

建替工事期間中の点検補修費

14

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表 17 施設更新する場合の廃棄物処理 LCCと残存価値の推移(税込)

注 1) 小数点以下は四捨五入により算出した。

注 2)残存価値は、表 12の各年度のそれに消費税を考慮した。

注 3)令和5年度はしゅん工時の売電収入(表 11)を見込む。

稼働年数

R1 ― 10% 4,866,400 0 0 1,950,880 0 1.0000 4,866,400 0 0 1,950,880 0

R2 ― 10% 4,866,400 0 0 2,598,800 0 1.0400 4,679,231 0 0 2,498,846 0

R3 ― 10% 4,866,400 0 0 2,598,800 0 1.0816 4,499,260 0 0 2,402,737 0

R4 ― 10% 4,866,400 0 0 2,598,800 0 1.1249 4,326,073 0 0 2,310,250 0

R5 ― 10% 4,866,400 10,071 78,786 2,598,800 23,520,933 1.1699 4,159,672 8,608 67,344 2,221,386 20,105,080

R6 1 10% 98,824 229,101 1,258,332 22,709,866 1.2167 81,223 188,297 1,034,217 18,665,132

R7 2 10% 184,229 229,101 1,258,332 21,898,800 1.2653 145,601 181,065 994,493 17,307,200

R8 3 10% 224,629 229,101 1,258,332 21,087,733 1.3159 170,704 174,102 956,252 16,025,331

R9 4 10% 258,655 229,101 1,258,332 20,276,666 1.3686 188,992 167,398 919,430 14,815,626

R10 5 10% 296,472 229,101 1,258,332 19,465,600 1.4233 208,299 160,965 884,095 13,676,386

R11 6 10% 368,005 229,101 1,258,332 18,654,533 1.4802 248,618 154,777 850,109 12,602,711

R12 7 10% 340,616 229,101 1,258,332 17,843,466 1.5395 221,251 148,815 817,364 11,590,429

R13 8 10% 355,897 229,101 1,258,332 17,032,400 1.6010 222,297 143,099 785,966 10,638,601

R14 9 10% 346,317 229,101 1,258,332 16,221,333 1.6651 207,986 137,590 755,710 9,741,957

R15 10 10% 423,425 229,101 1,258,332 15,410,266 1.7317 244,514 132,299 726,645 8,898,924

R16 11 10% 408,097 229,101 1,258,332 14,599,200 1.8009 226,607 127,215 698,724 8,106,613

R17 12 10% 416,595 229,101 1,258,332 13,788,133 1.8730 222,421 122,318 671,827 7,361,523

R18 13 10% 609,919 229,101 1,258,332 12,977,066 1.9479 313,116 117,615 645,994 6,662,080

R19 14 10% 528,281 229,101 1,258,332 12,166,000 2.0258 260,776 113,092 621,153 6,005,529

24,332,000 4,870,032 3,286,205 29,962,728 22,530,636 2,971,013 2,135,991 22,746,078

売電収入

(千円)

ごみ処理経費

(千円)

残存価値

(千円)

社会的割引考慮後

新施設建設費

(千円)

点検補修費

(千円)

新施設建設費

(千円)

点検補修費

(千円)割引係数

年度税率 残存価値

(千円)

社会的割引考慮前

売電収入

(千円)

ごみ処理経費

(千円)

15

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6 事業の評価

費用対効果の分析結果を表 18に示す。

分析対象期間最終年度(令和 19 年度)において「再稼働する場合」と「施設更新する場合」の廃

棄物処理 LCCを比較した結果、「再稼働する場合」の方が廃棄物処理 LCCを約 28億円低減できること

から、再稼働の効果があると言える。

また、「施設更新する場合」に対する「再稼働する場合」の廃棄物処理 LCC の累計比は 1.069 とな

った。この廃棄物処理 LCC の累計比が新施設建設後に初めて「1」を上回るのは令和 16年度(1.009)

であった。

表 18 廃棄物処理 LCC効果の分析結果(税込)

再稼働する場合 施設更新する場合

4,266,278 千円 2,971,013 千円

22,530,636 千円

18,063,361 千円

-1,001,277 千円 -2,135,991 千円

15,985,659 千円 22,746,078 千円

LCC 計 37,314,021 千円 46,111,736 千円

現施設 0 千円 0 千円

新施設 -6,005,529 千円

37,314,021 千円 40,106,207 千円廃棄物処理LCC(残存価値控除後)

「再稼働する場合」と「施設更新する場合」を廃棄物処理LCCにより定量的に比較した結果、「再稼働する場合」の方が廃棄物処理LCCを約28億円低減することができる。

項目

検討対象期間(令和元年度~19年度:19年間)

点検補修費

建設費

整備工事費

売電収入

評価

ごみ処理経費

廃棄物処理LCC

残存価値

16