環境内部監査員養成セミナー共通科目Day-3 11 ISO19011:2011の解説及び環境内部監査手順の理解（3）【ロールプレイ2】内部監査チェックリストの作成

Day3-§9 MU EMS-IA 2013 1

環境内部監査員養成セミナー共通科目

Day-3 §9ISO19011:2011の解説及び環境内部監査手順の理解（１）


内部監査の要求事項及び指針

ISO14001 4.5.5内部監査 Day2-§6参照

ISO19011:2011 マネジメントシステム監査の指針

内部監査（第1者監査）及びサプライヤー監査（第2者監査）に焦点を合わせた指針

以前の2003年版までは、認証審査（第3者監査）も対象にしていた。

MU-Mp.30-33


ISO19011及び内部監査手順の理解（１）

JIS Q 19011規格

序文1. 適用範囲2. 引用規格3. 用語及び定義4. 監査の原則5. 監査プログラムの管理

5.1 一般5.2 監査プログラムの目的の設定5.3 監査プログラムの策定5.4 監査プログラムの実施5.5 監査プログラムの監視5.6 監査プログラムのレビュー及び改善

6. 監査の実施6.1 一般6.2 監査の開始6.3 監査活動の準備6.4 監査活動の実施6.5 監査報告書の作成及び配付6.6 監査の完了6.7 監査のフォローアップの実施

7. 監査員の力量及び評価7.1 一般7.2 監査プログラムのニーズを満たす

監査員の力量の決定7.3 監査員の評価基準の設定7.4 監査員の適切な評価方法の選定7.5 監査員の評価の実施7.6 監査員の力量の維持及び向上※赤字は、2003年版からの変更箇所


ISO19011及び内部監査手順の理解（1）

ISO19011 3．用語及び定義 3.1 監査（audit）

監査基準（3.2）が満たされている程度を判定するために、監査証拠（3.3）を収集し、それを客観的に評価するための体系的で、独立し、文書化されたプロセス。

3.2 監査基準（audit criteria）監査基準（3.2）と比較する基準として用いる一連の方針、手順又は要求事項。

3.3 監査証拠（audit evidence）監査基準（3.2）に関連し、かつ、検証できる、記録、事実の記述またはその他の情報。

3.4 監査所見（audit findings）収集された監査証拠（3.3）を、監査基準（3.2）に対して評価した結果。

3.5 監査結論（audit conclusion）監査目的及び全ての監査所見（3.4）を考慮した上での、監査（3.1）の結論。



3.13 監査プログラム（audit programme）特定の目的に向けた、決められた期間内で実行するように計画された一連の監査（3.1）の取決め。

3.14 監査範囲（audit scope）監査（3.1）の及ぶ領域及び境界。

3.15 監査計画（audit plan）監査（3.1）のための活動及び手配事項を示すもの。

3.17 力量（competence）意図した結果を達成するために、知識及び技能を適用する能力。

3.18 適合（conformity）要求事項を満たしていること。

3.19 不適合（nonconformity）要求事項を満たしていないこと。



内部監査チーム（audit team）

監査（3.1）を行う一人又は複数の監査員（3.8）。必要な場合は，技術専門家（3.10）による支援を受ける。

内部監査チームリーダー

監査を運営管理する内部監査員

内部監査チームの全体的な管理

意思決定

監査計画書と監査チームの準備、被監査部門との連絡調整

監査報告書の提出

内部監査チームメンバー（監査員）



ISO19011 4．監査の原則

a）高潔さ：専門家であることの基礎

b）公正な報告：ありのままに、かつ、正確に報告する義務

c）専門家としての正当な注意：監査の際の広範な注意及び判断

d）機密保持：情報のセキュリティ

e）独立性：監査の公平性及び監査結論の客観性の基礎

f）証拠に基づくアプローチ：体系的な監査プロセスにおいて、信頼性及び再現性のある監査結論に到達するための合理的な方法


～監査員の品位（資質）～

監査員として許されないこと

皮肉を言う

不適切な言葉遣いをする

否定的な態度を示す

批判する

話を脱線させる

言い争う

他の被監査者と比較する

宗教、政治、性別について言及する

面談の前に酒を飲み過ぎる

遅刻する



ISO19011 5．監査プログラムの管理 ⇒

5.2 監査プログラムの目的の設定

5.3 監査プログラムの策定

5.4 監査プログラムの実施

5.5 監査プログラムの監視

5.6 監査プログラムのﾚﾋﾞｭｰ及び改善

7 監査員の力量及び評価

6 監査の実施

Plan

CheckCheck

Act

Do

Check



三重大学の内部監査プログラム

MU-Mp.30-33



ISO19011 6．監査の実施

6.2 監査の開始

6.3 監査活動の準備

6.4 監査活動の実施

6.5 監査報告書の作成及び配付

6.6 監査の完了

6.7 監査のフォローアップの実施※

※監査計画に規定している場合

6.2.2 被監査者との最初の連絡6.2.3 監査の実施可能性の判定

6.3.1 監査に備えた文書ﾚﾋﾞｭｰの実施6.3.2 監査計画の作成6.3.3 監査チームへの作業の割り当て6.3.4 作業文書の作成

6.4.2 初回会議の実施6.4.3 監査の実施中の文書ﾚﾋﾞｭｰの実施6.4.4 監査中の連絡6.4.5 案内役及びオブザーバーの役割及び責任の割り当て6.4.6 情報の収集及び検証6.4.7 監査所見の作成6.4.8 監査結論の作成6.4.9 最終会議の実施

6.5.1 監査報告書の作成6.5.2 監査報告書の配付



三重大学の監査の実施手順

MU-Mp.31

①EMS年間計画書

②監査計画・準備

③内部監査の実施

④是正処置

⑤フォローアップ活動

②-1 監査に備えた文書の検討②-2 監査前打合せ②-3 監査の計画②-4 内部監査チェックリストの作成

③-1 初回会議の実施③-2 監査の実施（情報の収集及び検証）③-3 監査の実施（チェックリストへの記入）③-4 監査所見の作成③-5 監査結論（内部監査報告書等）の作成（チームミーティング）

最終会議の実施③-6 監査結論の承認（環境内部監査責任者への報告）

③-7 監査報告書／内部監査是正処置要求・報告書の配付

④-1 是正処置の実施

⑤-1 是正処置のフォローアップ



Day-3 §10ISO19011:2011の解説及び環境内部監査手順の理解（２）

【ロールプレイ１】内部監査の計画


～監査員の仕事～

監査員は何をすべきか

準備する：監査の主題となるものを知る

学習する：被監査部門とそのプロセスに関してできるだけを学ぶ。

管理する：監査を管理する。

補佐する：誤解や解釈違いがある部分の問題を解く手助けをする。

聞く：被監査部門の話を聞く。

視察する：整理・整頓・安全に関して視察する。

入手する：客観的証拠を集める。

誉める：被監査部門を誉める。

簡潔に行う：質問を簡潔明瞭にする。




MU-Mp.31




④是正処置








ｉ



②-3 監査の計画

内部監査の計画作成のポイント

監査プログラム、被監査者から提供される文書類の情報に基づいて、監査計画を作成する

被監査者のプロセスに対する監査活動の影響を考慮する

監査依頼者、監査チーム及び被監査者の間で、監査の実施に関する合意形成の基礎とすること

監査計画によって、効果的に目的を達成するための監査活動の効率的なスケジュール作成及び調整をしやすくすること

以下の事項を認識すること

適切なサンプリング技法

監査チームの構成及びその総体的な力量

監査によって生み出される組織に対するリスク



良く練られた監査計画の利点

時間の有効利用

戦術的効果の向上

監査結果の向上

Ｒ１Ｒ１Ｒ１



Day-3 §11ISO19011:2011の解説及び環境内部監査手順の理解（３）

【ロールプレイ２】内部監査チェックリストの作成




MU-Mp.31




④是正処置










②-4 内部監査チェックリストの作成

チェックリストの目的

監査の範囲を特定し、伝達すること。

監査し、処理するための要点をリスト化すること。

客観的/監査証拠の収集のための手順を伝えること。

監査実施のためのガイドとなること

監査のペースを調整すること



チェックリストの作成・活用テクニック

実際の審査状況を想定し、作成する

質問は、Yes/Noで答えられないような形式で行う

客観証拠として、５W1Hを収集できるように工夫する。

（- なぜ、- どのように、- いつ、- 何が、- どこで、- 誰が）

但し、監査側は、適合（正解）のパターンを把握しておく必要がある

リストの形式で作成する。

質問する際は、オープンクエスチョンで・・


ISO19011及び内部監査手順の理解（3）実際の監査では、

①チェックリストに基づき質問

②質問に対する回答のヒアリング・観察

③ヒアリング・観察結果（客観的証拠）の記録

④判定（適合／不適合／観察事項）

内部監査チェックリスト

監査実施日：監査リーダー／メンバー：被監査者：

No.優先順位A：高い

⇒C:低い

規格要求事項

チェック項目 ✓ 確認事項（監査証拠）

確認結果（判定）

※ 優先順位の基準は、内部監査スケジュールの進行状況により優先順位の高い項目（A）から確認するなど、監査確認項目の判断材料に使用して下さい。※ 判定の記入判例〇：適合、×：不適合、△：観察事項

1

2

ｉ



客観的証拠の収集ポイント

観察

面談（ヒアリング）

部署や作業場の視察

文書（記録）、製品、工程等の検証の確認

事業所ツアー

これらの客観的証拠（監査証拠）を記録し、監査所見の根拠とする。

不適合の場合、要求事項／基準とどこが違うか、どの部分／活動が不十分かを明確に記録する。

観察事項の場合、改善ポイント、提案ポイントを明確に記録する。



監査での判定について

適合

要求事項を満たしている

不適合

EMSがISO14001（JIS Q 14001）の要求事項から乖離している。

EMSを実施する上で、欠陥・欠落がある。又はEMSが機能していない。

有害な著しい環境影響を招いている。

法律・条例等違反を招いている。

観察事項

不適合ではないが、改善することが望ましい(システム運用が困難な場合、良い提案事項がある場合等) MU-M

p.33



不適合の記述について

事実を立証する。

規格要求事項、マニュアル・手順書のどの部分に該当するか

正確な監査証拠（客観的証拠）を記述する。

- なぜ、- どのように、- いつ、- 何が、- どこで、- 誰がを記録する。

文書名、記録名、日付など固有の証拠も記録する。

被監査部門への不適合の処置、是正処置の援助となる様配慮。

不適合の場合は、処置／是正処置は必須である

MU-Mp.33



観察事項の記述について

観察事項とは：不適合ではないが、改善することが望ましい(システム運用が困難な場合、良い提案事項がある場合等)

正確な監査証拠（客観的証拠）の記録

- なぜ、- どのように、- いつ、- 何が、- どこで、- 誰がを記録する。

文書名、記録名、日付など固有の証拠も記録する。

改善ポイント、提案ポイント（内容）の記録

Ｒ２



Day-3 §12ISO19011:2011の解説及び環境内部監査手順の理解（４）

【ロールプレイ３】内部監査の準備～監査準備～




MU-Mp.31




④是正処置










③-1 初回会議（オープニングミーティング）

以下の事項等を簡潔に報告・確認する

監査目的、監査範囲の確認

内部監査チームの紹介

被監査者の確認（紹介）

日時等の確認

監査方法と手順の確認

公式な連絡経路の確認

必要な資源/設備の確認

不明瞭な事項の明確化



実地監査

③-2 監査の実施（情報の収集及び検証）

③-3 監査の実施（チェックリストへの記入）

③-4 監査所見の作成

チェックリストを手がかりに進行していくと良い。

監査計画に従い、監査リーダーは時間調整を行う

用意した質問事項については、優先順位／網羅性などを考慮して、活用していくと良い。

MU-Mp.32



面談の注意事項／ポイント

何を観察する必要があるか事前に知っておく。

信頼感と率直なコミュニケーションを促す雰囲気を作る。（リラックスさせる）

監査対象はシステムであって個人ではないことを明確にする。

監督者のみでなく、実際の作業に従事している作業員に直接質問する。

難解な言葉を使用しない。

明確に、慎重に話す。

相手の話を良く聞く。観察する。

質問を５Ｗ１Ｈの形式で行う。

（ＹＥＳ、ＮＯで返答できない質問）



監査員として許されないこと

皮肉を言う

不適切な言葉遣いをする

否定的な態度を示す

批判する

話を脱線させる

言い争う

他の被監査者と比較する

宗教、政治、性別、について言及する

面談の前に酒を飲み過ぎる

遅刻する



監査チームまとめ

③-5 監査結論（内部監査報告書等）の作成（チームミーティング）

内部監査リーダーは、チームミーティングを開催し、チームの結論（判定）を行う。

その際、実地審査で記録した「内部監査チェックリスト」及び各チームメンバーの見解を参考にする。

但し、最終的には、内部監査チームリーダーがチーム結論を決定する。（最終決定は、環境内部監査責任者）

「内部監査結果報告書」にまとめる



最終会議（クロージングミーティング）

各監査員の所見事項のまとめと不適合／観察事項箇所の説明

全体的な監査のまとめ

質疑応答

是正処置の期限の決定

会議終了

Ｒ３


セミナーDay３終了

本日の講座お疲れ様でした。

残すところ1日です。

明日の実地監査では、積極的に、楽しんで体験してみましょう！

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