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東北大学電気通信研究所シンポジウム �「災害に強い情報通信ネットワークを考える」�
平成23年6月15日�
災害に強い情報通信ネットワークの構築について
中沢 正隆
東北大学 電気通信研究所
ICTによる被災地の創造的復興の実現 (情報インフラの連携、的確な情報流通) 東日本の復興から、日本の復興へ、やがて世界を先導する日本の新ICT技術へ ・通研/青葉山電気情報系の総合力の発揮 ・産学官連携、地元連携による情報通信イン フラ再構築 ・全国附置研究所群・センター群での協力 (文系理系のいろんな角度からの街作り貢献)
我々に課せられた使命
共同プロジェクトUの創設(1) �
東日本大震災による被災を通じて,将来に向けての災害に強い情報通信環境を目的とした「災害に強い情報通信環境の実現をめざす研究」をテーマとする緊急の共同プロジェクト研究Uを創設。UはUrgentを意味している。(助成規模:5件程度/1件最大100万円、所長裁量経費より支出) 通研共同プロジェクト研究は,通研で行う共同研究で共同利用・共同研究拠点運営の基盤です。共同研究の相手は企業・大学・独立行政法人研究所(産学官)等。 今までの共同研究のタイプ: タイプA:個人提案の共同研究 タイプB:個人提案の研究会開催等 タイプS:組織間連携共同研究
共同プロジェクトUの創設(2) �
☆光ファイバネットワークを利用した地震・津波・地殻変動の 面的な計測技術の構築 ☆分散化による無喪失情報ストレージ ☆防災無線による音声情報伝達の明瞭化 など積極的な応募を期待。
プロジェクトを応募開始
光ファイバネットワークを利用した地震・津波・地殻変動の面的な計測技術の構築�
背景と目的
光通信波長1.55 µm帯の周波数安定化レーザと光ファイバ網を用いて、地殻歪み・重力・傾斜等の面的分布を多元的に観測する計測ネットワークを構築する。
技術の概要
・地震・津波計の干渉計測用光源として周波数安定化レーザを共通に用いることにより、光源の一元管理と、周波数絶対標準に基づく各セン
サーの高精度化を実現
・地震計、津波計、歪み計、重力計、傾斜計など、多点に設置された各種光センサーを光ネットワークでつなぐことにより、地震・津波・地殻変動等の多元的な情報とその面的分布を一括測定
これまでの研究実績と技術の特長
アドバンテスト研究所と共同で周波数安定度10-10~10-11の超高安定ファイバレーザを開発し、世界で初めて超多値コヒーレントQAM伝送を実証。さらに、本レーザを用いた絶対重力計に関して東大地震研、沖電気等と共同研究を実施。H19~21共同研究プロジェクト実施
期待される効果
・地殻歪み・傾斜・重力とその面的分布を一括測定することにより地震・津波の検出精度を向上・光ファイバネットワークを介して干渉計測用標準光の配信ならびに計測データの送受信を行うことにより、地震・津波計測の高効率化を実現
周波数安定化
レーザ
光ファイバネットワーク
高精度干渉計測
面的情報の収集
津波計
地震計
歪み計
傾斜計
など
災害時のトラフィック激増に耐える高速光ネットワーク �背景と目的
今回の震災で光回線の途絶の要因となった光ファイバケーブルの物理的破断およびそれに伴うトラフィックの輻輳を回避するために、急増するトラフィックを漏れなく収容し、激甚災害時でも最低限の回線接続を確保するディペンダブル光ネットワークを構築する。
技術の概要
・光回線の迂回制御および動的帯域制御技術:ファイバケーブルの破断やトラフィックの集中箇所ならびに帯域の占有状況を検出し、迂回経路
および空き周波数を迅速に確保するルーティング技術
・回線切替時の伝送路品質補償技術:ディジタルコヒーレント技術により、未知の回線に迂回しても分散・遅延歪みをLSIで瞬時に補償
これまでの研究実績と技術の特長
光通信の高速化・超多値化に関する研究(256̃512 QAM)で世界をリードしており、これまでの技術的蓄積を活かして柔軟性・堅牢性に優れた光ネットワークの構築に貢献する。
期待される効果
・災害時に回線が破断しても接続が必ず確保・維持されるディペンダブルな光ネットワークの構築・トラフィックの急激な変化にも迅速に対応可能なフレキシブルな光ネットワークの実現
トラフィックの集中
ケーブル
破断
変調フォーマット
(多値度)切替
空き光回線の
モニタと迂回制御周波数
周波数
未知の回線への接続回線切替時の伝送
品質を補償する
ディジタルコヒーレント技術
・トラフィックに応じた適応変調技術:トラフィックの増加に応じて光信号の変調多値度を拡大させ、利用可能な帯域の中で全てのトラフィックを必要最小限の誤り率で収容する適応変調技術
■ 東北地方は、我が国有数の電気通信分野の研究拠点としての歴史を持つ。 ■ 東北大学では、1935年に電気通信研究所を設置するなど、電気通信分野の先駆的研究の重点化に戦前から組織的に取り組んでおり、多数の研究成果を上げている。 (成果の例) ・テレビの受信用に使用されている八木・宇田アンテナ ・電子レンジに使用されているマグネトロン ・光通信の3要素(発光素子、光伝送路、受光素子)、 増幅器の開発等、光ファイバ通信の基礎を確立 ■ このような東北地方の強みを復興に当たって最大限に活かすことが必要。
① 東北地方におけるICT拠点の集積化・地域からのイノベーション創出 �
Ø 東北大学を中心とするICT研究の重要拠点という強みを活かし、情報通信技術の開発・実証拠点の整備、東北地方への国内・海外研究開発拠点の誘致など、ICT産業の開発拠点の集積化を図る。このため、研究開発用施設整備費用に対する支援や進出企業に対する
税制上の優遇、競争的資金制度におけるインセンティブ付与等の支援策を実施。 ��
② 電波を利用した新たな事業の創出�
Ø ホワイトスペースやセンサーネットワークなどの新たな無線技術の活用や、新たな無線システムの有効性を検証するテストベッドの構築等により、被災地の活性化、情報通信基盤の確立、魅力あるまちづくり等を推進。 ��
施策例�
課 題�
東北大学電気通信研究所
東北工業大学工学部
仙台工業高等専門学校 日本に3校しか存在しない 電波高専の1つ
会津大学
日本大学工学部
福島工業高等専門学校
<被災地におけるICT研究拠点等>�
岩手大学工学部
岩手県立大学ソフトウェア情報学部
一関工業高等専門学校
岩手県地域連携研究センター
いわき明星大学科学技術部
石巻専修大学理工学部
東北学院大学工学部
八戸工業大学工学部
八戸工業高等専門学校
弘前大学工学部
青森大学 ソフトウェア情報学部
日本学術会議シンポジウム「安全安心社会の構築に向けて」~電気電子工学からの提言~ 2011.6.10 “震災復興とICT” 谷脇康彦氏 (総務省 情報通信国際戦略局 情報通信政策課長)